JP2005517180A - 細胞検定を実施するための装置 - Google Patents
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Abstract
本発明の細胞検定を実施するための装置であって、少なくともひとつの検定部位を有し、この部位は、1対の刺激用電極と少なくともひとつの細胞を細胞外の流体媒体中に閉じ込めるための細胞閉じ込め用空洞を備え、この細胞閉じ込め用空洞および刺激用電極は、使用時に前記細胞または各細胞が、刺激用電極を横断して印加される電位差により発生させられる電場に曝されることが可能なように配置され、この刺激用電極は、前記電位差が前記細胞の場刺激を引き起こすと同時に、前記細胞外の流体媒体が結果として電気分解する水準以下になるような距離だけ離れて置かれていることを特徴とする。
Description
本発明は、細胞検定を実施するための装置に関し、より詳しくは、電気的な細胞刺激を含む細胞検定を実施するための装置に関する。
ゲノムの構造および機能解析、より最近では、プロテオミックスは、しばしば数多くの併行検定を可能とする高密度な微量検定装置形式と結びついて、主要な産業活動になっている。
しかしながら、例えば、タンパク質の機能性あるいは新薬の働きが研究される場である生物の細胞を、テストあるいはスクリーニングにかけるための微量検定形式に関する重要な活動は少ない。このような形式の潜在的な利点は、もっと汎用で採用されれば、臨床前あるいは臨床試用中での医薬化合物の発見における高い損耗率の減少となることである。
しかしながら、従来の細胞に基づいた検定装置は、細胞に実施可能なテストの型(あ るいは機能性)の関係で相対的に制限されている。
例えば、オーロラ バイオサイエンシズ(商標)は、人間のT細胞株を使用して34 56ウェルのマイクロプレート中で高能率のGPCR(G−タンパク質共役受容体)検 定法を生み出した(Hong Xing, Hung-Cung Tran, Thomas E. Knapp, Paul A. Negulesc uおよびBrian A. Pollok; A Fluorescent Reporter Assay for the Detection of L igands Acting Through G1 Protein Coupled Receptors, Journal of Receptor and Si gnal Transduction Research, Vol. 20 (No.4), (2000年), 189-210頁)。
モレキュラデバイシズ(商標)は、96あるいは384ウェルプレートに含まれる細胞から、細胞内カルシウムイオン濃度および膜電位における変化を測定するために使用されるフリップ検定法を生み出した。
WO01/25769は、イオンチャネルの電気生理的特性を判定かつ/または観測する基板について記載している。前記基板は、シールにおいて測定電極と基準電極を電気的に分離するために、前記シールがイオンチャネル含有細胞膜の部分に形成される、いわゆる「パッチクランプ」あるいは「電圧クランプ」技法を利用する。前記測定電極は、細胞膜のシールをされていない部分における電位を測定することが可能である。このことは、例えば、薬物へのイオンチャネル応答の研究を可能にする。
WO01/25769に記載されている基板は、複数の部位を有し、その各々は前記部位に結合した測定電極およびひとつ以上の基準電極を有する。基準電極は、電気化学的な(インピーダンス)測定に対して、単にセンサーとして作用する。前記部位は、ウェルに置かれた細胞に吸引を行う配管を有するウェルの形をとっており、これによりウェル内に細胞を配置して細胞膜にシールを形成する。
しかしながら、筋細胞や肥満細胞や神経細胞のような電気的に活性な細胞を研究するための細胞検定技法は、相対的にほとんど発展していない。このような細胞は、梗塞やパーキンソン病のような神経の不整を含む主要な病気に密接に関連している。例えば、WO98/54294では、各電極を横断して印加される電圧信号の検出および観測が個々の細胞の電気的性質に情報を提供できるように、多数の微小電極が細胞培養室に配置されている装置を記載している。WO98/54294における電極の構成は、細胞と電極表面との接触が良好である必要はあるが、電極が電流の注入により作用電位を引き起こすようになっている。また、WO98/54294でなされているインピーダンス測定では、細胞と感知する電極との電気的な接触が存在する必要がある。
WO02/08748では、生細胞の膜電位を電気刺激により操作する基板を提案している。この基板はマルチウェルプレートに基づくものである。多数の電極は前記ウェルに浸され、それゆえに1対の電極は各ウェルに導入される。狙いは、ウェルに保持されている細胞を、膜を横断する電位変化の光学的な分析を実施しながら、電気的に刺激することである。
しかしながら、WO02/08748で開示された基板の欠点は、細胞刺激を誘起するのに必要とされる電場がウェル内溶液の電気分解につながる可能性があることである。電気分解は、泡を形成して結果的に溶液を化学変化(例えば、pH)させる。このことは、ついで電気反応および実際に細胞の存続(例えば、エレクトロポーレーションにより)に影響を与えることが可能である。
電気分解の程度を制限するために、WO02/08748では、たった約1分間までの持続時間における刺激手順を提案している。前記刺激手順を形成する電気的なパルスもまた短く保たれ、極性は電荷の平衡を保つために反転されている。
(発明の要約)
本発明の目的は、高能率の検定スクリーニングを実施するために使用され、かつ/または広範囲な機能的細胞検定が用いられことを可能にする細胞検定、特に細胞の電気刺激を含む細胞検定を実施するための装置を提供することにある。
本発明の目的は、高能率の検定スクリーニングを実施するために使用され、かつ/または広範囲な機能的細胞検定が用いられことを可能にする細胞検定、特に細胞の電気刺激を含む細胞検定を実施するための装置を提供することにある。
本発明の第1の態様は、細胞検定を実施するための装置を提供することであり、この装置は少なくとも1箇所の検定部位を有し、この部位は1対の刺激用電極と細胞外の流体媒体に少なくともひとつの細胞を閉じ込めるための細胞閉じ込め用空洞を備え、これらの細胞閉じ込め用空洞および刺激用電極は、使用時に、当該細胞あるいは各細胞が刺激用電極を横断して印加される電位差により生じる電場に曝され得るように配置され、この装置において刺激用電極は、電位差が当該細胞あるいは各細胞の場刺激を誘発することが可能で、かつ同時に細胞外の流体媒体が結果として電気分解する水準以下であることが可能な距離だけ離れていることを特徴とする。例えば、刺激用電極は1mm未満、400、200、100または50μm未満離れてもよい。
本発明者は、刺激用電極間の距離を減少することにより、付与の場を生成するのに必要な電位が減少し、従って、細胞外の流体媒体における電気分解の問題を回避することが可能か、あるいは大幅に減少させることが可能であることを覚った。これによれば、WO02/08748と比較して大幅に長期間、例えば、1分以上、そしていくつかの例では連続して24時間の刺激手順を採用することができる。
水溶性媒体では、H+はAg/AgCl基準電極に相対的に約1.0V超えの電位で陽極において発生し、それに対しOH-はこのような基準電極に相対的に約0.83V超えの電位で陰極において発生する。高電位ではH2とO2もまた泡を生じて発生し、実際にWO02/08748では、pHの変化および泡の形成を記載している。しかしながら、本発明者は刺激用電極を小型化すると共に電極間の距離を減少することにより、電気分解による電気分解生成物(例えば、H+、OH-、O2またはH2)の生成を先導する水準以下で、電極に亘り電圧を同時に維持しながら、例えば、過分極化あるいは脱分極化により細胞の刺激を先導するように、十分に高い場強度を発生させることが可能であることを見出した。
泡の形成回避は、泡が流路に沿って流体の流れを阻止可能なので、微小流体素子の特徴(以下に記述)を組み込む装置において特に重要である。
心室の筋細胞の活性化に必要な閾値場強度は、約40V/cmである。他の細胞型に対しこの閾値場強度は異なる。閾値場強度は、細胞の生理的な状態の関数でもある(医薬品の作用後、脱分極化を先導するのに必要な閾値場強度は増加または減少する)。
本発明の好ましい実施形態においては、刺激用電極を可能な限り細胞に近づけるが、実際に細胞表面に接触することはない。
ひとつの実施形態において、40V/cmの場強度は、200μm離れた1対の刺激用電極を横断して0.8Vの電位差を印加することにより発生する。このような状況では、電気分解生成物を生成する水準以下に、この電圧を維持することができる。それゆえ、電場線に対して平行に刺激用電極間に、筋細胞(代表的な長さは100から150μm)を配置することができ、かつ場刺激により脱分極化を促進することができる。したがって、分極化に異なる場強度を必要とする他の細胞型に対して、電極構成を調整することが可能である。
好ましくは、使用時に、当該閉じ込められた細胞または各閉じ込められた細胞(好ましくは、当該閉じ込められた細胞または各閉じ込められた細胞の実質的に全体)が前記刺激用電極により発生させられるほぼ均一な電場の領域に曝されるように、細胞閉じ込め用空洞および刺激用電極を配置する。
このようにして、均一な電場により細胞の実質的な部分、好ましくは全体を刺激することができる。このことは、細胞に印加される場が均一でないWO02/08748に記載された例と対照をなす。また、調査中の細胞の相対的に小さなパッチ範囲内に囲まれたイオンチャネルの挙動を確認するパッチクランプ法とも対照をなす。
使用時に、当該閉じ込められた細胞あるいは各閉じ込められた細胞は、刺激用電極に接触しないのが好ましい。このことは当該細胞または複数の細胞がある電極に接触しているか、あるいはその電極により突き刺されているパッチクランプ法または電圧クランプ法(あるいは電流注入の他の方法、例えば、WO98/54294)と対照をなす。
電場刺激は、興奮閾値以上の膜電位の脱分極化に応じて作用電位を発生させる興奮可能な細胞能力に依存する。ひとつの細胞がある電極に接触またはその電極により突き刺されている場合(例えば、パッチクランプまたは電圧クランプの間)、典型的には約1メガオームの入力インピーダンスが生成され、心臓の筋細胞は約10mVの膜脱分極化を引き起こすのに約1ナノアンペアの注入電流を必要とし、これによって作用電位を発生させる。同様の状況において、他の電気的に活性な細胞型では、分極化を引き起こすのに1から10ナノアンペアを必要とする可能性がある。しかしながら、本発明者は、細胞からの信号を長期間記録することを可能にして、電気的に興奮可能な細胞(心臓の筋細胞のような電気的に活性な細胞を含む)の分極化が、電極との接触あるいは電極による突き刺しなしに達成することができないことを見出した。このような分極化は、例えば、高い細胞外のカリウム(好ましくは、少なくとも50または100ミリモルのK+)や場刺激やそれらの組み合わせにより達成することが可能である。
本発明の関係において、刺激用電極は細胞閉じ込め用空洞に一体化されるのが好ましい。このような電極は、脱分極化を引き起こすのに使用することができる。このことは、極低(ピコリットル(pL)−ナノリットル(nL)尺)容積における個々の細胞の電気刺激を可能とする。使用時において、電極対の一方の電極(陽極)は他方の電極(陰極)に対して正の電位を有している。刺激用電極の極性は、実験進行の間に変更(お互いに相対的に逆にしたり、増加させたり、または減少させたり)してもよい。
それゆえ電気的活性または電気生理的活性を促進するように(例えば、電気的に活性な細胞における細胞膜の脱分極化または過分極化により)、刺激用電極を使用することができる。このような電気的な条件は、生理的な条件下あるいは既知または未知の薬物の存在時に発生する可能性がある。さらにまたは代わりに、刺激用電極を、(I)細胞をエレク
トロポーレーションすると共に、粒子や分子やイオンの導入を可能にし、かつ/または(II)電気融合が細胞を結合することを可能にするように、使用することができる。このよ
うにして、場刺激、エレクトロポーレーションおよび電気融合を、逐次または同時に実施することができる。
トロポーレーションすると共に、粒子や分子やイオンの導入を可能にし、かつ/または(II)電気融合が細胞を結合することを可能にするように、使用することができる。このよ
うにして、場刺激、エレクトロポーレーションおよび電気融合を、逐次または同時に実施することができる。
電気的に活性でない細胞を電圧に感受性のあるイオンに特有のチャネルに移すことにより、電気的に活性でない細胞を電気的に興奮可能な細胞に変えることができる。これら異種に発現された電圧に感受性のあるイオンチャネルは、膜脱分極化または過分極化において開き、このようにして蛍光的、電気的あるいは電気化学的に観測することが可能な十分な電流の流れを創る。このような細胞は、本発明の装置に幅広い適用を有する。
同時に、活性期間中の細胞代謝の反応は、細胞副産物の化学的、光学的あるいは電気化学的な検定により、そのままの場所で観測することが可能である。このような観測は、生理的条件下あるいは既知または未知の薬物の存在時に行われてもよい。
例えば、細胞が膜電位を伝えるフルオロフォア(蛍光物質)に浸されている間に、ひとつの細胞または複数の細胞が1対の刺激用電極により場刺激された手順を実行することが可能である。フルオロフォアからの信号における変化を測定することにより、この細胞におけるイオンチャネルの開閉を光学的に観測することが可能である。これは直接に測定してもよいし、「フリッカ−ノイズ」として測定してもよい。他の方法には、前記刺激用電極の一方または両方における電気的あるいは電気化学的な信号測定を含んでもよい。例えば、細胞に脱分極化または過分極化を引き起こさせ、このようにして作用電位を発生させるために必要な(ひとつの刺激用電極における)電流の流れと印加される閾値電位のどちらかまたは両方を、生理的条件下あるいはひとつの既知または未知の薬物の存在時に測定してもよい。このような測定は、細胞の電気生理的な状態を伝える。
刺激は検定測定中に細胞に影響を与え得るので、このような刺激モードを使用するテストは、「能動」細胞検定と称してよい。これは、細胞に影響を与える試みをほとんどしないか全くせず、それゆえに「受動」細胞検定と称される従来のパッチクランプ法と対照をなす。
例えば、本発明の装置は、細胞中または周りのCa2+の量あるいは位置が、例えば、電気刺激の前、間または後にCa2+に感受性のあるフルオロフォアにより測定あるいは観測される検定を実施するために利用してもよい。
しかしながら、当業者に知られている細胞活性を測定する他の化学的、光学的、電気化学的、電磁気的等の方法を、本発明の装置を使用して検定を実施するために利用してもよい。
「実質的に均一な電場」とは、好ましくは、当該電場強度が電場線を横断して10%未満、より好ましくは、5か2か1または0.5%未満変化することを意味する。実質的に均一な電場の領域における電場線は、典型的にはほぼ真っ直ぐである。
実質的に均一な電場の領域は、好ましくは、少なくとも2μmの距離に対して、電場線の方向に沿いかつ/または横断して延び、より好ましくは、少なくとも5,10,20,30,50,80,100,150,200または400μmあるいは1mmの距離に対して、電場線の方向に沿いかつ/または横断して延びるものである。典型的には、この領域は当該細胞閉じ込め用空洞の床により一方の側で境界となっている。領域は大きいほど、多くの細胞を前記閉じ込め用空洞に閉じ込め、実質的に同じ電場に曝すことができる。
ひとつの実施形態において、実質的に均一な電場の領域は少なくとも1ピコリットルの容積を占める(好ましくは、少なくとも5か10か50または100ピコリットル)。しかしながら、この領域は、少なくとも500ピコリットルあるいは1,2,3,5または10ナノリットルを占めてもよい。細胞閉じ込め用空洞内の流体は、使用時にこの空洞中のより程度の大きい対流の動き、従って細胞の動き、が期待できるように検定中に(例えば、より詳細には以下に記述するようにピペット、分配器または流路により)更新される場合、一般的に、大きな容積が好まれる。容積が大きいと、細胞が実質的に均一な電場の領域に中断せずに曝されることを確実にするのを助ける。
しかしながら、調査中の細胞より小さい実質的に均一な電場の領域を生成すること、例えば、細胞の一部に局所分極化または過分極化を促進すること、も生理学上興味がある。生理条件下あるいは既知または未知の医薬化合物の添加後に、当該細胞に亘る脱分極化または過分極化の伝播を調査することができる。このような場合、刺激用電極が当該細胞に接触していなければとりわけ好ましい。前記電極も当該細胞より小さいのが好ましい。
ひとつの実施形態において、前記刺激用電極は、細胞閉じ込め用空洞の対向する側で、前記細胞閉じ込め用空洞の床に垂直な方向に(好ましくは電極が互いに実質的に平行に)延びる。このことは、実質的に均一な電場の領域の範囲と容積を増加させることに役立つ。細胞閉じ込め用空洞の床がx−y面を定義するならば、前記刺激用電極はz方向に延びると言える。前記電極は、少なくとも2μm(好ましくは、5,10,20,30,40,50または80μm)の距離間、前記空洞の床に垂直な方向に延びることが可能である。前記刺激用電極は、前記細胞閉じ込め用空洞の床から延びるのが好ましい。
刺激用電極は、溶液、例えば、金やイリジウムや白金またはこれら2つ以上の合金等の貴金属より電気メッキにより形成してもよい。ひとつの実施形態において、実質的に2次元の「前駆体」電極(印刷してもよいし、細胞閉じ込め用空洞の床上に形成してもよい)は、細胞の対向する側に設けられている。電気メッキは、前記刺激用電極を形成するために、面外方向(典型的には前記閉じ込め用空洞の床に垂直)に前記前駆体電極を厚くするように用いられ、実質的に均一な電場の領域の厚さが増加する。
流体が前記空洞に含まれている場合、電極表面に近接する電気2重層に起因する分極化を減少させるため、刺激用電極のどちらかまたは両方の上に表面層を形成するのが望ましい。このことは、電流が前記電極間を流れ始める時に、静電放電を回避あるいは減少することに役立つ。
このような流体が電場の影響下で分解または変性する起こり得る傾向を減少させるように、電極表面層を利用してもよい。例えば、刺激用電極を修復付加層で覆ってもよく、この層は水の加水分解に対する過電位を減少し、よって電気分解を先導することなく前記電極を横断して高電圧を印加することを可能にする。
検定部位は、さらにひとつ以上のセンサー電極を備えてよい。典型的には、センサー電極は、刺激用電極により発生させられる実質的に均一な電場の領域に曝される当該細胞または各細胞における反応を測定する。使用時には、センサー電極は、細胞の表面に接触するか(この場合、インピーダンス電極と称す)あるいは接触しない(この場合、バイオセンサー電極と称す)。センサー電極を検定部位に一体化してよい。本発明の装置が、積層したフォトリソグラフ層を使用して作られているならば、異なる積層したフォトリソグラフ層上に形成される電極を誘電層(例えば、化学蒸着(CVD)した窒化シリコンまたはポリイミド)により分離してよい。
例えば、場刺激やエレクトロポーレーションあるいは電気融合は、細胞膜のキャパシタンスまたは当該細胞あるいは各細胞の表面/容積比における変化を引き起こす可能性がある。このことは、センサー電極を細胞表面に接触させることにより得られるインピーダンス測定により観測することが可能である。
しかしながら、より一般的に細胞の電気化学を観測するために、センサー電極を使用してよい(バイオセンサーの適用を含む)。例えば、酵素による触媒反応を電気化学的検出手順(例えば、センサー電極は、電流測定または電位測定センサーとして機能することができる)に結合して、場刺激の進行中に乳酸塩とブドウ糖、グルタミン酸塩、NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)、NADH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)のような代謝に必要な物質を観測することが可能である。このようにして、酵素乳酸塩酸化酵素(乳酸塩および酸素または他の電子受容体の存在下で電気活性化合物である過酸化水素を生成する)を細胞閉じ込め用空洞に導入してよく、それによって細胞を通しての代謝活動を観測することを可能にする。細胞の乳酸塩の生成に直接関係している過酸化水素の検出は、同様に、当業者に知られている酵素に結びついた反応を利用して、他の代謝に必要な物質を観測することが可能である。さらなる例において、イオン選択センサー電極を電位測定センサーとして電気化学的に使用して、K+,Na+およびCa2+のようなイオンを測定してもよい。
あまり望ましくなく、細胞が電極に接触している必要があるが、刺激用電極のどちらか一方あるいは両方を細胞のインピーダンス観測のために用いることができる。そして刺激・エレクトロポーレーション・電気融合はセンサー測定として同時に実施できない。このような場合においては、検定上の応答性を改善するために、導電性の重合体(例えば、ポリピロール)や非導電性の重合体(例えば、ポリフェノール)の電着あるいはチオールやタンパク質のようなアド層の付加により、刺激用電極の表面を修正するのが好ましい。
ひとつの実施形態において、刺激用電極の帯電可能な表面範囲は、導電性のポリピロール重合体や白金ブラックのような電荷可能範囲を高める物質で電極をメッキすることにより拡大される(従って、電極を通る電流は、付与の印加電圧に対して増加される)。
さらに、本発明者は、印加される電圧パルスの間に細胞に入る電流量が細胞閉じ込め用空洞内の細胞外の空間に関係していることを認識している。利用可能な細胞外の空間が少ないほど、(付与の印加された電圧に対して)細胞膜を通過する電荷はより多くなり、したがって陰極または陽極のいずれかに関し細胞の性質と配向性に応じて、脱分極化または過分極化のいずれかを引き起こす膜電位変化に寄与する。
このように好ましくは、細胞閉じ込め用空洞内の細胞外の空間は、当該空洞内に閉じ込めようとしている細胞の合計容積の20倍未満(より好ましくは、10か5か2倍未満)である。例えば、約36ピコリットルの心臓の筋細胞を閉じ込めようとする細胞閉じ込め用空洞は、約400ピコリットルまでの容積を有してよい。
細胞閉じ込め用空洞内の細胞外の空間を減少させることは、その中の測定量の希釈を減らし、かつ(当業者に知られている電気化学的方法や光学的方法や他の技法を使用する)細胞外の代謝に必要な物質およびイオンの測定において検定上の利点を与える。
典型的には、細胞閉じ込め用空洞はウェルの形状をしており、ウェルの先端は、使用時に、鉱物油や重合体や膜や半透過膜やその他いかなる物理的な防壁の層でもよい誘電層で閉じられている。この方法で前記ウェルを閉じることは、細胞外の空間の量を効果的に制限すると共に、蒸発を減少させることにも役立つ。
前記空洞は、検定の効率を増すために細胞が併行して刺激され、かつ検定されることが可能なように、複数の細胞を含んでもよい。例えば、少なくとも2か5か20の細胞が当該空洞または各空洞に存在してもよいが、生物学的な代表をよく提供するには、少なくとも100または200の細胞が好ましい。検定が多数細胞の準備の上で実行される場合、生理学的な機能を可能とすることと両立して、閉じ込め容積は可能な限り小さいのが好ましい。
典型的な細胞の大きさは、5から200μmのオーダーである。したがって、細胞閉じ込め用空洞は、500ピコリットル未満(好ましくは、200か100か50または10ピコリットル未満)の容積を占めてよく、かつ/または細胞閉じ込め用空洞の最小の大きさは、200μm未満(好ましくは、100か50か20か10または5μm未満)でよい。細胞閉じ込め用空洞のこのような大きさは、単一細胞に検定を実施するのに好適である。しかしながら、とりわけ細胞閉じ込め用空洞に複数の細胞を閉じ込めることを意図している場合、あるいは使用時において、細胞閉じ込め用空洞における流体が更新される場合には、細胞閉じ込め用空洞は100ナノリットル未満(好ましくは、50か10か5か3か2または1ナノリットル未満)の容積を占めてよい。
細胞閉じ込め用空洞は、当該細胞または各細胞が実質的に均一な電場の領域において所定の位置、かつ/または実質的に均一な電場の領域に関して配向性を取るように促進する形状にしてよい。例えば、伸長した直方体の閉じ込め空洞は、対応する細長い心臓細胞を配向させるために好ましい形状であろう。特に、刺激用電極が細長い断面のそれぞれの端に存在する場合には、前記心臓細胞を刺激電場に平行に位置するように配向させることができる。
本発明の装置は、複数の検定部位を備えることが好ましい。これにより多数の併行検定の実施が可能となる。例えば、多数検定装置は、少なくとも2部位、好ましくは、少なくとも5か10か50か100か500か1000または5000部位を備えてよい。
ひとつの好ましい実施形態において、本発明の装置は、当該検定部位または各検定部位の細胞閉じ込め用空洞と流体連通する少なくともひとつの流路を備え、これによって前記空洞を介する流体の流れを生成することができる。これにより栄養物を細胞閉じ込め用空洞に供給し、老廃物を除去することが可能となり、このようにして細胞生存能力を促進または維持する。前記流路を、テスト用に(例えば、細胞外の)流体を前記空洞から回収するために使用してもよい。さらに、前記流路を、テスト細胞を細胞閉じ込め用空洞に輸送するために使用することができる。
その上にあるいは代わりとして、本発明の装置は、物質を細胞閉じ込め用空洞に加えるために、ひとつの検定部位につき複数(好ましくは、2つか3つ)の物質配送路を備えてよい。前記配送路は、薬物を局所的に適用するために、能動細胞検定において使用してよく、これにより電気的に刺激された細胞の代謝の反応への薬物の瞬時の影響を測定することが可能となる。細胞閉じ込め用空洞における典型的に小さな細胞外の容積においては、多分必要とされるように、ミリ秒時間範囲での切替(スイッチング)が可能となる。
複数の配送路がある場合には、配送路は異なる方向から細胞閉じ込め用空洞に開放しているのが好ましい。これにより当該細胞または各細胞の異なる範囲が、例えば、層流により分離された異なる薬物濃度に曝されることが可能となる。
このような流路および配送路の適切な機能は、(上記方法で得られた)細胞外の流体媒体における電気分解の回避または減少により高められる。これは電気分解により形成された泡が流路および配送路を通る流れを阻止することができるからである。
本発明の第2の態様は、細胞検定を実施するための装置を提供するものであり、本装置は少なくともひとつの検定部位を有し、この部位は1対の刺激用電極と少なくともひとつ細胞を閉じ込めるための細胞閉じ込め用空洞を備え、この細胞閉じ込め用空洞と刺激用電極は、使用時に当該細胞または各細胞が刺激用電極により発生させられた電場に曝されることが可能なように配置されており、さらに本装置は、前記細胞閉じ込め用空洞と流体連通している少なくともひとつの流路を備えることを特徴とする。
本発明の第3の態様は、細胞検定を実施するための装置を提供するものであり、本装置は少なくともひとつの検定部位を有し、この部位は1対の刺激用電極と少なくともひとつ細胞を閉じ込めるための細胞閉じ込め用空洞を備え、この細胞閉じ込め用空洞と刺激用電極は、使用時に当該細胞または各細胞(好ましくは、当該細胞または各細胞の実質的に全体)が刺激用電極により発生させられる実質的に均一な電場の領域に曝されることが可能なように配置されていることを特徴とする。
第2および第3の態様に関係して、必須ではないが、前記電場を発生させるように前記刺激用電極を横断して使用時に印加される電位差が、当該細胞または各細胞の場刺激を誘起すると同時に、細胞外の流体媒体が結果として電気分解する水準以下であることが可能なように、前記刺激用電極は距離が離れて置かれていることが好ましい。
第1の態様における随意の特徴のいずれかひとつまたはいずれの組み合わせは、第2および第3の態様に適用してよい。
本発明のさらなる態様は、先の態様のひとつに記載した細胞検定を実施するための装置を提供するものであり、本装置において前記細胞閉じ込め用空洞は、少なくともひとつの細胞(好ましくは、複数の細胞)を閉じ込めることを特徴とする。
本発明のさらなる態様は、先の態様のひとつに記載した細胞検定を実施するための、先の態様のいずれかひとつの装置の使用を提供することを特徴とする。
前記細胞検定は、細胞反応への物質の効果を調査あるいは判定するテストとして定義できる。この物質は、薬物、ペプチド、タンパク質または糖タンパク質、糖または炭水化物、リガンド、重合体、液体の小滴、化学物質、他の細胞、ウィルス、微生物あるいは核酸またはポリヌクレオチドであってよい。前記細胞反応は、限定されるものではないが、以下のものであってよい。それは、細胞表面受容体またはイオンチャネル信号、細胞内イオン流、細胞内分子の動き、信号形質導入、遺伝子発現、副細胞の細胞小器官活性の変化、細胞形態、飲作用、内在化、分泌、細胞間界面での変質、アポトーシス、壊死あるいは細胞死である。
本発明のさらなる態様は、電場が複数の細胞を刺激するか、複数の細胞を多孔化するか、あるいは2つ以上の細胞を電気融合するための先の態様のいずれかひとつの装置の使用を提供することを特徴とする。
本発明は、能動細胞準拠検定システムに関係するものであり、細胞内の電気的な特性を変更するか、または物理的な変化を促進するため、本システムを使用することができる。
前者の場合においては、場刺激として知られている工程は、(細胞を横断、より特定すると、細胞膜のひとつ以上の領域を横断して電圧を印加する結果から生じる)電気刺激の大きさおよび性質により反応するように細胞の電気的な特性を変更する。この反応は、イオンの輸送に関与する膜タンパク質の活性差から、結果的に生じることが示されている(Cheng, David Ker-Liang, Leslie TungおよびEric A. Sobie, Nonuniform responses of Transmembrane potential during electric field stimulation of single cardiac cells, Am. J. Physiol., 277, (1999年)、351−362頁)。異なるイオンは、(筋細胞の拍動または神経細胞の作用電位のような)電気生理的な反応を結果として生じる細胞の内または外へ移動するか、あるいは細胞膜中の受容体が刺激されるようになる可能性がある。
後者の場合においては、前記膜を横断する場の印加が細胞中の物理的な変化を引き起こす場合には、2つの例を引用することができる。ひとつ目の例では、2つの細胞は融合が促進される。2つ目の例では、粒子や分子またはイオンを細胞膜または細胞中の人為物を経由して細胞内に導入することが可能なように(エレクトロポーレーションとして知られる工程により)、細胞膜の透過性を変化させることができる。
以下の例において、本発明による細胞検定を実施するための装置の組立および細胞にテストを実施するための装置の使用について述べる。
(装置の組立)
ポジ型フォトレジスト(製品名S1818)を、電子ビームで書いたクロムマスクを使用して、顕微鏡ガラスカバー片(22×64mm、厚さNo.1:0.13から0.17mm)上にフォトリソグラフィ的にパターン化した。チタン層(10nm)および第2の層(100nm)である金をパターン化したガラス表面に蒸着した。続いて、前記ポジ型フォトレジストのTi/Au被覆層を除去し、互いに200μm離れ、各線が一端にボンディングパッドを有する20μm幅のTi/Au平行線前駆体電極を前記ガラス上に残した。
ポジ型フォトレジスト(製品名S1818)を、電子ビームで書いたクロムマスクを使用して、顕微鏡ガラスカバー片(22×64mm、厚さNo.1:0.13から0.17mm)上にフォトリソグラフィ的にパターン化した。チタン層(10nm)および第2の層(100nm)である金をパターン化したガラス表面に蒸着した。続いて、前記ポジ型フォトレジストのTi/Au被覆層を除去し、互いに200μm離れ、各線が一端にボンディングパッドを有する20μm幅のTi/Au平行線前駆体電極を前記ガラス上に残した。
図1の(b)は、電極線3およびボンディングパッド11を有する顕微鏡ガラスカバー片4を模式的に示し、図2の(a)および(b)は、図1の(b)のカバー片を組み込んだ組立後の装置の、それぞれ模式的な平面図および側面図を示す。
ボンディングパッド11は、光の透過が蛍光色素を励起させるか、あるいは細胞に強い光線を透すことを可能にする、中央の矩形窓17を有するプリント回路基板(PCB)13の銅電極16に、200μm厚さの金線12で接続されている。
パターン化されたガラスカバー片の中央部分を覆うような大きさとした200から400μm厚さの矩形のポリジメチルシロキサン(PDMS)シートを、(図1の(a)に表示した)種型を使用して成型した。SU−8、つまり高アスペクト比のネガ型ポトレジストで前記種型を微小加工した。成型工程では、PDMSシート中に各スルーホールがひとつの検定部位に相当する四角断面の筒状スルーホールの矩形配列を生成した。曲がりくねった流路も、前記成型工程により、ウェルを連続して接続する前記シートの一方側上に形成した。
図1の(b)に示すように、外面上に流路5を有するPDMSシート2におけるスルーホール1の列を、カバー片4上の近接する電極線3の各々の対と一直線に並べた。可撓性の管14,15を、流路5の入口と出口にそれぞれ接続した。管15に接続された注射器(図示せず)は、管14を通って貯蔵槽から流体を抜き出し、ウェルに入れるように負の圧力が掛けられることを可能とした。
次に細胞検定装置を形成するように、つまり、各スルーホールの一方の端が当該ウェルのガラス床で1対の前駆体電極で200から400μm深さのウェル(すなわち、細胞閉じ込め用空洞)を形成するように仕切るように、前記PDMSシートを前記カバー片に密封した。
10から20μm厚さの刺激用電極を形成するように、電気メッキにより前駆体電極を後処理した。これは、(管14,15および流路5を通って各ウェルに引き込まれた)溶液から金、イリジウムまたは白金のいずれかで、100nm厚さの金層に電気メッキすることにより達成された。結果として、図3に示すように、それぞれの電気メッキされた刺激用電極は、各ウェルの側面を10から20μmの高さだけ延びる。図3は、細胞23を含むひとつのウェル22に亘る模式断面図である。このように電気メッキは、前記カバー片とPDMSシート間の境界において、洩れた流体がウェル内に入ったり、出たりすることに対して付加的な密封作用を与える。
さらに、図3に示すように、前記カバー片に平行に走る電場線24を有する実質的に均一な電場の領域を、近接する電極対間で生成することが可能であり、この領域は、ほぼ前記ウェルの底から前記刺激用電極の先端へ延びる。それゆえ、使用時において、細胞はこの領域に完全に閉じ込められて、均一な電場に曝されることが可能である。
次に、(導電性または絶縁性)重合体または誘電膜をCVDまたは他の蒸着法で蒸着するために、随意の後処理を電気メッキされた刺激用電極に実施した。このことは、前記電極の分極特性を変え、そのことにより細胞処理が大きな電圧降下または当該細胞を通過する高電流による損傷を受けたり、あるいは変化する危険率を減少させた。
帯電可能な範囲を拡大し、そしてこのようにして加水分解に対する電位を減少させるために、電極表面を導電性の重合体であるポリピロール、窒化シリコンまたは白金ブラックのいずれかでさらに被覆した。
(心臓の筋細胞の分離)
単一の心臓の筋細胞を、膠原質の消化(D.A. Eisner, C.G. Nichols, S.C. O'Neil, G.L. SmithおよびM. Valdeomillos, The effects of metabolic inhibition on intracellular calcium and pH in isolated rat ventricular cells, Journal of Physiology, 411, (1989年), 393-418頁)によりうさぎの心室から分離し、120ミリモルのNaCl、20ミリモルのN−水酸化エチルピペラジン−N‘−2エタンスルホン酸ナトリウム、5.4ミリモルのKCl、0.52ミリモルのNaH2PO4、3.5ミリモルのMgCl2・6H2O、20ミリモルのタウリン、10ミリモルのクレアチン、100ミリモルのブドウ糖、0.1%のウシ血清アルブミンおよび0.1ミリモルのCaCl2を含む基本クレブス溶液中に保存した。pHを100ミリモルの水酸化ナトリウムで7.4に調整した。
単一の心臓の筋細胞を、膠原質の消化(D.A. Eisner, C.G. Nichols, S.C. O'Neil, G.L. SmithおよびM. Valdeomillos, The effects of metabolic inhibition on intracellular calcium and pH in isolated rat ventricular cells, Journal of Physiology, 411, (1989年), 393-418頁)によりうさぎの心室から分離し、120ミリモルのNaCl、20ミリモルのN−水酸化エチルピペラジン−N‘−2エタンスルホン酸ナトリウム、5.4ミリモルのKCl、0.52ミリモルのNaH2PO4、3.5ミリモルのMgCl2・6H2O、20ミリモルのタウリン、10ミリモルのクレアチン、100ミリモルのブドウ糖、0.1%のウシ血清アルブミンおよび0.1ミリモルのCaCl2を含む基本クレブス溶液中に保存した。pHを100ミリモルの水酸化ナトリウムで7.4に調整した。
単一細胞を吸引毛細管で選び、直接に細胞検定装置のそれぞれの空のウェルに置くか、あるいは細胞がそれぞれのウェルに到達するまで、流路5に(管14を経て)吸引した。それから各細胞が前記ガラスの床に沈降するのにまかせた。200から400μmの深さのウェルは、前記流路を通る流体の動きが電気刺激中に細胞から放出される細胞の副産物を洗い流す一方、筋細胞がウェルから洗い出されるのを防止するのに十分であった。ウェル内の蒸発または吸収された流体を、前記流路を経て置換することも可能である
続いて、カルシウムの流れ(カルシウムに感受性のある色素の発光の際の変化から分かる)と細胞刺激(細胞の短縮から分かる)とを関係付けるために、細胞を含む前記ウェルを高開口数×40油浸漬レンズ21(図2に図示)および蛍光顕微鏡で観察した。これらの技法を以下に詳細に記す。図4は、前記ウェルのひとつにおける筋細胞を示す。
(カルシウムの流れの評価)
膜透過エステル誘導体(アセトオキシメチルエステル)として、心臓の筋細胞にカルシウムに感受性のある色素フラ−2を導入した。細胞内で一度、脂肪親和性の残渣は、蛍光色素を活性化するように細胞内エステラーゼにより切断される。
膜透過エステル誘導体(アセトオキシメチルエステル)として、心臓の筋細胞にカルシウムに感受性のある色素フラ−2を導入した。細胞内で一度、脂肪親和性の残渣は、蛍光色素を活性化するように細胞内エステラーゼにより切断される。
ツアイスアキシオスコープ(商標)正立蛍光顕微鏡上に搭載した単色光分光器(TILLフォトニックス(商標))を使用して、細胞内蛍光色素を100ミリ秒毎に340と380nmで励起した。発光を470nmの2色性ミラーと510nmのガラスフィルターを介して、冷却したCCD(電荷結合素子)カメラのCCDチップを通過させた。励起光の強度を中性密度フィルター(OD(光学密度)=2)により調整した。細胞(細胞質や核質)内の異なる領域における両方の波長で前記発光を評価すると共に、カルシウムの細胞内濃度([Ca2+]i)を前記340/380比で表示した。
電場で刺激されて自発的に鼓動している心臓における[Ca2+]i空間情報を、色コード化した340/380比画像上で検出した。細胞外のpHに感受性のあるフルオレセイン色素を10ミリ秒毎に490nmで励起し(線走査)、発光を2色ミラーと520nmの障壁フィルターを介して、前記カメラを通過させた。
(細胞長の評価)
分離された心臓の筋細胞を赤外光で照明し、電場で刺激された収縮を黒白CCDカメラ(12ビットで毎秒10こま)でパソコンのハードディスクに記録した。細胞長の変化を細胞の長軸の変化としてデジタル動画上で測定し、時間に対してプロットした。細胞の外形を定義するために、付与シーケンスの灰色の明るさのこまにおいて、細胞外の空間を黒色にすると共に、細胞内の空間を白色にするように2値化した。比較として、収縮する細胞の動いている端を手で印をつけると共に、細胞端における目印と細胞中央の目印間の距離の変化を自動的に測定した。
分離された心臓の筋細胞を赤外光で照明し、電場で刺激された収縮を黒白CCDカメラ(12ビットで毎秒10こま)でパソコンのハードディスクに記録した。細胞長の変化を細胞の長軸の変化としてデジタル動画上で測定し、時間に対してプロットした。細胞の外形を定義するために、付与シーケンスの灰色の明るさのこまにおいて、細胞外の空間を黒色にすると共に、細胞内の空間を白色にするように2値化した。比較として、収縮する細胞の動いている端を手で印をつけると共に、細胞端における目印と細胞中央の目印間の距離の変化を自動的に測定した。
(細胞刺激)
はじめに、変化する強度(20から300V/cm)で6ミリ秒続く単極性パルスを、変化する周波数(0.5から2.0Hz)で刺激用電極に伝達した。パルス発生器(デジタイマー(商標))を関数発生器で始動すると共に、刺激用電極上の電流において、細胞収縮の興奮に対する閾値を微小電極の構成と表面および電場における細胞の配向性に関係付けるために記録した。前記電極を再分極化させるために、比較できる強度と持続時間を有する対称の2極性パルスを含む刺激手順を、細胞興奮用の国産パルス発生器により伝達した。
はじめに、変化する強度(20から300V/cm)で6ミリ秒続く単極性パルスを、変化する周波数(0.5から2.0Hz)で刺激用電極に伝達した。パルス発生器(デジタイマー(商標))を関数発生器で始動すると共に、刺激用電極上の電流において、細胞収縮の興奮に対する閾値を微小電極の構成と表面および電場における細胞の配向性に関係付けるために記録した。前記電極を再分極化させるために、比較できる強度と持続時間を有する対称の2極性パルスを含む刺激手順を、細胞興奮用の国産パルス発生器により伝達した。
(結果)
細胞長の可視化から分かるように、直接の場刺激(ペーシング)のために刺激用電極を使用するか、あるいはCa2+の洩れが細胞に入るのを可能とするために、筋細胞膜をエレクトロポーレーションするように刺激用電極を使用する。エレクトロポーレーションは、細胞長に沿って前後に行き交う高 [Ca2+]iの波に随伴する自発的な波を引き起こす。
細胞長の可視化から分かるように、直接の場刺激(ペーシング)のために刺激用電極を使用するか、あるいはCa2+の洩れが細胞に入るのを可能とするために、筋細胞膜をエレクトロポーレーションするように刺激用電極を使用する。エレクトロポーレーションは、細胞長に沿って前後に行き交う高 [Ca2+]iの波に随伴する自発的な波を引き起こす。
図5は、分離された微小滴においてペーシングされた筋細胞の収縮時間的経過を示す(すなわち、流路によって補給されていない微小滴)。約3分後に突然拍動が停止したのは、刺激用電極(この場合はメッキなし)の表面における水の加水分解によって誘発された細胞外のpHの低下によるものであった。続いて、電極間の電位は、2.0Vから2.2、2.5そして3.0Vへ上昇した。しかし、この電位の各増加は、減少する振幅の拍動をさらにいくつか引き起こすのみであった。このことは、細胞外のpHを一定に維持することの重要性を証明するものである。と言うのは、細胞が酸溶液に浸されている場合には、細胞の電気興奮性は大いに減少するからである。
分離された微小滴の酸性化を証明するために、本発明者はフルオレセインで細胞外のpHを観測した。図6は、0.21から4.47V/100μmまで上昇するピーク場強度に対し、対時間で陽極から10μmの距離で評価したフルオレセインの発光(F/F0比で表示、ここでFは実験の間中に記録された蛍光であり、F0は時間=0での蛍光である)を示す。図中の矢印は、電圧パルス化が開始した時を示す(パルス幅6ミリ秒、周波数0.6Hz)。
pH5.5から7.0の間におけるタンパク質分解酸の主要な種類は、ジおよびモノアニオンである。しかし、ジアニオンのみが490nm光で励起時に、高収率(0.9)で光を発する。モノからジアニオンへの遷移に要する6.7の弱酸の解離定数の逆数の常用対数(pKa)は、発光の減少がpH7から6の範囲においてpHの低下と相関があることを可能にする。
ピーク電場が強度で0.21V/100μm(つまり、10.5V/cm)から4.47V/100μm(223.5V/cm)に上昇するにつれ、測定されるpHが恒常的に低下した(すなわち、溶液は酸性化した)。高電圧では、パルス瞬時過渡現象(スパイク)が重なった。
図6と同じ実験配置に対して、5.3V/cmのピーク場強度に対し、対時間で陽極から10から60μmの距離で評価したフルオレセインの発光(F/F0比で表示)を示す。前記陽極からの距離(H+源)によりスパイクの高さは減少した。
このように細胞外のpHは、1V/100μm以下(しかしながら、ペーシングが発生するのに十分強い値である)のピーク場強度におけるテスト溶液では、単に変化しないでいた。このことは、連続したペーシングには十分高く、電気分解には十分低い電圧範囲において刺激用電極を動作させる重要性を示すものである。しかしながら、上述したように、電極上に好適なメッキを施すことにより、前記範囲の高電圧端を拡大することが可能である。
図8は、約6分後に拍動が止むまで0.9V/100μmのパルス振幅電場で刺激した、分離された微小滴中の細胞に対する時間的経過を示す。収縮は、時間に亘って低下する振幅を示したが、図5の細胞外のpH低下で見られたような突然の停止を示さなかった。本発明者は、振幅の収縮の緩やかな減少は、ATP(アデノシン三リン酸)の可逆不可な消費により引き起こされると信じている。それゆえ、このことは、流路により栄養分を補充すると共に、老廃物を除去することの重要性を証明している。
異なる細胞の区画間における[Ca2+]i循環についての情報を得るために、本発明者は、室温でペーシングされたフラ−2が負荷された細胞の発光を観測した。ペーシング経過中の細胞に影響を与えないために、細胞の微小滴におけるpHおよび栄養変化を十分に小さいことを確実にするように事前の注意を払った。周波数0.6Hzでピーク振幅9V/100μm、持続時間6ミリ秒でペーシングを与えると共に、3秒の興奮期間に対してペーシングを継続した。
図9は、興奮期間の以前、その期間およびそれ以後の[Ca2+]iにおける色コード化された変化を示す。休止時(t=0、時間ゼロ(t0))において蛍光色素は、細胞質内にほぼ均一に分布している。しかし、細胞質の濃度は2つの核で濃化するが、両方の細胞端で減少する。長手構造への親和性が、より高く観察される場合がある。興奮期間の開始後0.1秒において、[Ca2+]iは両方の細胞端で高[Ca2+]iを有すると共に、当該細胞の長軸に垂直に交互に10μm幅のいくつかの帯で高と低の[Ca2+]iを有して、不均一に上昇した。
心室の筋細胞の興奮中に取った共焦点線走査画像は、[Ca2+]i変化の同様なパターンを示す。心臓の筋肉細胞において、作用電位と収縮(興奮―収縮結合、つまり、E−C結合)間における堅固な結合は、分化した細胞内のCa2+貯蔵区画、つまり、筋小胞体(SR)により調整される。貯蔵されたCa2+は、筋細胞膜の脱分極化中に自身活性化される電圧に感受性のあるCa2+チャネルを通り、細胞質ゾルを入れる細胞外のCa2+により活性化されたCa2+放出チャネル(リャノダインに感受性のあるCa2+チャネル)を通って、細胞小器官から離れる。放出されたCa2+は、筋細胞の短縮化(収縮期)を開始するように、収縮性の単繊維を活性化する。SR膜に常駐しているCa2+をポンプで送り込む分子(SERCAポンプ)による再取り込みは、次の作用電位が別のCa2+サイクルを開始するまで、単繊維が弛緩できるように(弛緩期)、細胞質ゾルをCa2+から除去する。
図9に示す電気刺激後の最初のミリ秒以内における[Ca2+]iの不均一な上昇は、細胞全体の同期した収縮を確保するように、[Ca2+] iの全体的に均一な上昇を、雪崩のように時間により合計する起爆部位(Ca2+スパーク)を多分示している。調整されたCa2+の放出の失敗は、いくつかの不整脈に対する分子上の根拠であり、そしてE−C結合に関与する分子は、医薬品の候補がこの種の不整脈により引き起こされる心臓病を治療するための標的である。
興奮期間の開始後0.2秒で、この帯は消えると共に、核のひとつは細胞質ゾルの大部分と比較して高い[Ca2+] iを示した。
長手構造において濃化した蛍光色素の発光変化は、この構造間で上記に従った。ここでの明度差は、[Ca2+] iにおける差に起因するものではないが、細胞内構成物に対する蛍光色素の高い親和性により引き起こされる人工物に起因する。3.4秒において(つまり、興奮期間終了後0.4秒)、前記[Ca2+] iはt0(休息)水準に到達した。
図10は、細胞の左核および中央(図9において正方形1および2で表示)における[Ca2+]iの各時間的経過を細胞の左端の収縮の時間的経過と共に示す。収縮の開始は、[Ca2+]iの最初の可視上昇より約100ミリ秒遅く、その遅れは、高い温度で減少する可能性がある。
これらの結果は、本発明の細胞検定装置を使用して、細胞から有益な測定を得ることが可能であることを示す。
特に、精巧な光学顕微鏡と結合して実施した本画像システムの空間および時間における高解像度によれば、本発明の装置において電気シミュレーション中に個々の生細胞における前記[Ca2+]iの変化の検定を光学的に実施することが可能になる。興奮可能な細胞における作用電位と[Ca2+]iの上昇とが堅固に結びついてるため、誘発された一時的なCa2+の時間的経過および振幅は、潜在する作用電位に対応するパラメータに対して信頼の置ける指標である。このようにして、本発明の装置によれば、異なる刺激手順への細胞膜内のイオンチャネル活性の反応を明らかにすることが可能になる。前記パルス発生器においては、前記パルス振幅やパルス周波数やパルス幅を自動的に上昇または低下させるか、個々のパルス間あるいは単極または2極(対称または非対称)パルス間でパルスの極性を自動的に変化させて、手順を実行するプログラムを備えるのが好ましい。
本発明の装置によれば、先に述べた刺激手順に応じて分子プローブ(Direction-8-ANEPPSまたはRH-237)のような電位に感受性のある色素により、膜電位変化を直接に検出することも可能になる。
例えば、ブドウ糖欠乏の断続的な期間への細胞反応が調査可能なように、前記流路により刺激を受けた細胞の代謝状態を変更することが可能である。
(装置の組立)
細胞内または細胞外の蛍光並びに油や水浸漬レンズ(これにより、高開口数のレンズの使用および300μm厚さまでの低作動距離が可能)により細胞形態の記録を可能にするように、顕微鏡カバー片(20×40mm、厚さNo.1:0.13から0.17mm)を基板として使用した。本発明の装置の微小組立工程を図11の(a)と(b)に模式的に示す。
細胞内または細胞外の蛍光並びに油や水浸漬レンズ(これにより、高開口数のレンズの使用および300μm厚さまでの低作動距離が可能)により細胞形態の記録を可能にするように、顕微鏡カバー片(20×40mm、厚さNo.1:0.13から0.17mm)を基板として使用した。本発明の装置の微小組立工程を図11の(a)と(b)に模式的に示す。
微小電極およびμm大の細長い室(つまり、閉じ込め空洞)の壁に対するパターンを、オートキャドを使用して両方とも設計し、フィリップス社の電子ビームライターを使用して、2つのクロムメッキをしたマスクプレートとして形成した。フォトリソグラフィ的に微小電極の配列をパターン化するために、カバー片(図11(a)(i))を、先ず毎分4000回転で薄いポジ型フォトレジストS1818でスピンコートし、クロロベンゼン中ですぐに15分加熱して30分間90℃炉内で焼き、それから適宜なフォトマスク(図11(a)(ii))を介して紫外線に曝した。次に、10nm厚さのチタンの接着層を逐次電子ビームアシスト蒸着および100nm厚さの電気的に安定な金のオーバーレイ層により、微小電極配列を形成した(図11(a)(iv))。露出されていない金属メッキされた感光性樹脂を除去することにより、微小電極構造を実現した(図11(a)(v))。正立光顕微鏡上の倍率20倍のレンズを使用して、金属パターン品質の目視検査を行った。
続いて、微小室の壁を決める共に、図11の(b)に模式的に示すように生成されたリソグラフィ的に形成されているPDMS上構造で、前記微小電極を修正した。先ず、90℃にて炉内で30分間焼かれる10μm厚さまでのフォトレジスト層を形成するように、毎分1300回転でポジ型レジスト(AZ4562)を回転した。このフォトレジストの厚さは前記室の深さを決めた。前記適宜なフォトマスクを、マスク露光装置上の微小電極に一直線に並べ、前記パターンをフォトレジストに転写した(図11(b)(ii))。現像後、PDMSをトルエンで1対4に希釈した液により、毎分1万回転で前記配列をスピンコートし、このPDMSを養生するために120℃にて炉内で約2分間焼いた(図11(b)(iv))。これによりこのPDMSは、種フォトレジストに成型され、全組立品をアセトン中で十分に洗浄した。この後半の段階で、室壁および微小電極の表面から、残渣レジストを全て除去した。フォトレジストの助けがなければ、室を覆うPDMSの薄膜は崩れると共に、容易に洗い流された。電極全体を覆うこのPDMS膜は、こぼれた緩衝液による接続取り出し線の短絡を回避するための絶縁層として役立った。
微小室を水の緩衝溶液で満たすために、前記PDMSの疎水性表面をエタノールで濡らし、エタノールを徐々に水で置換した。前記室を適宜な緩衝液で満たした後、蒸発を避けるために300μm厚さの鉱物油層で、この室を覆った。
次に、実験1の図1の(b)に関係して、上記したような方法で1枚のPCBにパターン化した基板を接続した。
図12の(a)は、パターン化工程により形成された微小配列の模式図であり、ガラス片31、金電極32、PDMS室側壁33および鉱物油34を示す。
(心臓の筋細胞分離)
これは、実験1に関係して、上記したように実施した。
これは、実験1に関係して、上記したように実施した。
(筋細胞の選定と設置)
細胞懸濁液において、個々の大人の心室筋細胞を白金電極で0.5Hzにて場刺激し、いくつかの基準のもとで微小配列に移した。この基準とは、つまり、前記筋細胞は規則的で均一な短縮により低振幅刺激(5V/cm)に忠実に反応していること、前記筋細胞は介在板領域において損傷の明らかな痕がなく、規則的でかつ明確に決まった縞パターンを有すると共に、幅20から30μmで長さ140から180μmであること、である。始めに、注射ポンプに接続した毛細管により、前記微小配列の先端上の微小滴に細胞をピペットで入れ、この細胞の長軸を細長い微小室にほぼ平行に並べた。疎水性のPDMS表面から過剰の流体を除去することにより、筋細胞を電極間の前記室へ導いた。図12の(b)は、微小配列の室36中に配置されると共に、微小電極32に並べられた筋細胞35を有する微小配列の顕微鏡写真を示す。
細胞懸濁液において、個々の大人の心室筋細胞を白金電極で0.5Hzにて場刺激し、いくつかの基準のもとで微小配列に移した。この基準とは、つまり、前記筋細胞は規則的で均一な短縮により低振幅刺激(5V/cm)に忠実に反応していること、前記筋細胞は介在板領域において損傷の明らかな痕がなく、規則的でかつ明確に決まった縞パターンを有すると共に、幅20から30μmで長さ140から180μmであること、である。始めに、注射ポンプに接続した毛細管により、前記微小配列の先端上の微小滴に細胞をピペットで入れ、この細胞の長軸を細長い微小室にほぼ平行に並べた。疎水性のPDMS表面から過剰の流体を除去することにより、筋細胞を電極間の前記室へ導いた。図12の(b)は、微小配列の室36中に配置されると共に、微小電極32に並べられた筋細胞35を有する微小配列の顕微鏡写真を示す。
(微小配列の構成)
電気的に心室の筋細胞を刺激するために要する場強度において報告されたものは、5から50V/cmの範囲である(P. A. Gomes, R. A. BassaniおよびJ. W. M. Bassani, 2001年, Electric field stimulation of cardiac myocytes during postnatal development, IEEE Transaction on Biomedical Engineering, 48, 630-636頁)。しかしながら、約1V以上の電圧使用は、電圧近傍における局所電気分解につながると共に、結果的に浸漬溶液のpHを変化させるイオンの種類を発生させる。本発明の実験においては、平均寸法の心室の筋細胞(ほぼ、長さ160μm、幅25μmおよび高さ5μm)を2つの電極間に配置することが可能なように、電極を配置した。例えば、200μm離れて配置された2つの微小電極を横断する0.5Vの電圧を印加することにより、各筋細胞を横断して25V/cmの場を直ちに実現することが可能である。
電気的に心室の筋細胞を刺激するために要する場強度において報告されたものは、5から50V/cmの範囲である(P. A. Gomes, R. A. BassaniおよびJ. W. M. Bassani, 2001年, Electric field stimulation of cardiac myocytes during postnatal development, IEEE Transaction on Biomedical Engineering, 48, 630-636頁)。しかしながら、約1V以上の電圧使用は、電圧近傍における局所電気分解につながると共に、結果的に浸漬溶液のpHを変化させるイオンの種類を発生させる。本発明の実験においては、平均寸法の心室の筋細胞(ほぼ、長さ160μm、幅25μmおよび高さ5μm)を2つの電極間に配置することが可能なように、電極を配置した。例えば、200μm離れて配置された2つの微小電極を横断する0.5Vの電圧を印加することにより、各筋細胞を横断して25V/cmの場を直ちに実現することが可能である。
先の報告は、筋細胞の長さに対して直交するより、むしろ平行に配向する場合に、電場が収縮を誘発するのに有効であることを示唆している(L. Tung, N. SlizおよびM. R. Mulligan, 1991年, Influence of electrical axis of stimulation on excitation of cardiac muscle cells, Circ. Res., 69, 722-730頁, およびS. B. Kinisley およびA. O. Grant, 1995年, Asymetrical electrically induced injury of rabbit ventricular myocytes, J. Mol. Cell, Cardiol., 27, 1111-1122頁)。このように、細長い室に平行に配向した場を発生させるために、長手の室壁間において隙間を横断するように電極を形成した(図12の(a)および(b)参照)。共通の基準電極として、前記配列の中央を横切る幅60μmの中央金電極を使用した。
刺激用電極を前記基準電極の両側に組立て、2つの単一筋細胞の配置を中央の電極のどちらかの側において可能とするように、刺激用電極と基準電極の間隔をあけた。この配置は、筋細胞の大きな配列を刺激するように、再現することが可能であった。前記基準電圧は全ての室に共通であるのに対して、刺激の異なる場強度かつ/または周波数で個々の細胞を逐次刺激することを可能にするために、周辺の刺激用電極は各々アドレス可能とした。
各刺激用電極と基準電極との隙間は200μmであり、この値は、場刺激に対する印加電位を最小化しながら、単一細胞検定に対する活動領域を提供するために十分大きかった。前記刺激用電極は、幅40μm、長さ20μmおよび高さ100nmの寸法を有していた。このように、各刺激用電極の活性表面積は800μm2であった。
前記電極間の導電性容積を最小化することにより、場刺激に対する条件をさらに最適化した。この目的のため、室の高さを10μmかつ幅を40μm、つまり、分離した大人の心臓の筋細胞の寸法よりただわずかに大きい寸法に制限した。制限された細胞外の空間は、前記電極間におけるイオン電流の流れを制限した。平均寸法の筋細胞が占める容積は約20ピコリットルであった。
2つの室容積で微小配列を形成した。各刺激用電極に近接すると共に前記中央の基準電極上方にPDMSの端壁を形成することにより、100ピコリットルの室を生じさせた。図11および12には示していないが、側壁のように、前記端壁を同時に形成した。この端壁は流体の流失を防ぐように各室を密封した。
前記端壁を省略することにより5ナノリットルの室を生じさせた。前記側壁は刺激用電極を越えて2mm延びたので、このことは極めて大きな室容積を付与した。
刺激用電極と異なる空間に前記端壁を単に配置することにより、中間の室容積を生じさせることが可能になった。
(光学顕微鏡法)
イオノプティックス(Milton, MA, USA)の蛍光―収縮性システムを使用して、同時に筋節長および細胞内Ca2+濃度を観測した。20マイクロモルのフルオ−3AM溶液(分子プローブ)中で30分間培養することにより、心室の筋細胞にフルオ−3を搭載した。×63シーアポクロマート水浸漬レンズ(開口数1.2)を備えたツアイス アクシオバート200(ツアイス社、ゲッティンゲン、ドイツ)に搭載されたTILL単色光分光器(T.I.L.L.社、マーチンスリード、ドイツ)により、505nmで内部色素を励起した。510―2色性のミラーおよび515帯域通過フィルター(オメガオプティカル社、ブラットルボロ、バーモント州、米国)を介して、フルオ−3の発光をPMT(光電管)に向けた。680nmの帯域通過フィルターにより透過したハロゲンランプの赤色光を、筋節長を記録するようにCCDカメラに向けた。PMTおよびカメラの信号をイオンウイザードバージョン5.0ソフトウェアによりオンラインで表示し、さらなる評価のために保存した。場刺激中に細胞外のpHでの起こり得る変化を測定するために、槽に10マイクロモルのBCECF(フルオレセイン誘導体:分子プローブ)を添加し、フルオ−3用のように設定された同じフィルターを使用して、発光を記録した。漂白を避けるために、200ミリ秒毎に5ミリ秒間505nmでBCECFを励起した。両色素に対する励起光の強度を中性密度フィルター(OD=2)により調整した。
イオノプティックス(Milton, MA, USA)の蛍光―収縮性システムを使用して、同時に筋節長および細胞内Ca2+濃度を観測した。20マイクロモルのフルオ−3AM溶液(分子プローブ)中で30分間培養することにより、心室の筋細胞にフルオ−3を搭載した。×63シーアポクロマート水浸漬レンズ(開口数1.2)を備えたツアイス アクシオバート200(ツアイス社、ゲッティンゲン、ドイツ)に搭載されたTILL単色光分光器(T.I.L.L.社、マーチンスリード、ドイツ)により、505nmで内部色素を励起した。510―2色性のミラーおよび515帯域通過フィルター(オメガオプティカル社、ブラットルボロ、バーモント州、米国)を介して、フルオ−3の発光をPMT(光電管)に向けた。680nmの帯域通過フィルターにより透過したハロゲンランプの赤色光を、筋節長を記録するようにCCDカメラに向けた。PMTおよびカメラの信号をイオンウイザードバージョン5.0ソフトウェアによりオンラインで表示し、さらなる評価のために保存した。場刺激中に細胞外のpHでの起こり得る変化を測定するために、槽に10マイクロモルのBCECF(フルオレセイン誘導体:分子プローブ)を添加し、フルオ−3用のように設定された同じフィルターを使用して、発光を記録した。漂白を避けるために、200ミリ秒毎に5ミリ秒間505nmでBCECFを励起した。両色素に対する励起光の強度を中性密度フィルター(OD=2)により調整した。
(共焦点顕微鏡法)
60×蛍光の水浸漬対物レンズ(開口数:1.2)を使用して、ニコン倒立顕微鏡(エクリプス)に搭載されたバイオラドレイディアンス2000共焦点スキャナー上に、細胞内フルオ−3の共焦点線走査画像を記録した。筋細胞の長軸に平行に走査線を向けて、発光を500Hzで記録した。線走査画像上にパルスの到達の印をつけるために、刺激用パルスの25ミリ秒前に前記顕微鏡の光学路に並べられた持続時間2ミリ秒のLED(発光ダイオード)閃光を始動した。
60×蛍光の水浸漬対物レンズ(開口数:1.2)を使用して、ニコン倒立顕微鏡(エクリプス)に搭載されたバイオラドレイディアンス2000共焦点スキャナー上に、細胞内フルオ−3の共焦点線走査画像を記録した。筋細胞の長軸に平行に走査線を向けて、発光を500Hzで記録した。線走査画像上にパルスの到達の印をつけるために、刺激用パルスの25ミリ秒前に前記顕微鏡の光学路に並べられた持続時間2ミリ秒のLED(発光ダイオード)閃光を始動した。
微小室中の心室の筋細胞の容積を調査するために、別個の共焦点画像測定を実施した。同じ顕微鏡にz−積層(0.5μm間隔)を記録した。Ca2+が飽和したフルオ−3を槽に添加し、700mWのミラレーザシステム(コーヒラントレーザズ社、米国)を使用して、細胞外の色素を810nmで励起した。前記筋細胞の3次元図を構築すると共に、フイゲンスのソフトウェア(ビットプレイン、スイス)を利用して微小室中の細胞外の容積を計算するために、z−積層を使用した。
(電気刺激)
前記電極を横断して対称の2相矩形パルスを発生させた。各相において、振幅、持続時間、極性、周波数および前記2相間の遅れを個別に制御した。20メガHzの4チャネル収集カード(PCI−9812、アドリンク、台湾)に対応する電圧並びに一方の電極の電流応答を読み込むために、電圧―電流変換器を使用した。各パルス到達をオフライン事象の平均化用の蛍光痕跡上に印をつけるために、前記2相パルスに同期するTTL(トランジスタ−トランジスタ論理回路)信号をPMT電流読取器に供給した。微小室を電解液(緩衝液)で充満した後、心臓の筋細胞の添加に先立って、各室における微小電極間のイオン接続を確実にするように、個別の刺激用電極に誘発された電流を観測した。当該微小室に加えられた真の電荷の総量および電極表面の分極化の尺度を与えるために、測定された電流を積分した。
前記電極を横断して対称の2相矩形パルスを発生させた。各相において、振幅、持続時間、極性、周波数および前記2相間の遅れを個別に制御した。20メガHzの4チャネル収集カード(PCI−9812、アドリンク、台湾)に対応する電圧並びに一方の電極の電流応答を読み込むために、電圧―電流変換器を使用した。各パルス到達をオフライン事象の平均化用の蛍光痕跡上に印をつけるために、前記2相パルスに同期するTTL(トランジスタ−トランジスタ論理回路)信号をPMT電流読取器に供給した。微小室を電解液(緩衝液)で充満した後、心臓の筋細胞の添加に先立って、各室における微小電極間のイオン接続を確実にするように、個別の刺激用電極に誘発された電流を観測した。当該微小室に加えられた真の電荷の総量および電極表面の分極化の尺度を与えるために、測定された電流を積分した。
非常に小さな室容積だと仮定すると、当該電極表面上で発生した電気分解生成物(例えば、Au+やH+)は、時間と共に急速に堆積する。H+イオンの堆積を調べるために、pHに感受性のある色素BCECF(20マイクロモル)を含有する1マイクロモルのHEPES(4−2水酸化エチル1−ピペラジンエタンスルフォン酸)で緩衝された100ピコリットルの前記電解液で、前記室を充満した。持続時間2ミリ秒で0.5V(25V/cm)から2.5V(125V/cm)間の振幅の単極矩形パルスを1.5Hzで前記統合電極に印加した。図13に示すように、理論的に予知された閾値以上の電圧において、pHは急速に低下するのが観察されたが、加水分解に対する理論上の閾値に近い刺激電圧(0.4V、つまり20V/cm)を使用した場合には、pHは変化しなかった。電極間距離200μmを横断して2.0V超え(100V/cm)の振幅でパルスを与えた場合には、1.5Hzで10分の継続的なパルス付与内でpHは定常状態に達し、パルス停止後に元に戻らなかった。実験中、泡発生またはpHに依存した金の溶解の兆候は観察されなかった。平均長160μmまでの単一の心臓の筋細胞において、安定なCa2+遷移物を生じさせないために必要な平均場強度は、27V/cm±10V/cmであった。これは電気分解(40V/cm超え)に必要な場強度より十分に低かった。これは、心臓の筋細胞膜をエレクトロポーレーション(筋細胞膜に結果として起こる不可逆な破壊、内部へのCa2+洩れおよび超拘縮を伴う)するために必要な50V/cm超えの場強度未満でもあった。
(筋細胞の同期活性化)
異なる刺激物プロファイルにおける閾値刺激電流を比較することにより、パルスの形態を最適化した。作用電位の「有るか無しか」の応答は、前記パルスの振幅を次第に増加させることにより、閾値を超えた刺激に対する限界を同定するのに役立った。電圧に感受性のある色素ジ−8−アネップスにより直接的、あるいはCa2+遷移物または細胞短縮を記録することにより間接的に、前記作用電位を測定した。最適化されたパルスプロファイルは、持続時間2ミリ秒で相あたり振幅0.5Vを有する対称な2相矩形刺激物を含む。前記電極間を通過する定常状態電流は、2ナノアンペア未満であり、電極の分極化は無視可能であった。
異なる刺激物プロファイルにおける閾値刺激電流を比較することにより、パルスの形態を最適化した。作用電位の「有るか無しか」の応答は、前記パルスの振幅を次第に増加させることにより、閾値を超えた刺激に対する限界を同定するのに役立った。電圧に感受性のある色素ジ−8−アネップスにより直接的、あるいはCa2+遷移物または細胞短縮を記録することにより間接的に、前記作用電位を測定した。最適化されたパルスプロファイルは、持続時間2ミリ秒で相あたり振幅0.5Vを有する対称な2相矩形刺激物を含む。前記電極間を通過する定常状態電流は、2ナノアンペア未満であり、電極の分極化は無視可能であった。
図14は、代表的なシミュレーションおよび応答の推移を示す。上の推移は前記刺激用電極の一方上に記録された電流スパイク列を示す。下の推移は閾値を超える刺激後にのみ発生する同時発生する分子内Ca2+遷移物を示す。最初のCa2+遷移物が発生するまで前記刺激物の振幅を増加させた。囲み図は、対応する電圧および帯電プロファイルと共に、拡大した時間尺における興奮の開始前の最後の電流スパイクを示す。Ca2+に感受性のある色素フルオ−3でCa2+遷移物を記録した。
興奮−収縮結合に関係した細胞内のCa2+の流れをさらに特徴付けるために、電気刺激されたCa2+遷移物を空間および時間の高解像度で、共焦点的に記録した。前記フルオ−3を搭載した細胞を微小室に置いた。共焦点線走査画像上に刺激用パルスの到達に印をつけるために、前もって25ミリ秒間刺激用パルスに2ミリ秒のLED閃光を始動するための事前パルスを加えた。細胞を0.5Hzで刺激した。代表的な遷移物は、微小電極で電気刺激を加えた際に[Ca2+]iの均一な上昇を示す図15に与えられている。図15に関係して、2相刺激物とペーシングされたフルオ−3(挿入図で図示)を搭載した細胞の長軸に、共焦点走査線を揃えた。得られた線走査画像は、興奮直後に[Ca2+]iの均一な上昇を示す。前記[Ca2+]iの上昇およびCa2+除去後の弛緩に応じた細胞短縮に注意されたい。10μm幅の帯(図示)における蛍光プロファイル(太線)を、刺激装置電圧プロファイル(細線)と共に、時間に対してプロットした。
細胞の長軸に沿った走査で明らかになったように、[Ca2+]iの瞬時の均一な上昇は、大人の心室の筋細胞の両端における短縮化を誘発した。1走査当たり2ミリ秒の時間解像度において、刺激物の始動段階の同定は可能にならなかった(刺激の導通あるいは遮断)。500オーム/cmの細胞内/外の固有抵抗(S. Weidmann, 1970年, Electrical constants of trabecular muscle from mammalian heart, J. Physiol. 210, 1041-1054頁)および1マイクロファラッド/cm2の膜静電容量を仮定すると、たぶん数マイクロ秒で細胞膜の帯電は生じる。
(刺激延長)
容積5ナノリットルおよび100ピコリットルの微小室中で、大人の心室の筋細胞を継続的に刺激した。1Hzで刺激された心臓の筋細胞からの筋節長の変化として、筋細胞の収縮性を測定した(19から21℃)。図16の(a)は、図示した連続記録からの単一の遷移物である5ナノリットル室中で刺激された筋細胞から、相対的な筋節長を重ね合わせた記録を示す。右手側の値は定常状態の短縮の進展からの期間である。図16(b)は、100ピコリットル室中で刺激された筋細胞に対する対応する記録を示す。5ナノリットル室中においては、細胞短縮の振幅は、継続的な刺激の間に少しだけ減少した(図16の(a)参照)。しかしながら、制限された100ピコリットル容積の室中においては、細胞短縮は60分の継続的なペーシング後に止み、緩衝液の更新後に部分的に回復した(図16の(b)参照)。この2つの条件下における平均減少を表1に示す。
容積5ナノリットルおよび100ピコリットルの微小室中で、大人の心室の筋細胞を継続的に刺激した。1Hzで刺激された心臓の筋細胞からの筋節長の変化として、筋細胞の収縮性を測定した(19から21℃)。図16の(a)は、図示した連続記録からの単一の遷移物である5ナノリットル室中で刺激された筋細胞から、相対的な筋節長を重ね合わせた記録を示す。右手側の値は定常状態の短縮の進展からの期間である。図16(b)は、100ピコリットル室中で刺激された筋細胞に対する対応する記録を示す。5ナノリットル室中においては、細胞短縮の振幅は、継続的な刺激の間に少しだけ減少した(図16の(a)参照)。しかしながら、制限された100ピコリットル容積の室中においては、細胞短縮は60分の継続的なペーシング後に止み、緩衝液の更新後に部分的に回復した(図16の(b)参照)。この2つの条件下における平均減少を表1に示す。
別個の実験において、制限された100ピコリットルの容積の室中で継続的にペーシングされた大人の心室のフルオ−3で負荷した筋細胞から、Ca2+遷移物を測定した。図17の(a)は、度を上げたCCDカメラで、50Hzにて記録した遷移物により引き起こされた蛍光を示す。5分間(*印)、10分間(**印)または20分間(***印)、0.5Hz(白抜きの帯状線)および1.0Hz(黒塗りの帯状線)の交流周波数で、前記筋細胞を電気刺激した。心臓拡張の[Ca2+]i信号は、ほとんど瞬時に、高周波数で高水準に適応したのに対して、Ca2+の遷移物のピークは、前記高周波数において最初の5つの拍動後に定常状態に達した。低周波数に戻すと、前記心臓拡張の水準は低値に戻った。前記Ca2+信号の振幅は、60分までの刺激に亘ってゆっくりと減少した。この減少は、短縮信号の減衰未満であった(図16の(a)および表1参照)。これは細胞内Ca2+の減少を表す一方、色素漂白または色素損失/金属イオン封鎖が寄与している可能性もある。
同様の反応は、細胞内のATP欠乏を誘起するミトコンドリアの脱共役剤である1マイクロモルのFCCP(トリフルオロカルボニルシアナイドフェニルヒドラゾン)の存在下で、ペーシングされた細胞中において観察された(図17の(b)参照)。0.5Hzおよび1.0Hz(矢印部参照)の交流周波数で50分継続的に刺激後において、細胞は、普通の振幅のCa2+遷移物によるひとつの刺激物にも、もはや反応しなかった。10分後(矢の頭部参照)に、0.5Hzで誘発されたCa2+遷移物は、ほぼ完全に消滅した。
FCCPを洗い流して緩衝液を交換した後に、低周波数のCa2+波が観察された(図17の(b)参照)。連続刺激間における5分間の休息期間後に、前記細胞は、筋細胞膜の完全性を示して興奮性を取り戻した。
いずれにしても、連続刺激中における興奮性の喪失は、細胞外の酸性化によるというよりも、むしろ細胞の副生成物が細胞内外の空間に堆積することにより引き起こされたと思われる(図13参照)。
要約すると、前記実験は、配列形式において制限された容積以内で分離された細胞を刺激することの実施の可能性を例証するものである。
本発明は、上述した例示の実施形態と合わせて記述されているが、この開示がなされた場合、当業者には多くの等価的な修正や変更は明らかである。従って、上述の本発明において示した実施形態は、例示したものであり、何ら限定するものではない。前記実施形態の種々の変更は、本発明の考えおよび範囲から逸脱しない限りにおいて可能である。
以上述べた開示内容は、参考として示したものである。
以上述べた開示内容は、参考として示したものである。
Claims (22)
- 細胞検定を実施するための装置であって、
前記装置は、少なくともひとつの検定部位を有し、
前記部位は、1対の刺激用電極と少なくともひとつの細胞を細胞外の流体媒体中に閉じ込めるための細胞閉じ込め用空洞を備え、
前記細胞閉じ込め用空洞および前記刺激用電極は、使用時に前記細胞または各細胞が、前記刺激用電極を横断して印加される電位差により発生させられる電場に曝されることが可能なように配置され、
前記刺激用電極は、前記電位差が前記細胞の場刺激を引き起こすと同時に、前記細胞外の流体媒体が結果として電気分解する水準以下になるような距離だけ離れて置かれていることを特徴とする細胞検定を実施するための装置。 - 前記刺激用電極は、1mm未満離れていることを特徴とする請求項1に記載の細胞検定を実施するための装置。
- 前記検定部位の細胞閉じ込め用空洞において、流体で連通する流路をさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載の細胞検定を実施するための装置。
- 細胞検定を実施するための装置であって、
前記装置は、少なくともひとつの検定部位を有し、
前記部位は、1対の刺激用電極と細胞外の少なくともひとつの細胞を細胞外の流体媒体中に閉じ込めるための細胞閉じ込め用空洞を備え、
前記細胞閉じ込め用空洞および前記刺激用電極は、使用時に前記細胞または各細胞が、前記刺激用電極を横断して印加される電位差により発生させられる電場に曝されることが可能なように配置され、
前記装置は、前記細胞閉じ込め用空洞に流体で連通する少なくともひとつの流路をさらに備えることを特徴とする細胞検定を実施するための装置。 - 前記電場は実質的に均一な電場の領域を含み、各閉じ込められた細胞は前記領域に曝されることが可能なことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかひとつに記載の細胞検定を実施するための装置。
- 細胞検定を実施するための装置であって、
前記装置は、少なくともひとつの検定部位を有し、
前記部位は、1対の刺激用電極と細胞外の少なくともひとつの細胞を閉じ込めるための細胞閉じ込め用空洞を備え、
前記細胞閉じ込め用空洞および前記刺激用電極は、使用時に前記細胞または各細胞が、前記刺激用電極により発生させられる実質的に均一な電場の領域に曝されることが可能なように配置されることを特徴とする細胞検定を実施するための装置。 - 実質的に均一な電場の前記領域において、当該電場強度は、当該電場線を横断して10パーセント未満だけ変化することを特徴とする請求項5または6に記載の細胞検定を実施するための装置。
- 実質的に均一な電場の前記領域は、少なくとも2μmの距離の間、前記電場線の方向に沿い、かつ/または横断して延びることを特徴とする請求項5乃至7に記載の細胞検定を実施するための装置。
- 実質的に均一な電場の前記領域は、前記細胞閉じ込め用空洞の床により一方の側で境界をなすことを特徴とする請求項5乃至8のいずれかひとつに記載の細胞検定を実施するための装置。
- 実質的に均一な電場の前記領域は、少なくとも1ピコリットルの容積を占めることを特徴とする請求項5乃至9のいずれかひとつに記載の細胞検定を実施するための装置。
- 実質的に均一な電場の前記領域は、前記細胞閉じ込め用空洞の対向する側で細胞閉じ込め用空洞の床に垂直な方向に延びることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかひとつに記載の細胞検定を実施するための装置。
- 実質的に均一な電場の前記領域は、少なくとも2μmの距離の間、細胞閉じ込め用空洞の床に垂直な方向に延びることを特徴とする請求項11に記載の細胞検定を実施するための装置。
- 前記刺激用電極は、溶液から電気メッキで形成されることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかひとつに記載の細胞検定を実施するための装置。
- 前記刺激用電極は、帯電可能な表面範囲増強物質でメッキされていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかひとつに記載の細胞検定を実施するための装置。
- 少なくともひとつの細胞が、前記細胞閉じ込め用空洞に閉じ込められていることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかひとつに記載の細胞検定を実施するための装置。
- 前記細胞閉じ込め用空洞は、実質的に均一な電場の前記領域に関して、前記細胞または各細胞が所定の配向を取るよう助長するように成形されていることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかひとつに記載の細胞検定を実施するための装置。
- 複数の検定部位を有することを特徴とする請求項1乃至16のいずれかひとつに記載の細胞検定を実施するための装置。
- 前記検定部位は、ひとつ以上のセンサー電極を備えることを特徴とする請求項1乃至17のいずれかひとつに記載の細胞検定を実施するための装置。
- ひとつ以上の細胞に検定を実施することを特徴とする請求項1乃至18のいずれかひとつに記載の細胞検定を実施するための装置の使用。
- 電場がひとつ以上の細胞を刺激するための、請求項1乃至18のいずれかひとつに記載された細胞検定を実施するための装置の使用。
- ひとつ以上の細胞を多孔化するための、請求項1乃至18のいずれかひとつに記載された細胞検定を実施するための装置の使用。
- 複数の細胞を電気融合するための、請求項1乃至18のいずれかひとつに記載された細胞検定を実施するための装置の使用。
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