JP2005532562A - 酵素電極および製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 改善された酵素電極およびバイオセンサーを提供することを目的とする。
【解決手段】 基板材(2)、その上に備えられた、微細化プラチナ族金属、または樹脂により結合された酸化物を含む導電性の基板層(8)、前記基板層(8)上にあり緩衝剤を含む最上層、を備えた非メディエータ型(non-mediated)の酵素電極。前記基板層および最上層の少なくとも一方に、触媒的に活性量のオキシドレダクターゼ酵素を配している。本発明はまた、酵素電極を含むバイオセンサー(20)、ならびに酵素電極およびバイオセンサーの製造方法を提供する。

Description

本発明は、例えば全血中のグルコースなど、流体中の被分析物(検体)濃度の測定を目的とする酵素電極に関する。酵素電極は、導電性物質上に堆積された、あるいは導電性物質と混成された酵素を含有する。本電極は、適切な被分析物(基質)の存在下において、酵素の触媒活性に電流滴定的に(amperometrically)反応する。本発明はまた、酵素電極を含むバイオセンサー、特に使い捨てのバイオセンサーにまで拡張されるものである。
アンペロメトリックバイオセンサーは、当前記技術分野において熟知されている。一般的には、この酵素は、例えばグルコース(ブドウ糖)酸化酵素、コレステロール酸化酵素、乳酸酸化酵素などのオキシドレダクターゼ酵素(酸化還元酵素)であり、次に示す反応により過酸化水素を生成する。
被分析物 + O2−[酸化酵素] → 酸化生成物 + H2O2

固定電位電極(fixed-potential electrode)において、本過酸化物は次のように酸化される。
H2O2 → O2 + 2H + 2e

電極上のプラチナ製中央部(platinum centres)における過酸化水素の電気化学的酸化は、過酸化物から電流を作り出す電極への電子の移動を生じるが、この電流は被分析物の濃度に比例する。被分析物がグルコースである場合、この酸化生成物はグルコノラクトンである。日本特許公開第56−163447号公報には、プラチナ電極上に固定化されたグルコース酸化酵素を用いたシステムが記載されている。この電極は、導電性カーボンの基板上に固定化酵素層を含有している。この基板は、10部/重量以下のフルオロカーボン樹脂バインダーを含む鋳造グラファイトにより形成され、その表面にはプラチナ製の薄膜(1μm未満)が積層される。この発明は、酵素をプラチナ表面に直接固定化することに関連する問題を回避すること、および迅速な反応速度(5秒)を有し、高感度でかつ耐久性を有する酵素電極を作成するものであるといえる。しかしながら、米国特許第4,970,145号によれば、このような電極を用いた最近の実験研究において、これらのメリットを引き出すことはできなかった、とのことである。
米国特許第4,970,145号には、樹脂結合カーボンまたはグラファイト(黒鉛)の粒子を必須として構成され、その全体にプラチナ族金属が実質的に均一に分散した、実質的に均質な多孔性基質、および、触媒的に活性となる量の、多孔性基質の表面に吸着または固定化された酵素を含有する酵素電極が記載されている。この電極は、酵素を基質に対して交差結合することにより、または多孔性基質を酵素の緩衝溶液中に、室温にて90分間、吊り下げることにより作成される。他の方法としては、電界吸収効果を用いて酵素を電極に吸着させることができるが、この際、電極基板材を酵素溶液中で60分間吊り下げる。この酵素電極は、迅速な反応時間(保護膜なしの場合は1〜2秒、膜を用いる場合は10〜30秒)およびかなりの耐久性を有していると考えられる。作用範囲は拡大できると考えられており、この電極は、通常に比べて実質的により低い動作電位(最も一般的な650mVに対して325mV)を必要としており、動作電位において低バックグラウンドを示す。
米国特許第5,160,418号は、酵素および微細化されたプラチナ族金属または酸化物が実質的に均等に混在した薄膜よりなる、簡易化された酵素電極が開示されている。任意に、プラチナまたはパラジウムによりめっき処理を行なったカーボンあるいはグラファイトを、また、任意にバインダーをも使用することができる。この膜は構成要素を含む懸濁液をスクリーン印刷することによって作製することが可能である。
先述のような先行技術におけるシステムは、感度に関して高いインターセプトを有しており、その結果として精度の調整が取れていないことを、我々は発見した。また、時間の経過に従い、酵素の安定性とは無関係に、徐々に感度の希薄化が起きることも、我々は発見した。
過酸化物に由来する電子の電極への移動に引き続く電気信号のその他の測定法として、あるバイオセンサーは、電子担体、言い換えれば「メディエータ(仲介物質)」を含み、これは酸化状態において酵素から電子を受け取り、次に還元状態において前記電子を電極へと輸送するもので、こうして電極は再び酸化される。フェロセン、フェロセン誘導体、ヘキサシアノ鉄酸塩、オスミウム複合体、2,6−ジクロロフェノリンドフェノール、ナイルブルーおよびメドラブルー(Medola Blue)を含むメディエータに関する先行技術の例として、例えば米国特許第5,708,247号、米国特許第6,241,862号、国際特許出願公開(WO)98/55856号、国際特許出願公開(WO)99/13100号を参照されたい。酵素と電極との間で電子を輸送させるために酸化還元メディエータを採用したバイオセンサーを、「メディエータ型バイオセンサー(mediated biosensors)」と呼ぶことにする。
メディエータ型バイオセンサーは、化学的な不安定性を含む多くの問題に直面することがある。メディエータは、機能するためには特定の酸化還元状態にある必要があり、したがって、もしも還元型が大気によって酸化されるようなことがあれば、計測される電流が減少するであろう。電子を受け取り、メディエータ電極(mediated electrode)の電位では酸化されない過酸化物を形成することによって、酸素が介入する場合もある。万一、電極の電位が高まり過酸化物を酸化させた場合、これによって血中に溶解している可能性を持つ他の成分、例えばパラセタモール、アスコルビン酸および尿酸等、はこのシステムに影響を与える(干渉する)傾向がある。したがって、血中の酸素濃度がバラエティーに富んでいることが、メディエータ型システムにおいて計測されるグルコース反応性の多様化を引き起こす場合がある。
使い捨てバイオセンサーにとって望ましい特性は以下の通りである。
・バックグラウンド(背景)関連のインターセプトが少ないこと−測定後の変動計数(CV)が低値となることを目的とする。
・ 電子技術が許容する限り、できるだけ感度が高いこと。
・ 安定性があること。
・ 精度が優れていること。
・ 生産再現性があること。
・ 反応が迅速であること。
・ 低コストであること。
本発明は、上記基準の少なくともいずれかについて改善された酵素電極およびバイオセンサーを提供することを目的とする。
本発明のひとつの局面によれば、流体の存在下におけるオキシドレダクターゼ酵素および電極上の電位の触媒活性を電流滴定的に示すための非メディエータ型(non-mediated)の酵素電極を提供するものであり、前記流体は前記酵素により作用を受ける物質を含有し、ならびに前記電極は、その表面に、以下のものを備えた基板材を有している:
・ 微細化されたプラチナ族金属または樹脂により結合された酸化物を含む導電性基板層;
・ 前記基板層上の最上層、ここで前記最上層は緩衝剤を含む;および
・ 前記基板層および前記最上層の少なくとも一方に備えられる、触媒的に活性量の前記オキシドレダクターゼ酵素。
「非メディエータ型(non-mediated)」という用語は、有効量の酸化還元メディエータをいずれも含まない酵素電極およびこのような酵素電極を含むバイオセンサーを指すものとして本明細書中で使用される。好ましくは、酵素電極は、いずれの酸化還元メディエータをも含まない。したがって、グルコース酸化酵素のようなオキシドレダクターゼ酵素を用いれば、全て、あるいは実質的に全ての測定された電流は、電極における過酸化物の酸化により生じる。
最上層に緩衝剤を備えることで、従来の非メディエータ型バイオセンサーに比べて反応時間をより迅速にすること、並びに安定性および感度を増大することが可能であることを我々は発見した。我々が考えるに、感度および反応時間の改善は、ストリップ上の緩衝能力を高めることによって達成されると思われる。過酸化水素の酸化は、緩衝剤によって中和された水素イオンを生成する。これによって2つの効果を得ることができる。すなわち、酵素付近の局所的なpHを維持することにより酵素活性を保持すること、そして、過酸化水素の平衡をも変化させて、より良い効率とすることである。過酸化水素の酸化における効率の改善は、オキシドレダクターゼ酵素による利用が可能な酸素の再生利用をさらに増大させる。所望の反応直線を得るため、ならびに感度について適正な下限を得るためには、緩衝剤に対する酵素の割合が重要であることもまた、我々は発見した。さらに、感度が最大となるためには、緩衝剤および酵素が特定の基準濃度を超える必要があり、そして、後述する実施例の結果に関する文脈の中で議論するように、これを超える濃度での酵素に対する緩衝剤の割合は、血中グルコースに対するバイオセンサーの反応性におけるプロフィールの調整に利用できる。
緩衝剤のpHの領域は、このシステムの化学的特性により左右されるであろう。好ましいpHの範囲は7〜10、特に好ましくは7〜8.5である。好ましい緩衝剤は、約pH=8のリン酸塩、および約pH=7.5のADAである。
米国特許第5,160,418号に記載されるように、プラチナ族金属または酸化物は、基板層が導電性を有するために十分な量で存在することが可能である。代わりに、基板層は微細化カーボンまたはグラファイト粒子を含有することもまた可能である。便宜上、「触媒(catalyst)」という用語は微細化されたプラチナ族金属または酸化物を指すものとして本明細書中で使用される。好ましい態様において、触媒と、カーボンまたはグラファイト粒子(例えばプラチナめっきまたはパラジウムめっきカーボン)とは表面が密接に接触している。
樹脂は、基板層中へのプラチナ族金属または酸化物の結合に役立つ、適切なバインダー(接着性物質)または結合剤、例えば、ポリエステル樹脂、エチルセルロース、あるいはエチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)など、であれば、いずれのものであっても含有し得る。
酵素電極は、触媒を含むインクを基板材上に印刷し、印字したインクを乾燥させて基板層を形成し、続いて、緩衝剤からなる、あるいはこれを含有するコーティング溶液を塗布して最上層を形成することによって作製することが可能である。コーティング溶液としては、流体、とりわけ、その中に緩衝剤が溶解している液体が好ましい。しかしながら、コーティング溶液は、緩衝剤からなる、あるいは緩衝剤を含有する乾燥粉末を、例えばスプレーによって粘着性の基板層上に塗布することも可能であろう。コーティング流体を塗布する時点における最上層の形成に好ましい方法には、印刷、スプレー、インクジェット印刷、ディップコーティング、またはスピンコーティングが含まれる。好ましいコーティング技術は、コーティング流体のドロップコーティングであり、この好適な方法について、以下に本発明を説明する。
通常、酵素電極はバイオセンサーの作用電極に組み込まれ、回路を完成させるとともに安定した参照電流を提供するために参照電極も備え付けられるが、これは当前記技術分野において熟知されている。
したがって、本発明の更なる局面では、流体の存在下におけるオキシドレダクターゼ酵素の触媒活性を電流滴定的に示すための、非メディエータ型のバイオセンサーを提供するものであり、前記流体は前記酵素により作用する物質を含有し、前記バイオセンサーは、以下のものを有している:
・ 基板材、
・ 前記基板材上の作用電極および参照電極、
・ 試験計測器と電気的な接続を行なうための前記電極に接続した導電路、
また、前記作用電極は、以下のものを含んでいる:
・ プラチナ族金属または樹脂により結合された酸化物を含む導電性基板層、
・ 基板層上の最上層、ここで前記最上層は緩衝剤を含む、および
・ 前記基板層および前記最上層の少なくとも一方に存在する、触媒的に活性量の前記オキシドレダクターゼ酵素。
好ましい態様において、酵素は、前記最上層に、緩衝材を備えている。この構成を取ることで、最上層の局所環境におけるpHを、酵素がより有効に作用するレベルへと調節することを容易にするが、通常、このレベルはプラチナ族金属または酸化物が最適に作用するレベルとは異なる。
有利にするために、システムの安定化剤を最上層に含有させてもよい。好ましい安定化剤には、酵素による作用を受けるもの以外のポリオール類が含まれ、酵素がグルコース酸化酵素である場合には、例えばトレハロース、マンニトール、ラクチトール、ソルビトールまたはスクロースなどである。システム安定化剤は、カプセル化、貯蔵中における三次構造の変化の防止、あるいは酵素分子周囲の水分活性の置換によって、酵素を安定化させる。グルコース酸化酵素は非常に安定な酵素であることが実証されており、安定化剤を加えることはこの酵素を保護するために主要であるとはいえない。安定化剤は、例えばプラチナめっきカーボン樹脂基板層をコーティングすることや、カーボン表面を大気による酸化に対しブロックすることにより、長期間の触媒の不動態化作用の低減を助ける。
カーボン粒子が基板層に存在する場合、カーボン表面の活性部位をブロックする目的で、この層にブロック剤を任意に含有させても構わない。これは、カーボンの活性の貯蔵安定性および均一性を補助する。好ましいブロッキング剤には、システム安定化剤、および例えばウシ血清アルブミン(BSA)といったタンパク質もまた含まれる。多孔質カーボンの代わりにグラファイト粒子を用いる場合、粒子はさらに高い導電性を有すると共に、グラファイト上の活性分子の数がカーボン上の数に比べて非常に少ないため、ブロッキング剤はそれ程所望されない。表面積がより小さいこと、そして表面活性基がより小さいことの双方により、インターセプトが低減される傾向にある。被分析物が0mMの時点では、インターセプトは表面積に関係する容量性の成分によって主に構成される。
基板材は任意の適切な熱安定性素材からでも形成することができる。製造工程において良好な印字の印刷を保証するためには、熱安定性は重要である。好ましい(基板)材は、Valox FR-1(商品名)熱可塑性ポリエステルフィルム(ポリ(ブチレンテレフタレート)コポリ(ビスフェノール−A/テトラビスフェノール−A−カーボネート)である。その他の好ましい(基板)材は、当業者であれば十分に理解できるであろうが、例えば、PVC、ポリ(エーテルサルフォン)(PES)、ポリ(エーテルエーテルケトン)(PEEK)、およびポリカーボネートなどである。
酵素は好適なオキシドレダクターゼ酵素のいずれであっても構わないが、例えば、グルコース酸化酵素、コレステロール酸化酵、または乳酸酸化酵素などである。
本発明のその他の局面および利益は、以下に示される明細書、図面および特許請求の範囲により明らかになるであろう。
BSA-Pt/カーボンの調製
250mLのガラスビン中で、80mLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に、6.4gのBSA(Miles Inc.製)を溶解し、20gの10%Pt/XC72Rカーボン(MCA Ltd.製)を、攪拌を続けながら徐々に加えた。つぎに、このビンをローラーミキサーに設置し、室温で2時間インキュベートした。
ブフナー漏斗に2枚のフィルターペーパー(WhatmanTM No.1=登録商標)を取り付けたものを準備した。混合液を漏斗に注ぎ、カーボンを約100mLのPBSで3回洗浄した。できるだけ多くの水分を抽出するために、カーボン塊より、約5分間の吸引を行なった。カーボン塊を擦り取り、プラスチックコンテナーに入れ、スパチュラを用いて粉砕した。次に、カーボンを30℃のオーブンに一晩入れて乾燥させた。この作業の目的は、カーボンの活性部位をロックすることによって、カーボンの特性の貯蔵安定性および再現性に寄与するためである。
プラチナ族金属/カーボン製インクの調製
ポリマーバインダーとしてMetech 8101ポリエステル樹脂、フロー剤としてTerpineol BP(RC Treatt製)、溶剤としてButyl Cellosolve Acetate(BCA)を用いて、BSA-Pt/カーボンを調製した。
第一番目のインクの配合物は、以下により構成される。すなわち、
インク配合物(I)
Metch 8101樹脂 54.05%
BSA-Pt/カーボン 27.09%
BCA 12.57%
Terpineol BP 6.29%
である。
カーボン片を加える前に、まず、樹脂、溶剤およびフロー剤を混合した。最初に調合物を手で混合し、続いてトリプルロールミルに数回通した。これにより、スクリーン印刷に適した、均一で滑らかなチキソトロープカーボンインクが作製された。
他の配合物は、米国特許第4,970,145号に記載されるものに類似しており、この米国特許の記載内容は参照により本明細書に援用されるが、この米国特許では、BSAを吸着してインクに混入する前に、グルコース酸化酵素(GOD)をPt/カーボン上に吸着させている。
他の配合物では、BSA-Pt/カーボンの分量を減少させてグラファイトを加えた。フロー調整剤を使用せずに界面活性剤を加えた。すなわち、
インク配合物(II)
Metch 8101樹脂 45.32%
BSA-Pt/カーボン 18.67%
グラファイト 9.77%
BCA/シクロヘキサノン 23.26%
Tween 20(=登録商標) 2.98%
である。
Tween 20は、Sigma-Aldrichにより供給される界面活性剤である。TweenはICI Americans Inc.の登録商標である。溶剤はBCAとシクロヘキサノンの50%(v/v)混合物である。インク配合物(I)で使用された容積に対する増量分の容積は、トリプルロールミルの後でインクに添加し、印刷に好適な粘度を与えた。グラファイトにはGS Inorganics(英国ウースター州、イーブシャム)のTimrex KS 15(粒子径<16μm)を用いた。

他の試験用配合物では、以下のようにインクにGODを含有させた。すなわち、
インク配合物(III)
Metch 8101樹脂 44.68%
BSA-Pt/カーボン 18.42%
グラファイト 9.64%
BCA/シクロヘキサノン 22.94%
Tween 20(=登録商標) 2.94%
グルコース酸化酵素 1.38%
である。
ドロップコーティング溶液の調製
コーティング溶液は水性で、高濃度の緩衝剤、好ましくはpH=8のリン酸塩から構成される。イオン強度に比べて緩衝能力の方がより重要であることが知られている。本実施例において、溶液にはグルコース酸化酵素およびシステム安定化剤(本実施例ではトレハロース)が含まれる。すなわち、
緩衝剤 KH2PO4/K2HPO4 385mM、pH=8 Sigma製
酵素 グルコース酸化酵素 4080U(ユニット)/mL Biozyme製
安定化剤 トレハロース 1% Sigma製

好ましい範囲
緩衝剤 300〜1000mM、pH=7〜10
酵素 500〜12000U(ユニット)/mL(1.85〜44.4mg/mL)
安定化剤 0.5〜10%
である。
グルコース酸化酵素の活性は、原料に対しては約270ユニット/mg(他の凍結乾燥剤および安定化剤の調製において酵素が作用するため、タンパク質に対しては360ユニット/mg)である。
酵素が基板層内に存在する場合、例えばインク配合物IIIを使用して調製された基板層内に存在する場合、ドロップコート溶液は緩衝剤のみを含有するものであっても構わないが、任意に安定化剤が共存する。
製造方法
スクリーン印刷法およびドロップコーティング法の技術を用いて、グルコース検査片(バイオセンサー)を製造した。また、印刷法およびコーティング技術の当業者自身によく知られている、その他の印刷法および/またはコーティング技術を使用しても構わない。
図1において、基板材2はポリエステル(ValoxTM=登録商標)によって形成されている。導電路4は、導電カーボンペースト(製品コードC80130D1、Gwent Electronic Materials、英国)として基板材2上に印刷された。このインクの目的は計測インターフェースと参照および作用電極との間に導電路を提供することである。印刷後、このインクを130℃の強制換気ドライヤーで1分間乾かした。導電路4の表面に印刷される第二番目のインクは、銀/銀塩化物重合体ペースト(製品コードC61003D7、C80130D1、Gwent Electronic Materials、英国)である。このインク6は、接触領域または作用領域上には印刷されない。このインク6はシステムの参照電極を形成する。これを、130℃の強制換気ドライヤーで1分間乾燥させる。
次の層は、プラチナ族金属カーボンインク(インク配合物I、IIまたはIII)で、ターゲット領域中の導電カーボン4上に層8として印刷される。このインクを90℃の強制換気ドライヤーで1分間乾燥させて、約12μmの厚さの基板層とする。次に、第一誘電層10が印刷される。第一誘電層10はMV27(Apollo製、英国)である。この層の目的は血液を塗布するターゲット領域およびシステムを絶縁させることである。これを、90℃の強制換気ドライヤーで1分間乾燥させる。拡散層12は表面コーティングされたポリエステルメッシュであるSaaticare PES 105/52(Saati、イタリア)またはPetex 07-105/52(Sefar、スイス)で構成されるが、これをターゲット領域上に配置する。次に、MV27誘電体によるもうひとつの層(further layer)14を用いて、これを電極上に密着して乾燥させる。所望であれば、代わりに基板層8を第一誘電層10の後に印刷することもできる。しかしながら、第一誘電層10を後から塗布することにより、印刷の精度要件がいくらか除かれるので、基板層8を最初に印刷することが好ましい。
次に、BioDotドロップコーティング装置を用いて、ドロップコート層が電極に塗布される。使用するドロップコーティング溶液の容積は1μlである。これを、50℃の強制換気ドライヤーで1分間乾燥させる。最終品であるバイオセンサー20は、ターゲット領域内に参照電極16および作用電極18を備えている。作用電極は、基板材2、その上部の導電カーボン層4、その上部の基板層8、および緩衝剤を含む最上層を含有している。拡散層12は、血液試料がターゲット領域に塗布された際に、その拡散を補助するものである。
比較用バイオセンサーの作製(先行技術)
上記説明と同様に(インク配合物I)インクを調合したが、BSAの代わりにグルコース酸化酵素(GOD)を用いた。このインクを使用して、先の記載と同様に(製造方法)バイオセンサーの製造を行なったが、ドロップコートによる工程は行なわれなかった。
標準試験の手順
試験の手順には、検査片をポテンシオスタットに接続することを含む。試料(この実施例では全血(WB)試料)を塗布した後、350mVの電位を作用および参照電極に印加した。15秒間電位を保持し、その後は電流を測定し、この電流を反応グラフの準備に使用する。グラフ2〜10の結果はインク配合物Iを使用して得られたものである。
図面の説明
・従来および新規の手法におけるグルコース測定値の比較(図2)
従来の手法は先行技術の非メディエータ型の比較用バイオセンサーを指し、これには高濃度の緩衝剤が含まれない。緩衝剤の濃度が低いインク内におけるpH=7.4から、局所緩衝剤が高濃度の最上層におけるpH=8へと上昇することが観察できるが、この最上層には酵素が含まれているために感度が劇的に上昇している。
・反応性に関する、最上層におけるリン酸緩衝剤濃度の効果(図3)
このプロットでは、緩衝剤の濃度によってグルコースおよび過酸化水素に対する反応の感度が急激に上昇することが観察できる。緩衝剤のpHはpH=7.4であった。また、このプロットでは、過酸化水素とグルコースとの測定値の間における効果の格差が示された。過酸化水素はプラチナ表面で直接酸化されるが、一方、グルコースはグルコース酸化酵素と反応して過酸化水素を生成する必要がある。グルコース酸化酵素が最上層に存在する場合、バルク中に拡散する試料の塗布によって酵素は速やかに溶液中に入り込む。グルコース酸化により生成された過酸化水素は、電極表面に対して多様な拡散距離をとるが、一方、試料に塗布された過酸化水素ではそのようなことは起きない。理想的な状況とは、電極表面に固定化されたグルコース酸化酵素を有し、最上層が高イオン強度および安定化剤を有していることであろう。
・グルコース反応性に関するpHの効果(図4)
このプロットは、pHに伴いグルコース反応性が増大することを示している。各pHにおける緩衝剤の濃度は、350mMを維持した。これは、グルコース酸化酵素に由来して活性が増加したからではありえない。なぜなら、その最大pHは5.6であり、pH=10ではグルコース活性化酵素は著しく阻害されるはずである。増加したグルコースに関連する反応性に対するメカニズムとして可能性があるのは、電極表面でグルコースが直接酸化されているというものである。グルコースがプラチナ表面で酸化されるだろうということは判っているが、通常のコンディションでは、酵素により促進されるグルコース酸化に比べて、この反応は非常に小さいはずである。高濃度の緩衝剤と高いpHとの組み合わせが、グルコースの直接酸化において非常に大きな影響を与えているのかもしれない。代わりに、過酸化水素反応性がpHと共に増加した場合、これはグルコース酸化酵素反応性におけるドロップオフの幾らかを補正するものかもしれない。
・過酸化水素反応性に関するpHの効果(図5および6)
このプロットは、過酸化水素が低濃度である場合を除いて、pHに伴う過酸化水素反応性の変化が非常にわずかなものであることを示している。過酸化水素に対する感度は、グルコースに対する感度よりも5倍高い要因であり、したがって、こちらのほうが低過酸化水素濃度について観察するためには、より適切である。pHの増大は、カーボン表面の活性基のイオン化を生じ、これが電気化学反応の非ファラデーを増加させ、インターセプトの増加を生じる。
・グルコース反応性に関する、緩衝剤のタイプによる効果(図7および8)
種類の異なる緩衝剤が評価された。全ての緩衝剤を電極上にドロップコーティングして乾燥させた。いずれの緩衝剤もpH=7.4、350mMであった。緩衝剤は3種の異なるグループに分けられるであろう。
・ A群:ビス−トリス;この緩衝剤は、高インターセプトを示し、グルコースに対し比較的低い感度を示す。
・ B群:リン酸塩、MOPS、MES、HEPES、ACA、ACES、TES、およびトリシン;これらの緩衝剤は全て、大まかには類似した反応性を示し、低インターセプトかつグルコースに対し適度な感度を示す。
・ C群:ホウ酸塩、トリス;これらの緩衝剤は低インターセプトを示すが、低いグルコース感度を示す。
・過酸化水素反応性に関する、緩衝剤のタイプによる効果(図9および10)
グルコース反応性に関する、緩衝剤のタイプによる効果に使用されたものと同様の電極を用いてこの実
験を行なった。緩衝剤のタイプは、3種のグループに分けられるであろう。
・ A群:ビス−トリス;この緩衝剤は、高インターセプトを示すが、4mMを超える適度な感度を示す。
・ B群:リン酸塩、MOPS、HEPES、ACES、TES、ACA;これらの緩衝剤は全て、大まかには類似した反応性を示し、低インターセプトかつ過酸化水素に対し適度な感度を示す。
・ C群:ホウ酸塩、トリス、およびトリシン;これらの緩衝剤は低インターセプトかつ過酸化水素に対し低減された感度を示す。
緩衝剤のタイプによるグルコースおよび過酸化水素への感度を比較した場合、同様の傾向がある。このことは、緩衝剤の主要な効果は、過酸化水素の酸化によるものであることを意味しているであろう。ビス−トリス緩衝剤は電気化学的に活性であり、過酸化水素がゼロのときに高いバックグラウンド電流を生じる。ホウ酸トリスおよびトリシン緩衝剤は8を超えるpKa値を有しており、したがってpH=7.4では緩衝能力が乏しいと思われる。その他の緩衝剤は全て7.4に近いpKa値を有している。
ここで図11〜18に移るが、これらは、特に明記しない限り、基板層がインク配合物IIを用いて印刷されており、最上層を備えるために種々のドロップコート配合を用いたバイオセンサーについての結果を示している。ドロップコート配合中の緩衝剤の濃度はmモル/L(mM)で表され、GODの濃度はmg/mLで表されている。各ドロップコート溶液はまた、1%のトレハロースを含有している。
図11は、リン酸緩衝剤/GODの割合(モル/kg)が約60のバッチにおける、静脈血グルコースの測定値を示している。固定化された緩衝剤/酵素の割合が限界濃度を超えると、製品は実質的に同一の反応性を生じるということが示された。緩衝剤の好適な濃度の下限は約300mMである。
図12は、異種のGOD濃度および385mMの固定化リン酸緩衝剤濃度という配合としたバイオセンサーの血中グルコースの測定値を示している。図13は図12のグラフの一部分であり、低グルコース濃度の結果をより鮮明にするために拡大された。低臨界の血中グルコース濃度では、酵素に対する緩衝剤の割合を増加する(酵素を減量する)ことにより、感度が改善されることが示されている。最低限界を超える場合、酵素に対する緩衝剤の割合の調整は、血中グルコースに対するバイオセンサーの反応性のプロフィールの「調節」に用いることができる。反応性についてより良い直線性を得るために、好ましい緩衝剤/酵素の割合(モル/kg)は30〜80、とりわけ40〜60の範囲である。
ここで図14を参照すると、インクおよびドロップコートの配合が異なるものについての結果が示されている。ラベル化されたBSAインクの結果は、インク配合物IIに従って作製されるベースコートインクに対応する。ラベル化されたGODインクの結果は、インク配合物IIIに従って作製されるベースコートインクに対応する。結果は先に記載の配合に従って作製されたドロップコート溶液に対応すると共に、GODを含まない同様の溶液およびドロップコートを塗布しなかった場合に対応している。(最も)後者の場合、感度に乏しいが、その他の場合は、全ての実用的な濃度においてグルコース値を測定することが可能である。酵素および緩衝剤の両者が最上層に存在する場合に、最も良い結果が得られた。
図15にはメッシュ層12を持たないバイオセンサーに関する測定値のグラフが示されている。メッシュ層12を排除すると、塗布された流体が作用領域からメッシュにより分離されることがないことにより、使用されるドロップコートの量を低減することが可能となるが、しかしながら、さらに正確なドロップコーティングを行なうことが必要となる。GODインク(インク配合物III)を用いて基板層を形成し、ドロップコート溶液中に2×125nLのリン酸(緩衝剤)を滴下した場合の結果を示した。緩衝剤の割合が高いほど、より良い直線性が得られた。図16のグラフはインク配合物IIを用いて基板層を形成し、GODおよび緩衝剤を含むドロップコート溶液を用いて最上層を形成したバイオセンサーについての結果を示している。ここでもまた、緩衝剤の割合が高いほど、より良い直線性が得られた。
図17および18のグラフは、GODおよびADA緩衝剤(N−(2−アセトアミド−2−イミノ二酢酸)によるドロップコート溶液についての結果である。緩衝剤の臨界濃度は約200mMであり、緩衝剤/GODの好適な割合(モル/kg)は約40〜100、とりわけ約60〜80である。
本発明の一つの局面に係るバイオセンサーの構成におけるそれぞれの段階を示す図である。 本発明のバイオセンサーおよび先行技術のバイオセンサーにおけるグルコース測定値の比較を示すグラフである。 反応性に関し、最上層に含まれるリン酸緩衝剤の影響を示すグラフである。 グルコース反応性に関する、pHの影響を示すグラフである。 過酸化水素反応性に関する、pHの影響を示すグラフである。 過酸化水素反応性に関する、pHの影響を示すグラフである。 グルコース反応性に関する、pHの影響を示すグラフである。 グルコース反応性に関する、pHの影響を示すグラフである。 過酸化水素反応性に関する、緩衝剤のタイプによる影響を示すグラフである。 過酸化水素反応性に関する、緩衝剤のタイプによる影響を示すグラフである。 緩衝剤/酵素の割合が一定のバイオセンサーに関する測定値のグラフを示す。 緩衝剤/酵素の割合が異なるバイオセンサーに関する測定結果を示す。 緩衝剤/酵素の割合が異なるバイオセンサーに関する測定結果を示す。 インクおよびドロップコートが様々な組み合わせである場合の結果を示す。 メッシュ層を持たないバイオセンサーに関する結果のグラフである。 メッシュ層を持たないバイオセンサーに関する結果のグラフである。 反応性における最上層に含まれるADA緩衝剤の影響を示す図である。 反応性における最上層に含まれるADA緩衝剤の影響を示す図である。

Claims (40)

  1. 流体および電位の存在下、オキシドレダクターゼ酵素の触媒活性を電流滴定的に表示するための、非メディエータ型(non-mediated)の酵素電極であって、前記流体は前記酵素により作用を受ける物質を含有し、また、前記電位は前記電極上にあり、前記酵素電極は、基板材を有し、前記基板材の上に、以下のものを備えている酵素電極:
    (a)微細化されたプラチナ族金属または樹脂により結合された酸化物を含む導電性基板層、
    (b)前記基板層上の最上層、ここで前記最上層は緩衝剤を含む、および
    (c)前記基板層および前記最上層の少なくとも一方に備えられる、触媒的に活性な量の前記オキシドレダクターゼ酵素。
  2. 前記緩衝剤が、リン酸塩、ADA、MOPS、MES、HEPES、ACA、およびACESを含む群から、あるいはpKaが7.4±1である緩衝剤から選択される、請求項1に記載の酵素電極。
  3. 前記緩衝剤のpHが7〜10の範囲にある、請求項1または2に記載の酵素電極。
  4. 前記緩衝剤のpHが7〜8.5の範囲にある、請求項3に記載の酵素電極。
  5. 前記酵素による作用を受けないポリオールを含むシステム安定化剤を、前記最上層中にさらに含有する、先行するいずれかの請求項に記載の酵素電極。
  6. 前記システム安定化剤がトレハロースである、請求項5に記載の酵素電極。
  7. 前記オキシドレダクターゼ酵素がグルコース酸化酵素である、請求項1から6のいずれか一項に記載の酵素電極。
  8. 前記基板層がさらに微細化カーボンまたはグラファイト粒子を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の酵素電極。
  9. 前記プラチナ族金属または酸化物の微細化粒子が、前記微細化カーボンまたはグラファイトの表面に吸着されている、請求項8に記載の酵素電極。
  10. 前記微細化カーボンまたはグラファイトがカーボンを含み、前記基板層が前記カーボン粒子の活性部位をブロックするためのブロック剤をさらに含むものである、請求項8または9に記載の酵素電極。
  11. 前記ブロッキング剤がタンパク質またはポリオールを含む、請求項10に記載の酵素電極。
  12. 前記ブロッキング剤がウシ血清アルブミン(BSA)またはトレハロースである、請求項11に記載の酵素電極。
  13. 前記オキシドレダクターゼ酵素が実質的に前記最上層中に存在する、請求項1から12のいずれか一項に記載の酵素電極。
  14. 前記流体の拡散を補助するための拡散層をさらに含有する、請求項1から13のいずれか一項に記載の酵素電極。
  15. 酵素に対する緩衝剤の割合が30〜80モル/kgの範囲にある、請求項1から14のいずれか一項に記載の酵素電極。
  16. 酵素に対する緩衝剤の割合が40〜60モル/kgの範囲にある、請求項15に記載の酵素電極。
  17. 流体の存在下におけるオキシドレダクターゼ酵素の触媒活性を電流滴定的に表示するための、非メディエータ型のバイオセンサーであり、前記流体は前記酵素により作用する物質を含有し、以下のものを有しているバイオセンサー:
    (a) 基板材;
    (b) 前記基板材上の作用電極および参照電極;
    (c) 試験計測器と電気的な接続を行なうための前記電極に接続した導電路;
    ただし、前記作用電極は以下のものを含む;
    (d) プラチナ族金属、または樹脂により結合された酸化物(bonded together by resin)を含む導電性基板層;
    (e) 前記基板上の最上層、ここで前記最上層は緩衝剤を含む; および
    (f) 前記基板層および前記最上層の少なくとも一方の中に存在する、触媒的に活性量の前記オキシドレダクターゼ酵素。
  18. 前記緩衝剤が、リン酸塩、MOPS、ADA、MES、HEPES、ACA、およびACESを含む群から選択される、請求項17に記載のバイオセンサー。
  19. 前記緩衝剤のpHが7〜10の範囲にある、請求項17または18に記載のバイオセンサー。
  20. 前記緩衝剤のpHが7〜8.5の範囲にある、請求項19に記載のバイオセンサー。
  21. さらに、前記酵素による作用を受けないポリオールを含有するシステム安定化剤を前記最上層中に含む、請求項17から20のいずれか一項に記載のバイオセンサー。
  22. 前記システム安定化剤がトレハロースである、請求項21に記載のバイオセンサー。
  23. 酵素に対する緩衝剤の割合が30〜80モル/kgの範囲にある、請求項17から22のいずれか一項に記載のバイオセンサー。
  24. 酵素に対する緩衝剤の割合が40〜60モル/kgの範囲にある、請求項23に記載のバイオセンサー。
  25. 前記基板層がさらに微細化カーボンまたはグラファイト粒子を含む、請求項17から24のいずれか一項に記載のバイオセンサー。
  26. 前記プラチナ族金属または酸化物の微細化粒子が、前記微細化カーボンまたはグラファイトの表面に吸着されている、請求項25に記載のバイオセンサー。
  27. 流体の存在下におけるオキシドレダクターゼ酵素の触媒活性を電流滴定的に表示するための、非メディエータ型のバイオセンサーの製造方法であり、前記流体は前記酵素により作用する物質を含有し、以下の工程を含有しているバイオセンサーの製造方法:
    (a)その上に作用電極および参照電極を有する基板材、ならびに、試験計測器と電気的な接続を行なうために前記作用および参照電極に接続した導電路を入手すること;
    (b)前記作用電極上に、微細化プラチナ族金属または酸化物、および樹脂バインダーを含有するインクを印刷すること;
    (c)前記印刷後のインクを人為的または自然に乾燥させて、前記微細化プラチナ族金属または樹脂により結合された酸化物を含む導電性基板層を形成すること;ならびに
    (d)緩衝剤により構成される、または緩衝剤を含むコーティング溶液を用いて前記基板層をコーティングすることにより、前記基板層上に最上層を形成すること;なお、
    (e)前記印刷後のインクおよび前記コーティング溶液の少なくとも一方の中に、触媒的に活性となる量の前記オキシドレダクターゼ酵素が供与されている。
  28. 前記コーティング溶液が、前記緩衝剤を含むコーティング流体であり、前記方法が、前記コーティング流体を人為的または自然に乾燥させて、前記基板層上に最上層を形成することをさらに含むものである、請求項27に記載の方法。
  29. 前記コーティング流体がドロップコーティングにより塗布される、請求項28に記載の方法。
  30. 前記コーティング流体を塗布する前に、前記基板層上に拡散層を塗布する工程を含む、請求項28または29に記載の方法。
  31. 前記拡散層を塗布する工程が、界面活性剤をコーティングされたポリエステルメッシュを前記基板層上に塗布することを含む、請求項30に記載の方法。
  32. 前記拡散層を塗布する前に、第一誘電層を塗布する工程をさらに含んでおり、前記酵素により作用する物質を含む前記流体を塗布するターゲット領域を形成するために、参照電極および作用電極の周囲に前記第一誘電層を塗布する、請求項30に記載の方法。
  33. 前記拡散層を所定位置に固定するために、ターゲット領域の周囲に第二誘電層を塗布する工程をさらに含む、請求項32に記載の方法。
  34. 前記酵素がコーティング流体中に供与される、請求項28から33のいずれか一項に記載の方法。
  35. コーティング流体中の緩衝剤の濃度が、300ミリモル/リットル〜1モル/リットルの範囲にある、請求項28から33のいずれか一項に記載の方法。
  36. 酵素に対する緩衝剤の割合が、30〜80モル/kgの範囲にある、請求項27から34のいずれか一項に記載の方法。
  37. 酵素に対する緩衝剤の割合が、40〜60モル/kgの範囲にある、請求項36に記載の方法。
  38. 緩衝剤がリン酸塩またはADAを含む、請求項27から36のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記インク内の前記微細化プラチナ族金属または酸化物が、微細化カーボンまたはグラファイトに粒子の表面に吸着されている、請求項27から38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記コーティング流体のpHが7〜8.5の範囲にある、請求項28に記載の方法。
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