JP2005528737A - 雰囲気プラズマ表面処理方法およびそれを実行するための装置 - Google Patents

雰囲気プラズマ表面処理方法およびそれを実行するための装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、プラズマ発生器を使用して少なくとも2つのプラズマ・ジェットを発生させることにある雰囲気プラズマ表面処理方法に関し、前記プラズマ・ジェットは雰囲気のガス環境よりも低いイオン化エンタルピーを有するガスもしくは流入ガス混合物の流れの中で放電によって作り出される。本発明の方法は、電極として作用する前述のプラズマ・ジェット間に配置される放電ゾーンが非自立性であり、かつ表面を処理するために使用される活性ガスによって主に構成されるプラズマを発生させることを特徴とし、電場の強度Eが次の条件、すなわち(JnQ/e)input gas≦E≦(JnQ/e)ambient gasを満足させる放電を作り出し、ここでJはガス粒子活性化エネルギーであり、nは前記ガスの粒子密度であり、Qは電子とガスの粒子の弾性衝突の実効断面であり、eは電子の電荷である。

Description

本発明は、導電性材料、弱導電性材料または誘電体のための、特にそれらの表面を活性化するための雰囲気プラズマ表面処理方法、およびその方法を実行するための装置に関する。本発明は特に生物学的材料の処理、例えば外科手術時の血液の焼灼に適している。
材料表面の処理は以下の操作、すなわち
− 表面の活性化、特に接着性または濡れ性を改善するための活性化、
− 消毒、殺菌、
− エッチング、
− 膜堆積、
− 焼灼
のうちの1つまたはいくつかを含む可能性がある。
大気圧でのプラズマ・ジェットによる表面処理に関する方法と装置は知られている(例えばP.Koulik、Dynamical Plasma Operating(DPO)of Solid Surfaces.Plasma Jets、p.639〜653.Solonenko & Fedorchenko(Eds)VSP、1990参照)。
これらの方法の欠点は、処理される表面とプラズマの相互作用がジェットの中で活性化された粒子(原子、分子、ラジカル)によって行われ、これらの粒子が熱的に作り出されるという事実により、ジェットのプラズマが極めて高温(10〜15・10K)であることである。活性化された粒子は、処理される表面にそれらが衝突する前にその活性エネルギーを失わないような方法で境界層を通って拡散する。これは結果的に重大なエネルギー、特に熱の損失につながり、処理される表面の過熱という望ましくない効果にしばしばつながり、収率の低い方法につながる。火傷およびその他の甚大な損傷を生じるであろうプラズマ・ジェットによって生物学的組織(外傷、火傷、外科手術で切開された器官ゾーンなど)処置することはできない。
生きている組織の処置、特に外科手術の過程で出血が生じるゾーンの焼灼のための装置は知られており(例えばERBE medical SARL、Parc d’Affaires、11 chemin de l’Industrie、69570、Dardilly、Franceで市販生産されているErbotom 12C350装置)、これは執刀医によって保持された電極と患者の組織の間で、アルゴン流中で動作する高周波のアークを使用し、患者の身体を接地する必要がある(単極動作モード)。
熱的効果、すなわちジュール効果の結果として生じる熱によって作り出される焼灼には、高密度電流が通って流れるかなりの量の組織がこの処置時に損傷を受けるという欠点がある。そのような方法を脳、脊柱およびその他の重要な神経中枢といった高い神経活性のゾーンの処置に使用することはできない。
遭遇する別の問題は、多かれ少なかれかなりの量で液体(例えば血液)が滲み出る組織を電流が流れるという事実のため、接触が途切れることにより電気アークが頻繁に中断され、処置を続けるために毎回再起動しなければならないことである。
アークと処置対象組織の接触表面がプラズマ−組織の界面で電極スポットの極めて小さい直径によって決定されるという事実に鑑みて、別の欠点は、大きな表面の処置が困難であり、単調で時間がかかることである。
Erbotom ICC350装置は二極モードの動作で凝固処置を実行することを可能にし、2つの電極間で点火する電気アークが、電流の流線に対して直角のジェットのアルゴンによって処理対象の生物学的組織に向けて吹き付けられる。ここでの欠点は、アルゴン流がアークの構成を完全に決定せず、処置対象表面のプロファイルに対して強制的に接触させないという事実により、アルゴン流によって偏向させられるアークが幾何学的に不安定であり、また治療対象のゾーンから離れがちであり、したがって結果的に効率が低下することである。この方法では、電極と処理対象表面の間の距離を変えることによってアークの熱的効果の強さを調節することができない。
明白な物理的理由のため、誘電体を処置するためにそのような方法を使用することはできない。
さらに、そのような方法は、金属表面の処理に役立たないであろう。その理由は、そのような表面は接地されると第2の電極として作用するからである。したがって、金属に与える前記アークの影響は、あらゆる電極に典型的な劣化現象(電極スポットの発生、侵食、溶融、加熱、原子構造の破壊など)を伴うであろう。
国際特許出願WO97/22369はプラズマによる表面処理、さらに具体的には殺菌を実行するための装置を記載している。この公報の図1の装置は、ガスの流れる誘電体(石英)のチューブ内で互いに所定の角度で配置されたフィラメント形状の金属電極を有している。このチューブはフィラメント形状電極の先端間で発生する電気アークの側で開いている。
この装置の欠点はとりわけ、
− 電気アークによって発生する熱および電気アークに伴う電流が、発生する火傷および処置対象体を通って流れる電流によって引き起こされる損傷に鑑みて、生物学的組織の表面処理など多くの用途にとって不都合であること。さらにこの方法がエネルギー効率的でないこと。
− 使用者に、この装置で自分が火傷を負う危険があること。
− 低い温度勾配の条件下での装置の冷却の必要性に鑑みて、ガスの流量が極めて大きいこと。
− 電極から作り出される電気アークとの接触の結果として石英チューブが破損を受けること。
− この装置は、処理される材料が(例えば飛散した血液)その性質のためにチューブのオリフィスを塞ぐ傾向のある条件下で使用することが困難であること。
− この装置は小型化することが難しいことである。
欧州特許出願EP0279745では、前のものと同様に、フィラメント形状の二極電極が、金属で作製され、かつ電気アークが作り出されるゾーンを移動する流体の流れるための導管としてはたらく管状の電極担体内に含まれるプラズマで表面処理するための装置が記載されている。電気アークは、それを通って流れる流体を、処理対象表面に衝突する前に加熱するように機能する。流体の流れはプラズマのジェットを導き、電極を冷却し、プラズマの形成に寄与する。この公報に記載されている装置の欠点はとりわけ、
− 処理が加熱処理(例えば生物学的組織の切断に使用される)に限られること。その処理の結果が多かれ少なかれ深い火傷であること。
− 放電はフィラメント形状電極の点効果およびガスの流れによって影響を受けるアークであって、それが電極の端部間の電流の流線を妨げること。処理の位置精度を達成することが難しく、したがって低品質であること。
− 主に空気と水である使用流体が高いイオン化エンタルピーを有し、それが放電で主に熱を発生させるようにはたらき、熱は放電を弱くすること。したがって装置の機能は、放電を冷却するキャリヤ流体の加熱と放電で上昇した温度の励起作用の間の競合になること。
− その結果、そのような放電の開始は難しく、前記開始を確実化するための特別の方策を必要とすること。これらの方策の1つは、例えば水またはエアロゾルの流れの導入を可能にするように中空である電極の提供を含む。
− 電極の先端が極めて高温であり、処理される材料と使用者の両方に火傷を与える危険性があること。
− 記載された装置が流量ならびに電力の永続的な調節と永続的なモニタリングを必要とし、これが使用者による使用を複雑にすることである。
P.Koulik、Dynamical Plasma Operating(DPO)of Solid Surfaces.Plasma Jets、p.639〜653.Solonenko & Fedorchenko(Eds)VSP、1990 国際特許出願WO97/22369 欧州特許出願EP0279745
本発明の目的は、処理対象表面の雰囲気プラズマによる処理の方法を実行するために、効率的であり、かつ処理対象体の損傷、特に過熱または処理対象体を通って流れる電流に起因する損傷を回避または最小限化する方法ならびに装置を提供することである。
本発明の別の目的は、雰囲気プラズマによる生物学的組織の表面の処理のために、効率的かつ正確な処理を可能にする一方で組織の火傷および損傷を回避または最小限化する方法を実行するための方法ならびに装置を提供することである。
エネルギー効率の良いプラズマ処理方法を提供することが好都合である。
信頼性があり、かつ制御されていないプラズマの消滅という問題を低減または回避する雰囲気プラズマ表面処理方法を提供することが好都合である。
単純でコンパクト(特に医療用途用)かつ自動制御の設計を有するプラズマ表面処理用の装置を提供することが好都合である。
極めて大面積の物質の処置、特に火傷の処置を可能にするプラズマ処理方法およびその方法を実行するための装置を提供することが好都合である。
極めて小面積の物質の処置、特に腹腔鏡検査法および内視鏡検査法での使用を可能にするプラズマ処理方法およびその方法を実行するための装置を提供することもやはり好都合である。
さらに、エッチング、膜堆積、殺菌、表面活性化、および脾臓、肝臓、腎臓、内生殖器官、心臓および肺といった極めて傷つきやすい器官への様々な物理化学的および外科的焼灼のような熱的処理といった操作もしくは操作の組み合わせを可能にする方法およびその方法を実行するための装置を提供することも好都合である。
本発明の目的は請求項1または請求項7に記載の方法、あるいはその方法を実行するための請求項10または11に記載の装置によって達成される。
最初に、本発明において、導電性または弱導電性または誘電性材料である対象物もしくは物質の表面の処理のために雰囲気プラズマを使用する方法は、雰囲気ガス(例えば空気)のものよりも小さいイオン化エンタルピーを有するガスもしくはガス混合物(キャリヤ・ガス)を放電ゾーンに供給するような方法で編成される。言い換えると、キャリヤ・ガス中(またはキャリヤ・ガスの混合物中)での放電の発生は雰囲気ガスでの放電に必要なものよりも低いエネルギー量を必要とする。この最初の条件は放電および、したがってキャリヤ・ガス流中のプラズマの出現と維持を決定する。この場合、この流れの構造はプラズマすなわちキャリヤ・ガスのイオン化状態の構造を決定し、それゆえに放電の幾何学形状を決定する。これが放電の安定の条件である。それはキャリヤ・ガス流内にプラズマを局在化することを可能にし、プラズマを、流体力学効果によってわずかに変化した電極間の最短距離の経路ではなく流れの経路に強制的に従わせ、特に、管状の電極から出射させて処理対象材料上に衝突させ、かつキャリヤ・ガスの流れがそうであるようにその輪郭に適合させる。しかしながら、プラズマは放電の電流によって作り出され、したがって、遅かれ早かれ電子は電極に進む。したがってこの時点で、キャリヤ・ガスの流れと電気力学的な力の間の競合が存在することになる。この競合の結末がプラズマの最終構造を決定する。
第2に、キャリヤ・ガスの弾性的電子−原子相互作用の実効断面は雰囲気(例えば空気)の弾性的電子−原子相互作用の実効断面よりも小さい。この第2の条件は、プラズマ(放電が存在するためにはプラズマが弱くイオン化されることだけが必要である)の電子が、放電の電場内で高い動力学的エネルギーを蓄積するのに十分大きい、原子に対する平均変位を有する必要があることを意味する。このエネルギーは電極の上流でプラズマ内に導入されるキャリヤ・ガスの原子または粒子の活性化エネルギーに達することが可能であり、その結果、これらの粒子を化学的に活性化させ、熱力学的平衡状態から脱出させる。この瞬間から、プラズマの粒子と処理される材料の粒子とのどのような相互作用もいわゆるプラズマ化学的相互作用となり、それは先行技術の基本的に化学もしくは熱的相互作用よりもはるかに効果的かつ高速である。
第3に、プラズマが非熱的励起状態を達成するための必要条件はE>JnQ/eであり、ここでEは放電を作り出す電界の強度であり、
Jはガス粒子の活性化エネルギーであり、
nはガスの粒子密度であり、
Qは電子とガス粒子の弾性衝突の実効断面であり、
eは電子の電荷である。
本発明によると、電界の強度Eは以下の条件を満たすような方法で調節される。
(JnQ/e)キャリヤ・ガス<E<(JnQ/e)雰囲気ガス
放電の挙動はまた、2つのカラム内のプラズマの流量によっても決定される。2つの限界流量が存在する。第1の限界、Gは2つのキャリヤ・ガスのチューブ間で放電がアークの形を有する低い流量である。2つの電極(チューブ)間でアークは明らかになるのでこの動作条件は容易に検出することが可能である。その中の温度は約6000〜7000℃に達する可能性がある。この動作条件は最新技術に相当する。
放電に供給されるキャリヤ・ガスの流量が増加するとアークが延び、それに続いて消失する。2つのカラムもしくはジェットはそのまま残り、それらの間に非自立性の放電が存在する。これらのカラムから発射されるイオンと電子(プラズマ)を供給されるカラム間のゾーンなしで存在することができないため、「非自立性」と称される。これら2つのプラズマのカラムは電極として機能する。しかしながら、これらの電極は特異的であり、1つは金属電極であって、例えばスパイクのように成形され、電子だけを発射する。プラズマ・カラムの形の電極は電子を発射するが、対流および光イオン化を通じて(プラズマの)イオンもまた発射する。したがって、最新技術で知られているようにこのプラズマ電極は極めて特異的であって金属電極とは異なる。本発明に利用されるこの主要な効果はプラズマ電極(プラズマ・ジェット、カラム)内のプラズマの流れによって引き起こされる。プラズマ・ジェット内のガスの流量が上がるにつれてプラズマ電極を横切る電圧も上昇するはずであり、それによって放電を維持する。所定の流量で、電極間に降伏放電が現れる(図16bの降伏フィラメントをさらに特別に参照されたい)。
放電を維持するのに十分導電性のイオン化媒質(プラズマ)を対流によってプラズマ・カラムがもはや作り出すことが不可能となる最大流量Gが存在する。電流が停止し、放電が(およびプラズマ電極もまた)消滅する。この限界流量は目視で明らかに検出される。したがって、要求される放電条件を達成することを可能にする(2つの電極内でほとんどいつも同じである)ガスの流量Gは以下の2つの限界の間に必ずあるはずである。
≦G≦G
この条件は、プラズマ電極の軸の平面内にその軸(またはそれらの軸)がある一方でこれらの電極に相対して対称である1つ/いくつかのノズル(またはチューブ)を経由して追加のガス流をプラズマ電極間に送ることによって最良に満たされることが可能である。このケースでは、Gが追加のガスの流量であるとすると、本発明の必要条件を満たすために以下の条件を有し、
≦G≦G
ここでG は、ものよりも下では従来のアークがチューブ/電極の間に発生するGの値であり、G は、ものよりも上では放電が吹き消される、すなわちもはや存在しなくなる最大流量である。
追加のガスは電極のキャリヤ・ガスの化学的性質、および雰囲気ガスの化学的性質とは異なる化学的性質のものとすることができる(例えばCO、N、O、NH有機金属化合物の蒸気など、またはそれらの混合物)。
非自立性の放電は処理対象表面に粒子(原子、分子、ラジカル)を供給することを可能にし、それらは高度に活性化され、傷口の焼灼、消毒、膜堆積の前の表面活性化、染色、表面エッチング、膜堆積、および表面合金の作製といった適用される表面処理を決定する。
この方法およびそれに対応する装置が、本発明の装置から発射される活性粒子のジェットによって処理対象表面の低い温度(T、約30〜40℃)で表面処理を実行することを可能にすることを経験が示した。したがって熱に弱い材料を処理することが可能である。この処理は表面でのプラズマ化学反応の結果であり、従来式の技術のようにアークが表面と衝突する配置の熱的効果の結果ではない。電極間に作り出されたプラズマは明らかに熱力学的平衡の状態から変位されているプラズマであり、そこではいかにプラズマの温度が高くても活性粒子(原子、分子、ラジカル)の濃度は特に高く、特に、これは大気圧下である。
要約すると、上述した方策の実施は、自立性の電気アークによって生じるような熱プラズマの形成を回避もしくは強く低下させること、および処理ゾーン内の活性原子もしくは分子の形成を最適化することを可能にする。これは、低いエネルギー要求性を有し、比較的低い電流しか必要としないが活性化された原子、分子およびラジカルが豊富で所望のプラズマ化学反応を最適化する低温のプラズマで処理対象表面にプラズマ化学処理(例えば表面活性化、プラズマ化学エッチング、化学平衡から移行した条件での膜堆積など)を実行することを可能にする。
本装置は、キャリヤ・ガスが放電ゾーンに導入される手段によって小径の金属チューブとして設けられる2つまたはものよりも多くの電極を有することが可能である。電極は、0から180°の範囲の角度で一方が他方に向くように方向付けられ、一方を他方に相対させてそれらを保持する絶縁体に挿入される。
管状電極の絶縁体は、処理の必要条件によって決定される組成のキャリヤ・ガスが通過する追加的な通路を有する可能性がある。本装置は金属またはプラスチックの本体に挿入されることが可能であり、その中を電線およびガス供給を確実化するチューブが貫通する。本装置の動作端部はプラスチックまたはセラミックで作製されたシースによって保護することが可能である。電極は直流、交流(高周波または三相)またはパルス電流を発生する電源に接続される。
1つの電極から他の電極へと移動する電流は、管状電極から出るガスによって形成されるガス通路に最初に従い、そのガスは雰囲気ガス(通常は空気)のイオン化電位とエネルギー(エンタルピー)よりもそれぞれ低いイオン化電位とエネルギーを有する。その後、電流は形成された2つのプラズマ・ジェットへと分けられる(図16aから16d参照)。電極間の電位差が増大すると、電極として機能する2つのプラズマ・ジェット間に降伏チャネルが現れる可能性がある。
処理の必要条件に応じて、安定化ガスによって処理対象材料の表面に向けて推進されるプラズマ流によって多かれ少なかれ広いゾーンを掃引することを可能にする電極の配列を得ることは可能である。本方法の実施形態では、例えば、処理対象ゾーンが2つの電極の軸の交点Aの近辺に配置されるとき(図1a参照)、極めて局所的な処理を実行することが可能である。
別の実施形態では、管状電極が互いに平行であるとき、腹腔鏡法または内視鏡法にあるような極めて小さいオリフィスを通じて局所的に制限された処理を実行することが可能であり、安定化ガスとアンペールの力が電極間に生じるどのような回路短絡も防止し、処理対象材料に衝突するような方法で流れるように推進する(図1b参照)。
反対に、別の実施形態では、流体力学の力(F)とアンペールの力(F)の両方によって処理対象表面に向けて推進される安定化されたアークのカラムによる広いゾーンの処理を実行することが可能であり、このケースでは管状電極は互いから広い間隔を置かれ、かつそれらの軸の交点Aは幾何学的に処理対象表面よりも下にある(図1b参照)。
さらに別の変形例では、処理対象のゾーンをさらに広げるために、前のケースよりもさらに間隔を開けた管状電極を設置し、その一方で管状/実質的に管状の電極の平面内に処理対象表面に向けられた中間のチューブを追加することが可能であり、これらの中間チューブから追加のガス・ジェットが発射され、追加のガスのイオン化電位とエネルギー(エンタルピー)は雰囲気ガスのそれらよりも低く、それにより、電極から長距離にあってそこではこの目的のためにアンペールの力が十分でない処理対象表面に衝突するプラズマの通路を流体力学的な力を通じて保持する。中間チューブの代わりに、処理対象表面に対してプラズマを均一に推進するような方法で電極平面内に平坦化されるチューブを使用することが可能である。
本発明による方法は誘電性材料を処理することを可能にする。電流が、例えば外科手術時の生物学的組織のような低導電率の物質の内側を大量に突き抜けることはない。金属材料の処理もやはり可能である。このケースでは、電流の一部分は表面で金属を通って移動する。冷却された金属のケースでは、金属の表面が非導電性で金属を経由した回路短絡を阻止する冷気の薄層で覆われているので、実際では電流のこの部分が小さいことを経験が示している。
集束するジェットのプラズマ構造は、プラズマを取り巻く境界層のゾーンを使用し、かつ性質的にほとんど常に乱流である流体力学的な流れを作り出すことによって、効果的な方法でプラズマ中にキャリヤ・ガスを導入することを可能にする。提案される方法は、電流源またはキャリヤ・ガスの流量のいずれかを介して、および/または電極の幾何学形状もしくは処理される材料からの距離を変えることによって容易な制御を可能にする。
広い表面、例えば生物学的組織の火傷の処置のためのまた別の実施形態では、処理対象の体の広い表面を同時に掃引するような方法で櫛のように配列されたいくつかの電極組み立て体を使用することが可能である。
本発明の他の目的および有利な特徴は特許請求項の範囲、この後になされる本発明の実施形態の説明、および添付の図面から明らかになるであろう。
図1aから1dは本発明に従って雰囲気プラズマによる表面処理を実行するための装置の主要な要素を単純化した方法で示している。本装置は、電極の中央の通路6を経由して流れるキャリヤ・ガスQを供給される少なくとも2つの管状電極4a、4bを含む管状電極システム2を有する。図1a、1c、1dの実施形態では、電極の軸A、Aは角度αで一方が他方に相対して配置され、それらが点Aで交差する。電極の端部8a、8bは処理される表面10から距離dに位置決めされ、任意のタイプの輪郭を有する。管状電極4a、4bは図9aから9eのうちの1つに例示されるような配線図を有する電源回路12へと接続される。
放電は各々の管状電極からプラズマ・ジェット14a、14bを生じさせ、それらは管状電極の延長として、それゆえに電極として機能する。処理ゾーン16で本質的に活性ガスを含む非自立性のプラズマを得るために、電極に供給される電力のパラメータはキャリタ・ガスQの流れのパラメータ(特性、流量)に応じて調節される。雰囲気ガス18(それは概して空気であるが、しかし腹腔鏡法ではCOである可能性もある)の特性を考慮に入れてなされるキャリヤ・ガスの選択、およびキャリヤ・ガス流量と電場の強度のパラメータの制御は、電極間の熱プラズマの発生を回避もしくは強く低下させること、および処理される表面上のプラズマ化学反応に必要とされる活性ガスの発生のための電力の使用を最適化することを可能にする。これはまた、電流を削減し、その結果、処理される物体に電流が流れることに伴う問題を削減することを可能にする。キャリヤ・ガスは雰囲気のガス状媒質(概して空気であろう)のものよりも低いイオン化エンタルピーを有する。キャリヤ・ガスはまた、(アルゴンのような)希ガスまたはガス混合物(例えば、NH、O、N、CO、有機金属化合物の蒸気、フレオンなど、およびそれらの混合物を含む)であることも可能であり、所望されるプラズマ化学反応および実行される処理のタイプ(殺菌、堆積など)に応じて選択される。
大気圧で電極の端部間に作り出されるプラズマ放電は、流体力学的な力Fおよび電極と同軸のゾーン内の電流の通過から結果的に生じるアンペールの力の作用によって、およびこの電流によって作り出され、プラズマ・カラムと処理対象表面の接触ゾーン20内の電流の方向に対して直角の磁場の作用によって処理対象表面と接触させられる。
スイッチ22を備え付けられる電流供給源12は低電圧もしくは高電圧の直流または交流(単極、二極、パルス、高周波)電源である可能性があり、用途によって決まる。
図1aは、管状電極の軸A、Aの交点が処理対象表面上にくるような方法で電極の端部と処理対象表面の間の距離dを調節することによって局所に制限された処理が実行されるケースを例示している。この処理は最小の表面積を備えた処理ゾーン上のエネルギーの最大の集中(すなわち最大エネルギー密度)に相当する。
図1bによる装置は図1aのケースよりもわずかに低いエネルギー密度を局所的に得ることを可能にする。ここでは、管状電極は互いに平行に走る。電極から発射されるプラズマ流の挙動は基本的に、電流が逆平行であるプラズマの2つのカラム間のアンペールの力Fであってこれらの力がプラズマの2つのジェットを互いから離すように推進する力とこの反発力に抵抗する流体力学的な力Fの間の競合の結果である。電流線の接合部は処理される表面に沿って生じる。このバージョンの利点は、管状電極4a、4bが極めて小さい直径を有することが可能となることである。したがって、血液の凝固、腹腔鏡法および内視鏡法といった医療用途にそれを使用することが可能である。
図1cの電極の配置は広い処理ゾーンが必要とされるケースに対応する。電極は互いに離隔され、それらの軸の交点Aは処理される表面よりも下にある。プラズマ処理ゾーン16は、流体力学的な力Fとアンペールの力Fの効果によって処理される表面10に押しつけられる。この配置は、例えば火傷の処置のために使用されることが可能である。
さらに広いゾーンを処理することが必要とされるとき、図1dに例示された配置を使用することが可能である。それは、処理対象表面10に沿った電流の通過を容易にするため、および処理されるゾーンの幅にわたってプラズマ16を処理対象表面10に押しつけるために、例えば表面に対して直角のサポート・ガス供給チューブまたは通路24のいずれかによって、または処理対象表面10に対して実質的に直角のカーテンの形状でサポート・ガスQを支給する平坦化されたサポート・ガス・ノズルによってサポート用のガス流Qが供給されるという点で図1cのそれとは異なる。このサポート・ガスQはキャリヤ・ガスQと同じまたは異なるものとすることができ、実行される処理によって決まる。
図1cおよび1dのケースでは、広い表面の処理は、処理対象表面にわたって、表面に沿ってプラズマを発生させる電流Iの方向に対して直角の方向に掃引する動作によって達成される。
特許請求されている方法を実行する別のモードは、層流を作り出す装置、例えば、(図2aと2bに例示されるような)層流のガス流内にプラズマ流の形成ゾーンを含むような方法でハニカム状の配列を形成する一群の小さい縦方向通路27を有する流体力学フィルタ26に管状電極を挿入することにある。この目的のために、装置の特性寸法に関する条件は以下の条件、すなわち、
Relocal=ρlamvδ/μlam〜ρlamvγ/μlam〜ρaddvγ/μadd<10
を満たし、ここでρとvはそれぞれガスの密度と速度であり、δとγは特性寸法であり(図2aおよび2b参照)、μはガスの粘度であり、Reはレイノルズ数である。添え字「lam」および「add」はそれぞれ層流のガスおよびサポート・ガスに関連する。この実施形態では、局所化された不安定性(乱流)は、周囲の媒質によって吸収されて発展せず、層流を保つ。
流体力学フィルタ26は、極めて小さい厚さ(δ<<d)を備えた壁を有する小径dの複数のチューブ27として設計される可能性があり、これらのチューブの長さLは管状電極と雰囲気空気の間の界面ゾーン30内でガスの速度の勾配を最小化もしくは打ち消すような方法で変わる。電極4a、4bに送り込まれるキャリヤ・ガス(例えばアルゴン)Qとは異なる追加ガスQがこの目的のために使用される可能性がある。
このバージョンの利点はとりわけ、
− たとえレイノルズ数が103よりも大きい時でもプラズマ流が層流にされ、(熱的、流体力学的、および構造的)相互作用が分子でなされ、かつ非対流性であり、したがってそれらははるかに小さい程度であること。それに対応する損失が強力に削減されること。
− 流れの層流への変換が、長距離にわたってどのような活性化エネルギーの損失も伴わずにプラズマを輸送することを可能にすること。言い換えると、層流を作り出す装置を備えていないプラズマ・ジェットよりもプラズマ・ジェットの長さがはるかに大きくなることが可能であること。
− プラズマを取り巻く層流を伴うガス流が、同時にそれを雰囲気空気、空気に由来する酸素、塵埃および様々な微生物から発生するどのような汚染からも防御すること。したがって、このタイプの装置は、出血中の傷、外科切開部および火傷の焼灼ばかりでなく、局所に制限されるかまたは広い表面の殺菌を達成することにも使用することが可能であることである。
権利主張される方法のまた別の変形例は、管状電極を高周波電流源に接続すること、および誘電性材料で作製され、かつ図3aと3bに例示されるように電極に関して同軸のチューブの内側でプラズマを発生させることにある。このバージョンの利点はプラズマが誘電体のチューブの中で均一に作り出されることである。単極の供給電流が使用される時のケースのように、放電と電極の接触ゾーン内の局所的な加熱のせいでそれは電極の材料によって汚染されることはない。さらに、プラズマは良好にその熱力学的平衡状態から脱出し、それが表面活性化処理を実行することを可能にする。
図3はプラズマで表面処理を実行するための装置を示しており、誘電性の本体32の内側に装着された2つの管状電極4a、4bを有する。電極の端部8a、8bはそれらの間に角度αを形成するような方法で曲げられ、角度αは0°から180°の範囲にあり、20°から40°であると有利であり、約30°であることが好ましい。電極は細いチューブとして設けられ、それは、例えば1から3mmの直径、および高い熱伝導性と高い化学的安定性を示す金属(例えば銅、銀、真鍮)で作製された(チューブの直径の10分の1程度の)薄い壁を有する。低いイオン化エネルギーを備えたキャリヤ・ガスQ(例えばキセノン)が管状電極の中央の通路6に導入される。電流供給回路12によって供給される放電はキャリヤ・ガスQの流れの中に作り出され管状電極から発射される2つのプラズマ・ジェット14a、14bを形成する。キャリヤ・ガスとは異なる追加ガスQは、電極4a、4b間に配置されたノズル24を経由して放電ゾーンに導入することが可能である。追加ガスは酸素、窒素、二酸化炭素など、またはそれらの混合物のうちの1つとすることが可能である。このガスの組成の選択およびその流量は用途の必要条件によって決まる。中央のノズルは、電極間の追加ガスの流れが放射状に、かつプラズマ・ジェットの方向に生じることを確実化するための放射状の穿孔37を有することが可能である。
電極を取り巻き、電極の端部8a、8bを越えて延びる保護壁34は、それがなければ処理対象の表面もしくは躯体と熱い管状電極の接触から生じる可能性のあるどのような不慮の火傷も防止する。
本装置は、装置の本体36を移動させることによって操作され、それはガスと電流を伴ったフレキシブル・チューブ(図中に例示せず)を経由して供給される。
小径のチューブとして構成され、内側にキャリヤ・ガスが流れる電極は、とりわけ以下の利点を与える。
・電極を互いに極めて近づけることが可能であり、装置を小型化することを可能にする。
・管状電極の小さい断面のために、誘電性本体の方向で熱流が小さい。定常的動作条件の下でも、動作中の装置の様々な部分は低温を維持する。
・キャリヤ・ガスの流量は、電極の端部を冷却するのに十分である。水による冷却は必要でない。装置は自冷式装置として動作し、それが入力エネルギーの効率的な使用を確実化する。
・装置が低いガス流量で信頼性良く動作し、その用途の潜在的領域は実際に制限がないことが経験により示されている。
鋭角αで交わるプラズマ・ジェット14a、14bの間のノズル24から出るガスの流れは、処理ゾーン16へのガスの自然な供給、それらの効率的な加熱と活性化、その粒子の解離とイオン化を確実化する。
広範囲の処理は可能であり、それはプラズマの組成および加熱のレベルとプラズマの活性化レベルによって決まる。動作の制御および処理パラメータの制御はガスの流量、放電のタイプ、電流と電圧の大きさ、ならびに配置の幾何学的形状を介して達成される。必要であれば、キャリヤ・ガスによる電極の追加的な冷却を実行することが可能である。
図4は本発明を実施するための装置を例示しており、そこでは3つの管状電極4a、4b、4cが中間ガスQを発射する中間ノズル24の周りで対称に配置されている。この装置は三相電流を使用してプラズマを発生させることを可能にする。管状電極は内側、すなわち装置の中心軸の方向に傾斜している。プラズマは3つのジェット14a、14b、14cとして発射され、放電処理ゾーン16に収束する。そのような放電は、単相電源の場合と比較して高く、かつ処理対象表面と接触する時に消えにくい電気エネルギーを幾何学的に制限されたゾーンに合焦させることが可能である。キャリヤ・ガスQの流量は極めて高くされることが可能である。
図5は、キャリヤ・ガスQを供給される2個を超える管状電極4a、4b、4c、4d、4e、4f、および追加ガスQを供給される中間のノズル24a、24b、24c、24d、24e、24fで櫛もしくはブラシのように配置された装置の実施形態を示しており、それらは例えば生物学的組織といった広い表面の処置、例えば火傷表面の処置のために互いに平行に配置される。この場合、2段階で処理を実行することが可能であり、最初に体液流出(滲み出し)を止めて処理対象表面を乾燥させることが目的とされ、2番目に、リンパ微細管を塞ぎ、損傷した表面を感染および汚染から保護する外皮として機能する酸化物、さらに特定するとシリコン酸化物あるいはポリエチレンのような有機膜といった中性の組成の膜を堆積させることが目的とされる。追加ガスQはキャリヤ・ガスQとは異なる可能性があり、実行される処理によって決まり、所望のプラズマ化学反応を可能にするガス混合物を含むことが可能である(例えばシリコン酸化物を堆積させるためのヘキサメチルジシラザンなど)。
図5の実施形態では、管状電極の直径が小さく、好ましくは3mmよりも小さくなるので、角度α=0で放電を作り出すこと、電極を極めて近づけること、したがって表面の均一な処理を実行することが可能である。
図6は、図7bによる電源回路で発生する交番電流によって放電が作り出され、定常磁場によって処理対象表面に押しつけられる装置を示している。処理対象19表面の平面で見ると、放電は羽を広げている蝶と類似性を有している。放電内で生じる電力は処理表面全体にわたって配分される。これは掃引動作での敏感な表面の処理を可能にし、それは局所的な火傷が生じないことを確実化する。直流電流と交番磁場を使用することによって同じ種類の放電掃引を得ることが可能である。
図7aから7eは本発明の方法を実行するための様々な装置の様々な電源回路12、ならびに放電電流Iのオシログラムを時間tの関数として例示している。図7aの回路12aは高電圧の直流を備えた電源に相当する。放電は高電圧の直流として作り出される。コンデンサCの端子の両端間の電圧が十分に高い時に電極間のギャップの降伏で放電が発生し、所定の緩和時間の後に電流は安定する。この電源回路は、図3、13、および14の装置の場合に使用することが可能である。
図7bの回路12bは高電圧の交番電流の供給を確実化する。放電は周期的に開始され、電流の各々の半周期の後に終了する。処理の周波数は装置Fによって変えられ、かつ制御されることが可能である。電流の周期的変化はプラズマ中の音波もしくは超音波周波数の発振を伴う。これは処理、例えば生物学的組織の性質に影響を有する。この電源回路は、図3、7、13および14に例示された装置に使用することが可能であり、図6による装置の場合では唯一可能なものである。
図7cの回路12cは高電圧の三相電流を備えた電源に相当する(図4の実施形態参照)。この電源回路では、たとえ異なる電極対間で実際に放電が周期的に消滅しても、電極間のギャップ内の放電が全部消滅することは決してない。これは、特にキャリヤ・ガスの流量が高い時に放電の安定を確実化する。この回路は単相電源のケースよりも低い電圧で放電を作り出すことを可能にする。
図7dの電源回路12dは電気的に独立した複数のコイルを含む装置に由来する三相電源に相当する。この回路は、(図5の実施形態のような)3の倍数にのぼる多数の電極を有する装置の電源に使用することが可能である。
電源回路12eは装置にパルスを供給することを可能にする。この回路は、間に長い中断を置いて短期間実行される、例えば生物学的組織の極めて強い処置を保証することを可能にする。これはとりわけ、高い(平均)熱流にこれらの表面を晒すことなく表面処理を実行することを可能にする。パルス間の経過時間、パルスの強度およびパルスの立ち上がりの勾配といった放電パラメータを調節することが可能である。
パルスの持続時間は抵抗器Raの抵抗値の大きさによって調節され、それは降伏電圧までのコンデンサCの充電の持続時間を決定する。パルスの強度はコンデンサCの容量によって決定される。パルスのエネルギーwは
w=CU/2
になり、ここでUはコンデンサの端子の両端間の電圧である。立ち上がりの勾配は放電に引き続いて接続されるインダクタンスLによって決定される。
電源回路12a、12b、12c、および12dでは誘導性の抵抗成分が使用され、それが有効電力の流れを制限し、かつ放電の安定を容易にすることを可能にする。
図8は、管状電極4a、4bが誘電性材料で作製され、高周波電流の電源から電力供給されて同軸のチューブ間の隙間にプラズマ・ゾーン16の方向で注入されるガスQによって冷却される(導電性の材料、例えば金属で作製された)同軸のチューブ35で取り巻かれる実施形態を例示している。
図9は、管状電極4a、4bが収束する円錐として構成され、それがプラズマ・ジェット14a、14bの速度を上げること、および処理対象表面上の処理放電ゾーン16をさらに良好に画定することを可能にする本発明の実施形態を例示している。
図10は、管状電極4a、4bがリング38を設けられ、それが高い熱伝導性を備えた金属(例えばCu)で作製され、それが、図11bで等温線39aで例示されるようなリングのない電極壁41と比較して、図11aで電極壁内の等温線39aで例示されるように電極の冷却ゾーン40を増大させる本発明の実施形態を例示している。リング38は、高い熱発生条件下で電極が動作することを可能にする高い溶融温度の材料(例えばタングステンW)を使用しながら、さらに優れた冷却を保証する。
図12は、管状電極4a、4bが超音波ノズル(Lavalノズル)の形でキャリヤ・ガスQのための流路を有する本発明の実施形態を例示している。このバージョンは、高い流体力学的力でプラズマを表面上に発射すること、および処理対象表面10の上に形成し、処理対象表面と接触したときプラズマ16を再発生させる衝撃波43を活用することを可能にするという点で有利である。
図15は図3aに例示されたのと同様の装置によって2つの管状電極間に作り出された放電の写真である。この写真は、一方で流体力学的な力とアンペールの力の競合によって、他方で放電を確実化する電気力学的な力で作り出されるプラズマ通路のスパイク状の形状を例示している。
図16aから16dは図15のそれと同様の放電の写真であり、それらは管状電極間で可能性のある様々な放電の形状を例示している。管状電極に供給されるガス流量の大きさ、電流とその電圧の大きさに応じて、管状電極から出る2つの通路間で図16aに例示されるような拡散である放電、または図16bに例示されるような通路間の降伏放電あるいは図16cと16dに例示されるようなこれら2つのタイプのさらなる組み合わせを達成することが可能である。
本発明のまた別のバージョンが図13に例示されている。この装置では、細いチューブとして構成される内側電極4および先端を切り落とした中空の円錐として構成される外側電極104が同軸に配置される。キャリヤ・ガスQは内側電極内の通路6を経由して導入され、追加ガスQもまた中央の電極に関して対称に配置された通路24を経由して導入される。そのような構成では、プラズマは細い投げ矢の形状を有し、それが例えば生物学的組織上の点の処置を実行することを可能にする。
図14は、一方の電極204が耐熱性材料(例えばタングステン)で作製されたモノリシックのロッドとして構成され、その端部は管状電極4から発射されるキャリヤ・ガスの流れへの接面上に配置される。そのような構成は、例えば腹腔鏡法に有用な最小限の外径を有する装置で放電を作り出すことを可能にする。
プラスチック材料の活性化
処理された材料:ポリエチレン
ポリプロピレン
ポリエチレンテレフタレート
電流源:U=1000V、I=100mA
キャリヤ・ガス:Kr(20%)+O(80%)
雰囲気空気中で処理
表面エネルギーWsurfaceの計算
surface=cwater(1+cosθ)
water=71.2mJ/m
θ−接触角、(度)
接触角θはDigidropタイプの装置、モデルCA−S−150で測定される。
Figure 2005528737
上記の結果は、調査されたすべてのプラスチック材料で約5秒の処理の後にプラスチック材料の活性化が極めて高いレベルに到達することを示している。表1の結果は図17aにグラフで例示される。
塗装前のプラスチック材料の活性化
処理された材料:ポリプロピレン
電流源:U=100V、I=100mA
キャリヤ・ガス:Xe(10%)+O(90%)
雰囲気空気中で処理
塗料:エアロゾルの缶から塗布される光沢塗料
プラスチック材料に対する塗料の接着性の測定は標準方法(規格50488/01)を使用して実行された。
Figure 2005528737
上記の結果は活性化が高レベルの接着性を保証することを示している。表2の結果は図17bにグラフで示される。
様々なキャリヤ・ガスを使用したプラスチック材料の活性化
処理された材料:ポリプロピレン
ガス:Ar(20%)+(Ar、N、O、COまたは空気)(80%)
電流源:U=100V、I=100mA
雰囲気空気中で処理
Figure 2005528737
表3の結果は図17cにグラフで例示される。
Figure 2005528737
上記の結果は、様々なキャリヤ・ガスを表面の活性化に使用することが可能であることを示している。表4の結果は図17dにグラフで例示される。
布の表面の改質
処理された材料:820g/mの比重を備えた布(ポリエステル)
電流源:U=1000V、I=100mA
キャリヤ・ガス:Ar(10%)+酸素(90%)
活性化は、垂直方向に設置されたサンプル中での水の上昇速度(上昇の持続時間に対する高さの比として算出される)を判定することによって測定される。
Figure 2005528737
表面の改質が水の上昇速度を有意に増加させることがわかる。改善された親水性は含浸性を改善することに寄与する。表5の結果は図17eにグラフで例示される。
様々なタイプの微生物で汚染されたサンプルの殺菌
容器:プラスチック材料−ポリプロピレン
電流源:U=1000V、I=100mA
ガス:Ar(10%)+空気(90%)
微生物:Aspergillus niger ATCC 16404
Byssochlamys nivea 1910−90
生存微生物の計数は微生物学の分野で従来から実施されている方法を使用して実行された。
Figure 2005528737
5と7.5l/minの間のガス流量でサンプル表面の殺菌が完全であることがわかる。この流量は存在する微生物のタイプによって決まる。表6の結果は図17fにグラフで例示される。
セラミック材料の改質およびサンプル表面上の膜の重合
処理された材料:セラミック材料(例えばタイル)
電流源:U=1000V、I=100mA
改質ガス:Ar(20%)+(O、O+CF、空気)(80%)
重合ガス:Ar(30%)+C(70%)
接触角を測定するために使用された液体:水、オイル、石油
接触角はDigidropタイプの装置、モデルCA−S−150で測定された。
Figure 2005528737
上記の結果は、重合がセラミック・サンプルの表面上で疎水性の膜を得ることを可能にすることを示している。重合前の表面改質は重合の結果を向上させる。
サンプル表面上の膜の表面改質および重合
処理された材料:ポリエステル布(比重:450g/m
電流源:U=1000V、I=100mA
改質ガス:Ar(10%)+O(90%)
重合ガス:Ar(30%)+C(70%)
接触角を測定するために使用された液体:水
接触角はDigidropタイプの装置、モデルCA−S−150で測定された。
Figure 2005528737
上記の結果は重合が疎水性を備えた布を得ることを可能にすることを示している。重合の前に実行される活性化は疎水性を向上させる。表8の結果は図17gと17hにグラフで例示される。
記載した実施例すべてで、その主要素子が雰囲気ガス(雰囲気空気)よりも低いイオン化電位とイオン化エンタルピーを有するキャリヤ・ガス混合物を供給される管状電極であるプラズマ発生器が使用された。
この実施例で使用される装置は図15と16の写真に示された装置であり、本質的に図3aの実施形態に対応するが、しかしながら平行の管状電極を備えている。
この特定の実施例ではキャリヤ・ガスはクリプトンである。プラズマ装置は雰囲気空気中で機能する。図15と16の写真で、ここでは互いに平行に走る2つの管状電極が明らかにわかる。これらの電極から輝く平行のプラズマ・ジェットが発射されている。これらのジェットの間の有意に暗い隙間は、電子が通過し、かつプラズマが熱力学的および化学的平衡から脱け出るゾーンに相当する。電子は極めて高いエネルギーを有し、それらの平均行程距離値は高く、数ミリメートルに達する。それらが動力学的エネルギーをジェットから出るガスに励起エネルギーとして移すのはジェットのゾーン内だけである。2つの可視プラズマ通路は管状電極から発射されるキャリヤ・ガスをイオン化する電子の流れによって形成され、このガスは雰囲気ガス(このケースでは空気)よりも低いイオン化エネルギーを有する。
2つのプラズマ・ジェットは事実上2つのプラズマ電極を構成し、それらの間に放電が生じる。後者は拡散放電、非自立性放電、またはプラズマ中の局所的フィラメントに伴う降伏である可能性があり、それは管状電極内のキャリヤ・ガスの流量および電極間の電圧によって決まる。
本発明による表面処理用の装置の外科手術での使用法
1.出血の焼灼
2.火傷からの血漿滲出の抑止
1.出血の焼灼
外科手術がブタに施された。使用された装置は上記の実施例8のように2つの管状電極を備えたプラズマ発生器を含み、それらの電極を通ってイオン化エネルギー(イオン化のエンタルピー)が雰囲気空気よりも低いガス(Ar、Kr、Xe)が導入された。処理ゾーンに、中間にあるノズルを経由してO、CO、Nといったガスが導入された。発生器の周波数は300kHzであった。電圧の大きさは300Vであった。管状電極を経由して導入されたガスの流量は0.1l/minから2l/minの範囲であった。追加ガスの流量は0.2l/minから3l/minの範囲であった。
操作は雰囲気空気に晒された組織または腹腔鏡法のいずれかで実施された。後者のケースでは、プラズマ発生器を含む装置は、プラズマ発生器を使用時に操作チャンバ内の圧力が上昇することを防止するために自動圧力調節手段を備えたチューブを装備していた。ここでの目的は記載した装置の焼灼能力を試験することであった。この目的のために、皮膚、筋肉、横隔膜、肝臓、脾臓、腸、胆嚢、膀胱、内生殖器官、血管(静脈および小動脈)、肺および心臓に重度の出血が作り出された。すべてのケースで、装置は出血の焼灼を可能にし、それは迅速で効率的であった。
手術後に実施された組織学的調査は、処理された組織に生じた損傷が、比較目的で本発明の装置と同時に使用された(Erbotom 12C350タイプの)単電極を設けられた焼灼装置のケースよりもはるかに少ないことを示した。この結果は傷口および被験体を通る電流の破壊的通過がないためであった。
2.火傷からの血漿滲出の抑止
操作は第3度の火傷を背中に受けたブタに施された。上記と同じ条件下で上述の装置を使用すると、このタイプの火傷の特徴である血漿の浸潤(滲出)を焼灼することが可能となった。
火傷ゾーンは急速に乾燥され、治癒された。火傷が汚染から特に保護されなくても感染は報告されなかった。これは、2つの管状電極を備えたプラズマ発生器による火傷の処置が焼灼処置だけでなく、追加的に殺菌処理でもあることを示している。
第3度の火傷に「カラメル化」処置もやはり施された。ここでは、使用された追加ガスはアルゴン、ヘキサメチルジシラザン、および酸素の混合物であった。火傷ゾーンは最初にアルゴン+酸素のプラズマによって乾かされ、引き続いて外部の汚染要素に対して非透過性の保護として機能するシリコン酸化物の薄い外皮(〜0.1μm)で覆われた。この層は極めて薄いので、結果として損傷を生じさせず、どのような後遺症もなく消失し、清潔な傷跡が残ったがそれもやはり急速に消えた。
本発明の様々な実施形態による管状電極の構造を例示する単純化された断面図である。 本発明の様々な実施形態による管状電極の構造を例示する単純化された断面図である。 本発明の様々な実施形態による管状電極の構造を例示する単純化された断面図である。 本発明の様々な実施形態による管状電極の構造を例示する単純化された断面図である。 本発明の一実施形態による、ガス流に層流を与えるための流体力学的なフィルタ内の管状電極を例示する単純化された断面図である。 図2aの一部拡大図である。 2つの管状電極を有する実施形態による表面処理装置の一部分を示す断面図である。 図3aの装置の一部分の詳細を示す断面図である。 3ジェットの放電を発生させるために3つの管状電極が使用され、かつ追加のガスを供給するための中央の中間チューブを備えた別の実施形態による装置の一部分を示す透視図である。 広い表面の処理のために櫛のように構成された別の実施形態による装置を示す断面図である。 追加的な磁場の作用によって平坦化される放電のケースで電流線の分布を例示する、装置の一部分を示す透視図である。 本発明による、雰囲気プラズマで表面を処理するための電力供給装置の様々な方法を概略的に例示する図である。 本発明による、雰囲気プラズマで表面を処理するための電力供給装置の様々な方法を概略的に例示する図である。 本発明による、雰囲気プラズマで表面を処理するための電力供給装置の様々な方法を概略的に例示する図である。 本発明による、雰囲気プラズマで表面を処理するための電力供給装置の様々な方法を概略的に例示する図である。 本発明による、雰囲気プラズマで表面を処理するための電力供給装置の様々な方法を概略的に例示する図である。 別の実施形態による装置を示す透視図である。 高周波電流パルスによって装置が電力供給され、かつ放電パラメータが調節可能であるケースを例示する、本発明による装置の一部分を示す透視図である。 高い熱伝導性を有するリングで管状電極が設けられる、別の実施形態による装置を示す断面図である。 リングを備えた場合と備えない場合それぞれの電極壁の一部分を示す単純化された断面図である。 リングを備えた場合と備えない場合それぞれの電極壁の一部分を示す単純化された断面図である。 Lavalノズルとして構成された流路を管状電極が有する、別の実施形態による装置を示す断面図である。 特に凝結のため、および殺菌目的に適しており、円錐形状を有する内側電極と外側電極を備え、かつ2つの電極が同軸である、別の実施形態による装置を示す断面図である。 モノリシック電極と管状電極を備えた別の実施形態による装置を示す断面図である。 プラズマの形成を示している本発明による装置の写真である。 管状電極間の放電がとり得る様々な形状、および特に、プラズマ電極として機能する2つのプラズマ・ジェット間の非自立性プラズマの形成を例示する、本発明による装置の写真である。 管状電極間の放電がとり得る様々な形状、および特に、プラズマ電極として機能する2つのプラズマ・ジェット間の非自立性プラズマの形成を例示する、本発明による装置の写真である。 管状電極間の放電がとり得る様々な形状、および特に、プラズマ電極として機能する2つのプラズマ・ジェット間の非自立性プラズマの形成を例示する、本発明による装置の写真である。 管状電極間の放電がとり得る様々な形状、および特に、プラズマ電極として機能する2つのプラズマ・ジェット間の非自立性プラズマの形成を例示する、本発明による装置の写真である。 実施例1で得られた表1の結果をグラフで例示する図である。 実施例2で得られた表2の結果をグラフで例示する図である。 実施例3で得られた表3の結果をグラフで例示する図である。 実施例4で得られた表4の結果をグラフで例示する図である。 実施例5で得られた表5の結果をグラフで例示する図である。 実施例6で得られた表6の結果をグラフで例示する図である。 実施例7で得られた表8の結果をグラフで例示する図である。 実施例7で得られた表8の結果をグラフで例示する図である。

Claims (36)

  1. 雰囲気プラズマによって表面を処理する方法において、プラズマ発生器を使用して少なくとも2つのプラズマ・ジェットを発生させる工程を含み、プラズマ・ジェットが、雰囲気のガス状媒質よりも低いイオン化エンタルピーを有するキャリヤ・ガスもしくはキャリヤ・ガス混合物の流れの中で放電によって作り出される方法であって、電極として機能する前記プラズマ・ジェット間に配置された放電のゾーンが非自立性であり、かつ表面を処理するための活性ガスで主に構成されるプラズマを発生させ、放電を作り出す電場の強度Eが条件、すなわち
    (JnQ/e)キャリヤ・ガス≦E≦(JnQ/e)雰囲気ガス
    を満足させ、
    ここでJはガス粒子の活性化のエネルギーであり、
    nはこのガスの粒子密度であり、
    Qは電子とこのガスの粒子の弾性衝突の実効断面であり、
    eは電子の電荷であることを特徴とする方法。
  2. プラズマ・ジェットが、キャリヤ・ガスが注入される通路を有する管状の電極から作り出されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 電気的降伏がプラズマ・ジェット間で作り出されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 処理される表面上のプラズマ部分のゾーンを広げるために、処理される表面に対して実質的に直角に方向付けられる磁場が加えられることを特徴とする、前記請求項に記載の方法。
  5. 局所限定されているか広いかいずれかである処理ゾーンを作り出すためにプラズマ・ジェットが調節可能に方向付けられ、このゾーンが慣性の流体力学的力とアンペールの力によって処理対象表面に押しつけられることを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  6. 電極の軸が互いに平行であることを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  7. 雰囲気プラズマによって表面を処理する方法であって、キャリヤ・ガスが注入される通路を有する管状電極および第2の電極を含むプラズマ発生器によって少なくとも1つのプラズマ・ジェットを発生させる工程を含み、プラズマ・ジェットが、雰囲気のガス状媒質よりも低いイオン化エンタルピーを有するキャリヤ・ガスもしくはキャリヤ・ガス混合物の流れの中で放電によって作り出され、電極として機能するプラズマ・ジェットと第2の電極間に生じる放電が非自立性であり、かつ表面を処理するための活性ガスで本質的に形成されるプラズマを作り出し、放電を作り出す電場の強度Eが条件、すなわち
    (JnQ/e)キャリヤ・ガス≦E≦(JnQ/e)雰囲気ガス
    を満足させ、
    ここでJはガス粒子の活性化のエネルギーであり、
    nはこのガスの粒子密度であり、
    Qは電子とこのガスの粒子の弾性衝突の実効断面であり、
    eは電子の電荷である方法。
  8. 表面を処理するためのプラズマが、キャリヤ・ガスもしくはキャリヤ・ガス混合物Qとは異なるガスもしくはガスの混合物Q、Qの中で形成されることを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  9. プラズマが単極性または二極性の電気パルスによって作り出され、パルスの立ち上がりの持続時間、パルスの持続時間およびパルス間の経過時間が調節されることを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  10. 雰囲気プラズマによる表面処理のための装置であって、少なくとも2つの電極を含み、電極のうちの一方がキャリヤ・ガス供給システムから供給されるキャリヤ・ガス用の中央流路を形成するチューブとして設けられ、電極が、条件すなわち
    (JnQ/e)キャリヤ・ガス≦E≦(JnQ/e)雰囲気ガス
    を満足させる強度Eを有する放電を作り出す電場を制御するように構成された電源回路に接続され、
    ここでJはガス粒子の活性化のエネルギーであり、
    nはこのガスの粒子密度であり、
    Qは電子とこのガスの粒子の弾性衝突の実効断面であり、
    eは電子の電荷であり、
    さらにキャリヤ・ガス供給システムを含み、各電極がキャリヤ・ガス用の中央流路を形成するチューブとして設けられる装置。
  11. 雰囲気プラズマによる表面処理のための装置であって、0°から180°の範囲の角度で交差する軸を有するチューブとして設けられた少なくとも2つの電極を含み、条件すなわち
    (JnQ/e)キャリヤ・ガス≦E≦(JnQ/e)雰囲気ガス
    を満足させる強度Eを有する放電を作り出す電場を制御するように構成された電源回路が電極に接続され、
    ここでJはガス粒子の活性化のエネルギーであり、
    nはこのガスの粒子密度であり、
    Qは電子とこのガスの粒子の弾性衝突の実効断面であり、
    eは電子の電荷である装置。
  12. 管状電極の軸の交点が処理対象表面よりも下に配置され、それが電極から出るプラズマ流を処理対象表面に沿って流れるように推進することを特徴とする、請求項11に記載の装置。
  13. ガス流のうちの1つまたはいくつかが円筒状または平坦なノズルから方向付けられ、処理対象表面に衝突する活性ガスの組成を変えるような方法で、処理対象表面の方向で管状電極の間に位置決めされることを特徴とする、請求項11に記載の装置。
  14. 櫛を形成するような方法で管状電極の複数対が線に沿って配置され、処理される目標物の広い表面を掃引することを可能にすることを特徴とする、請求項11に記載の装置。
  15. 電極間の角度および電極間の距離を調節するための手段を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
  16. 管状電極を経由して導入されるガス、プラズマ・ジェット間に導入されるガスの流量、電極間の電流および電圧降下の大きさを調節するための手段を有する、前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
  17. 処理される材料の表面への電極の距離を調節するための手段を有する、前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
  18. 管状電極が、それらの軸が互いに平行になるような方法で位置決めされる、請求項11に記載の装置。
  19. 複数の縦方向チューブのシステムがハニカムとして設けられ、キャリヤ・ガスの流速の分布に特異的なプロファイルを与えるように変化する長さを有するチューブが、電極から発射されるプラズマ流中の乱流を回避するように設計される、請求項11に記載の装置。
  20. 管状電極の間に注入されるガス流が放射状にかつプラズマ・ジェットの方向に方向付けられることを確実化するために電極間に放射状の穿孔を備えたノズルが設けられる、請求項11に記載の装置。
  21. 三相電源から供給を受ける3つの管状電極を含み、キャリヤ・ガスがそこから等距離の同軸のチューブを経由して供給されることを特徴とする、請求項11に記載の装置。
  22. 冷却された磁場発生器が電極間に設けられ、処理される表面に対して直角の磁場を作り出すことを特徴とする、請求項11に記載の装置。
  23. 放電を作り出すための電源が直流電源であることを特徴とする、請求項10または11に記載の装置。
  24. 放電を作り出すための電源が三相交流電源であることを特徴とする、請求項10または11に記載の装置。
  25. 放電を作り出すための電源が、立ち上がり、持続時間および周波数が調節可能なパルスを発生する電源であることを特徴とする、請求項10または11に記載の装置。
  26. 管状電極が、同軸の金属チューブによって取り巻かれた誘電性材料で作製されたチューブとして設けられ、高周波電源によって電力供給され、かつプラズマ・ゾーンに向けて方向付けられたガスによって冷却されることを特徴とする、請求項10または11に記載の装置。
  27. キャリヤ・ガスの流れを処理対象ゾーンに合焦させるために、管状電極が円錐のチューブとして設けられることを特徴とする、請求項10または11に記載の装置。
  28. 電極のスポットによって作り出される熱を分散させるような方法で、管状電極が外部から冷却され、内部にチューブのリングを装着されることを特徴とする、請求項10または11に記載の装置。
  29. 処理される表面にプラズマを押しつける流体力学的な力を処理対象表面上に衝撃波を作り出すことによって増大させるために、管状電極が超音波ノズルもしくはLavalノズルとして設けられることを特徴とする、請求項10または11に記載の装置。
  30. 第2の電極が、管状電極に関して同軸に配置された先端を切り取った中空の円錐として設けられることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
  31. 第2の電極がロッドとして設けられることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
  32. 親水性または疎水性の特性を与えるために織物材料を処理するための前記請求項のいずれか1項に記載の装置の使用法。
  33. 親水性または疎水性の特性を与えるためにセラミック材料を処理するための前記請求項のいずれか1項に記載の装置の使用法。
  34. 外科手術時の医学−生物学的組織の血液焼灼のための前記請求項のいずれか1項に記載の装置の使用法。
  35. 火傷からのリンパ液の滲出を止めるための前記請求項のいずれか1項に記載の装置の使用法。
  36. 塗料、接着剤、または他の物質に対する接着性を上げるために金属目標物、弱導電性目標物、および誘電性目標物の表面を活性化するための前記請求項のいずれか1項に記載の装置の使用法。
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