JP2005518484A - 繊維配向のオンライン閉ループ制御 - Google Patents
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Abstract
【課題】繊維配向のオンライン閉ループ制御
【解決手段】ペーパーウェブ(paper web)の基本レベルの繊維配向制御を実現するコントローラ(30、40)である。このコントローラ(30、40)は、繊維配向比および繊維配向角の繊維配向センサ(24)のオンライン測定値から得られる1つ以上の指数を得ることができる。この指数はシート作成プロセスの制御に利用される。コントローラ(30、40)は単一または多段のファジイコントローラまたはファジイコントローラと非ファジイ論理コントローラの組合せで実現できる。
【解決手段】ペーパーウェブ(paper web)の基本レベルの繊維配向制御を実現するコントローラ(30、40)である。このコントローラ(30、40)は、繊維配向比および繊維配向角の繊維配向センサ(24)のオンライン測定値から得られる1つ以上の指数を得ることができる。この指数はシート作成プロセスの制御に利用される。コントローラ(30、40)は単一または多段のファジイコントローラまたはファジイコントローラと非ファジイ論理コントローラの組合せで実現できる。
Description
本発明はオンライン繊維配向センサに関し、より詳細には、このようなセンサから得られる複数の測定値を用いる、ペーパーウェブの繊維配向の制御に関する。
抄紙法における繊維配向はペーパーウェブ上の個々の繊維の優先配向を指す。ヘッドボックス内のフローパターンおよびワイヤ上への噴射衝突のため、繊維はウェブの他の方向に対して縦方向(注:MD;machine direction、抄紙機の進行方向)に配向する傾向を有する。例えば、毎日の新聞から四角形のクーポンを一方向に、通常垂直方向に切り裂くことは容易であるが、新聞が、一般に印刷された新聞の垂直方向である、MDに配向した多数の繊維を有するため、クーポンを別の方向に切り裂くことは容易ではない。
ウェブ内の繊維のすべてが完全に分布している場合、紙シートは全方向に同一特性を有する。これは等方性シートと呼ばれ、それの繊維分布は極グラフ上に円形で描くことができる。紙シートについては、繊維配向比を定義できる。この繊維配向比は、90°隔たった、最少繊維分布に対する最大繊維分布の比である。等方性シートの繊維配向比は1である。
他方向の繊維数に比べて一方の方向の繊維数が多い場合、繊維は不均一に分布し、シートは異方性を有する。図6に示すとおり、異方性繊維分布は極グラフ上に対称楕円形状72で描くことができる。異方性シートは1より大きい繊維配向比を有し、大きい繊維配向比では、極グラフ分布は図8の形状になる傾向を有する。繊維配向比(異方性)は、90°隔たった、最少分布に対する最大分布の比で定義される。繊維配向角αは縦方向74に対する楕円72の長軸76の角度で定義される。図6は、紙シートの繊維分布のFO比(最少82に対する最大80の比)およびFO角の定義を示す。
繊維配向(FO)センサは、時間的または縦方向(MD)と、センサが移動するペーパーウェブを横切って測定する場合は、空間的または横方向(CD:cross−machine direction)と、の両方における紙シートの繊維配向角および繊維配向比の測定を可能にする。各FO走査センサは、FO測定の4つのプロファイルを同時に生成できる。これらプロファイルは、シートの上面および下面のFO角プロファイルおよびFO比プロファイルである。典型的なFOプロファイルは、図7の(a)「上面FO角」、(b)「上面FO比」、(c)「下面FO角」、(d)「下面FO比」で示される。これら測定値は、強度およびシートのカールの少なくとも一方、およびねじれなどの別のシート特性に、直接または間接に関連する。FOセンサの一例は、1997年6月17日に発行された、米国特許第5,640,244号に記載されており、この特許の開示内容は参照によりここに組み込まれる。上記特許は本発明の譲受人に関連する前権利者に譲渡されている。
多くの抄紙プロセスにおいては、ヘッドボックス内およびワイヤ上のフローパターンは、ウェブの上面(フェルト面と言われる)の繊維分布を、ウェブの下面(ワイヤ面と言われる)の繊維分布と異なる分布にする。一般に、ワイヤ面の繊維配向比はフェルト面のそれより大きい。FOセンサはシートの上面および下面の繊維配向分布を別々に測定するように設計できる。下面の繊維配向角は上面から下面を観測する方向で定義される。
抄紙プロセスによっては、複数のヘッドボックスを組み込み、このヘッドボックスのそれぞれは単一層または最終紙シートの層を与える。このような複数構成においては、上面および下面の繊維配向測定値は完全に異なるヘッドボックスにより影響を受ける。単一ヘッドボックス抄紙機では、上面および下面の繊維配向測定値は同一ヘッドボックスにより影響を受ける。
ヘッドボックスの噴流−ワイヤ速度差(Vjw=Vj−Vw)を調整することにより、紙シートのFO分布を変化させることができる。図8は、1つのヘッドボックスの噴流−ワイヤ速度差の変化により、シートの片側のFO測定値がどのように影響を受けるかを示す。図8(a)および8(b)においては、FO角および比の両方のプロファイルがほぼ100分の時間周期の形状図で描かれている。対応する噴流−ワイヤ速度差の傾向を図8(c)に示す。
所望のシート強度およびカールの少なくとも一方、およびねじれ仕様を有する紙製品を製造することは有利である。オンラインのFOセンサにより得られる測定値をコントローラへの入力として利用し、閉ループFOフィードバック制御を実現できる。FO制御の最終目的はプロセスを調整して、そのプロセスが特定の紙特性を有するシートを製造できるようにすることである。
米国特許第5,022,956号、第5,827,399号および第5,843,281号は、繊維配向を制御する様々な方法および装置を記載しているが、本発明のコントローラを開示または提案していない。
本発明のコントローラは、基本レベルFO制御(BFOC)としても公知の、閉ループFO制御の第1工程を提供する。FO制御のこの第1工程では、強度およびカールの少なくとも一方、およびねじれなどの所望のシート特性を達成する代わりに、BFOCは、オンラインFO測定値から得られる、1つ以上の指数を達成することを試みる。これらの指数は、例えば、FOプロファイルの平均、測定プロファイルの傾斜率、測定プロファイルの凹形率、FOプロファイルの符号定数指数、またはそれらの組合せであってもよい。一般化アルゴリズムにより、生の繊維配向比および配向角プロファイルをこれらの指数に変換し、この指数を用いて、シート生成プロセスを制御できる。これら指数は製造したシートのFO測定値に時間的および空間的特性の少なくとも一方を明確に示す。
オペレータは本発明のコントローラを用いて、様々な繊維配向比および繊維配向角の少なくとも一方の設定値の紙製品を製造できる。最終的に、経験および知識の集積により、シート特性とFO仕様の間の再現可能な相互関係が確立され、FOの監視制御はFOコントローラのこの水準の最高レベルで実現される。
本発明は、FOプロファイル測定値を有意な指数に変換する信号処理方法と、有効なFO制御動作を発生するコントローラとを含む。FOセンサから得られる繊維配向は上面および下面の繊維配向角および繊維配向比の生の測定値である。これら生の測定値は、紙シート上の様々な交差方向点におけるFO特性を表す、複数データボックス値のベクトルを含む。シート端部における走査の完了ごとに有効に生成される4つのこのようなベクトルが存在し、それらベクトルは上面繊維配向角、上面繊維配向比、下面繊維配向角および下面繊維配向比の、それぞれのプロファイルを表す。前述のとおり、図7は、走査するFOセンサから得られる典型的な4つのFOプロファイルを示す。一般的な意味では、これらプロファイルはCD位置の連続関数として扱うことができる。これらプロファイルのそれぞれは、ハニング、ブラックマン、およびウェーブレットなどの一般に容認されたウィンドウフィルタを利用して、横断方向にフィルタ処理される。このようなフィルタ処理手法により、個々のプロファイル形状の主変動を捕捉できる。
プロセス調整からの影響の実効的な表示を確立するために、各FOプロファイルベクトルをスカラー値に変換することができ、このスカラー値は関連測定値の指数として役立つ。スカラー指数は、測定したFOプロファイル関数を基準関数でコンボルブ(convolve)することにより得られる。図9は、図9(a)の単位ステップ関数および図9(b)の対称ステップ関数などの基準関数のいくつかの例を示す。ここでは、例示の目的で本明細書に用いる4つの例の指数を示すが、これに限定されるものではない。第1指数はプロファイルの一部分である個々のデータ点すべての平均である。第2指数はプロファイルの傾斜率と呼ばれる。第3指数はプロファイルの凹形率を表す。第4指数はプロファイルの符号定数指数と呼ばれる。これら指数の任意の組合せをFO測定の指数として用いて、コントローラに測定値を提供できる。
本発明の一部であるコントローラは、操作変数を調整して、推定されるFO指数に関連する所望のFO目標値を得るものであり、基本レベル繊維配向制御(BFOC)と名付けられている。このコントローラは単一段ファジイコントローラ、多段ファジイコントローラ、またはファジイコントローラと非ファジイ論理コントローラの組合せで実現できる。ルール型ファジイ技法を用いることにより、コントローラは、プロセス利得の符号およびプロセス利得の非直線性の変化を含むプロセス条件を変更できる。各BFOCは、主入力として得られる、1つ以上の推定されるFO指数および目標値を用いる。BFOCの出力は、ヘッドボックスの噴流−ワイヤ速度差、スライス開口、スライスねじれ設定、端部の流れ、および再循環流れの少なくとも一方などへの操作変数への増分調整値である。抄紙メーカは、得られたFO指数の各種の組合せを利用することにより、様々な制御目的を達成できる。
BFOCの主目的は所望の繊維配向比指数、所望の繊維配向角、またはそれらの組合せを得ることである。BFOCを実行するには、FOセンサ測定値およびアクチュエータループから得られる、以下の複数の変数が必要である。
1.rp フィルタ処理されたFO比プロファイル。
2.rz FOセンサを移動するペーパーウェブを横切って走査することから得られる、フィルタ処理されたFO比プロファイルrpから求められる繊維配向比指数。
3.er 繊維配向比指数目標値rtgtと、計算された繊維配向比指数rzの間の偏差。
4.Δrz ヘッドボックスの噴流−ワイヤ速度差、スライス開口、スライスねじれ設定、端部の流れ、または再循環流れなどの、アクチュエータへの2つの連続制御設定値間の繊維配向比指数の差。
5.ap フィルタ処理されたFO角プロファイル。
6.az FOセンサを移動するペーパーウェブを横切って走査することから得られる、フィルタ処理されたFO角プロファイルapから求められる繊維配向角指数。
7.ea 繊維配向角指数目標値atgtと、計算された繊維配向角指数azの間の偏差。
8.Δaz ヘッドボックスの噴流−ワイヤ速度差、スライス開口、スライスねじれ設定、端部の流れ、または再循環流れなどの、アクチュエータへの2つの連続制御設定値間の繊維配向角指数の差。
9.Δx ヘッドボックスの噴流−ワイヤ速度差、スライス開口、スライスねじれ設定、端部の流れ、再循環流れ、またはFO測定値に測定可能な影響を与える他の制御動作などの、2つの連続操作変数設定値間の差。
10.Δu ヘッドボックスの噴流−ワイヤ速度差、スライス開口、スライスねじれ設定、端部の流れ、再循環流れ、またはFO測定値に測定可能な影響を与える他の制御動作などの、操作変数の必要な変化。
図1は、本発明によるBFOCシステム10のブロック図である。図1を参照すると、繊維配向センサ24は一般にペーパーウェブを横切って走査し、各操作の終端で4つの測定プロファイルを提供する。これらのプロファイルは、図7のグラフ92、94、96、および98でそれぞれ示される、上面繊維配向角、上面繊維配向比、下面繊維配向角および下面繊維配向比である。各測定プロファイルはフィルタブロック26でフィルタ処理され、高周波数変化を除去され、捕捉される測定プロファイルの制御可能な変化を生成する。フィルタブロック26で提供されるフィルタ処理の種類および度合いは、ユーザ選択が可能である。フィルタブロック26の出力は、フィルタ処理された繊維配向比プロファイル(またはベクトル)rp、およびフィルタ処理された繊維配向角プロファイル(またはベクトル)apである。なお、図1はフィルタブロック26を示すが、用途によっては測定プロファイルのフィルタ処理を必要としないこともある。
フィルタ処理された(または、システム10でフィルタ処理が必要でない場合、測定だけされた)繊維配向角および繊維配向比プロファイル(またはベクトル)rpおよびapは、FO指数変換ブロック14により、それぞれのスカラー指数に変換される。結果として得られる指数はrzおよびazである。指数rzおよびazを導き出すためのいくつかの変換方式は、例として繊維配向比プロファイル測定値rpを用いて、以下に詳細に示す。ただし、同一変換方式は、繊維配向角プロファイル測定値apにも同様に適用できる。
ここでzはCD座標に対するCD位置であり、z1およびz2は同一CD座標に沿ったシート端部位置である。p(z)はCD位置zにおけるFOプロファイルの測定値であり、h(z)は基準関数である。基準関数h(z)は、2つのシート端部位置z1およびz2の間で定義される単位ステップ関数、対称単位ステップ関数、正弦関数、多項式関数、またはこれらの組合せにできる。図9はこれら関数のいくつかの例を示す。
選択された基準関数に依存して、導き出される指数は測定されたFOプロファイルにおける変化の異なる成分を強調する。使用する基準プロファイル関数に関係なく、前述の定義における指数はすべて正規化される。
なお、指数を導き出すために、以下に、特定の変換方式を述べるが、この目的に別の変換方式を用いることも可能である。
指数1:rm 測定プロファイルの平均
基準関数が図9(a)の112で表される2つのシート端部の位置z1およびz2の間の単位ステップ関数であるとき、導き出される指数rmは測定されたプロファイルの平均であり、測定された繊維配向比ベクトルrpの平均で計算される。離散形式では、この指数は測定繊維配向比ベクトルrpと、その全要素が1に等しい均一ベクトルh1との内積の関数である。
基準関数が図9(a)の112で表される2つのシート端部の位置z1およびz2の間の単位ステップ関数であるとき、導き出される指数rmは測定されたプロファイルの平均であり、測定された繊維配向比ベクトルrpの平均で計算される。離散形式では、この指数は測定繊維配向比ベクトルrpと、その全要素が1に等しい均一ベクトルh1との内積の関数である。
ここで、h1=[1 1 1 ...1]、およびnは測定されたプロファイルのデータ点の数である。
この指数は測定プロファイルの縦方向変化に関連する。この指数は測定プロファイルの形状の変化を表わさない。
指数2:rt 測定プロファイルの傾斜
基準関数が図9(b)の114で表される2つのシート端部の位置z1およびz2の間の対称単位ステップ関数であるとき、導き出されるrpの指数rtはプロファイル傾斜の程度を表す。離散形式では、この傾斜指数rtは、以下の式により、rpとh2の内積として計算される。
基準関数が図9(b)の114で表される2つのシート端部の位置z1およびz2の間の対称単位ステップ関数であるとき、導き出されるrpの指数rtはプロファイル傾斜の程度を表す。離散形式では、この傾斜指数rtは、以下の式により、rpとh2の内積として計算される。
ここで、h2=[1 1 ...1 −1 ...−1 −1]は114で示されるか、図9(c)の116で表わされる正弦関数である。他の一般的事例は同様な概念から容易に導き出すことができる。
傾斜指数は、傾斜の方向を与える指数の符号を有するプロファイルの傾斜の表示を提供する。
この指数は繊維配向角プロファイル測定値に大きく関係する。この理由は、ペーパーウェブ上の紙繊維配向の本質特性により、プロファイルの1つの連接部分が平均値より大きい値を有し、プロファイルの他方の隣接部分がこの平均値より小さい値に分布されるためである。
指数3:rc 測定プロファイルの凹形率
基準関数が、図9(d)の118で表される2つのシート端部の位置z1およびz2の間の2次関数である場合、導き出されるrpの凹形率指数rcは測定されたプロファイルの凹形率を強調する。離散形式で表すと、凹形率指数rcはrpとベクトルh3の内積の関数として計算される。
基準関数が、図9(d)の118で表される2つのシート端部の位置z1およびz2の間の2次関数である場合、導き出されるrpの凹形率指数rcは測定されたプロファイルの凹形率を強調する。離散形式で表すと、凹形率指数rcはrpとベクトルh3の内積の関数として計算される。
ここでh3は図9(d)の118で示される2次関数である。他の一般的事例は同様な概念から容易に導き出すことができる。
凹形率指数はプロファイルの凹形形状の重要な表示を提供する。
この指数は繊維配向比プロファイル測定値に大きく関係する。この理由は、紙繊維配向の本質特性が、ヘッドボックスから出るフローパターンの結果であるためである。
指数4:rs 測定プロファイルの符号定数
測定されたプロファイルの符号定数指数rsを得るには、最初に、定常状態の測定プロファイルのセットから基準(または符号定数)プロファイル関数を設定する必要がある。行列r0がk個の連続した定常状態で測定されたFOプロファイルの集合を表し、この行列の各行が紙シート上の連続したCD位置からのn個の測定点で構成される測定プロファイルである、と仮定する。符号定数プロファイル(またはベクトル)h4は、これらk個の連続する定常状態測定プロファイルの平均プロファイルとして計算される。図9(e)および(f)の関数120および122がそれぞれ、FO角および比プロファイルそれぞれの符号定数関数の例を表す。
測定されたプロファイルの符号定数指数rsを得るには、最初に、定常状態の測定プロファイルのセットから基準(または符号定数)プロファイル関数を設定する必要がある。行列r0がk個の連続した定常状態で測定されたFOプロファイルの集合を表し、この行列の各行が紙シート上の連続したCD位置からのn個の測定点で構成される測定プロファイルである、と仮定する。符号定数プロファイル(またはベクトル)h4は、これらk個の連続する定常状態測定プロファイルの平均プロファイルとして計算される。図9(e)および(f)の関数120および122がそれぞれ、FO角および比プロファイルそれぞれの符号定数関数の例を表す。
ここで、h4は定常状態での測定プロファイルのセットから設定される符号定数プロファイルである。測定プロファイルの制御性に依存して、CDフィルタは、必要に応じて符号定数プロファイルh4に適用できる。
この指数は測定プロファイルのある組合せ変数を捕捉する。符号定数プロファイルの計算は、ユーザにより始動でき、したがって、特定のおよび予測される最適な紙シート条件を基準関数として設定できる。これらの条件からの結果としての偏差は、基準(符号定数)関数から導き出される符合定数指数に反映される。この指数および適正な目標値を用いることにより、閉ループコントローラがシート条件に関連する所望の目標値を達成できる。
FO比プロファイルから導き出される指数を一般化するために、共通式rz(添字zはm、t、c、またはsのいずれか)を用いて、式(2)から(5)に示される指数を表すことができる。同様に、測定繊維配向角プロファイルapについては、対応する一般化指数はaz(zはm、t、c、またはsのいずれか)として表すことができる。rzおよびazは、図1のブロック14からの一般化指数出力を、測定された繊維配向比および繊維配向角プロファイルrpおよびapの指数変換の結果として表す。一般の事例では、式(1)を適用して、前述のまたは他の有意な指数の任意の組合せを生成できる。
1つの例として、図8(a)および8(b)で示されるFOプロファイル102および104はそれぞれ、図9(e)および9(f)の符号定数基準関数120および122を用いて、図10(a)および10(b)の対応する符号定数132および134にそれぞれ変換される。同様な変換は上面および下面FOプロファイルの両方に適用できる。
オンラインFO測定値から導き出される指数を用いて、プロセス特性を簡単なモデルで表すことができる。図10に示される例で説明すると、図10のFO指数132および134と、図10(c)のヘッドボックスの噴流−ワイヤ速度差136との間の関係は、図11(a)および11(b)のプロセス特性142および144により、それぞれ示すことができる。図11の特性142および144は、噴流−ワイヤ速度差(Vjw)に関するFOプロセス利得の非直線性を示す。図示されたプロセス利得は、抄紙機状態の変動に伴い数値的に変化する。本発明者らは図11に現れるプロセス特性が各種の抄紙機に関して再現性があることを見出した。
それぞれの種類の紙に対しては、紙シートのFO分布を制御するそれぞれの目的項目が存在する。印刷およびコピー用紙に対しては、紙のカールおよびねじれの低減がFO制御の目的である。多重ボール紙およびクラフト紙に対しては、FO制御の必要性は紙強度および減少したシート寸法の安定性の向上である。これらの制御目的項目は、FO指数の様々なセットに、間接的に変換される。実際、FO制御の一般的目的はFO角プロファイル形状を無くするか、または全体FO比レベルを等方性シート近くにまで減少させることである。
FO制御が必要とされるのは、図11に示すようなプロセス特性の非直線性を制御し、かつ抄紙メーカが様々な制御目的事項を選択するのに完全な自由度を有するようにするためである。ルール型ファジイ閉ループFO制御(BFOC)は、これら実際の必要性に適合するように設計される。
BFOC12は、入力rtgtおよびatgt、FO指数変換14の出力からの入力rzおよびaz、FO指数変換14の出力からの入力ΔrzおよびΔaz、および微分器16からの入力Δxを受け取る。BFOC12は入力rtgtおよびrzを用いてerを決定し、入力atgtおよびazを用いてeaを決定する。BFOC12の出力Δuは加算器18の2つの入力の1つとして接続され、この加算器の他方の入力はオペレータ入力または別のコントローラからの制御設定点uに接続されている。
加算器18の合計出力はリミッタ28に送られ、その後、アクチュエータループ20の設定点要求として供給される。アクチュエータループ20は、抄紙プロセス22および微分器16の入力に導かれる出力を有する。プロセス22は、FOセンサ24で測定される出力ペーパーウェブを有し、このFOセンサは測定された繊維配向比および繊維配向角プロファイルrpおよびapをFO指数変換器14に提供する。
目標値rtgtおよびatgtはバンプレストランスファー方式を用いて設定される。BFOCシステム10は手動モード操作であるが、これら目標値は現在のFO測定指数の移動平均として計算される。BFOCシステム10が自動モード操作に切り換わる場合、これら計算された目標値は、BFOCシステム10の初期の目標値になる。オペレータにより入力されるその後の変更は、絶対入力または増分入力のいずれにもできる。
BFOCシステム10は、ファジイ制御方法などの様々な制御技法で具体化できる。ファジイ制御方法を用いて実現されるBFOCシステム10の2つの実施形態を、図2および3に関連して、以下に説明する。
まず図2を参照すると、BFOC12の一実施形態を示している。この図では、コントローラ12は2段コントローラシステム30として具体化されている。コントローラシステム30においては、第1段は2つのコントローラ32および34から構成される。両方のコントローラ32および34は2つの入力および1つの出力を有するファジイコントローラとして実現される。コントローラ32および34の出力は必要とされる操作変数調整信号である。コントローラシステム30においては、第2段もまた、2つの入力および1つの出力を有するファジイコントローラ36である。コントローラ36の出力は、コントローラ32および34からの必要とされる操作変数調整信号の組合せである。
第1段のファジイコントローラ32および34は、所望の目標値からのFO変数の偏差を無くし、非線形適応コントローラとして機能するように設計されている。これらの設計目的は、入力言語変数およびファジイルールセットの定義の正確な選択により達成される。第1段ファジイコントローラ32および34は類似の構成である。2つのファジイコントローラ32および34の間を区別する差異は、入力言語変数の選択である。一般に、ファジイコントローラ32および34の入力および出力言語変数は、以下のように記述できる。
入力言語変数:
入力1:Δy/Δx−操作変数の実際の変化Δxに対するFO指数の変化Δy、これはΔrzまたはΔazのどちらかである。
入力1:Δy/Δx−操作変数の実際の変化Δxに対するFO指数の変化Δy、これはΔrzまたはΔazのどちらかである。
入力2:ey−FO指数の所望の目標値からの偏差。eyはerまたはeaのどちらかである。
出力言語変数:
出力:Δuy−操作変数の所望の変化。ΔuyはΔurまたはΔuaのどちらかである。
出力:Δuy−操作変数の所望の変化。ΔuyはΔurまたはΔuaのどちらかである。
上記の言語変数においては、
Δy 2つの連続するプログラム実行実現値間のFO指数の変化を示す。図2のとおり、Δyは繊維配向比指数差についてはΔrzであり、繊維配向角指数差についてはΔazである。
Δy 2つの連続するプログラム実行実現値間のFO指数の変化を示す。図2のとおり、Δyは繊維配向比指数差についてはΔrzであり、繊維配向角指数差についてはΔazである。
ey FO変数の所望の目標値からの偏差。図2のとおり、eyは繊維配向比指数偏差についてはerであり、繊維配向角指数偏差についてはeaである。
Δx ヘッドボックスの噴流−ワイヤ速度差、スライス開口、スライスねじれ設定、端部の流れ、または再循環流れなどの、操作変数の実際の変化を示す。
Δuy ヘッドボックスの噴流−ワイヤ速度差、スライス開口、スライスねじれ設定、端部の流れ、または再循環流れなどの、操作変数の所望の変化を示す。
繊維配向比指数rzのコントローラであるファジイコントローラ32については特に、入力および出力言語変数は以下のようである。
入力1:Δrz/Δx−操作変数の実際の変化に対する繊維配向比指数の変化。
入力2:er−繊維配向比指数の所望の目標値からの偏差。
出力:Δur−操作変数の所望の変化。
繊維配向角指数azのコントローラであるファジイコントローラ34については特に、入力言語変数は以下のようである。
入力1:Δaz/Δx−操作変数の実際の変化に対する繊維配向角指数の変化。
入力2:ea−繊維配向角指数の所望の目標値からの偏差。
出力:Δua−操作変数の所望の変化。
ファジイコントローラ32および34は類似であるため、これら第1段ファジイコントローラは更に詳細に、および一般的意味で説明できる。コントローラ32および34においては、コントローラ32についてはΔrz/Δxであり、コントローラ34についてはΔaz/Δxである、Δy/Δxはxの実際変化に応じて更新される。Δxが極めて小さい場合、Δrz/ΔxおよびΔaz/Δxの少なくとも一方であるΔy/Δxは、プログラム的にゼロに置き換えられることにより、プロセスの不確定性、測定値雑音、および他のすべての未知要因の影響を避ける。
所望の目標値からのFO変数の偏差を無くし、適応コントローラとして機能するように設計されているファジイコントローラ32および34はそれぞれ、2つのファジイ入力とファジイ出力のそれぞれについて5つのメンバーシップ関数を有するシステムにより示すことができる。この多数のメンバーシップ関数を有するシステムは、全体で25の対応する先行−後続ファジイルールを有する、5×5ファジイコントローラの例を構成する。2つのファジイ入力とファジイ出力とのそれぞれに対する言語記述および値は、以下のよう示すことができる。
「大きい負の値(LN)」=−1.0
「小さい負の値(SN)」=−0.5
「ゼロ(Z)」=0.0
「小さい正の値(SP)」=+0.5
「大きい正の値(LP)」=+1.0
言語変数の入力および出力空間を完全に定義するために、例として、図5に示すような、三角形メンバーシップ関数60の入力セット62および出力セット64を用いることができる。
「小さい負の値(SN)」=−0.5
「ゼロ(Z)」=0.0
「小さい正の値(SP)」=+0.5
「大きい正の値(LP)」=+1.0
言語変数の入力および出力空間を完全に定義するために、例として、図5に示すような、三角形メンバーシップ関数60の入力セット62および出力セット64を用いることができる。
コントローラ32および34に適用する先行−後続ファジイルールの代表的セットを特定して、コントローラの設計要件を満たすことができる。「大きい負の値(LN)」言語記述により表される列については、5つの対応するルールは以下のように示すことができる。
1.「Δy/Δxが大きい負の値(LN)であり」、「eyが大きい負の値(LN)である」場合、「Δuyは大きい正の値(LP)である」。
2.「Δy/Δxが小さい負の値(SN)であり」、「eyが大きい負の値(LN)である」場合、「Δuyは大きい正の値(LP)である」。
3.「Δy/Δxがゼロ(Z)であり」、「eyが大きい負の値(LN)である」場合、「Δuyはゼロ(Z)である」。
4.「Δy/Δxが小さい正の値(SP)であり」、「eyが大きい負の値(LN)である」場合、「Δuyは大きい負の値(LN)である」。
5.「Δy/Δxが大きい正の値(LP)であり」、「eyが大きい負の値(LN)である」場合、「Δuyは大きい負の値(LN)である」。
入力2−ey
入力1−Δy/Δx
組み合わせると、入力1(Δy/Δx)およびルールセットを選択して、コントローラ32および34を異なるプロセス応答に適合させる。組み合わせると、入力2(ey)およびルールセットを選択して、FO変数を所望の目標値に制御する。ルール表においては、「ゼロ」言語記述により設計される行および列がゼロ軸と考えられる場合、ルール表は4つの象限を有すると考えることができる。第1象限(右上)は正の目標値偏差(目標値より下のFO変数)の事例の、正のプロセス応答を有するコントローラに適合する。第2象限(左上)は正の目標値偏差(目標値より下のFO変数)の事例の、負のプロセス応答を有するコントローラに適合する。第3象限(左下)は負の目標値偏差(目標値より上のFO変数)の事例の、負のプロセス応答を有するコントローラに適合する。第4象限(右下)は負の目標値偏差(目標値より上のFO変数)の事例の、正のプロセス応答を有するコントローラに適合する。
入力1−Δy/Δx
組み合わせると、入力1(Δy/Δx)およびルールセットを選択して、コントローラ32および34を異なるプロセス応答に適合させる。組み合わせると、入力2(ey)およびルールセットを選択して、FO変数を所望の目標値に制御する。ルール表においては、「ゼロ」言語記述により設計される行および列がゼロ軸と考えられる場合、ルール表は4つの象限を有すると考えることができる。第1象限(右上)は正の目標値偏差(目標値より下のFO変数)の事例の、正のプロセス応答を有するコントローラに適合する。第2象限(左上)は正の目標値偏差(目標値より下のFO変数)の事例の、負のプロセス応答を有するコントローラに適合する。第3象限(左下)は負の目標値偏差(目標値より上のFO変数)の事例の、負のプロセス応答を有するコントローラに適合する。第4象限(右下)は負の目標値偏差(目標値より上のFO変数)の事例の、正のプロセス応答を有するコントローラに適合する。
第2段のファジイコントローラ36は、第1段コントローラ32および34からの2つの操作変数要求間のトレードオフを生成するように設計される。2つのファジイエンジン32および34からの出力ΔurおよびΔuaはそれぞれ、第1段からの2つの操作変数要求間のトレードオフを生成する、第2段ファジイエンジン36に供給される。2つの操作変数要求間のトレードオフは、ルールセットにより指定される。一般に、ファジイコントローラ36の入力および出力言語変数は以下のように示される。
入力言語変数:
入力1:Δur−コントローラ32からの操作変数の所望の変化。
入力1:Δur−コントローラ32からの操作変数の所望の変化。
入力2:Δua−コントローラ34からの操作変数の所望の変化。
出力言語変数:
出力:Δu−操作変数の最終の所望の変化。
出力:Δu−操作変数の最終の所望の変化。
ファジイ制御設計方法を実行することにより、コントローラ36について、言語記述、言語値および先行−後続ルールを設定できる。設計明細無しで、ファジイコントローラ36の動作はルール表にまとめることができ、表においては、表示された言語記述および値は、コントローラ32および34で定義されたものと同一である。
入力2−Δua
入力1−Δur
ルール表においては、主対角線は「ゼロ(Z)」変化に対応する言語値が割当てられ、コントローラ32および34からの反対の所望の変化を考慮に入れる。上側の三角形(右上)は「正の値(SPおよびLP)」変化に対応する言語値が割当てられ、コントローラ32および34の両方から発生する主要な正の変化を考慮に入れる。上側三角形においては、言語値は「大きい正の値(LP)」に累進的に増加して、入力1(Δur)および入力2(Δua)の極値点における論議領域が、両方共「大きい正の値(LP)」であることを反映する。上側三角形においてルールを指定するために使用されるのと同様の論理を適用すると、下側の三角形(左下)は「負の値(SNおよびLN)」変化に対応する言語値が割当てられ、コントローラ32および34の両方から発生する主要な負の変化を考慮に入れる。
入力1−Δur
ルール表においては、主対角線は「ゼロ(Z)」変化に対応する言語値が割当てられ、コントローラ32および34からの反対の所望の変化を考慮に入れる。上側の三角形(右上)は「正の値(SPおよびLP)」変化に対応する言語値が割当てられ、コントローラ32および34の両方から発生する主要な正の変化を考慮に入れる。上側三角形においては、言語値は「大きい正の値(LP)」に累進的に増加して、入力1(Δur)および入力2(Δua)の極値点における論議領域が、両方共「大きい正の値(LP)」であることを反映する。上側三角形においてルールを指定するために使用されるのと同様の論理を適用すると、下側の三角形(左下)は「負の値(SNおよびLN)」変化に対応する言語値が割当てられ、コントローラ32および34の両方から発生する主要な負の変化を考慮に入れる。
次に図3を参照すると、BFOC12の別の実施形態が示されている。この実施形態においては、コントローラ12は2段コントローラシステム40として具体化される。この実施形態では、コントローラ42および44はそれぞれ、コントローラ32および34と同一である。第2段ファジイコントローラ36の代わりに、コントローラシステム40は、第1段コントローラ42および44のそれぞれからの要求される操作変数調整値ΔurおよびΔuaの非ファジイ重み付き結合として、操作変数(Δu)の最終の所望の変化を実現する。この重み付き結合の一例は、以下のように表すことができる。
Δu=(wr *Δur)+(wa *Δua)
ここで、
ΔurおよびΔuaは、第1段コントローラ42および44のそれぞれからの要求される操作変数調整値であり、
wrおよびwaは、ΔurおよびΔuaのそれぞれに適用する、重み付けする大きさであり、
Δuは操作変数の最終の所望の変化である。
ここで、
ΔurおよびΔuaは、第1段コントローラ42および44のそれぞれからの要求される操作変数調整値であり、
wrおよびwaは、ΔurおよびΔuaのそれぞれに適用する、重み付けする大きさであり、
Δuは操作変数の最終の所望の変化である。
重み付けする大きさwrおよびwaは、以下の式を満足させるように指定される。
または、多段のルール型ファジイコントローラ30を適用できる。
複数ヘッドボックス構成を有する抄紙プロセスにおいては、上側および下側層はそれぞれ、紙シートのこの層を形成する専用のヘッドボックスに関連付けされる。この場合、BFOCの図2の実施形態または図3の実施形態のどちらかを構成して、それぞれ、上側および下側の繊維測定に関連付けできる。各コントローラの出力は対応するヘッドボックスに関連するアクチュエータに送られる。
図4は単一ヘッドボックス抄紙機に対処する機構50を示しており、シートの上面および下面の繊維測定を可能にする。この事例では、BFOCの図2の実施形態または図3の実施形態のどちらかを構成して、上側および下側の繊維測定に関連付けできる。ただし、ヘッドボックスに結合したアクチュエータは1つだけである。繰り返すが、コントローラ36と類似のファジイコントローラまたは上面および下面に関連するBFOCからの出力の重み付けした組合せを利用して、ヘッドボックスアクチュエータに対する単一Δu出力を生成できる。図4に示すとおり、上面測定およびそれの関連BFOCからの上側Δu出力と、下面測定およびそれの関連BFOCからの下側Δu出力とは、調整可能な重み付け係数52および54を用いて重み付けし、検査後にヘッドボックスアクチュエータに送り出される単一Δuを得る。
単一ヘッドボックス抄紙機では、上面および下面の繊維測定値を組み合わせて単一繊維配向比および繊維配向角プロファイルを生成する別の方法を、単一BFOCと結合して使用できる。
各ファジイコントローラについて所望の分解能を得るために、各コントローラ繰返しにおける入力および出力の倍率は、eyおよびΔy/Δxの大きさに応じて調整できる。
なお、1つ以上の好ましい実施形態の記述は、本発明の例示のみを意図するものであり、この内容に限定するものではない。当業者には、本実施形態の開示した件名に対して、添付の特許請求の範囲に定義された本発明の精神または範囲から逸脱することなく、特定の追加、削除、および変更の少なくとも一方が可能であろう。
Claims (16)
- 抄紙プロセスにおけるウェブの繊維配向を閉ループ制御する方法であって、
a)前記繊維配向のオンライン測定を実行する工程と、
b)前記オンライン測定結果を複数の指数に変換する工程と、
c)前記変換されたオンライン測定結果から発生する前記複数の指数のそれぞれを、関連の目標値と比較し、その比較結果から、前記関連の目標値と前記複数の指数のそれぞれの偏差を導き出す工程と、
d)前記導き出した偏差と前記プロセスの応答特性とに基づいて、前記繊維配向を制御する動作を計算する工程と、
e)前記制御動作を実行して、前記導き出される偏差を最少にする工程と、
を備える方法。 - 前記方法はさらに、前記繊維配向の前記オンライン測定結果から複数のベクトルを得る工程を備え、このベクトルのそれぞれは、複数の繊維配向プロファイルのうち関連する1つを表し、
前記変換工程は、前記複数のベクトルのそれぞれを前記複数の指数のうち関連する1つに変換する工程を備える、請求項1に記載の方法。 - 前記複数の繊維配向プロファイルのそれぞれは個々のデータ点を有し、
前記複数の指数の1つは、前記複数のベクトルのうち前記関連する1つの一部分である、前記個々のデータ点のすべての平均である、請求項3に記載の方法。 - 前記複数の指数の別の1つは前記複数のベクトルのうち、前記関連する1つの傾斜の表示である、請求項3に記載の方法。
- 前記複数の指数の別の1つは前記複数のベクトルのうち、前記関連する1つの凹形率の表示である、請求項3に記載の方法。
- 前記複数の指数の別の1つは前記複数のベクトルの前記関連する1つの変動性の符号定数である、請求項3に記載の方法。
- 前記計算工程は、入力として、前記関連する目標値からの前記複数の指数の偏差に応答し、出力として前記制御動作の1つを計算する、請求項1に記載の方法。
- 前記計算工程は、ファジイまたは非ファジイ論理またはそれの任意の組合せから選択される論理を用いて、前記制御動作の1つを計算する工程を備える、請求項8に記載の方法。
- 前記ファジイ論理は、複数のファジイルールと各言語記述に関連付けされた複数のメンバーシップ関数を有する、少なくとも2つの前記入力と1つの前記出力とを備える、請求項9に記載の方法。
- 前記非ファジイ論理は、複数の前記入力の重み付けした総和の少なくとも数学的演算により、前記制御動作の1つを計算することを備える、請求項9に記載の方法。
- 前記計算工程は複数の論理段を用いて、前記制御動作の1つを計算する工程を備える、請求項8に記載の方法。
- 複数の論理段を用いる前記工程は、ファジイまたは非ファジイ論理またはこれらの任意の組合せから選択される論理として、前記複数の論理段のそれぞれを実現する工程を備える、請求項12に記載の方法。
- 前記複数の論理段は2つのファジイ論理段を備える、請求項12に記載の方法。
- 前記複数の論理段は、ファジイ論理である少なくとも1つの論理段と、非ファジイ論理である少なくとも1つの別の論理段を備える、請求項12に記載の方法。
- 前記実行工程は、前記制御動作を適用して、1つ以上のヘッドボックスを有する抄紙機を制御する工程を備える、請求項1に記載の方法。
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