JP2005512991A6 - 高分子チオール結合プロドラッグ - Google Patents

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Abstract

チオール結合高分子プロドラッグならびにその製造方法および使用方法を開示する。ポリマーを薬物に結合させるための基本的結合としてスルフヒドリル結合を用いることにより、in vivoで血漿酵素を利用するプロドラッグの生成を可能にする。好ましいコンジュゲートは、下記式で表される。調製方法および処置方法をも開示する。

Figure 2005512991

Description

本発明は、生物学的有効物質からなる新しいタイプの長時間作用性チオール結合ポリマーコンジュゲートに関する。とくに、本発明は、非修飾生体活性物質と比較して、向上した水溶性、制御された薬物動態、および改良された生物学的利用能を有するポリマー型プロドラッグコンジュゲートに関する。
長年にわたり、生物学的有効物質を動物に投与するいくつかの方法が提案されてきた。多くの生物学的有効物質は、水溶性塩として入手可能であり、医薬製剤中に薬効剤として容易に組み入れることができる。所望の生物学的有効物質が水性流体への溶解性が悪かったりまたはin vivoで急速に分解されたりする場合には、問題を生じる。簡単な例として、これらの生物学的有効物質の多くは、メルカプト官能基を有する。これらの物質としては、たとえば、メルカプトプリンのような抗増殖剤および/または免疫抑制剤、ならびに薬効剤としての有用性が実証されているかまたは期待されるペプチドおよびタンパク質が挙げられる。これらのタイプの物質は、血液または組織液への低溶解性、組織内分布、クリアランス速度、およびそのような処置を必要とする動物への投与後の抗原性が原因となって、薬物動態および生物学的利用能に関する複雑な問題を呈することが多い。
たとえば、ヌクレオシド類似体およびヌクレオチド類似体として知られるクラスの化合物は、DNA合成を阻害するので、癌の処置および免疫抑制の点で治療上有用である可能性がある。この性質は、過度のまたは不適切な細胞分裂により特性づけられる広範なクラスの疾患または障害を処置するのに有用である。しかしながら、当業者であればわかるであろうが、これらの化合物は非常に制限された治療指数を有するので、用量、動態、および組織中濃度を注意深く制御することが必要である。したがって、改良されたヌクレオシド類似体およびヌクレオチド類似体を提供することが必要とされており、所定の組織へのより標的化された送達および/または改良された放出動態が望まれる。
たとえば、6-メルカプトプリンまたは6-MPは、実質的な欠点を有しているが、そうした欠点がなければ、有望な抗癌剤および免疫抑制剤である。経口摂取後の6-MPの吸収は不完全であり、生物学的利用能は、肝臓を介する初回通過代謝により低減される。6-MPの経口的生物学的利用能は、わずか5%〜37%であり、患者によって大きく異なることが報告されている。
生物学的有効物質を可溶化し、溶解性、生物学的利用能などを改善する一方法は、可溶性プロドラッグの一部分としてそれらを組み入れることである。プロドラッグとしては、投与後、最終的にin vivoで親化合物を遊離する、薬効剤(たとえば、生物学的に有効な親化合物)の化学的誘導体が挙げられる。プロドラッグを用いることにより、当業者は、in vivoにおける作用剤の作用の開始および/または持続時間を変化させることが可能であり、さらに、生体中における薬物の輸送、分布、または溶解性を変化させることができる。このほか、プロドラッグ製剤を用いると、しばしば、毒性が低下しかつ/またはそれ以外に医薬調剤の投与時に遭遇する問題が克服される。プロドラッグの代表例としては、アルコールまたはチオアルコールの有機ホスフェートまたはエステルが挙げられる。
プロドラッグは、多くの場合、親化合物または活性化合物の生物学的に不活性なまたは実質的に不活性な形態である。活性薬物の放出(典型的には、加水分解による放出)の速度は、いくつかの因子によって影響を受けるが、とくに、親薬物をモディファイヤーに連結させる結合のタイプによって影響を受ける。親化合物の十分な加水分解が起こる前に、腎臓、網状内皮系などを介して排出されるプロドラッグを調製しないように留意しなければならない。
特定の治療上有用なメルカプタン化合物の有用性を改善しようとするこれまでの取組みが報告されている。たとえば、アザチオプリン(IMURAN)は、プリン環の6位の硫黄に結合されたイミダゾール基を含有する6-メルカプトプリンのプロドラッグである。この置換は、酵素的S-メチル化、非酵素的酸化、および/またはキサンチンオキシダーゼによるチオウレートへの変換による不活性化の速度を低下させるのに役立つ。アザチオプリンは、グルタチオンのようなスルフヒドリルと反応し(非酵素的経路によるものであると報告されている)、組織中においてより制御された形でメルカプトプリンを遊離する。また、アザチオプリンは、非修飾6-MPと比べて増強された免疫抑制活性を提供すると報告されている。こうした進歩にもかかわらず、現在入手可能なものよりも治療上優れた形で種々のメルカプタン系治療剤を送達すべく、さらなる改良が求められてきた。たとえば、患者に必要とされる投与の回数を減少させることおよび/または担体からの薬物の放出速度の制御をより予測可能なものにすることが望ましいであろう。
利用可能なヒドロキシル基またはアミン基を有するいくつかの薬物の循環寿命を長くすべく、プロドラッグ系の一部分としてポリマーを組み入れることが提案されている。たとえば、米国特許第6,180,095号を参照されたい。その特許の内容は、参照により本明細書に組み入れられるものとする。'095特許には、生物学的活性物質をin vivoで制御しうる形で送達すべくベンジル脱離(BE)系を用いるポリマー型ダブルプロドラッグ系が開示されている。
ポリエチレングリコール(PEG)を対象の薬物または他の作用剤に連結することにより調製されるものを含めて、いくつかの高分子プロドラッグ系が当技術分野で公知であるが、多くの有用である可能性のある生物学的有効物質のチオール官能基を直接利用するコンジュゲートについての記載はなされてないと思われる。保護された硫黄結合ポリエチレングリコールも知られているが、これらは、最終的に、共有結合のチオール結合(-SH-結合)を介するのではなく共有結合のジスルフィド結合(-S-S-結合)を介してポリマー-薬物コンジュゲートを形成する。Woghiren et al., 1993, Bioconjugate Chem. 4: 314-318を参照されたい。該著者は、ジスルフィドリンカーにより5kDaのPEGをパパイン酵素に結合させた。
したがって、チオールまたはメルカプタンを含有する化合物の改良された高分子プロドラッグ系が依然として必要とされている。本発明は、こうした必要性に対処する。
発明の概要
本発明の一態様において、式(I):
(I) R1-E
〔式中、
R1は、水溶性ポリマーの直線状または分枝状残基であり;
Eは、
Figure 2005512991
{ここで、
D1は、-SH含有成分の残基であり;
(AA)は、アミノ酸残基であり;
E1は、
Figure 2005512991
であり;
E2およびE3は、独立して、H、E1、または
Figure 2005512991
であり;
Y1、Y2、およびY3は、独立して、O、S、またはNR7であり;
X1およびX2は、独立して、OHまたはEであり;
R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、およびR11は、独立して、H、C1〜6アルキル、C3〜12分枝状アルキル、C3〜8シクロアルキル、C1〜6置換アルキル、C3〜8置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、C1〜6ヘテロアルキル、置換C1〜6ヘテロアルキル、C1〜6アルコキシ、フェノキシ、およびC1〜6ヘテロアルコキシよりなる群から選択され;
nは、ゼロまたは正の整数であり;そして
pは、ゼロまたは正の整数である}
である〕
で示される化合物を提供する。
本発明の他の態様において、プロドラッグコンジュゲートの調製方法およびそれを用いる処置方法を提供する。
本発明のプロドラッグで得られる利点の1つは、当業者がメルカプタン系治療用化合物を高分子輸送系の一部分として送達できるようになるという点である。結合の基本要素としてスルフヒドリル結合を利用することにより、当業者は、in vivoにおける血漿酵素に対するそのような結合の反応性を利用することができる。
他の利点は、スルフヒドラール部分がポリペプチドのシステイン残基のような生物学的活性成分の活性部位に関連づけられることがあるので、所望により、本発明の方法を用いて、所定の部位の活性を選択的に保護できる点である。
発明の詳細な説明
したがって、本発明は、好適な水溶性かつ実質的非抗原性のポリマーを対象の生物学的有効化合物(たとえば、活性化されたポリマーとの反応を起こしうる利用可能なメルカプト基を有する薬物など)に結合させることにより形成されるプロドラッグであるポリマーコンジュゲートを提供する。これは、そのような化合物中に存在する1つ以上の好適なHS官能基との共有結合を形成することにより達成される。
本発明の内容をより良く理解することができるように、以下の定義を与える。
本発明の目的では、別段の記載がないかぎり、「生物学的有効物質」、「生物学的活性物質」、および「生物学的活性化合物」、ならびに/または「生物学的活性剤」などの用語は、同義的に使用される。これらの用語は、たとえば、薬物もしくは医薬および/または診断剤もしくは試薬(たとえば、検出可能な標識もしくはマーカー)を意味し、本明細書中で利用されうる用語である「作用剤」、「薬効剤」、および「活性剤」とも、同義的に使用される。これらの用語はすべて、別段の記載がないかぎり、とくに動物に投与したときにin vivoで有用な性質もしくは活性を有する化合物および/またはその前駆体を意味する。
本発明の目的では、単数形または複数形の使用は、参照された物品または物体の絶対数を限定しようとするものではない。したがって、明示的な記載がないがきり、細胞、ポリマー、または薬物を参照するのに単数形が用いられていたとしても、単一細胞のみの処置、単一分子のみの調製もしくは利用、および/または単一薬物のみの利用を意味するものではなく、複数形が用いられていたとしても、単一の参照物品の適用を除外するものではない。さらに、この点を踏まえて、本発明の目的では、別段の記載がないかぎり、「細胞」、「細胞型」、「標的細胞」などの用語は、同義的に使用され、処置の対象となる動物または患者の正常または病的な一組織、複数組織、または他の系もしくは要素にいかに組織化された細胞であろうとも、単一および複数の細胞の両方を意味する。
本発明の目的では、「残基」という用語は、化合物が置換反応を起こしてプロドラッグ担体部分に好ましくはSH結合を介して結合された後に残存する生物学的に有効な化合物または薬物の部分を意味するものとする。同様に、ポリマー残基とは、対象となる生物学的有効化合物への結合後に残存するポリマーの部分である。
本発明の目的では、「アルキル」という用語は、たとえば、低級アルキル、直線状、分枝状、置換型アルキル(たとえば、ハロ-、アルコキシ-、およびニトロ-C1〜12アルキル)、C3〜8シクロアルキル、または置換シクロアルキルなどを包含するものとする。別段の指示がないかぎり、低級アルキルとは、C1〜12を指すものとする。
本発明の目的では、「置換」という用語は、官能性の基もしくは化合物に含まれる1つ以上の部分に1つ以上の異なる部分を付加するかまたはその部分を1つ以上の異なる部分と交換すること包含するものとする。場合により、すべての官能基が置換される。
本発明の目的では、置換アルキルには、カルボキシアルキル、アミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、およびメルカプトアルキルが包含され; 置換シクロアルキルには、置換ハロアルキル(たとえば、4-クロロシクロヘキシル)が包含され; アリールには、ナフチルのような部分が包含され; 置換アリールには、3-ブロモフェニルのような部分が包含され; アラルキルには、たとえば、トルエンのような部分が包含され; ヘテロアルキルには、たとえば、エチルチオフェンのような部分が包含され; 置換ヘテロアルキルには、たとえば、3-メトキシ-チオフェンのような部分が包含され; アルコキシには、たとえば、メトキシのような部分が包含され; そしてフェノキシには、たとえば、3-ニトロフェノキシのような部分が包含される。ハロには、フルオロ、クロロ、ヨード、およびブロモが包含されるものとする。
本発明の目的では、「十分な量」という用語は、所望の効果が得られる量を意味するものとし、たとえば、処置方法では、これは治療効果であり、そのような効果は、当業者により理解されるとおりである。
A. 式I
概要で指摘したように、本発明の一実施形態では、式Iに対応する化合物が好ましい。より好ましい実施形態では、R1は、本明細書中でZと記されたキャッピング基を含有する二官能化された実質的非抗原性高分子残基であり、Zとしては、
水素、NH2、OH、CO2H、C1〜6部分、および
(I') E'-
〔式中、
E'は、E、
Figure 2005512991
{ここで、
D1'は、-SH含有成分の残基であり;
(AA)'は、アミノ酸残基であり;
E1'は、
Figure 2005512991
であり;
E2'およびE3'は、独立して、H、E1'、または
Figure 2005512991
であり;
Y1'、Y2'、およびY3'は、独立して、O、S、またはNR7'であり;
X1'およびX2'は、独立して、OHまたはEであり;
R2'、R3'、R4'、R5'、R6'、R7'、R8'、R9'、R10'、およびR11'は、独立して、H、C1〜6アルキル、C3〜12分枝状アルキル、C3〜8シクロアルキル、C1〜6置換アルキル、C3〜8置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、C1〜6ヘテロアルキル、置換C1〜6ヘテロアルキル、C1〜6アルコキシ、フェノキシ、およびC1〜6ヘテロアルコキシよりなる群から選択され;
n'は、ゼロまたは正の整数であり;そして
p'は、ゼロまたは正の整数である}
である〕
のうちの1つを用いることができる。
本発明のこの態様において、式II:
(II) E'-R1-E
〔式中、記号はすべて、先に記載したとおりである〕
に対応するプロドラッグを提供する。
本発明のこれらの態様の範囲内において、n、n'、p、およびp'は、好ましくは、独立して、ゼロ、1、または2であり、R2、R2'、R3、およびR3'は、それぞれ、Hであり、変数YはすべてOであり、E1およびR6は両方ともHである。
B. 実質的非抗原性ポリマー
先に述べたように、R1は、ポリアルキレンオキシドまたはポリエチレングリコール(PEG)のように好ましくは実質的に非抗原性である水溶性高分子残基である。本発明の好ましい態様において、R1は、本明細書中でZと記された先述のキャッピング基をさらに含み、これにより、二官能性またはビス型のポリマー系の形成を可能にする。
一例として、本発明の組成物のPEG残基部分は、以下のリスト:
-C(=Y4)-(CH2)t-O-(CH2CH2O)x-A、
-C(=Y4)-Y5-(CH2)t-O-(CH2CH2O)x-A、
-C(=Y4)-NR14-(CH2)t-O-(CH2CH2O)x-A、
-(CR15R16)e-O-(CH2)t-O-(CH2CH2O)x-A、
-NR14-(CH2)t-O-(CH2CH2O)x-A、
-C(=Y4)-(CH2)t-O-(CH2CH2O)x-(CH2)t-C(=Y4)-、
-C(=Y4)-Y5-(CH2)t-O-(CH2CH2O)x-(CH2)t-Y5-C(=Y4)-、
-C(=Y4)-NR14-(CH2)t-O-(CH2CH2O)x-(CH2)t-NR14-C(=Y4)-、
-(CR15R16)e-O-(CH2)t-O-(CH2CH2O)x-(CH2)t-O-(CR15R16)e-、および
-NR14-(CH2)t-O-(CH2CH2O)x-(CH2)t-NR14-
〔式中、
xは、重合度であり;
R14、R15、およびR16は、独立して、H、C1〜6アルキル、C3〜12分枝状アルキル、C3〜8シクロアルキル、C1〜6置換アルキル、C3〜8置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、C1〜6ヘテロアルキル、置換C1〜6ヘテロアルキル、C1〜6アルコキシ、フェノキシ、およびC1〜6ヘテロアルコキシの中から選択され;
eおよびtは、独立して、ゼロ、1、または2であり;
Y4およびY5は、独立して、O、S、またはNR12であり;そして
Aは、キャッピング基である〕
から選択することができるが、これらに限定されるものではない。
ポリマーの重合度は、約10〜約2,300に設定可能である。これは、ポリマー鎖中の反復単位の数を表し、ポリマーの分子量に依存する。(A)部分は、キャッピング基、すなわち、ポリマーの末端に見いだされる基であり、H、NH2、OH、CO2H、C1〜6アルキル、または他の活性化基のうちのいずれかから選択することができる。
同様に有用なのは、ポリプロピレングリコール、同一譲受人の米国特許第5,643,575号に記載されているような分枝状PEG誘導体、Shearwater Polymers, Inc. catalog "Polyethylene Glycol Derivatives 1997-1998"に記載されているような「スター型PEG」およびマルチアーム型PEGである。以上の各文献の開示内容は、参照により本明細書に組み入れられるものとする。当然のことながら、所要により、過度の実験を行うことなく、二官能性結合基に結合させるために水溶性ポリマーを官能化させることができる。
さらなる実施形態では、R1は、場合により、デキストラン、ポリビニルアルコール、炭水化物系ポリマー、ヒドロキシプロピル-メタクリル-アミド、ポリアルキレンオキシド、および/またはそれらのコポリマーのうちの1つ以上から選択される。また、同一譲受人の米国特許第6,153,655号をも参照されたい。それぞれの内容は、参照により本明細書に組み入れられるものとする。
本発明の多くの態様において、二置換またはそれ以上の多置換のポリマーコンジュゲートが望まれる場合、二重活性化ポリエチレングリコールが好ましい。他の選択肢として、一置換ポリマーが望まれる場合、単活性化ポリエチレングリコール(PEG)、C1〜4アルキル末端ポリアルキレンオキシド(PAO)、たとえば、モノメチル末端ポリエチレングリコール(mPEG)が好ましい。
所望の加水分解性結合を提供するために、モノ-またはジ-PEGアミンおよびモノ-またはジ-PEGジオールのときと同様に、PEG酸またはPEG二酸のような一酸または二酸活性化ポリマーを使用することができる。好適なPAO酸は、最初にmPEG-OHをエチルエステルに変換してから鹸化させることにより合成することができる。また、Gehrhardt, H., et al. Polymer Bulletin 18: 487 (1987) and Veronese, F.M., et al., J. Controlled Release 10; 145 (1989)をも参照されたい。他の選択肢として、mPEG-OHをt-ブチルエステルに変換してから酸開裂させることにより、PAO酸を合成することができる。たとえば、同一譲受人の米国特許第5,605,976号を参照されたい。以上のそれぞれの開示内容は、参照により本明細書に組み入れられるものとする。
PAOおよびPEGは実質的にさまざまな平均分子量をとりうるが、プロドラッグのポリマー部分は、重量平均が少なくとも20,000である。好ましくは、R1は、約20,000〜約100,000、より好ましくは約25,000〜約60,000の重量平均分子量を有する。プロドラッグに組み込むために選択されるポリマーの平均分子量は、リンカーの加水分解前にプロドラッグの十分な循環を提供するのに十分なものでなければならない。
ここで組み込まれる高分子物質は、好ましくは、室温で水溶性である。そのようなポリマーのリストには、ポリエチレングリコール(PEG)またはポリプロピレングリコールのようなポリアルキレンオキシドホモポリマー、ポリオキシエチレン化ポリオール、それらのコポリマーおよびそれらのブロックコポリマーが含まれるが、ただし、ブロックコポリマーの水溶性が保持されていなければならない。
PEGのようなPAOに対して本明細書に記載したものと同一のタイプの活性化を利用するのであれば、PAO系ポリマーの代替物として、デキストラン、ポリビニルアルコール、炭水化物系ポリマー、ヒドロキシプロピルメタクリルアミド(HPMA)、およびそれらのコポリマーなどのような効果的非抗原性物質を使用することができる。当業者であればわかるであろうが、以上のリストは単なる例示にすぎず、本明細書に記載された品質を有する高分子材料はすべて利用可能である。本発明の目的では、「効果的非抗原性」および「実質的非抗原性」には、実質的に無毒であり哺乳動物において認知しうる免疫応答を惹起しないものとして当技術分野で理解されているすべての高分子材料が包含されるものとする。
以上から明らかなように、ポリプロピレングリコール酸などのような以上の他のポリアルキレンオキシド誘導体さらには他の二官能性結合基も利用可能であると考えられる。
C. プロドラッグ候補化合物
式(I)および(II)に示されるように、D1およびD1'は、独立して選択される、SH含有成分の残基である。好適なSH含有成分のリストには、6-メルカプトプリン、6-チオ-グアニン、または以下に示されるような他の物質などの生物学的活性物質が包含されるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2005512991
〔式中、
R12は、H、C1〜6アルキル、アルコキシ、または式:
Figure 2005512991
{ここで、R21〜25は、独立して、アルコキシ、たとえば、OR19、またはそのほかにH、OH、N3、NHR20、NO2、またはCN、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードから選択され、R19〜20は、独立して、水素、C1〜6アルキル、C3〜12分枝状アルキル、C3〜8シクロアルキル、C1〜6置換アルキル、C3〜8置換シクロアルキル、アリール、ハロ、置換アリール、アラルキル、C1〜6ヘテロアルキル、置換C1〜6ヘテロアルキルよりなる群から選択され、好ましくは、HまたはC1〜4アルキルである}
で示される炭水化物のうちの1つであり;
R13は、HまたはNH2であり;そして
X3は、CHまたはNである〕
1つの好ましいR12部分は、
Figure 2005512991
である。
本明細書に記載のプロドラッグ系に組み込むための他の好適な候補化合物をとしては、修飾可能なSH基を含有する化学療法剤部分および/または修飾可能なシステイン残基を含有するポリペプチドもしくは酵素などのような生物学的活性化合物が挙げられる。好適な生物学的活性化合物のリストには、1-β-D-アラビノフラノシル-チオプリン、ペニシラミン、2-チオウラシル、カプトプリル、チオプロニン、バソプレシン、デアミノオキシトシン、チオペンタールナトリウムなどが包含されるが、これらに限定されるものではない。
D. 高分子プロドラッグ輸送系の合成
本発明のプロドラッグコンジュゲートは、図に例示された方法をさまざまな順序で用いて少なくとも2つの方法により調製することができる。好ましくは、二官能性リンカーを含むように対象の生物学的活性化合物のチオール基を修飾し、次に、この中間体を活性化PEGまたは他の類似のポリマーと反応させてコンジュゲートを形成する。他の選択肢では、活性化ポリマーを二官能性リンカーと反応させ、この中間体を対象のチオール含有生物学的活性組成物と反応させる。
より高いローディング度が必要とされる本発明のこれらの態様では、チオール二官能性中間体を結合させる前にポリマーの末端分枝化を行うことにより、ポリマーの各末端に2、3、4、6、または8当量の薬物を結合させるようにする。末端分枝の形成に関する詳細については、実施例および同一譲受人の米国特許出願第09/823,296号に提供されている。それらの内容は参照により本明細書に組み入れられるものとする。
in vivoで容易に分解するリンカーを選択することは、in vivoにおける加水分解速度を決定するうえで重要な特徴となる。場合により、そのようなリンカーは、薬物上の活性化官能基またはポリマー上の活性化官能基のいずれかに組み込まれる。この際、最終的には、プロドラッグコンジュゲート中の薬物残基とポリマー残基との間に分解性リンカーが形成される。
したがって、本発明の好ましい一実施形態では、対象のメルカプト薬物は、少なくとも1つのチオール官能基を有する。当業者であればわかるであろうが、対象となる特定のメルカプト薬物は2つ以上のそのようなチオール基を有するであろう。図1は、6-MP t-Buエステル(2)を形成する6-MP(1)とBrCH2CO2-t-Buとの反応を示している。この目的に有用な他の好適な保護基として、当業者に公知である任意のさまざまな有機部分を用いることが可能であり、たとえば、置換シリルエステルおよび置換ベンジルエステルのようなCO2H保護基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
次に、トリフルオロ酢酸(TFA)もしくは他のハロ酢酸、HCl、硫酸などのような強酸を用いて、または接触水素化を用いて、中間体を脱保護する。これにより、末端カルボン酸基を含むチオール結合反応性官能基、たとえば、図1に例示されるような化合物(3)、が残る。当然のことながら、スペーサー基の構造を適切に選択すれば、アミン官能基を含めて当技術分野で公知である任意の他の反応性官能基をチオール上に置換することが可能である。
一般的には、チオール含有薬物の酸誘導体が所望のポリマーのアミン誘導体と反応するかまたはチオール含有薬物のアミン誘導体が所望のポリマーの酸誘導体と反応するコンジュゲート形成系を使用するのが便利である。
好ましくは、活性化薬物を単活性化もしくは二重活性化PEGのような任意の所望の活性化ポリマーと反応させることにより、活性化薬物とポリマー(たとえば、好適なPAO)とのコンジュゲートを形成する。先に述べたように、薬物中間体が酸として活性化される場合、PAOは、活性化PAOアミンであり、たとえば、PEGについて図1に示される化合物(4)である。また、薬物中間体が活性化アミン基を有する場合、活性化ポリマーは活性化酸基(たとえば、PAO酸)を含有しうる。いずれの場合にも、得られるコンジュゲートは、先に定義したとおり、また(5)として例示されるように、式Iで示される化合物を提供する。
利用する方法に関係なく、いくつかの好ましいプロドラッグを以下に示す。
Figure 2005512991
Figure 2005512991
Figure 2005512991
Figure 2005512991
〔式中、
R1は、水溶性ポリマーの直線状または分枝状残基であり、そして
D1およびD1'は、好ましくは生物学的に活性な-SH含有成分の残基である〕
E. 処置方法
本発明のさらに他の態様は、哺乳動物における種々の病状の処置方法を提供する。当業者には自明なことであろうが、本発明のプロドラッグは、非修飾生物学的有効化合物を使用するときと同一もしくは類似の疾患もしくは障害を処置するために利用されるかまたは同一もしくは類似の診断目的のために適用される。
本方法は、本明細書に記載されているように調製された有効量のプロドラッグ(たとえば、6-メルカプトプリンPEGコンジュゲート)をそのような処置を必要とする哺乳動物に投与することを含む。組成物は、とくに、哺乳動物における新生物性疾患の処置、全身腫瘍組織量の減少、新生物転移の防止、腫瘍再発/新生物性増殖の防止に有用である。さらに、6-メルカプトプリンPEGコンジュゲートは、一般的には、異常細胞増殖をモジュレートするのに有用であり、とくに、自己免疫性の疾患および障害、たとえば、多発性硬化症および多くの他の当技術分野で公知のそのような症状を処置したりかつ/またはモジュレートしたりするのに有用である。
投与されるプロドラッグの量は、それに含まれる親分子に依存するであろう。一般的には、処置方法で使用されるプロドラッグの量は、哺乳動物において所望の治療結果が効果的に得られる量である。当然のことながら、種々のプロドラッグ化合物の用量は、親化合物、in vivo加水分解の速度、ポリマーの分子量などに依存していくらか変化するであろう。しかしながら、一般的には、プロドラッグである6-メルカプト-プリンPEGコンジュゲートは、プロドラッグ1mgあたりの6-メルカプトプリン部分のモル量に基づいて1日あたり約10〜約30mg/kgの範囲の量で投与される。
上述した範囲は例示的なものであり、当業者により臨床経験および処置適応症に基づいて所定のプロドラッグの最適投与が決定されるであろう。実際の用量は、過度の実験を行わなくとも当業者には自明であろう。
本発明のプロドラッグは、哺乳動物に投与するのに好適である1つ以上の医薬組成物に組み込むことができる。医薬組成物は、当技術分野で周知の方法に従って調製される溶液剤、懸濁剤、錠剤、カプセル剤などの形態をとることが可能である。また、そのような組成物の投与は当該技師のニーズに応じて経口経路および/または非経口経路により行うことができると考えられる。たとえば、組成物の溶液および/または懸濁液は、当技術分野で公知である任意の方法により、たとえば、静脈内注射、筋肉内注射、皮下注射などにより、組成物の注射用または浸潤用担体ビヒクルとして利用することが可能である。
また、そのような投与は、注入により、さらには吸入および/または鼻腔内経路により、生体の空間または腔に導入することも可能である。しかしながら、本発明の好ましい態様では、プロドラッグは、当技術分野で公知である種々の非経口経路により、それを必要とする哺乳動物に投与される。
本明細書中において6-メルカプトプリンを例として示してきたが、その範囲では、本発明に係る6-MPのポリマーコンジュゲートは、非修飾6-MPおよび/またはいくらかの有用性もしくは可能性を有することがすでに知られている6-MPのプロドラッグであるアザチオプリンのときと同一の範囲の疾患または障害を処置するために容易に利用されると言える。
F. プロドラッグの加水分解による薬物生成
血漿中において加水分解のt1/2が排出のt1/2よりも小さくなるように、本発明のプロドラッグ化合物をデザインする。化合物に含まれる結合は、親化合物(すなわち、アミノまたはヒドロキシルを含有する生物学的活性化合物)を有する十分量の輸送強化コンジュゲートを排出前に放出させるのに十分な程度に速いin vivo加水分解速度(血漿中)を有する。本発明のいくつかの好ましい化合物(すなわち、式(I)および(II)の(n)および(n')が両方とも1である化合物)は、血漿中における加水分解のt1/2が約5分〜約12時間の範囲にある。好ましくは、組成物は、加水分解の血漿中t1/2が約0.5〜約8時間、最も好ましくは約1〜約6時間の範囲にある。
以下の実施例により本発明の特定の態様について具体的に説明するが、これらに限定されるものではない。別段の記載がないかぎり、部およびパーセントはすべて重量基準であり、温度はすべてセルシウス度である。
実験の概要
材料および方法
すべての反応を乾燥した窒素またはアルゴンの雰囲気下で行った。さらなる精製を行うことなく市販の試薬を使用した。使用前、すべてのPEG化合物を真空下でまたは共沸蒸留(トルエン)により乾燥させた。明記されていないかぎり、溶媒としてジュウテリオクロロホルムを用いてVarian MercuryVX-300装置により1Hスペクトルを取得した。13C NMRスペクトルは、Varian MercuryVX-300により75.46MHzで取得した。化学シフト(δ)は、テトラメチルシラン(TMS)の位置から低磁場側に百万分率(ppm)で報告されおり、結合定数(J値)は、ヘルツ(Hz)単位で与えられている。
HPLC法
移動相としてメタノール-水の1:1混合物(v/v)を用いてイソクラティック条件下でサイズ排除カラム(PolySep-GFC-P3000, Phenomenex)により分析用HPLCを行った。UV検出器により254nmでピーク溶出をモニターした。遊離のPEGが存在するかを検出するために、さらにPEG化生成物の存在を確認するために、蒸発光散乱検出器(ELSD)(Model 5000 ELSD (Alltech))を利用した。ELSDおよびUV分析に基づいて、いずれの最終PEG化生成物にも、原料の薬物は含まれておらず、そのHPLC純粋は95%であった。
PEG誘導体中の6-メルカプトプリン含有率の分析
PEG誘導体中の6-メルカプトプリン含有率を決定するために、H2O中の90% MeOH(v/v)における6-メルカプトプリンのUV吸光度を277nmにおいて0.02mol/mL〜0.10mol/mLの範囲の5つの異なる濃度で測定した。吸光度vs濃度の標準プロットから6-メルカプトプリンの吸収係数εを計算したところ、21.6であった(1.0cmの光路を用いて277nmにおいて1mg/mLで測定したときのO.D.)。PEG化6-メルカプトプリン誘導体を0.006mol/mL(40,000のMWに基づく)のおよその濃度でH2O中の90% MeOH(v/v)に溶解させ、277nmにおけるこれらの化合物のUV吸光度を測定した。この値を用いてかつ以上で得られた吸収係数εを利用して、サンプル中の6-メルカプトプリンの濃度を決定した。この値をサンプル濃度で割ることにより、サンプル中の6-メルカプトプリンのパーセントを求めた。
PEGプロドラッグの加水分解速度の決定
加水分解速度は、(a)0.1M酢酸トリエチルアンモニウム緩衝液と(b)アセトニトリルとからなるグラジエント移動相を用いたC8逆相カラム(Zorbax(登録商標) SB-C8)を利用して取得した。1mL/分の流量を使用し、6-メルカプトプリンのクロマトグラムを254nmでUV検出器を用いてモニターした。血漿中における加水分解を調べるために、誘導体を20mg/mLの濃度でアセトニトリルに溶解させた。溶液を100μLずつバイアルに分配し、真空中で溶媒を除去した。残渣に100μLの血漿を添加してから、混合物を10秒間渦攪拌した。種々の時間にわたり37℃で溶液をインキュベートした。メタノール-アセトニトリルの混合物(1:1, v/v, 400μL)を適切な間隔でバイアルに添加し、混合物を1分間渦攪拌し、続いて、0.45μmの濾過膜に通して濾過した(場合により、続いて、0.2μmの濾過膜に通して2回目の濾過を行った)。濾液の40μLのアリコートをHPLCに注入した。ピーク面積に基づいて、原料化合物およびPEG誘導体の量を推定し、線形回帰分析を用いてPEG誘導体の消失から異なる媒質中における各化合物の半減期を計算した。
略号
DCM(ジクロロメタン)、DMAP(4-(ジメチルアミノ)ピリジン)、DMF(N,N-ジメチルホルムアミド)、EDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)、IPA(2-プロパノール)、TFA(トリフルオロ酢酸)。
実施例1
スペーサー-6-MP t-Buエステル(2)の調製
無水DMF(0.5mL)中のt-ブチルブロモアセテート(441mg, 2.26mmol)の溶液をDMF(2.0mL)中の6-メルカプトプリン一水和物(1, 340mg, 2mmol)の攪拌混合物に滴下した。反応混合物を室温で0.5時間攪拌した。水(25mL)を添加して白色固体を沈殿させ、それを濾過し、水で洗浄し、乾燥させ、続いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の40% EtOAc, v/v)により精製し、白色固体として260mg(49%)の生成物(2)を得た: 1H NMR δ 1.50 (s, 9H, t-Bu), 1.65 (bs, NH), 4.11 (s, 2H, SCH2CO2), 8.16 (s, 1H, Ar-H), 8.72 (s, 1H, Ar-H); 13C NMR δ 27.98, 32.32, 82.44, 141.11, 148.89, 151.41, 151.91, 168.13。
実施例2
スペーサー-6-MP(3)の調製
TFA(1mL)をDCM(2mL)中の(2)(120mg, 0.45mmol)の懸濁液に添加し、混合物を室温で4時間攪拌した。溶媒を真空中で除去し、EtOAc(0.5mL)およびエーテル(10mL)は固体を添加して固体を沈澱させ、それを濾過し、エーテルで洗浄し、所望の生成物(3)(94mg, 99%)を得た: 1H NMR (DMSO-d6) δ 4.18 (s, 2H, SCH2CO2), 8.47 (s, 1H, Ar-H), 8.67 (s, 1H, Ar-H)。
実施例3
PEG-スペーサー-6-MP(5)の調製
無水DMF(5mL)およびDCM(15mL)中の(3)(22.4mg, 0.1mmol)、PEGジアミンHCl(4, mw. 40,000, 1.0g, 0.025mmol)、EDC・HCl(28.8mg, 0.15mmol)、およびDMAP(36.6mg, 0.3mmol)の混合物を室温で一晩攪拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣をIPAから2回再結晶させ、0.9g(90%)の生成物(5)を得た。UVアッセイにより測定された化合物中の(1)の含有率は、0.75% wt/wtであった: 13C NMR δ 32.050, 39.437, 61.586, 130.601, 142.961, 151.767, 158.382, 168.971。
実施例4
Boc-Glu-(O-t-Bu)(OCH 2 Cl)(7)の調製
Boc-Glu-O-t-Bu(6, 9.58g, 30mmol)、K2CO3(4.15g, 30mmol)、NaI(4.5g, 30mmol)、およびClCH2Br(7, 20mL、307.76mmol)の混合物を室温で3日間攪拌し、続いて、EtOAcで洗浄されたセライトパッドおよび短いシリカゲルカラムに通して濾過した。濾液を真空中で濃縮して4.0g(38%)の生成物(7)を得た: 13C NMR δ 28.020, 28.327, 30.157, 53.287, 68.814, 80.232, 82.600, 155.635, 155.919, 171.523, 177.321。
実施例5
Boc-Glu(O-t-Bu)-6-MP(8)の調製
アセトン(20mL)中の7(4.0g, 10.8mmol)およびNaI(1.62g, 10.8mmol)の懸濁液を室温で1時間攪拌し、続いて、DMF(20mL)中の(1)(1.7g, 10.0mmol)およびK2CO3(1.38g, 10.0mmol)の溶液を添加した。混合物を室温で一晩攪拌し、続いて濾過した。濾液を真空中で濃縮し、残渣をEtOAc(200mL)に溶解させ、水(200mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、そして無水MgSO4で脱水した。溶媒を真空中で除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3中の10% MeOH, v/v)により精製し、1.1g(23.5%)の生成物(8)を得た: 13C NMR (CDCl3 + CD3OD) δ 26.439, 26.759, 29.883, 35.643, 52.859, 60.091, 81.237, 81.339, 142.703, 151.266, 155.887, 162.902, 171.132, 171.503, 172.220, 175.792。
実施例6
6-MPG TFA塩(9)の調製
DCM(5mL)およびTFA(5mL)中の(8)(1.0g, 2.06mmol)の溶液を室温で2時間攪拌した。溶媒を除去し、残渣をヘキサンで摩砕してTFAを除去した。物質を真空中、40℃で乾燥させ、620mg(63%)の生成物(9)を得た。1H NMRデータにより反応の完了を確認した。
実施例7
PEG-6-MPG(11)の調製
無水CHCl3(50mL)中のBSC-PEG(10, 5.0 g、0.125mmol)、(9)(120mg, 0.375mmol)、およびDMAP(91.5mg, 0.75mmol)の混合物を一晩還流させた。エチルエーテル(250mL)を添加して固体を沈殿させ、それをIPAから再結晶させ、4.3g(96%)の生成物(11)を得た。UVアッセイにより測定された化合物中の1の含有率は、0.39% wt/wtであった。
実施例8
Boc-β-Ala-CH 2 Cl(13)
IClSO3H(5g, 42.91mmol)およびClCH2Br(5.55g, 42.9mmol)の混合物を3時間還流し、続いて、氷中に注いだ。氷水懸濁液をDCM(2×50mL)で抽出し、合わせたDCM層を水(2×50mL)で洗浄し、ClCH2SO3Clの溶液(溶液A)を得た。水(100mL)中のBoc-β-Ala-OH(12, 4.73g, 25mmol)、NaHCO3(8.41g, 100mmol)、およびBu4N+HSO4 -(0.849g, 2.5mmol)の溶液を0℃まで冷却させ、続いて、溶液Aを添加した。混合物を激しく2時間攪拌し、続いて、層を分離させた。DCM層をブライン(2×100mL)で洗浄し、無水MgSO4で脱水した。溶媒を真空中で除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の20% EtOAc, v/v)により精製し、1.2g(20%)の生成物(13)を得た: 13C NMR δ 28.218 (3×BocのCH3), 34.439 (CH2C(=O)O), 35.655 (NHCH2CH2), 68.565 (OCH2Cl), 79.547 (C(CH3)3), 155.811 (NHC(=O)O), 170.761 (C(=O)O)。
実施例9
Boc-β-Ala-6-MP(14)の調製
アセトン(15mL)中の(13)(1.0g, 4.2mmol)およびNaI(0.755g, 5.04mmol)の懸濁液を室温で1時間攪拌し、続いて、DMF(15mL)中の(1)(0.595g, 3.5mmol)およびCaCO3(1.738g, 17.4mmol)の溶液を添加した。混合物を室温で一晩攪拌し、続いて濾過した。濾液を真空中で濃縮し、残渣をEtOAc(100mL)に溶解させ、水(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、そして無水MgSO4で脱水した。溶媒を真空中で除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3中の0〜5% MeOH, v/v)により精製し、340mg(28.6%)の生成物(14)を得た: 13C NMR (CDCl3 + CD3OD) δ 28.429 (3×BocのCH3), 34.868 (CH2C(=O)O), 36.109 (NHCH2CH2), 61.223 (OCH2S), 81.537 (C(CH3)3), 142.901 (Ar-C), 145.640 (Ar-C), 148.623 (Ar-C), 149.749 (Ar-C), 152.181 (Ar-C), 156.738 (NHC(=O)O), 172.431 (C(=O)O)。
実施例10
β-Ala-6-MP TFA塩(15)の調製
DCM(1mL)およびTFA(1mL)中の(14)(140mg, 0.4mmol)の溶液を室温で2時間攪拌した。溶媒を除去し、残渣をヘキサンで摩砕してTFAを除去した。物質を真空中、40℃で乾燥させ、170mg(100%)の生成物(15)を得た。1H NMRデータにより反応の完了を確認した。
実施例11
PEG-cmc-Asp-O-t-Bu(17)の調製
化合物(10)(40,000, 20g, 0.459mmol)およびアスパラギン酸ジt-ブチルエステルHCl(1.0g, 3.55mmol)を無水DCMに溶解させ、続いて、DMAP(0.433g, 3.55mmol)を添加した。溶液を一晩還流させ、続いて、エチルエーテル(1L)の添加により沈殿させた。固体を濾過により単離し、IPA(1L)から2回再結晶させた。濾過ケーキをIPA(200mL)およびエーテル(200mL)で洗浄し、真空中、45℃で乾燥させた後、15.6g(78%)の生成物(17)を得た: 13C NMR δ 27.837 (CH2CO2C(CH3)3), 27.991 (CHCO2C(CH3)3), 37.752 (CHCH2CO2), 50.800 (NHCH), 64.212 (OCH2CH2OC(=O)NH), 81.333 (CH2CO2C(CH3)3), 82.007 (CHCO2C(CH3)3), 155.924 (OCH2CH2OC(=O)NH), 169.674 (CH2CO2C(CH3)3), 169.969 (CHCO2C(CH3)3)。
実施例12
PEG-cmc-Asp-OH(18)の調製
化合物(17)(15g, 0.375mmol)をDCM(150mL)に溶解させ、続いて、TFA(75mL)を添加した。溶液を室温で2時間攪拌し、ヘキサン(500mL)を添加して固体を沈澱させた。固体をヘキサンで摩砕してTFAを除去し、続いて、冷却されたDCM-エーテルから再結晶させた。再結晶させた固体をDCM(150mL)に再溶解させ、水(150mL)で洗浄した。有機層を分離させ、無水MgSO4で脱水し、真空中で濃縮し、エーテルで沈澱させ、12.4g(83%)の生成物(18)を得た: 13C NMR δ 36.441 (CHCH2CO2), 50.177 (NHCH), 64.390 (OCH2CH2OC(=O)NH), 81.333 (CH2CO2C(CH3)3), 82.007 (CHCO2C(CH3)3), 156.172 (OCH2CH2OC(=O)NH), 171.944 (CH2CO2C(CH3)3), 172.211 (CHCO2C(CH3)3)。
実施例13
化合物19の調製
化合物(15)(160mg, 0.436mmol)をDMF(5mL)に溶解させ、続いて、DCM(25mL)、(18)(3.0g, 0.075mmol)、およびDMAP(212mg, 1.744mmol)を添加した。溶液を0℃まで冷却させ、EDC・HCl(167mg, 0.872mmol)を溶液に添加した。混合物を0℃〜室温で一晩攪拌し、真空中で濃縮し、エーテルの添加により粗生成物を沈澱させた。固体をIPAから2回再結晶させ、2.7g(90%)の生成物(9)を得た。UVアッセイにより測定された化合物中の(1)の含有率は、1.47% wt/wtであった: 13C NMR (CDCl3 + CD3OD) δ 33.777 & 33.876 (CH2C(=O)O), 34.887 & 35.013 (NHCH2CH2), 37.738 (AspのCH2C(=O)NH), 51.628 (AspのNHCH), 60.898 (OCH2S), 64.381 (PEGのCH2OC(=O)NH), 143.087 (Ar-C), 145.699 (Ar-C), 148.958 (Ar-C), 151.879 (Ar-C), 156.219 (NHC(=O)O), 170.839, 171.373, 171.710, 171.893 (C(=O)O & C(=O)NH)。
実施例14
PEG酸4-アミノ-4-(2-tert-ブトキシカルボニル-エチル)-ヘプタン二酸ジ-tert-ブチルエステルアミド(22)
無水DCM中のPEG 40,000二酸(21)(5.0g, 0.125mmol)、4-アミノ-4-(2-tert-ブトキシカルボニルエチル)-ヘプタン二酸ジ-tert-ブチルエステル(20)(310 8mg, 0.75mmol)、EDC・HCl(143.6mg, 0.75mmol)、およびDMAP(252mg, 2.25mmol)の混合物を室温で一晩攪拌した。反応溶液を真空中で濃縮し、残渣をIPAから再結晶させ、生成物(22)を得た。
実施例15
PEG酸4-アミノ-4-(2-カルボキシエチル)-ヘプタン二酸アミド(23)
化合物(22)(4.0g, 0.1mmol)を25mLのTFAおよび50mLの無水DCMに加えて室温で5時間攪拌した。溶媒を真空中で除去し、続いて、冷却されたDCM/エーテル(エーテル中の20% v/v DCM, 合計約100mL)から残渣を再結晶させた。湿潤した固体をH2O(20mL)に再溶解させ、溶液を室温で30分間攪拌し、続いて、DCM(60mL)で抽出した。有機層を無水MgSO4で脱水し、溶媒を真空中で除去し、DCM/エーテルで結晶化させ、生成物(23)を得た。
実施例16
六量体ローデッドPEG-スペーサー-薬物誘導体(24)
無水DCM(80mL)およびDMF(50mL)中の(23)(5.0g, 0.124mmol)、(15)(682.6mg, 1.86mmol)、NMM(600mg, 5.96mmol)、およびHOBT(302mg, 2.24mmol)の混合物にEDC・HCl(571.1mg, 2.97mmol)を0℃で添加し、一晩かけて混合物を徐々に室温まで加温する。溶媒を除去し、残渣をIPAから再結晶させ、(24)を得た。
実施例17
化合物(27)
無水DCM(30mL)およびDMF(2mL)中のBocNH-アスパラギン酸(25, 1g, 4.29mmol)、アスパラギン酸ジメチルエステルHCl(26, 1.86g, 9.43mmol)、およびDMAP(2.47g, 12.86mmol)の混合物にEDC・HCl(2.47g, 12.86mmol)を0℃で添加し、混合物を0℃〜室温で一晩攪拌した。混合物を1N HClで3回洗浄し、有機層を無水MgSO4で脱水し、続いて、真空中で溶媒を除去、生成物(27)(2.0g, 90%)を得た: 1H NMR δ 1.45 (s, 9H), 2.62-3.02 (m, 6H, 3×CH), 3.70 (s, 6H, 2×OCH3), 3.74 (s, 3H, OCH3), 3.75 (s, 3H, OCH3), 4.50 (bs, 1H, CH), 4.85 (m, 2H, 2×CH), 6.05 (d, J = 6.95, 1H, NH), 6.98 (d, J = 8.05, 1H, NH), 7.57 (d, J = 7.69, 1H, NH); 13C NMR δ 28.178, 31.315, 35.846, 36.384, 37.223, 48.434, 48.619, 50.952, 51.908, 51.976, 52.697, 80.139, 162.462, 170.569, 170.804, 170.871, 170.972, 171.291。
実施例18
化合物(28)
化合物(27)(2.0g, 3.85mmol)をDCM(30mL)およびTFA(15mL)に溶解させ、溶液を室温で2時間攪拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣をDCM-エーテルで2回再結晶させ、白色固体として生成物(28)(1.74g、87%)を得た: 13C NMR δ 35.52, 48.76, 50.12, 51.90, 51.96, 52.65, 114.59, 118.49, 168.43, 170..02, 170.92, 171.17, 171.40, 171.48。
実施例19
化合物(29)
無水DCM(80mL)中のPEG-酸40,000(21, 5.0g, 0.12mmol)、(28)(209mg, 0.50mmol)、およびDMAP(212.9mg, 1.75mmol)の混合物にEDC・HCl(191.4mg, 1.00mmol)を0℃で添加し、混合物を0℃〜室温で一晩攪拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣をIPAから再結晶させ、生成物(29)(4.5g, 90%)を得た: 13C NMR δ 35.43, 36.71, 48.15, 48.25, 48.70, 51.50, 52.18, 52.24, 69.96-70.58 (PEG), 169.77, 169.82, 170.29, 170.40, 170.69。
実施例20
化合物(30)
化合物(29)(4.5g, 0.11mmol)およびLiOH・H2O(71.6mg)を水(25mL)に加えて室温で一晩攪拌した。1N HClの添加によりpHを2.5に調整し、続いて、生成物をDCM中に3回抽出した。有機層を無水MgSO4で脱水し、真空中で溶媒を除去した。残渣をIPAから再結晶させて生成物(30)(3.6g, 80%)を得た: 13C NMR (D2O) δ 39.59, 40.65, 52.74, 54.31, 71.85-74.40 (PEG), 173.73, 173.92, 175.07, 178.99, 179.24, 179.35, 179.62。
実施例21
八量体充填型PEGスペーサー-薬物誘導体(31)
無水DCM(40mL)およびDMF(25mL)中の(30)(2.6g, 0.06mmol)、15(466.1mg, 1.27mmol)、HOBT(206.2mg, 1.53mmol)、およびNMM(411.3mg, 4.07mmol)の混合物にEDC・HCl(391mg, 2.04mmol)を0℃で添加し、混合物を0℃〜室温で一晩攪拌する。溶媒を真空中で除去し、残渣をIPAから再結晶させ、生成物(31)を得る。
実施例22
化合物(32)
化合物(27)(100mg, 0.11mmol)およびLiOH H2O(71.6mg)を水(25mL)に加えて室温で一晩攪拌する。1N HClの添加によりpHを2.5に調整し、続いて、生成物をDCM中に3回抽出する。有機層を無水MgSO4で脱水し、溶媒を真空中で除去し、生成物(32)を得る。
実施例23
化合物(35)
実施例17〜21の条件を用いて(25)の代わりに(32)から化合物(35)を調製する。
実施例24
in vitro実験
細胞系および細胞傷害性アッセイ
P388/0細胞系を用いてIC50(細胞の増殖を50%阻害する薬物濃度)を調べる試験を、すでに報告されているとおりに、そのままの条件で行った。簡潔に述べると、IC50を決定するために、各ウェル50μLあたり2×103細胞の密度でマイクロウェルプレート中に細胞を接種した。5% CO2を有する加湿されたインキュベーター中、37℃で、プレートを3日間インキュベートした。10μL/ウェルのAlamar Blue (Alamar Biosciences, Inc., Sacramento, CA)を添加することにより細胞増殖を測定し、プレートを37℃でさらに4時間インキュベートした。吸光度vs希釈係数のプロットから各化合物のIC50値を決定した。動物への埋植用のすべての細胞培養物を5% CO2/95% O2の加湿雰囲気中で37℃に保持し、毎週一回、継代培養した。すべての細胞系に対して定期的にマイコプラズマ試験を行ったところ、マイコプラズマは含まれていなかった。結果を表2に示す。
Figure 2005512991
阻害が見られなかったことから、親分子がポリマー輸送体から放出されるまでプロドラッグは実質的に不活性であることがわかる。
実施例25
in vivo実験
in vivo埋植に供すべく、ドナーマウス由来のM109細胞(NCI)の増殖および増大を組織培養により行った。10% FBSおよび1%ストレプトマイシン/ペニシリンを有するEMEM培地中で細胞を増殖させ、5% CO2を有する37℃のインキュベーター中に保持し、毎週2回、分割した。細胞をトリプシン処理し、採取し、洗浄し、計数し、PBS中に調製し、動物施設に送った。最小の遅延時間で埋植が行われるまで、細胞を氷上で保持した。約5×106細胞/mLの細胞懸濁液を使用した。100μLの上記細胞懸濁液(0日目)をBalb/Cマウスの皮下に埋植した。1日目および4日目に、処置剤を静脈内に投与した。化合物の用量は、6-MPの含有率に基づくものであった。次に、グループのメジアン腫瘍体積が2000mm3を超えるまで、毎週2回、体重および腫瘍体積を測定した。カリパスを用いて2つの寸法を測定することにより各マウスの腫瘍体積を求めた。式: 腫瘍体積 = (長さ×幅2)/2を用いて計算した。処置されたマウスvs対照(ビヒクルなし)マウスで腫瘍増殖を比較することにより、薬効を決定した。次の3つのタイプの終点を比較の基準として使用した: (a) 対照グループのメジアン腫瘍体積が約800〜1100mm3に達したときに測定された腫瘍体積のパーセント差(%T/C)(指数増殖期)、(b) 対照グループのメジアン腫瘍体積が約2000mm3に達したときの上記値、および(c) 1グループあたりの腫瘍退縮(1日目と比較して25日目の腫瘍体積が小さい)の数。
結果
非修飾6-MPは、M109充実性腫瘍の増殖の阻害に効果がなかった。これに対して、PEG-6-MPコンジュゲートは、対照と比較して、腫瘍増殖の約25〜35%の減少を引き起こした(表1)。
Figure 2005512991
実施例26
L1210腫瘍モデルを用いたin vivo実験
マウス白血病細胞系L1210/O(マウスリンパ性白血病)に対するin vivo活性に関して、6-MPおよびプロドラッグ型6-MPのスクリーニングを行った。Southern Research Institute (Birmingham, Alabama)から細胞系を入手し、10%ウマ血清で補足されたDMEM中で増殖させた。毎週2回、L1210/O細胞を継代培養し、対数期培養物(生存率≧95%)をすべてのin vivo実験に使用した。7〜8週齢の雌CD2F1マウス(Taconic Farms, Germantown , NY)を試験に使用した。1週間の順化を行った後、指定の0日目にL1210/0細胞(5×105細胞/マウス)をマウスの腹腔内に埋植した。マウスをランダムに実験グループに割り当てた(8〜10匹/グループ)。グループは、対照、6-MP、およびPEG-6-MPコンジュゲートを含むものであった。6-MPは、3% DMSO中に可溶化させ、イントラリピド中に懸濁させ、腹腔内に2日ごとに合計6回投与した。PEG-6-MPは、リン酸塩緩衝液(pH5.8)に溶解させ、静脈内に4日ごとに合計3回投与した。対照グループには、ビヒクル(イントラリピドまたはリン酸塩緩衝液)を投与した。40日間までマウスを監視し、寿命の増加(ILS)のパーセントとして処置を評価した。
結果
PEG-6-MPコンジュゲート(19)は、ビヒクル対照および6-MP同等用量対応物のいずれよりも、この腹水モデルにおいて有意に(P<0.05)高い生存性を示した(表3)。
Figure 2005512991
実施例に記載されている種々の本発明の化合物の合成例を示す。 実施例に記載されている種々の本発明の化合物の合成例を示す。 実施例に記載されている種々の本発明の化合物の合成例を示す。 実施例に記載されている種々の本発明の化合物の合成例を示す。 実施例に記載されている種々の本発明の化合物の合成例を示す。 実施例に記載されている種々の本発明の化合物の合成例を示す。 実施例に記載されている種々の本発明の化合物の合成例を示す。 実施例に記載されている種々の本発明の化合物の合成例を示す。 実施例に記載されている種々の本発明の化合物の合成例を示す。 実施例に記載されている種々の本発明の化合物の合成例を示す。 実施例に記載されている種々の本発明の化合物の合成例を示す。

Claims (17)

  1. 式:
    (I) R1-E
    〔式中、
    R1は、水溶性ポリマーの直線状または分枝状残基であり;
    Eは、
    Figure 2005512991
    {ここで、
    D1は、-SH含有成分の残基であり;
    (AA)は、アミノ酸残基であり;
    E1は、
    Figure 2005512991
    であり;
    E2およびE3は、独立して、H、E1、または
    Figure 2005512991
    であり;
    Y1、Y2、およびY3は、独立して、O、S、またはNR7であり;
    X1およびX2は、独立して、OHまたはEであり;
    R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、およびR11は、独立して、H、C1〜6アルキル、C3〜12分枝状アルキル、C3〜8シクロアルキル、C1〜6置換アルキル、C3〜8置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、C1〜6ヘテロアルキル、置換C1〜6ヘテロアルキル、C1〜6アルコキシ、フェノキシ、およびC1〜6ヘテロアルコキシよりなる群から選択され;
    nは、ゼロまたは正の整数であり;そして
    pは、ゼロまたは正の整数である}
    である〕
    を含む化合物。
  2. R1が、水素、NH2、OH、CO2H、C1〜6部分、および
    (I') E'-
    〔式中、
    E'は、E、
    Figure 2005512991
    {ここで、
    D1'は、-SH含有成分の残基であり;
    (AA)'は、アミノ酸残基であり;
    E1'は、
    Figure 2005512991
    であり;
    E2'およびE3'は、独立して、H、E1'、または
    Figure 2005512991
    であり;
    Y1'、Y2'、およびY3'は、独立して、O、S、またはNR7'であり;
    X1'およびX2'は、独立して、OHまたはEであり;
    R2'、R3'、R4'、R5'、R6'、R7'、R8'、R9'、R10'、およびR11'は、独立して、H、C1〜6アルキル、C3〜12分枝状アルキル、C3〜8シクロアルキル、C1〜6置換アルキル、C3〜8置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、C1〜6ヘテロアルキル、置換C1〜6ヘテロアルキル、C1〜6アルコキシ、フェノキシ、およびC1〜6ヘテロアルコキシよりなる群から選択され;
    n'は、ゼロまたは正の整数であり;そして
    p'は、ゼロまたは正の整数である}
    である〕
    よりなる群から選択されるキャッピング基Zをさらに含む、請求項1に記載の化合物。
  3. 式:
    E'-R1-E
    で示される、請求項2に記載の化合物。
  4. n、n'、p、およびp'が、独立して、ゼロ、1、または2である、請求項2に記載の化合物。
  5. R2およびR3が両方ともHであり、nおよびpが両方とも2であり、Y1がOであり、そしてE1およびR6の両方がHである、請求項1に記載の化合物。
  6. R1がポリアルキレンオキシド残基を含む、請求項1に記載の化合物。
  7. R1がポリエチレングリコール残基を含む、請求項6に記載の化合物。
  8. R1が、
    -C(=Y4)-(CH2)t-O-(CH2CH2O)x-A、
    -C(=Y4)-Y5-(CH2)t-O-(CH2CH2O)x-A、
    -C(=Y4)-NR14-(CH2)t-O-(CH2CH2O)x-A、
    -(CR15R16)e-O-(CH2)t-O-(CH2CH2O)x-A、
    -NR14-(CH2)t-O-(CH2CH2O)x-A、
    -C(=Y4)-(CH2)t-O-(CH2CH2O)x-(CH2)t-C(=Y4)-、
    -C(=Y4)-Y5-(CH2)t-O-(CH2CH2O)x-(CH2)t-Y5-C(=Y4)-、
    -C(=Y4)-NR14-(CH2)t-O-(CH2CH2O)x-(CH2)t-NR14-C(=Y4)-、
    -(CR15R16)e-O-(CH2)t-O-(CH2CH2O)x-(CH2)t-O-(CR15R16)e-、または
    -NR14-(CH2)t-O-(CH2CH2O)x-(CH2)t-NR14-
    〔式中、
    xは、重合度であり;
    R14、R15、およびR16は、独立して、H、C1〜6アルキル、C3〜12分枝状アルキル、C3〜8シクロアルキル、C1〜6置換アルキル、C3〜8置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、C1〜6ヘテロアルキル、置換C1〜6ヘテロアルキル、C1〜6アルコキシ、フェノキシ、およびC1〜6ヘテロアルコキシよりなる群から選択され;
    eおよびtは、独立して、ゼロ、1、または2であり;
    Y4およびY5は、独立して、O、S、またはNR12であり;そして
    Aは、キャッピング基である〕
    である、請求項1に記載の化合物。
  9. Aが、H、NH2、OH、CO2H、およびC1〜6アルキルよりなる群から選択される、請求項8に記載の化合物。
  10. R1が、-O-(CH2CH2O)であり、そしてxが、その重量平均分子量が少なくとも約20,000であるという条件を満たす正の整数である、請求項8に記載の化合物。
  11. R1が、約20,000〜約100,000の重量平均分子量を有する、請求項10に記載の化合物。
  12. R1が、約25,000〜約60,000の重量平均分子量を有する、請求項11に記載の化合物。
  13. D1およびD1'が、独立して選択されるSH含有成分の残基である、請求項1に記載の化合物。
  14. 前記SH含有成分が、1-β-D-リボフラノシル、1-β-D-アラビノフラノシル、ペニシラミン、2-チオウラシル、カプトプリル、チオプロニン、バソプレシン、デアミノオキシトシン、チオペンタールナトリウム、および
    Figure 2005512991
    〔式中、
    R12は、H、C1〜6アルキル、アルコキシ、または式:
    Figure 2005512991
    {ここで、R21〜25は、独立して、アルコキシ、OR19、H、OH、N3、NHR20、NO2、CN、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードよりなる群から選択され、R19〜20は、独立して、水素、C1〜6アルキル、C3〜12分枝状アルキル、C3〜8シクロアルキル、C1〜6置換アルキル、C3〜8置換シクロアルキル、アリール、ハロ、置換アリール、アラルキル、C1〜6ヘテロアルキル、および置換C1〜6ヘテロアルキルよりなる群から選択される}
    で示される炭水化物であり;
    R13は、HまたはNH2であり;そして
    X3は、CHまたはNである〕
    よりなる群から選択される、請求項13に記載の化合物。
  15. Figure 2005512991
    Figure 2005512991
    Figure 2005512991
    Figure 2005512991
    〔式中、
    R1は、水溶性ポリマーの直線状または分枝状残基であり、そして
    D1およびD1'は、-SH含有成分の残基である〕
    よりなる群から選択される、請求項3に記載の化合物。
  16. D1が生物学的活性成分の残基である有効量の請求項1に記載の化合物を処置の必要な哺乳動物に投与すること、
    を含む、処置方法。
  17. D1およびD1'が生物学的活性成分の残基である有効量の請求項3に記載の化合物を処置の必要な哺乳動物に投与することを含む、処置方法。
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