JP2005522726A - ポリマーシートから真性偏光子を作製するための方法 - Google Patents

ポリマーシートから真性偏光子を作製するための方法 Download PDF

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Abstract

原長を有し、ヒドロキシル化された直鎖状高分子量ポリマーを含むポリマーシートから高性能の真性偏光子を作製するための方法であって、その方法には、前記ポリマーシートを、原長の5.0倍を超えて約7.0倍までの延伸長に延伸させる工程、前記ポリマーシートに適切な脱水触媒を導入する工程、および前記ポリマーシートと前記触媒とを加熱して、前記ポリマーシートの部分脱水をさせ、吸光性のビニレンブロックのセグメントを形成させる工程、を含む。

Description

本発明は、分子配向されたポリビニルアルコールシートをベースとする合成二色性平面偏光子、特に、高効率な真性(intrinsic)偏光シートに関する。
光波は通常、光束軸の周りの無数の平面で振動している。その波が1つの平面だけの中で振動している場合には、その光は平面偏光されていると言われる。平面偏光された光によって、各種の有用な光学的な目的や効果を達成することができる。たとえば、液晶ディスプレイスクリーンのような電気光学デバイスを製造する場合に、直交偏光子をアドレス可能な液晶中間層と共に使用することによって、画像形成の基礎を与えることができる。写真の分野においては、偏光フィルターを使用してぎらつきおよび鏡面反射の輝度を抑制することが行われてきた。偏光フィルター、円偏光子などが、ディスプレイデバイスのスクリーンのぎらつきを抑制するためにも使用されてきた。
線光偏光フィルムでは一般に、透過性フィルム媒体に異方特性があることによって、ある所定の電磁放射ベクトルに沿った放射振動を選択的に通過させ、第2の所定の電磁放射ベクトルに沿った電磁放射振動を吸収するという性質が得られている。二色性偏光子は、入射光の吸収においてベクトル異方性を有する、吸収性の直線偏光子である。本明細書で使用するとき「二色性」という用語は、入射光束の成分が、その成分の振動の方向に応じて、吸収と透過に差ができる性質を意味する。一般に二色性偏光子は、電磁ベクトルに沿った方向で放射エネルギーを透過し、電磁ベクトルに垂直な方向でエネルギーを吸収する。入射光束は、二色性偏光子の中に入ると、一方は低く他方は高い、2種類の異なった吸収係数に遭遇し、その結果、出射光は実質的に、低い吸収(高い透過)の方向に振動する。
合成二色性偏光子の例を挙げれば、真性偏光子、たとえば、K型偏光子のような、ポリビニレン系の偏光子がある。真性偏光子では、その二色性を、染料添加物、着色剤(stain)または分散結晶性物質による光吸収性からよりも、そのマトリックスの光吸収性から得ている。典型的には、真性偏光子には、ポリビニルアルコールの脱水生成物、すなわち、ポリビニレンの配向された分散相を含む配向ポリ(ビニルアルコール)のシートを含む。この種の真性偏光子を形成させるには、脱水触媒、たとえば塩酸水溶液の蒸気のような脱水触媒の存在下にポリマーシートを加熱して共役ポリビニレンブロックを形成させ、その脱水工程の前、後、あるいはその工程中にそのポリマーシートを一方向に延伸させて、ポリ(ビニルアルコール)マトリックスを配列させる。ポリ(ビニルアルコール)マトリックスを一方向に配向させることによって、共役ポリビニレンブロックの遷移モーメントまたは発色団もまた、配向させられ、その物質が視覚的に二色性となる。米国特許第5,666,223号明細書(ベネット(bennett)ら)に記載されているように、脱水工程の後に第2の配向工程または伸長工程を実施してもよい。
一般的に1つの態様において、本発明は、原長(original length)を有し、ヒドロキシル化された直鎖状高分子量ポリマーを含むポリマーシートから偏光子を作製するための方法を特徴とする。ポリマーシートを、原長の5.0倍を超えて約7.0倍までの延伸長に延伸させる。適切な脱水触媒をポリマーシートに導入する。そのポリマーシートと触媒を加熱して、ポリマーシートの部分脱水をさせると、吸光性のビニレンブロックのセグメントが形成される。
一般的にまた別の態様において、本発明は、原長を有し、ヒドロキシル化された直鎖状高分子量ポリマーを含むポリマーシートから偏光子を作製するための方法を特徴とする。ポリマーシートを、原長の約3.5倍から約7.0倍までの延伸長に延伸させる。適切な脱水触媒をポリマーシートに導入する。そのポリマーシートと触媒を加熱して、ポリマーシートの部分脱水をさせると、吸光性のビニレンブロックのセグメントが形成される。そのポリマーシートを、約80℃を超える温度でホウ素化処理にかける。そのポリマーシートを延伸長の0%から約70%に一方向伸長をさせる。
本発明の1種または複数の実施態様の詳細について、以下の図面と記述によって説明する。本発明のその他の特徴、目的および利点は、説明、図面および実施例、そして特許請求の範囲から明らかになるであろう。
本発明は、高性能の真性偏光子、および改良された偏光性が得られるその作製方法に関する。この偏光子には、ポリビニルアルコールのシートを分子脱水させることによって形成されるポリビニレンブロックを有する、ポリビニルアルコール/ポリビニレンブロックコポリマー材料の分子配向されたシートを含む。ポリビニルアルコール/ポリビニレンブロックコポリマー材料の分子配向されたシートには、ポリビニルアルコール/ポリビニレンブロックコポリマー材料の均質に分散された偏光性分子が含まれるが、そのコポリマーのポリビニレンブロックの共役ビニレン繰り返し単位の長さ(n)は、2〜25の範囲全体で、変化している。ポリビニレンブロックの長さ(n)が長くなるにつれて、偏光性分子の配向度も、その範囲全体で高くなる。さらに、それぞれのポリビニレンブロックの濃度は、そのブロックによる光の吸収によって測定できるが、その範囲内では比較的一定に保たれる。それぞれのポリビニレンブロックの濃度分布に関連する分子の配向度は、ポリマーシートに、少なくとも75の明所視(photopic)二色比(R)を与えるのには充分である。
二色比、Rは次式で定義される。
=A/A
ここでAおよびAは、偏光光源を使用した吸収分光光度法によって測定される。
吸収は、たとえばサンプル光束中に置いた偏光子を有するUV/VIS分光光度計を使用して測定する。明所視二色比を測定するためには、白色光の光束を、サンプルを通過、高効率偏光分析計を通過、明所視フィルターを通過、そして光検出器を通過させる。スペクトル二色比を測定するためには、光束は、測定する発色団の共役長さに相当する波長のものとする。いずれの場合においても、400nm〜700nmの間の吸収スペクトルでは、サンプル光束の中の偏光子の光軸に平行なフィルムサンプルの光軸に関する吸収(A)と、サンプル偏光子を90度回転させた後の吸収(A)を考える。したがって、最大吸収の波長における吸収を求めれば、それからRを計算することができる。
本発明の高性能の真性偏光子を製造するための方法には、より高い延伸温度を用いて、ポリマーシートの初期延伸度をより高くすることが含まれる。追加の伸長工程は、用いても用いなくてもよい。さらに、その随意の伸長工程の前、途中または後で、より高いホウ素化温度を使用してもよい。
高性能の真性偏光シートを製造するには、典型的には、原長を有し、一般にその厚みが約0.001インチ(0.025mm)〜0.004インチ(0.102mm)のヒドロキシル化された直鎖状高分子量ポリマーのポリマーシートを出発物質とする。適切な延伸装置または同様のメカニズムもしくはシステムを使用して、ポリマーシートの原長の約3.5倍から約7.0倍まで、好ましくは原長の5.0倍を超えて約7.0倍まで、ポリマーシートをまず延伸させることができる。この延伸工程は、ポリマー材料のガラス転移温度より上、好ましくは300°Fより高い温度で実施する。延伸は、発熱エレメント、早送りローラー、および遅送りローラーを備えることにより実施することも可能である。たとえば、ローラーの間の回転速度に差をつけることを利用して、ローラーの間を通過するシートの面に相応の張力を発生させることもできる。発熱エレメントがシートを加熱すれば、延伸が促進され、より容易にその効果が得られる。温度調節は、当業者には公知のように、加熱ローラーの温度を調節するか、あるいはたとえば赤外線ランプを使用して与える放射エネルギーを調節することにより可能となる。複数の温度調節方法を組み合わせて使用することもできる。
フィルムは、たとえば長さ方向の配向機を用いて縦方向に、またはテンターを用いて幅方向に、または斜め方向に延伸させることができる。配向させたビニルアルコールポリマーの横方向の強さが比較的弱いので、配向前または後に、たとえば支持フィルム層、加熱ローラー、またはキャリヤーウェブなどの基材の上にそのポリマーシートを、キャストさせたり、積層させたり、そうでなければ貼り付けるのが有利となることもある。ポリマーフィルムに接着あるいは貼り付けをした支持層は、その物品に機械的強度を与え、支持するので、その扱いがより容易となり、さらなる加工が可能となる。配向をさせるための有用な方法は当業者には公知であり、たとえば米国特許第5,973,834号明細書(カダバ(Kadaba)ら)、米国特許第5,666,223号明細書(ベネット(bennett)ら)、米国特許第4,895,769号明細書(ランド(Land)ら)を参照されたい。
しかしながら、一方向配向の場合には、テンター装置の手段によってポリマーシートが横方向に収縮することを抑制することができるが、そのような抑制がフィルムに対して、ある程度の二方向配向を与えることになる、ということは理解できるであろう。所望ならば、支持層を、ポリマーシートの配向の方向に対して実質的に横断方向に配向させることができる。「実質的に横断方向に」という用語は、支持層をビニルアルコールポリマーフィルム層の配向方向から±45度の方向に配向させることができる、ということを意味している。支持層をそのように配向させることにより、配向させていない支持層の場合よりも、横方向への強度を上げることができる。
実際の場合、支持層はビニルアルコールポリマー層に貼り付ける前または後に配向させることができる。1つの実施態様においては、ビニルアルコールポリマーを実質的に一軸方向に配向させ、配向させた支持層に接着することで、その2つの層の配向の方向が実質的に交差するようにすることができる。また別の実施態様においては、支持層を第1の方向に配向させ、その上にビニルアルコールポリマーを接着または塗着させ、その複合材料物品を第1の配向の方向を実質的に横断する、第2の方向に配向させることができる。この実施態様においては、こうして得られる物品には、二方向に配向させた支持層と、実質的に一方向に配向させたビニルアルコールポリマー層とが含まれる。
任意成分の支持層への接着の前または後のいずれかで、ポリマーシートを脱水工程にかける。この脱水工程は、延伸工程の前か後か、または延伸工程中に実施することができ、それによってシートを処理してその一部を「転換させて」、ポリ(ビニレン−コ−ビニルアルコール)のブロックコポリマーからなる偏光分子とすることができる。脱水工程は、たとえば、シートを発煙性の酸の蒸気のような適切な脱水触媒に暴露させ、それに続けて、そのポリマーシートと触媒を、典型的には125℃を超える適当な温度に加熱して部分脱水を起こさせることによって、実施することができる。1つの実施態様においては、ポリマーシートを、発煙性の酸のバットからすぐ側のところに、約20秒から1分の間保持する。その酸の蒸気が触媒として働くので、次いでその配向させたシートを加熱オーブンの中を通過させて、約250°F〜350°Fの温度を約1.5分以上かけると、その配向させたシートが「転換されて」目的の脱水生成物、すなわちポリビニレンとなる。目的とする脱水の程度は、目的とするコントラストおよびフィルム厚みに応じて変更することが可能ではあるが、利用可能なヒドロキシル基の、典型的には0.1〜10%、好ましくは1〜5%の範囲が、転換されてビニレン基となるようにする、
すなわち、−CH−CHOH− → −CH=CH−。
当業者には自明のことではあるが、脱水工程を他の方法で達成することも可能で、たとえば、配向させたシートを酸コーティング剤でコーティングし、その後に加熱工程にかけてポリマーシートの脱水をさせる方法や、配向させたシートを酸供与層でコーティングする方法などがあり、その場合には光酸発生剤または熱酸発生剤をドナー層の中に溶解または分散させ、放射エネルギーを用いて照射することによって、発生した酸を隣接するビニルアルコールポリマーマトリックスの中へ拡散させ、それによってビニルアルコールポリマーを部分脱水させて共役ビニレン[ポリ(アセチレン)]セグメントとする。この放射エネルギーは、使用する酸発生剤のタイプに応じて、熱エネルギーであっても紫外線エネルギーであってもよい。
この脱水加熱工程の温度と時間によって、仕上がりの偏光子の光学的性質を変化させることができる。プロセスパラメータには、コポリマーの生成およびそれに伴う偏光の性質に悪影響を及ぼさない、ある程度の許容度が存在している。所定の光学的性質を得るためには、時間、温度および酸濃度の間のバランスがあるということは理解されるであろう。たとえば、バットの中の酸の温度を変えたり、その蒸気へのシートの暴露時間を変えたり、および/またはそのシートに近接した位置にある加熱要素の温度を変えることによって、シートの中への酸の蒸気の浸透の程度を調節することが可能である。有用な温度は90℃〜約175℃の範囲であり、暴露時間は数秒〜約5分の範囲である。たとえば、温度が一定ならば、暴露時間を長くするほど、透過率の低い偏光子が得られる。暴露時間が一定ならば、温度を高くするほど、透過率は低くなる。一般に、偏光子の透過率を高くしたければ、タンクの上での滞留時間を短くし、オーブンの温度を低くするのが好ましい。偏光子の透過率を低くしたければ、高い加熱温度を使用するのがよい。
次いで、場合によっては、ポリマーシートを第2の配向工程または伸長工程にかけて、配向させた偏光子に2度目の延伸をさせて、第1の延伸で得られた長さをさらに0%〜約70%延伸させる。ポリマーシートをさらにホウ素化工程にかけることも可能であるが、その場合、配向させたシートをホウ素化水溶液で処理して、緩和および架橋をさせる。伸長工程は、ポリマーシートをホウ素化溶液に入れる前、その途中、あるいは後に実施することができる。たとえば、ポリマーシートをホウ素化溶液中に浸漬して、軟化および/または膨潤、すなわち緩和させ、次いで取り出して、伸長させることもできる。別な方法として、ホウ素化溶液中に浸漬している間に、ポリマーシートを伸長させることもできる。
ホウ素化工程では、1つまたは複数の浴を使用することができる。たとえば、2浴ホウ素化処理の場合には、第1の浴には水を、そして第2の浴にはホウ素イオンに寄与する化学種を含ませることができる。別な方法として、その順序を逆にしたり、1種または複数の浴で、濃度を変えたりおよび/またはホウ素イオンに寄与する化学種の混合物を用いることも可能である。それらの浴の、いずれか1つまたは複数の中で、伸長を実施することも可能である。
ポリマーシートをホウ素化する場合、そのホウ素化溶液には一般にホウ酸と、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムのいずれか、または、ホウ酸ナトリウムおよびカリウムからなるタイプの物質、好ましくはホウ砂を含む。配向させた偏光シートを処理するための、単一または複数の溶液中の、ホウ酸およびホウ砂または他のホウ酸塩の濃度は、厳密なものではない。ホウ酸が、ホウ砂またはその他のホウ酸塩よりも高い濃度で存在しているのが好ましく、その溶液には、0%〜約7重量%のホウ砂と、約5%〜約20重量%のホウ酸が含まれているのがよい。好ましい濃度範囲は、ホウ酸が約9%〜16重量%、ホウ砂が0%〜3重量%である。
偏光シート、フィルム、またはロールは、それらの溶液の中で、約1〜約12分の時間をかけて吸収させ、好ましくは約80℃以上の温度で維持する。ホウ素化温度は、約80℃〜約110℃の範囲であるのが好ましい。分子配向されたポリマーシートのホウ素化の程度は、かなりの程度で変えることができる。たとえば、ホウ素化溶液の温度は変更可能であり、また温度が高い場合には、その濃度を上げることができる。その溶液を少なくとも80℃またはそれ以上に加熱して、急速にシートを「膨潤」または架橋させるのが好ましい。
1種または複数の二色性染料をポリマーシートにさらに添加して、ある種の二色性偏光子が持ついわゆる「ブルーリーク」および/または「レッドリーク」を相殺することもできる。広い範囲の二色性染料を使用することができる。好適な染料の例を挙げれば、各種のジアゾ、トリアゾまたはポリアゾ染料、またはその他の直接染料または酸性染料、たとえば、ニュージャージー州のエルムウッド・パーク(Elmwood Park,NJ)のセンシエント・テクニカル・カラーズ(Sensient Technical Colors)から入手可能な「イントラジェット・イエロー・DG(Intrajet Yellow DG)」や、シグマ・アルドリッチ(Sigma−Aldrich)から入手可能な「エバンス・ブルー(Evans Blue)」などがある。二色性染料は、プロセスのどの工程でポリマーシートに加えてもよい。たとえば、最初の延伸をさせる前に染料をポリマーシート中に注入したりその上にコーティングしたりしてもよいし、あるいは脱水、ホウ素化または伸長工程の間に添加してもよい。必要とされる着色剤の量に応じて、各種の時間、温度および濃度が使用できる。温度を高くしたりおよび/または濃度を高くしたりすると、ポリマーシートの滞留時間を短くすることができる。有用な操作温度は、ほぼ室温からホウ素化温度(約80℃またはそれ以上)までである。二色性黄色染料の場合、温度約135°F、滞留時間約1分〜約5分で、濃度範囲を約50ppm〜約600ppmとするのが好ましい。二色性青色染料の場合、温度約135°F、滞留時間約30秒〜約5分で、濃度範囲を約0.1%〜約3%(重量/重量)とするのが好ましい。二色性染料は、ホウ酸水溶液内に加えてもよいし、あるいは別な水溶液にしてもよい。
伸長工程および/またはホウ素化工程の後で、得られた高性能の真性偏光子を、任意材料の支持層に再び接着または積層させることも可能であるが、その支持層は、それを伸長させる前に、剥がしたり、蒸気処理したりおよび/または配向させたりした層と同じものであっても、別なものであってもよい。
図1に示したのは、最初に原長の4.0倍に延伸した(「4.0×」と呼ぶ)先行技術の真性偏光シートと、最初に原長の5.0倍、6.0倍、および6.5倍に延伸した(それぞれ「5.0×」、「6.0×」および「6.5×」と呼ぶ)本発明の実施態様により作製された3種の偏光シートにおける、吸光度と波長との関係である。それらの偏光子を作製するための条件を表1にまとめた。
Figure 2005522726
図1から判るように、本発明の実施態様により作製された偏光子のそれぞれにおける発色団による吸光度は、代表的な先行技術の真性偏光子の対応する発色団の吸光度よりは実質的に大きく、特に、近赤色(near−red)波長の600nm〜700nmにおける偏光性に寄与する発色団の場合にそれがあてはまる。
本発明の偏光子はさらに、約200nm〜約700nmの範囲の波長全域にわたって実質的に均質な、配向させた発色団部分すなわち共役ブロックの濃度分布を規定する、吸収値を有していて、その結果、偏光性が改良されると共に、視覚的に知覚され極めて望ましい無彩灰色のトーンを与えている。表2から、透過率、Kが42%の場合に、先行技術の2種のK型偏光子(「KE]および「KN]と呼ぶ)に比較して、本発明の偏光子(「新KE」と呼ぶ)では発色団濃度分布が比較的均質で「バランスがとれている」ことが判る。
Figure 2005522726
それらの偏光子を作製するための条件を表3にまとめた。
Figure 2005522726
図2は、表2におけるデータを、共役長さに対して吸光度をプロットして、グラフ表示にしたものである。表2および図2に示したように、ポリビニレンブロックのそれぞれの濃度は、約250nm〜約700nmの波長範囲全体にわたって前記のブロックによる吸収から求められるように、実質的に一定に保たれている。さらに特に注目に値することは、n=19〜25の範囲における、前記ポリビニレンブロックのそれぞれの吸収によって求められる濃度が、n=14〜15の範囲のすべての前記ポリビニレンブロックの吸収によって求められる濃度の約65%以上であることである。この点に関して、近赤色波長、すなわちn=19〜25、において偏光性をもたらしている発色団のそれぞれが、その吸光度の尺度を基準にした、相体的な濃度を有していて、それが、ヒト明所視感度が最大となるのに相当する波長、すなわち、540nm〜560nm、n=14〜15、に偏光をもたらす発色団の測定値の、約65%以上である。
上の表において、相対濃度は次式に従って計算する:
相対濃度(n=x)=(吸収(n=x)/吸収(n=q))×100
ここでxはnが16〜30の共役長さであり、qはnが14または15の共役長さである。上の表では、説明のためにqを14としている。qが15であっても、計算値はほぼ同じである。
表2から明らかなように、本発明の偏光シートの発色団分布は、先行技術の真性偏光子で観察されるものとは異なっていて、特にいわゆる「レッドリーク」現象に関連がある共役長さが23〜25のところで異なっている。光学的性質が低下することは別にして、「レッドリーク」が明らかな偏光子は、外観が褐色を帯びることが多く、それは美的な観点からいってもある種のディスプレイには不向きである。
本発明の偏光子は、それぞれのポリビニレンブロックの濃度分布に関連した分子の配向度を有していて、その結果、明所視二色比(R)が少なくとも75の偏光シートが得られる。
先に述べたように、単一の偏光シートに加えて、本発明により作製される1組の偏光子を、それぞれの偏光軸を交差させて配することもできる(これは、「直交偏光子」とも呼ばれる)。この場合、その組の第1の偏光子を通過した偏光は、第2の偏光子の偏光軸との配列が「捩れる」ようにすることができ、それによりそれらを通しての透過を阻止することが可能となる。
図3および図4に示すのは、先行技術の直交偏光子(「4×」と呼ぶ)と、本発明の実施態様により作製された直交偏光子(「5×」および「6×」と呼ぶ)を比較した、透過率、K、42%における、その%光透過率と吸光度である。この直交偏光子のシートを調製するための条件を表4にまとめた。
Figure 2005522726
さらに、UV/VIS分光光度計を使用して透過率を測定した。図3および図4に示したように、透過率を一定とした場合に本発明の直交偏光子により、青色のスペクトル領域、すなわち、400nmと赤色のスペクトル領域、すなわち、700nmにおける光吸収性に著しい改良(透過率の減少)が得られる。具体的には、すべての所定の透過率、Kにおいて、吸光度(550nm)の吸光度(700nm)に対する比が3.75未満である。ヒトの明所視感度が最大になる波長に相当する550nmにおける吸光度。
図5および図6に示しているのはそれぞれ、二色性黄色染料添加および不添加の場合の、本発明の実施態様による偏光シートにおける吸光度およびスペクトル二色比である。偏光シートは最初に延伸温度320°Fで原長の5.0倍に延伸させ、ホウ素化温度173°F〜179°Fでさらに10%伸長させた。図5に見られるように、本発明の真性偏光子中に黄色染料を加えると、青色のスペクトル領域(Aスペクトル)における光吸収が顕著に増大するが、Aまたは透過性成分では同じような増加はない。図6に見られるように、本発明の真性偏光子中に黄色染料を加えるとさらに、特に青色のスペクトル領域におけるスペクトル二色比が改良される。
上記のようにして二色性黄色染料添加および不添加で調製した偏光シートを使用して、直交偏光子を形成させた。図7に、得られた偏光子における%透過率と波長との関係を示す。本発明により作製した真性偏光子では、直交偏光子状態における青色光のリークが実質的に減少している。二色性黄色染料添加(サンプル1〜5)および二色性黄色染料不添加(対照サンプル)で作製した真性偏光子からの単一偏光シートおよび直交偏光シートについて、測色を行った。一般的に使用される光源のC光源を用いて、測色を行った。当業者には明らかなことであるが、a値は赤/緑軸での色測定値を表し、b値は青/黄軸での色測定値を表している。このタイプの測色系では、無彩色(neutral color)たとえば白や黒は、値がゼロとなる。
Figure 2005522726
表5からわかるように、直交偏光子の色は、二色性黄色染料を添加することで、暗いブルーブラック(対照サンプル)から真の無彩色ブラック(サンプル1〜5)へと変化するが、それに対して単一シートの色は、二色性黄色染料不添加で調製した偏光シートとはほとんど区別ができない状態にとどまっている。
図8に示したのは、二色性青色染料添加および不添加の場合の、本発明の実施態様により調製した偏光シートの吸光度である。これらの偏光シートは、二色性黄色染料サンプルのところで述べたのと同じ方法で調製した。図8に見られるように、本発明のK型偏光子中に青色染料を加えると、赤色のスペクトル領域(Aスペクトル)における光吸収が顕著に増大するが、Aまたは透過性成分ではわずかな増加しかない。
以下に、分子配向されたポリビニルアルコールから誘導されるポリマーシートを使用して、本発明について説明する。ビニルアルコールポリマーに含まれるのは、脱水により直鎖状の共役ビニル系ポリマーとすることが可能な、各種の直鎖状1,3−ポリヒドロキシル化されたポリマーまたはコポリマーまたはその誘導体である。有用なビニルアルコールポリマーとしては、次式の単位のポリマーおよびコポリマーが挙げられる:
Figure 2005522726
ここでRはH、C〜Cアルキルまたはアリール基であり;そしてR’はH、または加水分解可能な官能基たとえばC〜Cアシル基である。RおよびR’がHであれば好ましい。ポリ(ビニルアルコール)ポリマーおよびコポリマーに加えて、分子配向されたシートまたはフィルムを形成することが可能な原料としてポリビニルアセタールおよびケタールおよびエステル。ビニルアルコールモノマーと共に重合させてビニルアルコールコポリマーを形成させることが可能な有用なコモノマーの例を挙げれば、各種のフリーラジカル重合性モノマー、たとえばオレフィン、たとえばエチレン、プロピレンおよびブチレン、アクリレートおよびメタクリレートたとえばメチル(メタ)アクリレート、酢酸ビニルおよびスチレンなどがある。本発明における使用で特に考えられるのは、エチレンとビニルアルコールからのコポリマーである。一般に、コモノマーの量は30モル%未満、好ましくは10モル%未満である。それより多い量を使用すると、共役ビニレンブロック(ポリ(アセチレン)ブロック)の形成が阻害され、偏光子に性能に悪影響が出る。
好ましいビニルアルコールポリマーは、ポリビニルアルコールのホモポリマーおよびコポリマーである。最も好ましいのは、ポリビニルアルコールのホモポリマーである。市販されているポリビニルアルコール、たとえばテキサス州ダラス(Dallas,TX)のセラニーズ・ケミカルズ・インコーポレーテッド(Celanese Chemicals Inc.)から入手可能な商品名セルボール(CELVOL)は、粘度と加水分解パーセントとによって分類されている。低粘度のポリビニルアルコールが塗布が容易であるので好ましいが、充分な耐湿性と良好な機械的性質を得るためには、充分な高分子量となっていることが好ましい。
本発明には、溶融加工可能なポリビニルアルコールも使用することができる。溶融加工可能なビニルアルコールポリマーを可塑化して、それらの熱安定性を向上させ、押出し加工または溶融加工することを可能とする。可塑剤は外部から添加してもよいし、ビニルアルコールポリマー鎖の中に導入、すなわち可塑剤を重合させるか、ビニルアルコールポリマー骨格の上にグラフトさせることもできる。
外部可塑化することが可能なビニルアルコールポリマーとしては、ノースカロライナ州シャーロット(Charlotte,NC)のクラリアント・コーポレーション(Clariant Corp.)から入手可能な「モウイオール(Mowiol)」26−88および「モウイオール(Mowiol)」23−88ビニルアルコールポリマー樹脂のような市販製品がある。これらの「モウイオール(Mowiol)」ビニルアルコールポリマー樹脂の加水分解度は88%である。「モウイオール(Mowiol)」26−88ビニルアルコールポリマー樹脂は、重合度が2100で、分子量が約103,000である。
ビニルアルコールポリマーを外部可塑化するのに有用な可塑剤は、ヒドロキシル基を有する、高沸点で水溶性の有機化合物である。そのような化合物の例を挙げれば、グリセロール、ポリエチレングリコールたとえばトリエチレングリコールおよびジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ならびにその組合せがある。水もまた可塑剤として有用である。添加する可塑剤の量は、ビニルアルコールポリマーの分子量によって変わる。一般には可塑剤を、約5%〜約30%の間、好ましくは約7%〜約25%の間の量で添加する。ビニルアルコールポリマーの分子量が低いほど、必要とされる可塑剤の量が、分子量の高いビニルアルコールポリマーよりも少ないのが普通である。外部可塑化したビニルアルコールポリマーをコンパウンドするためのその他の添加剤としては、加工助剤、すなわち、ヘキストA.G.(Hoechst A.G.)からのモウイリスDS(Mowilith DS)樹脂、着色剤、抗ブロッキング剤、すなわち、ステアリン酸、疎水性シリカなどが挙げられる。
外部可塑化したビニルアルコールポリマーをコンパウンドするには、一定の混合条件下でビニルアルコールポリマーの粉体またはペレットに有機可塑剤および典型的には水を徐々に添加していき、可塑剤がビニルアルコールポリマーの中に取り込まれるようにするが、それはバッチの温度が約82℃(180°F)〜約121℃(250°F)に達したときに起きる。ビニルアルコールポリマー樹脂の分子量が低いほど、可塑剤を取り込むのに必要な最高バッチ温度は低くなる。そのバッチをその温度で約5〜6分保持する。次いでそのバッチを冷却して約71℃(160°F)から93℃(200°F)の間として、そこでブロッキング防止剤を添加することができる。バッチをさらに約66℃(150°F)まで冷却すれば、そこでビニルアルコールポリマー粒状物をミキサーから取り出して、押出しにかけることができる。
ビニルアルコールポリマーを外部可塑化するのに使用するこのコンパウンディング工程は、内部可塑化ビニルアルコールポリマーを製造した場合には省略することができるが、着色剤などを添加したい場合はまた別である。有用な内部可塑化ビニルアルコールポリマーも市販されている。そのような製品の例を挙げれば、「バイネックス(Vinex)」2034および「バイネックス(Vinex)」2025があり、いずれもエア・プロダクツ・インコーポレーテッド(Air Products Inc.)から入手可能である。
セラニーズ(Celanese)のバイネックス(Vinex)商標は、ユニークな一連の熱可塑性で水溶性のポリビニルアルコール樹脂を表している。特に「バイネックス(Vinex)」2034および「バイネックス(Vinex)」2025を含む「バイネックス(Vinex)」2000シリーズは、内部可塑化した、冷水および温水に可溶なポリビニルアルコールコポリマー樹脂を表している。そのような内部可塑化ビニルアルコールコポリマーは、米国特許第4,948,857号明細書に記載されており、この特許は本明細書に参照により援用されたものとする。そのようなコポリマー次のような一般式を有していて:
Figure 2005522726
ここでRは水素またはメチル;
はC〜C18アシル基;
yは0〜30モル%;
zは0.5〜8モル%;そして
xは70〜99.5モル%、である。
これらのコポリマーは、ポリ(ビニルアルコール)の強度性能を維持しながらも、可撓性の増加を示す。上式に示されるアクリレートモノマーは、このコポリマーに内部可塑化効果を与える。このコポリマーの重合度は、約100から約4000までであってよいが、好ましくは約2000〜4000の間である。重合度は、ポリマーの全分子量の、式Iで示した重合単位の分子量に対する比と定義される。その他の内部可塑化ポリ(ビニルアルコール)コポリマー樹脂とそれらの樹脂の製造法については、米国特許第4,772,663号明細書に説明されている。「バイネックス(Vinex)」2034樹脂はそのメルトインデックスが典型的には約8.0g/10分で、ガラス転移温度が約30℃(86°F)である。「バイネックス(Vinex)」2025樹脂はそのメルトインデックスが典型的には24g/10分で、ガラス転移温度が約29℃(84°F)である。
ポリビニルアルコールおよびそのコポリマーとしては、その加水分解度を、たとえば約50%〜99.5+%と変えたものが市販されている。好適なポリビニルアルコールは、その加水分解度が約80%〜99%のものである。一般に、加水分解度が高いほど、偏光子の性能が上がる。さらに、加水分解度の高いポリビニルアルコールほど、耐湿性が良好となる。分子量が高いポリビニルアルコールもまた、良好な耐湿性を有しているが、粘度も高くなる。本発明を実施するにあたっては、ポリビニルアルコールが充分な耐湿性を有すること、コーティングまたはキャスティングにおいて扱いやすいこと、および、容易に配向させることが可能なこと、などの性能のバランスを見いだすのが望ましい。市販グレードのポリ(ビニルアルコール)のほとんどのものは、数パーセントの残存水分および未加水分解のポリ(酢酸ビニル)を含んでいる。
分散液/溶液のコーティングは、各種公知の方法により実施することができるが、そのような方法の例を挙げれば、たとえば、シューコーティング(shoe coating)、押出しコーティング、ロールコーティング、カーテンコーティング、ナイフコーティング、ダイコーティングなど、または均質なコーティングを与えることが可能なその他の任意のコーティング方法などのような、技術を使用して基材をコーティングする。その基材にはプライマーをコーティングしたりコロナ放電をしたりして、基材にポリビニルアルコールフィルムを固定するのに役立たせることも可能である。好適な溶液系プライマーとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルムのプライマー処理に一般に使用される水溶性のコポリエステルがあり、それについてはたとえば、米国特許第4,659,523号明細書に記載がある。コーティングの後で、そのポリビニルアルコールフィルムを、通常約100℃〜150℃の温度で乾燥させる。乾燥後のコーティングの厚みは、目的とする光学特性に合わせて変化させることができるが、典型的には約25μm〜125μm(1〜5ミル)である。
別な方法で、ビニルアルコールポリマー層を溶融加工することも可能である。溶液コーティングの場合と同様に、ビニルアルコールを含む溶融物を、キャリヤーウェブまたは支持層のような基材の上にキャストすることもできる。ビニルアルコールポリマーフィルムを吹き込み成形してもよい。ビニルアルコールポリマー溶融物を、種々の機器や当業者に広く知られる多くの溶融加工技術、一般的には押出し技術を使用して、基材と共に共押出しすることも可能である。押し出す材料に応じて、たとえば、シングルまたはマルチマニホールドダイ、フルムーン(full moon)・フィードブロック、その他のタイプの溶融加工機器を使用することが可能である。
キャリヤーウェブまたは支持層には、広い範囲の各種材料が使用できる。好適な材料としては公知のポリマーシート材料が挙げられ、たとえば、セルロースエステルたとえば、ニトロセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ビニルポリマーたとえばアクリル樹脂、およびその他のシート状で光透過用の形態で供給可能な支持体材料などがある。特定な用途およびそのために必要な条件にもよるが、ポリエステルが特に有用である。好適なポリエステルはポリエチレンテレフタレートで、マイラー(Mylar)やエスター(Estar)の商品名で入手可能なものがあるが、それ以外のポリエチレンテレフタレート材料を使用してもよい。支持体材料の厚みは、特定の用途に合わせて変える。一般には、製造面を考慮するという観点から、約0.5ミル(0.013mm)〜約20ミル(0.51mm)の厚みの支持体を使用すると都合がよい。
当業者には明らかなように、本発明の製品を具体化する偏光シートは、たとえばガラス製シートまたは他の有機プラスチック材料からのシートのような支持シートまたはフィルムの間またはその上に積層することが可能で、積層の形態または積層されていない形態いずれにおいても本発明の偏光子は、偏光性プラスチック材料がこれまで使用されていたようなその他どのような形態であっても使用することが可能であり、そのような例を挙げれば、たとえば、サングラス、サンバイザー、窓ガラス、まぶしさ除け、間仕切り、およびディスプレイデバイスたとえば液晶ディスプレイパネル、放射ディスプレイデバイス、ブラウン管または広告用ディスプレイなどがある。
偏光シートを他の層または基材に積層させるために各種の接着剤を使用することができるが、たとえばポリビニルアルコール系接着剤や、ポリウレタン系接着剤材料などが挙げられる。偏光子は通常光学的な用途に使用されるものであるので、接着剤材料としては一般に、偏光子の光透過性に容認できないような悪影響を与えることが無いものを使用する。接着剤材料の厚みは、特定の用途に合わせて変える。一般に、厚みが約0.20ミル(0.005mm)〜約1.0ミル(0.025mm)であれば充分である。
本発明の製品は、ディスプレイデバイスにおける偏光フィルターとして使用するのに特に有用で、その場合フィルターは、長時間にわたり連続的に点灯しているかなり強烈な光源のすぐ近くに配置される。このような環境では、その偏光フィルターは、長期間にわたって125°F近傍またはそれ以上の温度に晒される。本発明の偏光子は、そのような長期間の熱暴露を受けても、高効率なその偏光性に受容できない損失を示したり、変色したり、暗くなったりするようなことはない。
本発明についてさらに説明するために、以下に実施例を記すが、本発明はそれらによって限定されると考えてはならない。特に断らない限り、全ての部、パーセントおよび比率は、重量基準である。実施例においては偏光効率を、軸に平行方向の透過率(Tpar)と軸に直角方向の透過率(Tperp)とを測定することにより、次式に従って計算したが、そのためには、Tparは、サンプルの偏光子を高効率な偏光分析計とそれらの軸が互いに平行となるように重ね合わせて測定し、またTperpは、同じものをそれらの軸が互いに直角になるように重ね合わせて測定した:
偏光効率(%)=(Tpar−Tperp)/(Tpar+Tperp)×100
偏光フィルムの透過率と偏光効率の最大値の理想的な組合せは、それぞれ50%と100%である。
特に断らない限り、すべての実施例において、ホウ酸濃度が9%〜12%、ホウ砂濃度が3%のホウ素化水溶液と、重合度が約2600のポリビニルアルコールを使用した。
実施例1〜5
高分子量ポリビニルアルコール(加水分解率98.0%以上)の厚み約2ミルのシートを、3種の異なる延伸温度、240°F、275°Fおよび320°Fで、シートの原長の5.0倍に一方向に延伸させた。次いでそれらの延伸シートを発煙塩酸蒸気に暴露し、325°F〜350°Fに加熱した。その後、シートを温度166°Fで、ホウ酸およびホウ砂の水溶液に浸漬させた。溶液から取り出してから、シートをさらに10%〜15%一方向に伸長させ、それぞれのシートの最終的な延伸度を原長の5.5〜5.7倍とした。図9には、3種の異なった延伸温度で処理して得られた偏光子についての、効率と透過率、Kとの関係を示している。表6に、所定の偏光効率の場合の偏光子の性質を比較する。
Figure 2005522726
図9および表6から明らかなように、透過率、K、および明所視二色比、Rは、延伸温度が高くなるにつれて改良されている。しかしながら、後での伸長量を変化させても、延伸温度を上げた場合ほどには、シートの偏光性へ与える影響が少ないように見える。
実施例6〜9
ポリビニルアルコールのシートを、3種のサンプルについては275°F、1種のサンプルについては320°Fの延伸温度で、シートの原長の5.0倍に一方向に延伸させた。次いでそれらのシートを、実施例1〜5と同様な方法で加工したが、ただし、ホウ酸およびホウ砂の水溶液については、3種の異なるホウ素化温度、154°F、165°Fおよび180°Fを用いた。図10には、3種の異なったホウ素化温度で処理して得られた偏光子についての、効率と透過率、Kとの関係を示している。表7に、所定の偏光効率の場合の偏光子の性質を比較する。
Figure 2005522726
図10および表7から明らかなように、透過率、K、および明所視二色比、Rは、ホウ素化温度が高くなるにつれて改良されている。このことは、効率を一定とすれば、透過率と二色比が増加し、それによって偏光子がより明るくなることを意味している。さらに、後での伸長量を変化させても、ホウ素化温度を上げた場合ほどには、シートの偏光性へ与える影響が少ないように見える。
実施例10〜15
ポリビニルアルコールのシートを、延伸温度360°Fで、シートの原長の5.5倍と6.5倍に、一方向に延伸させた。次いでそれらのシートを、実施例1〜5と同様な方法で加工したが、ただし、3種の異なったホウ素化温度、82℃(180°F)、95℃(203°F)および101℃(214°F)で、ホウ素化溶液中での滞留時間を変化させた。それらのシートは、最初に得られた延伸長よりさらに伸長させることはしない、すなわち、0%伸長であった。図11および図12は、2種の異なった延伸量における、明所視二色比とホウ素化溶液中での滞留時間の関係を示している。図13は、2種の異なった延伸量と、3種の異なったホウ素化温度を組み合わせて得られた偏光子についての、最高明所視二色比を示している。図11〜図13から明らかなように、明所視二色比、Rは、ホウ素化温度が高くなるほど、またホウ素化溶液中での滞留時間が長くなるほど、改良される。しかしながら、最高明所視二色比は、ホウ素化溶液中での滞留時間を増やしても明所視二色比がもはや改良されないようなところのサンプルにおいて得られた。
実施例16〜19
ポリビニルアルコールのシートを延伸温度360°Fで、シートの原長の5.0倍、6.0倍および6.5倍に、一方向に延伸させた。次いでそれらのシートを、実施例1〜5と同様な方法で加工したが、ただし、ホウ素化温度を180°Fから190°Fまで変化させ、また伸長パーセントを約1%から約10%まで変化させた。図14には、異なった加工パラメーターで処理して得られた偏光子についての、効率と透過率、Kとの関係を示している。表8に、所定の偏光効率の場合の偏光子の性質を比較する。
Figure 2005522726
図14および表8から明らかなように、所定の偏光効率の場合の透過率、Kおよび明所視二色比、Rは、初期の延伸が大きいほど、改良される。ホウ素化温度の全域において、および追加の伸長工程の有無にかかわらず、偏光性が改良できることが示されている。
実施例20〜25
ポリビニルアルコールのシートを、延伸温度320°Fで、シートの原長の5.0倍に、一方向に延伸させた。次いでそれらの延伸シートを発煙塩酸蒸気に暴露し、325°F〜350°Fに加熱した。それらの脱水させたシートをプラスチック製支持体から剥離し、80ppmの二色性黄色染料を含むホウ素化水溶液中に、135°Fで約2〜4分浸漬させた。対照サンプルは染料入りのホウ素化溶液に浸漬させることなく、単に次の工程へと進ませた。次いでそれらのシートを、温度175°Fで、別なホウ素化溶液に浸漬させた。最後にそれらのシートをさらに15%一方向に伸長させて、それぞれのシートの最終の延伸度を原長の5.7倍とした。表9に、得られたサンプルについての偏光効率および透過率を示す。
Figure 2005522726
表9および先に示した図5〜図7から明らかなように、二色性黄色染料を使用して調製した偏光シートは、偏光性を犠牲にすることなく、青色のスペクトル領域における光吸収性が著しく増加し、青色光のリークを明らかに抑制している。
実施例26〜28
ポリビニルアルコールのシートを、延伸温度320°Fで、シートの原長の5.0倍に、一方向に延伸させた。次いでそれらの延伸シートを発煙塩酸蒸気に暴露し、325°F〜350°Fに加熱した。それらの脱水させたシートをプラスチック製支持体から剥離し、1%(重量/重量)の二色性青色染料を含む水溶液中に、室温で約1分間浸漬させた。対照サンプルはこの工程にはかけず、単に次の工程へと進ませた。次いでそれらのシートを、ホウ素化溶液に、温度82℃(180°F)で約5分間浸漬させた。最後にそれらのシートをさらに10%一方向に伸長させて、それぞれのシートの最終の延伸度を原長の5.5倍とした。
先に図8に示したように、二色性青色染料を用いて調製した偏光シートは、偏光性を犠牲にすることなく、赤色のスペクトル領域(Aスペクトル)における光吸収性が著しく増加している。
実施例29〜30
重合度2000および4000のポリビニルアルコールのシートを、延伸温度360°Fで、それぞれシートの原長の6.0倍および5.5倍に、一方向に延伸させた。次いでそれらの延伸シートを発煙塩酸蒸気に暴露し、325°F〜350°Fに加熱した。その後、シートを温度190°Fで、ホウ酸およびホウ砂の水溶液に浸漬させた。溶液から取り出し、それらのシートをそれぞれさらに、延伸長の10%と3%、一方向に伸長させた。図15に、2種の異なった重合度で得られた偏光子についての、効率と透過率、Kとの関係を示す。表10に、所定の透過率の場合の偏光子の性質を比較する。
Figure 2005522726
図15および表10から明らかなように、一定の透過率では、重合度が高くなるほど、偏光効率と明所視二色比、Rが改良される。初期延伸がより小さいものでも、改良された偏光性が得られることが判る。
実施例31〜40
ポリビニルアルコールのシートを、延伸温度360°Fで、シートの原長の6.5倍に、一方向に延伸させた。次いでそれらのシートを、実施例1〜5と同様な方法で加工したが、ただし、ホウ素化温度を約101℃(214°F)とし、ホウ素化溶液濃度を変化させた。ホウ酸濃度は0重量%から約21重量%まで変化させ、ホウ砂濃度は0重量%から約6重量%まで変化させた。それらのシートは、最初に得られた延伸長よりさらに伸長させることはしなかった。図16に、3種の異なったホウ砂濃度で得られた偏光子についての、明所視二色比とホウ酸濃度の関係を示す。
本明細書に記載した実施例から明らかなように、K型シートの製造プロセスにおいて、より高い延伸温度で、より大きな初期延伸を実施することによって、著しく改良された偏光性を得ることができる。しかしながら、本発明を具体化する物品および方法においては、ある程度の変更や修正が可能であるので、これら実施例に含まれるすべての事柄は、説明のためのものであって、限定するためのものではないと考えるべきである。
本明細書に記載された実施態様は、単に本発明の原理を説明するためのものであると理解されたい。本発明の原理を具現化し、添付の特許請求の範囲の精神と範囲に含まれる、各種その他の修正、改変、変形形態が、当業者には可能である。
先行技術の偏光シートおよび本発明の実施態様により作製された偏光シートにおける、吸光度と波長との関係を示すグラフである。 2種の先行技術の偏光シートおよび1種の本発明の実施態様により作製された偏光シートにおける、吸光度と共役長さとの関係を示すグラフである。 先行技術の直交偏光子および本発明の実施態様により作製された直交偏光子における、透過度と波長との関係を示すグラフである。 先行技術の直交偏光子および本発明の実施態様により作製された直交偏光子における、吸光度と波長との関係を示すグラフである。 本発明の実施態様により、二色性黄色染料添加および不添加で作製された偏光シートにおける、吸光度と波長との関係を示すグラフである。 本発明の実施態様により、二色性黄色染料添加および不添加で作製された偏光シートにおける、スペクトル二色比と波長との関係を示すグラフである。 本発明の実施態様により、二色性黄色染料添加および不添加で作製された直交偏光子における、透過度と波長との関係を示すグラフである。 本発明の実施態様により、二色性青色染料添加および不添加で作製された偏光シートにおける、吸光度と波長との関係を示すグラフである。 初期延長が原長の5倍の代表サンプルについての、延伸温度の効果を示すグラフである。 初期延長が原長の5倍の代表サンプルについての、ホウ素化温度の効果を示すグラフである。 本発明の実施態様により作製された偏光シートにおける、明所視二色比とホウ素化溶液内での滞留時間との関係を示すグラフである。 本発明の実施態様により作製された偏光シートにおける、明所視二色比とホウ素化溶液内での滞留時間との関係を示すグラフである。 本発明の実施態様により作製された偏光シートにおける、最大明所視二色比とホウ素化温度との関係を示すグラフである。 本発明の実施態様により各種の加工パラメーターで作製された偏光シートにおける、偏光効率と透過率との関係を示すグラフである。 本発明の実施態様により2種の異なった重合度で作製された偏光シートにおける、偏光効率と透過率との関係を示すグラフである。 本発明の実施態様により作製された偏光シートにおける、二色比とホウ酸濃度との関係を示すグラフである。

Claims (40)

  1. 原長を有し、ヒドロキシル化された直鎖状高分子量ポリマーを含むポリマーシートから偏光子を作製するための方法であって:
    前記ポリマーシートを、原長の5.0倍を超えて約7.0倍までの延伸長に延伸させる工程;
    前記ポリマーシートに適切な脱水触媒を導入する工程;および
    前記ポリマーシートと前記触媒とを加熱して、前記ポリマーシートの部分脱水をさせ、吸光性のビニレンブロックのセグメントを形成させる工程;
    を含む方法。
  2. 前記ヒドロキシル化された直鎖状高分子量ポリマーが、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルケタール、またはポリビニルエステルである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記導入工程が、前記ポリマーシートを発煙性の酸性蒸気に暴露することを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記導入工程が、酸コーティングを用いて前記ポリマーシートをコーティングすることを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記導入工程が、
    酸供与層を前記ポリマーシートに近接させて設ける工程;および
    前記酸供与層を放射エネルギーに暴露して、1種または複数の酸分子を放出させる工程;
    を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記放射エネルギーが、熱エネルギーまたは紫外光線エネルギーである、請求項5に記載の方法。
  7. 前記延伸が、二方向緩和延伸、二方向非緩和延伸、一方向緩和延伸、一方向非緩和延伸、または放射状延伸である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記ポリマーシートを高温下でのホウ素化処理にかけることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記延伸および加熱されたポリマーシートを0%から約70%までの延伸長に一方向伸長させることをさらに含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記処理にかける工程と伸長工程とを同時に実施する、請求項9に記載の方法。
  11. 前記処理にかける工程を実施した後で、前記伸長工程を実施する、請求項9に記載の方法。
  12. 前記ホウ素化処理温度が少なくとも約80℃である、請求項8に記載の方法。
  13. 前記ホウ素化処理温度が、約80℃〜約110℃の範囲である、請求項8に記載の方法。
  14. 前記ホウ素化処理が、前記ポリマーシートを、ホウ酸を含む水溶液と接触状態に置くことを含む、請求項8に記載の方法。
  15. 前記ホウ酸の濃度が約5重量%〜約20重量%の範囲である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記水溶液がホウ砂をさらに含む、請求項14に記載の方法。
  17. 前記ホウ砂の濃度が0重量%〜約7重量%の範囲である、請求項16に記載の方法。
  18. 少なくとも1種の二色性染料を前記ポリマーシートに添加することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  19. 前記ポリマーシートをホウ素化処理にかけ、ここで前記添加工程と前記処理にかける工程とを同時に実施することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記ポリマーシートをホウ素化処理にかけ、ここで前記添加工程を実施した後で、前記処理にかける工程を実施することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
  21. 前記少なくとも1種の二色性染料が、黄色染料、青色染料、またはその組合せである、請求項18に記載の方法。
  22. 前記ポリマーシートが、約2000〜約4000の範囲の重合度を有する、請求項1に記載の方法。
  23. 原長を有し、ヒドロキシル化された直鎖状高分子量ポリマーを含むポリマーシートから偏光子を作製するための方法であって:
    前記ポリマーシートを、原長の約3.5倍から約7.0倍までの延伸長に延伸させる工程;
    前記ポリマーシートに適切な脱水触媒を導入する工程;
    前記ポリマーシートと前記触媒とを加熱して、前記ポリマーシートの部分脱水をさせ、吸光性のビニレンブロックのセグメントを形成させる工程;
    前記ポリマーシートを少なくとも約80℃の温度でホウ素化処理にかける工程;および
    前記ポリマーシートを0%から約70%までの延伸長に一方向伸長させる工程;
    を含む方法。
  24. 前記ヒドロキシル化された直鎖状高分子量ポリマーが、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルケタール、またはポリビニルエステルである、請求項23に記載の方法。
  25. 前記導入工程が、前記ポリマーシートを発煙性の酸性蒸気に暴露することを含む、請求項23に記載の方法。
  26. 前記導入工程が、酸コーティングを用いて前記ポリマーシートをコーティングすることを含む、請求項23に記載の方法。
  27. 前記導入工程が、
    酸供与層を前記ポリマーシートに近接させて設ける工程;および
    前記酸供与層を放射エネルギーに暴露して、1種または複数の酸分子を放出させる工程;
    を含む、請求項23に記載の方法。
  28. 前記放射エネルギーが、熱エネルギーまたは紫外光線エネルギーである、請求項27に記載の方法。
  29. 前記延伸が、二方向緩和延伸、二方向非緩和延伸、一方向緩和延伸、一方向非緩和延伸、または放射状延伸である、請求項23に記載の方法。
  30. 前記処理にかける工程と前記伸長工程とを同時に実施する、請求項23に記載の方法。
  31. 少なくとも1種の二色性染料を前記ポリマーシートに添加することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
  32. 前記添加工程と前記処理にかける工程とを同時に実施する、請求項31に記載の方法。
  33. 前記添加工程を実施した後で、前記処理にかける工程を実施する、請求項31に記載の方法。
  34. 前記少なくとも1種の二色性染料が、黄色染料、青色染料、またはその組合せである、請求項31に記載の方法。
  35. 前記ホウ素化処理が、前記ポリマーシートを、ホウ酸を含む水溶液と接触状態に置くことを含む、請求項23に記載の方法。
  36. 前記ホウ酸の濃度が約5重量%〜約20重量%の範囲である、請求項35に記載の方法。
  37. 前記水溶液がホウ砂をさらに含む、請求項35に記載の方法。
  38. 前記ホウ砂の濃度が0重量%〜約7重量%の範囲である、請求項37に記載の方法。
  39. 前記ホウ素化処理温度が、約80℃〜約110℃の範囲である、請求項23に記載の方法。
  40. 前記ポリマーシートが、約2000〜約4000の範囲の重合度を有する、請求項23に記載の方法。
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