JP2005530566A - 歯肉溝への圧排を確実に行うための補助構造を備えた歯肉圧排器具 - Google Patents

歯肉溝への圧排を確実に行うための補助構造を備えた歯肉圧排器具 Download PDF

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Abstract

円周上の垂直方向の力を伝え、圧排材を歯肉溝に挿入するバッキング構造を備えた改良型歯肉圧排器具である。

Description

発明の詳細な説明
発明の背景
本発明は確実に歯肉を圧排し、組織周辺の血液と浸出液をコントロールして、正確な歯型の印象採得を実現する方法と器具に関する。歯科における印象採得とは、クラウン、ブリッジ、コア、ベニアーといった修復材料を製作するための歯型を得ることである。適合の良い補綴物を製作するためには、精度の高い印象採得が必要とされる。補綴物のマージン部の印象は周囲の歯肉あるいは浸出液、処置による出血等で不明瞭な印象となりやすい。臨床的な補綴物の失敗はこのマージン部の不適合による歯垢の付着、二次ウ蝕によるものが多く見られる。したがって、補綴物の良し悪しは、印象の精度に大きく左右されるといえる。本発明の目的は歯肉の出血、浸出液をコントロールし、精度の高い印象採得をなしとげるための優れた方法と器具を提供するものである。
正確なクラウンブリッジの印象採得で最も広く行われている方法は圧排糸を歯牙の形成後、歯肉縁下に手用器具によって挿入していく方法である。圧排糸は編みこまれた、あるいは単一、もしくは組みひものようなコードで、しばしば出血を抑えるために止血剤(収斂薬、血管収縮薬等)に浸されてから使用される。歯肉圧排糸はこの目的で術者によって手用器具によって連続的に歯冠の周囲に(歯肉溝内に)巻かれていく。この挿入時の圧により遊離歯肉は周囲から押され周囲から押され歯冠の、離開していく。この歯肉の圧排が歯肉溝を広げ支台歯のマージンを露出する。第二の圧排糸の役割は物理的に歯肉を圧迫することによって止血をはかることである。医科と歯科において圧迫止血が創傷の止血と封鎖に有効であることは認知されている。三番目の役割は圧排糸が止血薬と収斂薬のキャリアーとして出血を制御することである。
圧排糸の欠点は、歯肉溝への挿入が一般的に容易ではない点である。圧排糸は術者により歯肉溝に圧をかけて挿入され、その後、後ろに引き上げるような動きで、置かれていく。圧排コードに対して垂直方向の力が順次、歯肉溝に加えられていく。この作業中、術者は、圧迫点の隣のすでに挿入されたコードに対して、引っ張り出すような方向の力を極力避けるようにする。当然ながらこの引っ張りあげるような力は一度挿入したコードをはずすことになる。圧排コードの適切な挿入は質の高い補綴物を製作するために、必須であるが術者に大きな負担をかけ、ある程度の経験を要する。第二の欠点はコードの挿入は時に患者に痛みを感じさせることである。局所麻酔を適用したとしても、連続した歯肉に対する加圧はしばしば患者の知覚することとなる。既存の方法の歯肉コードは歯肉溝のサイズにより何種類かの異なった直径のものがあり、その歯牙に適した長さに切られ、使用される。圧排コードは、止血、収斂作用のある薬剤を最初から付与することもできれば、後から使用時に適用することも可能である。歯牙の周囲の歯肉溝にコードが置かれるときに、遊離歯肉の側方から力が加えられ、時間が経過するに従い、歯肉は歯牙から離開し、形成限界(マージン)を露出させる。それに加え、この薬剤と機械的圧迫により歯肉からの出血を止血させる。これらの作用の複合により、印象材が歯肉溝にスムーズに流れ込み、術者の正確な印象採得を可能にする。一般的にクラウンやブリッジの形成時には歯肉溝には出血が見られる。これらは主に切削器具による組織の裂傷によるが、形成時の術者の技術や歯肉の健康状態によって、状態は大きく異なる。コードを出血している歯肉溝に押し込むという操作はすでに形成によって傷つけられた歯肉にさらに負担を強いることになる。しばしばこの操作は更なる出血を引き起こすことになる。この既存の方法は術者の技量に左右されるところが大きく、予測できない結果を生むこととなる。
改善された歯肉の圧排器具の発明は歯肉溝に手指により、構造的なある程度の硬さをもった材料を通して直接、垂直方向の圧を歯冠周囲にかけ、シングルモーションで挿入される。このような圧排器具は、これまでの連続的に圧をかけ、圧排コードを挿入してきた方法に置き換わることになる。さらにこの器具は構造的に歯冠周囲に一塊として、置かれるために、すでに挿入したコードが飛び出てくるといった既存の方法による欠点がない。この器具はさらに、個歯トレーとして印象時のコーピングにも応用できる。このコーピング材料は印象採得時にトレーの中に組み込まれ、印象材の重合時にそのまま残される。このようなテクニック自体は新しいものではなく、Tylmanなどにより、Theory and Practice of Crown and Bridge Prosthodontics, fifth edition, 1965に発表されている。しかし、本発明の歯肉圧排のシェルとバンドの多孔性あるいはメッシュ状の性状によって接着剤を必要とすることなく印象材にシェルを接着させるといった考えは、新しいものである。
Roeko社のComprecapという製品が印象前の歯肉圧排時に使用されるものとして、最近歯科医療界に紹介された。Comprecapは吸収剤であり、ドーム状の形をして、コットンもしくは他の天然繊維で作られている。取り扱い説明書によれば圧排コードと併用するように記されている。この方法は通法によって圧排コードを歯肉溝に挿入し、その後Comprecapを支台歯にかぶせて患者の咬合圧によってコードの歯肉の圧排を期待するものである。この製品の主たる働きは、圧排を待機している間の血液や浸出液の吸収と挿入された圧排コードの安定化である。 Comprecapは屈曲性や硬さがなく、歯肉縁の形状に適合させたり、それ自体で圧排の働きをすることが不可能である。更に、ComprecapはExpa−Syl by KerrやGel Cord by Pascal といった新しい止血、圧排作用のある薬剤のキャリアーとして機能することもできない。
Pascal社はRetra Ringsという弾性圧排リングを市場に出している。これは歯肉圧排を目的に機械的な圧力単独で歯肉溝に圧入されるものである。この器具は多孔性、メッシュといった薬剤を染みこませ、歯肉溝に作用させるといった形態はもたない。それに加えて、この器具の弾性によって、(形成した歯牙の円錐をカットしたような形状もあり)器具が上に向かってはずれていく傾向がる。この離脱するという傾向は印象前に圧排、止血といった目的の上で静置しなければいけない器具にとって致命的である。もう一つのこの器具の欠点は、弾性によって、歯冠周囲の様々に曲がった形態を無視して、フラットな面で歯牙に接するという点である。以上のことより、この製品は、従来の圧排コードに置き換わるものにはなりえなかった。
Dental Innovations社が発表したRetracta−Loopsという材料はループ状のコードで、そのループを締める器具が付与されている圧排コードである。この製品は実際、既存の圧排コードとほぼ同じ物である。挿入はコードを歯の周囲にかけ、歯肉溝に挿入されるまでループを締めていく。1999年5月4日に認可された、John Summerによる特許番号5,899,694の「歯肉圧排器具と方法」と1996年1月2日に認可された特許番号5,480,303、Eric Grothによる「歯肉圧排コード」はまた既存の圧排方法とほとんど同一である。両者ともにループ状で、歯の周囲に適合させるため、ループを締める器具が付与されている。これらの特許は歯肉を圧排するには、非常に扱いにくく、実際的ではない方法であるといえる。
1970年11月24日にWilford A. Sneadによって発表されたアメリカ特許番号3,541,689の歯肉圧排リングは、そのリングの下縁が歯肉縁下に挿入されるまでに歯冠に沿って移動する器具である。この圧排リングはリングが所定の位置に挿入されたら、折込み可能なタブがついており、それによって印象採得時の邪魔にならないようになっている。この圧排リングは印象材が硬化するまでそのまま置かれる。この器具は器械的な圧排をするのみで、薬剤のキャリアーとしては機能しない。
H.M.Holmesによる1964年10月6日に発表された歯科印象採得器具は特許番号3,541,689と同じく純粋に器械的な圧排器具である。この器具は中央に穴が開いており、上に行くにつれ開いた、カップ状の形態をしており、下縁の部分が歯肉縁下に適合するようになっている。この器具は歯肉を圧排すると同時に印象採得時のバリアーとしての働きもする。この器具は’396特許と同じように器械的な圧排を行うのみである。
Jack O. Chertkofによる1960年11月8日に発表された「印象採得の為の器具」はこれもまた器械的な圧排のみの器具である。この案はシリンダー状の下に行くにつれて狭窄していくテーパー形態の器具が歯肉縁下に適合していくというものである。印象採得時の止血のための薬剤の適応については述べられていない。
特許番号4,892,482、Michael P. Lococoによる歯科用圧排コード(1990年1月9日発表)は編みこまれた布に銅のワイヤーを挿入した圧排コードである。この銅製ワイヤーは屈曲可能で、従ってコードを自由に変形させることができるようたっている。この器具は既存の歯肉圧排コードの代替メソッドである。このコードは既存の方法とまったく同じように、連続的に歯肉縁下にコード挿入する。このコードは銅製のワイヤーが付与されているのが、ワイヤーと布製のコードは一体となって固着しているわけではないので、挿入時にコードが滑り、縦方向の力が働くと挿入済みのコードが浮き上がってくることになる。実際にはこの方法は単なる既存の方法の変法であり、挿入時の手用器具による作業に変わりはない。コードに対して垂直の圧をかけると同時に歯肉縁下にコードを挿入していく力をかける方法も、屈曲性の材料が一体となって、圧排コードの布に固着することの必要性についての議論されていない。
特許番号4,531,914の「歯肉圧排の器具と方法及びコンディション」(Ronald P. Spinello, 1985年1月30日)においては、変形可能な可塑性の材料ですばやく、軽い力で歯肉圧排を行う材料について描写している。本発明はシェル、バンド、テープといった圧排器具を用いずに可塑性の強化繊維を変形させ、形成歯に適合させ、歯肉を圧排する方法を説いている。歯肉溝に材料を挿入するための力のかけ方について、この方法は触れているが、実際に列挙されているプロセスは本発明とは大きく異なっている。歯肉圧排の究極の方法が求められているが、その意味合いと方法は本質的に屈曲性の材料を歯肉縁の形態に合わせて適合させていくやり方とは、異なる。L.C. Petersonによるアメリカ特許番号3,238,620「印象採得の準備法」(1961年1月22日)は吸収剤の圧排リングを紹介している。これは単一の横断面の形の弾性材料で恐らく形成歯のマージン上に、歯肉の圧排と止血を目的としてかぶせるものであろう。このリングは個々の歯に適合させるために、弾性の材料で作られている。この弾性材料の欠点は、元のサイズに戻ろうとすることによって、歯肉溝からリングがはずれることである。
Coopersmith of Montreal, Quebec CanadaによるWIPO application number WO 02/102269「歯肉圧排器具と方法」(2002年6月17日)は印象採得の為の圧排ループについて論じている。このループはある程度の硬度を備え、弾性はないが、伸張性、収縮性、吸収性があると説明されている。本発明はループに限られており、シェル、ドーム、キャップ、クラウン、バンド、テープ、ロッドあるいはコードといったものについて論じたものではない。本発明のループは、図5,9,10に記されているように従来の手用器具124によって歯肉溝に連続的にパックされる。クラウンの形112が複数の図において描写されているが、11ページの、ライン36、37に述べられているように、クラウンフォームは従来の方法により、歯牙の印象から、形成歯100に適応させ作製したテンポラリーレストレーション112と説明されている。本発明では、このテンポラリークラウンは、患者がそれを咬合することによって圧排コードを歯肉溝に押し入れるために使われる。このテンポラリークラウンの製作の手順は、(a)クラウンの支台歯の形成、(b)形成した歯牙のネガティブの型の印象、(c)対合歯の印象、(d)形成歯の印象剤への石膏の注入、(e)対合歯の石膏注入、(f)アクリリックレジンによるテンポラリーの製作、(g)マージンのフィット、である。したがってこの方法で、テンポラリークラウンを製作して、圧排するには、ラボの時間も合わせて少なくとも数時間かかることになる。そして多くの場合患者は圧排と印象のために、改めて予約を取ることになるであろう。これは、従来の圧排が長くても10分ほどしかかからないことを考えれば時間の無駄であろう。11ページのライン37から12ページのライン2において、テンポラリークラウンは内面114とマージン116は支台歯102と歯牙のマージン104に適合されるように作られると記されている。これはテンポラリークラウンの最終エッジは歯牙の側面と同一平面に位置することになる。したがって、いくら押してもクラウンのマージンは歯肉溝の中に入ることなく、ループの圧排も不可能になる。Coopersmithはシェル、ドーム、キャップあるいはクラウンのマージンが歯肉溝に延長される形態については言及していない。それに加えて、シェル、ドーム、キャップクラウンフォーム、バンド、ロッドそれにコードなどと一体化した圧排材料についても述べていない。Coopersmithは、テープ、ロッド、コードなどライナー式の装置とは彼の発明とは一線を画すと強調している。Coopersmithは二種類の材料の同時適応を彼の圧排リングの代替案として述べているが、図の明確な説明に失敗し、材料の形態と形状がはっきりしない。Coopersmithはこの二種類の材料をあいまいに、均質に混ぜられたものか、層をなすものになると述べている。もし、材料が層をなすものならば同心円状の層か平面状の層か、具体的にいかなる材料なのか、どの層が歯肉あるいは歯牙に接するのか、どういった効果がそれぞれの層で期待できるのかといった点で多くの疑問が生じる。また、二つの材料で構成される圧排リングの横断面の図すらどこにも存在していない。
発明の要約
本発明は、補綴物の印象採得前に積極的に歯肉を圧排し、出血をコントロールする圧排シェル、バンド、リング、テープなどから構成される。圧排シェルはその構成材料によって、一般的に展性、屈曲性の二つのカテゴリーに分類される。この器具はシェル(またはドーム状もしくはキャップ)、バンド、リング、ライナーテープ、ロッド状などの様々な形態をとる。シェル状のものは円錐状、シリンダー状、クラウン形態のものに分けられる。シェル状のものは片側にのみ穴が開いており、バンドやリングは両側が開いている。これらの器具は圧排器具の歯冠周囲に対して垂直方向の力をかけると同時に圧排をなしえるという機能を持つ。このことは従来の方法の、手用器具による順次コードを挿入し、圧排していく方法とは異なる。進歩した、この圧排器具は十分な構造的な硬度を保ちつつ歯肉の圧排を行い、それと同時に歯牙の外形に合わせて屈曲、成形できる可塑性あるいは柔軟性をも兼ね備えている。一般的に構造的なバッキングに付与され歯肉の圧排を担う材料となるものは、布、メッシュ、スポンジ、フォーム、あるいはコルクなどである。代用材料として、ケミカル−メカニカルハイドロジェルなどの材料もバッキングと組み合わせて応用される。もし、圧排層(リトラクティブレイヤー)が、布あるいはメッシュ材料であれば天然あるいは合成繊維の編みこみもしくは単一の繊維などが考えられる。圧排層は止血、収斂剤に浸して、あるいは無しで、使用する。進歩した歯肉圧排器具は器械的のみならず、粘凋性の高い、もしくは膨張性のペースト、ジェル、パテなどの材料を使って流体力学的に歯肉を圧排することも考えられる。止血をコントロールする薬剤は、血管収縮、血液凝固促進剤などが考えられる。止血はまた圧排の器械的な圧迫によっても達成される。器具は個々の歯肉溝によって、厚みのサイズを選ぶようにする。キャップ、ドーム、クラウンフォームなどはそれ自体に連続的に付与されている圧排部分に欠けるかもしれないが、その代わりに、シェルの内部に圧排ペースト、ジェルを適応することができる。改善された圧排テープは歯肉溝の凹凸に合わせてハサミで切らなくても、区切られた部分を分けることによってサイズに合わせて適合させることができる。最後にこの改善された圧排器具は、インプレッションコーピングにも用いられ、メッシュのマイクロメカニカルボンディングによって最終の全顎印象に組みこむことも出来る。
具体案の詳細
用語の説明として、垂直方向の装着のための力は歯軸に対して平行で、歯根の方向に向かう力である。側方の力は歯軸に対し、及び中心の軸から離れた歯牙の外側周囲に対して垂直の力である。歯肉圧排は遊離歯肉を側方に圧排することを要求される。圧排コードにおいて、軸方向の力とはその長さに沿って生じる力である。既存の圧排コードにおいて不適切な力とは軸方向への引っ張り力でその力はすでに挿入したコードを歯肉溝から引き出す力となる。この改善された歯肉圧排器具において周囲に働く力とは歯牙を取り囲む歯肉溝の軸に沿った器具に生じる力を指す。
シェルフォーム
図1は術者が圧排シェル10をクラウン形成した支台歯70の周囲の歯肉溝71及び、遊離歯肉72の内側に挿入している図である。図2は既存の方法で、圧排コード75を歯肉溝71に圧排器具73を用いて挿入している図である。この既存の方法は連続的に圧排コード75を歯牙の周囲の歯肉溝71に一周挿入し、側方に遊離歯肉72を歯牙から牽引し、形成マージンを露出させる目的で行う(図1には記されていない)。
本発明のこの改善された圧排器具は多くの異なった方法からなる。図3の10で記されているように、歯肉圧排シェル(あるいはキャップ、ドームもしくはクラウンフォーム)は片側の開口部が支台歯にかぶせるために存在する。図3のシェルの部分的な側面の横断面図は圧排部分の3が外側に固着された内面の補強部5を示す。図21はシェル型の歯肉圧排器具の横断面図である。これは10において、多孔、繊維性のメッシュ材料である3aが外側の圧排シェルに接着されている。この案では垂直の装着力21は外側の屈曲性の金属材料5aを通して伝わる。圧排材料はこの外側部に固着しているので、装着時の力はこの圧排材料を歯肉溝71に挿入させる。圧排コードをはずしたときに、圧排材料は遊離歯肉を側方に牽引して、歯肉を歯牙から離開して形成限界を露出させる働きをする。歯肉の圧排に加えて、圧排材料の圧は歯肉溝からの出血を止める働きがある。さらに、圧排部分を血液凝固、血管収縮剤に浸すことにより、歯肉溝への出血を防ぐことも可能である。
図22に示されているように、閉鎖された、シェルフォームの材料に、粘度のあるペーストかパテを入れて、形成歯の上に被せるときに、流体力学的な力がこのペースト71内に生じる。この圧がかかったときの力のベクトルは図に矢印23で示されている。外からの垂直の力は材料5aをして、圧をかけ圧排ペーストを歯肉溝71に押し込み、遊離歯肉72を側方に広げる。圧排に加えて、このペーストは歯肉内の血液と浸出液を歯肉溝外に排出する働きもする。
図23と図24はこのペーストとシェルを使用した方法に少し改良を加えたメソッドである。この方法では11に見られるように、シリンジチップ57のサイズに合った開口部7がシェルの頭頂部に設けられている。この方法では、この圧排ペースト(レジン)3fはシリンジ55によって圧をかけて、設置されたシェル11の内部に注入される。この流れによる力23はシリンジチップ57からシェル内部、形成歯の側面、歯肉溝71へとペーストを流しこむ。このペースト、もしくはジェルが歯肉溝外に流れ出るときに、血液と浸出液を洗い流す。ペーストの適度な粘度は遊離歯肉71を側方に牽引し、ペーストを除去後に形成限界を明示する働きを担う。
バンドフォーム
バンド型の圧排器具は、図4の20に示されている。バンドの切断面の図は内側のバッキング部分5と外側の歯肉圧排層の3を示す。バンド型は両側が開口しており、円柱型もしくは歯牙の外形に即した形態をしている。屈曲、柔軟性のある内側層の特性より、チェアーサイドにおいて、容易に術者によって歯牙に合わせて形体は変化させることが可能である。
リングフォーム
図6はいくつかのパートに分けられ、歯牙の形体に合わせて、手圧によって変形可能なリング型の歯肉圧排器具を示す。図33a−gは内側の層の屈曲性の金属バッキング5aとそれに固着された外側の圧排部分の層3aを示す。図33aは同心円状にラップされた圧排部分を表し、図33bは層状の圧排材3aがバッキング部分の5aに固着された状態を示す。この形体の圧排リングは水平的な変形のみならず、垂直的にも柔軟に形を変え、歯肉溝の個々の解剖学的な形態に合わせて、立体的に適応させることが可能である。さらにこれは術者の手圧のみにより、垂直的な力がバッキング部分を通して伝わり、歯肉を圧排させる。その他の様々な形態のリング型の圧排器具は図33cにそれぞれ、金属のバッキング部分3aと圧排材3aとともに、記されている。
テープ型
図5は30において内側のバッキング部分5と外側の圧排層3が固着されている圧排テープを示す。本発明は応用範囲が広く、また生産コストが低い。圧排のテープは簡単なラミネーション技術で作られ、また糸巻きのような形態で製品化することにより簡便な使用が可能である。もし、屈曲性のバッキング構造が付与されたなら、いかなる形成にも変形させて合わせることができる。
図27は圧排テープが完全に歯冠の周囲に合わせて巻かれている状態を示す。圧排テープの適度な硬さと幅から手圧によって、十分歯肉溝に材料を挿入することができる。図28は30において短い圧排テープをポーセレンラミネートの製作のため組織を唇側に限って圧排するように唇側の歯肉溝に挿入している図である。アンレーなどは形成の部位により、マージンは歯肉縁上と縁下の部分が存在するので、歯冠周囲の完全な圧排は必ずしもいつも要求はされていない。歯肉圧排テープは術者の要求に応じて必要な長さにカットすることができる。
図29aから29cにかけて31においてその他の独創的なテープの使用方法を示す。図29aに示されているように、本発明はストレートライナーテープとして製作されたテープ32の機能側が歯肉溝に挿入される。すべてのその他の装置にも記されているように、製作過程において、バッキング部分5は圧排層3に固着されている。その後、テープは台形のパターン33が連続する形に、34の部分が切り取られ、32の機能(圧排)部分はそのままの形に残される。
この形状は、機能部分32を歯牙の様々な形態に合わせて、簡単に屈曲、変形させて歯肉溝に挿入することを可能にする。この台形の部分を押して圧縮させることにより、35においてスペースは閉ざされ、テープの機能側は凸型になる。また歯肉溝の突出した部分に押し入れることにより、テープの底部32はその形状に合わせて、凹型になり、台形部分36は開く。図29cはこのテープが形成歯の周囲に挿入されている状態を示す。
ロッド型
ロッド型の圧排材は図31a−bと図32a−bに描かれている。圧排層である5aが中心部のコアに接着され、屈曲性のバッキング材3aはシリンダー状のコアである。この二つの部分の接着は重要で、外側の圧排材料が中心部のコアに沿って滑り、塊を作り歯肉溝挿入時にはずれてしまうのを防ぐ。特許番号4,892,482, Dental Retraction Cord, issued Jan.9, 1990, to Michael P. Lococoの圧排コードの欠点は外側の布部分が中心部の屈曲部分に固着されていないことによる。したがって、コードに圧がかけられた時に、外側部分がスライドして、塊部分を作り、歯肉溝からコードがはずれてしまうこととなる。外側部分の5aは内側バッキング部3aに強固に接着されるか、少なくともタイトに包まれていなければならない。図32a−bではハイドロジェル3eが3aと5aの間に含まれているコードの図である。図27のテープ型の圧排のように、歯牙の形状に合わせてカットし、屈曲適合させるという方法はこのロッド型でも全く同じように適応させることができる。長さを短くすることにより、例えばポーセレンラミネートなどに使用することもできる。既存の圧排コードの太さのバリエーションと同じように、ロッドのサイズ(すべての他のの新しい圧排材においても)をいくつか用意することが可能であろう。
歯肉溝に的確に新案の圧排材を適合させる方法
図15に記されているようにシェル、バンド、リング型に関わらず、キット64のような形態で材料は提供される。これは歯牙の様々なサイズと形態により、何種類かのセットになっている。例えば術者が適当なサイズの圧排シェルを捜すときに、形成のマージンの円周と同じぐらいか、もしくはわずかに小さめの直径のものを選ぶことになる。圧排シェルは図20の形成歯においてまず試適される。適合が良ければ、図16に示されるように、歯肉溝の深さの形状に合わせて、材料の余剰部分をハサミでカットする。その後術者はマージンを図17に示されるように、プライヤー65で10のシェルの冠周囲の長さ、あるいは水平的豊隆を形成した歯牙及び歯肉溝71に合わせて締めていく。もしシェルの外周が歯牙のそれより小さければ、図18に示されるように、シリンダー型の台にシェルを押し、広げることによりサイズを大きくすることができる。可塑性の金属、プラスティックもしくはコンポジットであれば手圧で十分直径を大きくすることができる。シェルはその後、歯牙に試適される。もしさらなる適合が必要であれば、台にシェルを適合させたように、歯牙に直接圧をかけ適合させることができる(図20)。シェルに固着された圧排部分が形成マージンを越えて深く歯肉溝に挿入されなければならない。しかし歯肉の裂傷を防ぐためにシェルは弱圧にて挿入されなければならない。シェルを傾けて、片側ずつ歯肉溝に挿入していく方法は適切である。図28に示されるようにペリオプローブなどの器具をシェルの挿入に利用することもできる。もし、このシェルが流体力学的な圧を利用するのであれば、図19に図示されているようにシェル内部にはレジンが填入される。圧排層を歯肉溝に挿入する方法と、このジェルの填入は術者の好みにより、組み合わせて行うこともできる。この項ではシェルについて述べているが、それぞれの方法はバンド、テープ、リング、などにも応用することができる。
バッキング材料の構造
バッキング材料は歯軸に対して垂直な力を伝え、圧排材料を歯肉溝に挿入させる働きをする。ゆえに、圧排材料は歯肉溝内にて遊離歯肉を押し広げる。また、この材料は歯冠の豊隆、及び歯肉の形態に適合できなければならない。
屈曲性のバッキング構造を備えた歯肉圧排器具
屈曲性の圧排器具は変形可能な金属もしくはプラスティックのバッキング部分を持つ。この展性の性質は、歯冠の形態に合わせて変形することができるとともに、その変形させた形を記憶し、簡単にもとの形には戻らない。この形状記憶の性能はこのタイプすべての圧排器具において重要な働きをする。一般的にこのタイプの材料は、非常に柔らかい金属、もしくは展性プラスティック、コンポジットにより製作される。もし金属が使われたのなら、焼きなました状態で使うことにより、手圧で簡単に屈曲できる。アルミニウム、銅などは柔らかい金属でこの目的において非常に適している。この項では金属を使用することに焦点を置いているが、展性のあるプラスティックやコンポジットもその代案として考えることもできる。
屈曲性の被服部を備えた歯肉圧排器具
圧排シェルやその他歯牙に被せるタイプの圧排器具は製品メーカーの様々なサイズのものから選ばれた適切な直径を持ったもの選ぶことが大事である。続いて、シェルを歯肉溝に適合させ挿入することも重要である。シェルやバンドは様々な患者の歯牙の形態、サイズを想定して何種類も取り揃えられる。シェルの円周は可能な限り、歯牙の形態、形成マージンに適合していることが望まれる。もし、シェルやバンドのサイズの選択においてエラーが生じるとしたなら、やや小さめのサイズが好ましい。圧排シェルは様々な方法で歯牙に適合させることが考えられる。屈曲性のシェルは個々の歯牙の豊隆に合わせていくつなの方法でカスタマイズさせることができる。例えば、a.ひも状、ひだ状の形状のシェルの辺縁をプライヤーで屈曲することにより、円周を狭め、アンダーカットをフィットさせる。b.柔らかい屈曲性の材料をハサミで切ることにより、シェルのマージンを歯肉の形態に合わせて適合させる。c.屈曲性のシェルをプラスティックの型に押し付け広げることにより適合させる。d.シェルを実際の形成歯に押し付けることにより適切な形に変形させる。展性、延性のある材料はこのように歯牙に合わせてシェルを変形させ、歯肉をシステマティックに圧排させることを可能にさせる。いったんシェルが歯牙、歯肉溝に合わせて屈曲されたならば、それは手圧にて歯肉溝にシングルアクションで挿入される。シェルが形成限界を越えて歯肉溝に挿入されるとこの金属材料の延性はシェルの辺縁が正確にマージンに合わせて広がる働きをする。形状記憶の性状により、一度形成の形に合わせたなら、元の形に戻りはずれることはない。この材料は展性、延性の性質のみならず、挿入時の垂直の力で曲げられたり、つぶれたりすることのない硬さも備えていなければならない。この展性、延性、硬さの適度なバランスが臨床的に優れた圧排器具の商業的な成功に導く。
柔軟性のバッキング材料を備えた歯肉圧排器具
柔軟性の(屈曲性ではない)歯肉圧排シェル、バンド、リング、もしくはテープのバッキング材料は歯牙の豊隆に合わせるために、一般的にプラスティック、マイラー、ポリエチレンといった十分な柔軟性を持った材料により製作される。更に、歯肉溝に挿入するときの力に耐え、曲がったり、潰れないことも望まれる。この材料を歯肉溝に挿入する時の力に加えて、シェル内部に圧排ペースト、もしくはジェルで満たし、流体力学的な力によって余剰ペーストが歯肉溝内に流れ込むようにすることもできる。このタイプのバッキング材料は簡単に製作でき、コストも押さえることができる。テープのような円周状でない材料は部分的な圧排に適している。その一つの例はポーセレンラミネートベニアである。この場合、歯肉縁下の形成はほとんど唇側面で、その形成の幅によって隣接面にもやや延長される。歯肉圧排テープは短く切られ、必要な部分のみにワンモーションで挿入し歯肉を圧排する。本発明は、唇側の圧排部分が歯肉圧排するとともに、隣接面はマイラーストリップでテープを所定の位置に維持させることになる。これはチェアーサイドで術者によって行われても、製作時にもとから付与される形でも対応できる。この方法に加えて、全周にテープを巻く場合は少し長めに切って、最後の部分はオーバーラップさせる形にすればよい。
適応される圧排層の材料の構造
1.布製もしくはメッシュを用いた器械的圧排
図7に見られるように、圧排層は金属のバッキング部分5aもしくは図11の
プラスティック、コンポジットのバッキング部分5bに固着した多孔性の織りこまれたもしくは単一の繊維3aにより成り立つ。図8に示されているのは、金属のバッキング材5aもしくはプラスティックのバッキング材(図示されていない)に固着された織り込み、編みこみの布、またはメッシュ材料3bである。図7,図11または図8の繊維は天然もしくは合成繊維からなる。これらの材料の適応は従来の歯肉溝71内の物理的な力によって辺縁歯肉72を、歯冠の周囲から側方に離開し、歯肉の圧排を成し遂げる圧排コードを使用した方法に対応するものである。器械的圧排に使われる別の材料としては図12に示されている圧縮した合成スポンジもしくは図9に示されている超多孔性のラバー3dである。この進歩した圧排材料の横断面の厚みは、従来の圧排コードの様々なサイズに対応する。
2.ハイドロジェルを用いた化学機械的圧排
図13に示されているように、金属5aもしくはプラスティック、コンポジット5bのバッキング構造は膨張性のハイドロジェルポリマー3e(決められたある一定の条件で体積を増加させる)でコーティングさせることもできる。この方法では、圧排器具に応用されたハイドロジェルは一般的に超吸収性のポリマーで、水分や体液を吸収し、その体積を増加させることによって、歯肉を圧排、側方に牽引し、形成限界を明示し、クラウンなどの印象を明瞭に採得することを可能にする。この外側のコーティング材として、超吸収体アクリル繊維が挙げられる。これはポリアクリロニトライルのコアを持つポリアクリリックアシッドとポリアンモニウムアクリレートのコーポリマーである。この材料はその重量の何倍もの水分を吸収し、その元の体積の何倍も膨張する能力を持つ。それにより、形成した歯牙の歯肉の圧排が可能になる。それ以外にも様々なハイドロジェルが考えられ、ここでは唯一つの方法について制限してその材料を論じることはしない。超吸収体ハイドロジェルは、シングルポリマーのネットワークあるいはコーポリマーもしくはランダム、alternating graft、ブロックコーポリマーなどからなる。ハイドレーションの割合(膨張率)はもし膜に材料が含まれている場合は外側の膜の孔のサイズ、コーポリマーが浸透性の膜によって含まれていないときにはクロスリンキングの割合によってそれぞれ調整される。
一般的にジェルの水に対する非親和性を変えることによって、ポリマーとソルベントの相互作用はソルベントの拡散率とプラスティケーションの割合に作用して影響される。ハイドロジェル自身の膨張を調整することによって、外側の膜なしのデザインも考えられる。クロスリンキングの率とポリマージェルのネットワークの性状の決定方法は例えば、Peppas at al. (eds)の”Hydrogels in Medicine and Pharmacy”Vol 1, CDC Press, Boca Raton, Fla., 1986に記されている。もし、器具が膜を持つものであれば、その膜の孔のサイズが水分吸収と膨張の率に直接関わってくる。ハイドロジェルが孔を通じて流れ出ることを防ぐ一方で、水分、血液、浸出液などは自由に孔を通じて吸収されるような孔のサイズが望ましい。更に理想的な孔のサイズは止血剤、血管収縮剤なども膜を通じて歯肉溝内に浸透できるものが良い。外側に膜を持つものと持たないものには利点と欠点が存在する。例えば、もし膜がなければ、ジェルは使用後洗い流さなければならない。膜があれば、その必要はなくなる。大きな欠点ではないかもしれないが、凝固した血液などの汚物を歯肉溝内より除去するためにこの洗い流すという操作は、印象採徳の前に行われなければならない。
3.パテ、ペースト、ジェルを応用した流体力学的圧排
図10と図14はパテ、ペースト、もしくはジェル状の圧排レジン3fが術者によってバッキング部分に適応されている状態を示す。バッキング部分は金属5aもしくはプラスティック、コンポジットの5bでこの流体力学的な圧排に応用できる。この圧排にはシェル型のものが望まれるがバンド型のものも指で片側に蓋をしてジェルを入れることにより、応用可能である。この方法ではシェルにパテ、ペーストもしくはジェル(図19)を入れ、形成した歯牙(図20)の歯肉溝にそのシェルを押し入れる。この方法の横断面図が図22に示されている。歯肉圧排シェル10は圧排レジン3fで満たされている。そして、垂直的な力(シェルの上の矢印)で押される。これは個歯トレーで印象を取るときと同じである。形成歯の体積が圧排ジェルの体積に置き換わる時、流体力学的な力(圧排ジェル内の小さい矢印)を生じ、この力が特に歯肉溝内71に材料を排出する。そしてこの流れが歯肉溝内の汚れや血液を洗い出すことになる。圧排器具の完全なセットによって、ペーストもしくはジェルが硬化し、含有されている止血剤が歯肉に浸透していく。もし圧排ペーストもしくはパテが超吸収性のハイドロジェルで構成されているならば、液体の吸収が材料の膨張を促し歯肉の外側への牽引を可能にする。さらに、重合された圧排材が歯肉を圧排するとともに、装置が突然はずれてしまうことを防ぐ。装置の除去は止血、浸出液の除去と圧排による形成限界の明示がなされた後行われる。このタイプの圧排器具のもう一つの具体案は図23と図24に示され、これらはシリンダー型の端に穴があいている歯肉圧排シェル11からなる。シリンジチップ57は穴に圧排ペーストもしくはジェルをあらかじめセットされたシェルの中に填入するために挿入される。この積極的な材料の填入により生じた流体力学的な力(填入されているレジンの中の小さな矢印)は大量の材料を押し出し、歯肉溝71の浸出液を外に排出する。これはすでに述べられた方法とほとんど同じである。
止血および血管収縮剤の応用
歯肉溝内の止血を成し遂げることは印象採得の前準備のなかでも重要な目的である。止血の必要性は、歯肉を牽引圧排し、形成マージンを明示させることと同様の重要性を持つ。既存の方法では、圧排コードを手作業で歯肉溝内に挿入して、器械的に圧迫するとともに、血管収縮、収斂剤を同時に適用する。一般的に3つの止血のメカニズムが考えられる。一つ目が圧迫することによって、毛細血管に圧をかけ、出血を止め、そして血小板が血管壁に付着して漏れをシールする方法である。第二は、血管収縮剤により、局所の血行を遅く、あるいは止める方法である。これにはエピネフリンがもっとも多く使われている。三番目は収斂剤もしくは血液凝固因子により歯肉溝内の血液凝固を促進する方法である。これにはaluminum sulfate, aluminum potassium sulfate, zinc phenol−sulfate, ferric sulfate, エピネフリン、もしくはこれらの組み合わせが考えられる。止血、血管収縮剤はシェルの製造時、あるいは術者によって適用される。血管収縮剤は局所の血管を収縮させるために使用され、血液の流れを遅くあるいは止める働きをする。 第四に、製造時に多孔性のシェルの圧排層に止血、収斂剤をあらかじめ付与しておくか、あるいは止血ペースト、パテもしくはジェルをシェルに後から、術者の使用時に適用することが考えられる。
インプレッションコーピングとしての圧排シェルの応用
図30に示されているように、図10と図14のシェルは個歯トレーとして、圧排と止血を別なステップとして終えた後に使用することができる。この方法では圧排シェルに満たした粘度の高い印象材が、シェルを形成歯9にセットすることによって歯肉溝内に流れ込む。そしてこのことにより歯肉を圧排するという機能を果たすことになる。印象材を多めに満たしたシェルをセットすることは粘性の材料内に圧を生じるだけではなく、余剰の材料が歯肉溝71の外側に流れでることにより歯肉の位置を変える。片側もしくは両側を編みこまれた、もしくは単一の繊維、メッシュでコートされた圧排シェルは印象材に、重合した材料のマイクロメカニカルボンディングによって、最終的に硬化したときに接着する。個歯印象の圧排シェルは単一の模型として除去されるか、シェルをと全顎トレーを両方使って、つまり全顎の印象として、トレー55に印象材3fを満たしてアーチ全体の印象を採得することができる。この方法ではシェルの外側は布あるいはメッシュによる印象剤とのマイクロメカニカルボンディングによって、シェル5aとトレー内の印象材は接着する。シェルはトレー内の印象材と一体化することになる。
今まで述べられてきた新案に関して、発明のパーツの一般的な関連性はその機能と前述の発明の使用方法の実例となり、前述の発明の組み立てと使用方法は熟練した者にスムーズに理解されなければならない。サイズ、材料、形態、形状、機能、使用方法のバリエーションについて詳細に説明されたことと、それぞれの図と同等の関連性を持ち、本発明と同様の関連性をもつもの(本発明を基にしたバリエーションも含めて)は本発明の趣旨と焦点に帰するものとする。記された手技の手順に特に制限はなく変更も可能である。記載されている図や描写は例に過ぎず、発明の範囲内であれば、必ずしもそれを忠実に再現しなければいけないわけではない。本発明の焦点と趣旨の範囲内であれば、発明者は様々なバリエーションを加えることができるものとする。改良されたシェル、バンド、リングは誤嚥を防ぐために、いつもラバーダムとともに使用されるべきである。これらの圧排装置は、抗菌剤、麻酔剤、抗炎症剤、骨誘導剤などの適用にも使われるかもしれない。これらの薬剤は製造時もしくは使用時に付与(貼付)される。この装置は歯肉溝に挿入し置かれることにより様々な口腔内の病変の治療器具として期待できるであろう。
図1は術者が改善された歯肉圧排シェルを形成した歯に圧排するためにセットしている図である。 図2は従来の方法で圧排コードを歯肉縁下にパッキングしている図である。 図3はシェルの部分的な側面の横断面図である。 図4は改善された歯肉圧排シェルで、一方向に穴が開いている状態を示す。 図5は改善された歯肉圧排テープの図である。 図6は改善された歯肉圧排リングの図である。 図7は改善された金属の構造補強と多孔性の繊維あるいはメッシュの材料を備えた歯肉圧排器具の横断面図である。 図8は改善された金属補強と多孔性の布製の材料を一体化させた歯肉圧排器具の横断面図である。 図9は改善された金属補強と多孔性のスポンジ層の歯肉圧排器具の横断面である。 図10は改善された、金属補強にレジンペースト、パテ、あるいはジェルタイプの圧排材料を適応させた圧排歯肉圧排器具の横断面である。 図11はプラスティックあるいはコンポジットを使ったバッキング材に多孔性の繊維あるいはメッシュの圧排材料を一体化させ、改善した歯肉圧排器具の横断面である。 図12はプラスティックもしくはコンポジットでバッキングされ、多孔性のスポンジ状の圧排部分が固着され、改善された圧排器具の横断面図である。 図13は超吸収性のハイドロジェルの圧排部分がプラスティックもしくはコンポジットのバッキングに固着された、圧排器具の横断面図である。 図14は上記のハイドロジェルの代わりに、ペースト、パテもしくはジェル状の圧排部分が付与された材料の横断面図である。 図15は様々なサイズが前歯、臼歯ともに揃えられ、改善された歯肉圧排シェルのコンテナーの図である。 図16は垂直的な歯肉縁の形状に合わせて、改善された歯肉圧排シェルの辺縁をカットしている図である。 図17は水平的な歯肉縁の形状に合わせて、改善された歯肉圧排シェルの辺縁をプライヤーによって締めている図である。 図18は形成した歯牙の外周に合わせて、カットした円錐状の型にシェルを押し付けて広げている図である。 図19は術者が圧排シェルの内側に圧排ペーストもしくはジェルを流体力学的な力によって歯肉を圧排するために、インジェクトしている図である。 図20は支台歯に圧排シェルを術者がセットしている図である。 図21は圧排シェルに垂直な力をかけて、シェルにつけられた、多孔性もしくメッシュ状の材料が歯肉溝に挿入される図である。 図22は上記のメッシュ系の材料に代えて、ジェルもしくはペースト状の材料が流体力学的に歯肉を圧排する様子を表している。 図23は術者が圧排ペーストをシェルに設けられた孔から、注入して流体力学的な圧排をしている図である。 図24はシリンジチップをシェルの上部に設けられた孔に入れ、圧排ペーストを圧をかけ注入して、歯肉の圧排をしている図である。 図25は形成した歯牙に改良した歯肉圧排バンドを歯肉溝に適合させている図である。 図26は同様の歯肉圧排リングの図である。 図27は同様の歯肉圧排テープの図である。 図28はショートタイプの歯肉圧排テープでポーセレンラミネートベニアの接着時に、唇側の歯肉溝を圧排している図である。 図29a乃至図29cはハサミを使用せずに圧排テープを歯肉に形態に合わせて、指圧で適合させる様子を記している。 図30は歯肉圧排シェルがインプレッションコーピングとして、全顎の印象に組み込まれる形で使用可能な状態を示す。 図31a及び図31bは軸面のバッキング構造体と固着される繊維性のメッシュ材料からなる圧排ロッド全体と横断面の図を示す。 図32a及び図32bは外側に多孔質の膜からなるハイドロジェルの圧排層を付与された圧排ロッドの全体図と横断面を表す。 図33a乃至図33gは圧排材料に固着された屈曲性の金属の内側補強構造の様々な考えられる形態の立体横断面図を示す。

Claims (30)

  1. 円周上の垂直方向の力を伝え、圧排材を歯肉溝に挿入するバッキング構造を備えた改良型歯肉圧排器具。
  2. バッキング材料が展性の構造物である請求項1の改良型歯肉圧排器具。
  3. バッキング材料が剛性もしくは柔軟性の材料である請求項1の改良型歯肉圧排器具。
  4. 圧排材料(部分)バッキング構造部分に製造時に固着されている請求項1の改良型歯肉圧排器具。
  5. 圧排材料がバッキング構造部分に最終使用者(術者)によって取り付けられる構造をもった請求項1の改良型歯肉圧排器具。
  6. バッキング構造部分が、効果的に圧排材を歯肉溝に挿入するために垂直の力を固着された圧排材に伝える請求項4の改良型歯肉圧排器具。
  7. これら二つの構造物の強い固着が不必要な軸方向もしくは外周へ引っ張り、はずれる方向の力を防ぎ、これにより改良型歯肉圧排器具の挿入を術者に簡便にまた確実にする。この特徴をそなえた請求項4の改良型歯肉圧排器具。
  8. 圧排器具はシェル、ドームシリンダーバンド、リング、クラウン、テープ、ロッドなどの型から選ばれる。この特徴を備えた請求項1の改良型歯肉圧排器具。
  9. アルミニウム、銅、真鍮、錫、金などの金属から選択される展性金属と展性のプラスティックもしくはコンポジットからバッキング部分を製作される請求項2の展性(屈曲可能)な改良型歯肉圧排器具。
  10. 請求項5の改良型圧排器具において歯肉圧排シェルは粘性の流体力学的な力を応用した圧排パテ、ペースト、ジェルなどに満たされる。
  11. 止血、血管収縮剤を請求項1のシェル型の圧排器具に添付して製作することもできる。
  12. 請求項2の屈曲性の改良型歯肉圧排器具の調整と適合において、器具のサイズ、形、豊隆は術者の注意深いカスタマイズの作業で成し遂げられ、これにより歯肉溝に正確にこの器具をフィットさせることができる。
  13. 請求項12の方法において、プラスティックの円錐状の台に押し付けることによって、柔らかい、展性の材料のシェル、バンド、リングの円周の長さを増大させることができる。
  14. 請求項12の方法において、術者はさらに形成した歯牙にシェルを押し付けることによって円周を広げることができる。
  15. 請求項12の方法において、プライヤーによって術者がシェルを締め付けることによって、シェルのカントゥアーを改変したりや円周を短くすることができる。
  16. 請求項12の方法において、ハサミをしようすることにより、柔らかい金属でできたシェルのマージンをカットすることによって、歯肉溝の深さや形状にあわせることができる。
  17. 請求項2の屈曲性の歯肉圧排器具において、屈曲性の材料は手圧によって十分曲げられ、なおかつ垂直方向の力により装置が潰れたり曲がったりしないで歯肉溝に挿入できるほどの硬さも備えている。
  18. 請求項3の柔軟性のある歯肉圧排器具おいて、バッキング部分は適合性、柔軟性のあるプラスティック、セルロイドストリップ、もしくはコンポジットで作られるが、圧排器具を歯肉溝に挿入するのに必要な垂直の力に耐えるだけの硬さも備えている。
  19. 請求項4の歯肉」圧排器具において、歯肉圧排材はバッキング部分の内側もしくは、両側」に固着されている。
  20. 請求項4の歯肉圧排器具において、圧排材料は多孔性の布、メッシュもしくは編みこまれた、もしくは編みこまれていない、天然もしくは合成の構造物からなり、歯肉を器械的に圧排する。
  21. 請求項4の歯肉圧排器具において、圧排材料は水分と浸出液を吸収し化学―器械的膨張を起こすことにより歯肉圧排を成し遂げる超吸収性のハイドロジェルからなる。
  22. 請求項11の歯肉圧排器具において、止血剤は歯肉溝への出血を止めるか、最小限にする。
  23. 請求項1の改善された歯肉圧排器具において、屈曲性のシェルやバンドに印象材を適用し、個歯トレーとすることにより、全顎印象のインプレッションコーピングとして使うことができる。
  24. 請求項23の歯肉圧排器具の使用の代案において、シェルは多孔性の布もしくはメッシュを使うことにより、印象材が重合して器械的に合着することになる。
  25. 請求項12の方法において、シェルの中の圧排レジンや印象材が形成した歯牙にシェルを被せることによって、流体力学的な力が生じ、歯肉溝の中に流入していく。
  26. 請求項12の方法において、歯肉圧排ジェルもしくは印象材のシェルの上の穴を通じてシリンジで注入することにより、液体や不純物を歯肉溝から付加的な流体力学的な力により洗い流し押しだし、材料は歯肉溝内に挿入される。
  27. 請求項21の歯肉圧排について、ハイドロジェルはシングルポリマーもしくはコ・ポリマーより成る。
  28. 請求項21の歯肉圧排器具において、ハイドロジェルはバッキング部分に付着したマット状のものであり、これは外側に多孔性の膜のないものと膜のあるマット状もしくはジェル状のものがある。
  29. 請求項21の歯肉圧排器具において、吸収と膨張の率はコ・ポリマーが使用されたらクロスリンキングの程度に、もしくは化学反応、外側の膜の孔のサイズによって調整される。
  30. テープ型の歯肉圧排器具はハサミを使わずに、分割し、手指で歯肉溝の水平的な凹凸に合わせてテープの機能側の圧排面を適合させることができる。
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