JP2005514914A - ポリペプチド精製法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、特にチロシンキナーゼ受容体関連ポリペプチドを精製するための精製法に、および本方法により得られる生産物に関する。本方法は、チロシンキナーゼ受容体関連ポリペプチドの生産方法を含み、この方法は、チロシンキナーゼ受容体(receptro)関連ポリペプチドを組換え発現系で発現すること、および分離工程において、発現した単量体チロシンキナーゼ受容体関連ポリペプチドを、発現したポリペプチドの多量体型(単数または複数)から分離することを含み、この分離工程は発現したチロシンキナーゼ受容体関連ポリペプチドを生物活性型へリフォールディングさせる。

Description

[本発明の関連する分野]
本発明は、ポリペプチドを精製する方法およびその方法により得られる生産物に関する。詳細には、限定されるものではないが、本発明は、生物学的に活性になる前のフォールディングしなければならないポリペプチド、例えばチロシンキナーゼ受容体TrkA、TrkB、およびTrkC、ならびにそれらの生物学的に活性なバリアントおよびそれらの一部(「チロシンキナーゼ受容体関連ポリペプチド」と総称する)を精製する方法に関する。
[背景]
チロシンキナーゼ受容体TrkA、TrkB、およびTrkCは、ニューロトロフィンに結合する。TrkAは、高親和性で神経成長因子(NGF)に結合することで、生物学的に活性になる。これはまた、高親和性でニューロトロフィン−3(NT3)に結合することで生物学的に活性になる。TrkBおよびTrkCは、他のニューロトロフィンに結合する。TrkBは、高親和性で脳由来神経栄養因子(BDNF)およびニューロトロフィン−4(NT4)に結合する。TrkCは、高親和性でNT3に結合する。TrkBおよびTrkCの同定、クローニング、および配列決定は、米国特許第6,027,927号に記載されている。各受容体分子は、多数の領域またはドメインを含む。チロシンキナーゼ受容体分子の免疫グロブリン様ドメイン(Ig)は、治療用途で特に関心が持たれる。より詳細には、同一出願人による同時係属特許出願、第WO99/53055号に開示されるように、TrkAIgおよびバリアント(スプライスバリアントTrkAIg2.6など)は、治療用途を有する。
特に治療へ応用するために、チロシンキナーゼ受容体に由来するポリペプチドを大規模に生産する必要がある。細菌発現系での組換えポリペプチド生産は複数の理由から有利であるが、特に比較的高収率のポリペプチドを得ることが可能である点が有利である。典型的な収率は、ヒト細胞系の10倍より高い。
しかしながら、発現したポリペプチド(TrkAの第二免疫グロブリン様ドメインであるTrkAIgなど)は、それらが単量体、二量体、および凝集体(すなわち二量体の中に単量体を含んでいる可能性がある、凝集二量体)の混合物として生産される傾向がある場合には機能することが難しい。しかしながら、特に、TrkAIgの場合(TrkBIgおよびTrkCIgの場合も同様である)、単量体のみが活性であり、したがって治療上有用である。Robertson A. G. S.等(Biochemical and Biophysical Research Communications 282 (1) : 131-141 Mar 23 2001)に記載されるように、TrkAIgの二量体は、NGFに結合することができず、そして生物学的に活性ではない。少量の二量体または凝集体がより多くの凝集体生産の種を蒔いて(seed)、生物学的に活性な単量体の量を減少させるようである。多くのタンパク質が、単量体、二量体、さらには四量体の間の平衡状態で存在すること(例えば、ヒト成長ホルモン)は通常ない。薬学的配合物の必要条件である、長期間安定である調製物とするために二量体の除去は不可欠である。多くのタンパク質のように、チロシン受容体関連ポリペプチドの正確な立体配座は生物活性にとって重要である。細菌封入体で発現される場合、ポリペプチドは、フォールディングされているが、ただし生物学的に不活性な、誤った立体配座でフォールディングされる。組換え系での発現後、ポリペプチドは、その正確な立体配座になるために再度フォールディングされなければならない。このような発現後のさらなるフォールディングは、「リフォールディング(refolding)」と称されることがある。
細菌細胞で組換えTrkAIgを作製しようと試みている研究グループを、本発明者らは本発明者以外に2グループしか知らない。Ultsch等(J Mol Biol (1999) 290,149-159) は、TrkAIg、TrkBIg、およびTrkCIgを作製した。彼らは、封入体ではなく、イオン交換、次いで疎水的相互作用、再度イオン交換、そしてゲル濾過により精製して、TrkAIgを可溶性タンパク質として作製した。ここでゲル濾過工程は、ポリペプチドをリフォールディングさせなかった、すなわちポリペプチドは既にその可溶性型にあるように正確にフォールディングされていると仮定されていた。TrkBIgおよびTrkCIgは、同じ方法で発現されたものの、不溶性であった。それらは、尿素で可溶化され、そして透析によりリフォールディングさせられ、そしてさらにイオン交換で精製された。得られたTrkAIg、TrkBIg、およびTrkCIgの結晶構造解析(solution)により、鎖交換二量体、すなわち、1つの単量体の鎖Aが別の単量体の鎖Bと対をなしている二量体であることが明らかになった(添付の図1を参照)。図1は、2つのTrkAIg単量体から成る鎖交換二量体を示し、この中で単量体XのA鎖はフォールディングされておらず、そして単量体YのB鎖に結合している。反対に、単量体YのA鎖はフォールディングされておらず、そして単量体XのB鎖に結合している。これらは不活性である。彼らの議論において、293細胞でイムノアドヘシン(immunoadhesins)として発現したドメインと対照的に、生産された二量体のどれも天然のリガンドに結合する能力がなかったことが示された(Urfer et al (1995) EMBO Journal 14,12, p2795-2805)。動物細胞におけるTrkAIg−イムノアドヘシン分子構築物の見かけ上のNGF結合活性は、おそらく、TrkAIg領域を正確な立体配座に保持する巨大なイムノアドヘシンスカフォールド(scaffold)(IgGのF部分)によるものであり、これは過剰なグリコシル化を導き、そしてまた構築物が他の分子へ結合することに顕著に影響を及ぼすようである。
Windisch等(Windisch, J M. et al (1995) J. Biol Chem. 270 47 p28133-28138)は、マルトース結合タンパク質融合構築物としてTrkAIgを含むTrkA誘導体を生成したが、これは不活性であったため、治療用途には適さなかった。マルトース結合タンパク質構築物は、「難しい(difficult)」タンパク質で使用される。この構築物は正確にフォールディングされていたと仮定されていたが、現在ではそうではないことが明らかになっている。
Wiesmann等(Nature, 9th September 1999 401,184-188)は、NGF及びTrkAIg1,2(すなわちTrkAのIg様ドメインの両方を含むポリペプチド)を一緒に加えることにより、NGFとTrkAIgとの共晶体(co-crystal)のみを生成させた。何か月もの期間をかけて、TrkAIg領域は、「徐々に減少」して、NGFに結合したTrkAIg領域だけが残った。このような方法は、チロシンキナーゼ受容体関連ポリペプチドを市場規模で生産するには適さない。
エシェリヒア・コリの封入体で、チロシンキナーゼ受容体関連ポリペプチドの生物学的に活性な部分および誘導体を生産する方法の一つが、Holden等により開示されている(Holden, P. H. et al Nature Biotechnology, 15, July 1997 page 668-672)。この方法は、封入体からポリペプチドを抽出した後、発現ポリペプチドをリフォールディングさせる透析工程を含み、わずか約16mg/リットルの収率でポリペプチドをもたらす。第WO99/53055号は、エシェリヒア・コリ封入体からTrkAの一部および誘導体(TrkAIgを含む)を精製する同様の方法を開示し、その方法においても抽出されたポリペプチドは透析される。この方法は、約〜50mg/リットルの収率をもたらす。この方法は、比較的不安定な生産物を生産するので、生産後、それがさらに使用される前に急速凍結(snap frozen)されなければならい。
上記に記されるとおり、Ultsch等、第WO99/53055号に、およびHolden等によ
り記載される方法は透析工程を含む。透析はポリペプチドの濃度を制限するために(通常約0.1mg/mlまで)、およびポリペプチドの凝集を制限するために、大量の透析緩衝液を必要とするという点で、好ましくない面がある。必要とされる透析緩衝液の量は、透析を含むチロシンキナーゼ受容体関連ポリペプチド生産法を市場に有用な規模で使用することを不可能にする。
先行技術のプロセスと比較して収率が改善されている、ポリペプチド、特にチロシンキナーゼ受容体関連ポリペプチドの生産法を提供することが本発明の目的である。先行技術のプロセスと比較して安定性が改善された生産物を提供する方法を提供することが、本発明のさらなる目的である。
[発明の概要]
本発明の1つの態様に従って、チロシンキナーゼ受容体関連ポリペプチドの生産法が提供され、この方法は、チロシンキナーゼ受容体関連ポリペプチドを組換え発現系で発現させること、および発現した単量体チロシンキナーゼ受容体関連ポリペプチドを、発現したポリペプチドの多量体型(単数または複数)から分離工程で分離することを含み、該分離工程は発現チロシンキナーゼ受容体関連ポリペプチドを生物活性型へリフォールディングさせる。
本方法は、複数の理由から既知のプロセスよりも有利である。第一に、本方法は、既知のプロセスよりも顕著に高い収率をもたらす。第二に、本方法は拡張性があり、市場に有用な規模でのポリペプチド生産を可能にする。第三に、本方法は、別途の透析にによるリフォールディング工程を必要としない。透析は、ポリペプチドを低濃度でリフォールディングさせる必要があるために、大量の高価な透析緩衝液を必要とし、かつリフォールディングさせるために長時間を必要とする。透析工程を含む方法は、ポリペプチドを捕獲するための回収工程を必要とする。これは、例えばイオン交換またはアフィニティー分離により行われ得る。イオン交換の使用は、生産物を溶出させるためにNaClレベルを増加させる必要がある。このことは、ポリペプチドのさらなる凝集を引き起こすので好ましくない。アフィニティー分離の使用(例えば、ニッケルキレート化カラムでのHisタグの使用)もまた、比較的高いNaClレベルを必要とし、そしてイミダゾールによる溶出は、除去のためのゲル濾過を必要とする。第四に、本方法は、通常一晩かけて行われる透析を含む先行技術の方法よりも非常に迅速である。第五に、本方法の生産物は、より安定である。生産直後に急速凍結する必要はなく、普通に冷蔵して(約4℃で)保存することができ、かつ少なくとも3か月間は生物学的に活性である。生産物の二量体レベルがより低いので、二量体によりシードされる凝集が起こる傾向はより少ない。第六に、生産物は、鎖交換二量体が生産されることなく、より高濃度(上限650μM)で生産され得る。第七に、ポリペプチド産物は、透析手順において必要とされる長期間の尿素との接触がないので、よりアミド化されにくい。アミド化は、生物学的活性に影響を及ぼし得る。アミド化はまた、アミンカップリング法を使用してポリペプチドをマトリクスにカップリングすることをより困難にする可能性がある。これらのことが、本発明の方法の生産物を、特定の用途(バイオセンサーなど)でより有用にしている。
チロシンキナーゼ受容体は、天然のTrkA、TrkB、TrkCであってもよく、またはそれら受容体の生物学的に活性な相同体、バリアント、一部分、もしくはそれらの相同体、バリアント、一部分を含む構築物であってもよい。好ましくは、ポリペプチドは、TrkAIgおよびTrkBIgから選択される。本発明の方法による生産に特に好適なポリペプチドは、TrkA、TrkB、およびTrkC受容体のIgサブドメインである。最も好ましくは、ポリペプチドは、TrkAIgまたはTrkAIg2.6である。
好適な構築物は、対応する天然の受容体からの付加的C末端配列を含み得る。
ポリペプチドは、ヒスチジンタグ配列とともに発現され得る。チロシンキナーゼ配列は、好ましくはヒトのものである。チロシンキナーゼ受容体関連ポリペプチドは、不溶型で発現され得る。好ましくは、チロシンキナーゼ受容体関連ポリペプチドは、細菌封入体で発現される。ポリペプチドの多量体型は、二量体を含み得る。ポリペプチドは、好ましくは、対応する天然のチロシンキナーゼ受容体のリガンドに高親和性で結合することが可能である。
分離工程は、好ましくはゲル濾過を含む。分離工程は、好ましくは、0mM〜500mMの塩濃度、およびより好ましくは25mMより高くかつ200mMより低い塩濃度、最も好ましくはほぼ100mMの(例えば、80mM〜120mMの範囲の)塩濃度で行われる。ゲル濾過工程で使用されるゲルは、好ましくは、ほぼ12kDa〜40kDaの分子量を有する分子を分離することが可能である。ゲルは、例えば、Sephacryl200、SuperDex75、またはSuperDex200である。
分離工程は、好ましくは、アルカリ性pHで行われる。好ましくは、分離工程は、変性が生じるpHよりも1低いpHで行われる。例えば、この工程は、通常pH8〜pH9の間で行われ得る。最も好ましくは、濾過工程は、約pH8.5で行われる。TrkAの場合に意外にも、TrkAIgは、計算に使用したプログラムによると4.6〜6.0の計算値Piを有する。
TrkAIgは高レベルのβシートを有し、そしてこのようなタンパク質はほとんどがそのpI近辺で凝集して沈殿する。しかしながら、TrkAIgに関しては、生理的pH近辺のpH、及びそのpIから顕著に異なる濃度で、かつ通常このようなタンパク質を溶液に維持しうるような塩濃度で、沈殿かつ凝集する。
好適な配列において、ポリペプチドは、約2.5ml/分の流速でゲル濾過工程から溶出し、そして単量体は、約93分後に回収される(collect)。しかしながら、これは装置およびそれが操作される条件に従って変化するだろう。好ましくは、ポリペプチドは、細菌ベースの発現系で生産される。
本発明の好適な態様に従って、細菌発現系の封入体から組換えTrkAIgまたはTrkAIg2.6を精製する方法が提供され、ここで単量体TrkAIgは、ゲル濾過工程により単量体TrkAIgおよび多量体TrkAIgを含む混合物から分離され、そして生物活性型にリフォールディングさせられる。通常、多量体TrkAIgは二量体TrkAIgを含む。
本発明はまた、本発明の方法により得られる、または得ることができる、20%未満のTrkAIg二量体または二量体凝集体、より好ましくは1%未満のTrkAIg二量体または二量体凝集体、最も好ましくは0.1%未満のTrkAIg二量体または二量体凝集体を含むTrkAIgの安定な調製物を提供する。
本発明はまた、本発明の方法により得られる、または得ることができる、80%より多くのTrkAIg単量体、より好ましくは99%より多くのTrkAIg単量体、最も好ましくは100%のTrkAIg単量体含むTrkAIgの安定な調製物を提供する。好ましくは、単量体は、実質的に全て生物学的活性型である。
本発明はまた、本発明の方法により得られる、または得ることができる、20%未満のTrkAIg2.6二量体または二量体凝集体、より好ましくは1%未満のTrkAIg
2.6二量体または二量体凝集体、最も好ましくは0.1%未満のTrkAIg2.6二量体または二量体凝集体を含むTrkAIg2.6の調製物を提供する。
本発明はまた、本発明の方法により得られる、または得ることができる、80%より多くのTrkAIg2.6単量体、より好ましくは99%より多くのTrkAIg2.6単量体、最も好ましくは100%のTrkAIg2.6単量体含むTrkAIg2.6の安定な調製物を提供する。好ましくは、単量体は、実質的に全て生物学的活性型である。
本発明はまた、本発明の方法により得られる、または得ることができる、20%未満のTrkBIg二量体または二量体凝集体、より好ましくは1%未満のTrkBIg二量体または二量体凝集体、最も好ましくは0.1%未満のTrkBIg二量体または二量体凝集体を含むTrkBIgの安定な調製物を提供する。
本発明はまた、本発明の方法により得られる、または得ることができる、80%より多くのTrkBIg単量体、より好ましくは99%より多くのTrkBIg単量体、最も好ましくは100%のTrkBIg単量体含むTrkBIgの安定な調製物を提供する。好ましくは、単量体は、実質的に全て生物学的に活性型である。
本発明はまた、本発明の方法により得られる、または得ることができる、20%未満のTrkCIg二量体または二量体凝集体、より好ましくは1%未満のTrkCIg二量体または二量体凝集体、最も好ましくは0.1%未満のTrkCIg二量体または二量体凝集体を含むTrkCIgの安定な調製物を提供する。
本発明はまた、本発明の方法により得られる、または得ることができる、80%より多くのTrkCIg単量体、より好ましくは99%より多くのTrkCIg単量体、最も好ましくは100%のTrkCIg単量体含むTrkCIgの安定な調製物を提供する。好ましくは、単量体は、実質的に全て生物学的に活性型である。
本発明の別の態様に従って、ポリペプチドの単量体型および多量体型の混合物から、免疫グロブリン様ポリペプチド単量体を生成する方法が提供され、この方法は、組換え発現系でポリペプチドを発現すること、およびポリペプチドの多量体型からポリペプチド単量体を分離工程で分離することを含み、該分離工程は、ポリペプチドを生物学的活性型にリフォールディングさせる。したがって、本発明は、上記に記載される利点の一部または全てを有する、免疫グロブリン様ポリペプチド精製法を提供する。分離工程は、好ましくはゲル濾過を含む。
本発明による方法および生産物は、添付の図2〜図22をさらに参照して、例としてのみ記載される。
定義:
「ポリペプチド」:タンパク質、すなわち天然に生じる全長生物活性ポリペプチドを含む。
「TrkAIg」:図2Aにおいて太字体で示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド(バリアントTrkAIg2.6をもたらす、下線の付された6個のアミノ酸残基の有無に関わらない)、ならびに相同体(例えば、配列の1または複数のアミノ酸残基の保存的置換の結果として)、またはHisタグおよび図2Aで太字でない書体で示されるトロンビン開裂配列などの、発現および/または精製を向上させる配列を含むバリアントである。
「TrkBIg」および「TrkCIg」は、それぞれ図2Bおよび図2Cに示される配列に関して、対応する意味を有する。
「TrkAIg 6His」は、Hisタグを含むバリアントを表し、そして「TrkAIg noHis」は、Hisタグを含まないバリアントを表す。同様な用語が、対応するTrkBおよびTrkCのバリアントならびにそれらのタンパク質に適用される。
[具体的な説明]
ヒスチジンタグ付TrkIgの生産
組換えTrkAIg 6HisおよびTrkAIg2.6 6Hisポリペプチドの生産
組換えTrkAIg 6Hisを、第WO99/53055号の「TrkAIg1,2、TrkAIg、およびTrkAIgの発現」と見出しのあるセクションに記載される方法を使用して、エシェリヒア・コリBL21(DE3)細胞で生産して、図2Aに示されるように、ポリペプチドのN末端に6−ヒスチジンタグを組込んだ。組換えTrkAIg2.6 6Hisを同様な様式で調製した。
TrkAIg 6Hisポリペプチドの精製およびリフォールディング
回収した(harvested)細胞を、10%グリセロールに再懸濁させ、液体窒素中−70℃で凍結させ、そして得られるペレットを3回、XPress(AB Biox)に通した。抽出物を、4℃で30分間、10,000rpmで遠心分離して、組換えポリペプチドを含む不溶性封入体をペレットにした。
封入体を、500mlの1%(v/v)TritonX−100、10mMのTrisHCl(pH8.0)、1mMのEDTA中で、続いて500mlの1MのNaCl、10mMのTrisHCl(pH8.0)、1mMのEDTA中で、そして最後に10mMのTrisHCl(pH8.0)、1mMのEDTA中で洗浄した。
次いで、封入体を、20mMのリン酸ナトリウム、30mMのイミダゾール、8M尿素(pH7.4)に可溶化させ、そして遠心分離により清澄にした。全体を通して8M尿素の代わりに6Mグアニジニウム塩(Guanidinium)を使用することもできる。
得られる混合物を、5mlのHisTrapカラム(Pharmacia)にロードし、そして50mlの、20mMのリン酸ナトリウム、30mMのイミダゾール、8M尿素(pH7.4)で洗浄した。精製したTrkAIg 6Hisを、25mlの、20mMのリン酸ナトリウム、300mMのイミダゾール、8Mの尿素(pH7.4)で溶出させた。
精製した組換えTrkAIg 6Hisポリペプチドをリフォールディングさせるために、先の工程の溶出物を、さらにSuperDex200ゲル濾過カラムにかけ、そして、20mMのリン酸ナトリウム、100mMのNaCl(pH8.5)で平衡化した。カラムは、製造元によりあらかじめ包装された時点で、高さ65cm、幅2.6cm、および体積345mlを有した。最大圧での流速は、2.5ml/分であった。
いずれの凝集体(すなわち、二量体凝集体)も、ボイド容積で溶出した。二量体は約80分後に溶出され、そして単量体は約93分後に溶出された。タンパク質の溶出時間は、カラムの寸法に依存する可能性があり、そしてその大きさに依存する。このことは、以下の式、
R=VO/Ve
により表され、ここで、Rはタンパク質の保持係数であり、Veはタンパク質が溶出する
時の体積であり、VOはボイド容積であって、
この場合、Ve=232.5ml、VOは122mlであるから、
122/232.5=0.53となり、
SuperDex200ゲルでTrkAIg 6His単量体は保持係数0.53を有する。
比較として、ポリペプチドを、まず、20mMのTrisHCl、50mMのNaCl(pH8.5)に対して透析し、HisTrapカラムに再捕獲させ、そして25mlの20mMのリン酸ナトリウム、300mMのイミダゾール、8M尿素(pH7.4)で溶出させることによりフォールディングさせた。
Biocad Sprint FPLC(Biocad)からの精製トレース(これは、様々な条件下でのTrkAIg 6Hisの単量体、二量体、および凝集体の溶出を示す)を調製した。図3は、重ね合わせトレースを示し、透析によりリフォールディングしたTrkAIg 6His(「透析」)、および本発明による方法でカラムでリフォールディングしたTrkAIg 6His(「SuperDex」)の溶出を比較する。本発明の方法は、先行技術のプロセスと比較してより高レベルの単量体を生産することがわかる。
スプライスバリアントTrkAIg2.6 6Hisを、同様な様式で、調製および精製した。
TrkAIg 6Hisの溶出におけるpHの影響
TrkAIg 6Hisを、上記で記載されるとおりエシェリヒア・コリで発現させた。精製した封入体を、20mMのリン酸ナトリウム、30mMのイミダゾール、8M尿素(pH7.4)に可溶化させて、遠心分離により清澄にした。得られる変異体を、HisTrapカラムでアフィニティー精製し、そして25mlの20mMのリン酸ナトリウム、300mMのイミダゾール、8Mの尿素(pH7.4)で溶出させた。溶出したTrkAIg 6HisをSuperDex200ゲル濾過カラム(Pharmacia)にかけ、そして20mMのリン酸ナトリウム、100mMのNaCl(pH8.5)で平衡化した。溶出速度は、2.5ml/分であった。溶出に要する時間は、タンパク質の大きさにより決定される。単量体、二量体、および凝集体のピークは、それぞれ、約93分、80分、および50分に示された。結果は図4に示され、これはpH7.4、pH8.0、pH8.5、およびpH9.0での溶出結果を示す。示された結果より、pH8.5において、最大収率、最小量の凝集体、および最大レベルの単量体であり、最良であったことがわかる。
比較実施例:透析によりリフォールディングされたTrkAIg 6His単量体、二量体、および凝集体の分離。透析緩衝液の必要量。SuperDex200からの溶出に続く分析。
TrkAIg 6Hisを、エシェリヒア・コリで発現させた。精製した封入体を、20mMのリン酸ナトリウム、30mMのイミダゾール、8Mの尿素(pH7.4)に可溶化させて、遠心分離により清澄にした。溶液を、HisTrapカラムでアフィニティー精製し、そして25mlの20mMのリン酸ナトリウム、300mMのイミダゾール、8Mの尿素(pH7.4)で溶出させた。TrkAIg 6Hisを、20mMのTrisHCl、50mMのNaCl(pH8.5)に対して一晩透析(1リットル、2リットル、または4リットル使用)することでフォールディングさせ、HisTrapカラムに再捕獲させ、そして25mlの20mMのリン酸ナトリウム、50mMのEDTA、8Mの尿素(pH7.4)で溶出させた。最終分析は、20mMのリン酸ナトリウム、100mMのNaCl(pH8.5)で平衡化したSuperDex200ゲル濾過カラムを
使用した。溶出速度は2.5ml/分であった。洗浄に2〜4リットル必要であった。4リットルを用いた場合に最高収率で単量体が得られた。このことは、発現したポリペプチドのリフォールディングに透析が使用される場合に、どれだけ大量の緩衝液が必要になるかを示す。
結果を図5に示す。
本発明の方法により生産されたTrkAIg 6HisおよびTrkAIg2.6 6Hisの特性決定
発現したTrkAIg 6His(A)、およびTrkAIg2.6 6His(B)ポリペプチドをMALDITOF質量分析した、結果を図6に示す。ポリペプチドの分子質量を、PE Biosystems Voyager−DE STR マトリックス支援レーザ脱離イオン化タンデム飛行時間型(Matrix-Assisted Laser Desorption Time-of-Flight)(MALDITOF)質量分析装置を使用して、337nmで作動する窒素レーザーで求めた。マトリクス溶液は、アセトニトリルと0.1%トリフルオロ酢酸との50:50混合物中1mg/100μlの濃度で新たに調製したシナピン酸であった。0.5μlの試料およびマトリクスを試料板上にスポットした。試料を、近接外部標準として機能するCalmix3(PE Biosystems)に対してキャリブレーションした。スペクトルは、25,000Vの加速電圧、750ナノ秒の抽出時間、および2700のレーザー強度での線形条件下において、5000Da〜80,000Daの範囲にわたり得られた。
TrkAIg 6Hisの分子量は、15,717.96Daであることがわかった。これは、理論計算により予測される分子量とほぼ一致する(N−末端メチオニン(本発明者らは、これが発現ベクターpET15Bからの6ヒスチジンタグを組込んだタンパク質で除去されることを先に見いだしている)を失った後で15716.3Da)。
TrkAIg2.6 6Hisの分子量は、16,575.3Daであることが見いだされた。これは、理論計算により予測される分子量とほぼ一致する(16,574.4Da)。
安定性
上記で記載されるとおりに生産されたTrkAIg 6HisおよびTrkAIg2.6 6Hisは、3か月間4℃に維持された場合に安定であり続け、かつその生物活性を保持した。
安定性の改善は、従来の添加物(グリセロールなど)を使用することで達成され得る。
本発明の方法により生産されたTrkAIg 6Hisの生物活性
i モルモット後肢の痛み応答
本発明の方法により生産されたTrkAIg 6Hisの生物活性を、モルモットで検査した(Djouhri, L. 等(2001) J Neuroscience 21 p8722-8733)。CFA(完全フロイントアジュバント)を、モルモットの後肢および膝に注射した。これは、NGFレベルを増加させ、炎症を引き起こす。これにより、動物は痛みをより敏感に感じるようになる。細胞内記録を、ガラス微小電極を用いてL6(腰椎)、およびSl(仙椎)DRGニューロンの細胞体から作製し、そして1対の白金電極でDRGを刺激することにより活動電位を誘発した。CFA投与の1日、2日、および4日後に記録を行った。C線維およびAδ線維は侵害受容性であり、すなわちそれらは痛み信号を脳へ伝達する。α線維およびβ線維は、伝達しない。外部刺激を受けることなく侵害受容性ニューロンが自発的に発火(firing)することは、ヒトの炎症および神経因性疼痛の原因であると思われる。
TrkAIg 6His(0.45μg)を、2日目、3日目、および4日目にモルモットの後肢および膝に注射した。TrkAIg 6His(これは内因性NGFを隔離する)を添加することで、追従頻度(following frequency)および自発的な発火(firing)でCFAにより誘導された増大は解消された。これは、異常な痛みが完全に停止したことを意味した。
したがって、TrkAIg 6Hisは、モルモットにおいてCFA誘導痛覚線維発火に応答した痛みを阻害することができた。
ii PC12細胞バイオアッセイ
本発明の方法により生産されたTrkAIg 6Hisの生物活性を、PC12神経突起伸長バイオアッセイにより検査した。PC12細胞は、ラットクロム親和性細胞腫の細胞株であり、細胞表面に存在する受容体に結合するNGFの存在に応答して神経突起を生じる。PC12細胞を、コラーゲン被覆24ウェルプレート上の完全DMEM培地(100単位/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、10%ウマ血清、10%ウシ胎児血清(FCS)、および2mMのグルタミンを含む)に、1ウェル当たり2×10個の細胞を播種した。NGFを1ng/ml添加し、そしてTrkAIg 6Hisを種々の濃度で添加した。結果を、図11の48時間後の神経突起伸長の写真に示す。撮影前に細胞を固定した。図11Aは、1ng/mlのNGFでの神経突起伸長を示し、図11Bは、1.25μmのTrkAIg 6Hisが添加された場合には神経突起伸長がないことを示す。
したがって、TrkAIg 6Hisは、PC12細胞株でNGFに応答した神経突起伸長を阻止することができた。
TrkBIg 6Hisドメインのサブクローニング
TrkBIg 6Hisタンパク質は、成熟タンパク質の残基286〜430を含み、そしてNH末端でさらに21残基を有し、これはヒスチジン発現タグおよび付随するトロンビン開裂配列を構成する。TrkBIg 6HisドメインをコードするcDNAを、λZAP−pBluescriptllSK(−)/TrkB、本発明者らによりクローニングされたヒトTrkBの非触媒型(Allen et al (1994) Neuroscience 60 p825-834)からPCR増幅した。プライマー(MWG Biotech)には、フォワードプライマー(CGCATATGGCACCAACTATCACATTTCTCGAATCTC)にNdel部位を、および、リバースプライマー(GCGGATCCCTATTAATGRRCCCGACCGGTTTTATC)にBamHI部位を組込んだ。
Ndel部位およびBamHI部位を使用して、PCR産物をpET15b(Novagen)中にサブクローニングして、発現ベクターpET15b−TrkBIg 6Hisを作製した。
図2Bに示されるTrkBIg 6Hisの切断型もまた、アミノ酸286〜383を使用すること以外は全く同じ方法で生産された。この型は、そのリガンドNT4と共晶を形成し(co-crystallised)、X線結晶構造解析された。
組換えTrkBIg 6Hisポリペプチドの生産
エレクトロコンピテント(Electro-competent)エシェリヒア・コリBL21(DE3)細胞をpET15b−TrkBIgで形質転換し、そしてpET(Novagen)の説明書に従って発現させた。形質転換後、エシェリヒア・コリ細胞溶解物を、18.5kDaのタンパク質の発現についてSDS−PAGEにより分析した。TrkBIg 6Hi
sタンパク質は、尿素溶解性フラクションでは高レベルで発現したが、他のフラクションでは発現しなかった。2mlの2YTブロス(200μg/mlのアンピシリン含有)にコロニーを接種して、37℃で中間対数期まで増殖させた。これを、50mlの2YTブロス(200μg/mlのアンピシリン含有)を接種するのに使用して、37℃で中間対数期まで増殖させた。これを、5リットルの2YTブロス(200μg/mlのアンピシリン含有)を接種するのに使用して、600nmで1.0の光学濃度に増殖させた。1mMのIPTGを添加してタンパク質発現を誘導し、そして細胞を37℃で一晩増殖させた。回収した細胞を10%のグリセロールに再懸濁させ、そして−80℃で凍結させた(8個のペレット)。Xpressに3回通してペレットを溶解させ、次いで、連続して、0.1MのNaCl、1%のTritonX−100、および最後に1MのNaClを含む20mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH8.5)で洗浄した。これにより、全ての可溶性物質が除去され、不溶性タンパク質を含む封入体が残った。
TrkBIg 6Hisポリペプチドのリフォールディング
封入体に含まれる不溶性TrkBIg 6Hisタンパク質を、Xpressで細胞から放出させ、さらに洗浄して可溶性物質を除去した。精製した封入体を、「完全」プロテイナーゼ・インヒビター・カクテル錠剤(Roche)で、8M尿素緩衝液(20mMのリン酸ナトリウム(pH8.5)、1mMのβ−メルカプトエタノール)に可溶化し、そして穏やかに振盪させながら、室温で2時間インキュベートした。8M尿素を6Mグアニジニウム塩で置換してもよい。TrkBIg 6Hisタンパク質を、還元(reducing)条件下(20mMのリン酸ナトリウム(pH8.5)、8M尿素、10mMのイミダゾール)、HisTrapニッケルカラム(Pharmacia)で精製し、そして300mMのイミダゾールを使用して溶出させた。リフォールディングは、SuperDex200ゲル濾過カラム(Pharmacia)上の非還元(non-reducing)条件下(20mMのリン酸ナトリウム(pH8.5)、100mMのNaCl)で起こった。約18.5kDaの分子量に対応するピークからのフラクションをプールした。これらはTrkBIg 6His単量体を含んでいた。
本発明の方法により生産されたTrkBIg 6Hisの特性決定
TrkBIg 6Hisの分子質量を、PE Biosystems Voyager−DE STR MALDITOF質量分析装置を使用して、337nmで作動する窒素レーザーで求めた。マトリクス溶液は、アセトニトリルと0.1%トリフルオロ酢酸との50:50混合物中1mg/100μlの濃度で新たに調製したシナピン酸であった。0.5μlの試料およびマトリクスを試料板上にスポットした。試料を、近接外部標準として機能するCalmix3(PE Biosystems)に対してキャリブレーションした。スペクトルは、25,000Vの加速電圧、750ナノ秒の抽出時間、および2700のレーザー強度を用いる線形条件下で、5000Da〜80,000Daの範囲にわたり得られた。結果を図10に示す。
TrkBIg 6Hisの分子量は、18,451.7Daであることがわかった。これは、理論計算により予測される分子量とほぼ一致する(18,449.1Da)。
組換えTrkCIg 6Hisドメインのサブクローニング
TrkCIg 6Hisタンパク質は、成熟タンパク質の残基300〜399を含み、そしてNH末端でさらに21残基を有し、これはヒスチジン発現タグおよび付随するトロンビン開裂配列を構成する。TrkCIg 6HisドメインをコードするcDNAを、Ndel部位を組込まれたフォワードプライマー(CGCATATGACTGTCTACTATCCCCCAC)およびBamHl部位を組込まれたリバースプライマー(GCGGATCCTTATCAGGGCTCCTTGAGGAAGTGGC)を使用して、PCR増幅した。PCR産物を、NdelおよびBamHl制限部位を使用して、pE
T15b(Novagen)にサブクローニングして発現ベクターpET15b−TrkCIg 6Hisを作製した。
組換えTrkCIg 6Hisポリペプチドの生産
エレクトロコンピテント エシェリヒア・コリBL21(DE3)細胞をpET15b−TrkCIg 6Hisで形質転換し、そしてpET(Novagen)説明書に従って発現させた。形質転換後、エシェリヒア・コリ細胞溶解物を、13.8kDaのタンパク質の発現についてSDS−PAGEにより分析した。TrkCIg 6Hisタンパク質は、尿素溶解性フラクションでは高レベルで発現したが、他のフラクションでは発現しなかった。2mlの2YTブロス(200μg/mlのアンピシリン含有)にコロニーを接種して、37℃で中間対数期まで増殖させた。これを、50mlの2YTブロス(200μg/mlのアンピシリン含有)を接種するのに使用して、37℃で中間対数期まで増殖させた。これを、5リットルの2YTブロス(200μg/mlのアンピシリン含有)を接種するのに使用して、600nmで1.0の光学濃度に増殖させた。1mMのIPTGを添加してタンパク質発現を誘導し、さらに細胞を37℃で一晩増殖させた。回収した細胞を10%グリセロールに再懸濁させ、そして−80℃で凍結させた(8個のペレット)。Xpressに3回通してペレットを溶解させ、次いで、連続して、0.1MのNaCl、1%のTritonX−100、および最後に1MのNaClを含む20mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH8.0)で洗浄した。これにより、全ての可溶性物質が除去され、不溶性タンパク質を含む封入体が残った。洗浄は全て4℃で行った。
TrkCIg 6Hisポリペプチドのリフォールディング
封入体に含まれる不溶性TrkCIg 6Hisタンパク質を、Xpressで細胞から放出させ、さらに洗浄して可溶性物質を除去した。精製した封入体を、8M尿素緩衝液(20mMのリン酸ナトリウム(pH8.0)、1mMのβ−メルカプトエタノール)に可溶化し、そして穏やかに振盪させながら、室温で2時間インキュベートした。8M尿素を6Mグアニジニウム塩で置換してもよい。TrkCIg 6Hisタンパク質を、20mMのリン酸ナトリウム(pH8.0)、8M尿素、10mMのイミダゾール、1mMのβ−メルカプトエタノール中、HisTrapニッケルカラム(Pharmacia)で精製し、そして300mMのイミダゾールを使用して溶出させた。リフォールディングは、SuperDex200ゲル濾過カラム(Pharmacia)上、20mMのリン酸ナトリウム(pH8.0)、100mMのNaCl、1mMのβ−メルカプトエタノール中で起こった。約13.8kDaの分子量に対応するピークからのフラクションをプールした。これらはTrkCIg 6His単量体を含んでいた。TrkCIg 6Hisの保持係数は、0.51である。
本発明の方法により生産されたTrkCIg 6Hisの特性決定
TrkCIg 6Hisの分子質量を、PE Biosystems voyager−DE STR MALDITOF質量分析装置を使用して、337nmで作動する窒素レーザーで求めた。マトリクス溶液は、アセトニトリルと0.1%トリフルオロ酢酸との50:50混合物中1mg/100μlの濃度で新たに調製したシナピン酸であった。0.5μlの試料およびマトリクスを試料板上にスポットした。試料を、近接外部標準として機能するCalmix3(PE Biosystems)に対してキャリブレーションした。スペクトルは、25,000Vの加速電圧、750ナノ秒の抽出時間、および2700のレーザー強度を用いる線形条件下で、5000Da〜80,000Daの範囲にわたり得られた。結果を図12に示す。
TrkCIg 6Hisの分子量は、13,681.9Daであることがわかった。これは、N−末端メチオニン(本発明者らは、これが発現ベクターpET15Bからの6ヒスチジンタグを組込んだタンパク質で除去されることを先に見いだしている)を失った
ことを考慮に入れて、理論計算により予測した分子量とほぼ一致する(13,685.3Da)。
活性研究:TrkAIg 6His、TrkAIg2.6 6His、TrkBIg
6His、およびTrkCIg 6Hisの結合活性
得られた単量体組換えTrkIgは、野生型受容体と同様な親和性で、それぞれの完全長受容体の天然のリガンドに結合することを示し、従って、生物活性であることが期待され得る。対照的に、鎖交換二量体TrkBIg 6Hisは、生物不活性である可能性がある。
Trklgドメインがそれらの対応するリガンドに結合する能力を、BiaCoreシステム(BiaCore)での表面プラスモン共鳴(plasmon surface resonance)を使用して測定した。TrkIgは、アミンカップリングにより、CM5チップのマトリクスと結合した。
TrkIgの結合活性。表面プラスモン共鳴
i.TrkBIg 6His
BDNFを、0.1nM〜25nMでチップに通した。会合速度および解離速度(rates)は、1:1ラングミュア結合モデルに従って評価され、790pMのKDが得られた。NT−4を、1〜100nMでチップに通した。会合速度および解離速度は、1:1ラングミュア結合モデルに従って評価され、260pMのKDが得られた。結果を図7に示す。図7Aは、0.1nM、0.2nM、0.5nM、1nM、2nM、5nM、10nM、および25nMのBDNFを用いた実験結果を示す(全て複製する)。会合および解離は、1:1ラングミュアモデルにフィッティングされて、790pMのKDが得られた(Chi=4.39)。
図7Bは、1nM、5nM、25nM、50nM、75nM、および100nMのNT−4を用いた実験結果を示す(全て重ねて示している)。会合および解離は、1:1ラングミュアモデルにフィッティングされて、260pMのKDが得られた(Chi=2.85)。
ii.TrkAIg 6His
NGFを、0.1nM〜100nMでチップに通した。会合および解離速度は、1:1ラングミュア結合モデルに従って評価され、92.6pMのKDが得られた。結果を図8に示す。
iii.TrkAIg2.6 6His
NGFを、0.1nM〜100nMでチップに通した。会合および解離速度は、1:1ラングミュア結合モデルに従って評価され、79.2pMのKDが得られた。結果を図9に示す。これは非常に高い親和性であり、生体膜結合野生型受容体の既知の特徴と一致する。
Djouhri, L.等(前出)は、TrkAIg 6Hisがin vivoで活性であり、侵害受容性ニューロンの異常な線維発火を阻止することを示している。
iv.TrkCIg 6His
NT−3を、0.1nM〜100nMでチップに通した。再生は、10μlの10mMのグリシン(pH1.5)を用いた。会合および解離速度は、1:1ラングミュア結合モデルに従って評価され、200μmのKDが得られた。結果を図13に示す。
非ヒスチジンタグ付TrkAIgの生産
TrkAIg noHisのクローニング
ヒスチジンタグを有さないTrkAIg(TrkAIg noHis)を発現させるために、TrkAIgをpET24a中にクローニングした。修飾しない場合は、これはタンパク質を発現しない。
mRNA転写物の二次構造は、AUG翻訳開始コドンおよび/またはリボソーム結合部位に干渉し得ることが知られている。二次構造を調査するためのソフトウェア、MFOLD(http://bioweb.pasteur.fr/seqanal/interfaces/mfold. html)を使用して、転写開始部位が発現にとって最適(ideal)ではないことがわかった。図14は、pET15b中のTrkAIg 6Hisについて予測されるmRNA構造を示す。6HisタグをコードするmRNAに輪郭が付けられており、リボソーム結合部位(RBS)およびプロリン残基のコドン(PRO)も輪郭が付けられている。図15は、pET24a中のTrkAIg noHisについて予測されるmRNA構造を示す。開始部位は6His型よりも非常に近付きにくいことがわかる。同様な制限は、TrkBIg noHisおよびTrkCIg noHisについての予測構造においても生じている。
mRNA構造を予測するコンピューターソフトウェアを使用して、RBSへのアクセスを可能にするための、様々なサイレント突然変異をTrkAIg noHisのDNA構造に導入にした。図16は、得られたDNA配列の例を、野生型と比較しながら示す。突然変異した塩基は、太字で記載されている。MFOLDにより予測されるmRNA構造を図17に示す。TrkBIg noHisに適した突然変異配列の例を図21に示し、TrkCIg noHisに適した突然変異配列の例を図22に示す。
TrkAIgを、突然変異した塩基を組込んだフォワードプライマーGGAATTCCATATGCCTGCTTCAGTACAATTACACACGGCGGTC、およびリバースプライマーCCGCTCGAGTTATCATTCGTCCTTCTTCTCCACCGGGTCTCCAを使用して、pET15b−TrkAIg 6HisプラスミドからPCRにより増幅させた。プライマーは、TrkAIg noHisの5'および3'に、それぞれNdelおよびXhoIの部位を含む。1回の反応当たり、100pmol〜1000pmolのプライマーを使用した。
サーマルサイクラーで、30サイクルにわたるホットスタート(Hot start)PCRを行った。最初の94℃の変性温度で15分間後、PFUポリメラーゼを添加し、そして「94℃で1分間の変性、67℃で1分間のアニーリング、および72℃で1分間の延長」を30サイクル行った。最後の延長は、72℃で10分間として、続いて4℃の保持工程を行った。PCR産物を、アガロースゲル電気泳動により分析した。TrkAIg noHis変異体を、NdelおよびXhoI消化pET24aにサブクローニングして発現ベクターpET24a−TrkAIg noHisを作製した。
図18は、エシェリヒア・コリで発現したTrkAIg noHisのSDS−PAGE分析を示す。(M)マーカー、(W)全細胞抽出物、(S)可溶性抽出物、(I)不溶性抽出物である。TrkAIg noHisは、主に不溶性フラクションで発現されていることがわかる。
組換えTrkAIg noHisポリペプチドの生産
エレクトロコンピテント エシェリヒア・コリBL21(DE3)細胞をpET24a−TrkAIg noHisで形質転換し、さらにpET(Novagen)説明書に従って発現させた。形質転換後、エシェリヒア・コリ溶解産物を、13.5kDaのタンパク質の発現についてSDS−PAGEにより分析した。TrkAIg noHisタンパク
質は、尿素溶解性フラクションでは高レベルで発現したが、他のフラクションでは発現しなかった。2mlの2YTブロス(50μg/mlのカナマイシン含有)にコロニーを接種して、37℃で中間対数期まで増殖させた。これを、50mlの2YTブロス(50μg/mlのカナマイシン含有)を接種するのに使用して、37℃で中間対数期まで増殖させた。これを、5リットルの2YTブロス(50μg/mlのカナマイシン含有)を接種するのに使用して、600nmで1.0の光学濃度に増殖させた。1mMのIPTGを添加してタンパク質発現を誘導し、そして細胞を37℃で3時間増殖させた。回収した細胞を10%グリセロールに再懸濁させ、そして−80℃で凍結させた(8個のペレット)。
封入体調製
圧縮した(pressed)細胞を、20mMのTris緩衝液(pH8.5)、1mMのPMSF、10mMのEDTAに混合し、穏やかにピペットで取り、そして20mMのTris緩衝液(pH8.5)を添加した。これを9000rpmで60分間遠心分離し、そして上清を除去した。20mMのTris緩衝液(pH8.5)、1mMのPMSF、10mMのEDTA、および1MのNaClでこの手順を繰り返し、次いで1%のTritonX−100を添加した。次いで、20mMのTris緩衝液(pH8.5)、1mMのPMSF、10mMのEDTAで最後の洗浄を行った。続いてこれを9000rpmで30分間遠心分離した。上清を除去した。洗浄は全て4℃で行った。封入体を−70℃で凍結した。
封入体を、25mMのDTTを添加した20mMのTris緩衝液(pH8.5)中8M尿素に、14℃で3時間かけて可溶化させた。
TrkAIg noHisポリペプチドのリフォールディング
封入体に含まれる不溶性TrkAIg noHisタンパク質を、Xpressで細胞から放出させ、さらに塩およびTritonX100で洗浄して、可溶性物質を除去した。精製した封入体を、8M尿素緩衝液(20mMのTris(pH8.5)、25mMのDTT)に可溶化し、そして穏やかに振盪させながら、室温で3時間インキュベートした。
Q Sepharose Fast Flow(Pharmacia)などのアニオン交換カラムを使用して、10mMのDTTを添加した8M尿素(pH8.5)で平衡化および移動させて、精製を行った。タンパク質はNaClの勾配で溶出させ、ここでタンパク質は、約180mMのNaClで、または200mMのNaClの段階で溶出した。溶出したタンパク質を、ゲル濾過カラム上、100mMのNACIを含むTris(pH8.5)中、1mg/mlでリフォールディングさせた。
ゲル濾過でのリフォールディングは、様々なゲル濾過媒体(SuperDex200、SuperDex75、SephacrylHR100、およびSephacrylHR200)で成功した。この系において、TrkAIg noHisは、0.55の保持係数で移動した。予想外なことに、TrkAIg noHisは同条件下のTrkAIg 6Hisと比較して、予測よりも少し速く移動した。可溶化を延長させると、単量体型の増加が観察された。さらに、単量体ピークは、最終的にPorosQカラムにかけることでタンパク質濃度を濃縮させ得る。
本発明の方法により生産されたTrkAIg noHisの特性決定
TrkAIg noHisの分子質量を、PE Biosystems Voyager−DE STR MALDITOF質量分析装置を使用して、337nmで作動する窒素レーザーで求めた。マトリクス溶液は、アセトニトリルと0.1%トリフルオロ酢酸との50:50混合物中100mg/100μlの濃度で新たに調製したシナピン酸とし
た。0.5μlの試料およびマトリクスを試料板上にスポットした。試料を、近接外部標準として機能するCalmix3(PE Biosystems)に対してキャリブレーションした。スペクトルは、25,000Vの加速電圧、750ナノ秒の抽出時間、および2700のレーザー強度を用いる線形条件下、5000Da〜80,000Daの範囲にわたり得られた。結果を図19に示す。
TrkAIg noHisの分子量は、13,561.2Daであることがわかった。これは、理論計算により予測される分子量とほぼ一致する(13,553Da)。
本発明の方法により生産されたTrkAIg noHisの生物活性:PC12細胞バイオアッセイ
本発明の方法により生産されたTrkAIg noHisの生物活性を、PC12神経突起伸長バイオアッセイにより検査した。コラーゲン被覆24ウェルプレート上の完全DMEM培地(100単位/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、10%ウマ血清、10%ウシ胎児血清(FCS)、および2mMのグルタミンを含む)に、1ウェル当たり2×10個のPC12細胞を播種した。NGFを1ng/ml添加し、そしてTrkAIg noHisを様々な濃度で添加した。
SuperDex200カラムでリフォールディングしたTrkAIg noHisを使用した実験結果を、図20に示す。写真は、48時間後の神経突起伸長を示す。撮影前に細胞を固定した。図20Aは、1ng/mlのNGFを用いた場合の神経突起伸長を示す。図20Bは、NGFが添加されない場合に神経突起伸長がないことを示す。図20Cは、2.5μmのTrkAIg noHisが添加された場合に神経突起伸長が減少することを示す。図20Dは、4.5μmのTrkAIg noHisが添加された場合に神経突起伸長がないことを示す。
同様の結果が、SuperDex75、SephacrylHR100、およびSephacrylHR200カラムでリフォールディングしたTrkAIg noHisを使用して得られた。
したがって、TrkAIg noHisは、PC12細胞株でNGFに応答する神経突起延長を阻止することができた。
2つのTrkAIg単量体から成る鎖交換二量体を示す。 (A)TrkAIgおよびTrkAIg2.6、(B)TrkBIg切断型および全長型(太字体で;pET15b配列(MGSSHHHHHH SSGLVPRGSHM)は太字体でない)、ならびに(C)TrkCIg切断型および全長型(太字体で;pET15b配列(MGSSHHHHHH SSGLVPRGSHM)は太字体でない)のアミノ酸配列を示す。 FPLC装置からのトレースの重ね合わせであり、先行技術の透析法と本発明の方法との比較実験を図示する。 一連のトレースであり、pHが変更された実験の結果を図示する。 一連のトレースであり、透析緩衝液の容量での比較実験を図示する。 本発明により生産されたTrkAIg 6HisおよびTrkAIg2.6 6Hisに関する質量分析の結果を示す。 TrkBIg 6Hisについての、A:BDNF、およびB:NT4との結合活性研究の結果を図示する。 TrkAIg 6Hisに関するNGFとの結合活性研究の結果を図示する。 TrkAIg2.6 6Hisに関するNGFとの結合活性研究の結果を図示する。 本発明により生産されたTrkBIg 6Hisに関する質量分析の結果を示す。 TrkAIg 6Hisを使用したPC12細胞神経突起伸長バイオアッセイの結果を示す。 本発明により生産されたTrkCIg 6Hisに関する質量分析の結果を示す。 TrkCIg 6Hisに関するNT−3との結合活性研究の結果を図示する。 TrkAIg 6Hisの予測mRNA構造を図示する。 TrkAIg noHisの予測mRNA構造を図示する。 TrkAIg noHisの発現を促進するために必要とされる突然変異の例を示す。 図16に示される変異体の配列の予測mRNA構造を図示する。 図16に示されるpET24a−TrkAIg noHis変異体の配列を発現するエシェリヒア・コリからの細胞抽出物を示している、SDS−PAGEゲルを示す。 本発明により生産されたTrkAIg noHisに関する質量分析の結果を示す。 TrkAIg noHisを使用したPC12細胞神経突起伸長バイオアッセイの結果を示す。 TrkBIg noHisの発現を促進するのに必要とされる突然変異の例を示す。 TrkCIg noHisの発現を促進するのに必要とされる突然変異の例を示す。

Claims (57)

  1. チロシンキナーゼ受容体関連ポリペプチドの生産方法であって、
    組換え発現系でチロシンキナーゼ受容体関連ポリペプチドを発現すること、および発現した単量体チロシンキナーゼ受容体関連ポリペプチドを前記発現したポリペプチドの多量体型(単数または複数)から分離工程で分離することを含み、
    前記分離工程は、前記発現したチロシンキナーゼ受容体関連ポリペプチドを生物活性型にリフォールディングさせる方法。
  2. 前記チロシンキナーゼ受容体は、天然のTrkA、TrkB、もしくはTrkC、あるいは生物学的に活性な前記受容体の相同体、バリアント、もしくは一部、またはそれらの相同体、バリアント、もしくは一部を含む構築物である、請求項1に記載の方法。
  3. チロシンキナーゼ受容体の一部、または前記一部を含む構築物は発現され、かつ前記一部はそれぞれTrkA、TrkB、およびTrkC受容体のIgドメインから選択される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記ポリペプチドは、TrkAIg、TrkAIg2.6、TrkBIgおよびTrkCIgから選択される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記ポリペプチドは、TrkAIgまたはTrkAIg2.6である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記ポリペプチドはヒスチジンタグ配列とともに発現される、請求項1、2、3、4、または5に記載の方法。
  7. 前記ポリペプチドはヒスチジンタグ配列なしで発現される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記チロシンキナーゼ配列はヒトのものである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記チロシンキナーゼ受容体関連ポリペプチドは不溶性型で発現される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記チロシンキナーゼ受容体関連ポリペプチドは細菌封入体で発現される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記多量体型は二量体を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記ポリペプチドは、前記対応する天然のチロシンキナーゼ受容体のリガンドと高親和性で結合することができる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記分離工程はゲル濾過を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記分離工程は0mM以上かつ500mM以下の塩濃度で行われる、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記分離工程は25mM以上かつ200mM以下の塩濃度で行われる、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記分離工程は約100mMの塩濃度で行われる、請求項15に記載の方法。
  17. 前記ゲル濾過工程で使用される前記ゲルは、ほぼ12kDa〜40kDaの分子量を有する分子を分離することができる、請求項13〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記ゲルはSephadex200またはSuperDex200である、請求項17に記載の方法。
  19. 前記ゲルはSuperDex200である、請求項18に記載の方法。
  20. 前記分離工程はpH8〜9で行われる、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記分離工程はほぼpH8.5で行われる、請求項20に記載の方法。
  22. 前記ポリペプチドは細菌ベースの発現系で産生される、請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 細菌発現系の封入体から組換えTrkAIgまたはTrkAIg2.6を精製する方法であって、
    単量体TrkAIgまたはTrkAIg2.6は、ゲル濾過工程により単量体および多量体TrkAIgまたはTrkAIg2.6を含む混合物から分離されて、活性型にリフォールディングされる方法。
  24. 細菌発現系の封入体から組換えTrkBIgを精製する方法であって、
    単量体TrkBIgは、ゲル濾過工程により単量体および多量体TrkBIgを含む混合物から分離されて、活性型にリフォールディングされる方法。
  25. 細菌発現系の封入体から組換えTrkCIgを精製する方法であって、
    単量体TrkCIgは、ゲル濾過工程により単量体および多量体TrkCIgを含む混合物から分離されて、活性型にリフォールディングされる方法。
  26. 請求項3〜23のいずれか一項の方法により得られる、20%未満のTrkAIg二量体または二量体凝集体を含むTrkAIgの調製物。
  27. 10%未満のTrkAIg二量体または二量体凝集体を含む、請求項26に記載のTrkAIgの調製物。
  28. 1%未満のTrkAIg二量体または二量体凝集体を含む、請求項27に記載のTrkAIgの調製物。
  29. 0.1%未満のTrkAIg二量体または二量体凝集体を含む、請求項28に記載のTrkAIgの調製物。
  30. 請求項3〜23のいずれか一項の方法により得られる、80%より多くのTrkAIg単量体を含むTrkAIgの調製物。
  31. 請求項3〜23のいずれか一項の方法により得られる、90%より多くのTrkAIg単量体を含むTrkAIgの調製物。
  32. 請求項3〜23のいずれか一項の方法により得られる、99%より多くのTrkAIg単量体を含むTrkAIgの調製物。
  33. 請求項3〜23のいずれか一項の方法により得られる、100%のTrkAIg単量体を含むTrkAIgの調製物。
  34. 請求項3〜23のいずれか一項の方法により得られる、20%未満のTrkAIg2.6二量体または二量体凝集体を含むTrkAIg2.6の調製物。
  35. 10%未満のTrkAIg2.6二量体または二量体凝集体を含む、請求項34に記載のTrkAIg2.6の調製物。
  36. 1%未満のTrkAIg2.6二量体または二量体凝集体を含む、請求項35に記載のTrkAIg2.6の調製物。
  37. 0.1%未満のTrkAIg二量体または二量体凝集体を含む、請求項36に記載のTrkAIg2.6の調製物。
  38. 請求項4〜23のいずれか一項の方法により得られる、80%より多くのTrkAIg2.6単量体を含むTrkAIg2.6の調製物。
  39. 請求項4〜23のいずれか一項の方法により得られる、90%より多くのTrkAIg2.6単量体を含むTrkAIg2.6の調製物。
  40. 請求項4〜23のいずれか一項の方法により得られる、99%より多くのTrkAIg2.6単量体を含むTrkAIg2.6の調製物。
  41. 請求項4〜23のいずれか一項の方法により得られる、100%のTrkAIg2.6単量体を含むTrkAIgの調製物。
  42. 請求項3、4、6〜22および24のいずれか一項の方法により得られる、20%未満のTrkBIg二量体または二量体凝集体を含むTrkBIgの調製物。
  43. 10%未満のTrkBIg二量体または二量体凝集体を含む、請求項42に記載のTrkBIgの調製物。
  44. 1%未満のTrkBIg二量体または二量体凝集体を含む、請求項43に記載のTrkBIgの調製物。
  45. 0.1%未満のTrkBIg二量体または二量体凝集体を含む、請求項44に記載のTrkBIgの調製物。
  46. 請求項3、4、6〜22および24のいずれか一項の方法により得られる、80%より多くのTrkBIg単量体を含むTrkBIgの調製物。
  47. 請求項3、4、6〜22および24のいずれか一項の方法により得られる、90%より多くのTrkBIg単量体を含むTrkBIgの調製物。
  48. 請求項3、4、6〜22および24のいずれか一項の方法により得られる、99%より多くのTrkBIg単量体を含むTrkBIgの調製物。
  49. 請求項3、4、6〜22および24のいずれか一項の方法により得られる、100%のTrkBIg単量体を含むTrkBIgの調製物。
  50. 請求項3、4、6〜22および25のいずれか一項の方法により得られる、20%未満のTrkCIg二量体または二量体凝集体を含むTrkCIgの調製物。
  51. 10%未満のTrkCIg二量体または二量体凝集体を含む、請求項50に記載のTrkCIgの調製物。
  52. 1%未満のTrkCIg二量体または二量体凝集体を含む、請求項51に記載のTrkCIgの調製物。
  53. 0.1%未満のTrkCIg二量体または二量体凝集体を含む、請求項52に記載のTrkCIgの調製物。
  54. 請求項3、4、6〜22および25のいずれか一項の方法により得られる、80%より多くのTrkCIg単量体を含むTrkCIgの調製物。
  55. 請求項3、4、6〜22および25のいずれか一項の方法により得られる、90%より多くのTrkCIg単量体を含むTrkCIgの調製物。
  56. 請求項3、4、6〜22および25のいずれか一項の方法により得られる、99%より多くのTrkCIg単量体を含むTrkCIgの調製物。
  57. 請求項3、4、6〜22および25のいずれか一項の方法により得られる、100%のTrkCIg単量体を含むTrkCIgの調製物。
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