JP2005527051A - 鮮鋭化されたエッジを計算するユニットおよび方法 - Google Patents
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Abstract
画像内のもとのエッジについて、そのもとのエッジの特性に基づいて鮮鋭化されたエッジを計算する、エッジ強調ユニット(100)。もとのエッジは、画像の画素の値を表す信号の過渡部(112)により表される。エッジ強調ユニット(100)は、もとのエッジ周辺の第1の画素数の画素の値に基づいて、過渡部(112)の特性を特定するためのエッジ特定ユニット(104)と、もとのエッジ周辺の第2の画素数の画素の値と過渡部(112)の特性とに基づいて、鮮鋭化されたエッジを計算するためのフィルターユニット(102)とを含む。
Description
本発明は、画像の画素の値を表す信号の過渡部により表される、その画像内のもとのエッジについて、鮮鋭化されたエッジを計算するエッジ強調ユニットに関するものである。
本発明はまた、画像の画素の値を表す信号の過渡部により表される、その画像内のもとのエッジについて、鮮鋭化されたエッジを計算する方法にも関するものである。
本発明はさらに、画像の画素の値を表す信号を受信する受信手段と、その信号の過渡部により表される、その画像内のもとのエッジについて、鮮鋭化されたエッジを計算するエッジ強調ユニットとを備えた画像処理装置にも関するものである。
冒頭の段落で述べたような種類のユニットの1つの形態が、G de Haanの著書「Video Processing for Multimedia Systems(マルチメディア・システムのための映像処理)」、University Press Eindhoven、オランダ、2000年、ISBN90−014015−8の第2章により知られている。映像信号の鮮鋭度強調は、知覚される画像の質を高めるものである。鮮鋭度強調は、画素の値を表す信号の過渡部を調節することを意味する。通常は高周波数成分の増強である、「ピーキング」と呼ばれる鮮鋭度強調は、より急とされた勾配を有するエッジを結果としてもたらす。しかしながら、この既知の鮮鋭度強調の欠点は、画像内のノイズもまた強調されてしまう点である。画像のディテールがほとんど存在しない領域における高周波数成分の強調は、ノイズが目立つ状態を導入してしまう。これらのエッジがない領域においては、ピーキングは望ましくない。
本発明の1つの目的は、冒頭の段落で述べたような種類のエッジ強調ユニットであって、ノイズの強調を防止しつつ、画像信号の鮮鋭度を強調するようにされたエッジ強調ユニットを提供することである。
本発明のこの目的は、エッジ強調ユニットが、もとのエッジ周辺の第1の画素数の画素の値に基づいて、過渡部の第1の特性を特定するためのエッジ特定ユニットと、もとのエッジ周辺の第2の画素数の画素の値と上記の過渡部の第1の特性とに基づいて、鮮鋭化されたエッジを計算するためのフィルターユニットとを含むことにより達成される。鮮鋭度強調は、画像の局所的な鮮鋭度に依存する。本発明に係るエッジ強調ユニットは、エッジ、すなわち信号中の輝度または色差の過渡部を検出し、エッジの特性すなわち特徴を特定するようにされている。そのために、もとのエッジに対応する画素と、もとのエッジの近傍にある画素との値が、考慮に入れられる。少なくとも1つの特性が、鮮鋭度強調の制御に利用される。この特性に基づいて、フィルターユニットの最適なフィルター設定が選択される。このエッジ強調ユニットの利点は、このエッジ強調ユニットが、信号中の過渡部を、取得されたシーン中のオブジェクトのエッジに属する第1のタイプの過渡部と、ノイズにより生じた第2のタイプの過渡部とに分類するようにされている点である。第1のタイプの過渡部は強調され、第2のタイプの過渡部は強調されない。強調量は、実際のエッジに依存する。
本発明に係るエッジ強調ユニットの1つの実施形態では、エッジ特定ユニットは、過渡部の幅である過渡部の第1の特性を、特定するようにされている。過渡部の幅は、エッジを特徴付けるのに好適な特性である。したがって、本発明に係るエッジ強調ユニットのこの実施形態によれば、実際のオブジェクトのエッジとノイズとを良好に区別することができる。
本発明に係るエッジ強調ユニットの1つの実施形態では、フィルターユニットは、過渡部の幅に基づいて、上記のもとのエッジ周辺の第2の画素数の画素を選択するようにされる。好ましくは、フィルターユニットは、過渡部の幅に比例するように、第2の画素数の画素を選択するようにされる。過渡部の幅と共に、フィルターの長さ、すなわち選択される画素の第2の画素数を変化させることは、固定された長さのフィルターを用いるのに比べて有利である。過渡部が、したがってエッジが、比較的幅広である場合には、長さが短いフィルター、たとえば[−1 2 −1]/4の高域通過フィルターは、その比較的幅広なエッジに重畳されたノイズを増強してしまうだけである。より広いフィルター、たとえば[−1 −2 −1 2 4 2 −1 −2 −1]/16のフィルターは、幅広なエッジに応じたより低い周波数を増強する。オプションとして、選択される画素の第2の画素数は、エッジに対して弾力的であってもよい。すなわち、フィルターの長さがエッジに沿って変化させられてもよく、たとえば、過渡部の最初および最後には短いフィルターを用い、過渡部の中央に近づくにつれて、徐々により長いフィルターを適用してもよい。
本発明に係るエッジ強調ユニットの1つの実施形態では、フィルターユニットは、上記のもとのエッジ周辺の第2の画素数の画素に重み付けをするための重み付け因子を、過渡部の幅に基づいて決定するようにされている。このフィルターの利点は、様々な過渡部に、フィルターを弾力的に適合化させることを可能とする点である。オプションとして、重み付け因子は、過渡部に対しても弾力的であってもよい。つまり、重み付け因子すなわちフィルター係数は、過渡部に沿って変化させられる。
本発明に係るエッジ強調ユニットの1つの実施形態では、エッジ特定ユニットは、画像の画素の値を表す信号の1次微分の絶対値関数から予め決められた閾値を差し引くことにより、微分信号を計算し、その微分信号の、第1のゼロ交差点と第2のゼロ交差点との間の距離を計算することにより、過渡部の幅を特定するようにされる。微分信号中のゼロ交差点間の距離を測定することにより、過渡部の幅が特定される。ノイズへの敏感度を低減させるため、予め決められた閾値が、絶対値微分信号から差し引かれる。
本発明に係るエッジ強調ユニットの別の1つの実施形態では、エッジ特定ユニットは、その画像に対するもとのエッジの第1の方向である、過渡部の第2の特性を特定するようにされ、フィルターユニットは、第2の方向を有する鮮鋭化されたエッジを計算するようにされ、これらの第1の方向と第2の方向とは、実質的に互いに等しい。フィルターユニットは、エッジに垂直な方向に適用される。これは、この方向が、鮮鋭度強調が効果を有する方向だからである。エッジに平行な方向への鮮鋭度強調は、ただノイズを増やしてしまうだけである。
本発明に係るエッジ強調ユニットの別の1つの実施形態では、エッジ特定ユニットは、過渡部の高さである、過渡部の第3の特性を特定するようにされ、エッジ強調ユニットは、この過渡部の高さが第1の予め決められた閾値未満であり、かつ過渡部の幅が第2の予め決められた閾値未満であるときは、エッジの強調を制限するようにされる。この実施形態の利点は、ノイズに対応する過渡部が比較的良好に検出され、それらの過渡部に対しては、強調処理が施されない点である。
本発明に係るエッジ強調ユニットの別の1つの実施形態は、エッジ特定ユニットにより制御されているノイズ低減ユニットを含んでいる。第2のタイプの過渡部、すなわちノイズにより生じた過渡部が検出されると、ノイズ低減処理が適用される。エッジに平行な方向への鮮鋭度強調は、ただノイズを増やしてしまうだけであることは前述のとおりである。その方向に、ノイズ低減フィルター、たとえば低域通過フィルターが適用される。好ましくは、ノイズ低減フィルターの長さもまた、エッジすなわち過渡部の幅に依存する。言い換えれば、エッジに平行な方向へのぼかし量が、エッジのサイズすなわち過渡部の幅に比例させられる。
本発明の1つの目的は、冒頭の段落で述べたような種類の方法であって、ノイズの強調を防止しつつ、画像信号の鮮鋭度を強調する方法を提供することである。
本発明のこの目的は、この方法が、もとのエッジ周辺の第1の画素数の画素の値に基づいて、過渡部の第1の特性を特定する工程と、もとのエッジ周辺の第2の画素数の画素の値と上記の過渡部の第1の特性とに基づいて、鮮鋭化されたエッジを計算する工程とを含むことにより達成される。
本発明に係るエッジ強調ユニットの実施形態を、冒頭の段落で述べたような画像処理装置内に適用すると有利である。かかる画像処理装置は、追加の構成要素として、強調されたエッジを含む画像を表示する表示装置(たとえばテレビセット)、強調されたエッジを含む画像の記憶のための記憶手段(たとえば、VCR(Video Cassette Recorder;ビデオ・カセット・レコーダー)やDVDレコーダー(Digital Versatile Disk))、または、強調されたエッジを含む画像をテレビセットに供給するための伝送手段(たとえばセットトップ・ボックス)を含んでいてもよい。
上記の画像処理装置は、以下のタイプの画像処理のうちの1つ以上をさらにサポートしていてもよい。
−ディインターレース処理:インターレース処理は、奇数番号または偶数番号の画像のラインを交互に伝送するための、よく知られた映像放送手法である。ディインターレース処理は、最大限の縦方向解像度を回復しようとする、すなわち、各画像について奇数番号および偶数番号のラインを同時に使用可能にしようとする処理である。
−上方変換:一連のもとの入力画像から、より多くの一連の出力画像が計算される。出力画像は、時間的に2つのもとの入力画像の間に置かれる。
−たとえばMPEG規格やH26L規格に基づく、映像圧縮、すなわち符号化処理または復号処理。
−ディインターレース処理:インターレース処理は、奇数番号または偶数番号の画像のラインを交互に伝送するための、よく知られた映像放送手法である。ディインターレース処理は、最大限の縦方向解像度を回復しようとする、すなわち、各画像について奇数番号および偶数番号のラインを同時に使用可能にしようとする処理である。
−上方変換:一連のもとの入力画像から、より多くの一連の出力画像が計算される。出力画像は、時間的に2つのもとの入力画像の間に置かれる。
−たとえばMPEG規格やH26L規格に基づく、映像圧縮、すなわち符号化処理または復号処理。
エッジ強調ユニットの変更形態およびバリエーションは、上記の画像処理装置および方法の変更形態およびバリエーションにも対応し得る。
本発明に係るエッジ強調ユニット、方法、および画像処理装置の上記およびその他の特徴は、以下に図面を参照しながら説明する実装および実施形態から明らかとなるであろう。全図に亘って、同一の参照番号は、類似の部分を指す。
図1は、画像内のもとのエッジ300について、鮮鋭化されたエッジを計算する、エッジ強調ユニット100の1つの実施形態を模式的に示した図である。もとのエッジ300は、その画像の画素の値を表す信号110の過渡部112により表される。このエッジ強調ユニット100は、もとのエッジ周辺の第1の画素数の画素の値に基づいて、過渡部112の第1の特性を特定するためのエッジ特定ユニット104と、もとのエッジ周辺の第2の画素数の画素の値と上記の過渡部の第1の特性とに基づいて、鮮鋭化されたエッジを計算するためのフィルターユニット102とを含んでいる。入力コネクタ106において、映像信号110が供給される。エッジ強調ユニット100は、出力コネクタ108において、強調されたエッジを表す強調された映像信号を供給する。
映像信号の過渡部の特性は、輝度信号の横方向への1次微分
と、縦方向への1次微分
とを計算することにより特定される。ここで、
は、2次元の輝度信号である。これらの微分信号に基づいて、横方向および縦方向のエッジ幅、すなわち横方向および縦方向の過渡部の幅が、それぞれの微分信号においてゼロ交差点間の距離を測定することにより計算される。ノイズへの敏感度を減らすため、予め決められた閾値が、絶対微分信号から差し引かれる。横方向のエッジ幅
(図3B参照)は、横方向微分信号
におけるゼロ交差点間の距離である。縦方向のエッジ幅
は、縦方向微分信号
におけるゼロ交差点間の距離である。エッジに垂直な方向のエッジ幅は、
により与えられる。
特定ユニット104のロバスト性を高めるために、好ましくは、式(7)に示されているような
に対する条件式が使用される。好ましくは、類似の条件式が、
に対しても適用される。
式(7)では、エッジ幅はそのエッジの高さに反比例すべきであることが示されている。その結果、低くかつ狭いエッジ(おそらくノイズ)は破棄される。オプションとして、式(4)、(5)および(7)における閾値Tr1、Tr2およびTr3は、画像中のノイズのレベルに合わせられてもよい。
図2Aは、フィルターユニットとしてピ―キング回路102を含む、エッジ強調ユニット100の1つの実施形態を模式的に示した図である。このピーキング回路の作用は、G de Haanの著書「Video Processing for Multimedia Systems(マルチメディア・システムのための映像処理)」、University Press Eindhoven、オランダ、2000年、ISBN90−014015−8の第2章に記載されているような作用である。ピーキング回路の出力、すなわち強調された信号は、高周波数成分をもとの信号に加算することにより計算される。高周波数成分は、高域通過フィルターユニット200により特定される。これらの高周波数成分は、加算が行われる前に、重み付けユニット202により重み付けされる。加算は、加算ユニット204により実行される。エッジ特定ユニット104は、ピーキング回路102を制御するようにされている。オプションとして、重み付けユニット202が制御されてもよいが、好ましくは、高域通過フィルターユニット200が制御される。このことは、図2Bに関連して説明される。
図2Bは、図2Aのエッジ強調ユニットの実施形態をより詳細に模式的に示した図である。特に、フィルターユニット102がより詳細に描かれている。エッジの特性を「関心点」を選択する手段として用いることにより、画像の様々な部分についてのエッジ強調量の区別を行うことができる。高周波数成分増強のゲインは、エッジの存在に依存する。たとえば、エッジが何も検出されなければ、より弱い強調しか施されないか、全く強調が施されないようにするべきである。好ましくは、エッジ強調の調整は、適当なフィルターを選択すること、たとえば畳込み積分の核(カーネル)の係数を設定することにより行われる。このことは、出力画像を計算するために使用される、入力画像の画素の重み付け因子が選択されることを意味している。フィルターユニットの1つの実施形態は、多数のフィルター・タブを含んでおり、それらのフィルター・タブの乗算係数は独立に制御することができる。別の1つの実施形態は、多数の並列とされた畳込み積分の核202、204を含んでいる。入力信号と、これらの畳込み積分の核202、204との間の畳込み積分の結果は、乗算器206、208により逓倍され、加算ユニット210により足し合わされる。逓倍処理は、エッジ特定ユニット104により制御される。例として、図4を参照されたい。
図3Aは、縦エッジ300を有する画像を模式的に示した図である。画像の左手側の画素、たとえば画素304および306は、比較的高い輝度値を有し、画像の右手側の画素、たとえば画素314および316は、比較的低い輝度値を有する。画素308−312の値は、相互に増分しており、エッジ300を形成している。エッジ300周辺の第1の画素数の画素、たとえば画素304−316の様々な値を分析することにより、エッジ特定ユニットは、エッジ300の特性を特定することができる。フィルターユニットは、これらの特性と、第2の画素数の画素、たとえば画素306−314とに基づいて、強調されたエッジを計算するようにされている。オプションとして、画素行列の他の行からの画素が、分析およびフィルタリングに使用されてもよい。
図3Bは、エッジを、そのエッジ300に垂直なベクトル
と共に示した図である。エッジ300は、それぞれ式(4)および(5)により決定される、横方向のエッジ幅
と縦方向のエッジ幅
とを有している。横方向および縦方向のエッジ幅について分かっていれば、横方向および縦方向のエッジ勾配(白から黒または黒から白)と組み合わせることにより、そのエッジの方向角度αを計算することが可能である。この角度に基づいて、正しい方向の適当なフィルタリング処理が行われる。すなわち、エッジに垂直な方向すなわち
の方向へのエッジ強調処理と、オプションとして、エッジに平行な方向へのノイズ低減処理とが行われる。これら両方のタイプのフィルタリング処理を行うようにされたエッジ強調ユニットの実施形態については、図5Aおよび5Bを参照されたい。
図4は、図2Bのピーキング回路のフィルターのための乗算係数の値を、エッジの特性の関数として模式的に示した図である。乗算係数は、乗算器206および208に入力される。x軸は、エッジの特性、たとえばエッジ幅を表している。y軸は、乗算係数を表している。曲線402により、エッジ幅の関数として、第1のフィルターのための第1の乗算係数の値、たとえば畳込み係数[−1 2 −1]を有するフィルターのための値が図示されている。曲線404により、エッジ幅の関数として、第2のフィルターのための第2の乗算係数の値、たとえば畳込み係数[−1 0 2 0 −1]を有するフィルターのための値が図示されている。曲線406により、エッジ幅の関数として、第3のフィルターのための第3の乗算係数の値、たとえば畳込み係数[−1 −2 −1 2 4 2 −1 −2 −1]を有するフィルターのための値が図示されている。これらの曲線402−406は部分的に重複していることが見て取れる。このことは、エッジ幅の一部の値に対しては、複数のフィルターが適用されることを意味する。
図5Aは、ノイズ低減ユニットを含むエッジ強調ユニット500の1つの実施形態を模式的に示した図である。エッジ強調ユニット500は、エッジを強調、すなわち高周波数成分を増強するためのフィルターユニット102と、ノイズを低減、すなわち高周波数成分を抑制するためのフィルターユニット502との両方を含んでいる。これら2つのフィルターユニット102、502の実際のフィルター特性は、エッジ特定ユニット104の制御データ、すなわち信号の過渡部の特性に依存する。フィルターユニット102、502の出力は、乗算係数と掛け合わされ、足し合わされる。乗算係数もまた、エッジ特定ユニット104の制御データに依存する。実際には、乗算器504、505は、加算ユニット508と共に、高周波数成分が強調される信号と高周波数成分が抑制される信号との、マルチプレクサを形成する。
図5Bは、エッジ強調およびノイズ低減を反対方向に行うようにされたエッジ強調ユニット501の1つの実施形態を模式的に示した図である。このエッジ強調ユニットは、エッジ特定ユニット104により推定されたエッジの方向角度αに基づいて、画像のエッジに対応する部分を回転するようにされた補間ユニット510を含んでいる。その後、フィルターユニット102により、エッジに垂直な方向への高周波数成分の増強処理が行われ、フィルターユニット502により、エッジに平行な方向への高周波数成分の抑制処理が行われる。2つのフィルターの結果を足し合わせた後、補間ユニット512により、逆方向への回転が行われる。
図6は、画像処理装置600の構成要素を模式的に示した図である。この画像処理装置600は、いくらかの処理を実行した後に表示されるべき画像を表す信号を受信する、受信ユニット602を含む。この信号は、アンテナまたはケーブルを介して受信される放送信号であってもよいが、VCR(Video Cassette Recorder;ビデオ・カセット・レコーダー)やDVD(Digital Versatile Disk)といった記憶装置からの信号であってもよい。信号は、入力コネクタ608において供給される。供給された信号から画像を抽出するために、受信ユニット602は、予め決められた周波数帯にチューニングされるようになっている。画像処理装置600はまた、図2A−2Cまたは図5A−5Bに関連して説明したような、信号の過渡部により表される画像内のもとのエッジについて、鮮鋭化されたエッジを計算するエッジ強調ユニット604と、処理された画像を表示するための表示装置606とを含んでいる。この表示装置606は、オプションである。
上記に述べた実施形態は、本発明を制限するものではなく説明のためのものであり、当業者においては、特許請求の範囲による本発明の範囲から逸脱することなく、変更実施形態を設計することができるであろう点に留意されたい。特許請求の範囲においては、括弧内のいずれの参照符号も、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。「含む」または「備える」との語は、請求項中に列挙されたもの以外の要素または工程の存在を排除するものではない。ある要素の前に置かれた「1つの」との語は、そのような要素が複数存在することを排除するものではない。本発明は、いくつかの別個の要素を備えたハードウェアにより実装されてもよいし、適切にプログラミングされたコンピュータにより実装されてもよい。いくつかの手段を列挙したユニットに関する請求項では、これらの手段のいくつかが、ハードウェアの1つの同一項目によって実現されていてもよい。
Claims (12)
- 画像の画素の値を表す信号の過渡部により表される、該画像内のもとのエッジについて、鮮鋭化されたエッジを計算するエッジ強調ユニットであって、
前記もとのエッジ周辺の第1の画素数の画素の値に基づいて、前記過渡部の第1の特性を特定するためのエッジ特定ユニットと、
前記もとのエッジ周辺の第2の画素数の画素の値と前記過渡部の前記第1の特性とに基づいて、前記鮮鋭化されたエッジを計算するためのフィルターユニットとを含むことを特徴とするエッジ強調ユニット。 - 前記エッジ特定ユニットが、前記過渡部の幅である前記過渡部の前記第1の特性を、特定するようにされていることを特徴とする請求項1記載のエッジ強調ユニット。
- 前記フィルターユニットが、前記過渡部の前記幅に基づいて、前記もとのエッジ周辺の前記第2の画素数の画素を選択するようにされていることを特徴とする請求項2記載のエッジ強調ユニット。
- 前記フィルターユニットが、前記過渡部の前記幅に比例するように、前記第2の画素数の画素を選択するようにされていることを特徴とする請求項3記載のエッジ強調ユニット。
- 前記フィルターユニットが、前記もとのエッジ周辺の前記第2の画素数の画素に重み付けをするための重み付け因子を、前記過渡部の前記幅に基づいて決定するようにされていることを特徴とする請求項2記載のエッジ強調ユニット。
- 前記エッジ特定ユニットが、
前記画像の前記画素の前記値を表す前記信号の1次微分の絶対値関数から、予め決められた閾値を差し引くことにより、微分信号を計算し、
該微分信号の、第1のゼロ交差点と第2のゼロ交差点との間の距離を計算することにより、
前記過渡部の前記幅を特定するようにされていることを特徴とする請求項2記載のエッジ強調ユニット。 - 前記エッジ特定ユニットが、前記画像に対する前記もとのエッジの第1の方向である、前記過渡部の第2の特性を特定するようにされており、前記フィルターユニットが、第2の方向を有する前記鮮鋭化されたエッジを計算するようにされており、前記第1の方向と前記第2の方向とが、実質的に互いに等しいことを特徴とする請求項2記載のエッジ強調ユニット。
- 前記エッジ特定ユニットが、前記過渡部の高さである、前記過渡部の第3の特性を特定するようにされており、前記エッジ強調ユニットが、該過渡部の該高さが第1の予め決められた閾値未満であり、かつ該過渡部の前記幅が第2の予め決められた閾値未満であるときは、前記エッジ強調を制限するようにされていることを特徴とする請求項2記載のエッジ強調ユニット。
- 前記エッジ特定ユニットにより制御されているノイズ低減ユニットを含んでいることを特徴とする請求項1記載のエッジ強調ユニット。
- 画像の画素の値を表す信号の過渡部により表される、該画像内のもとのエッジについて、鮮鋭化されたエッジを計算する方法であって、
前記もとのエッジ周辺の第1の画素数の画素の値に基づいて、前記過渡部の第1の特性を特定する工程と、
前記もとのエッジ周辺の第2の画素数の画素の値と前記過渡部の前記第1の特性とに基づいて、前記鮮鋭化されたエッジを計算する工程とを含むことを特徴とする方法。 - 画像の画素の値を表す信号を受信する受信手段と、
前記信号の過渡部により表される、前記画像内のもとのエッジについて、鮮鋭化されたエッジを計算する請求項1記載のエッジ強調ユニットとを備えていることを特徴とする画像処理装置。 - 前記鮮鋭化されたエッジを表示する表示装置をさらに備えていることを特徴とする請求項11記載の画像処理装置。
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