JP2005517628A - Mmp−2内の配列に基づいた化合物を使用する、血管形成および腫瘍増殖を阻害するための新規方法並びに組成物 - Google Patents

Mmp−2内の配列に基づいた化合物を使用する、血管形成および腫瘍増殖を阻害するための新規方法並びに組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、マトリックスメタロプロテイナーゼ2(MMP-2)の特定のアミノ酸配列を含むペプチドを使用して、血管形成、腫瘍増殖を阻害するため、および疾病状態を治療するための方法および組成物を提供する。一つの態様において、本発明は、アミノ酸配列Ile-Phe-Ala-Gly-Asp-Lys-Phe-Trp-Argを含むペプチド、好ましくは、システイン残基がアミノ末端およびカルボキシ末端で隣接して位置するものを提供する。その上、本発明は、上記のアミノ酸配列に基づいた有機および非ペプチド性の擬態、並びに本配列が位置するMMP-2内の領域に隣接する最適化された配列を含む、血管形成もしくは腫瘍増殖を阻害するための、または疾病状態を治療するための組成物を提供する。また、本発明の組成物を組織と接触させることによって、血管形成、腫瘍状の組織、転移、および組織への腫瘍浸潤を検出するための方法、並びに本発明の組成物をスクリーニングするための方法を提供する。

Description

政府支援
本発明は、連絡番号R29CA74132-01のもとに、国立癌研究所による政府支援によってなされた。
発明の技術分野
本発明は、一般に医学の分野に関し、特に組織における腫瘍増殖および血管形成を阻害するため、またはMMP-2内に見られる特定された配列に基づいた化合物を使用して、血管形成および腫瘍増殖を検出するための方法並びに組成物に関する。
背景
血管形成は、新たな血筋が形成される基本的なプロセスであり、様々な正常な体の活性(生殖、発生、および傷の修復など)に必須である。本プロセスは、完全に理解されないにもかかわらず、毛細血管の主要な細胞の内皮細胞の増殖の刺激および阻害の双方を行う分子の複雑な相互作用に関与すると考えられる。正常な条件下で、これらの分子は、数週または一部の場合には、10年もの長い間にわたるであろう長期間の間、微小血管系を静止状態(すなわち毛細血管増殖のない状態)に維持するようにみえる。しかし、必要なとき(たとえば、傷の修復の間)には、これらの同じ細胞は、5日間以内に迅速に増殖および代謝回転を経ることができる(Folkman, J. and Shing, Y., The Journal of Biological Chemistry, 267(16): 10931-10934, and Folkman, J. and Klagsbrun, M., Science, 235: 442-447 (1987))。
血管形成は、正常な条件下において非常に調節されたプロセスであるが、多くの疾患(「血管由来の疾患」として特徴付けられる)は、持続的な無秩序な血管形成によって進行されている。言い換えると、無秩序な血管形成は、特定の疾患を直接引き起こし、または既存の病状を悪化させる可能性がある。たとえば、眼球の血管新生は、盲目の最も一般的な原因として関係し、約20の眼疾患の優位を示す。関節炎などのある既存の症状においては、新たに形成された毛細血管は、関節を浸潤して軟骨を破壊する。糖尿病においては、網膜に形成される新たな毛細血管がガラス体液を浸潤し、出血して盲目が生じる。また、固形腫瘍の増殖および転移は、血管形成に依存する(Folkman, J., Cancer Research, 46: 467-473 (1986), Folkman, J., Journal of the National Cancer Institute, 82: 4-6 (1989))。たとえば、2mmを超えて大きくなる腫瘍は、これら自体が血液供給を得なければならず、新たな毛細血管の増殖を誘導することによってこれを行わなければならないこが示されている。一旦これらの新たな血管が腫瘍に包埋されると、これらは、腫瘍細胞が循環に入り込むため、および遠い部位、たとえば肝臓、肺、または硬骨に転移するための手段を提供する(Weidner, N.ら、The New England Journal of Medicine, 324(1): 1-8 (1991))。
腫瘍の増殖および転移は、年ごとに多数の人々に影響を与えるため(来年には米国単独で、600,000相当以上の癌の新たな症例が診断されると思われる。Varner, J. A., Brooks, P. C., and Cheresh, D. A. (1995) Cell Adh. Commun. 3, 367-374)、これらの疾患を治療するための組成物および治療方法は、優れた有用性を有する。前述のことから、血管形成を遮断することが、腫瘍増殖を遅くして、種々のその他の疾患を治療するのに有効であるかもしれないことは明らかである。実際に、腫瘍の血管新生を遮断することにより、種々の動物モデルにおける腫瘍の増殖を阻害することができ、また、ヒト臨床データでは、この主張を支持し始めているという、本主張を支持する十分な証拠がある(Varner, J. A., Brooks, P. C., and Cheresh, D. A. (1995) Cell Adh. Commun. 3, 367-374)。
血管由来の疾患の治療に使用するために、血管形成阻害剤が現在開発中であるが(Gasparini, G. and Harris, A. L., J Clin Oncol 13(3): 765-782, (1995))、これらの化合物のいくつかに関して不都合がある。たとえば、スラミンは、強力な血管形成阻害剤であるが、ヒトにおいて重篤な全身毒性を生じる(抗腫瘍活性を達成するために必要とされる用量で)。レチノイド、インターフェロン、および抗エストロゲンなどのその他の化合物は、ヒト使用については安全であるが、弱い抗血管効果のみを有する。さらにその他の化合物は、作製することが困難であるか、または高価であろう。同様に、多くの研究者が、血管形成を惹起する成育因子およびサイトカインに注目しているが(Varner et al. 1995; Blood and Zetter 1990; Weidner et al. 1992; Weidner et al. 1991; Brooks et al. 1995; Brooks et al. 1994; Brooks et al. 1997)、血管形成を刺激する能力を有する数多くの異なる成育因子およびサイトカインと重複性がある。したがって、この重複性のため、単一のサイトカインを遮断することの治療的な利益は、限られた利益を有するだけであった。
したがって、その他の抗血管由来の標的の発明および血管形成を阻害するための方法が、必要である。短いペプチドは比較的作製しやすく、血管形成が役割を演じる疾病状態を治療する経済的な方法、および標的とした血管形成の阻害剤のデザインを表す。
概要
本発明は、細胞間マトリックス(ECM)のタンパク分解性リモデリングにおける役割を果たすマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)を使用する血管形成および腫瘍増殖を阻害するための方法並びに組成物を提供する。特に、本発明は、MMP-2の断片に基づいた血管形成を阻害するための新規な組成物および方法を提供する。
本発明の1つの特定の側面は、MMP-2の特定のアミノ酸配列を含むペプチドを含む血管形成を阻害するための組成物を提供する。その主要な態様において、本発明は、以下のアミノ酸配列を含むペプチドを提供する:
配列番号:1 -Ile-Phe-Ala-Gly-Asp-Lys-Phe-Trp-Arg。
あるいは、上記配列は、その他のアミノ酸に隣接していてもよい。たとえば、該9アミノ酸の配列は、下記の通りにアミノ末端およびカルボキシ末端でシステイン残基が隣接していてもよい:
配列番号:2 -Cys-Ile-Phe-Ala-Gly-Asp-Lys-Phe-Trp-Arg-Cys。
加えて、本発明は、上記のアミノ酸配列に基づいた有機性および非ペプチド性の擬態、並びにMMP-2の領域に隣接する最適化された配列を含む血管形成または腫瘍増殖を阻害するための組成物を提供する。
本発明のもう1つの側面は、MMP-2の特定のアミノ酸配列によって定義された部位のアゴニストを含む血管形成を阻害するための組成物を提供する。さらに、本発明は、MMP-2内の特定の部位に特異的に向けられた血管形成を阻害するためのアンタゴニストを提供する。このようなアンタゴニストは、エピトープの有機性およびペプチド性または非ペプチド性の擬態を含んでいてもよい。
さらにもう一つの態様において、本発明は、癌、関節炎、乾癬、感染または外科的処置に関連した眼の血管形成、黄斑部変性、および糖尿病性網膜症からなる群より選択される疾患の治療のための、薬学的に許容されるキャリアと組み合わせて上記記載の通りのペプチドを含む組成物を提供する。
本発明のもう1つの側面は、上記組成物と組織を接触させることを含む血管形成を阻害する方法を含む。治療される組織は、血管新生が生じている患部組織などの血管形成の阻害が望まれるどのような組織でもあることもできる。例示的な組織は、炎症性の組織、固形腫瘍、転移、再狭窄を経ている組織などを含む。また、本発明は、癌、関節炎、黄斑部変性、および糖尿病性網膜症からなる群より選択される疾患のための治療方法であって、上記記載の通りのペプチドの治療的に有効な量を患者に投与することを含む方法を提供する。
また、血管形成、腫瘍状の組織、転移、および組織への腫瘍浸潤を検出するための方法であって、組織と本発明の組成物を接触させることによる方法を提供する。
また、本発明は、本発明の組成物をスクリーニングするための方法を提供する。
特許明細書を通じて、
1. 配列番号:1は、以下の配列である:
Ile-Phe-Ala-Gly-Asp-Lys-Phe-Trp-Arg。
2. ペキスタチン(Pexstatin)または配列番号:2は、以下の配列を有するペプチドをいう:
Cys-Ile-Phe-Ala-Gly-Asp-Lys-Phe-Trp-Arg-Cys。
発明の詳細な記載
生理学的状態においては、結合組織の合成は、細胞間マトリックスの分解と平衡状態にある動的なものである。その分解は、部分的には、結合組織の分解およびリモデリングに関与するプロテアーゼ(酵素)のファミリーのマトリックスメタロプロテアーゼによる。このファミリーのメンバーのエンドペプチダーゼ酵素は、繊維芽細胞、単球、マクロファージ、内皮細胞、および浸潤性または転移性腫瘍細胞などの結合組織にあるか、または関連した種々の細胞タイプから分泌される酵素前駆体として分泌される。MMPの発現は、局部的組織環境において成育因子およびサイトカインによって刺激され、ここでこれらの酵素は作用して、コラーゲン、プロテオグリカン(タンパク質核心)、フィブロネクチン、およびラミニンなどの細胞間マトリックスのタンパク質成分を特異的に分解する。これらの遍在性の細胞外基質成分は、関節のライニング、腸管結合組織、基底膜、および軟骨に存在する。MMPsは、亜鉛およびカルシウム依存性、酵素前駆体としての分泌、および40〜50%のアミノ酸配列相同性を含む多くの性質を共有する。
MMPsによる細胞間マトリックスの過剰な分解は、慢性および急性の両性質の多くの疾患の発病に関係する。たとえば、Exp. Opin. Invest. Drugs, 5, 323-335, (1996)に概説されたように、多くの研究により、MMPsの発現および活性化は、腫瘍増殖、浸潤、および転移における重要なイベントであることが証明されている。さらに、MMP活性は、腫瘍増殖のために、並びに黄斑部変性などのその他の病理症状のために必要である血管形成に必要とされるることが見出された。
このファミリーのメンバーの酵素は、コラゲナーゼ(MMP-1)、タイプIV(MMP-2、MMP-9)のゼラチナーゼまたはコラゲナーゼ、マトリライシン(matrilysin)(MMP-7、PUMP-1)、およびストロメリシン(MMP-3)を含むが、これらに限定されない。
特に本明細書において興味がもたれるものは、ゼラチナーゼMMP-2である。
定義
「アルキル」の用語は、直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素から単一の水素原子を除去することによって得られるものをいう。アルキル基は、メチル、エチル、n-プロピルおよびiso-プロピル、n-ブチル、sec-プチル、iso-ブチル、およびtert-ブチルなどによって例示される。
本明細書において使用されるものとして、「N-保護基」の用語は、合成手順の間の望ましくない反応からアミノ基を保護するための当業者に既知の容易に除去できる基および選択的に除去できる基をいう。合成手順の間の望ましくない反応からアミノ基を保護するためのN-保護基の使用は、当業者に周知であり、多くのこのような保護基、たとえばT. H. Greene and P. G. M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 2nd edition, John Wiley & Sons, New York (1991)が知られている。N-保護基の例は、アセチル、トリフルオロアセチル、アシルイソチオシアナート、アミノカプロイル、ベンゾイルなどを含むアシル基およびt-ブチルオキシカルボニル(BOC)およびカルボベンジルオキシなどを含むアシルオキシ基を含むが、これらに限定されない。
「薬学的に許容される塩」は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答などを伴わずにヒトおよび下等動物の組織との接触に使用するために適しており、合理的な利益/リスク比で釣り合っている塩を意味する。薬学的に許容される塩は、当該技術分野において周知である。たとえば、S.M.Bergeらは、 J. Pharmaceutical Sciences, 1977, 66: 1-19に、詳細な薬学的に許容される塩を記載している。塩は、本発明の化合物の最終的な単離および精製の際にインサイチューで、または遊離塩基の官能基を適切な有機酸と反応させることによって調製することができる。代表的な酸付加塩は、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、スパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホナート(camphersulfonate)、クエン酸塩、、シクロペンタンプロピオナート、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプトナート、ヘキサノン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオナート(lactobionate)、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモエート、ペクチナート(pectinate)、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などを含む。代表的なアルカリ塩またはアルカリ土類金属塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど、並びにアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどを含む(しかし、これらに限定されない)非毒性アンモニウム、四級アンモニウム、およびアミンカチオンを含む。
本明細書において使用されるものとして、「薬学的に許容されるエステル」の用語は、インビボにおいて加水分解するエステルをいい、および人体において容易に分解されて親化合物またはその塩を残すもを含む。適切なエステル基は、薬学的に許容される脂肪族カルボン酸に由来するもの、特にアルカン酸、アルケン酸、シクロアルカン酸、アルカン二酸を含み、それぞれのアルキルまたはアルケニル部分は、有利には6より少ない炭素原子を有する。特定のエステルの例は、ギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、アクリル酸エステル、およびエチルスクシナートを含む。
別に示さない限り、接頭辞「D」により、本明細書および添付の請求の範囲に記載されたペプチドのアミノ酸およびアミノアシル残基のI-炭素の立体化学は、天然のまたは「L」立体配置である。使用されるCahn-Ingold-Prelogの「R」および「S」命名法は、本発明のペプチドのN末端のアシル置換基のいくつかのキラル中心の立体化学を特定するために使用される。命名「R,S」は、2つの鏡像異性形態のラセミ混合物を示すことを意味する。本命名法は、R. S. Cahn,ら、Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 5, 385-415 (1966)に記載されたものに従う。
大部分は、本明細書において使用される天然に存在するおよび天然に存在しないアミノアシル残基についての命名は、有機化学命名法についてのIUPAC委員会および「命名法I-アミノ酸(Recommendations, 1974)」Biochemistry, 14(2), (1975)に記載されたとおりの生化学命名法についてのIUPAC-IUB委員会によって示唆される命名規則に従う。本明細書および添付の請求の範囲において使用されるアミノ酸およびアミノアシル残基の命名および略記号がこれらの示唆とは異なる範囲については、以下の記載によって読者に明らかとされるであろう。
そのペプチドの生物学的機能を実質的に変更することなく、ポリペチドの構造に修飾および改変を行うことができることは、周知である。たとえば、あるアミノ酸は、所与のポリペチドにおいて、はっきり認められるほどのいずれの機能の損失も伴わずにその他のアミノ酸に対して置換することができる。このような変化を行う際に、アミノ酸様残基の置換は、たとえば、これらの大きさ、電荷、疎水性、親水性などの置換基側鎖の相対的な類似性に基づいて行うことができる。
米国特許第4,554,101号(本明細書に引用したものとする)において詳述されているとおり、以下の親水性値がアミノ酸残基に割り当てられている:Arg(+3.0);Lys(+3.0);Asp(+3.0);Glu(+3.0);Ser(+0.3);Asn(+0.2);Gln(+0.2);Gly(0);Pro(0.5);Thr(-0.4);Ala(-0.5);His(-0.5);Cys(-1.0);Met(-1.3);Val(-1.5);Leu(-1.8);Ile(-1.8);Tyr(-2.3);Phe(-2.5);およびTrp(-3.4)。アミノ酸残基を、同様の親水性値(たとえば、プラスまたはマイナス2.0の値の範囲内で)を有する別のものに対して置換して、さらに生物学的に同等なポリペチドを得ることもできる。
同様の方法において、置換は、疎水性親水性指標の類似性に基づいて行うことができる。それぞれのアミノ酸残基は、その疎水性および電荷特性に基づいて疎水性親水性指標が割り当てられている。これらの疎水性親水性指標値は、以下の通りである:Ile(+4.5);Val(+4.2);Leu(+3.8);Phe(+2.8);Cys(+2.5);Met(+1.9);Ala(+1.8);Gly(-0.4);Thr(-0.7);Ser(-0.8);Trp(-0.9);Tyr(-1.3);Pro(-1.6);His(-3.2);Glu(-3.5);Gln(-3.5);Asp(-3.5);Asn(-3.5);Lys(-3.9);およびArg(-4.5)。疎水性親水性指標に基づいて置換を行う際には、プラスまたはマイナス2.0の範囲内値が好ましい。
本発明の化合物:ペプチド
本発明によれば、アミノ酸部位582-590によって定義されるマトリックスメタロプロテイナーゼ-2(MMP-2)の特定の領域は、血管形成および腫瘍増殖を阻害することが発見された。
上記の所見に基づいて、本発明は、血管形成および腫瘍増殖を阻害するための、配列番号:1を有する新規ペプチドおよび配列番号:2を有する新規の11アミノ酸ペプチドのペキスタチンを提供する。下記の実施例が示すとおり、これらのペプチドは、インビボにおける血管形成および腫瘍増殖を強力に阻害する。したがって、本発明の化合物は、実施例において特定した抗血管原生活性を有するものを含むが、これらに限定されない。
本発明のポリペチドは、当業者に既知であるどうのような技術によって合成されてもよい。固相ペプチド合成については、多くの技術の概要が、J. M. Stewart and J. D. Young, Solid Phase Peptide Synthesis, W. H. Freeman Co. (San Francisco), 1963 and J. Meienhofer, Hormonal Proteins and Peptides, vol. 2, p. 46, Academic Press (New York), 1973. For classical solution synthesis see G. Schroder and K. Lupke, The Peptides, vol. 1, Acacemic Press (New York), 1965に見出されるであろう。
一般に、これらの方法は、1つまたは複数のアミノ酸または適切に保護されたアミノ酸を連続して添加してペプチド鎖を成長させることを含む。通常、第一のアミノ酸のアミノ基またはカルボキシル基は、適切な保護基によって保護されている。次いで、保護されたアミノ酸または誘導体化されたアミノ酸は、適切に保護されている優待(アミノまたはカルボキシル)基を有する配列に、次のアミノ酸を、アミド結合を形成するために適した条件下で添加することにより、非活性の固体担体に付着させるか、または溶液中で利用するかのいずれかで付加ことができる。次いで、保護基をこの新たに付加されたアミノ酸残基から除去し、次いで、次のアミノ酸(最適に保護された)を加えるなどする。全ての所望のアミノ酸が適当な配列に連結されたあと、残留するあらゆる保護基(およびあらゆる固体担体)を順番に、または並行して除去して、最終的なポリペチドを産出させる。この一般的な手順の簡素な修飾により、一度に複数のアミノ酸を成長鎖に付加すること、たとえば、適切に保護されたジペプチドと保護されたトリペプチドを連結(キラル中心をラセミ化しない条件下で)して、脱保護後にペンタペプチドを形成させることができる。
本発明の化合物を調製する1つの方法は、固相ペプチド合成を含む。この方法では、α-アミノ官能基は、酸または塩基に感受性の基によって保護されている。このような保護基は、ペプチド結合形成の条件に対して安定な性質を有するが、成長しているペプチド鎖の破壊またはこれに含まれるいずれのキラル中心のラセミ化を伴わずに容易に除去可能であるべきである。適切な保護基は、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、t-ブチルオキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、ビフェニルイソプロピルオキシカルボニル、t-アミルオキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、(I,I)ジメチル-3,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル、o-ニトロフェニルスルフェニル、2-シアノ-t-ブチルオキシカルボニルなどである。9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)保護基が好ましい。
特に好ましい側鎖保護基は、リジンおよびアルギニンにおけるもののような側鎖アミノ基については:2,2,5,7,8-ペンタメチルクロマン-6-スルホニル(pmc)、ニトロ、p-トルエンスルホニル、4-メトキシベンゼンスルホニル、Cbz、Boc、およびアダマンチルオキシカルボニル;チロシンについては:ベンジル、o-ブロモベンジルオキシカルボニル、2,6-ジクロロベンジル、イソプロピル、t-ブチル(t-Bu)、シクロヘキシル、シクロペンチル、およびアセチル(Ac);セリンについては:t-ブチル、ベンジル、およびテトラヒドロピラニル;ヒスチジンについては:トリチル、ベンジル、Cbz、p-トルエンスルホニル、および2,4-ジニトロフェニル;トリプトファンについては:ホルミルである。
固相ペプチド合成法では、C末端のアミノ酸が、適切な固体担体または樹脂に付着される。上記の合成に有用な適切な固体担体は、段階的な縮合-脱保護反応の試薬および反応条件に対して不活性であり、並びに使用する培地に不溶である物質である。C末端のカルボキシペプチドの合成のために好ましい固体担体は、4-ヒドロキシメチルフェノキシメチル-コポリ(スチレン-1%ジビニルベンゼン)である。C末端のアミドペプチドのために好ましい固体担体は、Applied Biosystemsから入手可能な4-(2',4'-ジメトキシフェニル-Fmoc-アミノメチル)フェノキシアセトアミドエチル樹脂である。
C末端のアミノ酸は、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)、リン酸ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロ(BOP)、もしくは塩化ビス(2-オキソ3-オキサゾリジニル)ホスフィン(BOPCl)の存在下または非存在下で、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N,N'-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、もしくはヘキサフルオロリン酸O-ベンゾトリアゾール-1-イル-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム(HBTU)を、約1〜約24時、100〜50℃間の温度において、ジクロロメタンまたはDMFなどの溶媒中でカップリングを媒介した手段によって、樹脂に連結する。固体担体が4-(2',4'-ジメトキシフェニル-Fmoc-アミノメチル)フェノキシアセトアミドエチル樹脂である場合、Fmoc基は、二級アミン、好ましくはピペリジンで、C末端のアミノ酸とカップリングする前に上記の通りに切断される。脱保護された4-(2',4'-ジメトキシフェニル-Fmoc-アミノメチル)フェノキシアセトアミドエチル樹脂にカップリングするための好ましい方法は、ヘキサフルオロリン酸O-ベンゾトリアゾール1-イル-N,N,N',N'テトラメチルウロニウム(HBTU、1当量)および1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1当量)のDMF溶液である。
連続した保護アミノ酸のカップリングは、当該技術分野において周知であるとおり、自動ポリペチド合成機で実行することができる。1つの態様において、成長しているペプチド鎖のアミノ酸のα-アミノ官能基は、Fmocで保護されている。成長しているペプチドのN末端側面由来のFmoc保護基の除去は、二級アミン、好ましくはピペリジンで処理することによって達成される。次いで、それぞれの保護されたアミノ酸を薬3倍モル過剰に導入して、好ましくはDMF溶液中でカップリングが実行される。カップリング剤は、通常ヘキサフルオロリン酸O-ベンゾトリアゾール1-イル-N,N,N',N'テトラメチルウロニウム(HBTU、1当量)および1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1当量)である。
固相合成の最後に、連続して、または単一の操作のいずれかで、ポリペチドを樹脂から除去して脱保護する。ポリペチドの除去および脱保護は、切断試薬、たとえばチオアニソール(thianisole)、水、エタンジチオール、およびトリフルオロ酢酸で、樹脂に結合したポリペチドを処理することにより、単一の操作で達成することができる。
ポリペチドのC末端がアルキルアミドである場合、樹脂は、アルキルアミンによるアミノリシスによって切断される。あるいは、ペプチドは、エステル転移反応、たとえばメタノールで、続いてアミノ分解によって、または直接型アミド基転移によって除去されてもよい。保護されたペプチドは、この時点で精製してもよく、または次の工程に直接使用してもよい。側鎖保護基の除去は、上記した切断反応混液を使用して達成される。
完全に脱保護されたペプチドは、以下のタイプいずれかまたは全ての一連のクロマトグラフィー工程によって精製する:酢酸塩形態の弱塩基性樹脂におけるイオン交換;誘導体化されていないポリスチレン-ジビニルベンゼン(たとえばAMBERLITE.RTM.XAD)における疎水性吸着クロマトグラフィー;シリカゲル吸着クロマトグラフィー;カルボキシメチルセルロースにおけるイオン交換クロマトグラフィー;たとえばSEPHADEX.RTM.G-25, LH-20または向流分配における、分配クロマトグラフィー;高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、特にオクチル-またはオクタデシルシリル-シリカ固定相カラムパッキングにおける逆相HPLC。
血管形成アッセイ法
本発明の化合物は、組織における血管形成を調整するその能力についてアッセイすることができる。当業者に既知のどのような適切なアッセイ法も、このような効果をモニターするために使用することができる。このような技術のいくつかは、本明細書に記載されている。
たとえば、1つのアッセイ法は、ニワトリ漿尿膜(CAM)における血管形成を測定し、CAMアッセイ法と呼ばれている。CAMアッセイ法は、他の人により詳述されており、さらに腫瘍組織の血管形成および血管新生の両者を測定するために使用されている。Ausprunkら、Am. J Pathol., 79:597-618 (1975)およびOssonskiら、Cancer Res., 40:2300-2309 (1980)を参照されたい。
組織全体の血管新生が起こり、実際のニワトリの胚血管は、CAMにおいて、またはCAMで増殖する組織において成長しているので、CAMアッセイ法は、かなり認識されたインビボにおける血管形成のためのアッセイモデルである。
本明細書において示したとおり、CAMアッセイ法により、新たな血管増殖の量および程度の両方に基づく血管新生の阻害を例示する。さらに、腫瘍組織などのCAMに移植されたどのような組織の増殖をモニターすることも容易である。最後に、本アッセイ法は、アッセイ系における毒性についての内部対照があるので、特に有用である。ニワトリ胚は、どのような試験試薬にもさらされ、したがって、胚の健康状態は、毒性の指標である。
血管形成を測定する第二のアッセイ法は、インビボにおけるウサギ眼モデルであり、ウサギ眼アッセイ法と呼ばれる。ウサギ眼アッセイ法は、他の人により詳述されており、さらにサリドマイドなどの血管形成阻害剤の存在下において血管形成および血管新生の両者を測定するために使用されている。D'Amato et al. (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. 91:4082-4085を参照されたい。
角膜の端から角膜に増殖するウサギの血管によって例証される血管新生プロセスは、生まれつき透明な眼の角膜を介して容易に視覚化されるので、ウサギ眼アッセイ法は、インビボにおける血管形成のための十分に認識されたアッセイモデルである。その上、血管新生の刺激もしくは阻害の程度および量、または血管新生の退行を経時的に容易にモニターすることができる。
最後に、ウサギは、どのような試験試薬にもさらされ、したがってウサギの健康状態は、試験試薬の毒性の指標である。
第四のアッセイ法は、マウス:ヒトのキメラマのウスモデルにおける血管形成を測定し、キメラマウスアッセイ法と呼ばれる。本アッセイ法は、他の人により、血管形成、血管新生、および腫瘍組織の退行を測定するために詳述されている。Yan, et al. (1993) J. Clin. Invest. 91:986-996を参照されたい。
キメラマウスアッセイ法は、インビボにおける血管形成のための有用なアッセイモデルである。移植された植皮片は、組織学的に正常ヒト皮膚にかなり似ており、組織全体の血管新生が生じ、ここでは、実際にヒトの血管が、移植されたヒト皮膚から移植されたヒト皮膚の表面のヒト腫瘍組織へ、成長している。ヒト移植片への血管新生の起源は、ヒト特異的な内皮細胞マーカーで新生血管を免疫組織化学染色することによって示すことができる。
キメラマウスアッセイ法は、新たな血管増殖の退行の量および程度の両方に基づく血管新生の退行を示す。さらに、腫瘍組織などの移植された皮膚に移植したどのような組織の増殖に対する効果をモニターすることも容易である。最後に、本アッセイ法は、アッセイ系における毒性についての内部対照があるので有用である。キメラマウスは、試験試薬にさらされるので、マウスの健康状態が毒性の指標である。
治療的組成物
本発明の化合物は、疾患を治療するためのその他の組成物および手順を組み合わせて使用してもよい。たとえば、腫瘍は、本発明のペプチドと組み合わせて、従来法で手術、照射、または化学療法で治療されてもよく、次いで本発明のペプチドをその後に患者に投与して、微小癌組織の転移の休止状態を延長させて、かつ残りのあらゆる原発腫瘍の増殖を安定化および阻害する。その上、本発明の化合物は、薬学的に許容される賦形剤、および選択的に、生体分解性のポリマーなどの徐放性マトリックスと組み合わせて治療的組成物を形成してもよい。
本明細書において使用されるものとして、徐放性マトリックスは、通常、酵素的もしくは酸塩基加水分解によって、または溶解によって分解可能である物質であるポリマーからなるマトリックスである。一旦体に挿入されると、本マトリックスは、酵素および体液による作用を受ける。徐放性マトリックスは、望ましくはリポソーム、ポリ乳酸類(ポリ乳酸)、ポリグリコライド(polyglycolide:グリコール酸のポリマー)、ポリ乳酸コグリコライド(乳酸およびグリコール酸のコポリマー)ポリ無水物(polyanhydrides)、ポリ(オルト)エステル類、ポリペチド、ヒアルロン酸、コラーゲン、コンドロイチン硫酸、カルボン(carboxcylic)酸、脂肪酸、リン脂質、多糖、核酸、ポリアミノ酸、フェニルアラニン、チロシン、イソロイシンなどのアミノ酸、ポリヌクレオチド、ポリビニルプロピレン、ポリビニルピロリドン、およびシリコーンなどの生体適合材料から選択される。好ましい生体分解性マトリックスは、ポリラクチド、ポリグリコライド、またはポリ乳酸コグリコライド(乳酸およびグリコール酸のコポリマー)のいずれかのうちの1つのマトリックスである。
上記またはその他の治療において使用される場合、本発明の化合物のうちの1つの治療的に有効な量は、純粋な形態か、またはこのような形態が存在する薬学的に許容される塩の形態で使用されてもよい。本発明の化合物の「治療的に有効な量」は、どのような医薬の治療にも適用できる利点/リスク比で、血管由来の疾患を治療する(たとえば、腫瘍増殖を制限し、または腫瘍転移を遅くし、もしくは遮断する)ために十分な量の化合物を意味する。しかし、本発明の化合物および組成物の1日の総使用は、主治医によって健全な医学的判断の範囲内で決定されるであろうことが理解されるであろう。どのような特定の患者のための特定の治療的に有効な用量レベルは、治療される疾患および疾患の重篤度;使用される特定の化合物の活性;使用される特定の組成物、患者の年齢、体重、一般的な健康、性、および食餌;使用される特定の化合物の投与の時間、投与の経路、および排出の速度;治療期間;使用される特定の化合物と組み合わせてまたは同時に使用される薬剤;並びに、医学の技術分野において周知の同様の因子を含む様々な因子に依存するであろう。たとえば、所望の治療的な効果を達成するために必要とされるものよりも少ないレベルの化合物の用量から開始し、所望の効果が達成されるまで段階的に用量を増加することは、十分に当該技術分野の範囲内である。
本発明の化合物は、無機または有機の酸に由来する塩の形態で使用することができる。これらの塩は、以下のものを含むが、これらに限定されるない:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、カンファースルホナート(camphorsufonate)、酪酸塩、樟脳酸塩、ジグルコン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩(イセチオン酸塩)、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモエート、ペクチナート(pectinate)、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩(prcrate)、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、リン酸塩、グルタミン酸、重炭酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、およびウンデカン酸塩。水または油に可溶性または分散可能な生成物は、これらによって得られる。
薬学的に許容される酸付加酸を形態させるために使用してもよい酸の例は、塩酸、硫酸およびリン酸などの無機酸、並びにマレイン酸、コハク酸、およびクエン酸などの有機酸を含む。その他の塩は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、もしくはマグネシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土金属、または有機塩基との塩を含む。本発明の化合物の好ましい塩は、リン酸塩、トリス、および酢酸塩を含む。
あるいは、本発明の化合物は、1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて関心対象の化合物を含む薬学的組成物として投与されてもよい。薬学的に許容されるキャリアまたは賦形剤は、非毒性の固体、半固体、または液体の充填剤、希釈剤、およびカプセル化物質、または任意のタイプの製剤助剤をいう。
非経口の注射剤のための薬学的組成物は、薬学的に許容される無菌の水溶液もしくは非水溶液、分散剤、懸濁液、または乳剤、並びに使用の直前に無菌の注射可能な溶液または分散剤に再構成するための無菌の粉末を含む。適切な水性および非水性のキャリア、希釈剤、溶媒、または媒体の例は、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、その他同種のものなど)、カルボキシメチルセルロースおよびその適切な混合液、植物油(オリーブ油など)、およびオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルを含む。適当な液性は、たとえば、レシチンなどのコーティング材料の使用により、分散剤の場合には必要とされる粒径を維持することにより、および界面活性剤の使用により維持してもよい。
これらの組成物は、また、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤などのアジュバントを含んでもよい。微生物の作用の予防は、種々の抗細菌性および抗真菌性の因子、たとえばパラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸、その他同種のものを含有することによって保証されてもよい。糖、塩化ナトリウム、その他同種のものなどの等張剤を含むことも、望ましいであろう。注射可能な剤型における持効性吸収は、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなどの、吸収を遅延させる薬剤を含有することによってもたらされてもよい。
注射可能なデポー製剤形態は、ポリ乳酸-ポリグリコライド、ポリ(オルトエステル)、およびポリ(無水物)などの生体分解性のポリマーに、薬剤のマイクロカプセルマトリックスを形成することによって作製される。ポリマーに対する薬剤の比率および使用される特定のポリマーの性質に依存して、薬物放出速度を制御することができる。また、デポー製剤の注射可能な製剤は、身体組織と適合性のあるリポソームまたはマイクロエマルジョンに薬剤を閉じこめることによって調製される。
注射可能な製剤は、たとえば細菌保持フィルターを通して濾過することによって、または使用直前に無菌水またはその他の無菌の注射可能な媒質に溶解または分散することができる無菌の固体組成物の形態の無菌薬剤を組み込むことによって、滅菌してもよい。
局所的投与は、肺および眼の表面を含む皮膚または粘膜への投与を含む。局所的投与のための組成物は、吸入のためのものを含み、これは乾燥粉末として調製してもよく、加圧されてもまたは非加圧であってもよい。非加圧の粉末組成物において、細かく分割された形態の有効成分は、たとえば直径100マイクロメートルまでの大きさを有する粒子を含むより大きなサイズの薬学的に許容される非活性のキャリアと混合して使用してもよい。適切な非活性のキャリアは、ラクトースなどの糖を含む。望ましくは、活性成分の粒子の重量の少なくとも95%は、0.01〜10マイクロメートルの範囲の有効粒径を有する。
あるいは、本組成物は、加圧され、窒素または液化気体の噴射剤などの圧縮ガスを含んでいてもよい。液化された噴射剤媒体およびさらに全組成物には、いかなる活性成分もその中に実質的な程度に溶解しないようにすることが好ましい。加圧された組成物は、また、液体または固体非イオン界面活性剤などの表面活性剤を含んでいてもよく、または固体アニオン界面活性剤であってもよい。ナトリウム塩の形態で固体アニオン界面活性剤を使用することが好ましい。
局所的投与のさらなる形態は、眼に対するものである。本発明の化合物は、化合物が十分な期間眼の表面と接触して維持されて、化合物が、眼の角膜および内部領域、たとえば前房、後房、硝子体、房水、硝子体液、角膜、虹彩/毛様体、水晶体、脈絡膜/網膜、および強膜を透過できるように、薬学的に許容される眼の媒体において送達される。薬学的に許容される眼の媒体は、たとえば軟膏、植物油、またはカプセルに入れた物質であってもよい。あるいは、本発明の化合物は、直接硝子体液および水様液に注射してもよい。
直腸または膣への投与のための組成物は、好ましくは坐薬であり、これは、室温で固体であるが、体温で液体であり、したがって直腸または膣腔において融解し、活性化合物を放出するカカオ脂、ポリエチレングリコール、または坐薬ろうなどの適切な非刺激性の賦形剤またはキャリアと、本発明の化合物を混合することによって調製してもよい。
また、本発明の化合物は、リポソームの形で投与してもよい。当業者に既知であるように、リポソームは、一般にリン脂質またはその他の脂質物質に由来する。リポソームは、水性媒体に分散された単層または多層の水和した液晶によって形成される。リポソームを形成することができるどのような非毒性の、生理的に許容され、かつ代謝可能な脂質を使用することもできる。リポソーム形態の本組成物は、本発明の化合物に加えて、安定剤、防腐剤、賦形剤などを含むことができる。好ましい脂質は、リン脂質およびホスファチジルコリン(レシチン)の天然および合成のものの両方である。リポソームを形成するための方法は、当業者に既知である。たとえば、Prescott, Ed., Methods in Cell Biology, Volume XIV, Academic Press, New York, N.Y. (1976), p. 33 et seq.を参照されたい。
本発明の化合物は、単独の活性な医薬品として投与されるが、これらは、従来法で、血管由来の疾患を治療するために患者に投与される1つまたは複数の薬剤を組み合わせて使用してもよい。たとえば、本発明の化合物は、短期間にわたり有効であり、腫瘍を化学物質および照射法などの従来の細胞毒性療法により感受性にする。また、本発明の化合物は、既存の細胞毒性アジュバント抗癌療法の有効性を増強する。本発明の化合物は、また、その他の抗血管形成剤と組み合わせてこれらの有効性を増強し、またはその他の抗血管形成剤と組み合わせ、その他の細胞毒性剤と共に投与してもよい。特に、固体腫瘍の治療に使用するときは、本発明の化合物は、IL-12、レチノイド、インターフェロン、アンジオスタチン(angiostatin)、エンドスタチン(endostatin)、サリドマイド、トロンボスポンジン-1、トロンボスポンジン-2、カプトプリル、アルファインターフェロンなどの抗悪性腫瘍剤、COMP(シクロホスファミド、ビンクリスチン、メトトレキセート、およびプレドニソン)、エトポシド、mBACOD(メトルトレキサート(methortrexate)、ブレオマイシン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、およびデキサメサゾン)、PRO-MACE/MOPP(プレドニソン、メトトレキセート(w/ロイコビン・レスキュー:w/leucovin rescue)、ドキソルビシン、シクロホスファミド、タキソール、エトポシド/メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニソン、およびプロカルバジン)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、血管インヒビン(angioinhibins)、TNP-470、ポリ硫酸ペントサン、血小板第4因子、アンジオスタチン、LM-609、SU-101、CM-101、テクガラン(Techgalan)、サリドマイド、SP-PGなど、並びに照射と共に投与されてもよい。
本発明の化合物と組み合わせることができる血管由来の疾患の阻害、治療、または予防のための薬剤は、上で一覧を示したもの限定されず、原則として、血管由来の疾患の治療または予防のために有用などのような剤も含む。
血管形成の阻害および疾患治療のための方法
本発明は、組織における血管形成を阻害し、これにより、血管形成に依存する組織のイベントを阻害するための方法を提供する。通常、本方法は、本発明の化合物(たとえばペキスタチン)の血管形成を阻害する量を含む組成物を組織に投与することを含む。
先に記載したように、血管形成は、「出芽」、血管形成、または血管拡大を含む組織の血管新生に関する様々なプロセスを含み、これらの全ての血管形成プロセスは、血管における細胞間マトリックスコラーゲンの分解に関与する。外傷の創傷治癒、黄体(corpus leuteum)形成、および胚形成を除いては、大多数の血管形成プロセスが疾病のプロセスと関連しており、したがって、本治療的な方法は、疾病を治療するために有用であると考えられる。
ペキスタチンなどの、血管形成阻害剤、本発明の化合物は、原発性および転移性の固体腫瘍の両者の治療に有用である。胸部、大腸、直腸、肺、中咽頭、下咽頭、食道、胃、膵臓、肝臓、胆嚢、および胆管、小腸、尿路(腎臓、膀胱、および尿路上皮を含む)、女性生殖管、(頚部、子宮、および卵巣、並びに絨毛膜癌および妊娠性絨毛性疾患を含む)、男性生殖管(前立腺、精嚢、精巣、および胚細胞腫瘍を含む)、内分泌腺(甲状せん、副腎、および脳下垂体を含む)、および皮膚の癌腫、並びに血管腫、黒色腫、肉腫(硬骨および軟組織から生じるもの、並びにカポシ肉腫を含む)、および脳、神経、目、および髄膜の腫瘍(神経膠星状細胞腫、神経膠腫、神経グリア芽細胞腫、網膜芽細胞腫、神経腫、神経芽細胞腫、シュワン腫、および髄膜腫を含む)を含む。また、このような化合物は、白血病(すなわち、緑色腫、形質細胞腫、並びに菌状息肉腫および皮膚のプラークおよび腫瘍、並びにT細胞リンパ腫/白血病)、並びにリンパ腫(ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫の両方)などの造血性の悪性のものから生じる固体腫瘍を治療するためにも有用であろう。さらに、これらの化合物は、単独で、または放射線療法および/またはその他の化学療法剤と組み合わせて使用されるときに、上記した腫瘍からの転移の予防にも有用あろう。
さらに、使用は、リウマチ様の、免疫性の、および退行性の関節炎などの自己免疫性疾患;糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、角膜移植拒絶、水晶体後方線維増殖症、血管新生緑内障、ルベオーシス、黄斑部変性のためのレチナール血管新生、低酸素症、感染または外科的処置に関連した眼における血管形成および眼のその他の異常な血管新生条件などの、種々の眼の疾患;乾癬などの皮膚病;ヘマジオーマ(hemagiomas)などの血管疾患およびアテローム性動脈硬化症患者プラーク内の毛細血管増殖;オスラー・ウェバー症候群;心筋の血管形成;プラーク血管新生;末梢血管拡張症;血友病患者の関節のもの;血管線維腫;並びに、創傷肉芽形成の治療および予防を含む。その他の使用は、腸管の癒着、クローン病、アテローム性動脈硬化、強皮症、および肥厚性瘢痕、すなわちケロイドを含む、血管内皮細胞の過剰なまたは異常な刺激によって特徴づけられる疾患の治療を含むが、これらに限定されない。もう一つの使用は、排卵、および胎盤の確立を阻害することによる、産児制限剤としてのものである。また、本発明の化合物は、猫ひっかき病(ロッシェル・ニナリア・キントサ:Rochele ninalia quintosa)および潰瘍(ヘリコバクターピロリ:Helicobacter pylori)などの病態の結果として血管形成を有する疾患の治療に有用である。また、本発明の化合物は、特に切除可能な腫瘍の治療のための、手術の前に投与することによって出血を減少させるために有用である。
本治療は、血管形成に対して非常に選択的であり、その他の生物学的プロセスには選択性がないため、本発明の方法は、部分的に有効である。さらに、本発明の化合物は、非常に強力であることから、低濃度で治療的な利益を有するであろうことを示唆する。
組織化された組織に含まれる様々な組織または器官のどれもが、皮膚、筋肉、腸、結合組織、関節、硬骨、および血管が血管由来の刺激の際に侵入することができるような組織を含む疾患症状における血管形成を補助することができる。本明細書において使用されるものとして、組織は、血清、血液、脳脊髄液、血漿、尿、滑液、硝子体液などの身体の全ての体液、分泌物などを包含する。
したがって、1つの態様において、治療される組織は、炎症を起こした組織であり、阻害される血管形成は、炎症を起こした組織の血管形成であり、ここでは、炎症を起こした組織の血管新生がある。この分類において、本方法は、慢性関節リウマチを有する患者において、免疫性のまたは非免疫性の炎症を起こした組織において、乾癬組織、およびその他同種のものなどの関節炎組織における血管形成の阻害を想定する。
本発明の多くの態様によって治療される患者は、望ましくヒト患者であるが、本発明の原理では、本発明が全ての哺乳類に関して有効なことを示し、これらが「患者」の用語に含まれることが企図されることは理解されるであろう。この状況において、哺乳類には、血管形成に関連した疾病の治療が望まれるどのような哺乳類種も、特に農業および国内の哺乳類種を含むことが理解される。このような患者は、たとえばブタ、ウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ラバ、ロバ、イヌ、ネコ、ウサギ、マウス、およびラットであり得る。
もう1つの関連した態様において、治療される組織は、糖尿病性網膜症、黄斑部変性、または血管新生緑内障の患者の網膜の組織であり、および阻害される血管形成は、網膜の組織の血管形成であり、ここでは、レチナール組織の血管新生がある。
さらなる関連した態様において、治療される組織は、固体腫瘍、転移、皮膚癌、乳癌、血管腫、または血管線維腫、その他同種の癌の患者の腫瘍組織であり、および阻害される血管形成は、腫瘍組織の血管形成であり、ここでは、腫瘍組織の血管新生がある。本方法によって治療できる典型的な固体腫瘍組織は、肺、膵臓、胸部、大腸、喉頭部、卵巣、カポジ肉腫、その他同種の組織を含む。腫瘍組織の血管形成、およびその阻害の例は、実施例に記載してある。
血管新生は、腫瘍増殖において重要な役割を果たすため、腫瘍組織の血管形成阻害は、特に好ましい態様である。腫瘍組織における血管新生がないと、腫瘍組織は、¥必要な栄養素を得られず、増殖が遅くなり、さらなる増殖がなくなり、退行し、最終的には壊死し、腫瘍の死滅を生じる。(1)転移の形成には、転移癌細胞が原発腫瘍から出ることができるように、原発腫瘍の血管新生を必要とし、および(2)二次部位においてこれらが定着するには、転移の増殖を補助するための血管新生が必要であるので、本発明の方法は、これらの血管新生を阻害する能力により、転移の形成に対しても有効である。
関連した態様において、本発明は、固体腫瘍に向けられ、および転移の定着の制御のための、従来の化学療法などのその他の治療法と組み合わせた方法の実施を想定する。血管形成阻害剤の投与は、化学療法の間か後に行われるが、典型的には、化学療法後に、有毒な襲撃に応じて血管形成を誘導することにより、腫瘍組織に対する血液供給および栄養素の供給によって回復するであろう時点において、血管形成を阻害することが好ましい。さらに、転移に対する予防として固体腫瘍を除去した手術後に、血管形成阻害法を施すことが好ましい。
再狭窄は、血管形成の成功を妨害する経皮的冠動脈形成部位の平滑筋細胞(SMC)の移動および増殖のプロセスである。再狭窄の際の血管に結合したSMCの移動および増殖は、本方法によって阻害される血管形成のプロセスに関連がある。したがって、本発明は、血管形成処置後の患者において、本方法に従って血管形成関連プロセスを阻害することによって、再狭窄を阻害することも想定する。再狭窄の阻害については、血管形成処置後に、本発明の化合物を典型的には約2〜約28日間、およびより典型的には、該処置後の最初の14日間投与する。
本発明の化合物は、注射によって、または全期間にわたって段階的な注入によって、非経口的に投与することができる。治療される組織には、典型的には全身投与することによって体に到達させることができ、したがって治療的組成物の静脈内投与によって治療されることが最も多いが、標的とした組織が標的分子を含む可能性がある場合には、その他の組織およびデリバリー手段も想定される。したがって、ポリペチドを含む本発明の化合物およびその誘導体は、静脈内に、腹腔内に、筋肉内に、皮下に、腔内に、経皮的に、局所的に、眼内に、経口的に、鼻腔内に投与することができ、蠕動手段によって送達することもできる。
本発明の化合物は、本発明の化合物をコードする合成遺伝子の投与によって投与することができ、本発明の化合物は、合成遺伝子が発現されるときに産生される。
本発明の治療的組成物は、静脈内に、たとえば単位用量の注射によって従来法で投与される。「単位用量」の用語は、本発明の治療的組成物に関して使用される場合、患者のための単位用量として適切な、物理的に分離したユニットをいい、それぞれのユニットは、所望の治療的な効果を生み出すように計算された活性物質の予め定められた量を、必要な希釈剤;すなわちキャリアまたは媒体と共に含む。
本発明の化合物の投与のための用量範囲は、化合物の形態およびその効力に依存し、さらに本明細書に記載したように、血管形成および血管形成によって媒介される疾患の症状を回復させる所望の効果を生み出すのに十分に多い量である。用量は、過粘稠度症候群、肺水腫、鬱血性心不全、その他同種のものなどの有害な副作用を引き起こすほど多くするべきではない。通常、用量は、患者の年齢、症状、性、および疾患の程度によって変動し、当業者が決定することができる。また、用量は、いずれかの合併症の場合にも個々の医師によって調整することができる。
単一または分割した用量でヒトおよびその他の哺乳類宿主に投与される本発明の組成物の1日の総量は、たとえば1日に0.0001〜300mg/kg体重、およびより普通には、1〜300mg/kg体重の量であってもよい。
検出方法
本発明の化合物は、組織における血管形成の検出にも適している。一旦標的組織に結合した本発明の化合物は、直接または間接的に検出することができる。直接検出は、蛍光色素、放射性標識、常磁性重金属、または診断色素などの検出可能な標識を含む化合物で行うことができる。
あるいは、検出は、二次的な相互作用を介して生じさせることができる。たとえば、化合物を認識する検出可能な程度に標識された抗体を、化合物の位置を可視化するために使用することができる。当業者は、種々の化合物に使用するための適切な二次抗体を決定することができる。
インビボにおける検出については、検出可能な標識化合物を使用することが好ましい。標識化合物を患者の静脈内に、筋肉内に、その他などに投与する。患者内での検出に適した標識が特に好ましい。たとえば、常磁性体標識された化合物は、磁気共鳴イメージングによって検出することができる。放射性に標識された化合物も検出することができる。
検出に適した本発明の特定の態様の例は、次の通りである。
一つの態様において、本発明は、本発明の化合物と組織、たとえば前記組織とペキスタチンを接触させることにより、組織における血管形成を検出する方法である。この方法においては、たとえば前記組織はエキソビボであるか、または前記組織はインビボであり、および前記化合物は、静脈内に、経皮的に、滑膜内に、筋肉内に、腫瘍内に(intratummorally)に、眼内に、鼻腔内に、くも膜下腔内に、局所的に、または経口的に投与される。あるいは、本方法において、前記化合物は、蛍光色素、放射性標識、常磁性重金属、診断色素、または酵素と結合される。本方法のもう一つの態様において、組織とペプチドを接触させる工程は、ペプチドをコードする合成遺伝子を組織に投与することを含み、ペプチドは、合成遺伝子がその中で発現されるときに組織において産生される。
その他の適用
また、本発明は、本発明の化合物を検出するための方法を提供する。したがって、1つの態様において、本発明は、試料中の本発明のペプチドを検出するための方法であって、ペプチドと結合して複合体を形成する化合物と試料を、複合体を形成するのに十分な期間接触させることと;および、複合体を検出し、その結果、複合体が検出される場合に、請求項1に記載のペプチドが検出されることとを含む方法を提供する。このような態様において、本発明のペプチドと結合する化合物は、抗体であることができる。
加えて、本発明のペプチドは、本発明のペプチドの抗血管形成活性に関連する受容体を単離するためのアフィニティーカラムの開発のために使用してもよい。当業者に既知であるように、受容体の単離および精製は、受容体をコードするポリヌクレオチドを同定および単離するためにアミノ酸をシーケンシングした後であってもよい。これにより、受容体の組換え発現に使用して、たとえば、その他の血管形成阻害剤を同定するためのハイスループット・スクリーニング・アッセイに使用するための、大量の受容体を産生することが可能になる。
本発明のペプチドは、様々な適用のために、同位元素、酵素、キャリアータンパク質、細胞毒性剤、蛍光分子、化学発光の、生物発光の、およびその他の化合物に、化学的に連結してもよい。たとえば、ペプチドは、その抗血清に結合する能力の試験を容易にするために、または関連した受容体を有する細胞タイプを検出するために標識してもよい。カップリング技術は、アミノ基、硫化水素基、カルボキシル基、アミド基、フェノール基、およびイミダゾール基を含む(しかし、これらに限定されない)ペプチドのアミノ酸に利用できる官能基に基づいて一般的に選択される。このようなカップリングを行うために使用される種々の試薬には、グルタルアルデヒド、ジゾダイズされた(dizodized)ベンジジン、カルボジイミド、およびp-ベンゾキノン含む。
カップリング反応の効率は、特定の反応に適した種々の異なる技術を使用して決定される。たとえば、I125によるペプチドの放射能標識は、クロラミンTおよび高比活性のNaIを使用して達成される。メタ重亜硫酸ナトリウムで反応を終了させ、混合液をディスポーザブル・カラムで脱塩する。標識されたペプチドをカラムから溶出させて、画分を回収する。一定分量をそれぞれの画分から除去し、ガンマ計数器において測定する。このように、標識されたペプチドは、フリーの反応していないNaIから得てもよい。
また、本発明の化合物の測定のためのキットは、本発明の一部として想定される。最も高いタイターおよび特異性を有し、かつ血漿、尿、組織の抽出物中、および細胞培養液中の本発明のペプチドを検出することができる抗血清は、迅速な、確実な、感受性があり、特異的な、本発明のペプチドの測定および局在のためのアッセイキットを確立するために使用してもよい。これらのアッセイキットは、以下の技術を使用してもよい(これらに限定されない):競合的および非競合的アッセイ法、放射性免疫測定法(RIA)、生体発光および化学発光アッセイ法、蛍光定量的アッセイ法、サンドイッチアッセイ法、免疫放射線測定法、ドットブロット法、およびELISAを含む酵素結合アッセイ法、マイクロタイタープレート、尿もしくは血液の迅速なモニタリングのための抗体被覆された計量棒(strips)または尿試験紙、および免疫細胞化学。それぞれのキットについて、アッセイの範囲、感受性、精密さ、信頼性、特異性、および再現性は、当業者に周知の手段によって確立される。
上記記載のアッセイキットは、説明書、抗血清、1つまたは複数の本発明のペプチド、およびおそらく本発明の放射性標識されたペプチド、および/または結合したペプチド/抗体複合体を沈殿させるための試薬を提供するであろう。このようなキットは、当該技術分野において周知なように、腫瘍を有するおよび有さない動物およびヒトの体液並びに組織抽出物中の本発明のペプチドの測定のために有用であろう。
また、組織および細胞における本発明のペプチドを視覚化する、または局所化するためのキットも想定される。たとえばこのような技術を使用する免疫組織化学技術およびキットは、当業者に周知である。このようなキットは、本発明のペプチドに対する抗血清、およびおそらくブロッキング血清、およびフルオレセインイソチオシアネートなどの蛍光分子に、または一次抗血清を視覚化するために使用されるその他のいくつかの試薬に結合した二次性抗血清を提供する。本方法を使用して、生検を実施した腫瘍をペプチド産生部位について、またはペプチド受容体の部位について検査してもよい。あるいは、本キットは、本発明の化合物をコードするメッセンジャーRNAのためのプローブに対するインサイチュー・ハイブリダイゼーションに使用するための放射性標識された核酸を供給してもよい。
本明細書に引用した全ての引例は、参照によりその全体が援用される。
実施例1
ニワトリ胚における黒色腫腫瘍増殖に対するペキスタチンペプチドの全身投与の効果
CS-1黒色腫腫瘍細胞(5×106)を、10日齢のニワトリ胚の絨毛尿膜(CAM)に接種した。24時間後、胚には50μgのペキスタチンペプチドまたはPBS対照の一回の静脈内注射を受けさせた。7日間のインキュベーション期間の終わりに、生じた腫瘍を切除して湿重量を決定した。結果は、図1に示してある。データの棒は、条件につき5〜10個の胚の腫瘍重量の平均±標準誤差を表す。
結論:図1に見られるように、ペキスタチンの全身投与により、対照と比較して、7日以内で約60%までのCS1黒色腫腫瘍増殖を阻害した。これらの実験を3回繰り返して、同様の結果であった。さらに、有毒な副作用は、アッセイ期間の間には気づかなかった。これらの所見は、ペキスタチンがこの動物モデルにおいて強力な抗腫瘍ペプチドであることを示唆する。
実施例2
ヌードマウスにおける黒色腫腫瘍増殖に対するペキスタチンペプチドの全身性投与の効果
M21ヒト黒色腫腫瘍細胞(2×106)を、雌のヌードマウスの皮下に注射した。24時間後に、マウスには、100μgのペキスタチンMMP-2ペプチドまたはPBS対照の注射による処理を毎日行った。ノギス測定により、腫瘍の大きさを毎日モニターした。実験結果は、図2に示してある。データ棒は、それぞれの時点における平均+標準誤差を表す。腫瘍体積は、式V=L2×W/2、V=体積、L=長さ、およびW=幅を使用して評価した。
結論:図2は、ペキスタチンの全身投与により、対照と比較して、ヒトM21黒色腫腫瘍増殖が約80〜90%まで強力に阻害されたことを示す。これらの実験を2回繰り返して、同様の結果であった。さらに、有毒な副作用は、アッセイ期間の間には気づかなかった。これらの所見は、ペキスタチンがこの動物モデルにおいて強力な抗腫瘍ペプチドであることを示唆する。
実施例3
インビボにおける血管形成に対するペキスタチンの全身投与の効果
A)βFGFで飽和されたフィルターディスクを10日齢のニワトリ胚のCAMに置いた。24時間後、胚には50μgのペキスタチンペプチドまたはPBS対照の一回の静脈内注射を受けさせた。3日間のインキュベーション期間の終わりに、フィルターディスクおよび包囲しているCAM組織を除去して、フィルターディスクの領域内の血管枝分かれ部位の数を計数することによって血管形成を定量した。図3は、典型的な実験に由来するCAM組織の例である。
B)図4は、ペキスタチンによる血管形成実験の定量を図示する。データ棒は、条件につき5〜10個の胚の平均±標準誤差を表す。血管形成インデックスは、実験的に処理した胚に由来する枝分かれ数マイナスβFGF非存在下におけるCAMsに由来する枝分かれ部位の数に等しい。
結論:図4に示したとおり、50μgのペキスタチンの全身投与により、対照と比較して、βFGFで誘導される血管形成を約90%まで阻害した。重要なことに、有毒な副作用は、アッセイ期間の間の胚においては全く気づかなかった。さらに、あるとしてもわずかであるが、正常な静止状態の血管においてMMP-2のこのペプチド断片に由来する効果に気がついた。
実施例4
インビボにおけるB16黒色腫腫瘍転移に対するペキスタチンの効果
インビボにおける黒色腫腫瘍転移に対するペキスタチンの効果を検討するために、ニワトリ胚の実験的転移モデルを利用した。簡潔には、B16黒色腫腫瘍細胞(2.5×104)を、ペキスタチン(10μg/胚)または対照ペプチドと共に12日齢のニワトリ胚の静脈内に接種した。さらに、全く処理していない対象も添加した(NT)。胚を合計7日間インキューベートさせた。7日間のインキュベーション期間の終わりに、胚を屠殺して、解析のために肺を除去した。黒色腫肺病巣の数をそれぞれの肺葉について計数した。結果は、図5に示してある。データ棒は、条件につき5〜10個の胚に由来する転移肺病巣の平均±標準誤差を表す。
結論:図5は、ペキスタチンが、対照と比較して、約80%まで実験的B16黒色腫転移を阻害したことを示す。実際に、いくつかの胚(小さい)において、あるとしてもわずかであるが、腫瘍を検出することができる。実験的転移が血管形成に関与している可能性はないので、これらの結果は、ペキスタチンが内皮細胞浸潤並びに腫瘍細胞浸潤に対して効果を有し得ることを示す。合わせると、これらの所見は、インビボにおけるペキスタチンのの強力な抗転移の効果を示し、ヒト臨床応用におけるペキスタチンペプチドの有用性についてのさらなる証明を提供する。
実施例5
無処理のMMP-2内におけるペキスタチンの相対的な位置の概略図。
無処理のMMP-2の結晶構造は、決定されている。図6は、MMP-2のヘモペキシンドメインの構造に似たループ内のペキスタチン(アミノ酸582-590)の相対的な位置である。ペキスタチンは、図において項目1として示してある。
本明細書の本体に引用されている全ての刊行物は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
また、本発明の前述の記載は、図示および説明のために提示されており、本発明を本明細書の正確な実施方法に限定することを企図しないことが認識される。したがって、本発明の精神から逸脱することなく、当業者によって変更がなされてもよいこと、および本発明の範囲が請求項の範囲に関して解釈されるべきであることは認識される。
ニワトリ胚における黒色腫腫瘍増殖に対するペキスタチンの全身投与の効果を示す。 ヌードマウスにおける黒色腫腫瘍増殖に対するペキスタチンの全身投与の効果を示す。 インビボにおける血管形成に対するペキスタチンの全身投与の効果を示す。 インビボにおける血管形成に対するペキスタチンの全身投与の効果を検討した実験の血管形成指数の棒グラフ。 インビボにおけるB16黒色腫腫瘍転移に対するペキスタチンの効果を示す。

Claims (35)

  1. 配列番号:1および配列番号:2からなる群より選択される配列に実質的に同等の配列を含むペプチド。
  2. 前記ペプチドが血管形成を阻害する、請求項1に記載のペプチド。
  3. 前記ペプチドが転移を阻害する、請求項1に記載のペプチド。
  4. 前記ペプチドが疾患を阻害する、請求項1に記載のペプチド。
  5. 前記疾患が、乾癬、黄斑部変性、神経性疾患、または組織における再狭窄である、請求項4に記載のペプチド。
  6. 請求項1に記載のペプチドを投与することを含む、組織における血管形成を阻害する方法。
  7. 前記ペプチドが、静脈内に、経皮的に、滑膜内に、筋肉内に、腫瘍内に(intratummorally)、眼内に、鼻腔内に、くも膜下腔内に、局所的に、または経口的に投与される、請求項6に記載の方法。
  8. 請求項6に記載の方法であって、前記ペプチドを投与することは:前記ペプチドをコードする合成遺伝子を投与することを含み、ここで、合成遺伝子が発現されるときに、前記ペプチドがインビボにおいて産生される方法。
  9. 前記ペプチドが化学療法と共に投与される、請求項6に記載の方法。
  10. 前記ペプチドが照射と連動して投与される、請求項6に記載の方法。
  11. 前記組織が炎症を起こしており、かつ血管形成が起こっている、請求項6に記載の方法。
  12. 前記組織が哺乳類に存在する、請求項11に記載の方法。
  13. 前記組織が関節炎、眼球、網膜、または血管腫である、請求項12に記載の方法。
  14. 請求項1に記載のペプチドを投与することを含む、組織における腫瘍増殖または転移を阻害する方法。
  15. 前記ペプチドが、静脈内に、経皮的に、滑膜内に、筋肉内に、腫瘍内に(intratummorally)、眼内に、鼻腔内に、くも膜下腔内に、局所的に、または経口的に投与される、請求項14に記載の方法。
  16. 請求項14に記載の方法であって、前記ペプチドを投与することは:前記ペプチドをコードする合成遺伝子を投与することを含み、ここで、合成遺伝子が発現されるときに、前記ペプチドがインビボにおいて産生される方法。
  17. 前記ペプチドが化学療法と共に投与される、請求項14に記載の方法。
  18. 前記ペプチドが照射と連動して投与される、請求項14に記載の方法。
  19. 前記腫瘍または転位が、黒色腫、癌腫、肉腫、線維肉腫、神経膠腫、または星細胞腫である、請求項14に記載の方法。
  20. 請求項1に記載のペプチドを投与することによって、乾癬、黄斑部変性、または組織における再狭窄を阻害する方法。
  21. 前記ペプチドが、静脈内に、経皮的に、滑膜内に、筋肉内に、腫瘍内に(intratummorally)、眼内に、鼻腔内に、くも膜下腔内に、局所的に、または経口的に投与される、請求項20に記載の方法。
  22. 請求項20に記載の方法であって、前記ペプチドを投与することは:前記ペプチドをコードする合成遺伝子を投与することを含み、ここで、合成遺伝子が発現されるときに、前記ペプチドがインビボにおいて産生される方法。
  23. 前記ペプチドが化学療法と共に投与される、請求項20に記載の方法。
  24. 前記ペプチドが照射と連動して投与される、請求項20に記載の方法。
  25. 組織における血管形成を検出する方法であって、前記組織と請求項1のペプチドを接触させることによる方法。
  26. 前記組織がエキソビボにある、請求項25に記載の方法。
  27. 請求項25に記載の方法であって、前記組織はインビボにあり、前記ペプチドは、静脈内に、経皮的に、滑膜内に、筋肉内に、腫瘍内に(intratummorally)に、眼内に、鼻腔内に、くも膜下腔内に、局所的に、または経口的に投与されることによって前記組織と接触する方法。
  28. 請求項25の方法であって、前記組織と前記ペプチドを接触させることは:
    前記ペプチドをコードする合成遺伝子を前記組織に投与することを含み、ここで、合成遺伝子が前記組織において発現されるときに、前記ペプチドが前記組織において産生される方法。
  29. 前記ペプチドは、蛍光色素、放射性標識、常磁性重金属、診断色素、または酵素に結合されている、請求項25に記載の方法。
  30. 請求項1に記載のペプチドを投与することによって、組織における腫瘍または腫瘍浸潤を検出する方法。
  31. 前記組織がエキソビボにある、請求項30に記載の方法。
  32. 請求項30に記載の方法であって、前記組織はインビボにあり、前記ペプチドは、静脈内に、経皮的に、滑膜内に、筋肉内に、腫瘍内に(intratummorally)、眼内に、鼻腔内に、くも膜下腔内に、局所的に、または経口的に投与される方法。
  33. 前記ペプチドは、蛍光色素、放射性標識、常磁性重金属、または診断色素に結合されている、請求項30に記載の方法。
  34. 試料における請求項1のペプチドを検出するための方法であって:
    前記ペプチドと結合して複合体を形成する化合物と前記試料を、複合体を形成するのに十分な期間接触させることと;および、
    前記複合体を検出し、その結果、複合体が検出される場合に、請求項1に記載のペプチドが検出されることと、
    を含む方法。
  35. 前記化合物が抗体である、請求項34記載の方法。
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