JP2005525804A - insituハイブリダイゼーションおよびフローサイトメトリーを用いる微生物の同定方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、in situハイブリダイゼーションおよびフローサイトメトリーにより微生物を特異的に同定するための複合型の方法に関するものである。とりわけ本発明の方法は、従来技術で知られている方法に比べて改良された特異性と短縮された処理時間を特徴とする。

Description

本発明は、in situハイブリダイゼーションおよびフローサイトメトリーにより微生物を特異的に検出するための複合型の方法に関するものである。とりわけ本発明の方法は、従来技術で知られている方法に比べて改良された特異性と短縮された処理時間とを特徴とする。
従来、微生物は培養することにより検出される。しかし、この検出方法にはいくつかの不都合がある。環境試料の生物群集の分析では特に、この培養法があらゆる点で不適当であることが示されている。培養に依存した方法では、微生物群集の構成および動態について著しく誤った所見しか得られない。例えば、培養により活性汚泥のフロラを記録していると、培養のシフトが生じることがあると示すことも可能である(非特許文献1)。
このように培地依存的に細菌集団内の実態にひずみが生じるために、活性汚泥中でそれほど重要でない役割しか果たさないが、使用された培養条件にうまく適応する細菌の重要度が大幅に過大評価される。したがって、このような培養による人為的結果が原因で、アシネトバクター(Acinetobacter )属細菌が、汚水浄化における生物学的リン酸塩除去剤としてのその役割について完全に誤解を受けていることを示すことも可能である。このような誤解の結果、コスト集約的で、誤りの多い不的確なプラント製造が行われる。このシミュレーション予測の有効性および再現性は低い。
この培養法には食料品または医療用試料の分析においても重大な不都合がある。ここで使用される方法は、非常に長時間を要することが多く、複数の継代培養工程を必要とし、しばしば不明確な結果をもたらす。ここで、例として糞便性連鎖球菌の有無に関する水試料の試験について述べる。ドイツ連邦共和国の飲料水に関する法令(Trinkwasserverordnung )で推奨される検出方法は、水試料を直接培養すること、またはメンブレンフィルタでろ過して該フィルタを50mlのアジド・グルコース・ブロス中に入れることである。培養は、36℃で少なくとも24時間、陰性結果の場合48時間行わなくてはならない。48時間後にまだブロスの濁りや沈殿が検出されない場合、供試試料中に糞便性連鎖球菌がないことが証明されたとみなされる。濁りや沈殿がある場合、その培養液をスラネッツ・バルトレー(Slanetz ‐Barthley)の腸球菌選択寒天培地上に画線接種(ストリーク)し、36℃で24時間再培養する。赤褐色またはピンク色のコロニーが形成された場合、該コロニーをさらに詳細に試験する。適切な液体培地に移植して36℃で24時間培養した後、pH9.6のニュートリエントブロス中で増殖させ、6.5%塩化ナトリウム・ブロス中での増殖が可能であり、かつエスクリンが分解される場合、糞便性連鎖球菌が検出されたとみなされる。エスクリンの分解は、新たに調製した7%の塩化鉄(II)水溶液をエスクリン・ブロスに添加することにより確認される。分解されている場合、褐色がかった黒色となる。細菌をグラム陰性球菌と区別するためのグラム染色、およびブドウ球菌と区別するためのカタラーゼ試験がさらに行われることが多い。糞便性連鎖球菌の反応はグラム陽性およびカタラーゼ陰性である。したがって、従来の検出手法は長時間を要し(48〜100時間)、疑わしい事例においては極めて複雑な手法であることが示されている。
上記の培養法の不都合により、現在の細菌同定方法はいずれも共通の目的を有している。すなわち、これらの方法は、もはや細菌培養を必要としないか、または少なくとも培養を最小限に縮小するという点で培養法の不都合を回避しようとするものである。
PCR、つまりポリメラーゼ連鎖反応では、それぞれの細菌ゲノムの特徴的な断片が、細菌特異的プライマーによって増幅される。プライマーがその標的部位を発見すれば、その遺伝物質の一断片が100万倍に増幅される。その後アガロースゲルによりDNA断片を分離して分析することにより定性的評価を行うことが可能となる。最も簡単な場合、これにより標的部位が供試試料中に存在するという結論に達する。標的部位は生細菌、死細菌、または裸のDNAからも由来し得るので、さらなる結論に達することは不可能である。この方法では区別不可能である。この技法をさらに改良したものが、細菌の存在量と得られて増幅されたDNA量との間に相関関係を築かせようとする定量的PCRである。しかし、分析試料に含まれる様々な物質により、DNA増幅酵素であるTaqポリメラーゼの阻害が起こり得る。これはPCRにおける偽陰性結果の一般的な原因である。PCRの利点は、特異性の高さ、応用の容易さ、および消費時間の少なさである。主な欠点は、混入物に対する高い感受性とそれによる偽陽性結果、ならびに前述の生細胞と死細胞または裸のDNAとをそれぞれ区別する可能性の欠如、そして最後に阻害物質の存在により偽陽性結果となる危険である。
しかし、細菌の同定には生化学的パラメータも使用される。よって、キノン測定に基づく細菌プロファイルの構築は、可能な限りひずみのない細菌集団像を提供するために役に立つ(非特許文献2)。しかしこの方法も、参照データベースの構築に純粋培養の細菌のキノンプロファイルを必要とするために、個々の細菌の培養法に依存する。さらに、細菌のキノンプロファイルを測定しても、試料中に存在する実際の細胞集団について本当の結果を得ることは不可能である。
それにひきかえ、抗体による細菌の検出はより直接的な方法である(非特許文献3)。蛍光標識された抗体を試料に混合し、細菌の抗原と高度に特異的に結合させる。こうして標識した細菌を、その後、その蛍光放出に基づきエピ蛍光顕微鏡で検出する。このようにして、細菌を菌株のレベルまで同定することが可能である。しかし、この方法の使用を大幅に制限する重大な欠点がある。まず第1に、抗体作製のためには検出すべき細菌の純粋培養が必要である。当然これは、結局とにかく培養可能な細菌しか抗体では検出できないことを意味する。しかし細菌の大半は培養可能ではなく、それ故にこの方法を用いて検出することは不可能である。第2に、大きく嵩高いことの多い抗体‐蛍光物質‐分子複合体は標的細胞に入り込むうえで問題がある。第3に、抗体の使用は、適切な形態で存在するか、または適切に調製された特定の試料に限定される。特に、高い割合で粒子を含むことの多い環境試料(例えば土壌試料または汚泥試料)は、抗体では不完全にしか分析できない。このような試料中では、抗体は次第に含まれている粒子に非特異的に吸着される。こうして、この蛍光粒子が検出すべき細菌と混同されると偽陽性の結果が起こり得る。非特異的に光を放つ粒子を、特異的に光を放つ細菌と区別しなければならないため、とにかく分析の評価が非常に困難になることは確かである。第4に、抗体を用いる検出は特異性が高すぎることが多い。抗体は、多くの場合、高い特異性により細菌種の特定の菌株しか検出せず、同じ細菌種の他の菌株が検出されないままになる。しかし、たいていの場合、細菌の菌株特異的な検出は必要なく、むしろある細菌種の細菌全体またはある細菌群全体の検出が必要とされる。多くの細菌種において、この方法、すなわち個々の菌株だけではなくある種の細菌全体を検出する抗体を用いる検出方法の開発は、今のところ成功していない。第5に、抗体の作製は比較的時間と費用のかかる工程である。
新しい取り組みとして、蛍光標識されたオリゴヌクレオチド・プローブを用いるin situハイブリダイゼーション法が90年代の初めに開発され、蛍光in situハイブリダイゼーション法として知られている(非特許文献4および非特許文献5)。この方法を用いて細菌の種、属または群を同定可能であり、必要であれば高度に特異的に試料中で直接視覚化または定量化することもできる。この方法は、実際のin situ状態
の生物群集をひずみなく表現する唯一の方法である。今まで培養されていない細菌、および従って報告されたことのない細菌の同定も可能である。
FISH法は、必要不可欠な機能を有する故に進化の過程で少ししか変異していない特定の分子が細菌細胞に存在するという事実に基づく。その分子は16Sおよび23Sのリボソームリボ核酸(rRNA)である。両方ともタンパク質合成部位であるリボソームの一部であり、それらの遍在的な分布、大きさ、ならびに構造的および機能的恒常性によって特異的なマーカーとして働くことが可能である(非特許文献6)。
FISH法を使用するためには、rRNAのある規定の領域に相補的ないわゆる遺伝子プローブ(たいてい小さく、16〜25塩基長の一本鎖デオキシリボ核酸の断片)が作製される。この規定の領域は、細菌の種、属または群に特異的であるように選択される。
FISHでは、標識された遺伝子プローブが、供試試料中に存在する細胞に入り込む。遺伝子プローブを作製した細菌種、属または群が供試試料中に存在する場合、遺伝子プローブはその細菌細胞の標的配列に結合し、その細胞は遺伝子プローブの標識によって検出可能となる。
前述の細菌同定法(培養法、PCRまたは抗体法)と比較したFISH法の利点は多岐にわたる。
第1に、遺伝子プローブを使用すれば、従来の培養法を用いても検出されない多くの細菌を検出することが可能である。培養法を用いた時には試料の細菌集団の最大15%までしか視覚化し得ないのに対し、FISH法では多くの試料において細菌集団全体の100%までの検出が可能である。第2に、FISH法を用いた細菌の検出は、培養法に比べてかなり迅速である。培養法による細菌の同定ではしばしば数日を要するのに対し、FISH法を用いれば、試料採取から細菌の同定までの間に、種レベルでも数時間しかかからない。第3に、培養用培地とは対照的に、遺伝子プローブの特異性はほぼ自由に選択することが可能である。個別の種を1個のプローブで検出可能であり、属全体または細菌の群についても同様である。第4に、細菌の種または細菌集団全体を直接的に試料中で正確に定量化することが可能である。
PCRとは対照的に、FISHは生細菌のみを確実に検出することが可能である。PCRの場合における裸のDNAや死細菌による偽陽性結果は、FISHを使用すれば除外される。さらに、阻害物質の存在による偽陰性結果は、混入物による偽陽性結果と同様に除外される。
抗体法とは対照的に、核酸プローブ分子の作製は簡単で、迅速かつ安価である。さらに、核酸プローブ分子と蛍光染色剤の複合体は、抗体‐染色剤の複合体よりもはるかに小さく、後者に比べて検出すべき細胞に容易に入ることができる。すでに前述したように、核酸プローブ分子の特異性をほぼ自由に選択することも可能である。個別の種を1個のプローブで検出可能であり、属全体または細菌の群についても同様である。最後に、抗体法とは対照的に、FISH法は多くの様々な種類の試料についての試験に適している。
したがって、FISH法は、細菌を試料中で直接的に迅速かつ非常に特異的に検出するための優れた手段である。培養法とは対照的に直接的な方法であり、その上定量化も可能である。
通常のFISH分析は、適切な固体、例えばスライドまたはマイクロタイタープレートなどの光学的に透明な担体の上で行われる。次いで、高エネルギー光の照射により視覚化されている細菌を顕微鏡で評価する。
しかし、固体担体を用いて微生物を検出する従来のFISH法には制限もあった。自動化は不可能、または困難を伴うことだけは確かであり、従って比較的時間がかかる上に常に同品質で再現可能なわけではない。さらに、顕微鏡による定量分析における誤りで起こり得る別の原因が、観察者による主観であり、これは完全に排除することは不可能である。
とりわけ、自動化が不可能であり、そのため操作が比較的困難で時間がかかること、ならびに定量化が観察者の主観的印象の影響を受けやすいことから、実際FISH分析はこれまで産業面で単一および多様な分析のために用いられるだけで、ハイスループット分析では用いられず、正確な定量化には稀にしか用いられてこなかった。しかしながら、この方法を用いた細菌の分析は、上述のように、産業面で現在用いられる他のすべての微生物分析法に比べて重要な利点を依然として備えているので、自動化が可能であり従って微生物の同定および定量化のために試料の簡単、迅速かつ確実な分析を可能にする、迅速、簡単かつ客観的な方法の利点と、FISH分析の利点とを兼ね備えた複合型の方法が必要とされている。
ここ数年の間に、フローサイトメトリーは診断だけでなく特に生物学および医学の研究において「自動顕微鏡検査法」として強い信望を得てきた。フローサイトメトリーは自動化、客観性および高い評価速度(毎秒数千個の細胞を計測可能)という利点を提供する。
フローサイトメトリーにより、流体中の粒子(細胞など)の計数ならびに物理的特性および分子特性の分析が可能となる。フローサイトメトリーにより、細胞または細胞集団の特定の特性を単一の細胞レベルで記録することが可能となる。
フローサイトメトリーは、主に液体系および光学系で構成される。試験を成功させる基礎は、液体系により流体力学的に試料の焦点を合わせることである。ここでは、試料中に含まれる細胞群を薄めてまばらにし、非常に高い精度(偏差1μm)で測定点上に直線的に並べる。光学系は一般に、励起光源(例えば様々なレーザーまたは水銀圧力ランプ)、様々な光学ミラー、ならびに前方散乱光、側方散乱光および蛍光用の検出器群で構成される。フローサイトメータは、例えばノルウェーのオプトフロー社(Optoflow)製品のMicrocyte(登録商標)、またはベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー社(Becton, Dickinson and Company )のBDバイオサイエンシズ(BD Biosciences)のBD FACSCalibur(商標)機器など、いくつかの供給元からすでに入手可能である。さらに、様々な企業や機関が、そのフローサイトメトリー分析の実績および/またはフローサイトメータに関する使用時間を発表している。
分析の初めに、試料が移送用液体の中心に送り込まれる。保護流(Mantelstrom )により細胞が分離され中心に集められるが、これは試料の流れに比べて移送用液体の流速が高いことにより為される。圧力下にある液体系によって、ここで個々の細胞が光学系の励起光源を継続的かつ一定の速度で通過する。
細胞に当たるレーザー光は、まず2方向に散乱する。2〜15°の角度で「前方」に向けられる散乱光(FSCつまり前方散乱)と15〜90°の角度で「側方」に向けられる散乱光(SSCつまり側方散乱)は、細胞の大きさおよび粒状性の指標である。さらに、適切な光学フィルタを備えた様々なレーザー(例えばアルゴンまたはヘリウム‐ネオンレーザー)または水銀圧力ランプを介した光子の放出について様々な蛍光色素を励起させることが可能である。その後、この光子を適切なセンサーで検出する。得られた計測値を、コンピュータ上でヒストグラムまたはドット・プロットの形式に視覚化する。
しかし、フローサイトメトリーは、今まで非常に小さなスケールの微生物学的試験にしか使用されたことがない。FISH法とフローサイトメトリーを組み合わせるという最初の試みは、ウォルナー(Wallner )によって成された(非特許文献7〜9)。
従来技術に記載の方法の不都合は、繰り返しになるが、比較的長時間を要する手法であること(3時間のハイブリダイゼーション時間、ハイブリダイゼーションと洗浄の間の遠心分離工程、0.5時間の洗浄時間)、このように時間を要する手法の結果にしては特異性が不確実な方法であること、ならびにグラム陽性細菌の検出にはこの方法は不適当であることである。
ワグナー、エム(Wagner, M.)、アール アマン(R. Amann)、エイチ レンマー(H. Lemmer )およびケー エイチ シュライファ(K. H. Schleifer )、1993年、「プロテオバクテリア特異的オリゴヌクレオチドを用いた活性汚泥の探査:微生物共同体の構造に関する培養依存的記述方法の欠点(Probing activated sludge with oligonucleotides specific for proteobacteria: inadequacy of culture-dependent methods of describing microbial community structure )」、アプライド・アンド・エンバイロメンタル・マイクロバイオロジー誌(Appl.Environ.Microbiol. )第59巻、p.1520〜1525ページ ヒライシ、エー(Hiraishi, A.)、1988年、「活性汚泥中の様々な細菌集団を同定するツールとしての呼吸系キノンプロファイル(Respiratory quinone profiles as tools for identifying different bacterial populations in activated sludge )」、ジャーナル・オブ・ジェネラル・アンド・アプライド・マイクロバイオロジー誌(J. Gen. Appl. Microbiol.)第34巻、p.39〜56 ブリグモン、アール エル(Brigmon, R. L.)、ジー ビトン(G. Bitton )、エス ジー ザム(S. G. Zam )、およびビー オブライエン(B. O'Brien)、1995年、「チオスリックス属菌に対するモノクローナル抗体の開発と応用(Development and application of a monoclonal antibody against Thiothrix spp. )」、アプライド・アンド・エンバイロメンタル・マイクロバイオロジー誌(Appl.Environ.Microbiol. )第61巻、p.13〜20ページ アマン(Amann )ら、1990年、ジャーナル・オブ・バクテリオロジー誌(J. Bacteriol)、第172巻、p.762 アマン、アール アイ(Amann, R. I.)、ダブル ルートウィヒ(W. Ludwig )、およびケー エイチ シュライファ(K.-H. Schleifer )、1995年、「個々の微生物細胞の培養を伴わない系統学的同定とin situ検出(Phylogenetic identification and in situ detection of individual microbial cells without cultivation )」、マイクロバイオロジカル・レビュー誌(Microbiol.Rev.)第59巻、p.143〜169 ウース、シー アール(Woese, C. R.)、1987年、「細菌の進化(Bacterial evolution )」、マイクロバイオロジカル・レビュー誌(Microbiol.Rev.)第51巻、p.221〜271 ウォルナー、ジー(Wallner, G. )ら、1993年、サイトメトリー誌(Cytometry )第14巻第2号、p.136〜143 ウォルナー、ジー(Wallner, G. )ら、1995年、アプライド・アンド・エンバイロメンタル・マイクロバイオロジー誌(Appl.Environ.Microbiol. )第61巻第5号、p.1859〜1866 ウォルナー、ジー(Wallner, G. )ら、1997年、アプライド・アンド・エンバイロメンタル・マイクロバイオロジー誌(Appl.Environ.Microbiol. )第63巻第11号、p.4223〜4231
本発明の目的は、前述の従来技術における不都合を克服することであり、微生物を特異的に、簡単に、再現性よく、確実に、迅速かつ客観的に検出することが可能な方法を提供することである。
本発明によれば、前述の目的は独立請求項に示す特徴により解決される。さらなる実施形態は従属請求項に示す特徴から明らかとなろう。
試料中の微生物を特異的に検出するための本発明の方法の実施態様は、以下の工程、すなわち
a)試料中に含まれる微生物を固定化する工程と、
b)ハイブリダイゼーションさせるために、固定化微生物をハイブリダイゼーション溶液に含めた核酸プローブ分子と共にインキュベートする工程(ハイブリダイゼーション工程)と、
c)核酸プローブ分子と共にインキュベートした固定化微生物に洗浄溶液を添加する工程(洗浄工程)と、
d)ハイブリダイズした核酸プローブ分子を有する微生物をフローサイトメトリーにより検出する工程と
からなり、ハイブリダイゼーション工程b)と洗浄工程c)の間にハイブリダイゼーション溶液を取り除かないことを特徴とする。
好ましい実施形態では、該方法は、固定化工程a)とハイブリダイゼーション工程b)の間に、試料を乾燥させて固定剤を除去する工程i)をさらに含む。
さらに好ましい実施形態では、本発明による方法は固定化工程a)とハイブリダイゼーション工程b)の間、または乾燥工程i)とハイブリダイゼーション工程b)の間に、固定化微生物を溶解させる工程ii)をさらに含む。
したがって、試料中の微生物を特異的に検出するための本発明の方法の特に好ましい実施形態は、以下の工程、すなわち
a)試料中に含まれる微生物を固定化する工程と、
i)試料を乾燥し、固定剤を除去する工程と、
ii)試料中に含まれる細胞を完全に溶解させる工程と、
b)固定化され、溶解された細胞を、ハイブリダイゼーションさせるために核酸プローブ分子と共にインキュベートする工程と、
c)洗浄溶液を添加する工程と、
d)ハイブリダイズした核酸プローブ分子を有する微生物を、フローサイトメータで検出する工程と
を備え、工程b)および工程c)の間に、核酸プローブ分子を含むハイブリダイゼーション溶液が取り除かれないことを特徴とする。
任意選択で、最初の工程の前に、試験しようとする試料に含まれる細胞を濃縮するための短時間培養を実施する。
さらなる実施形態では、洗浄工程後に遠心分離することなくこの方法を行うことが可能である。遠心分離の手間を完全に省くことにより、本発明の方法をさらに迅速かつ簡単に行うことが可能となる。
本発明の範囲内において、微生物の「固定化」は、細菌の被膜に核酸プローブのための透過性を与える処理を意味すると理解される。固定化には、たいていエタノールが使用される。この技法を用いても核酸プローブが細胞壁を透過できない場合、当業者であれば同じ結果に導く十分な数の他の技法を知っていよう。その技法には、例えば、メタノール、
アルコール化合物の混合物、低濃度のパラホルムアルデヒド溶液または希釈ホルムアルデヒド溶液などが使用される。
本発明の範囲内において、「乾燥」は、固定液が完全に蒸発するまで高温で試料を脱水処理することを意味すると理解される。
本発明の範囲内において、「細胞を完全に溶解させる」は、細胞を酵素的に処理することを意味すると理解される。この処理によって、グラム陽性細菌の細胞壁に、核酸プローブ分子の透過性が与えられる。この目的には、例えば、水に溶解して濃度0.1〜10mg/mlとしたリゾチームが適している。しかし、例えばムタノリシン(Mutanolysin )またはプロテイナーゼKなどの他の酵素も、単独または組み合わせて使用することが可能である。適切な濃度および溶媒は、当業者によく知られている。本発明による方法がグラム陰性細菌の分析にも適していること、すなわち、細胞を完全に溶解させるための酵素的処理は適宜実施すればよいので全く行わずに済ますことも可能であること、は言うまでもない。
本発明の範囲内において、固定化された細菌を「ハイブリダイゼーション」のために蛍光標識された核酸プローブ分子と共にインキュベートする。その時、オリゴヌクレオチドと該オリゴヌクレオチドに連結されたマーカーから成るこの核酸プローブ分子は、細胞壁を透過し、細胞内の核酸プローブ分子に対応する標的配列に結合することが可能である。結合とは、相補的な核酸断片間の水素結合の形成として理解されるべきである。
ここで核酸プローブ分子は染色体DNAまたはエピソームDNAに相補的なものでよいが、検出すべき微生物のmRNAまたはrRNAに相補的でもよい。検出すべき微生物中に複数のコピーとして存在する領域に相補的な核酸プローブ分子を選択すると好都合である。検出すべき配列は、細胞当たり500〜100,000コピー存在することが好ましく、特に細胞当たり1,000〜50,000コピー存在することが好ましい。このような理由から、rRNAを標的部位として用いることが好ましい。というのも、タンパク質生合成の場としてのリボソームは各活性細胞に何千倍もの数で存在するからである。
本発明が意味する核酸プローブ分子は、通常12〜1,000ヌクレオチド、好ましくは12〜500ヌクレオチド、さらに好ましくは12〜200および12〜100ヌクレオチド、特に好ましくは12〜50および14〜40および15〜30ヌクレオチド、最も好ましくは16〜25ヌクレオチドからなるDNAプローブまたはRNAプローブであってよい。核酸プローブ分子は、適切な相補配列が検出すべき微生物に存在するか否かの基準に従って選択される。配列は、一方で検出すべき微生物に特異的であり、かつ他方では核酸プローブ分子を入れるのに都合が良い、すなわちリボソームタンパク質やrRNAの二次構造で覆われていない場合に適切である。規定の配列を選択することで、細菌の種、細菌の属または細菌群全体を検出することが可能である。15ヌクレオチドのプローブでは、その配列は100%相補的でなければならない。15ヌクレオチドより長いオリゴヌクレオチドでは、1つ以上のミスマッチが許容される。
本発明の範囲内において、核酸プローブ分子は適切なハイブリダイゼーション溶液と共に用いられる。この溶液の適切な組成は、当業者によく知られている。このようなハイブリダイゼーション溶液は、有機溶剤、具体的にはホルムアミドを、0%〜80%の濃度で含み、0.1mol/l〜1.5mol/lの塩濃度(好ましくはNaCl)を有する。また、0%〜0.2%の濃度の界面活性剤(通常はSDS)と、溶液を緩衝するのに適切な緩衝基質(例えば、トリス塩酸塩(トリス‐HCl)、クエン酸ナトリウム、HEPES、PIPESまたは類似物質)を通常0.01mol/l〜0.1mol/lの濃度で含む。通常、ハイブリダイゼーション溶液は6.0〜9.0のpHを有する。
ハイブリダイゼーション溶液中の核酸プローブの濃度は、その標識の種類および標的構造体の数によって決まる。迅速で効率的なハイブリダイゼーションを可能にするため、核酸プローブ分子の数は標的構造体の数よりも数桁多くなければならない。しかし、核酸プローブ分子の蛍光標識のレベルが高すぎると、バックグラウンドの蛍光が高くなることに留意しなければならない。したがって、核酸プローブ分子の濃度は0.5〜500ng/μlの間の範囲でなければならない。本発明の方法の範囲内では、使用される各核酸プローブ分子の好ましい濃度は、ハイブリダイゼーション溶液1μlに対して1〜10ngである。使用されるハイブリダイゼーション溶液の容量は、8μl〜100mlであるべきであり、本発明の方法の好ましい実施形態では10μl〜1000μl、特に好ましいのは20μl〜200μlである。
本発明の方法は、酵素による溶解を行う場合、使用されるハイブリダイゼーション溶液の濃度および容量を、前工程で用いられる酵素溶液の容量に応じて調整することを特徴とする。酵素とハイブリダイゼーション溶液の混合直後に、ハイブリダイゼーション溶液に含まれる化学物質は検出反応の特異性に必要とされる濃度で存在する。同時に、ハイブリダイゼーション溶液は、細胞を溶解するための酵素反応がハイブリダイゼーション溶液の添加により停止するような組成とする。このようにして、必要とされている酵素溶液を取り除くための別の作業工程を行わずに、試験試料の酵素処理の時間を非常に的確に制御することが可能となる。
ハイブリダイゼーションの時間は通常10分〜12時間であり、好ましくはハイブリダイゼーションの時間は約1.5時間である。ハイブリダイゼーション温度は、好ましくは44℃〜48℃、特に好ましくは46℃であり、このときハイブリダイゼーション温度のパラメータならびにハイブリダイゼーション溶液の塩および界面活性剤の濃度は、核酸プローブ、特にその長さおよび検出すべき細胞内の標的配列に対する相補性の高さに依存して最適化されてもよい。当業者であれば適切な算定に詳しい。
本発明によれば、核酸プローブ分子が検出可能なマーカーと共有結合していることがさらに好ましい。この検出可能なマーカーは次のマーカー群:
蛍光マーカー、
化学発光マーカー、
放射性マーカー、
酵素活性基、
ハプテン、
ハイブリダイゼーションにより検出可能な核酸
から選択されることが好ましい。
検出可能なマーカーは、好ましくは蛍光マーカーである。
本発明の範囲内では、洗浄溶液を添加することにより、結合していない核酸プローブ分子の「除去」または「置換」を行う。要するに、従来技術とは対照的に、ハイブリダイゼーション溶液は、洗浄工程より前に例えば遠心分離工程により取り除かれるのではない。この洗浄溶液の適切な組成は当業者によく知られている。必要に応じて、この洗浄溶液に0.001〜0.1%のSDSなどの界面活性剤、ならびに0.001〜0.1mol/lの濃度のトリス塩酸塩(Tris‐HCl)を含めてもよく、このときトリス塩酸塩(Tris‐HCl)のpHは6.0〜9.0の範囲である。界面活性剤を含めることは可能であるが、絶対に必要なわけではない。さらに、洗浄溶液は通常NaClを含み、必要とされるストリンジェンシーによるがその濃度は0.003mol/l〜0.9mol/l、好ましくは0.01mol/l〜0.9mol/lである。同様に、洗浄溶液にはEDTAを含めてもよく、その濃度は好ましくは0.005mol/lである。さらに、洗浄溶液に当業者に知られている適切な量の防腐剤を含めることも可能である。
本発明による方法は、使用される洗浄溶液の濃度および容量を、前工程で使用されるハイブリダイゼーション溶液の容量に応じて調整することを特徴とする。ハイブリダイゼーション溶液と洗浄溶液の混合直後、洗浄溶液に含まれる化学物質は検出反応の特異性に必要とされる濃度で存在する。本発明の方法とは対照的に、従来技術ではハイブリダイゼーション溶液は最初に(遠心分離工程などで)取り除かれ、その後洗浄溶液が添加される。この方法では混合反応物の温度が室温まで下がり、検出反応について非特異的な偽陽性結果が生じる。これに対し、本発明による方法を用いれば、ハイブリダイゼーションおよび洗浄の手順の間ずっと確実に温度を一定に維持することが可能であり、このようにして初めて検出方法の特異性が保証される。
本発明の方法が従来技術と比べて特異性に優れていることは、様々なプローブ分子および様々な試料、すなわち様々な微生物を用いて証明することが可能であるだろう。特異性の向上は、主に、ハイブリダイゼーション溶液をハイブリダイゼーション工程と洗浄工程の間に取り除かず、検出すべき細胞およびハイブリダイゼーション溶液に洗浄溶液を添加するということに起因する。
非常に良好な結果が得られるのは、ハイブリダイゼーション溶液の容量が50〜150μl、特に好ましくは80〜120μlで、かつ同溶液が1〜3倍、特に好ましくは1〜1.5倍に濃縮されており、さらに洗浄溶液の容量が20〜50μl、特に好ましくは30〜40μlで、かつ同洗浄溶液が3〜6倍、特に好ましくは4〜5倍に濃縮されている時である。
結合していない核酸プローブ分子は、通常44℃〜52℃の範囲、好ましくは44℃〜50℃の範囲、および特に好ましくは46℃で、10〜40分間、好ましくは15分間、「洗い落とし」される。
次いで、核酸プローブ分子が(例えば、共有結合による核酸プローブ分子とマーカーとの連結によって)検出可能であれば、特異的にハイブリダイズした核酸プローブ分子が各細胞において検出される。検出可能なマーカーとしては、例えば、CY2(米国アーリントンハイツ(Arlington Heights )所在のアマシャムライフサイエンシーズ・インコーポレイテッド(Amersham Life Sciences, Inc.)から入手可能)、CY3(これもアマシャムライフサイエンシーズから入手可能)、CY5(これもアマシャムライフサイエンシーズから入手可能)、FITC(米国ユージーン(Eugene)所在のモレキュラプローブズ・インコーポレイテッド(Molecular Probes Inc. ))、FLUOS(独国マンハイム(Mannheim)所在のロシュダイアグノスティクス・ゲーエムベーハー(Roche Diagnostics GmbH)から入手可能)、TRITC(米国ユージーン所在のモレキュラプローブズ・インコーポレイテッドから入手可能)、6‐FAM、またはFLUOS‐PRIMEなどの蛍光基が用いられ、これらは当業者に周知である。化学マーカー、放射性マーカー、または酵素マーカー(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、酸性ホスファターゼ、アルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼ)も使用することができる。これらの酵素のそれぞれについて、天然の基質の代わりに変換されて着色生成物または蛍光生成物になる多数の色原体が知られている。このような色原体の例を以下の表に列挙する。
Figure 2005525804
最後に、ハイブリダイゼーションに適した別の核酸配列が核酸プローブ分子の5’または3’末端に存在するように、核酸プローブ分子を作成することが可能である。この核酸配列もまた、約15〜1,000個、好ましくは15〜50個のヌクレオチドを含む。この第2の核酸領域もまた、前述の薬剤の1つによって検出可能な核酸プローブ分子によって検出することができる。
もう1つの可能性は、検出可能な核酸プローブ分子とハプテンの結合であり、結合の後、ハプテンとハプテンを認識する抗体とを接触させればよい。このようなハプテンの一例としてジゴキシゲニンを挙げることができる。前述の例に加えて他の例が専門家に周知である。
前述のように標識された細胞の最終的な検出はフローサイトメータで行われる。この計測で得られた値を、コンピュータ上でヒストグラムまたはドット・プロットの形式で視覚化し、含まれる細菌の種類および量について信頼できる供述を可能にする。
さらに、微生物を特異的に検出するための少なくとも1つの核酸プローブ分子を、好ま
しくは既に適切なハイブリダイゼーション溶液に含めた状態で含む、本発明の方法を実行するためのキットが提供される。適切な洗浄溶液、固定液に加え、細菌溶解のための溶液および任意選択で反応容器も含まれることが好ましい。
したがって、本発明による方法の重要な利点は、操作が非常に容易であるだけでなく、迅速で、再現性良く、信頼性高くかつ客観的に試料中の微生物を特異的に検出可能であることである。
別の利点は、溶液中でin situ ハイブリダイゼーションするという有利な方法を、今回初めてグラム陽性の生物体についても実施可能になることである。したがって、FISH法とフローサイトメトリーを組み合わせた利点が、初めてグラム陽性の生物体の分析に使用され得る。
さらに別の利点はそのハイブリダイゼーション時間であり、従来技術と比べて3時間から好ましくは1.5時間に短縮される。
さらに別の利点は、この方法の特異性である。ここで、使用される洗浄溶液の濃度および容量を、その前の工程で使用されるハイブリダイゼーション溶液の容量に応じて調整することが重要である。ハイブリダイゼーション溶液と洗浄溶液を混合するとそのまま、洗浄溶液に含まれる化学物質は検出反応の特異性に必要とされる濃度で存在することになる。従来技術の技法では、まずハイブリダイゼーション溶液を(遠心分離工程などで)取り除いてしまってから洗浄溶液を添加することが可能になる。この方法では、反応混合物の温度が室温に下がる。このような低温では、ハイブリダイゼーション反応で用いた核酸プローブ分子が、同核酸プローブ分子の正確な標的部位を含まず類似しているだけの配列を含む細胞にも非特異的に結合する。最終検出工程では、核酸プローブ分子の非特異的な結合により標識されているこのような非標的細胞も検出される。その結果、偽陽性結果となる。これに対し、本発明による方法を用いれば、ハイブリダイゼーションおよび洗浄手順の間中ずっと確実に温度が一定に維持され、その結果として検出方法の特異性が初めて保証される。
さらに別の利点は、その洗浄時間であり、従来技術に比べて30分から好ましくは15分に短縮される。
本発明の方法により検出される微生物は、原核微生物でも真核微生物でもよい。たいていの場合、単細胞の微生物を検出することが求められるであろう。この単細胞微生物は、より大きな集合体、いわゆる糸状体で存在していてもよい。適切な微生物は、特に酵母、藻類、細菌または真菌である。
本発明の方法は、様々な様式で使用可能である。
例えば、環境試料を、微生物の存在に関して試験してもよい。このような試料は空気、水から集められてもよく、土壌から採取されてもよい。
本発明の方法を応用する別の分野は、食品管理である。好ましい実施形態では、牛乳または乳製品(ヨーグルト、チーズ、スイート・チーズ、バター、バターミルク)、飲料水、飲料(レモネード、ビール、ジュース)、ベーカリー製品または肉製品から食品試料を得る。
本発明の方法を、さらに医学的な試料を試験するのに使用してもよい。例えば肺、腫瘍組織または炎症組織由来の生検材料などの組織試料、汗、唾液、精液などの分泌物、および鼻、尿道、膣由来の排出物に加えて尿や大便試料を分析するのに適する。
本発明を応用する別の分野は、例えば、活性汚泥、汚泥(スラッジ)または嫌気性汚泥
などの汚水の試験である。これ以外には、産業プラントにおけるバイオフィルム分析の他に、自然に形成するバイオフィルムまたは汚水浄化において形成するバイオフィルムの試験にも適する。例えば軟膏、クリーム剤、チンキ剤、分泌液などの医薬品および化粧品の試験にも本発明の方法を用いることが可能である。
以下の実施例は、本発明を限定することなく例示することを目的とする。
(ビールに対して有害な乳酸桿菌の検出を例とする微生物を特異的に検出するための複合型の方法)
供試試料を適切な方法で24〜48時間培養する。様々な適切な方法および培養培地が当業者によく知られている。一定分割量(例えば2ml)の培養物を適切な反応容器に移し、そこに含まれる細胞を遠心分離(室温、4000×g、5分間)で沈殿させる。
その後、適切な容量(好ましくは20μl)の固定液を添加し、固定液が完全に蒸発するまで、開放状態の反応容器を37℃以上でインキュベートする。
適切な容量の酵素溶液(好ましくはリゾチーム30〜40μl[1mg/ml水溶液])を添加し、試料を室温で7分間インキュベートする。
その後、ビールに対して有害な乳酸桿菌を特異的に検出するための標識核酸プローブ分子を含む適切な容量(好ましくは90〜120μl)の1.33倍濃縮ハイブリダイゼーション溶液を添加し、試料をインキュベートする(46℃、1.5時間)。
その後、適切な容量の5倍濃縮洗浄溶液(好ましくは30〜40μl)を添加し、試料を46℃でさらに15分間インキュベートする。
その後、試料を遠心分離する(室温、4000×g、5分間)。上清を捨て、ペレットを適切な容量のリン酸緩衝液(好ましくは100〜200μl)に溶解させる。
こうして調製された試料を、フローサイトメータ(例えばノルウェーのオプトフロー社製Microcyte(登録商標))で分析する。
(乳酸桿菌の検出を例とする微生物を特異的に検出するための複合型の方法)
1.材料
1.1 供試微生物
Figure 2005525804
DSMと記載されている菌株は、DSMZ(ドイツ微生物・培養細胞保存機関(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH )、ドイツ連邦共和国ブラウンシュバイク所在)から入手可能である。WSB L32株およびTUM 618株は、WSB(醸造工学I学部(Faculuty of Technology of Brewery I )、ドイツ連邦共和国フライジング・ヴァイヘンシュテファン所在)およびミュンヘン工科大学TUM(微生物学部、ドイツ連邦共和国フライジング・ヴァイヘンシュテファン所在)の研究室保存菌由来の菌株である。
1.2 供試培地
(培地11(M11):MRS培地)
カゼイン・ペプトン、トリプシン消化 10.00g
肉エキス 10.00g
酵母エキス 5.00g
グルコース 20.00g
Tween80 1.00g
リン酸一水素カリウム(KHPO) 2.00g
酢酸ナトリウム 5.00g
クエン酸二アンモニウム 2.00g
硫酸マグネシウム七水和物 0.20g
硫酸マンガン一水和物 0.05g
蒸留水 加えて1000.00mlとする
pHを6.2〜6.5に調整する。
(培地231(M231):ペディオコッカス・ダムノサス培地)
培地11(MRS培地)のpHを5.2に調整する。
(培地1(M1):ニュートリエント培地)
ペプトン 5.0g
肉エキス 3.0g
蒸留水 加えて1000.00mlとする
pHを7.0に調整する。
前述のすべての細菌培養用培地は、DSMZ(ドイツ微生物・培養細胞保存機関(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH )、ドイツ連邦共和国ブラウンシュバイク所在)、ドイツ、ブラウンシュワイク所在)から市販されている。
1.3 供試溶液
Figure 2005525804
2.実施態様
試験しようとする細菌培養物の濃縮を、前述の「1.1 供試微生物」の項目で述べたように実施した。その後、一定分割量(1〜2ml)の培養物を反応容器に移し、含まれている細胞を遠心分離(室温、4000×g、5分間)によりペレットとした。
上清を捨て、固定液(99.8%エタノール)15μlを細胞ペレットに添加し、固定液が完全に蒸発するまで、開放状態の反応容器を46℃でインキュベートした。
その後、酵素溶液(リゾチーム[1mg/ml水溶液])40μlを添加し、試料を室温で7分間インキュベートした。
その後、Cy5標識した核酸プローブ分子(Lgc‐354a 5’‐TGGAAGATTCCCTACTGC‐3’)を含む1.5倍濃縮ハイブリダイゼーション溶液80μlを添加し、試料をインキュベートした(46℃、1.5時間)。
その後、4倍濃縮洗浄液溶液40μlを添加し、試料を46℃でさらに15分間インキュベートした。
その後、試料を遠心分離した(室温、4000×g、5分間)。上清を捨て、ペレットを適切な容量のリン酸緩衝液(好ましくは100〜200μl)に溶解させた。この最後の遠心分離工程は任意であり、代替例として、いずれの遠心分離工程も行わずに洗浄工程の後に直接試料を測定することも可能である。
この方法で調製した試料を、MC2200ソフトウェア(ノルウェー所在のオプトフロー社)を用いてフローサイトメータ(ノルウェー所在のオプトフロー社のMicrocyte(登録商標))で分析した。さらに、http://facs.scripps.edu/software.html から無料で入手可能なプログラムであるソフトウェアWinMDI2.8(フローサイトメトリー用ウィンドウズ(登録商標)・マルチプル・ドキュメント・インターフェース(Windows Multiple Document Interface ))を、読取りデータのグラフの事後編集に使用した。
(代替方法)
代替方法として、試料の一定分割量を遠心分離した後に上清を捨て、酵素溶液(リゾチーム[1mg/ml水溶液])5μlを細胞ペレットに添加し、試料を室温で7分間インキュベートした。
その後、固定液(99.8%エタノール)10μlを添加し、固定液が完全に蒸発するまで、開放状態の反応容器を46℃でインキュベートした。
この場合、次のハイブリダイゼーション工程を、1倍濃縮ハイブリダイゼーション溶液120μlを(1.5倍濃縮溶液80μlの代わりに)添加することによって実施した。他のすべての工程は変えなかった。
3.結果
顕微鏡による目視検査とは対照的に、非特異的な結合または人為的結果と特異的シグナルとを識別する可能性は、これらの事象が同じような規模範囲で起こる場合、フローサイトメトリーでは非常に限定される。
従って閾値または検出限界値を設定することが必要不可欠である。この限界値を下回る読取りデータはバックグラウンドとして判断され、この限界値を上回る読取りデータは陽性結果として評価される。
この検出限界値は、純水、1×PBS、プローブなしでハイブリダイゼーション処理された細胞、結合性のないオリゴヌクレオチド・プローブを用いてハイブリダイゼーション処理した細胞を計測することにより決定され、9×10カウント/mlであった。
3.1 陰性結果
図1に供試プローブの標的ではない微生物を用いて得られた結果を示す。得られた値は、それぞれ1.0×10〜3.1×10カウント/ml(洗浄後の遠心分離工程あり、図1のA〜C)、または4.5×10〜6.7×10カウント/ml(洗浄後の遠心分離工程なし、図1のD〜F)であり、検出限界値を明らかに下回っていた。最終の遠心分離工程がある場合は、この工程がない場合よりも値が低くなったが、最終の遠心分離工程がなくても分析をうまく行うことが可能であった。
3.2 陽性結果
図2に供試プローブの標的微生物を用いて得られた結果を示す。得られた値はすべて、検出限界を明らかに上回った。純培養および混合培養の分析で得られた読取りデータ(図2のG〜L)は安定しており、互いに比較可能であった。異なる量の細胞(それぞれ1mlまたは2mlの培養物を処理)における読取りデータも、乳酸菌(Lactobacillus brevis)ならびにペディオコッカス・ダムノサス(Pediococcus damnosus)のいずれにおいても良い相関関係を示した。
乳酸菌(Lactobacillus brevis)(図2のI、JおよびLを参照)およびペディオコッカス・ダムノサス(Pediococcus damnosus)(図2のGおよびHを参照)の細胞の計測に
より、再現性のある読取りデータだけでなく、細胞の形態に依存する個々の事象の様々な分布状態も得られた。
得られたプロットの形状の違いは、形態(ペディオコッカス・ダムノサス=球菌、乳酸菌=桿菌)の違いにより主に説明することが可能である。さらに、培養物それぞれの均質性または不均質性は、異なる様式で提示されることで明らかになる。この方法では、本質的に同じサイズで同じ形状の細胞で構成されるペディオコッカス・ダムノサスの培養物は、円錐状に提示される(図2のGおよびHを参照)。非常に様々な形態およびサイズ(短いもの、長いもの、部分的にフィラメント様構造を有する桿状のもの)の細胞で構成される乳酸菌の非常に不均質な培養物についての個々の読取りデータの分布は、三角形に似た形状に提示される(図2のI、JおよびL)。図のKに示される乳酸菌およびペディオコッカス・ダムノサスの混合培養物を計測した個々の事象の分布は、両方とも1回の読取りにおいて異なる分布形を示す。
陰性結果を有するいくつかの実験結果を示す図。 A:プローブLgc‐354aを用いて染色された黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus )細胞の密度プロット;読取りデータ:1.3×10カウント/ml。 B:プローブLgc‐354aを用いて染色された大腸菌(Escherichia coli)細胞の密度プロット;読取りデータ:1.0×10カウント/ml。 C:プローブLgc‐354aを用いて染色されたサルモネラ・コレラスイス(Salmonella cholerasuis)細胞の密度プロット;読取りデータ:3.1×10カウント/ml。 D:プローブLgc‐354aを用いて染色された黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus )細胞の密度プロット;読取りデータ:4.5×10カウント/ml。 E:プローブLgc‐354aを用いて染色された大腸菌(Escherichia coli)細胞の密度プロット;読取りデータ:5.2×10カウント/ml。 F:プローブLgc‐354aを用いて染色されたサルモネラ・コレラスイス(Salmonella cholerasuis)細胞の密度プロット;読取りデータ:6.7×10カウント/ml。
陽性結果を有するいくつかの実験結果を示す図。 G:プローブLgc‐354aとハイブリダイズさせたペディオコッカス・ダムノサス(Pediococcus damnosus)細胞1mlの密度プロット;読取りデータ:5.2×10カウント/ml。 H:プローブLgc‐354aとハイブリダイズさせたペディオコッカス・ダムノサス細胞2mlの密度プロット;読取りデータ:9.8×10カウント/ml。 I:プローブLgc‐354aを用いて検出された乳酸菌(Lactobacillus brevis)細胞1mlの密度プロット;読取りデータ:6.16×10カウント/ml。 J:プローブLgc‐354aを用いて検出された乳酸菌細胞2mlの密度プロット;読取りデータ:1.27×10カウント/ml。 K:プローブLgc‐354aを用いて染色されたペディオコッカス・ダムノサス細胞1mlと乳酸菌細胞1mlとの混合物の密度プロット;読取りデータ:1.6×10。 L:プローブLgc‐354aを用いて検出された乳酸菌細胞1mlの密度プロット;読取りデータ:6.34×10カウント/ml。 G〜K:洗浄工程後の遠心分離あり;L:洗浄工程後の遠心分離なし。

Claims (8)

  1. in situハイブリダイゼーションおよびフローサイトメトリーにより試料中の微生物を検出する方法であって、
    a)試料中に含まれる微生物を固定化する工程と、
    b)ハイブリダイゼーションするために、該固定化微生物をハイブリダイゼーション溶液に含めた核酸プローブ分子と共にインキュベートする工程(ハイブリダイゼーション工程)と、
    c)該核酸プローブ分子と共にインキュベートした該固定化微生物に洗浄溶液を添加する工程(洗浄工程)と、
    d)核酸プローブ分子がハイブリダイズした該微生物をフローサイトメトリーにより検出する工程と
    からなり、
    該ハイブリダイゼーション溶液を、ハイブリダイゼーション工程b)と洗浄工程c)の間に取り除かないことを特徴とする方法。
  2. 固定化工程a)およびハイブリダイゼーション工程b)の間に、
    i)試料を乾燥させて固定剤を除去する工程
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 固定化工程a)とハイブリダイゼーション工程b)の間、または乾燥工程i)とハイブリダイゼーション工程b)の間に個別に
    ii)固定化微生物を溶解させる工程
    をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記微生物が酵母、細菌、藻類または真菌である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 微生物がグラム陽性細菌である、請求項3に記載の方法。
  6. 核酸プローブ分子が検出可能なマーカーと共有結合しており、該検出可能なマーカーが蛍光マーカー、化学発光マーカー、放射性マーカー、酵素活性基、ハプテン、ハイブリダイゼーションにより検出可能な核酸からなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 洗浄工程が30分未満で行われる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 洗浄工程が20分以下、好ましくは15分以下で行われる、請求項7に記載の方法。
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