JP2005513600A - 超伝導構造の特徴付け及び計測 - Google Patents

超伝導構造の特徴付け及び計測 Download PDF

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Abstract

本発明の実施形態に従って、超伝導位相キュビットの特徴付け及び計測のための方法、及び機構を開示する。1つのジョセフソン接合、又は超伝導ループで繋がるジョセフソン接合の集合から構成される位相キュビットは、本発明の実施形態により計測される。誘電結合が作られ得るループを持つ他のキュビットもまた、本発明の実施形態により計測、及び特徴付けされる。幾つかの実施形態では、外部磁束の関数としての、超伝導構造の非線形インダクタンスの計測は、超伝導位相キュビットの特性についての情報を生み出すことができる。特に、超伝導位相キュビットのエネルギー状態についての情報を定めることができる。

Description

本発明は、量子コンピューティングに関するものであり、特に、超伝導構造の特徴付け及び計測に関するものである。
(関連出願の相互引用)
本出願は、2001年12月18日に出願された米国特許仮出願60/341,794号の35U.S.C.§119(e)に基づく優先権を主張するものであり、この出願全体が引用により本出願に組み入れられる。
(関連技術の説明)
キュビット
量子ビット又はキュビットは、量子コンピューターの構成単位である。キュビットは、0又は1のいずれかとすることができる点で、従来のコンピューティングのバイナリビットと似ているが、しかしながら、キュビットの相当する状態は、|0>及び|1>と参照される。これらは、それぞれ、ビット又はキュビットの基底状態と呼ばれる。量子演算の間、キュビットの状態は、その基底状態の重ね合わせとなる。これは、従来のビットとは全く異なり、キュビットの状態が、第一の基底状態|0>を占める0でない第一の確率、及び第二の基底状態|1>を占める0でない第二の確率を同時に持つことを意味している。性質上、基底状態の重ね合わせを、同時に双方の基底状態に存在するキュビットとして特徴付けすることができる。数学的には、重ね合わせは、キュビット全体の状態|ψ>=α|0>+β|1>によって表され、ここでα及びβは、実数及び虚数のコンポーネントを持つ確率振幅である。キュビットの状態が読み取られる時、キュビットの量子的性質は一時的に失われ、かつその重ね合わせは|0>又は|1>のいずれかに崩れ、これにより従来のビットとの類似性を取り戻す。崩れた後のキュビットの状態は、読み取り動作が起こる直前の確率振幅α及びβに依存する。
キュビットの基底状態の重ね合わせは、量子コンピューターで利用される能力の一つの側面である。有用なものとなるように、キュビットは、量子レジスタ内の他のキュビットと組み合わせなければならず、ここで量子レジスタ内のキュビットの数と共に、情報を表現するための能力は指数関数的に増大する。量子コンピューターの能力及び性質は、この技術分野でよく知られており、かつ説明されている。例えば、全体が引用により本出願に組み入れられる、Shorに発表された米国特許5,768,297号を参照しなさい。
量子コンピューティングの分野は、いくつかのハードウェアの提案が紹介され、かつ試された1990年代末期まで、理論上のままであった。キュビットを形作ることのできる現在の物理システムの調査については、全体が引用により本出願に組み入れられる、Braunstein及びLo(編)著,2001年,ベルリン,Wiley-VCH Verlag GmbH,ScalableQuantunComputers、を参照しなさい。量子コンピューターを作るためには、多くの物理的要求が存在する。それについては、BraunsteinのDiVincenzo及びLo(編)著,2001年,ScalableQuantumComputersを参照しなさい、しかしその一つは、キュビットは良く特徴付けされた物理システムでなければならないということである。この要求は、キュビットのエネルギーポテンシャルとキュビットの固有状態をマッピングする必要性を含んでいる。
多くのキュビットは、超伝導構造である。超伝導素材は、電流、磁場、及び温度の臨界レベル以下でゼロ電気抵抗を持つ。超伝導キュビットの一つの形は、ジョセフソン接合を含む。ジョセフソン接合を含むキュビットの2つのクラス、電荷キュビット及び位相キュビットが存在する。位相及び電荷は、基本量子原則により関連付けられる標準共役変数である。ジョセフソン接合を含むキュビットの2クラスの分割は、全体が引用により本出願に組み入れられるMarkhlin他著,2001年,Reviews of ModernPhysics,73,357ページで概説される。
二重井戸ポテンシャル
量子コンピューティングに役立つシステムは、図8Aに示すように、二重井戸ポテンシャルを含むことができる。二重井戸ポテンシャル80は、キュビットのエネルギー対キュビットの位相を示している。2つの極小点82-1及び82-2と対応付けられる2つの準安定状態が存在する。各極小点は、キュビットのエネルギースペクトル(すなわち、一連の量子化されたエネルギーレベル)を含むことができる。基底状態|0>及び|1>は、システムのグラウンド状態エネルギーレベルで表される。二重井戸ポテンシャルを持つシステムの例は、キュビットの基底状態がキュビットの位相と一致する超伝導ジョセフソン位相キュビットである。二重井戸ポテンシャルでは、グラウンド状態は、位相状態+Δφ及び−Δφと対応付けられる。超伝導位相キュビットはこの技術分野では既知であり、Zagoskinに発表された米国特許6,459,097B1号、及び2001年6月に出願されAmin等に発表された米国特許出願シリアルナンバー09/872,495号で詳細に説明されており、これらは双方とも出願全体が引用により本出願に組み入れられる。
量子トンネル効果
古典力学では、グラウンド状態を占有する粒子が他の状態(例えば、縮退システムでのもう一つのグラウンド状態)に移るにあたって、粒子には、2つの状態を隔てているポテンシャル障壁より大きいエネルギーを与えなければならない。しかしながら、粒子が量子力学によって支配されている場合には、その粒子が2つの状態を隔てているポテンシャル障壁を越えて通過するのに充分なエネルギーを持っていない時でさえも、粒子はそのポテンシャル障壁を通り抜けることは可能である。例えば、Atkins著,1983年,ニューヨーク,OxfordUniversityPress,MolecilarQuantunMechanicsを参照しなさい。Atkinsは、古典禁止領域(粒子がその領域に存在するのに充分なエネルギーを持っていないため禁止されている)の内側で、粒子(例えばクーパー対)を見つけることができることを説明している。Atkinsは、この効果を「障壁の貫通」又は「トンネル効果」と呼んでいる。微視的量子トンネル効果のこの形式は、この技術分野で既知であり、例えばジョセフソン接合をまたぐジョセフソン効果を特徴付け、ここでは量子トンネル効果の処理を介して、クーパー対が非超伝導素材の領域を通り抜ける。超伝導体及び多くの他のシステムでは、同じ量子力学的動作が中間視的規模まで拡大し、ここではシステムの中間視特性(クーパー対からの寄与により部分的に作り上げられる)は量子力学規則に従って振る舞い、それゆえ量子トンネル効果を実証する。
キュビットの特徴付け
キュビットの古典的及び量子的な動作の特徴付けは、キュビット技術のために必要とされる。古典力学又は量子力学の規則により、キュビットを制御することができる。キュビットが古典力学の規則によって制御されるとき、それらは「古典的に」動作していると言う。古典的に動作しているときのキュビットの特徴付けは、量子力学の規則によって制御されるときのキュビットの量子的動作を予測する(測定する)のに役立つ。古典的に動作しているキュビットの状態は、準安定状態と呼ばれる。準安定状態は、キュビットのポテンシャルエネルギーの形における局所的な極小点である。古典的に動作するキュビットの状態は、これら局所的な極小点で見つけることができる。全く熱活性化が無い場合には、キュビット動作の状態は変わらないであろう。さらに、キュビットは古典領域に存在するので、局所的な極小点から外へ通り抜けることはできない。従って、キュビットは局所的な極小点に存在したままである。
量子コンピューターでキュビットを効率的に使用するために、キュビットのトンネル効果率を特徴付けすべきである。この数量の適当な特徴付けは、様々なキュビット設計の技術及び開発を助けることができる。時間反転対称の破壊を示すいくらかのジョセフソン接合、及び接合ネットワークは、永久電流の二重縮退グラウンド状態があるため、量子コンピューティングに適している。状態は縮退であるが、しかし永久電流の状態に対応した「上」又は「下」方向のいずれかで見つかる磁束の存在を通じて、区別することができる。これら電流は、接合のシステム内、又は単一ジョセフソン接合に存在することができる。いずれも、その全体が引用により本出願に組み入れられる、Bocko他著,1997年,IEEE Transactions on Applied Superconductivity 7,3638、及び米国特許6,459,097B1号を参照しなさい。
最近では、いくつかの超伝導キュビットが試された。Nakamura他著,1999年,Nature 398,786〜788ページ、及び、Friedman他著,2000年,Nature406,43〜46ページ、及び、van der Wal他著,2000年,Science290,773〜777ページ、を参照しなさい。これらはいずれも、その全体が引用により本出願に組み入れられる。これらのデバイスの計測及び特徴付けは、直流SQUIDの使用に依存していた。試験及び特徴付けのためのこのようなSQUIDの使用は、多くの手段を講じる必要性を含む不利な点を持ち得る。後者は、そこからデバイスの特徴を統計的に推論できる多数の計測に依存したマイクロ波分光実験の変形である。データは収集するのに数ヶ月かかり、従って、超伝導構造の計測及び特徴付けのためのより即座かつ目立たない方法を必要とする。
(要約)
本発明の実施形態に従って、超伝導位相キュビットの特徴付け及び計測のための方法、及び機構を開示する。1つのジョセフソン接合、又は超伝導ループで繋がるジョセフソン接合の集合から構成される位相キュビットは、本発明の実施形態により計測される。誘電結合が作られ得るループを持つ他のキュビットもまた、本発明の実施形態により計測、及び特徴付けされる。幾つかの実施形態では、外部磁束の関数としての、超伝導構造の非線形インダクタンスの計測は、超伝導位相キュビットの特性についての情報を生み出すことができる。特に、超伝導位相キュビットのエネルギー状態についての情報を定めることができる。
幾つかの実施形態では、試験すべきキュビットは、高いQを持つタンク回路(又はLC回路)に誘電的に結合するループ内に現れる。キュビットの有効インダクタンスは、キュビットのビット状態に依存する。従って、ループを持つタンク回路の有効インピーダンスは、そのループに加えられる磁束の関数である。
(詳細な説明)
本発明は、キュビットを特徴付けるための機構及び方法を提供する。良く特徴付けされたシステムは、キュビットを作製することが必要となる。たしかに、システムは本質的に量子である必要があるが、しかしキュビットの設計者及びユーザーは、量子コンピューター内でキュビットを効率的に使用するために、キュビットについての付加情報を持たなければならない。良く特徴付けされたシステムの要件は、キュビットの第一の基本条件である。BraunsteinのDiVincenzo及びLo(編)著,2001年,ベルリン,Wiley-VCH Verlag GmbH,ScalableQuantumComputersの第一章を参照しなさい。キュビットの物理パラメータは、高い正確性で定量的にわかるべきである。これらのパラメータは計測され、かつただ単に計算さるだけでないことが、追加的に望まれる。これらのパラメータは、古典的(例えば、キャパシタンス)、又は量子的(例えば、トンネル効果率)であるとすることができる。パラメータは、キュビットのエネルギー固有状態を定義するキュビットのハミルトニアン、及び他の重要な動作特徴を定量的に定めるのに使用される。このような動作特徴は、基本キュビット動作の期間を含む。Amin他著、代理参照番号11090-054-888「Degenerate level qubit operarion」という名称の米国特許出願を参照しなさい。量子コンピューティングの更なる条件は、基本動作期間はキュビットの非干渉時間よりもずっと短いべきであるということである。従って、キュビットの特徴付けから生じる定量的情報は、基本動作期間がキュビットの非干渉時間よりも短いことを確実にするのに役立つ。
図1は、超伝導量子デバイス50、タンク回路10、及び励起デバイス20を含む本発明の一般的な実施形態を示している。システム100は、超伝導構造50が励起デバイス20との相互インダクタンスM'、及びタンク回路10との相互インダクタンスMを持つように、幾何学的に配置しなければならない。本発明のある実施形態では、タンク回路10は、インダクタンスLT(5)、キャパシタンスCT(6)、及び周波数依存インピーダンスZT(ω)(4)を含み、ここでωは加えられる周波数である。タンク回路10は、さらに一又はそれ以上のジョセフソン接合3を含むことができる。タンク回路10は、例えばLT、CT、及びZ(ω)コンポーネントのようなその特性の固有の値に依存する共振周波数ω0を持つ。本発明の実施形態は、多重インダクター、コンデンサ、ジョセフソン接合、又はインピーダンス源を利用することができるが、しかし一般性を失うことなく、図1に示す集中回路の描写は、タンク回路10を説明するのに使用することができる。
動作中、タンク回路10を通して外部信号が加えられるとき、タンク回路10のインピーダンスを最大化するように、共振を引き起こすことができる。本発明の実施形態では、タンク回路は、そのタンク回路の共振周波数を超伝導デバイスのそれぞれの状態と互いに関連付けるように量子状態をもつ超伝導構造に、誘電的に結合される。
本発明のいくつかの実施形態では、超伝導構造50は、二つの別個の量子状態及びトンネル効果周波数の固有の範囲を持つキュビットである。動作中、例えばトンネル効果周波数及び非干渉時間のようなキュビット50の特性は、タンク回路10を通して信号を加え、その応答を計測することにより、タンク回路10により究明することができる。例えば(図1)では、タンク回路10の特性は、増幅器9により観測することができる。
本発明の実施形態は、図2に示すタンク回路(又はLRC回路)10の使用を含む。タンク回路10は、リード線7で接続されたインダクター5、及びコンデンサ6を含む。タンク回路10は、超伝導構造50に誘電的に結合される。タンク回路10は、超伝導材料又は普通の伝導材料から成るとすることができ、かつ独立型回路又は基板上の集積回路であるとすることができる。
タンク回路10は、その回路の抵抗を最小化するように、かつ、タンク回路のQ及び回路の共振周波数ω0を選択するように構成することができる。Qは、共振周波数対共振応答曲線のスペクトル幅(半値全幅)の比と定義される。タンク回路10のQは、温度に依存する。本発明の実施形態は、4.2ケルビン(K)でQが500、及び1KでQが1500であるタンク回路10を含む。本発明の幾つかの実施形態では、タンク回路のQは、5K以下の温度で800から10,000までの範囲である。その他の実施形態では、タンク回路10のQは、5K以下の温度で1,200から2,400の間である。本発明の幾つかの実施形態では、タンク回路10のQは、1K以下の温度で1,600である。
図2に従う幾つかの実施形態では、インダクター5は、約4mm幅の多重巻きを持つ小さなワイヤーコイルである。巻き線は、固定点を中心に360度回転しており、コイルは複数の巻き線である。ワイヤーは、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)のような延性のある高品質の伝導体、又はアルミニウム(Al)、ニオビウム(Nb)のような超伝導体から構成されることができる。
図2を参照して、液体ヘリウム温度以下で動作するように設計される集積回路内にタンク回路10が含まれるとき、インダクター5、コンデンサ6、及びリード線7は、Al、又はNbのような低温超伝導体から構成されることができる。本発明の幾つかの実施形態では、インダクター5は、厚さ300nmのニオビウム箔の約1から約150の巻き線を含み、その各々は大体0.2μmから約0.5μmのワイヤ幅を持つ。巻き線は、約0.2μmから約5.0μm離して置くことができる。本発明の追加の実施形態は、約20から約30の巻き線を持つインダクター5を含む。図2のインダクター5の巻き線の形状は、直角の4つの直線及び頂点で描かれる。これは、結局インダクタンスが約n2L’の正方形コイルとなり、ここでL'は内巻線のインダクタンスである。本発明の他の実施形態は、半径方向の接続、連続的ならせん状の巻き線を持つ同心円、又は等価な形状(例えば、正方形レイアウト)であるインダクター5の巻き線を含む。インダクター5は、調整可能な電流バイアスを用いて、又は用いることなく、ジョセフソン接合により、増大又は置き換えられることができる(例えば、図1の要素3を参照しなさい)。これは、調整可能なインダクタンスを有するインダクター5の製造を可能にする。これは、他の回路素子と共に、インダクター巻き線の浮遊容量を減らす。
本発明の幾つかの実施形態では、コンデンサ6は、2つの平行電極板から構成される。このような実施形態では、コンデンサの領域は、約0.1mm2から約1mm2までの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、誘電率すなわちε/ε0は、選択された誘電材料に依存した範囲となることができ(例えば、Nb2O5では25、Siでは11.5、及びAl2O3では10)、ここでεは材料の誘電率、ε0はコンデンサ内の材料の自由空間の誘電率である。本発明の幾つかの実施形態は、様々な誘電体の多重レイヤーから構成されるコンデンサ6を含む。本発明の幾つかの実施形態では、コンデンサ6は、約1.0×10-13ファラド(F)から約4.5×10-8Fまでのキャパシタンスを持つ。さらに、本発明の実施形態は、4.0×10-11Fから1.0×10-9Fの間のキャパシタンスを持つコンデンサを含む。
本発明の幾つかの実施形態では、図1に示すコンデンサ6は、タンク回路10の残りが組み立てられた後、基板3(図2)上に半田付けされた表面搭載コンデンサである。本発明の幾つかの実施形態では、表面搭載コンデンサは、1ピコファラド(pF)から1マイクロファラド(μF)の間のキャパシタンスを持つ。
幾つかの実施形態では、図2のタンク回路10は基板3上に組み立てられ、かつ基板3は、シリコンのような適切な基板材料で出来ている。そのうえ、ニオビウム(Nb)、酸化アルミニウム(Al2O3)、及び酸化シリコン(SiO)のレイヤーは、例えば直流磁電管、蒸着により基板3上に置くことができ、かつ、例えば四フッ化炭素反応性イオンエッチング(CF4-RIE)、又は任意の他の適切な堆積及びエッチング技術を使用してエッチングすることもできる。光又は電子ビームリソグラフィのような周知の技術を使って、構造を作ることができる。Stolz他著,1999年,Supercnoductor Science and Technology12,806〜808ページ(特に、第2章の初めの3パラグラフ);VanZant著,2000年,MicrochipFabrication第4版,ニューヨーク,マグロウヒル;Levinson著,2001年,Principals of Lithography,ワシントン,べリングハム,SPIEプレス;Rai-Choudhury(編)著,1997年,Handbook of Microlithograhy,Micromachining,and Microfabrication,ワシントン,べリングハム,SPIEプレス;Madou著,2002年,Fundamentals of Microfabrication,ニューヨーク,CRCプレスを参照しなさい。これらは全て、それら全体が引用により本出願に組み入れられる。
図2を参照して、幾つかの実施形態では、インダクター5の巻き線、コンデンサ6の電極板、及びリード線7は、Nbの層から構成されることができ、これらは集合的にワイヤ層と呼ばれる。コンデンサ6が2つの平行な電極板を含む幾つかの実施形態では、電極板間の中間材料は、厚さ70ナノメートルのNb2O5及び/又はAl2O3の層、及び/又は、厚さが100nmから400nmの間であるSiOの層から構成される。浮遊容量又は寄生容量を取り除くため、ワイヤ層は、厚さ800nmのSiO層により互いに隔てることができる。
図2でタンク回路10と超伝導構造50との間の誘電結合Mは、例えば超伝導構造50をリード線7で囲むことにより遂行される。幾つかの実施形態では、誘電結合Mは、超伝導構造50をインダクタ5の内巻線の中に置くことにより遂行される(示されていないが)。適切な誘電結合Mの如何なる他の形式も、使用することができる。
超伝導構造50は、任意の位相キュビットとすることができる。位相キュビットの評価については、Makhlin著,2001年,Reviews of ModernPhysics73の357ページ(特に366ページから371ページ);米国特許6,459,097 B1号;「マルチターミナル接合を持つ量子ビット、及び位相シフトを持つループ」という名称の米国特許出願シリアルナンバー09/839,637号;及び「超伝導低インダクタンスキュビット」という名称の米国特許出願シリアルナンバー10/232,136号を参照しなさい。これらは全て、その全体が引用により本出願に組み入れられる。
本発明の幾つかの実施形態は、図3に示すように、電流源8、増幅器9、及びオプションの励起デバイス20に結合されたタンク回路10を使用する。本発明の幾つかの実施形態では、タンク回路10は、電流源8により提供される交流電流及び直流電流のバイアスで動作する。幾つかの実施形態では、電流源8は、適切な熱的隔離、及びタンク回路10に接続するリード線13のインピーダンスを持つならば、室温環境に置くことができる。あるいはそのかわりに、集積又はオンチップの電流源を、交流電流及び直流電流バイアスの一方或いは双方を実装するのに使用することができる。励起デバイス20は、電磁放射源、電流源等とすることができる。
図1で励起デバイス20と超伝導構造50との間に示される誘電結合に加えて、励起デバイス20と超伝導構造50を結合するのに、静電的又は電気的結合機構を使用することができる。タンク回路10は、電流Im=Irf+Idcを与えることにより、共振周波数ω0のスペクトル幅の約半分以内の実測周波数ωmで駆動し、ここでIrfは交流電流(AC)であり、Idcは直流電流(DC)である。様々な電流コンポーネントにより生成された、加えられる磁束は、超伝導構造50を縫うように進む。従って、加えられる磁束Φcは、Φcdcrfと表される。本発明の実施形態は小信号限界内でのΦrfの使用を含むが、ここでΦrfが一磁束量Φ0=h/2eよりずっと小さいときΦrfの振幅は小信号限界内となり、このΦ0は2.07×10-8Tm2に匹敵する磁束の単位量である。それゆえ、ΦrfがΦ0よりすっと小さいとき、加えられる磁束は直流磁束とほぼ等しい。
超伝導構造50を特徴付けするため、この構造は、インダクタンスLを持つループを含まなければならない。このようなループを図5に示す。ループは、インダクタンスLTを持つタンク回路10に誘電的に結合される。超伝導構造50の有効インダクタンスは、その状態の関数である。超伝導構造50が位相キュビットであるとき、これは特にそうである。位相キュビットは、ループ内に閉じ込められる磁束の2つの異なる量に対応する基底状態を持つことができる。これらキュビットは、ときどき磁束キュビットと呼ばれる。超伝導構造50とタンク回路10との間の相互インダクタンスのため、タンク回路10の有効インピーダンスは、超伝導構造50の状態の関数であり、これはタンク回路10内の磁束はキュビットループ内の磁束の関数であるという事実から生じるものである。本発明の実施形態では、増幅器9は、タンク回路10の有効インピーダンスの変化を検知するための機構を表す。タンク回路10の有効インピーダンスの変化は、電圧、電流の変化、或いは、電圧または電流のいずれかの位相の変化、のような可観測なものにはっきりと現れる。
本発明の実施形態では、タンク回路10と超伝導構造50との間の逆作用は、デバイス間の結合を減らすことにより減少する。逆作用は、タンク回路10の超伝導構造50に及ぼす影響である。超伝導構造50がキュビットである本発明の実施形態では、この逆作用は、キュビットの非干渉率を減らす。M=k(LLT)1/2と定義される結合因子kは、超伝導構造50と非干渉とすることのできる逆作用を最小化するため、1よりずっと小さいとすることができ、ここでMは超伝導構造50とタンク回路10との間の相互インダクタンスである。例えば、全体が引用により本出願に組み入れられるIl'ichev著,2001年,Review of ScientificInstruments72,1882〜1887ページを参照しなさい。本発明の実施形態では、結合因子kは0.0001から0.1までの範囲とすることができる。さらに、超伝導構造50、及び結合した超伝導構造50とタンク回路10の中の遮蔽電流が、インダクタンスL及び相互インダクタンスMから生じる。遮蔽電流は次の公式によりパラメーター化される。
Figure 2005513600
ここで、βは、超伝導構造50及び結合した超伝導構造50とタンク回路10の遮蔽又はヒステリシスパラメーターであり、Icは超伝導構造50の臨界電流であり、これは超伝導構造50が非超伝導状態に入るときの電流の大きさを表している。本発明の実施形態では、遮蔽パラメーターは小さい(例えば、βは1よりずっと小さい)。
再び図3を参照すると、励起デバイス20及び配線21-1、21-2は、超伝導構造50にバイアスをかけるのに使用することができる。励起デバイス20は、電気的、静電的、又は誘電的に超伝導構造50に結合される。図3は、誘電的に超伝導構造50に結合される励起デバイスを示している。幾つかの実施形態では、配線21-1及び21-2は、超伝導構造50に影響を及ぼす局所的な磁場を作り出す電流を持つ。あるいはそのかわりに、幾つかの実施形態では、配線21-1及び21-2は、アンテナとして使用される。例えば、超伝導構造50内の離散的なエネルギーレベル間の遷移を引き起こすために、超伝導構造の2つのエネルギー状態間のエネルギー差異に調整されたパルスを配線21-2、21-2上で作り出すことができる。パルスは、超伝導構造50にバイアスをかけるために、又は2レベルシステムの一般的な検査のために使用することができる。このような一般的な調査は、キュビットの基底状態間のラビ発振の誘導を含む。
励起デバイス20と超伝導構造50との間に電気的結合を持つ実施形態では、電流バイアスを提供するため、配線21-1及び21-2は超伝導構造50に直接接続する。様々な形式のキュビットにバイアスをかける目的は、既知である。例えば、米国特許6,459,097B1号;1999年,Orland,PhysicalReviewB60,15398〜15413ページを参照しなさい。これらは、どちらも、全体が引用により本出願に組み入れられる。さらに、これは、トンネル効果率を含むシステムの様々な特性を検査するのに役立つ。全体が引用により本出願に組み入れられるHan他著,2001年,Science293,1457〜1459ページを参照しなさい。
本発明のもう一つの面によるタンク回路10の代替のレイアウトを図4に示す。図4では、インダクター5及びコンデンサ6は直列である。当業者には知られているように、図4に示すデバイスのような本発明での使用のための低温機構は、温度の層を持つ。これらの層は、大体300Kであるほぼ室温T1の領域、液体ヘリウム温度T2(約4.2K)の領域、及び任意で、準液体ヘリウム温度T3の領域を含む。T3の予想される値は、使用する冷却器の力に依るが、しかし約5mKから約50mKまでが、対象のキュビットを特徴付けするのに適当な温度である。図4に示す温度層はほんの例に過ぎず、当業者は、温度層の変化が本発明の実質を変えることはないということを認識するであろう。図4では、増幅器9を図示したのではない温度で置くことができる。本発明の実施形態は、準液体ヘリウム温度での低温増幅器の使用を含むものである。本発明の幾つかの実施形態では、T2は5Kより低い。
タンク回路10のインダクター5及びコンデンサ6に加えて、標準の回路図表記で電流源8の幾つかの詳細を示す。インピーダンスZ1は、信号反射により引き起こされるノイズを取り除くため、T1環境での電気及び熱信号を弱める。特性インピーダンスZ2を持つオプションの超伝導ケーブルは、タンク回路10を冷却増幅器9に接続する。インピーダンス整合回路40は、ケーブルZ2と増幅器9との間で、弱信号の反射又は減衰が全く起こらないことを確かなものとする。信号は、電圧メーター41から読み取られる。
図5A及び図5Bは、本発明の実施形態により特徴付けすることのできる超伝導構造の例を示す。幾つかの実施形態では、超伝導構造はキュビット(巨視的な量子干渉を示す2状態デバイス)である。これらのデバイスは、量子力学の法則に従い、かつ巨視的に観測可能な効果を持ち、かつ量子コンピュータと呼ばれるより大きなデバイス、又は量子情報を処理する他のデバイスと潜在的に一体化することが出来る可能性がある。
超伝導構造51(図5A)は、全体が引用により本出願に組み入れられるFriedman他著,2001年,Nature406,43-46ページで開示されるデバイスである。構造51の基底状態は、ジョセフソン接合59-1及び59-2の間の位相の明確な値(しばしば同じ符号及び反対符号)に対応する。キュビットのビット状態は、ループ内に閉じ込められる磁束Φ51の様々な方向に対応するので、位相キュビット51は、時々この技術分野で、磁束キュビットと呼ばれる。当業者は、反対符号を持つジョセフソン接合59-1及び59-2の間の2つの明確な位相が、ループ内の超伝導電流の二方向につながることを認識するであろう。循環電流の閉ループは、閉じ込められる磁束Φ51に関連する。Friedman等の開示で教示するように、接合59-1及び59-2の間のジョセフソン結合は、分かれている磁束Φ59により制御することができる。磁束は、図1及び図3のオプションの励起デバイス20により生成することができる。
超伝導構造52(図5B)は、最初はMooij等により開示された。引用により本出願に組み入れられているMooji等著,1999年,Science285,1036〜1039ページを参照しなさい。構造52は、ループを遮断する3つのジョセフソン接合59を持つ。キュビットは、直流SQUIDにより閉じ込めることができるが、これはキュビットにバイアスをかけるのに使用される。
図6は、本発明の実施形態により特徴付けすることのできるもう一つの超伝導構造60を示している。構造60は、ジョセフソン接合59の集合により中間視的島64のアレイから分離した土手61を含む。接合59は、米国特許6,459,097B1号でより詳細に説明されており、これ全体が引用により本出願に組み入れられる。接合59は、二重縮退グラウンド状態を持つ。接続61及び62は、島64-1と64-2の間、加えて島64-3と64-4の間に存在する。接続61及び62は、ループを作る。図6は、制御なしの永久結合を表している接続61、及び制御可能な結合機構を表している制御可能接続62を示している。制御とは、キュビット間の結合が切り換え可能である能力を意味する。パリティキー又は超伝導単一電子トランジスタは、制御を持つ接続を実装するのに使用することのできるデバイスの例である。接続リード線は、制御なし接続である。磁束Φ61及びΦ62はそれぞれループ内に閉じ込められ、構造60とタンク回路10の間の誘電結合が可能であるので、これにより構造60を本発明の実施形態により特徴付けすることが可能となる。
本発明の実施形態により特徴付けすることのできる構造は、様々である。それらの例は、図のみを介して図5及び図6で与えられ、かつこれに制限されるわけではない。ここで説明する方法及び装置は、広範な特徴を持つ任意の位相キュビットを特徴付けするのに使用することができる。さらに、キュビットが誘電的にタンク回路10に結合することができるならば、本発明の実施形態は、よく定義された充電の限界内で動作するキュビットを特徴付けするのに使用することができる。例えば、タンク回路10に誘電的に結合できる能力を持つ1つの電荷キュビットは、Makhlin等著,2001年.ModernPhysics73,357ページで開示されるが、これ全体が引用により本出願に組み入れられる。
上で述べたように、超伝導構造50の有効インダクタンスは、その状態の関数である。タンク回路10は、誘電的に超伝導構造に結合されるので、回路10の観測は、構造50についてのデータを提供する。このようなデータは、加えられる信号、例えばIrf及びΦrf、に対するタンク回路10の位相応答、タンク回路の電圧発振の大きさ、及びタンク回路の電圧発振の位相を含む。
図7Aは、キュビットのような超伝導構造を特徴付けするのに使用することのできるデータのサンプルを示している。キュビット内の準安定状態の出現及び消失は、タンク回路応答の古典ヒステリシス、及び不連続点の観測を通して確認することができる。古典ヒステリシスは、状態の遅れである。ヒステリシスの一般的な例は、強磁性体の芯を持つコイルから作られる電磁石である。芯内の磁場(従属パラメータ)は、コイル内の電流(独立パラメータ)と共に増加する。図7Aに示すデータは、超伝導構造の磁束特性を加えられたエネルギーにおける2つの準安定状態の存在を示している。図7Aに示すデータは、準安定状態を隔てるエネルギー障壁の幅及び高さを定量化する。2つの準安定状態を持つエネルギー特性は、また二重井戸ポテンシャルを持つと言われる。図7Aに示すデータは、磁束が加えられ、かつその加えられた磁束の大きさがゼロから数磁束量nΦ0(n>1)まで動くというデータ収集の方法により得られた。この方法では、データ取得は、ループ内のわずかrf磁束で開始する。磁束は、約0の直流磁束(すなわちΦe≒Φrf)から、数磁束量より大きい加えられる磁束のレベルまで変化する。エネルギーポテンシャルは周期的であるので、どこでも連続した磁束量の磁束をかけることで、キュビットは縮退点を通り抜ける。それなので、加えられる電流の位相とタンク回路10の応答電圧の位相との間の位相差αを監視している間、加えられる磁束Φeはキュビットまで増加する。上で教示するように、加えられる磁束は、小信号限界内のrfコンポーネントを持つ(一流動よりもずっと小さい大きさ)。
加えられる磁束の大きさが動くので、キュビットのエネルギーポテンシャルは変化する。図8Aは、二重井戸ポテンシャル80を示している。エネルギーポテンシャル80は、障壁81で隔てられた2つの極小点82-1、及び82-2を持つ。エネルギーポテンシャル80は、縮退であり、かつバイアスのかけられていないキュビットに対応する。極小点82-1、及び82-2は、等しいエネルギーを持つ。本発明の実施形態は、エネルギーポテンシャル80が、バイアスのかけられる非縮退キュビットに対応する例を含む。キュビットはバイアスがかけられるので、例えば加えられる磁束Φeを変化させることにより、1つの極小点(82-1又は82-2)のエネルギーは増加する。この現象を図8Bに示す。図8Bでは、82-1と82-2の間の障壁81は減った。キュビットが極小点82-1に存在し、かつ熱エネルギーのない古典動作期間内に存在するとき、そのキュビットは準安定状態にあると言われる。キュビットの状態を変えることはできない。バイアスをかけるのを増加させるにつれて、82-1と82-2を隔てる障壁81が消える。
図5Bのキュビット53と同様のキュビットの場合の、キュビットにバイアスをかける効果を図8Cに示す。加えられる磁束が半磁束量Φ0/2であるとき、図8Aと同様な二重井戸特性が実現するように、キュビットの基底状態は縮退となる。磁束の変化は、二重井戸ポテンシャルの傾斜に影響を与え、これは図8Bに示すような二重井戸特性という結果となる。縮退点付近での古典ヒステリシスの動作は図8Cで明白であるが、ここでは極小点82間の障壁81が消失するとき、不連続ジャンプが起こる。結果として、たった一つの最小値が存在するだけである。本発明の実施形態は、図7Aに示すようなデータから図8Cのようなグラフを作成することができる。
図7Aは、駆動電流Irfと41(図4)で測定されたような出力電圧との間の位相差αのグラフを、外部磁束の関数として示している。データは、図5Bに示したものと同様の超伝導構造の場合である。頂点から底まで描かれる曲線において、データは、温度800mK(曲線702)、500mK(曲線704)、100mK(曲線706)、及び20mK(曲線708)で取られた計測に対応する。図7Aの矢印は、それぞれ、加えられる磁束の増加及び減少を示す。グラフは、水平軸上でφe=(2π/Φ0eと正規化された単位を持つ。20mKで計測した実験データ(実線)は、理論上のモデル(環状)により適合される。データは、明らかに、約0.02ラジアン垂直にシフトする。グラフのノイズは、システム固有のノイズを判断するのに役立つ。
本発明の実施形態は、ヒステリシス動作を開示するシステムを利用することができる。図7Aでは、加えられる磁束の個々の値において、タンク回路内で異なる位相差の値αが存在することが明らかである。特に、点72-1と72-2の間では、加えられる磁束の各値において、位相差αの2つの値が存在する。これらの点の範囲外では、グラフは一つの値である。加えられる磁束の1つの値に対して位相差の2つの値が存在する局所領域の存在は、ヒステリシス動作を示唆する。2つの位相差の値が、加えられる磁束の導関数の異なる値、すなわち増加及び減少に対応するという事実は、ヒステリシス動作をさらに示唆する。点72-1、及び72-2、及びその他の場所でのジャンプの存在は、2つの準安定状態の存在のためヒステリシス動作がそれ自身をはっきり示すことを示唆する。最終的には、位相差が等しい縮退点73(及びその他の点)が存在する。これは、準安定状態が、双方の準安定状態が等しいエネルギーとなる縮退点を持つことを示唆する。
本発明の実施形態では、キュビットの2つの準安定状態が、超伝導構造50のループ内で時計回り及び反時計回りに流れる超伝導電流に物理的に対応するところで、キュビットを採用する。障壁81の高さ及び幅についての情報は、縮退点(φe/π=±1.0)からヒステリシスが消失する点、すなわち他の準安定状態への古典ジャンプまでの距離を観測することにより、グラフから読み取られる。加えられる磁束が、たった1つの準安定状態しか存在しない程度までキュビットにバイアスをかけるとき、このジャンプは起こる。障壁のサイズ、及び超伝導構造のキャパシタンスから、トンネル効果率Δを定めることができる。
超伝導構造50についての完全な情報は、図7Aに示すようなグラフから推量することができる。これは、次の公式の数値積分で定められる電流及びエネルギー対位相特性を含む。
Figure 2005513600
ここで、i'(φ)は位相特性である。これは、準安定状態を隔てる障壁のポテンシャルをはっきり示す完全なエネルギー位相特性を与えるであろう。さらに、エネルギーレベル分割は、グラフ化されたときの特性のようなものから容易に読み取ることができる。例えば、その全体が引用により本出願に組み込まれるIl'ichev等著,1998年,AppliedPhysicsLetters72,731ページを参照しなさい。
図7Bは、タンク回路10上の超伝導構造の効果を確認する代替の手法を示す。タンク回路10の電圧は、次のようにモデル化することのできる応答を持つ。
Figure 2005513600
ここで、tは時間であり、かつωはタンク応答の角周波数である。位相χ及び振幅vの双方とも、時間に依存する量である。タンク回路10の応答の位相χは、図7Bに示すようにグラフにすることができる。縮退点、例えば|φe/π|=1.0で、位相のくぼみが確認される。それは、位相がその安定状態の値から離れる1.0-εで開始する。位相は、1.0又はその付近で極値を持ち、次に1.0+εの近くでその安定状態の値に戻る。
図7Aと組み合わせて説明した方法と同様な方法で本発明の実施形態を動作させることにより、図7Bで示すものと同様なデータを得ることができる。本発明の実施形態は、印加磁束が加えられ、かつそれがゼロから数磁束量nΦ0(ここでn>1)まで変化するというデータ収集の方法を含む。ループ内のたったrf磁束のみで、データ取得が開始する。磁束は、約0の直流磁束すなわちΦe≒Φrfから、数磁束量より大きい加えられる磁束のレベルまで、変化する。加えられる磁束の磁束量がどこにおいても連続であるならば、エネルギーポテンシャルは周期的であるので、キュビットは縮退点を通り抜ける。加えられる磁束Φeが増加する間、タンク回路10の応答の位相(示すように)、又は振幅(異なる縮尺及び単位の同様なグラフ)が監視される。約φe/πの縮退点で、観測の対象となっている変数である位相、又は振幅は、共振のように激しく変化し、次に加えられる磁束がさらに増えるにつれて、変数はほぼ元の値に戻る。この極値は、くぼみ(示すような)、又は超伝導構造のエネルギー特性の曲率が急激に負となるところで起こるピークのいずれかである。例えば、それ全体が引用により本出願に組み入れられるGreenberg他著,2002年,LosAlamosNationalLaboratoryPreprintServer cond-mat/0208076,1〜6ページ,「Low-frequency characterization of quantumtunneling in flux qubits」を参照しなさい。
タンク回路の応答の大きさの変化χExtremumは、位相信号で0.01ラジアンから約6ラジアンまでの範囲とすることができる。タンク回路の応答の大きさの変化χExtremumは、振幅信号で0.02マイクロボルト(μV)から1μVまでの範囲とすることができる。タンク回路10の応答は、超伝導構造50におけるエネルギーの最も低い2つの固有状態の反交差レベルによりもたらされる。極値の幅δφeは、準安定状態間、すなわち図8Aのエネルギーポテンシャル80の井戸82-1と井戸82-2の間のトンネル効果周波数Δに比例する。この幅は、半値全幅の値である。トンネル効果周波数は、図8Dの量子エネルギーレベル88と89の間のギャップに比例する、すなわちギャップはhΔに比例する。
本発明の実施形態は、ヒステリシス動作及びトンネル効果の観測を含むことができる。Landau-Zenerトンネル効果は、トンネル効果イベントと古典ヒステリシスループの組み合わせである。全体が引用により本出願に組み入れられるZener著,1932年,ProceedingRoyalSocietyLondonA137,696を参照しなさい。従って、Landau-Zenerトンネル効果は、図7A及び図7Bの結果を組み合わせる。ヒステリシスは、しばしば古典ヒステリシスループの形、すなわちシステムの状態のパラメータ空間内の閉パスで描かれる。システムの状態は、第一に独立パラメータを増加し、次に独立パラメータを減少することにより変わるので、システムは閉パス、すなわちヒステリシスループの外側を辿る。閉パス内の領域は、システムで失われるエネルギーに比例する。図9のLandau-Zenerトンネル効果では、レベル交差の間に起こる2レベルシステムにおける量子遷移を図示している。本発明の実施形態では、Landau-Zenerトンネル効果イベントの量子干渉のリアルタイム観測ができる。図9では、磁束キュビットのような超伝導構造内の全磁束のプロットを加えられる磁束に対してグラフ化する。キュビットの準安定状態は、縮退点φe/π=1.0付近で1対1とならないグラフとなる。図9は、図7A及び図8Cで示すヒステリシスの代替の図である。ヒステリシス動作の古典ジャンプは、ここに現れる。あるジャンプイベントは点83から点80で起こり得る。あるジャンプイベントは点82から点85で起こり得る。古典ヒステリシスループは、加えられる磁束の増加である85から83、準安定状態の消失での83から80へのジャンプ、加えられる磁束の減少である80から82、及びもう一つの準安定状態の消失での82から85へのジャンプ、という経路である。しかしながら、キュビットが量子動作期間内に存在する場合には、状態がトンネルする、すなわち状態を定める障壁を通り抜ける(の下での)トンネル効果による図8Aの82-1のような準安定状態からの遷移、の可能性がある。トンネル効果イベントは、点81から点84、及びその逆で起こり得る。これらの点は、加えられる磁束が磁束量の半分に等しいキュビットの縮退点に在る。
図9のLandau-Zenerトンネル効果のグラフは、本発明の機構内に加えられる磁束Φeを動かすことにより、作成することができる。加えられる磁束が増加するにつれて、グラフは点85から80まで通過する。加えられる磁束が減少するにつれて、グラフは点80から85まで通過する。点83での前者の場合を調べると、状態が80の方にジャンプする機会がある。点82では、状態は逆方向にジャンプし得る。加えられる磁束がほぼΦdc≒0からΦdc≒nΦ0(ここでn>1)までの範囲を超えて動くとき、キュビット50はトンネルするであろう。トンネル効果は、点81及び84で起こり得る。
図9では、キュビット50の状態が取る複数の経路が存在する。これらの経路は、古典ジャンプと量子トンネル効果の組み合わせを含む。複数のパスの存在は、量子干渉現象をまねく。経路遷移の干渉は、加えられる磁場に対するタンク回路10の電圧応答のよい構造の中に、それ自身をはっきり示す。出力データは、図7Bと同様なやり方でグラフ化される。極値には、トンネル効果イベント、及びトンネル効果イベントとジャンプの組み合わせに対応するいくつかの小さな極値がある。
特定の実施形態を参照して本発明を説明したけれども、この説明は、本発明の応用例の単なる例にすぎず、限定するものとして受け取られるべきではない。様々な改造、及び開示した実施形態の特徴の組み合わせが、次の特許請求の範囲により定められる本発明の技術的範囲の中に入る。
ここで参照されたすべての参考文献は、それら全体が引用により本出願に組み入れられ、かつ、あたかも各々の出版物又は特許又は特許文献が、全ての目的のためにそれ全体を引用により本出願に組み入れられるよう明確かつ個々に指示されたかのように、同じ程度にすべての目的のため本出願に組み入れられる。
本発明の一実施形態によるタンク回路、超伝導構造、及び励起デバイスを示している。 本発明の一実施形態によるタンク回路、及び超伝導構造の実施形態を示している。 本発明の一実施形態による、電流源及び増幅器を持つタンク回路の実施形態を示している。 タンク回路の代替の実施形態を示しており、かつ本発明の一実施形態による温度層の図を含む。 本発明の実施形態により特徴付けすることのできる超伝導構造の幾つかを示している。 本発明の実施形態により特徴付けすることのできる量子レジスタを示している。 超伝導構造の例と組み合わせて使用される本発明の実施形態でのサンプルデータ、及び理論上のグラフを示している。 本発明の実施形態での出力グラフを示している。 Landau-Zennerトンネル効果を示している。

Claims (30)

  1. 磁束キュビット又は位相キュビットに誘電的に結合されたタンク回路、
    を備えることを特徴とする構造。
  2. 前記タンク回路と電気通信状態にある低温前置増幅器、
    をさらに備える請求項1記載の構造。
  3. 前記タンク回路が、有効キャパシタンス及び有効インダクタンスから構成される、
    請求項1記載の構造。
  4. 前記有効キャパシタンス及び前記有効インダクタンスが、並列又は直列である、
    請求項3記載の構造。
  5. 前記有効インダクタンスがワイヤーの多重巻コイルから構成される、
    請求項3記載の構造。
  6. 前記ワイヤーの多重巻コイルの巻き数が1から150までの範囲内である、
    請求項5記載の構造。
  7. 前記ワイヤーの多重巻コイルが基板上で作られる、
    請求項5記載の構造。
  8. 前記ワイヤーの多重巻コイルが正方形のレイアウトで作られる、
    請求項7記載の構造。
  9. 前記ワイヤーの多重巻コイルが、銅、アルミニウム、又はニオビウムで作られる、
    請求項7記載の構造。
  10. 前記有効キャパシタンスがコンデンサから構成される、
    請求項3記載の構造。
  11. 前記コンデンサが基板上の表面搭載コンデンサである、
    請求項10記載の構造。
  12. 前記有効キャパシタンスが1pFから1μFまでの範囲内の値を持つ、
    請求項3記載の構造。
  13. 前記有効キャパシタンスが基板上に作られる、
    請求項3記載の構造。
  14. 前記タンク回路がジョセフソン接合を含む、
    請求項1記載の構造。
  15. 前記磁束キュビット又は前記位相キュビットに静電的に、誘電的に、又は電気的に結合される励起デバイス、
    をさらに備える請求項1記載の構造。
  16. 前記励起デバイスを前記キュビットにバイアスをかけるのに使用することができる、
    請求項15記載の構造。
  17. 前記タンク回路が電気的に増幅器に結合される、
    請求項1記載の構造。
  18. 前記タンク回路が、5ケルビン以下で800から10,000までの範囲の値であるQを持つ、
    請求項1記載の構造。
  19. 前記タンク回路が、4.2ケルビンで500、及び1ケルビンで1,500の値であるQを持つ、
    請求項1記載の構造。
  20. 前記タンク回路が、5ケルビン以下の温度で1,200から2,400までの範囲の値であるQを持つ、
    請求項1記載の構造。
  21. 前記タンク回路が、1ケルビン以下の温度で1,600の値であるQを持つ、
    請求項1記載の構造。
  22. 誘電的に結合するタンク回路及び位相キュビットを提供するステップと、
    前記位相キュビットの状態を読み取るステップと、
    前記位相キュビットに純ゼロ磁束に迫る磁束を加えるステップと、
    前記位相キュビットに加えられる磁束のレベルを増やすステップと、
    読み取りデバイスで、前記タンク回路の応答を観測するステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  23. 増幅器が、前記タンク回路と前記読み取りデバイスとの間で直列である、
    請求項22記載の方法。
  24. 励起デバイスが、静電的に、誘電的に、又は電気的に前記位相キュビットに結合される、
    請求項22記載の方法。
  25. 前記観測が、前記タンク回路の電圧応答の位相対前記励起デバイスの位相を監視することから成る、
    請求項22記載の方法。
  26. 前記観測が、準安定状態の出現及び消失を監視することから成る、
    請求項22記載の方法。
  27. 前記観測が、前記タンク回路内のヒステリシス動作を監視することから成る、
    請求項22記載の方法。
  28. 前記観測が、前記タンク回路の前記電圧応答の振幅を監視することから成る、
    請求項22記載の方法。
  29. 前記観測が、前記タンク回路の前記電圧応答の位相を監視することから成る、
    請求項22記載の方法。
  30. 前記観測が、前記キュビットのトンネル効果率の大きさを判定することから成る、
    請求項22記載の方法。
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