JP2005529600A - 殺真菌性活性化合物を特定する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、殺真菌剤を特定する方法、殺真菌剤を特定するためのリン酸マンノース転移酵素の使用、及び殺真菌剤としてのリン酸マンノース転移酵素阻害剤の使用に関する。

Description

本発明は、殺真菌剤を特定する方法、殺真菌剤を特定するための殺真菌性リン酸マンノース転移酵素の使用、及び殺真菌剤としてのリン酸マンノース転移酵素阻害剤の使用に関する。
毎年、農業にかなりの損害を与える望ましくない真菌の増殖は、殺真菌剤を使用して抑制することができる。殺真菌剤に対する要求は、その活性、価格、及びとりわけその生態学的安全性に関して常に高まってきている。したがって、強力で生態学的に安全な新規殺真菌剤を開発することができる新規な物質又は新規クラスの物質が求められている。一般には、温室試験でこのような新規モデル構造を探索することが通例である。しかし、そのような試験は労働集約的で高価である。したがって、温室で試験することができる物質の数は限られている。このような試験の代替法は、「ハイスループットスクリーニング(HTS)」法を使用することである。これは、多数の個々の物質について、細胞、個々の遺伝子産物又は遺伝子に対する効果を自動的に試験するものである。ある種の物質がある効果を有することが見出されたときには、従来のスクリーニング方法で試験することができ、適切な場合にはさらに試験を進めることができる。
殺真菌剤に有利な標的は、基本的生合成経路において頻繁に探索されている。また、理想的な殺真菌剤は、真菌の病原性発現において極めて重要な遺伝子産物を阻害する物質である。
したがって、本発明の目的は、殺真菌性活性化合物候補に適切な新しい標的を特定し、それを利用できるようにすること、及び殺真菌剤としてその後使用することができるこの標的のモジュレーターの特定を可能にする方法を提供することである。
D−マンノース1,6−ホスホムターゼとしても知られるリン酸マンノース転移酵素(EC 5.4.2.8)は、D−マンノース1−リン酸からD−マンノース6−リン酸への異性化を触媒する(図1)。この異性化には、補因子としてD−マンノース1,6−二リン酸又はD−グルコース1,6−二リン酸が必要である(図2)。補因子からD−マンノース1−リン酸へリン酸基が移動して中間体D−マンノース1,6−二リン酸が生成し、続いてC1位のリン酸基が脱離して最終生成物のD−マンノース6−リン酸と再生された補因子が生成する(Oesterhelt等、1997)。
リン酸マンノース転移酵素反応は、タンパク質のN−及びO−グリコシル化用又はグリコシルホスホイノシトール(GPI)アンカー合成用の活性化糖を与える基本的段階のひとつである(Burda & Aebi 1999;Herscovics & Orlean、1993;Hibbs等;1988;Kepes、1994)。
リン酸マンノース転移酵素の遺伝子は、様々な生物、例えばサッカロミセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)(Swissprot受託番号:P07283)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)(Swissprot受託番号:P31353)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)(Swissprot受託番号:AB000703)、ヒト(Swissprot:受託番号:O15305)マウス(Swissprot:受託番号:O35621)又はシロイヌナズナ(Swissprot受託番号:O80840)からクローン化されている。
上記生物に加えて、リン酸マンノース転移酵素は、例えば、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)(EMBL受託番号:M60873)、アゾスピリラム・ブラジレンセ(Azospirillum brasilense)(Swissprot受託番号P45632)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)(EMBL受託番号:AL139078)などの原核生物にも存在する。
真核生物クラス内の配列類似性、及び細菌クラス内の配列類似性はかなり高いのに対して、代表的な真核生物クラスと細菌クラス間の配列の同一性はわずかである。
リン酸マンノース転移酵素は、例えば、酵母から単離され、ある程度精製され、ある程度特徴が明らかにされている(Kepes及びSchekman、1988;Glaser等、1966;Glaser等、1959)。
したがって、本発明の目的は、真菌由来のリン酸マンノース転移酵素を利用できるようにすること、及びこの酵素の阻害剤を特定し、その殺真菌特性を試験することができる方法でもある。
本明細書で使用する「同一性」という用語は、アラインメントが同一である配列位置の数に関係する。これは、通常、アラインメント長の百分率として表される。
これに対して、本明細書で使用する「類似性」という用語は、類似尺度の定義、すなわち、例えばバリンがトレオニン又はロイシンにどれくらい類似しているかの指標を必要とする。
本明細書で使用する「相同性」という用語は進化の関係を意味する。2個の相同タンパク質は、共通の配列前駆体から発生する。この用語は、相同配列が非相同配列よりも通常は類似している(又はアラインメント中により多くの同一位置を有する)ということ以外は、同一性又は類似性と必ずしも何らかの関係があるわけではない。
本明細書で使用する「完全リン酸マンノース転移酵素」という用語は、ATG開始コドンで始まり、ソース生物中にあるリン酸マンノース転移酵素コード遺伝子のすべての情報伝達エキソン領域と、転写を正確に終結するのに必要なシグナルとを含む、転写ユニットの完全なコード領域によってコードされるリン酸マンノース転移酵素を表す。
本明細書で使用する「リン酸マンノース転移酵素の生物活性」という用語は、ポリペプチドが上述の反応、すなわち、D−マンノース1−リン酸からD−マンノース6−リン酸への転化を触媒する能力に関係する。
本明細書で使用する「活性断片」という用語は、完全ではないが、依然としてリン酸マンノース転移酵素の生物活性を有し、上述したリン酸マンノース転移酵素に特有の反応を触媒することができるポリペプチドをコードすることができるリン酸マンノース転移酵素コード核酸を示す。このような断片は、リン酸マンノース転移酵素をコードする上述の完全な核酸よりも短い。この核酸は、この配列の3’末端及び/又は5’末端から取り出すことができるが、リン酸マンノース転移酵素の生物活性を大きく損なわないこの配列の一部を欠失、すなわち除去することもできる。これに関連して、得られるリン酸マンノース転移酵素断片の分析や使用が依然として可能な、より低活性、又は適切な場合には高活性でも、本明細書で使用する用語で十分であると考えられる。「活性断片」という用語は、リン酸マンノース転移酵素のアミノ酸配列に関係することもあり、上記の説明と同様に、上記完全配列と比較して特定の部分をもはや含まないが、酵素の生物活性は大きく損なわれていないポリペプチドにもあてはまる。これらの断片は長さが異なっていてもよい。
本明細書で使用する「リン酸マンノース転移酵素阻害アッセイ」又は「阻害アッセイ」という用語は、リン酸マンノース転移酵素活性を有するポリペプチドの酵素活性の阻害を、1個以上の化学物質(候補化合物)によって検出することができ、それによってその化学物質をリン酸マンノース転移酵素阻害剤として特定することができる方法又はアッセイに関係する。
本明細書で使用する「遺伝子」という用語は、細胞のゲノムの一部を指し、ポリペプチド鎖の合成をもたらす。
「殺真菌剤」又は「殺真菌性」という用語は、真菌、特に植物病原性真菌を抑制するのに適切な化学物質に関係する。このような植物病原性真菌を以下に列挙するが、このリストは最終的なものではない。
プラスモジオホロミセス(Plasmodiophoromycetes)、オーミセス(Oomycetes)、キトリジオミセス(Chytridiomycetes)、ザイゴミセス(Zygomycetes)、アスコミセス(Ascomycetes)、バシジオミセス(Basidiomycetes)、及びジュウデロミセス(Deuteromycetes)、例えば、
例えばピシウム・ウルチマム(Pythium ultimum)などのピシウム(Pythium)種、例えばフィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)などのフィトフトラ(Phytophthora)種、例えばスードペロノスポラ・ヒューミュリ(Pseudoperonospora humuli)、スードペロノスポラ・クベンシス(Pseudoperonospora cubensis)などのスードペロノスポラ(Pseudoperonospora)種、例えばプラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)などのプラスモパラ(Plasmopara)種、例えばブレミア・ラクツカエ(Bremia lactucae)などのブレミア(Bremia)種、例えばペロノスポラ・ピシ(Peronospora pisi)又はペロノスポラ・ブラシカエ(P. brassicae)などのペロノスポラ(Peronospora)種、例えばエリシフェ・グラミニス(Erysiphe graminis)などのエリシフェ(Erysiphe)種、例えばスフェロセカ・フリギニア(Sphaeroceca fuliginea)などのスフェロセカ(Sphaeroceca)種、例えばポドスフェラ・ロイコトリッカ(Podosphaera leucotricha)などのポドスフェラ(Podosphaera)種、例えばベンツリア・イナケアリス(Venturia inaequalis)などのベンツリア(Venturia)種、例えばピレノホラ・テレス(Pyrenophora teres)、ピレノホラ・グラミニア(P. graminea)(分生子型:ドレクスレラ(Drechslera)、別名:ヘルミントスポリウム(Helminthosporium))などのピレノホラ(Pyrenophora)種、例えばコクリオボラス・サチバス(Cochliobolus sativus)(分生子型:ドレクスレラ(Drechslera)、別名:ヘルミントスポリウム(Helminthosporium))などのコクリオボラス(Cochliobolus)種、例えばウロミセス・アッペンジクラトス(Uromyces appendiculatus)などのウロミセス(Uromyces)種、例えばプクキニア・リコンジタ(Puccinia recondita)などのプクキニア(Puccinia)種、例えばスクレロチニア・スクレロチオラム(Sclerotinia sclerotiorum)などのスクレロチニア(Sclerotinia)種、例えばチレチア・カリエス(Tilletia caries)などのチレチア(Tilletia)種;例えばウスチラゴ・ヌダ(Ustilago nuda)又はウスチラゴ・アベネ(Ustilago avenae)などのウスチラゴ(Ustilago)種、例えばペリキュラリア・ササキ(Pellicularia sasakii)などのペリキュラリア(Pellicularia)種、例えばピリキュラリア・オリゼ(Pyricularia oryzae)などのピリキュラリア(Pyricularia)種、例えばフザリウム・クルモラム(Fusarium culmorum)などのフザリウム(Fusarium)種、ボトリチス(Botrytis)種、例えばセプトリア・ノドラム(Septoria nodorum)などのセプトリア(Septoria)種、例えばレプトスファエリア・ノドラム(Leptosphaeria nodorum)などのレプトスファエリア(Leptosphaeria)種、例えばセルコスポラ・カネスシン(Cercospora canescens)などのセルコスポラ(Cercospora)種、例えばアルテルナリア・ブラシケ(Alternaria brassicae)などのアルテルナリア(Alternaria)種、又は例えばスードセルコスポレラ・ヘルポトリコイデス(Pseudocercosporella herpotrichoides)などのスードセルコスポレラ(Pseudocercosporella)種。
特に関係する他の真菌は、例えば、マグナポルテ・グリセア(Magnaporthe grisea)、コクリオボラス・ヘテロストロファス(Cochliobulus heterostrophus)、ネクトリア・ヘマトコッカス(Nectria hematococcus)及びフィトフトラ(Phytophtora)種である。
しかし、本発明のリン酸マンノース転移酵素を用いて見出される殺真菌性活性化合物は、ヒト病原性真菌種由来のリン酸マンノース転移酵素とも相互作用し、これらの真菌中に存在する異なるリン酸マンノース転移酵素との相互作用は必ずしも常に同じ強さである必要はない。
したがって、本発明は、ヒト病原性真菌によって引き起こされる疾患の治療用組成物を調製するためのリン酸マンノース転移酵素阻害剤の使用にも関係する。
以下に述べる症状を引き起こし得る以下のヒト病原性真菌は特に興味深い。
例えば、運動家足(足白せん)を引き起こすトリコフィトン(Trichophyton)種、ミクロスポルム(Microsporum)種、エピデルモフィトン・フロッコーズム(Epidermophyton floccosum)又はケラトミセス・アジェロイ(Keratomyces ajelloi)などのデルマトフィテ(Dermatophytes)。
例えば、カンジダ食道炎及び皮膚炎を引き起こすカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、例えば、肺クリプトコッカス症及びトルローシスを引き起こし得るカンジダ・グラブラタ(Candida glabrata)、カンジダ・クルセイ(Candida krusei)又はクリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)などの酵母。
例えば気管支肺アスペルギルス症又は真菌敗血症を引き起こすアスペルギルス・フミガーツフ(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・フラーブス(A. flavus)、アスペルギルス・ニガー(A. niger)、例えば接合菌症(sygomycoses)(血管内真菌症(intravasal mycoses))を引き起こすムコール(Mucor)種、アブシジア(Absidia)種又はリゾープス(Rhizopus)種、例えば慢性肉芽腫性咽頭炎及び気管炎を引き起こすリノスポリジウム・セーベリ(Rhinosporidium seeberi)、例えば皮下足菌腫を引き起こすマズラ・ミゼトマティス(Madurella myzetomatis)、例えば細網内皮性サイトマイコーシス及びダーリング病を引き起こすヒストプラスマ・カプスラツーム(Histoplasma capsulatum)、例えば肺コクシジウム症及び敗血症を引き起こすコクシジオイデス・イミチス(Coccidioides immitis)、例えば南アメリカ分芽菌症を引き起こすパラコクシジオイデス・ブラジリエンシス(Paracoccidioides brasiliensis)、例えばギルクリスト病及び北アメリカ分芽菌症を引き起こすブラストミセス・デルマチチジス(Blastomyces dermatitidis)、例えばケロイドブラストミセス症及びロボ病を引き起こすロボア・ロボイ(Loboa loboi)、例えばスポロトリクム症(肉芽腫性真皮真菌症)を引き起こすスポロトリックス・シェンキー(Sporothrix schenckii)などのカビ。
特定の真菌、この場合はサッカロミセス・セレヴィシエ(S. cerevisiae)から得られるリン酸マンノース転移酵素を用いて見出される殺真菌性活性化合物は、したがって、多数の他の真菌種、特に植物病原性真菌から得られるリン酸マンノース転移酵素とも相互作用することができ、これらの真菌中に存在する異なるリン酸マンノース転移酵素との相互作用は必ずしも常に同じ強さである必要はない。これは、とりわけ、この酵素に作用する物質に認められる選択性を説明するものである。
本明細書で使用する「異種プロモーター」という用語は、本来の生物中の当該遺伝子の発現を制御するプロモーターとは異なる諸特性を有するプロモーターを意味する。
本明細書で使用する「競合剤」という用語は、リン酸マンノース転移酵素との結合を特定しなければならないこともある別の化合物と競合し、この別の化合物を酵素からはずし、又はそれによって置換される化合物の特性を示す。
本明細書で使用する「作用物質」という用語は、リン酸マンノース転移酵素活性を高める分子又は増加させる分子を意味する。
本明細書で使用する「拮抗物質」という用語は、リン酸マンノース転移酵素活性を抑える分子又は阻止する分子を意味する。
本明細書で使用する「モジュレーター」という用語は、作用物質、及びそれぞれの拮抗物質の総称である。モジュレーターは、本発明のポリペプチドに結合してその活性に影響を及ぼす有機化学分子、ペプチド又は抗体とすることができる。また、モジュレーターは、本発明のポリペプチドに結合する分子に結合してその生物活性に影響を及ぼす小さな有機化学分子、ペプチド又は抗体とすることができる。モジュレーターは、天然の基質及びリガンド、或いはそれらの構造模倣物又は機能模倣物とすることができる。しかし、本明細書で使用するモジュレーターという用語は、天然の物質又はリガンドを構成しない分子を表すことが好ましい。
リン酸マンノース転移酵素についての広範な研究にもかかわらず、真菌中のリン酸マンノース転移酵素が殺真菌性活性化合物の標的タンパク質(「標的」)になり得ることはこれまで知られていなかった。基質アナログである既知のリン酸マンノース転移酵素阻害剤(Martin等、1999;Guha & Rose、1985)は、既知の殺真菌作用をもたない。したがって、本発明によって、初めて、リン酸マンノース転移酵素が特に真菌にとって重要な酵素であり、したがって、より優れた別の殺真菌性活性化合物を探索するための標的タンパク質として使用するのに特に適していることが判明した。
したがって、本発明は、リン酸マンノース転移酵素を殺真菌性活性化合物の標的とすることができ、すなわち、リン酸マンノース転移酵素を阻害すると真菌が破壊され、或いは死滅するという知見を含んでいる。リン酸マンノース転移酵素は、適切なアッセイ方法においてその酵素活性のモジュレーター又は阻害剤を特定するために使用することができるポリペプチドであることも判明した。これは、理論的に興味深い様々な標的に必ずしもあてはまるものではない。
したがって、本発明は、リン酸マンノース転移酵素の活性、及び適切な場合には「阻害アッセイ」におけるリン酸マンノース転移酵素阻害剤候補の存在下でのこの活性の阻害を明らかにし、例えばHTS法及びUHTS法でこのようにして酵素阻害剤を特定し、かつその殺真菌性を試験するのに適切な方法の開発を含む。したがって、本発明では、真菌から得られるリン酸マンノース転移酵素の阻害剤を殺真菌剤として使用できることも実証された。
本発明は、活性化合物が、リン酸マンノース転移酵素をインビボでも阻害することができ、これらの活性化合物を用いた処置によって、これらの活性化合物で処理された真菌を破壊し死滅させることができるという知見も含む。したがって、植物防疫において殺真菌剤として、又は適応症における抗真菌剤として使用することができる。本発明によれば、例えば、本発明による方法で特定される物質を用いてリン酸マンノース転移酵素を阻害することによって、処理された合成培地中の真菌又は植物の真菌が破壊され死滅する。
リン酸マンノース転移酵素は、例えば、サッカロミセス・セレヴィシエ(S. cerevisiae)などの真菌から得ることができる。酵母由来のリン酸マンノース転移酵素は、例えば、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)中で遺伝子を組替え発現させることによって、また、エシェリキア・コリ(E. coli)細胞から酵素調製物を調製することによって調製することができる(実施例1)。
したがって、sec53によってコードされるポリペプチドSec53(Bernstein等、1985;SWISS−PROT受託番号:P07283)を発現させるために、当業者に既知の方法に従って、遺伝子特異的プライマーを用いてゲノムDNAから対応するORFを増幅させた。対応するDNAをベクターpGEX−4T−1(Pharmacia Biotech、N末端GSTタグの導入を可能にする)にクローン化した。得られたプラスミドpSec53は、ベクターのGSTタグとのN末端融合部にsec53の完全なコード配列を含んでいる。Sec53融合タンパク質は、計算質量が53kDである(実施例1及び図4)。
次いで、プラスミドpSec53を、エシェリキア・コリ(E. coli)BL21(DE3)細胞中でSec53の組換え発現に使用した(実施例1)。
上述したように、本発明は、酵母から得られるリン酸マンノース転移酵素の使用のみに限定されない。当業者に既知の類似した方法で、別の真菌、好ましくは植物病原性真菌から、本発明による方法にその後使用することができるリン酸マンノース転移酵素活性を有するポリペプチドを得ることもできる。これは、とりわけ、異なる真菌種から得られるリン酸マンノース転移酵素間の相同性が高いために可能になる(図3参照)。サッカロミセス・セレヴィシエ(S. cerevisiae)リン酸マンノース転移酵素を使用することが好ましい。
本明細書で使用する「ポリペプチド」という用語は、ペプチド、オリゴペプチド又はオリゴマーと通常称される短いアミノ酸鎖と、タンパク質と通常称されるより長いアミノ酸鎖の両方を指す。これには、翻訳後プロセシングなどの天然プロセス又は最新の化学的方法によって修飾することができるアミノ酸鎖も含まれる。そのような修飾は、ポリペプチド中の様々な部位、例えば、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖、アミノ末端及び/又はカルボキシ末端の2ヵ所以上に存在してもよい。修飾には、例えば、アセチル化、アシル化、ADPリボシル化、アミド化、フラビン、ヘム部分、ヌクレオチド又はヌクレオチド誘導体、脂質又は脂質誘導体又はホスファチジルイノシトールとの共有結合、環化、ジスルフィド架橋形成、脱メチル、シスチン形成、ホルミル化、ガンマ−カルボキシル化、グリコシル化、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質分解プロセシング、リン酸化、セレノイル化(selenoylation)、tRNA媒介アミノ酸付加などが含まれる。
本発明のポリペプチドは、「成熟」タンパク質の形で、又はより大きいタンパク質の一部として、例えば融合タンパク質として存在することができる。本発明のポリペプチドは、分泌配列、リーダー配列、プロ配列、複数のヒスチジン残基又は追加の安定化アミノ酸(stabilizing amino acid)など精製を容易にすることができる配列も含むことができる。本発明のタンパク質は、同様に、例えばそれを直接得ることができるソース生物中に天然に存在する形であってもよい。本発明の方法では、ポリペプチドの酵素活性、又は候補化合物によるその阻害を明らかにすることができる限り、リン酸マンノース転移酵素の活性断片を使用することもできる。
天然のリン酸マンノース転移酵素の対応する領域と比較して、本発明の方法に使用されるポリペプチドは、完全なリン酸マンノース転移酵素の生物活性を少なくとも示す限り、欠失又はアミノ酸置換を含むことができる。保存的置換が好ましい。このような保存的置換は、以下の群から選択される別のアミノ酸によって1個のアミノ酸が置換される変化を含む。
1.非極性又はわずかに極性の小さな脂肪族残基:Ala、Ser、Thr、Pro及びGly、
2.負に帯電した極性残基及びそのアミド:Asp、Asn、Glu及びGin、
3.正に帯電した極性残基:His、Arg及びLys、
4.大きい脂肪族非極性残基:Met、Leu、He、Val及びCys、並びに
5.芳香族残基:Phe、Tyr及びTrp。
リン酸マンノース転移酵素の精製法は、分取用電気泳動、FPLC、(例えば、ゲルろ過カラム、逆相カラム又はわずかに疎水性のカラムを用いた)HPLC、ゲルろ過、ディファレンシャル沈殿(differential precipitation)、イオン交換クロマトグラフィー又はアフィニティークロマトグラフィーに基づいている(実施例1参照)。
宿主細胞によって合成されたリン酸マンノース転移酵素を単離する迅速な方法では、最初に融合タンパク質を発現させる。融合パートナーの親和性精製は、簡単な方法で実施することができる。融合パートナーは、例えば、GSTタグとすることができ(実施例1参照)、その場合には、グルタチオン−セファロースカラムを用いて融合タンパク質を精製することができる。融合パートナーは、例えば融合パートナーと、精製しようとする本発明のポリペプチドとのリンカーにおける部分的なタンパク質分解性切断によって除去することができる。このリンカーは、トリプシン切断部位を規定するアルギニン残基、リジン残基などの標的アミノ酸を含むように設計することができる。このようなリンカーを作製するために、オリゴヌクレオチドを用いる標準クローニング方法を応用することができる。
他の可能な精製方法は、分取用電気泳動、FPLC、(例えば、ゲルろ過カラム、逆相カラム又はわずかに疎水性のカラムを用いた)HPLC、ゲルろ過、ディファレンシャル沈殿、イオン交換クロマトグラフィー及びアフィニティークロマトグラフィーに基づいている。
本明細書で使用する「単離及び精製」という用語は、細胞又は組織の別のタンパク質又は他の巨大分子から本発明のポリペプチドを取り出すことを意味する。タンパク質含量に関して言えば、本発明のポリペプチドを含有する組成物を、宿主細胞から得られる試料の好ましくは少なくとも10倍、特に好ましくは少なくとも100倍に濃縮する。
ポリペプチドに結合する抗体を用いて、融合パートナーなしで本発明のポリペプチドを親和性精製することもできる。
したがって、例えばポリペプチドSec53などのリン酸マンノース転移酵素活性を有するポリペプチドを調製する方法は、
(a)リン酸マンノース転移酵素の生物活性を有する真菌ポリペプチドをコードする少なくとも1個の発現可能な核酸配列を含む宿主細胞を前記核酸が確実に発現する条件下で培養すること、又は
(b)リン酸マンノース転移酵素の生物活性を有する真菌ポリペプチドをコードする発現可能な核酸配列をインビトロ系において発現させること、及び
(c)細胞、培地又はインビトロ系からポリペプチドを得ることを特徴とする。
本発明のポリペプチド又はこのようにして精製されたポリペプチドを含むこのようにして得られる細胞は、リン酸マンノース転移酵素のモジュレーター又は阻害剤を特定する方法に使用するのに適している。
本発明は、リン酸マンノース転移酵素活性を有する真菌ポリペプチドの阻害剤を特定する方法において、少なくとも1個の生物学的リン酸マンノース転移酵素活性を示す真菌ポリペプチドの使用にも関係する。リン酸マンノース転移酵素阻害剤をは、殺真菌剤として使用することが可能である。これらの方法では、サッカロミセス・セレヴィシエ(S. cerevisiae)リン酸マンノース転移酵素を使用することが特に好ましい。
リン酸マンノース転移酵素を用いて特定の真菌種から見出される殺真菌性活性化合物は、別の真菌種に由来するリン酸マンノース転移酵素とも相互作用することがあり、真菌中の異なるリン酸マンノース転移酵素との相互作用は必ずしも常に同じ強さである必要はない。これは、とりわけ、活性化合物の選択性を説明するものである。特定のリン酸マンノース転移酵素を用いて見出された活性化合物を別の真菌においても殺真菌剤として利用できることは、異なる真菌種由来の各リン酸マンノース転移酵素が密接に関係しており、比較的大きな領域にわたって明確な相同性を示すことに起因していると考えられる。このように、図3によれば、このような相同性は、サッカロミセス・セレヴィシエ(S. cerevisiae)、カンジダ・アルビカンス(C. albicans)、シゾサッカロミセス・ポンベ(S. pombe)及びニューロスポラ・クラッサ(N. crassa)間のかなりの配列部分にわたって存在し、したがって、酵母リン酸マンノース転移酵素を用いて見出される物質の作用は、サッカロミセス・セレヴィシエ(S. cerevisiae)だけに限定されない。
したがって、本発明は、リン酸マンノース転移酵素阻害アッセイにおいてリン酸マンノース転移酵素の酵素活性の潜在的阻害剤又はモジュレーター(候補化合物)を評価することによって殺真菌剤を特定する方法にも関係する。
本発明のポリペプチドのモジュレーター、特に阻害剤又は拮抗物質を特定する適切な方法は、通常、ポリペプチドの活性又は生物学的機能を明らかにすることに基づいている。この目的に適切なのは、原則的には、ホールセルに基づく方法(インビボでの方法)、及び細胞から単離され、精製されていても、ある程度精製されていても、或いは粗製抽出物であってもよいポリペプチドを使用することに基づく方法である。これらの細胞を使用しないインビトロでの方法は、インビボでの方法と同様に実験室規模で利用することができるが、HTS法又はUHTS法においても好ましく利用することができる。ポリペプチドのモジュレーターをインビボ又はインビトロで特定した後に、見出された化合物の殺真菌性効力を試験するために真菌培養物を試験することができる。
化合物及び天然抽出物を試験するための多数の試験システムは、所与の期間内に検査する物質の数を最大にするためにハイスループットであることが好ましい。細胞を使用しない操作に基づく試験システムは、精製又は半精製タンパク質を必要とする。このシステムは、主として、標的タンパク質に対して起こり得る物質の作用を検出することを主な目的とする「初期」試験に適している。このような初期試験を実施して1個以上の化合物、それらの抽出物などを見出した後に、このような化合物の作用を実験室でより具体的に調べることができる。したがって、第1の段階では、標的真菌、この場合は1個以上の植物病原性真菌に対する化合物の効力を引き続き試験するために、本発明のポリペプチドの阻害又は活性化をインビトロで再度検討することができる。次いで、適切な場合には、この化合物を、最初の構造を基にするが、例えば効力、毒性又は選択性に関して最適化された殺真菌性化合物を探索し開発する出発点として使用することができる。
モジュレーターは、例えば、合成反応混合物(例えば、インビトロ転写産物)、又は膜などの細胞構成成分、本発明のポリペプチドを含有するコンパートメント若しくは任意の別の調製物を、非標識基質、標識基質、このポリペプチドの補因子若しくはリガンドとともに、拮抗物質であってもよい候補分子の存在下及び非存在下でインキュベートすることによって見出すことができる。候補分子が本発明のポリペプチドの活性を阻害する能力は、例えば、非標識又は標識リガンドの結合の減少から、或いは非標識又は標識基質の転化率の減少から明らかになる。本発明のポリペプチドの生物活性を阻害する分子は良好な拮抗物質である。
本発明のポリペプチドの生物活性の検出は、「レポーターシステム」によって改善することができる。この点で、レポーターシステムは、比色分析又は蛍光分析によって検出可能な、生成物に転化される基質、或いは本発明のポリペプチドの活性又は発現の変化に応答するレポーター遺伝子、或いは他の既知の結合アッセイを含むが、これらだけに限定されない。
本発明のポリペプチドのモジュレーターを見出すために使用することができる方法の別の例は、本発明のポリペプチドとモジュレーター候補を、天然の基質又はリガンド、基質又はリガンドの模倣物などの本発明のポリペプチドに結合することが知られている分子と、適切な条件下で混合する置換アッセイである。本発明のポリペプチド自体を例えば蛍光標識又は比色標識することができ、その結果、リガンドに結合したポリペプチド、又は転化したポリペプチドの数を正確に測定することができる。しかし、同様に、非標識基質、標識基質、リガンド又は基質アナログを用いて結合をモニターすることもできる。このようにして、拮抗物質の有効性を推定することが可能である。
細胞毒性などの影響は、通常、これらのインビトロ系では無視される。アッセイシステムは、物質の阻害効果又は抑制効果と刺激効果の両方を検査する。物質の有効性は、一連の濃度依存的アッセイによって検査することができる。試験物質又は酵素を含まない対照混合物を使用してそれらの効果を評価することができる。
本発明に基づいて利用可能な、本発明のリン酸マンノース転移酵素をコードする核酸を含む宿主細胞によって、本発明のポリペプチドの活性を調整する物質を特定する、細胞を使用したアッセイシステムを開発することができる。
したがって、本発明のポリペプチドの活性を調整する物質を特定するさらに別の候補は、「シンチレーション近接アッセイ」(SPA)である。欧州特許015 473号を参照されたい。このアッセイシステムは、ポリペプチド(例えば、酵母リン酸マンノース転移酵素)と放射能標識リガンド又は基質との相互作用を利用する。この場合、ポリペプチドは、発光分子を含むミクロスフェア又はビーズに結合する。放射性崩壊中に、ミクロスフェア中の発光物質は放射能標識マーカーの亜原子粒子によって励起され、検出可能な光子が放出される。アッセイ条件は、リガンドから放出された粒子のみが、本発明のポリペプチドに結合したリガンドから放出されたシグナルであるように最適化される。
特定しようとするモジュレーターは、好ましくは小さな有機化学物質である。
真菌のリン酸マンノース転移酵素活性を調整し、植物防疫における殺真菌剤として使用することができる化合物を特定する方法は、
a)本発明のポリペプチド又はこのポリペプチドを含む宿主細胞を化学物質又は化学物質混合物と、化学物質とポリペプチドが相互作用する条件下で接触させること、
b)化学物質の非存在下での本発明のポリペプチドの活性を、化学物質又は化学物質混合物の存在下での本発明のポリペプチドの活性と比較すること、及び
c)本発明のポリペプチドの活性を特異的に調整する化学物質を明らかにすること、及び適切な場合には、
d)特定の化合物の殺真菌作用をインビボで試験することを含むことが好ましい。
これに関係して、本発明のポリペプチドの活性を特異的に阻害する化合物が特に好ましい。本明細書で使用する「活性」という用語は、本発明のポリペプチドの生物活性を意味する。
好ましい方法は、D−マンノース6−リン酸のリン酸基が酸に対して安定であるのに対して、D−マンノース1−リン酸のリン酸基が酸に対して不安定であることを利用している。したがって、酸加水分解によってD−マンノース1−リン酸から脱離するリン酸基をリン酸検出試薬を用いて検出することによって、活性、或いは本発明のポリペプチドの活性の低下又は増加を求めることができる。これには、酸加水分解によって脱離するD−マンノース−1−Pリン酸基の減少又は増加を化学量論的に測定することによって、低下した又は阻害された本発明のポリペプチドの活性をモニターすることが必要である。次いで、リン酸検出試薬を用いて620nmの吸収ピークから遊離リン酸濃度を求めることができる。
測定は、HTS又はUHTSアッセイではより一般的な形式、例えば、混合物又はウェル当たり総容積5〜50μlが導入されたマイクロタイタープレート、及び個々の成分が上記最終濃度の1つで存在するマイクロタイタープレート中で実行することもできる(実施例2参照)。この場合には、酵素の活性を潜在的に阻害する又は活性化するアッセイ対象化合物(候補分子)を、例えば、D−マンノース1−リン酸を含有する上記アッセイ緩衝剤に適切な濃度で溶解させて最初に導入する。次いで、結合アッセイに必要なNADP、グルコース、並びに補助的酵素であるホスホグルコースイソメラーゼ及びグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼを含有する上記アッセイ緩衝剤に溶解させた本発明のポリペプチドを添加して反応を開始する。次いで、この混合物を適切な温度で、例えば、最高2又は3時間インキュベートし、励起波長360nm及び発光波長460nmで蛍光の増加を測定する。
候補分子及び本発明のポリペプチドを添加しないで、対応する混合物の別の測定を実施する(負の対照)。次に、候補分子の非存在下、本発明のポリペプチドの存在下で別の測定を実施する(正の対照)。したがって、負の対照と正の対照から、候補分子の存在下での混合物の参照値が得られる。
リン酸マンノース転移酵素阻害剤を特定する、又は本発明のポリペプチドの活性を求める方法の最適条件を決定するために、使用される本発明のポリペプチドの特定のK値を求めることが有利な場合もある。この値から、好ましく使用される基質の濃度に関する情報が得られる。酵母リン酸マンノース転移酵素の場合には、D−マンノース1−リン酸のKは0.22mMと求められた(図5)。
真菌リン酸マンノース転移酵素を阻害する化合物を、例として上記方法によって特定した。
リン酸マンノース転移酵素の酵素活性又はこの活性の阻害を明らかにする上述の方法、及び殺真菌剤を特定する上述の方法に加えて、例えば既知の他の方法又は阻害アッセイを、これらの方法によってリン酸マンノース転移酵素活性が求められ、候補化合物によるこの活性の阻害が検出される限り使用できることは言うまでもない。
表Iに、本発明の方法によってリン酸マンノース転移酵素阻害剤として特定された化合物の例を示す。
表中のpI50値は、酵素の50%阻害をもたらす、物質のモル濃度を示す「IC50」値の負の10進の対数である。例えば、8のpI50値は、濃度10mMにおける酵素の最大阻害の半分に相当する。
Figure 2005529600
本発明は、本発明の方法によって特定された本発明のリン酸マンノース転移酵素阻害剤が、真菌を破壊し又は死滅させるのに適していることも実証した。
このために、例えば、試験活性化合物溶液をマイクロタイタープレートのウェルに分注することができる。溶媒が蒸発した後に培地を各ウェルに添加する。培地は、試験真菌の適切な濃度の胞子又は菌糸であらかじめ処理したものである。かくして得られる活性化合物濃度は、例えば、0.1、1、10及び100ppmである。
続いて、未処理の対照において十分な成長が認められるまで、プレートを振とう機上で22℃でインキュベートする。
その後、波長620nmの光度分析によって評価を行う。未処理対照に比較して真菌の成長を50%阻害する活性化合物用量(ED50)を様々な濃度での測定データから計算することができる。
殺真菌作用を試験する別の方法は、植物に対する試験化合物の保護作用を試験することに基づいている。このために、試験する活性化合物溶液を植物に噴霧し、次いで、菌類胞子溶液を接種して数日間観察する。次いで、活性化合物溶液で前処理しなかった植物と比較して、試験活性化合物が真菌の侵襲又は真菌の伝播を防止し又は減少させるかどうかを明らかにすることができる。
この場合も、未処理対照に比較して真菌の成長を50%阻害する活性化合物濃度(ED50)を決定することができる。また、殺真菌作用を評価するパラメータとして効力を使用することができ、0%は対照の効力に相当する効力であり、100%の効力は感染が認められないことを意味する。
表IIは、例として、このような試験の結果を、本発明による方法において見出された化合物(表I、実施例2)のED50値及び効力(E)として示したものである。
Figure 2005529600
本明細書に開示した知識に基づいて、本発明の原理を説明又は実証するためだけに本明細書に開示した特定の化合物とは無関係に、本発明によって新規な殺真菌性化合物を特定又は最適化することが可能である。したがって、今では、任意の化合物を、殺真菌剤の標的であることがこれまで知られていないリン酸マンノース転移酵素に対するその作用について試験することが可能であり、効率的方法で殺真菌性化合物を特定しこれらの化合物を最適化することが可能である。このために、例えば、本発明に開示する方法を使用することができる。
したがって、本発明は、真菌、好ましくは植物病原性真菌由来のリン酸マンノース転移酵素のモジュレーターを殺真菌剤として使用することにも関係する。
本発明は、本発明の方法によって特定された殺真菌剤にも関係する。
したがって、本発明の方法によって特定された活性化合物及び/又はリン酸マンノース転移酵素の酵素活性を阻害する活性化合物を、殺真菌剤として特定の濃度及び使用量で用いることができる。これらの活性化合物は、適切な場合には、殺真菌性化合物を最適化するための中間体及び前駆体として、並びにさらに活性化合物を合成するための中間体及び前駆体として使用することもできる。
すべての植物及び植物部分を、本発明に従ってこれらの活性化合物で処理することができる。ここで、植物とは、所望の及び望ましくない野草又は(天然の作物を含めた)作物などすべての植物及び植物群を意味する。作物は、トランスジェニック植物及び種苗法(plant−breeders’ rights)によって保護される植物品種又は保護されない植物品種を含めて、従来の栽培及び最適化方法によって、或いは生物工学的方法及び遺伝的方法によって、或いはこれらの方法を併用して得ることができる植物とすることができる。植物部分は、苗条、葉、花、根などの地上及び地下のすべての植物部分及び植物器官を意味すると理解され、その例としては、葉、針葉、茎、柄、花、子実体、果実及び種子、並びに果実、塊茎(tubors)及び根茎を挙げることができる。植物部分は、収穫された材料、増殖及び繁殖材料、例えば挿し木、塊茎、根茎、側枝及び種子も含む。
上記活性化合物を用いた本発明による植物及び植物部分の処理は、直接、或いは通常の処理方法によって前者の環境、生育地又は保管空間にこの化合物を作用させることによって、例えば、浸漬、噴霧、くん蒸、霧化、散乱、塗布によって、及び繁殖材料の場合は、特に種子の場合には、1回以上のコーティングによっても実施することができる。
活性化合物は、その特定の物理的及び/又は化学的諸特性に応じて、溶液、エマルジョン、懸濁液、粉体、泡、ペースト、顆粒、エアゾール、重合物質中のマイクロカプセル、種子用タンパク質組成物中のマイクロカプセルなどの通常の製剤、及びULV冷暖霧化(ULV cool and warm fogging)製剤に転換することができる。
これらの製剤は、既知の方法、例えば、活性化合物をエキステンダー、すなわち液体溶媒、加圧液化ガス及び/又は固体担体と、適切な場合には、乳化剤及び/又は分散剤及び/又は発泡剤である界面活性剤を使用して混合することによって作製される。使用するエキステンダーが水の場合には、例えば、有機溶媒を補助溶媒として使用することもできる。適切な液体溶媒は、本質的に、キシレン、トルエン、アルキルナフタレンなどの芳香族化合物、クロロベンゼン、クロロエチレン、塩化メチレンなどの塩素化芳香族化合物又は塩素化脂肪族炭化水素、シクロヘキサン又はパラフィン、例えば石油画分などの脂肪族炭化水素、ブタノール、グリコールなどのアルコール、並びにそのエーテル及びエステル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの高極性溶媒、及び水である。液化ガス状エキステンダー又は担体は、標準温度及び大気圧でガス状の液体、例えばハロゲン化炭化水素などのエアゾール噴霧剤、並びにブタン、プロパン、窒素及び二酸化炭素を意味する。適切な固体担体は、例えば、カオリン、粘土、タルク、白亜、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイト、けい藻土などの地上の天然ミネラル、及び微細シリカ、アルミナ、ケイ酸塩などの地上の合成ミネラルである。顆粒に適切な固体担体は、例えば、カルサイト、軽石、大理石、海泡石、ドロマイトなどの粉砕及び分別された天然岩石、無機及び有機粗びき粉の合成顆粒、並びにおがくず、ヤシ殻、トウモロコシ穂軸、タバコの茎などの有機材料の顆粒である。適切な乳化剤及び/又は発泡剤は、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル、例えばアルキルアリールポリグリコールエーテル、スルホン酸アルキル、硫酸アルキル、スルホン酸アリール、タンパク水解物などの非イオノゲン乳化剤及び陰イオン性乳化剤である。適切な分散剤は、例えば、リグノサルファイト廃液及びメチルセルロースである。
カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルなどの粉末、顆粒又はラテックスの形の天然及び合成ポリマー、ケファリン、レシチンなどの天然リン脂質、合成リン脂質などの粘着付与剤を製剤に使用することができる。他の可能な添加剤はミネラル及び植物油である。
無機色素、例えば、酸化鉄、酸化チタン、プルシアンブルー、並びにアリザリン色素、アゾ染料、金属フタロシアニン色素などの有機色素、並びに鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデン及び亜鉛の塩などの微量栄養素などの着色剤を使用することもできる。
活性化合物は、そのまま、それらの製剤の形で、又はすぐ使用できる溶液、懸濁液、水和剤、ペースト、可溶性粉末、微粉、顆粒などそれらから調製された実用的な形で施すことができる。適用は、通常の方法で、例えば、灌水、スプレー、噴霧、散布(broadcasting)、散布(dusting)、発泡、拡散などによって行われる。また、極微量(ultra−low−volume)方法によって活性化合物を施すことができ、或いは活性化合物調製物又は活性化合物自体を土中に注入することができる。植物の種子を処理することもできる。
本発明の活性化合物を殺真菌剤として用いるときには、適用タイプに応じて使用量は比較的広い範囲で変化し得る。植物部分を処理する場合には、活性化合物の使用量は、一般に0.1〜10 000g/ha、好ましくは10〜1000g/haである。種子粉衣の場合には、活性化合物使用量は一般に0.001〜50g/種子キログラム、好ましくは0.01〜10g/種子キログラムである。土壌の処理の場合には、活性化合物使用量は一般に0.1〜10 000g/ha、好ましくは1〜5000g/haである。
以下に示す実施例は、例として、本発明による方法を使用してリン酸マンノース転移酵素の阻害剤を見出す方法を示し、これらの阻害剤が殺真菌剤として使用できることを示すものである。実施例を限定的なものと解釈すべきでないことは明らかである。
sec53のクローニング、発現及び精製並びにサッカロミセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)由来のSec53
sec53をクローン化し発現させるために、遺伝子特異的プライマーを用いてサッカロミセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)ゲノムDNAからORFを増幅させた。対応するDNAである765bp長の単位複製配列を、Pharmacia Biotech製ベクターpGEX−4T−1に中間体としてクローン化し、次いで、プライマーによって導入された制限酵素切断部位BamHL及びXhoIで切断されたベクターpGEX−4T−1(Pharmacia Biotech)にクローン化した。得られたプラスミドpSec53は、ベクターの一部であるGSTタグとのN末端融合形式でsec53の完全なコード配列を含む。Sec53融合タンパク質は計算質量が53kDである。
異種発現の場合には、形質転換混合物が50mlの選択培地中で前培養として直接働くようにエシェリキア・コリ(E. coli)BL21(DE3)にプラスミドpSec53を形質転換した。この細胞を37℃で終夜インキュベートし、次いで選択培地(100μg/mlのアンピシリンを含むLB培地)で1:100に希釈した。OD600nm 0.8〜1.0において細胞温度を18℃に低下させ、その後1mM IPTG(最終濃度)で誘導した。細胞を24時間後に収集した。細胞ペレットは、−80℃で数ヶ月間活性を失わずに保存することができる。溶解緩衝剤(200mM KCl、10mMイミダゾール、50mM Tris−HCl、pH8、15%グリセリン)中で細胞を超音波処理(sonification)によって破壊した。グルタチオン−セファロースカラムの製造者の標準手順に従って精製した。次いで、精製タンパク質を緩衝剤(50mM Tris−HCl pH8、5mMグルタチオン、15%グリセリン)中でグリセリンと混合し、−80℃で保存した。このようにして、リン酸マンノース転移酵素のモジュレーターを特定する方法に使用するのに適した可溶性タンパク質約3.5mgを培地250mlから単離した。
(A)結合アッセイにおける384ウェル−MTP中でのリン酸マンノース転移酵素のモジュレーターの特定
Greiner製384ウェルマイクロタイタープレートを使用してリン酸マンノース転移酵素モジュレーターを特定した。
負の対照を第1のカラムに分注した。負の対照は、5%DMSOを含有するアッセイ緩衝剤(2mM MgCl、100mM Tris/HCl、pH7、1mM EDTA)5μl、アッセイ緩衝剤(2mM MgCl、100mM Tris/HCl、pH7、1mM EDTA)20μl、及び混合物1(100mM Tris/HCl pH7、2mM MgCl、1mM EDTA、1mM NADP、0.2mM D−グルコース1,6−二リン酸、ホスホグルコースイソメラーゼ0,0125U、ホスホマンノースイソメラーゼ0.0125U、グルコース6−リン酸デヒドロゲナーゼ0.05U、リン酸マンノース転移酵素0.05μg)25μlからなった。
正の対照を第2のカラムに分注した。正の対照は、5%DMSO含有アッセイ緩衝剤5μl、混合物2(1mM D−マンノース1−リン酸、2mM MgCl、100mM Tris/HCl、pH7、1mM EDTA)20μl及び混合物1(100mM Tris/HCl pH7、2mM MgCl、1mM EDTA、1mM NADP、0.2mM D−グルコース1,6−二リン酸、ホスホグルコースイソメラーゼ0.0125U、ホスホマンノースイソメラーゼ0.0125U、グルコース6−リン酸デヒドロゲナーゼ0.05U、リン酸マンノース転移酵素0.05μg)25μlからなった。
濃度2μMの試験物質のDMSO溶液を残りのカラムに導入し、物質をアッセイ緩衝剤で希釈して体積5μlとした。混合物2(1mM D−マンノース1−リン酸、2mM MgCl、100mM Tris/HCl、pH7、1mM EDTA)20μlを添加した後に、混合物1(100mM Tris/HCl pH7、2mM MgCl、1mM EDTA、1mM NADP、0.2mM D−グルコース1,6−二リン酸、ホスホグルコースイソメラーゼ0.0125U、ホスホマンノースイソメラーゼ0.0125U、グルコース6−リン酸デヒドロゲナーゼ0.05U、発現及び精製リン酸マンノース転移酵素0.05μg)25μlを添加して反応を開始した。その後、室温で20分間インキュベーションした。
MTPに適切なTecan Ultra蛍光光度計で絶対蛍光(absolute fluorescence)を測定することによって、反応中に生成したNADPHを測定した。
特定されたリン酸マンノース転移酵素阻害剤の殺真菌作用の検出
本発明による方法に基づいて特定された活性化合物(表I、実施例2)のメタノール溶液を乳化剤と混合し、マイクロタイタープレートのウェルに分注した。溶媒が蒸発した後に、ジャガイモデキストロース培地200μlを各ウェルに添加した。この培地は、試験真菌の適切な濃度の胞子又は菌糸とあらかじめ混合したものである(表II参照)。
得られた活性化合物濃度は0.1、1、10及び100ppmであった。得られた乳化剤濃度は300ppmであった。
次いで、未処理対照において十分な成長が認められるまで、プレートを振とう機上で22℃でインキュベートした。波長620nmの光度分析によって評価を行った。未処理対照に比較して真菌の成長を50%阻害する活性化合物用量(ED50)を様々な濃度での測定データから計算した。表Iの化合物2は、表IIに示した使用量でも顕著な殺真菌作用を示した。
リン酸マンノース転移酵素によって触媒されたD−マンノース1−リン酸(1)からD−マンノース6−リン酸(2)への異性化反応を示す図である。リン酸マンノース転移酵素によって触媒されたこの反応は、その生物学的活性又は酵素的活性を示している。 リン酸マンノース転移酵素の2個の補因子、すなわち、D−マンノース1,6−二リン酸(3)とD−グルコース1,6−二リン酸(4)を示す図である。 様々な真菌から得られるリン酸マンノース転移酵素間の相同性を示す図である。(1):サッカロミセス・セレヴィシエ(S. cerevisiae)(Sec53)、(2):カンジダ・アルビカンス(C. albicans)、(3):シゾサッカロミセス・ポンベ(S. pombe)、(4):ニューロスポラ・クラッサ(N. crassa)。各枠は、正確に一致する配列(コンセンサス配列)を含む領域を示す。 エシェリキア・コリ(E. coli)BL21(DE3)中でのリン酸マンノース転移酵素の異種発現を示す写真である。過剰発現したGST融合タンパク質のサイズは53kDaである。レーン1はサイズ標準である。レーンによって発現度合いが異なる:レーン2〜5:0時間;レーン6〜9:3時間;レーン10〜13:24時間。 リン酸マンノース転移酵素によるNADP転化の動力学を示すグラフである。アッセイ体積50μl中で、0.4mM D−マンノース1−リン酸、1mM NADP、0.2mMグルコース、ホスホグルコースイソメラーゼ0.0125U、ホスホマンノースイソメラーゼ0.0125U、グルコース6−リン酸デヒドロゲナーゼ0.05U及びリン酸マンノース転移酵素0.05μgを使用した。使用したリン酸マンノース転移酵素(PMM)のタンパク質濃度を図から求めることができる。生成したNADPHの蛍光に基づいて転化率をモニターした。図は相対蛍光を示している。 D−マンノース1−リン酸のKを求めるグラフである。計測値をLineweaver及びBurk:1/V=1/Vmax+1/Sx(K/Vmax)に従ってプロットする。ここで、Vは反応初速度、Vmaxは最大到達転化率、Sは基質濃度である。次いで、Vmax及びKを横軸と縦軸の交点として、それぞれ1/Vmax及び1/Kとして読み取ることができる。
Figure 2005529600
Figure 2005529600

Claims (9)

  1. リン酸マンノース転移酵素阻害アッセイにおいて化学物質を評価することを特徴とする殺真菌剤を特定する方法。
  2. (a)十分な量のリン酸マンノース転移酵素又はリン酸マンノース転移酵素活性を有するポリペプチドを発現する宿主細胞を、化学物質又は化学物質混合物と、前記化学物質と前記ポリペプチドの相互作用を可能にする条件下で接触させること、
    (b)化学物質非存在下でのリン酸マンノース転移酵素活性を、化学物質又は化学物質混合物存在下でのリン酸マンノース転移酵素活性と比較すること、および
    (c)前記リン酸マンノース転移酵素を特異的に阻害する化学物質を特定することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 真菌のリン酸マンノース転移酵素を使用することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記特定された化合物の殺真菌作用を、さらなる段階において、真菌と接触させることによって試験することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 酸加水分解によってD−マンノース1−リン酸から脱離するリン酸基の量からリン酸検出試薬を用いて前記リン酸マンノース転移酵素の活性阻害を求めることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 殺真菌剤を特定するためのリン酸マンノース転移酵素活性を有するポリペプチドの使用。
  7. リン酸マンノース転移酵素活性を有するポリペプチドの阻害剤の殺真菌剤としての使用。
  8. 請求項1から4のいずれかに記載の方法によって特定されるリン酸マンノース転移酵素活性を有するポリペプチドの阻害剤の殺真菌剤としての使用。
  9. 請求項1から5のいずれかに記載の方法によって特定される殺真菌剤。
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