JP2005530508A - プライマー伸長反応および多型検出反応をモニターするための方法および組成物 - Google Patents

プライマー伸長反応および多型検出反応をモニターするための方法および組成物 Download PDF

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Abstract

本発明の方法は、増幅反応および/またはプライマー伸長反応の効率をモニターするための対照プライマーの使用、およびこれら対照産物のサイジングマーカーとしての可能なその後の使用を含む。本発明の方法は、単一の反応並びにアレイベースの方法を含む高処理量および多重システムに応用できる。本発明の一つの態様は、ヒツジ海綿状脳症遺伝子中の多型の検出のために反応の効率をモニターすることを含む。

Description

本発明は、プライマー伸長反応および多型検出反応をモニターするための方法および組成物に関する。
過去20年間にわたるバイオテクノロジー分野での広範な進歩は、あらゆる種におけるゲノムの特性の同定および探求への新たな且つ有望な途をもたらした。とりわけ、核酸合成およびシークエンシングにおける進歩はゲノミクスの科学の発展をもたらした。高処理量シークエンシング法は、ヒトゲノムを含む種々のゲノムのマッピングなどの意義深い一里塚を可能にした。大量のDNAの迅速な配列決定が可能であることから、ゲノム特性の大スケール分析が可能となってきた。今や技術は遺伝子型における個人または集団ベースの変異に関係するゲノムの特性を同定および特徴付けるところまで進化しており、これは所定の疾患への個人の罹患しやすさの同定、遺伝子またはゲノム中の興味のもたれる特性の同定、および疾患状態を引き起こすかまたは促進する遺伝的特性の同定などの応用に用いることができる。個人または集団におけるゲノムの変化を特徴付けるのに最も有望なのは遺伝子多型の分析および特徴付けである。
多型は、たとえば、異なる種間での、ある種の成員間での、ある種内の集団または亜集団間での、またはある種内の個体間でのゲノムの変化に関係する。そのような変化は、問題としているゲノム中のある特定の遺伝子座でのヌクレオチド配列の差異として表される。これら差異には、たとえば、ゲノム中のヌクレオチドまたはヌクレオチド群の欠失、付加または挿入、再編成(rearrangement)、または挿入が含まれる。
一つの重要なタイプの多型は単一ヌクレオチド多型(SNP)である。単一ヌクレオチド多型は300塩基対に約1〜1,000塩基対に約1の頻度で起こり、DNA配列中の単一のヌクレオチド塩基が個体間で変化するものである。SNPは遺伝子のコード領域の内部および外部の両者で起こる。たとえば、多くの癌、高血圧症、心臓疾患、および糖尿病を含む多くの疾患は、ヒトの集団の亜集団でSNPまたはSNPの集合として保持された突然変異の結果であると考えられている。現在、ゲノミクスの一つの焦点はSNPおよび一群のSNPの同定および特徴付けであり、たとえば、SNPおよび一群のSNPがどのように医学的および/または薬理遺伝学的に関連する表現型特性と関係するかである。
ゲノム中の極めて様々な多型を決定またはスコアリングする種々のアプローチが開発されている。これら方法は多くのタイプのゲノム多型に応用できるけれども、これらは特にSNPの決定またはスコアリングに従うものである。
多型検出の一つの好ましい方法では、酵素支援プライマー伸長(enzyme-assisted primer extension)を用いる。SNP−ITTM(Goelet, P.ら、WO92/15712、および米国特許第5,888,819号および同第6,004,744号に開示;それぞれ、その全体を参照のため本明細書中に引用する)は、標的核酸配列中の前もって決定した多型部位のヌクレオチドの同一性を決定するのに好ましい方法である。それゆえ、この方法は広範囲の様々な多型の決定のために一般的に応用できるものではあるが、SNPスコアリングにのみ適している。SNP−ITTMは、多型部位探索(interrogation)の方法であり、標的核酸配列中の多型部位の周辺のヌクレオチド配列情報を用いて、標的ポリヌクレオチドの直ぐ隣に隣接する領域に相補的であるが該標的ポリヌクレオチドの多型部位中の変化するヌクレオチドは含まないプライマーをデザインするものである。このプライマーは、しばしば1またはそれ以上のターミネーターヌクレオシド三リン酸前駆体(または適当なアナログ)の存在下、ポリメラーゼを用い、ジデオキシヌクレオチドなどの単一の標識ターミネーターにより伸長される。それにより、SNP−ITTMプライマーに共有結合した検出可能なシグナルまたは残基が生成される。
SNP−ITTMの幾つかの態様では、オリゴヌクレオチドプライマーは伸長反応の前に固相支持体に結合される。他の態様では、伸長反応は溶液中で行われ、伸長産物はその後、固相支持体に結合される。SNP−ITTMの別の態様では、プライマーは検出可能に標識され、伸長したターミネーターヌクレオチドは伸長したプライマー産物が固相支持体に結合することを可能にすべく修飾される。
リガーゼ/ポリメラーゼ媒介ジェネティックビット分析(Ligase/polymerase mediated genetic bit analysis)(米国特許第5,679,524号および同第5,952,174号;両者を参照のため本明細書中に引用する)は、多型部位でのヌクレオチド同一性を決定するのに適したポリメラーゼ媒介プライマー伸長法の他の例である。リガーゼ/ポリメラーゼSNP−ITTMは2つのプライマーを利用する。一般に、一方のプライマーは検出可能に標識し、他方のプライマーは固相支持体に結合するようにデザインしてある。リガーゼ/ポリメラーゼSNP−ITTMの別の例では伸長したヌクレオチドを検出可能に標識する。リガーゼ/ポリメラーゼSNP−ITTMにおけるプライマーは、多型部位を含む間隙ができるように同じ鎖上の多型部位の各側にハイブリダイズすべくデザインされている。伸長反応が首尾よくいき、その後のライゲーション反応が首尾よくいった場合にのみ検出可能なシグナルの生成という結果となる。この方法は、ハイブリダイゼーションまたはプライマー伸長のみを利用した方法で可能なバックグラウンドよりも相当低いバックグラウンドにてシグナルを生成するという利点を提供する。
標的ポリヌクレオチド中の前もって決定した多型部位でのヌクレオチドの同一性を決定する別の方法がSoderlundらの米国特許第6,013,431号(その全開示を参照のため本明細書中に引用する)に記載されている。この別方法では、標的核酸配列中の多型部位の周辺のヌクレオチド配列情報を用いて、該標的の該多型部位で変化するヌクレオチドをフランキングするが該ヌクレオチドを含まない領域に相補的であるプライマーをデザインする。この方法の幾つかの態様において、単離後に標的ポリヌクレオチドを探索プライマーにハイブリダイゼーションする前に適当な手段により増幅させる。プライマーを、ポリメラーゼを用い、しばしば少なくとも1の標識したデオキシヌクレオチドと1またはそれ以上のターミネーターヌクレオシド三リン酸前駆体(または適当なアナログ)との混合物の存在下で伸長させる。標識したデオキシヌクレオチドがプライマーに組み込まれたときに検出可能なシグナルが生成される。
SNP情報を用いる多くの研究は大きなサイズであるため、SNP検出は迅速で、高処理量に従い、かつ信頼できるものでなければならない。SNPベースの応用を用いて多型の検出または同定のためのアッセイの結果を信頼性をもって解釈することは、とりわけ多重(multiplex)で高処理量のプロトコールを用いる場合に重要な考慮すべき事項である。
標識プライマー伸長産物のサイズ分析は、とりわけ多重プロトコールにおいて問題でありうる。サイズ分析は一般に、4つのヌクレオチドA、T、GおよびCのそれぞれについて別個の蛍光標識で標識した蛍光標識プライマー伸長産物の検出に依存している。第5の蛍光染料もまた、未知の検出産物にサイズを割り当てるための内部レーンサイズ標準として用いられている。しかしながら、可視スペクトル内の同じ限られた範囲を活用した5つの染料の使用はスペクトルの重複しやすさを増大させるものである。さらに、染料が高濃度で存在する場合、このことは検出器の飽和および強いバンドの下に横たわる不適切な標識断片の出現という結果となる。プライマー伸長の完了後に検出プライマー伸長産物に加えられる第5の染料内部レーンサイズ標準を使用したサイジングシステムは、プライマー伸長反応に使用したアンプリコンを生成した最初のポリメラーゼ連鎖反応の成功の指標を提供しない。第5の染料マーカーを用いるシステムはまた、分析時に存在する検出産物の存在量(abundance)という観点から検出プライマー伸長アッセイの成功を評価するのに用いることができない。
さらに、現在利用できるサイジング標準は識別しうる標識分子を比較的わずかしか含んでおらず、まばらに分布する標準曲線という結果となる。このことは、異なる分析の際に所定の未知の分子種のサイズの計算には許容できない標準偏差という結果となりうる。加えて、増幅の産物に外部標準を加える必要があることは、プロセスにさらなる工程を付加することを表しており、汚染されるまたは汚染源となる危険の増大に該分析を曝すことになる。
それゆえ、多型の検出および同定の技術分野において、増幅の確認、および多型の正確な検出と同定、および反応産物の存在量の分析を別個かまたは同時に提供しうるシステムの必要性が存在する。また、未知のサイズのものに極めて近接して位置する既知のサイズの標準を用いた一層正確なサイジング手段に対する必要性が存在する。
一つの態様において、本発明は、標的核酸配列の1またはそれ以上のヌクレオチド塩基を同定する方法であって、変化する(variant)ヌクレオチド塩基および変化しない(invariant)ヌクレオチド塩基を有する標的核酸配列を用意し;該標的核酸配列の変化しないヌクレオチド塩基の直ぐ隣に隣接してハイブリダイズすることのできる対照プライマーを用意し;該標的核酸配列の変化するヌクレオチド塩基の直ぐ隣に隣接してハイブリダイズすることのできる検出プライマーを用意し;該対照プライマーおよび該検出プライマーを該標的核酸配列にハイブリダイズさせ;重合剤の存在下、プライマー伸長が起こるのに適した条件下で該対照プライマーおよび該検出プライマーを1またはそれ以上のヌクレオチド塩基により伸長させ;該検出プライマーから該対照プライマーを分離し;ついで伸長した対照プライマーと伸長した検出プライマーとの検出および伸長した対照プライマーからの伸長した検出プライマーの分離によりプライマー伸長が起こったことを確認し、それによって該標的核酸配列の1またはそれ以上のヌクレオチド塩基を同定することにより、該標的核酸配列の1またはそれ以上のヌクレオチド塩基を同定する、ことを含む方法を包含する。
他の態様において、本発明は、プライマー伸長反応または標的核酸を生成する反応をモニターする方法であって、変化するヌクレオチド塩基および変化しないヌクレオチド塩基を有する標的核酸配列を用意し;該標的核酸配列の変化しないヌクレオチド塩基の直ぐ隣に隣接してハイブリダイズすることのできる対照プライマーを用意し;該標的核酸配列の変化するヌクレオチド塩基の直ぐ隣に隣接してハイブリダイズすることのできる検出プライマーを用意し;該対照プライマーおよび該検出プライマーを該標的核酸配列にハイブリダイズさせ;重合剤の存在下、プライマー伸長が起こるのに適した条件下で該対照プライマーおよび該検出プライマーを1またはそれ以上のヌクレオチド塩基により伸長させ;該対照プライマーおよび該検出プライマーを互いに分離し;ついで伸長した対照プライマーと伸長した検出プライマーとの検出および伸長した対照プライマーからの伸長した検出プライマーの分離によりプライマー伸長が起こったことを確認し、および該検出プライマーおよび該対照プライマーに加えられたヌクレオチドの同一性を決定することにより該標的核酸配列の1またはそれ以上のヌクレオチド塩基を同定し、それによってプライマー伸長反応のモニターを同定する、ことを含む方法を包含する。
さらに他の態様において、本発明は、プライマー伸長反応の産物を同定する方法であって、2またはそれ以上の対照プライマー、1またはそれ以上の標的核酸配列および1またはそれ以上の検出プライマーを用意し、その際、該検出プライマーは標的核酸配列またはその相補鎖上の多型部位の直ぐ隣に隣接する変化しないヌクレオチド配列にハイブリダイズすることができ、1またはそれ以上の対照プライマーの両者は該1またはそれ以上の検出プライマーがハイブリダイズする変化しないヌクレオチド配列とは異なる該1またはそれ以上の標的核酸配列上の変化しないヌクレオチド配列にハイブリダイズし;該1またはそれ以上の対照プライマーおよび該1またはそれ以上の検出プライマーを該1またはそれ以上の標的核酸配列にハイブリダイズさせ;1またはそれ以上の標識ヌクレオチド塩基の存在下、重合剤の存在下、プライマー伸長が起こるのに充分な条件下で該1またはそれ以上の対照プライマーおよび該1またはそれ以上の検出プライマーを伸長させ;該対照プライマーを該1またはそれ以上の検出プライマーから分離し;ついで該1またはそれ以上の検出プライマーを該1またはそれ以上の対照プライマーから分離することによって該1またはそれ以上の検出プライマーを検出し、それによってプライマー伸長反応の産物を同定する、ことを含む方法を包含する。
さらに他の態様において、本発明は、プライマー伸長反応をモニターする方法であって、重合剤の存在下、増幅が起こるのに適した条件下で目的とする核酸配列から標的核酸配列を増幅させ、その際、該目的とする核酸分子の変化しない領域にハイブリダイズすることのできる一対の増幅プライマーを用い、かつ、該一対の増幅プライマーはその5’末端に変化しない塩基を含む変化しないタグ配列を有し、ここで該変化しないタグ配列は、変化しない塩基を含む該変化しないタグ配列が該標的核酸を含む増幅した核酸分子中に取り込まれるように、該目的とする核酸分子にハイブリダイズすることができないものである;該増幅した標的核酸中の該変化しないタグ配列の該変化しない塩基の直ぐ隣に隣接してハイブリダイズすることのできる対照プライマーを用意し;該増幅した標的核酸の変化するヌクレオチド塩基の直ぐ隣に隣接してハイブリダイズすることのできる検出プライマーを用意し;該対照プライマーおよび該検出プライマーを該増幅した標的核酸配列にハイブリダイズさせ;重合剤の存在下、プライマー伸長が起こるのに適した条件下で該対照プライマーおよび該検出プライマーを1またはそれ以上のヌクレオチド塩基により伸長させ;該検出プライマーから該対照プライマーを分離し;ついで伸長した対照プライマーと伸長した検出プライマーとの検出および伸長した対照プライマーからの伸長した検出プライマーの分離によりプライマー伸長が起こったことを確認することにより該標的核酸配列の1またはそれ以上のヌクレオチド塩基を同定し、それによって該標的核酸配列の1またはそれ以上のヌクレオチド塩基を同定する、ことを含む方法を包含する。
他のおよびさらなる利点および態様とともに本発明の一層良好な理解のため、実施例とともに以下の記載を参照するが、その範囲は添付の特許請求の範囲に示すとおりである。
説明および記載のために本発明の好ましい態様を選択したが、これらはいかなる意味でも本発明の範囲を限定することを意図するものではない。本発明のある種の側面の好ましい態様は添付の図面に示してある。
本発明は、プライマー伸長反応および標的核酸増幅反応をモニターするための方法および組成物を提供する。さらに、本発明は、多型の高処理量多重検出をモニターするための方法および組成物を提供する。
図面は明快にするために単純化してある。たとえば、プライマーの伸長産物は変化する塩基と隣接するものであるが、変化する位置がホモ接合性である場合にそうであるように単一のピークとして示してある。この変化する位置がへテロ接合性である場合には2つの極めて密接に関連するピークが生成し、これら2つの伸長産物は導入された末端塩基の違いおよびおそらく末端塩基に結合した異なる標識のために非常にわずかに異なる質量:電荷比を有することが予期されるであろう。
図1は、本発明の一つの態様のある種の特徴を説明するものである。標的核酸を試料から、たとえばポリメラーゼ連鎖反応により増幅させる。充分な量の標的核酸が利用できる場合には増幅する必要はない。増幅後、プライマー伸長のために反応混合物を調製する。この目的を達成するために多くの方法が当該技術分野で知られており、たとえば、反応混合物中に存在するデオキシヌクレオチドを不活化するホスファターゼで反応混合物を処理し、ヌクレアーゼを加えて一本鎖プライマーを除去し、ついでホスファターゼやヌクレアーゼを分離または不活化することや、当業者に知られた他の方法がある。ついで、検出プライマーおよび対照プライマーを蛍光標識したターミネーターとともに加え、プライマー伸長を起こさせる。図1では4つの対照プライマーを用いているが、これより多いまたは少ない対照プライマーを用いることができる。図1では4つの対照プライマーはすべて標的核酸の同じ変化しない領域にハイブリダイズし、同じ変化しない残基「C」により伸長される。図1ではこれらプライマーはその5’末端にあるタグ配列のサイズ(およびおそらく塩基組成)のみが異なっており、ここでタグ配列は互いのおよび検出プライマーからのサイズ分離が可能となるようにデザインされているものである。5’末端での修飾としては標的配列にアニーリングする付加的な塩基が挙げられるが、当業者であればこのことがより少ないハイブリダイズ塩基を用いたものに比べてこのプライマーのハイブリダイゼーション特性を変化させるであろうことを理解するであろう。そのような修飾は、他のプライマーとの関係で、一つのプライマーが結合し、それゆえ伸長される結合活性(avidity)に影響を及ぼすために利用することができる。他の態様では、これら5’伸長はまた、特定のタグに相補的な配列を有する固定化DNAのアレイ上の特定の地理学的位置への伸長した対照プライマー(または検出プライマー)のハイブリダイゼーションを可能とすることもできる。図1では差異はタグ配列を含むヌクレオチドの同一性および数にある。そのような分離を可能とするために他の多くの種類のタグ配列を用いることができる。ここでは、示したタグ配列は質量:電荷比に基づいてプライマーを分離すべく選択されている。図1は単一の検出プライマーを示しているが、反応は多重に行うこともできる。図1はSNPの直ぐ隣に隣接してハイブリダイズする単一の検出プライマーを示しているが、変異は欠失、付加、挿入などの当該技術分野で知られたいかなる種類の変異であってもよい。プライマー伸長が起こったら、反応の産物はたとえば蛍光検出器を備えたキャピラリーゲル電気泳動装置により分析する。この装置はプライマーを質量:電荷比に基づいて分離し、検出プライマーの同一性は対照プライマーの分布を考察することにより確認することができる。図1では、対照プライマーは蛍光特性により検出プライマーから、およびタグ配列の差異の結果として質量:電荷比の差異により互いに識別することができる。この例では存在量分析、サイジングアルゴリズム、およびフリップバック(flip-back)プライマーの使用は示していない。
図2は、本発明の他の態様のある種の特徴を説明するものである。図2では変化する残基を含む標的核酸を特定の増幅プライマーを用いて増幅させる。これら増幅プライマーは、選択した条件下で試料または標的核酸とはハイブリダイズしないが、その代わり標的のPCR増幅が成功したときに標的核酸を含むアンプリコン中に導入される外部(exogenous)配列を含む配列を含んでいる。増幅後、プライマー伸長のために反応混合物を調製する。この目的を達成するために上記のように多くの方法が当該技術分野で知られている。ついで、検出プライマーおよび対照プライマーを蛍光標識したターミネーターとともに加え、プライマー伸長を起こさせる。図2では4つの対照プライマーを用いているが、これより多いまたは少ない対照プライマーを用いることができる。図2では、これら4つの対照プライマーは、2つがアンプリコンの一方の末端に導入された同じ外部配列にハイブリダイズし、2つがアンプリコンの他方の末端に導入された同じ外部配列にハイブリダイズするようにターゲティングされている。これら対照プライマーのペアは、そのコア配列および5’タグ伸長の長さの両者で異なっていてよい。コア配列およびタグ配列の両者における差異は、所定のアッセイ条件下での同様のハイブリダイゼーション特性を維持しながら、質量:電荷比の差異を最大にするのに用いることができる。この例に示すように、異なる標的であるにもかかわらず、伸長が成功したときに同じ変化しない塩基が導入されるように対照プライマーのすべてがターゲティングされる。ここでは対照プライマーは同じ変化しない残基「G」により伸長されるが、他の塩基を用いることもできる。図2では対照プライマーのペアはコア配列および5’末端のタグ配列のサイズの両者で異なっており、ここで配列の差異およびタグ配列の長さ(および/または塩基組成)の組み合わせは互いのおよび検出プライマーからの分離を可能とすべくデザインしたものである。図2では差異は対照配列のペアの配列およびタグ配列を含むヌクレオチドの同一性および数にあるが、タグ配列のみを用いて対照プライマーの特性を変化させることもでき、その場合は対照プライマーのコア配列は同一である。そのような分離を可能とするために他の多くの種類のタグ配列を用いることができる。ここでは、示したタグ配列は質量:電荷比に基づいてプライマーを分離すべく選択されている。図2は単一の検出プライマーを示しているが、反応は多重に行うこともできる。図2はSNPの直ぐ隣に隣接してハイブリダイズする単一の検出プライマーを示しているが、変異は欠失、付加、挿入などの当該技術分野で知られたいかなる種類の変異であってもよい。プライマー伸長が起こったら、反応の産物はたとえば蛍光検出器を備えたキャピラリーゲル電気泳動装置により分析する。この装置はプライマーを質量:電荷比に基づいて分離し、検出プライマーの同一性は対照プライマーの分布を考察することにより確認することができる。図2では、対照プライマーは蛍光特性により検出プライマーから、およびタグ配列の差異の結果として質量:電荷比の差異により互いに識別することができる。この例では存在量分析、サイジングアルゴリズム、およびフリップバックプライマーの使用は示していない。
説明の目的で図2を参照すると、最初の各増幅プライマーにより導入された外部DNAの2つの別個の領域にハイブリダイズする2対の対照プライマーを様々な仕方で用いることができることが認識されるであろう。対照プライマーのコア配列は、たとえばキャピラリーゲル電気泳動により分析するときにこれらプライマーの伸長産物の分離を最大にすることができるように、非常に異なっているようにデザインすることができる。対照プライマーの差異をどのように有利に活用できるかの一つの例は、対照プライマーの配列を含むヌクレオチドの同一性の取り扱い、および配列の長さである。たとえば、第一のペアの対照プライマーが非常にGCに富むものであると、これらプライマーは長さがわずか20および22塩基対でも70℃の融解温度を示す。しかしながら、第二のペアの対照プライマーが非常にATに富むものであると、第一のペアの対照プライマーと同じアニーリング温度を達成するには、たとえば、35および37塩基対にデザインされるであろう。これら差異は、検出プライマーがこれら2対の対照プライマーの間に位置するための非常に大きな標的領域を与える。
当業者であれば、本明細書の開示を読み理解した後に、本発明によって教示される対照プライマーを用いた極めて多数の態様を過度の実験なしに行うことができることを認識するであろう。そのような態様としては、たとえば、一つの変化するヌクレオチドおよび一つの変化しない対照ヌクレオチドを同じ標的アンプリコンからアッセイする一重(singleplex)反応、いっしょに増幅および分析される複数の一重反応を含み、各対照産物が各検出プライマーを分析するのに装置に寄与する多重反応、同じ標的アンプリコンからの複数の検出プライマーおよび対照プライマーを含む多重反応、複数のフリップバックプライマーなどが挙げられる。さらに、当業者であれば、標的核酸を含むアンプリコン中への外部配列の導入が対照プライマーをデザインするうえで多大な融通性(versatility)をもたらすことを認識するであろう。本発明のこの態様は、たとえば存在量分析によるプライマー伸長反応のモニターにおいて高程度の定量的信頼性を可能とするような仕方で、対照プライマーの性質(融解温度、重合剤との活性など)を検出プライマーに特別に適合させる能力を付与する。同様に、1またはそれ以上のフリップバックプライマーの使用、またはフリップバックプライマーとしての1またはそれ以上の対照プライマーの使用は、増幅反応を高程度の定量的信頼性でモニターする能力を付与する。これらの利点および他の利点は、本明細書を読み理解すると当業者に明らかとなるであろう。
図3は、本発明の他の態様のある種の特徴を説明するものである。図3では、アンプリコン中に少なくとも1の外部DNA配列を導入すべく構築した増幅プライマーを用い、目的とする4つの別個の領域を同時に増幅させている。目的とする増幅された各領域は、このようにして対照標的配列を生成し、該対照標的配列は少なくとも1の対照プライマーでプロービングして、導入された塩基(同じ多重反応中の他の対照反応と同じかまたは異なるものであってよい)の観点、および特定の反応条件下での対照反応の予期された反応動力学の観点の両観点において既知の特性の伸長産物を生成することができる。
当業者であれば、最初の増幅プライマーに結合した外部5’配列の賢明な選択により、個々の検出プライマー反応の解釈、およびたとえば個々の対照産物をサイジングラダー(sizing ladder)の成分として利用することによる多重アッセイの全体的な解釈の両解釈において助けとなりうる対照産物を生成する大きな多重増幅を構築することができることが認識されるであろう。
特定の対照プライマーにより戻ったシグナルのレベルのアッセイにより、多重反応内の特定のアンプリコンの増幅の相対的な成功についての推理が可能であろうことが認識されるであろう。
同じ多型を多数回アッセイすべきアッセイでは、対照反応のシグナル強度と検出反応のシグナル強度との間に増大した確実性の相関関係を導くことができるように、対照プライマーの特性と検出プライマーの特性とを極めて密接に釣り合わせることが可能であろう。そのような多大な開発なしでは、当業者は、プライマー伸長反応でのシグナル強度が、少なくともアッセイ条件、標的(アンプリコン)の存在量、伸長プライマー(対照および検出)の存在量、導入された塩基および導入された塩基の周辺の配列状況から導かれる条件の組み合わせの反映でありうると認識するであろう。
図4は、対照プライマーの標的が、目的とする変化する塩基を含むアンプリコンの一部ではなく、PCR後であるがプライマー伸長の前にアッセイに加える配列である本発明の一つの態様のある種の特徴を説明するものである。このシステムは、所定のアッセイ条件下で対照標的配列および対照プライマーの濃度レベルを詳細に反映する強度のシグナルの生成を可能とする。そのようなシステムは、完全に総括的な対照を生成するのに用いることができ、該対照は最小限、アッセイに存在する伸長した検出プライマーのアッセイを可能にするサイジングラダーとして用いることができる。当業者であれば、このことが電気泳動移動能の知られていない新規な検出プライマーを使用する場合に有利であることが認識されるであろう。短いオリゴヌクレオチドは、電気泳動において質量:電荷のみならず該オリゴヌクレオチドを構成するDNAの塩基配列によっても決定される位置に移動することが認識される。比較的大きなサイズ範囲をカバーするサイジングラダーは、新規な伸長産物をたとえばLocal Southernアルゴリズムによりサイズ決定する能力を最大にする。
図4は対照伸長産物のすべてが単一の標的DNA配列から生成することを示しているが、複数の個々の外部配列を同等に用い、それぞれの外部配列を単一の対照プライマーによりターゲティングすることもできる。
図5は、伸長プライマー(対照プライマーかまたは検出プライマーのいずれかであってよい)のある種の特徴を説明するものである。示した例では、対照プライマーは成功したPCR増幅の結果として生成したアンプリコンの一部をターゲティングする。PCR反応が限られた量の標的アンプリコンしか生成しないという意味でうまくいかない場合は、対照プライマーは完全に相補的な配列にハイブリダイズするときに予期されるよりも低い程度の結合活性にてそれ自体にハイブリダイズする能力を有する。当業者は、プライマーがその3’末端にて自己アニールするという傾向性が、DNAポリメラーゼが結合し単一ヌクレオチドを付加することによって3’末端を伸長させるDNAの二本鎖としての性質を支持する充分な塩基対が存在する場合には、ある程度支持されているプライマーのプライマー伸長という結果となるであろうことを理解するであろう。
そのようなフリップバックプライマーの3’末端に付加される塩基はプライマーの3’末端に隣接する塩基に依存しているであろうこと、および付加される塩基はフリップバックプライマーが豊富な標的配列にアニールした場合には(これが好ましい状況である)付加されたであろう塩基と同じかまたは異なっていてよいことが明らかであろう。
豊富な標的配列からの伸長と比較した自己伸長の程度は、付加される通常の塩基とは異なる塩基を自己伸長が取り込む場合に定量することができる。このことは、たとえば、電気泳動分離の際に生成する2つの各ピークのピーク下面積や2つの各ヌクレオチドについてタグ捕捉の際に生成するシグナルの強度を測定して、対照/フリップバックプライマーに取り込まれた各ヌクレオチドの量を比較することにより達成することができる。
図6は、4つのヒツジSNPを分類する多重アッセイに使用するフリップバックプライマーを示す(図7および以下の実施例を参照)。このプライマーは36および38bpの対照産物を生成すべくデザインされており、部分的な自己相補性を有し、それがアニールするのに利用できる完全に相同な鋳型が存在しない場合には(たとえば、アンプリコンを生成するPCRが失敗した場合)自己伸長を支持する能力を有する。
図7は本発明の最も好ましい態様を表しており、ヒツジPrP遺伝子配列内の4つのSNPの分析を可能とするものである。単一の310bpアンプリコンをヒツジ血液から調製した全ゲノムDNAのPCR増幅により生成させ、対照プライマーおよび検出プライマーは図示した近接した位置および図示した方向にてこのアンプリコンにハイブリダイズする。プライマー伸長反応を行うと、ハイブリダイズした対照プライマーおよび検出プライマーのそれぞれの3’末端に相補的な塩基が付加される。キャピラリー電気泳動下で分離すると、蛍光標識した伸長プライマーは分離してピークのパターンを形成し、これらピークはそのサイズおよび/または色に基づいて互いに識別できる。この例示のプロフィルで使用したピークのパターンは、136Fに存在するSNPがホモ接合性のCであり、同じく154Rに存在するSNPがホモ接合性であり、一方、171−1Fおよび171−2Rに存在するSNPはそれぞれへテロ接合性GAおよびへテロ接合性CAであることを示している。対照ピークは変化しないものであり、136F、154R、171−1Fおよび171−2Rに存在するSNPの再編成と無関係にこのパターン中に出現することが認識されるであろう。さらに、ここで示したように対照産物が検出産物と近接して移動することを確実にすることによってSNP部位伸長産物のサイズ決定における高い正確さを得ることができることが理解される。当業者であれば、対照プライマーかまたは検出プライマーのいずれかの5’末端に非相補的塩基(たとえば、ポリTテール)を付加することによって、特定のアッセイで必要とされるように、これらプライマーの伸長産物が電気泳動下で移動する位置を微妙に変えうることを認識するであろう。
本発明は、1またはそれ以上の多型を含む標的核酸配列を得ることを包含する。標的核酸配列は、この核酸がオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド分子にハイブリダイズする能力に関して生物学的に活性であるのが好ましいであろう。標的核酸配列は、DNAまたはRNA、一本鎖または二本鎖、またはDNA/RNAハイブリッド二本鎖のいずれであってもよい。標的核酸配列はポリヌクレオチドであってもオリゴヌクレオチドであってもよい。好ましい標的核酸配列は、検出を容易にするために40〜約2000ヌクレオチドの長さである。数10kbまでの標的核酸の例外的に長いセグメントが、ある状況下で、たとえば、既知の偽遺伝子を有する核酸の領域中の多型を分析するときに偽遺伝子ではなく遺伝子に特異的な増幅プライマーの選択を可能とするために長いアンプリコンが必要な場合などに必要となることがある。有利なら、大きな標的核酸配列を当該技術分野で知られた方法、たとえば、超音波処理などの機械的または流体力学的な剪断法により、または制限酵素またはヌクレアーゼなどの酵素的方法により、より短いセグメントに切断または断片化してよい。これら短いセグメントは、ついで分画化して、目的とする多型部位を有する短い配列が、さもないと多型の分析の際に所望でない副反応に参与する余剰な配列から分離されるようにする。そのような分画したDNAを回収する方法は当該技術分野でよく知られており、ゲル電気泳動、HPLCおよび捕捉配列へのハイブリダイゼーションに基づく種々の配列の回収を利用する方法を含む。
標的核酸は単離してもよいし、または生物学的試料からのものであってもよい。本明細書で使用する「単離した」なる語は、非核タンパク質、脂質、炭水化物などの他の物質、または細胞の破砕物または標的核酸が結合した増殖培地などの他の物質が実質的に結合していない状態をいう。典型的には、「単離した」なる語はこれら物質の完全な不在を言及するものではない。また、「単離した」なる語は一般に、水、緩衝液、または塩などの安定化剤が本発明の方法を実質的に妨害する量で存在しない限り、これら安定化剤の不在を言及するものでもない。本明細書で使用する「試料」なる語は、一般に、DNAまたはRNAまたはDNA/RNAハイブリッドを問わず核酸を含むあらゆる材料をいう。試料は植物および動物(ヒトを含む)を含む採取源からのものであってよい。一般に、そのような材料は、血液試料、組織試料、個体から直接採取したまたは培養で増殖させた細胞、植物、酵母、真菌、マイコプラズマ、ウイルス、古細菌、組織切片、または口内の綿棒標本(新鮮なもの、固定したもの、凍結したもの、またはパラフィンその他の固定剤に埋設したもののいずれであってもよい)の形態であろう。適当な試料の一つの例は、EDTAカリウムなどの抗凝血剤を用いて回収デバイス中に採取した静脈血である。そのような試料は、たとえばアルカリ溶解による鋳型調製で分析できる。他の試料タイプもアッセイにて分析できるが、たとえば、フェノール/クロロホルム抽出、または高塩濃度の存在下でのシリカマトリックスへのDNAの捕捉などにより、異なるまたは一層広大な鋳型調製が必要となるかもしれない。
好ましくは、標的核酸は、遺伝子マッピングまたはハプロタイプ決定または他の研究を行うことができるように、様々な集団から得たゲノムDNAからのものである。そのようなゲノムDNAは多型部位を含んでおり、目的とする多型部位を包含する領域を増幅方法、たとえばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅するのに用いる。典型的に、PCR反応は多重的であり、2またはそれ以上または100もしくはそれ以上までの多型配列が同じ反応管で同時に増幅される。好ましくは、プライマー伸長は増幅反応と同じ反応で、好ましくは連続して行う。
標的核酸は一本鎖であってよく、二本鎖DNA、RNA、または他の核酸分子の上方(upper)鎖または下方(lower)鎖のいずれからのものであってもよい。標的核酸の上方鎖は核酸のプラス鎖またはセンス鎖を含む。標的核酸の下方鎖は、標的核酸の上方鎖に相補的なマイナス鎖またはアンチセンス鎖を意味することを意図している。それゆえ、いずれの鎖に対しても参照がなされ、多型部位をなお含んでおり、プライマーはいずれかの鎖または両方の鎖にハイブリダイズすべくデザインすることができる。標的核酸はコード領域内の配列に限定されるものではなく、少なくとも1の多型を含むゲノムまたはゲノムの一部のいかなる領域をも包含する。ゲノムの語は、動物(ヒトを排除するものではない)や植物で認められるものなどの複雑なゲノム、並びにより簡単で小さな核酸源、たとえばウイルスの核酸、ウイロイド、および核酸を含む他のあらゆる生物学的材料を包含するものである。分析に適した核酸配列の一つの例は、ヒツジPrP遺伝子(プリオンタンパク質をコードする)のコード配列内からのアンプリコンである。このタンパク質は公知のイソ型を有しており、これはDNA配列中の変化としてアッセイすることができる。これら多型を含むPCR産物は、アッセイに適した鋳型である。
標的核酸配列またはその断片は多型部位を含んでおり、またはそのような部位および該部位の遠位または近位に位置する配列を含む。これら多型または突然変異は、核酸配列中の特定の部位での欠失、挿入、再編成、繰り返し配列、塩基修飾、または単一もしくは複数の塩基変化といった形態であってよい。この変化した配列と一層優勢なまたは正常な配列とは、ある集団で同時に存在してよい。ある場合には、これら変化は種または種内の個体に有利、不利のいずれをももたらさず、配列の複数の対立遺伝子は安定なまたは準安定な平衡にある。しかしながら、ある場合にはこれら配列変化は種に対して生存に関わるまたは進化的な利点をもたらし、従って変化した対立遺伝子は最終的に時間とともに該種の多くのまたは殆どの成員のゲノム中に取り込まれる。他の場合には、突然変異が個体をして遺伝病または遺伝子の欠陥を引き起こさせまたは素因を作る場合のように、変化した配列が種に不利をもたらす。本明細書において使用する「突然変異」または「多型部位」なる語は、種内の幾つかの成員、種内の集団または種間での核酸配列の変異をいう。そのような突然変異または多型としては、単一ヌクレオチド多型(SNP)、1またはそれ以上の塩基欠失、または1またはそれ以上の塩基挿入が挙げられるが、これらに限られるものではない。
多型は、個体内でへテロ接合性かまたはホモ接合性のいずれであってもよい。ホモ接合性の個体は、相同染色体上の1またはそれ以上の対応遺伝子座に同一の対立遺伝子を有する。へテロ接合性の個体は、相同染色体上の1またはそれ以上の対応遺伝子座に異なる対立遺伝子を有する。本明細書において対立遺伝子は遺伝子または核酸配列の別の形態を含むものであり、イントロン、エクソン、および非転写領域または非翻訳領域を含めて遺伝子のコード領域の内部または外部のいずれであってもよい。特定の遺伝子の対立遺伝子は、一般に相同染色体上の同じ位置を占める。それゆえ多型は、多型の存在のためにある種の幾つかの成員が一方の配列の遺伝子を有し(たとえば、元のまたは野生型の「対立遺伝子」)、他の成員が変化した配列(たとえば、変化したまたは突然変異の「対立遺伝子」)を有するという点で「対立遺伝子的(allelic)」といわれる。最も簡単な場合では、配列のたった一つの突然変異した変異が存在し、多型は2対立遺伝子性(biallelic)であるといわれる。たとえば、ある遺伝子座での2つの対立遺伝子が区別できないものであるなら(たとえば、A/A)、その個体は考慮している該遺伝子座でホモ接合性であるといわれる。また、ある遺伝子座での2つの対立遺伝子が区別できるものであるなら(たとえば、A/G)、その個体は考慮している該遺伝子座でへテロ接合性であるといわれる。知られている単一ヌクレオチド多型の殆ど大部分は2対立遺伝子性であり、考慮している特定の遺伝子座で2つの別の塩基が存在するものである。「個体」なる語は、あらゆる種(ヒトを含むが、これに限られるものではない)の個体を包含する。
本発明は、少なくとも1の検出プライマー、少なくとも1の対照プライマー、および任意にフリップバック対照プライマー(対照プライマーであってもよい)を利用する。本発明はまた、2またはそれ以上の増幅プライマーを利用する。オリゴヌクレオチドがプライマーとして機能するには、典型的に、使用した条件下で二本鎖構造を形成することができるように配列が充分に相補的でありさえすればよい。そのような条件を確立することには、一般に、溶媒および塩濃度、インキュベーション温度、インキュベーション時間、アッセイ試薬および当該技術分野で知られた安定化因子の選択を伴う。「プライマー」または「プライマーオリゴヌクレオチド」とは、たとえばPCR反応などのDNA複製反応における場合のように、核酸鎖に相補的なプライマー伸長産物の合成が誘発される条件下で使用したときに合成の開始点として作用することのできる本明細書に記載のオリゴヌクレオチドをいう。非プライマーオリゴヌクレオチドと同様、プライマーオリゴヌクレオチドは当該技術分野で知られた方法に従い、たとえば放射性原子、蛍光標識、酵素標識、タンパク質、ハプテン、抗体、配列タグなどで標識することができる。
プライマーは、プライマー伸長反応において3’末端で伸長することのできるポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドであってよい。本明細書において「ポリヌクレオチド」は、あらゆる数のヌクレオチドポリマーを包含する。「オリゴヌクレオチド」なる語は、あらゆる数のヌクレオチド、好ましくは約200未満のヌクレオチドを含むポリヌクレオチド分子を含む。さらに好ましくは、オリゴヌクレオチドは長さが5〜100ヌクレオチドである。最も好ましくは、オリゴヌクレオチドは長さが15〜60ヌクレオチドである。しかしながら、ある特定のオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの正確な長さは多くの因子に依存し、これら因子は逆にその最終的な機能または用途に依存するであろう。オリゴヌクレオチドの長さに影響を及ぼす幾つかの因子としては、たとえば、オリゴヌクレオチドの配列、アッセイに使用した塩濃度や温度などの変数という観点でのアッセイ条件、およびオリゴヌクレオチドの質量:電荷比の修飾、および/またはタグ捕捉配列(オリゴヌクレオチドをDNAチップ上の特定のハイブリダイゼーション位置に地理学的に分離するのに用いられる)の提供という目的のために付加的な塩基を含ませるべくオリゴヌクレオチドが5’末端で修飾されているか否か、が挙げられる。短いプライマーは、鋳型との充分に安定なハイブリッド複合体を形成するのに一層低い温度を必要とする。本発明のプライマーは、上方鎖または下方鎖の標的核酸に相補的でなければならない。好ましくは、最初の増幅プライマーは、自己プライミング構造およびアッセイノイズに導くプライマーの折り返し(fold back)を回避するため、その3’末端を含めて自己相補性を有していてはならない。3’末端でのプライマー内の自己相補性の好ましい欠如に対する一つの例外は、本発明の一つの態様において伸長プライマーをフリップバックプライマーとして使用する場合に若干の程度の自己相補性が好ましいことである。プライマーをフリップバックプライマーとして使用する場合には、プライマーは、標的核酸の不在下、または自己プライミング事象と競合する充分な量の標的核酸の不在下で自己プライミングするに充分な自己相補性を有していなければならない。本発明の好ましいプライマーは、長さが約8〜約40ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドから数千ヌクレオチドまでの長さの一層長いポリヌクレオチドまでを包含する。好ましくは、対照プライマーのみがフリップバックしうるものでなければならない。フリップバック能は増幅プライマーおよび検出プライマーでは回避するのが好ましい。
現在の技術の状態では、約10ヌクレオチドのプライマーが非標的核酸のバックグラウンドに抗して相補的な標的核酸に選択的にハイブリダイズさせるのに用いることが可能な最短の配列である。最も好ましくは、少なくとも20〜約35ヌクレオチドにわたる中断されない相補性の配列が充分なレベルのハイブリダイゼーション特異性を確実にするのに用いられるが、長さは標的DNA分子の配列によって相当変わりうる。本発明のプライマーは標的核酸配列に特異的にハイブリダイズすることができなければならず、たとえば、1またはそれ以上の上方プライマーが1またはそれ以上の上方鎖標的核酸または1またはそれ以上の下方鎖核酸にハイブリダイズする。本明細書において、2つの核酸配列分子がハイブリダイゼーションを促進するに充分な条件下で逆平行の二本鎖核酸構造すなわちハイブリッドを形成することができるが、同じ条件下で非標的核酸配列とともにインキュベートしたときに互いに二本鎖構造すなわちハイブリッドを実質的に形成することができないときに、これら2つの核酸配列は互いに特異的にハイブリダイズすることができるといわれる。しかしながら、本発明の他の態様によれば、プライマーがフリップバックプライマーとして用いられる場合にはプライマーは充分な標的核酸の不在下で自己プライミングできなければならない。この理由から、プライマーをフリップバックプライマーとして用いる場合は、プライマーは充分な標的核酸の不在下で自己プライミングする能力を有していなければならない。フリップバックプライマーは、標的核酸上でプライミングによる伸長が起こる場合と比べて、自己プライミングによる伸長が起こる場合に異なるヌクレオチドを取り込むようにデザインすることができる。
好ましくは、標的DNAが伸長反応に存在しない場合に、フリップバックプライマーはある程度の自己伸長を行い、自己伸長の程度は自己相補性の程度および伸長アッセイの際のアッセイ条件の反映であろう。フリップバックプライマーは、標的アンプリコンが完全に不在である場合、通常、PCRの完全な失敗のときに最も有用であろう。好ましくは、フリップバックプライマーの自己伸長とフリップバックプライマーの所望の伸長との両者が伸長した両分子種の存在によって表される場合には、フリップバック伸長が正しい対照プライマー伸長の際に取り込まれる塩基とは区別される塩基を取り込むことができることを条件として、非常に低いレベルの標的アンプリコンを検出することが可能である。それゆえ、対照プライマーがフリップバックプライマーとしても機能する場合であっても、伸長産物の同定はプライマーがアンプリコン上で伸長されたのかそれともフリップバック自己プライミングの結果であるかについての情報を与えるであろう。
核酸分子は、それが完全な配列相補性を示すなら、他の核酸分子(または自己)の相補鎖であるといわれる。本明細書において、分子の一方の各ヌクレオチドが他方の分子のヌクレオチドと塩基対を形成することができる場合に、これら分子は「完全な相補性」を示すといわれる。「実質的に相補的」とは、互いに(または自己と)充分な安定性にてハイブリダイズして少なくとも通常の低ストリンジェンシー条件下でのアニーリングを可能とする能力をいう。同様に、分子が互いに充分な安定性にてハイブリダイズして通常の高ストリンジェンシー条件下で互いにアニールしたまま残ることができる場合にこれら分子は「相補的」であるといわれる。通常のストリンジェンシー条件は、たとえば、Sambrook, J.ら、Molecular Cloning, a Laboratory Manual、第2版、コールドスプリングハーバープレス、コールドスプリングハーバー、ニューヨーク(1989)(参照のため本明細書中に引用する)に記載されている。それゆえ、分子が二本鎖構造すなわちハイブリッドを形成する能力を完全に除外しない限り、完全な相補性から逸脱することは許容されうる。フリップバックプライマーとして用いるプライマーは、不十分な量の標的核酸の存在下で自己プライミングするのに充分な自己相補性を示さなければならないが、完全な自己相補性は示さないのが好ましい。好ましくは、フリップバックプライマーは該フリップバックプライマーの3’末端に2〜4の塩基対相補性を有するであろう。この2〜4の塩基対相補性は、自己相補性の単一の中断しない連なりにある必要はない。最も好ましくは、最も3’末端側に該プライマー上で自己ハイブリダイゼーションが可能な2つの塩基を有し、つぎに該プライマー上で自己ハイブリダイゼーションできない2つの塩基が続き、つぎに該プライマー上で自己ハイブリダイゼーションが可能な2つの塩基が続くであろう。フリップバックプライマーを生成するのに必要な実際の自己相補性は極めて配列依存的であり、G−C対はA−T対に比べて安定であり、それゆえA−Tに富む配列の連なりよりも少ないマッチングで自己相補性を支持することができるであろう。3’末端の単一のG−Cマッチングは、隣接する塩基がミスマッチである場合であってもフリップバック自己プライミング伸長を支持するのに充分である。
本発明のプライマーは5’末端でタグを付すことができる。タグとしては、放射性標識、蛍光標識、酵素標識、タンパク質、ハプテン、抗体、配列タグなど標識が挙げられる。好ましくは、タグは本発明のプロセスを妨害しないものである。典型的に、タグはプライマーの5’末端に付着され、プライマー配列の残りの部分は標的核酸に相補的なものである。好ましいタグとしては、独特のタグ、すなわち固相支持体に結合した配列に相補的な別個の配列で各タイプのプライマーをマーキングするものが挙げられ、ここでそのような固相支持体はアレイ(アドレス可能な(addressable)アレイを含む)を含んでいてよい。それゆえ、プライマーが適当なハイブリダイゼーション条件下で固相支持体に暴露されたときに、タグは固相支持体に結合した相補的配列とハイブリダイズする。このようにして、プライマーの同一性はアレイ上の地理学的な位置によって、またはタグとプローブとの関連する点を同定する他の手段によって決定することができる。5’タグに相補的な配列は、別個の位置にて、たとえばアドレス可能なアレイ上で固相支持体に結合させることができる。
本発明の好ましい態様において、1またはそれ以上の対照プライマーはその5’末端に配列タグを有していて対照プライマーの長さを伸長しており、当該技術分野で知られた方法、たとえばキャピラリーゲル電気泳動を用いて質量:電荷比に基づく分離を可能とするに充分に質量:電荷比が異なるようにしてある。最も好ましい態様では4つの対照プライマーを用い、これらプライマーはその質量:電荷比の差異を利用することによって互いにおよび1またはそれ以上の検出プライマーから分離することができる。最も好ましい態様はまた、たとえばSouthernサイジングアルゴリズムなどのサイジングアルゴリズムを使用することによって1またはそれ以上の検出プライマーを同定することを含む。Southernサイジングアルゴリズムでは、対照プライマーがキャピラリー電気泳動の際にペアで移動するようにデザインしてあり、対照プライマーの一方のペアは互いに極めて近接して移動するが1またはそれ以上の検出プライマーよりは速く移動し、対照プライマーの第二のペアは互いに極めて近接して移動するが1またはそれ以上の検出プライマーよりは遅く移動する。
タグは非相補的な塩基であってよく、または使用した目的のためにプライマー配列が標的鎖の配列と充分な相補性を有して該標的鎖とハイブリダイズできることを条件に該プライマー中に散在することのできる長い配列であってよい。しかしながら、検出の目的のためには、最も好ましい態様での検出プライマーおよび対照プライマーは、最適の結果が得られるように標的核酸の変化しない領域に対して正確な相補性を有するべきであり、この場合、いずれの対照プライマーもフリップバックプライマーとして用いられない。それゆえ、本発明に使用するプライマーは一般に配列が相補的でなければならず、使用した特定の条件下で標的ヌクレオチド配列と二本鎖構造すなわちハイブリッドを形成することができるものでなければならない。
正確な相補性に対する好ましさの例外は、プライマーをフリップバックプライマーとして使用するすべての場合である。本発明の幾つかの態様においては対照プライマーをフリップバックプライマーとしても用いることができる。プライマーをフリップバックプライマーとして用いる場合は、プライマーは不十分な量の標的核酸の存在下で自己プライミングするのに充分な自己相補性を示さなければならないが、完全な自己相補性は示さないのが好ましいであろう。
本発明の好ましい態様において、対照伸長プライマーの伸長レベルをアッセイし、これを検出プライマーの伸長のレベルと直接相関させることが可能である(両部位で同じ塩基が取り込まれることを条件として)。当業者であれば、DNAポリメラーゼが特定のアッセイ条件下、伸長する鎖への特定の塩基の付加の傾向性が該鎖の3’末端に存在する塩基に依存して変わりうることを認識するであろう。このことはDNAシークエンシングからもよく知られており、伸長させている鎖の3’末端にあるAへのGの取り込みが悪いという現象がDNAシークエンシングの解釈を複雑なものにしている。そのような効果はチェインターミネーションプライマー伸長反応でも予期されるため、3’末端での対照プライマーおよび検出プライマーをマッチング(matching)することで同じまたは類似のアッセイ条件下での各プライマーの伸長のレベルを平衡化させることができる。対照プライマーおよび検出プライマーの3’末端に等価な配列を配置することは、3’末端の領域が多数の塩基にわたって同一となるものであってはならない。好ましくは、少なくとも1の塩基が同一であるが、アッセイ条件に応じて配列の同一性を約3程度の塩基を超えないものに限定することは有用である、なぜなら配列の同一性が増大するとプライマーおよび結合部位の間で争い(crosstalk)が起こり、誤った結果が生じることになるからである。
本発明の好ましい態様において、標識した対照プライマー、標識した検出プライマー、およびある態様では標識したフリップバックプライマーの相対的な存在量を決定すべく、プライマー伸長反応の産物の分析を行うことができる。存在量分析は、検出プライマー、対照プライマーおよびフリップバックプライマーのシグナル強度を比較し、ついでこれらプライマーの相対的なシグナル強度を比較して、起こった各プライマー伸長反応の相対的な成功を決定することにより行うことができる。このようにして当業者は、標識したプライマーの相対的な存在量を調べることによってプライマー伸長反応または組み合わせた増幅−プライマー伸長反応を調整(troubleshoot)することができる。フリップバックプライマーに取り込まれたヌクレオチドまたはそのアナログの同一性は伸長したフリップバックプライマーに反映され、増幅反応の効率についての情報を与えてくれるであろう。標的プライミング伸長産物に対する自己プライミング伸長産物の比は、増幅した標的核酸の存在量を反映するであろう。伸長した対照プライマーに対する伸長した検出プライマーの相対的な存在量は、検出プライマーへの変化したヌクレオチドの取り込みの効率についての情報を与えてくれるであろう。このようにして当業者は、本発明の開示を手にした以上、最適状態に満たない増幅、最適状態に満たない変化するヌクレオチドの伸長、または多数の反応パラメーターのために問題となる結果が生じているか否かを単一の反応で知ることができる。本発明のこの態様は、多重で高処理量のプロトコールで有利に用いることができ、これら反応の問題解決を極めて簡単にするものである。
本発明の好ましい態様において、増幅プライマーは特定の既知の配列(天然に認められる配列を反映していても反映していなくてもよい)を有するようにデザインしてよい。いわば完全に人工的な配列を用いることができる。この態様では、目的とする1またはそれ以上の多型を含む標的核酸配列に相補的な増幅プライマーをデザインする。増幅プライマーは、増幅すべき標的核酸に非相補的な5’タグを含む。その代わり、この5’タグは本発明の対照プライマーに含まれる配列にアニールするように特別にデザインされた配列から構成されている。最も好ましくは、5’タグの配列は、その後のプライマー伸長反応に用いる対照プライマーの配列に完全に相補的である。このようにして、アンプリコン、すなわち標的核酸の増幅した配列は、1またはそれ以上の多型を含む標的核酸配列、すなわちアンプリコン上の一方または両方の末端に増幅プライマーの5’タグ配列を有することになる。最も好ましくは、アンプリコンの一部となる5’タグ配列は、検出プライマーによって検出すべき1またはそれ以上の多型の直ぐ隣に隣接する変化しない領域と同じまたは同様の物理特性を示すように最適化する。この同じまたは同様の物理特性とは配列の同一性を意味するのではなく、同じまたは同様の融解温度、またはプライマー伸長反応によって測定されるように検出プライマーがアニールする配列に関して、プライマー伸長反応で伸長される能力においてこれら配列でほぼ等価であるようにする特性が同じまたは同様であることを意味する。それゆえ、本発明の一つの態様において、増幅プライマーは、たとえば、そのプライマー伸長反応における挙動が検出プライマーによって検出すべき標的核酸の1またはそれ以上の多型の直ぐ隣に隣接する変化しない配列の挙動を擬態するような標準化された非天然配列を導入すべく構築することができる。最も好ましい態様において、複数の標的核酸を含む多重プライマー伸長反応を複数の増幅プライマーを用いて行い、その際、増幅プライマーのペアはプライマー伸長反応に用いる対照プライマーにマッチングするタグを有しており、かくして特定の対照プライマーを用いて特定の多型を含む標的核酸の増幅および検出をモニターすることが可能となる。最も好ましい態様では、検出すべき各多型について独特の対照プライマー配列を用いる。対照プライマーは、今度は同定しうる5’タグを有する対照プライマーを用いることにより検出および/または分離することができる。それゆえ、多重反応を用いる態様では、対照プライマーは、たとえば、5’タグの特性、対照プライマーに取り込まれたヌクレオチドの同一性、および/または対照プライマー自体の特性によって同定および/または分離することができる。
重合剤は、ウイルス、細菌、古細菌、真菌、マイコプラズマ、原核生物、および真核生物を含む様々な生物から単離またはクローニングすることができる。好ましい重合剤としはポリメラーゼが挙げられる。本発明の方法および装置を用いる単塩基伸長を行うのに好ましいポリメラーゼは、エキソヌクレアーゼ活性を殆どまたは全く示さないポリメラーゼである。さらに好ましいのは、生理的温度を超える温度、たとえば50℃〜70℃に耐性かつ活性であるポリメラーゼ、または少なくとも90℃〜約95℃の温度に耐性のポリメラーゼである。好ましいポリメラーゼとしては、T. aquaticusからのTaqRポリメラーゼ(ABI、フォスターシティー、カリフォルニアから市販)、SequenaseRおよびThermoSequenaseR(U.S. Biochemical、クリーブランド、オハイオから市販)、およびExo(-)polymerase(New England Biolabs、ビバリー、マサチューセッツから市販)が挙げられる。熱安定性を示すポリメラーゼであればいかなるものも使用でき、たとえば、Thermus aquaticus、Thermus brocianus、Thermus thermophilus、およびThermus flavusを含むThermus種;Pyrococcus furiosus、Pyrococcus種GB-D、およびPyrococcus woeseiを含むPyrococcus種;Thermococcus litoralisおよびThermogata maritimeからのポリメラーゼを用いることができる。生物学的に活性なタンパク質加水分解断片、組換えポリメラーゼ、遺伝子操作したポリメラーゼ酵素、および修飾したポリメラーゼは重合剤の定義に含まれる。本発明は過度の実験を行うことなく様々な種および起源からの様々なタイプのポリメラーゼを用いることができるが理解されなければならない。
多型部位を検出する一つの好ましい方法は酵素支援プライマー伸長を用いる。SNP−ITTM(Goelet, P.ら、および米国特許第5,888,819号および同第6,004,744号に開示;それぞれ、その全体を参照のため本明細書中に引用する)は、標的核酸配列中の前もって決定した多型部位のヌクレオチドの同一性を決定するのに好ましい方法である。それゆえ、この方法は広範囲の様々な多型の決定のために一般的に応用できるものではあるが、SNPスコアリングにのみ適している。SNP−ITTMは、多型部位探索の方法であり、標的核酸配列中の多型部位の周辺のヌクレオチド配列情報を用いて、標的ポリヌクレオチドの多型部位中の変化するヌクレオチドの直ぐ隣に隣接する(しかし、該変化するヌクレオチドは含まない)領域に相補的であるプライマーをデザインするものである。標的ポリヌクレオチドは生物学的試料から単離され、探索プライマーにハイブリダイズする。単離後、標的ポリヌクレオチドは探索プライマーへのハイブリダイゼーションの前に適当な手段により増幅させることができる。このプライマーは、しばしば1またはそれ以上のターミネーターヌクレオシド三リン酸前駆体(または適当なアナログ)の存在下、ポリメラーゼを用い、ジデオキシヌクレオチドなどの単一の標識ターミネーターにより伸長される。それにより、検出しうるシグナルが生成される。本明細書において、多型部位の直ぐ隣に隣接には、多型部位の3’または5’方向に約1〜約100ヌクレオチド、さらに好ましくは約1〜約25ヌクレオチドが含まれる。最も好ましくは、プライマーは多型部位に関して5’方向に多型部位の1ヌクレオチドだけ隣に隣接してハイブリダイズする。
SNP−ITTMの幾つかの態様では、プライマーは伸長反応の前に固相支持体に結合される。他の態様では、伸長反応は溶液中(試験管やマイクロウエル中など)で行われ、伸長産物はその後、固相支持体に結合される。SNP−ITTMの別の態様では、プライマーは検出可能に標識され、伸長したターミネーターヌクレオチドは伸長したプライマー産物が固相支持体に結合することを可能にすべく修飾される。これの一つの例は、プライマーが蛍光標識され、ターミネーターヌクレオチドがビオチン標識したターミネーターヌクレオチドであり、固相支持体がアビジンまたはストレプトアビジンでコーティングまたは誘導体化したものである。そのような態様では、伸長したプライマーは固相支持体に結合することができるのに対し、伸長していないプライマーは固相支持体に結合することができず、かくして成功した伸長反応に依存して検出しうるシグナルが生成されることになる。
リガーゼ/ポリメラーゼ媒介ジェネティックビット分析(米国特許第5,679,524号および同第5,952,174号;両者を参照のため本明細書中に引用する)は、多型部位でのヌクレオチド同一性を決定するのに適したポリメラーゼ媒介プライマー伸長法の他の例である。リガーゼ/ポリメラーゼSNP−ITTMは2つのプライマーを利用する。一般に、一方のプライマーは検出可能に標識し、他方のプライマーは固相支持体に付着されるようにデザインしてある。リガーゼ/ポリメラーゼSNP−ITTMの別の例では伸長したヌクレオチドを検出可能に標識する。リガーゼ/ポリメラーゼSNP−ITTMにおけるプライマーは、多型部位を含む間隙ができるように多型部位の各側にハイブリダイズすべくデザインされている。伸長反応が首尾よくいき、その後のライゲーション反応が首尾よくいった場合にのみ検出可能なシグナルの生成が可能となる。この方法は、ハイブリダイゼーションかまたはプライマー伸長のいずれかのみを利用した方法で可能なバックグラウンドよりも相当低いバックグラウンドにてシグナルを生成するという利点を提供する。
標的ポリヌクレオチド中の多型部位でのヌクレオチドの同一性を決定する別の方法がSoderlundらの米国特許第6,013,431号(その全開示を参照のため本明細書中に引用する)に記載されている。この方法では、標的核酸配列中の多型部位の周辺のヌクレオチド配列を用いて、該多型部位に関して該標的ポリヌクレオチドの5’末端にフランキングするが該標的ポリヌクレオチドの該多型部位中の変化するヌクレオチドは含まない領域に相補的であるオリゴヌクレオチドプライマーをデザインする。標的ポリヌクレオチドを生物学的試料から単離し、探索プライマーとハイブリダイズさせる。この方法の幾つかの態様において、単離後に標的ポリヌクレオチドを探索プライマーにハイブリダイゼーションする前に適当な手段により増幅させる。プライマーを、ポリメラーゼを用い、しばしば少なくとも1の標識したデオキシヌクレオチドと1またはそれ以上のターミネーターヌクレオシド三リン酸前駆体(または適当なアナログ)との混合物の存在下で伸長させる。標識したデオキシヌクレオチドがプライマーに組み込まれたときに検出可能なシグナルがプライマーで生成される。
本発明のプライマー伸長反応は、1またはそれ以上の標識したヌクレオチドおよび重合剤の混合物を用いる。本明細書において使用する「ヌクレオチド」または核酸なる語は、重合剤によってプライマーに付加されることのできるあらゆるリン酸化状態の、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、ヌクレオチドの非環状誘導体、およびそれらの機能的な等価物または誘導体をいう。ヌクレオチドの機能的な等価物とは、たとえば増幅法やプライマー伸長法においてポリメラーゼの基質として作用するものである。機能的な等価物はまた、配列特異的な仕方で標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズする能力を保持したポリヌクレオチドに形成されるものである。ヌクレオチドの例としては、チェインターミネーターヌクレオチド、最も好ましくはddATP、ddCTP、ddGTP、およびddTTPなどのジデオキシヌクレオシド三リン酸(ddNTP)が挙げられる;しかしながら、たとえば非環状ヌクレオチドアナログ、他の非環状アナログ、およびアラビノシド三リン酸などの当業者に知られた他のターミネーターも本発明の範囲内である。好ましいddNTPは、糖成分の3’位のヒドロキシル基が欠如している点で通常の2’デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)とは異なる。
使用するヌクレオチドは検出しうる特性を有していてよい。本明細書において検出しうる特性としては、ヌクレオチド間の識別を可能とする同定しうる特性が含まれる。この検出しうる特性が本発明の方法のいずれをも妨害しないことは重要である。検出しうる特性とは、適当な検出法を用いて検出することのできる原子または分子または分子の一部をいう。検出しうる特性としては、固有の質量、電荷、電子スピン、質量タグ、放射性同位体、染料、生物発光、化学ルミネセンス、核酸の特性、ハプテン、タンパク質、光散乱/相シフト特性、または蛍光特性が挙げられる。本明細書において「同じ検出しうる特性」とは、同じシグナルを有するゆえに検出しうるヌクレオチドを包含する。同じ検出しうる特性は、ヌクレオチドが同じタイプの標識で標識されている、たとえば、AおよびCが同じタイプの染料で標識されており、これらヌクレオチドが同じタイプのシグナルを放射する態様を包含する。
ヌクレオチドおよびプライマーは、当該技術分野で知られたいかなる方法によっても標識してよい。好ましい標識としては、放射性標識、蛍光標識、酵素標識、タンパク質、ハプテン、抗体、配列タグ、質量タグ、蛍光タグなどが挙げられる。好ましい染料タイプの標識としては、TAMRA(カルボキシテトラメチルローダミン)、ROX(カルボキシ−X−ローダミン)、FAM(5−カルボキシフルオレセイン)などが挙げられるが、これらに限られるものではない。
本発明のプライマー伸長反応は、1またはそれ以上の標識したヌクレオチド塩基を用いることができる。好ましくは2またはそれ以上の異なる塩基のヌクレオチドを用いる。最も好ましくは、本発明のプライマー伸長反応は4つの異なる塩基のヌクレオチドを用いる。最も好ましい態様では、4つの異なるタイプのヌクレオチドのすべてを識別しうる標識で標識する。たとえば、AをdR6Gで標識し、CをdTAMRAで標識し、GをdR110で標識し、TをdROXで標識する。
プライマー伸長反応を用いたら、探索される1またはそれ以上の対立遺伝子上の多型部位を同定すべく伸長したプライマーと伸長していないプライマー(もし存在するなら)とを互いに分離することができる。核酸の分離は当該技術分野で知られたいかなる方法によっても行うことができる。分離方法としては、たとえば、臭化エチジウムなどのインターカレート染料を用いたDNA二本鎖の検出、特定の配列を検出し、および/またはその構造が知られたまたは知られていないオリゴヌクレオチド分子を分離または捕捉するハイブリダイゼーション法、および当該技術分野で知られたブロッティング法と組み合わせたハイブリダイゼーション法が挙げられる。ハイブリダイゼーション法は、固相捕捉(たとえば、ハプテン結合オリゴヌクレオチドのイムノアフィニティービーズ(磁性の特性を有していてよい)への捕捉など)によるタグ化オリゴヌクレオチドの分離などのような当該技術分野でよく知られた他の分離法と組み合わせることができる。固相捕捉法にはまたDNAアフィニティークロマトグラフィーが含まれ、その場合、オリゴヌクレオチドは相補的な配列を有する固定化オリゴヌクレオチドにより捕捉される。特定のポリヌクレオチドタグをオリゴヌクレオチドプライマーに設けることができ、固定化した相補的配列とのハイブリダイゼーションにより分離することができる。そのような固相捕捉法にはまた、ビオチン化オリゴヌクレオチドのストレプトアビジンコーティングビーズ(磁性または非磁性)への捕捉が含まれる。DNAはまた、遠心分離、電気泳動法または沈降法または表面沈着法などの一層伝統的な方法によっても分離することができる。このことは、伸長したまたは伸長していないプライマーが溶液相にある場合に特に当てはまる。本明細書において「溶液相」とは、均質なまたは不均質な混合物をいう。そのような混合物は、水性、有機性、または水性成分と有機成分の両方を含んでいてよい。本明細書において「溶液」は、液体媒体中に懸濁した粒子を包含するものと解釈すべきという観点から懸濁液と同義と解釈しなければならない。
多型部位は、当該技術分野で知られたいかなる手段によっても検出することができる。ヌクレオチドの検出の一つの方法は蛍光法によるものである。蛍光ハイブリダイゼーションプローブは、たとえば、核酸配列をターゲティングすべくハイブリダイゼーションの不在下では消光するように構築することができる。他の方法は、重複する吸収および放射スペクトルとともに蛍光団間のエネルギー移動効果を利用するものであり、捕捉またはハイブリダイズしたときのように2つの蛍光団が互いに極めて近接したときにシグナルを検出するようにするものである。
ヌクレオチドはまた、電磁放射の挙動と関連する様々な分光法により検出することができ、または電磁放射の挙動と関連する様々な分光分析法により検出することができる残基で標識することができる。これら分光分析法としては、たとえば、電子スピン共鳴、円偏光二色性分光分析などの光学活性または旋光度分光分析、蛍光、蛍光偏光、吸収/放射分光分析、紫外線、赤外線、可視光線または質量分光分析、ローマン分光分析および核磁気共鳴分光分析が挙げられる。
ヌクレオチドおよびそのアナログ、ターミネーターおよび/またはプライマーは、当該技術分野で知られたいかなる方法によって標識してもよい。好ましい標識としては、放射性標識、蛍光標識、酵素標識、タンパク質、ハプテン、抗体、配列タグ、質量タグ、蛍光タグなどが挙げられる。好ましい染料タイプの標識としては、TAMRA(カルボキシテトラメチルローダミン)、ROX(カルボキシ−X−ローダミン)、FAM(5−カルボキシフルオレセイン)などが挙げられるが、これらに限られるものではない。
「検出」とは、検出しうる残基の同定をいう。この語は、残基を電磁気的な特性、たとえば電荷、光、蛍光、化学ルミネセンス、電磁気的な特性の変化、たとえば蛍光偏光、光偏光、二色性、光散乱、屈折率変化、反射光変化、赤外線スペクトル変化、紫外線スペクトル変化、および可視スペクトル変化、質量変化、質量:電荷比の変化および電磁放射または電磁放射の変化に依存するあらゆる仕方の検出法により同定する能力を包含することを意図するものである。この語はまた、結合親和性、固有の質量、質量沈着(mass deposition)、および静電特性、サイズおよび配列長に基づく残基の同定をも包含することを意図するものである。質量や分子量などの特性はみかけの質量やみかけの分子量によっても評価できることに注意すべきであり、本明細書で用いる「質量」または「分子量」なる語は様々な器械および方法により決定される評価を排除するものではなく、それゆえ質量または分子量を得るに至った方法または器械に言及することなく単一の絶対的な値にこれら語を限定するものではない。
多型部位に存在するヌクレオチドの検出の他の方法は、プライマー伸長反応の後の所定の時点で反応混合物中に残留している遊離の組み込まれていないヌクレオチドの濃度を比較することによるものである。質量分光分析は一般に、およびたとえばエレクトロスプレー質量分光分析は、この態様で組み込まれなかったヌクレオチドの検出に用いることができる。この検出法は、多型塩基に相補的なヌクレオチドのみがプライマー伸長反応の際に反応混合物から消耗されるために可能となるものである。それゆえ、質量分光分析を用いてヌクレオチドの質量ピークの相対強度を比較することができる。同様に、非標識プライマーの濃度を決定し、その情報を用いて多型部位に存在するヌクレオチドの同定に至ることができる。
本発明の好ましい態様において、本発明は、5未満のスペクトルで識別できる染料を用い、蛍光標識プライマー伸長産物を検出アッセイの一部として生成するシステムを含む。一つの態様では、4つの染料を用い、そのうち1またはそれ以上の染料はまた対照反応の伸長産物およびもし用いたのであれば1またはそれ以上のフリップバックプライマーの伸長産物を標識するのに用いることができる。一つの態様において、同定すべき1またはそれ以上の多型部位を含むアンプリコン標的核酸を生じるPCR反応の成功をモニターすることも可能である;もしもPCR反応が失敗しておれば、1またはそれ以上の対照プライマーは標的核酸配列に従って伸長されることはないであろう、なぜなら標的核酸配列は存在しないからである。もしもPCR反応が首尾よくアンプリコン標的核酸を生成しておれば、1またはそれ以上の対照プライマーは少なくとも二重の目的を果たす:これら対照プライマーは、存在するかもしれない検出プライマーを同定するために、および伸長した検出プライマーのものと考えられるシグナルが実際にバックグラウンドノイズに抗して伸長した検出プライマーのシグナルであるとのあるレベルの確実性をもたらすために、用いられる。さらに、本発明の好ましい態様において、対照プライマー配列および/またはアッセイ条件の賢明な選択またはデザインにより、1またはそれ以上の対照プライマーおよび1またはそれ以上の検出プライマーによって生成されるシグナルのみかけの存在量を本明細書に記載するようにして決定することができる。フリップバックプライマーはまた、別個のプライマーとしてかまたは対照プライマーの特性として用いることができる。
最も好ましくは、プライマー伸長産物はキャピラリーゲル電気泳動により分離および同定することができ、その場合、蛍光ターミネーターヌクレオチドで標識したプライマー伸長産物を蛍光検出器を用いて同定する。この最も好ましい態様では、蛍光標識を有する伸長したプライマーはその質量:電荷比により分離される。しかしながら、多くの分離および検出法が当該技術分野で知られており、本明細書の開示が当業者の手にわたった以上、本発明は広範な様々な検出および分離プロトコールに従うものである。本発明の主たる利点は、検出プライマーおよび/または対照プライマーおよび/またはフリップバックプライマーの分離および/または検出を援助するためにそれらプライマーに様々な検出しうる特性およびタグを配置できることである。実際、当業者には明らかなように、本発明のプライマーはタグが不在の場合であってもその固有の物理特性または挙動によって分離、検出、および/または同定することができる。
好ましい分離法は、伸長したプライマーおよび伸長していないプライマーを固相支持体に暴露させる。固相支持体としてはアレイが挙げられる。本明細書において「アレイ」とは、固相、半固相、ゲルまたはポリマー相上の複数の位置に固定化した生物学的分子の秩序立った配置をいう。この定義は、シリカ、シラン、ケイ素、ケイ酸塩およびその誘導体、プラスチックおよびその誘導体、たとえばポリスチレン、ナイロン、とりわけポリスチレンプレート、誘導体化ガラス、ガラスビーズ、controlled pore glass(CPG)を含むガラスおよびその誘導体で処理またはコーティングした相を包含する。固定化する生物学的分子としては、タグおよび/またはアフィニティー残基などの他の残基を含むオリゴヌクレオチドが挙げられる。「アレイ」なる語は、「チップ」、「バイオチップ」、「バイオチップアレイ」、「DNAチップ」、「RNAチップ」、「ヌクレオチドチップ」および「オリゴヌクレオチドチップ」なる語を包含もしくはこれら語と同義であることを意図している。これら語はすべてアレイのアレイを包含し、生物学的ポリマー、たとえば、その配列が知られたまたはその配列が知られていないオリゴヌクレオチドおよびDNA分子のアレイを包含することを意図している。
本発明にとって好ましいアレイとしては、アレイ上の所定の位置でのシグナルが特定の同定しうる特性を有するものとして同定できるように個々の位置が既知の座標を有する、上記アレイを含むアドレス可能なアレイが挙げられるが、これに限られるものではない。「チップ」、「バイオチップ」、「バイオチップアレイ」、「DNAチップ」、「RNAチップ」、「ヌクレオチドチップ」および「オリゴヌクレオチドチップ」なる語は、アレイとマイクロアレイとの組み合わせを包含することを意図している。これら語はまた、あらゆる形状または形態のアレイ、2次元アレイ、および3次元アレイを包含することを意図している。
一つの特に好ましいアレイはGenFlexTM Tag Array(Affymetrix, Inc.から)であり、2000タグ配列に対する捕捉プローブから構成されている。これらは、同様のハイブリダイゼーション特性および公的データベース中の配列とは少なくとも最小のホモロジーを有する可能なすべての20merから選択された20merである。
他の好ましいアレイは、検出プライマー、対照プライマー、およびフリップバックプライマーの5’タグと相補的な配列タグを有するアドレス可能なアレイである。これら相補的なタグは、既知の位置のアレイに結合している。このタイプのタグは適当なハイブリダイゼーション条件下でアレイとハイブリダイズする。結合したプライマーの位置決定を1またはそれ以上の伸長したプライマーの検出と組み合わせることにより、多型部位のヌクレオチドの同一性を決定することができる。
本発明の一つの好ましい態様において、標的核酸配列は、オリゴヌクレオチドアレイを用いた平行プロセシングと同様、複数の同時検出(多重化)を可能とするフォーマットに配置する。
他の態様において、本発明は仮想アレイを包含し、この場合、伸長したプライマーおよび伸長していないプライマーはアレイ上で分離されるが、該アレイはミクロスフェアの懸濁液を含んでおり、該ミクロスフェアは1またはそれ以上の捕捉残基を有していて独特のタグを付加したプライマーを分離するものである。ミクロスフェアもまた独特の同定しうる特性、たとえば、直径、密度、サイズ、色などの特性を有していて、ミクロスフェアがこれら特性に基づいて分離できるようになっている。
以上、本発明を一般的に記載したので、本発明は以下の実施例を参照することにより一層容易に理解されるに違いない。これら実施例は説明のために提供されるものであって、特に断らない限り本発明を限定することを意図するものではない。
実施例
実施例1
商業的に興味のもたれる4つのSNPがヒツジのPrP遺伝子(その配列はジーンバンクアクセッション番号M31313にて利用可能であり、これを参照のため本明細書中に引用する)のコード領域内に存在しており、これらSNPを多重チェインターミネーションプライマー伸長によりアッセイすることができる。これらSNPは互いに極めて近接して存在しているので、310bpの単一のPCRアンプリコンからアッセイすることが可能である。このアンプリコンは4つの検出プライマーに対する標的を提供し、これら各検出プライマーは目的とする4つのSNPの一つにその3’末端にて隣接している。しかしながら、この310bpアンプリコン上にはまたかなりの量の変化しないDNAが存在しており、この変化しないDNAを対照プライマーに対する標的として用いることができる。対照プライマーは、変化しない塩基に対して伸長され、それゆえSNP部位に存在する塩基とは無関係に予測しうる産物を生成する。対照プライマー配列および検出プライマー配列の賢明な選択により、SNPを探索する単一チューブアッセイを開発することが可能であり、標識した検出プライマーにフランキングする4つの標識した対照を生成する。対照のうちの2つは、電気泳動で、標識した検出プライマーの可能なすべてのものより小さなみかけの質量にて移動する。これら対照はともに310bpアンプリコン内の同じコアDNA配列をターゲティングし、同じ変化しない塩基を探索する。これら対照は5’末端のみが異なっており、この5’末端は標的配列にアニールするプライマーの50%で2つのT塩基が伸長している。2つのさらなる対照は、検出プライマーよりも大きなみかけの質量にて移動する。これらは310bp配列内の変化しない配列の他の切片をターゲティングする2つの対照プライマーによって生成し、一方が他方よりも2つのT塩基だけ長い点でのみ異なっており、この伸長もまた5’末端への付加である。いずれの対照プライマーの伸長もGの取り込みという結果となり、このGは蛍光染料を有しているのでレーザー照射のもとでは青いシグナルを反射する。このようにして標識した検出プライマー産物にフランキングすることにより、Local Southernサイジングアルゴリズムを適用することが可能となり、標識した検出プライマー産物を正確にサイズ決定することができる。
標識した対照伸長産物の生成は、標識した検出プライマー産物の評価を試みる前に対照から生成したシグナルの質を評価する自動コール(calling)ソフトウエアを本発明者らが開発することを可能にした。
対照産物の大部分を生成する対照プライマーの部分的な自己相補性のため、これらプライマーはPCRアンプリコンの不在下では自己伸長し、PCRの失敗、またはプライマー伸長の失敗によるものとしてスコアリング可能なプロフィルを生成するための失敗の評価法を提供するであろう。
実施例2
鋳型の調製
白血球ペレットのアルカリ溶解処理、ついで抽出物の中和および希釈により、鋳型をヒツジ血から調製する。6マイクロリットルのPCR反応液は、3マイクロリットルの抽出した鋳型(〜5ngの鋳型)と3マイクロリットルのMastermix[2×Gold Buffer(ABI、フォスターシティー、カリフォルニア)、4mMのMgCl、400マイクロモルのdNTP、200マイクログラム/mlの熱不活化BSA、400nMの初期増幅プライマーI(CAAGGTGGTAGCCACAGTCAGTGGAACAAG;配列番号1)、400nMの初期増幅プライマーII(CCTTGGTGGTGGTGGTGACTGTGTGTTG;配列番号2)および0.025単位のTaq Gold DNAポリメラーゼ(ABI、フォスターシティー、カリフォルニア)]から構成される。プログラムに従い、32サイクルのPCRを行う[(94.0℃、11分)×1、(94.0℃、30秒;64℃、1分;72℃、30秒)×32サイクル、(25℃浸漬)]。
実施例3
EXO/SAP消化
組み込まれなかったヌクレオチドおよびプライマーを除去するため、6マイクロリットルのPCR産物を5単位のSAP(USB)および2単位のEXOI(NEB)で処理し、温度を72℃に15分上昇させることによって酵素を中和する前に37℃で1時間インキュベートする。
実施例4
プライマー伸長
2.5マイクロリットルのEXO/SAP消化した増幅産物を2.5マイクロリットルのSNaPshotTM(ABI、フォスターシティー、カリフォルニア)反応混合物(このアッセイ用に特別にデザインした8つの伸長プライマー(4つの対照(2つの変化しない塩基をターゲティングし、ともにGを組み込ませる)プライマーおよび4つの伸長プライマー(4つの変化するSNP位置をターゲティングする))に加えてTaqFS DNAポリメラーゼおよび蛍光標識したddNTPを含む)と混合する。伸長プライマーの配列は以下のとおりである。
対照プライマー:
TCATGTGGCAGGAGCTGCTGCA[23bp(+G)対照](配列番号3)
TTTCATGTGGCAGGAGCTGCTGCA[25bp(+G)対照](配列番号4)
TTTTTTCCTCATAGTCATTGCCAAAATGTATAAGA[36bp(+G)対照](配列番号5)
TTTTTTTTCCTCATAGTCATTGCCAAAATGTATAAGA[38bp(+G)対照](配列番号6)
下線を付した塩基は、同じコア配列をターゲティングするペアのプライマー間での差異を示す。サイズは変化しないG塩基の取り込み後のものを示す。
検出プライマー:
TGGTGGCTACATGCTGGGAAGTG[136F、C/T](配列番号7)
TGGTTGGGGTAACGGTACATGTTTTCA[154R、C/T](配列番号8)
CAACCAAGTGTACTACAGACCAGTGGATC[171−1F、G/A](配列番号9)
CAGTCATGCACAAAGTTGTTCTGGTTACTATA[171−2R、C/A](配列番号10)
各プライマーは異なるSNP(括弧内にSNPのタイプとともに配列の後にその名称を記載してある)をターゲティングする。これらプライマーは、4フェムトモル/マイクロリットル〜16フェムトモル/マイクロリットルの範囲にて最終の5マイクロリットルの伸長反応で種々の濃度で存在する。これら低レベルの種々の伸長プライマーは、初期PCRによって生成した標的アンプリコンの程度が様々である場合にはシグナル強度さえも促進させる。
プライマーの伸長は、[(94℃、10秒)、(54℃、40秒)、(60℃、20秒)]を25サイクル行う。
実施例5
CIP消化
プライマー伸長反応が完了した後、キャピラリー電気泳動装置にエレクトロインジェクションする前に生成物を1単位のCIP(NEB)で処理して組み込まれなかった標識ddNTPを中和する。
実施例6
記載したアッセイからは以下の特徴を有する非常に鮮やかな電気泳動図(たとえば、図7を参照)が得られる。対照プライマーはその標的に対して伸長してG塩基(青い蛍光染料を有する)を取り込む。これら対照は典型的によくバランスがとれており、検出プライマー伸長産物の解釈に際しての参照点として作用する。標的アンプリコンが不在の場合、36bpおよび38bp産物を生成する対照プライマーは部分的な自己相補性を有し(図6参照)、フリップバックプライマーとして作用して自己に対して伸長してG塩基を取り込む。このことは、PCRが失敗であった場合に電気泳動で2つの青色のピークという結果となる。このことは、アッセイの際にどこで失敗が起こったかを示すことから有用な特徴であることがわかる。失敗がプライマー伸長の段階であった場合は検出しうるシグナルは全くないであろう。
多重プライマー伸長反応で多型塩基の探索を可能とする方法を記載した。プライマー伸長アッセイの不可欠な構成として、伸長して変化しない塩基を取り込み、予測しうる産物を生成する対照プライマーを加える。これらプライマー伸長産物は伸長した検出プライマーの正確なサイズ決定を可能とし、生成したシグナルの量という観点でアッセイの成功のレベルを評価するのを可能にする。このことは、PCRアンプリコン生成の段階およびプライマー伸長の段階の両者でのアッセイの成功と関係しうるものである。対照プライマーがその3’末端に部分的な自己相補性を有することを可能にすることは、低レベルでの自己伸長という結果となり、このことはPCR反応がアッセイが最適に進行するのに適したアンプリコンを生成するのに失敗した場合に有用である。
既存のアッセイの他のアッセイへの拡張は、多型領域を増幅すべく生成したアンプリコン内に対照プライマーの適当な標的が存在しないという状況を説明するものでなければならない。このような状況においては、対照プライマーの人工的な標的を生成することの有用性が明らかとなる。これら対照は、非常によく特徴付けられた物理特性を有し、総括的なものであってよく、同じ対照配列が異なるアッセイにおいて用いられて同じ効果を奏する。
本発明を本発明の特定の態様と関連して記載したが、さらなる改変が可能であることが理解されるであろう。この出願は、一般に本発明の原理に従い、および本発明が関係する技術分野で公知または慣習的な実施の範囲内となるような、および本明細書に記載した本質的な特徴に応用できるような、および添付の特許請求の範囲に従うような本発明の開示からの逸脱を含めて、本発明のあらゆる変更、使用、または適合をカバーすることを意図するものである。
図1は、標的核酸上の同じ変化しない配列にハイブリダイズする4つの対照プライマーを用いた本発明の態様の説明図である。
図2は、対照プライマーにハイブリダイズすることのできる配列がアンプリコン中に導入されるように標的核酸が増幅される本発明の態様の説明図である。
図3は、外部配列をアンプリコン中に導入すべくデザインされた増幅プライマーを用いて、目的とする4つの別個の領域を同時に増幅させる本発明の態様の説明図であり、ここで該外部配列は対照プライマーの標的として機能するものである。
図4は、対照プライマーの標的が、目的とする変化する塩基を含むアンプリコンの一部ではなく、プライマー伸長の前にPCR後にアッセイに加える核酸分子である本発明の態様の説明図である。
図5は、フリップバックプライミング(flip-back priming)による自己伸長の程度を標的核酸アンプリコンからの伸長の程度と比較することができるように、対照プライマーをフリップバックプライマーとしても用いる本発明の態様の説明図である。
図6は、本発明の態様の説明図であり、フリップバックプライマーのある種の特徴および挙動を示す。
図7は、本発明の最も好ましい態様の特徴の説明図である。
【配列表】
Figure 2005530508
Figure 2005530508
Figure 2005530508

Claims (41)

  1. 標的核酸配列の1またはそれ以上のヌクレオチド塩基を同定する方法であって、
    変化するヌクレオチド塩基および変化しないヌクレオチド塩基を有する標的核酸配列を用意し、該標的核酸配列の変化しないヌクレオチド塩基の直ぐ隣に隣接してハイブリダイズすることのできる対照プライマーを用意し、該標的核酸配列の変化するヌクレオチド塩基の直ぐ隣に隣接してハイブリダイズすることのできる検出プライマーを用意し;
    該対照プライマーおよび該検出プライマーを該標的核酸配列にハイブリダイズさせ;
    重合剤の存在下、プライマー伸長が起こるのに適した条件下で該対照プライマーおよび該検出プライマーを1またはそれ以上のヌクレオチド塩基により伸長させ;
    該検出プライマーから該対照プライマーを分離し;ついで
    伸長した対照プライマーと伸長した検出プライマーとの検出および伸長した対照プライマーからの伸長した検出プライマーの分離によりプライマー伸長が起こったことを確認し、それによって該標的核酸配列の1またはそれ以上のヌクレオチド塩基を同定することにより、該標的核酸配列の1またはそれ以上のヌクレオチド塩基を同定する、
    ことを含む方法。
  2. 対照プライマーとハイブリダイズすることのできる標的核酸配列が、検出プライマーとハイブリダイズすることのできる標的核酸配列とは異なる核酸分子上に存在する、請求項1に記載の方法。
  3. 対照プライマーおよび検出プライマーが1またはそれ以上の標識したヌクレオチド塩基により伸長され、質量、みかけの質量、分子量、みかけの分子量、質量と電荷との組み合わせまたは比、塩基数、磁気共鳴、分光分析、蛍光分析、電荷、極性、光散乱、ルミネセンス、および抗原−抗体相互反応よりなる群から選ばれた特性により検出することができる、請求項1に記載の方法。
  4. 対照プライマーが検出プライマーと識別される特性を有する、請求項1に記載の方法。
  5. 該標的核酸配列の変化しないヌクレオチド塩基の直ぐ隣に隣接してハイブリダイズすることのできるフリップバックプライマーをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  6. 対照プライマーおよび検出プライマーがチェインターミネーターにより伸長される、請求項1に記載の方法。
  7. 該チェインターミネーターがジデオキシヌクレオチドまたは非環状ターミネーターを含む、請求項7に記載の方法。
  8. 2またはそれ以上の対照プライマーが伸長される、請求項1に記載の方法。
  9. チェインターミネーターが検出しうる残基を有する、請求項7に記載の方法。
  10. 1またはそれ以上の標識した各ヌクレオチドが異なる標識を有する、請求項3に記載の方法。
  11. プライマー伸長反応または標的核酸を生成する反応をモニターする方法であって、
    変化するヌクレオチド塩基および変化しないヌクレオチド塩基を有する標的核酸配列を用意し、該標的核酸配列の変化しないヌクレオチド塩基の直ぐ隣に隣接してハイブリダイズすることのできる対照プライマーを用意し、該標的核酸配列の変化するヌクレオチド塩基の直ぐ隣に隣接してハイブリダイズすることのできる検出プライマーを用意し;
    該対照プライマーおよび該検出プライマーを該標的核酸配列にハイブリダイズさせ;
    重合剤の存在下、プライマー伸長が起こるのに適した条件下で該対照プライマーおよび該検出プライマーを1またはそれ以上のヌクレオチド塩基により伸長させ;
    該対照プライマーおよび該検出プライマーを互いに分離し;ついで
    伸長した対照プライマーと伸長した検出プライマーとの検出および伸長した対照プライマーからの伸長した検出プライマーの分離によりプライマー伸長が起こったことを確認し、および該検出プライマーおよび該対照プライマーに加えられたヌクレオチドの同一性を決定することにより該標的核酸配列の1またはそれ以上のヌクレオチド塩基を同定し、それによってプライマー伸長反応のモニターを同定する、
    ことを含む方法。
  12. 対照プライマーとハイブリダイズすることのできる標的核酸配列が、検出プライマーとハイブリダイズすることのできる標的核酸配列とは異なる核酸分子上に存在する、請求項12に記載の方法。
  13. 対照プライマーおよび検出プライマーが1またはそれ以上の標識したヌクレオチド塩基により伸長され、質量、みかけの質量、分子量、みかけの分子量、質量と電荷との組み合わせまたは比、塩基数、磁気共鳴、分光分析、蛍光分析、電荷、極性、光散乱、ルミネセンス、および抗原−抗体相互反応よりなる群から選ばれた特性により検出することができる、請求項12に記載の方法。
  14. 対照プライマーが検出プライマーと識別される特性を有する、請求項12に記載の方法。
  15. 対照プライマーがフリップバックプライマーである、請求項12に記載の方法。
  16. 対照プライマーおよび検出プライマーがチェインターミネーターにより伸長される、請求項12に記載の方法。
  17. 該チェインターミネーターがジデオキシヌクレオチドまたは非環状ターミネーターを含む、請求項17に記載の方法。
  18. 2またはそれ以上の対照プライマーが伸長される、請求項12に記載の方法。
  19. チェインターミネーターが検出しうる残基を有する、請求項17に記載の方法。
  20. 1またはそれ以上の標識した各ヌクレオチドが異なる標識を有する、請求項14に記載の方法。
  21. プライマー伸長反応の産物を同定する方法であって、
    2またはそれ以上の対照プライマー、1またはそれ以上の標的核酸配列および1またはそれ以上の検出プライマーを用意し、その際、該検出プライマーは標的核酸配列またはその相補鎖上の多型部位の直ぐ隣に隣接する変化しないヌクレオチド配列にハイブリダイズすることができ、1またはそれ以上の対照プライマーの両者は該1またはそれ以上の検出プライマーがハイブリダイズする変化しないヌクレオチド配列とは異なる該1またはそれ以上の標的核酸配列上の変化しないヌクレオチド配列にハイブリダイズし;
    該1またはそれ以上の対照プライマーおよび該1またはそれ以上の検出プライマーを該1またはそれ以上の標的核酸配列にハイブリダイズさせ;
    1またはそれ以上の標識ヌクレオチド塩基の存在下、重合剤の存在下、プライマー伸長が起こるのに充分な条件下で該1またはそれ以上の対照プライマーおよび該1またはそれ以上の検出プライマーを伸長させ;
    該対照プライマーを該1またはそれ以上の検出プライマーから分離し;ついで
    該1またはそれ以上の検出プライマーを該1またはそれ以上の対照プライマーから分離することによって該1またはそれ以上の検出プライマーを検出し、それによってプライマー伸長反応の産物を同定する、
    ことを含む方法。
  22. 対照プライマーとハイブリダイズすることのできる標的核酸配列が、検出プライマーとハイブリダイズすることのできる標的核酸配列とは異なる核酸分子上に存在する、請求項22に記載の方法。
  23. 対照プライマーおよび検出プライマーが1またはそれ以上の標識したヌクレオチド塩基により伸長され、質量、みかけの質量、分子量、みかけの分子量、質量と電荷との組み合わせまたは比、塩基数、磁気共鳴、分光分析、蛍光分析、電荷、極性、光散乱、ルミネセンス、および抗原−抗体相互反応よりなる群から選ばれた特性により検出することができる、請求項22に記載の方法。
  24. 対照プライマーが検出プライマーと識別される特性を有する、請求項22に記載の方法。
  25. 対照プライマーがフリップバックプライマーである、請求項22に記載の方法。
  26. 対照プライマーおよび検出プライマーがチェインターミネーターにより伸長される、請求項22に記載の方法。
  27. 該チェインターミネーターがジデオキシヌクレオチドまたは非環状ターミネーターを含む、請求項27に記載の方法。
  28. 2またはそれ以上の対照プライマーが伸長される、請求項22に記載の方法。
  29. チェインターミネーターが検出しうる残基を有する、請求項27に記載の方法。
  30. 1またはそれ以上の標識した各ヌクレオチドが異なる標識を有する、請求項24に記載の方法。
  31. プライマー伸長反応をモニターする方法であって、
    重合剤の存在下、増幅が起こるのに適した条件下で目的とする核酸配列から標的核酸配列を増幅させ、その際、該目的とする核酸分子の変化しない領域にハイブリダイズすることのできる一対の増幅プライマーを用い、かつ、該一対の増幅プライマーはその5’末端に変化しない塩基を含む変化しないタグ配列を有し、ここで該変化しないタグ配列は、変化しない塩基を含む該変化しないタグ配列が該標的核酸を含む増幅した核酸分子中に取り込まれるように、該目的とする核酸分子にハイブリダイズすることができないものである;
    該増幅した標的核酸中の該変化しないタグ配列の該変化しない塩基の直ぐ隣に隣接してハイブリダイズすることのできる対照プライマーを用意し、および該増幅した標的核酸の変化するヌクレオチド塩基の直ぐ隣に隣接してハイブリダイズすることのできる検出プライマーを用意し;
    該対照プライマーおよび該検出プライマーを該増幅した標的核酸配列にハイブリダイズさせ;
    重合剤の存在下、プライマー伸長が起こるのに適した条件下で該対照プライマーおよび該検出プライマーを1またはそれ以上のヌクレオチド塩基により伸長させ;
    該検出プライマーから該対照プライマーを分離し;ついで
    伸長した対照プライマーと伸長した検出プライマーとの検出および伸長した対照プライマーからの伸長した検出プライマーの分離によりプライマー伸長が起こったことを確認することにより該標的核酸配列の1またはそれ以上のヌクレオチド塩基を同定し、それによって該標的核酸配列の1またはそれ以上のヌクレオチド塩基を同定する、
    ことを含む方法。
  32. 対照プライマーとハイブリダイズすることのできる標的核酸配列が、検出プライマーとハイブリダイズすることのできる標的核酸配列とは異なる核酸分子上に存在する、請求項32に記載の方法。
  33. 対照プライマーおよび検出プライマーが1またはそれ以上の標識したヌクレオチド塩基により伸長され、質量、みかけの質量、分子量、みかけの分子量、質量と電荷との組み合わせまたは比、塩基数、磁気共鳴、分光分析、蛍光分析、電荷、極性、光散乱、ルミネセンス、および抗原−抗体相互反応よりなる群から選ばれた特性により検出することができる、請求項32に記載の方法。
  34. 対照プライマーが検出プライマーと識別される特性を有する、請求項32に記載の方法。
  35. 対照プライマーがフリップバックプライマーである、請求項32に記載の方法。
  36. 該標的核酸配列の変化しないヌクレオチド塩基の直ぐ隣に隣接してハイブリダイズすることのできるフリップバックプライマーをさらに含む、請求項32に記載の方法。
  37. 対照プライマーおよび検出プライマーがチェインターミネーターにより伸長される、請求項32に記載の方法。
  38. 該チェインターミネーターがジデオキシヌクレオチドまたは非環状ターミネーターを含む、請求項38に記載の方法。
  39. 2またはそれ以上の対照プライマーが伸長される、請求項32に記載の方法。
  40. チェインターミネーターが検出しうる残基を有する、請求項38に記載の方法。
  41. 1またはそれ以上の標識した各ヌクレオチドが異なる標識を有する、請求項33に記載の方法。
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