JP2005523700A - 所定の配列および長さの一本鎖生成物を生産するためのdnaの増幅 - Google Patents

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Abstract

本開示は、所定の配列および長さの一本鎖DNA分子を生成させるための方法に関する。具体的には、目的とする配列を含む鋳型の領域をPCRまたはRCAによって増幅し、増幅に使用するプライマーまたはプローブにより外来配列を導入し、二本鎖の増幅物を一本鎖の増幅物に変換し、そして、一本鎖の増幅物をトリミングして所定の配列および長さの短い一本鎖DNA分子を生成させる。

Description

本開示は、概して、目的とするヌクレオチド配列を含む鋳型から所定の配列および長さの一本鎖DNA分子を生成させるための方法に関する。具体的に本開示は、所定の配列および長さの短い一本鎖DNA分子を生成させるための方法を提供するものであり、その方法は、特別に設計したプライマーまたはプローブを用いて鋳型のリニア増幅またはノンリニア増幅を行い、必要に応じて二本鎖の増幅生成物を一本鎖の増幅生成物に変え、そして、一本鎖の増幅生成物をトリミングして所定の配列および長さの必要なDNA分子を生成させることによるものである。
(目的とする配列の増幅)
核酸鋳型中の目的とするヌクレオチド配列を増幅する方法には、相当数のものが開発されている。それらには、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ローリングサークル増幅(RCA)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、自立配列複製(self-sustained sequence replication)(3SR)、核酸配列ベース増幅(nucleic acid sequence based amplification)(NASBA)、および鎖置換増幅(strand displacement amplification)(SDA)がある。
PCR増幅の現行法は、目的とするヌクレオチド配列に隣接する領域に対合する二つのプライマーを用いることを必要とし、それにより、プライマーでDNA複製が始まると目的とするヌクレオチド配列が複製されるようになる。変性工程により複製鎖を鋳型から分離して、同じプライマーを利用した複製を繰り返せば、目的ヌクレオチド配列を何倍も増幅することができる。
ローリングサークル増幅(RCA)は、等温増幅法であり、目的ヌクレオチド配列に隣接する領域において、環化可能な一本鎖プローブをRNAまたは変性DNAのような鋳型に対合させ、プライマー伸長および/またはライゲーションを用いて該鎖を環状にし、次いで環内の配列を選択的に増幅し、必要に応じて非環状の生成物を消化により除去する、方法である。
(目的とする配列のリニアおよびノンリニア増幅)
目的とする配列の増幅は、たとえば、Rabanni他の欧州特許EP0,971,039に記載されているように、リニアまたはノンリニアな態様で行うことができる。目的配列のリニア増幅は、開始混合物が多数の目的配列のコピーを含む場合に、用いることができる。一般に、リニア増幅では、一つの開始プライマー、プローブ、またはその他の核酸構成物を用いて増幅工程を行う。
目的とする部位のノンリニア増幅は、開始混合物に存在する目的配列のコピー数が少ないとき、しばしば利用される。ノンリニア増幅により、存在する遺伝子の複製数は、指数関数的に増える。PCRおよびRCA、特に分枝態様のRCAは、ノンリニアな増幅の態様で、効果的に用いることができる(Lizardi他, 1998, Nature Genetics 19:225-232)。
(一本鎖DNAの生成)
多くの増幅法が二本鎖増幅物を生成させる一方、多くの用途は、目的配列を含む一本鎖DNA分子を必要とする。鎖を分離するか、あるいは、二重鎖のうち一方の鎖を除去することにより、二本鎖DNAを一本鎖DNAに変えることができる。鎖間の結合を破壊する熱的または化学的方法によって二重鎖を分離することができる。一方の鎖を除けば、必要な鎖を回収し、その相補鎖を排除することが可能になる。DNA二重鎖のうちの一方の鎖を選択的に除去する戦略の一つは、エキソヌクレアーゼによる消化、好ましくはエキソヌクレアーゼによる5’→3’消化を利用することであり、そこで、一方の鎖はエキソヌクレアーゼによる攻撃から守られている。
たとえば、ニキホロフ(Nikiforov)他への米国特許第5,518,900号の記載によれば、ホスホロチオエートヌクレオチド誘導体を修飾プライマーの5’末端に組み込むことによって、増幅に使用される二つのPCRプライマーのうち一つを修飾して、エキソヌクレアーゼ消化を受けないようにしている。PCRを用いて目的とする配列を増幅した後、二本鎖の増幅生成物をエキソヌクレアーゼ消化に供する。保護されていない鎖が5’→3’エキソヌクレアーゼで優先的に消化され、もう一方の鎖からなる一本鎖生成物が残る。
他の方法において、シェピノフ(Shchepinov)他は、5’−エキソヌクレアーゼ消化に抵抗性の分枝PCRプライマーを使用している。その結果、二本鎖増幅物をエキソヌクレアーゼで消化すると、エキソヌクレアーゼ抵抗性の分枝プライマーによって消化をまぬがれた一本鎖がもたらされた(Shchepinov 他, 1997, Nuc Acids Res 25:4447-4454)。この方法の欠点は、分枝プライマーの合成が困難であることと、得られるPCR生成物が分枝していることである。
一本鎖DNAを生成させる他の方法は、二本鎖増幅物のうち一方の鎖の5’末端をリン酸化することを利用する。その結果、好ましいラムダエキソヌクレアーゼ基質が生成する(Higuchi他, 1989, Nuc Acids Res 25:5685)。この方法により、リン酸化した鎖を選択的に減損させることができ、非リン酸化鎖を回収することができる。
(短い一本鎖DNAの生成)
所定の配列および長さの短い一本鎖DNA分子は、アレイなどの用途に必要となり、そこにおいて、望ましいサイズの範囲は、約45ヌクレオチド以下である。一本鎖DNA分子を生成させる方法は当該技術において知られているが、それらの方法は、必ずしも45ヌクレオチド以下の小さい分子を生成させるものではない。たとえば、上述した一本鎖DNAを生成させるための方法は、所定の配列および長さの短い一本鎖DNA分子を与えるものでない。ニキホロフ(Nikiforov)他への米国特許第5,518,900号は、二本鎖PCR増幅物から一本鎖DNA分子を生成させる方法を開示するが、得られるPCR生成物は、典型的に45ヌクレオチドより長い。シェピノフ(Shchepinov)他の方法は、典型的に45ヌクレオチドより長い分枝PCR生成物をもたらすものである(Shchepinov他, 1997, Nuc Acids Res 25:4447-4454)。同様に、ヒグチ(Higuchi)他の方法は、この望ましいサイズ範囲にない一本鎖DNA生成物を産するものである(Higuchi他, 1989, Nuc Acids Res 17: 5865)。
シャウ(Shaw)およびモック(Mok)は、特別に設計したオリゴデオキシリボヌクレオチドアダプターとクラスIIN制限エンドヌクレアーゼXcmIを用いた相互作用により、一本鎖DNAを複数のフラグメントに切断することを開示する(Shaw および Mok, 1993, Gene 133:85-89)。しかし、目的とするDNAへのハイブリダイゼーションおよびXcmIの添加の後、鋳型DNAは、完全近くまで特異的に切断される一方、ハイブリダイゼーション部位に近い鋳型上のヘアピン構造は、切断の効力を減じる。
ここに記載する本発明は、所定の配列および長さの一本鎖DNA分子を生成させるための方法であって、増幅、変換およびトリミングの諸工程を含むものに関する。本発明の一局面に従えば、少なくとも一つの目的とするヌクレオチド配列を有する鋳型の増幅は、目的とするヌクレオチド配列に存在しない少なくとも一つの外来ヌクレオチド配列を有する一以上のプライマーによって誘導され、そこにおいて、増幅工程により、少なくとも一つの目的とするヌクレオチド配列およびプライマーによって導入された少なくとも一つの外来ヌクレオチド配列を有する増幅物が生成される。本発明の他の局面によれば、変換工程を行ってもよい。増幅工程が、二本鎖増幅物を生成させる場合、当該方法は、変換工程を含み、この工程では、各二本鎖増幅物が一本鎖増幅物に変換される。増幅工程が一本鎖増幅物を生成させる場合、この変換工程は必要とならない。本発明の他の局面によれば、一本鎖増幅物は、トリミングされ、所定の配列および長さの一本鎖DNA分子を生成させる。
本発明の一局面によれば、増幅工程にポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて、二本鎖増幅物を生成させる。一態様において、マルチプレックスPCRを用いてもよい。増幅工程は、リニアまたはノンリニアな態様で行うことができる。増幅用鋳型は、ゲノムDNA、cDNAまたはRNAとすることができる。
本発明の他の局面において、増幅工程にはローリングサークル増幅(RCA)を用いる。種々の態様において、RCAは、二本鎖または一本鎖増幅物を生成させることができる。一つの態様において、リニアな態様でRCAを用い、一本鎖増幅物を生成させる。増幅工程は、リニアまたはノンリニアな態様において行うことができる。増幅用鋳型は、ゲノムDNA、cDNAまたはRNA(mRNAを含む)とすることができる。
一態様において、アドレス可能な(addressable)リガンド(たとえばビオチン)を増幅工程用プライマーにつけてもよい。他の態様において、増幅工程に使用されるプライマーによって導入される外来ヌクレオチド配列は、ヘアピン構造を形成する自己相補的配列を含んでもよい。ヘアピン構造を形成するこれらの自己相補的配列は、トリミング工程に用いられる制限酵素のための制限酵素認識部位を少なくとも一つ有することができ、適当な制限酵素には、II型制限酵素、たとえばEcoRI、IIS型制限酵素、たとえばFokIがある。
他の態様において、プライマーによって導入された単数または複数の外来ヌクレオチド配列は、該トリミング工程に用いられる制限酵素のための認識部位を形成できる単数または複数の配列を含み、そこにおいて、該制限酵素認識部位は、少なくとも一つの補助オリゴヌクレオチドを添加することで形成される。適当な制限酵素には、II型制限酵素、たとえばEcoRI、IIS型制限酵素、たとえばFokIがある。他の態様におて、補助オリゴヌクレオチドは、アドレス可能なリガンド(たとえばビオチン)がついた配列を少なくとも一つ含む。
本発明の他の局面によれば、該変換工程は、T7のような5’→3’エキソヌクレアーゼまたはラムダエキソヌクレアーゼを用いて二本鎖増幅物のうちの一方の鎖を消化することにより行うことができ、そこにおいて、増幅物は、少なくとも一つの目的とする配列と、増幅工程中プライマーによって導入された少なくとも一つの外来ヌクレオチド配列とを含む。好ましい態様において、プライマーにより導入された外来ヌクレオチド配列は、5’→3’エキソヌクレアーゼを用いる消化に対して抵抗性を与える修飾されたヌクレオチドを含み、たとえば、該ヌクレオチドはホスホロチオエート誘導体である。他の好ましい態様において、プライマーにより導入された外来ヌクレオチド配列は、5’→3’エキソヌクレアーゼを用いる消化に対して感受性を与える修飾されたヌクレオチドを含み、たとえば、該修飾ヌクレオチドはリン酸化されたものである。
本発明の他の局面において、所定の配列および長さの一本鎖DNA分子を生成させるための方法が提供され、該方法は、エキソヌクレアーゼ工程および補助オリゴヌクレオチドの必要性を回避するものである。当該方法は、少なくとも一つの目的とするヌクレオチド配列を含む鋳型を増幅すること(そこにおいて、該増幅は、該目的とするヌクレオチド配列に存在しない少なくとも一つの外来ヌクレオチド配列を有する少なくとも一つのプライマーによって誘導される)、少なくとも一つの目的とするヌクレオチド配列と少なくとも一つのプライマーによって導入された少なくとも一つの外来ヌクレオチド配列とを有する複数の二本鎖増幅物を生成させること、次いで所定の配列の一端において、各二本鎖増幅物にニック(切れ目)を入れ、かつ所定の配列の他端において、該二本鎖増幅物を切断し、所定の配列および長さのDNA分子を生成させること、ならびに、所定の配列および長さの一本鎖DNA分子を、その相補物および増幅物のプライマー二重鎖を含む増幅物の残りの部分から、最終的に分離することを含む。所定の配列および長さの該一本鎖DNA分子は、さらなる使用のため回収することができる。一つの局面によれば、増幅物のプライマー二重鎖を無傷のままにして所定の配列および長さの該一本鎖DNA分子をその相補物から分離させる条件下で加熱することにより、所定の配列および長さの該一本鎖DNA分子を、増幅物の残りの部分から分離する。他の局面によれば、プライマーは、それについたアドレス可能なリガンドを含む。一つの態様において、アドレス可能なリガンドはビオチンであり、そして、増幅物の残りの部分は、少なくとも一つのプライマーの5’末端につけられたビオチンラベルに結合するストレプトアビジンを保持する磁気ビーズに付着させることにより、除去することができる。
本発明の方法によれば、本発明により生成される所定の配列および長さの一本鎖DNA分子は、10〜100ヌクレオチド、または10〜50ヌクレオチドの長さを有する。一つの態様において、所定の配列および長さの一本鎖DNA分子は、15ヌクレオチドの長さである。他の態様において、所定の配列および長さの一本鎖DNA分子は、17ヌクレオチドの長さである。さらに他の態様において、所定の配列および長さの一本鎖DNA分子は、21ヌクレオチドの長さである。さらに他の態様において、所定の配列および長さの一本鎖DNA分子は、30ヌクレオチドの長さである。
本発明の他の局面による生物体または個体を同定または識別するための方法は、以下(1)〜(6)の工程のいくつかまたはすべてを用いるものである。(1)少なくとも一つの目的とするヌクレオチド配列を有する鋳型を得る工程、(2)該目的とするヌクレオチド配列に存在しない外来ヌクレオチド配列を有する少なくとも一つのプライマーにより誘導される増幅反応において、該鋳型を増幅する工程、(3)少なくとも一つの目的とするヌクレオチド配列とプライマーにより誘導される少なくとも一つの外来ヌクレオチド配列とを有する増幅物を生成させる工程、(4)二本鎖増幅物を一本鎖増幅物に変換し、各一本鎖増幅物をトリミングして所定の配列および長さの一本鎖DNA分子を生成させる工程、(5)所定の配列および長さの各一本鎖DNA分子の質量またはヌクレオチド配列を決定する工程、および(6)所定の配列および長さの少なくとも一つの一本鎖DNA分子の決定された質量またはヌクレオチド配列を用いて、少なくとも一つの生物体または個体を同定または識別する工程。本発明の他の局面により、増幅工程が一本鎖増幅物を生成させるのであれば、変換工程は必要でないことは明らかである。一つの態様において、質量分析を用いて、所定の配列および長さの各一本鎖DNA分子の質量またはヌクレオチド配列を決定することができる。他の態様において、多様な個体または生物体をこの方法によって同定または識別することができる。
本開示により、ゲノムDNA、cDNAまたはRNAのような鋳型から所定の配列および長さを有する一本鎖DNA分子を生成させるための方法が提供される。有利なことに、ここに開示し特許請求する方法によれば、目的とするヌクレオチド配列を含む一本鎖増幅物を多数生成させることができる。そして、増幅物をトリミングして、所定の配列および長さを有する一本鎖DNA分子を生産する。さらに必要であれば、この手順全体を一つの反応容器において行うことができる。
ここに開示する方法は、限定されることなく、少なくとも一つの目的とするヌクレオチド配列を含む鋳型を、該目的とするヌクレオチド配列にはみられない外来ヌクレオチド配列を有する少なくとも一つのプライマーまたはプローブを用いて増幅すること、少なくとも一つの目的とするヌクレオチド配列と少なくとも一つの外来ヌクレオチド配列とを含む増幅物を生成させること、必要に応じて二本鎖増幅物を一本鎖増幅物に変換すること、ならびに一本鎖増幅物をトリミングして所定の配列および長さの一本鎖DNA分子を生成させることを、含む。有利には、ここに開示する方法は、少なくとも一つの目的とするヌクレオチド配列と、増幅物の増幅後の処理に用いられる少なくとも一つの外来ヌクレオチド配列とを含む増幅物を生成させるための戦略を提供する。必要に応じて、修飾塩基を含んでもよい少なくとも一つの外来ヌクレオチド配列は、二本鎖増幅物の一本鎖増幅物への変換に利用される。好ましくは、少なくとも一つの外来ヌクレオチド配列は、所定の配列および長さを有する一本鎖DNA分子を生成させるため、制限エンドヌクレアーゼによって媒介される一本鎖増幅物のトリミングに利用される。
本発明の一局面によれば、ここに開示する方法は、二本鎖増幅物を生成させ、それを一本鎖増幅物に変え、次いでそれをトリミングして所定の配列および長さの一本鎖DNA分子を生成させるための増幅法を提供する(図1)。有利には、ここに開示する方法は、少なくとも一つの目的とするヌクレオチド配列と、二本鎖増幅物の増幅後の処理に用いられる少なくとも一つの外来ヌクレオチド配列とを含む二本鎖増幅物を生成させるための戦略を提供し、該方法は、一本鎖増幅物への変換、およびその後行われる一本鎖増幅物のトリミングを含む。好ましい態様において、二本鎖増幅物は、二つの外来ヌクレオチド配列を有し(増幅物の各末端に一つずつ)、該外来ヌクレオチド配列は、二本鎖増幅物の増幅後の処理に利用される。
本発明の他の局面によれば、ここに開示する方法は、一本鎖増幅物を生成させ、それを次にトリミングして所定の配列および長さの一本鎖DNA分子を生成させるための増幅法を提供する。有利には、ここに開示する方法は、少なくとも一つの目的とするヌクレオチド配列と、一本鎖増幅物の増幅後のトリミングに用いられる少なくとも一つの外来ヌクレオチド配列とを含む一本鎖増幅物を生成させるための戦略を提供する。好ましい態様において、一本鎖増幅物は、一つの目的とするヌクレオチド配列を含み、かつ二つの外来ヌクレオチド配列を有し(一つは増幅物の3’末端、もう一つは増幅物の5’末端にある)、そこにおいて、該外来ヌクレオチド配列は、一本鎖増幅物の増幅後の処理に利用される。他の好ましい態様において、一本鎖増幅物は、一より多い目的とするヌクレオチド配列を含み、目的とする各ヌクレオチド配列は、外来ヌクレオチド配列に隣接し、そこにおいて、該外来ヌクレオチド配列は、一本鎖増幅物の増幅後の処理に利用される。
ここで使用される用語「鋳型」は、少なくとも一つの目的とするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドの全部または一部をさす。ここで使用される用語「目的とするヌクレオチド配列(目的ヌクレオチド配列)」は、所定の配列および長さを有する最終生成物のヌクレオチド配列を含むものであるが、増幅物の増幅後の処理において除去される他のヌクレオチド配列を含んでもよい。目的とするヌクレオチド配列中に形成されかつ後に除去されるヌクレオチド配列は、プライマー類またはプローブ類の結合部位(アニーリング部位)、二本鎖DNAの一本鎖DNAへの変換に利用されるヌクレオチド類、あるいは制限エンドヌクレアーゼの認識部位および/または切断部位として有用な配列を含み得る。ここで使用される用語「外来ヌクレオチド配列」は、増幅に使用されるプライマーまたはプローブによって導入される配列をさし、それによって、目的とするヌクレオチド配列が複製されていた元の鋳型には見られない配列で、増幅物が外来ヌクレオチド配列および目的とするヌクレオチド配列を含むようになる配列をさす。ここで使用される用語「補助オリゴヌクレオチド」は、一本鎖増幅物中の一以上の配列に結合することによって制限消化部位を形成するのに使用できるDNA配列をさす。好ましい態様において、補助オリゴヌクレオチドは、一本鎖増幅物の一以上の部分に相補的であり、かつ二重鎖の形成によって、一本鎖増幅物を最終的に必要なサイズにトリミングすることを可能にする制限部位が作られる。補助オリゴヌクレオチドおよびプライマーは、化学修飾を有してもよく、それにより、トリミングされた一本鎖生成物が、プライマーおよび補助オリゴヌクレオチドから分離されるのを可能にする。好ましい態様において、化学修飾は、アドレス可能なリガンドであり、それは、該リガンドを含む分子の回収を可能にするものである。より好ましい態様において、アドレス可能なリガンドはビオチン残基である。
本発明の他の局面において、鋳型は、増幅に適する任意のポリヌクレオチドとすることができ、そこにおいて、鋳型は、増幅すべき少なくとも一つの目的とする配列を含む。適当な鋳型には、DNA分子およびRNA分子があり、修飾された塩基を有するポリヌクレオチド類を含むことができる。好ましくは、鋳型は、ゲノムDNA分子、cDNA分子またはRNA分子である。他の好ましい態様において、ここに開示する方法は、RNA鋳型をcDNAに逆転写することなく、直接RNA鋳型を増幅するのに用いることができる。
本発明の他の局面によれば、ここに開示する方法は、少なくとも一つの二本鎖増幅物を与え、それは、一本鎖の形態に変換され、次いで、一本鎖の形態はトリミングされて、所定の配列および長さの一本鎖DNA分子を少なくとも一つもたらす。有利には、ここに開示する方法は、目的とするヌクレオチド配列および少なくとも一つの外来ヌクレオチド配列を有する領域を含む一本鎖増幅物を生成させるための戦略を与える。そして、該少なくとも一つの外来ヌクレオチド配列は、所定の配列および長さの必要な一本鎖DNA分子を生成させるため、制限エンドヌクレアーゼが媒介する一本鎖増幅物のトリミングを促進するものである。
(ポリヌクレオチド鋳型の増幅)
ここに開示する本発明の一局面によれば、鋳型の増幅は、よく知られた方法を用いて行われ、少なくとも一つの目的とするヌクレオチド配列と、増幅後の増幅物の処理に利用され、増幅そのものに顕著な影響を与えることのない少なくとも一つの外来配列とを含む増幅物を生成させる。好ましくは、増幅後の処理は、限定されることなく、二本鎖増幅物を一本鎖増幅物に変換すること、および所定の配列および長さの一本鎖DNA分子を生成させるため、一本鎖増幅物をトリミングすることを含む。適当な鋳型には、DNA分子およびRNA分子が含まれ、たとえば、ゲノムDNA、cDNAおよびmRNAが含まれる。線形的(リニア)または指数関数的(ノンリニア)な増幅の態様を、任意の適当な増幅法とともに用いることができ、態様の選択は、特定の態様の環境に応じて当業者によりなされる。増幅方法は、ポリヌクレオチド鋳型を増幅するため、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ローリングサークル増幅(RCA)を用いることを含むが、これらに限定されるものではない。
(ポリメラーゼ連鎖反応)
ポリメラーゼ連鎖反応(RCR)は、インビトロでDNAを増幅させるための方法である。PCRは、多数回のプライマー伸長反応を利用するものであり、あるDNA分子の所定領域の相補鎖を耐熱性DNAポリメラーゼによって同時に合成するものである。これらの反応を何回も繰り返す間、新たに合成されるDNA鎖の数は指数関数的に増え、それにより、20〜30回の反応サイクルの後、最初の鋳型DNAは、数千倍または数百万倍に複製されるようになる。異なるタイプおよび態様のPCRを行う方法は、文献、たとえば"PCR Primer: A Laboratory Manual" (PCRプライマー、実験室マニュアル)DieffenbachおよびDveksler編、Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1995、およびMullis他による特許(たとえば米国特許第4,683,195号、第4,683,202号および第4,800,159号)ならびに科学刊行物(たとえばMullis他, 1987, Methods in Enzymology, 155:335-350)に詳細に記載されおり、ここで各引用文献の内容は、この引用によって本明細書にそっくり記載されるものとする。
簡単にいえば、PCRは、下記の一連の工程において進む。その手順の最初の工程では、二本鎖鋳型(たとえばゲノムDNAまたはcDNA)を単離し、かつ加熱(好ましくは約90℃〜約95℃)により二本鎖DNAを一本鎖に分離する(変性工程)。約55℃に冷却すると、鋳型の目的とする領域にプライマーが付着できるようになる(アニーリング工程)。プライマーは、目的とする核酸配列に隣接する領域に結合するよう設計されている。耐熱性DNAポリメラーゼ(たとえばTaqポリメラーゼ)および遊離ヌクレオチドを加えて、鋳型の目的とする領域に相補的な新たなDNAフラグメントを、プライマー伸長を経て作りだし(伸長工程)、PCRの1サイクルを終了する。この変性、アニーリングおよび伸長の工程を、多数回、好ましくはサーモサイクラーにおいて、繰り返す。各サイクルの終わりに、新たに合成されたDNA分子はそれぞれ、次のサイクルのための鋳型として働き、その結果、何百、何千、あるいは何百万もの二本鎖増幅物が、各鋳型分子から蓄積されるようになる。
マルチプレックスPCRでは、アッセイを修飾して、同じ鋳型にある別個の目的とする複数のヌクレオチド配列に特異的な複数のプライマー対を含むようにし、そして、別個の複数の目的とするヌクレオチド配列を同時に増幅させ、必要なヌクレオチド配列および長さを有する複数の異なる一本鎖DNA分子を生成させるようにする。たとえば、マルチプレックスPCRは、生物体または個体のゲノムDNAを鋳型として用いて行うことができ、そこにおいて、マルチプレックスPCRは、複数の異なる一本鎖DNA分子をもたらす。必要なヌクレオチド配列および長さを有するそれぞれの一本鎖DNA分子の配列は、たとえば、速やかに配列決定する質量分析を用いて、決定することができる。そして、その結果を用いて、生物体または個体を同定または識別することができる。
PCRは、増幅後の処理に適する二本鎖増幅物を生成させる。必要に応じ、増幅物は、アガロースゲル電気泳動を用いた可視化、プローブに基づく比色検定を利用したエンザイムイムノアッセイ法、蛍光発光法、あるいは、当業者に知られたその他の検出法によって、検出することができる。
(増幅用プライマー)
本発明の一局面によれば、目的とするヌクレオチド配列を含む鋳型の増幅を可能にし、かつ増幅物にさらなる特徴を導入するため、複数のプライマーが使用される。各プライマーは、鋳型における目的とするヌクレオチド配列の領域に相補的なヌクレオチド配列を含み、それにより、各プライマーは、鋳型に結合(アニール)できる。好ましい態様において、少なくとも一つのプライマーは、プライマー結合性の目的とするヌクレオチド配列に相補的なプライマー配列の5’(上流)に外来ヌクレオチド配列を含み、その結果、各増幅物は、プライマーにより導入される外来ヌクレオチド配列を含むこととなる。好ましくは二つのプライマーが用いられ、各プライマーは、増幅自体に顕著な影響を与えることなく、増幅物の増幅後の操作を可能にする外来ヌクレオチド配列を導入する。代わりに、二つより多いプライマーを用いた場合も、各プライマーは、増幅自体に顕著な影響を与えることなく、増幅物の増幅後の操作を可能にする外来ヌクレオチド配列を導入する。当業者は、たとえばDieffenbach および Dveksler ("General Concepts For PCR Primer Design" in PCR Primer: A Laboratory Manual, (PCRプライマー:実験マニュアルにおける「PCRプライマー設計のための一般的コンセプト」の章)、Dieffenbach および Dveksler編(既出)、この引用により本明細書にその内容をそっくり記載したものとする).に開示されるよく知られた原理に従って、特定の態様のためのプライマーを設計することができる。
本発明の一局面によれば、プライマーの長さおよび配列は、増幅をうまく行うためのパラメータ設定にあたり決定的に重要である。融解温度(Tm)は、核酸二重鎖が「融解」して二つの一本鎖を形成する温度である。Tmは、その長さおよびG+C含量の関数として増加する。したがって、プライマーに誘導される増幅(たとえばPCRまたはRCA)の特定の態様に対して選択されるアニーリング温度は、一つまたは複数のプライマーの長さおよび組成に依存する。本発明の一局面によれば、当業者は、所定の配列および長さを有する一本鎖DNA分子をゲノムDNAまたはRNAから生成させることができる任意のアニーリング温度(Ta)を用いて、ここに開示する方法を実施することができる。好ましくは、アニーリング温度(Ta)は、特定の態様において使用されるプライマー対のうち最も低いTmから約5℃低くなるよう選択される。
ここに開示する方法に適するプライマーは、選択された目的物以外の配列にアニーリングする確率が非常に低くなるよう十分に複雑なものとすべきである。好ましくは、本発明の実施に使用されるプライマーは、約17塩基〜約28塩基(17−mer〜28−mer)の長さである。たとえば、あるDNA配列において、任意の所定の位置に、ある塩基(A、G、CまたはT)が存在する確率は4中1(1/4)であり、あるDNA配列においてあるジヌクレオチド配列(たとえばAG)が存在する確率は16中1(1/16)であり、所定の4塩基ヌクレオチド配列が存在する確率は、256中1(1/256)・・・である。したがって、ある特定の16塩基配列が、統計的に存在する確率は、ざっと4,294,967,296塩基中たった一回であり、この塩基は、ヒトまたはトウモロコシのゲノムのおおよそのサイズである。17以上の塩基対を有するオリゴヌクレオチドは、その目的とする配列に対し相当な特異性を示すことができ、したがって、17−merまたはそれより長いプライマーは、動物および植物のゲノムDNAまたは逆転写RNA(cDNA)からの増幅に日常的に使用することができる。塩基組成は50〜60%のG+Cであることが好ましく、かつプライマーの3’末端は、末端の「ブリージング(ゆらぎ)」を防止し、開始の効率を上げるため、GもしくはCまたはCGもしくはGCであることが好ましい。
ここに開示する方法に適するプライマーは、一以上の目的とする配列を増幅するため、縮重PCR用の「縮重」プライマーであってもよい。縮重PCRは、既知のタンパク質配列に対応する一以上の目的とする配列を見出すため、あるいは、既知配列のホモログ、オルソログまたはパラログを見出すため、用いることができる。コドン利用の規則にしたがって、関心のある可能な目的配列のいずれかに結合することができるプライマーを含む一連の縮重プライマー類を設計することができる。縮重プライマー類は、可変であることが知られている位置に異なるヌクレオチドを有する複数のプライマーを合成することによって、および/または、可変であることが知られている一以上の位置にヌクレオチド、イノシンを導入することによって、生成させることができる。当業者は、たとえばPCR Primer: A Laboratory Manual(PCRプライマー:実験マニュアル)、Dieffenbach および Dveksler編(既出)(この引用により本明細書にその内容をそっくり記載したものとする)に開示されるよく知られた原理に従って、特定の態様のための縮重プライマーを設計することができる。
ここに開示する方法の一局面によれば、「ネステッドプライマー(nested primer)」を含む態様も可能である。ネステッドプライマーは、他のプライマー対の目的配列内に生じる鋳型上の部位に結合し、また、他のプライマー対によって生成されるPCR生産物上の部位に結合する。ネステッドプライマーによって生産される増幅物は、最初の増幅物よりも小さくなるため、その予想されるサイズに基づいて識別することができる。したがって、ネステッドプライマーを使用すれば、必要な目的配列を増幅して、他の増幅物から分離できるものを確実にもたらすことにより、増幅の特異性を上げることができる。当業者は、たとえばPCR Primer: A Laboratory Manual(PCRプライマー:実験マニュアル)、Dieffenbach および Dveksler編(既出)(この引用により本明細書にその内容をそっくり記載したものとする).に開示されるよく知られた原理に従って、特定の態様のためのネステッドプライマーを設計することができる。
留意すべきことは、プライマーが長すぎると、アニーリング温度を高くしても、誤対合や非特異的開始を防ぐのに十分でなくなるということである。当業者は、関心のある所定の目的領域について、可能なプライマーの長さの範囲を決めることができ、そして、特定の態様の必要に応じてプライマーデザインを最適化することができる。
本発明の他の局面によれば、鋳型を増幅するためのプライマーは、目的とするヌクレオチド配列に存在しない外来ヌクレオチド配列を導入することによって増幅物に特徴を導入するよう、設計される。外来配列が導入できる特徴には、限定されることなく、制限部位、修飾ヌクレオチド、プロモーター配列、逆向き反復配列、およびその他の非鋳型5’伸長物があり、それにより、増幅自体に顕著な影響を与えることなく、増幅物の増幅後の操作が可能になる。好ましくは、外来配列は、目的とするヌクレオチド配列への結合に必要なプライマー配列の5’(上流)側にある。好ましい態様において、外来配列は、制限酵素による認識、結合および切断に必要な部位を導入する。より好ましい態様において、逆向き反復配列または他の外来配列を含むプライマーを使用して、増幅物の末端に自己相補性を導入し、それにより、一本鎖増幅物が、「ヘアピン」またはループのような二次構造を形成できるようにする。さらに好ましい態様において、補助オリゴヌクレオチドを添加して外来配列に結合させ、それによって、最終サイズにトリミングするのに必要な制限消化部位を形成する。
(目的とする配列を増幅するためのローリングサークル増幅の使用)
本発明の他の局面によれば、目的とするヌクレオチド配列を有する領域を含む増幅物を生成させるため、等温増幅法が用いられる。好ましくは、等温増幅法は、「ローリングサークル増幅」(RCA)法である。好ましい態様において、RCAを用いて目的とする配列のリニアな増幅が行われる。他の好ましい態様では、RCAを用いて目的とする配列のノンリニアな増幅が行われる。RCAを行うための方法は、当該技術分野においてよく知られており、特に、リザーディ(Lizardi)他によって開示されており(Lizardi他, 1998, Nature Genet 19: 225-232, および 米国特許第5,854,033号、第6,124,120号、第6,143,495号、第6,183,960号、第6,210,884号、第6,280,949号、および第6,287,824号)、この引用により、それらの内容は、本明細書にそっくり記載されたものとする。有利には、RCAは、目的とする配列に対して高い特異性および高い感受性を有しかつ非特異的なバックグラウンドシグナルのレベルが低い等温法であり、そこにおいて、増幅物の量は、ゲノムDNAまたはcDNA中の目的とする部位の数に比例し、また、必要に応じて、ライゲーション工程を操作して対立遺伝子の区別を行うことができる。
RCA増幅の最初の工程は、目的とする配列に相補的な配列を含む環状分子を形成することである。合成された線状分子は、その3’および5’末端に、典型的に10〜20ヌクレオチドの配列を有し、それらは、目的物に相補的である。ある態様において、該線状分子を目的物に対合させたとき、これら二つの相補領域の間にギャップが存在するようになる。このギャップは、プライマー伸長によって埋められ、該二つの末端は、互いに連結され、環を形成する。他の態様においては、ギャップはなく、連結工程のみを用いる。リニアRCA増幅では、環化された一本鎖上の配列に相補的なプライマーを加え、前進型ポリメラーゼによって、環の連続複製物を作る。その結果得られる長い一本鎖分子は、環内に配列の繰り返しを多数含む。この長い相補的一本鎖生成物が制限部位(PCR増幅用プライマーに含まれるものに類似する)を含むように、環中の外来配列を設計する。制限部位は、必要な一本鎖生成物の両側に導入される。他の好ましい態様において、外来配列に結合する補助オリゴヌクレオチドを加えることにより、制限部位を作る。ノンリニアRCA増幅では、ローリングサークル増幅の一本鎖生成物に相補的な第二のプライマーをさらに加える。ノンリニアRCA増幅の生成物は主として二本鎖であり、この方法を使用する場合、一方の鎖の消化または除去が必要になる。
RCAによって生成される増幅物は、特定の態様のために選択された増幅戦略に応じて、二本鎖または一本鎖となりうる。
一時的に、環化可能な一本鎖を変性したDNAに対合させ、次いで、プライマー伸長および/またはライゲーションを用いて、目的とする配列の存在下、環状物を生成させる。そして、最終的に、エキソヌクレアーゼ消化により、非環状物を除去する。好ましい態様において、さらなる配列を環化可能な一本鎖に含める。特に好ましい態様において、環化可能な当該分子は、増幅後の操作、たとえば所定の配列および長さの一本鎖DNA分子を生成させるため増幅物をトリミングすること、に用いられる制限エンドヌクレアーゼおよび/または他の酵素のための結合部位を含むよう、設計、合成される(図2)。
ライゲーション工程により、特別に設計(合成)した核酸プローブ分子を環化する。この工程は、目的とする配列へのプローブのハイブリダイゼーションに依存し(図2)、そして、この工程で形成される環状プローブ分子の数は、サンプル中に存在する目的とする配列の量に比例する。
次いで、環化されたプローブのローリングサークル複製を利用して環状分子を増幅する。ローリングサークル複製を利用する一回の増幅により、環化されたプローブ配列が大きく増幅される。好ましい一つの態様において、環状分子は、指数関数的な態様で増幅される。他の好ましい態様において、環状分子は、線形的な態様で増幅される(図3)。有利に、プローブのローリングサークル増幅は、PCRの一サイクルよりも大きいオーダーであり、また、各サイクルが目的配列の複製数の倍化に限定される他の増幅法よりも大きいオーダーである。
好ましくは、環状分子は、指数関数的な態様で増幅され、そして、二つのプライマーのうち一つは、たとえば、5’−5’結合を用いて、5’−エキソヌクレアーゼ消化に対し保護される。その代わりに、一つのプライマーを、5’リン酸化によって消化のターゲットにすることができる。そのような好ましい態様において、指数関数的RCAの生成物を5’−エキソヌクレアーゼで消化することにより、補助オリゴヌクレオチドに結合できる保護された長い一本鎖分子を残し、そして、制限切断を本開示のように行うことにより、所定の配列および長さを有する一本鎖DNA分子を生成させる(図4)。
一方、環状分子をリニアな態様で増幅し、長い一本鎖生成物を本開示のようにトリミングする。補助オリゴヌクレオチドを加えて、トリミング酵素に対する認識、結合および/または切断部位のための二本鎖DNA領域を与える(図4)。
必要に応じて、RCAにより生産したDNAについて、さらなる増幅操作をおこなうことができる。増幅物の量は、サンプル中に存在する目的配列の量に正比例するため、生成物の定量測定値は、確実にサンプル中の目的配列の量を表す。
一態様において、二つのプローブ(プライマー)を用いるRCAは、線状の二本鎖増幅物をもたらす。
他の態様において、リニアな態様でのRCAは、一本鎖増幅物をもたらす。一つのプライマーまたはギャップフィリングヌクレオチドを用いて、環化可能なプローブを「パッドロック」(padlock)構造物に連結することができ、そこにおいて、鎖置換型DNAポリメラーゼにより触媒される「パッドロックプローブ」(padlock probe)のRCAは、目的とするヌクレオチド配列を含む一本鎖増幅物を生成させる。
さらなる態様において、目的とするヌクレオチド配列を含む二本鎖増幅物を生成させるため、二つのプライマーを用いて「ハイパーブランチの(hyperbranched)」態様でRCA(HRCAとして知られる)を行うこともできる。マルチプレックスアッセイにおいて、DNA複製に用いるプライマーオリゴヌクレオチドは、すべてのプローブに用いる同じオリゴヌクレオチドであってもよい。
(RCA用プローブおよびプライマー)
本発明の他の局面によれば、RCA法によって鋳型を増幅するのに使用されるプローブおよびプライマーは、目的とするヌクレオチド配列にはみられない外来ヌクレオチド配列を導入することにより増幅物に特徴を導入するよう、設計される。外来配列によって導入される特徴には、増幅自体に顕著な影響を与えることなく増幅物の増幅後の操作を可能にする、制限部位、プロモーター配列、逆向き反復配列、およびその他の非鋳型5’伸長物があるが、これらに限定されるものではない。一方、ある態様のRCAは、目的とするヌクレオチド配列とプローブまたはプライマーによって導入された外来配列との交互反復(タンデムリピート)(外来ヌクレオチド配列は目的とするヌクレオチド配列の複製物の間に位置するようになっている)を有する増幅物をもたらす。好ましい態様において、外来ヌクレオチド配列は、補助オリゴヌクレオチドとともに制限酵素によって一本鎖増幅物をトリミングするのに必要な部位を導入する。他の好ましい態様において、逆向き反復配列または他の外来配列を含むプライマーおよびプローブは、増幅物の末端に自己相補性を導入するのに使用され、それにより、一本鎖増幅物は、「ヘアピン」またはループのような二次構造を形成するようになる(図5)。
(二本鎖増幅物の一本鎖DNAへの変換)
本発明の一局面によれば、二本鎖増幅物を一本鎖増幅物に変換する。二本鎖増幅物は二本鎖DNAからなり、一本鎖増幅物は一本鎖DNAからなり、そこにおいて、DNA鎖は、修飾、たとえば、リン酸化、架橋基、ホスホロチオエートヌクレオチド誘導体のような修飾塩基、さらには特定の態様に対し当業者によって選択できるその他の修飾、を有してもよい。好ましくは、二本鎖DNAは、一以上の消化方法を用いて一本鎖DNAに変換される。有利には、二本鎖増幅物を消化して、必要ならば同一の反応容器でさらに操作できる一本鎖増幅物を得る。一つの態様において、消化に必要なことは、(i)修飾した鎖の選択的消化を促進する化学的修飾、または(ii)修飾した鎖の消化を阻害する化学的修飾(そこにおいて、そのような阻害は保護していない相補鎖の消化を促進する)を二本鎖増幅物の一方の鎖が有していることである。他の態様において、二本鎖増幅物の消化は、一方の鎖の選択的消化を促進することと、他方の鎖の消化を阻害することとを同時に含んでもよく、それにより、有利に消化工程の選択性を上げることができる。
本発明の一局面によれば、少なくとも一つのプライマーは、エキソヌクレアーゼ消化、好ましくは5’→3’エキソヌクレアーゼ消化に抵抗性である。消化に抵抗性のプライマー類またはプローブ類は、当該技術分野において、たとえば、ニキホロフ(Nikiforov)他への米国特許第5,518,900号に開示されるように、調製することができる。エキソヌクレアーゼ抵抗性の外来ヌクレオチド配列は、ここに開示する増幅方法を用いて、増幅物に導入される。好ましい態様において、二つのプライマーを用いるPCRまたはRCAを行い、一方のプライマーをエキソヌクレアーゼ消化に対して抵抗性にする。他の好ましい態様において、RCAに使用されるプローブは、ヌクレアーゼ消化、好ましくは5’→3’エキソヌクレアーゼ消化に抵抗性の外来ヌクレオチド配列を導入するよう、設計、合成することができる。
ここに開示する方法に従って二本鎖増幅物の消化を行うのに適する酵素には、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダ(λ)エキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼm、および特定の態様に対して当業者が適当と認めることができるその他の酵素が含まれる。二本鎖増幅物を消化するための酵素は、天然物から単離したものでもよいし、組み換え技術によって製造したものでもよい。
一つの態様において、T7エキソヌクレアーゼ活性を、一方の鎖に5’−5’結合を導入することによってブロックし、それにより、ブロックされた鎖の消化を阻害し、ブロックされていない鎖の消化を促進する。他の態様において、T7エキソヌクレアーゼ活性を、一方の鎖にホスホロチオエートヌクレオチド誘導体を組み込むことによってブロックし、それにより、ブロックされた鎖の消化を阻害し、ブロックされていない鎖の消化を促進する。
他の態様において、ラムダ(λ)エキソヌクレアーゼは、DNA二重鎖のうち一方の鎖を5’リン酸化末端から選択的に消化し、その相補鎖を無傷のまま残す。5’リン酸基は、一つのリン酸化プライマーと一つの非リン酸化プライマーとを用いることにより、増幅時に二つの鎖のうち一方のみに導入される。これは、たとえば、ヒグチ(Higuchi)他(1989, Nuc Acids Res 17:5865)に開示されている。リン酸化された鎖は、次いで、ラムダエキソヌクレアーゼを用いた処理によって除去され、一本鎖DNAが生成される。
他の好ましい態様において、ラムダエキソヌクレアーゼを用い、二本鎖増幅物を一本鎖DNAに変えた。ゲノムDNAを増幅させた後、77塩基対の二本鎖増幅物をラムダエキソヌクレアーゼとともにインキュベートした。消化生成物をアガロースゲル上で分離すると、ラムダエキソヌクレアーゼを添加していない場合、77ヌクレオチド(nt)の一本鎖DNAはほとんど見られなかったが、ラムダエキソヌクレアーゼの量を増やしていくと、一本鎖77−ntDNAの量は増加した。
さらに他の態様において、アルファP−ボラン2’−デオキシヌクレオシド5’−トリホスフェート類(dNT(b)P類)の組み込みにより、エキソヌクレアーゼ活性をブロックする。これは、たとえばポーター(Porter)他(1997, Nucleic Acids Res. 25: 1611-7)に記載されている。
本発明の他の局面によれば、二本鎖増幅物から一本鎖DNAを回収するため、非酵素的方法を用いてもよい。一つの典型的な態様において、ビオチン化ヌクレオチドを増幅工程で使用し、そして、ビオチン化増幅物は、(ストレプト)アビジンで被覆された固相支持体(たとえば、限定されることなく、(ストレプト)アビジンで被覆されたビーズまたは表面)を用いて、捕捉することができる。一旦、ビオチン化増幅物を固相支持体に結合させれば、サンプルをアルカリ性条件、加熱、または、二本鎖間の水素結合を壊すのに適当なその他の条件に供する。この態様において、ビオチン化されていない鎖を回収(溶出)し、そして、トリミングするか、さもなくば、ここに開示する方法に従って操作することができる。
(一本鎖DNAのトリミング)
本発明の一局面によれば、少なくとも一つの一本鎖増幅物をトリミングし、必要なヌクレオチド配列および長さを有する少なくとも一つのDNA分子を生成させ、所定の配列および長さの一本鎖DNA分子を生成させる。増幅物は、その認識部位から離れた部位で切断させる制限エンドヌクレアーゼを用いてトリミングしてもよいし、同じ部位で認識、結合および切断を行う制限エンドヌクレアーゼを用いてトリミングしてもよい。好ましくは、トリミングによって生成した所定の配列および長さの一本鎖DNA分子は、5〜50ヌクレオチドの長さを有する短い分子であり、より好ましくは、10〜45ヌクレオチドの長さを有する分子であり、さらに好ましくは、15〜40ヌクレオチドの長さを有する分子である。ここに開示する方法によれば、所定の配列および長さの一本鎖DNA分子は、有利に、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50ヌクレオチドの長さとすることができる。
本発明の一局面によれば、一つの部位を認識し、もう一つの部位で切断させることにより離れたところで切断を行う制限エンドヌクレアーゼを、所定の配列および長さの短いDNA分子を生成させるため、一本鎖増幅物をトリミングするのに用いることができる。好ましくは、このリモート作用制限エンドヌクレアーゼは、認識部位から正確な距離をおいたところで二本鎖DNAを切断するIIS型制限エンドヌクレアーゼである(Szybalski, 1985, Gene 40: 169-173; PodhajskaおよびSzybalski, 1985, Gene 40: 175-182; Sugisaki およびKanazawa, 1981, Gene 16: 73-78)。そのリモート作用のため、これらの酵素は「シフター(shifter)」としても知られている(Szybalski, 1985, Gene 40: 169-173)。より好ましくは、DNAのトリミングに使用されるIIS型制限エンドヌクレアーゼには、BbvI、BbvII、BinI、FokI、HgaI、HphI、MboII、MnlI、SfaNI、TaqII、Tthl11II、およびMluI(Szybalski (1985) Gene 40: 169-173; SugisakiおよびKanazawa (1981) Gene 16: 73-78)が含まれるが、これらに限定されるものではない。有利なことには、IIS型制限エンドヌクレアーゼ等のリモート作用性酵素は、同じ部位で結合および切断を行うトリミング酵素の場合よりも多くDNA分子をトリミングするのに用いることができる。さらに有利なことには、リモート作用性酵素は、必要なヌクレオチド配列のみを含み、不要なまたは外来の配列を含まないDNA分子を生成させるため、用いることができる。
好ましい態様において、FokIをDNAをトリミングするため用いる。FokIはフラボバクテリウム・オケアノコイテス(Flavobacterium okeanokoites)から単離されたものである(SugisakiおよびKanazawa, 1981, Gene 16: 73-78)。FokIは、配列GGATGおよびその相補物を含む二本鎖の認識部位ドメインを利用し、その認識部位から9および13塩基対はなれた位置でスタッガーな(staggered)(互い違いの)パターンで切断を行う(Syzbalski, 1985, Gene 40: 169-173; WO0,175,180をさらに参照)。MluIは、ほとんどのII型制限エンドヌクレアーゼ類と同様、完全に二回回転対称のユニークな配列において二本鎖の切断をもたらす(SugisakiおよびKanazawa, 1981, Gene 16:73-78)。
ある好ましい態様において、末端ヘアピン形成領域を有する一本鎖増幅物を、FokIを用いてトリミングする。そのため、増幅物にFokI結合部位を導入すること、およびFokI結合および切断のため二本鎖基質を与えることが必要である。特に好ましい態様において、図6に示すように、鋳型を増幅し、増幅物に少なくとも一つの適当な部位を導入するため使用されるPCRプライマーまたはRCAプライマー/プローブのヌクレオチド配列の一部として、該結合部位が与えられる。ある態様において、以下のように、プライマーを設計して二本鎖FokI基質を生成させる。PCR用のフォワードプライマーおよびリバースプライマーが、逆向きの相補領域を有するようにし、それにより、図7に示すように、二本鎖増幅物を消化することにより生成される一本鎖増幅物が、両端で折り返しを形成し、FokI結合性部位を含む8〜16bpのらせんを形成するようにする。そのような態様において、切断用の二本鎖基質領域を与えるため、切断が必要な領域に対合する補助オリゴヌクレオチド(図7参照)を供給する必要がある。この態様において、FokIは、一方の認識部位から9塩基の位置および他方の認識部位から13塩基の位置で切断を行う。当然のことながら、そのようなプロトコルは、FokIの使用に限定されるものではなく、当業者は、その認識部位から離れた位置で切断を行う任意の制限エンドヌクレアーゼについて、認識部位を含んだ外来ヌクレオチド配列を導入できるプライマーを設計することができる。
他の好ましい態様において、好ましくは完全な認識部位を生成させるヘアピン形成配列としてタンデムリピートを有するプライマーの設計が実行可能でない場合、リニアプライマー(linear primers)を用いて、FokI基質を生成させた。リニアプライマーを用いる態様において、プライマーは、FokI制限部位の先端鎖配列のみを有するか、あるいは、その認識部位から離れたある部位で切断させる他の制限エンドヌクレアーゼの先端鎖配列のみを有する。特に好ましい態様において、一本鎖増幅物が、本発明の方法に従って生産され、そして、複数の補助オリゴヌクレオチドが添加され、それらは、二つの位置において一本鎖に対合し、それにより、一方のオリゴヌクレオチドは、トリミング(切断)部位において二本鎖を形成し、他方のオリゴヌクレオチドは、FokI認識部位の後半部を与えた。認識部位および切断部位で利用可能な二本鎖DNAがあれば、FokIまたはそれに類似する制限エンドヌクレアーゼは、DNA分子をトリミング(切断)して所定の配列および長さの一本鎖分子を生成させることができる。当然のことながら、増幅用のリニアプライマーおよび特定位置の二本鎖DNAを与えるための補助オリゴヌクレオチドは、必要性、制約、入手可能な材料、あるいは、特定の態様の環境に適しうるその他の要因に応じて、当業者により設計することができるものである。
ここに開示する本発明の他の局面によれば、同じ部位で結合し切断する制限エンドヌクレアーゼを用いて、一本鎖増幅物をトリミングし、所定の配列および長さの短い一本鎖DNA分子を生成させることができる。たとえば、II型制限酵素は、認識部位で結合し、その制限部位内において切断する。II型酵素の認識部位および切断パターンの詳細は、当該技術分野において知られている。好ましくは、II型制限エンドヌクレアーゼを用いて、一本鎖増幅物をここに開示する方法によりトリミングする。好ましい態様において、EcoRIのような制限酵素を用い、増幅物をトリミングする。プライマー類および/またはプローブ類は、制限エンドヌクレアーゼ結合部位、たとえばEcoRI結合部位を含むように設計、合成することができる。
好ましい態様において、増幅に使用されるプライマーは、EcoRI結合性部位をコードするタンデム逆向き反復配列を含む。その結果、一本鎖増幅物の末端は、折り返しを形成し、ヘアピンターンを形成することができ、それにより、結合およびトリミングの部位において二本鎖DNAを与えることができる。有利に、この方法は、一本鎖増幅物への補助オリゴヌクレオチドの添加を必要としない(図8)。
他の好ましい態様において、制限エンドヌクレアーゼ認識部位のコピーを一つ含むリニアプライマーを増幅に用い、制限エンドヌクレアーゼ部位を含む補助オリゴヌクレオチドを一本鎖増幅物に加えて、制限エンドヌクレアーゼによる結合のためおよび所定の配列および長さを有する短い一本鎖DNAを放出させるトリミングのために、二本鎖DNAからなる特定位置の領域を与える。
(所定の配列および長さを有する一本鎖DNA分子を生成させるためのニッキング(切れ目形成)/切断戦略の利用)
本発明のさらなる局面の提供するところは、所定の配列および長さの一本鎖DNA分子を生成させるための方法において、一本鎖のDNAを放出させるためエキソヌクレアーゼを使用することおよび切断部位を完成させるため補助オリゴヌクレオチドを使用することが必要でない方法である。これらの方法は、必要なヌクレオチド配列を有するオリゴマーを生成させ、二本鎖増幅物から所定の配列および長さの一本鎖DNA分子を生成させる。
ある好ましい態様において、所定の配列の一方端でニッキング(切れ目形成)酵素を使用し、所定の配列の他端で切断を使用することにより、エキソヌクレアーゼ工程を回避することができ、そこにおいて、所定の配列は、二本鎖増幅物に含まれる。オリゴマーをその相補物から分離可能にする一方、プライマー二重鎖を無傷のまま残す条件下において、加熱することにより、所定の配列および長さを有するオリゴマーを、増幅物のその残りの部分(その相補鎖および増幅物のプライマー二重鎖を含んでいる)から分離することができる。好ましくは、プライマーにより導入された外来配列は、ビオチンのようなプライマーに付いたアドレス可能なリガンドを含む。特に好ましい態様において、このプライマー複合体は、磁気ビーズ(少なくとも一つのプライマーの5’末端に付いたビオチン標識に結合するストレプトアビジンを保持する)に付着させることで、除去される。実施例6は、この方法の一例を提供する。
(一本鎖DNA分子を生成させるためのRNAの増幅)
本発明の他の局面によれば、ここに開示し特許請求する方法を用いて、RNAの鋳型を増幅し、所定の配列および長さの、短い一本鎖DNA分子を生成させてもよい。RNAを逆転写してcDNAを生成させることができ、それを任意の適当な方法(PCRまたはRCAを含むが、これらに限定されることはない)を用いて増幅することができる。一方、RCAを用いてRNAを直接増幅してもよい。
PCRを用いる手順のため、関心のあるRNA分子を逆転写して増幅に適するcDNA複製物を得る必要がある。関心のあるRNAのcDNA複製物のPCR増幅により、二本鎖DNA増幅物が得られ、これは、ここに開示する発明の局面に従って一本鎖生成物に変換し、トリミングする必要がある。
本発明の他の局面によれば、線形的または指数関数的態様でRCAを用いて、cDNAへの変換を行うことなく、RNAを直接増幅してもよい。ある態様において、ローリングサークルを生成させるのに使用するプライマーは、トリミング酵素のための少なくとも一つの結合部位を含み、それにより、増幅工程において、該結合部位を含む外来ヌクレオチド配列を増幅物に組み込むようにする。二本鎖増幅物を一本鎖増幅物に変換し、ここに開示する方法のいずれかを用いて、それをトリミングして、所定の配列および長さの、短い一本鎖DNA分子を生成させる。
本発明の他の局面によって与えられるように、複製数の少ないメッセンジャーRNAやタンパク質抗原を検出および増幅するため、RCAを指数関数的態様で用いることができる。好ましい態様において、これまでにない感度でmRNA発現プロファイリングを行うため、RCAによるシグナル増強を利用したDNAマイクロアレイの用途が開発される。他の好ましい態様では、cDNAおよびゲノムDNAフラグメントの指数関数的増幅およびインビトロ発現のための方法が提供され、これは、一本鎖DNA分子に由来するクローンの等温増幅を可能にするDNA鎖置換反応を含むが、これに限定されるものではない。
(一本鎖DNA分子を生成させる方法の利用)
本発明のさらなる局面によれば、ここに記載されるような、目的とするヌクレオチド配列を含む鋳型から所定の配列および長さの一本鎖DNA分子を生成させる方法を用いて、生物体または個体を同定または識別することができる。生物体または個体から、あるいは、多様な生物体または個体から、鋳型を含むサンプルを得る。そこにおいて、該鋳型は、少なくとも一つの目的とするヌクレオチド配列を含み、該鋳型はゲノムDNA、cDNAまたはRNAとすることができる。ここに記載する本発明の方法に従い、一以上の特別に設計されたプライマーまたはプローブを用いて鋳型を増幅し、必要であれば、二本鎖増幅物の一本鎖増幅物への変換を行い、そして、ここに記載するように、一本鎖増幅物をトリミングして所定の配列および長さの必要なDNA分子のセットを得る。ある態様において、該一本鎖DNA分子のセットにおける分子のサイズが特定の生物体を同定または識別するのに十分であるように、プライマーを選択し、そこにおいて、サイズは、DNA分子の質量、ヌクレオチド配列または長さとして測定することができる。好ましい態様において、特別に設計したプライマーまたはプローブを用いて鋳型を増幅し、二本鎖増幅物を生成させ、次いで、該二本鎖増幅物を一本鎖増幅物に変え、そして、一本鎖増幅物をここに記載するようにトリミングして所定の配列および長さの必要なDNA分子のセットを生成させる。他の好ましい態様において、特別に設計したプライマーまたはプローブを用いて鋳型を増幅し、一本鎖増幅物を生成させ、次いで、該一本鎖増幅物をここに記載するようにトリミングして所定の配列および長さの必要なDNA分子を生成させる。必要な配列および長さを有する各一本鎖DNA分子の質量またはヌクレオチド配列は、たとえば、すみやかに質量および/またはヌクレオチド配列を測定する質量分析を用いて、決定することができる。そして、その質量またはヌクレオチド配列を用いて、当業者に利用可能な器具またはツールにより、生物体または個体を同定または識別することができる。他の態様において、多様な生物体または個体からの鋳型を用いてこの方法を行うことができ、多様な一本鎖増幅物のそれぞれのヌクレオチド配列を決定し、そして、それぞれの質量またはヌクレオチド配列を用いて、複数の生物体または個体を同定または識別することができる。さらに他の態様において、多様な生物体または個体からのサンプルを用いてこの方法を行うことができ、そこにおいて、鋳型を含む該サンプルは、複数の生物体または個体の混合物から得られるものであるか、あるいは、そこにおいて、複数のサンプル(その各サンプルは一生物体または一個体から得たものである)をプールして一つの貯留サンプルを、ここに開示する方法に従う増幅、変換、トリミング、配列決定、および同定(識別)のために作る。
(実施例)
〔サンプルの調製および増幅〕
(材料)
Glen Researchから購入したホルホロアミダイト類を用いてオリゴヌクレオチド類を合成した。TaqDNAポリメラーゼ(Stratagene、La Jolla、カリホルニア州)を除くすべての酵素をNew England Biolabs Inc. (Beverly、マサセッツ州)から購入した。デオキシリボヌクレオチドトリホスフェート類(dNTP's)もまたStratageneから入手した。γ−32P−ATP(3000Ci/mmol)はPerkin Elmer Life Sciences (Boston、マサセッツ州)から得た。マイクロクイックスピン(Microquich spin)カラム類は、Roche Molecular Biochemicals (Indianapolis、インディアナ州)から購入した。ABI394DNAシンセサイザーにおいてホスホロアミダイト法によりオリゴヌクレオチド類を合成した。
(血液/細胞株または組織のサンプルからのゲノムDNAの調製)
QuiAamp Blood DNAおよびQiAamp DNAキット(Quiagen、Valencia、カリホルニア州)を用いて製造者の使用説明書に従いゲノムDNAを調製した。同様のキットをRNAの処理に利用できる。
(ポリメラーゼ連鎖反応)
PCRの条件を、必要な収率および特定の鋳型、ゲノムDNAの量、プライマー、および反応の他の成分、さらにサイクル条件および特定温度に対し、最適化した。最適化したPCR条件の具体例を以下に示す。ある特定の条件において、PCR反応の成分を不活性化する必要があった。たとえば、ホスファターゼを用いてdNTP類を不活性化する必要があり、また、プロテアーゼを用いてDNAポリメラーゼを不活性化する必要があった(Werle他, 1994, Nucleic Acids Res 22:4354-5)。
〔一本鎖DNAの生成、トリミングおよび相補鎖へのハイブリダイゼーション〕
(ラムダエキソヌクレアーゼ消化による一本鎖DNAの生成)
もし、ウシ血清アルブミン(BSA)がPCR反応緩衝液に添加されていなかった場合、実施例1のPCR反応物を最終濃度50μg/mlウシ血清アルブミン(BSA)に加え、次いで、製造者のプロトコルに従い、標的化された(5’リン酸化された)DNA鎖をラムダエキソヌクレアーゼによって除去し、そして、必要な一本鎖DNAを回収した。濃度およびインキュベーション時間は、PCR反応からの収率に応じて変わった(下記の具体例を参照)。次の工程の前、75℃10分間の加熱による酵素の不活性化を行うことが望ましかった。
(一本鎖DNAの必要なサイズへのトリミング)
適合する緩衝液中、補助オリゴヌクレオチドを与えて、二本鎖制限エンドヌクレアーゼ認識部位を生成させた。酵素の量およびインキュベーション条件は、一本鎖生成物の量に応じて変わった(以下の具体例を参照)。最終産物の−20℃での保存安定性を向上させるため、65℃で20分間加熱インキュベーションすることが好ましい。
(相補鎖へのハイブリダイゼーション)
得られた一本鎖DNAを、ゲル電気泳動による分離の後、可視化のため、その放射性相補鎖にハイブリダイズさせた。その代わりに、固相支持体に固定されたテスト配列にハイブリダイズさせる場合、それを電気化学的SNP検出に用いることができる。
〔p53がん抑制遺伝子のS241→Fの領域の増幅〕
(ポリメラーゼ連鎖反応)
25ngのgDNA(血液または細胞由来)を、PCR反応において、67mMグリシン−KOH(pH9.4)、2.5mMのMgCl2、50μg/mlのBSA、0.625単位のTaqDNAポリメラーゼ、0.2mMのdNTP類、および0.2μMの各プライマーを含有する緩衝液中、増幅させた。以下のプロトコルを用いた。94℃2分間、次いで、94℃で30秒間、64℃で30秒間、および72℃で30秒間を30サイクル。
以下のオリゴヌクレオチドプライマーを使用した。
プライマー26.1’P:
5'P-ATA GGA TGG TTC ATG CCG CCC ATG CA 3'(配列番号1)
プライマー27.2:
5' TGG GGA TGA ACT ACA TGT GTA ACA GTT 3'(配列番号2)
(ラムダエキソヌクレアーゼ消化)
PCR反応物に2.5単位のラムダエキソヌクレアーゼを添加し、次いで、37°で20分間インキュベーションを行った。酵素は75℃で10分間のインキュベーションにより失活させた。
(FokI消化)
消化反応物は、サンプルに添加された50mM酢酸カリウム中650nMの各補助オリゴヌクレオチド、20mMトリス−アセテート、10mM酢酸マグネシウム、1mMジチオトレイトール、pH7.9を含むものであった。それらの添加の後、4単位のFokIとともに37℃で20分間インキュベーションを行った。この酵素は、65℃20分間のインキュベーションによって失活させた。補助オリゴヌクレオチドは、
(24.1') 5' TGT TAC ACA TGT AGT TCA TCC CCA 3'(配列番号3)
(26.1') 5' ATA GGA TGG TTC ATG CCG CCC ATG CA 3'(配列番号4)
であった。
(相補鎖へのハイブリダイゼーション)
17−merの一本鎖DNA生成物をテスト配列(17.1') 5' 32P-ATG CAG GAA CTG TTA CA 3'(配列番号5)に室温15分間のインキュベーションによってハイブリダイズさせた。テスト配列17.1'(配列番号5)は、以下のようにして末端標識によりリン酸化した。0.5μMオリゴヌクレオチドを、20μCiのγ−32P−ATP(3000Ci/mmol)、および70mMトリス−HCl、pH7.6中10単位のT4ポリヌクレオチドキナーゼ、10mMのMgCl2、5mMのジチオトレイトールとともに37℃で1時間インキュベートした。生成物を定量するため、反応物にリン酸化していないテスト配列17.1’を混ぜ、そして、過剰の32P一本鎖17−merの強度を混合物全体(二重鎖+過剰プローブ)と比較することによって、17−mer二重鎖のフラクションを評価した。
〔p53がん抑制遺伝子中三つのSNPの多重検出〕
三つ(またはそれより多い)配列を同じサンプルチューブで同時に増幅すること以外は、この実験は上記実施例3と同様である。最適PCR温度が類似するようプライマーの長さを設計する必要がある。C176F、S241FおよびR248Wを構成するSNP類の混合物に対し、次のプライマーおよび補助オリゴヌクレオチドを使用する。
<SNP C176Fに対し>
(PCRプライマー)
プライマー27.6
5' GAT GGA TGA CGG AGG TTG TGA GGC GCT 3'(配列番号6)
プライマー26.5’p
5' P-ATA GGA TGG CAG CGC TCA TGG TGG GG 3'(配列番号7)
(補助オリゴヌクレオチド)
(24.5') 5' GCC TCA CAA CCT CCG TCA TCC ATC 3'(配列番号8)
(26.5') 5' ATA GGA TGG CAG CGC TCA TGG TGG GG 3'(配列番号9)
<SNP S241Fに対し>
上記実施例3と同じプライマー:プライマー26.1’P(配列番号1)およびプライマー27.2(配列番号2)
<SNP R273Hに対し>
(PCRプライマー)
プライマー27.4
5' ATA GGA TGA CGG AAC AGC TTT GAG GTG 3'(配列番号10)
プライマー26.3’p
5' P-ATA GGA TGC CAG GAC AGG CAC AAA CA 3'(配列番号11)
(補助オリゴヌクレオチド)
(24.3') 5' CTC AAA GCT GTT CCG TCA TCC TAT 3'(配列番号12)
(26.3') 5' ATA GGA TGC CAG GAC AGG CAC AAA CA 3'(配列番号13)
酵素反応およびアッセイは、上記実施例3と同様に行う。SNP間の間隔がそれらのプライマー部位が部分的に重なるほど近い場合、SNP類を同じチューブで増幅できないことが認められた。
〔所定のサイズの一本鎖フラグメントを生成させるためのDNAのリニアRCA増幅〕
次の例では、ラムダエキソヌクレアーゼを用いる場合、5’末端でリン酸化された合成ターゲットを使用し、T7エキソヌクレアーゼを用いる場合、修飾されていないターゲットを使用する。
ターゲットDNA配列30.1P:
5' P-CAG CTT TGA GGT GCG TGT TTG TGC CTG TCC 3'(配列番号14)
をパッドロック(padlock)プローブ配列70.1P:
5' P-GCA CCT CAA AGC TGC GCA TCC CAT CAG ATA GCG AGT CGA CGT GAG GAT GTA CGT GGA CAG GCA CA AAC AC 3'(配列番号15)
にハイブリダイズさせる。
パッドロックプローブ配列70.1P(配列番号15)は、ターゲット配列(配列番号14)に相補的な領域を有し、さらに、ターゲット配列に及ぶFokI制限部位とパッドロックを完成させる非相同配列とを有し、そして、phi29DNAポリメラーゼのような鎖置換ポリメラーゼのためのプライマー認識部位を含む。そのライゲーションおよび重合プロセスは、たとえば、Zhong 他(2001, Proc. Natl. Acad. Sci. 98:3940-3945)に記載されている。ターゲットDNA配列30.1P(配列番号14)とパッドロックプローブ70.1P(配列番号15)を1×TagDNAリガーゼ緩衝液(New England Biolabs、Beverly、マサセッツ州)中ハイブリダイズさせる。ライゲーションをTaqDNAリガーゼの添加とともに45℃で15分間進める。70℃10分間の加熱による不活性化の後、緩衝液をサイズ排除カラムによりエキソヌクレアーゼ緩衝液と交換する。
コントロール反応において、ターゲット30.2P:
5' P-CAG CTT TGA GGT GCC TGT TTG TGC CTG TCC 3'(配列番号16)
を使用し、それは、ライゲーション部位においてミスマッチを含み、それにより、該ミスマッチはパッドロックプローブ70.1P(配列番号15)の環化を阻害する。その代わりとして、パッドロックプローブ70.1Pをホスファターゼで処理するか、あるいは、70.1配列の非修飾版を用いることによって、ライゲーションを阻害することができる。
ラムダエキソヌクレアーゼ(New England Biolabs、Beverly、マサセッツ州)の添加により、ターゲット配列および非環化プローブの両方を消化する。環化されたパッドロックプローブは無傷のままであり(ラムダエキソヌクレアーゼによって消化されない)、RCA用鋳型として用いることができる。DNAポリメラーゼ用の鋳型として働くプライマーは、環化されたパッドロックの非相同配列の領域に相補的である。リニアRCAの生成物は、補助オリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせられる。
24.1ロック(LOCK):
5' ATG GGA TGC GCA GCT TTG AGG TGC 3'(配列番号17)および
24.2ロック(LOCK):
5' TGT GCC TGT CCA CGT ACA TCC TCA 3'(配列番号18)
これは、FokI消化のための二本鎖鋳型を完成させるものである。この反応から得られる生成物は、一本鎖の15−mer:
5' GAG GTG CGT GTT TGT 3'(配列番号19)
である。
〔ニッキング(ニック形成)/切断戦略による一本鎖DNAの調製〕
ここに記載する方法により二本鎖PCR物を生成させる。この方法は、必要なヌクレオチド配列を有するオリゴマーを生成させ、それにより、本発明の方法に従って所定の配列および長さの一本鎖DNA分子を生成させる。二本鎖増幅物をニッキング酵素および切断酵素とともにインキュベートし、それにより、所定の配列の一端において二本鎖増幅物にニック(切れ目)をいれ、該所定の配列の他端において二本鎖増幅物を切断する。この例では、一方のプライマーにより導入された外来配列上の認識部位にFokIが結合し、そして、増幅物の一端で切断を行う。必要な配列の他端において、二本鎖増幅物にニック(切れ目)が入れられる。
次のプライマーを使用することができる。
Figure 2005523700
この例において、Nはプライマーのヌクレオチド類を表わし、ゲノムDNAにあるものと同じである。Sは一ヌクレオチド多型(SNP)を表わし、W、X、Y、およびZはいずれのプライマーにも見られないゲノムDNA中のヌクレオチド類を表わす。Mで表わされるヌクレオチド類(目的とするゲノムDNAにない一つまたは複数の外来ヌクレオチド配列)を、ニッキング/切断後に残る二重らせん生成物の長さを増やすため、プライマーに含めることができる。この例が示すところによれば、x(M)ヌクレオチドをフラグメントの先端に加えることができ、y(M)ヌクレオチドを下のフラグメントに加えることができる。
ニッキング/切断反応の後、所定の配列を有するオリゴヌクレオチドは、15ヌクレオチド長である。左手側フラグメント(先端)プライマー鎖は25+xヌクレオチド長であり、また、左手側(下側)鎖は35+xヌクレオチド長である。右手側フラグメント(下側)プライマー鎖は30+yヌクレオチド長であり、また、上側鎖は34+yヌクレオチド長である。これら構造物の変性温度は、短腕の長さ(この例では25および30)に依存する。
この例において、プライマー鎖は、その5’末端でビオチンによりラベルされる。所定の配列を有する15−merを増幅物の残りの部分(その相補鎖と増幅物のプライマー二重鎖とを含む)から分離するため、15−merをその相補鎖から変性させるとき、プライマー鎖と左側プライマーに対する下側鎖(右側プライマーに対する上側鎖)との間の二重鎖を無傷のままにしておく必要がある。左側および右側のプライマー上にあるヌクレオチドMは、それらの長さをxおよびyの量でそれぞれ増やすことにより、これら二重鎖の安定性を増加させるメカニズムを与える。マルチプレックス混合物においては、必要な所定の配列を有する15−mer類のすべては、プライマー二重鎖のいずれよりも低い温度で溶融(変性)する必要があるであろう。これらプライマー複合物は、磁気ビーズに付着させることにより除去する。磁気ビーズは、少なくとも一つのプライマーの5’末端に付いたビオチンラベルに結合するストレプトアビジンを保持している。15−mer二重鎖の安定性をビーズの安定性の範囲にまで下げるため、混合物にEDTAを添加してMg2+をキレート化する必要があるかもしれない。
当業者に明らかなように、非常に多くの、そして種々の、変更・修飾が、本発明の要旨を逸脱することなく可能である。したがって、当然のことながら、本発明の上記態様は単なる例示であって、本発明の技術範囲を限定するものではない。
当該方法の概要であって、二本鎖分子を生成させる増幅、一方の鎖の消化、および得られる一本鎖を最終的な長さにするトリミングを示している。 目的とする配列Aに相補的な配列をその二つの末端に有する環化可能な線状DNA分子を、鋳型に対合させる。3’末端および5’末端がすぐ隣同士になるように配列を設計すれば、該分子はDNAリガーゼによって環化される。もし、ギャップが残るのであれば、それはDNAポリメラーゼによって埋められ、該分子は次いで連結されて環となる。環化可能な分子中の外来配列は、トリミング可能な部位として示される。環化された分子は、配列A'を含み、これは、目的とする配列Aに相補的なものである。 環状分子のリニアRCA増幅を示す。一本鎖生成物は、目的とする配列Aを含み、その両側には、トリミング反応用に設計された外来配列が隣接している。 一本鎖生成物において、外来配列に相補的な補助オリゴヌクレオチドを付加することによって形成される部位で制限消化することによりトリミングを行うことを図解するものである。 環化可能な分子において、外来配列にコードされるヘアピンらせん部位で制限消化することによりトリミングを行うことを図解するものである。 トリミング反応用制限部位をコードする外来配列を導入するために使用されるPCRプローブを示すものである。 IIS型制限酵素(たとえばFokI)に二重らせん基質を与えるため、補助オリゴヌクレオチドを使用することを図示するものである。この場合、酵素認識配列は、ヘアピンらせん構造中にコードされており、プライマー内の外来配列に由来するものである。 II型制限酵素(たとえばEcoRI)によるトリミングを図解するものであり、その制限部位は、プライマー中の外来配列においてコードされるものである。
【配列表】
Figure 2005523700
Figure 2005523700
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Figure 2005523700
Figure 2005523700

Claims (66)

  1. 所定の配列および長さの一本鎖DNA分子を生成させるための方法であって、
    少なくとも一つの目的とするヌクレオチド配列を含む鋳型を増幅する工程(前記増幅は、目的とするヌクレオチド配列に存在しない少なくとも一つの外来ヌクレオチド配列を含む少なくとも一つのプライマーによって誘導され、そこにおいて前記増幅は、少なくとも一つの目的とする前記ヌクレオチド配列と少なくとも一つの前記プライマーによって導入される少なくとも一つの前記外来ヌクレオチド配列とを含む複数の二本鎖増幅物を生成させる)と、
    前記二本鎖増幅物のそれぞれを一本鎖増幅物に変換する工程と、
    前記一本鎖増幅物のそれぞれをトリミングして所定の配列および長さの一本鎖DNA分子を生成させる工程とを含む、方法。
  2. 前記増幅する工程にポリメラーゼ連鎖反応(PCR)が用いられる、請求項1の方法。
  3. 前記増幅する工程にローリングサークル増幅(RCA)が用いられる、請求項1の方法。
  4. 前記増幅する工程は、リニアな態様で行われる、請求項1の方法。
  5. 前記増幅する工程は、ノンリニアな態様で行われる、請求項1の方法
  6. 前記鋳型はゲノムDNAまたはcDNAである、請求項1の方法。
  7. 前記鋳型はRNAである、請求項1の方法。
  8. 少なくとも一つの前記プライマーは、アドレス可能なリガンドが付いた少なくとも一つの配列を含む、請求項1の方法。
  9. 前記アドレス可能なリガンドはビオチンである、請求項8の方法。
  10. 少なくとも一つの前記プライマーによって導入される少なくとも一つの前記外来ヌクレオチド配列は、ヘアピン構造を形成する自己相補的配列を含む、請求項1の方法。
  11. ヘアピン構造を形成する前記自己相補的配列は、前記トリミング工程に用いられる制限酵素のための少なくとも一つの制限酵素認識部位を含む、請求項10の方法。
  12. 前記トリミング工程に用いられる前記制限酵素は、II型制限酵素またはIIS型制限酵素である、請求項11の方法。
  13. 前記II型制限酵素はEcoRIである、請求項12の方法。
  14. 前記IIS型制限酵素はFokIである、請求項12の方法。
  15. 少なくとも一つの前記プライマーによって導入される少なくとも一つの前記外来ヌクレオチド配列は、少なくとも一つの補助オリゴヌクレオチドを加えたとき、前記トリミング工程に用いられる制限酵素のための少なくとも一つの制限酵素認識部位を形成する配列を含む、請求項1の方法。
  16. 前記トリミング工程に用いられる前記制限酵素は、II型制限酵素またはIIS型制限酵素である、請求項15の方法。
  17. 前記II型制限酵素はEcoRIである、請求項16の方法。
  18. 前記IIS型制限酵素はFokIである、請求項16の方法。
  19. 少なくとも一つの前記補助オリゴヌクレオチドは、アドレス可能なリガンドが付いた少なくとも一つの配列を含む、請求項15の方法。
  20. 前記アドレス可能なリガンドはビオチンである、請求項19の方法。
  21. 前記変換する工程は、少なくとも一つの目的とする前記ヌクレオチド配列と少なくとも一つの前記プライマーによって導入される少なくとも一つの前記外来ヌクレオチド配列とを含む前記二本鎖増幅物の一方の鎖を、5’→3’エキソヌクレアーゼを用いて消化することを含む、請求項1の方法。
  22. 前記5’→3’エキソヌクレアーゼはT7エキソヌクレアーゼまたはラムダエキソヌクレアーゼである、請求項21の方法。
  23. 少なくとも一つの前記プライマーによって導入される少なくとも一つの前記外来ヌクレオチド配列は、5’→3’エキソヌクレアーゼを用いる消化に対する抵抗性または5’→3’エキソヌクレアーゼを用いる消化に対する感受性を与える修飾ヌクレオチドを含む、請求項21の方法。
  24. 前記修飾ヌクレオチドは、5’→3’エキソヌクレアーゼを用いる消化に対する抵抗性を与える、請求項23の方法。
  25. 前記修飾ヌクレオチドは、ホスホロチオエート誘導体である、請求項24の方法。
  26. 前記修飾ヌクレオチドは、5’→3’エキソヌクレアーゼを用いる消化に対する感受性を与える、請求項23の方法。
  27. 前記修飾ヌクレオチドは、リン酸化されているものである、請求項26の方法。
  28. 所定の配列および長さの前記一本鎖DNA分子の長さは、10ヌクレオチド〜100ヌクレオチドである、請求項1の方法。
  29. 所定の配列および長さの前記一本鎖DNA分子の長さは、10ヌクレオチド〜50ヌクレオチドである、請求項1の方法。
  30. 所定の配列および長さの前記一本鎖DNA分子の長さは、15ヌクレオチドである、請求項1の方法。
  31. 所定の配列および長さの前記一本鎖DNA分子の長さは、17ヌクレオチドである、請求項1の方法。
  32. 所定の配列および長さの前記一本鎖DNA分子の長さは、21ヌクレオチドである、請求項1の方法。
  33. 所定の配列および長さの前記一本鎖DNA分子の長さは、30ヌクレオチドである、請求項1の方法。
  34. 所定の配列および長さの一本鎖DNA分子を生成させるための方法であって、
    少なくとも一つの目的とするヌクレオチド配列を含む鋳型を増幅する工程(前記増幅は、目的とするヌクレオチド配列に存在しない少なくとも一つの外来ヌクレオチド配列を含む少なくとも一つのプライマーによって誘導され、そこにおいて前記増幅は、少なくとも一つの目的とする前記ヌクレオチド配列と少なくとも一つの前記プライマーによって導入される少なくとも一つの前記外来ヌクレオチド配列とを含む複数の二本鎖増幅物を生成させる)と、
    所定の配列の一端で前記二本鎖増幅物にニックをいれ、かつ、前記所定の配列の他端で前記二本鎖増幅物を切断し、所定の配列および長さのDNA分子を生成させる工程と、
    所定の配列および長さの一本鎖DNA分子を、その相補鎖および増幅物のプライマー二重鎖を含む増幅物の残りの部分から分離する工程とを含む、方法。
  35. 所定の配列および長さの前記一本鎖DNA分子をその相補鎖から分離させる一方、前記増幅物の前記プライマー二重鎖を無傷のまま残す条件下において、加熱することにより、所定の配列および長さの前記一本鎖DNA分子を、前記増幅物の前記残りの部分から分離する、請求項34の方法。
  36. 少なくとも一つの前記プライマーにアドレス可能なリガンドが付いている、請求項35の方法。
  37. 前記アドレス可能なリガンドはビオチンである、請求項36の方法。
  38. 相補鎖および増幅物のプライマー二重鎖を含む前記増幅物の残りの部分は、少なくとも一つのプライマーの5’末端に付いた前記ビオチンに結合するストレプトアビジンを保持した磁気ビーズに付着させることにより、除去される、請求項37の方法。
  39. 所定の配列および長さの一本鎖DNA分子を生成させるための方法であって、
    少なくとも一つの目的とするヌクレオチド配列を含む鋳型を増幅する工程(前記増幅は、前記鋳型に存在しない少なくとも一つの外来ヌクレオチド配列を含む少なくとも一つのプライマーによって誘導され、そこにおいて前記増幅は、少なくとも一つの目的とするヌクレオチド配列と少なくとも一つの前記プライマーによって導入される少なくとも一つの外来配列とを含む複数の一本鎖増幅物を生成させる)と、
    前記一本鎖増幅物のそれぞれをトリミングして所定の配列および長さの一本鎖DNA分子を生成させる工程とを含む、方法。
  40. 前記増幅は、リニアな態様のローリングサークル増幅である、請求項39の方法。
  41. 前記鋳型はゲノムDNAまたはcDNAである、請求項39の方法。
  42. 前記鋳型はRNAである、請求項39の方法。
  43. 少なくとも一つの前記プライマーは、アドレス可能なリガンドが付いた少なくとも一つの配列を含む、請求項39の方法。
  44. 前記アドレス可能なリガンドはビオチンである、請求項43の方法。
  45. 少なくとも一つの前記プライマーによって導入される少なくとも一つの前記外来ヌクレオチド配列は、ヘアピン構造を形成する自己相補的配列を含む、請求項39の方法。
  46. ヘアピン構造を形成する前記自己相補的配列は、前記トリミング工程に用いられる制限酵素のための少なくとも一つの制限酵素認識部位を含む、請求項45の方法。
  47. 前記トリミング工程に用いられる前記制限酵素は、II型制限酵素またはIIS型制限酵素である、請求項46の方法。
  48. 前記II型制限酵素はEcoRIである、請求項47の方法。
  49. 前記IIS型制限酵素はFokIである、請求項47の方法。
  50. 少なくとも一つの前記プライマーによって導入される少なくとも一つの前記外来ヌクレオチド配列は、少なくとも一つの補助オリゴヌクレオチドを加えたとき、前記トリミング工程に用いられる制限酵素のための少なくとも一つの制限酵素認識部位を形成する配列を含む、請求項46の方法。
  51. 前記トリミング工程に用いられる前記制限酵素は、II型制限酵素またはIIS型制限酵素である、請求項50の方法。
  52. 前記II型制限酵素はEcoRIである、請求項51の方法。
  53. 前記IIS型制限酵素はFokIである、請求項51の方法。
  54. 少なくとも一つの前記補助オリゴヌクレオチドは、アドレス可能なリガンドが付いた少なくとも一つの配列を含む、請求項51の方法。
  55. 前記アドレス可能なリガンドはビオチンである、請求項54の方法。
  56. 所定の配列および長さの一本鎖DNA分子を生成させるための方法であって、
    少なくとも一つの目的とするヌクレオチド配列を含む鋳型を増幅する工程(前記増幅は、前記鋳型に存在しない少なくとも一つの外来ヌクレオチド配列を含む少なくとも一つのプライマーによって誘導され、そこにおいて、前記増幅は、少なくとも一つの目的とするヌクレオチド配列と少なくとも一つの前記プライマーによって導入される少なくとも一つの外来配列とを含む複数の増幅物を生成させ、前記増幅物は一本鎖増幅物または二本鎖増幅物を含み、さらに、前記二本鎖増幅物はいずれも一本鎖増幅物に変換され得る)と、
    前記一本鎖増幅物をトリミングして所定の配列および長さの少なくとも一つの一本鎖DNA分子を生成させる工程とを含む、方法。
  57. 少なくとも一種の生物体または個体を同定または識別するための方法であって、
    少なくとも一つの目的とするヌクレオチド配列を含む鋳型を前記生物体または個体から得ること(そこにおいて、前記鋳型はゲノムDNA、cDNAまたはRNAからなる)と、
    少なくとも一つの目的とするヌクレオチド配列を含む前記鋳型を増幅すること(前記増幅は、前記目的とするヌクレオチド配列に存在しない少なくとも一つの外来ヌクレオチド配列を含む少なくとも一つのプライマーによって誘導され、そこにおいて前記増幅は、少なくとも一つの目的とする前記ヌクレオチド配列と少なくとも一つの前記プライマーによって導入される少なくとも一つの前記外来ヌクレオチド配列とを含む複数の二本鎖増幅物を生成させる)と、
    前記二本鎖増幅物を一本鎖増幅物に変換することと、
    前記一本鎖増幅物をトリミングして所定の配列および長さの一本鎖DNA分子を生成させることと、
    所定の配列および長さの前記一本鎖DNA分子のそれぞれの質量またはヌクレオチド配列を決定することと、
    所定の配列および長さの少なくとも一つの一本鎖DNA分子の少なくとも一つの前記質量またはヌクレオチド配列を用いて、少なくとも一つの生物体または個体を同定または識別することとを含む、方法。
  58. 質量分析を用いて、所定の配列および長さの前記一本鎖DNA分子のそれぞれの前記質量またはヌクレオチド配列を決定する、請求項57の方法。
  59. 所定の配列および長さの前記一本鎖DNA分子のそれぞれの前記質量を決定し、そして、所定の配列および長さの少なくとも一つの一本鎖DNA分子の少なくとも一つの前記質量を用いて、少なくとも一つの生物体または個体を同定または識別することを含む、請求項57の方法。
  60. 所定の配列および長さの前記一本鎖DNA分子のそれぞれの前記ヌクレオチド配列を決定し、そして、所定の配列および長さの少なくとも一つの一本鎖DNA分子の少なくとも一つの前記ヌクレオチド配列を用いて、少なくとも一つの生物体または個体を同定または識別することを含む、請求項57の方法。
  61. 多様な生物体または個体が同定または識別される、請求項57の方法。
  62. 少なくとも一種の生物体または個体を同定または識別するための方法であって、
    少なくとも一つの目的とするヌクレオチド配列を含む鋳型を少なくとも一種の前記生物体または個体から得ること(そこにおいて、前記鋳型はゲノムDNA、cDNAまたはRNAからなる)と、
    少なくとも一つの目的とするヌクレオチド配列を含む前記鋳型を増幅すること(前記増幅は、前記目的とするヌクレオチド配列に存在しない少なくとも一つの外来ヌクレオチド配列を含む少なくとも一つのプライマーによって誘導され、そこにおいて前記増幅は、少なくとも一つの目的とする前記ヌクレオチド配列と少なくとも一つの前記プライマーによって導入される少なくとも一つの前記外来ヌクレオチド配列とを含む複数の一本鎖増幅物を生成させる)と、
    前記一本鎖増幅物のそれぞれをトリミングして所定の配列および長さの一本鎖DNA分子を生成させることと、
    所定の配列および長さの前記一本鎖DNA分子のそれぞれの質量またはヌクレオチド配列を決定することと、
    所定の配列および長さの少なくとも一つの一本鎖DNA分子の少なくとも一つの前記質量またはヌクレオチド配列を用いて、少なくとも一つの生物体または個体を同定または識別することとを含む、方法。
  63. 質量分析を用いて、所定の配列および長さの前記一本鎖DNA分子のそれぞれの前記質量またはヌクレオチド配列を決定する、請求項62の方法。
  64. 所定の配列および長さの前記一本鎖DNA分子のそれぞれの前記質量を決定し、そして、所定の配列および長さの少なくとも一つの一本鎖DNA分子の少なくとも一つの前記質量を用いて、少なくとも一つの生物体または個体を同定または識別することを含む、請求項62の方法。
  65. 所定の配列および長さの前記一本鎖DNA分子のそれぞれの前記ヌクレオチド配列を決定し、そして、所定の配列および長さの少なくとも一つの一本鎖DNA分子の少なくとも一つの前記ヌクレオチド配列を用いて、少なくとも一つの生物体または個体を同定または識別することを含む、請求項62の方法。
  66. 多様な生物体または個体が同定または識別される、請求項62の方法。
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