JP2005532436A - ポリウレタンアイオノマーおよびそれらの調製方法および形成方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、改善されたポリウレタンアイオノマーおよびそれらを製造する方法に関する。本発明の方法を使用して得られたポリウレタンアイオノマーは、従来の方法により製造されたものよりも物理的特性が改善されたことが分かった。例えば、本発明の方法により生成されたポリウレタンアイオノマーは、それらが、有用で比較的に広い温度範囲および周波数帯域にわたって、温度に対する弾性率(log10E’として)のプロットにおいて、平坦域を示す。これらのポリウレタンアイオノマーは、−20℃〜+75℃の領域で、50℃より高い範囲のほぼ温度依存性の弾性率を有する。別の利点には、本発明のポリウレタンアイオノマーが従来調製したポリウレタンアイオノマーよりも光学的に透明であることがある。本発明のさらなる利点には、これらのポリウレタンアイオノマーを製造する合成方法が同等の組成物の公知方法よりもずっと速いことがある。

Description

(優先権の情報)
本願は、2001年6月29日に出願された米国仮特許出願第60/302,531号の出願日から優先権を主張する。
(発明の分野)
本発明は、ポリウレタンアイオノマー化学の分野に関する。より詳細には、本発明は、改良されたポリウレタンアイオノマーおよびそれらを調製し、形成し、そして使用する方法に関する。
多くのポリウレタンアイオノマー(PUI)が公知である。公知のポリウレタンアイオノマーには、イオン性部位を有するポリウレタン重合体が挙げられ、これらは、それらと会合した対イオンを有する。あるものは、カチオン性部位を有し(「カチオノマー」)、あるものは、アニオン性部位を有し(例えば、カルボキシレート基およびスルホネート基)(「アニオノマー」)である。アニオン性ポリウレタン(ポリウレタンアイオノマー)に会合したカチオンの全てがプロトンであるとき、これらの物質は、「酸形成ポリウレタン」として記述できる。それらのカチオンの一部または全部が金属イオン(例えば、Mn+イオン、Na、K、Cs、Li、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+およびZn2+、遷移金属イオン、ランタニドイオンまたは他の種類のカチオンであるとき、これらの物質は、広義に、「アイオノマー」と呼ばれる。
金属イオンのポリウレタンアイオノマーを調製する公知方法は、代表的に、ジイソシアネート(またはマルチイソシアネート)化合物と、2種またはそれ以上のジオール(またはポリオール)化合物(これには、少なくとも1個のカルボン酸基を含む少なくとも1種のジオール化合物が挙げられる)とを反応させて、酸形成ポリウレタンを形成する工程を包含する。この工程に続いて、この酸形成ポリウレタンを金属イオン源(例えば、金属塩)と反応させる。その目標は、酸基のプロトンを金属イオンで置き換えることにある。特に、この合成アプローチを使用して得られる生成物は、そのイソシアネート、酸含有ジオール、他のジオール、溶媒、温度、および酸形成ポリウレタン重合体の酸基上のプロトン交換に使用される金属化合物を変えることにより、変えることができる。
ポリウレタンアイオノマー(特に、イオウ含有アニオン性部位基を含むポリウレタンアイオノマー)を調製する他の方法は、他の様式で、この酸形成ポリウレタンに進む。次いで、この酸形成ポリウレタンは、金属イオン源との反応により、このアイオノマーに進む。カルボン酸およびスルホネートの両方の酸部位が取り込まれるとき、そのカルボキシレート部位は、カルボン酸ジオール(例えば、ジメチロールプロピオン酸(DMPA))との反応により、導入できる。
これらの公知のポリウレタンアイオノマーの一部は、文献「Advances in Urethane Ionomers」(H.X.XiaoおよびK.C.Frisch著、Technomic Publish Company,1995,ISBN No.1−56676−289−8)で記述されている。他のものは、以下の参考文献で記述されている:S.−A.ChenおよびJ.−S.Hsu,Polymer 34(1993),2769;E.ZagarおよびM.Zigon,Polymer,40(1999),2727;C.−Z.Yang,T.G.Grasel,J.L.Bell,R.A.RegisterおよびS.L.Cooper,J.Polym.Sci.,Part B:Polym.Phys.,29(1991),581。
ポリウレタンカチオノマーは、アニオノマーとは全く異なる。いくつかの公知のポリウレタンカチオノマーは、以下の代表的な参考文献に記述されている:W.−C.ChanおよびS.−A.Chen,Polymer,29(1988),1995;S.MohantyおよびN.Krishnamurti,J.Appl.Polym.Sci.62(1996),1993;J.C.LeeおよびB.K.Kim,J.Poly.Sci.,Part A:Polym.Chem.,32(1994),1983;X.Wei,Q.HeおよびX.Yu,J.Appl.Polym.Sci.,67(1998),2179;ならびにShenshen Wu and Murali Rajagopalan,WO96/40378,米国特許第5,692,974号およびその中の参考文献。
これらのアイオノマーに加えて、酸基または塩基基を含有する他の種類のポリウレタン化合物がある。それらのうちでは、被覆および仕上げ用のラテックス異形状で使用されるポリウレタン化合物がある。極性液体中の分散体に設計されたポリウレタン化合物の一部は、酸形成ポリウレタンであると見なすことができる(例えば、Chien−Hsin Yang,Shih−Min LinおよびTen−Chin Wen,Polymer Science and Engineering,Vol.35,No.8,722(1995))。
この酸含有ポリウレタンを製造し、次いで、それらのプロトンを金属イオンで置き換えるという上述の確立した合成アプローチは、本明細書中では、第一確立方法(「FEM」)と呼ぶ。それには、酸形成ポリウレタンの直接的な合成が関与している。ポリウレタンが、例えば、スルホン化により酸基を含むように変性される場合は、第二確立方法(「SEM」)である。これらの方法は、貴重な用途を有する可能性がある一部の興味深い物質を生じた。しかしながら、第一確立方法を使用して製造されたポリウレタンアイオノマーが示した特性の範囲は、その合成で使用される反応プロセスおよび化合物により、限定されている。さらに、その全体的な合成プロセスは、比較的に遅いので、より速い合成手順があれば、有利となる。
第一確立方法(First Established Methods;FEM)により生成されたポリウレタンアイオノマーは、その反応物および合成プロセスそれ自体により、限定されている。これは、例えば、第一確立方法のスペクトル範囲により生成されたポリウレタンアイオノマーの光学特性および機械的特性で見られる;例えば、それらは、雲って見える傾向にある。この曇りは、典型的には、非均一物質内の比較的に大きい相の存在に関連している。FEMが物理的特性に限界がある理由は、十分には理解されていないが、1つの理由は、それらの合成の一部では、例えば、そのイソシアネート基とカルボン酸基との間で競争反応が存在していることがある。これらの競争反応は、本発明の改良合成方法(「ISM」)では、存在していないか、著しくない。他の理由は、その最終反応である酸形成ポリウレタンと金属イオン源との間の反応が不完全であることであり得る。その反応では、化学量論的に望ましい割合の酸基および金属含有分子が組み合わされたとしても、不完全な混合、不完全な中和およびイオン含有要素のプロセス依存性形成により、潜在的な用途に最適ではあり得ない一定範囲の生成物が生じる。これらの方法の1つにおいて、この金属イオンの取り込みが不完全である場合、実際に有効金属含量がどの程度がを知ることが困難であり、時には、最終生成物の化学分析を実行することなく、それを知ることが不可能となる。
ポリウレタンアイオノマーを合成する第三確立方法(「TEM」)は、ジイソシアネート(またはマルチイソシアネート)化合物と2種またはそれ以上のジオール/ポリオール化合物(少なくとも1個のイオン性基または潜在的イオン性基を含有する少なくとも1種のジオールまたはポリオール化合物を含めて)との反応を利用する。この方法は、いくつかの特許で言及されており、それらには、以下が挙げられる:Marek Gorzynski and Horst Schiirman,米国特許第4,777,224号;Steve H.Ruetman and Joginder N.Anand,米国特許第4,956,438号;およびKlaus Noll and Jurgen Grammel,米国特許第4,092,286号。「潜在的イオン性基」部分とは、上記第一確立方法と同様に、酸基を意味する。
この潜在的イオン性基をその塩形状に変換すると、しばしば、そのイオン含有種の溶解性が低下し、これは、もし、このポリウレタンの合成を有機溶媒中で行うなら、問題である。しかしながら、水分散性の被覆および接着剤を合成するには、それは、あまり問題とはなり得ない。明らかに、疎水性熱可塑性物質および水分散性被覆などの合成は、非常に異なる事項である。従来技術の再検討から分かるように、合成のTEMを使用するとき、その反応は、水の存在下にて実行するか、またはイオン含有種(これは、非水性媒体中のその溶解度を高める大きい疎水性基を含有する)で実行し、これは、種々の様式で達成され、その一部は、上で引用した特許で記述されている。
結果的に、上述の従来の方法は、貴重であるが、不完全または不均質に中和したアイオノマー、物理的特性および分子構造が限定されたアイオノマー、および他の類似の制限があるアイオノマーのような問題により、限定されている。
さらに、ポリ(エチレン−co−アクリレート/メタクリレート)アイオノマーは、市販の物質であり(Surlyn(登録商標)、DuPont & Company and lotek(商標)、Exxon Corporationは、例えば、2種の市販プランドである)、例えば、ゴルフボールおよび食品包装に広く適用される。これらの市販のポリ(エチレン−co−アクリレート/メタクリレート)アイオノマーの欠点の1つには、ガラス転移温度が室温より高いことがある(例えば、Surlyn(登録商標)9650のガラス転移温度は、約50℃である)。それゆえ、これらの物質は、通常の人間が活動する温度では、非常に硬く感じられる。ポリ(エチレン−co−アクリレート/メタクリレート)アイオノマーのこの欠点により、それらは、強靱な物質ではあるものの、ゴルフボールを製造する最高の候補ではない。それゆえ、ポリ(エチレン−co−アクリレート/メタクリレート)アイオノマーを軟化すると、より望ましい特性を備えた新しい種類の物質が得られる。
ポリ(エチレン−co−アクリレート/メタクリレート)アイオノマーの有効ガラス転移温度を下げるために、明らかな方法には、それらに、ゴム状重合体(これは、室温より低いガラス転移温度を有する)の特定部分をブレンドすることがある。しかし、この目標を達成するためには、ゴム状重合体は、これらのポリ(エチレン−co−アクリレート/メタクリレート)アイオノマーと相当な範囲まで混和性でなければならず、そうでなければ、このゴムとポリ(エチレン−co−アクリレート/メタクリレート)アイオノマーとのブレンドにより、2つのガラス転移温度(一方は、ゴムのものであり、他方は、ポリ(エチレン−co−アクリレート/メタクリレート)アイオノマーのものである)を有する物質が生じる。これにより、最初の物質の機械的強度が悪化し、そしてポリ(エチレン−co−アクリレート/メタクリレート)アイオノマーを軟化することに対する有用な効果がなくなる。
良好な均質性およびイオン性部位の分散を有する熱可塑性ポリウレタンアイオノマーは、強靱かつTsが低い(通常、約−30〜−50℃)ので、ポリ(エチレン−co−アクリレート/メタクリレート)アイオノマーとブレンドする良好な候補であると予想される。それゆえ、本研究では、このような高品質のポリウレタンアイオノマーをポリ(エチレン−co−アクリレート/メタクリレート)アイオノマーとブレンドした。それらは、驚くほどに高い混和性を有することが発見された。遠赤外スペクトルおよび動力学的機械的熱分析データにより、ブレンドは、その分子レベルで起こることが明らかとなった。これらのポリウレタンアイオノマーとポリ(エチレン−co−アクリレート/メタクリレート)アイオノマーとの間の相互作用による新しいピークは、それらのブレンドのスペクトルで認められた。これらのブレンド中のポリウレタンアイオノマーのガラス転移温度は、驚異的に高まり、このことは、ポリウレタンアイオノマーの軟質セグメントとポリ(エチレン−co−アクリレート/メタクリレート)アイオノマーとの間の相互作用が起こったことを示している。
(発明の要旨)
本発明は、ポリウレタンアイオノマーおよびそれらを製造および/または使用する方法に関する。動力学的機械的熱分析(DMTA)および引っ張り試験技術を使用して、これらのポリウレタンアイオノマーの機械的特性を調べた。本発明の方法を使用して得られたポリウレタンアイオノマーは、従来の方法により製造されたものと比較して、物理的特性が改善されたことが分かった。例えば、本発明の方法により生成されたポリウレタンアイオノマーの主な利点は、それらが、有用で比較的に広い温度範囲にわたって、温度に対する弾性率(log10R’として)のプロットにおいて、平坦域を示すことにある。これらのポリウレタンアイオノマーは、−20℃〜+75℃の領域で、50℃より高い範囲のほぼ温度依存性の弾性率を有する。
本発明の方法により得られる他の利点には、本発明のポリウレタンアイオノマーが従来調製したポリウレタンアイオノマーよりも光学的に透明であることがある。紫外−可視(UV−Vis)分光法を使用して、これらのアイオノマーの透明性を評価しところ、本発明の方法により合成されたアイオノマーは、可視範囲にわたって、吸光度が小さいことが分かった。
本発明のさらに他の利点には、これらのポリウレタンアイオノマーを製造する合成方法が同等の組成物の公知方法よりもずっと速いことがある。さらに、これらのポリウレタンアイオノマーについて、著しい引っ張り強度特性が観察された。
公知の組成(酸基含量を含めて)を備えたアニオン性ポリウレタンをベースにしたポリウレタンアイオノマーを得るために、その酸基プロトンを指定した金属カチオンで完全かつ制御して置き換える新しいアプローチを考案した。本発明によれば、優れた均質性および物理的特性だけでなく、大きさの小さい金属塩粉末を使用することによりそれらを製造する優れた方法を得ることが可能である。本発明によれば、この酸基含有ジオールは、それをその金属塩で置き換えることにより、その無水重合における反応物として、脱離した。このようにして、これらの酸基を反応物部位として脱離すること、また、このポリウレタンの形成が完了する前に分子レベルで正確な量の金属イオンを確実に取り込むことが可能となる。
上記によれば、本発明の第一の目的は、ポリウレタンアイオノマーを製造する方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、ポリウレタンアイオノマーを製造する方法であって、その反応時間が従来の反応時間と比較して短くされた方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、ジイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させてイソシアネート末端プレポリマーを形成し、これを、次いで、酸基含有ポリオールの細かく分割した実質的に無水の金属塩と反応させて、ポリウレタンアイオノマーを形成することにより、ポリウレタンアイオノマーを製造する方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、ポリウレタンアイオノマーおよびそれらを製造する方法を提供することにあり、ここで、このポリウレタンアイオノマーは、約−20℃〜約75℃ま領域で、50℃より高い範囲の温度依存性の弾性率を有する。
本発明のさらに他の目的は、ポリウレタンアイオノマーおよびそれらを製造する方法を提供することにあり、ここで、このポリウレタンアイオノマーは、従来のポリウレタンアイオノマーよりも光学的に透明である。
本発明のさらに他の目的は、1種またはそれ以上のポリウレタンアイオノマー(これは、本発明の方法に従って、生成される)を含有する組成物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、少なくとも1種のポリウレタンアイオノマー(これは、本発明の方法に従って、生成される)を含む物品(例えば、ゴルフボール)を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、本発明の方法に従って生成したポリウレタンアイオノマーとのブレンドを含有する組成物およびそこから製造した物品を提供することにある。
本発明の追加の目的は、本発明の方法に従って生成した少なくとも1種のポリウレタンアイオノマーと、さらに、1種またはそれ以上の他の重合体型化合物とを含有する組成物およびそこから製造した物品を提供することにある。
本発明のこれらのおよび他の目的および利点は、以下で記述した詳細な説明を読むと、明らかとなる。
(発明の詳細な説明)
本発明によれば、以下の様式で、2種類の合成を実行した。第一に、「第一確立方法」の様式で、特定のポリウレタンアイオノマー(アニオノマー名目組成)の合成を実行した。次いで、本発明の方法を使用して、同じ名目組成を有するポリウレタンアイオノマーの合成を実行した。本発明の方法は、無水微結晶形態の酸含有ジオールの金属塩を使用する。このような塩は、ポリウレタンを合成するのに使用される無水溶液またはニート無水反応物にあまり溶解性であるとは予想されないとしても、それらは、通常の様式で反応することが発見された。
本発明の方法を開発する際に、細かく分割した無水金属塩が、有効に反応して有機溶媒中での塩の溶解度を高めるように使用できることが発見された。従って、それらの生成物を形成するのに十分に高い溶解速度で無水溶液に溶解する塩の細かい乾燥微結晶を発見する必要があった。これらの細かい微結晶塩は、水の存在により生じる副反応をなくす。
結果として、劇的な結果が得られた。細かく分割した無水金属塩を用いる合成を使用したとき、本発明の方法によれば、その反応時間は、既存の方法(例えば、第一確立方法)と比較して、大きく短縮された。多くの場合、この合成時間は、約6日間(約140時間)から約3時間まで短縮された。さらに、得られたポリウレタンアイオノマー生成物は、優れていた。それゆえ、溶媒を除去した後、新しい方法を使用して生成した物質は、透明で、強靱かつ強力であり、適当可能な広い温度範囲にわたって、優れた機械的特性を有していた。
それに加えて、その組成は、既知の化学量論で保証されていた。対照的に、「第一確立方法」で製造した名目的に同一のポリウレタンアイオノマーは、曇っており、透明ではなく不均質であった。それゆえ、本発明の方法は、既知組成および改良された均質性を有するポリウレタンアイオノマーを合成するという予定の目標を達成しただけでなく、予想外に、合成の改良およびポリウレタンアイオノマー物質の改良がなされた。
そのほかにも、また、極めて驚くべき発見がなされた。本発明の方法を実施する際に、その鎖伸長工程において、攪拌効率が最終生成物の特性に影響を与え得ることが分かった。もし、この鎖伸長工程中における攪拌が良好であるなら、その物質の特性は、優れている。しかしながら、もし、この反応物がその工程でよく攪拌されないなら、それらの特性を改良するのに、その反応溶液の後処理が役立ち得る。それと共に、本発明に従って製造されたポリウレタンアイオノマーは、本発明の反応方法を化学量論的な完結(すなわち、そのイソシアネート基の全部が反応した)まで実行した後、いくつかの異なる様式で処理された。このようにして、もし、その鎖伸長工程での混合が効率的ではないなら、本発明のポリウレタンアイオノマーの異なる後処理により、劇的に異なる特性を備えたポリウレタンアイオノマーが得られる。
例えば、本発明の方法により調製し次いで反応液中で物質の形成前に数時間後処理した一部の金属ポリウレタンアイオノマーの機械的特性では、特に驚異的で非常に価値がある可能性がある1つの結果が見られた。わざと不十分に混合し後処理した物質の一部について、−150℃〜75℃の範囲で、温度に対する機械的保存弾性率(E’)の測定値により、この弾性率では、約−20℃〜+75℃の範囲で、高レベルで、プラトーが存在していることが明らかとなった。この温度範囲は、人間の活動の典型的な温度範囲を含み、このことは、本発明のポリウレタンアイオノマーが、市販製品の有用範囲にわたって、ほぼ一定のE’を有することを意味する。可撓性および強度が重要である製品には、その温度範囲にわたる不変の挙動は、非常に価値がある。
(新しい反応方法)
本発明の方法は、実施例の反応物セットにより例示でき、ここで、そのイソシアネート源は、ジイソシアネートであり、1鎖成分は、ポリエーテルジオールであり、そして金属塩は、DMPA(ジメチロールプロピオン酸)のものである。それらの工程は、以下のとおりである:
工程1:ジイソシアネートおよびポリエーテルジオールを混ぜ合わせて、イソシアネート末端プレポリマーIを調製する
工程2:プレポリマーIを、ジメチロールプロピオン酸金属(M−DMPA)と反応させることにより鎖伸長して、ポリウレタンアイオノマー溶液または分散液を形成する
工程3:適当なとき、後処理
工程4:この溶液または分散液から反応溶媒を除去して、最終ポリウレタンアイオノマー生成物を形成する。
ポリウレタン鎖の形成は、長鎖ジオールまたは短鎖ジオールに由来の官能基ヒドロキシル(−OH)とジイソシアネートに由来の官能基イソシアネート(−NCO)との間の段階的な重合反応である。この種の反応について、高分子量の重合体を得るためには、2個の官能基の化学量論を制御することが重要である。これらの2個の官能基の僅かなミスマッチも、低分子量重合体、すなわち、オリゴマーを生じる。
本発明のさらに特定の実施態様によれば、本発明の方法は、以下の工程を包含する:
溶媒中にて、式(I)を有するジイソシアネート化合物と、式(II)を有するポリオールとを反応させて、式(III)を有するイソシアネート末端ポリウレタンプレポリマーを形成する工程:
(I)
OCN−[A]−NCO
A=直鎖または分枝鎖脂肪族基、置換直鎖または分枝鎖脂肪族基、あるいは芳香族基または置換芳香族基である;
(II)
HO−[B]−OH
B=直鎖または分枝鎖脂肪族基、置換直鎖または分枝鎖脂肪族基、あるいは芳香族基または置換芳香族基、ポリエーテルまたはポリエステルであり、そして
n=1〜300である;
Figure 2005532436
ここで、
x=1.0〜100である。
式(III)のイソシアネート末端プレポリマーは、次いで、酸基含有ポリオールの細かく分割した金属塩とを反応される。さらに限定した実施態様では、この酸基含有ポリオールの細かく分割した金属塩は、式(IV)を有するジメチロールプロピオン酸金属である。
Figure 2005532436
ここで、M=Ba2+、Ca2+、Cs、K、Li、Mg2+、Na、Rb、Sr2+およびZn2+である;
R=HまたはC〜Cアルキルである;そして
n=1または2である。
式(III)のイソシアネート末端プレポリマーと式(IV)のジメチロールプロピオン酸金属との反応により、式(V)を有するポリウレタンアイオノマーが生成する:
Figure 2005532436
以下は、本発明に従ってこれらのポリウレタンアイオノマーを調製する化学反応スキームの一例を示す。
(新規ポリウレタンアイオノマーを調製する新しい方法の化学反応スキーム)
Figure 2005532436
(ブレンド)
本発明の方法により合成したポリウレタンアイオノマーは、種々の材料とブレンドできる。ポリウレタンアイオノマーとブレンドできる材料の例には、熱可塑性ポリウレタン(TPUs)、種々のスルホン化度のスルホン化ポリスチレン(SPS)、酸形状のポリ(エチレン−co−アクリレート/メタクリレート)およびその対応するアイオノマーが挙げられるが、これらに限定されない。ブレンドを達成するには、二軸ブレンド、溶液ブレンドおよび溶融ブレンドが使用できる。
NaPUIおよびZnPUI材料と、ナトリウムおよび亜鉛Surlyn(登録商標)材料とのブレンドを行い、そし半球形「半殻」に成形した。それらを固形ゴルフボール核の周りに置き、そして標準的な1空洞のゴルフボール金型に配置した。この金型の材料を加圧下にて加熱し、冷却し、そして金型から取りだした。このようにして、許容できるゴルフボールを製造した。
(表記の説明)
ここで、Zn(50)PUI−Cは、一例として、本明細書中で製造したポリウレタンアイオノマーの表記を説明するために使用される。最終製品の名称では、その金属記号は、そのアニオノマーの対イオンとして、どの種の金属カチオンが使用されているかを明記する。この場合、Znは、亜鉛イオンを意味する。この金属記号に続く括弧内の数字は、中和したDMPAに由来のカルボン酸のモル%を意味する。もし、この数が欠落しているなら、このカルボン酸基が100%中和されたことを意味する。ここで、PUIは、ポリウレタンアイオノマーの略語である。ダッシュサインのすぐ後の大文字は、その最終PUIが誘導されたプレポリマーの組成を説明している。ここで、「C」は、プレポリマーCを使用したことを示す。もし、この大文字の後に何もないなら、このPUIは、本発明の実施例と同様に、本発明の方法により合成したことを意味する;そうでなければ、この大文字の後に「(FEM)」が続いている場合、そのポリウレタンアイオノマーは、「第一確立方法」で合成したことを意味する。
(ジメチロールプロピオン酸金属鎖伸長剤の合成および特性付け)
ジメチロールプロピオン酸金属を合成する最も直接的な方法は、そのカルボン酸基の酸性を利用して、それらを塩基と反応させ、対応する塩を生成することである。次いで、これらの塩は、分離し精製しなければならない。これを達成するために、次の合成方法を指定した。カーボネートとの反応中にて、泡の発生および反応混合物の清澄化により、その反応が予想通りに進行したことが明らかとなる。種々のジメチロールプロピオン酸金属を合成し、これらを、表1に示す。
(表1.ジメチロールプロピオン酸金属および選択した特性;官能基数は、式量(FW)の1式単位あたりの水酸基の数である)
Figure 2005532436
ジメチロールプロピオン酸ナトリウム、亜鉛、マグネシウムなどを調製する合成手順は、以下のとおりである。この調製では、炭酸金属をそれらのカルボキシレート形状に完全に変換するために、僅かに過剰な量のDMPAを使用する。これらの塩は、室温で、水に非常に溶解性であるので、その溶液は、沈殿工程を実行する前に、飽和状態まで濃縮される。典型的には、エタノールを使用して、これらの塩をそれらの水溶液から沈殿させる。エタノールは、ここでは、いくつかの目的に役立つ。第一に、それは、これらの金属塩が沈殿できるように、それらの金属塩に対して貧溶媒である;第二に、それは、未反応のDMPAが金属塩から除去できるように、DMPAに対して良溶媒である。最後に、エタノールは、水よりも非常に揮発性の溶媒であり、これらの塩を完全に乾燥するのが容易である。エチノールを注ぎつつ、この溶液を激しく攪拌する目的は、これらの塩が非常に細かい微結晶形状で沈殿するのを確実にすることにある。
ジメチロールプロピオン酸カリウム、リチウムおよびセシウムは、上記手順を改良することにより、合成される。このジメチロールプロピオン酸カリウムは、エタノールでは、その濃縮水溶液から容易には沈殿できないが、ピリジンを加えると、沈殿する。そこで、エタノールの代わりにピリジンを使用する。ジメチロールプロピオン酸リチウムおよびセシウムは、非常に吸湿性であり、そこで、それらは、ピリジンを使用するときでさえ、沈殿しない。それらを沈殿させて除く代わりに、それらの反応が終わった後、得られた溶液を濃縮し、残留している水を蒸留プロセスで除去する。トルエンを使用して、この水を共に蒸留する。
この塩鎖伸長剤であるジメチロールプロピオン酸金属をうまく合成することは、本発明の方法では、重要な工程である。これらのジメチロールプロピオン酸金属粉末を調製する良好な合成方法は、以下の要件を満たすべきである:1)このDMPAに由来の水酸基は、この合成後、残存しなければならない;2)残存している水酸基は、イソシアネート基に反応性でなければならない;3)調製した塩は、実質的に水分子を含んでいてはならず、表面反応が起こる程に微粒子であるべきである;4)これらの塩は、段階的な重合で使用できるように、十分に純粋でなければならない;そして5)これらの塩は、ポリウレタンアイオノマーを調製する溶媒に少なくともある程度の溶解性を有しなければならない。
上述のように、これらのジメチロールプロピオン酸金属の一部の溶解度がDMF中では高くないものの、それらは、限られた範囲まで溶解する。この塩を、まず、攪拌下にて、DMFおよびイソシアネート末端プレポリマーを含む反応系に加えるとき、その系は、スラリーとなり、これは、これらの塩のDMF中での溶解度が低いことと一致している。上述のように、溶解した塩は、このプレポリマーと反応して、その重合体骨格に取り込まれる。最終的に、この溶液は、この塩では、不飽和となる。このプロセスは、全ての塩が溶解してイソシアネート末端プレポリマーとの反応により消費されるまで、継続する。
(一部のポリウレタンアイオノマーの合成条件の比較;DMTA測定および不変勾配の定義)
DMTA Rheometric Mark IV器具に対して、DMTA(「動的機械的熱分析(Dynamic Mechanical Thermal Analysis)」)実験を行った。試料を、約140℃で、4分間成形し、次いで、冷却水を使用して、室温まで冷却した。その正確な温度は、PUIの組成に依存している。これらの試料を、3℃/分で加熱し、加えた正弦力は、0.1Hz、1.0Hzおよび10Hzの振動数を有した。得られたデータを、the Rheometric ScientificTMOrchestratorソフトウェアを使用することにより、分析した。
この測定から得たデータを、各測定回数について、温度(℃)に対するE’、E”およびtanδのプロットとして提示する。E’およびE”は、広範囲で変わるので、それらの規模は、対数的である。平坦域は、この研究で定義するが、そのlog10E’が0.1Hz〜10Hzの周波数に対してほぼ一定であるか特定温度範囲にわたってゆっくりと変わる領域である。さらに具体的には、この平坦域は、そのように定義した領域で適合させた線の勾配のネガティブにより、定義できる。その定義は、可変Csの値(この勾配の標準化値のネガティブ)は、一定温度範囲(これは、少なくとも50℃幅であり、−50℃〜+100℃の範囲で起こる)で、d(dは、小さい正数である)よりも小さくなければならない。この可変Csは、ここで、以下として定義される:
Figure 2005532436
この定義は、(A)(図1)の場合について図示でき、これは、本発明の一例である。この場合、縮尺を拡大して、logE’対T(℃)のプロットに適合させた直線により示されるように、Csの値は、事実上、−13℃〜+75℃で、10Hzで、−20℃〜75℃で、1Hzで、そして−26℃〜75℃で、0.1Hzで、0である。(B)(図1)の場合、類似のZnPUI−A(FEM)を「第一確立方法」で作成したが、Csは、ずっと高い値を有する。図5は、Csを計算する目的のための(A)ZnPUI−Aおよび(B)ZnPUI−A(FEM)の拡大DMTAデータを示す。
上記情報を使用して、本発明をさらに特徴付けるために、いくつかの実施例を行う。これらの実施例は、以下で示す。
(実施例1)
(DMPAナトリウム塩微結晶の合成:ジメチロールプロピオン酸ナトリウム)
250mlビーカーにて、DMPA(ジメチロールプロピオン酸)1.02mole(136.8g)を水80mlに溶解して、溶液を形成した。この溶液に、攪拌下にて、25℃で、炭酸ナトリウム0.50mole(53.0g)をゆっくりと加えた。泡の発生が止まるか透明な溶液が形成された後、この溶液を、沸騰および蒸発により、約150mlまで濃縮した。次いで、この溶液を氷水で冷却し、そして激しい攪拌下にて、エタノール1000mLを注いだ。その沈殿物を濾過し、エタノールで3回洗浄し、70℃で、2日間空気乾燥し、次いで、真空中で、100℃で、2日間乾燥した。
(実施例2)
(DMPAルビジウム塩微結晶の合成:ジメチロールプロピオン酸ルビジウム)
炭酸ナトリウムの使用に代えて炭酸ルビジウム(これは、Aldrich Chemical Co.から購入した)115.5gを使用したこと以外は、実施例1と同様にして、このプロセスを実行した。
(実施例3)
(DMPA亜鉛塩微結晶およびDMPAニッケル塩微結晶の合成:ジメチロールプロピオン酸亜鉛およびジメチロールプロピオン酸ニッケル)
炭酸ナトリウムを酸化亜鉛40.7gおよび酸化ニッケル37.4gで置き換えたこと以外は、実施例1と同様にして、このプロセスを実行した。
(実施例4)
(DMPAアルカリ塩微結晶の合成:ジメチロールプロピオン酸マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよびバリウム)
炭酸ナトリウムを炭酸マグネシウム42.0gまたは炭酸カルシウム50.0gまたは炭酸ストロンチウム73.8gまたは炭酸バリウム98.7gで置き換えたこと以外は、実施例1で記述したようにして、このプロセスを実行した。収集した生成物を、実施例1のプロセスに従って乾燥した後、真空中にて、180℃で、さらに2時間乾燥した。これらの炭酸金属は、Aldrich Chemical Co.から購入した。
(実施例5)
(DMPAリチウム塩微結晶の合成:ジメチロールプロピオン酸リチウム)
まず、2500mlビーカーにて、DMPA(134.0g)を水800mLに溶解して、溶液を形成した。この溶液に、攪拌下にて、25℃で、炭酸リチウム37.9gをゆっくりと加えた。COの発生が止まると、得られた溶液を、沸騰および蒸発により、約200mlまで濃縮した。次いで、この溶液をトルエンと共に蒸留することにより、水−オイル−蒸留−分離プロセスを使用して、残留している水を除去した。得られた白色固形物塩を集め、そして真空中にて、100℃で、2日間乾燥し、次いで、デシケーター中にて保存した。この炭酸リチウムおよびDMPAは、Aldrich Chemical Co.から購入した。
(実施例6)
(DMPAセシウム塩の合成:ジメチロールプロピオン酸セシウム)
炭酸リチウム37.9gを炭酸セシウム(これは、Aldrich Chemical Co.から購入した)162.9gで置き換えて、実施例1で記述した方法を使用して、DMPAセシウム塩を合成した。
(実施例7)
(DMPAカリウム塩の合成:ジメチロールプロピオン酸カリウム)
2500mlビーカーにて、DMPA(1.02mole、136.8g)を水800mLに溶解して、溶液を形成した。25℃で攪拌しつつ、この溶液に、炭酸カリウム0.50mole(69.0g)をゆっくりと加えた。泡の発生が止まった後、得られた溶液を、沸騰および蒸発により、約200mlまで濃縮した。次いで、この溶液を氷水で冷却し、そして攪拌下にて、ピリジン1000mlを注いだ。その沈殿物を濾過により集め、ピリジンで洗浄し、そして70℃で、2日間乾燥したのに続いて、真空中にて、100℃で、2日間乾燥した。
(実施例8)
(プレポリマーAの合成)
プレポリマーAは、0.8のイソシアネート基に対する水酸基の比で、イソシアネートHMDIとジオールPTMO−1000との反応により、得られる。1000mLの二ッ口丸底フラスコに、HMDI(13.20g、100.00mmolesのイソシアネート基)、PTMO−1000(39.22g、78.43mmolesの水酸基)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)157mL、攪拌棒、乾燥窒素入口および濃縮器(これは、Drierite(登録商標)(無水硫酸カルシウム)で満たした乾燥チューブに連結した)を充填した。その混合物を攪拌し、そして60℃まで加熱した。透明な溶液が形成された後、このフラスコに、ジブチルスズジラウレート10.5mgを加えた。次いで、この反応を、乾燥窒素保護下にて攪拌しつつ、65℃で、2時間実行した。この結果、プレポリマーAが形成され、これは、約2620のイソシアネート当量を有する。
(表2.合成したナトリウムポリウレタンアイオノマーの組成)
Figure 2005532436
(実施例9)
(0.7、0.6、0.5、0.4または0.3のイソシアネート基に対する水酸基の比でのイソシアネートおよびPTMO−1000を使ったプレポリマーB、C、D、EまたはFの合成)
PTMO−1000、DMFおよびDBTDLの量を、それに合うように、プレポリマーBに対して、34.31g、142mLおよび9.5mg、プレポリマーCに対して、29.41g、128mLおよび8.5mg、プレポリマーDに対して、24.51g、113mLおよび7.5mg、プレポリマーEに対して、19.61g、98mLおよび6.6mg、そしてプレポリマーFに対して、14.70g、84mLおよび5.6mgに変えたこと以外は、実施例8と同様にして、これらの反応を実行した。プレポリマーB、C、D、EおよびFの概算のイソシアネート当量は、表3で列挙したように、1584、1065、754、547および398である。
(実施例10)
(0.8、0.75、0.6、0.5、0.4および0.3のイソシアネート基に対する水酸基の比でのイソシアネートおよびPTMO−2000を使ったプレポリマーG、H、I、K、JおよびLの合成)
PTMO−1000をPTMO−2000で置き換え、そしてPTMO−2000、DMFおよびDBTDLの量を、プレポリマーGに対して、78.43g、275mLおよび18.3mg、プレポリマーHに対して、73.53g、260mLおよび17.3mg、プレポリマーIに対して、58.82g、216mLおよび14.4mg、プレポリマーJに対して、49.02g、186mLおよび12.4mg、プレポリマーKに対して、39.21g、157mLおよび10.4mg、そしてプレポリマーLに対して、29.41g、127mLおよび8.5mgに変えたこと以外は、実施例8と同様にして、これらの反応を実行した。プレポリマーG、H、I、K、JおよびLの概算のイソシアネート当量は、表3で列挙したように、4580、3469、1800、1244、873および608である。
(実施例11)
(0.8、0.7、0.6および0.5の水酸基:イソシアネート基の比でのイソシアネートおよびPTMO−2900を使ったプレポリマーM、N、PおよびQの合成)
PTMO−1000をPTMO−2900で置き換え、そしてPTMO−2900、DMFおよびDBTDLの量を、それに従って、プレポリマーMに対して、113.72g、380mLおよび25.4mg、プレポリマーNに対して、99.51g、338mLおよび22.5mg、プレポリマーPに対して、85.29g、295mLおよび19.7mg、そしてプレポリマーQに対して、71.08g、253mLおよび16.8mgに変えたこと以外は、実施例8と同様にして、これらの反応を実行した。プレポリマーM、N、PおよびQの概算のイソシアネート当量は、表3で列挙したように、6346、3757、2462および1686である。
(実施例12)
(後処理を使ったNa含有PUI組成物であるNaPUI−Aの合成)
実施例8で合成したそのDMF溶液中のプレポリマーAを、激しい機械攪拌下にて、ジメチロールプロピオン酸ナトリウム(細かく粉砕した微結晶)1.530gと直接混ぜ合わせた。この反応を、65℃で、乾燥窒素保護下にて、実行した。その反応の進行は、赤外分光法で追跡した。具体的には、未反応イソシアネート基による2163cm−1の吸光度をモニターした。この吸光度は、事実上、ゼロであり、このことは、この反応が2時間以内に完結したことを示していた。攪拌を10〜12時間継続した。得られた溶液を脱気し、そしてTeflon(登録商標)トレイに放った。25℃で蒸発させることにより、溶媒であるDMFを除去して、乾燥フィルムを形成し、次いで、このフィルムを、いずれの残留している溶媒も除去するために、60℃で、真空中にて、48時間さらに乾燥した。
(実施例13)
(Na含有PUI組成物であるZnPUI−Aの合成)
この反応は、IRスペクトルにより反応の完結が示された後に反応を停止したこと以外は、実施例12と同様にして、実行した。
(表3.選択して合成したポリウレタンアイオノマーナトリウムおよび亜鉛の組成)
Figure 2005532436
(実施例14)
(Na含有PUI組成物であるNaPUI−B、NaPUI−C、NaPUI−D、NaPUI−EおよびNaPUI−Fの合成)
実施例9で合成したプレポリマーB、C、D、EおよびFを、それらのDMF溶液中にて、それぞれ、激しい機械攪拌下にて、ジメチロールプロピオン酸ナトリウム(細かく粉砕した微結晶)2.296g、3.061g、3.826g、4.591gおよび5.356gと直接混ぜ合わせたこと以外は、これらの反応を、実施例13と同様にして、実行した。それらの生成物は、表3で列挙した。
(実施例15)
(Zn含有PUI組成物であるZnPUI−A、ZnPUI−B、ZnPUI−C、ZnPUI−D、ZnPUI−EおよびZnPUI−Fの合成)
実施例9で合成したプレポリマーA、B、C、D、EおよびFを、それらのDMF溶液中にて、それぞれ、激しい機械攪拌下にて、細かく粉砕したジメチロールプロピオン酸亜鉛1.625g、2.438g、3.250g、4.063g、4.876gおよび5.689gと直接混ぜ合わせたこと以外は、これらの反応を、実施例13と同様にして、実行した。それらの生成物は、表3で列挙した。
(実施例16)
(第一確立方法によるZn含有PUI組成物であるZnPUI−Aの合成)
実施例8で合成したプレポリマーAを、そのDMF溶液中にて、激しい機械攪拌下にて、DMPA(1.320g)と直接混ぜ合わせた。この反応を、65℃で、乾燥窒素保護下にて、実行した。その反応の進行は、実施例12と同様にして、赤外分光法で追跡した。この吸光度が事実上ゼロになるには、144時間以上かかった。そのフラスコに、DMF(192ml)を加えて、この溶液を希釈した。次いで、化学量論量(1.292g)のアセチルアセトン酸亜鉛を加え、その反応を、攪拌下にて、25℃で、12時間実行した。その生成物を乾燥し、続いて、実施例12と同様の乾燥プロセスにかけた。それは、ZnPUI−A(FEM)と呼ばれる。アセチルアセトン酸亜鉛に代えてアセチルアセトン酸ナトリウムを使って、類似の物質を製造した。それは、NaPUI−A(FEM)と呼ばれる。
(実施例17)
(Na含有PUI組成物であるNaPUI−G、NaPUI−H、NaPUI−I、NaPUI−J、NaPUI−KおよびNaPUI−Lの合成)
実施例10で合成したプレポリマーG、H、I、J、KおよびFを、それらのDMF溶液中にて、それぞれ、激しい機械攪拌下にて、ジメチロールプロピオン酸ナトリウム(細かく粉砕した微結晶)1.530g、1.913g、3.061g、3.826g、4.591gおよび5.356gと直接混ぜ合わせたこと以外は、これらの反応を、実施例13と同様にして、実行した。
(実施例18)
(Na含有PUI組成物であるNaPUI−Mの合成)
実施例11で合成したプレポリマーMを、そのDMF溶液中にて、激しい機械攪拌下にて、ジメチロールプロピオン酸ナトリウム(細かく粉砕した微結晶)1.530gと直接混ぜ合わせたこと以外は、この反応を、実施例13と同様にして、実行した。
追加のポリウレタンアイオノマー化合物を生成し、そしてプレポリマーAとの種々の金属塩を使用して分析し、それについて、DMTAプロットを得た。図2(CaPUI−A)、図3(KPUI−A)および図4(MgPUI−A)は、それぞれ、10Hz(白丸)、1.0Hz(黒四角)および0.1Hz(黒菱)の周波数での前記ポリウレタンアイオノマーについてのDMTAプロットを示す。
(実施例19)
実施例9で合成したプレポリマーCを、そのDMF溶液中にて、激しい機械攪拌下にて、ジメチロールプロピオン酸ナトリウム(細かく粉砕した微結晶)1.530gと直接混ぜ合わせた。この反応を、65℃で、乾燥窒素保護下にて、2時間実行した。次いで、この反応系に、ジメチロールプロピオン酸亜鉛1.625gを加え、その反応を、同じ条件下にて、さらに2時間進行させた。得られた溶液を、脱気して、Teflon(登録商標)トレイに鋳造した。溶媒DMFを25℃で蒸発させることにより、乾燥フィルムを形成し、次いで、このフィルムを、いずれの残留している溶媒も除去するために、60℃で、真空中にて、さらに48時間乾燥した。
(実施例20)
以下のようにして、NaPUI−HをSurlyn(登録商標)9650と混ぜ合わせた。Surlyn(登録商標)9650(547g)を、溶融した後、バンベリーミキサーに加え、NaPUI−H(254g)を加えた。温度を一定に保持し、その混合プロセスは、ラムダウンした機械の最大混合速度で、10分間であった。次いで、そのブレンドを室温まで放射冷却した。この物質は、NaPUI−H/S9650−BL−1である(表4を参照)。
(表4.Surlyns(登録商標)を使ったポリウレタンアイオノマー金属のブレンドの組成)
Figure 2005532436
(実施例21)
Surlyn(登録商標)9650を連続的に加えることにより、NaPUI−H/ Surlyn(登録商標)9650−BL−1から、NaPUI−HとSurlyn(登録商標)9650とのブレンドを調製した。それゆえ、実施例17と同じブレンド装置および方法を使って、Surlyn(登録商標)9650(180.3g)をNaPUI−H/Surlyn(登録商標)9650−BL−1(710g)とブレンドして、NaPUI−H/Surlyn(登録商標)9650−BL−2を形成した。これらのブレンドNaPUI−H/Surlyn(登録商標)9650−BL−n(ここで、n=1、2、....6である)を、表4で列挙した組成でブレンドした。
図13は、NaPUI−H(黒四角)、Surlyn(登録商標)9650(黒三角)、および実施例20および21に由来のそれらのブレンド(NaPUI−H/Surlyn(登録商標)9650−BL−6(白丸);NaPUI−H/Surlyn(登録商標)9650−BL−3(黒菱);NaPUI−H/Surlyn(登録商標)9650−BL−1(黒丸))のDMTAデータを示す。
図12は、NaPUI−H(線F)、Surlyn(登録商標)9650(線A)、および実施例20および21に由来のそれらのブレンド(NaPUI−H/Surtyn(登録商標)9650−BL−6(線B));(NaPUI−H/Surlyn(登録商標)9650−BL−4(線C));(NaPUI−H/Surlyn(登録商標)9650−BL−2(線D));(NaPUI−H/Surlyn(登録商標)9650−BL−1(線E))のFT−IRスペクトルを示す。
(実施例22)
実施例20および21の方法で、NaPUI−A物質をSurlyn(登録商標)8660と混ぜ合わせて、ブレンドNaPUI−A/Surlyn(登録商標)8660−BL−n(ここで、n=1、2、....6、表3で列挙)を形成した。
図14は、NaPUI−A(線F)、Surlyn(登録商標)8660(線A)、および実施例22に由来のそれらのブレンド(NaPUI−A/Surlyn(登録商標)8660−BL−6(線B);NaPUI−A/Surlyn(登録商標)8550−BL−4(線C);NaPUI−A/Surlyn(登録商標)8660−BL−2(線D);.NaPUI−A/Surlyn(登録商標)8660−BL−1(線E))のFT−IRスペクトルを示す。
(実施例23)
実施例20および21の方法で、ZnPUI−A物質をSurlyn(登録商標)9650と混ぜ合わせて、ブレンドZnPUI−A/Surlyn(登録商標)9650−BL−n(ここで、n=1、2、....6、表4で列挙)を形成した。
図10および11は、ZnPUI−A(線F)、Surlyn(登録商標)9650(線A)、および実施例23に由来のそれらのブレンド(ZnPUI−A/Surlyn(登録商標)9650−BL−6(線B));ZnPUI−A/Surlyn(登録商標)9650−BL−4(線C);ZnPUI−A/Surlyn(登録商標)9650−BL−2(線D);ZnPUI−A/Surlyn(登録商標)9650−BL−1(線E))のFT−IRスペクトルを示す。
(実施例24)
実施例20および21の方法で、ZnPUI−A物質をSurlyn(登録商標)8660と混ぜ合わせて、ZnPUI−A/Surlyn(登録商標)8660−BL−n(ここで、n=1、2、....6、表4で列挙)を形成した。
(実施例25)
亜鉛ポリウレタンアイオノマーであるZnPUI−Aを、以下の方法に従って、スルホン化6.9%のスルホネートポリスチレンであるSPS6.9とブレンドした。攪拌下にて、60℃で、ZnPUI−A(5g)とSPS6.9(95g)とを混ぜ合わせ、そしてDMF(900mL)に溶解し、透明な溶液を形成した。次いで、この溶液を、60℃で、鋳造して、フィルムを形成し、これを、さらに、真空中にて、60℃で、24時間乾燥して、残留している溶媒を除去した。このブレンドは、ZnPUI−A/SPS6.9−BL−1である。
(実施例26)
実施例25と同様にして、DMF(900mL)中にて、ZnPUI−A(10g)をSPS6.9(90g)と混ぜ合わせて、ブレンドZnPUI−A/SPS6.9−BL−2を形成した。
(実施例27)
実施例25と同様にして、DMF(900mL)中にて、ZnPUI−A(16g)をSPS6.9(84g)と混ぜ合わせて、ブレンドZnPUI−A/SPS6.9−BL−3を形成した。
図8および9は、ZnPUI−A(線A);スルホネートポリスチレン(SPS6.9)(線E)、および実施例25(線D)、実施例26(線C)および実施例27(線B)に由来のZnPUI−AとSPS6.9とのブレンドのFT−IRスペクトルを示す。
(実施例28)
実施例25と同様にして、DMF(900mL)中にて、ZnPUI−A(5g)を3.4%スルホネートポリスチレンであるSPS3.4(95g)と混ぜ合わせて、ブレンドZnPUI−A/SPS3.4−BL−1を形成した。
(実施例29)
実施例25と同様にして、DMF(900mL)中にて、ZnPUI−A(10g)をSPS3.4(90g)と混ぜ合わせて、ブレンドZnPUI−A/SPS3.4−BL−2を形成した。
(実施例30)
実施例25と同様にして、DMF(900mL)中にて、ZnPUI−A(16g)をSPS3.4(84g)と混ぜ合わせて、ブレンドZnPUI−A/SPS3.4−BL−3を形成した。
(実施例31)
NaPUI−Aを金型に入れ、そして加圧ホットプレートにて、140℃で、4分間成形し、次いで、冷却水を使用することにより、加圧冷却プレートにて、室温まで冷却した。成形シートから、試験片(約6.0mm×1.2mm×15mm(幅×厚さ×長さ))を切り出した。これらの試験片を、Rhometric ScientificTM 3E機で測定した。測定には、温度ランプ周波数掃引法(The temperature ramp frequency sweep method)を使用し、その温度を、−150℃から少なくとも75℃まで、3℃/分で傾斜を付け、正弦力を加え、0.1Hz、1.0Hzおよび10Hzの単離周波数であった。得られたデータを、the Rhometric ScientificTM Orchestratorソフトウェアを使用して、分析した。
(実施例32)
実施例28で記述したようにして、DMTA測定のために、表1および2で列挙した試料を同様に調製した。
(実施例33)
ミクロトームにより、10ミクロンの薄片として、中間IRスペクトル用のブレンド試料を調製した。
(実施例34)
KBrウィンドウにPUI溶液を溶液鋳造したのに続いて窒素流下にて溶媒を蒸発させることにより、中間IRスペクトル用のポリウレタンアイオノマー試料を調製した。
(実施例35)
その材料を穏やかな圧力下にてTeflon(登録商標)シート間に流すのに十分に加熱することにより、100〜200ミクロン厚の試料として、遠IRスペクトル用試料を調製した。
(実施例36)
Perkin Elmer 1600FTIRおよびBrucker IBMIFS113を使用して、それぞれ、600〜4000(窒素中)および20〜650cm−1(真空中)領域にて、Fourier Transform Infrared Spectroscopyにより、赤外スペクトルを測定した。そのMIRについては、スペクトルを得るために、平均して256回の走査を行い、また、FIRについては、スペクトルを得るために、平均して1024回の走査を行った。
(実施例37)
(UV−Visスペクトル試料の測定および調製)
一端にて、2枚のガラススライド間にて、約0.2gのZnPUI−Aを挟んだ。次いで、この試料とガラススライドとのセットを、素早く、ホットプレート(これは、約150℃まで加熱した)に置き、そして窒素流下にて、即座に押し付けて、約1mmの均一な厚のフィルムを形成した。この試料は、分解をできるだけ少なくするために、10秒未満しかホットプレートに留めなかった。HP8452 UV−Vis光ダイオード分光器を使用して、このポリウレタンアイオノマーの可視スペクトルを得た。各測定について、ポリウレタンアイオノマーのない試料の末端をまず走査し、そして背景スペクトルとして、この分光器に保存し、次いで、このポリウレタンアイオノマーフィルムで挟んだ末端を走査した。2つのスペクトルの差は、このポリウレタンアイオノマーの吸光度スペクトルと見なした。そのように得たスペクトルを、そのスペクトルが存在していたときのポリウレタンフィルムの厚さに関して、標準化した。
全体的に、これらの金属ポリウレタンアイオノマーの合成は、成功した。それらの物質は、透明で強靱なフィルムであり、それらの特性は、相当に興味深かった。まず、これらのポリウレタンアイオノマーの形成に関する全体的な赤外スペクトルの証拠を示すのが適当である。図15では、3600〜500cm−1の範囲で、A、HMDIのスペクトル;B、PTMO−1000のスペクトル;C、HMDI(1.0mole)とPTMO−1000(0.5mole)との混合物のスペクトル;およびD、ナトリウム塩鎖伸長ポリウレタンアイオノマーNaPUI−DのFTIRスペクトルが示されている。図15において、ウレタン連鎖の形成による3325cm−1〜1720cm−1でのバンドの存在、および−COONa基のC=O伸縮による1590cm−1でのバンドの存在に注目することが重要である。このナトリウム塩鎖伸長剤を重合体骨格に取り込んだ。図15でのスペクトルはまた、N=C=OおよびO−H伸縮振動による2263cm−1および3470cm−1でのバンドの消失により、この反応では、そのイソシアネート基および水酸基が消費されたことを示している。
さらに、本発明の次の方法は、光学的透明性が良好なポリウレタンを生じる。得られる生成物の透明性に対する合成方法の効果を比較するために、それぞれ、本発明の方法および標準方法により、二セットのポリウレタンアイオノマー(セットNおよびセットS)を合成した。各セットは、セットNでは、nおよびn、そしてセットSでは、sおよびsの2種のアイオノマーからなっている。ここで、nおよびsは、同じ名目組成を有するナトリウムアイオノマーであり、nおよびsは、同じ名目組成を有する亜鉛アイオノマーである。それらの可視スペクトルは、400および800nmの範囲で、図6で示す。図では、本発明の方法で合成したもののスペクトルは、ナトリウムアイオノマーについて、n、そして亜鉛アイオノマーについて、nと標識し、そして標準方法で合成したものは、ナトリウムアイオノマーについて、s、そして亜鉛アイオノマーについて、sと標識している。可視範囲全体において、本発明の方法で合成したものは、標準方法で合成したものよりも吸光度が低いことが理解され得る。これらのスペクトルは、フィルムの厚さについて標準化し、また、それらの組成は同じであるので、吸光度の差は、その合成方法が原因であり、このことは、これらの2種の試料が有していた唯一の差である。この領域での光学特性は、光散乱により引き起こされ、これは、その曲線の全体的な形状を説明している。明らかに、標準方法では、およそUV光の波長の大きさ(すなわち、約0.5ミクロンまで)の多くの屈折率不均質性を有する材料が得られる。本発明の方法では、この点で、ずっと均一な材料が得られる。
HMDI、PTMO−2000およびDMPA単位をベースにして本発明の方法を使用して合成したポリウレタンアイオノマーの張力挙動を、曲線Cとして、図16で示す。機械のクロスヘッドは、その試料を破壊する前に、その限界に達し、そこで、このデータは、その材料の強度の下限に相当している。曲線Bは、標準方法を使用してChenら(Polymer 34,2769(1993))により合成したMDI、PTMO−2000およびDMPA単位をベースにしたポリウレタンアイオノマーであり、そして曲線Eは、Xiaoら、(「Advances in Urethane lonomers」、Technomic Pub.Co.,Lancaster,1995))によりMDI、PCL−2000およびN−メチルジエタノールアミンをベースにしたポリウレタンアイオノマーである。いくつかの周知材料の張力特性もまた、比較のために、図16で示す。それゆえ、(A)は、ポリスチレンであり、(D)は、高密度ポリスチレンであり、そして(F)は、ポリイソブチルゴムである。ポリスチレンは、弾性率が高い脆性材料であり、応力を加えると、歪みが発生するが、破断時の歪みは、非常に小さい。他方、エラストマーポリイソプレン(イソブチルゴム)は、小さな応力を加えると、大きく伸長する。高密度ポリエチレン(HDPE)は、それらの中間である。それは、弾性率が高く、破断時の伸長度は、220%である。ポリウレタンおよびそれらのアイオノマーは、HDPEよりずっと良好であり、それらの殆どは、約20Mpa程度の強度を有するが、伸長度は、400%より大きい。
本発明により合成したポリウレタンアイオノマー(NaPUI−G)の引っ張り強度を図7に示す。加えた歪みは、1分あたり、5インチであった。
Chenらが報告した応力−歪み曲線Bは、合成したポリウレタンアイオノマーが、本発明の方法を使用して合成したアイオノマーの強度の下限よりも16%高い強度を有するが、それらの材料の破断時の伸長度は、合成したアイオノマーの約72%だけであったことを示している。Xiaoらが合成したポリウレタンアイオノマーは、本明細書中で合成したアイオノマーと殆ど同じ破断時伸長度を有していたが、その破断時強度は、48%低かった。研究は、PTMO−2000ベースのアイオノマーは、PCL−2000ベースのアイオノマーと比較して、僅かに高い引っ張り強度および弾性率を有するが、伸長度が低いことを示す。MDIベースのアイオノマーは、しばしば、高い引っ張り強度および硬度を有するが、HMDIベースのアイオノマーよりも伸長度が僅かに低い。全体的に、本発明の方法は、優れた応力−引っ張り特性を有する材料を提供する。
全体的に、本発明の方法は、適用可能な温度範囲が広く強度および伸長度が高い透明アイオノマーを生じるのに対して、標準方法は、可視範囲において光学的に透明ではなく適応温度範囲が狭いアイオノマーを生じる。この曇りは、典型的には、非均一物質内の比較的に大きい相の存在に関連している。標準方法が物理的特性に限界がある理由は、十分には理解されていないが、推測することは可能である。1つの理由は、それらの合成の一部では、例えば、そのイソシアネート基とカルボン酸基との間で競争反応が存在していることがあり、これらの競争反応は、本発明の方法では、存在していないか、著しくない。他の理由は、その最終反応である酸形状ポリウレタンと金属イオン源との間の反応が不完全であることであり得る。その反応では、化学量論的に望ましい割合の酸基および金属含有分子が組み合わされたとしても、不完全な混合、不完全な中和およびイオン含有要素のプロセス依存性形成により、潜在的な用途に最適ではあり得ない一定範囲の生成物が生じるに違いない。
本発明の方法は、上で開示したように、優れた機械的特性を備えたポリウレタンアイオノマーを生じるだけでなく、速い手順である。2つの方法が同じ手順を使用してプレポリマーを合成するので、反応速度の差は、その鎖伸長工程に起因し得る。
結果的に、本発明の方法で生成したポリウレタンアイオノマー(およびそれらのブレンド)は、従来の方法で生成したものよりも改良された特性を示す。一部の試料のDMTA測定は、表5〜7で提示するが、ここで、本発明の方法で製造したポリウレタンアイオノマーは、第一確立方法(「FEM」)で製造したものよりも、温度依存性が低いE’の比を有することが示されている。そこから、高温(50℃または75℃)に対する低温(0℃または−25℃)でのE’の比の点で、また、−25℃〜75℃の領域での最も温度依存性の50℃範囲かその領域全体のいずれかにわたるCsの値の点で、明らかである。このことを、以下で示した表において、さらに説明する。
(表5.新しい中和方法で合成したポリウレタンアイオノマーが保存弾性率の点で温度依存性が低いことを示すポリウレタンアイオノマーの特性比較表)
Figure 2005532436
(表6.一定勾配の定義に関する一部のDMTAデータの分析)
Figure 2005532436
注記:
*補正した勾配を、以下として定義する:
Figure 2005532436
ここで、E’は、Pa単位の保存弾性率であり、そしてTは、℃単位の温度である。
**この試料のDMTAデータは、−150℃〜+60℃で集め、−20℃〜+75℃の範囲で列挙した勾配は、実際に測定した曲線を外挿すること(extropolating)により、得た。
***後処理せず。
(表7)
Figure 2005532436
(表8.合成したポリウレタンアイオノマーの選択した例の組成)
Figure 2005532436
Figure 2005532436
本発明は、その代表的な実施態様に関連して、記述している。本明細書を読んで理解すれば、改良および変更が明らかとなる。本発明は、このような改良および変更が特許請求の範囲の範囲内である限り、それらを含むことが意図される。
以下は、本発明を限定するのではなく例示する目的で提供した図面の簡単な説明である。
図1は、本発明の方法で合成した亜鉛ポリウレタンアイオノマーであるZnPUI−A(A)および標準方法で合成したこと以外は同じ名目組成を有するもの(B)についての一連のDMTA(「動的機械的熱分析」)プロットを表わす。以下の3つの異なる周波数について、温度に対するE’の形態のデータを得た:(破線)0.1Hz、(点線)1.0Hzおよび(実線)10.0Hz。 図2は、本発明の方法で合成したカルシウムポリウレタンアイオノマーであるCaPUI−AのDMTAプロットを含む。試料は、3℃/分で加熱した。データは、以下の3つの周波数で得た:(白丸)10Hz、(黒四角)1.0Hzおよび(黒菱)0.1Hz。 図3は、本発明の方法で合成したカリウムポリウレタンアイオノマーであるKPUI−AのDMTAプロットを含む。試料は、3℃/分で加熱した。データは、以下の3つの周波数で得た:(黒丸)10Hz、(黒四角)1.0Hzおよび(白菱)0.1Hz。 図4は、本発明の方法で合成したマグネシウムポリウレタンアイオノマーであるMgPUI−AのDMTAプロットを含む。試料は、3℃/分で加熱した。データは、以下の3つの周波数で得た:(黒丸)10Hz、(白四角)1.0Hzおよび(黒三角)0.1Hz。 図5は、Csを計算する目的のための(a)ZnPUI−Aおよび(b)ZnPUI−A(FEM)の拡大DMTAデータを含む。 図6は、本発明の方法(N)および標準方法(S)FEMで合成したポリウレタンアイオノマーの可視スペクトルを含む;本発明の方法で合成したナトリウムアイオノマーn;本発明の方法で合成した亜鉛アイオノマーn;標準FEM方法により合成したナトリウムアイオノマーs;および標準FEM方法で合成した亜鉛アイオノマーs 図7は、HMDI、PTMO−2000およびジメチロールプロピオン酸ナトリウムをベースにして本発明の方法で合成したナトリウムポリウレタンアイオノマーNaPUI−Gの応力歪み特性を示すチャートである。 図8は、亜鉛ポリウレタンアイオノマーであるZnPUI−A、スルホン化ポリスチレンおよびそれらのブレンドのFT−IRスペクトルを含む。スペクトルは、材料の濃度に関して、標準化した。(A)、ZnPUI−A;(B)ZnPUI−A/SPS6.9−BL−3;(C)ZnPUI−A/SPS6.9−BL−2;(D)ZnPUI−A/SPS6.9−BL−1;および(E)SPS6.9。 図9は、亜鉛ポリウレタンアイオノマーであるZnPUI−A、亜鉛形状Surlyn(登録商標)(Surlyn(登録商標)9650)およびそれらのブレンドのFT−IRスペクトルを含む。(A)Surlyn(登録商標)9650;(B)ZnPUI−A/Surlyn(登録商標)9650−BL−6;(C)ZnPUI−A/Surlyn(登録商標)9650−BL−4;(D)ZnPUI−A/Surlyn(登録商標)9650−BL−2;(E)ZnPUI−A/Surlyn(登録商標)9650−BL−1および(F)ZnPUI−A。 図10は、亜鉛ポリウレタンアイオノマーであるZnPUI−A、亜鉛形状Surlyn(登録商標)(Surlyn(登録商標)9650)およびそれらのブレンドのFT−IRスペクトルを含む。(A)Surlyn(登録商標)9650;(B)ZnPUI−A/Surlyn(登録商標)9650−BL−6;(C)ZnPUI−A/Surlyn(登録商標)9650−BL−4;(D)ZnPUI−A/Surlyn(登録商標)9650−BL−2;(E)ZnPUI−A/Surlyn(登録商標)9650−BL−1および(F)ZnPUI−A。 図11は、亜鉛ポリウレタンアイオノマーであるZnPUI−A、亜鉛形状Surlyn(登録商標)(Surlyn(登録商標)9650)およびそれらのブレンドのFT−IRスペクトルを含む。(A)Surlyn(登録商標)9650;(B)ZnPUI−A/Surlyn(登録商標)9650−BL−6;(C)ZnPUI−A/Surlyn(登録商標)9650−BL−4;(D)ZnPUI−A/Surlyn(登録商標)9650−BL−2;(E)ZnPUI−A/Surlyn(登録商標)9650−BL−1および(F)ZnPUI−A。 図12は、ナトリウムポリウレタンアイオノマーであるNaPUI−H、亜鉛形状Surlyn(登録商標)(Surlyn(登録商標)9650)およびそれらのブレンドのFT−IRスペクトルを含む。(A)Surlyn(登録商標)9650;(B)NaPUI−H/Surlyn(登録商標)9650−BL−6;(C)NaPUI−H/Surlyn(登録商標)9650−BL−4;(D)NaPUI−H/Surlyn(登録商標)9650−BL−2;(E)NaPUI−H/Surlyn(登録商標)9650−BL−1および(F)NaPUI−H。 図13は、温度に対するtan(δ)として示したナトリウムポリウレタンアイオノマーであるNaPUI−H、亜鉛形状Surlyn(登録商標)(Surlyn(登録商標)9650)およびそれらのブレンドのDMTAデータを含む。(黒三角)Surlyn(登録商標)9650;(白丸)NaPUI−H/Surlyn(登録商標)9650−BL−6;(黒菱形)NaPUI−H/Surlyn(登録商標)9650−BL−3;(黒丸)NaPUI−H/Surlyn(登録商標)9650−BL−1および(黒四角)NaPUI−H。 図14は、ナトリウムポリウレタンアイオノマーであるNaPUI−A、ナトリウム形状Surlyn(登録商標)(Surlyn(登録商標)8660)およびそれらのブレンドのFT−IRスペクトルを含む。(A)Surlyn(登録商標)8660;(B)NaPUI−A/Surlyn(登録商標)8660−BL−6;(C)NaPUI−A/Surlyn(登録商標)8660−BL−4;(D)NaPUI−A/Surlyn(登録商標)8660−BL−2;(E)NaPUI−A/Surlyn(登録商標)8660−BL−1および(F)NaPUI−A。 図15は、(A)HMDI、(B)PTMO−1000、(C)HDMI(1.0モル)とPTMO−1000(0.5モル)との混合物、および(D)NaPUI−DのFT−IRスペクトルを含む。 図16は、特定の物質の応力対歪みを示すチャートである:(A)ポリスチレン、(B)Chenらにより合成されたPUI、(C)本発明の方法により合成されたPUI(NaPUI−H)、(D)高密度ポリスチレン、(E)Xiaoらにより合成されたPUI、および(F)ポリイソブチルゴム。

Claims (31)

  1. ポリウレタンアイオノマー化合物を調製する方法であって、該方法は、以下:
    a)溶媒中にて、ジイソシアネート化合物をポリオール化合物と反応させて、イソシアネート末端ポリウレタンプレポリマーを形成する工程;および
    b)溶媒中にて、該イソシアネート末端ポリウレタンプレポリマーを、酸基含有ポリオールの細かく分割した実質的に無水の金属塩と反応させて、ポリウレタンアイオノマーを形成する工程、
    を包含する、方法。
  2. 前記ポリウレタンアイオノマーが、乾燥、加熱および溶媒除去の1つまたはそれ以上の工程により、さらに処理される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ジイソシアネートが、式(I)を有する、請求項1に記載の方法であって:
    (I)
    OCN−[A]−NCO
    Aが、直鎖または分枝鎖脂肪族基、置換した直鎖または分枝鎖脂肪族基、または芳香族基または置換芳香族基である、
    方法。
  4. 前記ポリオールが、ジオールである、請求項1に記載の方法。
  5. 前記ジオールが、式(II)を有する、請求項4に記載の方法であって:
    (II)
    HO−[B]−OH
    Bが、直鎖または分枝鎖脂肪族基、置換した直鎖または分枝鎖脂肪族基、または芳香族基または置換芳香族基、ポリエーテルまたはポリエステルであり、そして
    nが、1〜300である、
    方法。
  6. 前記ジイソシアネートが、式(I)を有し、
    (I)
    OCN−[A]−NCO
    Aが、直鎖または分枝鎖脂肪族基、置換した直鎖または分枝鎖脂肪族基、または芳香族基または置換芳香族基であり、そして
    前記ポリオールが、式(II)を有する、請求項1に記載の方法であって:
    (II)
    HO−[B]−OH
    Bが、直鎖または分枝鎖脂肪族基、置換した直鎖または分枝鎖脂肪族基、または芳香族基または置換芳香族基、ポリエーテルまたはポリエステルであり、そして
    nが、1〜300である;
    ここで、
    式(I)の前記ジイソシアネートと式(II)の前記ポリオールとの反応は、次式を有するイソシアネート末端ポリウレタンプレポリマーを生成する:
    Figure 2005532436
    ここで、
    xが、1.0〜100である、
    方法。
  7. 前記反応が、約65℃の温度で起こる、請求項6に記載の方法。
  8. 前記反応時間が、約2時間である、請求項6に記載の方法。
  9. 前記酸基含有ポリオールの細かく分割した金属塩が、ジメチロールプロピオン酸金属またはアセチルアセトン酸金属である、請求項1に記載の方法。
  10. 前記酸基含有ポリオールの金属塩中の該金属が、第IA族、IB族、第IIA族、第IIB族、第IIIA族、第IIIB族、第IVA族、第IVB族、第VA族、第VB族、第VIA族、第VIB族、第VIIB族、第VIII族、ランタニドまたは遷移金属である、請求項1に記載の方法。
  11. 前記金属が、Ba2+、Ca2+、Cs、K、Li、Mg2+、Na、Rb、Sr2+およびZn2+からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記金属が、第IA族、IB族、第IIA族、第IIB族、第IIIA族、第IIIB族、第IVA族、第IVB族、第VA族、第VB族、第VIA族、第VIB族、第VIIB族、第VIII族、ランタニドまたは遷移金属である、請求項9に記載の方法。
  13. 前記金属が、Ba2+、Ca2+、Cs、K、Li、Mg2+、Na、Rb、Sr2+およびZn2+からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記ジメチロールプロピオン酸金属が、ジメチロールプロピオン酸亜鉛(Zn(dmp))である、請求項9に記載の方法。
  15. ポリウレタンアイオノマー化合物を調製する方法であって、該方法は、以下:
    溶媒中にて、式(I)を有するジイソシアネート化合物と、式(II)を有するポリオールとを反応させて、式(III)を有するイソシアネート末端ポリウレタンプレポリマーを形成する工程:
    (I)
    OCN−[A]−NCO
    Aが、直鎖または分枝鎖脂肪族基、置換した直鎖または分枝鎖脂肪族基、または芳香族基または置換芳香族基である;
    (II)
    HO−[B]−OH
    Bが、直鎖または分枝鎖脂肪族基、置換した直鎖または分枝鎖脂肪族基、または芳香族基または置換芳香族基、ポリエーテルまたはポリエステルであり、そして
    n=1〜300である;
    Figure 2005532436
    ここで、
    xが1.0〜100である、工程;
    b)溶媒の存在下にて、式(III)の該イソシアネート末端ポリウレタンプレポリマーと、式(IV)を有する細かく分割したジメチロールプロピオン酸金属とを反応させて、式(V)を有するポリウレタンアイオノマーを形成する工程:
    Figure 2005532436
    ここで、M=Ba2+、Ca2+、Cs、K、Li、Mg2+、Na、Rb、Sr2+およびZn2+である;
    R=HまたはC〜Cアルキルである;
    n=1または2である、工程;
    Figure 2005532436
    そして
    c)式Vの該ポリウレタンアイオノマーを処理して、いずれの残留溶媒も除去する工程であって、ここで、ポリウレタンアイオノマー生成物が生成される工程、
    を包含する方法。
  16. 前記溶媒が、ジメチルホルムアミド(DMF)である、請求項15に記載の方法。
  17. 工程(a)の前記反応が、約65℃の温度で起こる、請求項15に記載の方法。
  18. 工程(b)の前記反応が、約70℃の温度で起こる、請求項15に記載の方法。
  19. 式IVの前記化合物が、ジメチロールプロピオン酸亜鉛である、請求項17に記載の方法。
  20. 工程(a)の前記反応時間が、約2時間である、請求項15に記載の方法。
  21. 工程(b)の前記反応時間が、約2時間である、請求項15に記載の方法。
  22. 請求項1に記載の方法により生成される、ポリウレタンアイオノマー。
  23. 請求項15に記載の方法により生成される、ポリウレタンアイオノマー。
  24. −20℃〜75℃の範囲で、50°幅を有する安定な保存弾性率(E’)を示す、ポリウレタンアイオノマー化合物。
  25. 式(V)を有するポリウレタンアイオノマー化合物:
    Figure 2005532436
    ここで、
    Aが、直鎖または分枝鎖脂肪族基、置換した直鎖または分枝鎖脂肪族基、または芳香族基または置換芳香族基である;
    Bが、直鎖または分枝鎖脂肪族基、置換した直鎖または分枝鎖脂肪族基、または芳香族基または置換芳香族基、ポリエーテルまたはポリエステルであり、そして
    nが、1〜300である;
    Mが、Ba2+、Ca2+、Cs、K、Li、Mg2+、Na、Rb、Sr2+およびZn2+である;
    Rが、HまたはC〜Cアルキルである;そして
    さらに、ここで、
    該ポリウレタンアイオノマーは、−20℃〜70℃の範囲で、50°幅を有する安定な保存弾性率(E’)を有する、
    化合物。
  26. 480〜650nm範囲で0.1mm−1未満の可視光吸光率(Ameasured/試料厚)を示す、ポリウレタンアイオノマー。
  27. 式(V)を有する1種またはそれ以上のポリウレタンアイオノマーを含む、組成物であって:
    Figure 2005532436
    ここで、
    Aが、直鎖または分枝鎖脂肪族基、置換した直鎖または分枝鎖脂肪族基、または芳香族基または置換芳香族基である;
    Bが、直鎖または分枝鎖脂肪族基、置換した直鎖または分枝鎖脂肪族基、または芳香族基または置換芳香族基、ポリエーテルまたはポリエステルであり、そして
    nが、1〜300である;
    Mが、Ba2+、Ca2+、Cs、K、Li、Mg2+、Na、Rb、Sr2+およびZn2+である;
    Rが、HまたはC〜Cアルキルである;そして
    さらに、ここで、
    該ポリウレタンアイオノマーは、−20℃〜70℃の範囲で、50°幅を有する安定な保存弾性率(E’)を有する、
    組成物。
  28. 式(V)
    Figure 2005532436
    を有する1種またはそれ以上の化合物を含む、ゴルフボール:
    ここで、
    A=直鎖または分枝鎖脂肪族基、置換した直鎖または分枝鎖脂肪族基、または芳香族基または置換芳香族基である;
    B=直鎖または分枝鎖脂肪族基、置換した直鎖または分枝鎖脂肪族基、または芳香族基または置換芳香族基、ポリエーテルまたはポリエステルであり、そして
    n=1〜300である;
    M=Ba2+、Ca2+、Cs、K、Li、Mg2+、Na、Rb、Sr2+およびZn2+である;
    R=HまたはC〜Cアルキルである;そして
    さらに、ここで、
    該ポリウレタンアイオノマーは、−20℃〜70℃の範囲で、50°幅を有する安定な保存弾性率(E’)を有する、
    ゴルフボール。
  29. 請求項1に記載の方法により調製された1種またはそれ以上の化合物を含む、ゴルフボール部品。
  30. 請求項15に記載の方法により調製された1種またはそれ以上の化合物を含む、ゴルフボールカバー組成物。
  31. さらに、請求項1に記載の方法により調製されたものとは異なる1種またはそれ以上のポリマー化合物を含む、請求項29に記載のゴルフボール。
JP2004518206A 2002-07-01 2003-07-01 ポリウレタンアイオノマーおよびそれらの調製方法および形成方法 Pending JP2005532436A (ja)

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