本発明は、幹線電源の互いに相違する電圧を考慮して効率を向上するために直流レール電圧出力208を調整するレール電圧スイッチを有する高周波電子安定器を提供する。レール電圧スイッチは、幹線電力210及び幹線電圧信号212を発生する幹線電源200と、幹線電圧信号212に応答するとともに力率補正PFC電圧信号214を発生する安定器マイクロプロセッサ206と、幹線電源200に作動的に接続されるとともにPFC電圧信号214に応答して直流レール電圧出力208を発生するコンバータ204とを具える。力率制御に用いる実施の形態に対して、コンバータ204は、コイル218と、力率補正部224と、スイッチ220と、整流器222とを具える。
図1は、本発明によるレール電圧スイッチを有する電子的な安定器のブロック図を示す。ブロック間の一部の接続を、明瞭のために省略する。電子的な安定器100は、幹線電圧120によって給電される電源110と、高強度放電(HID)ランプ140に給電を行うランプ給電回路130と、安定器制御回路150とを具える。電源110は、電子的な安定器100への給電を調整し、ランプ給電回路130は、HIDランプ140に電力を供給し、安定器制御回路150は、電子的な安定器100の動作を制御する。
電源110は、電源110の入力部にある電磁干渉(EMI)フィルタ112と、バックアップ白熱ランプ116に給電を行う120V電源114と、力率補正(PFC)回路117と、安定器制御回路150に給電を行う補助低電圧電源118とを具える。ランプ給電回路130は、キャパシタバンク134と、共振ハーフブリッジ136と、点弧回路138とを具える。安定器制御回路150は、減光回路152と、力率補正(PFC)制御回路154と、マイクロコントローラ回路156と、電力調整回路158と、電流調整回路160と、ドライバ回路162とを具える。
図2A〜2Cは、本発明によるレール電圧スイッチを有する電子的な安定器に対する電源の線形図を示す。図2Aを参照すると、幹線電圧は、端子接続部X1,X2,X3に印加される。幹線電圧は、約180Vから305Vまで変化することができ、典型的には約200〜277Vとなる。幹線電圧に接続されたEMIフィルタ112は、変成器L3と、キャパシタC1,C2,C4,C6と、ブリッジ整流器BD1とを具える。回路の保護を、流入電流リミッタRT1及び電圧抑制バリスタRV1によって行うことができる。EMIフィルタ112の出力部は、Aux_Lineとして低電圧電源であり続ける。補助ライン電圧は、幹線電圧信号Vmainsとして120Vの電源電圧を発生するために変成器L3の後から引かれる。
図2Bを参照すると、120V電源114は、バックアップ白熱ランプに電力を供給するために200〜277VAux_Lineを120Vに降下する。HIDランプは、電力が供給された後の少しの間に生じるウォームアップ段階中に低光出力を有する。HIDランプは、再点灯できるようになる前に典型的には約5〜15分間クールダウンする必要がある。バックアップ白熱ランプは、HIDランプが点灯せず又は低光レベルで点灯したときに発光する。バックアップ白熱ランプを、ハロゲンランプ又は所望に応じた他の任意の120Vランプとすることができる。120V電源114は、電子的な安定器が励起されるときに励起される。安定器制御回路からのELON信号は、120V電源114が電力をバックアップ白熱ランプに供給するときを決定する。HIDランプが十分ない光を発していないことを表す公称的なHIDランプ電力の半分のような予め設定されたセットポイントに比べてHIDランプ電力が小さいときには常に、ELON信号は光をターンオンする。
120V電源114は、Aux_Line信号に応答するとともにAux_Line零交差信号を発生する比較回路と、Aux_Line零交差信号及びAux_Line電圧振幅信号に応答するとともに120V駆動信号を発生する120Vマイクロコントローラと、120V駆動信号に応答するとともに120V電力をバックアップ白熱ランプに供給する120Vドライバ回路とを具える。安定器制御回路からのELON制御信号は、バックアップ白熱ランプに対する120V電力を所望に応じてターンオン及びオフするためにキャパシタ回路及び120Vマイクロコントローラの切替を行う。
ダイオードD1,D2,D3及びD4を具える全ブリッジは、240〜277VAux_Line電力を整流する。整流された信号は、電圧レギュレータU2による調整後にAux_Line基準信号をコンパレータU1に供給する。また、整流された信号は、抵抗R1,R2を具える分圧器によってスケール化した後に可変Aux_Line電圧信号をコンパレータU1に供給する。コンパレータU1は、Aux_Line基準信号をAux_Line電圧信号と比較し、Aux_Line零交差信号を120VマイクロコントローラU3に供給する。Aux_Line零交差信号は、Aux_Line周波数を決定するために使用される。
Aux_Line電力は、抵抗R3,R4を具える分圧器によってスケール化され、ダイオードD5、キャパシタC10及び抵抗R3,R4によって更に調整した後Aux_Line電圧振幅信号として120VマイクロプロセッサU3に供給される。
120VマイクロコントローラU3は、Aux_Line零交差信号及びAux_Line電圧振幅信号を使用して、トライアックQ1に対する120V駆動信号を決定する。120VマイクロプロセッサU3は、Aux_Line電圧振幅信号に基づくとともにAux_Line零交差信号によって表されるようにAux_Line周波数に対して補正が行われたトライアックQ1の所望のタイミング/位相角をルックアップする予めプログラムされたルックアップテーブルを使用する。120V駆動信号は、十分に調整された120V電力をバックアップ白熱ランプに供給するために変成器T1を通じてトライアックQ1の切替を行う。120V電源114は、十分に調整された120V電力を発生し、これによってバックアップ白熱ランプの寿命を延ばし、バックアップ白熱ランプの過電圧保護を行う。
安定器制御回路からのELON制御信号は、バックアップ白熱ランプに対する120V電力を所望に応じてターンオン及びオフするために光学的なアイソレータの切替を行う。120V電力をターンオフするために、光学的なアイソレータISO1は、コンパレータU1と120VマイクロコントローラU3のマスタークリアピンとに対する基準電圧をグランドにする。
図2Cは、本発明による電子的な安定器に対する力率補正及び低電圧電源のブロック図である。力率補正回路117は、EMIフィルタの出力電圧を受信するとともに、補助低電圧電源118及びランプ給電回路に供給される電力を上げる。
力率補正回路117は、力率を高くするとともに、全体的な高調波歪みを小さくする。力率補正回路117は、幹線電圧に依存せずに固定されたレール電圧を保持することによって生じる電力損失を減少するために、ランプ電力回路に供給されるレール電圧を幹線電圧に対して調整する。力率補正回路117は、変成器T2と、スイッチQ3と、ダイオードD10とを具える。幹線電圧信号Vmainは、幹線電圧信号Vmainを安定器制御回路のPFC制御回路に供給するために抵抗R10に送出される。PFC制御回路は、幹線電圧信号Vmainと、PFC電流信号Ipfcと、PFC電圧信号Vpfcとを処理し、PFCゲート信号Gpfcを力率補正回路117に戻す。PFCゲート信号Gpfcは、出力電圧要求及び入力電流要求に適合するようスイッチQ3をサイクル化する。一実施の形態において、レール電圧Vrailを、特定の幹線電圧に対する値を分離するよう設定することができる。例えば、幹線電圧が約210〜215Vより下である場合、レール電圧を約400Vに設定することができる。同様に、約210〜255Vの幹線電圧及び約250Vより上の幹線電圧に対して、レール電圧を、約450V及び約465〜480Vにそれぞれ設定することができる。幹線電力電圧セットポイント付近のレール電圧の偶然の切替を防止するために、ヒステリシスを用いることができる。当業者は、特定のアプリケーションに適合できるよう互いに相違する幹線電圧範囲及びレール電圧を用いることができることを理解する。変成器T2は、変成器T2の電流が零に到達したときを表すために零電流入力信号ZCinをPFC制御回路に供給することもできる。変成器T2は、Vdimm+及びVdimm−を通じて安定器制御回路の減光回路に電力を提供することもできる。力率補正回路117は、PFC電圧信号Vpfc及びスケール化されたPFC出力電圧信号Vpfを通じて安定器制御回路に電圧信号を供給する。
補助低電圧電源118は、安定器制御回路素子に電力を供給する。補助低電圧電源118は、力率補正回路117の出力部から電力を取り出し、切替モード電源IC U5を用いて15Vの低電圧電力を生成する。電圧レギュレータQ5は、切替モード電源IC U5からの出力を調整する。電圧レギュレータQ5の出力部は、Vccpfcラインを通じてPFCコントローラに電力を供給し、+15ラインを通じて他の安定期制御回路に電力を供給する。
図3は、本発明によるレール電圧スイッチを有する電子的な安定器に対するランプ電力回路の線形図である。ランプ電力回路130は、キャパシタバンク134と、共振ハーフブリッジ136と、イグナイタ138とを具える。キャパシタバンク134は、エネルギーバッファとしての役割を果たす。共振ハーフブリッジ136は、EMIフィルタから電力を受け取り、HIDランプを駆動するために電力の変換を行う。イグナイタ138は、ランプ始動中にHIDランプに高電圧を供給する。
力率補正回路の出力部のキャパシタバンク134は、電解キャパシタを具える。共振ハーフブリッジ136は、スイッチQ7,Q9、インダクタL4及びキャパシタC17を具える。HIDランプに対する電力は、インダクタL4及びキャパシタC17のインピーダンスと、ハイゲート信号Hgate及びローゲート信号Lgateに応答してスイッチQ7,Q9を交互に切り替える周波数とによって制御される。ハイゲート信号Hgate、ローゲート信号Lgate、そのグランド、HSource及びLSourceは、安定器制御回路によって発生する。
共振ハーフブリッジ136からの信号は、安定器制御回路に情報提供する。ランプ電力信号Psense+は、共振ハーフブリッジ136に対する電力入力を表す抵抗R12間の電圧を測定することによって発生する。検知されたランプ電流信号Isense+対Isense−は、インダクタL4及びキャパシタC17と直列に配置した変成器T3によって電流を測定することによって発生する。HIDランプに対する電圧を、ランプ電流によってランプ電流を分割することによって決定することができる。
イグナイタ138は、インダクタL4及びキャパシタC17の接続部に作動的に接続した直流オフセット回路139と、インダクタL4の2次巻線に作動的に接続したクランプ回路137と、キャパシタC19とを具える。HIDランプに対する点弧電圧は、直流オフセット回路139によってキャパシタC17に供給される直流オフセット電圧と共同して、インダクタL4とキャパシタC19との間の共振によって発生する。共振は、1次高調波共振となる。
直流オフセット回路139は、ダイオードD12,D14,D16と、キャパシタC21,C23,C25と、抵抗R14と、ダイオードD18とを具える。直流オフセット回路139は、点弧電圧の発生中にスイッチQ7,Q9の電流を減少するためにキャパシタC17に直流オフセット電圧を供給する。直流オフセット電圧の大きさは、インダクタ電圧の固定比となる。直流オフセット電圧は、インダクタL4を流れる電流によって決定されるインダクタL4の共振電圧によって制御される。変成器T3として設けられた帰還ループは、インダクタL4を流れる電流を測定し、検知したランプ電流信号Isense+対Isense−を安定器制御回路の安定器コントローラに供給する。安定器制御回路は、スイッチQ7,Q9に対するHgate信号、Lgate信号、Hsourse信号及びLsourse信号を用いて周波数掃引を制御する。直流オフセット電圧を、特定のアプリケーションに応じて約1〜2.5kV間で設定することができる。
インダクタL4の電圧を制御するためにハードウェア制御/制限回路も設ける。ハードウェア制御/制限回路は、コイルL6、ダイオードD21、キャパシタC27、抵抗R16及びツェナーダイオードD20を具える。コイルL6を流れる電流によって、電圧制御発振(VCO)帰還信号VCOfbを生成するためにダイオードD21によって整流されるとともにキャパシタC27によってフィルタ処理された電圧を発生する。VCO帰還信号は、帰還制御及び制限として安定器制御回路の電圧制御発振器(VCO)に供給され、これによって、安定器制御回路は、インダクタL4の電圧を制御することができる。一実施の形態において、コイルL6を、ダイオードD24,D25,D26,D27の切替の影響を減少する飽和コイルとする。
クランプ回路137は、インダクタL4の2次巻線と、ダイオードD24,D25,DD26,D27の整流ブリッジと、キャパシタC29と、ダイオードD21とを具える。クランプ回路137は、2次巻線で遠圧が非常に高くなると導通し、これによって、インダクタL4の電圧を、回路グランドより上のレール電圧に制限する。インダクタL4の2次巻線の巻数比を、クランプ回路137が導通する電圧を設定するために用いることができる。
他の実施の形態において、安定器制御回路からの点弧信号に応答する(図示しない)点弧スイッチを、キャパシタC19に直列に設けることができる。点弧スイッチによって、安定器制御回路は、安定器制御回路に供給される制御情報に基づくHIDランプの点弧の能動的な制御を行うことができる。
図4A〜4Fは、本発明によるレール電圧スイッチを有する安定器制御回路を示す。図4Aは、本発明による電子的な安定器に対する減光回路の線形図である。アナログ減光信号を、ジャックJ2の減光回路152によって受信される手動又は自動で調整可能な入力信号とする。アナログ減光信号を、0〜10Vとし、又は特定のアプリケーションに対して要求されるような他の電圧範囲とすることができる。安定器制御回路150の減光回路152は、正の温度係数(PTC)の過電流プロテクタRT2及びツェナーダイオードD30によってジャックJ2の高入力電圧から保護される。アナログ減光信号は、電圧制御発振器U9に供給され、それは、アナログ減光信号を、アナログ減光信号電圧に比例する周波数を有する周波数減光信号Dimmに変換する。周波数減光信号Dimmは、オプトカプラISO1に供給され、それは、減光回路152の出力をマイクロプロセッサ回路から分離する。力率補正回路は、Vdimm+及びVdimm−を通じて減光回路152に電力を供給し、電圧レギュレータU7は電圧を安定にする。
図4Bは、本発明による電子的な安定器の安定器制御回路150の力率補正(PFC)制御回路154の線形図を示す。力率補正部U10を用いて、PFC制御回路154は、幹線電圧信号Vmainと、力率補正回路からのPFC電流信号Ipfc及びPFC電流信号Vpfcとを処理するとともに、PFCゲート信号Gpfcを力率補正回路に戻す。PFC制御回路154は、PFC回路の変成器の電流が零に到達したときを表すために零電流入力信号ZCinを受信する。
特定の幹線電圧範囲に対するターゲットレール電圧は、抵抗R20,R21,R22,R23の抵抗アレイによって設定される。安定器マイクロプロセッサは、幹線電圧信号Vmainsに応答し、抵抗アレイの種々の抵抗を回路グランドに切り替える力率電圧信号Vpf_3,Vfp_2,Vpf_1及びVpf_0を発生する。抵抗アレイは、あり得るレール電圧に対応する互いに相違する電圧を発生し、それは、力率補正部U10に対するPFC電圧信号Vpfcにバイアスをかける。
図4C,4Dは、本発明による電子的な安定器に対するマイクロ回路及び安定器マイクロプロセッサの詳細の線形図を示す。安定器コントローラU12は、電子的な安定器及び安定器制御回路の主制御構成要素である。マイクロコントローラ回路156は、電子的な安定器を通じて種々のパラメータの情報を受信し、制御信号を種々の構成要素に供給する。発振器Y1は、典型的には約4MHzの発振信号を安定器コントローラU12に供給する。安定器マイクロプロセッサU12は、電力調整回路から5V電力を受け取り、それは、補助的な低電圧の電源から15Vの電力を受け取る。EEPROM U14は、電子的な安定器を適切な電力レベル、ランアップ電流及び点弧電圧に調整するために安定器マイクロプロセッサU12に供給された情報を格納する。
減光回路からの減光信号Dimmは、電力調整回路に対する電力基準信号Prefを調整することによってHIDランプに対する電力を設定するために安定器マイクロコントローラU12に指導するマイクロコントローラ回路156に対する入力となる。
Sweep信号は、点弧中に周波数を掃引するとともに必要な電圧を発生するためのマイクロコントローラ回路156から駆動回路への出力となる。Sweep信号は、点弧電圧信号Vignの関数となる。また、Sweep信号は、電弧の安定性を増大するために安定状態動作中にランプ電流周波数を変調する。安定状態動作は、本願の同一譲受人に譲り受けられるとともの参照によってここに組み込まれた米国特許出願番号10/043,586に記載されている。
電力基準信号Prefは、安定器マイクロコントローラU12からの出力となり、HIDランプの出力を調整するために、処理され及び検知された電力信号と比較される電力基準信号を電力調整回路に供給する。電力基準信号Prefは、HIDランプ電力を制御し、測定されたレール電圧Vpf及び検知された電力信号Pwrの関数となる。電力基準信号Prefを、周波数減光信号Dimm及びEEPROM U14からの校正係数の関数とすることもできる。SCL信号及びSDA信号は、電力レベル、ランアップ電流、点弧電圧等のEEPROM U14に格納された情報を安定器マイクロコントローラ U12に供給する。
力率電圧信号Vpf_3,Vfp_2,Vpf_1及びVpf_0は、ターゲットレール電圧を設定するためにPFC制御回路の抵抗アレイに回路グランドを提供する安定器マイクロプロセッサU12からの出力となる。Vpf_3,Vfp_2,Vpf_1及びVpf_0のグランド化は、幹線電圧Vmainsの関数となる。
Tx及びRx信号は、RS232インタフェースプロトコルを用いて、安定器マイクロコントローラU12と電子的な安定器の外部装置との間の通信を提供する。
入力電圧信号Vmainsは、PFC制御回路154から安定器マイクロコントローラU12への入力となり、幹線電圧レベルを表す。入力電圧信号Vmainsは、力率電圧信号Vpf_3,Vfp_2,Vpf_1及びVpf_0に対する出力を設定する安定器マイクロコントローラU12を決定する。
スケール化されたPFC出力電圧信号Vpfは、力率補正回路117から安定器マイクロコントローラU12への入力となり、レール電圧を表す。
処理された電力信号Pwrは、電力調整回路から安定器マイクロプロセッサU12への入力となり、HIDランプに対する電力を表す。ランプ電流信号Isense+によって除算することによって処理された電力信号Pwrは、HIDランプ電流を発生する。処理された電力信号Pwr、スケール化されたPFC出力電圧信号Vpf、EEPROM U14からの校正定数及び減光信号Dimmは、HIDランプの電力を制御する電力基準信号Prefを決定する。
温度信号Tsは、マイクロコントローラ回路156の過電流プロテクタRT3から安定器マイクロコントローラU12への入力であり、電子的な安定器の温度を表す。温度信号Tsを、損傷を回避するよう電子的な安定器を遮断すべきであることを決定するために安定器マイクロコントローラU12によって用いることができる。安定器マイクロプロセッサは、遮断信号SDをトグルすることによって電子的な安定器を遮断する。
点弧電圧信号Vignは、イグナイタから安定器マイクロプロセッサU12への入力となり、点弧のためにHIDランプに供給される電圧を表す。点弧電圧Vignを、HIDランプを始動するよう掃引信号Sweepの大きさを決定するために安定器マイクロコントローラU12によって用いることができる。
ランプ電流信号Isense+は、共振ハーフブリッジから信号を受信する電量調整回路から安定器マイクロコントローラU12への入力となる。ランプ電流信号Isense+は、HIDランプに対する電流を表し、ランアップ電流制限信号Iwormを制御するのに用いられる。ランプ電流信号Isense+は、誤り状態を決定するような関数に対して使用できるランプ電圧を計算するのに使用することもできる。
安定器マイクロコントローラU12は、処理された電力信号Pwtをランプ電流信号Isense+によって除算することによってHIDランプに対する電圧を決定することができる。安定器マイクロプロセッサU12は、HIDランプを制御するよう電力基準信号Prefの大きさを決定するために、処理された電力信号Pwr、電流信号Isense+及び計算されたHIDランプ電圧を用いることができる。電力基準信号Prefを、周波数減光信号Dimm及びEEPROM U14からの校正係数の関数とすることもできる。
ELON信号は、安定器マイクロコントローラU12から120V電源への出力となり、120V電源がバックアップ白熱ランプに電力を供給するときを決定する。安定器マイクロプロセッサU12に対してPwr信号によって表されるHIDランプ電力が、予め設定されたセットポイントに到達すると常に、ELON信号は、バックアップ白熱ランプをターンオフする。約50%の公称HIDランプのような予め設定されたセットポイントを、HIDランプが十分な光を発生するポイントを表すために用いることができる。
ランアップ電流制限信号Iwormは、安定器マイクロコントローラU12から駆動回路の電圧制御発振器への出力となる。ランアップ電流制限信号Iwormは、ランプ電流制限レベルを設定し、低いHIDランプ電圧に対してランアップ電流を制限することが要求される。ランアップ電流制限信号Iwormは、HIDランプに対する電流を表すランプ電流信号Isense+の関数となる。
信号Pwr_Onの逆電力は、安定器マイクロコントローラU12を初期化する電力アップ/リセット信号となる。
遮断信号SDは、安定器マイクロコントローラU12からドライバ回路のハイアンドローサイドドライバへの出力となる。シャットダウン信号SDは、ランプの点弧がない、ランプ電圧範囲外、安定器の温度が高い、幹線電圧が低い等の故障状態のHIDランプをターンオフする。
図4Eは、本発明による電子的な安定器の電力調整回路158及び電流調整回路160の線形図を示す。電力調整回路158は、電流調整回路160に送出される電力エラー信号を決定するために、検知されたランプ電力信号を電力基準信号と比較する。電流調整回路160は、駆動回路162に送出される全誤り信号を決定するために、電力誤り信号及び検知されたランプ電流を用いる。
電力調整回路158は、オペアンプU16,U17を有する。オペアンプU16は、電力を表すランプ電力信号Psense+を、共振ハーフブリッジのスイッチQ9(図3参照)を通じて受信する。オペアンプU16は、オペアンプU17及びマイクロコントローラ回路に供給される処理された電力信号Pwrを生成するために、ランプ電力信号を調整し及び制限する。オペアンプU17は、電流調整回路160に供給される電力エラー信号Perrを生成するために、処理された電力信号Pwrと、マイクロプロセッサ回路からの電力基準信号Prefとを比較する。電力調整回路158は、マイクロコントローラ回路に電力を供給する電圧レギュレータU21も有する。
電圧調整回路160は、オペアンプU18,U19を有する。オペアンプU18は、オペアンプU19に供給される電力/電流エラー信号Plerrを生成するために、電力エラー信号Perrと、共振ハーフブリッジからの検知されたランプ電流信号Isense+とを比較する。オペアンプU19は、電力/電流エラー信号PIerrを調整し及び制限し、駆動回路に供給される全エラー信号Errを生成する。
マイクロコントローラ回路からオペアンプU19への掃引信号Sweepは、周波数を掃引し、点弧中に必要な電圧を発生し、かつ、電弧の安定性を増大するために安定状態動作中にランプ電流周波数を変調する。安定状態動作は、本願と同一譲受人に譲り受けられるとともに参照によってここに組み込まれた米国特許出願番号10/043,586に記載されている。
図4Fは、本発明による電子的な安定器の駆動回路162の線形図である。駆動回路162は、HIDランプに供給するために、所望の電力を表す電流調整回路からの全エラー信号Errを受信し、HIDランプへの電力を制御するために、ハイゲート信号Hgate及びローゲート信号Lgateを共振ハーフブリッジに供給する。
駆動回路162は、電圧制御発振器(VCO)U24と、駆動ゲートU26,U27,U28,U29,U30と、ハイアンドローサイドドライバU32とを具える。VCO U24は、電流調整回路から全エラー信号Errを受信し、全エラー信号Errの電圧に比例するクロックされたVCO出力信号VCOUTを発生する。マイクロコントローラ回路からのランアップ電流制限信号Iworm又はラン遮断信号SDは、所望の場合には、HIDランプをターンオフするためにVCO U24を遮断する。
駆動ゲートはVCO出力信号VCOUTを受信し、それは、ハイ入力信号Hinを生成するために三つの駆動ゲートU26,U27,U28に送出され、ロー入力信号Linを生成するために二つの駆動ゲートU29,U30に送出される。ハイ入力信号Hinを生成するための駆動ゲートの奇数の使用及びロー入力信号Linを生成するための駆動ゲートの偶数の使用の結果、二つの信号間にデッドタイムがある互いに相違する極性のハイ入力信号Hin及びロー入力信号Linとなる。
ハイアンドローサイドドライバU32は、駆動ゲートからのハイ入力信号Hin及びロー入力信号Linを調整し、ハイゲート信号Hgate及びローゲート信号Lgateを共振ハーフブリッジに供給する。コントローラ回路からのラン遮断信号SDは、必要な場合には、HIDランプをターンオフするためにVCO U24を遮断する。
図5A〜5Bは、本発明によるレール電圧スイッチを有する電子的な安定器のレール電圧切替回路のブロック図を示す。図5Aを参照すると、幹線電源200は、コンバータ204に幹線電力210を供給する交流又は直流電源である。安定器マイクロコントローラ206は、幹線電源200からの幹線電圧信号212に応答し、力率補正(PFC)電圧信号214をコンバータ204に供給する。コンバータ204は、HIDランプを駆動するために変調され得る直流レール電圧出力208を発生する。
幹線電源200は、幹線電力210をコンバータ204に供給する。幹線電源200を、単一の電子的な安定器又は電子的な安定器の群に対する電力を発生する交流又は直流電源とすることができる。幹線電源200からの公称電圧は、ローカル電気ユーティリティ及びローカル電力分配ネットワークから供給される電力に応じて変化することができる。実電圧は、ローカル電気ユーティリティ及びローカル電力分配ネットワークの電力要求に応じて、時間とともに変化することができる。大抵のロケーションにおいて、幹線電圧は、約180VACから305VACまで変化することができ、典型的には約200〜277VACとなる。幹線電圧信号212は、安定器マイクロプロセッサ206に幹線電源200の電圧を提供する。
安定器マイクロコントローラ206を、Microchip Technology Inc.によって製造されるPIC16C73B 8ビットCMOSマイクロコントローラのように、幹線電圧信号212に応答するとともにPFC電圧信号214を発生する任意の制御装置とする。一実施の形態において、安定器マイクロコントローラ206は、定数を格納し、所定の幹線電圧信号212に対する所望のPFC電圧信号214を決定するために計算を実行する。他の実施の形態において、安定器マイクロコントローラ206は、所定の幹線電圧信号212に対する所望のPFC電圧信号214を関連付けるとともに発生するルックアップテーブルを格納することができる。PFC電圧信号214はコンバータ204に供給される。
コンバータ204は、PFC電圧信号214に応答し、幹線電力210を用いて直流レール電圧出力208を発生する。コンバータ204を、幹線電力210を所望の電圧及び品質の直流出力に変換することができる任意の切替モードコンバータとすることができる。典型的なコンバータ装置及び構成を、バックコンバータ(buck converter)、ブーストコンバータ、バック−ブーストコンバータ、フライバックコンバータ、単一端の1次インダクタコンバータ(single ended primary inductor converter: SEPIC)及びCukコンバータとする。当業者は、特定のアプリケーションに対して複数のコンバータ装置及び構成が可能であることを理解する。
安定器マイクロコントローラ206は、特定の幹線電圧に対して適切なPFC電圧信号214を選択することによって直流レール電圧出力208を所定の幹線電圧に対して設定すべきである箇所を決定する。直流レール電圧出力208を、特定の幹線電圧に対して個別の値に設定することができる。安定器マイクロプロセッサ206は、幹線電圧信号212の特定の範囲の各々に対して一つのPFC電圧信号214を発生することができる。あり得る幹線電圧範囲を特定のアプリケーションに所望される複数の幹線電圧範囲に分割できることは、当業者によって理解される。典型的には、直流レール電圧出力を、ローの幹線電圧に対してローに設定するとともにハイの幹線電圧に対してハイに設定することができる。複数の幹線電圧範囲を用いる場合、直流レール電圧出力は、幹線電圧の連続的な関数を近似することができる。幹線電圧信号が幹線電圧セットポイント付近のときの繰返しの悪影響が及ぼされるスイッチングから直流レール電圧出力を保持するために、ヒステリシスを用いることができる。
二つの幹線電圧範囲を用いた一例において、あり得る幹線電圧の範囲を、幹線電力セットポイントV1より下の第1幹線電圧範囲と、幹線電力セットポイントV1より上の第2幹線電圧範囲とに分割することができる。幹線電圧が第1幹線電圧範囲にある場合、直流レール電圧出力208は、第1直流レール電圧出力に設定され、幹線電圧が第2幹線電圧範囲にある場合、直流レール電圧208は、第2直流レール電圧範囲に設定される。
三つの幹線電圧範囲を用いる他の例において、あり得る幹線電圧の範囲を、第1幹線電力セットポイントV1より下の第1幹線電圧範囲と、第1幹線電力セットポイントV1から第2幹線電力セットポイントV2までの第2幹線電圧範囲と、第2幹線電力セットポイントV2より上の第3幹線電圧範囲とに分割することができる。幹線電圧が第1幹線電圧範囲にある場合、直流レール電圧出力208は、第1DCレール電圧出力に設定される。幹線電力が第2又は第3幹線電圧範囲にある場合、直流レール電圧出力208は、第2又は第3レール電圧出力にそれぞれ設定される。
典型的な電圧値を示す三つの幹線電圧範囲を有する例において、約210〜215Vの第1幹線電力セットポイントV1より下の幹線電圧に対して、直流レール電圧出力を約400Vに設定することができる。約210〜215Vの第1幹線電力セットポイントV1と約255Vの第2幹線電力セットポイントV2との間の幹線電圧に対して、直流レール電圧出力を約450Vに設定することができる。約250Vの第2幹線電力セットポイントV2より迂遠の幹線電圧に対して、直流レール電圧出力を約465〜480Vに設定することができる。当業者は、互いに相違する電圧範囲及び直流レール電圧出力を特定のアプリケーションに対して使用できることを理解する。
幹線電圧信号212が幹線電力セットポイント付近であるときの繰返しの悪影響が及ぼされるスイッチングから直流レール電圧出力を保持するために、幹線電圧範囲の数に関係なくヒステリシスを用いることができる。例えば、直流レール電圧出力208は、幹線電圧が増大する際に幹線電力セットポイントV1で第1直流レール電圧出力から第2直流レール電圧出力まで変化し、幹線電圧が減少する際に幹線電圧がオフセット未満のV1に到達するまで第2直流レール電圧出力は第1直流レール電圧出力まで切り替わらない。約200〜277Vで点灯する幹線電圧及び三つの幹線電圧範囲を用いるレール電圧スイッチを有する電子的な安定器に対して、20〜30Vのヒステリシスを用いることができる。
同様な素子が図5Aと同様な参照番号を共有する図5Bは、本発明によるレール電圧スイッチを有するとともに力率補正を用いる電子的な安定器のレール電圧切替回路のブロック図を示す。本例において、コンバータ204を、ブースト構造のコンバータとし、それは、コイル218と、スイッチ220と、整流器222と、力率補正部224とを具える。コイル218の入力部は、幹線電源200から幹線電力210を受け取り、コイル218の出力部は、スイッチ220及び整流器222に作動的に接続される。力率補正部224は、PFC電圧信号214に応答し、PFCゲート信号230をスイッチ220に供給する。スイッチ220は、変調された電力232を整流器222に供給するためにPFC電圧信号214に応答してコイル218の出力部を共通と開放との間で切り替え、整流器222は直流レール電圧出力を発生する。スイッチ220を、MOSFET、切替トランジスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)又は任意の切替装置とすることができる。MOSFETの一例を、STMicroelectronicsによって製造されたSTP11NM60とする。整流器222を、ダイオード、全ブリッジ整流器、ハーフブリッジ整流器、又は特定のアプリケーションに対して所望されるような他の整粒装置とする。ブリッジ整流器の一例を、Fairchild Semiconductorによって製造されたKBU4Jとする。
零電流入力信号236は、コイル218からのコイル電流を表し、力率補正部224に供給される。本実施の形態において、力率補正部224は、臨界導通モードにおいて、コイル218からの零コイル電流に応答してスイッチ220を切り替えるよう作動する。これによって、電流波形が幹線電源200の電圧波形に従うので、力率が向上する。
スイッチ220を流れる電流をモニタするとともに力率補正部224に供給される任意のPFC電流信号234を、コンバータ204に対する電流帰還制御として用いることができる。本実施の形態において、力率補正部224は、PFC電圧信号214に従うPFC電流信号234に応答し、PFCゲート信号230を決定するために両方の信号を用いる。
レール電圧スイッチを有するとともに力率補正を用いた電子的な安定器のある特定の実施の形態を、図2C,4B及び4Cに示す。図2Cを参照すると、幹線電力は、コイルとして機能する力率補正回路117の変成器T2を通じて供給される。零電流入力信号Zcinは、変成器T2の2次巻線のタップをオフにし、PFC制御回路に供給される。スイッチQ3は、変成器T2の出力をダイオードD10に切り替えるためにPFCゲート信号Gpfcに応答し、直流レール電圧出力を生成する。スイッチQ3に流れる電流をモニタするPFC電流信号Ipfcは、力率補正部に供給される。図4Cを参照すると、マイクロコントローラ回路156の安定器マイクロコントローラU12は、幹線電圧信号Vmainsに応答し、力率電圧信号Vpf_0,Vpf_1,Vpf_2,Vpf_3を発生する。安定器マイクロコントローラU12は、幹線電源電圧の応じて力率電圧信号を個々に切り替える。図4Bを参照すると、力率電圧信号Vpf_0,Vpf_1,Vpf_2,Vpf_3は、PFC電圧信号VpfcをPFC制御回路154の力率補正部U10に供給し、それは、PFCゲート信号GpfcをスイッチQ3に供給する。力率補正部U10は、零電流入力信号Zcin及びPFC電流信号Ipfcにも応答する。
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。