本発明の第1の態様によれば、空洞部および投薬ノズルを画定する本体と、前記空洞部に収納された液体放出装置とを有する液体投薬装置であって、前記液体放出装置が、一定容量の液体を入れるための貯槽部を画定する中空ケーシングと、前記中空ケーシング内にスライド式に係合されたプランジャーとを有しており、前記プランジャーが、前記中空ケーシングの第1の端部から延びて前記投薬ノズルと協働するように配置された管状部分と、前記中空ケーシングを前記投薬ノズルに向かって偏動(バイアス)させるための、前記中空ケーシングの第2の端部と前記空洞部の末端壁との間に挿入された偏動手段と、該偏動手段を圧縮状態に保持するためのロック手段であって、そのロック手段が解除された時に、前記偏動手段に貯えられた力が前記中空ケーシングに加わることで、前記貯槽部から前記投薬ノズルの中に液体が吐出されるロック手段とを有している液体投薬装置が提供される。
好適には前記偏動手段は、機械エネルギーを貯えるためのバネその他の弾性的に圧縮可能な機械的部員を有する。
1態様において、前記偏動手段のその圧縮状態からの解除は、前記中空ケーシングと前記プランジャーとの間の相対移動を引き起こしそれによって、前記液体貯槽部から前記投薬ノズルの中に単位用量の液体が吐出されるように作用する。
前記プランジャーは、前記中空ケーシング内に配置されたチャンバ内でスライド可能であることができ、前記チャンバは単一用量の液体を収容するような大きさとする。
前記偏動手段のその圧縮状態へのリセットによって、新たな用量の液体を前記チャンバに引き込むようにすることができる。
前記貯槽部には、数用量の液体を入れることもできる。
前記ロック手段は1個以上の戻り止め(デテント)を有することができ、それぞれの戻り止めは、前記偏動手段がその圧縮状態にある時に、本体の側壁にあるそれぞれの開口と係合可能となっている。
好ましくは、本体の反対側の側壁にあるそれぞれの開口と係合するために配置されたいくつかの戻り止めがあっても良い。
前記偏動手段は、前記空洞部の末端壁と前記中空ケーシングの支持プラットホームとの間に挿入されていても良い。
各戻り止めは、可撓性リムによって前記支持プラットホームに連結されていても良い。
別の形態として、各戻り止めは可撓性リムによって前記中空ケーシングに連結されていても良い。
好ましくは各戻り止めが、戻り止めが係合している側壁から外方向に延びる部分であって、偏動手段をその圧縮状態から解除するのにユーザーが操作可能であるトリガーを画定する部分を有していても良い。
前記装置はさらに、本体と係合して投薬ノズルを保護するための内表面を有する保護エンドキャップを有することができる。
保護エンドキャップを本体に装着することで、偏動手段をその圧縮状態にリセットさせるようにすることもできる。
中空ケーシングは、エンドキャップの内表面上に形成された相補的突起部と接合するための少なくとも1個の外方向に延びる突出部(ラグ)を有することで、それらの間に駆動連結を提供するするようにすることができる。
本体は、それぞれの突出部が貫通して延びる少なくとも1個の長手方向に延びるスロット(溝)を有することができる。
好ましくは、エンドキャップの内表面上に形成された相補的突起部と係合するための中空ケーシング上に形成されたいくつかの突出部があっても良く、その各突出部は、本体の側壁に形成された長手方向に延びるスロットを貫通して延びるように配置される。
中空ケーシングは、エンドキャップの内表面に形成された相補的凹部(リセス)と係合するための少なくとも1個の外方向に延びる戻り止めを有することで、本体の所定位置にエンドキャップを解除可能に保持するようにすることもできる。
各戻り止めは、本体の長手方向に延びるそれぞれのスロットを貫通して延び、エンドキャップに形成されたそれぞれの凹部と係合していてもよい。
本発明の第2の態様によれば、液体放出装置を収納するための液体投薬装置であって、空洞部を画定する本体と、投薬ノズルと、前記空洞部に収納された偏動手段と、前記偏動手段を圧縮状態に選択的に保持するロック手段とを有しており、使用時に、前記偏動手段と前記投薬ノズルの間に液体放出装置が配置される液体投薬装置が提供される。
前記ロック手段の解除により、前記偏動手段に貯えられた力が前記液体放出装置に加えられ、前記液体放出装置が前記投薬ノズルの方に偏動させられる。
好適には前記液体放出装置は、Valois SAが製造するモデルであるVP3、VP7または改良品などの前圧縮ポンプを有している。代表的には、そのような前圧縮ポンプは、製剤8〜50mlを保持することができるボトル(ガラスまたはプラスチック)とともに用いる。代表的には、各噴霧によってそのような製剤50〜100μLが投薬されることから、その装置は少なくとも100回の計量投薬を行うことが可能である。
液体投薬装置はさらに、本体と係合するためのエンドキャップを有することができ、そのエンドキャップは、使用時に、エンドキャップの本体上への係合によって偏動手段の圧縮が生じるように作製されている。
ここで、添付の図面を参照しながら、本発明についてさらに説明する。
これらの図面を参照すると、本体6および液体放出装置8を有する液体投薬装置5が示してある。この装置にはさらに、本体6と係合するための内表面48を有する保護エンドキャップ7があることで、投薬ノズル11が保護される。
本体6は、プラスチック材料製であり、筐体9と投薬ノズル11を画定する。
筐体9は、側壁12と、第1および第2の末端壁13および14によって形成された空洞部10を画定する。投薬ノズル11は第2の末端壁14と連結され、それから離れる方向に延びて、外部テーパ形状を有する。
投薬ノズル11は、空洞部10の方に延びる出口チューブ16によって画定された、長手方向に延びるオリフィス15を有する。環状受台17が、一部出口チューブ16に沿ってオリフィス15内に形成されている。環状受台17は、使用時に液体が流れることができる小開口18を画定する。
2つの案内壁20a、20bが、筐体9の第2の末端壁14から空洞部10内に延びて、下記でより詳細に説明するように液体放出装置8の一端を空洞部10内で位置決めする。
第1の末端壁13の近くで、2つの開口21、22が、側壁12に筐体9の対向する面上に形成されており、筐体9の中間点に向かって、2つの長手方向に延びるスロット23、24が筐体9の対向する面で側壁12に形成されている。
長手方向に延びるスロット23、24は筐体9の頂部面および底部面に形成されており、図示したように断面が実質的に楕円形である筐体9の左面および右面には開口21、22が形成されている。
筐体の形状は楕円形である必要はなく、円筒形または他の簡便な形状を取り得ることは明らかであろう。
液体放出装置8は、ほとんどの点で従来の通りであり(例えば、従来の鼻ポンプの形態)、本明細書では簡単に説明するのみとする。
液体放出装置8には、投薬される数用量の液体が入った貯槽部を画定する中空ケーシング30ならびに中空ケーシング30内にスライド式に係合されたプランジャーがある。
プランジャーは、中空ケーシング内に配置されたチャンバ内でスライド可能であり、そのチャンバは単一用量の液体を収容する大きさのものである。プランジャーは、中空ケーシング30の第1の端部32から延びて、投薬ノズル11の出口チューブ16と協働するように配置された管状部分31、および、中空ケーシング30の内部に配置されそこに取りつけられたチャンバ(不図示)内でスライド可能に支持されたピストン(不図示)を有している。
バネ40がその圧縮状態から開放されることで、中空ケーシング30とプランジャーの間で相対移動が生じて、液体貯槽部から投薬ノズル11中に単位用量の液体が吐出される。
その液体は、プランジャーの管状部分31によって画定される放出チャンネルを通って、投薬ノズル11中に放出される。
チャンバの大きさは、単一用量の液体を収容するようなものであり、プランジャーの行程と合せた場合のチャンバおよびピストンの直径は、チャンバ内でのプランジャーの全行程によって、単一用量の液体に等しい容積変化が生じるようなものとなっている。
チャンバは貯槽部に連結されていることで、ピストンが戻りバネ(不図示)によってスタート位置に移動した時に、新たな用量の液体がシリンダー内に引き込まれて放出準備が整うようになっている。バネ40をその圧縮状態にリセットすることで、ピストンがそのスタート位置に移動することになり、新たな用量の液体がチャンバ内に引き込まれる。
中空ケーシング30は、筐体9によって画定される空洞部10内でスライド式に支持されており、2つの案内壁20a、20bによってその第1の端部32のところに位置決めされる。中空ケーシング30は、長さ方向において大きさが変る。合計で3つの部分があり、第1の端部32にある小さい末端部分34、第2の端部33にある大きい末端部分35、そしてその2つの末端部分34、35をつなぐ中央部分36である。
小さい末端部分34の中央部分36との接合部では、第1の階段部37が画定されており、中央部分36の大きい末端部分35との接合部では、第2の階段部38が画定されている。
第2の階段部38は、使用時に筐体9の側壁12に形成された相補的階段部39と選択的に協働して、中空ケーシング30の投薬ノズル11の方への移動を制限するように配置されている。
中空ケーシング30の第2の端部33と筐体9の第1の末端壁13の間にバネ40が挿入されていることで、中空ケーシング30は投薬ノズル11の方に偏らせられている。空洞部10の末端壁13と中空ケーシング30用の支持プラットホーム41との間にバネ40は挿入される。
図示のように、バネ40は圧縮コイルバネの形状であるが、ゴムバネまたは空気バネなどの他の種類のバネを使用することが可能であることは明らかであろう。
バネ40と、中空ケーシング30の第2の端部33の間には、中空ケーシング30用の支持プラットホーム41が挿入されている。
支持プラットホーム41は2つの機能を提供する。すなわち、バネからの負荷を中空ケーシングの第2の端部33に分配し、バネを圧縮されたコックまたはセット状態に選択的に保持するためのロック手段として用いられる他の構成要素を支持する。それによって、標準的な液体放出装置を、変更を加えることなく使用することが可能となる。
ロック手段の一部を形成する2個の戻り止め44a、44bも設けられており、各戻り止めは可撓性リム43a、43bによって支持プラットホーム41に連結されている。
支持プラットホーム41は、底部分42があり、そこからロック手段の一部を形成する2個の戻り止め44a、44bを支持する2個の可撓性リム43a、43bが延びている。底部分42には、位置ピップ46が形成されていることで、バネ40を中央に配置するようになっており、対応する位置ピップ47が筐体9の第1の末端壁13上に形成されている。
ロック手段は1個以上の戻り止めを有し、その各戻り止めは、バネが圧縮状態にある時に本体の側壁にあるそれぞれの開口と係合可能である。ある例示的な実施形態では、ロック手段には2個の戻り止め44a、44bがあり、2個の開口21、22が筐体9にある。
各戻り止め44a、44bは、開口21、22のうちの一方と係合して、バネ40を圧縮状態に保持することができる選択的に解除可能なラッチを形成することができる。2個のリム43a、43bは、空洞部10内に格納されていることで弾性的に変形しており、その格納によって生まれた力は、戻り止め44a、44bを開口21、22の中に偏らせるのに使われる。
理想的には、本体の反対側の側壁におけるそれぞれの開口と係合するために配置された戻り止めがいくつかある。
2個の戻り止め44a、44bの大きさは、各戻り止め44a、44bの外側部分45が、戻り止め44a、44bが通り抜ける筐体9の側壁12から外方向に突出するようなものとする。各戻り止め44a、44bには、戻り止め44a、44bが係合される側壁12から外方向に延びる部分45があり、ユーザーが操作してバネ40を圧縮状態から解除することができるトリガーが画定される。
従って外側部分45は、ユーザーが、戻り止め44a、44bを開口21、22から解除するための、したがってロック手段を解除するためのトリガーとして用いられる。
エンドキャップ7は、一端が閉じており、薄い可撓性側壁57を有する管状構成要素である。側壁57の内表面48は空洞部を画定しており、その空洞部内に本体6が係合されることで、投薬ノズル11が保護される。エンドキャップは、エンドキャップおよび本体の一部として成形可能な可撓性のストラップまたはテザーによって本体に取り付けられていても良いことが想到される。
保護エンドキャップ7が本体6に取り付けられることで、下記でより詳細に説明するように、バネ40が圧縮状態にリセットされる。中空ケーシング30には、エンドキャップ7の内表面48に形成された相補的凹部と係合して、エンドキャップ7を本体6上の所定位置に解除可能に保持するための少なくとも1個の外方向に延びる戻り止めがある。各戻り止めは、本体における長手方向に延びるそれぞれのスロットを貫通して延び、エンドキャップに形成されたそれぞれの凹部と係合する。
図示されている実施形態の内表面48には、中空ケーシング30の中央部分36上に形成された2個の戻り止め51と協働するために形成された凹部49がある。戻り止め51および溝49が協働して、エンドキャップ7と本体6の間にスナップ連結を提供している。スナップ連結は、液体投薬装置5が保管状態または非使用状態にある場合、エンドキャップ7を本体6上に保持するのに使用される。
中空ケーシング30には、エンドキャップ7の内表面48上に形成された相補的突起部50と接合するための少なくとも1個の外方向に延びる突出部52があり、双方の間に駆動連結を提供する。
エンドキャップ7の内表面48上に形成された相補的突起部と係合するための中空ケーシング30上に形成されたいくつかの突出部52があり、各突出部52は、本体の側壁に形成された長手方向に延びるスロットを貫通して延びるような構成となっている。
図示されている実施形態のエンドキャップ7の内表面48には、中空ケーシング30の中央部分36に形成された2個の突出部52と協働するためにその上に形成された2個の突出部50がある。
この2個の突出部52は2個の戻り止め51に近接しているが、ある間隔で離れて配置されている。この2個の突出部52は、2個の戻り止め51より、中空ケーシング30の第1の端部32から遠いところにある。
2個の戻り止め51には、中空ケーシング30の第1の端部32の方に面している傾斜表面53があることから突起部50が容易にそれらの上に上がることができ、一方、2個の突出部52には、中空ケーシング30の第1の端部32の方に面している先導表面があり、それは、中空ケーシング30の側壁12に対して実質的に直角である。突出部52の先導表面54は、突起部50上の対応する先導面56との組合せで、エンドキャップ7と中空ケーシング30との間に駆動連結を形成し、この駆動連結はバネ機構をリセットするのに使われる。
突起部50の後背面55が傾斜していることで、エンドキャップ7が本体6から引き離されて液体投薬装置5を使用準備状態とする時に、突起部50は、戻り止め51の上を乗り越えることができる。
戻り止め51および突出部52は、筐体9の側壁12に形成された長手方向に延びるスロット21を貫通して延び、エンドキャップ7における相補的凹部49および突起部50と協働する。エンドキャップ7の側壁57は、エンドキャップ7が筐体9の上を通る時に大きくなることができるように十分可撓性を有するものとし、エンドキャップ7の側壁57内にかけられる対応する力は、戻り止め51を凹部49の中に偏らせるのに使われる。
従って、この例示的実施形態は、空洞部および投薬ノズルを画定する本体と、前記空洞部に収納された液体放出装置とを有する液体投薬装置を開示するものであることが分るが、前記液体放出装置は、所定容量の液体が入った貯槽部を画定する中空ケーシングと、前記中空ケーシング内にスライド式に係合するプランジャーとを有しており、前記プランジャーは、中空ケーシングの第1の端部から延びて前記投薬ノズルと協働するように配置されている管状部分と、前記中空ケーシングの第2の端部と前記空洞部の末端壁との間に挿入されて前記中空ケーシングを前記投薬ノズルの方に偏らせるバネと、前記バネを圧縮状態に保持するためのロック手段であって、前記ロック手段が解除されたら、前記バネに貯えられている力が前記中空ケーシングに加わることで、液体が前記貯槽部から前記投薬ノズルの中に吐出されるロック手段とを有している。この図示されている液体投薬装置の操作は以下の通りである。
図3には、使用済み状態または空になったの状態での液体投薬装置5を示してある。この状態では、バネ40は緩んだ状態であり、支持プラットホーム41を介して中空ケーシング30にはほとんど負荷はかかっていない。
この機構をリコックまたはリセットするためには、中空ケーシング30を第1の末端壁13の方に移動させて、バネ40を圧縮しなければならない。このリセットまたはリコックは、エンドキャップ7を本体6上に戻すことで行われる。
エンドキャップ7が本体6と係合するときに、エンドキャップ7の内表面48上の突起部50が、中空ケーシング30上の突出部52と係合する。その最初の接触後にエンドキャップ7がさらに移動して本体6と係合すると、中空ケーシング30が筐体9の第1の末端壁13の方に向かって移動することで、バネ40が圧縮される。
この移動は、戻り止め44a、44bが、筐体9における開口21、22と係合するまでユーザーによって続けられる。この位置で、前記機構はセット状態またはコック状態にあると言われ、使用準備が整っている。
機構のリセット動作中、プランジャーはスタート位置に戻ることができ、その動作によって新たな用量の液体がシリンダーの中に引き込まれる。
図4には、リセット状態またはリコック状態の液体投薬装置5を示してある。
この装置を使用するには、ユーザーは最初に本体からエンドキャップ7を外し、投薬ノズルの自由末端を、液体が噴霧または投薬されるオリフィスの中に入れなければならない。
液体の投薬を行うには、ユーザーは次に、2個のトリガー45を内側方向に押して、戻り止め44a、44bを開口21、22から解除しなければならない。戻り止め44a、44bが開口21、22から外れることで、バネ40に貯えられた力を中空ケーシング30に加えることができる。このバネの力が加わることで、中空ケーシング30が、筐体9の第2の末端壁14の方に向かって急速に移動する。
最初は、プランジャーの管状部分31の端部が他の構造部と接触していないことから、液体は放出されない。それは、空状態の位置とリセットの位置の間での中空ケーシング30の移動の方が、シリンダー内でのピストンの行程より大きいためである。
しかしながら、プランジャーの中空部分31の端部が、出口チューブ16の中にある環状受台17と接触すると、第2の末端壁14に向かう中空ケーシング30のそれ以降の移動によって、中空ケーシング30とプランジャーとの間に対応する相対移動が生じる。
中空ケーシング30とプランジャーとの間のこの相対移動により、シリンダー内でのピストンの対応する移動が生じ、結果的にシリンダー内に入っている液体が、シリンダーからプランジャーの中空部分31の中に吐出され、そこから環状受台18における開口19を介して、投薬ノズル11におけるオリフィス15の中に吐出される。
ピストンの行程と、中空ケーシング30の動程における差による機構内での自由動程のため、ピストンには短い動程であるが急速な作用性のモーションがかけられる。この作用により、液体がチャンバから急速に吐出され、その結果として、投薬ノズル11を出る際に液体の噴霧化が良好に行われる。
さらに、液体の放出は、中空ケーシング上へのバネの作用にのみ依存することから、それは、ユーザーがかける力および力を加える速度に依存するシステムよりはるかに再現性が良く、信頼性が高い。
バネをリセットまたはリコックするのにエンドキャップを用いることで、エンドキャップを外すとすぐに、装置は液体放出の準備が整い、他の動作は必要ないことをユーザーは知る。
さらに、各使用後に、ユーザーがエンドキャップを本体上に戻すのが普通であることから、ユーザーは装置をリセットすることを憶えている必要がなく、エンドキャップを戻すという動作でその手順が自動的に完了する。
以上、本発明を、筐体内に封入された液体放出装置を有する装置に関して説明したが、筐体が着脱式の端部を有することができるか、あるいは何らかの他の方法で開けることが可能であれば、液体放出装置を交換できることは明らかであろう。
さらに、支持プラットホームの使用は必須ではなく、必要に応じて、中空ケーシングの設計を、偏動(すなわちバイアス)手段がそれに直接作用できるようにすることが可能であることも明らかである。さらに、中空ケーシングは、偏動手段を圧縮状態に保持するのに使用される戻り止めが、中空ケーシングの一部として形成された可撓性リムを介して中空ケーシングに直接連結されるように作製することが可能であると考えられる。
本発明の第2の態様を形成する液体放出装置を収容するための液体投薬器具も開示される。その液体投薬器具は、液体放出装置が入っていないことを除いてあらゆる面で、前述の液体投薬器具と同じである。
従って前記液体放出器具は、空洞部を画定する本体、投薬ノズル、前記空洞部に収容された偏動手段、および前記偏動手段を圧縮状態に選択的に保持するためのロック手段を有し、この場合、使用時には液体放出装置が前記偏動手段と前記投薬ノズルとの間に配置される。
使用に際しては、ロック手段が解除されることで、偏動手段に貯えられた力が液体放出装置に加わって、液体放出装置が投薬ノズルに向かって偏らされる。
その液体投薬器具はさらに、前記本体と係合するためのエンドキャップを有し、そのエンドキャップは、使用時に、前記エンドキャップの前記本体上への係合により、前記偏動手段が圧縮されるように作製されている。
前記液体放出器具は、液体放出装置をユーザーまたは薬剤師が取り付ける物品として販売できることが想到される。
医薬の投与は、軽度、中等度または重度の急性もしくは慢性の症状の治療、あるいは予防処置に指示され得る。投与される正確な用量は、患者の年齢および状態、使用される特定の医薬ならびに投与回数によって決まり、最終的には担当医の裁量によることは明らかであろう。医薬の併用を行う場合、その組み合わせの各成分の用量は、通常は単独で使用される場合の各成分に対して用いられるものである。
そこで適切な医薬は、例えばコデイン、ジヒドロモルヒネ、エルゴタミン、フェンタニルまたはモルヒネなどの鎮痛薬;ジルチアゼムなどの狭心症薬;クロモグリク酸化合物(例:ナトリウム塩として)、ケトチフェンまたはネドクロミル(例:ナトリウム塩として)などの抗アレルギー薬;セファロスポリン類、ペニシリン類、ストレプトマイシン、スルホンアミド類、テトラサイクリン類およびペンタミジンなどの抗感染症薬;メタピリレンなどの抗ヒスタミン薬;ベクロメタゾン(例:ジプロピオン酸エステルとして)、フルチカゾン(例:プロピオン酸エステルとして)、フルニソリド、ブデソニド、ロフレポニド(rofleponide)、モメタゾン(mometasone)(例:フロ酸エステルとして)、シクレソニド(ciclesonide)、トリアムシノロン(例:アセトニドとして)、6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−(2−オキソテトラヒドロ−フラン−3−イル)エステルまたは6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオン酸S−フルオロメチルエステルなどの抗炎症剤;ノスカピンなどの鎮咳薬;アルブテロール(例:遊離塩基または硫酸塩として)、サルメテロール(例:キシナホ酸塩として)、エフェドリン、アドレナリン、フェノテロール(例:臭化水素酸塩として)、ホルモテロール(例:フマル酸塩として)、イソプレナリン、メタプロテレノール、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、ピルブテロール(例:酢酸塩として)、レプロテロール(例:塩酸塩として)、リミテロール、テルブタリン(例:硫酸塩として)、イソエタリン、ツロブテロールまたは4−ヒドロキシ−7−[2−[[2−[[3−(2−フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル]エチル]アミノ]エチル−2(3H)−ベンゾチアゾロンなどの気管支拡張薬;シロミラストまたはロフルミラストなどのPDE4阻害薬;モンテルカスト、プランルカストおよびザフィルルカストなどのロイコトリエン拮抗薬;[2R,3R,4S,5R)−2−[6−アミノ−2−(1S−ヒドロキシメチル−2−フェニル−エチルアミノ)−プリン−9−イル]−5−(2−エチル−2H−テトラゾール−5−イル)−テトラヒドロ−フラン−3,4−ジオール(例:マレイン酸塩として)などのアデノシン2a作働薬]*;[(2S)−3−[4−({[4−(アミノカルボニル)−1−ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]−2−[((2S)−4−メチル−2−{[2−(2−メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロパン酸(例:遊離酸またはカリウム塩として)などのα4インテグリン阻害薬]*;アミロリドなどの利尿薬;イプラトロピウム(例:臭化物として)、チオトロピウム(tiotropium)、アトロピンまたはオキシトロピウム(oxitropium)などの抗コリン作働薬;コルチゾン、ハイドロコルチゾンまたはプレドニゾロンなどのホルモン類;アミノフィリン、コリン・テオフィリネート、リジンテオフィリネートまたはテオフィリンなどのキサンチン類;インシュリンまたはグルカゴンなどの治療タンパク質およびペプチドから選択することができる。当業者には、適宜に医薬を、塩の形で(例:アルカリ金属塩またはアミン塩あるいは酸付加塩として)、またはエステルとして(例:低級アルキルエステル)、または溶媒和物として(例:水和物)用いて、その医薬の活性および/または安定性を至適化し、ないしは推進剤中での医薬の溶解度を低下させることができることは明らかであろう。
好ましくは前記医薬は、喘息および鼻炎などの炎症性の障害または疾患の治療のための抗炎症化合物である。
1態様において前記医薬は、抗炎症特性を有する糖質コルチコイド化合物である。ある好適な糖質コルチコイド化合物は、6α,9α−ジフルオロ−17α−(1−オキソプロポキシ)−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−フルオロメチルエステル(プロピオン酸フルチカゾン)という化学名を有する。別の好適な糖質コルチコイド化合物は、6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオン酸S−フルオロメチルエステルという化学名を有する。さらに別の好適な糖質コルチコイド化合物は、6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−17α−[(4−メチル−1,3−ジアゾール−5−カルボニル)オキシ]−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−フルオロメチルエステルという化学名を有する。
他の好適な抗炎症化合物には、NSAID類、例えばPDE4阻害薬、ロイコトリエン拮抗薬、iNOS阻害薬、トリプターゼおよびエラスターゼ阻害薬、β−2インテグリン拮抗薬およびアデノシン2a作働薬などがある。
医薬は、好適な液体製剤、特には他の製薬上許容される添加剤成分を含んでいても良い溶液(例:水溶液)製剤もしくは懸濁液製剤として製剤される。
好適な製剤(例:溶液または懸濁液)は、pHを適切に選択することで安定化させることができる(例えば、塩酸または水酸化ナトリウムを使用して)。代表的にはpHは、4.5〜7.5、好ましくは5.0〜7.0、特には約6〜6.5に調節する。
好適な製剤(例:溶液または懸濁液)は、1つ以上の賦形剤を含むことができる。本明細書において「賦形剤」という用語は、無毒性で、有害な形で組成物の他の成分と相互作用しない実質的に不活性な材料を意味し、医薬用の炭水化物、有機および無機塩、ポリマー、アミノ酸、リン脂質、湿展剤、乳化剤、界面活性剤、ポロキサマー類、プルロニックス(pluronics)およびイオン交換樹脂ならびにこれらの組合せなどがあるが、これらに限定されるものではない。
好適な炭水化物には、果糖などの単糖類;乳糖など(それに限定されるものではない)の二糖類ならびにそれらの組合せおよび誘導体;セルロースなど(それに限定されるものではない)の多糖類ならびにそれらの組合せおよび誘導体;デキストリン類など(それに限定されるものではない)のオリゴ糖類ならびにそれらの組合せおよび誘導体;ソルビトールなど(それに限定されるものではない)の多価アルコール類ならびにそれらの組合せおよび誘導体などがある。
好適な有機および無機塩には、リン酸ナトリウムもしくはカルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ならびにそれらの組合せおよび誘導体などがある。
好適なポリマーには、ゼラチンなど(それらに限定されるものではない)の天然生分解性タンパク質ポリマーならびにそれらの組合せおよび誘導体;キチンおよびデンプン、架橋デンプンなど(それらに限定されるものではない)の天然生分解性多糖類ポリマーならびにそれらの組合せおよび誘導体;キトサンの誘導体など(それらに限定されるものではない)の半合成生分解性ポリマー;ならびにポリエチレングリコール類(PEG)、ポリ乳酸(PLA)など(それらに限定されるものではない)の合成生分解性ポリマー、ポリビニルアルコールなど(それに限定されるものではない)の合成ポリマーならびにそれらの組合せおよび誘導体などがある。
好適なアミノ酸には、ロイシンなどの非極性アミノ酸類ならびにそれらの組合せおよび誘導体などがある。好適なリン脂質には、レシチン類ならびにそれらの組合せおよび誘導体などがある。
好適な湿展剤、界面活性剤および/または乳化剤には、アカシアガム、コレステロール、脂肪酸類(それらの組合せおよび誘導体を含む)などがある。好適なポロキサマー類および/またはプルロニックスには、ポロキサマー188、プルロニック(登録商標)F−108ならびにそれらの組合せおよび誘導体などがある。好適なイオン交換樹脂には、アンバーライトIR120ならびにそれらの組合せおよび誘導体などがある。
好適な溶液製剤は、界面活性剤などの可溶化剤を含むことができる。好適な界面活性剤には、α−[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−ω−ヒドロキシポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)ポリマー、例えばトリトン(Triton)シリーズのもの、例えばトリトンX−100、トリトンX−114およびトリトンX−305(Xの後の数は、広くポリマー中のエトキシ繰り返し単位の平均数(代表的には7〜70、特には約7〜30、特には約7〜10)を示す)など、ならびに相対分子量が3500〜5000、特には4000〜4700(特定のものとしてはチロキサポール(Tyloxapol))を有するものなどのホルムアルデヒドとオキシランとの4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールポリマーなどがある。界面活性剤は代表的には、製剤の重量に基づいて約0.5〜10重量%、好ましくは約2〜5重量%の濃度で用いる。
好適な溶液製剤はまた、ヒドロキシ含有有機共溶媒和剤を含むこともでき、それにはポリエチレングリコール類(例:PEG200)およびプロピレングリコールなどのグリコール類;デキストロースなどの糖類;ならびにエタノールなどがある。デキストロースおよびポリエチレングリコール(例:PEG200)が好ましく、特にはデキストロースである。プロピレングリコールは好ましくは、20%以下、特には10%以下の量で使用し、最も好ましくは全く使用しない。エタノールは好ましくは避ける。ヒドロキシル含有有機共溶媒和剤は代表的には、製剤の重量に基づいて約0.1〜20重量%、例えば約0.5〜10重量%、例えば約1〜5重量%の濃度で用いる。
好適な溶液製剤はまた、ポリソルベート、グリセリン、ベンジルアルコール、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリエチレングリコールおよびポリオキシエチレンアルキルエーテル類(例:クレモフォル類(Cremophors)、ブリジ(Brij))などの可溶化剤を含むことができる。
好適な溶液製剤はまた、増粘剤;保存剤;ならびに等張性調節剤という1つ以上の成分を含むことができる。
好適な増粘剤には、カルボキシメチルセルロース、ビーガム(veegum)、トラガカント、ベントナイト、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポロキサマー類(例:ポロキサマー407)、ポリエチレングリコール類、アルギン酸類のキサンチン(xanthym)ガム類、カラギーナン類およびカルボポール類などがある。
好適な保存剤には、4級アンモニウム化合物(例:塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、セトリミドおよび塩化セチルピリジニウム)、水銀剤(例:硝酸フェニル水銀、酢酸フェニル水銀およびチメロサール)、アルコール剤(例:クロロブタノール、フェニルエチルアルコールおよびベンジルアルコール)、抗菌エステル類(例:パラ−ヒドロキシ安息香酸のエステル類)、エデト酸二ナトリウム(EDTA)などのキレート剤、ならびにクロルヘキシジン、クロロクレゾール、ソルビン酸およびその塩およびポリミキシンなどの他の抗微生物薬などがある。
好適な等張性調節剤は、体液(例:鼻腔の液)との等張性を得ることで、多くの鼻用製剤に伴う刺激のレベルを低下させる等の作用を行うものである。好適な等張性調節剤の例には、塩化ナトリウム、デキストロースおよび塩化カルシウムがある。
好適な懸濁液製剤は、粒子状医薬ならびに適宜に懸濁剤、保存剤、湿展剤または等張性調節剤の水系懸濁液からなる。
粒子状医薬は好適には、20μm未満、好ましくは0.5〜10μm、特には1〜5μmの質量平均直径(MMD)を有する。粒径の低下が必要な場合、それは微細粉砕化および/または微細流動化などの技術によって行うことができる。
好適な懸濁剤には、カルボキシメチルセルロース、ビーガム、トラガカント、ベントナイト、メチルセルロースおよびポリエチレングリコール類などがある。
好適な湿展剤は、医薬粒子を濡らして、その組成物の水相での分散を促進するように機能する。使用可能な湿展剤の例には、脂肪族のアルコール類、エステル類およびエーテル類がある。好ましくは湿展剤は、親水性の非イオン性界面活性剤であり、最も好ましくはポリオキシエチレン(20)ソルビタン・モノオレエート(ポリソルベート80という製品名で販売)である。
好適な保存剤および等張性調節剤は、溶液製剤に関して上記で説明した通りである。
本発明における投薬装置は、鼻炎(例えば、季節性鼻炎および通年性鼻炎)などの鼻道の炎症状態および/またはアレルギー状態ならびに喘息、COPDおよび皮膚炎などの他の局所炎症状態の治療のために液体医薬製剤を投薬する上で好適である。
好適な投与方法は、鼻腔をきれいにした後に患者が鼻からゆっくり吸入するというものであると考えられる。吸入の際、製剤は片方の鼻孔に投与し、他方は手で圧迫することになると考えられる。この方法をこのあともう1つの鼻孔で繰り返すことになろう。代表的には、一つの鼻孔当たり1回または2回の吸入量を、1日3回以下、理想的には1日1回、上記の方法によって投与することになると考えられる。例えば各用量は、活性医薬5μg、50μg、100μg、200μgまたは250μgを送達させることができる。正確な用量は、公知であるか当業者には容易に明らかであろう。
本開示は説明のみを目的とするものであり、本発明はそれに対する修正、変更および改良にも及ぶことは明らかであろう。
この明細書および特許請求の範囲が一部を構成する本願は、今後の出願に関する優先権の基礎として用いることができる。そのような後願の特許請求の範囲は、そこに記載の特徴または特徴の組合せに関するものであり得る。それらは製品、方法または使用の特許請求の範囲の形態を取ることができ、例示を目的としてまた限定するものではないが、1つ以上の添付の特許請求の範囲を含むことができる。