JP2005522690A - 引っ掻き試験により試験材料の性質を決定する方法及び装置 - Google Patents

引っ掻き試験により試験材料の性質を決定する方法及び装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、圧子(102,202,302)を用いて、等価歪みのような材料の特性を計算する装置(202)及び方法に関する。用いられる方法が圧子の幾何学形状とは無関係である。該方法は、引っ掻き試験を実行して、理論的球形及び円錐形のような複数の圧子形状のそれぞれに対する歪みを既知の方程式を用いて計算する。次いで、丸い先端部を備える円錐形のような複合圧子(302)の歪みを、複数の理論的形状のそれぞれからの寄与を考慮して決定することができる。

Description

[背景技術]
ポリマの耐引掻性は、引っ掻き中の可塑及び破壊現象の特性決定につながる多数の研究の主題であった。引っ掻き中の粘弾性及び粘塑性的挙動は、動的のナノオーダの押し込み試験(dynamic nano−indentation test)を介して測定することができる動的機械性質と関連していた。けれども、引っ掻き中の、ポリメチルメタクリレート(PMMA)のようなポリマでの破壊現象の原因の理解は、近似のままである。先端部の幾何学的形状及びサイズ、引っ掻き速度及び荷重速度、及び印加された歪み及び歪み速度のようなパラメータは、破壊プロセスに関する重要なパラメータと考えられていたが、相関関係が明瞭に確立されていなかった。
多分、材料の硬さを測定する最も古い方法は、引っ掻き試験に基づくものである。鉱物学者は、最初に、石の硬さを評価するためこの種の試験を開発した。この研究によってもたらされた硬度計は、一方の材料が別の材料を引っ掻く又はそれにより引っ掻かれる能力に基づくものである。引っ掻き試験はまた、摩滅粘着(wear adhesion)の基本的メカニズムを理解する点で適応性を有するため見出された。引っ掻き、摩耗、及び摩滅は、表面の性質を減少させる全ての要因である。
近年、ポリマの機械性質が研究されてきた。ポリマ材料は、低コストのため、そしてそれらが容易に形成又は型成形することができるので、表面コーティングとして有用である。それにも拘わらず、それらの有効寿命は、多くの場合、弱い機械性質により制限される。例えば、自動車の塗料は、多くの種類の劣化を受け易い。特に、引っ掻き及び摩耗は、これらの材料の外観の劣化及び光学的性能の損失を引き起こす。
前述のことに鑑みて、引っ掻き試験の何らかの改良は有益であろう。
[発明の概要]
本発明は、引っ掻き先端部(引っ掻き先端部材)及び圧子(indenter)を用いて、等価歪みのような、材料の特性を計算する装置及び方法に関係する。そこにおいて用いられる方法は、圧子の幾何学的形状とは無関係である。本方法は、引っ掻き試験を実行して、理論的球形及び円錐形のような、複数の圧子形状のそれぞれに対する歪みを既知の方程式を用いて計算するステップを含む。次いで、丸い先端部を持つ円錐形のような複合の圧子の歪みが、複数の理論的形状のそれぞれからの寄与を考慮して決定することができる。
一実施形態においては、引っ掻き試験により未知の試験材料の臨界性質を決定する方法は、選択された幾何学的パラメータを有する引っ掻き先端部を選択された速度で用いて、荷重を試験試料の表面上に印加して、溝を形成するステップと、前記溝の臨界深さ、及び印加された臨界荷重を測定するステップと、前記試験試料の臨界歪みを幾何学的パラメータ、臨界深さ及び臨界荷重の関数として近似するステップとを備える。
別の実施形態においては、引っ掻き圧子装置は、選択された速度で試験試料上を移動する、選択された幾何学的パラメータの引っ掻き先端部と、可変荷重を前記の移動する引っ掻き先端部に印加して、溝を前記試験試料に形成することができる電磁装置と、前記溝の臨界深さ、及び印加された臨界荷重を測定するセンサと、前記センサに動作可能に結合されて、前記試験試料の臨界歪みを幾何学的パラメータ、臨界深さ及び臨界荷重の関数として近似する回路とを備える。
ポリマの耐引掻性は、引っ掻き中の可塑及び破壊現象の特性決定につながる多数の研究の主題であった。引っ掻き中の粘弾性及び粘塑性的挙動は、動的のナノオーダの押し込み試験を介して測定することができる動的機械性質と関連していた。けれども、引っ掻き中の、ポリメチルメタクリレート(PMMA)のようなポリマでの破壊現象の原因の理解は、近似のままである。先端部の幾何学的形状及びサイズ、引っ掻き速度及び荷重速度、及び印加された歪み及び歪み速度のようなパラメータは、破壊プロセスに関する重要なパラメータと考えられていたが、相関関係が明瞭に確立されていなかった。
引っ掻き試験における破壊は、引っ掻き先端部の背後の引っ張り応力に起因するようにモデル化される。材料の性質のみに関連し、引っ掻き先端部の幾何学的形状に関連しない新しい引っ掻く破壊パラメータを導入する。これらの方法は、引っ掻き試験中の破壊メカニズムの原因、及び材料の破壊強度についての押し込み歪みの影響に対して新しい理解をもたらす。
[例示的実施形態の詳細な説明]
材料の摩耗問題を定量化するのは困難であることが周知である。引っ掻きは、鋭い物体、即ち「引っ掻き先端部(引っ掻き先端部材)」を表面に接触させて移動することにより引き起こされる変形及び損傷として定義することができる。引っ掻きは、2つのタイプの現実の状況に関するモデルとして用いることができる。第1のものは表面上の単一の引っ掻きである。これは、自動車塗料を引っ掻く砂粒、自動車を引っ掻くキー、又はカメラのレンズを引っ掻く塵埃粒と等価であろう。これらのケースにおいては、引っ掻き先端部は唯一つの凹凸(asperity)を表し、それが、それに印加された荷重を伴って表面上を滑って、引っ掻きを引き起こす。
引っ掻き試験によりモデル化することができる第2の状況は、典型的な自動車の洗浄で用いられる回転ブラシのような複雑な摩耗問題であり、そこでは自動車の表面に印加された複数の接触点又は凹凸が存在する。この状況に対して、引っ掻き先端部は、複雑な摩耗状況の単純化を表す。このケースにおいては、引っ掻き試験は、実際の接触で含まれる全ての凹凸の複雑な効果とは異なる唯一つの凹凸を表す。理想的には、引っ掻き試験の結果は、より大きい複雑な摩耗問題を理解するため一般化される。単一の引っ掻き及び複雑な摩耗状況の両方において、引っ掻きプロセスは表面に変形を発生し、その変形は、弾性、塑性、破壊、及び剥離、又はこれらの組み合わせとして分類することができる。
1つの引っ掻き試験において、引っ掻き先端部は、法線方向の荷重を印加した状態で試験材料の表面に沿って滑る。試験材料についての重要なパラメータは、そのような試験により、引っ掻きにより引き起こされた変形及び損傷から導出することができる。しかしながら、引っ掻き先端部と表面との間の接触の幾何学的形状及び動力学に特に関連した幾つかのパラメータは、引っ掻き試験の結果に影響を及ぼすであろう。
図1は、引っ掻き先端部を試験材料の試料表面104に沿って移動させている状態の概略図である。引っ掻き先端部102の幾何学的形状は、引っ掻きプロセスにおいて第1に重要である1パラメータである。引っ掻き先端部102は、多くの様々な形状を有することができる。これらの形状は、凹凸が実際の接触の際に生じることができる有り得る幾何学的形状のほぼ全てを表す。種々の形状を網羅しているのではないが、円錐形、ピラミッド形状(バーコビッチ(Berkovich)、ビッカース(Vickers)、立方体の角(cube corner))、球形の及び平坦なパンチ(punch)、及びこれらの組み合わせがあり得るであろう。
引っ掻き先端部102の幾何学的形状は、試験材料に誘発される変形及び応力の種類に重要な影響を及ぼす。例えば、ピラミッド形状のエッジは、これらの幾何学的形状の特異点で応力の集中を発生する。従って、バーコビッチ先端部は、ナイフのように作用するエッジの存在に起因して、球形とは全く異なる応力場を発生するであろう。引っ掻き先端部の前での材料の流れは、円錐形及びピラミッド形状とは異なる。円錐形に関しては、材料は、表面の幾何学的形状の不連続性に会わないが、一方ピラミッド形状に関しては、材料は、流れの特性が変化するエッジを当該材料が見つけるまで1つの表面に沿って流れる。更に、ピラミッド形状に関しては、引っ掻きの挙動は、引っ掻き先端部がエッジを前方に向けて移動すつときと又は面を前方に向けて移動するときとで異なる。これらの2つの極端なケースにおいて、変形は、異なる応力場に起因して異なる。脆性材料又は半脆性材料においては、エッジの存在は、当該エッジが発生する応力集中のため、破壊に強い影響を及ぼす。
迎え角106は、別の重要なパラメータであり、試験材料表面104と引っ掻き先端部表面108との間の角度として定義される。迎え角106は、引っ掻き先端部の形状と同様に、試験材料表面104に生じる変形及び損傷の種類に重要な影響力を及ぼす。迎え角が小さければ小さいほど、摩耗接触の激しさはそれだけ少ない。迎え角が大きくなり過ぎる場合には、変形は切削挙動に変わり、そして試験材料は、その試験材料から剃り落とされ、そして引っ掻き先端部102の表面108を滑るように進む。
引っ掻き試験中の弾性のある試験材料、延性のある試験材料及び脆性のある試験材料のそれぞれの応答の連続領域が研究されてきた。切削挙動は、迎え角106又は切削角の臨界値により起動される。本発明においては、一般的に、迎え角106を切削角より小さく保つことができる。
球形が表面を滑るケースにおいては、引っ掻きが行われるにつれ荷重が増大されるならば、迎え角は一定で無い。球形と表面との最初の接触点で、迎え角は非常に小さい。球形が試験材料表面に侵入するにつれ、迎え角は徐々に増大する。迎え角が最初0°に等しく、そして球形の半分が試験材料に侵入するとき90°に達する。変化する迎え角は、引っ掻き先端部により試験材料に誘発される歪みに強く影響を及ぼす。
別の重要な試験パラメータは、表面上での引っ掻き先端部の速度である。引っ掻き先端部102の速度110は、引っ掻き先端部102の周りの材料の流れの速度、及び歪み速度に敏感な材料に対する局部応力のレベルを制御する。引っ掻き先端部の速度は、材料に誘発される歪み速度に直接関連される。円錐形及びピラミッド形状の引っ掻き先端部圧子については、引っ掻き先端部速度又はスピードの増大は、歪み速度の比例的増大を発生する。ポリマ、及び時間−温度依存材料のケースにおいては、高い歪み速度を誘発する高い引っ掻き先端部速度は、試験材料応答を劇的に変えるであろう。
引っ掻き実験は、多種類の劣化挙動及び損傷を発生することができ、それは、記述するため様々なパラメータを必要とする。引っ掻き劣化挙動は、多くの場合、次のように、即ち、弾塑性挙動、粘弾性挙動、粘塑性挙動、破壊挙動に分類される。弾性変形は、可逆的であり、そして引っ掻き先端部の後ろで回復される。プラスチック埋設(plastic plowing)は、引っ掻き部の断面プロフィールを作ることにより後で観察することができる永久変形である。
図2は、100℃、30mN荷重でPMMA上へ実施された引っ掻き試験で、塑性変形により引き起こされる溝を有する結果を示す。引っ掻き試験は、断面152が横方向に並んだ2つの山154を有する溝をもたらす、即ち生成する。塑性変形された引っ掻き溝又は形跡を次のパラメータにより表すことができる。即ち、引っ掻き幅aは、溝の両側の山のピーク間の距離で、参照番号156で示し、引っ掻き残留深さpは、公称表面と溝の底部との間の高さで、参照番号158で示し、引っ掻き山高さhは、公称表面より上の山の頂きの高さで、参照番号160で示し、突出した接触面積は以下で説明する。
引っ掻き硬さHは、次式のように定義された。
Figure 2005522690
ここで、Fは表面104に印加された法線力112(図1に示す)であり、そしてAは図1で参照番号114として示す突出した接触面積である。引っ掻き硬さは、摩擦を考慮してない。引っ掻き試験中における弾性変形と塑性変形との間の遷移を用いて、材料の降伏応力を決定することができる。これら2つのタイプの変形の同時発生は、引っ掻き先端部102と試験材料表面104との間の突出接触面積に影響を及ぼす。法線表面で材料と接触している引っ掻き先端部の断面積は、突出した接触面積Aとして定義される。
球形状を有する引っ掻き先端部を考えてみる。接触が十分に弾性的である場合、接触面積は、引っ掻き先端部の後ろで完全に回復する全円であろう。完全な塑性接触に対して、材料は永久に変形され、そして接触の範囲は半円であり、図1で参照番号114として示された面積Aを有する半円は、次式により与えられる。
Figure 2005522690
ここで、aは引っ掻き幅156である。しかしながら、弾性変形と塑性変形との両方が、引っ掻き先端部102と試験材料表面104との間に生じる場合、接触の範囲は、引っ掻き先端部の後ろの弾性回復に起因して変更される。突出した接触範囲は、引っ掻き試験のパラメータである。
臨界荷重は、引っ掻き試験のパラメータである。弾性及び塑性劣化に加えて、引っ掻きがまた破壊を生じることができる。破壊は、材料が引っ掻き先端部により発生された応力を支持することができないときに起こる。破壊を起こす引っ掻き先端部102への印加法線荷重又は法線力112の値は、臨界荷重と呼ばれる。臨界荷重は、多くの場合引っ掻き中の耐破壊性の尺度として用いられる。
破壊は、主に、引っ掻き先端部速度110又はスピード、迎え角106及び引っ掻き先端部の幾何学的形状のようなパラメータが原因で生じることができる。
図3は、本発明の方法を実行するため用いることができる装置の概略図である。引っ掻き装置200は、ミネソタ州Eden PrairieのMTS System Corporationが製造したNanoIndenter XP(登録商標)として知られている圧子装置(indeter apparatus)であり得る。それは、元々は、深さを検知する押し込み(depth sensing indentation)のため開発されたが、しかし引っ掻き試験の実験用に構成することができる。NanoIndenter XP(登録商標)は、米国特許No.4,848,141に記載されており、それは本明細書に援用されている。NanoIndenter XP(登録商標)のヘッドは、回路201により荷重制御される。当該回路201は電磁荷重装置204を制御する制御器203を備え、当該電磁荷重装置204は、試料表面に対して垂直方向に磁石/コイル系を有する。電磁荷重装置204は、荷重の高い精度及び迅速な制御を可能にする。引っ掻き先端部202は、柱206の底部に配置され、当該柱206は、板バネ208により適所に保持されて、非常に低い垂直剛性及び高い横方向剛性を提供して、柱206の横方向運動を抑制する。回路201は更に、試験結果を解析する解析器205を備える。試験結果を解析し試験データを格納することを含む、本発明の引っ掻き試験を実行するための命令を格納する記憶媒体207を含むことができる。記憶媒体207はまた、様々な引っ掻き先端部又は圧子に関する幾何学的形状パラメータを格納することができる。当業者により認められるように、制御器203及び解析器205は、別個の装置から成ることができる。
標準システムにとって、柱206の最大垂直変位は1.5mmであり、そして最大印加荷重は、500mNである。試験材料試料210は、試料トレーに固定され、当該試料トレーは、制御器203により制御された微調整テーブル(micrometric tables)212と共に移動して、水平及び垂直の両方の方向で高い位置精度を与えることができる。
装置の仕様が、表1及び表2に与えられる。
Figure 2005522690
Figure 2005522690
材料の動特性は、連続剛性測定(CSM)オプションを用いて、押し込みにより測定することができる。CSMの原理は、小さい振幅振動を連続の荷重信号に加えるものである。先端部の変位から生じる信号に関連した信号の解析は、動剛性S及び接触減衰Dを、試料材料表面への貫入の関数として与える。これらの動的測定は、次の式を用いて、損失弾性率E″、貯蔵弾性率E′、及び正接δ(tangentδ)の計算を可能にする。
Figure 2005522690
ここで、Sは接触の動剛性であり、Dは接触減衰であり、ωは振動の角周波数であり、Aは、押し込み中の接触面積であって、一般的に、円錐形先端部に対する円の断面積、即ち、図1に示されるAの面積の2倍に等しく、Hは押し込み硬さであり、Pは荷重である。押し込み中に印加される歪み速度は、硬さが一定であるとき次式のように定義されている。
Figure 2005522690
ここで、Pは荷重であり、hは圧子貫入量である。本発明における一部の押し込み試験は、
Figure 2005522690
の一定値で実行された。
Nano Indenter XP全体を温度室に設置して、選択された温度で試験を実行することができる。温度は、温度室内において0.1℃の精度で動作範囲(−50℃から100℃)にわたり制御することができる。各試験(押し込み又は引っ掻き)の前後で、温度室の温度を記録する。温度は、新しい試験を開始する前に調整され、そして温度調整システムは、実験中いずれの雑音又は振動を避けるためオフにされる。
引っ掻き試験は、押し込みヘッドが引っ掻き先端部202を介して試料210の表面に印加された荷重を制御しながら、試料210を担持する微調整テーブル212を移動させることにより実行された。引っ掻き試験中に、試料210に印加された法線力を、一定に保持し、又は増大し、あるいは低減することができる。図4は、4つのステップ252、254、256、258を有する典型的な引っ掻き試験のステップを示す。ステップの順序は、矢印260により示されている。
ステップ252において、引っ掻き先端部202(図3に図示)が引っ掻きを行う前に表面の元の形態を記録するため試料210の表面のプロフィール(形状)を測定するため経路に沿って移動されるとき、非常に小さい法線荷重(20μN)が印加される。
ステップ254において、引っ掻き先端部202を同じ経路に沿って移動させるにつれ、法線荷重を20μNから最大荷重まで直線的に増大して引っ掻きを生成する。
ステップ256において、引っ掻き後のプロフィール測定が、非常に小さい荷重(20μN)の下で同じ経路に沿って実行され、引っ掻き試験から形成された溝の残留変形を測定した。
最後に、ステップ258において、引っ掻き溝の端から端までのプロフィール測定が実行され、溝の形状、及び塑性変形の程度を測定した。引っ掻き試験の接触圧力と押し込み試験の硬さとが等しいことが分かっている。また、ポリマにとって、硬さの増大は、室温引っ掻きを行うため歪み速度を増大するとき起きることが分かっている。
引っ掻き試験における歪み速度を次式のように定義することができる。
Figure 2005522690
ここで、Vtipは引っ掻きスピード又は速度であり、そしてaは引っ掻き幅である。
押し込み試験において、硬さを次式のように定義する。
Figure 2005522690
ここで、Pは最大荷重であり、Aは接触面積である。
引っ掻き試験に対して、接触圧力又は引っ掻き硬さは次式により推定される。
Figure 2005522690
ここで、Fは法線荷重であり、aは残留引っ掻き幅であり、そしてqはこのPMMAの研究において1に等しい材料係数である。
参照番号214で示されるNano Indenter XPの横力測定(LMT)オプションは、X−Y水平面での力の測定を可能にする。引っ掻き試験中に、これらの力は、接線摩擦力及び横方向引っ掻き力に対応する。これらの力は、2つの直交方向(X及びY)において圧子柱の横変位を光学的に測定することにより獲得される。圧子柱に印加される横力は、柱組立体の横剛性及び横変位から計算されることができる。
引っ掻き先端部が小さいため、その先端部に幾らかの丸みも持たせずに円錐形のような或る一定の幾何学的形状を製造することは困難である。この理由のため、円錐形先端部は、通常、円錐形の開先角度α、及び先端部の丸みの推定半径Rにより定義される。
図5は、様々なパラメータを示し且つ本発明の方法を実行するため用いることができる丸みの付いた円錐形引っ掻き先端部を示す。引っ掻き先端部の形状の特性を正確に決定するため、押し込み試験を、弾性率が周知である材料について実行した。溶融石英が、通常この目的のため用いられる。引っ掻き先端部の球形部分の特性は、圧子高さと比較して、等価圧子幅又は接触半径により決定される。接触深さの関数としての弾性接触剛性の測定値は、引っ掻き先端部を表す。
材料の弾性率Eが接触剛性S及び接触面積Aの関数であり、次式のより与えられることが知られている。
Figure 2005522690
この関係から、そして接触面積が円錐形圧子の場合円であることを前提とすると、接触の半径rを次のように表すことができる。
Figure 2005522690
半径を深さの関数としてプロットして、先端部の形状を得ることができる。
前に定義したように、臨界荷重は、材料が破壊し始めるときの荷重である。実験中に、荷重は、直線的に増大し、そしてその値は、引っ掻き経路に沿った距離の関数として記録される。臨界荷重の値は、試験後のデータを解析することにより決定される。微粒子が表面から削られて生じる、及び/又はひびが引っ掻き傷に及び/又はその外に現れるとき、引っ掻き貫入、及び残留引っ掻き形態での接線力曲線における不規則性として見ることができる引っ掻き先端部の突然の動きがある。
臨界荷重値は、不規則性又は破壊の第1の兆候を示す点で決定される。臨界荷重値はまた、引っ掻き痕跡の光学的観察、及び引っ掻き痕跡に沿った長さの測定により確認することができる。
引っ掻き先端部の形状又は幾何学的形状は、幾何学的形状並びに迎え角が材料に印加された応力及びその結果生じる破壊を決定するのに重要な役割を果たすパラメータであるので、臨界荷重値に影響を及ぼす。その上、前述したように、破壊の形状がまた、何が破壊を引き起こしたかについての有用な情報を提供することにより重要なパラメータであることができる。
ポリマは、それらのガラス転移温度付近での機械的挙動の遷移を示す。押し込み及び引っ掻き試験にとって利用可能である温度範囲での挙動の変化を観察するため、ポリマ材料は、加熱室の中のNanoIndeter XPに利用可能な温度範囲(0℃と100℃の間)で転移を持たねばならない。PMMA(ポリメチルメタクリレート)、アモルファス熱可塑性材料は、この温度範囲近く(110℃付近)に転移を有し、そして室温でガラス質である。更に、この材料についての多数の研究は、温度の関数としてのその粘弾性性質、損失弾性率及び貯蔵弾性率及び応力/歪み挙動についての非常に大量の情報を提供した。
押し込み試験は、温度の関数としての弾性率及び硬さについての基本的情報を与えた。損失弾性率及び貯蔵弾性率、硬さ及びtan δは、CSMデータを用いて得られ、そしてそれらの式は上記で提示した。バーコビッチ圧子を押し込み試験のため用い、その押し込み試験は5℃と90℃との間で実行した。
一般的に、温度が増大するにつれ、貯蔵弾性率及び硬さが低減する傾向がある。同じ温度範囲にわたり、損失弾性率は僅かに増大し、それは、tanδの増大を招く。組み合わされた観測は、ガラス転移がより高い温度で生じるだろうということを示す。PMMAに関して、ガラス転移は、動的機械試験(DMA)により与えられる1Hz、100℃で生じる。室温での押し込み試験で得られた貯蔵弾性率(5Gpa)は、1HzでのDMA試験により与えられる値より高く、その値は知られている。
耐引っ掻き性が主に塑性変形及び破壊挙動により決定されるので、引っ掻き試験における延性挙動と破壊挙動との差を、幾つかの重要なパラメータにより特徴付けることができる。引っ掻き中の延性変形は、接触圧力、残留溝深さ及び盛り上がり(pile−up)の高さにより評価される。破壊が最初に起こるときの印加荷重である臨界荷重は、耐破壊性の基本的尺度である。
押し込み試験は、バーコビッチ圧子を用いて行われ、そして引っ掻き試験は、2μm半径の先端部を有する90°円錐形で行われた。図5に戻って参照すると、引っ掻き先端部302は、角度304及び参照番号306で示す半径Rを有する。最大荷重及び接触面積に関する結果を用い、且つ式9を用いて、押し込み硬さを計算した。臨界荷重及び引っ掻き幅に関する結果を用い、且つ式10を用いて引っ掻き硬さを計算した。
押し込み硬さと引っ掻き硬さとの値の差は、2つの異なる実験間の歪み速度の差に起因する。引っ掻き試験中の塑性変形は、通常、図2に示される引っ掻きの盛り上がり高さ及び残留深さにより測定される。押し込み試験及び引っ掻き試験中に生成した塑性変形は、材料の弾性特性及び塑性特性の相対的大きさに依存する。盛り上がり高さは、硬さ比にわたる弾性率及び圧子形状の両方に関連付けられ、そして歪み速度及び温度と共に変わる。
温度は、引っ掻きが行われたPMMAの盛り上がりに影響を及ぼす。断面プロフィールの測定は、引っ掻きに沿った異なる位置で且つ異なる温度で実行された。温度増大及び盛り上がり高さの増大と弾性率対硬さ比(modulus−to−haradness)との間に強い相関がある。変形がまた、試験された試料材料の種類により影響を受ける。
歪み速度がまた、塑性変形に影響を及ぼす。式8は、歪み速度が引っ掻き速度と共に変わることを示す。歪み速度の変動を得るため、引っ掻き速度は、室温で変えられた。溝の形状は、引っ掻き(50nN)に沿った同じ位置で且つ異なる引っ掻き速度で測定された。図6は、異なる速度で実行されたこれらの引っ掻き試験の結果を示す。より高い歪み速度は、溝のより小さい幅(参照番号304で全体的に示す。)につながる。驚くことに、盛り上がりの高さ(参照番号308で全体的に示す。)は、明らかに歪み速度の変動により影響されない。
パラメータは、引っ掻き試験における延性から脆性への転移が臨界荷重を表すため最も普通に用いられる。引っ掻き試験がPMMAについて実行されたとき、臨界荷重は温度に依存する。一般的に、破壊は、低い温度に関してはより小さい荷重で、また高い温度に関してはより高い荷重で起こる。
破壊の形態はまた温度が変化すると変わる。破壊は、低い温度で多数の紛失材料を伴って広範囲にわたる。対照的に、高温で、溝の側部での破片物は非常に少なく、そして材料は可塑的に流れたように見える。破壊が接触点の後ろで起きるので、圧子の最後の位置の前には存在しない。
温度はまた、温度が増大するとき流動応力が低減する点で定常流動応力に影響を与える。しかしながら、温度に関係無く、圧縮応力/歪み曲線の形状は一般的に同じである。その曲線の初期線形部分の勾配である弾性率は、温度共に変わる。また、異なる歪み速度を用いて、歪み速度の増大が流動応力の大きさを増大することを示した。温度は、引っ張り曲線の形状に強力に影響する。低温で、PMMAは、非常に小さい塑性性(plasiticity)を有する脆性材料のように振る舞い、そして非常に低い歪み及び高い応力で破壊する。より高い温度で、PMMAは、ゴムのように一層振る舞い、そこでは破壊は高い歪み及びより低い応力で起こる。
降伏応力σ及び破壊強度(脆性破壊を起こすのに必要とされる応力)σは両方とも温度依存性があることが更に知られている。降伏応力及び破壊強度の両方は温度と共に低減し、そしてσ=σのところに転移温度が存在する。この転移温度より下では、降伏応力は、破壊応力より高く、そして破壊が支配的である。転移温度より上では、状況は逆転し、降伏及び引き延ばし挙動を招く。
引っ掻き試験中の破壊は引っ張り引き裂き(tensil tearing)に起因する傾向であることが知られている。引っ掻き試験におけるPMMAの引っ張り挙動と破壊挙動との間の非常に強い相関が、知られており、そしてその相関は、破壊の起源に関する説明につながる。圧縮ゾーンは、引っ掻き先端部の前にある材料が圧縮される場合、引っ掻き部分の前方に生成される。同時に、引っ張り応力が引っ掻き先端部の後ろに生じる。これらの応力が材料の破壊応力値に達する場合、破壊が引き起こされるであろう。この説明は、破壊が接触範囲の後ろに起こり、そして臨界荷重が引っ張り試験におけるのと同じ「脆性−延性」遷移を呈するという観察と一貫している。
引っ掻き変形はまた、引っ掻き先端部の幾何学的形状により影響される。再び図5に戻って参照すると、幾つかの重要な幾何学的パラメータが示されている。これらのパラメータは、参照番号306で示す先端部の球形部分を表す半径R、及び参照番号308で示す円錐形の半角度であるαを含む。先端部の球形部分の垂直高さhspは、参照番号310で示され、そして次式のように計算することができる。
Figure 2005522690
この高さhspにおいて、参照番号312で示す接触半径rhspは次式のように計算することができる。
Figure 2005522690
より一般的には、参照番号314で示す所与の高さdにおいて、参照番号316で示す接触半径rは次のように表すことができる。
Figure 2005522690
歪み速度は、PMMAに関して、降伏強度σ及び破壊強度σの両方に影響を及ぼす。歪み速度を増大すると、PMMAはより脆化するようになる。前述したように、引っ掻き歪み速度に対して共通に受け入れられた式は、
Figure 2005522690
であり、それを実験及び本発明の方法で仮定した。
本発明の方法を室温で実行して、最初に2μm先端部半径を有する90°円錐形を用いて、臨界荷重への引っ掻き歪み速度の影響を調査した。引っ掻き歪み速度の変動を得るため、引っ掻き速度を各引っ掻き試験で変えた。引っ掻き歪み速度は、式8を用いて計算した。引っ掻き速度及び対応の歪み速度が、表3に詳細に示されている。
引っ掻き歪み速度が90°円錐形に関して増大するとき、臨界荷重が低減する。これは、歪み速度又は引っ掻き速度が増大するときPMMAがより小さい荷重で破壊することを意味する。従って、歪み速度を増大することは、温度を低減することと同じ効果である。それは、歪み速度の増大は、臨界荷重を低減し、そして材料をより脆性のあるように振る舞わせるからである。
Figure 2005522690
本発明の方法はまた、4μm先端部半径を有する60°角度円錐形に対して臨界荷重の歪み速度依存性を決定するため実行された。このケースにおいては、臨界荷重の歪み速度依存性は、90°角度円錐形に対して観察された結果とは異なり反対である。換言すると、臨界荷重は、歪み速度と共に低減するのではなくて増大する。これらの結果は、PMMAがより小さい歪み速度でより脆性であることを示唆する。従って、これらの本発明の方法によれば、臨界荷重自体は、材料の破壊挙動を歪み速度の関数として予測するために信頼性良く用いることができないものである。これらの方法を実行する際に、考慮した1つの可能性は、PMMAの破壊が臨界変形に達したとき引き起こされるかどうかであった。
引っ掻き先端部の幾何学的形状は、それが材料の接触変形に影響を及ぼす傾向があるので破壊挙動に影響を及ぼすことができる。
引っ掻き先端部の幾何学的形状、例えば、尖っていない円錐形は、複数の部分に分割することができる複合形状と考えることができる。尖っていない円錐形のケースにおいては、2つの部分は、球形部分と円錐形部分とである。しかしながら、尖っていないピラミッド型引っ掻き先端部のような他の引っ掻き先端部は、球形部分及びピラミッド型部分として表される複合体と考えることができる。しかしながら、部分の形状及び複合先端部形状は、球形、円錐形及びピラミッド形状に限定されるものではなく、限定なしで、他の規則的又は不規則な形状を含むことができ、そこでは複合引っ掻き先端部形状を表すため幾何学的形状部分を組み合わせることができることに注目されたい。
球形及び円錐形が引っ掻き試験中に試料材料に対して全体的に異なる程度の変形及び歪みを与えることが知られている。球形と平面との間の滑り接触に対する等価歪みは、次式のように表すことができる。
Figure 2005522690
ここで、rは接触半径であり、Rは球形半径であり、Eは弾性率であり、σは降伏応力であり、(E/σ)は一定である。円錐形に対して、等価歪みは次式のように表すことができる。
Figure 2005522690
ここで、αは円錐形の半角度である。本発明の方法が実行される前に、丸みを付けられた先端部を有する円錐形の変形は、系統的に研究されてなかったと確信する。
本発明者は、引っ掻き先端部に起因した全体的歪みが2つの異なる幾何学的形状に起因した歪みの複合である場合、2つの幾何学的形状又は部分の効果を近似するための数学的モデルを開発することができるであろうと仮定した。
本発明において、2つの他の関数の和から成る指数関数εTotを作りだし、それは次式のように表される。
Figure 2005522690
ここで、f(ε)及びg(ε)は、先端部の幾何学的形状に基づくそれぞれの適合関数である。この例においては、εTotは、尖っていない円錐形の全体的変形を表し、そして円錐形に起因した歪みと球形に起因した歪みとの関数である。
引っ掻き先端部の2つの幾何学的形状の効果を組み合わせると、近似は次式のように書くことができる。
Figure 2005522690
ここで、β、λ、γ、θは適合係数であり、そしてε、εは球形及び円錐形のそれぞれに起因した変形である。式20は、引っ掻き先端部の2つの幾何学的形状により引き起こされた2つの異なる挙動を表す適合関数間を補間する1つのやり方である。
図7は、2μm半径の先端部半径を有する90°円錐形を用いて実行された引っ掻き試験の結果を示す。漸近線354及び356は、小さい接触半径に関する球形変形、及びより大きい接触半径に関する円錐形変形のそれぞれの2つの限界挙動を表す。
換言すると、2つの漸近線354、356は、純粋の円錐形及び純粋の球形により生成される歪みを表す。円錐形により引き起こされる歪みは、接触半径が何であれ一定であることに注目されたい。球形に関しては、歪みは、接触半径と共に増大する。指数曲線358は、2μm半径を有する90°円錐形により発生された全体の歪みの式20からの近似を示す。
図8は、2μm先端部半径を有する90°円錐形と4μm半径を有する60°円錐形の両方に対して式20を適用することによるモデル化の結果を示す。4μm半径を有する60°円錐形に関して、漸近線404、406は、式20から発生された曲線408に対する適合関数である。
前述した漸近線354、356を漸近線404、406と比較すると、同じ接触半径に対して、2つの異なる引っ掻き先端部により引き起こされた変形が著しく異なる。この観察は、破壊が引っ掻き中に生じたときの深さを引っ掻き速度の関数として考えることは重要であろうことを示唆した。結果を表4に示す。
表4は、両方の引っ掻き先端部に対して、引っ掻き速度が増大するにつれ臨界深さが低減することを示す。図5において、参照番号316で示す接触半径rと参照番号314で示す深さdとの間に関係があるので、式15及び式16を適用することにより、臨界深さを臨界接触半径に変換することができる。
図9及び図10は、図8で前に示された曲線358及び曲線408のそれぞれを示す。しかしながら、臨界接触半径の値は、図9においては垂直線464、466、468、470として示す。同様に、臨界接触半径に対する値を表す垂直線514、516、518が、図10に示されている。垂直線464、466、468、470と曲線358との間の交点、及び垂直線514、516、518と曲線408との交点は、破壊での等価歪み又は変形を与える。
図9に示される90°円錐形のケースに関して、破壊が引っ掻き先端部の円錐形部分に達する深さで起きることが注目に値する。こうして、破壊での変形は、球形に起因するより一層円錐形に起因する。更に、これは、全ての引っ掻き速度で真実である。
図10に示される60°円錐形に関して、破壊は、円錐形への遷移の十分前に引っ掻き先端部の球形部分で起こる。異なる引っ掻き速度は、90°円錐形に対するより一層小さい歪み範囲にわたり破壊を発生することが注目に値する。これは、歪みが球形に対する接触半径の関数として迅速に増大するが、しかし円錐形に対して一定のままであるからである。
図9及び図10における2つのプロットを用いて、異なる引っ掻き速度に対する破壊点での歪みを決定することができる。結果が、表5及び表6に提示されている。本明細書で用いられるように、「プロット」は一般的に解析の方法に言及していることに注目すべきである。当業者により認められるように、同じ結果又は結論に達するための他の形式の解析を、プロット化を含まない他の技術を用いて達成することができる。
臨界接触半径及び引っ掻き速度を知れば、「臨界歪み速度」を計算することができ、その「臨界歪み速度」で、破壊が次のように起こる。
Figure 2005522690
臨界歪み速度に対する結果がまた、表5及び表6に提示される。
図11は、90°円錐形及び60°円錐形の両方に関する表5及び表6のそれぞれにおける結果を用いて、臨界変形歪みに関するプロット567、569を臨界歪み速度の関数として示す。両方の引っ掻き先端部に関して、2つのプロット567、569は、非常に似ており、そして同じ傾向を呈する。2つのプロット567、569を比較するため、それらは、90°円錐形に対する適合対数関数571、及び60°円錐形に対する適合対数関数573でもって近似された。2つの対数関数571、573は、非常に類似した式をもたらした。
60°円錐形に対して:
y=−0.0018Ln(x)+0.1907 式22

90°円錐形に対して:
y=−0.0019Ln(x)+0.1901 式23
Figure 2005522690
Figure 2005522690
臨界歪みに関する結果が、先端部の幾何学的形状に依存せず、従って硬さ又は弾性率と非常に同じ要領で材料の性質と考えることができることが本発明の方法に関して非常に重要である。更に、図12は、臨界荷重対歪み速度をプロットし、そして2つの引っ掻き先端部の異なる挙動を示す。90°円錐形に関する曲線601は、歪み速度が増大するにつれ臨界荷重が低減することを示す。対照的に、60°円錐形に関する曲線651は、歪み速度の増大と共に臨界荷重の増大を示す。両方の曲線601及び651に関して、曲線より上の領域は、材料が破壊する領域を表す。従って、90°円錐形に関して、試料材料は、領域603においては破壊するが、しかし領域605においては破壊しない。同様に、60°円錐形に関して、材料は、領域653においては破壊するが、しかし領域655においては破壊しない。従って、破壊での等価歪みは、一定荷重での歪み速度と共に変わる。式8で与えられる歪み速度定義に従って、歪み速度の増大はまた、接触半径の低減を意味する。図9及び図10に戻って参照すると、接触半径の同じ変化は、90°円錐形の場合より60°円錐形の方が等価歪みのより大きい変化を発生する。90°円錐形のケースにおいては、歪みの変化は小さい。
実験の結果を用いて、未知の材料の特性を決定し、又は引っ掻き中の破壊が幾らかの特性が知られている所与の材料に関して生じるときを予測することができる。
未知の材料について
1つの方法が、試料材料が未知である場合について図13でフロー・チャートにより示される。ステップ702において、引っ掻き先端部の幾何学的形状が選択され、そしてステップ704において、引っ掻きが試料材料上で異なる速度で行われる。ステップ706において、臨界荷重及び臨界深さが各試験について測定される。ステップ708において、式15又は式16を用いて、臨界深さから臨界接触半径を計算する。次いで、ステップ710において、臨界接触半径を用いて、式21により臨界歪み速度を決定する。ステップ712において、式20により表される変形近似を用いて臨界歪みを計算する。
ステップ714において、プロットを生成することができ、そして臨界歪みを、図11におけるプロットと類似した臨界歪み速度の関数としてプロットすることができる。そのようなプロットは、ステップ716において、材料の挙動に対する基本として考えることができ、そして重要なことに、引っ掻き先端部の幾何学的形状とは無関係であると考えることができる。更に、ステップ718において、関数として、又は引っ掻き歪み速度についての接触圧力又は引っ掻き硬さである別の材料挙動を得ることができる。
既知の引っ掻き挙動を持つ材料について
既知の引っ掻き挙動を持つ材料のケースにおいて、1つの方法が、図14にフロー・チャートとして提示される。ステップ752において、引っ掻き硬さ対歪み速度、即ち、H=f(ε)が、図15に示されるようにプロットされる。ステップ754において、臨界歪み対臨界歪み速度が、図11に示されるようにプロットされる。ステップ752及びステップ754は、材料に関する引っ掻き挙動が既知であるので、達成することができる。また、ステップ754において、引っ掻き先端部の幾何学的形状が、選択され、及び/又は知られる。
次いで、ステップ756において、引っ掻き先端部の幾何学的形状及びプロットH=f(ε)から、接触半径を各点で、歪み速度の関数として、次いで引っ掻き速度の関数として計算することができる。ステップ758において、接触半径を、圧子幾何学的形状から得られる等価歪み対接触半径のグラフ上にプロットすることができる。ステップ760において、等価歪みをこの最後のグラフから抽出し、そして引っ掻き速度の関数としてプロットすることができる。ステップ762において、接触半径、等価歪み、及び引っ掻き速度に関する既知の値を用いて、変形を歪み速度の関数としてプロットすることができる。次いで、ステップ764において、臨界歪み対臨界歪み速度と歪み対歪み速度との交点が、破壊の点を与える。
換言すると、選択された歪み速度での臨界荷重は、解析により生じた結果、又は式20或いは上記で提示した他の式から生成されたプロットから決定するすることができる。図16は、臨界荷重を決定する方法のフロー・チャート850を示す。
ステップ852において、材料が既知であると仮定すると、図11で提示された結果に類似の歪み速度の関数として歪みをプロットする結果が分かっている。また、図9及び図10においてプロットされた結果(式20から)に類似しているがしかし選択された引っ掻き先端部の幾何学的形状について接触半径の関数としての歪みに関する結果が既知である。最後に、図15において提示された結果に類似した歪み速度の関数としての硬さの結果が既知である。
ステップ854において、歪み速度を研究するため選択する。ステップ856において、図11に示されるように、臨界点における歪み対歪み速度のプロットから、選択された臨界歪み速度での歪みを決定することができる。ステップ858において、この臨界歪みから且つ式20又は図9及び図10の結果に類似した結果を用いることから、臨界接触半径を容易に決定することができる。
ステップ860において、ひとたび臨界接触半径が分かると、接触範囲Aは、式2に類似した先端部の幾何学的形状に基づいて容易に決定することができる。ステップ862において、硬さは、選択された歪み速度で決定する。ステップ864において、A及び硬さの両方が決定されてしまうので、臨界荷重は、HA=臨界荷重(式1参照)であるので決定することができる。臨界荷重が前述した研究された歪み速度の関数として決定されたことに注目すべきである。
本発明が好適な実施形態を参照して説明されたが、当業者は、本発明の趣旨及び範囲を逸脱すること無く、形態及び詳細において変更を行い得ることを認めるであろう。
図1は、引っ掻き先端部が試験材料サンプルの表面に沿って移動することを説明する概略図である。 図2は、断面パラメータを用いた、引っ掻き試験中に形成された溝の断面プロフィールの概略図である。 図3は、本発明の方法を実行するため用いられる装置の概略図である。 図4は、本発明の方法で用いられる引っ掻き試験のステップの図である。 図5は、幾何学的パラメータを伴う尖っていない円錐形の引っ掻き先端部の概略図である。 図6は、様々な速度で実行される引っ掻き試験による溝の断面プロフィールを示す。 図7は、2μm半径を有する90°円錐形に関する漸近線及び適合関数のプロットを示す。 図8は、2μm半径を有する90°円錐形、及び4μm半径を有する60°円錐形に関する漸近線及び適合関数のプロットを示す。 図9は、2μm半径を有する90°円錐形に関する漸近線及び適合関数、及び臨界歪みを示すため様々な速度での臨界半径の垂直プロットを示す。 図10は、4μm半径を有する60°円錐形に関する漸近線及び適合関数、及び臨界歪みを示すため様々な速度での臨界半径の垂直プロットを示す。 図11は、2つの尖っていない円錐形に関して破壊領域及び非破壊領域の場合の等価歪み対臨界引っ掻き歪み速度、及び適合log(対数)関数のプロットを示す。 図12は、2つの尖っていない円錐形に関して破壊領域及び非破壊領域の場合の臨界荷重対引っ掻き歪み速度のプロットを示す。 図13は、試験試料材料が未知の機械的性質を有する場合の方法のフロー・チャートである。 図14は、試験試料材料が既知の機械的性質を有する場合の方法のフロー・チャートである。 図15は、2つの尖っていない円錐形に関して引っ掻き硬さ対引っ掻き歪み速度のプロットを示す。 図16は、臨界荷重を決定する方法のフロー・チャートである。

Claims (17)

  1. 引っ掻き試験により未知の試験材料の性質を決定する方法であって、
    選択された幾何学的パラメータを有する引っ掻き先端部を選択された速度で用いて、荷重を試験試料の表面上に印加して、溝を形成するステップと、
    前記溝の臨界深さ、及び印加された臨界荷重を測定するステップと、
    前記試験試料の臨界歪みを幾何学的パラメータ、臨界深さ及び臨界荷重の関数として解析するステップと
    を備える方法。
  2. 臨界歪み速度を計算するステップを更に備える請求項1記載の方法。
  3. 異なる選択された速度に対して印加、測定、近似、及び計算するこれらのステップを繰り返すステップを更に備える請求項2記載の方法。
  4. 歪みを臨界歪み速度の関数として解析するステップを更に備える請求項2記載の方法。
  5. 臨界半径を臨界深さの関数として計算するステップを更に備える請求項1記載の方法。
  6. 試験材料の硬さを臨界歪み速度の関数として計算するステップを更に備える請求項2記載の方法。
  7. 前記臨界歪みεtotが、ほぼ
    Figure 2005522690
    に等しく、ここで、rが臨界半径であり、λ、θ、β及びγが適合係数であり、ε及びεが、選択された幾何学的パラメータを有する複数の幾何学的形状のそれぞれに起因した歪みである
    請求項5記載の方法。
  8. 前記幾何学的形状が球形及び円錐形を有する請求項7記載の方法。
  9. 前記臨界歪み速度が、前記引っ掻き先端部の速度を前記溝の幅で除算したものに等しい請求項2記載の方法。
  10. 選択された速度で試験試料上を移動する、選択された幾何学的パラメータの引っ掻き先端部と、
    可変荷重を前記の移動する引っ掻き先端部に印加して、溝を前記試験試料に形成することができる電磁装置と、
    前記溝の臨界深さ、及び印加された臨界荷重を測定するセンサと、
    前記センサに動作可能に結合されて、前記試験試料の臨界歪みを幾何学的パラメータ、臨界深さ及び臨界荷重の関数として近似する回路と
    を備える引っ掻き圧子装置。
  11. 前記回路に結合された記憶媒体を更に備え、
    前記記憶媒体が、前記引っ掻き先端部の幾何学的パラメータを格納する
    請求項10記載の引っ掻き圧子装置。
  12. 前記回路が更に臨界歪み速度を計算する請求項10記載の引っ掻き圧子装置。
  13. 前記回路に動作可能に結合された解析器を更に備え、
    前記解析器が、臨界歪みを臨界歪み速度の関数として解析することができる
    請求項12記載の引っ掻き圧子装置。
  14. 前記解析器が、臨界歪みを臨界歪み速度の関数としてプロットすることができる請求項13記載の引っ掻き圧子装置。
  15. 既知の材料に対する臨界荷重を決定する方法であって、
    歪み速度を選択するステップと、
    歪みを歪み速度の関数として決定するステップと、
    臨界接触半径を歪みの関数として決定するステップと、
    臨界荷重を歪み速度の関数として決定するステップと
    を備える方法。
  16. 接触面積を臨界接触半径の関数として決定するステップと、
    硬さを歪み速度の関数として決定するステップと
    を更に備える請求項15記載の方法。
  17. 臨界荷重が接触面積及び硬さの関数である請求項16記載の方法。
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