JP2005523008A - 免疫グロブリンのユニバーサルライブラリー - Google Patents

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Abstract

関心対象の免疫グロブリンの1つまたは複数の相補性決定領域の1つまたは複数の位置を単一の所定のアミノ酸で置換した関心対象の変異免疫グロブリンを含む、関心対象の免疫グロブリンのライブラリーについて記載する。このライブラリーは、所定のアミノ酸を、関心対象の免疫グロブリンの6つの相補性決定領域(CDR)のそれぞれに対して、個々にばかりではなく、CDRに起こり得る組み合わせのバリエーションのそれぞれに対しても「ウォークスルー」し、各CDRの1つまたは複数の位置に所定のアミノ酸を有する、および各CDRの各位置において集合的に所定のアミノ酸を有する変異免疫グロブリンを含むサブセットライブラリーをもたらす、一連のサブセットライブラリーを含む。本発明はさらに、単一の所定のアミノ酸としての各天然アミノ酸について1つのそのようなライブラリーを含む、全部で20ライブラリーとなるユニバーサルライブラリーに関し;また記載したライブラリーをコードする核酸のライブラリーにも関する。

Description

関連出願
本出願は、2002年4月17日に提出した米国特許仮出願第60/373,558号の利益を主張する。上記出願の全内容は、参照として本明細書に組み入れられる。
発明の背景
突然変異誘発は、タンパク質の構造および機能を研究する上での強力な手段である。変異は関心対照のタンパク質をコードするクローン化遺伝子のヌクレオチド配列内に作製することができ、改変した遺伝子を発現させてタンパク質の変異体を産生することができる。野生型タンパク質と作製した変異体の性質を比較することにより、結合および/または触媒活性等のタンパク質の構造の完全性および/またはタンパク質の生化学的機能に必須な個々のアミノ酸またはアミノ酸のドメインを同定することが可能である場合が多い。しかし、単一のタンパク質から作製され得る変異体の数によって、情報のある情報または所望の性質を有する変異体の選別が困難になる。たとえ選択した変異体が、タンパク質の特定の、推定的に重要な領域(例えば、タンパク質の活性部位のまたはその周囲の領域)内のみに変異を包含するとしてもである。例えば、特定のアミノ酸の置換、欠失、または挿入は、タンパク質に局所的なまたは全体的な影響を及ぼす可能性がある。タンパク質の突然変異誘発の影響を系統的に評価する手段の必要性が残っている。
発明の概要
本発明は、関心対象の免疫グロブリンのライブラリーに関する。関心対象の原型免疫グロブリンに基づくライブラリーは、原型免疫グロブリンのウォークスルー突然変異誘発(walk-through mutagenesis)により作製することができる。1つの態様において、本発明の単一の所定アミノ酸ライブラリーは、関心対象の免疫グロブリンの1つまたは複数の相補性決定領域の1つまたは複数の位置を単一の所定の(predetermined)アミノ酸で置換した関心対象の変異免疫グロブリンを含む;ライブラリーは、以下を含む一連のサブセットライブラリーを含む:a) 関心対象の原型免疫グロブリンを含む1つのサブセットライブラリー;b) 免疫グロブリンの6つの相補性決定領域のうちの1つの領域の1つまたは複数の位置を所定のアミノ酸で置換した変異免疫グロブリンを含む6つのサブセットライブラリー(1つのサブセットライブラリーは、関心対象の免疫グロブリンの6つの相補性決定領域のそれぞれに対する);c) 6つの相補性決定領域のうちの2つの領域の1つまたは複数の位置を所定のアミノ酸で置換した変異免疫グロブリンを含む15のサブセットライブラリー(1つのサブセットライブラリーは、6つの相補性決定領域のうちの2つに起こり得る組み合わせのそれぞれに対する);d) 6つの相補性決定領域のうちの3つの領域の1つまたは複数の位置を所定のアミノ酸で置換した変異免疫グロブリンを含む20のサブセットライブラリー(1つのサブセットライブラリーは、6つの相補性決定領域のうちの3つに起こり得る組み合わせのそれぞれに対する);e) 6つの相補性決定領域のうちの4つの領域の1つまたは複数の位置を所定のアミノ酸で置換した変異免疫グロブリンを含む15のサブセットライブラリー(1つのサブセットライブラリーは、6つの相補性決定領域のうちの4つに起こり得る組み合わせのそれぞれに対する);f) 6つの相補性決定領域のうちの5つの領域の1つまたは複数の位置を所定のアミノ酸で置換した変異免疫グロブリンを含む6つのサブセットライブラリー(1つのサブセットライブラリーは、6つの相補性決定領域のうちの5つに起こり得る組み合わせのそれぞれに対する);およびg) 6つの相補性決定領域のすべての領域の1つまたは複数の位置を所定のアミノ酸で置換した変異免疫グロブリンを含む1つのサブセットライブラリー。変異免疫グロブリンを含むサブセットライブラリーはそれぞれ、所定のアミノ酸を導入した相補性決定領域のあらゆる位置に所定のアミノ酸が少なくとも一度存在する変異免疫グロブリンを含む。
所定のアミノ酸は、20種の天然アミノ酸から選択される。関心対象の免疫グロブリンは、完全な免疫グロブリン、または免疫グロブリンのFab断片、または一本鎖免疫グロブリンであってよい。関心対象の免疫グロブリンは、5種類の免疫グロブリン(IgG、IgM、IgA、IgD、またはIgE)のいずれでもよい。1つの態様において、関心対象の免疫グロブリンは触媒抗体である。
本発明はさらに、1つが20種の天然アミノ酸のそれぞれに対する上記のような20の「単一の所定アミノ酸」ライブラリーを含む、関心対象の原型免疫グロブリンのユニバーサルライブラリーに関する。本発明はまた、単一の所定アミノ酸ライブラリーをコードする核酸のライブラリーおよびユニバーサルライブラリーをコードする核酸のライブラリーにも関する。
本明細書に記載するライブラリーは、関心対象の原型免疫グロブリンの結合領域、および結合領域の活性における特定の各所定のアミノ酸の役割の系統的解析を可能にする容易に同定される変異免疫グロブリンを含む。このライブラリーにより、ランダム突然変異誘発によって作製される変異の解析に関連する問題が回避されると同時に、変動する相補性決定領域内のアミノ酸による複数の相互作用を含む、関心対象の免疫グロブリンとその抗原との相互作用を変化させる特定の変異に関する具体的情報の創出が可能になる。
発明の詳細な説明
本発明は、免疫グロブリンをコードする核酸を含むライブラリーおよび免疫グロブリン自体を含むライブラリーを含む、関心対象の免疫グロブリンのライブラリーに関する。本明細書で用いる「免疫グロブリン」とは、特定の抗原に応答して作製され、これに結合する抗体タンパク質である。免疫グロブリンには5つの既知のクラスまたは種類が存在する:IgG、IgM、IgA、IgD、およびIgE(例えば、Dictionary of Cell and Molecular Biology, 第3版を参照のこと)。免疫グロブリンの基本的な形はIgG型である:IgGは、ジスルフィド結合により「Y」の形に結合した2本の同一の重鎖(H)および2本の同一の軽鎖(L)を含む。重鎖は、3つの定常ドメイン(CH)および1つの可変領域(VH)を含む4つのドメインを含む。軽鎖は、1つの定常領域(CL)および1つの可変領域(VL)を含む。
重鎖の可変領域および軽鎖の可変領域はそれぞれ、相補性決定領域(CDR)とも呼ばれる3つの超可変ループを含む。抗原結合部位(Fv)領域(「結合ポケット」とも呼ばれる)は、これら6つの超可変(CDR)ループ(3つは免疫グロブリン重鎖可変領域(VH)内にあり、3つは軽鎖可変領域(VL)内にある)を含む。CDR内の残基は免疫グロブリン分子によって異なり、各抗体に抗原特異性を付与している。
各クラスの免疫グロブリンの簡単な説明を以下に示す。
免疫グロブリンG(IgG)
IgGは古典的な免疫グロブリンのクラスである;IgGは、約150 kDの分子量を有する。上記したように、IgGは2本の同一の軽鎖および2本の同一の重鎖から構成される。IgG分子は、タンパク質分解で2つのFab断片と1つのFc断片に分解され得る。Fabは、抗原結合部位(軽鎖および重鎖の可変領域)、軽鎖の定常領域、および重鎖の3つの定常領域のうちの1つを含む。Fc領域は、重鎖の残りの定常領域からなる;これは細胞結合部位および補体結合部位を含む。
免疫グロブリンM(IgM)
IgM分子(分子量約970 kD)は、J鎖を用いて5つのIgG型単量体が結合して構築され、環状の五量体を形成している。IgMは補体に結合する; 細胞表面に結合したたった1つのIgM分子でその細胞を溶解し得る。IgMは通常、IgGよりも前に免疫応答において最初に産生される。
免疫グロブリンA(IgA)
IgAは、哺乳動物の外分泌および血清において見出される免疫グロブリンのクラスである。分泌においては、IgAは、短いJ鎖により連結し分泌片または輸送片に結合したIgG型単量体の二量体(約400 kDの分子量を有する二量体)として見出される;血清中では、単量体(分子量約170 kD)として見出される。IgAは、腸または気道において感染に対する局所免疫を提供する主要な手段である。
免疫グロブリンD(IgD)
IgD(分子量約184 kD)は血清中に低レベルで存在するが、Bリンパ球の表面における主要な免疫グロブリンであり、そこで抗原認識の役割を担う可能性がある。その構造はIgGの構造に似ているが、重鎖はδ型のものである。
免疫グロブリンE(IgE)
IgEは(分子量約188 kD)は、即時型過敏反応および蠕虫感染(nelminth infection)に関連する。IgEは、血清中にごくわずかの量で、主にIgE特異的Fc受容体(FcεR)を有する肥満細胞および好塩基球に結合して存在する。IgEは高い糖質含量を有し、外分泌にも存在する。重鎖はε型のものである。
好ましい態様において、関心対象の免疫グロブリンはクラスIgGの免疫グロブリンである。本明細書で用いる「関心対象の免疫グロブリン」という用語は、完全な免疫グロブリン(すなわち、2本の完全な重鎖および2本の完全な軽鎖を含む免疫グロブリン)を指してもよい。また、関心対象の免疫グロブリンは、免疫グロブリンの可変領域を含む免疫グロブリンの一部(すなわち、2本の完全な重鎖および2本の完全な軽鎖に満たない重鎖および軽鎖を含む免疫グロブリン)(例えば、Fab断片またはFv断片)を指してもよい。別の態様では、関心対象の免疫グロブリンは「一本鎖」免疫グロブリンであってもよく、これには、例えばリンカー領域で連結した1本の重鎖および1本の軽鎖または一本鎖Fv断片が含まれる。1つの態様において、例えば、(例えば、リンカー領域を用いて)軽鎖の3つの可変領域が重鎖の3つの可変領域に結合し、一本鎖Fv免疫グロブリンを形成する関心対象の免疫グロブリンを調製することができる。必要に応じて、関心対象の免疫グロブリンをより大きな分子に連結することができる。1つの態様においては、関心対象の免疫グロブリンを、酵素、毒素、またはサイトカイン等のタンパク質に連結することが可能である。例えば、タンパク質分解性酵素の活性を、血栓溶解に適用するためのフィブリンまたは抗ウイルス療法のためのウイルスコートタンパク質およびRNA等の特定のタンパク質に導くために、その酵素を免疫グロブリン分子に連結することができる。免疫グロブリンに連結した毒素を癌細胞に導くことができ(例えば、Antibody Engineering. R. Konterman, S. Dubel(編)、Springer Lab Manual Springer-Verlag Berlin, Heidelberg (2001) U. Brinkmannによる第41章、「Stabilization Strategies and Application of recombinant Fvs and Fv Fusion proteins」, 593〜615ページ等を参照のこと)、また抗炎症に適用するためにサイトカイン(IL2等)を連結すること等ができる。
関心対象の免疫グロブリンは、抗体を産生する任意の種、好ましくは哺乳動物、特にヒト由来であってよい;または、関心対象の免疫グロブリンは、キメラ抗体、または抗体に関するアミノ酸データバンクから作製される「共通」構造もしくはカノニカル構造であってもよい(例えば、Kabatら、J Immunol 1991 Sep 1;147(5):1709-19を参照のこと)。関心対象の免疫グロブリンは野生型免疫グロブリンであってよい(例えば、哺乳動物、特にヒトの適切な生理的試料(例えば、血液、血清等)に見出され得る免疫グロブリン等の、生物から単離されるまたは単離され得る免疫グロブリン)。または、関心対象の免疫グロブリンは改変したグロブリンであってもよい(例えば、1つもしくは複数の可変領域および/または定常領域に変異を導入した以前は野生型であった免疫グロブリン)。別の態様においては、関心対象の免疫グロブリンは(例えば、生物から単離するのではなく組換えDNA法により調製した)合成免疫グロブリンであってよい。1つの好ましい態様において、関心対象の免疫グロブリンはヒト免疫グロブリンである。
本発明の1つの態様において、関心対象の免疫グロブリンは触媒抗体である。本明細書に記載する方法で免疫グロブリンの可変領域(Fv領域)の結合部位に適切なアミノ酸を導入することにより、免疫グロブリンを触媒作用性にすることができ、または触媒活性を強化することができる。例えば、抗体のFv領域の超可変部分内にセリンプロテアーゼを模倣した触媒の3残基(catalytic triad)を作製し、タンパク質分解活性についてスクリーニングすることができる。代表的な触媒抗体には、酸化還元酵素、転移酵素、加水分解酵素、脱離酵素、異性化酵素、および合成酵素が含まれる;これらの分類には、プロテアーゼ、カルボヒドラーゼ、リパーゼ、ジオキシゲナーゼ、およびペルオキシダーゼ、ならびに他の酵素が含まれる。これらおよび他の酵素は、保健医療、化粧品、食品、醸造、洗浄剤、環境(例えば廃水処理)、農業、製革、繊維製品における酵素的変換、ならびに診断および治療応用、脂肪、炭水化物、およびタンパク質の変換、有機汚染物質の分解、および化学製品の合成等の他の化学工程に用いられ得る。例えば、線維素溶解活性、またはウイルスコートタンパク質等の感染性に必要なウイルス構造に対する活性を有する治療的に効果のあるプロテアーゼを設計することができる。そのようなプロテアーゼは、有用な抗血栓薬、またはAIDS、ライノウイルス、インフルエンザ、もしくは肝炎等のウイルスに対する有用な抗ウイルス薬となり得る。または別の例では、芳香環および他の二重結合の酸化に補因子を必要とするクラスの酵素であるオキシゲナーゼ(例えばジオキシゲナーゼ)は、バイオパルピング工程、バイオマスの燃料または他の化学製品への変換、排水汚染物質の変換、石炭のバイオプロセシング、および有害な有機化合物の無害化において産業上の用途を有する。
本発明のライブラリーは、関心対象の単一の原型免疫グロブリンに関する。「原型」免疫グロブリンは、その後の変異すべての元になる免疫グロブリン(または上記のようなFab断片)である。
ウォークスルー突然変異誘発
本発明のライブラリーを調製するため、原型免疫グロブリンに対して「ウォークスルー突然変異誘発」 を実施した。ウォークスルー突然変異誘発は、その全内容が参照として本明細書に組み入れられる米国特許第5,830,650号および第5,798,208号に詳細に記載されている。ウォークスルー突然変異誘発は免疫グロブリン以外のタンパク質およびポリペプチドに同等に適用できるが、本明細書では関心対象の免疫グロブリンの突然変異誘発に関して考察する。
ウォークスルー突然変異誘発では、免疫グロブリンの関心対象の1つの所定の領域(またはいくつかの所定の領域)(すなわち、免疫グロブリンの1つまたは複数の超可変ループ(CDR))の各位置に単一の所定のアミノ酸が少なくとも一回取り込まれた一組の免疫グロブリン(ライブラリー)が産生される。その結果生じる免疫グロブリン(本明細書では「変異免疫グロブリン」と称する)は、原型免疫グロブリンの1つまたは複数の同じ位置に存在した「固有の(native)」または「野生型」アミノ酸の代わりに、免疫グロブリンの1つまたは複数のCDRの1つまたは複数の位置に単一の所定のアミノ酸が取り込まれる点で、原型免疫グロブリンとは異なる。一組の変異免疫グロブリンは、関心対象の所定の領域の各位置に対する個々の変異免疫グロブリンを含む;したがって、関心対象の所定の領域(例えばCDR)の各位置に関して、各変異免疫グロブリンは原型免疫グロブリンに見出されるアミノ酸かまたは所定のアミノ酸のどちらかを有し、変異免疫グロブリンすべての混合物は起こり得るすべての変種を含む。
所定のアミノ酸は天然アミノ酸であってよい。20種の天然アミノ酸は、それらの側鎖に関してのみ異なる。各側鎖は、各アミノ酸を固有なものとする化学的特性を担う(例えば、G.E. SchulzおよびR.M. SchirnerによるPrinciples of Protein Structure, 1998, Springer-Verlagを参照のこと)。典型的な極性かつ中性側鎖は、Cys、Ser、Thr、Asn、Gln、およびTyrの側鎖である。Glyはまた、この群の境界線のメンバーであると見なされる。SerおよびTyrは、水素結合の形成において重要な役割を果たす。Thrはβ炭素においてさらなる非対称を有し、よって立体異性体の一方のみを用いる。酸アミドGlnおよびAsnもまた水素結合を形成し、アミド基は水素供与体として機能し、カルボキシル基は受容体として機能する。GlnはAsnに比べてCH2基を1つ多く有し、これにより極性基がより可動性となり主鎖との相互作用が減少する。Tyrは、高いpH値で解離し得る非常に極性の高い水酸基(フェノールOH)を有する。Tyrは荷電した側鎖にやや似た挙動をする;その水素結合はむしろ強力である。
中性である極性酸は、タンパク質分子の表面および内部に見出される。内部の残基である場合には、それらは通常相互にまたはポリペプチド骨格と水素結合を形成する。Cysはジスルフィド架橋を形成し得る。ヒスチジン(His)は、pK値6.0を有する複素環式芳香族側鎖を有する。生理的なpH範囲において、そのイミダゾール環は、溶液から水素イオンを受け取った後に荷電されない可能性も荷電される可能性もある。これらの2つの状態は容易に得られるため、Hisは化学反応を触媒する上で非常に役立ち、多くの酵素の活性中心に見出される。
AspおよびGluは、生理的pHにおいて負に荷電している。側鎖が短いため、Aspのカルボキシル基は主鎖に対してより強固である;これにより、多くの触媒部位のカルボキシル基がGluではなくAspで提供される理由が説明され得る。荷電した酸は一般に、タンパク質の表面に見出される。
LysおよびArgは表面に見出される場合が多い。これらは長くかつ可動性のある側鎖を有する。周囲の溶液中で揺らぎ、それによりタンパク質小球の溶解度が増す。いくつかの例では、LysおよびArgは内部の塩橋の形成に関与するか、または触媒に役立つ。これらのアミノ酸はタンパク質の表面に曝露されるため、Lysは、側鎖を修飾するかまたはLys残基のカルボニル末端でペプチド鎖を切断する酵素によって攻撃される頻度の高い残基である。
ウォークスルー突然変異誘発を用いて、各変異免疫グロブリンをコードする一組の核酸(例えばcDNA)を調製する。1つの態様において、変異免疫グロブリンをコードする核酸は、ウォークスルー突然変異誘発の標的にしない免疫グロブリンの領域(例えば定常領域)をコードするヌクレオチド配列を、ウォークスルー突然変異誘発の標的にする免疫グロブリンの領域(例えばCDR)をコードするヌクレオチド配列と結合することにより調製することができる。例えば1つの態様では、免疫グロブリンの定常領域をコードするヌクレオチド配列を可変領域をコードするヌクレオチド配列と結合することにより、変異免疫グロブリンをコードする核酸を調製することができる。または別の例では、定常領域をコードするヌクレオチド配列、ウォークスルー突然変異誘発の過程で変化を受けない可変領域の部分をコードするヌクレオチド配列(例えば、CDRの外側のオリゴヌクレオチド)、およびCDRをコードするヌクレオチド配列(例えば、所定のアミノ酸をコードするヌクレオチドの取り込みに供するオリゴヌクレオチド)を結合することにより、変異免疫グロブリンをコードする核酸を調製することができる。さらに別の態様においては、CDRをコードするヌクレオチド配列(例えば、所定のアミノ酸をコードするヌクレオチドの取り込みに供するオリゴヌクレオチド)を、超可変ループ(CDR)のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列の代わりに、原型免疫グロブリンをコードする核酸に個々に挿入することができる。必要に応じて、制限酵素の隣接認識部位を含むようにCDRをコードするヌクレオチド配列を作製することもできるし(例えば、米国特許第4,888,286号を参照のこと)、または天然の制限酵素認識部位を用いることもできる。次に、制限酵素部位を用いてオリゴヌクレオチドの混合物を適切な位置にクローニングすることにより、これを導入することができる。
例えば、それぞれが原型免疫グロブリンのCDR(または原型免疫グロブリンのCDRの一部)をコードするか、またはCDR内の1つもしくは複数の固有のアミノ酸の代わりに所定のアミノ酸をコードするヌクレオチドをコードする、オリゴヌクレオチドの混合物を調製することができる。オリゴヌクレオチド内の各位置において、原型免疫グロブリン中に存在するアミノ酸の合成に必要なヌクレオチド、または(そのヌクレオチドの代わりに)所定のアミノ酸のコドンに必要な単一の適切なヌクレオチドを取り込むことにより、一回の合成でオリゴヌクレオチドの混合物を産生することができる。オリゴヌクレオチドの混合物の合成は、原型免疫グロブリンのCDRをコードするオリゴヌクレオチドばかりでなく、変異免疫グロブリンのCDRをコードするオリゴヌクレオチドも含むオリゴヌクレオチド混合物を生じるように、1つのヌクレオチド(例えば、CDRをコードする核酸のその位置において原型免疫グロブリンに存在するヌクレオチド)、または異なるヌクレオチド(例えば、原型免疫グロブリンのその位置において存在しないヌクレオチド)、または2つのヌクレオチドの混合物を反応チャンバーに送達するようにプログラムした自動化DNA合成機を用いて行うことができる。
例えば、4個が個々の塩基を含み、残りの6個が4塩基間に起こり得る2塩基混合物のすべてを含む全部で10個の試薬容器を使用して、ウォークスルー突然変異誘発過程のためのオリゴヌクレオチドの任意の混合物を合成することができる。例えば、以下の10本のチャンバーを含むようにDNA合成機を設計することができる:
(表1)自動化DNA合成の出発材料
Figure 2005523008
この準備により、任意のヌクレオチドが配列の任意の位置において、2つのヌクレオチドの組み合わせのいずれか一方で置換され得る。または、オリゴヌクレオチド合成機において個々の塩基の混合が可能であるならば、純粋な塩基の2個またはそれ以上の容器から引き出すように合成機をプログラムし、所望の割合のヌクレオチドを生じることも可能である。
1つの態様においては、配列のその位置にどちらか一方が取り込まれる機会が同等になるように、2つのヌクレオチド(すなわち、野生型ヌクレオチドおよび非野生型ヌクレオチド)をほぼ同じ濃度で反応に使用する。または、2つのヌクレオチドの濃度の比率を変えて、どちらか一方がオリゴヌクレオチドに取り込まれる可能性を増加させることができる。濃度の比率の変更(本明細書では「ドーピング」と称する)については、「'Doping' in Walk-through Mutagenesis」という名称の米国特許出願第60/373,686号、代理人整理番号第1551.2002-000号、および「'Doping' in Walk-through Mutagenesis」という名称であり本出願と同時に提出した米国特許出願第 / , 号、代理人整理番号第1551.2002-001号においてより詳細に考察してある;これらの特許出願の全内容は、参照として本明細書に組み入れられる。
別の態様においては、上記のオリゴヌクレオチドを作製するために、自動化DNA合成の代わりに固相βシアノエチルホスホアミダイト化学を用いることができる(例えば、米国特許第4,725,677号を参照のこと)。
または別の態様においては、リボソーム発現を用いることができる(例えば、HanesおよびPluckthun、「In vitro selection and evolution of functional proteins by using ribosome display」, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 94:4937-4942 (1997);RobertsおよびSzostak、「RNA-peptide fusions for the in vitro selection of peptides and proteins」, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 94:12297-12302 (1997);Hanesら、「Picomolar affinity antibodies from a fully synthetic native library elected and evolved by ribosome display」, Nature Biochemistry 18:1287-1292 (2000)を参照のこと)。
次に上記のように、変異免疫グロブリンをコードする核酸を含むライブラリーをそのようなオリゴヌクレオチドから調製することができ、その後標準的な技法を用いて、核酸から変異免疫グロブリンを含むライブラリーを産生することができる。例えば、変異した免疫グロブリンをコードする核酸を、発現用の宿主細胞に導入することができる(例えば、Huse, W.D.ら、Science 246:1275 (1989);Viera, J.ら、Meth. Enzymol. 153:3 (1987)を参照のこと)。例えば大腸菌発現系で核酸を発現させることができる(例えば、Pluckthun, A.およびSkerra, A.、Meth. Enzymol. 178:476-515 (1989);Skerra, A.ら、Biotechnology 9:23-278 (1991)を参照のこと)。核酸は、培地内に分泌しておよび/または細菌の細胞質内に発現され得る(例えば、Better, M.およびHorwitz, A.、Meth. Enzymol. 178:476 (1989)を参照のこと);または、酵母または哺乳動物細胞(例えば、骨髄腫またはハイブリドーマ細胞)等の他の生物で核酸を発現させることもできる。
当業者は、本明細書に記載するライブラリーを産生するために多くの発現法を使用できることを理解されよう。プロモーター、ターミネーター、ならびに転写および翻訳を促進する他の適切な配列等のさらなる遺伝子エレメントに遺伝子(ライブラリー)を融合することにより、Pluckthunらに記載されるようにインビトロでの発現(リボソームディスプレイ)を達成することができる(Pluckthun, A.およびSkerra, A.、Meth. Enzymol. 178:476-515 (1989))。同様に、記載されているように、ファージディプレイ、細菌発現、バキュロウイルス感染昆虫細胞、菌類(酵母)、植物、および哺乳動物細胞発現を得ることも可能である(Antibody Engineering. R. Konterman, S. Dubel(編)、Springer Lab manual. Spriger-Verlag. Berlin, Heidelberg (2001), S. DubelおよびR.E. Kontermanによる第1章、Recombinant Antibodies. 4〜16ページ)。scFVのライブラリーを他の遺伝子に融合し、結合成分(Fv)、および触媒、細胞障害性等といった他の機能を有するキメラタンパク質を産生することも可能である(Antibody Engineering. R. KONTERMAN, S. Dubel(編)、Springer Lab manual. Spriger-Verlag. Berlin, Heidelberg (2001), U. Brinkmannによる第41章、Stabilization Strategies and Application of recombinant Fvs and Fv Fusion proteins. 593〜615ページ)。
ユニバーサルライブラリーの調製
関心対象の免疫グロブリンのライブラリーを作製するため、単一の所定のアミノ酸を用いたウォークスルー突然変異誘発を原型免疫グロブリンに対して実施し、変異した免疫グロブリンをコードするヌクレオチド(および原型免疫グロブリンをコードするヌクレオチド)を含む個々の核酸ライブラリーを産生する。核酸ライブラリーを翻訳させ、変異免疫グロブリンタンパク質を含むアミノ酸ライブラリー(本明細書では「単一の所定のアミノ酸ライブラリー」と称する)を形成することができる。関心対象の免疫グロブリンの超可変ループ(CDR)(すなわち、重鎖の可変領域の3つの超可変ループ(VH1、VH2、およびVH3)および軽鎖の可変領域の3つの超可変ループ(VL1、VL2、およびVL3))それぞれに所定のアミノ酸をウォークスルーした単一の所定のアミノ酸ライブラリーはそれぞれ、64のサブセットライブラリーを含む。その結果生じる免疫グロブリンには、各CDRの1つまたは複数の位置に所定のアミノ酸を有する、および各CDRの各位置において集合的に所定のアミノ酸を有する変異免疫グロブリンが含まれる。単一の所定のアミノ酸を6つの超可変ループ(CDR)のそれぞれに個々にウォークスルーし;次に、CDRに起こり得る組み合わせのバリエーション(2つ組、3つ組、4つ組等)のそれぞれにウォークスルーする。起こり得る組み合わせのバリエーションを表2に示す。
(表2)単一の所定のアミノ酸ライブラリーそれぞれについてのサブセットライブラリー
Figure 2005523008
合計:63サブセットライブラリー。64番目のサブセットライブラリーには原型免疫グロブリンが含まれる。
関心対象の原型免疫グロブリンの「ユニバーサル」ライブラリーを調製するため、原型免疫グロブリンに対して20種の天然アミノ酸のそれぞれについて単一の所定のアミノ酸を用いたウォークスルー突然変異誘発を行い、20の個々の上記のような「単一の所定のアミノ酸ライブラリー」を作製する。これらの20の個々の「単一の所定のアミノ酸ライブラリー」がまとまって、関心対象の免疫グロブリンのユニバーサルライブラリーを形成する。
したがって全体では、関心対象の免疫グロブリンのユニバーサルライブラリーは、それぞれ64のサブセットライブラリーを含む20の(単一の所定のアミノ酸)ライブラリーを含み、合計で1208ライブラリーとなる。
ライブラリーの使用
本明細書に記載するライブラリーは、原型免疫グロブリンの結合領域、特に特定の所定のアミノ酸が結合領域に及ぼす影響の系統的かつ徹底的解析を可能にする様式で作製した変異免疫グロブリンを含む。このライブラリーにより、ランダム突然変異誘発に関連する変異の性質の調節または予測に関する問題が回避され;変動する相補性決定領域内のアミノ酸による複数の相互作用を含む、関心対象の免疫グロブリンとその抗原との相互作用の変化を可能にする特定の変異に関する具体的情報の創出が可能になる。
特定の特徴を有する特定の免疫グロブリンに対する適切な手段により、ライブラリーをスクリーニングすることができる。例えば、基質の変換についての適切なアッセイにより触媒活性を確認することができ、標準的な免疫測定法および/またはアフィニティークロマトグラフィー法により結合活性を評価することができる。これらの活性について、細胞が増殖に所望の活性を必要とするアッセイ法を設計することができる。例えば、毒性化合物を分解する能力等の特定の活性を有する免疫グロブリンのスクリーニングでは、致死レベルの毒性化合物を栄養プレートに組み入れることにより、毒性化合物を分解する活性を発現する細胞のみが増殖可能となる(Wasserfallen, A.、Rekik, M、およびHarayama, S.、Biotechnology 9:296-298 (1991))。病原体を標的するまたは破壊する能力等の他の活性について、ライブラリーをスクリーニングすることもできる。これらの活性に関して、関心対象の病原体を抗体に曝露し、所望の性質(例えば、病原菌を死滅させる)を示す抗体を選択し得るアッセイ法を設計することができる。
単一または複数のアミノ酸置換としてCDR領域に含まれる特定のアミノ酸の効果に関する情報により、抗体と抗原との親和性および特異性に関する所与のアミノ酸の具体的な効果(抗体の成熟または最適化)についての独特な情報が提供される。さらに、抗体(免疫グロブリン)分子の結合領域内の特定のアミノ酸の存在または濃縮により、抗体発見のための様々な新規抗原と相互作用し得る新たな配列(アミノ酸ドメイン)が提供される。
以下の例証は本発明を説明する目的で提供するものであり、本発明の範囲を制限するものと解釈されるべきではない。引用するすべての参考文献の内容は、本明細書により全体として本明細書に組み入れられる。
例証
A. 材料および方法
以下の実施例では、ユニバーサルアミノ酸ライブラリーの設計と合成を含む、ウォークスルー突然変異誘発(WTM)による遺伝子ライブラリーの合成について説明する。これらのライブラリーの構築は、特に一本鎖(scFV)として設計したそのFv(VLおよびVH)領域に限定した、ヒト抗HIV GP-120モノクローナル抗体のアミノ酸配列に基づいた。文献で公表されたヒト配列により、GP120モノクローナル抗体のVLおよびVH領域のアミノ酸配列を取得した(Antibody Engineering. R. KONTERMAN, S. Dubel(編)、Springer Lab manual. Spriger-Verlag. Berlin, Heidelberg (2001), S. DubelおよびR.E. Kontermanによる第1章、「Recombinant Antibodies」, 4〜16ページ)。
図1A〜1Bは、一本鎖(scFv)として構築したGP-120 Fvの完全な配列(アミノ酸およびDNA)を示す。依然に報告されたように合成ペプチド(G4S)3をコードするDNA配列を用いてVL遺伝子のC末端をVH遺伝子のN末端に人工的に結合することにより、完全なDNA配列を取得した(Huston, JS, Levinson D, Mudgett-Hunter M, Tai MS, Novotny J, Margulis MN, Ridge RJ, Bruccoleri RE, Haber EC, Crea R, およびOpperman H、Protein engineering of antibody binding site: recovery of specific activity in an anti-digioxin single-chain Fv analogue produced in E.Coli. Proc Nat Acad Sci USA 85, 5879-5883, 1988;Bird RE, Hardman KD, Jacobson JW, Johnson S, Kaufman BM, Lee SM, Pope SH, Riordan GS, およびWiltlow M, Single-chain antigen binding proteins. Science 242, 423-426, 1988)。VLおよびVHアミノ酸配列は、Kabatらに従い番号付けする(Kabat EA, Wu TT, Reid-Miller M, Perry HM, Gottesman KS, Foeller C, (1991) Sequences of proteins of Immunological Interest. 第5版、US Department Of Health and Human Services, Public Service, NIH)。CDR領域(L1、L2、L3およびH1、H2、H3)は太文字で示されている。
大腸菌において最も頻度の高いアミノ酸コドンを使用するように、VLおよびVHのDNA配列の設計を改めた。さらに、R.E.解析を容易にするため、配列内にいくつかの制限酵素部位を含めた。簡単に入手できる市販のプラスミドでのクローニング、配列決定、および発現を容易にするため、5つの粘着末端(Xba1、HindIII、およびSal I)および2つの終止コドン(TAA、TAG)もscFV遺伝子に導入した。
図2に模式的に示すように、GP-120 scFV遺伝子の全体的な構築の図式は合成オリゴヌクレオチドから作成した。構築の完了は、独立的に構築したVLおよびVH遺伝子の融合(連結)を含むように設計した。後者は、図4に示すように、適切に重複する合成オリゴヌクレオチドの酵素的連結(T4リガーゼ)により達成した。分離ゲル電気泳動によりVLおよびVH遺伝子を単離し、リガーゼの存在下でリンカー(G4S)3をコードする合成ヌクレオチド(#174、175、177、および189)を用いてさらに連結し、scFv構築物を得た。
オリゴヌクレオチドの合成は、Eppendorf D-300合成機で製造業者の提供する手順に従って行った。オリゴヌクレオチドそれぞれをゲル電気泳動で精製し、セファデックスに基づくミニカラムに迅速に通して脱塩し、5 O.D.u/mlに等しい濃度で個々に保存した。
VLおよびVH遺伝子の酵素的連結は標準的な条件下(Maniatisら)で行い、上方鎖および下方鎖の5'末端を除くすべてのVL遺伝子およびVH遺伝子をT4キナーゼでまずリン酸化し、T4リガーゼおよびATPの存在下での遺伝子構築に等モル濃度で使用した。scFVの最終的な構築は、過剰な(10×)オリゴリンカーの存在下で等モル量のVLおよびVHを連結することにより達成した。まずNTPならびに断片#201および#103の存在下でDNAポリメラーゼを用いて最終的なscFVを増幅し、次に分離ゲル電気泳動により精製した。
Applied Biosytems自動化DNAシークエンサーを用いて製造業者の提供する標準的条件に従ってDNA配列決定解析することにより、scFV遺伝子の正確性を確認した。
scFVタンパク質のいくつかのCDR領域に選択したアミノ酸を含む、GP-120 scFv遺伝子ライブラリーを作製するため、ウォークスルー突然変異誘発過程により決定した法則に従って(本明細書に記載するように;その全内容が参照として本明細書に組み入れられる米国特許第5,830,650号および第5,798,208号も参照のこと)、CDR領域に相当する合成オリゴヌクレオチドプールを設計して、Eppendorf D-300合成機を用いて合成した。
図5は、3つの標的アミノ酸、SER、HIS、およびASPをいくつかの可能な組み合わせでFvの個々のCDRに導入するように設計したオリゴヌクレオチドプールの例を示す。オリゴヌクレオチドプールは、化学合成過程において等量の活性化ヌクレオシドホスホルアミダートを混合することにより作製した。図5のプール配列は、混合塩基のIUPAC命名法を用いて示してある(太字の大文字で示す、R=AまたはG、Y=CまたはT、M=AまたはC、K=GまたはT、S=CまたはG、W=AまたはT;H=AまたはCまたはT、B=CまたはGまたはT、V=AまたはCまたはG、D=AまたはGまたはT)。
図6は、6つのCDR領域のうちの3つの領域に同時に突然変異を誘発し、選択した個々のアミノ酸(Ser、His、およびAsp)がいくつかの(8)異なる組み合わせ(L1〜L8)で存在するGP-120 scFVのライブラリーを作製するために、VLおよびVH遺伝子構築に採用した戦略を示す。
図3は、上記の戦略によって得られた、結果として生じたscFV遺伝子ライブラリー、およびそれぞれ個々のライブラリーについて生じた遺伝子変種の数をまとめたものである。
個々のscFVライブラリーを、適切な配列決定および/または発現プラスミドにクローニングすることができる。したがって、それにより配列決定解析および遺伝子発現が達成され得る。本実施例では、配列決定プラスミドとしてpFLAGプラスミドを使用し、プラスミドpCANTAB 5Eを用いて大腸菌でのscFV遺伝子ライブラリーの発現を達成した(細胞膜周辺腔)。
B. ユニバーサルアミノ酸ライブラリーの設計および合成
上記の方法を用いて、図7〜12に示すように、それぞれが20種の天然アミノ酸のうちの1つに対応する20の個々のオリゴヌクレオチドプールを、6つのCDRのそれぞれに対して設計することができる。これらのオリゴプールを寄せ集めたものから、選択したそれぞれのアミノ酸(20種の天然アミノ酸のうちの任意)に相当する6つのプールを任意の可能な組み合わせ方で使用し、scFV遺伝子の対応するCDR領域に突然変異を誘発することができる。
図13は、個々のアミノ酸についてのCDRプールのグループ分けを示す。上記のように、単一のCDR置換(6つの個々のライブラリー)から全体の飽和(6つのCDR領域すべてに突然変異が誘発される)に至るまでおよびそれらの間の任意の組み合わせで、6つのプールを任意の組み合わせ方式で用いることができる。
得られたライブラリー(全部で63+1つの野生型配列)のそれぞれおよびどれもが、選択したアミノ酸を提供するように設計したオリゴヌクレオチドのプールのみを含むことになり、したがって上記のように、選択したアミノ酸はscFv遺伝子の6つのCDR領域に系統的に分布することになる。この総合的図式の結果として、行きわたった1つの選択したアミノ酸を含み、このアミノ酸が任意の組み合わせの様式で6つのCDR領域にわたって分布する遺伝子ライブラリーが、個々の実体および別々のライブラリーとして得られることになる。
本発明をその好ましい態様に関して詳細に示し説明したが、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形式および詳細において様々な変更が行われ得ることを当業者は理解されよう。
A〜Bは、GP-120一本鎖FVの完全な配列、核酸配列(配列番号1)およびコードされるアミノ酸配列(配列番号2)を示す。 図1A〜1Bに示したGP-120 scFV遺伝子の全体的な構築の図式を示す。 本発明の方法によって得られたscFV遺伝子ライブラリー、およびそれぞれ個々のライブラリーについて生じた遺伝子変種の数をまとめたものである。 図2に示した構築図式において使用するためのオリゴヌクレオチドプールを示す表である。 A〜Bは、3つの標的アミノ酸、SER、HIS、およびASPをいくつかの可能な組み合わせでFvの個々のCDRに導入するように設計したオリゴヌクレオチドプールの例を示す。プール配列は、混合塩基のIUPAC命名法を用いて示してある、太字の大文字で示す、R=AまたはG、Y=CまたはT、M=AまたはC、K=GまたはT、S=CまたはG、W=AまたはT;H=AまたはCまたはT、B=CまたはGまたはT、V=AまたはCまたはG、D=AまたはGまたはT。 6つのCDR領域のうちの3つの領域に同時に突然変異を誘発し、選択した個々のアミノ酸(Ser、His、およびAsp)がいくつかの(8)異なる組み合わせ(L1〜L8)で存在するGP-120 scFVのライブラリーを作製するために、VLおよびVH遺伝子構築に採用した戦略を示す。 A〜Bは、第1VL領域(6つのCDR領域のうちの1つめ)についての、それぞれが20種の天然アミノ酸のうちの1つに対応する20の個々のオリゴヌクレオチドプールを示す。 A〜Bは、第2VL領域(6つのCDR領域のうちの2つめ)についての、それぞれが20種の天然アミノ酸のうちの1つに対応する20の個々のオリゴヌクレオチドプールを示す。 A〜Bは、第3VL領域(6つのCDR領域のうちの3つめ)についての、それぞれが20種の天然アミノ酸のうちの1つに対応する20の個々のオリゴヌクレオチドプールを示す。 A〜Bは、第1VH領域(6つのCDR領域のうちの4つめ)についての、それぞれが20種の天然アミノ酸のうちの1つに対応する20の個々のオリゴヌクレオチドプールを示す。 A〜Bは、第2VH領域(6つのCDR領域のうちの5つめ)についての、それぞれが20種の天然アミノ酸のうちの1つに対応する20の個々のオリゴヌクレオチドプールを示す。 A〜Bは、第3VH領域(6つのCDR領域のうちの6つめ)についての、それぞれが20種の天然アミノ酸のうちの1つに対応する20の個々のオリゴヌクレオチドプールを示す。 個々のアミノ酸についてのCDRプールのグループ分けを示す。

Claims (20)

  1. 関心対象の免疫グロブリンの1つまたは複数の相補性決定領域の1つまたは複数の位置を単一の所定のアミノ酸で置換した関心対象の変異免疫グロブリンを含む、関心対象の原型免疫グロブリンのライブラリーであって、該ライブラリーは、
    a) 関心対象の原型免疫グロブリンを含む1つのサブセットライブラリー;
    b) 免疫グロブリンの6つの相補性決定領域のうちの1つの領域の1つまたは複数の位置を所定のアミノ酸で置換した変異免疫グロブリンを含み、6つの相補性決定領域のそれぞれに対し1つのサブセットライブラリーを有し、その結果、全部で6つのサブセットライブラリーとなるサブセットライブラリー;
    c) 6つの相補性決定領域のうちの2つの領域の1つまたは複数の位置を所定のアミノ酸で置換した変異免疫グロブリンを含み、6つの相補性決定領域のうちの2つに起こり得る組み合わせのそれぞれに対し1つのサブセットライブラリーを有し、その結果、全部で15のサブセットライブラリーとなるサブセットライブラリー;
    d) 6つの相補性決定領域のうちの3つの領域の1つまたは複数の位置を所定のアミノ酸で置換した変異免疫グロブリンを含み、6つの相補性決定領域のうちの3つに起こり得る組み合わせのそれぞれに対し1つのサブセットライブラリーを有し、その結果、全部で20のサブセットライブラリーとなるサブセットライブラリー;
    e) 6つの相補性決定領域のうちの4つの領域の1つまたは複数の位置を所定のアミノ酸で置換した変異免疫グロブリンを含み、6つの相補性決定領域のうちの4つに起こり得る組み合わせのそれぞれに対し1つのサブセットライブラリーを有し、その結果、全部で15のサブセットライブラリーとなるサブセットライブラリー;
    f) 6つの相補性決定領域のうちの5つの領域の1つまたは複数の位置を所定のアミノ酸で置換した変異免疫グロブリンを含み、6つの相補性決定領域のうちの5つに起こり得る組み合わせのそれぞれに対し1つのサブセットライブラリーを有し、その結果、全部で6つのサブセットライブラリーとなるサブセットライブラリー;および
    g) 6つの相補性決定領域のすべての領域の1つまたは複数の位置を所定のアミノ
    酸で置換した変異免疫グロブリンを含む1つのサブセットライブラリーであって、
    ここで、変異免疫グロブリンを含むサブセットライブラリーはそれぞれ、所定のアミノ酸を導入した相補性決定領域のあらゆる位置に所定のアミノ酸が少なくとも一度存在する変異免疫グロブリンを含む、上記のサブセットライブラリー含む、原型免疫グロブリンのライブラリー。
  2. 関心対象の免疫グロブリンが触媒抗体である、請求項1記載のライブラリー。
  3. 関心対象の免疫グロブリンがIgGである、請求項1記載のライブラリー。
  4. 関心対象の免疫グロブリンがIgMである、請求項1記載のライブラリー。
  5. 関心対象の免疫グロブリンがIgAである、請求項1記載のライブラリー。
  6. 関心対象の免疫グロブリンがIgDである、請求項1記載のライブラリー。
  7. 関心対象の免疫グロブリンがIgEである、請求項1記載のライブラリー。
  8. 関心対象の免疫グロブリンが免疫グロブリンのFab断片である、請求項1記載のライブラリー。
  9. 関心対象の免疫グロブリンが一本鎖免疫グロブリンである、請求項1記載のライブラリー。
  10. 20種の天然アミノ酸のそれぞれに対する1つの単一の所定のアミノ酸ライブラリーからなる20の単一の所定のアミノ酸ライブラリーを含み、単一の所定のアミノ酸ライブラリーは、それぞれウォークスルー突然変異誘発により変異免疫グロブリンの1つまたは複数の位置に単一の所定のアミノ酸を導入した関心対象の変異免疫グロブリンを含み、かつ単一の所定のアミノ酸ライブラリーはそれぞれ、一群のサブセットライブラリーを含む:
    関心対象の原型免疫グロブリンのユニバーサルライブラリーであって、該ライブラリーは、
    a) 関心対象の原型免疫グロブリンを含む1つのサブセットライブラリー;
    b) 免疫グロブリンの6つの相補性決定領域のうちの1つの領域の1つまたは複数の位置を所定のアミノ酸で置換した変異免疫グロブリンを含み、6つの相補性決定領域のそれぞれに対し1つのサブセットライブラリーを有し、その結果、全部で6つのサブセットライブラリーとなるサブセットライブラリー;
    c) 6つの相補性決定領域のうちの2つの領域の1つまたは複数の位置を所定のアミノ酸で置換した変異免疫グロブリンを含み、6つの相補性決定領域のうちの2つに起こり得る組み合わせのそれぞれに対し1つのサブセットライブラリーを有し、その結果、全部で15のサブセットライブラリーとなるサブセットライブラリー;
    d) 6つの相補性決定領域のうちの3つの領域の1つまたは複数の位置を所定のアミノ酸で置換した変異免疫グロブリンを含み、6つの相補性決定領域のうちの3つに起こり得る組み合わせのそれぞれに対し1つのサブセットライブラリーを有し、その結果、全部で20のサブセットライブラリーとなるサブセットライブラリー;
    e) 6つの相補性決定領域のうちの4つの領域の1つまたは複数の位置を所定のアミノ酸で置換した変異免疫グロブリンを含み、6つの相補性決定領域のうちの4つに起こり得る組み合わせのそれぞれに対し1つのサブセットライブラリーを有し、その結果、全部で15のサブセットライブラリーとなるサブセットライブラリー;
    f) 6つの相補性決定領域のうちの5つの領域の1つまたは複数の位置を所定のアミノ酸で置換した変異免疫グロブリンを含み、6つの相補性決定領域のうちの5つに起こり得る組み合わせのそれぞれに対し1つのサブセットライブラリーを有し、その結果、全部で6つのサブセットライブラリーとなるサブセットライブラリー;および
    g) 6つの相補性決定領域のすべての領域の1つまたは複数の位置を所定のアミノ
    酸で置換した変異免疫グロブリンを含む1つのサブセットライブラリー、であって、
    ここで、変異免疫グロブリンを含むサブセットライブラリーはそれぞれ、所定のアミノ酸を導入した相補性決定領域のあらゆる位置に所定のアミノ酸が少なくとも一度存在する変異免疫グロブリンを含む、サブセットライブラリーを含む、原型免疫グロブリンのユニバーサルライブラリー。
  11. 関心対象の免疫グロブリンの1つまたは複数の相補性決定領域の1つまたは複数の位置を単一の所定のアミノ酸で置換した関心対象の変異免疫グロブリンをコードする核酸を含む、関心対象の原型免疫グロブリンのライブラリーであって、該ライブラリーは:
    a) 関心対象の原型免疫グロブリンをコードする核酸を含む1つのサブセットライブラリー;
    b) 免疫グロブリンの6つの相補性決定領域のうちの1つの領域の1つまたは複数の位置を所定のアミノ酸で置換した変異免疫グロブリンをコードする核酸を含み、6つの相補性決定領域のそれぞれに対し1つのサブセットライブラリーを有し、その結果、全部で6つのサブセットライブラリーとなるサブセットライブラリー;
    c) 6つの相補性決定領域のうちの2つの領域の1つまたは複数の位置を所定のアミノ酸で置換した変異免疫グロブリンをコードする核酸を含み、6つの相補性決定領域のうちの2つに起こり得る組み合わせのそれぞれに対し1つのサブセットライブラリーを有し、その結果、全部で15のサブセットライブラリーとなるサブセットライブラリー;
    d) 6つの相補性決定領域のうちの3つの領域の1つまたは複数の位置を所定のアミノ酸で置換した変異免疫グロブリンをコードする核酸を含み、6つの相補性決定領域のうちの3つに起こり得る組み合わせのそれぞれに対し1つのサブセットライブラリーを有し、その結果、全部で20のサブセットライブラリーとなるサブセットライブラリー;
    e) 6つの相補性決定領域のうちの4つの領域の1つまたは複数の位置を所定のアミノ酸で置換した変異免疫グロブリンをコードする核酸を含み、6つの相補性決定領域のうちの4つに起こり得る組み合わせのそれぞれに対し1つのサブセットライブラリーを有し、その結果、全部で15のサブセットライブラリーとなるサブセットライブラリー;
    f) 6つの相補性決定領域のうちの5つの領域の1つまたは複数の位置を所定のアミノ酸で置換した変異免疫グロブリンをコードする核酸を含み、6つの相補性決定領域のうちの5つに起こり得る組み合わせのそれぞれに対し1つのサブセットライブラリーを有し、その結果、全部で6つのサブセットライブラリーとなるサブセットライブラリー;および
    g) 6つの相補性決定領域のすべての領域の1つまたは複数の位置を所定のアミノ
    酸で置換した変異免疫グロブリンをコードする核酸含む1つのサブセットライブラリー、であって
    ここで、変異免疫グロブリンをコードする核酸を含むサブセットライブラリーはそれぞれ、所定のアミノ酸を導入した相補性決定領域のあらゆる位置に所定のアミノ酸が少なくとも一度存在する変異免疫グロブリンをコードする核酸を含む、サブセットライブラリーを含む、原型免疫グロブリンのライブラリー。
  12. 関心対象の免疫グロブリンが触媒抗体である、請求項11記載のライブラリー。
  13. 関心対象の免疫グロブリンがIgGである、請求項11記載のライブラリー。
  14. 関心対象の免疫グロブリンがIgMである、請求項11記載のライブラリー。
  15. 関心対象の免疫グロブリンがIgAである、請求項11記載のライブラリー。
  16. 関心対象の免疫グロブリンがIgDである、請求項11記載のライブラリー。
  17. 関心対象の免疫グロブリンがIgEである、請求項11記載のライブラリー。
  18. 関心対象の免疫グロブリンが免疫グロブリンのFab断片である、請求項11記載のライブラリー。
  19. 関心対象の免疫グロブリンが一本鎖免疫グロブリンである、請求項11記載のライブラリー。
  20. 20種の天然アミノ酸のそれぞれに対する1つの単一の所定のアミノ酸ライブラリーからなる20の単一の所定のアミノ酸ライブラリーを含み、単一の所定のアミノ酸ライブラリーはそれぞれウォークスルー突然変異誘発により変異免疫グロブリンの1つまたは複数の位置に単一の所定のアミノ酸を導入した関心対象の変異免疫グロブリンコードする核酸を含み、かつ単一の所定のアミノ酸ライブラリーはそれぞれ以下を含むサブセットライブラリーを含む一群のサブセットライブラリーを含む:
    関心対象の原型免疫グロブリンのユニバーサルライブラリーであって、該ライブラリーは、
    a) 関心対象の原型免疫グロブリンをコードする核酸を含む1つのサブセットライブラリー;
    b) 免疫グロブリンの6つの相補性決定領域のうちの1つの領域の1つまたは複数の位置を所定のアミノ酸で置換した変異免疫グロブリンをコードする核酸を含み、6つの相補性決定領域のそれぞれに対し1つのサブセットライブラリーを有し、その結果、全部で6つのサブセットライブラリーとなるサブセットライブラリー;
    c) 6つの相補性決定領域のうちの2つの領域の1つまたは複数の位置を所定のアミノ酸で置換した変異免疫グロブリンをコードする核酸を含み、6つの相補性決定領域のうちの2つに起こり得る組み合わせのそれぞれに対し1つのサブセットライブラリーを有し、その結果、全部で15のサブセットライブラリーとなるサブセットライブラリー;
    d) 6つの相補性決定領域のうちの3つの領域の1つまたは複数の位置を所定のアミノ酸で置換した変異免疫グロブリンをコードする核酸を含み、6つの相補性決定領域のうちの3つに起こり得る組み合わせのそれぞれに対し1つのサブセットライブラリーを有し、その結果、全部で20のサブセットライブラリーとなるサブセットライブラリー;
    e) 6つの相補性決定領域のうちの4つの領域の1つまたは複数の位置を所定のアミノ酸で置換した変異免疫グロブリンをコードする核酸を含み、6つの相補性決定領域のうちの4つに起こり得る組み合わせのそれぞれに対し1つのサブセットライブラリーを有し、その結果、全部で15のサブセットライブラリーとなるサブセットライブラリー;
    f) 6つの相補性決定領域のうちの5つの領域の1つまたは複数の位置を所定のアミノ酸で置換した変異免疫グロブリンをコードする核酸を含み、6つの相補性決定領域のうちの5つに起こり得る組み合わせのそれぞれに対し1つのサブセットライブラリーを有し、その結果、全部で6つのサブセットライブラリーとなるサブセットライブラリー;および
    g) 6つの相補性決定領域のすべての領域の1つまたは複数の位置を所定のアミノ
    酸で置換した変異免疫グロブリンをコードする核酸含む1つのサブセットライブラリー、であって
    ここで、変異免疫グロブリンをコードする核酸を含むサブセットライブラリーはそれぞれ、所定のアミノ酸を導入した相補性決定領域のあらゆる位置に所定のアミノ酸が少なくとも一度存在する変異免疫グロブリンをコードする核酸を含む、サブセットライブラリーを含む、原型免疫グロブリンのユニバーサルライブラリー。
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