JP2005516215A - 胃腸管腫瘍の疾患経過のモニタリングおよび予後方法 - Google Patents

胃腸管腫瘍の疾患経過のモニタリングおよび予後方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、胃腸管腫瘍の疾患経過を診断、モニターおよび予後検査するための方法を提供し、この方法は、サンプル中のサイクリン依存性キナーゼインヒビター(CKI)のレベルを決定する工程、ならびに調査された腫瘍細胞中の該CKIのレベルから、この疾患および/またはこの疾患再発を診察する工程、あるいはこの疾患の経過を予後検査する工程を包含する。さらに、本発明は、胃腸管腫瘍のための適切な治療を仕立てる方法を提供する。本発明の別の局面は、研究および診断目的のための試験キットである。

Description

本発明は、胃腸管腫瘍の疾患経過のモニタリングおよび予後検査の方法を提供し、この方法は、サンプル中のサイクリン依存性キナーゼインヒビター(CKI)のレベルを決定する工程、ならびに調査された腫瘍細胞中の該CKIのレベルから、この疾患および/またはこの疾患再発を診察する工程、あるいはこの疾患の経過を予後検査する工程を包含する。
胃癌はヒトにおいて最も一般的な癌の1つである。20世紀の間に世界で癌死亡の第2番目に多い原因であった。過去数年に亘り発症の数は減少しているけれども、胃癌は、なお全世界の癌関連死亡の最も頻繁な原因の1つである。特に、アジアでは、胃癌の有病率は西洋世界におけるより高いままである。
一般に、胃癌の予後はなお貧弱である。これは、一部、この疾患がしばしば後期に診断されているという事実に起因している。さらに、この癌腫の初期治療の後には高い割合の再発がある。従って、胃癌の取り扱いにおける重要なステップは、この疾患の経過の勤勉なモニタリングである。
第1に、これは、患者疾患のステージを決定することを意味する。このステージの決定は、潜在的な予後値を有し、そして最適治療を設計するために用いられ得る。臨床的病期分類は、それが外科的侵襲法に依存しないという利点はあるが、一般に、胃癌病理的病期分類は臨床的病期分類より好適である。従って、特定の腫瘍の分子生物学的性質の特徴付けは、より特異的かつ効率的な治療に至り得る。腫瘍の分子的基礎に従って、治療は、この疾患の再発を避けるように仕立てられ得る。
さらに、モニタリングは、初期治療後のこの疾患の緊密なフォローアップを意味している。古典的な臨床的方法を基礎にしては、腫瘍の再発の検出は、極めて感度が悪く、その結果、この疾患は、それが見出されるまでに進行したステージに到達してしまう。このフォローアップもまた同様に、分子レベルで実施され得、この疾患の再発を可能な限り初期に認識する。
胃腸管腫瘍のような腫瘍における初期診断を評価するための一連のツールが存在している。未だに、腫瘍の分子的特徴の多様性に起因して、検出された腫瘍の結果は、広く変動し得る。予後を評価するためおよび適切な治療を仕立てるために、腫瘍のさらなる特徴付けが必要である。経過および必要な治療に関する一連の腫瘍予測は、いくつかの腫瘍マーカーの発現レベルを試験することによりなされ得る。この予後に基づいて、最低の必要な治療負荷を取り入れた患者に対し最良の機会を確実にする、特定腫瘍の処置を選択することが可能である。胃癌について、腫瘍の病期分類および段階分けの古典的方法は、実際に消耗する治療が腫瘍の再発を避けるように、制限された予後のみを許容する。腫瘍の侵略が分子マーカーを基礎に診断され得る場合、この治療は、特別の場合の必要性により良好に一致され得る。
現在まで、胃癌の診断のためのいくつかのマーカータンパク質が同定されている。個々の患者における胃癌の疾患経過の信頼性ある予後のために、一連の腫瘍関連細胞周期調節タンパク質が試験された。現在まで、腫瘍マーカーと疾患経過の予後との相関関係は未だ見出されなかった。
広範な範囲の腫瘍における疾患経過の予後に有用である分子マーカーは、サイクリン依存性キナーゼのインヒビターである。細胞周期におけるサイクリン依存性キナーゼインヒビターの鍵となる役割は、サイクリン依存性キナーゼの活性の調節である。この調節は、CKIの、それらの個々の結合パートナーであるサイクリン依存性キナーゼ上の特異的結合部位への結合によってもたらされる。CKIの2つの主要なファミリーが同定され、そのメンバーは、高い%の配列相同性およびそれらの結合パートナーへの結合特異性を共有している。サイクリン依存性キナーゼインヒビターの第1のファミリーは、cdk2に特異的に結合し、そして阻害する。対照的に、第2のファミリーは、cdk4およびcdk6に優先的に結合し、そして阻害する。CKIの第2のファミリーのメンバーは、例えば、p16、p15、p18およびp19/20である。
いくつかの腫瘍タイプで有用であることが証明された、疾患経過の予後のための1つの候補マーカーは、MTS1タンパク質(p16INK4A)である。p16は、例えば、鼻咽頭の癌腫(Wang、Lら:1999、30(4)、394〜396)および胸部癌における生物学的挙動および予後の評価のための価値あるマーカーであることが報告されている。これらの場合、p16発現の損失が患者の気の毒な予後を示す。
別のサイクリン依存性キナーゼインヒビターp27は、腫瘍における予後マーカーの候補と判明した。
p27タンパク質の発現のレベルは、広範な範囲の腫瘍における予後の評価を可能にすることが記載されている(US6180333)。p27の場合には、サンプル内のこのタンパク質の発現は、より良好な予後と関連している。腫瘍組織でp27を発現しない患者の累積的生存は、p27発現を示した患者と比較して有意に減少する。胃腸管腫瘍では、腫瘍進行と、p27タンパク質の減少したレベルとの間の相関関係のヒントが存在するが(Migaldi Mら、Pathol Res Pract 2001;197(4):231〜6)、このマーカータンパク質を用いて胃腸管腫瘍における信頼性ある予後を評価することになお困難性が存在する(Feakins RM.ら、Cancer 2000年10月15日、89(8):1684〜91)。
特に胃腸管癌では、予後の評価、勤勉なモニタリング、治療の戦略を構築するため、および最後に高感度なフォローアップを可能にする分子マーカーに対する必要性が存在している。
これは、本発明に従って特許請求される方法によって提供される。
本発明は、腫瘍サンプルにおけるサイクリン依存性キナーゼインヒビターの発現のレベルが、特定の腫瘍の悪性度を診断およびグレード付けすることを可能にし、この疾患の経過を予測し、そして初期治療後のこの疾患をフォローアップすることを可能にするという、実施例1〜5に示される本発明者らの発見に基づいている。特に、本発明者らは、過剰発現CKIが、気の毒な予後と相関していることを見出した。本明細書で用いられる過剰発現は、野生型レベルと比較して少なくとも2倍高められた発現を意味する。本発明は、それらの分子性質に従って腫瘍の治療のための戦略を構築することを可能にする方法をさらに提供する。本発明によれば、サイクリン依存性キナーゼインヒビター(CKI)のレベルが、予後を評価し、モニタリングし、および腫瘍治療の戦略の設計のための分子マーカーとして用いられ得る。
本発明の文脈で用いられるとき、過剰発現は、非腫瘍細胞におけるCKIの発現レベルとの比較において少なくとも2倍高められる胃腸管腫瘍におけるCKIの発現を意味する。
本発明の文脈で用いられるとき、診断は、サンプル中のCKIのレベルを決定することを包含し得る。サンプル中の決定されたCKIのレベルに基づき、個体は、サブグループに分割され得る。このサブグループは、サンプル中で決定されたCKIの特定のレベルに関連する、例えば、生存、疾患の再発、転移の頻度などのような臨床データに従って創製され得る。
これらのサブグループに基づき予後の評価が行われ得る。これらサブグループに従って、腫瘍に影響された個体の治療が仕立てられ得る。
モニタリングは、経時的に異なる時点で採取されたサンプルにおけるCKIのレベルを検出すること、およびこのレベルにおける変化を決定することを包含し得る。この変化に従って、この疾患の経過が追跡され得る。この疾患の経過は、特定の個体のための治療戦略を選択するために用いられ得る。
本発明による疾患経過の診断およびモニタリングの別の局面は、最小の残存疾患の検出を包含し得る。これは、例えば、一度またはいくつかの時点における個体の初期治療後の1つ以上身体サンプルにおけるCKIレベルの検出を包含し得る。サンプル中で検出されたCKIのレベルに従って、特定の個体に対する適切な治療を選択し得る。
本発明の文脈で用いられるとき、胃腸管腫瘍は、胃腸管のすべての腫瘍である。腫瘍は、例えば、良性および悪性腫瘍、癌腫または悪液質のような新生物を包含し得る。本発明の好適な実施形態では、この胃腸管腫瘍は、例えば、食道、胃、膵臓、胆管(bile tree)、肝臓、小腸、結腸または直腸の腫瘍である。より好適な実施形態では、この腫瘍は、例えば、食道の癌、胃癌、胆嚢、膵臓、肝臓、小腸、結腸または直腸の癌である。本発明による腫瘍は、検出可能なリンパ節の関与(節陽性腫瘍)を示す腫瘍、およびリンパ節への検出可能な拡散なしの腫瘍(節陰性腫瘍)を包含し得る。本発明の1つの好適な実施形態では、この胃腸管腫瘍は、リンパ節への検出可能な拡散のない腫瘍である。
本発明の方法によるサンプルは、細胞周期調節タンパク質を含む細胞または体液の任意のサンプルである。このようなサンプルは、例えば、すべての胃腸管分泌物、糞便、胆汁、生検試料、細胞サンプルおよび組織サンプルであり得る。本発明の文脈で用いられるとき、生検試料は、例えば、腫瘍の切除サンプル、内視鏡手段によるか、または器官のニードル生検により調製された組織サンプルを包含し得る。さらに、検出されるべきマーカー分子を含む可能性のある任意のサンプルは、本発明によるサンプルであり得る。このようなサンプルは、例えば、インタクトな細胞、溶解した細胞、またはタンパク質、ペプチドまたは核酸を含む任意の液体を包含し得る。細胞、細胞フラグメント、またはCKI核酸もしくはCKIタンパク質のようなマーカー分子が接着し得る固体でさえ、本発明によるサンプルであり得る。このような固体は、例えば、膜、ガラススライド、ビーズなどを包含し得る。
サンプルの調製は、例えば、患者からの、組織のサンプル、体液、細胞のサンプル、細胞残渣のサンプルを得ることを包含し得る。本発明によれば、サンプルの調製はまた、切開物の調製、溶解細胞の調製、組織アレイの調製、ポリペプチドまたは核酸の単離、固相固定化ペプチドもしくは核酸の調製、または決定されるべき分子が共有結合または非共有結合で結合したビーズ、膜またはスライドの調製のようなサンプルのさらなる調製のいくつかのステップを包含し得る。
本発明によるサイクリン依存性キナーゼインヒビターは、例えば、cdk2に優先的に結合しないCKIであり得る。従って、本発明によるCKIは、例えば、第2のファミリーのCKIであり得る。本発明による方法に用いられるCKIは、cdk4またはcdk6に優先的結合し、そしてcdk2に対して低い結合特異性を有するか、それに対して結合特異性を有さない。1つの好適な実施形態では、このCKIはp16であり得る。本発明はまた、CKIのフラグメント、CKIタンパク質に機能的に等価な配列、または機能的に等価なCKIタンパク質およびCKIタンパク質の配列をコードする核酸配列かもしくは任意の方法で変異または改変されているCKIタンパク質をコードする核酸配列に適用可能であり得る。本発明による変異は、例えば、挿入、欠失、置換またはヌクレオチド変異を包含する。
本発明によるサイクリン依存性キナーゼインヒビターのレベルの検出のための方法は、生物学的サンプル中の極微量の特定の生物学的に活性な分子を検出するために適している任意の方法を包含し得る。本発明による検出反応は、例えば、核酸のレベルであるか、またはポリペプチドのレベルのいずれかに対しての検出であり得る。
本発明の1つの好適な実施形態では、CKIのレベルの検出は、サンプル中に存在するCKIまたはそのフラグメントをコードする核酸のレベルの検出により実施され得る。核酸分子の検出のための方法は、当業者に公知である。核酸の検出のための手順は、例えば、検出されるべき分子の、相補的核酸プローブ、この核酸に対し結合特異性をもつタンパク質、またはこの核酸を特異的に認識し、かつ結合する任意のその他の試薬への結合反応により実施され得る。この方法は、インビトロ、および、例えば、検出染色反応の経過中においてインサイュで直接実施され得る。本発明による方法で実施される核酸のレベルに関しサンプル中のCKIを検出する別の方法は、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応のような定量的様式で実施され得る、核酸の増幅反応であり得る。本発明の好適な実施形態では、リアルタイムRT PCRが、腫瘍のサンプル中のp16RNAのレベルを定量するために用いられ得る。
本発明の別の好適な実施形態では、CKIのレベルの検出は、タンパク質の発現のレベルを決定することにより実施され得る。このタンパク質レベルに関するCKIの決定は、例えば、サイクリン依存性キナーゼインヒビターの検出に特異的な抗体を含む反応で実施され得る。これら抗体は、多くの異なる検出技法、例えば、ウェスタンブロット、ELISAまたは免疫沈降で用いられ得る。一般に、抗体を基礎にした検出は、インビトロ、および、例えば、免疫組織化学的染色反応の経過中においてインサイュで直接実施され得る。生物学的サンプル中の特定のポリペプチドの量を決定する任意のその他の方法が、本発明に従って用いられ得る。
本発明の別の局面は、本発明による方法を実施するための試験キットである。このキットは、例えば、診断キットまたは研究キットであり得る。
本発明によるキットは:
a)サイクリン依存性キナーゼインヒビターの検出のための試薬、
b)緩衝液、検出マーカー、キャリヤ物質など、この検出反応を実施するために通常用いられる試薬および緩衝液、
c)ポジティブコントロール反応を実施するためのサイクリン依存性キナーゼインヒビターサンプルを含む。
このサイクリン依存性キナーゼインヒビターの検出のための試薬は、サイクリン依存性キナーゼインヒビター分子に結合し得る任意の試薬を含み得る。このような試薬は、タンパク質、ポリペプチド、核酸、ペプチド核酸、糖タンパク質、プロテオグリカン、多糖または脂質を含み得る。
ポジティブコントロールを実施するためのサイクリン依存性キナーゼインヒビターサンプルは、例えば、溶液または塩のような適用可能な形態にある核酸、適用可能な形態にあるペプチド、組織切片サンプルまたはポジティブ細胞を含み得る。
本発明の好適な実施形態では、サイクリン依存性キナーゼインヒビターの検出は、ポリペプチドのレベルで実施される。この実施形態では、結合試薬は、例えば、サイクリン依存性キナーゼインヒビターまたはそのフラグメントに特異的な抗体であり得る。
試験キットの他の実施形態では、サイクリン依存性キナーゼインヒビターの検出は、核酸レベルで実施される。本発明のこの実施形態では、検出のための試薬は、例えば、このサイクリン依存性キナーゼインヒビター核酸に逆相補的な核酸プローブまたはプライマーであり得る。
本発明による方法は、胃腸管の検出された腫瘍をさらに特徴付けるために用いられ得る。この方法はまた、この疾患の経過を予後検査すること、特定腫瘍に対する適切な治療を設計すること、および初期治療からフォローアップまでを通じて初期診断からすべてのステージにおける疾患経過をモニターすることを可能にする。特に、本発明による方法は、外科的な侵襲的方法に依存することのない、腫瘍の病期分類のための手段を提供する。本発明による方法は、古典的な細胞学的および組織学的方法が主観的意見に依存するような場合でさえ、結果を解釈することが簡単な結果を提供する。この方法の1つの利点は、それを慣用的な診断およびスクリーニング試験に適するようにする、その取り扱いの簡単さである。従って、本発明による-方法は、診断およびモニタリングを促進し、しかも個々の腫瘍患者の予後の評価を可能にするツールを提供する。本発明はさらに、CKIのレベルに基づく予後に関し、特定のサブグループに患者をグループ分けするためのツールを提供する。これらのCKIレベルのサブグループによれば、個々の治療が仕立てられ得る。
以下の実施例は、例示の目的で与えられ、そして本明細書に開示される本発明の範囲を制限する意図ではない。
(実施例1:胃癌腫生検試料におけるp16の発現のレベルと、患者の生存率との間の相関関係の決定)
患者の結果と、腫瘍における検出可能なp16タンパク質の発現のレベルとの間に相関関係があるか否かを決定するために、373の胃切除術の調製物を分析した。
免疫組織化学的検出反応は以下のように実施される(各一回のインキュベーション反応の後には洗浄工程が含められる):パラフィン切片をキシレン中で2×10分間脱パラフィン処理し、そして減少する希釈エタノール(100%、100%、90%、80%、70%、50%)を用いて再水和する。抗原を、10mMクエン酸緩衝液(pH6.0)中、95℃の水浴中で40分間マスク取りする。その後、内因性のペルオキシダーゼを、PBS中の3%Hを用いて不活性化する。次に、1%カゼインで非特異的結合部位のブロッキングを20分間行う。その後、切片を、モノクローナル抗体結合p16と室温で60分間インキュベートする。p16−抗体結合の検出のために、ビオチン標識bioRAM(ウサギ−抗−マウス)抗体を37℃で30分間添加し、そして次に、室温で30分間アビジン−ビオチン化ペルオキシダーゼを添加する。次に、0.003%Hとともにビオチン化チラミド(thyramid)を添加する(DAKO CSA−Kit)。その後、アビジン−ビオチン化アルカリホスファターゼを30分間添加する。次に、色素原ネオフクシン(pH8.7)を30分間添加する。核対比染色をヘマローン(hemalaun)溶液を用いて実施する。
あるいは、免疫組織化学検出反応を以下のように行う:パラフィン切片をキシレン中で2×10分間脱パラフィン処理し、そして減少する希釈エタノール(100%、100%、90%、80%、70%、50%)を用いて再水和する。抗原を、10mMクエン酸緩衝液(pH6.0)中、95℃の水浴中で40分間マスク取りする。その後、内因性のペルオキシダーゼを、PBS中の3%Hを用いて不活性化する。馬血清で非特異的結合部位のブロッキングを室温で20分間行った後、切片を、p16特異的モノクローナル抗体(Neomarkers、Fremont、California、USA)と、3%ウシ胎児血清の存在下、室温で45分間インキュベートする。p16−抗体結合の検出のために、HRP標識デキストランポリマーに結合した抗マウスIgGを含むEnVision System(DAKO A/S、Glostrup、Danmark)を30分間添加する。その後、DABを検出反応の基質として用い、そして核対比染色をMayerのヘマローン溶液を用いて実施する。
組織の免疫組織化学分析の後、これら結果を関連する臨床データと比較した。特に、Kaplan−Meierプロットを、サンプル中で見出されたp16タンパク質の発現のレベルと関連する腫瘍切除物の特定の調製物に対応する臨床データを参照して行った。節ネガティブ腫瘍の切除物サンプルに対するKaplan Meierプロットを図1に示す。このプロットは、その切除物がp16過剰発現を示した個体の総生存が、サンプル中にp16の過剰発現を示さなかった個体の生存に比較して明らかに減少していることを示す。ポジティブまたはネガティブサンプルの決定のためのパラメーターとして、染色細胞の%を選択した。染色された領域で33%より多い細胞をもつサンプルをp16を過剰発現し、そしてそれ故、ポジティブであるという。p16を過剰発現しないネガティブサンプルは、サンプルの試験された領域で33%より少ない染色細胞を示す。p16過剰発現を示さないネガティブサンプルでは、試験された個体の累積生存は、160ヶ月の試験期間に亘って約20%だけ減少した。p16過剰発現サンプルの場合には、対照的に、試験されたすべての個体の累積生存は、同じ期間で70%より多く減少している。
さらに、これらの調査は、免疫組織化学分析においてp16タンパク質の過剰発現を示さない胃の癌腫の節ネガティブ症例が、p16タンパク質過剰発現を示すような症例より有意に高い生存率を有することを示す。
これは、罹患個体の生存と、腫瘍組織中のp16タンパク質の過剰発現のレベルとの間の相関関係を示す。この実施例は、本発明による方法が、腫瘍生検中のp16タンパク質の発現のレベルの検出に基づき、患者の結果の予後のための手段を提供することを示す。
(実施例2:生存率と腫瘍組織中のp16mRNAレベルとの間の相関関係の決定)
腫瘍生検の切除物は、インサイチュ染色反応においてp16のmRNAレベルについて半定量的に分析され得る。この染色反応は以下のように実施される:組織切除物を、100%エタノールまで増加するエタノール濃度中でインキュベートする。アルコールを蒸発した後、切除物を、この組織の予備処置のために10mMクエン酸緩衝液(pH6.0)中で煮沸する。ハイブリダイゼーション混合物を、50μlの用時調製ハイブリダイゼーション緩衝液(DAKO A/S、Glostrup、Danmark)と約5〜10pmolのプローブとを混合することにより調製する。これらプローブは、以下の配列のフルオレセイン標識オリゴヌクレオチドである:ccttt taacg tagata taagc cttcc c。このハイブリダイゼーション混合物を95℃まで加熱し、そしてその後37℃まで平衡にする。煮沸手順の後、切除物を、各50μlのハイブリダイゼーション混合物と37℃で2時間インキュベートする。切除物を、室温で15分間の2×SSC中の過剰容量の洗浄緩衝液で2回、そして50℃で15分間の1×SSC中で1回洗浄する。次に、切除物を、2×SSC中室温で2回すすぐ。この洗浄手順の後、切除物を、室温でブロッキング緩衝液(NEN、Blockingpugger)と30分間インキュベートする。次に、1:100希釈された(ブロッキング緩衝液、上記を参照のこと)Anti−Fluorescein−AP(DAKO A/S)と1時間インキュベートする。次いで、切除物を、室温で10分間1×PBS/0.1%Triton×100中で2回洗浄した後、室温で10分間1×PBS、50mM MgCl(pH9.2)で1回の洗浄ステップを行う。次に、染色反応を、室温で約30分間、NBT/BCIP(Sigma)で実施する。染色反応は、PBS中の1mM EDTAとの短いインキュベーションにより停止する。最後に、切除物を、Hdest中に浸漬し、そしてAquaTex(Merck)で固定する。次に、染色された切除物は顕微鏡で分析され得る。
組織化学的データが、実施例1に記載されたような臨床データと比較されるとき、インサイチュ反応で検出可能なp16RNAのレベルは、実施例1に示されるのと類似の様式で個体の生存率に対応する。
(実施例3:生存率と、半定量的RT PCRを用いる腫瘍組織中のp16レベルとの間の相関関係の決定)
肝臓癌腫のサンプルを用い、半定量的RT PCRを用いるp16mRNAのレベルを決定する。34の腫瘍生検をこの研究で用いる。
腫瘍を収集し、スナップ凍結し、そして−80℃で貯蔵した。これが、組織病理学的分析により優勢的に腫瘍細胞から構成されることを確認する。mRNAを、Qiagen試薬(Qiagen、Hilden、Germany)を用いて腫瘍および患者に一致した正常肝臓組織から単離し、そしてSuperscriptII(Life Technologies、Inc.)を用いて一本鎖cDNAを合成する。定量的PCRを、7700Sequence Detector(Taqman TM)およびSYBR Green PCR Master−Mixを用い、製造業者のマニュアル(Applied Biosystems、Foster City、CA)に記載のように実施する。PCR反応を、25μl容量中、各プライマーについて300nmolの最終濃度、95℃15秒および60℃60秒で40サイクルについて実施する。以下のプライマーを定量的PCRのために用いる:
p16−A: TCACT GTGTT GGAGT TTTCT GG
およびp16−B: GCTTC CCTAG TTCAC AAAAT GC
PCR産物の特異性は、ゲル電気泳動により確認した(データは示さず)。
p16発現のレベルに関するデータを、特定の腫瘍サンプルに関する臨床データに相互に関連させる。組織中のp16レベルの比較を、実施例1に示すのと類似の方法で患者の結果に相互に関連させる。
これは、本発明による方法が、生存および疾患の経過のような臨床データに厳密に相関したパラメーターを、分子レベルで決定するための手段を提供することを示す。この方法を、本発明に従って使用し、分子生物学的データを基に患者の予後を評価し得る。
(実施例4:胃癌に関する異なる分子マーカーの予後値の決定)
この実施例は、特徴付けられた胃癌腫の包括的免疫組織化学的分析の経過中に、推定の予後マーカーの調査のための組織マイクロアレイを使用する。
以下の基準を満たす原発性胃癌をもつ373の症例を本実施例で調査する:a)適切なパラフィンブロックが利用可能である、b)UICC−R0切除物、c)pM0状態、d)胃癌腫の組織学的確認、e)放射線照射または化学療法の病歴、先の胃切除または二次悪性腫瘍の欠如、f)フォローアップデータ利用可能性、g)術中の死亡率なし(外科手術後、2ヶ月より長く生存)。すべての患者は、リンパ節切除の胃切除術を受けた。
実験における使用のための組織マイクロアレイ(TMA)を以下のようにアセンブルする:各症例からのすべての診断H&Eスライドを検査し、そして代表的かつ良好に保存された腫瘍組織を、永久マーカーで適切なスライド上に丸を付ける。この目的の領域を、対応するパラフィンブロックの切断側面に移し、そしてまた永久マーカーで規定する。適切に固定化され、そして壊死または瘢痕組織を示さない領域を選択するように注意する。パンチングデバイスとして鋭利なニードルを用い、腫瘍組織コアを各症例から採取し、そして後の使用のために微量遠心分離チューブ中に貯蔵する。最後に、60の症例の組織コアを、任意の標準的パラフィンブロックの性質と同一の性質をもつ1つの新たな均一マルチブロック中に一緒に溶融する。全部で、8つの組織マイクロアレイを、すべての研究症例を含めて調製する。TMAは切断され、そして任意の従来のパラフィンブロックと同じ方法でスライドをマウントした。
染色は、マルチブロックの2μm切片上で実施した。スライドをキシレンにより脱ワックスし、段階的アルコールで再水和し、そしてエピトープ回収を、10mMクエン酸ナトリウム(pH6.0)中、20分間(100℃)このスライドを加熱することにより実施する。切片を、Tecan Genesis Autostainer(Shandon、Frankfurt a.M.、Germany;Tecan、Deisenhofen、Germany)中のShandonカバープレートシステムを用いて染色する。組織ペルオキシダーゼ活性を、8分間3%過酸化水素とのインキュベーションによりブロックする。一次p27抗体(novocastra、UK)を、1:125の希釈で付与する。p16INK4aは、モノクローナル抗体(E6H4 mtm laboratories AG)を用いて検出した。これら研究の間で調査されたさらなる分子マーカーは、例えば、p53、Ki−67、CK18、Her2、S100A4、サイクリンD1およびサイクリンD3である。
ビオチン化二次抗体を、触媒された信号増幅技法(CSA、Dako)のために用いる。最終の発色反応を、色素原として新たなフクシン、光対比染色としてヘマローン、およびカバースリップにマウントするためにKaiserのグリセリン(Merck、Darmstadt、Germany)を用いて実施する。
マーカーとして、6つの群を、比ポジティブ度を示す%ベース:腫瘍細胞の0〜1%;〜5%;〜10%;〜33%;〜50%および50%より多い:を基に評価する。予備分析を、臨床結果に関して実施する。この予備的な統計分析を基礎にして、同一または類似(p>0.2)の経過を示した群を組み合わせる。さらなる評価を単純にするために、2項分布を、高リスクおよび低リスク群を含む各パラメーターについて最終的に算出する。すべてのさらなる分析は、この2項分布に基づく。
マーカーの発現と、いくつかの臨床病理および細胞周期パラメーターとの間の関連性を調査するために、データを交差作表し、そしてFisher検定を実施する(表2を参照のこと)。p16に対する染色と患者生存との関連性を、Kaplan−Meierプロット(群間の比較は、対数−ランク試験で実施される)での生存データから構築された生命表を用いて評価する。Cox比例ハザードモデル(多変量分析)を、有意因子(p<0.05)の前方および後方段階的選択の両方を用いて、マーカーの予測値を評価するために適用する。試験は、すべての症例について別個に、または節ネガティブおよび節ポジティブ状態のみについて実施される。すべての統計的分析は、SPSSのバージョン10.0.7(SPSS Inc.IL/USA)を用いて実施する。
CKI p27について、より高いタンパク質発現は、p16結果に平行して本発明者らのシリーズでより悪い予後と関連している。現在の研究では、p27は、CKIp 16がモデルに付加される場合、多変量回帰分析でその予後値を証明していない。従って、p16過剰発現は、局在化、年齢、腫瘍ステージ(pT)および節ステージ(pN)に加えて、すべての症例における予後情報を提供する唯一の免疫組織化学的マーカータンパク質のままである。さらにより顕著なことに、節ネガティブ患者に焦点をあてる階層化したモデルでは、p16過剰発現は、多変量分析における予後値をもつ唯一の因子のままである(図3を比較のこと)。
従って、本実施例の結果は、p16INK4Aの過剰発現が強力な予後マーカー分子であることを示す。これら実験は、一連の分子マーカー分子の予後値に関する知見が、記載された高スループット方法を採用する胃癌腫サンプルの包括的パネルを分析して確証され得ないことを示した。
本研究に含められたcdk2と相互作用するサイクリン依存性キナーゼインヒビターp27は、任意の予後値を証明することができなかった。この知見は、cdk4またはcdk6に優先的に結合しないが、例えば、cdk2に結合するサイクリン依存性キナーゼインヒビターが、cdk4またはcdk6に優先的に結合するCKIのように、本発明の方法における使用に適切ではないことを示す。
サイクリン依存性キナーゼインヒビターの予後値は、cdk4またはcdk6に優先的に結合するCKIについてのみ示され得ることが陳述され得る。これらのサイクリン依存性キナーゼインヒビター過剰発現について、胃癌腫における乏しい予後と関連することが示され得る。
(実施例5:半定量的RT PCRを用いる、生存率と、小腸の癌腫におけるp19レベルとの間の相関関係の決定)
小腸の癌腫のサンプルを用い、半定量的RT PCRを用いてp19 mRNAのレベルを決定する。41の腫瘍生検をこの研究で用いる。
腫瘍を収集し、スナップ凍結し、そして−80℃で貯蔵した。これらは、組織病理学的分析により優勢的に腫瘍細胞から構成されることを確認する。mRNAを、Qiagen試薬(Qiagen、Hilden、Germany)を用いて腫瘍および患者に一致した正常小腸粘膜から単離し、そしてSuperscriptII(Life Technology、Inc.)を用いて一本鎖cDNAを合成する。定量的PCRを、7700Sequence Detector(Taqman TM)およびSYBR Green PCR Master−Mixを用い、製造業者のマニュアル(Applied Biosystems、Foster City、CA)に記載のように実施する。
PCR反応を、25μl容量中、各プライマーについて300nmolの最終濃度、95℃15秒および60℃60秒で40サイクルについて実施する。
PCR産物の特異性は、ゲル電気泳動により確認する(データは示さず)。
p19発現のレベルに関するデータを、特定の腫瘍サンプルに関する臨床データに相互に関連させる。結果は、p19 mRNAを過剰発現する小腸の癌腫を保持する個体の結果が、p19 mRNAを過剰発現しない癌腫を保持しない個体の結果と比較して乏しいことを示す。
これは、本発明による方法が、生存および疾患の経過のような臨床データに厳密に相関したパラメーターを、分子レベルで決定するための手段を提供することを示す。この方法を、本発明に従って用い、分子生物学的データを基に患者の予後を評価し得る。
図1は、胃の節ネガティブ腫瘍の腫瘍切除サンプル中のp16タンパク質発現の免疫組織化学的決定のデータに関連するKaplan−Meierプロットを示す。このプロットのx軸上に、個体の生存が月で与えられている。y軸は、累積生存である。示された曲線は、ポジティブと命名されて示された曲線は、腫瘍サンプル中でp16タンパク質を過剰発現する個体を意味し、そしてネガティブは、腫瘍切除物中でp16タンパク質を過剰発現しない個体を意味する。ネガティブサンプルでは、試験された個体の累積生存は、160ヶ月の試験期間に亘って約20%減少した。p16過剰発現サンプルの場合には、試験された個体のすべての累積生存は、対照的に、同期間で70%を超えて減少した。 図2は、胃癌に関する異なる分子マーカーの予後値に関する研究に含められたすべての患者の臨床病理の特徴付けを示す表である。示されるのは、すべての患者、節ネガティブ症例のみ(pN0)、および節ポジティブ症例のみ(pN1+)に対する一変量Kaplan−Meier分析(p値)の結果である。実験の詳細については実施例4を参照のこと。 図3は、臨床患者データと、胃切除術の免疫組織化学的染色の結果との多変量分析(Coxモデル)を示す表である;この表は、以下の因子に関するデータを含む:局在化、年齢、性別、pTステージ、pNステージ(節ネガティブ症例および節ポジティブ症例のサブ分析は除く)、組織学、グレード分け、p16。生存について有意な予後値を示した因子のみをこの表に列挙してある。これら研究の間に調査されたさらなる因子は、例えば、p53、Ki−67、CK18、Her2、S100A4、サイクリンD1、サイクリンD3およびp27である。略称は以下の通りである:RR:相対リスク、CI:相対リスクに対する95%信頼区間。実験の詳細については実施例4を参照のこと。

Claims (18)

  1. 胃腸管腫瘍の疾患経過をモニターおよび予後検査する方法であって、胃腸管腫瘍のサンプル中の1つ以上のサイクリン依存性キナーゼインヒビターの発現のレベルを検出する工程を包含し、ここで、該サイクリン依存性キナーゼインヒビターがcdk4またはcdk6に優先的に結合および阻害し、そしてここで、1つ以上のサイクリン依存性キナーゼインヒビターの過剰発現が乏しい予後と関連する、方法。
  2. 前記胃腸管腫瘍が、食道、胃、脾臓、胆管、肝臓、小腸、結腸または直腸の腫瘍である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記胃腸管腫瘍が、胃癌である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記胃腸管腫瘍が、検出可能なリンパ節併発をもたない、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記サイクリン依存性キナーゼインヒビターが、p16、p19/p20、p18またはp15である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記サンプルが、胃腸管細胞、溶解細胞または細胞残渣、組織サンプル、細胞サンプルまたは生検材料を含む液体である、請求項1〜5のいずかに記載の方法。
  7. 前記液体が、胃腸管分泌物である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記サンプルが、細胞、細胞残渣、あるいはサイクリン依存性キナーゼインヒビタータンパク質もしくはそのフラグメントまたはサイクリン依存性キナーゼインヒビターもしくはそのフラグメントをコードする核酸が共有結合もしくは非共有結合もくは接着した固体である、請求項1〜5のいずか1項に記載に方法。
  9. 前記サイクリン依存性キナーゼインヒビターのレベルの検出が、核酸のレベルを測定することにより実施される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記サイクリン依存性キナーゼインヒビターのレベルの検出が、ポリペプチドのレベルを測定することにより実施される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記検出が、定量的または半定量的核酸増幅反応に基づく、請求項9に記載の方法。
  12. 前記検出が、検出されるべき分子の、該分子を特異的に認識しかつ結合する任意の因子への結合に基づく、請求項9〜10のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記因子が、前記分子を特異的に結合する逆相補的核酸またはポリペプチドである、請求項12に記載の方法。
  14. 前記タンパク質の検出が、サイクリン依存性キナーゼインヒビターに特異的な抗体によって実施される、請求項10に記載の方法。
  15. 胃腸管腫瘍の治療の戦略を構築する方法であって、
    1つ以上のサイクリン依存性キナーゼインヒビターのレベルを、1つ以上のサイクリン依存性キナーゼインヒビターのレベル、ならびに患者の疾患経過および結果についての情報を含む臨床データと比較する工程;
    該1つ以上のサイクリン依存性キナーゼインヒビターの発現のレベルに従って、個体のサブグループを構築する工程;および
    該サブグループに従って個体のための適切な治療を仕立てる工程、を包含する、方法。
  16. 胃腸管腫瘍の疾患経過のモニターおよび予後検査か、または胃腸管腫瘍の治療のための戦略の構築における使用のための試験キットであって、
    1つ以上のサイクリン依存性キナーゼインヒビターの検出のための試薬;
    該検出反応を実施するために通常用いられる試薬および緩衝液;および
    ポジティブコントロール反応を実施するためのサイクリン依存性キナーゼインヒビターサンプルを、含む、試験キット。
  17. 前記サイクリン依存性キナーゼインヒビターの検出のための試薬が、該サイクリン依存性キナーゼインヒビターに特異的な抗体である、請求項16に記載の試験キット。
  18. 前記サイクリン依存性キナーゼインヒビターの検出のための試薬が、該サイクリン依存性キナーゼインヒビターをコードする核酸にハイブリダイズする核酸プローブである、請求項16に記載の試験キット。
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