JP2005533099A - 化合物の水和物混合物を制御する方法 - Google Patents

化合物の水和物混合物を制御する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、化合物の水和物混合物または当該化合物を含む組成物を制御する方法であって、該化合物は、異なる安定性および溶解性を有する複数の水和形態を形成する能力を有し、共晶点未満に凍結したとき共晶混合物である溶液を与えることができるもの、に関する。

Description

本発明は、化合物の水和物混合物または当該化合物を含む組成物を制御する方法であって、該化合物は、安定性の異なる複数の水和形態を形成する能力を有する。より具体的には、本発明は、化合物の水和物混合物または当該化合物を含む組成物を制御する方法であって、該化合物は、異なる安定性および溶解性を有する複数の水和形態を形成する能力を有し、共晶点未満に凍結したとき共晶混合物である溶液を与えることができるもの、に関する。
複数の水和形態を示す化合物の例は、ホスフルコナゾールの二ナトリウム塩(以下DSFF)である。DSFFは国際公開番号WO97/28169号に公開されており、下記の構造を有する。
Figure 2005533099
DSFFには現在多数の水和状態の存在が確認されており、これらは十二水和物形(水分33.4%w/w)、六水和物形(水分20.1%w/w)、三水和物形(水分11.2%w/w)、および一水和物形(水分4.0%w/w)であると仮定されている。DSFFの無水物は非晶質形であると考えられる。DSFF三水和物および六水和物形は化学的にも熱的にも安定であるのに対し、十二水和物など一部の水和物形は物理的および/または化学的に不安定であることが判明している。特定の理論に拘束されることは望まないが、DSFFの共晶形態は十二水和物と考えられており、この十二水和物形は熱的に不安定であることが判明している。さらに、水分含量が4.0%w/wから11.2%w/wのDSFFの形態も、化学的に不安定であることが見出されている。このような水和物混合物は三および一水和物形の配合物と仮定されている。加えて、化学量論的に六水和物(20.1%w/w)を超す水分含量のDSFF試料は、六水和物と水の平衡化に合致する様式で崩壊することが判明している。実際、不安定な水和物形を含む組成物は、安定形が含有されている可能性があるにもかかわらず、分解する。
DSFFの安定な水和形態は、アセトニトリル/水混液またはイソプロパノール/水混液のいずれかからの結晶化によって得られる。しかし得られた生成物が医薬品として有用であるためには無菌でなければならないが、無菌状態での再結晶は慣用されておらず、また経済的でもない。
凍結乾燥法は、別法では生物学的または化学的に分解しやすい不安定な生成物の安定化のために周知の技術である。この方法は多数の原薬を固体状態で安定化し、優れた品質と安定性の生成物を生産するための標準的方法として確立されている。
凍結乾燥を可能にするためには、溶液をさらに冷却しても相組成に影響しない温度、いわゆる共晶温度より低い温度まで冷却しなければならないことは、当技術分野で周知である。古典的な教科書モデルにおいては、熱力学的平衡共晶凝固は普遍的であると示唆されている。しかし熱力学的平衡共晶凝固が生じるのは凍結溶液のうち少数のみで、大半においては、実際にはガラスが形成されることが当技術分野で認識されている。F.Franks,Cryo−Letters,11.,93110,1990は、凍結プロセスにおいて溶液に起こっている事象が平衡状態図から予測できることはほとんどないことを教示している。実際には、溶質が不完全に沈殿したり、全く沈殿しなかったりする。
しかしDSFFは珍しい化合物の例であり、凍結時には古典的モデルに適合し、溶液から沈殿する。
典型的な凍結乾燥工程には、化合物またはその組成物の温度をその「崩壊」温度未満に低下させることが含まれる。冷却時に結晶化する、すなわち古典的モデルに従う挙動をとる化合物またはその組成物では、崩壊温度が共晶温度となる。結晶化しないか、または部分的にしか結晶化しない化合物またはその組成物では、崩壊温度は凍結濃縮体のガラス転移温度である。適切な温度条件が適用された後、凍結した生成物から氷を昇華させるため、装置内の圧力を大気圧から約83.3Pa〜約5.3Paへと減圧する。これが一次乾燥段階である。理想的には、氷が全て除去されるまで、装置内の棚温度は化合物または組成物の崩壊温度未満に維持すべきである。しかし工程の処理速度を上げる試みとして、温度を上昇させることが一般的な慣行である。この状況では、崩壊温度以下の品温を保つため、系に加わる熱と系から離れる熱および物質移動との均衡が維持される水準に棚温度を保たなければならない。化合物またはその組成物の大半、すなわち古典的モデルに従う挙動をとらないものでは、氷の昇華が完了する時間を超えて一次乾燥段階を延長した場合、その影響はほとんどない。一次乾燥段階の完了後、非晶質化合物には通常、依然としてかなりの量の水が含有される(例:約30重量%〜約50重量%)。したがって、化合物の完全な脱水を果たすため、二次乾燥段階を実施する。二次乾燥段階では装置内の棚温度が崩壊温度未満から約25℃〜約30℃へと上昇される。
しかし一部の化合物およびその組成物、より具体的には、安定性の異なる複数の水和形態を示すものにおいては、このような二次乾燥段階により有害な影響を受ける可能性が発見されている。例えば、DSFFを通常の凍結乾燥工程で処理したとき、水分含量約1.2%w/w、すなわち一水和物の化学量論(水分4.0%w/w)を下回る水分含量の生成物が生成される。DSFFのこの形態は化学的に不安定であり、分解する。さらに、水分含量が4.0%w/wから11.2%w/wのDSFFの形態も、化学的に不安定であることが見出されている。このような水和物混合物は三および一水和物形の配合物と仮定されている。加えて、化学量論的に六水和物(20.1%w/w)を超す水分含量のDSFF試料は、六水和物と水の平衡化に合致する様式で崩壊することが判明している。
化合物の水和物混合物は、原則的に、その化合物が曝露される相対湿度(RH)を制御する工程により制御される。このような工程では、化合物または組成物に対して凍結乾燥装置内で標準的な乾燥サイクルを実施した後、適切に選択したRHを含有する気体を制御した温度で供給して再水和させる。しかし実際には、このような工程に随伴する重大な問題が多数ある。第1に、上に論じたように、化合物および組成物を医薬目的に使用するときには、無菌的な形で調製することが必須である。このため、湿度を含む再水和気体によって、関連する送達システムの腐食または微生物汚染が起こらないことを確実にするという重大な実務的問題、すなわち工程の経済的実行可能性に大きく影響する問題が生じる。さらに、中間体の再水和率は、経済的に実行可能な工程には不十分である可能性がある。加えて、不安定な中間体が形成される水準まで化合物または組成物が乾燥される可能性もあり、すなわち工程の最終生成物が汚染され、したがって医薬品目的の使用には許容されないものとなることもあり得る。
不安定および安定水和状態の混合物(例えば、一および三水和物の混合物としてのDSFF化合物)を有する化合物の、見かけの不安定性により、医薬品としての有用性が保存性不良のため制限されており、したがって、このような化合物の安定な水和物混合物を製造する方法が当技術分野で必要とされている。具体的には、DSFFの三および六水和物形の混合物を製造する方法が当技術分野において必要とされている。
意外にも、不安定および安定水和状態の混合物を有する化合物を本発明の方法により処理し、化学的にも熱的にも安定な対応する水和物混合物を得ることができ、しかも再現が容易で経済的に実行可能な様式で調製することができることを見出した。
本発明は、化合物の安定な水和物混合物、または当該化合物を含む組成物を調製する方法であって、該化合物は、異なる安定性および溶解性を有する複数の水和形態を形成する能力を有し、共晶点未満に凍結したとき共晶混合物である溶液を与えることができるものであり、下記の段階を含む方法を提供する。
a)凍結乾燥装置内部の適した容器内で、化合物またはその組成物を含有する水性混合物の一定量を供給する段階。
b)凍結および共晶固化を起こすために装置内の温度を低下させる段階。
c)装置内の圧力を氷の温度での氷上の水の飽和蒸気圧(SVP)未満に減圧する段階。
d)氷の全量を昇華するまで、装置の圧力をSVP未満に維持し、必要に応じて昇華を促進するため装置内の温度を上昇する段階。
e)所望の水分含量に達するまで段階d)の圧力および温度条件に装置を維持する段階。
f)装置内の圧力を大気圧の約60%〜約100%(約60.8kPa〜約101.3kPa)へと上昇させた後、装置内の温度を約5℃〜約30℃に調整するか、
または
装置内の温度を5℃〜30℃に調節した後、装置内の圧力を大気圧の約60%〜約100%(約60.8kPa〜約101.3kPa)へと上昇させるか、いずれかの段階。
溶液中の水は約−2℃から約−15℃の温度で凍結する。共晶固化が本発明の鍵であり、すなわち凍結乾燥装置内に入れる化合物の試料中の自由水、または凍結可能な水の全量が、段階b)の間に凍結されなければならない。都合の悪いことに、試料内部で凍結が完了する正確な点を測定することは不可能であり、また生成物が結晶化する正確な点を測定することも不可能である。したがって、凍結および結晶化の完了を確実にするために、段階b)で選択される温度は、好ましくは、約−10℃から約−50℃であり、更に好ましくは、約−20℃から約−40℃であり、最も好ましくは、約−30℃である。
段階c)で選択される圧力は氷の温度、すなわち化合物または組成物の温度における氷上の水のSVP未満とする。SVPを超す圧力が使用された場合、気体相が飽和するため、氷の昇華を助長するために存在する推進力が著しく低下することとなる。圧力の低下に従い昇華の推進力は増強するが、圧力が低くすぎると乾燥速度は低下する。この速度低下の理由は、乾燥機内の熱伝達が、減圧下であっても、主として気体相を介するためである。したがって非常な低圧においては、入熱の速度が低下し、乾燥速度の低下を招く。したがって、段階c)で選択される圧力は、好ましくは、約1〜約250Paであり、更に好ましくは、約2〜約125Paであり、最も好ましくは、約4〜約75Paである(例:約8Pa)。
昇華する水分子によってエネルギーが除去されるため、本方法の一次乾燥段階の間には化合物または組成物内部の氷の温度が低下する。試料からの氷の昇華速度を上昇させる場合、本方法の段階d)に選択肢として示したように、温度も上昇させなければならない。段階d)の温度が高いものとなるかどうかは、必然的に、段階b)で選択した温度に依存するが、通常、段階d)での選択温度は例えば、約−25℃〜約0℃など約−50℃〜約50℃の範囲であり、好ましくは、約−15℃である。50℃を超すと氷が昇華せず液相に移行する危険があるため、これを超す温度は選択してはならない。
化合物から氷を除去するため、装置は段階d)で選択した条件に維持される。しかし上述のように、ある種の化合物では、減圧条件下に維持された場合に氷の全量が昇華した後も脱水が続き、得られる生成物の品質に対してこれが有害な影響を及ぼすことがある。標準的な圧力上昇試験(PRT)により一次乾燥サイクル(すなわち昇華段階)の完了点が示されることは、当技術分野で知られている。しかし昇華が完了した後も脱水の続く化合物では、結晶構造からの水の離脱速度が非常に速く、そのためPRTの合格が氷の昇華単独から予測されるより著しく遅くなる場合がある。好ましくは、乾燥工程は約1時間間隔で監視する。PRT合格となった後、化合物は引き続き脱水することができ、また所望の水分含量の生成物を得るために追加乾燥時間を必要とすることもある。これが脱水段階(e)であり、昇華期の直後に設けられる。
脱水段階(e)の持続時間は特定の化合物または組成物、バイアルの直径および充てん量、使用する乾燥機の型式に応じて異なる。脱水段階によって化合物から十分な量の水が除去されるため、安定水和形態の形成が助長されると同時に不安定水和形態の形成が防止される。必要以上に脱水段階が持続されるならば、化合物の不安定水和形態が生成され、不安定な物質となる場合がある。通常の脱水段階の持続時間は、例えば0〜50時間など0〜100時間であり、好ましくは、例えば約8、12または28時間など6〜30時間である。
段階f)に関しては、凍結乾燥装置内の圧の上昇により脱水段階が十分に遅延し、そのためにバイアルの施栓を助長するよう温度を上昇させることができ、安定な水和物混合物を得ることが可能となる。ただし段階の順序は極めて重要というわけではない。施栓は5℃、大気圧の88%(すなわち89.2kPa)で都合よく実施できる。
本方法は、安定性の異なる複数の水和形態を示し、かつ凍結したとき共晶混合物である溶液となる溶解物を形成する能力を有する化合物、または当該化合物を含む組成物に適用することができる。具体的には、本方法はDSFFの安定水和物混合物の製造に適用することができる。好ましくは、DSFFの安定水和物混合物の最終水分含量は約11%〜約20%w/wであり、更に好ましくは、約14%〜約17%w/wであり、最も好ましくは、例えば約15%など約15%〜約16%である。
DSFFの安定水和物混合物の調製に使用される本方法の条件の実施例を、以下に例示のみを目的として記載する。全ての実施例は、棚面積8平方フィートおよび冷却装置温度−56℃のバーティスパイロットドライヤー(Virtis
Pilot Drier)で実施した。7.5mTorrは1Paに等しい。
(実施例1)
内径21.35mmおよびネック径20mmのバイアル(1320本)に、pH9.05に調整したNaOH/クエン酸中ホスフルコナゾール100.88mg/mLを含む溶液1.6mL、すなわち、DSFFとして179.8mgを含有する液を充てんした。バイアルを乾燥機に入れ、棚温度−30℃で3時間凍結した。次いで棚温度を−15℃に上昇させ、圧力を8Paに減圧して昇華を促進した。氷の昇華開始から約26時間後にPRT合格となり、試料を更に12時間乾燥した後、5℃および圧力89.2kPaで施栓してサイクルを終結した。生成物は平均水分含量11.7%w/wの安定な水和物混合物であった。
Figure 2005533099
(実施例2)
内径22.6mmおよびネック径20mmのバイアル(1173本)に、pH9.05に調整したNaOH/クエン酸中ホスフルコナゾール100.88mg/mLを含む溶液2.8mL、すなわち、DSFFとして314.6mgを含有する液を充てんした。バイアルを乾燥機に入れ、棚温度−30℃で3時間凍結した。次いで棚温度を−15℃に上昇させ、圧力を8Paに減圧して昇華を促進した。氷の昇華開始から約47時間後にPRT合格となり、試料を更に12時間乾燥した後、5℃および圧力89.2kPaで施栓してサイクルを終結した。生成物は平均水分含量14.6%w/wの安定な水和物混合物であった。
Figure 2005533099
(実施例3)
内径22.6mmおよびネック径20mmのバイアル(1173本)に、pH9.05に調整したNaOH/クエン酸中ホスフルコナゾール100.88mg/mLを含む溶液5.4mL、すなわち、DSFFとして606.8mgを含有する液を充てんした。次いで棚温度を−15℃に上昇させ、圧力を8Paに減圧して昇華を促進した。氷の昇華開始から約96時間後にPRT合格となり、試料を更に12時間乾燥した後、5℃および圧力89.2kPaで施栓してサイクルを終結した。生成物は平均水分含量16.9%w/wの安定な水和物混合物であった。
Figure 2005533099
以下の実施例においては、θ−θゴニオメーター、ゲーベルミラーおよび位置敏感型検出器を装着したブルカー・エイエックスエス社(Bruker−AXS
Ltd)製D8 Advance粉末X線回折装置を用い、粉末X線回折パターンを測定した。試料を分析用に調製するには、粉末をシリコンウェーハ標本マウントに載せた。各標本に対し、40
kV/40mAでX線管球を作動させながら銅K−αX線(波長=1.5406Å)を照射した。ゴニオメーターを0.3秒カウント/0.014°ステップで回折角(2θ)範囲4°〜35°2θに設定して連続モードで作動させ、分析を実施した。
(実施例4)
ネック径20mmの10mL容1型透明ガラスバイアル(582本)に、pH9.0に調整したNaOH/クエン酸中ホスフルコナゾール100.88mg/mLを含む溶液2.9mL、すなわち、DSFFとして325.8mgを含有する液を充てんした。バイアルを乾燥機に入れ、棚温度−30℃で3.5時間凍結した。次いで棚温度を−15℃に上昇させ、圧力を6Paに減圧して昇華を促進した。58.3時間の昇華サイクルの後、5℃および圧力96kPaで施栓してサイクルを終結した。
Figure 2005533099
上記工程から得られる生成物は、六および三水和物形の間の化学量論に合致する水分含量を有することが見出された。生成物の粉末X線回折(PXRD)分析から、処理直後には長距離秩序はほとんどないが、結晶化度は高いことが示唆される。図1参照。試料の結晶化度は、数週間の保存期間の後に上昇することが見られる。試料のPXRDパターンはDSFFの三および六水和物形の混合物と解釈することができる。この混合物は化学的にも熱的にも安定である。図1に対応するPXRDデータを以下に示す。
Figure 2005533099
特定の理論に拘束されることは望まないが、PXRD分析を一見したところ暗示されるような構造の著しい変化は、実際には起こっていないと考えられる。試料内の分子は結晶配列にあると考えられる。むしろ、乾燥工程中の水分子の除去によって試料中に残存する水分子の分布が無秩序となり、繰り返しの長距離周期秩序を乱しているのは、この水分子の無秩序な分布であると考えられる(図1−初期)。時間の経過に従い、系が平衡化して水分子は再分布し、結果的な配列においては繰り返しの長距離周期秩序が乱されなくなる(図1−3週間後)。
(実施例5)−DSFF三水和物
(a)DSFF六水和物
ホスフルコナゾール(40g)を水(120mL)中でスラリーとし、窒素気流下で溶液を形成するまで水酸化ナトリウム(47%溶液7〜8mL、NaOH約4.9〜5.6g)を徐々に添加した。温度は周囲温度から30℃の間に維持した。溶液をろ過した。沈殿が生じるまで水酸化ナトリウム(47%溶液42mL、NaOH約29.6g)をろ液に添加した。混合物は4時間粒状化させ、減圧下でろ過し、減圧下50℃で乾燥して標記化合物を得た(23.79g)。PXRD:
Figure 2005533099
(b)DSFF三水和物
標記化合物はin situにおいて、実施例5(a)のDSFF六水和物約5mgからPXRDステージ上60℃で加熱することにより調製した。PXRD:
Figure 2005533099
(実施例6)−DSFF六水和物
ホスフルコナゾール(26mmol,10g)を水酸化ナトリウム溶液(54mmol,2.17g,最終容積約20mL)に溶かし、70℃に加熱した。温度範囲60〜72℃でイソプロピルアルコール(108mL)を添加し、混濁した溶液を放冷し、標記化合物を結晶のスラリーとして得た。スラリーからDSFF六水和物の単結晶をとり、ブルカー回折装置上に載せた。実施例6のPXRDは実施例5(a)のPXRDと一致した。
凍結乾燥DSFFの(a)乾燥直後(初期)および(b)3週間保存後のPXRD分析

Claims (20)

  1. 化合物の安定な水和物混合物、または当該化合物を含む組成物を調製する方法であって、該化合物は、異なる安定性および溶解性を有する複数の水和形態を形成する能力を有し、共晶点未満に凍結したとき共晶混合物である溶液を与えることができるものであり、
    a)凍結乾燥装置内部の適切な容器内で、当該化合物またはその組成物を含有する水性混合物の一定量を供給する段階、
    b)装置内の温度を低下させ、凍結および共晶固化を起こさせる段階、
    c)装置内の圧力を氷の温度での氷上の水の飽和蒸気圧(SVP)未満に減圧する段階、
    d)氷の全量を昇華するまで、装置の圧力をSVP未満に維持し、必要に応じて昇華を促進するため装置内の温度を上昇させる段階、
    e)所望の水分含量に達するまで段階d)の圧力および温度条件に装置を維持する段階、
    f)装置内の圧力を大気圧の約60%〜約100%(約60.8kPa〜約101.3kPa)へと上昇させた後、装置内の温度を約5℃〜30℃に調整するか、
    または
    装置内の温度を5℃〜30℃に調節した後、装置内の圧力を大気圧の約60%〜約100%(約60.8kPa〜約101.3kPa)へと上昇させるかのいずれかの段階
    を含む方法。
  2. 段階b)の温度が約−10℃から約−50℃である請求項1に記載の方法。
  3. 段階b)の温度が約−20℃から約−40℃である請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 段階b)の温度が約−30℃である請求項1〜請求項3に記載の方法。
  5. 段階c)の圧力が約1Paから約250Paである請求項1〜請求項4に記載の方法。
  6. 段階c)の圧力が約2Paから約125Paである請求項1〜請求項5に記載の方法。
  7. 段階c)の圧力が約4Paから約75Paである請求項1〜請求項6に記載の方法。
  8. 段階d)の温度が約−50℃から約50℃である請求項1〜請求項7に記載の方法。
  9. 段階d)の温度が約−25℃から0℃である請求項1〜請求項8に記載の方法。
  10. 段階d)の温度が約−15℃である請求項1〜請求項9に記載の方法。
  11. 乾燥工程が凍結乾燥機の標準的圧力上昇試験により監視される請求項1〜請求項10に記載の方法。
  12. 乾燥工程が約1時間間隔で監視される請求項11に記載の方法。
  13. 段階(e)の持続時間が0から100時間である請求項1〜請求項12に記載の方法。
  14. 段階(e)の持続時間が0から50時間である請求項1〜請求項13に記載の方法。
  15. 段階(e)の持続時間が6から30時間である請求項1〜請求項14に記載の方法。
  16. 当該化合物または組成物にホスフルコナゾールの二ナトリウム塩が含まれる請求項1〜請求項15に記載の方法。
  17. 安定水和物混合物の最終水分含量が約11%から約20%w/wである請求項12に記載の方法。
  18. 安定水和物混合物の最終水分含量が約14%から約17%w/wである請求項12または請求項13に記載の方法。
  19. 安定水和物混合物の最終水分含量が約15%w/wである請求項12または請求項13に記載の工程。
  20. 三水和物、六水和物、または三および六水和物の混合物としてのホスフルコナゾールの二ナトリウム塩。
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