JP2005516932A - 肺炎連鎖球菌ワクチン - Google Patents
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Abstract
本発明は、多血清型肺炎連鎖球菌コンジュゲートワクチンの最適な製剤を提供する。
Description
本発明は、改善された肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumonia)ワクチンに関する。
2歳未満の乳幼児は、ほとんどの多糖類ワクチンに対して免疫応答を示さないため、タンパク質キャリアに化学的にコンジュゲートすることによって多糖類に免疫原性を付与することが必要であった。T独立性抗原である多糖類を、T依存性抗原であるタンパク質に結合させることで、イソ型の切替え、親和性の成熟(maturation)、及び記憶誘導等のT依存性の性質が多糖類に付与される。
しかしながら、多糖−タンパク質コンジュゲートの反復投与、または多糖−タンパク質コンジュゲートを組み合わせて多価ワクチンを形成することに関しては課題がある。例えば、破傷風トキソイド(TT)をタンパク質キャリアとして用いたインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)のb型多糖類(PRP)ワクチンを、標準的な乳幼児の免疫スケジュールに従って(遊離の)TT及び肺炎球菌多糖類−TTコンジュゲートワクチンと同時に免疫して投与量を変化させて(in a dosage-range)試験したことが報告されている。肺炎球菌ワクチンの量を増加させるにつれて、HibコンジュゲートワクチンのPRP多糖部分に対する免疫応答は低下し、おそらくは同じキャリアタンパク質を用いたことによる多糖の免疫干渉(interference)があることが示された(Daganら、Infect. Immun. (1998); 66: 2093-2098)。
タンパク質そのものに対する液性応答へのキャリアタンパク質投与量の影響も、多面的であることが証明されている。乳幼児において、4価の破傷風トキソイドコンジュゲートの投与量を増すと、破傷風キャリアに対する応答が低下することが報告されている(Daganら、前掲)。混合ワクチンのこれらの効果の古典的分析が、キャリア誘導性エピトープ抑制として記載されており、これは十分には理解されていないが、過剰量のキャリアタンパク質に起因すると考えられている(Fattom, Vaccine 17: 126 (1999))。これにより、キャリアタンパク質に対するB細胞、及び多糖類に対するB細胞によってTh-細胞との競合が生じるようである。キャリアタンパク質に対するB細胞が優性であれば、多糖類に対して特異的なB細胞を助けるために必要な十分なTh-細胞の提供ができなくなる。しかしながら、キャリアタンパク質の総量が時には免疫応答を上昇させ、時には免疫応答を低下させて、観察された免疫学的効果は一致していない。
従って、単一の有効なワクチン製剤に複数の多糖類コンジュゲートを組み合わせることには技術的な困難があった。かくして、複数の血清型肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumonia)多糖コンジュゲートワクチンの改善された製剤の開発が本発明の目的である。
一態様において、本発明は、2種以上のキャリアタンパク質にコンジュゲートした種々の肺炎連鎖球菌血清型由来の11種以上の多糖類を含有する、改善された肺炎連鎖球菌ワクチンであって、血清型6B、19F及び23F由来の多糖類が第1のキャリアタンパク質にコンジュゲートし、残りの血清型が1種または2種の第2のキャリアタンパク質にコンジュゲートしており、該第2のキャリアタンパク質が該第1のキャリアタンパク質と異なるものである、上記ワクチンである。好ましくは、血清型6B及び23Fが第1のキャリアタンパク質にコンジュゲートしており、より好ましくは血清型6Bのみが第1のキャリアタンパク質にコンジュゲートしている。好ましい実施形態において、第2のキャリアタンパク質の一つはインフルエンザ菌のタンパク質Dである。本発明は更に、好ましくはPhtXファミリー、CbpXファミリー、Cbp切断型ファミリー及びPly由来の肺炎連鎖球菌表面タンパク質を含有する。
関連する態様において、本発明は、本発明の多糖類コンジュゲートワクチンを投与することによって肺炎連鎖球菌に対する乳幼児の防御免疫応答を引き出す改善された方法である。
別の関連する態様において、本発明は、本発明の多糖類コンジュゲートワクチン及び肺炎連鎖球菌表面タンパク質を投与することによって防御免疫応答を引き出す、すなわち、高齢者における肺炎球菌感染(例えば肺炎)及び/または乳幼児における感染(例えば中耳炎)の予防または回復のための、改善された方法である。
本発明は、種々の、または互いの(alternate)キャリアタンパク質にコンジュゲートした種々の多糖類の賢明な選択による、複数の血清型の肺炎連鎖球菌多糖類コンジュゲートワクチンの最適な製剤を提供する。本発明は、一血清型の多糖類コンジュゲートが、他の(血清型)多糖類コンジュゲートで観察される免疫応答に対して影響または調節し得るという事実に基づく。従って、最適な多価の多糖類コンジュゲートワクチンは、種々の免疫調節特性を有する種々の肺炎連鎖球菌多糖類を別のキャリアタンパク質上に載せることによって調製することができる。
本発明は、(i)多糖類に対する用量−応答曲線がしばしばベル形(ガウス形)であり、各多糖類(すなわち血清型または構造)に対して別個の用量において最大応答がみられる;(ii)ある種の多糖類の免疫原性はヒト及び動物モデルで年齢に応じて制御されている;(iii)肺炎連鎖球菌多糖類コンジュゲートの多価製剤への混合はしばしばワクチンの1種以上の成分の免疫原性の低下を引き起こす;(iv)しかしながら、ある種の多糖類コンジュゲートは混合した場合に免疫応答が増大する;(v)血清型6B及び23Fの多糖類、及び程度は低いが19Fの多糖類は、共通のキャリアタンパク質にコンジュゲートさせた場合に他の多糖類(すなわち他の血清型)の免疫応答を調節し得る、といういくつかの因子の組み合わせに基づく。
従って本発明は、上記全ての複合体の関係に基づき、そしてこれまでの研究と対照的に、多糖−タンパク質コンジュゲートのベル型用量−応答曲線(すなわちピークの免疫原性を示す)が、他の多糖類の量及び性質によって大きく影響を受けることを結論とする。この免疫学的効果をモジュレーションという。更に、多糖類コンジュゲートのモジュレーションは、共通のキャリアタンパク質を通じて起こることが発見された。すなわち、共通のキャリアタンパク質を有する限り、2−3種の多糖コンジュゲートが異なる多糖コンジュゲートに対する免疫応答をモジュレートし得る。かくして上記のように、本発明は、慎重な多糖類の選択に基づいて、どの多糖類を同じキャリアタンパク質または異なるキャリアタンパク質にコンジュゲートさせるべきかを決定する。
以下により詳細に示すように、(a)ある種の肺炎連鎖球菌多糖類(PS)は、コンジュゲートとした場合に、年齢に応じて強力に調節されており、特に血清型6B、14、19F及び23Fである。血清型8、12及び18Cは年齢による調節は弱い。血清型1、2、3、4、5、7F及び9Vは年齢によって調節されていない(図1参照)。
更に(b)、多糖類1、3、6B、9V及び23Fは、11価の多価製剤中で組み合わせた場合、1価の多糖類コンジュゲートと比較して、引き起こされる免疫応答の上昇を示した。対照的に、血清型14は、多価製剤において有意な低下を示した(図2参照)。
更にまた(c)、血清型6B及び23F由来の多糖類、及び程度は低いが19F由来の多糖類は、共通のキャリアタンパク質にコンジュゲートした場合には他の多糖類(すなわち他の血清型)の免疫応答を調節し得る(図3及び4参照)。
従って一実施形態において、本発明は、一つの(第1の)キャリアタンパク質とコンジュゲートした多糖6B、19F及び23Fを含み、残りの多糖類は別の(第2の)キャリアタンパク質にコンジュゲートしており、ここで第1及び第2のキャリアタンパク質は異なっている。好ましくは、多糖6B及び23Fは同じキャリアタンパク質とコンジュゲートしており、残りの多糖類は第2のキャリアタンパク質にコンジュゲートしている。より好ましくは、多糖6Bのみが第1のキャリアタンパク質にコンジュゲートし、残りの多糖類が第2のキャリアタンパク質にコンジュゲートしている。
第1のキャリアタンパク質は特定の実施形態に限定される必要はないが、DT(ジフテリアトキソイド)、TT(破傷風トキソイド)、DTcrm197(DT突然変異体)、他のDT点突然変異体(例えば位置Glu-148に関して、例えば米国特許第4,709,017号、WO93/25210号、WO95/33481号参照)、FragC(TTの断片)、Ply(ニューモリシン及びその突然変異体)、PhtA、PhtB、PhtD、PhtE(PhtA-Eについては以下でより詳細に記載する)、OmpC(N. meningitidis由来)、PorB(N. meningitidis由来)等のタンパク質またはその断片が挙げられる。好ましくは、DT、TT、またはcrm197である。より好ましくはDTである。
第2のキャリアタンパク質も、PD(インフルエンザ菌のタンパク質D−例えばEP 0 594 610B参照)、DT、TT、DTcrm197、FragC、Ply、PhtA、PhtB、PhtD、PhtE、OmpC、PorB等からなる群から選択されるであろう。2種の異なる第2のキャリアタンパク質を使用することができるが、本発明において、好ましくは1種の第2のキャリアタンパク質を使用すべきであることが意図される。
肺炎連鎖球菌多糖類の数は、11種の異なる血清型(若しくは「V」価)から23種の異なる血清型(23V)までにわたる。好ましくは、11、13または16種の異なる血清型である。本発明の別の実施形態において、ワクチンはコンジュゲートした肺炎連鎖球菌多糖類及びコンジュゲートしていない肺炎連鎖球菌多糖類を含有し得る。好ましくは、多糖類血清型の総数は23以下である。例えば、本発明は11種のコンジュゲートした血清型及び12種のコンジュゲートしていない多糖類を含み得る。同様に、ワクチンは13種または16種のコンジュゲートした多糖類及び10種または7種のコンジュゲートしていない多糖類をそれぞれ含み得る。
好ましくは、本発明の多価肺炎球菌ワクチンは以下の血清型:1、2、3、4、5、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15B、17F、18C、19A、19F、20、22F、23F及び33Fから選択されるが、ワクチンを投与されるレシピエントの年齢やワクチンを投与する地理的位置に応じて1種または2種の他の血清型を代わりに用いることができることは認識される。例えば、11価のワクチンは血清型1、3、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19F及び23Fから構成され得る。13価の小児科用(乳幼児用)ワクチンは血清型6A及び19Aをも含むことができ、13価の高齢者用ワクチンは血清型8及び12Fを含むことができる。
好ましくは、本発明の肺炎球菌多糖類は、最終的に100-500kDの範囲まで解重合する(大きさを合わせる)。従って本発明のもう一つの特徴は、キャリアタンパク質の多糖類に対する比率である。コンジュゲートした多糖類においては、キャリアタンパク質の多糖類に対する比率(P/PS)は、少なくとも7種の血清型について0.5(w/w)より大きいであろう(すなわち>0.5で1.7以下)。好ましくは、比率は□0.70〜1.5である(例えば少なくとも血清型6B、19F、23Fに関して)。より好ましくは、比率は0.8〜1.5である(例えば少なくとも血清型6B、19F、23Fに関して)。更に最も好ましくは、P/PSの比率は、本発明の1種以上の血清型(例えば4)について少なくとも1に近似する(例えば0.9-1.1)。
本発明に関連する特徴は、非コンジュゲート(遊離)キャリアタンパク質のレベルがキャリアタンパク質総量の10%未満であり、非コンジュゲート多糖類のレベルが、いずれの血清型についても多糖類総量の10%未満であることである。
多糖類は、既知の方法(例えば、Likhiteの米国特許第4,372,945号、Armorらの米国特許第4,474,757号、及びJenningsらの米国特許第4,356,170号)のいずれによってキャリアタンパク質に結合させても良い。好ましくは、CDAPコンジュゲーション化学を実施する(WO95/08348参照)。
CDAPにおいては、シアニル化(cyanylating)試薬1-シアノ-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸塩(CDAP)が、多糖−タンパク質コンジュゲートの合成に好ましく使用される。シアニル化反応は、アルカリに敏感な多糖類の加水分解を避けられる比較的穏やかな条件下で実施し得る。この合成により、キャリアタンパク質に直接カップリングさせることができる。
多糖は水または生理食塩水溶液に溶解させる。CDAPはアセトニトリルに溶解させ、速やかに多糖溶液に添加する。CDAPは多糖のヒドロキシル基と反応してシアネートエステルを形成する。活性化段階の後、キャリアタンパク質を添加する。リシンのアミノ基が活性化した多糖と反応してイソウレア(isourea)共有結合を形成する。カップリング反応の後、大過剰量のグリシンを添加して残った活性化官能基をなくす。次いで生成物をゲル透過カラムを通過させて、未反応のキャリアタンパク質及び残った試薬を除去する。
別の実施形態において、肺炎連鎖球菌コンジュゲートを他の多糖類、例えばN. meningitidis A、C、W、Y型、インフルエンザ菌B型、S. aureus、S. epidermidis、B群肺炎球菌、A群肺炎球菌等と組み合わせても良い。好ましくは、それはN. meningitidis(A型及び/若しくはC型が最も好ましい)及び/またはインフルエンザ菌B型である。あるいはまた、本発明の肺炎連鎖球菌コンジュゲートは、ウイルス抗原、例えば不活化ポリオウイルス(IPV)、インフルエンザ(不活化、分割型(split)、サブユニット(例えばF、G抗原))等と組み合わせても良い。別の選択肢として、肺炎連鎖球菌コンジュゲートは、DTPa(ジフテリア、破傷風、無細胞百日咳)ワクチン及びDTPa混合ワクチン(DTPa+/-B型肝炎+/-IPV+/-B型インフルエンザ菌)と同時に投与しても良い。好ましいDTPaワクチンは25Lf以下のジフテリアトキソイドを有する。これらの更なる抗原は液体状であっても凍結乾燥した形態であっても良い。
更に別の実施形態において、本発明は、安全かつ有効な量の本発明のワクチンを投与することによって乳幼児(0−2歳)における(防御)免疫応答を引き出す改善された方法である。本発明の更なる実施形態は、医療において使用するための本発明の抗原性肺炎連鎖球菌コンジュゲート組成物の提供、及び肺炎球菌疾患の予防(または治療)のための医薬の製造における、本発明の肺炎連鎖球菌コンジュゲートの使用を含む。
本発明は更に、本発明の肺炎連鎖球菌コンジュゲート組成物への肺炎球菌タンパク質の添加に基づく、乳幼児における肺炎球菌感染(例えば中耳炎)の予防または軽減のための改善されたワクチンを提供する。好ましくは、肺炎球菌タンパク質はPhtXファミリー(下記参照)由来であり、これに更なるタンパク質を添加しても良い。こうした更なる肺炎球菌タンパク質は、選択された肺炎連鎖球菌表面タンパク質が第1及び第2のキャリアタンパク質と異なるという条件で、CbpX、CbpX切断型及びPly(下記参照)を含むことができる。1種以上のMoraxella catarrhalisタンパク質抗原も混合ワクチンに含めることができる。従って、本発明は、乳幼児における中耳炎に対する(防御)免疫応答を引き出す改善された方法である。
更に別の実施形態において、本発明は、安全かつ有効な量の本発明のワクチンを、好ましくは1種、2種、または場合によって3種の肺炎連鎖球菌表面タンパク質と組み合わせて(選択された肺炎連鎖球菌表面タンパク質が第1及び第2のキャリアタンパク質と異なるという条件で、)投与することによって高齢者集団(本発明の文脈において、患者の年齢が50歳以上、典型的には55歳以上、より一般的には60歳以上であれば高齢者と考える)における(防御)免疫応答を引き出す改善された方法である。好ましくは、肺炎球菌タンパク質はPhtXファミリー(下記参照)由来であり、これにPly及び場合によってCbpXまたはCbpX切断型(下記参照)を添加しても良い。
本発明の肺炎連鎖球菌タンパク質は、肺炎球菌のライフサイクルの少なくとも一部の間、表面に露出しているか、または肺炎球菌によって分泌若しくは放出されるタンパク質である。好ましくは、本発明のタンパク質は以下のカテゴリー、例えばII型シグナル配列モチーフLXXC(Xは任意のアミノ酸)を有するタンパク質(例えばポリヒスチジントライアドファミリー(PhtX))、コリン結合タンパク質(CbpX)、I型シグナル配列モチーフを有するタンパク質(例えばSp101)、LPXTGモチーフを有するタンパク質(Xは任意のアミノ酸、例えばSp128、Sp130)、及び毒素(例えばPly)から選択される。これらのカテゴリー(またはモチーフ)内の好ましい例は、以下のタンパク質、またはその免疫学的機能等価物である。
好ましくは、本発明の免疫原性組成物は、ポリヒスチジントライアドファミリー(PhtX)、コリン結合タンパク質ファミリー(CbpX)、CbpX切断型、LytXファミリー、LytX切断型、CbpX切断型−LytX切断型キメラタンパク質(または融合物)、ニューモリシン(Ply)、PspA、PsaA、Sp128、Sp101、Sp130、Sp125及びSp133からなる群から選択される1種以上のタンパク質を含む。しかしながら、CbpXがPspCであれば、第2のタンパク質はPspAまたはPsaAではない。より好ましくは、免疫原性組成物は、ポリヒスチジントライアドファミリー(PhtX)、コリン結合タンパク質ファミリー(CbpX)、CbpX切断型、LytXファミリー、LytX切断型、CbpX切断型−LytX切断型キメラタンパク質(または融合物)、ニューモリシン(Ply)、PspA、PsaA、及びSp128からなる群から選択される2種以上のタンパク質を含む。更に好ましくは、免疫原性組成物は、ポリヒスチジントライアドファミリー(PhtX)、コリン結合タンパク質ファミリー(CbpX)、CbpX切断型、及びニューモリシン(Ply)からなる群から選択される2種以上のタンパク質を含む。
Pht(ポリヒスチジントライアド)ファミリーは、タンパク質PhtA、PhtB、PhtD、及びPhtEを含む。このファミリーは、脂質化(lipidation)配列、プロリンに富む領域によって分離された2つのドメイン及び、金属もしくはヌクレオシド結合または酵素活性におそらく関与するいくつかのヒスチジントライアド、(3-5)二重コイル(coiled-coil)領域、保存されたN−末端及び不均質なC末端によって特徴付けられる。このタンパク質は調べた全ての肺炎球菌株に存在する。相同なタンパク質は他の肺炎球菌及びナイセリアでも見出された。このファミリーの好ましいメンバーには、PhtA、PhtB及びPhtDが含まれる。より好ましくは、PhtAまたはPhtDを含む。最も好ましくはPhtDを含む。しかしながら、PhtA、B、D、及びEという用語は、下記の引用例に開示された配列を有するタンパク質、並びに参照されたタンパク質に少なくとも90%同一の配列相同性を有する天然の(及び人工の)その変異体をいうことは理解されよう。好ましくは、少なくとも95%同一、最も好ましくは97%同一である。
PhtXタンパク質に関して、PhtAはWO98/18930に開示され、Sp36とも呼ばれる。上記のように、これはポリヒスチジントライアド(triad)ファミリー由来のタンパク質であり、LXXCのII型シグナルモチーフを有する。PhtDはWO00/37105に開示され、Sp036Dとも呼ばれる。上記のように、これもポリヒスチジントライアドファミリー由来のタンパク質であり、II型LXXCシグナルモチーフを有する。PhtBはWO00/37105に開示され、Sp036Bとも呼ばれる。PhtBファミリーの別のメンバーは、WO00/17370に開示されたようなC3-分解ポリペプチドである。このタンパク質もまたポリヒスチジントライアドファミリー由来であり、II型LXXCシグナルモチーフを有する。免疫学的に機能性の好ましい等価物は、WO98/18930に開示されたタンパク質Sp42である。PhtB切断型(およそ79kD)はWO99/15675に開示されており、これもPhtXファミリーのメンバーと考えられる。PhtEはWO00/30299に開示されており、BVH-3と呼ばれている。
コリン結合タンパク質ファミリー(CbpX)に関しては、このファミリーのメンバーは本来、コリンアフィニティークロマトグラフィーによって精製することができる肺炎球菌タンパク質として同定された。コリン結合タンパク質は全て、細胞壁テイコ酸及び膜結合リポテイコ酸のホスホリルコリン部分に非共有的に結合している。構造的には、これらはファミリー全体にわたって共通の領域をいくつか有しているが、タンパク質の正確な性質(アミノ酸配列、長さ等)は変動し得る。一般に、コリン結合タンパク質は、N末端領域(N)、保存された反復領域(R1及び/またはR2)、プロリンに富む領域(P)、及び、複数の反復からなり、タンパク質のほぼ半分にもなる保存されたコリン結合領域(C)を含む。本明細書で使用する場合、用語「コリン結合タンパク質ファミリー(CbpX)」は、WO97/41151で同定されたコリン結合タンパク質、PbcA、SpsA、PspC、CbpA、CbpD、及びCbpGからなる群から選択される。CbpD及びCbpGはWO00/29434に開示されている。PspCはWO97/09994に開示されている。PbcAはWO98/21337に開示されている。SpsAはWO98/39450に開示されたコリン結合タンパク質である。好ましくは、コリン結合タンパク質はCbpA、PbcA、SpsA及びPspCからなる群から選択される。
別の好ましい実施形態はCbpX切断型であり、ここで「CbpX」は上記で定義したものであり、「切断型」は、コリン結合領域(C)の50%以上を欠くCbpXタンパク質をいう。好ましくは、こうしたタンパク質はコリン結合領域全体を欠いたものである。より好ましくは、こうしたタンパク質切断型は(i)コリン結合領域を欠き、かつ(ii)プロリンに富む領域及び少なくとも1個の反復領域(R1またはR2)を保持している。更に好ましくは、切断型は2個の反復領域(R1及びR2)を有する。こうした好ましい実施形態の例は、WO99/51266またはWO99/51188に記載されたようなNR1xR2、NR1xR2P、R1xR2P及びR1xR2であるが、同様のコリン結合領域を欠いた他のコリン結合タンパク質も本発明の範囲内であることが企図される。
LytXファミリーは、細胞溶解に関連する膜結合タンパク質である。N−末端ドメインはコリン結合ドメインを含むが、LytXファミリーは上記のCbpAファミリーに見られる特徴の全ては有さず、従って、本発明においてはLytXファミリーはCbpXファミリーと別個のものと考える。CbpXファミリーとは対照的に、C−末端ドメインがLytXタンパク質ファミリーの触媒ドメインを含む。このファミリーはLytA、B及びCを含む。LytXファミリーに関しては、LytAがRondaら、Eur J Biochem, 164:621-624(1987)に開示されている。LytBはWO98/18930に開示されており、Sp46とも呼ばれている。LytCもWO98/18930に開示されており、Sp91とも呼ばれている。このファミリーの好ましいメンバーはLytCである。
別の好ましい実施形態はLytX切断型であり、ここで「LytX」は上記で定義したものであり、「切断型」はコリン結合領域の50%以上を欠いたLytXタンパク質をいう。好ましくは、こうしたタンパク質はコリン結合領域全体を欠いたものである。本発明の更に別の好ましい実施形態は、CbpX切断型−LytX切断型キメラタンパク質(または融合物)である。好ましくは、これにはCbpXのNR1xR2(またはR1xR2)及びLytXのC−末端部分(Cterm、すなわちコリン結合ドメインを欠いたもの)(例えばLytCCtermまたはSp91Cterm)が含まれる。より好ましくは、CbpXは、CbpA、PbcA、SpsA及びPspCからなる群から選択される。更に好ましくは、CbpAである。好ましくは、LytXはLytC(Sp91とも呼ばれる)である。本発明の別の実施形態は、コリン結合ドメイン(C)を欠くPspAまたはPsaA切断型であり、LytXとの融合タンパク質として発現する。好ましくはLytXはLytCである。
ニューモリシンは、明確な細胞溶解(溶血)活性及び補体活性化活性を有する多機能毒素である(Rubinsら、Am. Respi. Cit Care Med, 153:1339-1346 (1996))。毒素は肺炎球菌によって分泌されないが、自己溶解素(autolysin)の影響下で肺炎球菌の溶解時に放出される。その効果としては、例えばヒト単球による炎症性サイトカイン産生の刺激、ヒト気道上皮上の繊毛の動き(beating)の阻害、及び好中球の殺菌活性及び移動の低下が挙げられる。ニューモリシンの最も明らかな効果は、コレステロールの結合に関連する赤血球の溶解である。毒素であるため、in vivoで投与できるようにする前に解毒される(すなわち、保護に好適な投与量で提供したときにヒトに対して非毒性である)必要がある。野生型または天然のニューモリシンの発現及びクローニングは当分野で公知である。例えば、Walkerら(Infect Immun, 55:1184-1189(1987))、Mitchellら(Biochim Biophys Acta, 100:67-72(1989))、及びMitchellら(NAR, 18:4010(1990))を参照のこと。plyの解毒は、化学的な手段、例えばGMBSへの適用、またはホルマリン若しくはグルタルアルデヒド(glutarahdehye)処理または双方の組み合わせによって行うことができる。こうした方法は、種々の毒素について当分野で周知である。あるいはまた、plyは遺伝子的に解毒することができる。従って、本発明は、例えば突然変異したタンパク質であっても良い、肺炎球菌タンパク質の誘導体を包含する。本明細書で使用する用語「突然変異した」は、部位特異的突然変異のための周知の技術、または任意の他の伝統的な方法を用いて1以上のアミノ酸の欠失、付加若しくは置換がされた分子を意味する。例えば、上記のように、突然変異型plyタンパク質は、その免疫原性エピトープを維持しながら生物学的に不活性であるように改変されていても良い。例えば、WO90/06951、Berryら(Infect Immun, 67:981-985(1999))及びWO99/03884を参照のこと。本明細書で使用する場合、用語「Ply」は医療用途に好適な(すなわち非毒性の)突然変異した、または解毒されたニューモリシンをいうことが理解されるであろう。
PsaA及びPspAに関しては、いずれも当分野で公知である。例えば、PsaA及びそのトランスメンブレン欠失変異体はBerry及びPaton, Infect Immun 1996 Dec; 64(12):5255-62に記載されている。PspA及びそのトランスメンブレン欠失変異体は、例えばUS 5804193、WO92/14488、及びWO99/53940に開示されている。
Sp128及びSp130はWO00/76540に開示されている。Sp125はLPXTG(Xは任意のアミノ酸)細胞壁アンカーモチーフを有する肺炎球菌表面タンパク質の一例である。このモチーフを有するこのクラスの肺炎球菌表面タンパク質のタンパク質はいずれも、本発明の範囲内で有用であることが見出され、従って本発明の更なるタンパク質と考えられる。Sp125自体はWO98/18930に開示され、ZmpB−亜鉛メタロプロテイナーゼとしても知られている。Sp101はWO98/06734(ここでは参照番号y85993を有する)に開示されている。これはI型シグナル配列によって特徴付けられる。Sp133はWO98/06734(ここでは参照番号y85992を有する)に開示されている。これもまた、I型シグナル配列によって特徴付けられる。
(特に中耳炎の予防のための)混合ワクチンに含むことができる好ましいMoraxella catarrhalisタンパク質抗原の例は、OMP106[WO97/41731(Antex)及びWO96/34960(PMC)]、OMP21、LbpA及び/またはLbpB[WO98/55606(PMC)]、TbpA及び/またはTbpB[WO97/13785及びWO97/32980(PMC)]、CopB[Helminen MEら、(1993) Infect. Immun. 61:2003-2010]、UspA1及び/またはUspA2[WO93/03761(テキサス大学)]、OmpCD、HasR(PCT/EP99/03824)、PilQ(PCT/EP99/03823)、OMP85(PCT/EP00/01468)、lipo06(GB 9917977.2)、lipo10(GB 9918208.1)、lipo11(GB 9918302.2)、lipo18(GB 9918038.2)、P6(PCT/EP99/03038)、D15(PCT/EP99/03822)、Omp1A1(PCT/EP99/06781)、Hly3(PCT/EP99/03257)、及びOmpEである。(特に中耳炎の予防のための)混合ワクチンに含むことができる、型に分類できないHaemophilus influenzae抗原の例としては、Fimbrinタンパク質[US 576608、Ohio State Research Foundation]及びこれ由来のペプチドを含有する融合物[例えばLB1(f)ペプチド融合物、US 5843464(OSU)またはWO99/64067]、OMP26[WO97/01638(Cortecs)]、P6[EP 281673(ニューヨーク州立大学)]、TbpA及び/またはTbpB、Hia、Hsf、Hin47、Hif、Hmw1、Hmw2、Hmw3、Hmw4、Hap、D15(WO94/12641)、P2、及びP5(WO94/26304)が挙げられる。
上記したように、本発明のタンパク質はまた、有利に組み合わせることもできる。好ましい組み合わせとしては、限定するものではないが、PhtD+NR1xR2、PhtD+NR1xR2P、PhtD+NR1xR2-Sp91Ctermキメラまたは融合タンパク質、PhtD+Ply、PhtD+Sp128、PhtD+PsaA、PhtD+PspA、PhtA+NR1xR2、PhtA+NR1xR2P、PhtA+NR1xR2-Sp91Ctermキメラまたは融合タンパク質、PhtA+Ply、PhtA+Sp128、PhtA+PsaA、PhtA+PspA、NR1xR2+LytC、NR1xR2P+PspA、NR1xR2+PspA、NR1xR2P+PsaA、NR1xR2+PsaA、NR1xR2+Sp128、R1xR2+LytC、R1xR2+PspA、R1xR2+PsaA、R1xR2+Sp128、R1xR2+PhtD、R1xR2+PhtAが挙げられる。好ましくは、NR1xR2+/-P(またはR1xR2+/-P)はCbpAまたはPspC由来である。より好ましくはCbpA由来である。他の組み合わせとしては、PhtD+NR1xR2P+Ply、PhtD+NR1xR2+Ply、PhtA+NR1xR2+Ply及びPhtA+NR1xR2P+Ply等の3種のタンパク質の組み合わせが挙げられる。
本発明のワクチンは、好ましくはアジュバントを含む。好適なアジュバントとして、水酸化アルミニウムゲル(alum)またはリン酸アルミニウム等のアルミニウム塩が挙げられるが、カルシウム、マグネシウム、鉄若しくは亜鉛の塩であっても良く、あるいはアシル化チロシン、若しくはアシル化糖、多糖類のカチオン化若しくはアニオン化誘導体、あるいはポリホスファゼン類の不溶性懸濁液であっても良い。アルミニウム塩をアジュバントとする場合、アルミニウム塩の多糖類に対する比率は10:1(w/w)未満である。好ましくは8:1未満であり、より好ましくは2:1より大きい。
アジュバントは、TH1型の応答の優先的誘導剤であるものを選択することが好ましい。こうした高レベルのTh1-型のサイトカインは所定の抗原に対する細胞仲介型免疫応答の誘導を起こす傾向があるのに対し、高レベルのTh2-型サイトカインは抗原に対して液性免疫応答の誘導を起こす傾向がある。
Th1及びTh2-型の免疫応答の区別は絶対的なものでないことを覚えておくことが重要である。実際には、ある個人は主としてTh1であるとか主としてTh2であると記載される免疫応答をするであろう。しかしながら、Mosmann及びCoffmanによってマウスCD4陽性T細胞クローンで記載された意味でサイトカインのファミリーを考えることが便宜であることが多い(Mosmann, T.R.及びCoffman, R.L. (1989)「TH1及びTH2細胞:リンホカイン分泌の異なるパターンは異なる機能特性につながる。」Annual Review of Immunology, 7, p145-173)。伝統的に、Th1-型応答はT-リンパ球のINF-γ及びIL-2サイトカインの産生と関連する。他のサイトカイン、例えばIL-12はしばしばT細胞によって産生されないTh1-型の免疫応答の誘導と直接関連する。対照的に、Th2-型の応答は、IL-4、IL-5、IL-6、IL-10の分泌と関連する。主としてTh1応答を促進する好適なアジュバント系として、モノホスホリルリピドAまたはその誘導体、特に3-de-O-アシル化モノホスホリルリピドA(3D-MPL)(その調製についてはGB 2220211 A参照)、及びモノホスホリルリピドA、好ましくは3-de-O-アシル化モノホスホリルリピドAと、アルミニウム塩(例えばリン酸アルミニウム若しくは水酸化アルミニウム)または水中油型エマルジョンとの組み合わせが挙げられる。このような組み合わせにおいて、抗原及び3D-MPLが同じ粒子構造中に含まれると、抗原性及び免疫刺激性シグナルのより効果的な送達が可能となる。研究の結果、3D-MPLはalumに吸着した抗原の免疫原性を更に増大させることができることが示された(Thoelenら、Vaccine (1998) 16:708-14; EP 689454-B1)。
増大したシステムは、モノホスホリルリピドA及びサポニン誘導体の組み合わせ、好ましくはWO94/00153に開示されたQS21及び3D-MPLの組み合わせ、あるいはWO96/33739に開示されたようなQS21がコレステロールで費消されるより反応性の低い(less reactogenic)組成物が関係する。水中油型エマルジョン中にQS21、3D-MPL及びトコフェロールが存在する特に強力なアジュバント製剤はWO95/17210に記載されており、これは好ましい製剤である。好ましくは、ワクチンは更にサポニン、より好ましくはQS21を含有する。製剤はまた、水中油型エマルジョン及びトコフェロールを含有し得る(WO95/17210)。本発明はまた、本発明のタンパク質を薬学的に許容し得る賦形剤、例えば3D-MPLと共に混合することを含む、ワクチン製剤の製造方法を提供する。オリゴヌクレオチドを含むメチル化されていないCpG(WO96/02555)もまたTH1応答の優先的誘導剤であり、本発明における使用に好適である。
本発明のワクチン製剤は、全身投与または粘膜経路を介してワクチンを投与することによって、感染に対して罹患しやすい哺乳動物を保護または治療するために使用することができる。投与法としては、筋肉内、腹腔内、皮内または皮下経路を介した注射、または経口/栄養接種器官(alimentary)、呼吸器系、尿生殖路への粘膜を介した投与が挙げられる。肺炎または中耳炎の治療のためにワクチンを鼻内投与することが好ましい(肺炎球菌の鼻咽頭内運搬がより効果的に妨げられるため、最も初期の段階で感染を減らすことができる)。本発明のワクチンは単回投与で投与することができるが、その成分は、同時または異なる時に共投与することもできる(例えば、互いの免疫応答を最適に協調させるために、肺炎球菌多糖類を、ワクチンの細菌タンパク質成分の投与と同時に、またはその1−2週間後に別個に投与することができる)。共投与の場合、いずれかまたは全ての異なる投与中に最適なTh1アジュバントが存在して良いが、ワクチンの細菌タンパク質成分と組み合わせて存在する場合が好ましい。単一の投与経路に加えて、2種の異なる投与経路を使用し得る。例えば、多糖類はIM(またはID)で投与し、細菌タンパク質はIN(またはID)で投与することができる。更に、本発明のワクチンは、プライミング投与量をIMで投与し、ブースター投与量をIMまたはIN(アルミニウムなし)で投与することができる。
各々のワクチン投与量中のコンジュゲート抗原の量は、典型的なワクチンにおける顕著な副作用なしに免疫防御応答を誘導する量として選択される。こうした量は、どの特定の免疫原を使用するか、及びどのようにそれを提示するかに依存して変化する。一般に、各投与量は0.1-100μgの多糖類、多糖類コンジュゲートについては0.1-50μgの多糖類、好ましくは1-10μgを含むことが期待され、そのうち1-5μgが好ましい範囲であり、2-5μgがより好ましい範囲である。しかしながら、血清型6Bについては好ましい投与量は3-10μgの多糖、より好ましくは5-10μgの多糖コンジュゲートを含有するものである。
ワクチン中のタンパク質抗原の含量は、典型的には1-100μgの範囲であり、好ましくは5-50μg、最も典型的には5-25μgの範囲である。最初のワクチン接種の後、被験体は適当な間隔をおいて1回または数回のブースター免疫接種を受けても良い。
ワクチン調製物は、「ワクチンデザイン」(「サブユニット及びアジュバントのアプローチ(The subunit and adjuvant approach)」(Powell M.F. & Newman M.J.編)(1995) Plenum Press New York)に概説されている。リポソーム内へのカプセル化はFullertonの米国特許第4,235,877号に記載されている。
本発明のワクチンは、溶液中で、または凍結乾燥して保存し得る。液体としては、本発明のワクチンは、典型的には0.5ml溶液/投与で保存する。溶液を凍結乾燥する場合には、スクロース、ラクトースまたはトレハロース等の糖の存在下で行うのが好ましい。更に好ましくは、凍結乾燥し、使用前にその場で再構成する。肺炎球菌多糖類の凍結乾燥によってより安定な組成物(ワクチン)が得られ、3D-MPLの存在下でアルミニウムベースのアジュバント不在下における抗体力価がおそらくはより高くなり得る。
本発明のワクチンはいかなる経路で投与しても良いが、皮膚内への記載のワクチンの投与(ID)は本発明の一実施形態を形成する。ヒトの皮膚は、角質層と呼ばれる外側の「角のある」外皮を有し、これが表皮を覆っている。この表皮の下が真皮と呼ばれる層であり、これが皮下組織を覆っている。研究者により、皮膚、特に真皮内へのワクチン注射は免疫応答を刺激し、これが更に多くの他の利点とも関係し得ることが示された。本明細書に記載のワクチンによる皮内ワクチン接種は、本発明の好ましい特徴を形成する。
皮内注射の伝統的な技術である「マントゥー法」は、皮膚を清浄し、次いで一方の手で伸ばす段階を含み、そして狭いゲージの針(26-31ゲージ)の斜端を上方に向けて針を10-15°の角度で挿入する。針の斜端が挿入されると、針の本体(barrel)を下げ、皮膚の下でそれを上げるわずかな圧をかけながら更に侵入させる。次いで非常にゆっくりと液を注入し、それによって皮膚表面上にあばた(bleb)または隆起(bump)を形成し、その後ゆっくりと針を引き抜く。
より最近になって、皮膚中へ、または皮膚を通して液剤を投与するために特に設計されたデバイスが記載され、例えばWO 99/34850号及びEP 1092444号に記載されたデバイスがある。また、ジェットインジェクションデバイスは、例えばWO 01/13977号、米国特許第5,480,381号、米国特許第5,599,302号、米国特許第5,334,144号、米国特許第5,993,412号、米国特許第5,649,912号、米国特許第5,569,189号、米国特許第5,704,911号、米国特許第5,383,851号、米国特許第5,893,397号、米国特許第5,466,220号、米国特許第5,339,163号、米国特許第5,312,335号、米国特許第5,503,627号、米国特許第5,064,413号、米国特許第5,520,639号、米国特許第4,596,556号、米国特許第4,790,824号、米国特許第4,941,880号、米国特許第4,940,460号、WO 97/37705号及びWO 97/13537号に記載されている。ワクチン製剤の皮内投与の更に別の方法としては、伝統的な注射器と針、固形ワクチンの弾道送達のために設計されたデバイス(WO 99/27961号)、経皮パッチ(WO 97/48440号; WO 98/28037号)、または皮膚表面への適用(経皮(transdermal)若しくは経皮(transcutaneous)送達、WO 98/20734号; WO 98/28037号)を挙げることができる。
本発明のワクチンを皮膚に、より特定すれば真皮中に投与すべき場合には、ワクチンは少ない液量であり、特に約0.05mlから0.2mlの間の量である。
本発明の皮膚または皮内ワクチンにおける抗原の量は、筋肉内ワクチン(上記参照)で見られるような伝統的な投与量と同様であっても良い。しかしながら、皮膚または皮内ワクチンの特徴は、製剤が「低用量」であり得ることである。従って「低用量」ワクチン中のタンパク質抗原は、好ましくは一投与当たり0.1から10μg程度、好ましくは0.1から5μg程度の量で存在する。そして多糖(好ましくはコンジュゲート)抗原は、一投与当たり0.01-1μgの範囲、好ましくは0.01から0.5μgの多糖で存在し得る。
本明細書において使用する用語「皮内送達」とは、皮膚の真皮領域へのワクチンの送達を意味する。しかしながら、ワクチンは必ずしも真皮内にのみ位置するものではない。真皮はヒトの皮膚において表面から約1.0から約2.0mmの間に位置する皮膚の層であるが、個体によって、また体の場所によってある程度の変動がある。一般に、皮膚表面から1.5mmの深さに入れば真皮に到達すると予測できる。真皮は、表の側の角質層と表皮、及び下側の皮下層の間に位置している。送達の方法に応じて、ワクチンは最終的に真皮内にのみ、または主として真皮内に位置するか、あるいは最終的に表皮及び真皮内に分布し得る。
本発明のより良い理解のために、以下の実施例を示す。これらの実施例は単に説明のためのものであって、いかなる意味においても本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
免疫応答が年齢によって調節される多糖類の決定
免疫前及び多糖類(非コンジュゲート)での免疫後(2週間から3ヶ月)のヒト抗体を内部または外部から回収した。図1は、多糖類の免疫後の抗体力価の幾何学的平均上昇倍率(GFI)によって測定した各血清型多糖類の免疫原性と、試験した被験者の平均年齢との関係を示す。幾何学平均上昇倍率の対数と年齢との線状の相関性から、免疫応答が年齢によって制御されているか否かについての示唆が得られる。図1に示すように、血清型6、14、19及び23は年齢と有意に相関している(p<0.001)が、血清型8、12及び18は年齢との相関の有意性が低い(0.05<p<0.2)。更に、血清型1、2、3、4、5、7及び9は年齢との相関が有意ではない(p>または=0.20)。
免疫前及び多糖類(非コンジュゲート)での免疫後(2週間から3ヶ月)のヒト抗体を内部または外部から回収した。図1は、多糖類の免疫後の抗体力価の幾何学的平均上昇倍率(GFI)によって測定した各血清型多糖類の免疫原性と、試験した被験者の平均年齢との関係を示す。幾何学平均上昇倍率の対数と年齢との線状の相関性から、免疫応答が年齢によって制御されているか否かについての示唆が得られる。図1に示すように、血清型6、14、19及び23は年齢と有意に相関している(p<0.001)が、血清型8、12及び18は年齢との相関の有意性が低い(0.05<p<0.2)。更に、血清型1、2、3、4、5、7及び9は年齢との相関が有意ではない(p>または=0.20)。
種々の哺乳動物における抗体応答を決定する一般的方法論
1994年から1996年の間に開かれたジョイントCDC/WHOワークショップ(WHO 1996, Plikatisら J. Clin. Microbiol 38:2043 (2000))で提唱されたヒト血清のためのコンセンサスアッセイに基づくELISAによって、肺炎球菌多糖類に対するIgG抗体について血清を試験した。簡単に説明すると、ATCC(Rockville, Md, 20852)から入手した精製被膜(capsular)多糖類を、高結合マイクロタイタープレート(Nunc Maxisorp)上にリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中25μg/mlで4℃で一晩被覆した。プレートを10%ウシ胎児血清(FCS)で37℃で1時間ブロックした。血清サンプルを、20μg/mlの細胞壁多糖類(Statens Serum Institute, Copenhagen)及び10% FCSと共に室温で30分間プレインキュベートしてこの抗原に対する抗体を中和した。参照血清89SF(C. Frasch博士、USFDAのご好意による)を同様に処理して、全てのプレートに入れた。次いでサンプルを10%FCSを含有するPBSでマイクロプレート上で2倍に希釈し、攪拌しながら室温で1時間平衡化した。洗浄後、10%FCSを含有するPBSで1:4000に希釈したペルオキシダーゼ標識抗ヒトIgG Fcモノクローナル抗体(HP6043-HRP、Stratech Scientific Ltd)で、攪拌しながら室温で1時間マイクロプレートを平衡化した。Jackson ImmunoLaboratories Inc.のペルオキシダーゼコンジュゲートAffiniPureヤギ抗ラットIgG(H+L)(コード112-035-003)1:5000希釈を用いてELISAを実施し、ラットIgGを測定した。滴定曲線を、SoftMax Proのロジスティックlog比較を用いて各血清型の標準血清と比較した。ELISAプレートを被覆するために使用する多糖類濃度は6B及び23F以外の全ての血清型について10μg/mlに固定し、6B及び23Fでは20μg/mlを使用した。更に、血清型6Bについて抗血清を試験する場合には、この血清型が非特異的ELISA応答をしがちであるので、希釈剤として100%ウシ胎児血清を使用した。アカゲザルの血清の血清型3についての血清学では、被覆抗原としてmHSA comixを用いた。発色は、10mlのpH4.5 0.1Mクエン酸緩衝液当たり4mgのOPD(Sigma)を用い、14μlのH2O2と共に暗所にて室温で15分間かけて行った。反応を50μlのHClで停止させ、光学密度を650nmに対する490nmの値で読んだ。IgG濃度は、SoftMax Proソフトウェアによって算出される4-パラメーターロジスティックlogの式を用いて作成された検量曲線に対して滴定点を参照して決定した。
1994年から1996年の間に開かれたジョイントCDC/WHOワークショップ(WHO 1996, Plikatisら J. Clin. Microbiol 38:2043 (2000))で提唱されたヒト血清のためのコンセンサスアッセイに基づくELISAによって、肺炎球菌多糖類に対するIgG抗体について血清を試験した。簡単に説明すると、ATCC(Rockville, Md, 20852)から入手した精製被膜(capsular)多糖類を、高結合マイクロタイタープレート(Nunc Maxisorp)上にリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中25μg/mlで4℃で一晩被覆した。プレートを10%ウシ胎児血清(FCS)で37℃で1時間ブロックした。血清サンプルを、20μg/mlの細胞壁多糖類(Statens Serum Institute, Copenhagen)及び10% FCSと共に室温で30分間プレインキュベートしてこの抗原に対する抗体を中和した。参照血清89SF(C. Frasch博士、USFDAのご好意による)を同様に処理して、全てのプレートに入れた。次いでサンプルを10%FCSを含有するPBSでマイクロプレート上で2倍に希釈し、攪拌しながら室温で1時間平衡化した。洗浄後、10%FCSを含有するPBSで1:4000に希釈したペルオキシダーゼ標識抗ヒトIgG Fcモノクローナル抗体(HP6043-HRP、Stratech Scientific Ltd)で、攪拌しながら室温で1時間マイクロプレートを平衡化した。Jackson ImmunoLaboratories Inc.のペルオキシダーゼコンジュゲートAffiniPureヤギ抗ラットIgG(H+L)(コード112-035-003)1:5000希釈を用いてELISAを実施し、ラットIgGを測定した。滴定曲線を、SoftMax Proのロジスティックlog比較を用いて各血清型の標準血清と比較した。ELISAプレートを被覆するために使用する多糖類濃度は6B及び23F以外の全ての血清型について10μg/mlに固定し、6B及び23Fでは20μg/mlを使用した。更に、血清型6Bについて抗血清を試験する場合には、この血清型が非特異的ELISA応答をしがちであるので、希釈剤として100%ウシ胎児血清を使用した。アカゲザルの血清の血清型3についての血清学では、被覆抗原としてmHSA comixを用いた。発色は、10mlのpH4.5 0.1Mクエン酸緩衝液当たり4mgのOPD(Sigma)を用い、14μlのH2O2と共に暗所にて室温で15分間かけて行った。反応を50μlのHClで停止させ、光学密度を650nmに対する490nmの値で読んだ。IgG濃度は、SoftMax Proソフトウェアによって算出される4-パラメーターロジスティックlogの式を用いて作成された検量曲線に対して滴定点を参照して決定した。
抗体の絶対濃度をμg/mlで得るために、集めた参照抗血清を2つの独立した方法で較正した。ラットの抗血清については、Zollinger及びBoslegoの方法(1981)を11種の血清型に対して用い、4種の血清型についてはこれを免疫沈降法によって得られた値と比較した。この2つの方法間で素晴らしい一致が見られた。マウスの血清については、精製モノクローナルIgG1抗体を用い、その活性な濃度を応答の結果によって確認した(PVW 1999)。この場合、合理的な一致が見られた。アカゲザルの血清については、用いた抗IgG試薬がヒト及びアカゲザルのIgGと同等に反応することが実証された。従って、較正されたヒト参照血清89SF(US FDAから入手可能)を用いてELISAの参照とした。
肺炎球菌多糖類に対するマウス及びラットIgGを測定するためのELISAは、以下の例外を含めて類似である。別個に(Locally)製造された多糖類を、血清型6B及び23FについてはPBS中20μg/mlで、血清型14及び19FについてはPBS中10μg/mlでELISAプレートを被覆するために用いた。Jackson ImmunoLaboratories Inc.のペルオキシダーゼ-コンジュゲートaffiniPureヤギ抗-マウスIgG(H+L)及びAffiniPureヤギ抗-ラットIgG(H+L)を用いて結合したIgGを検出した。HP6043-HRPはヒト及びアカゲザルの精製IgGと等しく反応したため、この試薬をアカゲザルの抗血清について使用し、参照血清は89SFを使用した。
ヒト及びアカゲザルの血清学的研究のための参照血清は、Carl Frasch博士から御供与頂いた89SFとした。2つの異なる方法を用いた、10種の肺炎球菌血清型に対するIgG、IgA及びIgMのためのヒト参照血清89SFについて、広く受け入れられている重量に基づく濃度較正値は公表されている(Salazarら)。
タンパク質のELISAは、以下の改変を行い、多糖のELISAと同様にして行った。タンパク質をPBS中2.0μg/mlで一晩被覆した。血清サンプルを、10%ウシ胎児血清及び0.1%ポリビニルアルコールを含有するPBSで希釈した。結合したヒト抗体を、ヒトIgG Fcに対するSigmaペルオキシダーゼ-コンジュゲートヤギアフィニティー精製抗体(リファレンスA-2290)を用いて検出した。ヒト及びアカゲザルの血清学的研究においてタンパク質応答を較正するために、有意な抗-タンパク質D抗体を含有することが見出されているSandoglobulin lot069を参照として用い、100ELISA単位の任意の値を使用した。マウス及びラットの血清学的研究においては、直接の抗原被覆または抗体捕捉によって結果として起こる応答を実施することで定量した。
in vitroオプソニン食作用アッセイにおいて生きた肺炎球菌を死滅させる能力についても血清を試験した。オプソニン食作用アッセイは、公表されているプロトコル(Romero-Steinerら、1997)、並びに複数の研究室による研究の一部としてCDCのSandy Steinerによって提供されている詳細なプロトコルから適合させた。
2つの方法を使用した。方法Aにおいては、CDCから提供されている肺炎球菌株の代わりにSB作成株を用いた。第2に、HL-60細胞の代わりに新しく精製したヒト好中球(PMN)を用いた。結果を50%の細菌死滅に必要な血清希釈で表す。
方法Bにおいては、複数の研究室による研究の一部としてCDCから提供されている、公表された詳細な標準化プロトコルからより近くCDCプロトコルに従った(Romero-Steiner 1997、Romero-Steiner 2000)。
簡単に説明すると、分化させた(differentiated)HL60細胞を1000rpm(300 x g)で遠心分離し、培養上清を除去した。細胞をHBSS-BSAからなるアッセイ緩衝液に再懸濁した。培地中に抗生物質が存在していれば、この工程を繰り返して抗生物質を完全に除去する。
体積の測定を最適化するために、4回のアッセイに先立って血清サンプルを予め希釈した。アッセイ緩衝液で1:2に希釈したサンプルが4℃で維持した場合に少なくとも5日間安定なオプソニン力価を有することが実証された。希釈した血清25μlを、マイクロプレートの丸底ウェル中のアッセイ緩衝液25μlに添加した。25μlの体積で2倍の段階希釈を行い、体積測定を最適化した。
ベビー(baby)のウサギの補体及び肺炎球菌培養物は使用まで−70℃で維持した。活性化HL60細胞、新しく解凍した肺炎球菌培養物及び新しく解凍したベビーウサギ補体の4:2:1(体積)の組み合わせをボルテックスをかけながら混合した。この混合液25μlを、希釈血清を含むマイクロプレートウェルに迅速に分配し、最終体積50μlとした。これにより、最終混合液中にウェル当たり1E 5 HL60、150肺炎球菌CFU及び7.1%補体濃度を含む。2つの改変を行った血清型6Bは例外であり、最終補体濃度は12.5%であり、5%FCSをアッセイ緩衝液中に含めてインキュベーション中の肺炎球菌の増殖を等しくした。マイクロプレートを210rpmで振とうしながら5% CO2の存在下で37℃で2時間インキュベートした。
インキュベーションの後、ウェルのアリコート20μlから肺炎球菌の生存数を計数した。血清なしでアッセイ緩衝液のみを含むウェルをブランクのウェルとして用い、ウェル当たりの添加された肺炎球菌の正確な数を決定した。各プレート上の8個のブランクのウェル中のCFUの平均数を以降の算出に使用した。
ブランクのウェルの平均に対して殺細胞パーセントを算出した。50%を超える肺炎球菌の死滅を促進し得る血清希釈数の逆数の最大値によって血清サンプルの力価を決定した。値は、8、16、32等の不連続な力価として報告される。50%未満の死滅であったサンプルは力価が<8として報告される。プロゾーン効果が観察されたサンプルは再度行い、2番目の結果を採用した。再度プロゾーン効果が観察された場合には、結果は無効とした。これはサンプルの5%未満で生じた。1024を超える力価を有したサンプルは、1:64希釈から始めて繰り返した。
肺炎球菌PS-PDコンジュゲートの組み合わせの成体ラットにおける免疫原性に対する効果
多価製剤中へのワクチンの混合によって、ワクチンの1種以上の成分の免疫原性が低下し得ることが観察されている。これは特にコンジュゲートワクチンで見られ、キャリア−誘導性エピトープ抑制と呼ばれている。この抑制に到るメカニズムは良く理解されていないが、キャリアタンパク質の投与量が高い場合に起こりやすい。
多価製剤中へのワクチンの混合によって、ワクチンの1種以上の成分の免疫原性が低下し得ることが観察されている。これは特にコンジュゲートワクチンで見られ、キャリア−誘導性エピトープ抑制と呼ばれている。この抑制に到るメカニズムは良く理解されていないが、キャリアタンパク質の投与量が高い場合に起こりやすい。
11価の肺炎球菌コンジュゲートワクチンは混合ワクチンの一例である。各血清型のコンジュゲートの混合によって、免疫に使用するタンパク質の総量が増すため、各コンジュゲートワクチンの多価製剤への混合によってコンジュゲートの免疫原性が有意に低下するかどうかを決定することが重要である。
プロトコル
肺炎球菌多糖類タンパク質Dコンジュゲートワクチン(WO 00/56360参照)で個々に、または多価製剤中で組み合わせて、成体ラットを免疫した。10匹のラットの群を28日間隔で2回免疫し、被験血液を28日目及び42日目(2回目の投与の14日後)に得た。
肺炎球菌多糖類タンパク質Dコンジュゲートワクチン(WO 00/56360参照)で個々に、または多価製剤中で組み合わせて、成体ラットを免疫した。10匹のラットの群を28日間隔で2回免疫し、被験血液を28日目及び42日目(2回目の投与の14日後)に得た。
抗体濃度は記載したように測定した。オプソニン力価を方法Aに従って測定した。
結果
ELISAによって測定したところ、全てのコンジュゲートが特異的IgG抗体を誘導した(図2)。(生存肺炎球菌の50%を死滅させ得るプールした血清の希釈の逆数によって測定した)オプソニン活性も全ての血清で検出された。
ELISAによって測定したところ、全てのコンジュゲートが特異的IgG抗体を誘導した(図2)。(生存肺炎球菌の50%を死滅させ得るプールした血清の希釈の逆数によって測定した)オプソニン活性も全ての血清で検出された。
図2はまた、IIの14日後におけるIgG濃度及びオプソニン力価による測定で、成体ラットにおける免疫原性に対する1価PS-PDコンジュゲートの組み合わせの効果を示す。
全てのサンプルについて統計的解析を行い、組み合わせた際のIgG濃度の差異が有意であるか否かを決定した。型14のみが組み合わせた際にELISA力価の有意な低下を示した。IgG濃度は他の血清型と同様のレベルまで低下した。他の差異は全て有意ではなかったが、型7Fが有意に近かった(p=0.08)。
血清型1、3、6B、9V及び23Fは実際には組み合わせた際に上昇を示す。
血清型6B及び23Fの投与量の独立的変更
多価製剤への個々のコンジュゲートワクチンの組み合わせによって、抗体応答の上昇または低下が生じる。応答の免疫調節は血清型に依存する。組み合わせた11価のコンジュゲートワクチンに対する免疫応答の特性決定のために、2つの群、6B及び23F、および残りの9価の11価を組み合わせる実験を行った。
多価製剤への個々のコンジュゲートワクチンの組み合わせによって、抗体応答の上昇または低下が生じる。応答の免疫調節は血清型に依存する。組み合わせた11価のコンジュゲートワクチンに対する免疫応答の特性決定のために、2つの群、6B及び23F、および残りの9価の11価を組み合わせる実験を行った。
プロトコル
子供及び成体のラットを、2つの変動する(two-tiered)投与量の11価PS-PD肺炎球菌コンジュゲートワクチンで免疫した。すなわち、表1に示すように、6B&23Fの投与量を他の9価と独立して変動させた。
子供及び成体のラットを、2つの変動する(two-tiered)投与量の11価PS-PD肺炎球菌コンジュゲートワクチンで免疫した。すなわち、表1に示すように、6B&23Fの投与量を他の9価と独立して変動させた。
子供のOFAラットを母親が異なるようにランダム化し、7週齢の時に最初の免疫を行った。一群当たり10匹のラットに、0日、14日、及び28日目に3回の免疫を行った。42日目(3回目の14日後)及び56日目(3回目の28日後)に採血(bleeds)を行った。
結果
2つの変動する投与量による3D分析の結果、6B-PD及び23F-PDによって子供のラットにおける免疫調節が引き起こされることが示される。図3は、11種の血清型及びPDについてのGMC対6B及び23Fの用量を一次元に、他の9種の用量を二次元に示す。全ての血清型及びPDについて、傾向は常に同じである。6B及び23Fの用量を増すと、残りのコンジュゲートの用量を変えない場合においても、これらのコンジュゲートに対する抗体応答の低下に劇的な効果がある。この効果は子供のラットで非常に強いが、成体ラットにおいてはわずかに観察されるのみである(示さない)。
2つの変動する投与量による3D分析の結果、6B-PD及び23F-PDによって子供のラットにおける免疫調節が引き起こされることが示される。図3は、11種の血清型及びPDについてのGMC対6B及び23Fの用量を一次元に、他の9種の用量を二次元に示す。全ての血清型及びPDについて、傾向は常に同じである。6B及び23Fの用量を増すと、残りのコンジュゲートの用量を変えない場合においても、これらのコンジュゲートに対する抗体応答の低下に劇的な効果がある。この効果は子供のラットで非常に強いが、成体ラットにおいてはわずかに観察されるのみである(示さない)。
図4は、コンジュゲートワクチン中の各血清型に対する抗体濃度をタンパク質D総含量の関数として示す。もしキャリア誘導性のエピトープ抑制がワクチン用量の増大に伴う免疫応答の低下の主要な若しくは唯一の原因であれば、これらの曲線は単調に低下することが予想される。それに対して、波動関数は抗体応答に影響する何らかの他の因子があることを示す。図3からわかるように、用量を血清型6B及び23Fを組み合わせるように分けた場合、滑らかな3D表面が得られ、6B及び23Fが他の血清型に対する免疫応答を調節することが示される。図4において、血清型6Bは単調に減少する免疫応答を示すため、血清型6Bの投与量が主要な因子であり、それ自身の相互作用は常に一定であること、従ってキャリアタンパク質誘導性のエピトープ抑制の効果を示すだけであることが推測され得る。
結論
6B&23Fと他の9種の血清型の投与量を独立して変動させると、血清型6B&23Fの投与量が他の血清型に対する抗体応答に影響を及ぼすことが明らかとなった。各血清型に対する抗体応答は、免疫したPDの総量を増すにつれて低下し、キャリア誘導性のエピトープ抑制を示すが、この相関性は滑らかなものではないため、更なる因子がある。更に、PDに対するIgG応答も投与量の増加につれて低下し、これはキャリア誘導性のエピトープ抑制から予想されるものとは逆である。これらを合わせると、コンジュゲートワクチンに対する免疫応答の従来未知の調節が血清型6B及び23Fの投与量にあることが示される。
6B&23Fと他の9種の血清型の投与量を独立して変動させると、血清型6B&23Fの投与量が他の血清型に対する抗体応答に影響を及ぼすことが明らかとなった。各血清型に対する抗体応答は、免疫したPDの総量を増すにつれて低下し、キャリア誘導性のエピトープ抑制を示すが、この相関性は滑らかなものではないため、更なる因子がある。更に、PDに対するIgG応答も投与量の増加につれて低下し、これはキャリア誘導性のエピトープ抑制から予想されるものとは逆である。これらを合わせると、コンジュゲートワクチンに対する免疫応答の従来未知の調節が血清型6B及び23Fの投与量にあることが示される。
血清型6B及び23Fからの免疫調節はタンパク質キャリアを介して伝達されることの証明
目的
コンジュゲート6B及び23Fの投与量によって多価製剤中の他のコンジュゲートに対する抗体応答が調節されることが明らかである。以下の実験は、ラットの子供における6B&23F-PD(コンジュゲート)と関連した免疫調節が多糖類によるものであるか、あるいは多糖−タンパク質コンジュゲートによるものであるかを決定するために行った。
目的
コンジュゲート6B及び23Fの投与量によって多価製剤中の他のコンジュゲートに対する抗体応答が調節されることが明らかである。以下の実験は、ラットの子供における6B&23F-PD(コンジュゲート)と関連した免疫調節が多糖類によるものであるか、あるいは多糖−タンパク質コンジュゲートによるものであるかを決定するために行った。
プロトコル
コンジュゲート6B&23F-PDまたはPS(非コンジュゲート)を多価製剤中で他の血清型と組み合わせ、6B&23Fの投与量を0.01及び1.0μg、単なる多糖を1.0μg(6B&23Fコンジュゲートなしで)とした。
コンジュゲート6B&23F-PDまたはPS(非コンジュゲート)を多価製剤中で他の血清型と組み合わせ、6B&23Fの投与量を0.01及び1.0μg、単なる多糖を1.0μg(6B&23Fコンジュゲートなしで)とした。
子供のOFAラットを母親が異なるようにランダム化し、7週齢の時に最初の免疫を行った。一群当たり10匹のラットに、0日、14日、及び28日目に3回の免疫を行った。42日目(3回目の14日後)に採血(bleeds)を行った。
結果
先に観察されたように、6B&23F-PD投与量が増加すると、19Fに対する応答が低下した。コンジュゲートに代えてPSを用いた場合には、19Fに対するより高い応答が観察された。
先に観察されたように、6B&23F-PD投与量が増加すると、19Fに対する応答が低下した。コンジュゲートに代えてPSを用いた場合には、19Fに対するより高い応答が観察された。
結論
6B及び23Fコンジュゲートワクチンの1μg投与量の存在は、多価コンジュゲートワクチンにおける血清型19Fに対する免疫応答を調節するのに十分であるが、多糖類単独での同じ投与量では効果がない。血清型6B及び23Fがヒト及び動物における免疫応答で調節されていることが決定されたことから、血清型6B及び23Fの免疫調節が共通のキャリアタンパク質を介して他の血清型に伝達されると結論付けることができる。
6B及び23Fコンジュゲートワクチンの1μg投与量の存在は、多価コンジュゲートワクチンにおける血清型19Fに対する免疫応答を調節するのに十分であるが、多糖類単独での同じ投与量では効果がない。血清型6B及び23Fがヒト及び動物における免疫応答で調節されていることが決定されたことから、血清型6B及び23Fの免疫調節が共通のキャリアタンパク質を介して他の血清型に伝達されると結論付けることができる。
血清型6Bのためのタンパク質キャリアの改変
6B PS-コンジュゲートに対する血清変換率は0.1μg投与の子供のラットでは低かった。コンジュゲートの免疫原性に影響し得る他の要因を検討した。それらには、材料中に存在する炭水化物のタンパク質に対する比率、使用した特定の連結方法、遊離の多糖類の存在、及び使用した特定のキャリアタンパク質が挙げられる。
6B PS-コンジュゲートに対する血清変換率は0.1μg投与の子供のラットでは低かった。コンジュゲートの免疫原性に影響し得る他の要因を検討した。それらには、材料中に存在する炭水化物のタンパク質に対する比率、使用した特定の連結方法、遊離の多糖類の存在、及び使用した特定のキャリアタンパク質が挙げられる。
カップリング化学の改変によっては、子供のラットまたはマウスのモデルのいずれにおいても6Bコンジュゲートの免疫原性は上昇しなかった。TTキャリアの使用によってマウスのデルにおける免疫原性の上昇が見られるが、高投与量においてのみである。コンジュゲートは、初期のキャリアタンパク質(タンパク質D)/PS 比率2.5:1で合成した。他のコンジュゲートは、初期のキャリアタンパク質(タンパク質D)/PS 比率1:1で合成した。
本発明の好ましい実施形態をこれまで説明してきたが、本発明が本明細書に開示した記載に限定されないこと、及び請求の範囲内にある全ての改変についての権利も確保されていることが理解されるべきである。
Claims (24)
- 2種以上のキャリアタンパク質にコンジュゲートした種々の肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumonia)血清型由来の11種以上の多糖類を含有する、改善された肺炎連鎖球菌ワクチンであって、血清型6B、19F及び23Fが第1のキャリアタンパク質にコンジュゲートし、残りの血清型が1種または2種の第2のキャリアタンパク質にコンジュゲートしており、該第2のキャリアタンパク質が該第1のキャリアタンパク質と異なるものである、上記ワクチン。
- 2種以上のキャリアタンパク質にコンジュゲートした種々の肺炎連鎖球菌血清型由来の11種以上の多糖類を含有する、改善された肺炎連鎖球菌ワクチンであって、血清型6B及び23Fが第1のキャリアタンパク質にコンジュゲートし、残りの血清型が1種または2種の第2のキャリアタンパク質にコンジュゲートしており、該第2のキャリアタンパク質が該第1のキャリアタンパク質と異なるものである、上記ワクチン。
- 2種以上のキャリアタンパク質にコンジュゲートした種々の肺炎連鎖球菌血清型由来の11種以上の多糖類を含有する、改善された肺炎連鎖球菌ワクチンであって、血清型6Bが第1のキャリアタンパク質にコンジュゲートし、残りの血清型が1種または2種の第2のキャリアタンパク質にコンジュゲートしており、該第2のキャリアタンパク質が該第1のキャリアタンパク質と異なるものである、上記ワクチン。
- 第1のキャリアタンパク質がDT、crm197、TT、断片C、Ply、PhtA、PhtB、PhtD、PhtE、OmpC及びPorBからなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか1項記載のワクチン。
- 第2のキャリアタンパク質がPD、DT、crm197、TT、断片C、Ply、PhtA、PhtB、PhtD、PhtE、OmpC及びPorBからなる群から選択される1種または2種のタンパク質を含む、請求項1〜4のいずれか1項記載のワクチン。
- 第2のキャリアタンパク質が1種である、請求項1〜5のいずれか1項記載のワクチン。
- 各血清型の多糖が1〜10μgの量で存在する、請求項1〜6のいずれか1項記載のワクチン。
- 1、3、4、5、7F、9V、14及び18Cからなる群から選択される1種以上の血清型が2〜5μgの量で存在する、請求項7記載のワクチン。
- キャリアタンパク質の多糖に対する比率が0.5〜1.7(w/w)である、請求項1〜8のいずれか1項記載のワクチン。
- 6B、19F及び23Fからなる群から選択される1種以上の血清型についてキャリアタンパク質の多糖に対する比率が0.7〜1.5である、請求項9記載のワクチン。
- 第2のキャリアタンパク質がインフルエンザ菌のタンパク質D(PD)である、請求項1〜10のいずれか1項記載のワクチン。
- 多糖血清型6Bが、DT、crm197及びTTからなる群から選択される第1のキャリアタンパク質にコンジュゲートされている、請求項1〜11のいずれか1項記載のワクチン。
- 第1のキャリアタンパク質がDTである、請求項12記載のワクチン。
- 多糖6Bが5〜10μg/投与の量で存在する、請求項1〜13のいずれか1項記載のワクチン。
- コンジュゲートしたものと異なる血清型のコンジュゲートしていない肺炎連鎖球菌多糖類を更に含有する請求項1〜14のいずれか1項記載のワクチンであって、コンジュゲートした多糖類とコンジュゲートしていない多糖類の数が23未満である、上記ワクチン。
- 請求項1〜15のいずれか1項記載のワクチンを投与することによって乳幼児(infants)に肺炎連鎖球菌に対する防御免疫応答を誘起する方法。
- (i)請求項1〜15のいずれか1項記載のワクチン、及び(ii)PhtXファミリー由来の肺炎連鎖球菌表面タンパク質、を投与することによって高齢者(elderly)に肺炎連鎖球菌に対する防御免疫応答を誘起する方法。
- (i)請求項1〜15のいずれか1項記載のワクチン、及び(ii)PhtXファミリー由来の肺炎連鎖球菌表面タンパク質、を投与することによって乳幼児に中耳炎に対する防御免疫応答を誘起する方法。
- PhtXファミリータンパク質がPhtDまたはPhtBである、請求項17または18記載の方法。
- PhtXファミリータンパク質がPhtDである、請求項19記載の方法。
- 更にCbpXファミリータンパク質を含む、請求項17記載の方法。
- CbpXタンパク質がコリン結合ドメインを欠く切断型である、請求項21記載の方法。
- CbpX切断型がコリン結合タンパク質Aである、請求項22記載の方法。
- 更にPlyを含む、請求項18記載の方法。
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