JP2005519605A - ウイルスの回収 - Google Patents

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Abstract

電気泳動により不要成分の混合物を含有するサンプルから所望のウイルス型を回収する方法であって、第一サンプル区画および第二サンプル区画の間に配置されたイオン透過性分離壁を含む電気泳動装置の第一サンプル区画にサンプルを置くこと;第一および第二サンプルに渡って電位をかけることであって、それにより所望のウイルス型が分離壁を介して移動するか、不要成分が分離壁を介して移動し、所望のウイルス型の少なくとも一部が分離壁の一方に位置し、不要成分が分離壁のもう一方に位置すること;および所望のウイルス型の所望量が分離壁の一方に位置するまで、工程(b)を継続すること、を含む方法。

Description

発明の詳細な説明
(技術分野)
本発明は、ウイルスの回収、分離、および精製、特にそれらの混合物からのウイルスの回収の方法に関する。
(背景技術)
ウイルスは、ワクチン、ウイルス療法、組換えベクター、殺菌剤、および検査試薬を含む、多くの用途に有用である。現在では、ウイルスは、複製に適当な細胞で培養され、限外濾過、ナノ濾過、超遠心分離、濃度勾配遠心分離、およびカラムクロマトグラフィーのような技術により精製される。これらの伝統的方法では、実質的に純粋な、または変性していない状態で、ウイルスを迅速に、または効率的に得ることができない。慣用的方法により精製されたウイルスは、培地または細胞源から持ち越された生物学的物質により汚染されていることが多い。そのような汚染は、ワクチン、または他の医学あるいは獣医学での使用の際に問題となりうる。さらに、種々の型のウイルスの混合物を慣用的方法により分離するのは困難であり得る。また、複数の工程により、回収率は低くなり、感染性を失うかもしれない。効率的かつ効果的にウイルスを分離、または精製できる方法が要求される。
膜電気泳動は、本来、蛋白、ヌクレオチド、および複合糖質のような高分子の分離のために開発された、新しい技術である。高分子の分離のために本来開発されたこの独特な分取性電気泳動技術は、電場または電位をポリアクリルアミド膜を横切るようにかけ、該膜を通過させる、平行流を利用する。該システムの一般的な設計により、自然に近い条件下での、蛋白および他の高分子の精製が容易になる。これにより、さらに高い収率および優れた純度が得られる。該方法は、現行の高分子分離法よりも速く、安く、高収率である、高純度で大規模な分離を提供する。さらに、該技術は、高分子溶液を同時に精製、除染する可能性を提供する。現在では、膜電気泳動は、高分子より大きい実質を処理するのに制限があるため、ウイルス、微生物、または細胞のような大きい実質を、実際に回収、分離、または処理するのに適当でないと考えられている。
本発明者は、この度、複合混合物からウイルスを分離または精製するのに、膜電気泳動技術を適合、または修飾できるということを見出した。
(発明の開示)
第一の態様では、本発明は、電気泳動操作により、不要成分の混合物を含有するサンプルから、所望のウイルス型を回収する方法であって、
(a)第一サンプル区画および第二サンプル区画の間に配置されたイオン透過性分離壁を含む電気泳動装置の第一サンプル区画にサンプルを置き;
(b)第一および第二サンプル区画を横切るように電位をかけ、それにより所望のウイルス型を分離壁を通って移動させるか、または不要成分を分離壁を通って移動させ、所望のウイルス型の少なくとも一部を分離壁の一方に位置させ、不要成分を分離壁のもう一方に位置させ;および
(c)所望のウイルス型の要求量が分離壁の一方に位置するまで、工程(b)を維持する、ことを含む方法を提供する。
好ましくは、分離壁の一方に位置する所望のウイルス型の少なくとも約50パーセントは、回収後、生存可能であるか、または実質的に変化しないままである。
好ましくは、電気泳動装置は、第一電解質区画、第二電解質区画、第一電解質区画と第二電解質区画の間に配置された第一サンプル区画、第一サンプル区画に隣接し、第一電解質区画および第二電解質区画の間に配置された、第二サンプル区画、第一サンプル区画および第二サンプル区画の間に配置され、イオン透過性分離壁である、第一イオン透過性壁;第一電解質区画および第一サンプル区画の間に配置され、第一電解質区画および第一サンプル区画の内容物の実質的な対流混合を防ぐ、第二イオン透過性壁;第二サンプル区画および第二電解質区画の間に配置され、第二電解質区画および第二サンプル区画の内容物の実質的な対流混合を防ぐ、第三イオン透過性壁;および、第一および第二電解質区画に配置された電極、を含む。
一の形態では、該方法は、さらに、
(d)好ましくは、実質的に不要成分のない、所望のウイルス型を回収することを含む。
好ましくは、少なくとも一つのウイルス型は、パルボウイルス、ピコルナウイルス、パラミクソウイルス、オルソミクソウイルス、およびフラビウイルス、からなる群より選択される。
一の好ましい形態では、サンプルは、少なくとも二つのウイルス型を含有する。ウイルス型は、同じウイルス種に由来するが、例えば弱毒状態のような異なる特徴を有するか、または異なるウイルス種でありうる。
サンプルは、三つまたはそれ以上のウイルス型を含んでよく、所望のウイルス型は、少なくとも二つの他のウイルス型から分離される。
一の形態において、本発明は、サンプルから非ウイルス成分を除去でき、それにより、サンプルのストリームにある、分離したウイルス型を提供する。別法として、所望のウイルス型を、第一イオン透過性壁を介して第二サンプルのストリームに移動させ、他のウイルス型および非ウイルス汚染物質を、第一サンプルのストリームに実質的に残すことができる。サンプルを第二サンプル区画および第二サンプルのストリームに供給でき、ウイルスまたは汚染物質を第一サンプルのストリームに移動させることができる、ということがわかるだろう。
別の形態では、所望のウイルス型、または他のウイルス型に追加の分子を結合させ、それらの電荷または大きさを変化させてよく、それにより、それらを、それらが現在あるサンプルのストリームに実質的に残すか、または第一イオン透過性壁を介して第二サンプルのストリームに移動させることができる。
好ましい形態では、電解質貯蔵器からの電解質は、電解質のストリームを形成しながら、電解質区画を介して循環する。
別の好ましい形態では、第一または第二サンプル貯蔵器の内容物は、第一または第二サンプル区画を介して第一または第二サンプルのストリームを形成しながら、第一または第二サンプル区画を介して循環する。
別の好ましい形態では、第一および第二サンプル貯蔵器の両方の内容物は、第一および第二サンプル区画を介して第一および第二サンプルのストリームを形成しながら、第一および第二サンプル区画を介して循環する。
別の好ましい形態では、第一または第二サンプル貯蔵器のサンプルまたは液体は、除去され、新しいサンプルまたは液体と置換される。
好ましくは、所望のウイルス型、他のウイルス型、または非ウイルス物質の少なくとも一つの、実質的に全ての経壁移動は、電位をかけることで起こる。
別の好ましい形態では、少なくとも一つのウイルス型が、第一または第二サンプル区画、あるいは第一または第二サンプル貯蔵器で所望の純度に到達するまで、電極間に電位をかける工程は維持される。
一の形態では、第一イオン透過性壁は、特徴的な平均孔径および孔径分布を有する電気泳動膜である。別の形態では、全てのイオン透過性壁は、特徴的な平均孔径および孔径分布を有する膜である。装置の該形態は、電荷および/または大きさに基づいてサンプル成分を分離するのに適当である。
電気泳動分離膜は、好ましくは、ポリアクリルアミドから作られ、少なくとも約5キロダルトンの分子量を遮断する。膜の分子量遮断は、処理されるサンプル、サンプル混合物の他の分子または成分、および実施される分離の型によるだろう。第二および第三壁は、好ましくは、第一膜のそれより小さい分子量を遮断する制限膜である。制限膜も、好ましくは、ポリアクリルアミドから形成される。制限膜の分子量遮断は、処理されるサンプル、サンプル混合物の他の分子または成分、および実施される分離の型によるだろう。第二イオン透過性壁は第三イオン透過性壁と異なる分子量を遮断してもよい、ということがわかるだろう。
別の形態では、第一イオン透過性壁は、特有のpH値を有する等電膜である。好ましくは、等電膜は、約2〜12の範囲のpH値を有する。
別の形態では、第二および第三イオン透過性壁は、特徴的な平均孔径および孔径分布を有する膜である。
別の形態では、第二または第三イオン透過性壁の少なくとも一つは、特有のpH値を有する等電膜である。好ましくは、少なくとも一つの等電膜は、約2〜12の範囲のpH値を有する。
別の形態では、第二および第三イオン透過性壁の両方は、それぞれが特有のpH値を有する等電膜である。好ましくは、等電膜は、約2〜12の範囲のpH値を有する。第二および第三イオン透過性壁が等電膜である場合、膜は同じ、または異なる特有のpH値を有しうる。
等電膜は、好ましくは、固定ポリアクリルアミド膜である。しかし、他の等電膜も本発明に適当である、ということがわかるだろう。
アクリルアミド、N,N−メチレンビスアクリルアミド、および2〜12の範囲のpH値で、選択された大きさの成分の経膜輸送を容易にするか、または実質的に妨げる平均孔径の、等電膜を産生する弱電解質の適当なアクリルアミド誘導体を共重合することにより、適当な等電膜を生成できる。
一の好ましい形態では、工程(g)は、電極間に電位をかけ、第一イオン透過性壁を介して、第一または第二サンプル区画の少なくとも一つのウイルス型を、第一または第二サンプル区画のもう一方に移動させることであって、少なくとも一つのウイルス型の少なくとも約50パーセントは、回収後、生存可能であるか、実質的に変化しないままであることである。
好ましくは、少なくとも約60パーセント、より好ましくは、少なくとも約70パーセント、さらに好ましくは、少なくとも約80パーセント、または少なくとも一つのウイルス型の約90パーセントまでは、回収後、生存可能であるか、実質的に変化しないままである。
本発明は、選択された活性ウイルス型の少なくとも50パーセントの回収率をもたらし得る。好ましくは、回収率はさらに高く、70パーセント程度またはそれ以上である。
ウイルスが細胞型または動物への感染性を失っていない場合(非弱毒または生きたウイルスを含む)、または、その抗原性、血清学的性質、あるいは物理的性質が実質的に変化または変性していない場合(非弱毒、変性、弱毒、不活性、または死んだウイルスを含む)、ウイルスは、回収後、生存可能であるか、または実質的に変化しないままである。
便宜上、本明細書では、第一サンプル区画をストリーム1と呼び、第二サンプル区画をストリーム2と呼ぶ。
第二の態様では、本発明は、本発明の第一の態様に記載の方法により得られる、実質的に単離した形態のウイルス型を提供する。
第三の態様では、本発明は、所望のウイルス型の少なくとも約50パーセントが、回収、分離、または精製後、生存可能であるか、または実質的に変化しないままである、所望のウイルス型の回収、分離、または精製での、第一サンプル区画および第二サンプル区画の間に配置されたイオン透過性分離壁を含む膜電気泳動装置の使用を提供する。
好ましくは、膜電気泳動装置は、特有のpH値を有する少なくとも一つの等電膜を含む。好ましくは、少なくとも一つの等電膜は、約2〜12の範囲のpH値を有する。
膜電気泳動を使用して実質的にウイルス不含の化合物を生成するために、電気泳動を使用してウイルス汚染物質から有用な化合物を分離することも可能であったが、本発明の以前に、汚染した不要化合物または他のウイルス型から実質的に単離したウイルス試料を得ることはできなかった。さらに、本発明者は、分離したウイルスが実質的に不活性化または変性しない方法を開発した。
GraliflowTMは、膜電気泳動装置に関するグラディポア・リミテッド(Gralipore Limited)(オーストラリア)の登録商標である。
本明細書を通して、特記しない限り、「含む」なる語、または「含んでいる」のような語尾変化したものは、定まった要素、整数または工程、あるいは一群の要素、整数または工程を含むが、他の要素、整数または工程、あるいは一群の要素、整数または工程を排除するわけではない。
本明細書に記載の書類、行為、物質、装置、製品などのいずれの議論も、本発明に文脈を提供するためだけに用いられるものである。これらの事項はその一部またはすべてが本願の各請求項の優先日よりも以前に豪州に存在していたので、それらは従来技術の基礎の一部を形成するか、または本発明に関係する分野で共通の一般的知識であった、と受け取るべきではない。
本発明がより明確に理解されるように、好ましい形態を以下の図および例に関連して記載する。
(図面の簡単な説明)
図1は本発明に従ってなされたウイルス精製中の蛋白汚染物質の移動を示すSDS−PAGE分析であって、アルブミンおよびトランスフェリンの移動(可視可能な主要バンド)を示す。レーン1:MWマーカー;レーン2:0分でのS1(細胞培地のPPV);レーン3:120分でのS1(汚染物質減損PPV);レーン4:0分でのS2;レーン5:120分でのS2。
図2はネステッドPCRによるサンプルの終点滴定により定量されたPPVレベルの結果を示す。レーン1:DNAマーカー;レーン2〜9:0分でのS1の終点滴定;レーン10〜18:120分でのS1の終点滴定;レーン19〜26:120分でのS2の終点滴定。
(発明を実施するための最良の形態)
好ましい具体例を詳細に記載する前に、膜電気始動装置の操作の原理を初めに記載しよう。溶液中のイオンにかけられた電場または電位により、イオンは電極の一つに向かって移動する。イオンが正の電荷を有する場合、負の電極(陰極)に向かって移動するだろう。逆に、負に荷電したイオンは、正の電極(陽極)に向かって移動するだろう。
本発明で使用される装置では、装置またはユニットの隣接する区画間での実質的な対流混合を防ぐイオン透過性壁が電場に置かれ、サンプルの成分がイオン透過性壁を介して選択的に輸送される。使用される個々のイオン透過性壁は異なる用途で変わるであろうし、一般に異なる成分の通過を許すか、または実質的に妨げる、特徴的な平均孔径および孔径分布および/または等電点を有する。
本明細書は、膜電気泳動システムを使用して成分の混合物から所望のウイルス型を回収または分離する方法を提供する。本明細書は、膜電気泳動分離システムを使用して、二つまたはそれ以上の型のウイルスの混合物から少なくとも一つの所望の型のウイルスを回収または分離する方法も提供する。該方法では、分離した所望のウイルス型の少なくとも50パーセントは、電気泳動後、実質的に変性していない。
一の態様では、電気泳動により、不要成分の混合物から所望のウイルス型を回収する方法は、第一サンプル区画および第二サンプル区画の間に配置された分離壁を含む電気泳動装置の第一サンプル区画に混合物を置く。第一および第二サンプル区画に渡って電位をかけることで、不要成分から所望のウイルス型が分離される。所望のウイルス型が分離壁を介して移動するか、不要成分が分離壁を介して移動する。所望のウイルス型の少なくとも一部は分離壁の一方に位置し、不要成分は分離壁のもう一方に位置する。分離壁の一方に位置する所望のウイルス型の少なくとも約50パーセントは、分離後、生存可能であるか、または実質的に変化しないままである。
別の態様では、二つまたはそれ以上のウイルス型の混合物から少なくとも一つの所望のウイルス型を回収する方法は、第一サンプル区画および第二サンプル区画の間に位置する分離壁を含有する電気泳動装置の第一サンプル区画に、ウイルス型の混合物を置く。第一および第二サンプル区画に渡って電位をかけることで、分離壁の一方の所望のウイルス型の少なくとも一部は分離されるが、不要成分およびウイルス型は、分離壁のもう一方に位置する。所望のウイルス型の要求量が分離壁の一方に位置するまで、電位をかける。少なくとも一つのウイルス型は、分離壁を介して移動する。分離壁の一方に位置する所望のウイルス型のおよそ50パーセント、またはそれ以上は、分離後、生存可能であるか、または実質的に変化しないままである。
(装置)
多くの膜電気泳動装置は、グラディポア・リミテッド(オーストラリア)により、または当該企業と共同して開発されてきた。装置は、GradiflowTMという名前で市販され、使用されている。簡単には、装置は、典型的には、少なくとも二つの区画を形成する多くの膜を収容するカートリッジ、適当な電源につないだそれぞれの電極区画の陰極および陽極、サンプル、緩衝液、および電解質の貯蔵器、サンプル、緩衝液、および電解質を通過させるポンプ、および電気泳動中にサンプル、緩衝液、および電解質を要求される温度で維持するための冷却手段を含む。カートリッジは、サンプルまたは溶液が通過できる二つの区画を形成するために、互いに関連して配置され、間隔をあけた、少なくとも三つの実質的に二次元の膜を含有する。分離膜は、二つの外側の膜(それらの分子量遮断は分離膜の遮断よりも普通小さいので、制限膜と呼ばれる)の間に配置される。カートリッジを装置に取り付ける場合、制限膜は電極に隣接して位置する。カートリッジは、AU738361に記載される。膜電気泳動の記載は、グラディポア・リミテッドの名称でなされた米国特許第5039386号および米国特許第5650055号に見出すことができ、その内容を出典を明示することによって本明細書の一部とする。等電分離応用例での使用に特に適当な装置は、ザ・テキサス・A&M・ユニバーシティ・システム(the Texas A&M University System)およびグラディポア・リミテッドの名称でなされたWO02/24314に見出すことができ、その内容を出典を明示することによって本明細書の一部とする。
本発明に適当な電気泳動装置は、分離壁または膜により分離される二つのサンプル区画を含有する。壁または膜に渡って電位をかけることで、壁または膜を介して他のサンプル区画に、少なくとも一つの区画のウイルスおよび/または成分を移動させることができる。
本発明での使用に適当な一つの電気泳動装置は、
(a)電解質貯蔵器;
(b)第一サンプル貯蔵器および第二サンプル貯蔵器;
(c)電解質貯蔵器と流体連絡する第一電解質区画を有する分離ユニット、電解質貯蔵器と流体連絡する第二電解質区画、第一電解質区画および第二電解質区画の間に配置された第一サンプル区画、第一サンプル区画に隣接し、第一電解質区画および第二電解質区画の間に配置された第二サンプル区画であって、第一サンプル区画は第一サンプル貯蔵器と流体連絡し、第二サンプル区画は第二サンプル貯蔵器と流体連絡するもの;
(d)第一サンプル区画および第二サンプル区画の間に配置され、第一および第二サンプル区画の内容物の実質的な対流混合を防ぐ、第一イオン透過性壁;
(e)第一電解質区画および第一サンプル区画の間に配置され、第一電解質区画および第一サンプル区画の内容物の実質的な対流混合を防ぐ、第二イオン透過性壁;
(f)第二サンプル区画および第二電解質区画の間に配置され、第二電解質区画および第二サンプル区画の内容物の実質的な対流混合を防ぐ、第三イオン透過性壁;
(g)第一および第二電解質区画に配置された電極;
(h)電解質貯蔵器から、第一電解質区画および第二電解質区画に電解質を供給する手段;
(i)少なくとも第一サンプル貯蔵器から第一サンプル区画に、または第二サンプル貯蔵器から第二サンプル区画に、サンプルまたは液体を供給する手段:
を含む。
本発明に適当な別の電気泳動装置は、
(a)第一電解質貯蔵器および第二電解質貯蔵器;
(b)第一サンプル貯蔵器および第二サンプル貯蔵器;
(c)第一電解質貯蔵器と流体連絡する第一電解質区画を有する分離ユニット、第二電解質貯蔵器と流体連絡する第二電解質区画、第一電解質区画および第二電解質区画の間に配置された第一サンプル区画、第一サンプル区画に隣接し、第一電解質区画および第二電解質区画の間に配置された第二サンプル区画であって、第一サンプル区画は第一サンプル貯蔵器と流体連絡し、第二サンプル区画は第二サンプル貯蔵器と流体連絡するもの;
(d)第一サンプル区画および第二サンプル区画の間に配置され、第一および第二サンプル区画の内容物の実質的な対流混合を防ぐ、第一イオン透過性壁;
(e)第一電解質区画および第一サンプル区画の間に配置され、第一電解質区画および第一サンプル区画の内容物の実質的な対流混合を防ぐ、第二イオン透過性壁;
(f)第二サンプル区画および第二電解質区画の間に配置され、第二電解質区画および第二サンプル区画の内容物の実質的な対流混合を防ぐ、第三イオン透過性壁;
(g)第一および第二電解質区画に配置された電極;
(h)第一電解質貯蔵器から第一電解質区画に、および第二電解質貯蔵器から第二電解質区画に、電解質を供給する手段;
(i)少なくとも第一サンプル貯蔵器から第一サンプル区画に、または第二サンプル貯蔵器から第二サンプル区画に、サンプルまたは液体を供給する手段:
を含む。
一の形態では、第一イオン透過性壁は、特徴的な平均孔径および孔径分布を有する膜である。一の形態では、全てのイオン透過性壁は、特徴的な平均孔径および孔径分布を有する膜である。装置の該形態は、電荷および/または大きさに基づいて化合物を分離するのに適当である。
別の形態では、第一イオン透過性壁は、特有のpH値を有する等電膜である。好ましくは、等電膜は、約2〜12の範囲のpH値を有する。
別の形態では、第二および第三イオン透過性壁は、特徴的な平均孔径および孔径分布を有する膜である。
別の形態では、第二または第三イオン透過性壁の少なくとも一つは、特有のpH値を有する等電膜である。好ましくは、少なくとも一つの等電膜は、約2〜12の範囲のpH値を有する。
別の形態では、第二および第三イオン透過性壁の両方は、それぞれが特有のpH値を有する等電膜である。好ましくは、等電膜は、約2〜12の範囲のpH値を有する。第二および第三イオン透過性壁が等電膜である場合、膜は、同じ、または異なる特有のpH値を有しうる。
等電膜は、好ましくは、固定ポリアクリルアミド膜である。しかし、他の等電膜も本発明に適当である、ということがわかるだろう。
アクリルアミド、N,N´‐メチレンビスアクリルアミド、および2〜12の範囲のpH値で、選択された大きさの成分の経膜輸送を容易にするか、または実質的に妨げる平均孔径の、等電膜を産生する弱電解質の適当なアクリルアミド誘導体を共重合することにより、適当な等電膜を生成できる。
装置は、さらに、
それぞれの電解質区画で第一および第二電解質のストリームを形成しながら、それぞれの第一および第二電解質区画を介して、第一および第二電解質貯蔵器からの電解質を循環させる手段;および
それぞれのサンプル区画で第一および第二サンプルのストリームを形成しながら、それぞれの第一および第二サンプル区画を介して、第一および第二サンプル貯蔵器からの内容物を循環させる手段;
第一または第二サンプル貯蔵器のサンプルを除去し、置換する手段;
電解質およびサンプル溶液の温度を維持する手段:
の一つまたはそれ以上を含む。
一の形態では、電解質貯蔵器およびサンプル貯蔵器に流動的に結合したカートリッジまたはカセットとして、分離ユニットは提供される。
使用の際、処理されるサンプルは第一および/または第二サンプル貯蔵器に置かれ、第一および/または第二サンプル区画に提供されるか、またはそれらを介して循環する。電解質は第一および第二電解質貯蔵器に置かれ、二つの電解質貯蔵器の電解質間で実質的な混合を起こさずに、それぞれの第一および第二電解質区画に送られるか、またはそれらを介して循環する。必要ならば、電解質または他の液体を第一および/または第二サンプル貯蔵器に置ける。電極に電位がかけられ、第一および/または第二サンプル区画の一つまたはそれ以上の成分が、拡散壁を介して、第二および/または第一サンプル区画、または第一および/または第二貯蔵器区画に移動する。処理したサンプルまたは生成物を第二および/または第一サンプル貯蔵器に集めることができる。
(方法)
本発明は、電気泳動により、化合物および他のウイルス型のような不要成分を含有するサンプルから、所望のウイルス型を回収する方法を提供する。一の具体例では、該方法は、二つの異なるウイルス型のみを含有するサンプル混合物から、一つのウイルス型を分離する。他の具体例では、二つ以上のウイルス型の混合物であってよい。例えば、一つのウイルス型が、本明細書に記載の方法を使用して、三つまたは四つの異なるウイルス型の混合物から分離されてよい。別の例として、五つの異なるウイルス型の混合物が、二つのウイルス型を含有する部分と、三つのウイルス型を含有する部分に分離されてもよい。当業者であれば、本明細書に記載の方法を使用して、他のウイルス型の組み合わせを分離できることがわかる。
ウイルス型は、同じウイルス種に由来するが、異なる弱毒状態、感染性、物理的または生物学的属性のような、異なる特徴を有してもよい。電気泳動中に、二つの型の選択的分離を補助するために、物理的な違いを利用してもよい。ウイルス型は、異なるウイルス種であってもよい。一の具体例では、少なくとも一つのウイルスは、パルボウイルス、ピコルナウイルス、パラミクソウイルス、オルソミクソウイルス、またはフラビウイルスである。本明細書に記載の方法を使用して他のウイルス種を分離してもよく、電気泳動中に、ウイルスの弱毒状態に基づいて、当業者であればこれらの種を容易に同定できる。
本発明は、ただ一つのウイルス型および他の不要物質を含有するサンプルから、ただ一つの所望のウイルス型を分離するために使用されてもよい。例えば、本発明は、ウイルスが増殖している細胞溶解物または上清から所望のウイルス型を分離するために使用されてもよい。
所望のウイルス型を含有するサンプル混合物は、第一サンプル区画および第二サンプル区画の間に配置された分離膜または壁を含む電気泳動装置の第一サンプル区画に置かれる。
適当な電気泳動装置は、分離膜または壁を含有する。一の具体例では、分離膜はイオン透過性であり、装置の隣接する区画間での対流混合を防ぐ。分離膜は電場に置かれ、サンプル混合物の成分は分離膜を介して選択的に輸送される。当業者であれば、使用される個々の分離膜は分離されるウイルスに応じて変化し、一般に、特徴的な平均孔径、孔径分布、および/または等電点を有する、ということを理解する。分離膜の異なる特徴は、分離膜を介する異なる成分の通過を許すか、実質的に妨げる。所望のウイルス型の大きさおよび/またはpH値に基づく適当な分離膜の選択は、当業者により容易に確認される。
一の具体例では、分離膜は、特有のpH値を有する等電膜である。別の具体例では、等電膜は、約2〜12の範囲のpH値を有する。アクリルアミド、N,N−メチレンビスアクリルアミド、および等電膜を産生する弱電解質の適当なアクリルアミド誘導体を共重合することにより、適当な等電膜を生成してもよい。一の具体例では、等電膜は、固定ポリアクリルアミド膜である。しかし、他の等電膜も適当であり、他の適当な方法により形成されてもよい、ということがわかるだろう。
別の具体例での分離膜は、ポリアクリルアミドから作られ、少なくとも約5キロダルトンの分子量を遮断する。膜の分子量遮断の大きさは、処理されるサンプル、サンプル混合物中の他の分子または化合物、および実施される分離の型によるので、他の具体例では、異なる分子量を遮断してもよい。等電点電気泳動(IEF)膜などの、一般的でない膜を使用してもよい。
一の具体例では、装置は、少なくとも二つの区画を形成する多くの膜を収容するカートリッジ、適当な電源につないだそれぞれの電極区画の陰極および陽極、サンプル、緩衝液、および電解質の貯蔵器、サンプル、緩衝液、および電解質を通過させるポンプ、および電気泳動中にサンプル、緩衝液、および電解質を要求される温度で維持するための冷却手段を含む。カートリッジは、典型的には、サンプルまたは溶液が通過できる二つの区画を形成するために、互いに関連して配置され、間隔をあけた、少なくとも三つの実質的に二次元の膜を含有する。分離膜は、二つの外側の膜(それらの分子量遮断が、分離膜の遮断よりも普通小さいので、制限膜と呼ばれる)の間に配置される。カートリッジを装置に取り付ける場合、制限膜は電極に隣接して位置する。一つの適当なカートリッジは、AU738361に記載される。
別の具体例では、少なくとも一つのウイルス型を含有するサンプル混合物は、第一電解質区画、第二電解質区画、第一電解質区画と第二電解質区画の間に配置された第一サンプル区画、第一サンプル区画に隣接し、第一電解質区画および第二電解質区画の間に配置された、第二サンプル区画、第一サンプル区画および第二サンプル区画の間に配置され、第一および第二サンプル区画の内容物の実質的な対流混合を防ぐ、第一イオン透過性壁;第一電解質区画および第一サンプル区画の間に配置され、第一電解質区画および第一サンプル区画の内容物の実質的な対流混合を防ぐ、第二イオン透過性壁;第二サンプル区画および第二電解質区画の間に配置され、第二電解質区画および第二サンプル区画の内容物の実質的な対流混合を防ぐ、第三イオン透過性壁、を含む電気泳動装置に置かれる。電極は、第一および第二電解質区画に配置される。
一の形態では、第一イオン透過性壁は、特徴的な平均孔径および孔径分布を有する電気泳動分離膜である。別の形態では、全てのイオン透過性壁は、特徴的な平均孔径および孔径分布を有する膜である。装置の該形態は、電荷および/または大きさに基づいてサンプル成分を分離するのに適当である。
第二および第三壁は、典型的には、第一膜のそれより小さい分子量を遮断する制限膜である。一の具体例では、制限膜はポリアクリルアミドから形成される。制限膜の分子量遮断は、処理されるサンプル、サンプル混合物中の他の分子または化合物、および実施される分離の型によるだろう。第二イオン透過性壁は、第三イオン透過性壁と異なる分子量を遮断してもよい、ということがわかるだろう。一の具体例では、第二または第三イオン透過性壁の少なくとも一つは、特有のpH値を有する等電膜である。別の具体例では、等電膜は、約2〜12の範囲のpH値を有する。第二および第三イオン透過性壁の両方が等電膜である場合、膜は、別法として、同じ、または異なる特有のpH値を有してもよい。
第一電解質貯蔵器は、一の具体例では、電解質区画と流体連絡する。別の具体例では、第一サンプル貯蔵器は第一サンプル区画と流体連絡し、第二サンプル貯蔵器は第二サンプル区画と流体連絡する。一の態様では、電解質は当業者に認識されている手段により、電解質区画に供給される。同様に、サンプルまたは流体は、別の具体例では、当業者に認識されている手段により、第一または第二サンプル区画に供給される。別の具体例は、さらに、第一電解質を第一電解質区画に、第二電解質を第二電解質区画に供給する工程を含む。
一の形態では、電解質貯蔵器からの電解質は、電解質のストリームを形成するために、電解質区画を介して循環する。電解質は、それぞれ第一または第二区画を介して第一または第二サンプルのストリームを形成しながら、第一または第二サンプル区画を介して循環してもよい。別の形態では、第一または第二サンプル貯蔵器の内容物は、それぞれ第一または第二サンプル区画を介して第一または第二サンプルのストリームを形成しながら、第一または第二サンプル区画を介して循環してもよい。別の具体例では、第一または第二サンプル貯蔵器のサンプルまたは液体は除去され、新しいサンプルまたは液体と置換される。
グラディポア・リミテッド(オーストラリア)により、または当該企業と共同して開発された膜電気泳動装置(GraliflowTM)は、本明細書に記載の方法を実施するのに適当であり、同一出願人による米国特許第6,413,402号;6,328,869号;5,039,386号、および5,650,055号にて十分開示され、その内容を出典明示によって本明細書の一部とする。本明細書に記載の方法に適当な別の装置は、WO02/24314に見出され、その内容を出典明示によって本明細書の一部とする。しかし、当業者であれば、第一サンプル区画および第二サンプル区画の間に配置された分離膜を有する他の適当な電気泳動装置も使用してよい、ことを理解する。
電位は電気泳動装置の第一および第二サンプル区画に渡ってかけられ、それにより所望のウイルス型が分離膜を介して移動するか、他の化合物(またはウイルス)が分離膜を介して移動し、少なくとも所望のウイルス型の一部は分離膜の一方に位置するが、不要化合物は分離膜のもう一方に位置し、分離膜の一方に位置する一つのウイルス型の少なくとも約50パーセントは、分離後、生存可能であるか、または実質的に変化しないままである。
ウイルスが細胞型または動物への感染性を失っていない場合(非弱毒または生きたウイルスを含む)、または、分離後、その抗原性、血清学的性質、あるいは物理的性質が実質的に変化または変性していない場合(非弱毒、変性、弱毒、不活性、または死んだウイルスを含む)、ウイルスは、分離後、生存可能であるか、または実質的に変化しないままである。他の具体例では、一つのウイルス型の少なくとも60パーセント、より好ましくは70パーセント、さらに好ましくは80パーセント、または90パーセントまでが、分離後、生存可能であるか、または実質的に変化しないままである。
好ましくは、分離膜に渡る実質的に全ての移動は、電位をかけることで起こる。例えば、所望のウイルス型は、分離膜を渡って第二サンプル区画に移動するが、不要ウイルス型および不要非ウイルス物質を含む、サンプル中の不要化合物は、分離膜のもう一方に保たれる。別法として、不要細胞または高分子物質のような、不要ウイルス型および非ウイルス物質は、分離壁を渡って移動するが、所望のウイルス型は、分離膜のもう一方に保たれる。分離膜を渡るその移動を促進、または抑制する特定のウイルス型の電荷および/または大きさを変えるために、担体分子を使用してもよい。別の具体例では、非ウイルス物質はウイルス含有サンプルから除去され、実質的に不要非ウイルス物質を含まない単離されたウイルス型が得られる。
要求量のウイルスが分離膜の一方に確認されるまで、電位の加電を維持する。与えられたサンプルのいずれかが完全に分離されるまで、要求量のウイルスは単離、抽出されてよい。一の具体例では、少なくとも一つのウイルス型が第一または第二サンプル区画、あるいは第一または第二サンプル貯蔵器で要求純度に到達するまで、電位を維持する。
工程は、所望のウイルスを単離、精製するために何度も繰り返されてよい。工程の各繰り返しは、典型的には、「ラン」と呼ばれる。連続するランで、同じ分離膜を使用してもよく、または連続するランで、分離膜を異なる特徴を有する別の分離膜と置換してもよい。
本明細書に記載の方法は、研究室または産業規模のどちらかで実施されてよい。ワクチンを精製するために、またはサンプルのウイルス汚染を分析する診断キットとして、記載の方法を使用してもよい。例えば、採取した細胞培養上清のサンプルで記載の方法を実施してもよい。細胞培地の本来の組成物に加えて、該物質は、分析、および蛋白またはDNAの分解に干渉する可能性のある免疫原性物質および酵素を含む細胞残骸に汚染される。そのため、多くの細胞培地成分は、ワクチンにおいては望ましくない。例えば、ウシの胎児の血清を使用した場合、ウシのアルブミンおよびトランスフェリンが培地の総蛋白の大部分を占め、精製したウイルス試料を提供するためにそれらを除去する必要がある。血清を使用しない条件で細胞培養を実施する場合、トランスフェリン、アルブミンおよびインスリンを含む蛋白は、普通、血清を使用した場合に存在する特徴的でない蛋白にあまり汚染されずに、規定の培地に含まれる。以下の実験の詳細に示されるように、本明細書に記載の方法は、ウイルスからそのような蛋白を除去する。
診断キットのツールとして、記載の方法は、検出方法の感度を増加させるために、血液、血漿、または体液を精製し、濃縮する。ウイルスの「浄化工程」は、記載の方法で実施されてよく、主要な「汚染物質」(例えば、分析の感度を阻害し、減少させる蛋白)を除去し、必要ならば、ウイルス検出を増加させるためにサンプルを有意に濃縮してよい。
(実験)
該プロジェクト中に、いくつかの群の実験を実施した。大部分の実験は、開始物質として10パーセントのウシ胎児血清(FBS)を用い、緩衝液のストリームに2ミリモルまたは100ミリモルの塩基(NaOH)および酸(HCl)を用いた細胞培地を使用した。
細胞培地
2ミリモルの酸/塩基
−ミリQ(MilliQ)水で1対1に希釈した細胞培地(DMEM+10パーセントFBS)の開始物質
−蛋白の完全な移動を可能とする1時間のラン時間
−開始物質をストリーム1、ストリーム2、または両方のストリームにローディングして、前極に250ボルト、1アンペア、および150ワットをかける
−上部の(ストリーム1の次の)および下部の(ストリーム2の次の)緩衝液のストリームそれぞれに対して2ミリモルのNaOHおよびHCl
−pH4.8の分離膜を使用した、10/1000−IEF/10カートリッジ
100ミリモルの酸/塩基
上記のラン条件で、
−二つの緩衝液のストリームに対して100ミリモルのNaOHおよびHCl
−pH4.8および5.0の膜を使用した、PES/1000−IEF/PESカートリッジ
−一回のランに対してpH4.6の分離膜の10/1000−IEF/10カートリッジ
−両性分子:ストリーム中のpHの安定性を保つために、ストリーム1に30ミリモルのリシン一水和物、ストリーム2に19ミリモルのアミノベンゼン酸
対照ラン
上記のラン条件で、
−4パーセントのBSAの開始物質、または1対10に希釈した卵白(両方ともミリQ水中)。
−pH4.6の分離膜を使用した、10/1000−IEF/10カートリッジ。
(ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE))
以下に記載のように、標準的PAGE法を採用した。
試薬:使用のためにミリQ水を用いて1×に希釈した、10×SDSグリシンランニング緩衝液(グラディポア・リミテッド、オーストラリア);1×SDSグリシンランニング緩衝液(29グラムのトリツマ塩基、144グラムのグリシン、10グラムのSDS,RO水で1.0リットルにする);使用のためにミリQ水を用いて1×に希釈した、10×TBEIIランニング緩衝液(Gradipore);1×TBEIIランニング緩衝液(10.8グラムのトリツマ塩基、5.5グラムのホウ酸、0.75グラムのEDTA、RO水で1.0リットルにする);2×SDSサンプル緩衝液(4.0ミリリットル、10パーセント(重量/体積)SDS電気泳動勾配、2.0ミリリットルグリセロール、1.0ミリリットル0.1パーセント(重量/体積)ブロモフェノールブルー、2.5ミリリットル0.5モルTris−HCl、pH6.8、RO水で100パーセントにする);2×本来のサンプル緩衝液(10パーセント(体積/体積)10×TBEII、20パーセント(体積/体積)PEG200、0.1グラム/リットルキシレンシアノール、0.1グラム/リットルブロモフェノールブルー、RO水で100パーセントにする);クーマシーブルー染色(GradipureTM,グラディポア・リミテッド)。メモ:脱色のために、メタノール6パーセント酢酸を含有する。
分子量マーカー(−20℃での保管が推奨される):SDS PAGE(例えば、シグマ広域);ウェスタンブロッティング(例えば、色/虹マーカー)。
ランニング用サンプルを調製するために、微小滴定プレートウェルまたは1.5ミリリットルチューブで、2×SDSサンプル緩衝液をサンプルに1対1(普通、50マイクロリットル/マイクロリットル)で加えた。サンプルをおよそ100℃で5分間培養した。タンクに面して置かれたウェルを有するゲルの土台にゲルカセットを留めた。土台の一つのゲルだけをランニングする場合、空のカセットまたはプラスチック板を土台のもう一方に留めた。
サンプルウェルを覆うために、ゲルの土台の内側のタンクに十分量の1×SDSグリシンランニング緩衝液を注入した。ゲルカセットのおよそ中くらいのレベルまで外側のタンクを満たした。空気の泡を除去し、いずれかの保管緩衝液および残りのポリアクリルアミドを置換するために、転移ピペットを使用してサンプルウェルをランニング緩衝液で洗浄した。
ウェルに、最小で5マイクロリットルのマーカー、および調製したサンプル(最大で40マイクロリットル)を加えた。タンクにフタをし、電源にリードをつないだ後、ゲルを150ボルトで90分間ランした。染色または別の方法(例えば、ウェスタンブロッティング)に使用する前に、ランニングが完了した後できる限り早くゲルをタンクから除去した。
容器または密封可能なプラスチックバッグに置かれたゲルを除去するために、ゲルカセットを開いた。水道水でゲルを完全に洗浄し、容器から排出した。クーマシーブルー染色(およそ100ミリリットル、グラディポア・リミテッド、オーストラリア)を加え、容器またはバッグを密封した。主要なバンドは10分で見えるが、最大強度にするために一晩中染色した。ゲルを脱色するため、容器から染色剤を排出させた。
残りの染色剤を除去するために、容器およびゲルを水道水で洗浄した。容器に6パーセント酢酸(およそ100ミリリットル)を注入し、密封した。所望の脱色レベルに到達するまで(普通12時間)、脱色剤はそのままにした。所望のレベルになると、酢酸を排出し、ゲルを水道水で洗浄した。
PPV定量
PPV感染性分析
MPK細胞のTCID50分析により、PPVの感染性を評価した。MPK細胞を植え付けた平底の96ウェルプレートに、1〜2日後、(0.2マイクロメートルのフィルターを介して濾過した)十倍希釈のPPVウイルス株またはPPV付加電気泳動サンプルを接種し、37℃、5パーセントCOで10〜14日間培養して、ウェルにCPEが存在するかを検査した。6つの複製物が各希釈液に含まれた。リードおよびムンクの方法を使用して、ウイルス滴定をTCID50として計算した。
PPV PCR分析
DNアーゼI処理およびDNA抽出
DNアーゼIの二つのユニット(Promega)を各サンプルの180マイクロリットルに加え、40ミリモルのTRIS−HCl(pH8.0)、10ミリモルのMgSO、および1ミリモルのCaCl(Promega)を含有する緩衝液で、37℃で一時間培養した。20ミリモルのEGTA(pH8.0)で反応を停止させた。フェノールクロロホルムを使用して、DNアーゼI処理サンプルからのDNAを抽出し、Sambrookら熱olecular Cloning,A Laboratory Manual泊謔Q版、CSH出版、Cold Spring Harbor,1989(1989)により、DNAをエタノール沈殿させた。続いて、抽出したDNAをHOで10分の1に希釈し、各希釈液の四つの複製物をネステッドPCRにかけた。
ネステッドPCR
Soaresら(1999)[Soaresら、J Virol Methods,78:191-8(1999)]のプロトコルから採用したネステッドPCRを使用して、PPVの検出を実施した。330塩基対配列を増幅するために、二つの外部のプライマー
P1 5´‐ATACAATTCTATTTCATGGGCCAGC−3´およびP6 5´‐TATGTTCTGGTCTTTCCTCGCATC−3´を最初に使用した。127塩基対断片を産出するために、二次反応で、該断片の内部に設計されたプライマー
P2 5´‐TTGGTAATGTTGGTTGCTACAATGC−3´およびP5 5´‐ACCTGAACATATGGCTTTGAATTGG−3´を使用した。DNA熱循環器(icycler,BioRad)で増幅を行った。一次反応は、95℃で5分間、その後、95℃/15秒、55℃/15秒、および72℃/10秒で30サイクル行った。二次PCR反応では、最初の変性は95℃で5分間、その後、95℃/15秒、55℃/15秒、および72℃/3秒で30サイクルであった。PCR反応は、最終濃度が500ナノモルの各プライマー、200マイクロモルの各dNTP、1.5ミリモルのMgCl、MBI発酵反応緩衝液(10ミリモルTrisHClpH8.8、50ミリモルKCl、0.08パーセントノニデットP40)、および2.5ユニットのTaq(MBI発酵)を含んだ。一次反応では、鋳型として抽出したDNA5マイクロリットルを使用し、二次反応は、最初の反応からの増幅体5マイクロリットルを含有した。
二次PCR反応からの生成物10マイクロリットルを、10パーセントポリアクリルアミドゲル(BioRad)で電気泳動した。UV照射器で可視化する前に、ゲルを0.5マイクログラム/ミリリットルの臭化エチジウムで染色した。PCR滴定をlog10ゲノム当量で表わした。
(結果)
分離膜を使用してのウイルス精製
部分的に、または全体的に精製した、生存可能なウイルス試料を得られるように、開始物質である豚から採取したパルボウイルス(PPV)を細胞培地で操作するために最初の実験を実施した。
方法
−開始物質:膜電気泳動は高レベルの汚染を除去できる、ということを示すために、ランニング緩衝液中の、外部の細胞培地を加えた、採取したPPV。
−分離カートリッジ:主要な汚染物質(アルブミンおよびトランスフェリン)をストリーム2に通過させ、PPVをストリーム1に制限できる、5/200/5カートリッジ(5キロダルトンの分子量遮断の上部膜/200キロダルトンの分子量遮断の分離膜;5キロダルトンの分子量遮断の下部膜)。
−緩衝液:主要な汚染物質を転移させ、ウイルスが生存できるように生理的pHに近づけることのできる、ヘペス/イミダゾールpH7.3緩衝液。
−汚染物質が適する電荷を有する場合、それらを完全に転移させるが、PPVをストリーム1に制限できる、120分のラン時間。
−開始物質をストリーム1に、および同体積のランニング緩衝液をストリーム2に加えて、前極に、250ボルト、1アンペア、および150ワットをかける。
結果
上記の条件を使用してランを数回繰り返したところ、いくつかの高分子量の汚染物質を含有し、感染性分析により決定されたところによると、ラン後、75パーセントのウイルスが生存していた、比較的純粋なウイルス生成物が得られた。
主要な蛋白汚染物質であるアルブミンおよびトランスフェリンは、ストリーム2に完全に転移したようであった。さらに、いくつかのより高い、または低い分子量の汚染物質もストリーム2に転移した。このことは、図1に示されるSDS−PAGEに見出すことができる。
DNアーゼでサンプルを前処理したPCRを使用する方法、および感染性分析により、ウイルスの結果を決定した。PCRにより、5ログのPPVが開始時、開始物質中にあった、ということが決定された。120分後、5ログのウイルスは全てストリーム1に残っていた。得られた最良の結果では、ストリーム2にウイルスは検出されず、ストリーム2に2ログ以上のウイルスがいた結果は無かった。感染性により、開始物質に含有されるウイルスの75パーセントは、120分後、まだ生存可能であって、ストリーム2のサンプル中にウイルスは検出されなかった。
(等電点(IE)実験)
2ミリモルの酸/塩基の細胞培地
最初の三回のランは、10キロダルトンのPAM制限膜およびpH4.8のIEF分離膜で、2ミリモルのNaOHおよびHClを使用した。三回とも全て、SDS−PAGEで、ストリーム間にかなり少量の蛋白転移があるだけだった。この場合、分離膜およびストリームのpHに関係するそれらのpHのためにストリーム1に転移すると予想される蛋白とともに、開始物質をストリーム2に加えた。しかし、かなり少量の一つの蛋白だけがストリーム1に転移した。
蛋白転移の欠如の他に、サンプルストリームのpHがストリーム1ではかなりの塩基性であり、ストリーム2では酸性であることが見出され、厳しいランニング条件(pH極値)がこれらのランの間で現れた別の問題であった。測定したランでは、(上部のNaOH緩衝液ストリームに最も近い)ストリーム1のpHは、高pHで開始され、その後、IEF分離膜のそれと同じか、またはそれ以下くらいまで下がった(pH11からpH4〜5へ)。ストリーム2は、ランの間、下部のHCl緩衝液ストリームと同様のpH(〜pH2から3)で適度に一定であった。これらの条件は、大部分のウイルスを破壊し、多くの蛋白を傷つけ、壊すのに十分であった。
100ミリモルの酸/塩基での細胞培地
上記の最初の三回のランの厳しいランニング条件を最小限にし、蛋白転移を増加させるために、両性緩衝液をサンプルストリームに加え、ランの間を通して正しいpH勾配が維持されるのを確認した。緩衝液ストリームは100ミリモルの酸および塩基を含有し、サンプルストリーム内に両性緩衝液を保つために使用された。初めに、制限膜側がストリームおよび100ミリモルの酸および塩基の間により強い壁を提供するように、PES(ポリエチルスルホン)を使用した。ポリアクリルアミド膜のより強い酸および塩基の効果を調べるために、10キロダルトンのPAM制限膜を使用して、最後のランを実施した。
2ミリモルの酸/塩基のランより少し良かったが、ランの該群の蛋白転移はまだ比較的少なかった。ストリーム2だけに開始物質を入れた20/2/02abcランの間で、最も転移が起こった。
両性緩衝液を加えることは、2ミリモルの酸/塩基のランと比べて、pHの安定性に非常に効果があった。また、ストリーム1のpHは、ランの開始時、かなりの塩基性であった(〜pH10)が、10キロダルトンのPAM制限膜を使用したランを除いて、以前のようにかなり低い値まで下がることは無かった。その代わりに、pHはランの間を通してpH10〜12の間であった。例外であった、ポリアクリルアミド制限膜を使用した最後のランでは、ストリーム1のpHは、〜pH10からpH4〜5まで下がった。ストリーム2は、ストリーム中の両性緩衝液のために、以前より高いpHで開始し、一つを除く全ての場合で、ランの間により低い値に下がった(pH4〜5からpH2〜4に下がった)。前に記載したように、これらの条件は、まだ、大部分のウイルスを破壊し、多くの蛋白を傷つけ、壊すのに十分であった。
対照ラン
これらの最初の実験の経過を通して達成される蛋白転移の欠如により、膜電気泳動装置、および実験パラメータの妥当性を調べるために、いくつかの対照ランを実施した。二回のランのうちの一回目は、両方のストリームで緩衝液ストリームに2ミリモルの酸/塩基を加えた4パーセントのBSAを使用した。おそらくアルブミンの緩衝効果のために、ストリーム1および2のpHは、ランの間、それぞれpH5およびpH4で適度に一定であった。IEF分離のpHのために、完全ではなかったが、より高分子量の汚染物質のいくつかとともに、ストリーム2から1へのアルブミンの転移がいくつかあった。
二回目の対照ランは、両方のストリームで2ミリモルの酸/塩基を緩衝液に加えた、ミリQ水中の10パーセントの卵白を使用した。BSAのランのように、pHはランの間、ストリーム1ではpH9で適度に一定であり、ストリーム2では徐々に低下していった(pH5〜4)。使用した分離膜のpHにより、移動する可能性のある蛋白のそれぞれで転移は起こった。転移が容易に明白であり、転移がたった20分で完了した、二つの主要な蛋白があった。
最初のIEFランを実施した時、いくつかの問題が見出された。まず、血漿蛋白の転移がない、pH極値、およびストリーム追加物が転移を補助する必要性があることである。卵白対照ランは、装置の電位を示すのに有効であったが、血漿蛋白および塩を含む、関係する開始物質を使用する場合、かなり少量の転移しかなかった。
ウイルス構造がワクチン生成物のような応用例に重要である場合、無傷なウイルス粒子を維持することは致命的でありうる。電気泳動処理は、超遠心分離のような、ウイルスの単離および濃縮の慣用的な方法で見られる物理的圧力、および濾過により引き起こされる圧力に、サンプルを曝さない。そのような方法により生じる厳しい環境は、無傷で生存可能なウイルスの産出を減少させる。
(等電点膜を使用してのウイルス分離)
ウイルスの精製および浄化のための膜電気泳動システムでの等電点(IEF)膜の使用を調べた。IEF膜は、それらのpHにより分子を分離する。これらの膜が、慣用的に定義された孔径の分離膜の代わりとして可能であるかを調べた。いくつかの生物学的化合物が安定な、あるpHの範囲内では、豚のウイルス(PPV)からの電荷に基づく分離は可能でなかった。
方法
異なるpHの二つのランニング緩衝液を使用できるように、IEF膜でのランに、分離緩衝液ストリームを有する膜電気泳動装置(グラディポア・リミテッド(オーストラリア)により開発されたGradiflowTM)を使用した(WO02/24314を参照のこと)。この一連の実験で、分離緩衝液ストリームを形成する分離した緩衝液区画を有する装置を使用した。因子VIII(FVIII)のpHは5.2〜5.4の間であり、PPVのそれは4.6〜5であるように思われる。それぞれのpHに基づいて、FVIIIおよびPPVの分離を試みるために、pH5.0のIEF分離膜を生成した。上部および下部緩衝液ストリームがそれぞれpH7.5およびpH4.0である制限IEF膜も生成した。膜を生成した1000キロダルトンのグローブボックスから、全ての三つのIEF膜を製造した。ランの間にストリームにより得られるpHは、ストリームを封入する二つのIEF膜のそれの間である。この理由のために、上部の制限膜をpH7.5で選択した。それゆえ、電気泳動分離膜でのFVIIIの活性を維持する理想のpH範囲であることが見出されたおよそ6.0〜6.5のpHを得るべきである。pH4.0の下部の制限膜は、遊離したDNAは通過させるが、PPVが緩衝液ストリームに移動するのを妨げるべきである。
ランの特徴
pH8.5 2.7ミリモルのTris TAPS緩衝液
‐pH7.5上部膜‐
ミリQ水中のPPV
‐PH5.0分離膜‐
ミリQ水中のPPV
‐pH4.0下部膜−
pH3.0 2.03ミリモルGABA乳酸緩衝液
ランのセットアップ
カートリッジで上記の膜の組み合わせを生成し、ストリーム1、ストリーム2、および両方の電極緩衝液ストリーム中でのミリQ水の存在下で、漏れを調べた。漏れの調査が完了すると、膜を洗浄するために、該システムに二分間電流をかけた。
その後、全ての水を該システムから排出し、ランニング緩衝液を加えた。上部の緩衝液ストリームにpH8.5の2.7ミリモルのTris/TAPS緩衝液を加え、下部の緩衝液ストリームにpH3.0の2.03ミリモルのGABA/乳酸緩衝液を加えた。
開始物質
17ミリリットルのミリQ水中に3ミリリットルのPPV。PCRおよび感染性分析のために開始物質のサンプル(650マイクロリットル)を得た。開始物質(9675マイクロリットル)をストリーム1およびストリーム2貯蔵器の両方に加えた。
ランニング条件
250ボルト、150ワット、1000ミリアンペア
ストリーム1およびストリーム2の体積の損失は、ミリQ水で置換した。
Figure 2005519605
PCRおよび感染性分析の両方により、IEF膜が作用し、ストリーム2にPPVが完全に転移したことを確認した。(生存能力は関係なく、ウイルス/ウイルスDNAの存在を検出する)PCRの結果により、両方のストリームに加えられたウイルスは、ランの経過中にストリーム2に濃縮される、ということが示唆された。感染性試験により、1ログのPPVの生存能力のみが転移後失われた、ということが示された。
PPVの単離に関するIEF膜での最初の実験により、該技術は、蛋白からのウイルス精製およびウイルス浄化の本当の可能性を有する、ということが示唆された。
(細胞培地からのPPVの精製)
方法
−ランニング緩衝液中の、外部の細胞培地を加えた、採取したPPVの開始物質。
−主要な汚染物質(アルブミンおよびトランスフェリン)をストリーム2に通過させ、PPVをストリーム1に制限できる、5/200/5カートリッジ。
−主要な汚染物質を転移させ、ウイルスの生存能力を保つために生理的pHに近づけることのできる、ヘペス/イミダゾールのpH7.3の緩衝液。
−適当な電荷を有する場合、汚染物質を完全に転移できるが、PPVをストリーム1に制限する、2時間のラン時間。
−開始物質をストリーム1に、および同体積のランニング緩衝液をストリーム2に加えて、前極に250ボルト、1アンペア、および150ワットをかける。
結果
記載した条件を使用して数回ランを繰り返すと、最小限の汚染物質を含有する比較的純粋なウイルス生成物が生じた。主要な蛋白汚染物質であるアルブミンおよびトランスフェリンは、ストリーム2に完全に転移したように思われる。さらに、より高い、または低い分子量の汚染物質のいくつかが、ストリーム2に転移した。
DNアーゼで前処理したPCR、およびTCID50感染性分析によりウイルスの結果を決定した。PCRにより、開始物質中に5ログのPPVが見出された。2時間後、5ログのウイルス全ては、ストリーム1に残ったままであった。得られた最良の結果では、ストリーム2にウイルスは検出されず、ストリーム2に2ログ以上のウイルスがいた結果は無かった。感染性により、開始物質に存在するウイルスの75パーセントは、2時間後、まだ生存可能であり、ストリーム2のサンプルにウイルスは検出されなかった。結果は図2および表2に要約される。
Figure 2005519605
うまくウイルスを単離、精製できる技術には多くの市販の応用例がある。これらの応用例は、ワクチン精製から診断試験まで及ぶ。膜電気泳動は、最近、医薬生成物からのウイルス汚染物質の除去を含む、病原体除去の効果的な方法として確立された。該方法のウイルス除去は、本質的に病原体汚染物質のない生成物の精製をもたらす。しかし、該技術は、そのようなサンプルからのウイルスを回収できないし、産出するのに有用ではない。
ワクチンは、感染症の進行を妨げ、また最近では、ある癌の治療を補助するために、免疫系を刺激するために設計された生成物である。ワクチン生成物は、組み換え蛋白および免疫グロブリン試料に加えて、ウイルスおよび細菌由来のワクチンも含む。
生の弱毒ウイルスワクチンは、ポリオおよび麻疹を含む、多くの疾患を防ぐためにうまく使用されている。今日使用される生の弱毒ワクチンの大部分は、ヒトの二倍体細胞、サルの腎細胞、およびニワトリの受精卵を含む、培養した細胞の一連の継代に由来する。全ての不活化ウイルスワクチンは、ポリオおよびA型肝炎ウイルスのような疾患にうまく使用されている。不活化ワクチンも細胞培養ラインで増殖するが、ホルマリン、β‐プロピオラクトンおよびエチレンイミンのような不活化剤を使用して、それらを殺すことができる。全般的な目的は、免疫原性を維持したまま、ウイルスの感染性を破壊することである。
ウイルスが細胞培養ラインで増殖すると、それらは、おそらく細胞溶解、限外濾過、遠心分離、および/またはクロマトグラフィーを含む精製工程を経る。一般にワクチン工程の重要な目標は、ワクチン生成物からの、内因性および偶発的なウイルス、および他の病原体の除去を向上させることである。例えば、哺乳類の細胞のバイオリアクターは、偶発的なウイルスに汚染されうる。生物学的生成物の製造で使用される未処理の物質および基質(細胞、ウイルスプール、FBSおよびヒトアルブミン)には、ウイルスおよびマイコプラズマを含む、偶発的な病原体が潜むかもしれない。哺乳類の血清を培地に加えることは、広範囲の細胞の接着および成長を補助するが、FBSは、伝染性海綿状脳症(TSE)と関係するようである。大きさおよび/または濃度に基づいて、液体培地からウイルスを濃縮、精製するために、一般的に遠心分離および濾過が使用されるが、エンベロープウイルスでは、ビリオンが試薬を形成する高濃度の濃度勾配により受ける浸透圧から問題が生じる。
ウイルス確認研究(非エンベロープおよび、より大きいエンベロープウイルスの両方で)の結果は、結論として、本発明者は、蛋白を精製し、同時に大きさおよび/電荷に基づいてウイルス汚染物質を除去できる、ということを示す(US6464851)。生理的緩衝液でウイルスを精製し、同時に電荷に基づいて汚染ウイルスおよび蛋白を除去することで、ウイルスワクチンの高度に精製した試料を残すために、IEFを使用した。IEFにより組織培養上清から豚のパルボウイルスを精製し、汚染蛋白(例えば、アルブミンおよびトランスフェリン)を除去するために、最初の作業を実施した。二つまたはそれ以上の異なるウイルス(例えば、PPVおよびHAVまたはBVDV)の分離は、内因性および偶発的なウイルス汚染物質からワクチンウイルス株を分離する本技術の可能性を証明することで達成できる。
本発明は、無傷の生存可能なウイルスの単離、精製、および濃縮のための大規模な技術/装置を提供する。本技術の応用例は、
・ワクチン生成物−ワクチンを精製する効率的な方法。膜電気泳動は、他野ウイルスおよび病原体を含む汚染物質を除去できた。
・診断キット‐迅速な分析のためのウイルスの精製/濃縮。
・研究‐医学、学究など。膜電気泳動は、研究のために、純粋で濃縮したウイルス株を得る、小規模で、安価で、迅速な方法を提供するだろう。
研究のためのワクチン生成物またはウイルス精製への適用として、開始物質は、しばしば、採取した細胞培養上清であるだろう。細胞培地の本来の組成物に加えて、該物質は、分析に干渉し、蛋白またはDNAを分解できる可能性のある、免疫原性物質(ワクチンでの組織)および酵素を含む、細胞残骸に汚染される。多くの細胞培地の成分は、ワクチンに所望されない。例えば、ウシの胎児の血清を使用する場合、ウシのアルブミンおよびトランスフェリンは培地の総蛋白の大多数を構成し、精製したウイルス試料を提供するために除去する必要がある。細胞培養が血清のない条件で実施される場合、トランスフェリン、アルブミン、およびインスリンを含む蛋白は、普通、血清を使用する場合に存在する特徴的でない蛋白汚染物質があまり無い状態で、規定された培地に含まれる。ウイルスからのそのような蛋白の除去は、本発明に記載の膜電気泳動を使用して比較的効果的に証明される。
蛋白汚染は、鶏卵および感染した組織からウイルスを精製する場合も、問題となりうる。ワクチン生成の間に、卵のアルブミンへのアレルギー反応を最小限にするために、卵からオボアルブミンを除去しなければならない。日本脳炎(JE)ワクチンは、伝統的に、ウイルスに感染したマウスの脳組織から生成される。残念ながら、組織由来のJEワクチンは、精製工程の間に除去するのが困難な残りのマウスの組織の蛋白が存在するため、予防接種を繰り返すことで、人体で容易にアレルギー反応を誘発する。
ウイルスが増殖する場合、偶発的な汚染ウイルスが標的ウイルスとともに採取されることは避けられない、ということが知られている。そのようなウイルスは、(特に血清に基づく場合)細胞ラインまたは細胞培地に由来するか、または受精卵に元から存在しうる。第一期のサルの腎細胞培養は、ポリオワクチンの精製のために以前使用された。少なくとも75つの異なるサルのウイルス(いくつかは病原性である)は、これらの細胞ラインで見出される。さらに、トリ白血病ウイルスが、麻疹およびムンプスワクチン生成物に使用される、トリ受精卵の繊維芽細胞(CEF)基質に見出される。この問題のために、回収標的および汚染ウイルスが、安全なワクチン生成物に必要である。大きさおよび電荷の少しの変化に基づいて物質を分離することは、本発明に記載の膜電気泳動に、二つの同様のウイルスを区別する独自の可能性を提供する。
診断キットのツールとして、本発明に記載の膜電気泳動は、検出方法の感度を上げるために、血液/血漿/関係する体液を(半)精製および濃縮するだろう。迅速なウイルスの「浄化工程」は、利点だろう。本発明に記載の膜電気泳動は、主要な「汚染物質」(分析の感度を阻害および減少させる蛋白など)を素早く除去でき、必要ならば、ウイルス検出を増加させるために、サンプルを有意に濃縮できる。
本発明に記載の膜電気泳動は、ウイルスを単離、精製する複数の方法を使用してよい。汚染物質からのウイルスの分離は、標的ウイルスおよび汚染物質の両方の電荷および/または大きさの使用で達成されうる。特異的な緩衝液pHおよび膜の大きさは、汚染物質からのウイルスの移動、およびウイルスからの汚染物質の移動を容易にするために選択される。等電点電気泳動(IEF)膜のような、非慣用的な膜の使用も、ウイルス分離を補助するために組み込まれうる。
膜電気泳動技術は、本来の、またはより自然な状態の未処理の物質を処理する。処理の間、物質は最小限の物理的および化学的圧力に曝される。ウイルス構造がワクチン生成物のような応用例に重要である場合、無傷のウイルス粒子を維持することは不可欠である。電気泳動処理は、超遠心分離のようなウイルス単離および濃縮の慣用的な方法で見られる物理的圧力、および濾過により引き起こされる圧力に、サンプルを曝さない。そのような処理により生じる厳しい環境は、無傷のウイルスの産出を減少させる。
当該分野に熟練している人により、広域に記載の本発明の意図または範囲からそれることなく、特異的な具体例に示されるように本発明に多くの変化および修飾がなされてよい、ということがわかるだろう。該具体例は、それゆえ、全ての点で実例であり、限定しないと考えられるべきである。
(原文に記載なし)

Claims (36)

  1. 電気泳動操作により、不要成分の混合物を含有するサンプルから、所望のウイルス型を回収する方法であって、
    (a)第一サンプル区画および第二サンプル区画の間に配置されたイオン透過性分離壁を含む電気泳動装置の第一サンプル区画にサンプルを置き;
    (b)第一および第二サンプル区画を横切るように電位をかけ、それにより所望のウイルス型を分離壁を通って移動させるか、または不要成分を分離壁を通って移動させ、所望のウイルス型の少なくとも一部を分離壁の一方に位置させ、不要成分を分離壁のもう一方に位置させ;および
    (c)所望のウイルス型の要求量が分離壁の一方に位置するまで、工程(b)を維持する;ここで分離壁の一方に位置する所望のウイルス型の少なくとも約50パーセントは、回収後、生存可能であるか、または実質的に変化しないままである、ことを含む方法。
  2. 電気泳動装置が、第一電解質区画と、第二電解質区画と、第一電解質区画および第二電解質区画の間に配置された第一サンプル区画と、第一サンプル区画に隣接し、第一電解質区画および第二電解質区画の間に配置された第二サンプル区画と、第一サンプル区画および第二サンプル区画の間に配置され、イオン透過性分離壁である第一イオン透過性壁と;第一電解質区画および第一サンプル区画の間に配置され、第一電解質区画および第一サンプル区画の内容物の実質的な対流混合を防ぐ第二イオン透過性壁と;第二サンプル区画および第二電解質区画の間に配置され、第二電解質区画および第二サンプル区画の内容物の実質的な対流混合を防ぐ第三イオン透過性壁と;第一および第二電解質区画に配置された電極とを含む、請求項1に記載の方法。
  3. さらに、(d)好ましくは、実質的に不要成分のない、所望のウイルス型を回収することを含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 少なくとも一つのウイルス型が、パルボウイルス、ピコルナウイルス、パラミクソウイルス、オルソミクソウイルスおよびフラビウイルスからなる群より選択される、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
  5. サンプルが電気泳動装置の第一区画に加えられ、工程(b)により、所望のウイルス型が分離壁を通って第二サンプル区画に移動する、請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。
  6. 装置がさらに、電解質区画と流体連絡する第一電解質貯蔵器と、第一サンプル区画と流体連絡する第一サンプル貯蔵器と、第二サンプル区画と流体連絡する第二サンプル貯蔵器と、電解質を電解質区画に供給する手段と、サンプルまたは流体を第一および第二サンプル区画に供給する手段とを含む、請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法。
  7. 装置がさらに、第二電解質区画と流体連絡する第二電解質区画を含む、請求項6に記載の方法。
  8. 第一電解質が第一電解質区画に供給され、第二電解質が第二電解質区画に供給される、請求項7に記載の方法。
  9. サンプル、流体および電解質の少なくとも一つが、それぞれの区画を通過してストリームを形成する、請求項2〜8のいずれか一つに記載の方法。
  10. 電解質貯蔵器からの電解質が電解質区画を循環して電解質のストリームを形成する、請求項9に記載の方法。
  11. 第一または第二サンプル貯蔵器の内容物が第一または第二サンプル区画を循環して、その第一または第二サンプル区画を通る、第一または第二サンプルのストリームを形成する、請求項9に記載の方法。
  12. 第一および第二サンプル貯蔵器の両方の内容物が各第一および第二サンプル区画を循環して、その第一および第二サンプル区画を通る、第一および第二サンプルのストリームを形成する、請求項11に記載の方法。
  13. 第一または第二サンプル貯蔵器のサンプルまたは液体を取り出し、新しいサンプルまたは液体と置き換える、請求項2〜12のいずれか一つに記載の方法。
  14. サンプルが所望のウイルス型および第二ウイルス型を含有し、工程(b)により、第二ウイルス型から所望のウイルス型が回収または分離される、請求項1〜13のいずれか一つに記載の方法。
  15. サンプルが、三種またはそれ以上のウイルス型を含み、所望のウイルス型が少なくとも二つの他のウイルス型から回収または分離される、請求項1〜13のいずれか一つに記載の方法。
  16. ウイルス型が同じウイルス種に由来するが、異なる特徴を有する、請求項14または15に記載の方法。
  17. ウイルス型が異なるウイルス種に由来する、請求項14または15に記載の方法。
  18. 所望のウイルス型、他のウイルス型、非ウイルス物質または不要成分の、一つまたはそれ以上の、実質的に全ての経壁移動が、電位をかけることで起こる、請求項1〜17のいずれか一つに記載の方法。
  19. 所望のウイルス型が、第一または第二サンプル区画、あるいは第一または第二サンプル貯蔵器で、要求純度に到達するまで、工程(b)が維持される、請求項2〜18のいずれか一つに記載の方法。
  20. 第一イオン透過性分離壁が特徴的な平均孔径および孔径分布を有する電気泳動分離膜である、請求項1〜19のいずれか一つに記載の方法。
  21. 電気泳動分離膜がポリアクリルアミドから作られ、少なくとも約5キロダルトンの分子量を遮断する、請求項20に記載の方法。
  22. 第二および第三イオン透過性壁が第一イオン透過性壁のそれより小さい分子量を遮断する制限膜である、請求項21に記載の方法。
  23. イオン透過性膜が特徴的な平均孔径および孔径分布を有する膜である、請求項1〜22のいずれか一つに記載の方法。
  24. 第一イオン透過性壁が特有のpH値を有する等電膜である、請求項1〜23のいずれか一つに記載の方法。
  25. 等電膜が約2〜13の範囲のpH値を有する、請求項24に記載の方法。
  26. 第二または第三イオン透過性壁の少なくとも一つが特有のpH値を有する等電膜である、請求項24に記載の方法。
  27. 少なくとも一つの等電膜が約2〜12の範囲のpH値を有する、請求項26に記載の方法。
  28. 第二および第三イオン透過性壁が、同一または異なる特有のpH値を有する等電膜である、請求項27に記載の方法。
  29. 等電膜が固定ポリアクリルアミド膜である、請求項28に記載の方法。
  30. 所望のウイルス型の少なくとも約60パーセントが、分離後、生存可能であるか、または実質的に変化しないままである、請求項1〜29のいずれか一つに記載の方法。
  31. 所望のウイルス型の少なくとも約70パーセントが、分離後、生存可能であるか、または実質的に変化しないままである、請求項30に記載の方法。
  32. 所望のウイルス型の少なくとも約80パーセントが、分離後、生存可能であるか、または実質的に変化しないままである、請求項31に記載の方法。
  33. 所望のウイルス型の約90パーセントまでが、分離後、生存可能であるか、または実質的に変化しないままである、請求項32に記載の方法。
  34. 所望のウイルス型の少なくとも約50パーセントが、回収、分離または精製後、生存可能であるか、または実質的に変化しないままであるところの、所望のウイルス型の回収、分離、または精製における、第一サンプル区画および第二サンプル区画の間に配置されたイオン透過性分離壁を含む膜電気泳動装置の使用。
  35. 膜電気泳動装置が特有のpH値を有する等電膜を少なくとも一つ含む、請求項34に記載の使用。
  36. 少なくとも一つの等電膜が約2〜12の範囲のpH値を有する、請求項35に記載の使用。
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