JP2005517575A - 浮上装置 - Google Patents

Abstract

人に着用されるようになっている浮上装置（１０）であり、該浮上装置は、固体からガスを発生する手段（２１）により発生される、ガスによって膨張するように構成された、少なくとも１個の膨張式部材（２３）を有し、また、そういった膨張を成し遂げる手段（３０）を有している。浮上装置（１０）はまた、少なくとも１個の膨張式部材（２３）、ガス発生手段（２１）および、膨張式部材（２３）が浮上装置（１０）との繋がりを保ちつつ、浮上装置から膨張式部材を実質上解き放つための解放手段を、実質上包含する本体（２５）を有している。

Description

本発明は、安全装置の分野に関し、特に、必要に応じて膨張可能である一方、必要でない場合には着用者にとって煩わしいものではない個人用浮上装置に関する。

個人用の浮上装置は、ボート乗船等、多くの用途に公知であり、必要時に使用されるために、ボート使用者に着用あるいはボートへの搭載が法的に要求されている。

利用可能な浮上装置の種類は、救命胴衣、ベスト、および広い範囲の膨張式衣料を含んでおり、救命筏等のアイテムをも潜在的に含んでいる。承認されている多くの救命胴衣は、浮力のある泡状材料から製造されており、多くの人々を嫌がらせるほどに着用するのは煩わしい。

代わりとなる浮上装置は、膨張式の救命胴衣ではあるが、しかし、岩場からの釣り人、水泳者、あるいはサーファー等、溺死の危険をかなり冒す可能性ある人々は、そういった装置を着用しそうもない。特に水泳者は、そういった装置の着用による障害と抵抗を望まない。

膨張式浮力装置に関連する困難性は、比較的嵩張るガスボンベとボンベメカニズムが、所定のガス量を提供するために必要であり、該ガスは慣例上、ボンベ中に高圧液体にて蓄えられた二酸化炭素である。さらに、個々の水上スポーツで、法律的にそういった装備品の着用を課せられていない多くの人々は、該装備品の外観からも着用しない。

監督下の元に子供が水泳を習う場合に、体に膨張式装置を着用することが知られているが、しかしそれらは通常、緊急時に大人が装備可能であろう種類のものではない。

本発明の目的は、比較的コンパクトなガス発生源から、必要に応じて即座に膨張可能である浮上装置を、提供することである。

さらなる目的は、水泳者等、人に目立たずに着用可能であり、通常の活動を妨げることなく、しかし必要な場合に装備していることが可能である浮上装置を提供することである。

本発明は、人に着用されるようになっている浮上装置であり、前記装置は少なくとも１個の膨張式部材を包含し、該膨張式部材は固体からのガス発生によって発生されるガスにより膨張するようになっており、前記装置はそういった膨張を成し遂げる手段を持っている。

他の形態による本発明は、人に着用されるようになっている浮上装置であり、該浮上装置は、少なくとも１個の膨張式部材、ガス発生手段および、該膨張式部材が浮上装置との繋がりを保ちつつ、該浮上装置から幾つかの膨張式部材を実質上解き放つための解放手段を、実質上包含する本体を有している。

ガス発生手段は、トリガ手段によって駆動される固体推進剤の点火によるガス生成が好ましい。さらに、トリガ手段が使用される場合、推進剤の点火は、浮上装置中のバッテリからの放電によりなされることが好ましい。

固体推進剤からのガス発生により膨張する本発明の浮上装置は、小さなデバイスから膨張式の衣料まで広い範囲のアイテムを包含することが可能である。しかし、人により着用されるタイプの、本発明による浮上装置は、手首の周囲に着用されることが好ましい。さらに、そういった装置は、腕時計に類似して、コンパクトなサイズであることが好ましい。

膨張式デバイスは人の手首に着用されることが好ましいこともあるが、しかし、緊急時の場合浮上装置の駆動を容易にするために、体の如何なる好ましい部分に着用されることが可能である。

以下、本発明が容易に理解されるべく、添付図面を引用して、非限定例としての詳細な実施例について述べる。

本発明による第１の形態において、腕時計と同様に人の手首の周囲に着用可能である海上安全装置１０（図３）が提供され、該安全装置は腕時計に類似のサイズおよび重量である。もし望むならば、該安全装置は腕時計および、あるいはＥＰＩＲＢ（Emergency Position Indicating Radio Beacon：無線標識緊急位置表示機）と関連づけられることも期待される。

そういった安全装置は、腰の周囲あるいは使用者の衣服等、体の如何なる部分にも着用可能ではあるが、利用し易いために手首に着用されることが好ましい。

本発明のこの形態は、安全装置本体を着用者の手首に取り付けるための手段２０を含んでおり、正確に着用する手段は本発明には関係はないが、本発明のこの形態における該取り付け手段は、時計バンドクリップに類似している。

図１は、本発明の本形態の構成部分を詳細にする分解線図を示す。装置の本体の内部はガス源を含んでおり、ガス源はガス発生体２１であり、ガス発生体はバッテリ源２２から発生した電流によって点火され、バッテリ源は点火デバイス３０（図６）を駆動し、点火デバイスは該ガス発生体２１中に埋め込まれている。

点火デバイスは、改変されたミニランプ部材であることが好ましく、ミニランプ部材は、バッテリ２２からガス発生体２１へと導く、二対のワイヤ３６に接続されている。このランプは、フィラメントを取り囲むガラスに孔を開け、少量の黒色火薬を注ぎ、該黒色火薬を保持するためテープにて該孔を密閉することにより、手直しされている。

膨張化が駆動される場合に、電流が今や空気中の酸素に晒されているフィラメントを壊変させ、黒色火薬上に降りた高温残留物が、少量の高温ガスを発生させ、この高温ガスはガラス中の小孔を通って排出され、ガス発生体を点火する。このコンパクトな点火器は、１個あるいは複数個のコンパクトなバッテリからの小電流によってでも確実に機能する。

この機構は、ガスが膨張デバイスあるいは空気袋２３中に速やかに放出され、膨張デバイスあるいは空気袋２３が、安全装置の本体からしっかりと飛び出すようになっている。安全装置は、装置のそれぞれの側にガス発生体および膨張空気袋が提供されることが好ましい。

ガス生成を開始する特別な手段がここに述べられたが、適切な如何なる手段であっても使用可能であることが、期待されている。

本発明による装置は、強化プラスチックから製造された枠２４を含むリストバンド６０を有しており、リストバンド６０は、ガス発生体の点火から生ずる起こり得る高温から、着用者の手首を断熱する。

本発明の本実施形態において、ガス発生体は、フィルタ／熱交換剤２６を一方の反対側にして、プラスチック枠２４と近接している。

フィルタは、小孔が穿たれた２個の金属帯板に挟まれた、紙状のアルミナ繊維から成っていることが好ましい。このフィルタは、枠を強化する突っ張りとしての役目を果たす。さらに、ガス発生体の点火から生じる如何なる固体残留物を捕まえると共に、該空気袋は裂けたり、デバイスから離れてしまうといった、空気袋、膨張式デバイス２３、あるいは着用者に悪影響を及ぼすような固体残留物を防止する役目を果たす。

金属帯板中の孔とアルミナ繊維紙の気孔とは、発生熱がフィルタを通して放散されつつ、それらを通じて空気袋へとガスが通ることを可能にし、空気袋を膨張させる。これが起きることによるプロセスは図７に示される一方、膨張したデバイスは図２に示される。

この機構は、保護カバー２５が膨張前、装置の両側に保持されるよう、エアーバッグ接着剤２７および接着剤２８によって、図１に示されるとおり所定の位置に保たれるようになっている。結果としてのリストバンドは、タブ４０の延長部４２中の孔４１および、リストバンドの延長部４３中の孔４１を貫く棒によって、中央タブ４０に繋がっている。

如何なる適切なガス発生体が使用可能であっても、非アジ化物ガス発生体が使用されることが好ましく、酸化剤としてストロンチウムニトレートの入った、例えば５−アミノテトラゾールより成る固体推進剤が燃料として好ましい。ガス発生は特に急である必要はなく、反応時間は１秒のオーダであることが、実際には好ましい。

本発明の本実施形態において、各エアーバッグデバイスは膨張時に５リットルの体積を有している。そういった２個のエアーバッグが使用される場合、合成浮力は１０Ｋｇである。該エアーバッグの材質はナイロン、ポリエステル、ポリウレタンあるいはこれらの組み合わせであってもよい。しかし、エアーバッグに使用される材料は、強靱で損傷に耐えるような、２５ｇｍ（グラム）／ｍ^２の密度を有することが好ましい。該エアーバッグが、例えば容積密度０．９ｇｍ／ｃｃを持つポリエチレンにて製造された場合、バンド６０が幅２４ｍｍ、長さ６５ｍｍであるサイド構成部分を持つのに対し、畳まれたエアーバッグは３ｍｍ厚みを有する。保護カバー２５を１ｍｍ深さと見込むと、該リストバンド６０の全厚みは本発明の本実施形態の場合、１０ｍｍのオーダである。

ガス膨張手段を駆動する手段は、中央タブ４０中に組み込まれ、該中央タブもまた１０ｍｍ深さであり、本発明による本実施形態の予想全体重量は１００ｇｍのオーダで、該重量は海洋使用に設計された多くの腕時計の重量を下回っている。

ガス発生駆動手段は、中央タブ４０中に包含されており、該中央タブ４０は、図５に示すとおり、柔軟性駆動ボタン２９の上方の接点３４が、バッテリに対し押圧される時、ガス発生を作動するバッテリ２２を有している。偶然、あるいは意に反する駆動を防ぐために、保護キャップ５０がこのメカニズムを覆うよう備えられている。

駆動の手順は、キャップ５０の取り外しと、密閉シールの付いた柔軟性ボタン２９の下に位置するバッテリ２２の端子上への単なる押圧とを包含している。図５および６に示される機構は、図４に示されるとおり、電流が一対のワイヤ３６を通ってガス発生体の各部中に埋められた点火デバイス３０へ流れるということである。

前述の通り、ワイヤ３６の端子終端部を通っての点火デバイスへの電流は、少量の高温ガスを発生させ、高温ガスはガス発生体を点火し、ガス発生体を点火させる少量の高温ガスを産み出し、装置の外カバー２５が該装置から強制的に追い払われる程に、膨張式デバイス２３を膨張させる。

記述された該装置の実施形態において、中央タブは、スイッチメカニズムのためのハウジングとして唯一その役目を務めている。しかし、中央タブは、時計メカニズム、あるいは他の望まれる如何なる物体をもまた、組み入れ可能と期待される。

記述されたスイッチメカニズムは、手動的にて駆動する能力とは別に、実に静水圧スイッチでもあるという、さらなる利点を有している。これは、水中の増加した水圧が柔軟性ボタンをバッテリに接触させることが可能であるからである。

従来の救命胴衣の膨張に使用されているように、二酸化炭素ボンベ等、圧縮ガス源を提供することもまた、可能である。しかし、所定のガス量を製造するためには、固体からガスへの発生源が好ましく、匹敵するガス量を製造することが出来る圧縮ガスボンベとバルブメカニズムよりも、容積的に遥かに小さい。また、実質上、より高速に役目を果たす。

空気袋が、浮上装置の本体に直接付着したままが好ましい場合があり、あるいは、本体から切り離されるか、コード等何らかの連繋する手段によって本体に繋がった状態であるかが好ましい場合もある。当該システムが万が一の場合に安全となるように、２個の膨張式空気袋が備えられることがさらに期待されている。

さらに、空気袋の形状は、使用者の要求によって、望まれる如何なる形状であってもよい。

例えば、膨張した空気袋は、手首に残っている場合に、必要なサポートが提供される限りは、如何なる形状であること可能である。あるいは、空気袋が救命浮き輪等の形状に膨張することが好まれることもあり、もし使用者からいくらかの距離を離して浮き、安全装置本体に繋がれたままに保たれる結果、使用者にとって近づき易いならば、どんな形状の空気袋であってもその使用目的に適うことになる。

水中で人が必要とする有益なサポートを提供する如何なる形状の空気袋であっても、本発明の目的に相応しいものである。

本発明による浮上装置は、スイッチメカニズムを使用して起爆されることが好ましく、本発明実施形態中のスイッチメカニズムは、浮上装置本体中の凹部上に位置するボタンによって駆動され、ボタンは偶然の駆動からボタンを守るために保護カバーにて覆われていることが好ましい。カバーは非防水型であることが可能であり、ボタンは所定の深さで自動的に駆動させるといった水圧の増加によって押されるよう設計されることが可能である。

そういったカバーは、ステンレススチールあるいは同種品等の非腐食材料から製造されることが好ましく、カバー表面の一部あるいは全体は鏡面のように高度に磨かれ、カバーが信号鏡として使用されることを可能にする。しかし、適切な材料であれば、本発明による如何なる部品をも製造可能である。ただし、本発明による安全装置のサイズ、重量を極小化するために、材料は選択されることが好ましい。

浮上装置には信号灯もまた組み込み可能であり、この信号灯は装置のバッテリによって作動され、膨張が始まる時に自動的にあるいは手動にて駆動されるということも、さらに期待されている。

本発明による浮上装置を着用することにより、水泳者、釣り人、あるいは救命胴衣を着けないまま水に落ちるボート使用者は、浮上装置を駆動することが可能であり、救助が到着するまで浮力が持続するであろう。

明らかなことであるが、本発明は、従来の個人用浮上装置の代わりとして意図されたのではなく、そういった装置を着用する人々に有益な補助物を提供すると同様に、水泳者および通常浮上装置を着用しない人等にも貴重な援助となるであろう。

したがって、本発明は、救命胴衣を当然のことと思わないであろう人々に溺死防止を助ける貴重な援助となるであろう。

本発明は、海上用途以外にも使用可能であり、雪崩状態あるいは流砂等流体物質中への人の陥落等の場合、緊急浮上が必要となることにも期待されている。

本発明の詳細な実施形態について述べて来たが、本発明の他の実施形態が従前述べた特徴のいずれも、また、それらの組み合わせをも示していると想定され、この変形や修正は本発明の技術思想および範囲に逸脱せずになされることができると理解されるべきであろう。

本発明実施形態による、手首に着用した略分解線図である。 膨張状態における、装置図１の略図である。 本発明装置の、非膨張状態斜視図を示す。 本発明装置の、上部斜視図を示す。 本発明に使用されるバッテリの作動を示す。 膨張メカニズムに使用される電気的点火システムの略図を示す。 本発明による膨張プロセスの略図を示す。

符号の説明

１０ 海上安全装置
２０ 取り付け手段
２１ ガス発生体
２２ バッテリ
２３ 空気袋（膨張デバイス）
２４ 枠
２５ 保護カバー
２６ フィルタ／熱交換剤
２７ エアバッグ接着剤
２８ エアバッグ接着剤
２９ 柔軟性ボタン
３０ 点火デバイス
３４ 接点
３６ ワイヤ
４０ 中央タブ
４１ 孔
４２ 延長部
４３ 延長部
５０ 保護キャップ
６０ リストバンド

Claims (11)

1. 人に着用されるようになっている浮上装置において、前記浮上装置は、固体よりのガス発生手段により発生されたガスによって膨張するようになった少なくとも１個の膨張式部材を含んでいると共に、その膨張を成し遂げる手段を有することを特徴とする浮上装置。
2. 前記ガス発生手段は、固体推進剤への点火によりガスが発生し、当該点火はトリガ手段によって始動されるといったものである請求項１に記載の浮上装置。
3. 前記トリガ手段は、前記浮上装置中のバッテリデバイスに、前記固体推進剤への点火をさせる請求項２に記載の浮上装置。
4. 前記浮上装置は、少なくとも１個の膨張式部材と、ガス発生手段と、該膨張式部材が浮上装置との繋がりを保ちつつ、該浮上装置から幾つかの膨張式部材を実質的に解き放つための解放手段とを実質的に包含する本体を有する請求項２または３に記載の浮上装置。
5. 前記浮上装置は、人の手首の周囲に着用される請求項４に記載の浮上装置。
6. 前記浮上装置は、コンパクトであり、腕時計に類似した寸法である請求項５に記載の浮上装置。
7. 前記浮上装置のガス発生トリガ手段は、取り外し可能な保護キャップを包含し、該取り外し可能な保護キャップは、柔軟性ボタンデバイスを覆っており、該柔軟性ボタンデバイスは、バッテリ保持容器に密閉嵌合しており、当該作動段取りは、ボタンデバイスとバッテリとの間の接触が膨張式部材の膨張を開始するといったものである請求項３乃至６のいずれか１つに記載の浮上装置。
8. ２個の膨張式部材が有り、各膨張式部材は、略球状を呈すると共に、前記ガス発生トリガ手段の各々の側に位置している請求項７に記載の浮上装置。
9. 前記ボタンと前記バッテリとの間の接触は、静水圧の手段により成し遂げられる請求項７に記載の浮上装置。
10. 前記浮上装置は、雪崩のような状況下に提供されるのに適している請求項４に記載の浮上装置。
11. 実質上、添付図面に関連して述べられたものであることを特徴とする浮上装置。
    
    

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