JP2005519597A - 食物醗酵手順を改善する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、乳酸菌を含む食品醗酵手順の分野に関し、特に、酸性度、醗酵後酸性化、芳香、風味、口当たりの柔らかさ、粘稠度、および触感のような乳製品の品質を改善することに関する。具体的には、本発明は、通常の醗酵温度より高い温度で醗酵を行うことを可能にする、低分子熱ショックタンパク質をコードするプラスミドを有する好熱性Streptococcus thermophilusおよび中温性Lactococcus lactisを使用して乳製品を製造する方法を提供する。この低分子熱ショックタンパク質を発現する好熱性および中温性乳酸菌種はまた、より低いpHおよびより高い塩濃度に対する増大した耐性、ならびに高い醗酵温度でのバクテリオファージの攻撃に対する低下した感受性を示す。

Description

(発明の分野)
本発明は、乳酸細菌に関する食物醗酵手順の分野に関し、そして特に、乳製品の品質(酸性度、醗酵後の酸性度、芳香、風味、まろやかさ、粘り気および口当たりの柔らかさなど)を改善することに関する。具体的には、本発明は、低分子熱ショックタンパク質(これは、醗酵が通常の醗酵温度より高い温度で行われることを可能にする)を発現する好熱性のStreptococcus thermophilusおよび中温性のLactococcus lactisを使用して、乳製品を製造するための方法を提供する。上記熱ショックタンパク質を発現する好熱性乳酸菌種および中熱性乳酸菌種はまた、より低いpHおよびより高い塩濃度に対する増加した耐性、ならびに上昇した醗酵温度におけるバクテリオファージの攻撃に対する低下した感受性を示す。
(導入)
食物産業において、同種醗酵性の好熱性乳酸菌であるStreptococcus thermophilusが、ほとんどの場合に好熱性乳酸菌と組み合わせて、乳製品の醗酵における発端として使用される。商業的に、このような醗酵の最も重要なことは、ヨーグルト製造である。ヨーグルトは、2つの乳酸菌Streptococcus thermophilusおよびLactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricusのプロト共生(protosymbiotic)増殖の結果として生じる。プロト共生は、生物間での代謝相互関連を特徴付け、これは、この点に関して、両方の乳酸菌が、最適な増殖のために必要とされる栄養分を提供することによって、互いの増殖を促進することを意味する。その結果、酸性化は急激であり、そして3.5程度に低い値の最終pHを生じる。
Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricusは、主として風味の発生を担う、ヨーグルト発端成分であり、Streptococcus thermophilus株およびLactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus株の異なる組み合わせを使用する醗酵実験から得られる結果は、風味の発生に対するStreptococcus thermophilusのかなりの影響を示す(C.Moeller,W.Bockelmann,およびK.J.Heller,未刊行)。
よりまろやかな芳香を有するヨーグルトを好む消費者の数が、近年の間に増加している。このようなよりまろやかな味は、pH値が4.0と4.7との間ですでに醗酵が停止する場合に、達成され得る。さらに、醗酵後の酸性化は、ヨーグルトにおける苦味および/または酸味の主要な原因である。ヨーグルトのこの所望でない特性を克服するために、苦味および/または酸味の発生は、醗酵後の酸性化を全くまたはほとんど示さない、発端の組み合わせを使用することによって、阻害され得る。
ヨーグルトに加えて、好熱性スターター培養物はまた、異なる型の硬質チーズ、ならびにセミ硬質チーズ(モツァレラなど)、および酸カードチーズの製造のために使用される。後者のチーズに対して特に、醗酵後に得られる最終pHは、製品の品質に対してかなりの影響を有する。
中熱性の乳酸菌Lactococcus lactisは、多くのチーズの種類およびバターミルクのための発端成分として使用される。チーズの製造に関して、通常、酸性化は、カードを切断すると同時に醗酵性ラクトースを除去することによって、pH5.0より十分に高いpHで終了するが、バターミルクの醗酵は、4.6のpHで終了し、これは、この生物によって達成される最低pHに非常に近い。
温暖な国(例えば、エジプト)においては、生乳の保存期間は、不十分な冷却システムに起因して、非常に短い。急激な品質低下の問題を克服するために、NaClが、比較的多量に乳汁に添加される。これは他方で、引き続く乳製品醗酵を妨害する。従って、このような国において、塩耐性のスターター培養物に対する強い要求が存在する。
乳製品の醗酵は、異なる温度要件を有する発端生物によって実施される。異なる温度要件を有する発端生物を含む、1つの温度での醗酵は、これらの生物の1つの最適でない増殖を導く。例として、ヨーグルト製造の場合、最終製品中のLactobacillus delbrueckii ssp.bulgaricusの細胞計数は、一般に、最適ではない温度での醗酵に起因して、非常に低い。
従って、通常の醗酵温度および塩濃度より高い温度および塩濃度で乳汁を醗酵させ得る乳酸菌、およびより低いpH値でより長く生存可能なままである種を開発することに対する緊急の必要性が存在する。他方で、より高温での醗酵は、夾雑物の増加を抑制する。この理由により、塩濃度は、ヒトの健康のために、減少され得る。
本発明の局面は、添付の特許請求の範囲ならびに以下の説明および図面に提示される。これらの局面は、別個の節の見出しの下に提示される。しかし、各節の下の教示は、その特定の節の見出しに必ずしも限定されないことが、理解されるべきである。
(発明の要旨)
興味深いことに、本特許出願の発明者らは、低分子熱ショックタンパク質を発現する特定の種の乳酸菌が、通常の乳汁醗酵温度および/または塩濃度より高い温度および/または塩濃度において、乳汁を醗酵させ得ることを示す。本特許出願の発明者らは、熱ショックタンパク質を発現する乳酸菌が、より低いpH条件下でより長く生存可能なままであり、そして高い醗酵温度に起因して、バクテリオファージ攻撃に対してより感受性でなくなることを、さらに示す。
重要なことに、本発明者らは、本発明の乳酸菌が、乳汁と共にインキュベートされる場合に、熱ショックタンパク質を発現しない、対応する乳酸菌によって生成される醗酵製品と比較して、よりまろやかな味の特性を有する醗酵製品を生成し得ることを見出した。
従って、本発明は、第一の局面において、穏やかな醗酵に基づく乳製品を調製する方法に関し、この方法は、以下の工程を包含する:乳汁を、低分子熱ショックタンパク質を発現し得る乳酸菌と混合する工程、ならびにこの乳汁/細菌混合物を、通常の醗酵温度より高い温度、および/または通常の醗酵塩濃度より高い塩濃度で培養する工程であって、ここで、醗酵製品が、低分子熱ショックタンパク質を発現しない対応する乳酸菌によって生成される醗酵製品と比較して、よりまろやかな味特徴を有する、工程。
別の局面において、乳製品の醗酵プロセスにおいて使用される、好熱性および/または中熱性の乳酸菌を提供し、この乳酸菌は、低分子熱ショックタンパク質をコードする遺伝子を保有し、そしてこの乳酸菌は、本発明の低分子熱ショックタンパク質を発現しない、対応する好熱性および/または中熱性の乳酸菌によって生成される醗酵製品と比較して、よりまろやかな味特徴を有する醗酵製品を生成する。
好ましくは、この製品のpHは、4.0より高い。
別の局面において、本発明は、乳汁を、第一の乳酸菌および第二の乳酸菌と混合する工程、ならびにこの乳汁/細菌混合物を、特定されるように培養する工程を包含する方法を提供し、ここで、第一の乳酸菌および/または第二の乳酸菌のうちの少なくとも1つの各々は、低分子熱ショックタンパク質を発現し得る。
別の局面において、本発明はまた、第一の乳酸菌および第二の乳酸菌の各々が、中熱性細菌を含む方法を提供する。
別の局面において、本発明はまた、第一の乳酸菌および第二の乳酸菌の各々が、好熱性細菌を含む方法を提供する。
別の局面において、本発明はまた、乳汁が、第一の好熱性乳酸菌を含有するスターター培養物と混合され、その後、第二の好熱性乳酸菌が添加される方法を提供する。
別の局面において、本発明はまた、第一の乳酸菌が、中熱性乳酸菌を含み、そして第二の乳酸菌が、好熱性乳酸菌を含む方法を提供する。
別の局面において、本発明はまた、乳汁が、中熱性乳酸菌を含有するスターター培養物と混合され、その後、好熱性乳酸菌が添加される方法を提供する。
別の局面において、本発明はまた、各中熱性細菌が、Lactococcus spp、Leuconostoc spp、Lactococcus lactis、Lactococcus lactis亜種cremoris、およびLactacoccus lactis亜種lactisを含むがこれらに限定されない群から独立して選択される方法を提供する。
別の局面において、本発明はまた、各好熱性細菌が、Steptococcus spp、Bifidobacterium spp、Pediococcus spp、Lactobacillus spp、Steptococcus thermophilus、Lactobacillus delbrueckiiまたはLactobacillus delbrueckii亜種bulgaricus(低分子熱ショックタンパク質をコードする遺伝子を保有するプラスミドを含む)を含むがこれらに限定されない群から独立して選択される方法を提供する。
なお別の局面において、増加した酸耐性を有する、中熱性乳酸菌および好熱性乳酸菌が提供される。
さらなる局面において、上昇した醗酵温度の結果として、バクテリオファージの攻撃に対して減少した感受性を有する、中熱性乳酸菌種および好熱性乳酸菌種が提供される。
なおさらなる局面において、本発明は、本発明の方法によって得られる乳汁、およびこのような乳汁を醗酵させることによって得られる、本発明の低分子熱ショックタンパク質を発現しない対応する乳酸菌によって生成される醗酵製品と比較して、よりまろやかな味特徴を有する醗酵製品(例えば、ヨーグルト、および酸カードチーズ、および硬質チーズ、および半硬質チーズ(モツァレラなど)、およびフレッシュチーズ、およびクワルク(quark)、ならびにバターミルク、およびカッテージチーズ)に関する。
なお別の局面において、本発明は、本発明の方法によって得られる乳汁およびこのような乳汁を醗酵させることによって得られる醗酵製品に関し、ここで、この醗酵製品は、酸カードチーズ、硬質チーズ、半硬質チーズ(モツァレラなど)、フレッシュチーズ、クワルク、バターミルク、スイスタイプチーズ、またはカッテージチーズからなる群より選択され得る。
なおさらなる局面において、本発明は、本発明の方法によって得られる乳汁、およびこのような乳汁を醗酵させることによって得られる、本発明の低分子熱ショックタンパク質を発現しない対応する乳酸菌によって生成されるヨーグルトと比較してまろやかな味特性のヨーグルトに関する。
別の局面において、本発明は、乳汁を醗酵させる方法を提供し、ここで、乳酸菌が、組換え乳酸菌を含み、この乳酸菌は、対応する未改変細菌より高いレベルで、低分子熱ショックタンパク質を発現するように操作されている。
別の局面において、本発明は、乳汁を醗酵させる方法を提供し、ここで、乳酸菌が、組換え乳酸菌を含み、この乳酸菌は、対応する未改変細菌と比較して、低分子熱ショックタンパク質を過剰発現するように操作されている。
別の局面において、好熱性乳酸菌および/または中熱性乳酸菌が提供され、これらの乳酸菌は、乳醗酵製品において使用され、これらの乳酸菌は、低分子熱ショックタンパク質についての遺伝子を保有する。
別の局面において、本発明は、通常の醗酵および/または塩濃度より高い温度および/または塩濃度で、乳汁の醗酵を実施し得る、組換え微生物を提供する。
低分子熱ショックタンパク質(sHsp)は、不可逆的な凝集を防止し、そして変性タンパク質のリフォールディングを補助する、分子シャペロンのファミリーの1つを形成することが公知である。これらのタンパク質は、全ての生物において存在し、そして12〜30kDaの範囲の低い分子量、オリゴマー構造、および保存されたドメインの存在によって特徴付けられる。このドメインは、脊椎動物のα−クリスタリン(cristallin)に非常に類似している。本発明の方法において使用され得る低分子熱ショックタンパク質は、16〜18kDaの範囲の分子量を有することが好ましい。
代表的に、用語「低分子熱ショックタンパク質または(sHsp)」とは、変性タンパク質を結合および安定化し得、そしてこれらの不可逆的凝集を防止し得る、ATP非依存性のsHspをいう。この様式で安定化されるタンパク質は、ATP依存性シャペロン系によって、引き続いてリフォールディングされ得る。
完全な細菌ゲノム配列の分析は、大部分の細菌が、少数の低分子熱ショックタンパク質のみを有することを明らかにした。乳酸菌において、S.thermophisusのほんの数個の株が、sHpsに対する遺伝子を保有し、これらの遺伝子は、細菌ゲノムとは別個の低分子量プラスミド上に位置する。
本発明は、低分子熱ショックタンパク質に関して記載されるが、他の型の熱ショックタンパク質もまた、本発明の方法において適合され、そして使用され得ることが、当業者によって理解されるべきである。
(発明の詳細な説明)
(改善された乳酸醗酵)
本発明の主要な目的は、醗酵に基づく乳製品の特性を改善する方法を提供することである。これは、ヨーグルトに関して、よりまろやかな芳香、酸性度、醗酵後酸性化、味および口当たりの柔らかさに関する非常に望ましい特性を有し、そしてさらに、減少した乳清産生、芳香のまろやかさおよびより高い密度の生存培養物に反映されるような、延長された貯蔵寿命を有するヨーグルトを調製するための方法を提供することによって、達成される。すなわち、醗酵乳製品が新鮮でなくなることが、本発明の微生物を使用せずに製造された乳製品と比較して、遅延される。
本明細書中において使用される場合、用語「よりまろやかな味特性」とは、有意に減少した苦味および/または酸味によって特徴付けられる、醗酵乳製品をいう。さらに、または代替的に、用語「よりまろやかな味特性」はまた、製品のpHに関して意図され得る。従って、まろやかな味特性を有する本発明の製品は、4.0より高いpH、好ましくは、4.0〜5.0の範囲、なおより好ましくは、4.0〜4.7のpHを有する。従って、よりまろやかな味特性の醗酵乳製品とは、本発明の乳酸菌を、乳汁と共に、本発明の方法に従ってインキュベートすることによって得られる醗酵乳製品をいう。
本明細書中において使用される場合、用語「本発明の低分子熱ショックタンパク質を発現しない、対応する乳酸菌」とは、本発明の低分子熱ショックタンパク質を保有するプラスミドを除かれた(すなわち、失った)乳酸菌をいう(実施例を参照のこと)。細菌をプラスミドから除くことは、当該分野において公知の方法によって達成され得る。あるいは、本発明の熱ショックタンパク質を発現しない乳酸菌は、依然としてこのプラスミドを含み得るが、shspをコードする遺伝子は、遺伝子組換えおよび/または変異誘発技術を使用して特異的に改変され、この遺伝子の発現を防止され得る。
ヨーグルトの製造のために本発明の方法を使用することが現在好ましいが、本発明の微生物の添加によって品質が改善され得る任意の他の型の醗酵に基づく乳製品(例えば、硬質チーズ、半硬質チーズ(モツァレラなど)、酸カードチーズ、クワルク、バターミルク、フレッシュチーズおよびカッテージチーズ)のための、この方法の使用もまた企図される。
本発明に関する乳汁は、反芻動物(好ましくは、スイギュウ、ウシ、ヒツジ、ラマ、ヤギまたはラクダからなる群より選択される)から得られ得る。乳汁はまた、脱脂または半脱脂され得る。乳汁はまた、植物(例えば、ダイズまたはイネ)に由来し得るかあるいは合成的に生成された乳汁であり得る。
合成的に生成された乳汁は、当該分野において、乳汁に類似の人工産物を記載するために使用される用語である。合成乳汁の組成は、例えば、消費者が不耐性またはアレルギー性であり得る特定の成分を除くように、特に設計され得る。合成乳汁はまた、強化ミルクであり得る。例として、強化ミルクは、栄養価を有しても有さなくてもよいさらなる化合物(例えば、鉱物、ビタミン、多糖類、オリゴ糖類、増粘剤または水吸収物質)を含有し得る。
一般に、生物の増殖のための温度範囲は、かなりの分類学的値の特徴である。これらの好ましい増殖温度に依存して、細菌は、一般に、そして乳酸菌を含めて、中熱性細菌および好熱性細菌に、広く分割される。中熱性細菌は、20℃〜44℃の最適温度を有することが公知である。一方で、好熱性細菌の最適温度は、35℃〜55℃の範囲である。
本発明は、乳汁を、中熱性乳酸菌および/または好熱性乳酸菌と組み合わせて醗酵させることによって、異なる乳製品を製造する方法に関する。
本発明によれば、中熱性乳酸菌は、20℃〜30℃の範囲の、通常の増殖温度を有する細菌と定義される。しかし、30℃〜44℃の通常の増殖温度を示す中熱性乳酸菌もまた、本発明の方法において使用され得る。
本発明によれば、好熱性乳酸菌は、35℃〜47℃の間の範囲の通常の増殖温度を有する細菌であると定義される。しかし、50℃〜55℃の通常の増殖温度を示す好熱性乳酸菌もまた、本発明の方法において使用され得る。
以下の要約は、多数の異なる中熱性乳酸菌および好熱性乳酸菌を列挙し、これは、説明の目的であり、そして以下の要約に含まれる特定の乳酸菌に、いかなる様式でも限定されない。
スターター培養物の最適増殖温度
Figure 2005519597
本発明の方法は、必須工程として、醗酵条件下で本発明の有効量の乳酸醗酵細菌が、中温性のラクトコッカス(特に、Lactococcus lactis subsp.cremoris)について43℃まで、そして好熱性のStreptococcus thermophilusについて55℃までの、通常の醗酵温度よりも高い温度で乳汁を醗酵し得ることを包含する。
ヨーグルトの醗酵温度は、42℃(または40℃〜43℃の間)であり、これは、2種のスターター生物Streptococcus thermophilusの最適(39℃)とLactobacillus delbrueckii subsp.Bulgaricusの最適(45℃)との間の妥協である。Streptococcus thermophilusが、shspを保有する場合、最適醗酵温度は変更され、そしてその生物の最適温度は上昇する。これは、ヨーグルトを45℃で醗酵させ得、次いで、shspを保有するLactobacillus delbrueckii subsp.BulgaricusおよびStreptococcus thermophilusの両方が、最適温度で増殖することを意味する。
従って、本発明は、本発明に従う小さい熱ショックタンパク質を発現することの結果として、本発明に従う小さい熱ショックタンパク質を発現しない対応する中温性乳酸細菌よりも高い温度で乳汁を醗酵し得る、中温性乳酸細菌を提供する。
本発明はまた、好熱性乳酸細菌Streptococcus thermophilusを提供し、これは、本発明に従う小さい熱ショックタンパク質を発現する場合、42℃〜55℃の範囲で乳汁を醗酵し得、この温度は、本発明に従う小さい熱ショックタンパク質を発現しない対応するStreptococcus thermophilusについての最適温度よりも高い。
重要なことに、有効量の小さい熱ショックタンパク質を発現するStreptococcus thermophilus細菌は、有効量のLactobacillus del.bulgaricusと共にインキュベートされる場合、通常温度よりも高い温度で乳汁を醗酵し得、これが、よりまろやかな風味の特徴的な製品の産生を導く。
本明細書中で使用する場合、用語「有効量」は、乳汁中に存在する検出可能な量の糖化合物を醗酵するのに十分な量の、好熱性細菌種および/または中温性細菌種(例えば、それぞれ、Streptococcus thermophilusまたはLactococcus lactis)を説明する。より具体的には、本発明の微生物の存在は、乳汁中の糖化合物の検出可能な醗酵を生じ得るだけではなく、さらに、乳製品の改善された特性(例えば、有意に改善された酸性度、口当たりの柔らかさ、風味、口当たりの柔らかさおよび芳香のマイルドさ)を生じるレベルで、醗酵最終製品の形成を生じる。これらの特性は、本発明の微生物の添加に起因し得る。
1つの局面において、本発明は、ヨーグルト、酸性カードチーズ、硬質チーズ、半硬質チーズ(例えば、モッツァレラ)またはフレッシュチーズを含むがこれらに限定されない、まろやかな芳香の醗酵乳汁製品の産生のために、上昇した温度で乳汁を醗酵するStreptococcus thermophilusを提供する。
別の局面において、本発明は、クワルク、バターミルク、フレッシュチーズまたはカッテージチーズを含むがこれらに限定されない、まろやかな芳香の醗酵乳汁製品の産生のために、上昇した温度で乳汁を醗酵するLactococcus lactisを提供する。
本明細書中で使用する場合、用語「上昇した温度」または「より高い温度」は、相互交換可能に使用され、そして中温性乳酸細菌および好熱性乳酸細菌が、通常の醗酵温度よりも高い温度で乳汁を醗酵する能力をいう。
中温性乳酸細菌について、用語「上昇した温度」とは、通常の醗酵温度範囲と比較して、39℃〜48℃の間、好ましくは41℃〜47℃の間、より好ましくは43℃〜46℃の間、なおより好ましくは43℃〜46℃の間、そして最も好ましくは43℃での、乳汁の醗酵をいう(上記要旨を参照のこと)。
好熱性乳酸細菌の場合、用語「上昇した温度」とは、通常の醗酵温度範囲と比較して、48℃〜58℃の間、好ましくは53℃〜57℃の間、より好ましくは54℃〜57℃の間、なおより好ましくは54℃〜56℃の間、そして最も好ましくは55℃での、乳汁の醗酵をいう(上記要旨を参照のこと)。
さらに、39℃よりも高い温度で増殖する中温性スターター細菌の利用可能性は、新たな醗酵製品の産生のための、中熱性スターター細菌および/または好熱性スターター細菌の新たな組み合わせを可能にする。
なお別の局面において、本発明は、バクテリオファージ攻撃感受性が減少した乳酸細菌を提供する。これは、本発明に従う乳酸細菌が、上昇した温度で乳汁を醗酵する能力の結果としてである。
別の局面において、本発明は、より高い塩濃度(例えば、1%より高い、好ましくは2%より高い、そしてより好ましくは2.5%より高い)に対する耐性が増大した乳酸細菌を提供する。乳汁の通常の塩濃度は、0.7〜0.8%の範囲であることに留意のこと。
本発明の微生物のこの特徴は、品質を低下させる微生物および病原性微生物の増殖を阻害するために乳汁に塩が添加される、南方の国について特に重要である。本発明の小さい熱ショックタンパク質を発現しない対応する乳酸細菌によって産生された乳製品と比較して、このような乳汁を醗酵させることによって得られたよりまろやかな風味を特徴とする乳製品を産生する場合、このような乳汁は、本発明の乳酸細菌によってより容易に醗酵され得る。
別の局面において、本発明は、4℃で保存した場合に製品の保存期間が増大する、本発明の小さい熱ショックタンパク質を発現する乳酸細菌を含む醗酵製品を提供する。
別の局面において、本発明は、最終製品中の生存可能なLactobacillus sp.の細胞計数がより高い、42℃より高い温度で好熱性スターター培養物を用いたヨーグルトの製品を提供する。
別の局面において、本発明は、乳汁を醗酵する方法を提供し、ここで、乳酸細菌は、組換え乳酸細菌を含み、この組換え乳酸細菌は、対応する未改変の細菌よりもより高いレベルで小さい熱ショックタンパク質を発現するように操作されており、通常の醗酵および/または塩濃度よりも高い温度および/または塩濃度で乳汁醗酵を実行し得る。
別の局面において、本発明は、乳汁を醗酵する方法を提供し、ここで、乳酸細菌は、組換え乳酸細菌を含み、この組換え乳酸細菌は、対応する未改変の細菌と比較して小さい熱ショックタンパク質を過剰発現するように操作されており、通常の醗酵および/または塩濃度よりも高い温度および/または塩濃度で乳汁醗酵を実行し得る。
1つの局面において、本発明は、pSt04およびpER1−1由来のポリペプチドを提供する。
1つの局面において、本発明は、本発明の方法において使用するための、配列番号1および配列番号2として示されるアミノ酸配列から本質的になるポリペプチドを提供する。
本明細書中で使用する場合、用語「アミノ酸配列」とは、ペプチド配列、ポリペプチド配列またはタンパク質配列、あるいはその改変体、ホモログ、フラグメントまたは誘導体をいう。
用語「誘導体」は、本明細書中で使用する場合、本発明の方法において使用され得るポリペプチドの化学的改変を含む。このような改変の例は、アルキル基、アシル基またはアミノ基による水素の置換である。
好ましくは、本発明の方法において使用され得るポリペプチドは、天然のポリペプチドがその天然の環境にある場合、そして天然のポリペプチドが、これもまたその天然の環境にあるその天然のヌクレオチドコード配列によって発現される場合、そしてそのヌクレオチド配列が、これもまたその天然の環境にあるその天然のプロモーターの制御下にある場合、天然のポリペプチドをカバーしない。
より好ましくは、本発明の方法において使用され得るポリペプチドは、天然のポリペプチドがその天然の環境にある場合、そして天然のポリペプチドが、これもまたその天然の環境にあるその天然のヌクレオチドコード配列によって発現される場合、そしてそのヌクレオチド配列が、これもまたその天然の環境にあるその天然のプロモーターの制御下にある場合、天然のポリペプチドをカバーする。
本発明の1つの局面において、これらのポリペプチドは、本発明のポリペプチドを発現しない対応する乳酸細菌によって産生されるヨーグルトと比較して、よりまろやかな風味特徴のヨーグルトの産生における、乳酸細菌による改善された乳汁醗酵方法を提供する。
本発明はまた、本発明の方法において使用され得るポリペプチドをコードする、配列番号3および配列番号4として本質的に示されるヌクレオチド配列もまたカバーする。
本発明の文脈において、本発明の方法において使用され得るポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、天然に存在する形態と同じであり得るか、またはその改変体、ホモログ、フラグメントもしくは誘導体である。好ましくは、本発明の方法において使用され得るポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、乳酸細菌内に含まれる。
用語「ヌクレオチド配列」とは、本明細書中で使用する場合、オリゴヌクレオチド配列またはポリヌクレオチド配列、ならびにその改変体、ホモログ、フラグメントおよび誘導体(例えば、その部分)をいう。
このヌクレオチド配列は、センス鎖でもアンチセンス鎖でも、二本鎖または一本鎖であり得る、ゲノム起源または合成起源または組換え起源のDNAまたはRNAであり得る。このヌクレオチド配列は、完全に天然に存在するDNA配列である必要はない。従って、このDNA配列は、例えば、合成DNA配列、組換えDNA配列(すなわち、組換えDNA技術の使用によって調製された)、cDNA配列または部分的ゲノムDNA配列(これらの組み合わせを含む)であり得る。このDNA配列は、コード領域である必要はない。このDNA配列は、コード領域である場合、コード領域全体である必要はない。さらに、このDNA配列は、センス方向またはアンチセンス方向であり得る。好ましくは、このDNA配列は、センス方向である。しかし、アンチセンスDNA配列が転写され、そしてタンパク質合成のテンプレートとして使用されるいくつかの場合には、アンチセンス配列が好ましい。好ましくは、このDNAはcDNAを含むか、またはcDNAである。
従って、好ましくは、用語「ヌクレオチド配列」は、DNAを意味する。より好ましくは、用語「ヌクレオチド配列」は、組換えDNA技術の使用によって調製されたDNA(すなわち、組換えDNA)を意味する。従って、好ましくは、本発明は、本発明の方法において使用され得るポリペプチドをコードするDNA配列(好ましくは、cDNA配列)に関する。
1つの好ましい局面において、本発明は、本発明のコード配列の方法において使用され得るポリペプチドから本質的になるヌクレオチド配列を提供する。
別の局面において、本発明は、配列番号3および配列番号4で示される本発明の方法において使用され得るポリペプチドをコードする、ヌクレオチド配列を提供する。
さらなる局面において、本発明は、配列番号3または配列番号4で示される本発明の方法において使用され得るポリペプチドをコードする、ヌクレオチド配列、またはその改変体、ホモログ、フラグメントもしくは誘導体を提供する。
本発明の方法において使用され得るポリペプチド/小さい熱ショックタンパク質をコードする変更されたポリヌクレオチド配列は、本発明に従って使用され得、そして本発明のポリペプチドと同じかまたは機能的に等価なポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを生じる異なるヌクレオチド残基を含み得、このポリペプチドは、その中に欠失、挿入または置換を有し得る。
本明細書中で使用する場合、「欠失」は、それぞれ、1つ以上のヌクレオチド残基またはアミノ酸残基が存在しない、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列のいずれかにおける変化として定義される。
本明細書中で使用する場合、「挿入」または「付加」は、それぞれ、本発明の天然に存在するポリペプチドまたはコードヌクレオチド配列と比較して、1つ以上のヌクレオチド残基またはアミノ酸残基の付加を生じている、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列のいずれかにおける変化である。
本明細書中で使用する場合、「置換」は、それぞれ、異なるヌクレオチドまたはアミノ酸による、1つ以上のヌクレオチドまたはアミノ酸の置き換えから生じる。
本発明によれば、記載されるような方法において使用され得るポリペプチド、ポリペプチドのフラグメント、融合タンパク質またはその機能的等価物をコードするヌクレオチド配列は、適切な宿主細胞におけるその発現を指向する組換えDNA分子を生成するために使用され得る。本発明の1つの実施形態において、本発明の方法において使用され得るポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、適切な宿主細胞において、このポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の発現を指向し得るプロモーター配列に、作動可能に連結される。宿主細胞に導入される場合、形質転換した宿主/組換え微生物は、十分なレベルの本発明のポリペプチドが達成されるまで、適切な条件下で培養され得、その後、これらの細胞は、本発明の方法の下で、乳汁の醗酵のために使用され得る。
(ペプチド配列)
本発明の方法において使用され得るポリペプチド配列に関して、用語「改変体」、「ホモログ」、「誘導体」または「フラグメント」は、得られたヌクレオチド配列の発現産物が、通常の温度および/または塩濃度よりも高い温度および/または塩濃度で乳酸細菌が乳汁を醗酵することを可能にし、好ましくは、通常の温度および/または塩濃度よりも高い温度および/または塩濃度で乳酸細菌が乳汁を醗酵することを可能にする、配列番号1および配列番号2によってカバーされる配列の発現産物と少なくとも同じ能力を有する場合、配列からの、またはそのような配列への、1つ(またはそれ以上の)核酸の、任意の置換、バリエーション、改変、置き換え、欠失または付加を含む。
このタンパク質はまた、サイレントな変化を生じ、そして機能的に等価なポリペプチドを生じる、アミノ酸残基の欠失、挿入または置換を有し得る。意図的なアミノ酸置換は、本発明のポリペプチドの生物学的活性が維持される限り、残基の極性、電荷、可溶性、疎水性、親水性および/または両親媒性の性質における類似に基づいて、なされ得る。例えば、負に荷電したアミノ酸としては、アスパラギン酸およびグルタミン酸が挙げられ;正に荷電したアミノ酸としては、リジンおよびアルギニンが挙げられ;そして類似の疎水性値を有する非荷電の極性頭部基を有するアミノ酸としては、ロイシン、イソロイシン、バリン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、フェニルアラニンおよびチロシンが挙げられる。
保存的置換は、例えば、以下の表に従ってなされ得る。二番目の欄の同じブロックにあり、そして好ましくは三番目の欄の同じ行にあるアミノ酸は、互いに置換され得る:
Figure 2005519597
本発明はまた、生じ得る相同な置換(置換および置き換えは共に、既存のアミノ酸残基の、代替の残基との相互交換を意味するように、本明細書中で使用される)(すなわち、類似のものについて類似のものでの置換(例えば、塩基性のものについて塩基性の、酸性のものについて酸性の、極性のものについて極性の、など))を包含する。非相同な置換(すなわち、1つのクラスの残基から別のクラスの残基への、あるいは非天然のアミノ酸(例えば、オルニチン(本明細書中以降Zと称する)、ジアミノ酪酸オルニチン(本明細書中以降Bと称する)、ノルロイシンオルニチン(本明細書中以降Oと称する)、ピリルアラニン、チエニルアラニン、ナフチルアラニンおよびフェニルグリシン)を含めることも含めて)もまた、生じ得る。
置き換えはまた、以下の非天然のアミノ酸によってなされ得る;αアミノ酸およびα二置換アミノ酸、N−アルキルアミノ酸、乳酸、天然アミノ酸のハライド誘導体(例えば、トリフルオロチロシン、p−Cl−フェニルアラニン、p−Br−フェニルアラニン、p−I−フェニルアラニン)、L−アリル−グリシン、β−アラニン、L−α−アミノ酪酸、L−γ−アミノ酪酸、L−α−アミノイソ酪酸、L−ε−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、L−メチオニンスルホン#*、L−ノルロイシン、L−ノルバリン、p−ニトロ−L−フェニルアラニン、L−ヒドロキシプロリン、L−チオプロリン、フェニルアラニン(Phe)のメチル誘導体(例えば、4−メチル−Phe、ペンタメチル−Phe)、L−Phe(4−アミノ)、L−Tyr(メチル)、L−Phe(4−イソプロピル)、L−Tic(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボキシル酸)、L−ジアミノプロピオン酸およびL−Phe(4−ベンジル)。記号は、(相同な置換または非相同な置換に関して)上記考察の目的のために利用されて、誘導体の疎水性性質を示し、一方、#は、誘導体の親水性性質を示すために利用され、#*は、脂肪族特徴を示す。
改変体アミノ酸配列は、配列の任意の2つのアミノ酸の間に挿入され得る適切なスペーサー基(グリシン残基またはβ−アラニン残基のようなアミノ酸スペーサーに加えて、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基またはプロピル基)を含む)を含み得る。
改変としては、アセチル化、アシル化、ADPリボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋、環化、ジスルフィド結合の形成、脱メチル化、共有架橋(cross−ink)の形成、シスチンの形成、ピログルタミン酸の形成、ホルミル化、γ−カルボキシル化、ヒドロキシル化、メチル化、酸化、タンパク質分解プロセシング、セレノイル化(selenoylation)、硫酸化が挙げられる。
本発明の方法において使用され得るポリペプチドはまた、タンパク質の精製を容易にするために付加された1つ以上のさらなるポリペプチドドメインを有する組換えタンパク質として発現され得る。このような精製を促進するドメインとしては、固定化金属での精製を可能にする金属キレートペプチド(例えば、ヒスチジン−トリプトファンモジュール)(Porath J(1992)Protein Expr Purif 3−26328 1)、固定化免疫グロブリンでの精製を可能にするプロテインAドメイン、およびFLAGS伸長/親和性精製システム(Immunex Corp,Seattle,WA)において利用されるドメインが挙げられるが、これらに限定されない。精製ドメインと本発明の方法において使用され得るポリペプチドとの間の切断可能なリンカー配列(例えば、第XA因子またはエンテロキナーゼ(Invitrogen,San Diego,CA))の内包は、精製を促進するために有用である。
(ヌクレオチド配列)
本発明の方法において使用され得るヌクレオチド配列に関して、用語「改変体」、「ホモログ」、「誘導体」または「フラグメント」は、得られたヌクレオチド配列の発現産物が、通常よりも高い温度および/または塩濃度で乳酸細菌が乳汁を醗酵することを可能にし、好ましくは、より高い温度および/または塩濃度で乳酸細菌が乳汁を醗酵することを可能にする、配列番号3および/または配列番号4によってカバーされる配列の発現産物と少なくとも同じ能力を有する場合、配列からの、またはそのような配列への、1つ(またはそれ以上の)核酸の、任意の置換、バリエーション、改変、置き換え、欠失または付加を含む。
特に、用語「ホモログ」は、得られるヌクレオチド配列の発現産物を提供し、通常よりも高い温度および塩濃度で、乳酸菌が乳汁を発酵するのを可能にする能力を有する、構造および/または機能に関して、同一性を網羅する。配列同一性(すなわち、類似性)に関して、好ましくは、少なくとも75%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%の配列同一性が存在する。より好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%の配列同一性が存在する。この用語はまた、配列の対立遺伝子バリエーションを包含する。
配列番号3および/または配列番号4に関する配列同一性は、任意の1つ以上の配列と別の配列との簡単な「眼球」比較(すなわち、厳密な比較)によって、他の配列が、例えば、この配列に対して少なくとも75%の配列同一性を有するか否かを観察することによって決定され得る。
相対配列同一性はまた、例えば、デフォルトパラメーターを使用して、同一性を決定するための任意の適切なアルゴリズムを使用して、2つ以上の配列間の%同一性を計算し得る市販のコンピュータープログラムによって、決定され得る。このようなコンピュータープログラムの代表的な例は、CLUSTALである。有利には、パラメーターをデフォルト値に設定して、BLASTアルゴリズムが用いられる。このBLASTアルゴリズムは、http://www.ncbi.nih.gov/BLAST/blast help.html(本明細書中に参考として援用される)で詳細に記載される。検索パラメーターは、以下のようにして規定され、有利には、規定されたデフォルトパラメーターに設定され得る。
有利には、BLASTにより評価する場合、「実質的に同一」は、少なくとも約7、好ましくは少なくとも約9、最も好ましくは10以上のEXPECT値と一致する配列と同等である。BLAST検索におけるEXPECTのデフォルト閾値は、通常、10である。
BLAST(Basic Local Alignment Serch Tool)は、プログラム、blastp、blastn、blastx、tblastnおよびtblastxにより用いられる発見的検索アルゴリズムであり;これらのプログラムは、わずかに改良したKarlinおよびAltschul(http://www.ncbi.nih.gov/BLAST/blast help.htmlを参照のこと)の統計的方法を使用たその検索結果に対する有意性に基づく。BLASTプログラムは、配列類似性検索に適合され、例えば、問い合わせ配列に対するホモログを同定する。配列データベースの類似性検索における基本的な問題の議論については、Altschulら、1994,Nature Genetics 6:119−129を参照のこと。
http://www.ncbi.nlm.nih.govで入手可能な5つのBLASTプログラムは、以下のタスクを実行する:
blastp−アミノ酸問い合わせ配列をタンパク質配列データベースと比較する。
blastn−ヌクレオチド問い合わせ配列をヌクレオチド配列データベースと比較する。
blastx−ヌクレオチド問い合わせ配列の6通りのフレーム概念翻訳産物(鎖の両側)を、タンパク質配列データベースと比較する。
tblastn−タンパク質問い合わせ配列を、6通り全てのリーディングフレーム(鎖の両側)において動的に翻訳されるヌクレオチド配列データベースと比較する。
tblastx−ヌクレオチド問い合わせ配列の6通りのフレーム翻訳を、ヌクレオチド配列データベースの6通りのフレーム翻訳と比較する。
BLASTは、以下の検索パラメーターを使用する:
HISTOGRAM−各検索についてのスコアのヒストグラムを表示する;デフォルトは、yesである(BLASTマニュアルにおけるパラメーターHを参照のこと)。
DESCRIPTIONS−レポートされるマッチング配列の短い記述の数を、特定された数に制限する;デフォルト限度は、100の記述である(マニュアルページのパラメーターVを参照のこと)。
EXPECT−データベース配列に対するマッチングをレポートするための統計的有意性閾値;デフォルト値は、10である(KarlinおよびAltschul(1990)の確率的モデルによると、10のマッチングが、単に偶然に見出されると予想される)。マッチングに起因する統計的有意性が、EXPECT閾値よりも大きい場合、このマッチングはレポートされない。より低いEXPECT閾値は、よりストリンジェントが高く、これによりレポートされるマッチングの確率がより低くなる。少数の値が、入力可能である(BLASTマニュアルにおけるパラメーターEを参照のこと)。
CUTOFF−ハイスコアセグメント対をレポートするためのカットオフスコア。デフォルト値は、EXPECT値(上記を参照のこと)から算出される。HSPに基づく統計的有意性が、少なくとも、CUTOFF値と等しいスコアを有する単独のHSPに基づく場合と同じ程度に高い場合にのみ、HSPがデータベース配列について報告される。より高いCUTOFF値は、ストリンジェントが高く、これによりレポートされるマッチングの確率がより低くなる(BLASTマニュアルにおけるパラメーターSを参照のこと)。代表的には、有意性閾値は、EXPECTを使用してより直感的に管理され得る。
ALIGNMENTS−データベース配列を、ハイスコアセグメント対(HSP)が報告される特定の数に制限する;デフォルト限界は、50である。これより多くのデータベース配列が、レポートのための統計的有意性閾値を偶然満たす場合(以下のEXPECTおよびCUTOFFを参照のこと)、最も高い統計的有意性に起因するマッチングのみが、レポートされる(BLASTマニュアルにおけるパラメーターBを参照のこと)。
MATRIX−BLASTP、BLASTX、TBLASTNおよびTBLASTXについての代替のスコア付けマトリクスを特定する。デフォルトマトリクスは、BLOSUM62(Henikoff & Henikoff,1992 Proc Natl Acad Sci USA,89(22),10915−9)。有効な代替の選択肢としては、PAM40、PAM120、PAM250およびIDENTITYが挙げられる。BLASTNについて、利用可能な代替のスコア付けマトリクスは存在せず;BLASTNにおけるMATRIXディレクティブの特定は、リターンおよびエラー応答を要求する。
STRAND−TBLASTN検索を、データベース配列の上の鎖または下の鎖のみに制限する;またはBLASTN検索、BLASTX検索またはTBLASTX検索を、問い合わせ配列の上の鎖または下の鎖におけるリーディングフレームのみに制限する。
FILTER−Wootton & Federhen 1993 Computers and Chemistry 17:149−163のSEGプログラムによって決定されるような、低い組成複雑性を有する問い合わせ配列のセグメント、またはClaverie & States 1993 Computers and Chemistry 17:191−201のXNUプログラム、またはBLASTNについては、TatusovおよびLipmanのDUSTプログラム(http://www.ncbi.nlm.nih.govを参照のこと)によって決定されるような、短周期内部反復から構成されるセグメントをマスクする。フィルタリングは、blast出力から、統計的に有意であるが生物学的に目的と違うレポート(例えば、一般的な酸性領域、塩基性領域またはプロリンリッチ領域にヒットする)を除去し、データベース配列に対する特異的なマッチングのために利用可能な問い合わせ配列の、生物学的により目的に適す領域を残す。
フィルタープログラムによって見出された複雑性の低い配列は、ヌクレオチド配列中において、文字「N」を使用して置き換えられ(例えば、「NNNNNNNNNNNNN」)、そしてタンパク質配列において、文字「X」で置き換えられる(例えば、「XXXXXXXXX」)。
フィルタリングは、問い合わせ配列(またはその翻訳産物)にのみ適用され、データベース配列には適用されない。デフォルトフィルタリングは、BLASTNについて、DUSTであり、他のプログラムについて、SEGである。
SWISS−PROTにおける配列に適用される場合、SEG、XNUまたはその両方によってマスクされるものが全くないことは珍しいことではなく、そのため、フィルタリングは、常に効果をもたらすことを期待するべきではない。さらに、いくつかの場合において、配列は、その全体においてマスクされ、このことは、フィルタリングされていない問い合わせ配列に対してレポートされた任意のマッチングの統計的有意性が疑わしいはずであることを示す。
NCBI−gi − NCBI gi識別子を、出力において、登録名および/または遺伝子座名に加えて示させる。
最も好ましくは、配列比較は、http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLASTで提供される簡単なBLAST検索アルゴリズムを使用して実施される。
配列同一性を決定する場合にギャップペナルティーが使用される場合、好ましくは、以下のパラメーターが使用される:
Figure 2005519597
2つの配列の間の同一性および類似性を決定するための他のコンピュータープログラム法としては、GCGプログラムパッケージ(Devereuxら、1984 Nucleic Acids Research 12:387)、およびFASTA(Atschulら、1990 J Molec Biol 215:403−410)が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明はまた、本発明の方法で使用され得る配列に相補的な配列、あるいは本発明の配列である配列番号3および配列番号4またはこれらの相補的な配列のいずれかにハイブリダイズし得る配列を包含する。
用語「ハイブリダイゼーション」は、本明細書中で使用される場合、「核酸の鎖が、塩基対形成によって相補鎖に結合するプロセス」、およびポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術において実行されるような増幅プロセスを含む。
本発明はまた、本明細書中に記載される配列に対して相補的な配列、または任意の誘導体、それらのフラグメントもしくは誘導体にハイブリダイズし得るヌクレオチド配列の使用を包含する。
用語「改変体」はまた、本明細書中に記載されるヌクレオチド配列にハイブリダイズし得る配列に相補的な配列を包含する。
好ましくは、用語「改変体」は、ストリンジェントな条件下(例えば、50℃、0.2×SSC{1×SSC=0.15M NaCl、0.015M クエン酸Na(pH7.0)})で、本明細書中に記載されるヌクレオチド配列にハイブリダイズし得る配列に相補的な配列を包含する。
より好ましくは、用語「改変体」は、高ストリンジェントな条件下(例えば、65℃、0.1×SSC{1×SSC=0.15M NaCl、0.015M クエン酸Na(pH7.0)})で、本明細書中に記載されるヌクレオチド配列にハイブリダイズし得る配列に相補的な配列を包含する。
本発明はまた、本発明の方法で使用され得るヌクレオチド配列(本明細書に記載される配列の相補配列を含む)にハイブリダイズし得るヌクレオチド配列に関する。
本発明はまた、本発明の方法で使用され得るヌクレオチド配列(本明細書に記載される配列の相補配列を含む)にハイブリダイズし得る配列に相補的なヌクレオチド配列に関する。
中程度〜最高のストリンジェンシーの条件下で、本明細書に記載されるヌクレオチド配列にハイブリダイズし得るポリヌクレオチド配列もまた、本発明の範囲内である。
用語「選択的にハイブリダイズ可能な」とは、ヌクレオチド配列が、プローブとして使用される場合、本発明の方法で使用され得る標的ヌクレオチド配列が、バックグラウンドより有意に上のレベルでこのプローブにハイブリダイズすることが見出されている条件下で使用されることを意味する。バックグランドハイブリダイゼーションは、例えば、スクリーニングされているcDNAライブラリまたは細菌ゲノムDNAライブラリ中の他のヌクレオチド配列の存在に起因して生じ得る。この場合、バックグランドは、プローブと、ライブラリの非特異的DNAメンバー(標的DNAで観察される特異的相互作用の10倍未満、好ましくは100倍未満の強度である)との間の相互作用によって生じるレベルを示す。相互作用の強度は、例えば、プローブを、例えば、32Pで放射性標識することによって、測定され得る。
ハイブリダイゼーション条件は、BergerおよびKimmel(1987,Guide to Molecular Cloning Techniques,Methods in Enzymology,152,Academic Press,San Diego CA)で教示されるような、核酸結合複合体の融点(Tm)に基づき、そして以下で説明されるように、規定された「ストリンジェンシー」を与える。
最高のストリンジェンシーは、代表的に、約Tm−5℃(プローブのTmより5℃下)で生じ;高ストリンジェンシーは、Tmの約5℃〜10℃下で生じ;中程度のストリンジェンシーは、Tmの約10℃〜20℃下で生じ;そして低ストリンジェンシーは、Tmの約20℃〜25℃下で生じる。当業者により理解されるように、最高ストリンジェンシーのハイブリダイゼーションは、同一のヌクレオチド配列を同定または検出するために使用され得、一方、中程度(または低い)ストリンジェンシーのハイブリダイゼーションは、類似または関連のポリヌクレオチド配列を同定または検出するために使用され得る。
好ましい局面において、本発明は、ストリンジェントな条件下(例えば、65℃、0.1×SSC{1×SSC=0.15M NaCl、0.015M クエン酸Na(pH7.0)})で、本発明の方法で使用され得るヌクレオチド配列にハイブリダイズし得るヌクレオチド配列を網羅する。本発明の方法で使用され得るヌクレオチド配列が、二本鎖である場合、二重鎖の両方の鎖は、個々にまたは組み合わせてのいずれかで、本発明によって包含される。ヌクレオチド配列が一本鎖である場合、このヌクレオチド配列の相補配列もまた、本発明の範囲に含まれることが理解されるべきである。
本発明の方法で使用され得る配列に100%相同ではないが、本発明の範囲に含まれるヌクレオチド配列は、多数の方法で得られ得る。本明細書に記載される配列の他の改変体は、例えば、ある範囲の供給源から作製されるDNAライブラリをプローブすることによって、得られ得る。さらに、他のウイルス性/細菌性ホモログ、または細胞性ホモログ、特に、哺乳動物細胞(例えば、ラット、マウス、ウシおよび霊長類の細胞)において見出される細胞ホモログが得られ得、そしてこのようなホモログおよびそのフラグメントは、一般に、本明細書中の配列表に示される配列に選択的にハイブリダイズし得る。このような配列は、他の動物種から作製されたcDNAライブラリ、または他の動物種由来のゲノムDNAライブラリをプローブし、そしてこのようなライブラリを、本発明の配列表の配列番号3または配列番号4に示されるヌクレオチド配列の全てまたは一部を含むプローブで、中程度〜高いストリンジェンシーの条件下でプローブすることによって、得られ得る。
改変体および株/種ホモログはまた、縮重PCRを使用して得られ得、この縮重PCRは、本発明の方法で使用され得る配列内の保存されたアミノ酸配列をコードする改変体およびホモログ内の配列を標的化するように設計されたプライマーを使用する。保存された配列は、例えば、いくつかの改変体/ホモログ由来のアミノ酸配列を整列することによって、予測され得る。配列アラインメントは、当該分野で公知のコンピューターソフトウェアを使用して実施され得る。例えば、GCG Wisconsin PileUpプログラムが、広く使用される。縮重PCRで使用されるプライマーは、1つ以上の縮重位置を含み、そして既知の配列に対して1つの配列プライマーを用いて配列をクローニングするために使用される条件よりも低いストリンジェンシー条件で使用される。
あるいは、このようなヌクレオチド配列は、特徴付けされた配列(例えば、本発明の配列表の配列番号3または配列番号4に示されるヌクレオチド配列)の部位特異的変位誘発によって得られ得る。例えば、ヌクレオチド配列が発現される特定の宿主細胞についてコドンの優先度を最適化するためにサイレントなコドン変化が配列に必要とされる場合、これは有用であり得る。
本発明の方法で使用され得るヌクレオチド配列は、プライマー(例えば、PCRプライマー、代替的増幅反応のためのプライマー)、プローブ(例えば、放射性標識もしくは非放射性標識を使用する従来の手段による、明示標識によって標識されたプローブ)、またはベクターにクローニングされ得るヌクレオチド配列を生成するために使用され得る。このようなプライマー、プローブおよび他のフラグメントは、少なくとも15ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも20ヌクレオチド長(例えば、少なくとも25、30または40ヌクレオチド長)であり、そしてまた、本明細書中で使用される場合、本発明の方法で使用され得る用語「ヌクレオチド配列」により包含される。
本発明に従うDNAポリヌクレオチドおよびプローブの様なヌクレオチド配列は、組換え的にか、合成的にか、または当業者に利用可能な任意の手段によって生成され得る。これらはまた、標準的な技術によってクローニングされ得る。
一般に、プライマーは、一度に所望の核酸配列の1ヌクレオチドの段階的製造を含む合成手段によって、生成される。自動化技術を使用してこれを達成するための技術は、当該分野で容易に利用可能である。
より長いヌクレオチド配列は、一般に、例えば、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)クローニング技術を使用して、組換え手段を使用して生成される。これは、クローニングすることが所望される標的配列の領域に隣接する一対のプライマー(例えば、約15〜30ヌクレオチド)を作製すること、このプライマーを、細菌細胞から得られたmRNAまたはcDNAと接触させること、所望の領域の増幅をもたらす条件下で、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を実施すること、増幅されたフラグメントを(例えば、反応混合物をアガロースゲルで精製することによって)単離すること、および増幅されたDNAを回収すること、を包含する。これらのプライマーは、適切な制限酵素認識部位を含むように設計され得、その結果、増幅されたDNAは、適切なクローニングベクターにクローニングされ得る。
遺伝コードの固有の縮重に起因して、実質的に同じかまたは機能的に等価なアミノ酸配列をコードする他のDNA配列が、本発明のポリヌクレオチドをクローニングし発現するために使用され得る。当業者により理解されるように、特定の発現系について、天然に存在しないコドンを有するヌクレオチド配列をコードする、本発明の方法で使用され得るポリヌクレオチドを生成することが有利であり得る。特定の原核生物細胞に好まれるコドン(Murray Eら、1989,Nuc Acids Res 17:477−508)が、選択されて、例えば、チャネル発現の速度が増大され得るか、または所望の特性(例えば、天然に存在する配列から生成される転写物より、長い半減期)を有する組換えRNA転写物が生成され得る。
一実施形態において、本発明の方法で使用され得るポリペプチドは、組換えポリペプチドである。
好ましくは、本発明の方法で使用され得る組換えポリペプチドは、遺伝ベクターを使用して調製される。
(構築物)
用語「構築物」は、プロモーターに直接結合された、本明細書に記載されるヌクレオチド配列を含む。同じことが、直接結合を含む本発明に関して、用語「融合された」についても当てはまる。各場合において、これらの用語は、野生型遺伝子プロモーターと通常会合しているタンパク質をコードするヌクレオチド配列の本来の組合せ、およびこれらの両方がその天然の環境にある場合を網羅しない。
この構築物は、例えば、好ましくはEscherichia属(例えば、Escherichia coli)、またはStreptococcus属(例えば、Streprococcus thermophilus)、またはLactococcus属(例えば、Lactococcus lactis、Lactococcus lactis subsp.cremoris、Lactococcus lactis subsp.Lactis)、Leuconostoc属、Pediococcus属またはBifidobacterium属の細菌における遺伝構築物の選択を可能にするマーカーをさらに含み得るか、または発現し得る。抗生物質耐性(例えば、カナマイシン、ゲンタマイシンおよびアンピシリン、ペニシリンに対する耐性)を提供するマーカーのような、使用され得る種々のマーカーが存在する。
好ましくは、本発明の構築物は、少なくとも、プロモーターに作動可能に連結された、本発明の方法で使用され得るヌクレオチド配列を含む。
(ベクター)
用語「ベクター」は、発現ベクター、形質転換ベクターおよびエピソームを含む。
用語「発現ベクター」は、インビボまたはインビトロで発現し得る構築物を意味する。
好ましくは、本発明のベクターは、プラスミドである。
本発明のベクターは、本発明の方法で使用され得るポリペプチドの発現に適切な環境を提供するように制御された条件下で、以下に記載されるような適切な宿主細胞内に形質転換され得る。従って、さらなる局面において、本発明は、本発明に従うポリペプチドを発現するためのプロセスを提供し、このプロセスは、上記のような発現ベクターで形質転換された宿主細胞を、本発明の方法で使用され得るポリペプチドをコードするコード配列のベクターによる発現を提供するための条件下で培養する工程を包含する。
本発明の方法において用いられ得るタンパク質をコードする配列に作動可能に連結した制御配列は、プロモーター/エンハンサーおよび他の発現調節配列を含む。これらの制御配列は、発現ベクターが用いられるように設計される宿主細胞と適合性であるよう選択され得る。用語プロモーターは、例えば、RNAポリメラーゼ結合部位として当該分野で周知であり、そして大きさおよび複雑さにおいて、最小のプロモーターから上流調節配列およびエンハンサーを含むプロモーターにわたる核酸領域を含む。
用語「プロモーター」は、例えば、RNAポリメラーゼ結合部位のような、当該分野の普通の意味において用いられる。このプロモーターは、必要に応じてエンハンサーエレメントを含み得る。
用語「エンハンサー」は、転写開始複合体の他のタンパク質成分と結合し、こうしてその会合したプロモーターによって指図される転写の開始を容易にするDNA配列を含む。
このプロモーターは、適切な宿主における発現レベルを確実にするかまたは増加させる特徴を含み得る。例えば、これらの特徴は、Pribnowボックス、Kozak配列またはTATAボックスのような保存された領域であり得る。このプロモーターは、ヌクレオチド配列の発現のレベルに影響する(例えば、維持する、増強する、減少させる)、他の配列を含みさえし得る。例えば、適切な他の配列としては、以下:転写調節タンパク質についての標的配列、消費された−10モチーフ(expended −10 motif)、RNAリーダー配列、UPエレメントなどが挙げられる。他の配列としては、温度誘導性エレメント、化学物質誘導性エレメント、光誘導性エレメントまたはストレス誘導性エレメントのような誘導性エレメントが挙げられる。また、転写または翻訳を増強強するのに適切なエレメントが、存在し得る。
別の実施形態において、構成的プロモーターが、本発明の方法において用いられ得る、所望されるポリペプチドの発現を指図するよう選択され得る。このような発現構築物は、誘導基質を含む培地上で発現宿主を培養する必要性を回避するので、さらなる利点を提供し得る。
このプロモーターは、代表的に、原核生物プロモーターおよび真核生物プロモーターと呼ばれる、細菌細胞または真菌細胞において機能的であるプロモーターから選択される。
より好ましくは、このプロモーターは、乳酸細菌において活性であるプロモーターから選択される。
誘導可能であることは、プロモーターにとってまた、利点のあることであり得、その結果、異種遺伝子の発現のレベルは、細胞の寿命の間、調節され得る。誘導可能(誘導性)とは、プロモーターを用いて得られた発現のレベルが調節され得ることを意味する。
さらに、任意のこれらのプロモーターが、さらなる調節配列、例えば、エンハンサー配列の付加により、改変され得る。上記の2つ以上の異なるプロモーター由来の配列エレメントを含むキメラプロモーターもまた、用いられる。
本発明のベクターは、1つ以上の選択マーカー遺伝子(例えば、アンピシリン耐性遺伝子またはペニシリン耐性遺伝子)を含み得る。
産業上の微生物についての好ましい選択系は、宿主生物における変異を必要としない選択マーカーの群により形成される系である。真菌選択マーカーの例は、アセトアミダーゼ(amdS)、ATPシンセターゼ、サブユニット9(oliC)、オロチジン−5’−ホスフェート−デカルボキシラーゼ(pvrA)、フレオマイシン(phleomycin)およびベノミル耐性(benA)についての遺伝子である。非真菌選択マーカーの例は、細菌性G418耐性遺伝子(これはまた酵母において用いられ得るが、糸状菌では用いられない)、アンピシリンまたはカナマイシン耐性遺伝子(E.coli)、ネオマイシン耐性遺伝子(Bacillus)およびβ−グルコロニダーゼ(GUS)をコードするE.coli uidA遺伝子である。
ベクターは、例えばRNAの産生のためにインビトロで用いられ得るか、または宿主細胞をトランスフェクトするために用いられ得る。
本発明のベクターはまた、エピソームを含む。
本明細書中で用いられる場合、用語「エピソーム」は、宿主細胞中で、染色体外の単位として、独立した存在を時々有し、そして他の時には、細胞の染色体に組み込まれ、染色体と一緒にそれ自身を複製する、プロモーターを必要に応じて含む一連の遺伝子から構成される遺伝物質の単位を意味する。エピソームは、細菌において研究されている。エピソームの一群は、事実上、細菌に感染するウイルスである。性因子と呼ばれるエピソームは、染色体物質が、1つの細菌から別の細菌に転移されるか否かを決定する。他のエピソームは、細菌を抗生物質の阻害作用に対して耐性にする遺伝子を保有する。さらに、エピソームは、細菌が通常より高い温度、酸性度、塩などを切り抜けて生き残ることを可能にする遺伝子を保有する。
従って、本発明の方法において用いられ得るポリヌクレオチドは、組換えベクター(代表的には複製可能ベクター)、例えばクローニングベクターまたは発現ベクターに組み込まれ得る。このベクターを用いて、適合性の宿主細胞中で核酸を複製し得る。従ってさらなる実施形態において、本発明は、ポリヌクレオチドを複製可能なベクター中に導入し、このベクターを適合性の宿主細胞に導入し、そしてベクターの複製をもたらす条件下でこの宿主細胞を増殖させることにより、本発明の方法において用いられ得るポリヌクレオチドを作る方法を提供する。このベクターは、宿主細胞から回収され得る。適切な宿主細胞が、発現ベクターと関連して以下に記載される。
(細胞)
本発明は、その範囲内において、本発明の核酸分子、構築物またはベクターを含む細胞を包含する。これらは、例えば、本明細書中に記載されるように、発現のために用いられ得る。
本発明の方法において用いられ得るポリペプチドをコードするヌクレオチド配列で形質転換された宿主細胞は、ポリペプチドの発現および細胞培養物からの回収に適切な条件下で培養され得る。組換え細胞により産生されるタンパク質は、用いられる配列および/またはベクターに細胞内で依存して、分泌され得るか、または含まれ得る。当業者によって理解されるように、本発明の方法において用いられ得るポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む発現ベクターは、特定の原核生物細胞膜を介してポリペプチドの分泌を指図するシグナル配列を備えて設計され得る。他の組換え構築物が、本発明の方法において用いられ得るポリペプチドをコードするヌクレオチド配列と、可溶性タンパク質の精製を容易にするポリペプチドドメインをコードするヌクレオチド配列とを連結させ得る(Kroll DJら、1993,DNA Cell Biol 12:441−53,融合タンパク質を含むベクターの上記考察もまた、参照のこと)。
本発明の方法において用いられ得る細胞は、任意の適切な形態で提供され得る。例えば、これらの細胞は、単離された形態で、培養物中で、保存された形態などで、提供され得る。保存としては、例えば、低温保存法、緩衝化、滅菌条件などが挙げられ得る。本発明の方法において用いられ得る細胞は、遺伝子クローニング技術により、または任意の他の手段により提供され得る。
好ましくは、本発明の方法において用いられ得るヌクレオチド配列は、転写単位に作動可能に連結される。
本明細書中で記載される場合、用語「転写単位」は、コード配列および他の全てのコード配列から独立してコード配列の発現を達成するためのシグナルを含む核酸の領域である。従って、各々の転写単位は一般に、少なくともプロモーター、必要に応じてエンハンサーおよびポリアデニル化シグナルを含む。
ハイブリッドプロモーターもまた、発現構築物の誘導可能な調節を改良するために用いられ得る。
用語「形質転換(された)細胞」とは、改変された遺伝子構造を有する細胞を意味する。本発明で、本発明に従うベクターが細胞に導入されている場合、細胞は改変された遺伝子構造を有する。
本発明はまた、本発明の方法において用いられ得るヌクレオチド配列で宿主細胞を形質転換する工程を包含する方法を提供する。
本発明はまた、本明細書中で記載されるような本発明に従うヌクレオチド配列によってコードされる、本発明の方法において用いられ得るポリペプチドの発現に適切な条件下で、形質転換された宿主細胞を培養する工程を包含する方法を提供する。この細胞は、前記ヌクレオチド配列で形質転換されている。
本発明はまた、本発明に従うヌクレオチド配列によりコードされる本発明の方法において用いられ得るポリペプチドの発現に適切な条件下で、形質転換された宿主細胞を培養する工程、そして続いてこの形質転換された宿主細胞培養物から前記ポリペプチドを回収する工程を包含する方法を提供する。この細胞は、前記ヌクレオチド配列またはその誘導体、ホモログ、改変体もしくはフラグメントで形質転換されている。
本発明はまた、本明細書中に提示される配列に相補的なヌクレオチド配列またはその任意のフラグメントもしくは誘導体を包含する。配列がそのフラグメントに相補的である場合、この配列は、他の生物中で類似のプロモーター配列を同定するためのプローブとして用いられ得る。
本発明の方法において用いられ得るポリペプチドおよびそのフラグメントは、組換えE.coliまたは組換え真菌において産生され得る。好ましくは、本発明の方法において使用するためのポリペプチドおよびそのフラグメントは、組換え乳酸細菌において産生される。
用語「形質転換ベクター」とは、ある実体から別の実体へ転移されることが可能な構築物を意味する。この実体は、種であり得るか、または異なる種であり得る。構築物が、E.coliプラスミドから細菌(例えば、Streptococcus属、Lactococcus属、Lactobacillus属、Leuconostoc属、Bifidobacterium属またはPediococcus属)へのように、ある種から別の種へ転移されることが可能である場合、この形質転換ベクターは、時々「シャトルベクター」と呼ばれる。
本発明に関連する、用語「宿主細胞」は、本発明に従う組換えタンパク質をコードするヌクレオチド配列および/またはそこから得られる産物を含み得る任意の細胞を含み、ここでプロモーターは、宿主細胞中に存在する場合、本発明に従うヌクレオチド配列の発現を可能にし得る。さらに、本発明のベクターおよびポリヌクレオチド(上記のレポーター遺伝子構築物)もまた、ベクター/ポリヌクレオチドを複製するために、宿主細胞中に導入され得る。
好ましい実施形態において、宿主細胞は乳酸細菌である。例として、この乳酸細菌は、Streptococcus、Lactococcus、Lactobacillus、Leuconostoc、BifidobateriumまたはPediococcusを含むがこれらに限定されない、細菌の群から選択され得る。
(宿主細胞/宿主生物の形質転換)
前に示したように、宿主生物は、原核生物または真核生物であり得る。適切な原核生物宿主の例としては、E.coliが挙げられる。より好ましくは、Streptococcus、Lactococcus、Lactobacilus、Pediococcus、LeuconostocまたはBifidobacteriumのような乳酸細菌である。原核生物宿主の形質転換に対する教示は、当該分野で十分記録されている。例えば、Sambrookら(Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版,1989,Cold Spring Harbor Laboratory Press)およびAusubelら、Current Protocols in Molecular Biology(1995),John Wiley&Sons,Inc.を参照のこと。
原核生物宿主が用いられる場合、ヌクレオチド配列が、例えばイントロンの除去のように、形質転換の前に適切に改変される必要があり得る。
マーカー遺伝子の発現の存在/不在が、本発明の方法において用いられ得るヌクレオチド配列および/またはポリペプチドがまた存在していることを示すが、これらの存在および発現は確認されるべきである。例えば、本発明の方法において用いられ得るポリペプチドをコードするヌクレオチド配列が、マーカー遺伝子配列内に挿入される場合、ポリペプチドコード領域を含む組換え細胞は、マーカー遺伝子機能の不在によって同定され得る。あるいは、マーカー遺伝子は、単一のプロモーターの制御下で、本発明の方法において用いられ得るポリペプチドをコードするヌクレオチド配列と直列に配置され得る。誘導または選択に応答するマーカー遺伝子の発現は、通常、ポリペプチドの発現も同様に示す。
特定の分子の発現を定量化するさらなる方法としては、放射標識(Melby PCら、1993,J Immunol Methods 159:235−44)またはビオチン化(Duplaa Cら、1993,Anal Biochem 229−36)ヌクレオチド、コントロール核酸の同時増幅、および実験的結果が内挿される標準曲線が挙げられる。複数のサンプルの定量化が、ELISAフォーマットでアッセイを行なうことによって加速され得、ここで本発明の方法において用いられ得るポリペプチドは、種々の希釈で調製され得、分光光度的応答および熱量測定的応答が、迅速な定量化を与える。
本発明はまた、発現ベクターおよび形質転換された宿主細胞に関し、この形質転換された宿主細胞は、本発明に従う種々の乳製品の製造を導く、乳汁を発酵させる観点で、ポリペプチドのインビボまたはインビトロでの産生のために本発明の方法において用いられ得るポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、またはその改変体、ホモログ、フラグメントもしくは誘導体を含む。
ここで、本発明は、参照が以下の図および表に対してなされる、実施例として例示される。
表1 細菌株およびバクテリオファージ。
表2 4℃で保存される間の、42℃および50℃にてS.thermophilus S4およびLactobacilus bulgaricus 92063で産生されたヨーグルトのpH値の変化。
(図面のより詳細な説明)
(図1.A.)
S.thermophilus S4−1の可溶性タンパク質のSDS−PAGE(レーン2)および40℃(レーン3および4)、45℃(レーン5および6)および55℃(レーン7および8)での60分間のインキュベーション後に熱ショックにかけた、S4 w/oのSDS−PAGE。レーン1は、6.5kDa;14.2kDa;18.4kDa;29kDA;48.5kDa;および66kDaの分子量を有するタンパク質サイズマーカーを含む。レーン9は、過剰発現E.coli株から単離された、部分的に精製されたsHspを含む。熱ショックを、指示された時間で、インキュベーションの前に30分間、52℃で実施した。
(図1.B.)
S.thermophilus S4におけるsHsp発現の誘導。増殖の後期対数期(OD260 約1.0)までLTM17培地中で増殖したS.thermophilus S4およびS.thermophilus S4−1を収集し、糖を含まない培地で洗い、そして0.05%のグルコースを含むTM17中で再懸濁した。5mlのアリコートを、37℃、46℃および52℃で30分間インキュベートしたか(A)、または5〜60分の間52℃でインキュベートした(B)。細胞抽出物を調製し、ウェスタンブロット分析を実施した。A:E.coli由来の部分的に精製したsHsp(ポジティブコントロール)、レーン1;52℃、46℃、および37℃でインキュベートしたS.thermophilus S4、レーン2〜4;52℃でインキュベートしたS4−1(ネガティブコントロール)、レーン5。B:ポジティブコントロール、レーン1;5分、レーン2;15分、レーン3;30分、レーン4;60分、レーン5。
(図2.A.)
42℃でインキュベートした、S.thermophilus S4(黒丸(S4))、そのプラスミドを取り除いた誘導体S4−1(白丸(S4−1))、組換えプラスミドp99−17−2(shsp)で形質転換されたS4−1(黒三角(S4−1))、およびp00−8−1(shsp)で形質転換されたS4−1(白三角(S4−1))を示す増殖曲線。
(図2.B.)
52℃でインキュベートした、S.thermophilus S4(黒丸(S4))、そのプラスミドを取り除いた誘導体S4−1(白丸(S4−1))、組換えプラスミドp99−17−2(shsp)で形質転換されたS4−1(黒三角(S4−1))、およびp00−8−1(shsp)で形質転換されたS4−1(白三角(S4−1))を示す増殖曲線。
(図2−1)
Streptococcus thermophilus S8(丸(S8))、そのプラスミドを除いたS8−1(三角(S8−1))および組換えプラスミドp99−17−2で形質転換された株S8およびS8−1(ダイヤモンド(p99−17−2を有するS8)、四角(p99−17−2を有するS8−1))の、48℃での増殖。
(図2−2)
Lactococcus lactis株Bu2−60、IL1403、およびMG1363ならびに組換え(shsp)プラスミドp99−17−2で形質転換されたその誘導体の増殖。37℃または41/42℃でのBu2−60、IL1403、MG1363(1−三角(37℃)および4−四角(41/42℃));37℃または41/42℃での形質転換された株(2−丸(37℃)および3−ダイヤモンド(41/42℃))。
図から、全てのLactococcus lactis株が37℃(1)で良く増殖するが、42℃(4)であまり増殖しないことが分かる。プラスミドp00−17−2で形質転換された株は、37℃での増殖が変わらない一方、42℃(3)での増殖を増加させる。
図3.プラスミドpSt04、p99−17−2、およびp00−8−1の物理的地図。
図4.60℃でのTM17培地におけるS.thermophilus S4(丸、(白丸)52℃で予めインキュベートしたS4、および(黒丸)42℃で予めインキュンベートしたS4))およびそのプラスミドを含まない誘導体S4−1(三角、(白三角)52℃で予めインキュベートしたS4−1、および(黒三角)S4−1、42℃で予めインキュベートした)の熱生存曲線。60℃に曝す前に、細胞を42℃(黒印(黒丸)S4および(黒三角)S4−1))または52℃(白印、(白丸)S4および(白三角)S4−1))で30分間、予めインキュベートした。
図4から、S4がプラスミドを含まない株S4−1よりも良好な生存を示すことが分かる。
図5.種々のpH値で4℃での保存の間の、S.thermophilus S4およびそのプラスミドを含まない誘導体S−1の生存。細胞を、乳酸を加えることによって適切なpHに予め適合させた増殖培地中に再懸濁し、15日間まで4℃で保存した。細胞数を、LTM17寒天上に適切な希釈液をプレーティングすることによって3日毎に決定した。(黒丸)S4,pH5,5;(白丸)S4,pH4,5;(黒三角)S4、pH3,5;(白三角)S4−1,pH5,5;(黒四角)S4−1,pH4,5;(白四角)S4−1,pH3,5。
この図から、S4が、全ての言及されたpH値でより良好な生存を示すことが分かり得る。S4−1の生存は、1〜2日間の保存後劇的に減少し、そして4〜6日後、生き残っている細菌はほとんどなかった。
図6.種々の温度でのS.thermophilus S4およびS4−1ならびにL.bulgaricus 92063を用いる単一株の発酵および混合株の発酵における脱脂乳の酸化。脱脂乳を、混合株の各々の株について5×10CFU/mlおよび単一株の発酵について10CFU/mlで接種した。pHの低下を、マルチチャネルpHメーターで自動的に追跡した。
図6.A:50℃でのLb 92063(1);50℃でのS4(2);42℃でのS4(3);50℃でのS4およびLb(4);42℃でのLb(5);42℃でのS4およびLb(6)。以下:
図6.B:図6Bは、50℃でのLb 92063(1);50℃でのS4−1(2);50℃でのS4−1およびLb(3);42℃でのS4−1(4);42℃でのLb(5);42℃でのS4−1およびLb(6)を示す。
図6.C:図6Cは、50℃でのLb HM(1);50℃でのS4−1(2);50℃でのS4(3);50℃でのS4およびLb HM(4);42℃でのS4(5);42℃でのS4−1;42℃でのLb HM(7);42℃でのS4およびLb HM(8)を示す。
図6Aおよび図6Bから、両方の図中の曲線番号6は、通常のヨーグルト発酵に相当することが示される。15〜20時間発酵の後、約3.6のpHに到達する。図6Aおよび6Cの曲線4は、50℃で行われた発酵を示し、ここで、Streptococcus thermophilusはshspを運ぶ。これらの発酵物は、約4.0〜4.1のpHレベルに到達する。図6Bの曲線3は、S4−1およびLb 92063を用いた発酵が、pH約5.2で終結することを示す。
図7.図7は、S.thermophilus S4、およびL.bulgaricusの単一株培養または混合株培養における、50℃での増殖およびそれに続く保存後の生存を示す。最終細胞密度が10CFU/mlとなるようにスキムミルクに播種し、そして50℃で24時間インキュベートした。続いて、発酵させたミルクを4℃で15日間保存した。各々の株の総細胞数ならびに総細胞数(LactobacillusおよびS4を合わせた数)を3日毎に決定した。
Figure 2005519597
図8.図8は、S.thermophilus S8およびその形質転換した誘導体S8(pSt04−shsp)の42℃および48℃での酸性化を示す。スキムミルクに10CFU/mlを播種し、バクテリオファージ s8の非存在下または存在下において、感染多重度(m.o.i.)10で、指示された温度でインキュベートした。酸性化を、マルチチャネルpHメーターで自動的に追跡した。S8(pSt04)+ファージ s8、42℃(1);S8(pSt04)+ファージ s8、48℃(2);S8(pSt04)w/oファージ、48℃(3);S8(pSt04)w/oファージ、42℃(4)。
図9.図9は、配列表を示す。
配列番号1
配列番号2
配列番号3
配列番号4
(特定の実施例)
(低分子熱ショックタンパク質についての遺伝子を保有するプラスミドpSt04およびpER1−1の一般的特性)
Streptococcus thermophilus由来のプラスミドのDNA相同性群Iに属する、プラスミドpSt04およびpER1−1のヌクレオチド配列(Janzenら、1992)を決定した(登録番号:AJ 242477およびAJ 242476)。これらのプラスミドは、90%以上の相同性で約1200bpのDNA領域を共有し、これはプラスミド複製に必要である。
repA遺伝子に加えて、プラスミドpSt04およびプラスミドpER1−1は、それぞれ、第2ORFを有し、これらの第2ORFは、それぞれ、155アミノ酸残基および142アミノ酸残基(配列番号1および配列番号2)をコードし、18,042Daおよび16,422Daの分子量に相当する。これらのORFは、repA−遺伝子に対して反時計回りに配置される。推定のリボソーム結合部位(GAa/gGAAAG)(開始コドンの8bp上流)は、5’−TTGAAA...(16bp)...TATAATプロモーター領域の後に続く。予想遺伝子産物は、他のS.thermophilus株に認められる低分子熱ショックタンパク質(sHsp)に対して高度に類似(>90%)している(O’Sullivanら、1999、Somkutiら、1998)。これらのsHspは、原核生物および真核生物に共通のショック応答タンパク質のファミリーに属す。sHsp合成は、pH4.5より低いpH値で、または45℃を超える温度で、低い基本的レベルから有意に増加し、そしてpH4.0または52℃で、短い、30分のショックによって、さらに増加され得る(図1)。
(低分子熱ショックタンパク質の機能)
i)高温での増殖および熱耐性
プラスミドpSt04およびプラスミドpERl−1を有するS.thermophilus株S4およびS.thermophilus株ER1の異なる温度での増殖挙動を、それぞれ、これらの株のプラスミドの無い誘導体S4−1およびER1−1の異なる温度での増殖挙動と比較した。42℃では、全ての株は、約2×10CFU/mlの最終細胞密度まで、同じ速度で増殖した。45℃では、これらのプラスミドの無い株は、幾分か遅いが、ほとんど同じ最終細胞密度まで増殖した。52℃では、前記プラスミド(shsp)を有する株のみが、1×10の最終細胞密度まで、低い増殖速度で増殖可能であった(図2)。
shsp遺伝子が、高温で増殖する能力の原因であることを確認するために、プラスミドの無い株S4−1を、組換えプラスミドp99−17−2およびp00−8−1で形質転換させた。プラスミドp99−17−2は、E.coliベクターpBluescriptII(SK+)中にクローン化された全pSt04配列を含み、グラム陽性細菌についての選択マーカーとして、Staphylococcus aureusプラスミドpE194由来のエリスロマイシン耐性遺伝子を保有する。プラスミドp00−8−1は、p99−17−2の全shsp配列が欠失した欠失誘導体である(図3)。株S4−1(p99−17−2)および株S4−1(p00−8−1)は、それぞれS4およびS4−1と同じ増殖挙動を示し、shsp遺伝子の存在が52℃までの温度で増殖する能力の原因であることを証明した(図2)。
組換えプラスミドp99−17−2は、続いて、S.thermophilus株S8およびS.thermophilus株S11中、同様に中温性のLactococcus lactis subsp.lactis株IL1403およびLactococcus lactis subsp.lactis株Bu2−60ならびにL.lactis subsp.cremoris株MG1363中に、エレクトロポレーションによって導入された。S8およびS11についての最大増殖温度は、45℃から48℃まで(図2−1)および52℃まで(図2)それぞれ上昇し、そしてlactococcal株については37℃から42℃まで(図2−2)上昇した。
そのプラスミドの無い誘導体S.thermophilus株S4およびER1は、より高い熱耐性を示した。60℃で2時間のインキュベーションにより、このプラスミドを有する細胞の約50%が生き残ったが、プラスミドの無い細胞は全く生き残らなかった。短時間熱ショック(52℃で30分)によって、熱耐性がさらに改善され得た(図4)。
ii)酸耐性
高められた最大増殖温度および改善された熱耐性に加え、sHspの存在によって、酸耐性が高められた。shspを発現している細胞は、低pHでの保存に対して強力に改善された生存度を示した。大抵の発酵乳製品よりもさらに低いpH値であるpH3.5でさえ、40%以上の細胞が4℃で15日間の保存に生き残り、一方、shsp陰性変異体の細胞は、同一条件で7日後には検出不可能であった(図5)。
iii)塩耐性
S.thermophilus S4およびそのプラスミドの無い誘導体S4−1を、0〜3%の塩化ナトリウム濃度で増殖した。増殖速度または最終細胞密度のいずれにおいても、1%までのNaCl濃度で明白な相違は認められなかった。1.5〜2.5%の塩濃度で、野生型株は、プラスミドの無い株よりもより速く増殖した。3%NaClの塩濃度では、増殖は起こらなかった。
(乳発酵のためのL.bulgaricusを用いた混合培養における熱耐性S.thermophilus株の適用)
プラスミドをコード化したShsp遺伝子を保有するS.thermophilus株は、熱耐性および耐酸性が有意に増大した。入手可能な2つのshsp陽性S.thermophilus株S4およびER1がヨーグルト生成に適するか否かを証明するために、各々の株をLactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus(L.bulgaricus)92063およびHMと組み合わせて(1:1)、スキムミルク発酵に使用した。L.bulgaricusならびにshsp遺伝子を含むプラスミドを含まないS4およびER1の同系誘導体を、コントロールとして用いた。
(乳発酵中の酸性化)
組み合わせ株であるS4/Lb92063は、42℃および50℃での発酵において、有意な前共生(protosymbiotic)効果を示した。42℃では、pHは、7時間後にpH4.0より低い値に落ち、そして24時間後にpH3.6に低下した。50℃では、pH値は、8〜10時間後に4.3であり、そして24時間後に4.1であった(図6A)。S4−1とLB 92063の組み合わせ株は、42℃で有意な前共生効果を示したが、50℃では酸性化は全く認められなかった(図6B)。
S.thermophilus ER1およびLb 92063の組み合わせ株を用いて、同様の結果が得られた。しかしながら、酸性化活性は、わずかにより低かった。42℃でのコントロール発酵(S.thermophilus ER1−2およびLb 92063)は、この温度での試験発酵と非常に類似しており、50℃での酸性化は不十分であった。
S.thermophilus S4をL.bulgaricus HMと組み合わせて、組み合わせS4/Lb 92063と類似の結果を得た(図6C)。
(乳発酵および続く保存中の細胞数)
各株について、約2×10cfu/mlの細胞数で開始し、混合培養物S4/Lb92063を用いた50℃での発酵中に、細胞数が、10cfu/ml(S4)および6×10cfu/ml(Lb)まで増大した。単一株発酵において、株S4は、約5×10cfu/mlの細胞数まで増殖し、一方、プラスミドの無いshsp陰性株S4−1およびLb 92063は、約8×10の最終細胞密度まで、緩徐にしか増殖しなかった。24時間発酵の後、発酵させたミルクを、4℃で15日間保存した。単一株の細胞数および総細胞数を、3日毎に決定した。保存期間の終わりに、S.thermophilus S4およびLb 92063について、細胞数のわずかな減少しか認められなかった。Lb 92063の高い生存度は、特に意外であった。なぜなら、この株は、50℃での単一株培養において増殖させた場合、12日間の保存後にもはや検出不可能であったためである(図7)。熱耐性S.thermophilusとの混合培養において50℃で増殖させたL.bulgaricusの生存度に対するポジティブな効果についての理由は、今なお不明である。
(S.thermophilus S4およびL.bulgaricus 92063の混合株培養を用いた42℃および50℃でのヨーグルトの生成)
低温殺菌ミルク(3.5%脂肪)に、S4およびLb 92063の混合培養物を播種し、42℃および50℃で12時間インキュベートした。発酵の終わりに、ヨーグルト生成物を、舌触り、pH、細胞数、食味および香りについて試験した。これらのヨーグルト生成物を、続いて4℃で2週間保存し、そして3日毎に上記のように試験した。42℃で生成したヨーグルトは、わずかな乳清分離を伴ったしっかりと固い舌触り、3.6〜3.5のpH値および各々の株について約10cfa/mlの細胞数を有した。このヨーグルトは、非常に酸っぱい味がし、そして酸っぱい香りを有した。50℃で生成したヨーグルトもまた、乳清分離を伴わないしっかりと固い舌触りを示し、pH値は、発酵後は約4.3であり、保存期間の終わりには4.0であった(表2)。細胞数は、42℃発酵に匹敵し、保存中にわずかに減少したのみであった。このヨーグルトは、よく発酵した「Joghurt−Mild」に匹敵するマイルドな味がし、そして芳醇な香りを有した。熱耐性S.thermophilusおよびL.bulgaricusを適切に組み合わせた50℃での発酵により、「Joghurt−Mild」の特性を有するヨーグルトになったが、古典的なヨーグルトの本来のミクロフローラを有し、そして生成物の少なくとも貯蔵寿命(shelf live)の保存後さえも、高い細胞密度を有した。
(バクテリオファージ感受性に対する発酵温度の影響)
ファージ感受性に対する発酵温度の影響を試験するために、shps−プラスミドpSt04で形質転換されたS.thermophilus S8の酸性化活性を、約10の感染多重度(M.o.i.)での毒性ファージ s8の非存在下または存在下で、42℃および48℃で決定した。42℃では酸性化は認められなかったが、48℃では、約5.0の最終pHが認められた(図8)。これは、この非現実的な高いファージ負荷でさえ、より高い発酵温度がファージ攻撃に対する保護効果を有することを示す。
(材料および方法)
(菌株、バクテリオファージおよび培地)
本研究に使用した株を、表1に記載する。S.thermophilusおよびLactococcus lactisを、1%ラクトースを補充したTM17培地(Kruschら、1987)中で増殖させ、L.bulgaricusを、MRS培地(Merck、Darmstadt、Germany)中で増殖させた。E.coliを、Luria broth(Sambrookら、1989)中で37℃で増殖させた。適切な場合、抗体を以下のように添加した:S.thermophilusおよびLactococcus lactisに対して各々3μg/mlまたは5μg/mlエリスロマイシン、およびE.coliに対して100μg/mlエリスロマイシン。ブルーホワイト選択(Blue−white selection)を、Sambrookら(1989)に記載されるように行った。酸性化を、9%スキムミルク培地中で決定し、pHを、8−チャネル pHメーター(Ingenieurburo Messelektronik、Chemnitz、Germany)によってモニターした。バクテリオファージ s8を、Sambrookら(1989)に記載されるように増殖させ、約10の感染多重度(m.o.i)で発酵アッセイに添加した。
(DNAの単離および操作)
プラスミドDNAを、NucleoSpinキット(Macherey−Nagel、Duren、Germany)を用いてE.coliから単離し、そしてこの方法を適宜に適応させることによって、S.thermophilusおよびL.lactisから単離した。酵素を、New England Biolabs、Beverley、Massから購入し、メーカーの使用説明書に従って使用した。
(形質転換)
E.coliを、Bio−Rad Laboratories、Richmond、Califによって推奨される手順によって電気形質転換(electrotransform)し、L.lactisを、HoloおよびNes(1989)によって記載されるように電気形質転換し、そしてS.thermophilusを、Mohamed(PhD−thesis、Univ.Kiel、Germany、2002)に従って、電気形質転換した。
(プラスミドp99−17−2およびプラスミドp00−8−1の構築)
プラスミドpSt04を、HinP1Iを用いた消化によって直線化し、pBluescrips II SK+(ClaI)中にクローン化した。続いて、組換えプラスミドp99−16−5を、pBluescriptのBamHI部位へのエリスロマイシン耐性遺伝子カセットの挿入によって、遺伝学的にマークした。小さいEcoRIフラグメントが除去された結果、完全なshsp遺伝子が欠如したp00−8−1が生じた。組換えプラスミドを、E.coli XL−blue中で増殖させ、エレクトロポレーションによってS.thermopilus中に移入させた。
(プラスミド除去(plasmid curing))
S.thermophilus株は、本質的にGasson(1983)に記載されるように、プロトプラスト誘導性除去によって、そのプラスミドを除去した。
(参考文献)
Figure 2005519597
Figure 2005519597
上の明細書中に記載された全ての出版物は、本明細書中に参考として援用される。受入番号またはgi番号(gi number)で示される全てのデータベース配列は、同様に参考として援用される。
記載された本発明の方法およびシステムの種々の改変およびバリエーションは、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、当業者に明らかである。本発明は、特定の好ましい実施形態に関して記載されているが、請求された本発明は、このような特定の実施形態に過度に制限されるべきではないことが、理解されるべきである。実際に、食品発酵または関連分野の当業者に明らかである本発明を実行するために記載されたモードの種々の改変は、以下の特許請求の範囲内であることが意図される。
(表1:菌株およびバクテリオファージ)
Figure 2005519597
(表2 42℃および50℃でS.thermophilus S4およびL.butgaricus 92063を用いて作製したヨーグルトの4℃で保存中のpH値の変化
Figure 2005519597
図1.Aは、SDS−PAGEを示す。 図1.Bは、ウェスタンブロットを示す。 図2.AおよびBは、グラフを示す。 図2−1は、logOD620のグラフ表示を示す。 図2−2は、グラフを示す。 図3は、概略図を示す。 図4は、生存細胞%のグラフ表示を示す。 図5は、logコロニー形成単位(%)のグラフ表示を示す。 図6.Aは、グラフを示す。 図6.Bは、グラフを示す。 図6.Cは、グラフを示す。 図7は、logコロニー形成単位/mlのグラフ表示を示す。 図8は、グラフを示す。 図9は、配列表を示す。

Claims (47)

  1. 乳製品を調製する方法であって、該方法は、以下の工程:
    乳と、低分子熱ショックタンパク質を発現し得る乳酸菌とを合わせる工程、および該乳/細菌混合物を、通常の醗酵温度より高い温度でかつ/または通常の醗酵塩濃度より高い塩濃度で培養する工程であって、ここで該乳製品は、低分子熱ショックタンパク質を発現しない対応する乳酸菌を用いて製造した乳製品と比較した場合、より口当たりが柔らかい特性を有する、方法。
  2. 請求項1に記載の乳製品を調製する方法であって、前記より口当たりが柔らかい特性の製品は、前記低分子熱ショックタンパク質を発現しない対応する細菌を用いて製造した乳製品のpH値と比較した場合、より高いpH値を有する、方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法であって、前記製品のpHは、4.0より高い、方法。
  4. 請求項1、2または3に記載の方法であって、前記細菌は、中温性乳酸菌および/または好熱性乳酸菌を含む、方法。
  5. 請求項4に記載の方法であって、該方法は、乳と、第1および第2の乳酸菌とを合わせる工程であって、ここで該第1および/または第2の乳酸菌の各々は、低分子熱ショックタンパク質を発現し得る、工程、ならびに該乳/細菌混合物を指定のように培養する工程を包含する、方法。
  6. 請求項5に記載の方法であって、前記第1の乳酸菌および前記第2の乳酸菌の各々は、中温性細菌を含む、方法。
  7. 請求項6に記載の方法であって、前記乳は、第2の中温性乳酸菌を添加する前に、第1の中温性乳酸菌を含むスターター培養物と合わせられる、方法。
  8. 請求項5に記載の方法であって、前記第1の乳酸菌および前記第2の乳酸菌の各々は、好熱性細菌を含む、方法。
  9. 請求項8に記載の方法であって、前記乳は、第2の好熱性乳酸菌を添加する前に、第1の好熱性乳酸菌を含むスターター培養物と合わせられる、方法。
  10. 請求項5に記載の方法であって、前記第1の乳酸菌は、中温性乳酸菌を含み、前記第2の乳酸菌は、好熱性乳酸菌を含む、方法。
  11. 請求項10に記載の方法であって、前記乳は、好熱性乳酸菌を添加する前に、中温性乳酸菌を含むスターター培養物と合わせられる、方法。
  12. 請求項11に記載の方法であって、前記乳は、中温性乳酸菌を添加する前に、好熱性乳酸菌を含むスターター培養物と合わせられる、方法。
  13. 請求項7または9のいずれか1項に記載の方法であって、前記第1の乳酸菌および前記第2の乳酸菌を含む前記スターター培養物は、同時に前記乳に添加される、方法。
  14. 請求項10〜12のいずれか1項に記載の方法であって、前記スターター培養物および前記第2の培養物は、同時に添加される、方法。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法であって、前記中温性細菌は、Lactococcus spp、Leuconostoc spp、Lactococcus lactis、Lactococcus lactis subspecies cremoris、およびLactacoccus lactis subspecies lactisからなる群より独立して選択される、方法。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法であって、前記好熱性細菌は、Streptococcus spp、Bifidobacterium spp、Pediococcus spp、Lactobacillus spp、Streptococcus thermophilus、Lactobacillus debrueckiiまたはLactobacillus debrueckii subspecies bulgaricusからなる群より独立して選択される、方法。
  17. 請求項8〜14のいずれか1項に記載の方法であって、前記第1の好熱性細菌は、Lactobacillus debrueckiiまたはLactobacillus debrueckii subspecies bulgaricusであり、前記第2の好熱性細菌は、Streptococcus thermophilusである、方法。
  18. 請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法であって、前記中温性乳酸菌は、43℃までで、乳を醗酵し得る、方法。
  19. 請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法であって、前記好熱性乳酸菌は、55℃までで乳を醗酵し得る、方法。
  20. 請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法であって、該方法は、前記低分子熱ショックタンパク質を発現しない対応する細菌とともに乳を培養するためのpH範囲より低いpH範囲で前記乳/細菌混合物を培養する工程を包含する、方法。
  21. 請求項20に記載の方法であって、前記乳酸菌は、3.9〜4.5の間の範囲のpHで生存し続ける、方法。
  22. 請求項20または21に記載の方法であって、pH3.9において、前記培養物中の少なくとも10の前記乳酸菌は、15日間4℃で保存された場合に、生存し続ける、方法。
  23. 請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法であって、前記乳酸菌は、組換え乳酸菌を含み、該組換え細菌は、対応する非改変細菌より高いレベルで、低分子熱ショックタンパク質を発現するように操作されている、方法。
  24. 低分子熱ショックタンパク質を発現しない対応する乳酸菌より高いレベルで、低分子熱ショックタンパク質を発現するように操作されている、組換え乳酸菌。
  25. 請求項24に記載の組換え乳酸菌であって、前記細菌は、通常の醗酵温度および/または塩濃度より高い温度および/または塩濃度で、乳醗酵を行い得る、組換え乳酸菌。
  26. 請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法であって、前記乳酸菌は、請求項24または25のいずれか1項に記載の組換え細菌である、方法。
  27. 請求項1〜23または請求項26のいずれか1項に記載の方法、あるいは請求項24または25に記載の組換え細菌であって、前記乳酸菌または前記組換え乳酸菌は、構成性プロモーターまたは誘導性プロモーターに作動可能に連結された低分子熱ショックタンパク質をコードする核酸配列を含む、方法あるいは組換え細菌。
  28. 請求項1〜27に記載の方法または組換え乳酸菌であって、前記低分子熱ショックタンパク質は、shsp配列またはその一部、好ましくは、S.thermophilus由来のshsp配列またはその一部を含む、方法または組換え乳酸菌。
  29. 請求項1〜28に記載の方法または組換え乳酸菌であって、前記低分子熱ショックタンパク質は、18〜16kDaの範囲の分子量を有する、pSt04またはpERl−1由来である、方法または組換え乳酸菌。
  30. 請求項1〜29に記載の方法または組換え乳酸菌であって、前記低分子熱ショックタンパク質は、配列番号1または配列番号2として提示されるアミノ酸配列またはその改変体、ホモログ、フラグメントもしくは誘導体を含む、方法または組換え乳酸菌。
  31. 請求項1〜30に記載の方法または組換え乳酸菌であって、前記核酸配列は、配列番号3または配列番号4として提示される配列、またはその改変体、ホモログ、フラグメントもしくは誘導体を含む、方法または組換え乳酸菌。
  32. 請求項1〜31のいずれか1項に記載の方法または組換え乳酸菌であって、低分子熱ショックタンパク質をコードする染色体外核酸、好ましくは、低分子熱ショックタンパク質をコードするエピソーム核酸を含む、方法または組換え乳酸菌。
  33. 請求項1〜32のいずれか1項に記載の方法または組換え乳酸菌であって、ベクター中、好ましくは、プラスミドベクター中に、低分子熱ショックタンパク質をコードする核酸を含む、方法または組換え乳酸菌。
  34. 請求項1〜33のいずれか1項に記載の方法または組換え乳酸菌であって、前記乳は、部分脱脂乳または脱脂乳またはダイズもしくはコメ由来の乳、または合成乳を含む、方法または組換え乳酸菌。
  35. 請求項1〜34のいずれか1項に記載の方法または組換え乳酸菌であって、前記乳は、反芻動物、好ましくは、水牛、ウシ、ヒツジ、ラマ、ヤギまたはラクダからなる群より選択される反芻動物から得られる、方法または組換え乳酸菌。
  36. 請求項1〜35のいずれか1項に記載の方法または組換え乳酸菌であって、前記乳は、高濃度のNaClを含む、方法または組換え乳酸菌。
  37. 請求項1〜36のいずれか1項に記載の方法または組換え乳酸菌であって、前記乳酸菌または組換え乳酸菌は、高温の醗酵温度において、バクテリオファージの攻撃に対する減少した感受性を示す、方法または組換え乳酸菌。
  38. 請求項1〜37のいずれか1項に記載の方法または組換え乳酸菌であって、前記乳製品は、前記方法または前記低分子熱ショックタンパク質を発現しない対応する組換え乳酸菌によって製造されたヨーグルトと比較した場合、口当たりが柔らかい特性のヨーグルトである、方法または組換え乳酸菌。
  39. 乳製品を調製する方法であって、該方法は、以下の工程:
    乳と、低分子熱ショックタンパク質を発現し得る乳酸菌とを合わせる工程、および該乳/細菌混合物を、通常の醗酵温度より高い温度でかつ/または通常の醗酵塩濃度より高い塩濃度で培養する工程を包含し、ここで該乳製品は、酸カードチーズ、硬質チーズ、モツァレラ様半硬質チーズ、フレッシュチーズ、クワルク、バターミルク、スイスタイプチーズまたはカッテージチーズからなる群より選択される、方法。
  40. 請求項1〜23、または26〜39に記載の方法によって調製される、乳製品。
  41. 請求項26〜39のいずれかに記載の組換え乳酸菌と、乳または乳製品を含む組成物。
  42. 請求項31に記載の低分子熱ショックタンパク質をコードするヌクレオチド配列。
  43. 請求項42に記載のヌクレオチド配列を含む、構築物。
  44. 請求項43に記載のヌクレオチド配列を含む、ベクター。
  45. 請求項42〜44のいずれか1項に記載のヌクレオチド配列を組み込んでいる、宿主細胞。
  46. 請求項45に記載の宿主細胞であって、前記ヌクレオチド配列は、発現され得る、宿主細胞。
  47. 本明細書中に本質的に記載される低分子熱ショックタンパク質を発現する乳酸菌によって、乳を醗酵する方法。
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