JP2005515142A - ケイ素含有材料のための磁気分離 - Google Patents

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Abstract

クロロシラン反応器からのケイ素含有材料を処理してそのケイ素含有材料中の磁気的に影響を受ける成分を除去するために磁気分離装置を使用する。そのような不純物の除去によって、ケイ素含有材料を、例えば、ジメチルジクロロシラン、メチルジクロロシラン等の基本的なアルキルハロシラン類や、トリクロロシラン等の他のクロロシラン類等のケイ素をベースとする化合物の製造用原料とする方法において、ケイ素含有材料の反応性を高めることができる。これらのクロロシラン類は、価値のあるケイ素含有製品の製造に有用である。

Description

本明細書で開示及び特許請求される発明は、主に、流動床反応器からのケイ素含有材料を処理してそのケイ素含有材料中の磁気的に影響を受ける成分を除去するための磁気分離装置の使用に関する。そのような成分の除去によって、ケイ素含有材料を、例えば、ジメチルジクロロシラン、メチルハイドロジェンジクロロシラン等の基本的なアルキルハロシラン類や、トリクロロシラン等の他のクロロシラン類等のケイ素をベースとする化合物の製造用原料とする方法において、ケイ素含有材料の反応性を高めることができる。これらのクロロシラン類は価値のあるケイ素含有製品の製造に有用である。
発明の背景及び従来技術
上記のように、特定の価値のあるハロシラン類、すなわちシリコーン製品業界全体の基礎を実質的に成しているハロシラン類は、銅をベースとする触媒と種々の促進剤の存在下、高温での元素状ケイ素とハロゲン化アルキルとの反応から製造される。他のシラン類を製造するため、例えば金属ケイ素の製造の基本構成要素であるトリクロロシランを製造するために、他の類似の反応が行なわれる。
当業界で直接法として知られているアルキルハロシラン類を製造するための基本的な反応に関する特許及び文献は文字どおり何百もあり、最も基本的で最初のものは、1945年8月にRochowに発効された化学プロセスに関する米国特許第2,380,995号、及び1945年11月にReedらに発効された直接法における流動床反応器に関する米国特許第2,389,931号である。
直接法の主な目的はジメチルジクロロシランを製造することであるが、商業的利用が限られているメチルトリクロロシラン、トリメチルクロロシラン、テトラメチルシラン及びメチルジクロロシラン等の他のシラン類や、他のクロロシラン類及び種々のメチルクロロジシラン類に加え、少量で存在し、ほとんど商業的に有用でない様々な化合物の組合せである直接法残渣が生じる。この直接法残渣は、標準沸点が約71℃を超える高い沸点を有する。これらの残渣を構成する物質は文献に詳しく説明されている。
直接法が主成分、すなわちジメチルジクロロシランを製造する点でより選択性が高く、また、より速い速度でより高い収率をもたらすようにより効率が高いものとなるように、直接法を改善しようとする努力が当業界で絶えずなされている。さらに、ジメチルジクロロシラン以外の化合物、例えばメチルジクロロシランが望ましい場合に、それらの化合物がより高い収率で生じるようにプロセスを制御できるよう、プロセスの細かい制御が望ましい。
残念ながら、現在実施されている商用プロセスは、反応が進行するにつれて、反応を制御しにくくなる。これは、流動床反応器内での反応が進行するにつれて、流動床反応器内に不純物が蓄積することによるものと考えられている。実際に、このプロセスは、最初は、非常に活性が高く、目的の生成物に対する選択性が高い。時間が経過するにつれて、性能は低下(不純物の蓄積によるものとされている)するため、プロセスを定期的に停止し、そしてプロセスを許容可能な収率レベル及び反応速度並びにより重要なジメチルジクロロシランの選択的形成を回復させるために流動床内容物をパージ、再生又は一新しなくてはならない。冶金グレードのケイ素は典型的には0.4質量%のFe、0.15質量%のAl、0.08質量%のCa及び0.03質量%のTiを含む(Pachalyへの米国特許第5,334,738号参照)。非ケイ素金属は、FeSi2、CaSi2、FeSi2Ti、Al2CaSi2、Al8Fe5Si7、Al3FeSi2、Al6CaFe4Si8、FeSi2.4Alなどのような様々な金属間化学種を形成し、これらの金属間化学種も公開された文献に記載されている。
2002年10月15日にKalchauerらに発効された米国特許第6,465,674号には、流動床反応器の選択性、反応性及び運転時間は、鉛、クロム、ニッケル、ある種のケイ素化合物及びスラッグなどの不純物により減少すると教示されている。
クロロシラン類の形成についての選択性は、Dotsonにより1964年5月12日に発効された米国特許第3,133,109号の中でジオルガノジクロロシラン(D)に対するオルガノトリクロロシラン(T)の比(T/D比)として規定され、この比を約0.35未満にすることが一般的に望ましい。最近の目標はこの比を小さくすることである。本明細書において、「望ましい比」という用語を用いる場合はいつでも望ましいT/D比を意味する。
直接法におけるケイ素の消費の程度に影響を及ぼす様々な因子に関するさらなる文献としては、M.G.R.T. de Cookerらの"The Influence of Oxygen on the Direct Synthesis of Methylchlorosilanes", Journal of Organometallic Chemistry, 84, (1975), pp. 305-316がある。この中で、Cookerは、直接法合成の間に、接触混合物表面の漸次的不活性化が起こると教示している。Cookerは、この不活性化は多くの要因によってもたらされるものであろうと推測している。例えば、炭素及び炭素質生成物の堆積は、表面部分をブロックすることがある。さらに、例えば、ZnCl2 の蒸発によって、ケイ素中に汚染物として存在する元素、例えば鉄の反応器内への蓄積によって、クラッキングの増加をもたらす表面上の遊離銅の増加によって、又は接触混合物と微量の酸素との反応によりケイ素酸化物及び銅酸化物を生成して反応性サイトを塞ぐことによって、接触混合物表面自体上の促進剤の含有量が減少し、活性が低下することがある。この論文中に開示されている実験で使用されたケイ素は、冶金用ケイ素とは対照的に、工業用ケイ素であり、この工業用ケイ素の主な不純物としてFeが0.4質量%、Alが0.1質量%、及びCaとMgがそれぞれ0.3質量%存在し、使用前に、ケイ素を水で洗浄し、乾燥させ、次いで、ケイ素中に存在する鉄分を除去するために磁石で処理したと記載されている。
従って、不純物の蓄積を解消し、また、より高い効率及び高い収率で、生産される生成物をより良好に制御して、反応をより長く行なえるようにする必要がある。幾つかの文献では、不純物と、反応器から流れを引き出し、不純物リーン部分を分離し、それを反応器に戻すことによるそれら不純物の除去とが議論されている。本明細書で用いる「含有量比」は、不純物リッチ画分中の所定の元素の質量%を不純物リーン画分中のその質量%で割った比率として算出される。1.0の含有量比は、リッチ画分とリーン画分中に所定の元素が等しい濃度で存在し、その元素についての分離が起こらなかったことを意味する。
反応中に流動床反応物から不純物を除去して反応器内に不純物が蓄積するのを減らすことに関する1つの解決法が、1981年12月22日にShahらに発効された米国特許第4,307,242号に開示されている。その方法では、分粒法、例えば空気力学的遠心分粒機が使用される。
1981年7月28日にShadeに発効された米国特許第4,281,149号には、表面被毒をなくし、フレッシュな反応表面を露出させるために、ケイ素粒子の一部を摩耗させる手段が記載されている。「摩耗された」又は「摩耗」という用語は、本明細書で使用する場合はいつでも、Shade特許に記載された上記方法を意味する。Shade特許の開示は、反応器からの固体粒子の摩耗についての教示に関して、引用によりここに含まれていることにする。
本発明者らは、粉砕された固体材料からの磁気分離技術を用いる金属の分離に関する先行技術文献に他の開示があることを認識している。精製業界からそのような開示が2つあるものの、いずれもケイ素含有材料から構成成分を磁気分離することについて扱ったものではない。そのような先行技術文献の1件は、1992年9月15日にHettingerに発効された米国特許第5,147,527号であり、この中で、高金属含有触媒の低、中及び高金属と活性触媒への磁気分離が記載されている。すなわち、この特許には、触媒を使用して炭素−金属油をより軽い生成物に変換する改善された方法が記載されており、改善点は、触媒粒子の一部を、それらを静電荷導電ベルトで搬送しながら少なくとも10キロガウス/インチの磁場勾配の少なくとも1キロガウスの高強度磁場に通し、そしてより活性の高い触媒を、その触媒を最初に使用したプロセスにリサイクルするプロセスにある。
第2の開示は、2001年2月27日にGoolsbyに発効された米国特許第6,194,337号に見つけることができる。この特許では、触媒中の望ましくない汚染物の磁気分離を改善するために、不純物粒子の磁化率を増加させる。
様々な文献に、鉱石及びスラリーから強磁性及び常磁性粒子不純物を除去するために磁力を加えることが記載されている。Svoboda, Jan., "Magnetic Methods for the Treatment of Minerals", Developments in Mineral Processing-8, ISBNO-44-42811-9, Elsevier, New York, 1987に、磁気分離技術の現状が概説されている。他の総説としては、"Magnetic Separation", Perry's Chemical Engineers' Handbook, McGraw-Hill, New York, 7th Edition, 1998, pp. 19-49、及びOberteuffer, John, Wechsler, Ionel, "Magnetic Separation", Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology, 3rd Edition, 1978, John Wiley & Sons, New York, Volume 15, pp. 708-732が挙げられる。これらの文献には、誘起磁気ロール分離装置、永久磁気ロール分離装置、高勾配磁気分離装置(HGMS)、及び開放勾配磁気分離装置に関する技術が記載されており、これらの技術の全てが本発明において有用である。
ケイ素関連化学において磁気分離の幾つかの応用が行なわれている。Magnetic and Electrical Separation, Vol. 10 (2000), pp.161-178のWangらの"Purification of Fine Powderes by a Super-conducting HGMS with Vibration Assistance"には、石英からFe23 を除去するHGMSの能力が示されている。1989年3月7日に発効されたSeiderらの米国特許第4,810,368号には、炭化ケイ素から磁性不純物を簡便に分離することが示されている。1994年9月27日に発効された米国特許第5,349,921号の中でBarracloughらは、結晶成長中に500ガウスの磁場をかけることにより半導体グレードのシリコン中の不純物分布を改善した。2001年7月24日に発効された米国特許第6,264,843号の中でWiesnerは半導体材料の機械加工から不純物を除去する方法を教示している。この方法では、のこぎりの刃又はラップ板に由来する粒子をケイ素の機械加工中に切削液から磁気的に分離することができる。
多くの著者がケイ素含有材料の磁化率を報告している。U. Birkholzらは、Physica Status Solidi, 1969, No. 34, pp. K181-K184において、α−FeSi2 の0℃〜1000℃の温度範囲での磁化率を報告している。このα−FeSi2 は、0℃〜400℃の温度範囲では平坦な応答の低い磁化率を有する。添加された少量の過剰のケイ素は磁化率を負にする。すなわち反磁性である。Physical Review B, Vol. 51, No. 8, February 1995, pp. 4763-4767において、D. Mandrusらは50K〜700Kの温度範囲でのFeSiの磁化率を報告している。このFeSiは、約225℃でピーク磁化率を示す。しかしながら、O. Kubaschewski, Iron-Binary Phase Diagrams, Springer-Verlag, 1982, pp. 136-139のFeSi相図、及び商用グレードのケイ素について報告された金属間相から、FeSiは、直接法の供給材料ケイ素中に存在するとは期待されない。
上記文献のいずれにも、流動床反応器からのケイ素材料から磁気的に影響を受ける化学種を分離することについての教示、示唆又は記載はない。また、上記文献のいずれにも、ケイ素中に存在すると予想される不純物を磁気的に分離するための最適な温度についての教示、示唆又は記載はない。
本明細書で開示し特許請求する方法は、反応器の流動床における不純物の蓄積を制御して反応器中での反応を促進し、より効率的なプロセス、より良好な選択性、より良好な制御及びより長い反応の実行時間をもたらす。
本発明
本明細書において発明として開示するものは、流動床反応器からのケイ素含有材料を処理してそのケイ素含有材料中の磁気的に影響を受ける成分を除去するための磁気分離装置の使用、それにより得られる実質的に精製されたケイ素含有材料、その精製されたケイ素含有材料をアルキルハロシラン類の製造に使用すること、流動床反応物(ケイ素含有材料)からの不純物の磁気分離とともに流動床反応物の改良を伴うそのための方法、微粉砕処理から得られ磁気分離装置を併用して改良された精製ケイ素含有材料、磁気分離装置を併用して改良された空気力学的分粒処理、磁気分離装置を併用して摩耗処理(abrading treatments)から得られた材料、及び磁気分離装置を併用する微粉砕の改良と空気力学的分粒の改良の組み合わせである。
さらに、本発明の範囲内でShadeの教示と組み合わせて、本明細書で開示し特許請求する本発明の磁気分離装置の態様と関連して、流動床反応物の反応性を高めることが考えられる。
さらに、本明細書で開示し特許請求する磁気分離装置の態様と関連して、本発明の範囲内で242号特許のShahの教示と組み合わせて、流動床固形物の不純物を減少させることが考えられ、そして最後に、本発明の磁気分離装置の態様と組み合わせ且つ関連して、本発明の範囲内でShadeの教示とShahの教示の両方を組み合わせて、流動床反応器を使用してクロロシラン類を製造する際の結果を改善することが考えられる。
さらに、本発明の範囲内で149号特許のShadeの教示と組み合わせて、本明細書で開示し特許請求する本発明の磁気分離装置の態様と関連して、流動床固形物の不純物を減少させることが考えられる。
本明細書において用いる場合に、「磁気的に影響を受ける成分」とは、流動床反応器からのケイ素含有材料中に含まれる物質であって、磁場を用いてそのケイ素含有材料から分離可能なものを意味し、例えば、強磁性、常磁性又は反磁性であるものが挙げられ、そのようなものとしては、それらの物理的性質によって、あるいはそのような強磁性、常磁性又は反磁性物質と結合してその強磁性、常磁性又は反磁性物質に担持されることによって、流動床ケイ素含有材料から除去することのできるものを意味する。磁気的に影響を受ける成分は、磁性画分中に選択的に引き寄せられる化学種を多く含む混合物、及び非磁性画分中に選択的に反発された化学種が減少したものを包含する。磁気的に影響を受ける化合物は、フェリ磁性化学種及び反強磁性化学種を含むこともあるであろう。流動床ケイ素含有材料の例は、米国特許第5,334,738号について述べた段落で既に記載したとおりである。
本発明の第1の態様は、クロロシラン類を製造するための反応器で使用されたケイ素含有固体材料を処理する方法であって、前記反応器で使用されたケイ素含有固体材料を磁気分離装置にかけてケイ素含有固体材料中の構成成分を磁性部分と非磁性部分とに分けることを含む方法である。
本発明の第2の態様は、流動床反応器の流動床に由来するケイ素含有固体材料をその反応器から除去する方法であって、ケイ素含有固体材料を流動床反応器の流動床から除去し;ケイ素含有固体材料を、磁気分離装置にかけてケイ素含有固体材料中の構成成分を磁性部分と非磁性部分とに分け;次に、ケイ素含有固体材料の非磁性部分を流動床反応器の流動床に戻すことを含む方法である。この態様は、処理されたケイ素含有固体材料を、それを除去した反応器に戻すことができること、又は別の流動床反応器に戻し使用できることを意図することに注意されたい。
本発明の別の態様は、アルキルハロシラン類の製造法における、より具体的にはアルキルハロシラン類を製造するための直接法における、及びトリクロロシランの製造法における、上記方法の使用である。
本発明の更に別の態様は、ケイ素含有材料を磁気分離にかけて当該ケイ素含有材料中の不純物を減少させることにより製造されるケイ素含有材料自体である。
本発明の更に別の態様は、クロロシランを製造する方法であって、流動床反応器を用意し、そしてその流動床反応器に微粉砕されたケイ素と、直接法反応のための少なくとも1種の触媒と、直接法反応のための少なくとも1種の促進剤とを装入することを含む方法である。その後、その流動床反応器に塩化アルキルを供給して、反応器内に流動床を形成し、微粉砕されたケイ素と、触媒と、促進剤と、塩化アルキルとを相互作用させ反応させて、望ましい比及び望ましい速度でアルキルクロロシランを生成させる。その後、望ましい比率がある程度増加したら又は望ましい反応速度がある程度減少したら、流動床の内容物を磁気分離装置にかけてその流動床内容物中の構成成分を磁性部分と非磁性部分とに分けることにより流動床内容物を処理することを含むプロセスに流動床内容物をかける。その後、流動床反応器の流動床から流動床内容物の磁性部分を除去し、直接法を続ける。
更なる態様は、クロロシランの製造方法である。この方法は、流動床反応器を用意し、その流動床反応器に、微粉砕されたケイ素と、直接法反応のための少なくとも1種の触媒と、直接法反応のための少なくとも1種の促進剤とを装入することを含む。その後、流動床反応器に塩化アルキルを供給して、反応器内に流動床を形成し、微粉砕されたケイ素と、触媒と、促進剤と、塩化アルキルとを相互作用させ反応させて、望ましい比及び望ましい速度でアルキルクロロシランを生成させる。その後、望ましい比がある程度増加したら又は望ましい反応速度がある程度減少したら、流動床の内容物を微粉砕してその中に含まれる固形物を摩耗させるか又はその固形物の平均粒度を小さくし、次に、微粉砕された流動床内容物を磁気分離装置にかけて流動床内容物中の構成成分を磁性部分と非磁性部分とに分けることにより流動床内容物を処理することを含むプロセスに流動床内容物をかける。流動床反応器の流動床から流動床内容物の磁性部分を除去し、直接法を続ける。
本発明の更に別の態様を述べると、クロロシランの製造方法であって、流動床反応器を用意し、その流動床反応器に、微粉砕されたケイ素と、直接法反応のための少なくとも1種の触媒と、直接法反応のための少なくとも1種の促進剤とを装入することを含む。その後、流動床反応器に塩化アルキルを供給して、反応器内に流動床を形成し、微粉砕されたケイ素と、触媒と、促進剤と、塩化アルキルとを相互作用させ反応させて、望ましい比及び望ましい速度でアルキルクロロシランを生成させる。その後、望ましい比がある程度増加したら又は望ましい反応速度がある程度減少したら、流動床の内容物を空気力学的遠心分粒プロセスを使用する分級法にかけることによりその流動床内容物の固形物部分に由来する不純物を減少させ除去し、次に、精製された流動床内容物を磁気分離装置にかけて流動床内容物中の構成成分を磁性部分と非磁性部分とに分けることにより流動床内容物を処理することを含むプロセスに流動床内容物をかける。その後、流動床反応器の流動床から流動床内容物の磁性部分を除去し、直接法を続ける。
さらに、本発明の別の態様が提供される。この別の態様は、クロロシランの製造方法であり、この方法は、流動床反応器を用意し、その流動床反応器に、微粉砕されたケイ素と、直接法反応のための少なくとも1種の触媒と、直接法反応のための少なくとも1種の促進剤とを装入し、その後、流動床反応器に塩化アルキルを供給して、反応器内に流動床を形成することを含む。その後、微粉砕されたケイ素と、触媒と、促進剤と、塩化アルキルとを相互作用させ反応させて、望ましい比及び望ましい速度でアルキルクロロシランを生成させ、そして、望ましい比がある程度増加したら又は望ましい反応速度がある程度減少したら、流動床の内容物を微粉砕してその中に含まれる固形物を摩耗させるか或いはその中に含まれる固形物の平均粒度を小さくし、その後、流動床内容物を、空気力学的遠心分粒プロセスを使用する分粒法にかけることにより流動床内容物の粉砕された固形物部分に由来する不純物を減少させるか或いは除去することにより流動床内容物を処理することを含むプロセスに流動床内容物をかける。次に、精製された流動床内容物を磁気分離装置にかけて流動床内容物中の構成成分を磁性部分と非磁性部分とに分け、その後、流動床反応器の流動床から流動床内容物の磁性部分を除去し、直接法を続ける。
本発明のさらに別の態様は、クロロシランの製造方法である。この方法は、流動床反応器を用意し、その流動床反応器に、微粉砕されたケイ素と、直接法反応のための少なくとも1種の触媒と、直接法反応のための少なくとも1種の促進剤とを装入することを含む。その後、流動床反応器に塩化アルキルを供給して、反応器内に流動床を形成し、微粉砕されたケイ素と、触媒と、促進剤と、塩化アルキルとを相互作用させ反応させて、望ましい比及び望ましい速度でアルキルクロロシランを生成させる。その後、望ましい比がある程度増加したら又は望ましい反応速度がある程度減少したら、流動床の内容物を摩耗させて流動床内容物の粒子の表面から不純物を除去することにより流動床内容物を処理して流動床内容物の固形物部分の不純物を減少させて除去し、その後、精製された流動床内容物を磁気分離装置にかけて流動床内容物中の構成成分を磁性部分と非磁性部分とに分けることにより流動床内容物を処理することを含むプロセスに流動床内容物をかける。その後、流動床反応器の流動床から流動床内容物の磁性部分を除去し、直接法を続ける。
発明の詳細な説明
上記のとおり、本明細書では、ケイ素含有流動床材料を処理してそのケイ素含有材料中の磁気的に影響を受ける成分を除去するための磁気分離装置を使用する方法が開示される。
図1には、ケイ素含有材料3中の磁気的に影響を受ける成分2を磁気分離するための方法及び装置1が概略図で示されている。この図において、反応物(ケイ素含有固体材料3)の一部が流動床反応器4から取り出され、反応が続いている間に磁気分離装置5に送られ、次に流動床反応器4に戻される。
例示のために示すと、冶金グレードのケイ素6、塩化メチル7、触媒及び促進剤8が流動床反応器4に供給される。磁気分離装置5は反応物3の一部を処理する。ケイ素含有固体材料3は、必要に応じて、磁気分離装置5により処理すべく流動床反応器3から分流されても、あるいは流動床反応器4内で現場(in-situ)処理されても、又は磁気分離装置5に送られる前に不純物を減少させるプロセス(図示せず)により処理されてもよい。供給材料としてのケイ素含有固体材料3は、連続的に、断続的に又は回分式で取り出すことができる。非磁性画分9は、元の反応器4に戻されても、あるいは処理されたケイ素含有材料3の更なる反応のための別個の補助的な反応器(図示せず)に送られてもよい。時間の経過による不純物の蓄積を制御するために、元の反応器4から磁性画分10を除去する。本発明の目的は、流動床反応器の性能を改善するとともに、粗クロロシラン生成物11の選択性を向上させることである。このように磁気分離装置を実際に使用することについての詳細は、下記実施例に記載する。
本発明の別の態様において、磁気分離過程の間に反応器内容物を振動又は流動化させることができる。本発明者の知っている限りでは、磁気的に影響を受ける材料を分離するのに有効であればいかなる磁気分離装置も本発明の方法において有用である。幾つかの商用分離装置があり、それらのうちの幾つかは、先に示したPerry's Handbook and Kirk-Othmer Encyclopediaに記載されている。
好ましい装置は、振動マトリックスを備えたキャニスター容器を具備する。そのような装置としては、Eriez乾式振動磁気フィルター(DVMF)、Frantzフェロフィルター、Carpco高勾配磁気分離装置(HGMS)又は同様なキャニスター及びマトリックス装置が挙げられる。これらの装置は、100〜60,000ガウス;あるいは1000〜10,000ガウス;又は2000〜5000ガウスの範囲内の開放勾配磁場強度を有することができる。
当業者には当然のことであるが、クロロシラン製造のために反応器で使用される冶金用ケイ素を、そのような反応器で使用する前に、磁気分離装置で処理して、磁気的に影響を受ける成分を除去することができる。また、そのような処理を、ここに開示し特許請求する方法と組み合わせて用いることは本発明の範囲内であると考えられ、「混入」した磁気的に影響を受ける成分、特に鉄を、そのようなケイ素から除去することが望ましい場合には特に、本発明の範囲内であると考えられる。「混入」成分は、反応器内で冶金用ケイ素を使用するのに先立ってその冶金用ケイ素の粒子のサイズを減少させるために冶金用ケイ素に適用される微粉砕プロセスによって冶金用ケイ素に加わる成分である。
実施例1
Outokumpu Technology Incorporated, Carpco Division(フロリダ州ジャクソンビル)製のCarpcoモデルMIH(13)113-5強力誘導式ロール磁気分離装置を使用して冶金グレードのケイ素の試料を分離した。そのケイ素を、この実施例で使用する前に、流動床反応器内で塩化メチルと部分的に反応させた。ロール速度180rpm、コイル電流3アンペア及び振動機速度76%で試料を処理するように磁気分離装置を設定した。ナイフ位置を87度に設定した。供給材料を、磁性画分、中央画分(中間画分)及び非磁性画分に分離した。元素分析の結果を下記表1に示す。鉄の含有率は14.65と高かった。元素Al,Ca,Cr,Fe,K,Mg,Mn,Na,Ni,P,Sn,Ti,V及びZnの含有率も高かった。これらの元素のうちの幾つかは、流動床反応器の性能を低下させることが知られており、それらを除去することによって当該プロセスは促進され、性能は改善される。
銅の含有率が比較的低いことは望ましい利益につながる。というのは、動作している市販の流動床から鉄を分離すると、系に存在する銅触媒が比較的少ない量で除去されるからである。銅(元素状の銅、塩、又は酸化物として)は、反応を触媒するのに必要な高価な添加剤である。ケイ素でもなく銅でもない粒子の選択的除去は、不純物分離形の望ましい1つの特徴である。Cr(含有率=10.4)及びNi(含有率=10.6)の除去は、触媒毒を除去できる可能性があることを示している。
実施例2
Eriezモデル50-4乾式振動磁気フィルター(DVMF)を使用して、市販の流動床反応器から取り出した部分的に反応したケイ素の試料を分離した。この装置は、5000ガウスの磁場強度で運転した。0.090インチの振幅で1200rpmで垂直方向に振動させた1/4インチエキスパンデッドメタルマトリックスをシリンダーに入れた。原料の冶金グレードのケイ素をボールミルで微粉砕し、触媒、促進剤及び塩化メチルと部分的に反応させた。DVMFへの供給材料を磁性画分及び非磁性画分に分離した。この材料の元素分析結果を下記表2に示す。
表2に示すように、鉄の含有率は高かった。銅の含有率は比較的低かった。炭素の含有率から、金属不純物に加えて、磁気分離によって、炭素質堆積物も、意外にも選択的に除去されることが判る。他のケイ素でもなく銅でもない元素も選択的に除去され、当該プロセスが促進される。
例3
走査型電子顕微鏡法(SEM)及びエネルギー分散型分光法(EDS)を使用して、実施例2で得られた磁性及び非磁性画分を分析した。この分析は、磁化されやすい金属がケイ素試料中に均一に分布しているかどうか、及び特定の既知の金属間不純物の粒子が、非磁性画分と比較した場合に、磁性画分中により広く存在しているかどうかを調べるために行なった。試料をグラファイトSEMスタブ上のカーボンテープに付着させた。この分析の場合、SEM/EDS分析のために試料を導電性にするため、薄いカーボン層を試料上に堆積させた。各試料中の30個の粒子をランダムに選択して分析し、それらの原子組成を求めた。
ランダム分析を終えた後、「後方散乱」分析モードを用いた。このモードから、純粋なケイ素よりも重い原子量を有する粒子が示された。これらの領域をさらに調べ、高原子量の粒子の組成を求めた。
磁性及び非磁性画分中の粒子のほとんどが、ケイ素分が90質量%を超える非常に純粋なケイ素であった。磁性画分において、30個の粒子のうちの13個が0.1質量%の鉄を含んでいた。非磁性画分において、30個の粒子のうちのたった1個が0.1質量%を超える鉄を含んでいた。ランダムにサンプリングした磁性画分において、2個の粒子が49質量%を超える鉄を含むと確認された。後方散乱モードで上記の装置を用いると、更に1個の粒子が91質量%を超える鉄を含むと同定された。非磁性画分中には、30質量%を超える鉄を含む同様な粒子は確認されなかった。これらの高鉄粒子の元素含有率は、この例で使用するのに相応しい塊状ケイ素を微粉砕するために使用されるボールミル機で使用される磨砕用ボールの組成と一致していた。磨砕用ボールは次第に摩耗するため、粉末状ケイ素に鉄が加わる。磨砕用ボールはニッケル及びクロムを含むこともある。ニッケル及びクロムは磨砕用ボールの硬さ及び耐摩耗性を高めるために磨砕用ボールに添加される。これら3つの高鉄粒子は磨砕用ボールの破片であると考えられる。
測定した幾つかの粒子は、公開されている文献に既に報告されているものと矛盾せず、冶金グレードのケイ素中に通常見出される金属間不純物によるものであると考えられる原子組成を有していた。例えば、磁性画分中にSi8Al6Fe4Caのばらばらの粒子が観察できた。磁性画分のランダム分析では、30個の粒子のうち2個がSi8Al6Fe4Caであった。後方散乱モード(非ランダムサンプリング)で分析した場合に、第3のSi8Al6Fe4Ca粒子は磁性画分中にあった。これらの粒子の原子組成を、Margaria, T., Anglezio, J. C., Servant, C., "Intermetallic Compounds in Metallurgical Silicon," INFACON 6, Proceedings of the 6th International Ferroalloys Congress, Cape Town. Volume 1, Johannesburg, SAIMN, 1922, pp. 209 to 214からのSi8Al6Fe4Caについての参考組成とともに下記表3に示す。非磁性画分中にはSi8Al6Fe4Ca粒子は見つけられなかった。
他の非ケイ素粒子は、相FeSi2.4Al、Si2FeTi及びCaSi2(CaCl2を含む)の報告されている組成に実質的に一致する組成を有すると観測された。観測された非ケイ素金属は、非磁性画分中よりも磁性画分中により広く存在した。
実施例4
次に、磁気分離を改善するためにケイ素を部分的に反応させることについての利点を示す。冶金グレードのケイ素を市販のリングローラーミルで微粉砕し、20,000ガウスの磁場を生じることのできる高勾配磁気分離装置(HGMS)に供給した。この例では、磁場は3000ガウスに制限した。結果を下記表4に示す。
この実験では、非ケイ素金属の濃度はほとんどゼロであった。3000ガウスの同じ磁場強度で、流動床反応器内で部分的に反応させたケイ素の試料を処理した。結果を下記表5に示す。
実施例5
直接法に及ぼす鉄の有害な効果を明らかにするために、ケイ素の試料に鉄粉を意図的に加え、実験室用直接法反応器内で反応させた。市販の冶金グレードのケイ素との多くの反応を生じさせ、反応器系を統計的工程管理状態においた。標準的な銅をベースとする触媒及び促進剤をケイ素のバッチに加え、そして320℃の温度制御されたオーブン内で塩化メチルと44時間反応させた。試験試料に、鉄粉を加えて鉄含有量を2倍にした。使用した鉄は、Alpha Productsのカタログ番号00170、325メッシュ(44ミクロン)、金属基準で純度99.9+%であった。結果を下記表6に示す。この表から判るように、元素状の鉄は、T/D比にかなりの悪影響を及ぼした。
実施例6
実施例2から得た磁性画分の一部を試験して、その材料の磁化率に及ぼす温度の効果を明らかにした。粉末状ケイ素を直径3mmの石英管に入れた。この管を真空引きし、トーチで封管した。Maxwell, E., "Mutual Inductance Bridge for AC Susceptibility Measurements at low Frequencies", Review of Scientific Instruments, Volume 36, 1965, pp. 553-554の記載に従って構成されたHartshorn相互インダクタンスブリッジを用いて磁化率を試験した。試験コイルは、巻線密度3150回巻/メートルの一次コイルと、反対にそれぞれ120回づつ巻かれた2つの二次コイルから成っていた。二次コイルのうちの1つとと一次コイルとの間の相互インダクタンスを測定した。測定は、空のコイルと、実施例2から得た磁性画分の試料について行なった。測定値を較正し、試料の測定値から空のコイルのデータを差し引き、次にナノヘンリー単位に正規化した。結果をグラフにしたものを、ベストフィットの描いた曲線とともに図1に示す。図2から判るように、ピーク磁化率がおよそ217℃で観測された。
比較例1
様々な分離法を比較し、他の磁気分離法及び従来技術の非磁気分離法と比較した上記の好ましい磁気法の有用性を示す。非磁気分離法との比較のために、分粒、例えばShahらにより米国特許第4,307,242号明細書に記載されているようなサイクロン微粉の分離を含めた。供給材料を2つの画分に分けた。画分1は、本発明の実施例の磁性画分である鉄リッチ画分であるか、又はShahの実施例の微粉画分であった。画分2は、本発明の実施例の非磁性画分である精製された画分であるか、又はShahの実施例の粗粒画分であった。Shah特許の場合の例の番号は、その特許で表示されている記載を表す。磁性画分の表示は先に示したとおりである。この比較を下記表7に示す。
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図1は、本方法の一態様を示す概略図である。 図2は、実施例7に記載の実験の結果を示すグラフである。

Claims (52)

  1. クロロシラン類を製造するための反応器で使用されたケイ素含有固体材料を処理する方法であって、前記反応器で使用されたケイ素含有固体材料を磁気分離装置にかけて前記ケイ素含有固体材料中の構成成分を磁性部分と非磁性部分とに分けることを含む方法。
  2. 前記磁性部分が前記方法から除去されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記方法がほぼ周囲温度及び周囲圧力で行なわれる請求項1記載の方法。
  4. 前記方法が周囲温度及び周囲圧力を超える温度及び圧力で行なわれることを特徴とする請求項1記載の方法。
  5. 前記方法が360℃未満かつ150psig未満で行なわれることを特徴とする請求項4記載の方法。
  6. 前記方法が約150℃〜約340℃の温度範囲で行なわれることを特徴とする請求項4記載の方法。
  7. 前記方法が約25〜約45psigの圧力範囲で行なわれることを特徴とする請求項4記載の方法。
  8. 前記方法がアルキルクロロシラン類の製造のためのものであることを特徴とする請求項1記載の方法。
  9. 前記方法がトリクロロシランの製造のためのものであることを特徴とする請求項1記載の方法。
  10. 前記方法が直接法によりクロロシラン類を製造するために使用される流動床反応器において使用されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  11. 前記ケイ素含有固体材料が、磁気分離を行なうのに先立って冷却されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  12. 前記非磁性画分が、磁気分離にかけられた後に加熱されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  13. 前記反応器で使用された前記ケイ素含有材料が、前記磁気分離装置に当該ケイ素含有材料をかけるのに先立って微粉砕されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  14. 前記反応器で使用された前記ケイ素含有材料を磁気分離装置にかける前に、当該反応器で使用された前記ケイ素含有材料を分粒処理にかけることを特徴とする請求項1記載の方法。
  15. (I)ケイ素含有固体材料を流動床反応器の流動床から除去し;
    (II)前記ケイ素含有固体材料を磁気分離装置にかけて前記ケイ素含有固体材料中の構成成分を磁性部分と非磁性部分とに分け;
    (III)前記ケイ素含有固体材料の非磁性部分を流動床反応器の流動床に戻すこと;
    を含む、ケイ素含有固体材料を処理する方法。
  16. クロロシラン類の製造方法において、
    (I)クロロシラン類の製造のために使用される反応器内で使用されたケイ素含有固体材料を、当該ケイ素含有固体材料を磁気分離装置にかけることによって処理し、当該ケイ素含有固体材料中の構成成分を磁性部分と非磁性部分とに分け;
    (II)前記ケイ素含有固体材料の磁性部分を前記反応器から除去すること;
    を含む、クロロシラン類の製造方法。
  17. 前記ケイ素含有固体材料が、磁気分離にかけられる前に前記反応器から除去されることを特徴とする請求項16記載の方法。
  18. クロロシラン類の製造のための直接法であることを特徴とする請求項16記載の方法。
  19. 前記方法は連続法であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  20. 前記方法は回分法であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  21. 請求項1記載の方法により処理されたケイ素含有材料。
  22. クロロシランを製造するための反応から得られるケイ素含有材料であって、請求項16に記載の工程Iにかけられた後のケイ素含有材料。
  23. (I)流動床反応器を用意し;
    (II)前記流動床反応器に、(i)微粉砕されたケイ素と、(ii)直接法反応のための少なくとも1種の触媒と、(iii)前記直接法反応のための少なくとも1種の促進剤とを装入し;
    (III)その後、前記流動床反応器に塩化アルキルを供給して、前記反応器内に流動床を形成し;
    (IV)前記微粉砕されたケイ素と、触媒と、促進剤と、塩化アルキルとを相互作用させ反応させて、望ましい比及び望ましい速度でアルキルクロロシラン類を生成させ;
    (V)その後、望ましい比がある程度増加したら又は望ましい反応速度がある程度減少したら、前記流動床の内容物を磁気分離装置にかけて当該流動床の内容物中の構成成分を磁性部分と非磁性部分とに分けることにより前記流動床の内容物を処理することを含むプロセスに前記流動床内容物をかけ、そしてそのプロセスから前記流動床内容物の磁性部分を除去すること;
    を含むクロロシランの製造方法。
  24. 前記流動床の内容物を磁気分離にかける前に、前記流動床の内容物を前記反応器から除去することを特徴とする請求項23記載の方法。
  25. (I)流動床反応器を用意し;
    (II)前記流動床反応器に、(i)微粉砕されたケイ素と、(ii)直接法反応のための少なくとも1種の触媒と、(iii)前記直接法反応のための少なくとも1種の促進剤とを装入し;
    (III)その後、前記流動床反応器に塩化アルキルを供給して、前記反応器内に流動床を形成し;
    (IV)前記微粉砕されたケイ素と、触媒と、促進剤と、塩化アルキルとを相互作用させ反応させて、望ましい比及び望ましい速度でアルキルクロロシラン類を生成させ;
    (V)その後、望ましい比がある程度増加したら又は望ましい反応速度がある程度減少したら、前記流動床の内容物を微粉砕してその中に含まれる固形物の平均粒度を小さくし、その後、粉砕された流動床内容物を磁気分離装置にかけて前記流動床内容物中の構成成分を磁性部分と非磁性部分とに分けることにより前記流動床内容物を処理することを含むプロセスに前記流動床内容物をかけ、その後、そのプロセスから前記流動床内容物の磁性部分を除去し、前記直接法を続けること;
    を含むクロロシランの製造方法。
  26. 前記流動床内容物を微粉砕及び磁気分離にかける前に、前記流動床反応器の内容物を前記反応器から除去することを特徴とする請求項25記載の方法。
  27. (I)流動床反応器を用意し;
    (II)前記流動床反応器に、(i)微粉砕されたケイ素と、(ii)直接法反応のための少なくとも1種の触媒と、(iii)前記直接法反応のための少なくとも1種の促進剤とを装入し;
    (III)その後、前記流動床反応器に塩化アルキルを供給して、前記反応器内に流動床を形成し;
    (IV)前記微粉砕されたケイ素と、触媒と、促進剤と、塩化アルキルとを相互作用させ反応させて、望ましい比及び望ましい速度でアルキルクロロシラン類を生成させ;
    (V)その後、望ましい比がある程度増加したら又は望ましい反応速度がある程度減少したら、前記流動床の内容物を空気力学的遠心分粒プロセスを使用する分粒法にかけることにより前記流動床内容物の固形物部分に由来する不純物を減少させ除去し、その後、精製された流動床内容物を磁気分離装置にかけて前記流動床内容物中の構成成分を磁性部分と非磁性部分とに分けることにより前記流動床内容物を処理することを含むプロセスに前記流動床内容物をかけ、次いで、前記流動床内容物の磁性部分を前記流動床反応器から除去し、前記直接法を続けること;
    を含むクロロシランの製造方法。
  28. 前記流動床内容物が空気力学的遠心分粒及び磁気分離にかけられる前に、前記流動床内容物が反応器から除去される請求項27記載の方法。
  29. (I)流動床反応器を用意し;
    (II)前記流動床反応器に、(i)微粉砕されたケイ素と、(ii)直接法反応のための少なくとも1種の触媒と、(iii)前記直接法反応のための少なくとも1種の促進剤とを装入し;
    (III)その後、前記流動床反応器に塩化アルキルを供給して、前記反応器内に流動床を形成し;
    (IV)前記微粉砕されたケイ素と、触媒と、促進剤と、塩化アルキルとを相互作用させ反応させて、望ましい比及び望ましい速度でアルキルクロロシラン類を生成させ;
    (V)その後、望ましい比がある程度増加したら又は望ましい反応速度がある程度減少したら、前記流動床の内容物を微粉砕してその中に含まれる固形物の平均粒度を小さくし、そして前記流動床内容物を空気力学的遠心分粒プロセスを使用する分粒法にかけることにより流動床内容物の粉砕された固形物部分に由来する不純物を減少させ除去し、次に、精製された流動床内容物を磁気分離装置にかけて前記流動床内容物中の構成成分を磁性部分と非磁性部分とに分けることにより前記流動床内容物を処理することを含む方法に前記流動床内容物をかけ、次いで、前記流動床内容物の磁性部分を前記流動床反応器の流動床から除去し、前記直接法を続けること;
    を含むクロロシランの製造方法。
  30. 前記流動床内容物を、微粉砕、空気力学的遠心分粒及び磁気分離前に、前記反応器から除去することを特徴とする請求項29記載の方法。
  31. (I)流動床反応器を用意し;
    (II)前記流動床反応器に、(i)微粉砕されたケイ素と、(ii)直接法反応のための少なくとも1種の触媒と、(iii)前記直接法反応のための少なくとも1種の促進剤とを装入し;
    (III)その後、前記流動床反応器に塩化アルキルを供給して、前記反応器内に流動床を形成し;
    (IV)前記微粉砕されたケイ素と、触媒と、促進剤と、塩化アルキルとを相互作用させ反応させて、望ましい比及び望ましい速度でアルキルクロロシラン類を生成させ;
    (V)その後、望ましい比がある程度増加したら又は望ましい反応速度がある程度減少したら、前記流動床の内容物を摩耗させて当該流動床内容物の粒子の表面から不純物を除去し、その後、摩耗させた流動床内容物を磁気分離装置にかけて前記流動床内容物中の構成成分を磁性部分と非磁性部分とに分けることにより前記流動床内容物を処理することを含むプロセスに前記流動床内容物をかけ、その後、前記流動床内容物の磁性部分を前記プロセスから除去し、前記直接法を続けること;
    を含むクロロシランの製造方法。
  32. 前記流動床内容物を磁気分離にかける前に、前記流動床内容物を前記反応器から除去して前記摩耗にかけることを特徴とする請求項31記載の方法。
  33. 前記流動床内容物が前記磁気分離装置にかけられている間に前記流動床内容物を振動させることを特徴とする請求項23記載の方法。
  34. 前記流動床内容物が前記磁気分離装置にかけられている間に前記流動床内容物を流動化させることを特徴とする請求項23記載の方法。
  35. 前記磁気分離装置が振動マトリックスを有するキャニスター容器を具備することを特徴とする請求項1記載の方法。
  36. 前記磁気分離装置が100〜60,000ガウスの範囲内の開放勾配磁場強度を有することを特徴とする請求項35記載の方法。
  37. 前記磁気分離装置が1000〜10,000ガウスの範囲内の開放勾配磁場強度を有することを特徴とする請求項35記載の方法。
  38. 前記磁気分離装置が2000〜5,000ガウスの範囲内の開放勾配磁場強度を有することを特徴とする請求項35記載の方法。
  39. 前記磁性部分が炭素を含むことを特徴とする請求項16記載の方法。
  40. 前記磁性部分がSi8Al6Fe4Caを含むことを特徴とする請求項16記載の方法。
  41. 前記磁性部分がFeSi2Tiを含むことを特徴とする請求項16記載の方法。
  42. 前記磁性部分がCaSi2を含むことを特徴とする請求項16記載の方法。
  43. 前記磁性部分の一部が、ケイ素の磨砕の間に、金属部材を通じてケイ素含有固体に導入されることを特徴とする請求項16記載の方法。
  44. 前記磁性部分の一部が、ケイ素の微粉砕の間に、金属部材を通じてケイ素含有固体に導入されることを特徴とする請求項16記載の方法。
  45. 前記磁性部分がクロムを含むことを特徴とする請求項16記載の方法。
  46. 前記磁性部分がニッケルを含むことを特徴とする請求項16記載の方法。
  47. 前記反応器内での反応が続いている間に、前記ケイ素含有固体材料を前記磁気分離装置にかけることを特徴とする請求項1記載の方法。
  48. 前記流動床反応器内での反応が続いている間に、前記ケイ素含有固体材料の一部を前記流動床反応器から前記磁気分離装置に分流させることを特徴とする請求項15記載の方法。
  49. 前記反応器内での反応が続いている間に、前記ケイ素含有固体材料を前記磁気分離装置にかけることを特徴とする請求項16記載の方法。
  50. 前記流動床反応器内での反応が続いている間に、前記流動床内容物の一部を前記流動床反応器から前記磁気分離装置に分流させることを特徴とする請求項23記載の方法。
  51. 前記流動床反応器内での反応が続いている間に、前記流動床内容物の一部を前記流動床反応器から分流させ、微粉砕し、次いで前記磁気分離装置にかけることを特徴とする請求項25記載の方法。
  52. 前記流動床反応器内での反応が続いている間に、前記流動床内容物の一部を前記流動床反応器から分流させ、微粉砕し、分粒し、次いで前記磁気分離装置にかけることを特徴とする請求項29記載の方法。
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