JP2005521929A - ヒト代謝モデルおよび方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ヒト骨格筋細胞を含むヒト細胞の生理学的機能を決定するための、コンピューター内モデルを提供する。このモデルは、複数のHomo sapiens反応を示すデータ構造、複数のHomo sapiens反応の束縛セット、およびHomo sapiens生理学的機能を予測可能な反応を介して流束の分布を決定するためのコマンドを、含む。本発明のモデルは、関連の遺伝子を特徴付ける情報を含む遺伝子データベースを、さらに含み得る。調節されたHomo sapiens反応は、本発明のモデルにおいて、調節反応に関する可変束縛を含むことによって、表され得る。本発明は、本発明のモデルを使用してコンピューター内Homo sapiens生理学的機能を作製するための方法を、さらに提供する。

Description

(発明の背景)
本発明は、一般に、化学反応ネットワークの活性の分析に関し、より具体的には、Homo sapiens反応ネットワークの活性をシミュレーションし、予測するための計算方法に関する。
治療薬剤(薬物および遺伝子ベースの薬剤を含む)は、ヒト疾患の予防または処置の目標をもって、製薬産業によって急速に開発されている。栄養補助食品(薬草製品、ビタミンおよびアミノ酸を含む)もまた、栄養補助食品の産業において開発され、市販されている。ヒト細胞内およびヒト細胞間における生化学反応ネットワークの複雑性ゆえに、特定の標的の存在量または活性(例えば、代謝物、遺伝子もしくはタンパク質)における、治療薬剤もしくは大量の食品成分によって引き起こされる比較的重要でない動揺(perturbation)でさえ、何百もの生化学反応に影響し得る。これらの動揺は、所望の治療効果(例えば、癌細胞または他の病原性過剰増殖細胞の場合における、細胞静止または細胞死)に導き得る。しかし、これらの動揺はまた、動揺の全身性効果を考慮に入れない場合、望ましくない副作用(例えば、毒性副産物の産生)もまた、導き得る。
薬物開発および栄養補助食品開発に対する現在のアプローチは、全身性細胞行動上の分子標的における動揺の効果を、考慮に入れない。細胞活性を回復するか、操作するかまたは無力化するための効果的な方法を設計するため、統合的な観点からヒト細胞行動を理解することは、必須である。
生化学反応の高度に統合されたネットワークに関するプロセスの例である細胞代謝は、全ての正常細胞プロセスまたは全ての生理学的プロセスに不可欠である。これらのプロセスとしては、以下が挙げられる:ホメオスタシス、増殖、分化、プログラム細胞死(アポトーシス)、および運動性。細胞代謝における改変は、膨大な数のヒト疾患を特徴付ける。例えば、組織損傷は、しばしば、グルコース、脂肪酸およびアミノ酸の異化作用の上昇によって特徴付けられ、この異化作用は、持続性である場合、器官機能不全に導き得る。固形腫瘍において起こるような低酸素供給(低酸素症(hypoxia))状態および低栄養供給状態は、無数の適応性代謝変化(解糖および新生血管形成の活性化を含む)を生じる。代謝機能不全はまた、神経変性疾患、心疾患、神経筋疾患、肥満および糖尿病にも寄与する。現在、正常プロセスおよび病理学的プロセスに対する細胞代謝の重要性にもかかわらず、ヒト細胞における細胞代謝の詳細な全身的な理解は、足りていない。
従って、Homo sapiens反応ネットワーク(コア代謝反応ネットワークおよび特異的細胞型における代謝反応ネットワーク)述べるモデルの必要が存在し、これは、生理学的、病理学的および治療的条件下でのヒト細胞行動の異なった局面をシミュレーションするために使用され得る。本発明は、この必要を満たし、また関連する利点も提供する。
(発明の要旨)
本発明は、以下を含むコンピューター読み取り可能媒体を、提供する:(a)複数のHomo sapiens反応物に複数のHomo sapiens反応を関連づけるデータ構造であって、ここで、上記Homo sapiens反応の各々は、上記反応の基質として同定された反応物、上記反応の産物として同定された反応物、ならびに上記基質および上記産物に関連する化学量論係数を含むデータ構造、(b)上記複数のHomo sapiens反応に関する束縛セット、および(c)少なくとも1つの流束分布を決定するためのコマンドであって、上記束縛セットが上記データ表現に適用される場合に、目的関数を最小にするかまたは最大にし、ここで上記少なくとも1つの流束分布が、Homo sapiens生理学的機能を予測可能であるコマンド。1つの実施形態において、上記データ構造中の上記Homo sapiens反応のうち少なくとも1つは、注釈されて関連の遺伝子を示し、そして上記コンピューター読み取り可能媒体は、上記関連の遺伝子を特徴付ける情報を含む遺伝子データベースを、さらに含む。別の実施形態において、上記Homo sapiens反応のうち少なくとも1つは、調節反応であり、そして上記コンピューター読み取り可能媒体は、上記複数のHomo sapiens反応についての束縛セットをさらに含み、上記束縛セットは、上記調節反応についての可変束縛を含む。
本発明は、Homo sapiens生理学的機能を予測する方法を提供し、上記方法は、以下の工程を、包含する:(a)複数のHomo sapiens反応物に複数のHomo sapiens反応を関連づけるデータ構造を提供する工程であって、ここで、上記Homo sapiens反応の各々は、上記反応の基質として同定された反応物、上記反応の産物として同定された反応物、ならびに上記基質および上記産物に関連する化学量論係数を含む、工程;(b)上記複数のHomo sapiens反応についての束縛セットを提供する工程;(c)目的関数を提供する工程;および(d)少なくとも1つの流束分布を決定する工程であって、上記束縛セットが上記データ表現に適用される場合に、目的関数を最小にするか最大にし、これにより、Homo sapiens生理学的機能を予測する、工程。1つの実施形態において、上記データ構造中の上記Homo sapiens反応のうち少なくとも1つは、注釈されて関連の遺伝子を示し、そして上記方法は、上記遺伝子に関連するHomo sapiens生理学的機能を予測する。
本発明は、Homo sapiens生理学的機能を予測する方法を提供し、上記方法は、以下の工程を、包含する:(a)複数のHomo sapiens反応に複数のHomo sapiens反応物を関連づけるデータ構造を提供する工程であって、ここで、上記Homo sapiens反応の各々は、上記反応の基質として同定された反応物、上記反応の産物として同定された反応物、ならびに上記基質および上記産物に関連する化学量論係数を含み、ここで、上記Homo sapiens反応のうち少なくとも1つは、調節反応である、工程;(b)上記複数のHomo sapiens反応についての束縛セットを提供する工程であって、上記束縛セットは、上記調節反応についての可変束縛を含む、工程;(c)上記可変束縛に対し、条件依存的な値を提供する工程;(d)目的関数を提供する工程、および(e)少なくとも1つの流束分布を決定する工程であって、上記束縛セットが上記データ表現に適用される場合に、目的関数を最小にするかまたは最大にし、それにより、Homo sapiens生理学的機能を予測する、工程。
本発明はまた、コンピューター読み取り可能媒体において、複数のHomo sapiens反応物に複数のHomo sapiens反応を関連づけるデータ構造を作製する方法を提供し、上記方法は、以下の工程を、包含する:(a)複数のHomo sapiens反応ならびに上記Homo sapiens反応物の基質および産物である複数のHomo sapiens反応物を同定する工程;(b)データ構造において、上記複数のHomo sapiens反応物を、上記複数のHomo sapiens反応に関連付ける工程であって、ここで、上記Homo sapiens反応の各々は、上記反応の基質として同定された反応物、上記反応の産物として同定された反応物、ならびに上記基質および上記産物に関連する化学量論係数を含む、工程;(c)上記複数のHomo sapiens反応についての束縛セットを決定する工程;(d)目的関数を提供する工程;(e)少なくとも1つの流束分布を決定する工程であって、上記束縛セットが上記データ表現に適用される場合に、目的関数を最小にするかまたは最大にする、工程、および(f)上記少なくとも1つの流束分布がHomo sapiens生理学的機能を予測不能である場合、上記データ構造から反応を追加するかまたは反応を削除し、工程(e)を繰り返し、上記少なくとも1つの流束分布がHomo sapiens生理学的機能を予測可能である場合、上記データ構造をコンピューター読み取り可能媒体に保存する、工程。本発明は、複数のHomo sapiens反応物を複数のHomo sapiens反応に関連付けるデータ構造をさらに提供し、ここで、上記データ構造は、上記方法によって作製される。
(発明の詳細な記載)
本発明は、Homo sapiensゲノム中の遺伝子とそれら遺伝子の関連する反応および反応物との間の相互接続を描写するコンピューター内(in silico)モデルを提供する。このモデルは、異なる正常状態、病的な状態、および治療的な状態下でのヒト細胞の細胞挙動の異なる局面をシミュレートするために使用され得、その結果、治療適用、診断適用、および研究適用のための価値のある情報を提供する。本発明のモデルの利点は、このモデルが、Homo sapiens細胞の活性をシミュレートおよび予想するための総合的なアプローチを提供することである。このモデルおよび方法はまた、器官を含む複数の相互作用する細胞の活性、生理学的なシステムならびに体全体の代謝をシミュレートするために拡張され得る。
例として、本発明のHomo sapiens代謝モデルは、運動中の骨格筋もしくは腫瘍において生じるような好気性状態から嫌気性状態への変化の効果を決定するために、または種々の食事の変化の効果を決定するために使用され得る。Homo sapiens代謝モデルはまた、遺伝子欠損の結果(例えば、ホスホフルクトキナーゼ、ホスホグリセリン酸キナーゼ、ホスホグリセリン酸ムターゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ、およびアデノシンデアミナーゼといった代謝酵素における欠損)を決定するために使用され得る。
Homo sapiens代謝モデルはまた、薬物デザインのための適切な標的を選択するために使用され得る。このような標的には、所望する治療結果を提供するシミュレーションにおいてポジティブにまたはネガティブに改変される遺伝子、タンパク質または反応物が挙げられる。本発明のモデルおよび方法はまた、目的の細胞機能における治療剤または栄養補助食品の効果を予想するために使用され得る。同様に、このモデルおよび方法は、標的細胞で相互作用する細胞機能における治療剤の所望の効果および望ましくない副作用を予想するため、ならびに他の細胞型において生じ得る所望の効果および望ましくない効果を予想するために使用され得る。従って、本発明のモデルおよび方法は、薬物開発のプロセスを現在可能なものに比べて、より迅速でコスト効率のよいものにし得る。
Homo sapiens代謝モデルはまた、ゲノム中に見出される酵素をコードする遺伝子に対する特定の生化学的反応の任務を予想または確認するため、ならびに現在のゲノムデータによって示されていない反応または経路の存在を同定するために使用され得る。従って、このモデルは、プロセスの研究および発見を導くために使用され得、臨床的に重要な新しい酵素、医薬、代謝物の同定をもたらす可能性を秘めている。
本発明のモデルは、複数のHomo sapiensの反応に複数のHomo sapiensの反応物を関連付けるデータ構造に基づいており、Homo sapiensの反応の各々は、反応の基質として同定された反応物、反応の生成物として同定された反応物ならびに基質および生成物に関する化学量論係数を含む。データ構造中に含まれる反応は、Homo sapiens細胞の全て、もしくはほとんどに共通する反応(例えば、コア代謝反応)、または1つ以上の所定の細胞型に特異的な反応であり得る。
本明細書中で使用されるように、用語「Homo sapiensの反応」は、Homo sapiensの細胞において生じるか、もしくはHomo sapiensの細胞によって生じる、基質を消費する変換、または生成物を形成する変換を意味することを意図している。この用語は、Homo sapiensのゲノムにより遺伝的にコードされている1つ以上の酵素の活性によって起こる変換を含み得る。この用語はまた、Homo sapiensの細胞において自発的におこる変換を含む。この用語に含まれる変換には、例えば、求核付加反応または求電子付加反応、求核置換または求電子置換、脱離、異性化、脱アミノ化、リン酸化、メチル化、還元、酸化によるような化学的組成における変化、または1つの細胞区画から別の細胞区画への反応物を移動させる輸送反応によって起こるような位置の変化が挙げられる。輸送反応の場合、反応の基質および生成物は、化学的に同じであり得、そして基質および生成物は、特定の細胞区画での位置に従って区別される。従って、化学的に変化していない反応物を第1の区画から第2の区画へと輸送する反応は、第1の区画に基質として反応物を有し、第2の区画に、生成物として反応物を有す。コンピューター内モデルまたはデータ構造を参照して使用する場合、反応は、基質を消費する化学的変換、もしくは生成物を産生する化学的変換の表現であることを意図すると理解され得る。
本明細書中で使用される場合、「Homo sapiensの反応物」は、Homo sapiensの細胞において起こる反応、もしくはHomo sapiensの細胞によって起こる反応の基質または生成物である化学物質を意味することを意図する。この用語は、Homo sapiensゲノムによりコードされている1つ以上の酵素により実行される反応、1つ以上の遺伝的にコードされていない高分子、たんぱく質または酵素によって実行されるHomo sapiensで起こる反応、もしくはHomo sapiensの細胞内で自発的に起こる反応の基質または生成物含み得る。代謝物は、この用語の意味の範囲内での反応物であると理解される。コンピューター内モデルまたはデータ構造を参照して使用する場合、反応物は、Homo sapiensの細胞において起こる反応、もしくはHomo sapiensの細胞によって起こる反応の基質または生成物である化学物質の表現であることを意図すると理解され得る。
本明細書中で使用される場合、用語「基質」は、反応によって1つ以上の産物に変換され得る反応物を意味することを意図する。この用語には、例えば、求核付加反応または求電子付加反応、求核置換または求電子置換、脱離、異種化、脱アミノ化、リン酸化、メチル化、還元、酸化によって化学的変化される反応物、または、例えば、膜を通ってもしくは異なる区画へ輸送されることによって位置が変化させられる反応物が挙げられる。
本明細書中で使用される場合、用語「産物」は、1つ以上の基質との反応から生じる反応物を意味することを意図する。この用語には、求核付加反応または求電子付加反応、求核置換または求電子置換、脱離、異種化、脱アミノ化、リン酸化、メチル化、還元、酸化によって化学変化された反応物、または、例えば、膜を通ってもしくは異なる区画へ輸送されることによって位置が変化された反応物が挙げられる。
本明細書中で使用される場合、用語「化学量論係数」は、1つ以上の反応物の数、および化学反応における1つ以上の生成物の数に関連する数値定数を意味することを意図する。代表的に、対応する変換を描写する要素的にバランスのとれた化学反応式における各反応物の分子数を示す場合、数値は、整数である。しかし、いくつかの場合(例えば、集中(lump)反応において使用される場合、もしくは経験に基づいたデータを反映するために使用される場合)、数値は、整数ではない値をとり得る。
本明細書中で使用される場合、用語「複数」は、Homo sapiensの反応またはHomo sapiensの反応物を参照して使用する場合、少なくとも2つの反応または反応物を意味することを意図する。この用語は、2から特定のHomo sapiensの細胞に対する天然に存在する反応物または反応の数の範囲で、Homo sapiensの反応またはHomo sapiensの反応物の任意の数値を含み得る。従って、例えば、この用語は、少なくとも10、20、30、50、100、150、200、300、400、500、600以上の反応または反応物を含み得る。反応または反応物の数は、特定のHomo sapiensの細胞に対する天然に存在する反応の総数の一部分として表現され得る(例えば、特定のHomo sapiensの細胞において起こる天然に存在する反応の総数の少なくとも20%、30%、50%、60%、75%、90%、95%、または98%)。
本明細書中で使用される場合、用語「データ構造」は、データ要素の間での物理的な関係または論理的な関係を意味することを意図とし、特定のデータ操作機能を支持するために設計されている。この用語は、例えば、反応物が行列またはネットワークに関連付けられ得る反応についての表現の列挙のように、加えられ得るデータ要素、組み合わせられ得るデータ要素、そうでなければ操作されるデータ要素の列挙を含み得る。この用語はまた、反応を反応物と関連付ける行列といった、情報の2つ以上の列挙からのデータ要素を関連させる行列を含み得る。この用語に含まれる情報は、例えば、化学反応の基質または生成物、1つ以上の生成物を1つ以上の基質と関連付ける化学反応、反応上に位置された束縛、または化学量論係数を意味し得る。
本明細書中で使用される場合、用語「束縛(constraint)」は、反応に対する上限または下限を意味することを意図する。境界は、反応を通しての質量、電子またはエネルギーの流れの最低または最高を特定し得る。境界はさらに、反応の方向性を特定し得る。境界は、ゼロ、無限、または数値(例えば、整数)といった一定の値であり得る。あるいは、境界は、以下で記載されるように、可変境界値であり得る。
本明細書中で使用される場合、用語「可変」は、束縛を参照して使用される場合、束縛関数による作用に対する反応における値のセットのいずれをも受け入れる能力を意味することを意図する。束縛の文脈で使用される場合、用語「関数」は、コンピューターの分野もしくは数学の分野において理解されるこの用語の意味と一致していることを意図する。関数は、二進法であり得る。その結果、反応に対応した変化は、オフまたはオンである。あるいは、境界値における変化が、活性における上昇または低下に対応するように、連続関数が使用され得る。このような上昇もしくは低下はまた、破棄され得るか、もしくは値のセットを別の(discreat)整数値に変換可能な関数によって、効果的にデジタル化され得る。この用語に含まれる関数は、反応物、反応、酵素または遺伝子といった生化学的反応ネットワークの関係物の存在、欠如または量と境界値を関連づけ得る。この用語に含まれる関数は、境界限界によって束縛される反応を含む反応ネットワークにおける少なくとも1つの反応の結果と境界値を関連づけ得る。この用語で使用される関数はまた、時間、pH、温度または酸化還元電位といった環境状態と境界値を関連づけ得る。
本明細書中で使用される場合、用語「活性」は、反応を参照して使用される場合、反応によって産生された産物の量、反応によって消費された基質の量、または産物が産生される速さもしくは基質が消費される速さを意味することを意図する。反応によって産生された産物の量、反応によって消費された基質の量、または産物が産生される速さもしくは基質が消費される速さはまた、反応に対する流束として言及され得る。
本明細書中で使用される場合、用語「活性」は、Homo sapiensの細胞を参照して使用される場合、初期状態から最終状態への変化の大きさまたは速さを意味することを意図する。この用語は、例えば、細胞によって消費または提供される化学物質の量、化学物質が細胞によって消費または産生される速さ、細胞の増殖の量または速さ、あるいはエネルギー、質量、または電子が反応の特定のサブセットを貫流する量または速さを含み得る。
本発明は、複数のHomo sapiensの反応と複数のHomo sapiensの反応物とを関連付けるデータ構造を有するコンピュ−ター読み取り可能媒体を提供する。ここで、Homo sapiensの反応の各々は、反応の基質として同定された反応物、反応の生成物として同定された反応物、および基質ならびに生成物に関する化学量論係数を含む。
用途に依存して、複数のHomo sapiensの反応は、コア代謝反応または抹消代謝反応から選択される反応を含み得る。本明細書で使用される場合、用語「コア」は、代謝経路を参照して使用される場合、解糖/糖新生、ペントースリン酸経路(PPP)、トリカルボン酸(TCA)サイクル、グリコーゲン貯蔵、電子伝達系(ETS)、リンゴ酸/アスパラギン酸シャトル、グリセリンリン酸シャトル、および細胞膜およびミトコンドリア膜のトランスポーターから選択される代謝経路を意味することを意図する。本明細書で使用される場合、用語「末梢」は、代謝経路を参照して使用される場合、コア代謝経路の一部ではない1つ以上の反応を含む代謝経路を意味することを意図する。
反応物各々に対して、その反応物が消費または産生される反応を描写する任意のデータ構造において、複数のHomo sapiensの反応物は、複数のHomo sapiensの反応と関連し得る。従って、本明細書中では「反応ネットワークデータ構造」として言及されるデータ構造は、生化学的反応ネットワークまたは生化学的反応形の表現として役立つ。本発明の反応ネットワークデータ構造において描写され得る反応ネットワークの例は、実施例で示すように、Homo sapiensのコア代謝反応を構成する反応の収集、もしくは、骨格筋細胞の代謝反応である。
ヒト細胞において起こり得る全ての可能な反応からの、特定の反応ネットワークデータ構造中に含む反応の選択は、モデルになっている細胞型および生理的な状態、病理的な状態、または治療の状態に依存し、以下でさらに記載するように、実験的にもしくは文献から決定され得る。
Homo sapiensの特定のネットワークデータ構造に含まれる反応は、例えば、細胞の分子的特徴が発現レベルに関連付けられる遺伝子発現プロファイルもしくはタンパク質発現プロファイルを使用して実験的に決定され得る。細胞型での遺伝子またはタンパク質の発現もしくは発現の欠如は、反応が、発現された遺伝子および/またはタンパク質との関連によってモデルに含まれるかどうかを決定するよう使用され得る。従って、特定の細胞型において遺伝子および/またはタンパク質が発現しているか否かを決定するために、実験的な技術を使用することが可能であり、さらにこの情報を使用して、目的の細胞型において反応が存在しているか否かを決定することが可能である。この方法において、ヒト細胞で起こり得る全ての反応からの反応のサブセットは、特定の細胞型を描写する反応のセットを包含するよう選択される。cDNA発現プロファイルは、例えば、乳癌細胞の分類にとって有用である(Sorlieら,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.98(19):10869〜10874(2001))と実証されている。
本発明の方法およびモデルは、任意の分化段階の任意のHomo sapiens細胞型(例えば、胚性幹細胞、造血幹細胞、分化した造血細胞、骨格筋細胞、心筋細胞、平滑筋細胞、皮膚細胞、神経細胞、腎臓細胞、肺細胞、肝臓細胞、脂肪細胞、および内分泌細胞(例えば、β膵島細胞、乳腺細胞、副腎細胞、および他の特化したホルモン分泌細胞)が挙げられる)に適用され得る。
本発明の方法およびモデルは、正常細胞に適用されても、病理学的細胞に適用されてもよい。目的の種々の生理学的活性(恒常性、増殖、分化、アポトーシス、収縮および運動性が挙げられる)を示す正常細胞が、モデル化され得る。病理学的細胞もまたモデル化され得、病理学的細胞としては、遺伝的異常または発生異常、栄養欠損、環境攻撃、感染(例えば、細菌、ウイルス、原生動物または真菌による感染)、新形成、加齢、免疫機能変化もしくは内分泌機能変化、組織損傷、またはこれらの要因の任意の組合せ)を反映する細胞が挙げられる。この病理学的細胞は、任意の型のヒト病理(例えば、種々の糖質代謝障害、脂質代謝もしくはタンパク質代謝、肥満、糖尿病、心血管疾患、線維症、種々の癌、腎不全、免疫病理、神経変性疾患、ならびにOnline Mendelian Inheritance in Manデータベース(Center for Medical Genetics,Johns Hopkins University(Baltimore,MD)およびNational Center for Biotechnology Information,National Library of Medicine(Bethesda,MD)に記載される種々の一元発生(monogenetic)代謝疾患を示し得る。
本発明の方法およびモデルはまた、治療的動揺を受けている細胞(例えば、反応ネットワーク中の関与物質を標的とする薬物で処理された細胞、コードされるタンパク質の発現を増加もしくは減少する遺伝子ベース治療剤で処理された細胞、ならびに放射線で処理された細胞)に適用され得る。本明細書中で使用される場合、用語「薬物」とは、既知の治療機能または提唱される治療機能を有する任意の分子性質の化合物を指し、例えば、低分子化合物、ペプチドおよび他の高分子、ペプチド模倣物および抗体が挙げられ、これらはすべて、必要に応じて、細胞増殖抑制部分、標的化部分または検出可能な部分でタグ化され得る。用語「遺伝子ベース治療剤」とは、核酸治療剤を指し、例えば、正常なタンパク質活性または変化したタンパク質活性を有する発現可能な遺伝子、アンチセンス化合物、リボザイム、DNAザイム、RNA干渉化合物(RNAi)などが挙げられる。この治療剤は、任意の細胞位置における任意の反応ネットワーク関与物(細胞外位置における関与物、細胞表面位置における関与物、細胞質位置における関与物、ミトコンドリア位置における関与物、および核位置における関与物が挙げられる)を標的とし得る。治療剤処理に対する細胞に応答(例えば、遺伝子発現プロフィールまたはタンパク質発現プロフィールの変化)に関して集められる実験データは、特定の細胞型の病理学的状態についてのネットワークを調整するために使用され得る。
本発明の方法およびモデルは、Homo sapiens細胞が任意の形態(例えば、初代細胞単離物の状態、または樹立された細胞株の状態、または全細胞体の状態、インタクトな器官の状態、または組織外植片の状態)で存在する場合に、Homo sapiens細胞に適用され得る。従って、この方法およびモデルは、細胞間連絡および/または器官間連絡、基材または近隣細胞(例えば、間葉細胞と相互作用する幹細胞、または組織微小環境と相互作用する癌細胞、または正常支質を含まないβ島細胞)に接着する効果、ならびに多細胞系に関連する他の相互作用を考慮に入れ得る。
本発明の反応ネットワークデータ構造において使用されるべき反応物は、化合物データベースから得られ得るかまたはその中に保存され得る。本明細書中で使用される場合、用語「化合物データベース」とは、生物学的反応の基質および生成物を含む複数の分子を含む、コンピューター読み取り可能媒体を意味することが、意図される。この複数の分子は、複数の生物において見出される分子を含み得、それにより、普遍的化合物データベースを構成する。あるいは、この複数の分子は、特定の生物中に存在する分子に限定され得、それにより、生物特異的化合物データベースを構成する。化合物データベース中の各反応物は、化学種、およびその反応物が存在する細胞区画に従って、同定され得る。従って、例えば、細胞外区画中のグルコースと、細胞質ゾル中のグルコースとの間で、区別がなされ得る。さらに、その反応物の各々は、一次代謝経路または二次代謝経路の代謝物として、特定され得る。一次代謝経路または二次代謝経路の代謝物としての反応物の同定は、反応におけるそれらの反応物間のいかなる化学的区別も示さないが、そのような区別は、大きな反応物ネットワークの視覚的表示を補助し得る。
本明細書中で使用される場合、用語「区画」とは、少なくとも1種の反応物を含む細分化領域を意味することが意図され、その結果、その反応物は、第2の領域中の少なくとも1種の他の反応物から分離されている。この用語中に包含される細分化領域は、細胞の細分化領域と相関し得る。従って、この用語中に包含される細分化領域は、例えば、細胞の細胞内空間;細胞周囲の細胞外空間;ペリプラズム空間、オルガネラ(例えば、ミトコンドリア、小胞体、ゴルジ装置、小胞または核)の内部空間;あるいは膜または他の物理的障壁により他とは分離されている任意の亜細胞空間であり得る。細分化領域はまた、物理的障壁と相関しない反応ネットワーク中の仮想境界を作製するために、作製され得る。仮想境界は、ネットワーク中の反応物を異なる区画または部分構造へとセグメント化するために、作製され得る。
本明細書中で使用される場合、用語「部分構造(substructrue)」とは、データ構造中の他の情報とは分離されて、情報の一部が別個に操作または分析され得るようになっている、データ構造中の情報の一部を意味することが意図される。この用語は、生物学的機能(例えば、特定の代謝経路(例えば、内部流束経路、交換流束経路、中心代謝経路、末梢代謝経路、または二次代謝経路)に関連する情報)に従って細分化された部分を包含し得る。この用語は、データ構造の特定の型の分析または操作を可能にするコンピューター原理または数学的原理に従って細分化された部分を包含し得る。
反応ネットワークデータ構造中に含まれる反応は、Homo sapiensの複数の代謝反応の基質、生成物、および化学量論を含む代謝反応データベースから、得られ得る。反応ネットワークデータ構造中の反応物は、特定の反応の基質または生成物のいずれかとして指定され得、各々は、その反応中で生じる化学的変換を記載するためにその反応物に代入された化学量論係数を有する。各反応はまた、可逆的方向または不可逆的方向のいずれかで生じると記載される。可逆的反応は、順方向および逆方向の両方で作動する一反応として示され得るか、または2つの不可逆的反応(一方は、順方向反応に対応し、もう一方は、逆方向反応に対応する)へと分解され得るかの、いずれかである。
反応ネットワークデータ構造中に含まれる反応としては、系内反応または交換反応が挙げられ得る。系内反応は、化学種および輸送プロセスの化学的および電気的に均衡した相互変換であり、これは、相対的量の特定の代謝物を補充または排出するために役立つ。これらの系内反応は、転換またはトランスロケーションのいずれかとして分類され得る。転換は、基質としての化合物および生成物としての化合物の別個の組を含む反応であり、一方、トランスロケーションは、異なる区画中に位置する反応物を含む。従って、細胞外環境から細胞質ゾルへと代謝物をその化学組成を変化させずに単に輸送する反応は、単にトランスロケーションとして分類され、一方、細胞外基質を得てそれを細胞質ゾル生成物へと転換する反応は、トランスロケーションおよび転換の両方である。
交換反応は、供給源および吸込み(sink)を構成する反応であり、代謝物が、区画中および区画外へと通過すること、または仮想的系境界を通過することを可能にする。これらの反応は、シミュレーション目的でモデル中に含まれ、Homo sapiens上に位置する代謝需要(demand)を示す。これらは、特定の場合に化学的に平衡しており得るが、これらは、代表的には、平衡しておらず、しばしば、単一の基質または生成物のみを有し得る。慣習上、この交換反応は、需要交換および入力/出力交換反応へとさらに分類される。
Homo sapiens代謝反応ネットワーク上に位置する代謝需要は、刊行された文献において入手可能であるかまたは実験的に決定され得る、細胞の乾燥重量組成から容易に決定され得る。Homo sapiens細胞についての取込み速度および維持要件もまた、刊行された文献において入手可能であり得るかまたは実験的に決定され得る。
入力/出力交換反応は、細胞外反応物が、本発明のモデルにより示される反応ネットワーク中に入るかまたはそれから出ることを可能にするために使用される。細胞外代謝物の各々について、対応する入力/出力交換反応が、生成され得る。これらの反応は、その反応により生成される1つの生成物および生成物なしの化学量論係数を用いて基質として示される代謝物と、常に可逆的である。この特定の転換は、その反応が、その代謝物がその反応ネットワークから生成または取り出される場合には正の流束価(活性レベル)を、そしてその代謝物がその反応ネットワーク中に消費または導入される場合には負の流束価をとるのを可能にするように適合される。これらの反応は、どの代謝物がその細胞にとって利用可能であり、そしてその細胞により排出され得るかを正確に特定するために、シミュレーションの経過の間、さらに束縛される。
需要交換反応は、少なくとも1種の基質を含む不可逆反応として、常に特定される。これらの反応は、代表的には、その代謝ネットワークによる細胞内代謝物の生成、または平衡比(例えば、バイオマス形成をもたらす反応(増加(growth)とも呼ばれる)の表示において)の多くの反応物の凝集物生成を示すように、定式化される。
需要交換反応は、本発明のモデルにおいて任意の代謝物について導入され得る。最も一般的には、これらの反応は、新規な細胞を生成する目的のために細胞により生成されるのに必要な代謝物(例えば、アミノ酸、ヌクレオチド、リン脂質、および他のバイオマス構成成分)、または別の目的のために生成されるべき代謝物のために、導入される。一旦これらの代謝物が同定されると、不可逆的でありかつ化学量論係数1を有する基質としてその代謝物を特定する、需要交換反応が、生成され得る。これらの仕様を用いると、その反応が活性である場合、その反応は、その系による代謝物の正味の生成をもたらし、可能な生成需要を満たす。反応ネットワークデータ構造において需要交換反応として示され得、そして本発明の反応において分析され得る、プロセスの例としては、例えば、個々のタンパク質の生成もしくは分泌;個々の代謝物(例えば、アミノ酸、ビタミン、ヌクレオシド、抗生物質もしくは界面活性剤)の生成もしくは分泌;外来エネルギーを必要とするプロセス(例えば、移動運動)のためのATPの生成;またはバイオマス構成成分の形成が挙げられる。
個々の代謝物上に位置するこれらの需要交換反応に加えて、規定された化学量論比で複数の代謝物を利用する需要交換反応が、導入され得る。これらの反応は、凝集物需要交換反応と呼ばれる。凝集物需要反応の例は、細胞上に位置する細胞増殖と関連する同時増殖需要または生成要件を、例えば、特定の細胞増殖速度で同時に複数のバイオマス構成成分の形成をシミュレートすることによって、シミュレートするために使用される反応である。
仮想的反応ネットワークが、図1に提供されて、上記の反応およびそれらの相互作用を例示する。これらの反応は、下記に示される図3に示される例示的データ構造中にて示され得る。図1に示される反応ネットワークは、影付き楕円により示される区画内全体で生じる系内反応(例えば、反応物BおよびGに対して作用する可逆反応R、およびBの1つの等価物をFの2つの等価物へと転換する反応R)を包含する。図1に示される反応ネットワークはまた、交換反応(例えば、入力/出力交換反応AxtおよびExt)ならびに需要交換反応V増殖(Dの1つの等価物およびFの1つの等価物に応答する増殖を示す)を含む。他の系内反応としては、反応物Aを区画にトランスロケートして反応物Gへと転換する、トランスロケーションおよび転換反応であるR、ならびにその区画から外へ反応物Eをトランスロケートする輸送反応である反応Rが挙げられる。
反応ネットワークは、化学量論行列Sとして示され得る1組の線形代数方程式として示され得、Sは、m×n行列であり、mは、反応物または代謝物の数に対応し、nは、ネットワーク中で生じる反応の数に対応する。図1の反応ネットワークを示す化学量論行列の例が、図3に示される。図3に示されるように、行列中の各列は、特定の反応nに対応し、各行は、特定の反応物mに対応し、各Smnエレメントは、nとして示される反応中の反応物mの化学量論係数に対応する。この化学量論行列は、系内反応(例えば、反応物がその反応の基質であるかまたは生成物であるかを示すサインと、その反応により消費または生成される反応物の等価物の数に関連する価とを有する化学量論係数に従う、個々の反応に関与する反応物に関連するRおよびR)を含む。交換反応(例えば、−Extおよび−Axt)は、化学量論係数と同様に関連する。反応物Eによって例示されるように、同じ化合物は、内部反応物(E)および外部反応物(E外部)として別個に処理されて、その化合物を輸送する交換反応(R)は、それぞれ、化学量論係数−1および1によって関連付けられるように、なり得る。しかし、その化合物は、その区画位置によって別個の反応物として処置されるので、内部反応物(E)を生成するが外部反応物(E外部)に対しては作用しない反応(例えば、R)は、化学量論係数1および0によって、それぞれ関連付けられる。需要反応(例えば、V増殖)もまた、適切な化学量論係数によって基質と関連付けられる化学量論行列中に含まれ得る。
下記においてさらに詳細に示されるように、化学量論行列は、反応ネットワークを示し分析するための簡便な形式を提供する。なぜなら、化学量論行列は、容易に操作され得、そしてネットワーク特性を、例えば、線形プログラミングまたは一般凹(general convex)分析を使用することによって計算するために使用され得るからである。反応ネットワークデータ構造は、それが反応物と反応物とを、化学量論行列について上記に例示した様式で、および下記に例示するような方法を使用して1つ以上の反応の活性を決定するために操作され得る様式で、関連付けることが可能な限り、種々の形式を呈し得る。本発明において有用な反応ネットワークデータ構造の他の例としては、結合グラフ、化学反応のリスト、または反応式の表が挙げられる。
反応ネットワークデータ構造は、Homo sapiens代謝またはその任意の部分に関与するすべての反応を包含するように構築され得る。本発明の反応ネットワークデータ構造中に含まれ得るHomo sapiens代謝反応の一部としては、例えば、中心代謝経路(例えば、解糖、TCAサイクル、PPPまたはETS);あるいは末梢代謝経路(例えば、アミノ酸生合成、アミノ酸分解、プリン合成、ピリミジン生合成、脂質生合成、脂肪酸代謝、ビタミン生合成またはコファクター生合成、輸送プロセスおよび代替的炭素源代謝)が、挙げられる。末梢経路内の個々の経路の例は、表1において示される。
特定の適用に依存して、反応ネットワークデータ構造は、複数のHomo sapiens反応(表1に列挙される反応のうちのいずれかまたはすべてを含む)を含み得る。
いくつかの適用について、最小数の反応しか含まない反応ネットワークデータ構造を使用して、特定の環境条件セット下で特定のHomo sapiens活性を達成することが、有利であり得る。最小数の反応しか有さない反応ネットワークデータ構造は、下記に代替様式で記載されるシミュレーション方法を実施することによって、同定され得、その様式において、異なる反応または反応のセットが、系統的に除去され、そして効果が観察される。従って、本発明は、複数のHomo sapiens反応物を複数のHomo sapiens反応に関連付けるデータ構造を含む、コンピューター読出し可能な媒体を提供し、その複数のHomo sapiens反応は、少なくとも65個の反応を含む。例えば、表2および表3に示される中心代謝反応データベースは、多数の炭素源(グルコースを含む)に基づく好気的代謝および嫌気的代謝をシミュレートするために充分である。
特定の細胞型、試験される生理学的状態、試験される病理学的状態、または試験される治療状態、および望ましい活性に依存して、反応ネットワークデータ構造は、より少ない数の反応(例えば、少なくとも200個、150個、100個、または50個の反応)を含み得る。比較的少数の反応しか有さない反応ネットワークデータ構造は、計算時間およびシミュレーションを実施するために必要な資源を減少するという利点を提供し得る。所望ならば、特定の反応サブセットを有する反応ネットワークデータ構造が、作製または使用され得、その反応ネットワークデータ構造において、特定のシミュレーションに関連しない反応は、省略されている。あるいは、より多数の反応が、本発明の方法の精度または分子的詳細を増加するため、あるいは特定の適用に適合するために、含まれ得る。従って、反応ネットワークデータ構造は、少なくとも300個、350個、400個、450個、500個、550個、600個以上の反応から、Homo sapiensにおいて生じるかもしくはHomo sapiensによって生じる反応数、またはHomo sapiensにおいて生じる反応のフルセットの活性をシミュレートするために望ましい反応数までを、含み得る。Homo sapiensの代謝反応に関して実質的に完全である反応ネットワークデータ構造は、シミュレートされるべき広範囲の状態に関連しているという利点を提供するが、より少数の代謝反応を含む反応ネットワークデータ構造は、シミュレートされるべき特定の状態サブセットに限定される。
Homo sapiens反応ネットワークデータ構造は、Homo sapiens中にて生じるかまたはHomo sapiensによって生じ、そして別の生物(例えば、Saccharomyces cerevisiae)中でも、その別の生物によっても、天然にも操作後にも生じない、1つ以上の反応を含み得る。特定の細胞型のHomo sapiens反応ネットワークデータ構造はまた、別の細胞型において生じる1つ以上の反応を含み得ることが、理解される。そのような異種反応を本発明の反応ネットワークデータ構造に添加することは、異種遺伝子移入および異種タンパク質発現の結果を、例えば、インビボ遺伝子治療アプローチおよびエキソビボ遺伝子治療アプローチを設計する場合に、予測するための方法において使用され得る。
本発明の反応ネットワークデータ構造中に含まれる反応は、代謝反応であり得る。反応ネットワークデータ構造はまた、他の型の反応(例えば、調節反応、シグナル伝達反応、細胞周期反応、発生プロセス制御反応、アポトーシス関与反応、低酸素に対する応答に関与する反応、細胞間相互作用または細胞−基質相互作用に対する応答に関与する反応、タンパク質合成およびその調節に関与する反応、遺伝子転写および遺伝子翻訳およびそれらの制御に関与する反応、ならびに細胞およびその亜細胞成分のアセンブリに関与する反応)を含むように構築され得る。
反応ネットワークデータ構造またはそのデータ構造中で使用される(例えば、上記のような、代謝反応データベース中で利用可能である)反応の指標は、特定の反応についての情報を含むように注釈を付けられ得る。反応は、例えば、その反応を実施するタンパク質、高分子、または酵素に対するその反応の代入、そのタンパク質、高分子、または酵素をコードする遺伝子の代入、特定の代謝反応の酵素委員会(EC)番号、その反応が属する反応サブセット、情報が得られた参考文献に対する引用、あるいは反応がHomo sapiens中で生じると考えられる信頼レベルを示すように、注釈を付けられ得る。本発明のコンピューター読み取り可能媒体は、注釈付き反応を含む遺伝子データベースを包含し得る。そのような情報は、下記のように本発明の代謝反応データベースまたはモデルを構築する経過の間に得られ得る。
本明細書中で使用される場合、用語「遺伝子データベース」とは、反応を、その反応を実施する1つ以上の高分子に代入るか、またはその反応を実施する1つ以上の高分子をコードする1つ以上の核酸を代入るように注釈をつけられた、少なくとも1つの反応を含むコンピューター読出し可能な媒体を意味するように意図される。遺伝子データベースは、複数の反応を含み得、その反応のうちのいくつかまたはすべては、注釈を付けられる。注釈としては、例えば、高分子の名前;高分子への関数の代入;その高分子を含むかまたはその高分子を生成する生物の代入;その高分子についての亜細胞位置の代入;反応を実施すること、発現されること、または分解されることに関して、高分子が調節される条件の代入;高分子を調節する細胞成分の代入;その高分子についてのアミノ酸配列またはヌクレオチド配列;またはゲノムデータベース中で高分子について見出される他の任意の注釈(例えば、NCBIにより維持されるサイトであるGenbank(ncbi.nlm.gov)、Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes(KEGG)(www.genome.ad.jp/kegg/)、タンパク質データベースSWISS−PROT(ca.expasy.org/sprot/)、NCBIにより維持されるLocusLinkデータベース(www.ncbi.nlm.nih.gov/LocusLink/)、英国におけるG.P.Moss of Queen Mary and Westfield Collegeにより維持されるEnzyme Nomenclatureデータベース(www.chem.qmw.ac.uk/iubmb/enzyme/)中で見出され得る注釈)が、挙げられ得る。
本発明の遺伝子データベースは、Homo sapiens中の遺伝子もしくはオープンリーディングフレームの実質的に完全なコレクション、またはHomo sapiensゲノムによりコードされる高分子の実質的に完全なコレクションを含み得る。あるいは、遺伝子データベースは、Homo sapiens中の遺伝子もしくはオープンリーディングフレームの一部、またはHomo sapiensゲノムによりコードされる高分子の一部(例えば、実質的にすべての代謝遺伝子または高分子を含む部分)を含み得る。その部分は、Homo sapiensゲノムによりコードされる遺伝子もしくはオープンリーディングフレーム、またはそれにコードされる高分子のうちの少なくとも10%、15%、20%、25%、50%、75%、90%、または95%であり得る。遺伝子データベースはまた、Homo sapiensについてのヌクレオチド配列の少なくとも一部(例えば、Homo sapiensゲノムのうちの少なくとも10%、15%、20%、25%、50%、75%、90%、または95%)によりコードされる高分子を含み得る。従って、本発明のコンピューター読出し可能な媒体は、Homo sapiensゲノムの一部によりコードされる各高分子についての少なくとも1つの反応を含み得る。
本発明のコンピューター内Homo sapiensモデルは、モデルに付加されるべき特定の反応に関する情報を集める工程、反応ネットワークデータ構造中でそれらの反応を示す工程、および予備シミュレーションを実施する工程を包含する反復プロセスによって構築され得、1組の束縛が、その反応ネットワークに位置し、そのネットワーク中のエラーを同定するために、その出力が評価される。そのネットワーク中のエラー(例えば、特定の代謝物の非天然蓄積または非天然消費をもたらすギャップ)は、下記のように同定され得、そしてシミュレーションは、そのモデルの望ましい性能が達成されるまで、反復される。反復性モデル構築のための例示的方法が、実施例Iに提供される。
従って、本発明は、複数のHomo sapiens反応物を、複数のHomo sapiens反応と関連付けるデータ構造を、コンピューター読出し媒体中に作製するための方法を提供する。この方法は、(a)複数のHomo sapiens反応、およびそれらのHomo sapiens反応の基質および生成物である複数のHomo sapiens反応物を同定する工程;(b)その複数のHomo sapiens反応物を、データ構造中で、その複数のHomo sapiens反応と関連付ける工程であって、そのHomo sapiens反応の各々は、その反応の基質として同定された反応物、その反応の生成物として同定された反応、ならびにその基質およびその生成物に関連する化学量論係数を含む、工程;(c)その複数のHomo sapiens反応についての束縛セットを作製する工程;(d)目的関数を提供する工程;(e)その束縛セットがそのデータ構造に適用される場合に、その目的関数を最小または最大にする少なくとも1つの流束分布を決定する工程;ならびに(f)その少なくとも1つの流束分布が、Homo sapiensの生理の前兆ではない場合、そのデータ構造に反応を付加するかまたはそのデータ構造から反応を欠失させ、工程(e)を反復し、その少なくとも1つの流束が、Homo sapiensの生理の前兆である場合、そのデータ構造をコンピューター読出し可能な媒体中に保存する工程を包含する。
本発明のデータ構造中に含まれるべき情報は、種々の供給源(例えば、注釈付きゲノム配列情報および生化学文献を含む)から集められ得る。
注釈付きヒトゲノム配列情報の源としては、例えば、KEGG、SWISS−PROT、LocusLink、Enzyme Nomenclatureデータベース、International Human Genome Sequencing Consortiumおよび商業データベースが、挙げられる。KEGGは、広範囲の情報(かなりの量の代謝再構築を含む)を含む。63種の生物のゲノムが、ここでアクセスされ得、遺伝子生成物は、座標化された機能によりグループ化され、しばしば、マップにより示される(例えば、解糖に関与する酵素は、一緒にグループ化される)。そのマップは、代謝の種々の部分についての代謝物を接続する酵素を示す、生化学経路テンプレートである。これらの一般的経路テンプレートは、所定の生物のゲノム中で同定されたテンプレート上の所定の酵素を強調することによって、所定の生物について特製される。酵素および代謝物は、アクセスされた場合に、活性であり、化学量論、構造、別名などについての有用な情報を生じる。
SWISS−PROTは、タンパク質機能についての詳細な情報を含む。アクセス可能な情報としては、遺伝子別名および遺伝子生成物別名、機能、構造および配列情報、関連文献参考物などが挙げられる。
LocusLinkは、遺伝子が位置する遺伝子座についての一般情報、および関連する組織特異性、細胞位置、および種々の疾患状態におけるその遺伝子生成物の関連を含む。
Enzyme Nomencaltureデータベースは、2つの生物の遺伝子生成物を比較するために使用され得る。しばしば、2つ以上の生物中の類似する機能を有する遺伝子の遺伝子名は、無関係である。これがこの事例である場合、E.C.(酵素委員会)番号が、遺伝子生成物の機能の一義的指標として使用され得る。Enzyme Nomenclatureデータベース中の情報はまた、Enzyme Nomenclature(Academic Press,San Diego,Califoenia,1992)現在まで5つの補遺とともに公開されており、すべて、European Journal of Biochemistry(Blackwell Science,Malden,MA)中で見出される。
生化学情報の供給源としては、例えば、代謝に関連する一般的供給源、ヒト代謝に特異的に関連する資源、および特定のヒト細胞型の生化学、生理学、および病理学に関連する資源が、挙げられる。
本明細書中に記載されるヒト反応データベースおよびモデルを生成するために使用された、代謝に関連する一般的情報の供給源は、J.G.Salway,Metabolism at a Glance,第2版、Blackwell Science,Malden,MA(1999)およびT.M.Devlin編、Textbook of Biochemistry with Clinical Correlations,第4版、John Wiley and Sons,New York,NY(1997)であった。ヒト代謝特異的資源としては、J.R.Bronk,Human Metabolism:Functional Diversity and Integration,Addison Wesley Longman,Essex,England(1999)が挙げられた。
本明細書中に記載される骨格筋代謝モデルおよびシミュレーションと組み合わせて使用される文献としては、R.Maughanら、Biochemistry of Exercise and Training、Oxford University Press,Oxford,England(1997)、およびS.Carpenterら、Pathology of Skeletal Muscle、第2版、Oxford University Press,Oxford,England(2001)のような筋肉病理に関する参考文献、およびJournal of Physiology(Cambridge University Press,Cambridge,England)において見出され得る筋肉代謝に関するより具体的な文献が、挙げられた。
Homo sapiens代謝のコンピューター内モデルを開発する過程において、考慮され得るデータの型としては、例えば、化学反応の実験的特徴付けに関連した情報である生化学的情報(これは、しばしば、反応に関連するタンパク質およびその反応の化学量論を示すか、または細胞抽出物内で生じる反応の存在を間接的に示す);遺伝的情報(これは、実験的同定および生化学的事象を実行することに関係する特定のタンパク質をコードすることが示される遺伝子の遺伝的特徴付けに関連する情報である);ゲノム情報(これは、コンピューター配列分析を介し、その後、生化学的事象を実施するタンパク質に関連付けられる、オープンリーディングフレームの同定および関数代入に関連する情報である);生理学的情報(これは、全体的細胞生理、健康特徴、基質利用、および表現型分類の結果(これは、特定の生化学的事象の存在(特に、トランスロケーションにおける)を推定するために使用される化合物の同化または異化の証拠を示す)に関連する情報である);ならびにモデリング情報(これは、本明細書中に記載されるような方法(これは、反応が代謝ネットワーク上に位置する特定の需要を満たすために必要であろうとなかろうと、その反応の状態に関する予測をもたらす)を使用して、Homo sapiens細胞の活性をシミュレートする過程を介して生成される情報である)が、挙げられる。考慮され得る多細胞生物に関連するさらなる情報としては、細胞型特異的遺伝子発現情報または条件特異的遺伝子発現情報が挙げられ、これらは、実験によって、例えば、遺伝子アレイ分析によってか、または発現配列タグ(EST)分析からか、あるいは上記生化学的および生理学的な文献から、決定され得る。
Homo sapiens反応ネットワークにおいて生じる反応の大部分は、酵素/タンパク質によって触媒され、その酵素/タンパク質は、細胞中の染色体内に見出される遺伝子の転写および翻訳を介して生成される。残りの反応は、自然に発生するか、または非酵素プロセスを介して発生するかのいずれかである。さらに、反応ネットワークデータ構造は、特定の反応経路に工程を付加するかまたは特定の反応経路から工程を欠失する、反応を含み得る。例えば、反応は、経験的に観察される活性を考慮して、Homo sapiensモデルの性能を最適化または改善するために付加され得る。あるいは、反応は、経路中の中間工程を、その中間工程がその経路を通る流束をモデル化するために必要ではない場合に除去するように欠失され得る。例えば、経路が、3つの非平衡工程を含む場合、それらの反応は、一緒に合わされるかまたは付加されるかして、正味の反応をもたらし、それによって、その反応ネットワークデータ構造を保存するために必要なメモリ、およびそのデータ構造の操作のために必要なコンピューター資源を減少させ得る。
遺伝子によりコードされる酵素の活性に起因して生じる反応は、ゲノム配列決定およびその後のゲノム注釈付けから同定される遺伝子を列挙する、ゲノムデータベースから得られ得る。ゲノム注釈は、オープンリーディングフレームの位置、および他の既知の遺伝子に対する相同性または経験的に決定される活性からの関数の代入からなる。そのようなゲノムデータベースは、注釈付きHomo sapiensの核酸配列またはタンパク質配列を含む公のデータベースまたは私的データベースを通じて取得され得る。望ましい場合、モデル開発者は、例えば、Covertら、Trends in Biochemical Sciences 26:179〜186(2001)およびPalsson,WO 00/46405に記載されるように、ネットワーク再構築を実施し得、そしてその遺伝子と、タンパク質と、反応との間のモデルコンテンツ関係を確立し得る。
反応が、反応ネットワークデータ構造または代謝反応データベースに付加される場合、その反応を可能にする/触媒するタンパク質/酵素と、これらのタンパク質をコードする関連遺伝子とに対する既知の関連または推定的関連を有する反応が、注釈付けによって同定され得る。従って、それらの反応すべてと、その関連タンパク質もしくは関連遺伝子またはその両方にとの適切な関係が、代入され得る。これらの関係は、その遺伝子とタンパク質との間の非線形関連性、およびタンパク質と反応との間の非線形関連性を獲得するために使用され得る。いくつかの場合、1つの遺伝子は、1つのタンパク質をコードし、そのタンパク質はその後、1つの反応を実施する。しかし、しばしば、活性酵素複合体を生成するために必要な複数の遺伝子が存在し、しばしば、同じ反応を実行し得る1つのタンパク質または複数のタンパク質によって実行され得る、複数の反応が存在する。これらの関係は、その関係における論理(すなわち、「および(AND)」または「または「OR)の関係」を獲得する。これらの関係を用いて代謝反応データベースを注釈付けることによって、それらの反応を使用して、特定の反応を、反応レベルで付加または除去する効果だけではなく、シミュレーションを実行するかまたはHomo sapiens活性を推定する状況において、遺伝子レベルまたはタンパク質レベルで付加または除去する効果も決定することが可能である。
本発明の反応ネットワークデータ構造は、この反応を実施するタンパク質もしくはそのタンパク質をコードする遺伝子の同一性の任意の知識または注釈からは独立した、多数のHomo sapiensの反応における1つ以上の反応の活性を決定するために使用され得る。遺伝子またはタンパク質の同一性によって注釈されるモデルは、タンパク質またはコードする遺伝子が代入されない反応を含み得る。細胞の代謝ネットワークにおける反応の大部分が、生物体のゲノムにおいて遺伝子に関係する一方、既知の遺伝的関連がないモデルに含まれた相当な数の反応もまた、存在する。そのような反応は、遺伝学と必ずしも関係がない他の情報(例えば、生化学ベースの測定もしくは細胞ベースの測定、または観察される生化学的活性もしくは細胞活性に基づく理論的な考察)に基づく反応データベースに加えられ得る。例えば、自然発生的に起こるか、またはタンパク質により可能となる反応でないかのどちらかであり得る多数の反応が、存在する。さらに、関連するタンパク質または遺伝学が現在何も同定されていない、細胞における特定の反応の発生は、本発明の反復モデル建築方法によるモデル建築の過程の間に示され得る。
所望される場合、反応ネットワークデータ構造または反応データベースにおける反応は、注釈によりサブシステムに代入され得る。これらの反応は、生物学的判定基準に従って細分化され得る。この生物学的判定基準は、例えば、従来的に同定される代謝経路(解糖、およびアミノ酸代謝など)に従うか、あるいはこれらの反応を組込むかもしくは操作するモデルの操作を容易にする、数学的判定基準または計算的判定基準に従う。反応データベースを細分化するための方法および基準は、Schillingら,J.Theor.Biol.203:249−283(2000)、およびSchusterら,Bioinformatics 18:351−361(2002)にさらに詳細に記載される。サブシステムの使用は、極度の経路分析のような、多数の分析方法について優利であり得、モデルの構成物の管理をより容易にし得る。サブシステムへの反応の代入は、シミュレーションのためのモデル全体の使用に影響を与えずに達成され得るが、サブシステムへの反応の代入は、種々の型の分析の実行において有用であり得る特定のサブシステムにおける反応をユーザが探索することを可能にし得る。従って、反応ネットワークデータ構造は、任意の数(例えば、2つ以上のサブシステム、5つ以上のサブシステム、10以上のサブシステム、25以上のサブシステムまたは50以上のサブシステムが挙げられる、)の所望のサブシステムを含み得る。
反応ネットワークデータ構造または代謝反応データベース中の反応は、その反応がHomo sapiens細胞において生じると考えられる確信を示す値により注釈され得る。確信のレベルは、例えば、利用可能であるデータを支持する機能の量および機能形態であり得る。このデータは、種々の形式(公開された文献、文書化された試験結果、または計算的分析の結果が挙げられる)をとり得る。さらに、このデータは、遺伝学的、生化学的および/または生理学的データに基づく細胞における化学反応の存在についての直接的証拠もしくは間接的証拠を提供し得る。
本発明は、以下を含むコンピューター読み取り可能媒体を、さらに提供する:(a)複数のHomo sapiens反応物を複数のHomo sapiens反応物と関連づけるデータ構造であって、ここでこのHomo sapiens反応の各々は、反応の基質として同定される反応物、反応の産物として同定される反応物、および基質と産物とに関連する化学量論係数を含む、データ構造ならびに(b)複数のHomo sapiens反応についての束縛セット。
束縛は、束縛セットを使用して、代謝ネットワークにおける任意の流体の値の上に置かれ得る。これらの束縛は、存在する酵素の限られた量に起因し得る、所定の反応を通じての最小可能流束または最大可能流束の代表例であり得る。さらに、束縛は、反応ネットワークデータ構造における反応のいずれかもしくは移動流束の方向または可逆性を決定し得る。Homo sapiensが生きるインビボ環境に基づいて、必須分子の生合成のために細胞にとって利用可能な代謝資源が、決定され得る。対応する輸送流束を活性にすることを可能にすることは、その代謝ネットワークにより産生される基質および副産物についての入力および出力を有するコンピューター内Homo sapiensを提供する。
図1に示される仮想的反応ネットワークに立ち戻ると、束縛は、以下のように、図2に示される代表的なフォーマットにおける各々の反応に際して置かれ得る。束縛は、図3において示される化学量論行列の反応を束縛するために使用され得るフォーマットで提供される。行列についてまたは線形プログラミングにおいて使用される束縛のためのフォーマットは、以下:
≦v≦a:j=1....n (式1)
のような線形の不等式として表わされ得、ここで、vは代謝流束ベクトルであり、bは最小流束値でありそしてaは最大流束値である。従って、aは、所定の反応を通して最大可能流束を呈示する有限値を取り得るか、または、bは、所定の反応を通して最小可能流束を呈示する有限値を取り得る。さらに、順方向および逆方向の様式で操作するために特定の可逆反応または移動流束を残すことを選択する場合、図2における反応Rについて示されるように、bを負の無限大に、aを正の無限大に設定することにより、流束は、制約されないままであり得る。反応が順方向反応にのみ進行する場合、図2における反応R、R、R、RおよびRについて示されるように、bは0となり、一方、aは正の無限大をとる。例として、特定のタンパク質の遺伝的欠損または非発現の事象をシミュレートするために、遺伝子または問題のタンパク質に関する対応する代謝反応のすべてを通した流束は、aおよびbを0に設定することにより、0まで減少する。さらに、特定の成長基質の非存在をシミュレートすることを望む場合、aおよびbを0に設定することにより代謝物が細胞に侵入することを可能にする対応する移動流束を単純に制約し得る。他方で、基質が輸送メカニズムを経由して細胞に侵入するかまたは出ることのみが許容される場合、対応する流束は、適切にこのシナリオを反映するように制約され得る。
反応が活発に起こる能力は、単なる基質の有効性のを超えた、多数のさらなる因子に依存する。これらの因子(本発明のモデルおよび方法において可変束縛として表わされ得る)としては、例えば、タンパク質/酵素を安定化させるために必要なコファクターの存在、酵素的阻害および活性化因子の存在または非存在、対応するmRNA転写物の翻訳を通したタンパク質/酵素の活発な形成、関連する遺伝子の転写、または、化学的シグナルおよび/またはタンパク質(これらのプロセスを制御することを補助し、これらのプロセスは最終的に化学反応が生命体の中で起こることが可能であるか否かを決定する)の存在、が挙げられる。Homo sapiensの細胞型の調節において特に重要なことは、細胞の活性を制御するパラクラインシグナル経路およびエンドクラインシグナル経路の実施である。これらの場合において、細胞が、シグナル分子を分泌し、それらのシグナル分子は遠くの場へと運ばれて遠くの標的に作用し得る(エンドクラインシグナル伝達)か、または局所媒介因子として作用する(パラクラインシグナル伝達)。エンドクラインシグナル伝達分子の例としては、ホルモン(例えば、インシュリン)が挙げられ、一方、パラクラインシグナル伝達分子の例としては、神経伝達因子(例えば、アセチルコリン)が挙げられる。これらの分子は、シグナル伝達カスケードを通して細胞応答を誘導し、それらの細胞応答は細胞の中の生化学反応の活性に影響する。制御は、コンピューター内Homo sapiensモデルにおいて、可変束縛(下に記載する)を提供することにより表され得る。
したがって、本発明は、以下を含むコンピューター読み取り可能媒体を提供する:(a)複数のHomo sapiens反応物を複数のHomo sapiens反応物と関連づけるデータ構造であって、このHomo sapiens反応の各々は、反応の基質として同定される反応物、反応の産物として同定される反応物、および基質と産物とに関連する化学量論係数を含む、データ構造ならびに(b)多数の反応についての束縛セットであって、この束縛セットは調節される反応についての可変束縛を含む束縛セット。
本明細書中で使用される場合、用語「調節(regulated)」は、データ構造中の反応に関して使用される場合、変化した流束を、束縛の値における変化により経験する反応または可変束縛を有する反応を意味することが意図される。
本明細書中で使用される場合、用語「調節反応(regulatory reaction)」は、化学的変換もしくは相互作用(タンパク質、高分子または酵素の活性を変化させる)を意味することが意図される。化学的変換または相互作用は、タンパク質、高分子または酵素の活性を直接的に変化させ得る(例えば、タンパク質、高分子または酵素が翻訳後に修飾される場合に起こる)、あるいは、タンパク質、高分子または酵素の活性を間接的に変化させ得る(例えば、化学的変換または結合事象が、タンパク質、高分子または酵素の変化した発現を導く場合に起こる)。従って、転写調節経路または翻訳調節経路は、間接的にタンパク質、高分子または酵素あるいは関連する反応を変え得る。同様に、間接的調節反応は、調節反応ネットワークにおける下流の構成物または関連物に起因して起こる反応を含み得る。データ構造またはコンピューター内Homo sapiensモデルに関して使用される場合、この用語は、機能により第二の反応と関連する第一の反応を意味することが意図され、その機能は、その第二の反応を通してその第二の反応における束縛値を変化させることにより流束を変化させる。
本明細書中で使用される場合、用語「調節データ構造」は、事象、反応または反応のネットワーク(反応を活性化もしくは阻害する)を意味することが意図され、その表現は、操作または分析され得るフォーマットに存在する。反応を活性化する事象は、反応を開始する事象あるいは反応についての活性の速度またはレベルを上昇させる事象であり得る。反応を阻害する事象は、反応を停止する事象あるいは反応についての活性の速度またはレベルを低下させる事象であり得る。調節データ構造で表わされ得る反応としては、例えば、高分子の発現を制御し次に転写および翻訳反応のような反応を実行する反応、リン酸化、脱リン酸化、プレニル化、メチル化、酸化もしくは共有結合的修飾のようなタンパク質または酵素の翻訳後修飾をもたらす反応、プレ配列(pre−sequence)もしくはプロ配列(pro−sequence)の除去のようなタンパク質または酵素を加工する反応、タンパク質または酵素を分解する反応、あるいは、タンパク質または酵素の会合をもたらす反応が挙げられる。
本明細書中で使用される場合、用語「調節事象」は、反応に対し利用可能な反応物の量に依存しない反応を通しての流束の修飾因子を意味するように意図される。この用語に含まれる修飾は、反応を実行する酵素の、存在、非存在または量における変化であり得る。この用語に含まれる修飾因子は、シグナル伝達反応のような調節反応、またはpH、温度、酸化還元能力もしくは時間の変化のような環境条件であり得る。コンピューター内Homo sapiensモデルまたはデータ構造に関して使用される場合、調節事象が、反応に対し利用可能な反応物の量に依存しないHomo sapiens反応を通した流束の修飾因子の代表例であることが意図されることが、理解される。
Homo sapiensに生じる1つ以上の反応における調節の効果は、本発明のコンピューター内Homo sapiensモデルを使用して予測され得る。調節は、コンピューター内Homo sapiensモデルにおける反応に可変束縛を提供することにより検討される特定の条件の文脈において考慮に入れられ得る。このような束縛は、条件依存性束縛を構成する。データ構造は、ブール論理命令文(Reg反応(Reg−reaction))として調節反応を表わされ得る。この変数は、この反応が反応ネットワークにおける使用のために利用可能である場合に1の値を取り、そして反応が、ある調節特徴により束縛される場合に0の値を取り得る。一連のブール命令文は、その後、例えばCovertら、J.Theor.Biol.213:73−88(2001)に記載されるような調節ネットワークを数学的に表現するように導入され得る。例えば、代謝物質Aが図4に示されるように反応R2を阻害する輸送反応(A_in)であるときに代謝物質Aを移入した場合には、ブール法則は、以下で表し得る:
Reg−R2=IF NOT(A_in)(式2)。
この命令文は、反応A_inが生じない場合(すなわち、代謝物質Aが存在しない場合)に反応R2が生じ得ることを示す。同様に、反応R2の阻害をもたらすしきい値より上または下の量のAを示した変数Aに、その調節を代入することは、可能である。生化学的反応ネットワーク中の反応の各々に対応する変数についての値を提供する任意の機能は、調節反応または調節データ構造における調節反応のセットを表すために使用され得る。このような機能としては、例えば、あいまい理論、発見的な法則に基づく記載、微分方程式またはシステム力学を詳細に示す運動方程式が挙げられ得る。
反応上におかれた反応束縛は、以下の一般式を使用するコンピューター内Homo sapiensモデルに組み込まれ得る:
(Reg−Reaction)*b≦v≦a*(Reg−Reaction)
:(式3)
j=l....n
反応R2の例については、この方程式は、以下のように記述される:
(0)*Reg−R2≦R2≦(∞)*Reg−R2 (式4)。
従って、シミュレーションの過程の間に、反応R2が生じる細胞の内部における代謝物質Aの存在または非存在に依存して、反応R2についての流束の上限のための値は、0〜無限大にそれぞれ変わり得る。
束縛関数により考慮に入れられる調節事象もしくはネットワークの効果、および初期の適切な値にセットされる条件依存性束縛により、Homo sapiens反応ネットワークの挙動は、以下に示されるように考慮される条件についてシミュレートされ得る。
調節が、可変束縛がデータ構造における反応の結果に依存する場合について上記に例示されているが、複数の可変束縛は、複数の反応の調節を表すコンピューター内Homo sapiensモデルに含まれ得る。
さらに、上に示した代表的な場合において、調節構造は、反応が特定の環境条件により阻害されることを示す一般的な制御を含む。この型の一般的な制御を使用して、分子メカニズムおよび補足的詳細を生物内の特定の化学反応の活性な性質の決定に反応し得る調節構造に組み入れることは、可能である。
調節はまた、本発明のモデルによりシミュレートされ得、そしてモデル化される反応ネットワークに含まれる正確な分子メカニズムの知見なしに、Homo sapiensの生理的機能を予測するために使用され得る。従って、このモデルは、コンピューター内の、全体的な調節事象または、ネットワーク中の任意の1つの反応のインビボ観察または、インビボの効果が知られていない特定の反応におけるインビボ観察から明白でない因果関係を予測するために使用され得る。このような全体的な調節効果は、pH、温度、酸化還元能力、または時間経過における変化のような全体的な環境条件から起因する結果を含み得る。
本明細書に記載されるコンピューター内Homo sapiensモデルおよび方法は、Intel.RTM.マイクロプロセッサに基づくホストコンピューターシステムのような任意の従来のホストコンピューターシステム上で、かつMicrosoft Windows(登録商標)オペレーティングシステムを稼動して実行され得る。UNIX(登録商標)またはLINUXオペレーティングシステムを使用しかつIBM.RTM.マイクロプロセッサ、DEC.RTM.マイクロプロセッサまたはMotorola.RTM.マイクロプロセッサに基づくシステムのような他のシステムもまた、企図される。本明細書に記載されるシステムおよび方法は、インターネットのような、クライアントサーバシステムおよび広域ネットワーク上で稼動するためにもまた、実行され得る。
本発明の方法またはモデルを実行するソフトウェアは、Java(登録商標)、C、C++、Visual Basic、FORTRANまたはCOBOLのような任意の周知のコンピューター言語で書かれ得、かつ任意の周知の互換性コンパイラを使用してコンパイルされ得る。本発明のソフトウェアは、通常ホストコンピューターシステム上のメモリに格納された指令から実行する。メモリまたはコンピューター読み取り可能媒体は、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク、光磁気ディスク、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリまたはフラッシュメモリであり得る。本発明において使用されるメモリまたはコンピューターに読取り可能な媒体は、単一のコンピューターの中に含み得るか、またはネットワーク中で分配され得る。ネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)のような当該分野で公知の、多数の従来のネットワークシステムの中の任意であり得る。本発明において使用され得るクライアントサーバ環境、データベースサーバおよびネットワークは、当該分野において周知である。例えば、データベースサーバは、UNIX(登録商標)のようなオペレーティングシステム上で、関連するデータベース管理システム、ワールドワイドウェブアプリケーションおよびワールドワイドウェブサーバを稼動して稼動し得る。他の型のメモリおよびコンピューター読み取り可能媒体はまた、本発明の範囲内で機能するために企図される。
本発明のデータベースまたはデータ構造は、例えば、標準一般化マークアップ言語(SGML)、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)または拡張マークアップ言語(XML)を含むマークアップ言語フォーマットにて表され得る。マークアップ言語は、本発明のデータベースまたはデータ構造で格納される情報に札を付けて使用され得、それにより簡便な注釈およびデータベースとデータ構造との間のデータ転送を提供する。特に、XMLフォーマットは、反応、反応物およびそれらの注釈のデータ表現を構築するために有用であり得る;例えばネットワークもしくはインターネット上で、データベースコンテンツを交換するために有用であり得る;ドキュメントオブジェクトモデルを使用して個々の要素を更新するために有用であり得る;あるいは、本発明のデータベースまたはデータ構造の、異なる情報コンテンツについて、多数のユーザに差次的なアクセスを提供するために有用であり得る。XMLプログラミング方法およびXMLコードを書くためのエディタは、例えばRay著「Learning XML」(O’Reilly and Associates,Sebastopol,CA(2001))に記載されるように、当該分野で公知である。
束縛のセットは、束縛セットにより指定される環境条件の特定のセットの下で反応ネットワークを通して質量の流束をシミュレートするために、反応ネットワークデータ構造に適用され得る。代謝の過渡性(transient)および/または代謝反応を特徴づける時定数が、時間〜日の単位での細胞増殖の時定数と比較して、代表的には非常に迅速である(ミリ秒〜秒の単位)ために、一過性の質量バランスは、定常状態行動を考慮するだけのために単純化され得る。ここで反応ネットワークデータ構造が化学量論行列である例を参照すると、定常状態質量バランスは、以下の一次方程式のシステムを使用して適用され得る:
S・v=0 (式5)
ここで、Sは上に定義されるような化学量論行列であり、vは流束ベクトルである。この方程式は、化学量論の結果として代謝ネットワーク上におかれた質量、エネルギー、および酸化還元能力の束縛を規定する。それぞれ反応束縛および質量バランスを表す方程式1および方程式5は、共に、代謝遺伝子型および生物の代謝能力の能力および束縛を効果的に規定する。方程式5を満たすすべてのベクトル(v)は、Sの数学的零空間に生じると言われる。従って、この零空間は、質量、エネルギーまたは酸化還元平衡の束縛を破らない定常的な代謝の流束分布を規定する。代表的には、流束の数は、質量バランス束縛の数より大きく、従って、複数の流束分布は、質量バランス束縛を満たしかつ零空間を占有する。零空間は、実現可能なセットの代謝流束分布を規定し、規定される解答空間へと導く方程式1において示される反応束縛の適用により、大きさにおいてさらに縮小される。この空間における点は、流束分布を表し、従って、ネットワークについての代謝の表現型を表す。すべての解答のセットの範囲内の最適な解答は、規定された目的および束縛セットにより供給される場合に数学的な最適化方法を使用して決定され得る。任意の解答の計算は、モデルのシミュレーションを構成する。
ヒト細胞の活性についての目的は、選択され得る。多細胞生物の全体的な目的は、増殖または再生であり得るが、個々のヒト細胞の型は、一般に、さらにより複雑な目的、アポトーシスの(プログラムされた細胞死)一見極端な目的(生物の利益となり得るが、個々の細胞には明らかに利益でない)までをも有する。例えば、特定の細胞型は、エネルギー産生を最大限にする目的を有し得、一方、他の細胞型は、特定のホルモン、細胞外基質成分、または収縮力のような機械的特性の産生を最大限にする目的を有する。細胞再生がヒトの骨格筋のように遅い場合に、増殖および増殖の効果は、考慮に入れられる必要がない。他の場合において、バイオマス構成成分および増殖速度は、「メンテナンス」型の流束に組み入れられ得、増殖のために最適化することよりむしろ、前駆体の産生が試験的知見と一致するレベルに設定され、そして異なる目的が、最適化される。
癌細胞を含む特定の細胞型は、細胞増殖を最大限にする目的を有すると考えられ得る。増殖は、バイオマス構成成分の文献的値または上に記載されるように得られた値のような試験的に規定された値に基づく生合成必要条件について規定され得る。従って、バイオマス産生は、適切な比率において中間代謝物を除去する交換反応として規定され得、目的関数として表わされ得る。中間代謝物の排出に加えて、この反応流束は、ATP、NADHおよびNADPHのようなエネルギー分子を利用するために形成され得、それにより、達成されなければならない任意の維持の必要条件を組込み得る。次いで、この新規の反応流束は、システムが目的関数として満たされなければならない別の束縛/平衡方程式になる。例として図3の化学量論行列を使用して、このような束縛を加えることは、化学量論行列に代謝システム上におかれた産生需要を記載する流束を表すためにさらなる列V増殖を加えることと類似する。目的関数としてこの新規の流束を設定し、そしてシステムにすべての他の流束上の束縛の所定のセットについてこの流束の価値を最大限にするように要求することは、従って、生物の増殖をシミュレートする方法である。
反応ネットワークデータ構造に束縛セットを適用する化学量論行列の実施例を継続することは、以下のように説明され得る。方程式5の解答は、特定の目的(objective)を最小化する流束分布が見出される、最適化問題として定式化され得る。数学的に、この最適化問題は、次のように記述され得る:
Minimize Z (式6)
ここで、z=Σc・v (式7)
ここで、Zは、この一次結合における重量cを使用して、代謝の流束vの一次結合として表わされる目的である。最適化問題はまた、等価な最大化問題としても(すなわち、Zの符号を変えることにより)述べられ得る。最適化問題を解くための任意のコマンド(例えば、一次プログラミングコマンドを含む)が、使用され得る。
本発明のコンピューターシステムは、1つ以上の反応の表現を受容することが可能なユーザインターフェースをさらに含み得る。本発明のユーザインターフェースはまた、データ表現、もしくはの組み合わせに束縛セットを適用するために、データ構造、束縛セットまたはコマンドを修飾する少なくとも1つのコマンドを送ることが、可能であり得る。このインターフェースは、メニューまたはダイアログボックスのような選択を行なうための図式手段(graphical means)を有するグラフィックユーザインターフェースであり得る。このインターフェースは、主要画面から選択を行うことによりアクセス可能な階層状の画面で配置され得る。このユーザインターフェースは、本発明において有用な他のデータベース(例えば、代謝反応データベース)へのアクセスまたは、反応ネットワークデータ構造における反応もしくは反応物に関連した情報を有する他のデータベースへのリンクへのアクセス、あるいはHomo sapiens生理学へのアクセスを提供し得る。また、このユーザインターフェースは、本発明のモデルを使用して、反応ネットワークのグラフ表示またはシミュレーションの結果を呈示し得る。
一旦、初期の反応ネットワークデータ構造および束縛のセットが作成されると、このモデルは、予備シミュレーションにより試験され得る。予備シミュレーションの間に、ネットワークの中のギャップ、または代謝物が産生され得るが消費されない「行き止まり」、もしくは代謝物が消費され得るが産生されない「行き止まり」が、同定され得る。予備シミュレーションの結果に基づき、さらなる反応を必要とする代謝再構築の領域が、同定され得る。これらのギャップの決定は、反応ネットワークデータ構造の適切な照会を通して容易に計算され得、シミュレーション戦略の使用を要求する必要はないが、シミュレーションは、このようなギャップを位置付けるための代替アプローチになり得る。
予備シミュレーション試験およびモデル成分微調整過程において、既存のモデルは、その要求されるバイオマス構成成分を産生する能力のような基本的需要を実施し得、かつモデル化された特定の細胞型の基本的生理学特性に関する予測を生成し得るかどうかを決定する一連の機能試験に供される。より実施される予備試験が多いほど、生成されるモデルの品質はより高くなる。代表的には、開発のこの段階において使用されるシミュレーションの大部分は、単一の最適化であり得る。単一の最適化は、代謝の資源が、1つの最適化問題の解答からいかにして経路を決定されるかを実証する単一の流束分布を計算するために使用され得る。最適化問題は、以下の実施例において実証されるような一次プログラミングを使用して解答され得る。結果は、反応マップ上の流束分布の呈示と考えられ得る。一時的な反応は、それらがモデリング/シミュレーション必要条件に基づくモデルの中に含まれるべきであるかどうかを決定するためにネットワークに加えられ得る。
一旦、本発明のモデルが、上記の基準に従う反応ネットワークデータ構造の内容に関して十分に完全であれば、このモデルは、反応ネットワークにおける1つ以上の反応の活性をシミュレートするために使用され得る。シミュレーションの結果は、例えば、表、グラフ、反応ネットワーク、流束分布マップまたは表現型相平面グラフを含む種々のフォーマットで表示され得る。
従って、本発明は、Homo sapiensの生理学的機能を予測する方法を提供する。この方法は、以下の工程を包含する:(a)複数のHomo sapiens反応物を複数のHomo sapiens反応と関連付けるデータ構造を提供する過程であって、このHomo sapiens反応の各々が、反応の基質として同定される反応物、反応の産物であると同定される反応物、およびこの基質とこの産物とを関連付ける化学量論係数を含む、工程;(b)複数のHomo sapiens反応についての束縛セットを提供する工程;(c)目的関数を提供する工程、ならびに(d)この束縛セットがこのデータ構造に適用される場合に、この目的関数を最小化もしくは最大化する、少なくとも1つの流束分布を決定する過程であって、これによりHomo sapiensの生理学的機能を予測する、工程。
Homo sapiensの生理学的機能を予測する方法は、以下の工程を含み得る、(a)複数のHomo sapiens反応物を複数のHomo sapiens反応と関連付けるデータ構造を提供する工程であって、このHomo sapiens反応の各々が、反応の基質として同定される反応物、反応の産物であると同定される反応物、およびこの基質とこの産物とを関連付ける化学量論係数を含み、かつ、これらの反応の少なくとも1つが調節された反応である、工程;(b)複数の反応についての束縛セットを提供する工程であって、この束縛セットがこの調節された反応についての可変束縛を含む、工程;(c)この可変束縛に対し条件依存的な値を提供する工程;(d)目的関数を提供する工程、ならびに(e)この束縛セットがこのデータ構造に適用される場合に、この目的関数を最小化もしくは最大化する、少なくとも1つの流束分布を決定する工程であって、これによりHomo sapiensの生理学的機能を予測する、工程。
本明細書中で使用される場合、用語「生理学的機能」は、Homo sapiensに関して使用される場合、全体としてのHomo sapiens細胞の活性を意味するように意図される。この用語に含まれる活性は、Homo sapiens細胞の初期状態からヒト細胞の最終状態までの変化の大きさまたは割合であり得る。この用語に含まれる活性は、例えば、増殖、エネルギー産生、酸化還元等価産生、バイオマス産生、発生、あるいは、炭素窒素、硫黄、リン酸、水素または酸素の消費であり得る。活性はまた、Homo sapiens細胞における特定の反応もしくはHomo sapiens細胞において生ずる反応の実質的にすべて(例えば、筋収縮)に影響を与える反応の実質的にすべての文脈において決定または予測される特定の反応の出力であり得る。この用語に含まれる特定の反応の例は、バイオマス前駆体の産生、タンパク質の産生、アミノ酸の産生、プリンの産生、ピリミジンの産生、脂質の産生、脂肪酸の産生、コファクターの産生、または代謝物の輸送である。生理学的機能は、全体から出現するが部分の総和(この部分は単独に観察される)から出現しない、出現特性を含み得る(例えば、Palsson,Nat.Biotech 18:1147−1150(2000)を参照のこと)。
Homo sapiensの反応の生理学的機能は、流束分布の相平面分析を使用して決定され得る。相平面は、二次元または三次元で表わされ得る実現可能なセットの表現である。例として、基質および酸素の取込み速度のような増殖条件を記載する2つのパラメータは、二次元空間の2つの軸として規定され得る。最適流束分布は、二次元の空間を規定する交換流束を調整する間に、線形プログラミング問題を繰り返し解答することにより、この平面中におけるすべての点について、上述のように、反応ネットワークデータ構造および、束縛セットから、計算され得る。質的に異なる代謝経路の利用パターンの有限数は、このような平面において同定され得、そして、線は、これらの領域を区別するために描かれ得る。これらの領域を規定する境界は、例えばChvatal,Linear Programming New York,W.H.Freeman and Co.(1983)に記載されるような線形の最適化の潜在価を使用して決定され得る。これらの領域は、定常の潜在価構造の領域と呼ばれる。潜在価は、負値、0、または正値のいずれかである数値として目的関数へ各反応物の実体価値を規定し、そしてx軸およびyの軸により表わされる取込み速度によりグラフ化される。取込み速度の値が変化するにつれて潜在価が0となる場合、質的シフトが、最適の反応ネットワークの中に存在する。
表現形相平面における1つの境界線は、最適化の線(LO)として規定される。この線は、それぞれの代謝流束の間の最適な関係を表す。LOは、増殖流束として規定される目的関数とともに、x軸流束の変化および最適y軸流束の計算により同定され得る。表現形相平面分析から、所望の活性が最適である下で、条件が、決定され得る。最大の取込み速度は、束縛セットにより表される環境条件の中の反応ネットワークの予測される結果であるプロットの有限なエリアの規定をもたらす。同様の分析は、プロット上の各次元が異なる取込み速度に相当する多次元において実施され得る。相平面分析を使用するためのこれらの方法および他の方法(例えば、Edwardsら,Biotech Bioeng.77:27−36(2002)に記載される方法)は、本発明のコンピューター内Homo sapiensモデルを使用するシミュレーションの結果を分析するために使用され得る。
Homo sapiensの生理学的機能はまた、流束分布を呈示する反応マップを使用して決定され得る。Homo sapiensの反応マップは、種々のレベルで反応ネットワークを見るために使用され得る。細胞の代謝反応ネットワークの場合において、反応マップは、全体的展望を表す反応補体全体を含み得る。あるいは、反応マップは、代謝の特定の領域(例えば、上述の反応サブシステムに対応する領域)、または、個々の経路もしくは反応にすら、着眼し得る。
従って、本発明は、Homo sapiensの生理学的機能の表現を産生する装置を提供し、この表現は、以下の工程を包含するプロセスにより産生される:(a)複数のHomo sapiens反応物と複数のHomo sapiens反応とを関連付けるデータ構造を提供する工程であって、各々のHomo sapiens反応が、反応の基質として同定される反応物、反応の産物であると同定される反応物、およびこの基質とこの産物とを関連付ける化学量論係数を含む、工程;(b)複数のHomo sapiens反応のために束縛セットを提供する工程;(c)目的関数を提供する工程;(d)この束縛セットがこのデータ構造に適用される場合にこの目的関数を最小化もしくは最大化する、少なくとも1つの流束分布を決定する工程であって、これによりHomo sapiensの生理学的機能を予測する、工程、ならびに(e)1つ以上のHomo sapiensの反応の活性の表現を生成する工程。
本発明の方法は、例えば、アミノ酸の生合成、アミノ酸の分解、プリンの生合成、ピリミジンの生合成、脂質の生合成、脂肪酸の代謝、コファクターの生合成、代替炭素供給源の代謝物および代謝の輸送を含む、複数のHomo sapiensの反応の活性を決定するために使用され得る。さらに、これらの方法は、上述の反応または表1に記載される反応の中の、1つ以上の活性を決定するために使用され得る。
本発明の方法は、Homo sapiensの変異体の表現形を決定するために使用され得る。1つ以上のHomo sapiens反応の活性は、上述の方法を使用して決定され得、この反応ネットワークデータ構造は、Homo sapiensにおいて生じる1つ以上の遺伝子に関連した反応を欠く。あるいは、この方法は、Homo sapiensにおいて天然では起こらない反応が反応ネットワークデータ構造に加えられる場合に、1つ以上のHomo sapiensの反応の活性を決定するために使用され得る。遺伝子の欠落もまた、反応を通して流束を0へと束縛することにより本発明のモデルで表され得、それにより、この反応がデータ構造に留まることを可能にする。従って、シミュレーションは、Homo sapiensに遺伝子を加えるか、またはHomo sapiensから遺伝子を除去することの効果を予測するために実施され得る。これらの方法は、末梢の代謝経路における反応を実施する遺伝子産物をコードする遺伝子を加えるか欠失させることの効果を決定するために、特に有用であり得る。
薬物標的またはHomo sapiens機能に影響する任意の他の薬剤についての標的が、本発明の方法を使用して予測され得る。このような予測は、薬物もしくは薬剤による総体的な阻害または予防をシミュレートするために反応を除去することにより生成され得る。あるいは、特定の反応の活性における部分的な阻害または減少は、束縛を変えて方法を実行することにより予測され得る。例えば、減少した活性は、標的反応の代謝の流束ベクトルが阻害のレベルに対応する有限の最大流束値もしくは最小流束値を反映するように、a値またはb値を変えることにより、本発明のモデルの中に導入され得る。同様に、反応の活性化の効果は、反応を開始すること、または反応の活性を増加することにより、特定の反応を欠く反応ネットワークデータ構造でこの方法を実施することにより予測され得るか、あるいは、標的反応の代謝の流束ベクトルが活性化のレベルに対応する最大流束値もしくは最小流束値を反映するように、a値またはb値を変化させることにより、予測され得る。この方法は、末梢の代謝経路の標的を同定するために特に有用であり得る。
一旦、活性化または阻害がHomo sapiens機能上の所望の効果を産生する反応が同定されると、Homo sapiensにおいてその反応を実施する酵素または高分子、あるいは、それらの酵素または高分子を発現する遺伝子が、薬物または他の薬剤についての標的として同定され得る。本発明の方法により同定される標的についての候補化合物は、公知の方法を使用して単離または合成され得る。化合物を単離もしくは合成するためのこのような方法としては、例えば、標的の既知の特性に基づく合理的な設計(例えば、DeCampら,Protein Engineering Principles and Practice,ClelandおよびCraik編,Wiley−Liss,New York,pp.467−506(1996)を参照のこと)、化合物のコンビナトリアルライブラリに対して標的をスクリーニングすること(例えば、Houghtenら,Nature,354,84−86(1991);DooleyらScience,266,2019−2022(1994)(反復的アプローチを記載する)、あるいは、R.HoughtenらPCT/US91/08694および米国特許番号第5,556,762号(位置スキャニングアプローチを記載する)を参照のこと)、あるいは、両方を組み合わせて焦点を絞ったライブラリを得ることが挙げられ得る。当業者は、標的の特性に基づくスクリーニングもしくは当該分野で公知の活性アッセイにおいて使用されるアッセイ条件を、理解するか、または慣用的に決定し得る。
上述の方法により同定されるか、または当該分野において公知の他の方法により同定されるかのどちらであっても、候補薬物もしくは薬剤は、本発明のコンピューター内Homo sapiensモデルまたは方法を使用して評価され得る。Homo sapiensの生理学的機能の上の候補薬物もしくは薬剤の効果は、その候補薬物もしくは薬剤の存在下での標的についての活性(インビトロもしくはインビボで測定される)に基づいて予測され得る。この活性は、反応をこのモデルに加えること、反応をこのモデルから除去すること、あるいは、このモデルの中の反応についての束縛をその候補薬物もしくは薬剤のこの反応の活性に際して測定された効果を反映するように調整することにより、コンピューター内Homo sapiensモデルにおいて表わされ得る。これらの条件下でのシミュレーションを実行することにより、Homo sapiensの生理学的機能上の候補薬物もしくは薬剤の全体的な効果が、予測され得る。
本発明の方法は、Homo sapiens細胞の活性上の1つ以上の環境成分または環境条件の効果を決定するために使用され得る。上に示されるように、交換反応は、環境成分の取り込み、成分の環境への放出、または、他の環境需要に対応する反応ネットワークデータ構造に加えられ得る。環境成分または環境条件の効果は、その交換反応標的反応の代謝の流束ベクトルが環境成分または環境条件の効果に対応する有限の最大もしくは最小の流束値を反映するように調整されたa値もしくはb値でシミュレーションを実行することにより、さらに研究され得る。環境成分は、例えば、Homo sapiens細胞の環境に加えられる場合に取り込まれかつ代謝され得る、代替の炭素供給源または炭素代謝物であり得る。環境成分は、例えば最小培地組成の中に存在する成分の組み合わせであり得る。従って、これらの方法は、Homo sapiensの特定の活性を支持し得る最適培地組成または最小媒体組成を決定するためにもまた、使用され得る。
本発明は、Homo sapiensについての所望の活性を達成する環境成分セットを決定する方法を、さらに提供する。この方法は、以下の工程を包含する:(a)複数のHomo sapiens反応物を複数のHomo sapiens反応と関連付けるデータ構造を提供する過程であって、Homo sapiens反応の各々が、反応の基質として同定される反応物、反応の産物であると同定される反応物、およびこの基質とこの産物とを関連付ける化学量論係数を含む、工程;(b)複数のHomo sapiens反応のために束縛セットを提供する工程;(c)この束縛セットをこのデータ表現に適用する工程であって、これにより1つ以上のHomo sapiens反応の活性を決定する、工程;(d)工程(a)〜工程(c)に従って1つ以上のHomo sapiens反応の活性を決定する工程であって、この束縛セットが環境成分の量における上限もしくは下限を含む、工程、ならびに、(e)変化した束縛セットで過程(a)〜過程(c)を反復する工程であって、ここで、工程(e)において決定された活性は、工程(d)において決定された活性と比較して改良される。
以下の実施例は、本発明を説明するが、制限しないことが、意図される。
(実施例I)
この実施例は、汎用のHomo sapiens代謝反応データベース、Homo sapiensコア(core)代謝反応データベースおよびHomo sapiens筋肉細胞代謝反応データベースの構築を示す。この実施例はまた、Homo sapiensコア代謝モデルおよびHomo sapiens筋肉細胞代謝モデルを産生するために使用される、反復性モデル構築プロセスも示す。
汎用のHomo sapiens反応データベースを、ゲノムデータベースおよび生化学文献から作製した。図1に示すこの反応データベースは、以下の情報を含む:
遺伝子座ID − LocusLinkウェブサイトにおいて見出された遺伝子の遺伝子座番号。
遺伝子略称 − 遺伝子に使用される種々の略称。
反応化学量論 − 全ての代謝物および反応の方向および可逆性を含む。
E.C. − 酵素番号(Enzyme Commission number)。
汎用の反応データベースに含まれるさらなる情報(表1には示さない)としては、関連の反応が見出されるSalway(前出)(1999)の章;所定の区画において反応が最初に起こる場合の細胞内配置;SWISS PROTにおける遺伝子記録の位置付けに使用され得るSWISS PROTアイデンティファイア;所定の遺伝子座における遺伝子の完全な名前;遺伝子に関連するMendelian Inheritance in Man(MIM)データ;および遺伝子が特定の組織において最初発現される場合の組織型が、挙げられた。全体として、1130個の代謝酵素(または輸送体)をコードする遺伝子を、汎用の反応データベースに入れた。
汎用の反応データベース中の59の反応を、Salway(前出)(1999)において見出されるように、生物学的データに基づいて、同定し、入れた(現在、ゲノム注釈なし)。予備シミュレーション試験およびモデル成分微調整の後に引き続き、10のさらなる反応(生化学文献またはゲノム注釈に記載されない)を反応データベースに入れた。これらの69の反応を、表1の最後に示す。
表1に示される汎用のHomo sapiens反応データベースから、コア代謝反応ならびに幾つかのアミノ酸代謝反応および脂肪酸代謝反応(J. G. Salway, Metabolism at a Glance,第2版,Blackwell Science,Malden,MA(1999)の1章、3章、4章、7章、9章、10章、13章、17章、18章および44章に記載される)を含む、コア代謝反応データベースを確立した。コア代謝反応データベースは、Homo sapiensゲノム中の737個の遺伝子からなる、211の独特の反応を含む。コア代謝反応データベースを、その全体ではないが、実施例IIに記載のコア代謝モデルを作製するために使用した。
筋肉細胞のモデリングを可能にするため、コア反応データベースを、Homo sapiensゲノム中の889遺伝子からなる446の独特の反応を含むように拡張した。この骨格筋代謝反応データベースを、実施例IIに記載の骨格筋代謝モデルを作製するために使用した。
一旦、コア細胞代謝反応データベースおよび筋肉細胞代謝反応データベースを編集すると、反応を、代謝ネットワークデータ構造または「化学量論入力ファイル」として表した。例えば、表2において示されるコア代謝ネットワークデータ構造は、33の可逆反応、31の不可逆反応、97列の行列および52個の独特の酵素を含む。表2における各反応は、基質(負の数)および産物(正の数);化学量論;各反応の名前(0に続く語);および反応が可逆性である(反応名に続くR)か否かを、示すために表される。ミトコンドリアに現れる代謝物は、「m」で示され、そして細胞外間隙に現れる代謝物は、「ex」で示される。
予備シミュレーションを実行するかまたは生理学的条件をシミュレーションするため、入力および出力のセットを規定し、ネットワーク目的関数を特定化しなければならない。グルコースを炭素供給源として使用し、Homo sapiensコア代謝ネットワークの最大ATP産生を計算するため、表2において示される表示を使用して、グルコースの0でない取り込み値を代入し、そしてATP産生を目的関数として最大にした。ネットワークの実行を、流束平衡分析方法(flux balance analysis method)を使用して、所定の目的関数および入力ファイルに規定される束縛のセットを最適化することによって、試験した。このモデルを、シミュレーションの結果を試験することおよび適切な変更を行うことによって、反復法で調製した。
この反復手順を用い、ヒトコア代謝およびヒト骨格筋細胞代謝を表わす、2つの代謝反応ネットワークを産生した。
(実施例II)
この実施例は、Homo sapiensコア代謝モデルを使用して、ヒト代謝が如何にして正確にシミュレーションされ得るかを示す。
表3において示されるヒトコア代謝反応データベースを、ヒトコア代謝シミュレーションにおいて使用した。この反応データベースは、全部で65の反応を含み、解糖、ペントースリン酸経路、トリクエン酸回路、酸化的リン酸化、グリコーゲン貯蔵、リンゴ酸アスパラギン酸シャトル、グリセロールリン酸シャトル、ならびに血漿輸送体およびミトコンドリア膜輸送体の、古典的生化学経路を網羅する。この反応ネットワークは、以下の3つの区画に分割される:サイトゾル間隙、ミトコンドリア間隙、および細胞外間隙。ネットワークにおける代謝物の総数は50であり、そのうちの35は、ミトコンドリアにおいてもまた現れる。このコア代謝ネットワークは、250個のヒト遺伝子からなる。
コア代謝ネットワークを使用してシミュレーションを実行するため、ネットワーク特性(例えば、P/O比)を、Salway(前出)(1999)を参照として使用して特異化した。電子伝達系(ETS)を介したNADHの酸化を、2.5個のATP分子(すなわち、NADHについて2.5のP/O比)を産生するように設定し、そしてFADHの酸化を、1.5個のATP分子(すなわち、FADHについて1.5のP/O比)を産生するように設定した。
コア代謝ネットワークを使用して、好気性代謝および嫌気性代謝を、コンピューター内でシミュレーションした。代謝副産物の分泌は、公知の生理学的パラメーターと一致した。全12の前駆体代謝物(グルコース−6−リン酸、フルクトース−6−リン酸、リボース−5−リン酸、エリトロース−4−リン酸、トリオースリン酸、3−ホスホグリセリン酸、ホスホエノールピルビン酸、ピルビン酸、アセチルCoA、α−ケトグルタル酸、スクシニルCoA、およびオキサロ酢酸)の最大産生量を試験し、その理論的産生量を超える値は見出さなかった。
最大ATP産生量もまた、サイトゾルおよびミトコンドリアで試験した。Salway(前出)(1999)は、膜プロトン共役輸送系の非存在において、エネルギー産生量は、グルコース1分子あたりATP 38分子、でなければグルコース1分子あたりATP 31分子であることを報告する。同じ値を実証したコア代謝モデルが、Salway(前出)(1999)によって記載される。ミトコンドリアにおけるエネルギー産生量は、グルコース1分子あたりATP 38分子であると決定された。全てのプロトンは、酸化的リン酸化のみにおいて利用されるため、これは、ミトコンドリア膜を横切るプロトン共役輸送体の非存在におけるエネルギー産生と等しい。サイトゾルにおいて、エネルギー産生量は、グルコース1分子あたりATP 30.5分子であると算出した。この値は、ミトコンドリア膜を横切る代謝交換のコストを反映する(Salway(前出)(1999)によって記載される)。
(実施例III)
この実施例は、ヒト筋肉細胞代謝を、種々の生理学的条件下および種々の病理学的条件下で、Homo sapiens筋肉細胞代謝モデルを使用して、如何にしてシミュレーションするかを示す。
実施例Iで記載のように、コア代謝モデルを、骨格菌細胞において起こる全ての主要な反応もまた含むように、新規の関数(例えば、脂肪酸合成およびβ−酸化、トリアシルグリセロール形成およびリン脂質形成、ならびにアミノ酸代謝)をコア経路において見出される古典的代謝経路に追加して、拡張した。シミュレーションを、表4において示される筋肉細胞反応データベースを使用して、実行した。生化学反応を、サイトゾル区画およびミトコンドリア区画に、再び区画化した。
ヒト骨格筋細胞の生理学的行動をシミュレーションするため、目的関数を規定する必要があった。骨格筋細胞の増殖は、数時間〜数日の時間尺度で起こる。しかし、シミュレーションにおける目的の時間尺度は、運動の間の代謝交換の時限を反映して、数分〜10分の位である。従って、収縮(エネルギー産生として規定され、これに関連する)を、目的関数であるように選択し、そして細胞において増殖需要を表すためのさらなる束縛は課さなかった。
ネットワークの挙動を研究し、そして試験するため、12の生理学的な事例(表5)および5つの疾患の事例(表6)を、試験した。代謝物の入力および出力を、表5において同定したように特異化し、そして最大エネルギー産生および代謝物分泌を計算し、計数した。
(表5)
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(表6)
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骨格筋モデルを、運動および食物飢餓の種々の段階の間利用可能な、種々の炭素供給源の利用について試験した(表5)。好気性から嫌気性への変化におけるネットワークの副産物分泌を、運動および食物飢餓の生理学的結果と定性的に比較し、発酵性副産物の分泌およびエネルギー産生量の低下のような、同じ一般的特徴を示すことを見出した。
また、ネットワーク挙動を、5つの疾患の事例について試験した(表6)。試験事例を、モデル予測能力に対するその生理学的関連性に基づいて選択した。簡潔には、マッカードル病は、グリコーゲン分解の機能障害によって特徴付けられる。Tarui’s疾患は、ホスホフルクトキナーゼの欠損によって特徴付けられる。試験した残りの疾患は、代謝酵素(ホスホグリセリン酸キナーゼ、ホスホグリセリン酸ムターゼ、および乳酸デヒドロゲナーゼ)の欠損によって特徴付けられる。各々の場合において、流束の変化および代謝物の副産物分泌を、グリコーゲン(好気性から嫌気性への変化について)およびホスホクレアチン(ネットワークへの単一の炭素供給源として)ならびにピルビン酸、乳酸、およびアルブミン(ただ代謝的副産物として)で試験し、系をそのままにさせた。疾患事例をシミュレーションするため、対応する欠損酵素を、0に制限した。全ての事例において、エネルギー産生における重篤な低下を、運動の間に実証した。これは、臨床事例で見られるような疾患の状態を表す。
この出願の全体に渡って、種々の刊行物が参照されている。これらの刊行物の開示は、その全体が、本発明が属する技術水準をより完全に記載するために、本出願において本明細書によって参考として援用される。
本発明は、上で提供した実施例を参照して記載されているが、本発明の精神から逸脱することなく、種々の改変がなされ得ることが理解されるべきである。従って、本発明は、特許請求の範囲によってのみ限定される。
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図1は、仮説上の代謝ネットワークの模式的な描写を示す。 図2は、図1で示された仮説上の代謝ネットワーク上に位置され得る、集団の平衡束縛および流束束縛(可逆性束縛)を示す。 図3は、図1で示された仮説上の代謝ネットワークに対する化学量論的行列(S)を示す。 図4は、パネルAにおいて、典型的な生化学的反応ネットワークを示し、さらにパネルBにおいて、パネルAでの反応ネットワークに対する典型的な調節制御構造を示す。

Claims (66)

  1. コンピューター読み取り可能媒体であって、以下:
    (a)複数のHomo sapiens反応物に複数のHomo sapiens反応を関連づけるデータ構造であって、ここで、該Homo sapiens反応の各々は、該反応の基質として同定された反応物、該反応の産物として同定された反応物、ならびに該基質および該産物を表す化学量論係数を含み、ここで、該Homo sapiens反応のうち少なくとも1つは、注釈されて関連の遺伝子を示す、データ構造;
    (b)該関連の遺伝子を特徴付ける情報を含む遺伝子データベース;
    (c)該複数のHomo sapiens反応に関する束縛セット、および
    (d)少なくとも1つの流束分布を決定するためのコマンドであって、該束縛セットが該データ表現に適用される場合に、目的関数を最小にするかまたは最大にし、ここで該少なくとも1つの流束分布が、Homo sapiens生理学的機能を予測可能である、コマンド、
    を含む、媒体。
  2. 前記複数のHomo sapiens反応が、抹消代謝経路からの少なくとも1つの反応を含む、請求項1に記載のコンピューター読み取り可能媒体。
  3. 前記抹消代謝経路が、アミノ酸生合成プロセス、アミノ酸分解プロセス、プリン生合成プロセス、ピリミジン生合成プロセス、脂質生合成プロセス、脂肪酸代謝プロセス、コファクター生合成プロセスおよびコファクター輸送プロセスからなる群から選択される、請求項2に記載のコンピューター読み取り可能媒体。
  4. 前記Homo sapiens生理学的機能が、増殖、エネルギー産生、酸化還元等価物産生、バイオマス産生、バイオマス前駆体の産生、タンパク質の産生、アミノ酸の産生、プリンの産生、ピリミジンの産生、脂質の産生、脂肪酸の産生、コファクターの産生、代謝物の輸送、ならびに炭素、窒素、硫黄、リン酸、水素および酸素の消費からなる群から選択される、請求項1に記載のコンピューター読み取り可能媒体。
  5. 前記Homo sapiens生理学的機能が、タンパク質の分解、アミノ酸の分解、プリンの分解、ピリミジンの分解、脂質の分解、脂肪酸の分解およびコファクターの分解からなる群から選択される、請求項1に記載のコンピューター読み取り可能媒体。
  6. 前記データ構造が、線形代数方程式のセットを含む、請求項1に記載のコンピューター読み取り可能媒体。
  7. 前記データ構造が、行列を含む、請求項1に記載のコンピューター読み取り可能媒体。
  8. 前記コマンドが、最適化問題を含む、請求項1に記載のコンピューター読み取り可能媒体。
  9. 前記コマンドが、線形プログラムを含む、請求項1に記載のコンピューター読み取り可能媒体。
  10. 前記複数のHomo sapiens反応物のうちの少なくとも1つの反応物または前記複数のHomo sapiens反応のうちの少なくとも1つの反応が、サブシステムまたは区画への代入で注釈される、請求項1に記載のコンピューター読み取り可能媒体。
  11. 前記複数のHomo sapiens反応における第1の基質または第1の産物が、第1の区画に代入され、該複数のHomo sapiens反応における第2の基質または第2の産物が、第2の区画に代入される、請求項10に記載のコンピューター読み取り可能媒体。
  12. 複数の前記Homo sapiens反応が、注釈されて複数の関連の遺伝子を示し、ここで前記遺伝子データベースが、該複数の関連の遺伝子を特徴付ける情報を含む、請求項1に記載のコンピューター読み取り可能媒体。
  13. コンピューター読み取り可能媒体であって、以下:
    (a)複数のHomo sapiens反応物に複数のHomo sapiens反応を関連づけるデータ構造であって、ここで、該Homo sapiens反応の各々は、該反応の基質として同定された反応物、該反応の産物として同定された反応物、ならびに該基質および該産物に関連する化学量論係数を含み、ここで、該Homo sapiens反応のうち少なくとも1つは、調節反応である、データ構造;
    (b)該複数のHomo sapiens反応についての束縛セットであって、該束縛セットは、該調節反応についての可変束縛を含む、束縛セット;および
    (c)少なくとも1つの流束分布を決定するためのコマンドであって、該束縛セットが該データ表現に適用される場合に、目的関数を最小にするかまたは最大にし、ここで該少なくとも1つの流束分布が、Homo sapiens生理学的機能を予測可能である、コマンド、
    を含む、媒体。
  14. 前記可変束縛が、前記データ構造のうちの少なくとも1つの反応の結果に依存する、請求項13に記載のコンピューター読み取り可能媒体。
  15. 前記可変束縛が、調節性現象の結果に依存する、請求項13に記載のコンピューター読み取り可能媒体。
  16. 前記可変束縛が、時間に依存する、請求項13に記載のコンピューター読み取り可能媒体。
  17. 前記可変束縛が、生化学反応ネットワーク関連物の存在に依存する、請求項13に記載のコンピューター読み取り可能媒体。
  18. 前記生化学反応ネットワーク関連物が、基質、産物、反応、タンパク質、高分子、酵素および遺伝子からなる群から選択される、請求項17に記載のコンピューター読み取り可能媒体。
  19. 複数の前記反応が、調節反応であり、該調節反応の束縛が、可変束縛を含む、請求項13に記載のコンピューター読み取り可能媒体。
  20. コンピューター読み取り可能媒体であって、以下:
    (a)複数のHomo sapiens反応に複数のHomo sapiens反応物を関連づけるデータ構造であって、ここで、該Homo sapiens反応の各々は、該反応の基質として同定された反応物、該反応の産物として同定された反応物、ならびに該基質および該産物に関連する化学量論係数を含む、データ構造;
    (b)該複数のHomo sapiens反応についての束縛セット;および
    (c)少なくとも1つの流束分布を決定するためのコマンドであって、該束縛セットが該データ表現に適用される場合に、目的関数を最小にするかまたは最大にし、ここで該少なくとも1つの流束分布が、Homo sapiens生理学的機能を予測可能である、コマンド、
    を含む、媒体。
  21. Homo sapiens生理学的機能を予測する方法であって、該方法は、以下:
    (a)複数のHomo sapiens反応物に複数のHomo sapiens反応を関連づけるデータ構造を提供する工程であって、ここで、該Homo sapiens反応の各々は、該反応の基質として同定された反応物、該反応の産物として同定された反応物、ならびに該基質および該産物に関連する化学量論係数を含み、ここで、該Homo sapiens反応のうち少なくとも1つは、注釈されて関連の遺伝子を示す、工程;
    (b)該複数のHomo sapiens反応についての束縛セットを提供する工程;
    (c)目的関数を提供する工程;および
    (d)少なくとも1つの流束分布を決定する工程であって、該束縛セットが該データ表現に適用される場合に、これにより、該遺伝子に関するHomo sapiens生理学的機能を予測する工程、
    を包含する、方法。
  22. 前記複数のHomo sapiens反応が、抹消代謝経路からの少なくとも1つの反応を含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記抹消代謝経路が、アミノ酸生合成プロセス、アミノ酸分解プロセス、プリン生合成プロセス、ピリミジン生合成プロセス、脂質生合成プロセス、脂肪酸代謝プロセス、コファクター生合成プロセスおよびコファクター輸送プロセスからなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
  24. 前記Homo sapiens生理学的機能が、増殖、エネルギー産生、酸化還元等価物産生、バイオマス産生、バイオマス前駆体の産生、タンパク質の産生、アミノ酸の産生、プリンの産生、ピリミジンの産生、脂質の産生、脂肪酸の産生、コファクターの産生、代謝物の輸送、ならびに炭素、窒素、硫黄、リン酸、水素および酸素の消費からなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
  25. 前記Homo sapiens生理学的機能が、解糖、TCA回路、ペントースリン酸経路、呼吸作用、アミノ酸の生合成、アミノ酸の分解、プリンの生合成、ピリミジンの生合成、脂質の生合成、脂肪酸の代謝、コファクターの生合成、代謝物の輸送および炭素供給源、窒素供給源、酸素供給源、リン酸供給源、水素供給源または硫黄供給源の代謝からなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
  26. 前記データ構造が、線形代数方程式のセットを含む、請求項21に記載の方法。
  27. 前記データ構造が、行列を含む、請求項21に記載の方法。
  28. 前記流束分布が、線形プログラムによって決定される、請求項21に記載の方法。
  29. 請求項21に記載の方法であって、該方法は、以下:
    (e)改変データ構造を提供する工程であって、該改変データ構造は、工程(a)の前記データ構造と比較して少なくとも1つの追加の反応を含む、工程、および
    (f)少なくとも1つの流束分布を決定する方法であって、該流束分布は、前記束縛セットが該改変データ構造に適用される場合、前記目的関数を最小化または最大化し、それにより、Homo sapiens生理学的機能を予測する、工程、
    を、包含する、方法。
  30. 前記少なくとも1つの追加の反応における少なくとも1つの関連物を同定する工程をさらに包含する、請求項29に記載の方法。
  31. 少なくとも1つの関連物を同定する前記工程が、Homo sapiensタンパク質を前記少なくとも1つの反応と関連付けることを包含する、請求項30に記載の方法。
  32. 前記タンパク質をコードする少なくとも1つの遺伝子を同定する工程をさらに包含する、請求項31に記載の方法。
  33. 前記少なくとも1つの関連物の活性または量を変える少なくとも1つの化合物を同定し、それにより、Homo sapiens生理学的機能を変える候補薬物または候補薬剤を同定する工程をさらに包含する、請求項30に記載の方法。
  34. 請求項21に記載の方法であって、該方法は、以下:
    (e)改変データ構造を提供する工程であって、該改変データ構造は、工程(a)の前記データ構造と比較して少なくとも1つの反応を欠く工程、および
    (f)少なくとも1つの流束分布を決定する方法であって、該流束分布は、前記束縛セットが該改変データ構造に適用される場合、前記目的関数を最小化または最大化し、それにより、Homo sapiens生理学的機能を予測する、工程、
    を、さらに包含する、方法。
  35. 前記少なくとも1つの反応において、少なくとも1つの関連物を同定する工程をさらに包含する、請求項34に記載の方法。
  36. 少なくとも1つの関連物を同定する前記工程が、Homo sapiensタンパク質を前記少なくとも1つの反応と関連付けることを包含する、請求項35に記載の方法。
  37. 前記少なくとも1つの反応を行うタンパク質をコードする少なくとも1つの遺伝子を同定する工程をさらに包含する、請求項36に記載の方法。
  38. 前記少なくとも1つの関連物の活性または量を変える少なくとも1つの化合物を同定し、それにより、Homo sapiens生理学的機能を変える候補薬物または候補薬剤を同定する工程をさらに包含する、請求項35に記載の方法。
  39. 請求項21に記載の方法であって、該方法は、以下:
    (e)改変束縛セットを提供する工程であって、該改変束縛セットは、工程(a)の前記データ構造における前記少なくとも1つの反応についての前記束縛と比較して少なくとも1つの変化した束縛を含む工程、および
    (f)少なくとも1つの流束分布を決定する方法であって、該流束分布は、該改変束縛セットが該データ構造に適用される場合、前記目的関数を最小化または最大化し、それにより、Homo sapiens生理学的機能を予測する、工程、
    を、さらに包含する、方法。
  40. 前記少なくとも1つの反応において、少なくとも1つの関連物を同定する工程をさらに包含する、請求項39に記載の方法。
  41. 少なくとも1つの関連物を同定する前記工程が、Homo sapiensタンパク質を前記少なくとも1つの反応と関連付けることを包含する、請求項40に記載の方法。
  42. 前記少なくとも1つの反応を行う前記タンパク質をコードする少なくとも1つの遺伝子を同定する工程をさらに包含する、請求項41に記載の方法。
  43. 前記少なくとも1つの関連物の活性または量を変える少なくとも1つの化合物を同定し、それにより、Homo sapiens生理学的機能を変える候補薬物または候補薬剤を同定する工程をさらに包含する、請求項40に記載の方法。
  44. 前記データ構造における1つ以上の反応を、Homo sapiensにおける、1つ以上の遺伝子または1つ以上のタンパク質と関連付ける遺伝子データベースを提供する工程をさらに包含する、請求項21に記載の方法。
  45. Homo sapiens生理学的機能を予測する方法であって、該方法は、以下:
    (a)複数のHomo sapiens反応に複数のHomo sapiens反応物を関連づけるデータ構造を提供する工程であって、ここで、該Homo sapiens反応の各々は、該反応の基質として同定された反応物、該反応の産物として同定された反応物、ならびに該基質および該産物に関連する化学量論係数を含み、ここで、該Homo sapiens反応のうち少なくとも1つは、調節反応である、工程;
    (b)該複数のHomo sapiens反応についての束縛セットを提供する工程であって、該束縛セットは、該調節反応についての可変束縛を含む、工程;
    (c)該可変束縛に対し、条件依存的な値を提供する工程;
    (d)目的関数を提供する工程、および
    (e)少なくとも1つの流束分布を決定する工程であって、該束縛セットが該データ表現に適用される場合に、目的関数を最小にするかまたは最大にし、それにより、Homo sapiens生理学的機能を予測する、工程、
    を包含する、方法。
  46. 前記可変束縛に提供された前記値が、前記データ構造における少なくとも1つの反応の結果に応じて変化する、請求項45に記載の方法。
  47. 前記可変束縛に提供された値が、調節性現象の結果に応じて変化する、請求項45に記載の方法。
  48. 前記可変束縛に提供された前記値が、時間に応じて変化する、請求項45に記載の方法。
  49. 前記可変束縛に提供された前記値が、生化学反応ネットワーク関連物の存在に応じて変化する、請求項45に記載の方法。
  50. 前記関連物が、基質、産物、反応、タンパク質、高分子、酵素および遺伝子からなる群から選択される、請求項49に記載の方法。
  51. 複数の前記反応が、調節反応であり、該調節反応の束縛が、可変束縛を含む、請求項45に記載の方法。
  52. Homo sapiens増殖機能を予測する方法であって、該方法は、以下:
    (a)複数のHomo sapiens骨格筋細胞反応物を複数のHomo sapiens骨格筋細胞反応に関連づけるデータ構造を提供する工程であって、ここで、該Homo sapiens反応の各々は、該反応の基質として同定された反応物、該反応の産物として同定された反応物、ならびに該基質および該産物に関連する化学量論係数を含む、工程;
    (b)該複数のHomo sapiens反応についての束縛セットを提供する工程;
    (c)目的関数を提供する工程、および
    (d)少なくとも1つの流束分布を決定する工程であって、該束縛セットが該データ表現に適用される場合に、目的関数を最小にするかまたは最大にし、それにより、Homo sapiens生理学的機能を予測する、工程、
    を包含する、方法。
  53. コンピューター読み取り可能媒体において、複数のHomo sapiens反応物を複数のHomo sapiens反応に関連づけるデータ構造を生成する方法であって、該方法は、以下:
    (a)複数のHomo sapiens反応ならびに該Homo sapiens反応物の基質および産物である複数のHomo sapiens反応物を同定する工程;
    (b)データ構造において、該複数のHomo sapiens反応物を、該複数のHomo sapiens反応に関連付ける工程であって、ここで、該Homo sapiens反応の各々は、該反応の基質として同定された反応物、該反応の産物として同定された反応物、ならびに該基質および該産物に関連する化学量論係数を含む、工程;
    (c)該複数のHomo sapiens反応についての束縛セットを決定する工程;
    (d)目的関数を提供する工程;
    (e)少なくとも1つの流束分布を決定する工程であって、該束縛セットが該データ表現に適用される場合に、目的関数を最小にするかまたは最大にする、工程、および
    (f)該少なくとも1つの流束分布がHomo sapiens生理学的機能を予測不能である場合、該データ構造から反応を追加するかまたは反応を削除し、工程(e)を繰り返し、該少なくとも1つの流束分布がHomo sapiens生理学的機能を予測可能である場合、該データ構造をコンピューター読み取り可能媒体に保存する、工程、
    を、包含する、方法。
  54. 前記データ構造が、注釈されたゲノムから同定される、請求項53に記載の方法。
  55. 遺伝子データベース内の注釈されたゲノムから同定される前記反応を、保存する工程をさらに包含する、請求項54に記載の方法。
  56. 前記データ構造中の反応を注釈する工程をさらに包含する、請求項53に記載の方法。
  57. 前記注釈が、遺伝子の代入、タンパク質の代入、サブシステムの代入、信頼等級の代入、ゲノム注釈情報への参照、刊行物への言及からなる群から選択される、請求項56に記載の方法。
  58. 工程(b)が、前記データ構造中の非平衡反応を同定する工程、および該データ構造に反応を追加し、それにより、該非平衡反応を平衡反応に変化させる工程をさらに包含する、請求項53に記載の方法。
  59. 前記反応を追加する工程が、システム内反応、交換反応、抹消代謝経路からの反応、コア代謝経路からの反応、遺伝子関連反応および非遺伝子関連反応からなる群から選択される反応の追加を含む、請求項53に記載の方法。
  60. 前記抹消代謝経路からの反応が、アミノ酸生合成プロセス、アミノ酸分解プロセス、プリン生合成プロセス、ピリミジン生合成プロセス、脂質生合成プロセス、脂肪酸代謝プロセス、コファクター生合成プロセスおよびコファクター輸送プロセスからなる群から選択される、請求項59に記載の方法。
  61. 前記Homo sapiens生理学的機能が、増殖、エネルギー産生、酸化還元等価物産生、バイオマス産生、バイオマス前駆体の産生、タンパク質の産生、アミノ酸の産生、プリンの産生、ピリミジンの産生、脂質の産生、脂肪酸の産生、コファクターの産生、代謝物の輸送、ならびに炭素、窒素、硫黄、リン酸、水素および酸素の消費からなる群から選択される、請求項53に記載の方法。
  62. 前記Homo sapiens生理学的機能が、タンパク質の分解、アミノ酸の分解、プリンの分解、ピリミジンの分解、脂質の分解、脂肪酸の分解およびコファクターの分解からなる群から選択される、請求項53に記載の方法。
  63. 前記データ構造が、線形代数方程式のセットを含む、請求項53に記載の方法。
  64. 前記データ構造が、行列を含む、請求項53に記載の方法。
  65. 前記流束分布が、線形プログラムによって決定される、請求項53に記載の方法。
  66. 複数のHomo sapiens反応物を、複数のHomo sapiens反応に関連づけるデータ構造であって、該データ構造は、以下:
    (a)複数のHomo sapiens反応ならびに該Homo sapiens反応物の基質および産物である複数のHomo sapiens反応物を同定する工程;
    (b)データ構造において、該複数のHomo sapiens反応物を、該複数のHomo sapiens反応に関連付ける工程であって、ここで、該Homo sapiens反応の各々は、該反応の基質として同定された反応物、該反応の産物として同定された反応物、ならびに該基質および該産物に関連する化学量論係数を含む、工程;
    (c)該複数のHomo sapiens反応についての束縛セットを決定する工程;
    (d)目的関数を提供する工程;
    (e)少なくとも1つの流束分布を決定する工程であって、該束縛セットが該データ表現に適用される場合に、目的関数を最小にするかまたは最大にする、工程、および
    (f)該少なくとも1つの流束分布がHomo sapiens生理学的機能を予測不能である場合、該データ構造から反応を追加するかまたは反応を削除し、工程(e)を繰り返し、該少なくとも1つの流束分布がHomo sapiens生理学的機能を予測可能である場合、該データ構造をコンピューター読み取り可能媒体に保存する、工程、
    を、包含するプロセスによって生成される、データ構造。
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