JP2005512942A - 酸化反応器の生産能力の増大方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、パラキシレンの触媒液相酸化において、酸化反応を、最初の高圧、高溶媒比反応ゾーンとそれに続く従来型反応器による反応に多段化することによって、従来型酸化反応器の生産能力を増大させる方法に関する。

Description

本発明は商業規模の酸化反応器の定格生産能力を増大させる方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、パラキシレンの触媒液相酸化によってテレフタル酸を製造する商業規模反応器のボトルネックを解消する方法である。
テレフタル酸は実質的に全てパラキシレンの触媒液相空気酸化によって商業規模で生産されている。商業的プロセスでは溶媒として酢酸を、触媒として多価重金属を使用する。コバルトやマンガンは最も広く使われている重金属触媒であり、臭素はプロセスの中で再生可能なフリーラジカル源として用いられている。
酢酸、空気(分子状酸素)、パラキシレンおよび触媒は、温度175〜225℃、圧力1000〜3000kPa(すなわち10〜30atm)に設定された逆混合型酸化反応器に連続的に供給される。供給液の酢酸:パラキシレンの比は典型的には5:1未満である。空気は、着色生成物などの望ましくない副生物の生成を最小限に抑えるため、パラキシレンを完全にテレフタル酸に転換するのに必要な量論酸素量よりも過剰に反応器に供給される。酸化は発熱反応であるので、酢酸溶媒の蒸発によって反応器から熱を除去する。その蒸気は凝縮され、凝縮液の大部分は反応器に還流されるが、一部は反応系の水(1モルのパラキシレンがテレフタル酸に変わると2モルの水が生成される)の濃度を調節するために抜き出される。典型的な反応器内滞留時間は、プロセスによって異なるが、典型的には30分から2時間である。酸化反応器の運転条件、例えば、温度、触媒濃度および滞留時間によっては、溶媒と前駆物質にかなりの劣化が見られ、これがプロセスの運転コストを増大させることがある。
酸化反応器からの流出物、すなわち反応生成物は、酢酸中の粗テレフタル酸(TA)結晶のスラリーである。粗TA中の不純物には、望ましくない着色生成物の他にもp−トルアルデヒドやp−トルイル酸が含まれるが、量的に多くて望ましくない不純物は、パラキシレンの不十分な酸化に由来する4−カルボキシ−ベンズアルデヒド(4−CBA)である。粗テレフタル酸結晶のスラリーは、確立された方法で引き続き処理(例えば、後酸化および/または水素化による精製)され、回収される(例えば、ろ過、洗浄および乾燥により)。
本発明は、酸化反応器系の処理能力を増大させること、すなわち反応器系の「ボトルネック」を解消することによって、従来のテレフタル酸製造プロセスの生産能力を最大100%まで増大させることができる、信頼性が高くかつ実施容易な方法を提供する。本発明においては、第1反応ゾーンすなわち第1反応器の後に第2反応ゾーンすなわち現存の従来型反応器を設けることにより酸化反応を効果的に段階化し、これによりボトルネックを解消する。
この出願は、現在係属している、2000年1月12日に出願された米国特許出願第09/481,811号、2001年1月10日に出願された米国特許出願第09/757,455号および2001年1月10日に出願された米国特許出願第09/757,458号による優先権の利益を主張する。
本発明は、パラキシレンの触媒液相酸化用反応器の生産能力を増大させるための方法である。この方法は、従来型反応器の上流に第1反応ゾーンすなわち第1反応器を設置し、適切な溶媒すなわち酢酸を含む反応物質を、まず、溶媒比(すなわち、酢酸:パラキシレン質量比)と酸素消費量が、生成するテレフタル酸が溶液中に維持されるように制御されている高圧反の第1反応ゾーンに供給し、次いで、生成液状物を、第2、すなわち、従来型酸化応ゾーンに供給することによって達成される。
この方法は、
(a)圧力が少なくとも約2,000kPaから20,000kPaまでの範囲で、酢酸および酸化触媒を含む供給流を形成する工程、
(b)前記供給流に酸素を添加する工程、
(c)(1)前記酸素添加した供給流と(2)パラキシレンとを第1反応ゾーンへ同時にかつ連続的に供給し、酢酸:パラキシレン質量比が10〜20:1の範囲にある反応媒体を生成する工程、
(d)前記第1反応ゾーンの反応媒体における酸素消費量を、パラキシレンからテレフタル酸への完全転換に必要な酸素量の50%未満に制限する工程、および、
(e)前記反応媒体を、第2反応ゾーン、すなわち現存する従来型反応器へ供給すると同時に前記反応媒体の圧力を、1,000kPaから2,000kPa未満の範囲にまで低減する工程
を有する。
第2反応ゾーンで生成したテレフタル酸は、典型的にはテレフタル酸の結晶スラリーであり、適当な方法を用いて続いて処理され回収される。
経済性とプロセスの運転性の点で、酢酸:パラキシレン質量比は13〜16:1であることが好ましい。大量のTAが生成されて固体として析出するのを防ぐために、第1反応ゾーンでの酸素消費量を、パラキシレンからテレフタル酸への完全転換に必要な酸素量の50%未満に制限する。好ましい酸素消費量は、パラキシレンからテレフタル酸への完全転換に必要な酸素量の30〜40%である。
第1反応ゾーンでの酸素消費量は、(i)酸素供給を所定の範囲内に維持する方法、(ii)触媒濃度を所定の範囲内に維持する方法、(iii)第1反応ゾーンにおける滞留時間(反応器内の液体の体積を反応器への供給速度で除した値で定義される)を約6分未満、好ましくは4分未満に制限する方法、および(iv)第1反応ゾーン出口での温度が約210℃未満となるよう、反応媒体から熱を適宜除去、つまり冷却する方法の、一つまたはそれ以上の方法で制御する。
本発明の好ましい実施態様によれば、酸素は酢酸と酸化触媒を含む供給流に直接溶解され、この酸素化された供給流がパラキシレンと同時に連続的に栓流型反応ゾーンである第1酸化反応ゾーンに供給される。第1反応ゾーンに流入すると、直ちにパラキシレンは酸素添加された酢酸と完全に混合され、反応を開始する。第1反応ゾーンの酸素供給量、触媒濃度、滞留時間および必要に応じて温度を調節することによって、そこでの酸素消費量を、存在するパラキシレンを完全にテレフタル酸に転換するために必要な酸素量の50%未満に制御する、すなわち制限することができる。第1反応ゾーンで生成された反応媒体は、次いで、第2の従来型の現存する反応器に供給される。
本発明は、酢酸溶媒の存在下でパラキシレンの液相触媒酸化を行うとき、商業規模での酸化反応を第1の高圧、高溶媒比の反応ゾーンの後段に第2の従来型の反応ゾーンを置くことによって効果的に段階化することができ、その結果、プロセスの処理能力、効率および製品の品質を大幅に改善することができるという発見に基づいている。本発明は、特に、従来型の酸化反応器の能力増大に、すなわち商業的に稼動している生産設備のボトルネック解消に適用することができる。その場合、第1反応ゾーンは従来型反応器の上流に設置され、段階化システムからの産出は最大70%の増加が可能であって、もし、このシステムでなければ、新しいおよび/またはより大きなおよび/または再設計された従来型反応器が必要となるが、そのような資本投下の必要はない。
本発明の好ましい実施態様によれば、第1反応ゾーンは栓流型反応器である。この「栓流型反応器」という用語は、ここでは、チューブすなわち管路内を反応物が流れるときに半径方向の完全な混合が急速に起こるような、一般的には伸張した、つまりチューブ状の反応場を意味する。しかし、本発明では、栓流型反応ゾーンに近似するいかなる反応器形状をも含むものとする。本発明の他の実施態様によれば、第1反応器は、逆混合型反応器のような激しい混合を伴う反応器、例えば、攪拌槽型や気泡塔型反応器のようなものであってもよい。本発明の第1反応ゾーンの特徴とする反応器では全て、酸素は基本的に純粋な気体酸素として供給される。第1反応ゾーンは、また、10〜20:1の比較的高い酢酸:パラキシレン質量比であること、および、例えば少なくとも2,000kPaから20,000kPaの範囲という比較的高い圧力であることを特徴としている。第1反応器の運転圧は、第1反応ゾーンに気相が存在しないよう、すなわち第1反応ゾーンが非沸騰状態となるよう設定される。第1反応ゾーンは必要に応じて冷却され、出口において210℃未満の温度となるよう反応媒体の温度を制限する。
このプロセスは、均一系でも不均一系でもよいが、酸化触媒系の存在下で行われる。一般には均一系触媒が使われ、例えばコバルト化合物、マンガン化合物および/またはジルコニウム化合物のような一種以上の重金属化合物から選択される。また、通常、触媒は臭素などの酸化促進剤を含む。触媒金属と酸化促進剤の大部分は、プロセスを通じて溶液中に残留するので、生成物を回収した後、これらを溶液として回収し、新しく調製した触媒と混合してリサイクルする。
第1反応ゾーンに供給される供給流は、典型的な酸化触媒成分(例えばCo、Mn、Brなど)を含有しているが、生成物回収部からリサイクルされる母液の触媒濃度に比べると、約3〜5倍に希釈されている。触媒濃度は、その後、第2反応ゾーンにおいて溶媒が上部空間へ揮散するので、従来型触媒濃度レベルにまで高められる。第1反応ゾーンの全金属触媒濃度は、典型的には、150〜1,000重量ppmの範囲にあり、第2反応ゾーンの触媒金属濃度は、典型的には、500〜3,000重量ppmの範囲にある。Co−Mn系金属触媒を使用したとき、水の濃度によっては第1反応ゾーンの全触媒金属濃度が200重量ppm超で、満足できる活性および選択性が得られている。しかし、第1反応ゾーンの全金属濃度は、250重量ppmより大きいことが好ましい。
酸化反応は、大きな発熱反応である。反応を冷却する手段が設けられていない場合、第1反応器の溶媒比および酸素消費量によっては、反応熱で反応媒体の温度が210℃を超えることがある。酢酸の劣化(burn)を最小限に抑えるためには、第1反応器の出口温度を210℃未満とすることが望ましい。したがって第1反応ゾーンには、反応器(および反応媒体)から熱を十分に除き、反応媒体の出口温度を210℃未満に制御するために、冷却管または他の内部もしくは外部手段を設けてもよい。
温度や、触媒濃度、反応器滞留時間を制御することによって、また第1反応ゾーンへの酸素供給量を所定の範囲に維持することによって、反応媒体の酸素消費量を、存在するパラキシレンを完全にテレフタル酸に転換するのに必要な酸素量の50%未満に制限することができる。
第1反応ゾーンにおいて、固体のテレフタル酸(TA)が冷却面に析出するのを防ぐことは極めて重要である。TAの生成は酸素消費量を制限することで抑制することができ、また、第1反応ゾーンにおけるTAの析出は、反応媒体の高い酢酸:パラキシレン比を維持するとともに、適切な冷却液(例えば、沸騰水)と、反応媒体の如何なる場所にもコールドスポットが生じないような冷却手段を選択することによって防ぐことができる。
反応媒体が第1反応ゾーンを出て、現存の従来型酸化反応器に供給されると同時に、反応媒体の圧力が下げられる。従来型反応器は典型的には攪拌槽型反応器であるが、例えば気泡塔型反応器であってもよい。減圧は、反応器の周辺に設置された一つまたは複数の減圧弁に反応媒体を通すことにより行うことができる。反応媒体が第2反応器に入って速やかに分散したとき最良の結果が得られている。速やかな分散は、従来型反応器にパラキシレンを含む供給液を分散させるために確立されている方法で行うことができる。例えば攪拌槽型反応器では、反応媒体を反応器の液面下、攪拌翼からの液流の近傍に注入する。気泡塔型反応器では、反応媒体を空気供給位置の近くに注入することによって、反応媒体を急速に分散させることができる。
次に、図面について説明する。図1は本発明の好ましい実施態様の反応系を示す概略図である。
本発明においては、最初に酢酸、水および酸化触媒を含む供給流10を形成する。実際には、供給流は(i)リサイクルされた酢酸、リサイクルされた母液および触媒、ライン11、(ii)第2反応器からの凝縮液、ライン12、並びに(iii)新たに調合した酢酸、ライン13の混合物からなる。この混合供給流は典型的な触媒成分(例えばCo、Mn、Br)を含むが、従来型の酸化反応器内でのそれぞれの濃度に比べれば、希釈されている。図示されていないが、第1反応ゾーンの触媒濃度は、プロセスの別の場所からリサイクルされてきた触媒を含む母液、ライン11、の一部を直接、第2反応器20に供給することによって調節してもよい。
混合供給流10の温度は、それを構成する種々の成分の温度に基づき、一般には130〜160℃の範囲にある。130〜160℃の範囲の温度は、酸化反応を開始するのに十分な温度であることがわかっている。
混合流10は、適当なポンピング手段14で少なくとも2,000kPaに、一般にはこの値を超える圧力に、加圧される。圧力は、ライン17aから導入される全ての気体状酸素が、図示されているように、第1反応器30の上流で、供給流に容易に溶解するような値に設定される。溶解した酸素を含む供給流は、その後、連続的に栓流型反応器30に供給され、同時にパラキシレンがライン31から供給されて反応が始まる。パラキシレンは、酢酸溶媒と予め混合してライン31から供給するようにしてもよい。
一般には、全パラキシレンを第1反応器30に供給することが好ましいが、供給パラキシレンの一部を直接、第2反応器20にバイパスさせることも、本発明の範囲に含まれる。パラキシレン供給31の一部を直接、第2反応器20に供給した場合、第1反応器内の反応媒体の溶媒:パラキシレン質量比は、第1反応器をバイパスして供給されるパラキシレンの量に応じて増加し、結果として質量比は80:1から100:1の範囲、あるいは、それよりさらに高い値に達することもある。
混合供給流中の溶解酸素濃度を最大3.0重量%とするために、適当なインライン混合装置33を使用して分子状酸素を混合供給流に溶解させる。混合装置33は、供給流に直接酸素を供給するように設置されたインラインノズルであってもよい。また、混合を促進するために、インライン静的ミキサ(図示なし)を、第1反応器の上流側に設置してもよい。
本発明によれば、酸素の導入を段階的に、すなわち、第1反応ゾーン30の長さ方向に複数の位置で、行うことも可能である。酸素の導入を段階化することによって、最大局所溶解酸素濃度は減少し、そのため反応器の運転圧力を低減することができる。反応器運転圧力の低減によって、反応器、供給ポンプ、酸素コンプレッサおよび付属設備のコストも低減される。
栓流型反応ゾーン30内の反応媒体の滞留時間は、比較的短く、6分未満である。
図1に示す反応器30は多管式である。反応媒体は管内を流れ、冷却液、例えば加圧水(PW)は胴側に導入され、沸騰し蒸気(S)となって排出される。冷却水系に不純物/残留物が蓄積しないように、少量の水のパージ(ボイラーブローダウン、BB)がなされる。
第1反応器30の出口における反応媒体の温度は、生成する蒸気の圧力を制御することによって、蒸気の温度を制御し、それによって約210℃未満に抑えられる。本発明について説明したように、プロセスのパラメータを調整することにより、第1反応ゾーンにおける反応媒体内の酸素消費量を、パラキシレンを完全にTAに転換するのに必要な酸素量の50%未満に制限することができる。したがって、パラキシレンはまず第1反応器30においてp−トルアルデヒド、p−トルイル酸、4−CBAなどのTAの中間生成物に転換される。前述したプロセス条件では、第1反応器において、固体TAが生成されることはない。
図1には多管式反応器が示されているが、反応器30は、適宜熱の除去が可能な設備や適宜多段に酸素注入し得る設備を備えた反応器であってもよい。例えば、反応器は、多数の管状通路を有し、これらの各通路の上流側で反応媒体に適宜酸素を注入するようなものであってもよい。また、反応器の上流側および/または反応器内に酸素を注入する単冷却式または非冷却(断熱)式の攪拌槽型反応器であってもよい。また、冷却式または非冷却式攪拌槽型反応器を複数連結したものであって、各反応器の上流側および/または各反応器内に酸素を注入するものであってもよい。さらに、図2に示すような、例えば、ポンプにより循環ループが形成され、このループに酸素が注入されるとともに、ループから適宜熱を除去することができるような、逆混合型反応器の使用も可能である。
栓流型第1反応器30を出た反応媒体は、ライン19によって第2反応器すなわち酸化ゾーン20に導入されるが、この反応器は、図示されているように、現状プロセスの従来型連続攪拌槽型反応器で、ボトルネック解消の対象となっているものである。供給と同時に、反応媒体の圧力は1,000kPaから2,000kPa未満の範囲にまで減圧される。減圧は、反応器20の周辺に設置されている一つまたは複数の減圧弁またはノズル21に反応媒体を通すことによって行われ、反応媒体は、反応器内の液面下、攪拌翼の部分に注入されることによって急速に分散する。反応器20内のプロセス条件、すなわち温度、圧力、触媒濃度および滞留時間は従来からの範囲内であるが、酸化強度を低減させたことにより酸素消費量は減少する。
新しい空気または酸素含有ガスが、ライン22aから第2反応器20に導入され、適当な方法で急速に分散させられる。
反応器20内では、TAが析出してスラリーを生成しており、適当な方法で、反応器系からライン23を介してTAを回収する。いくらかの酢酸と水を含有する反応器20の上部の蒸気は、凝縮器24で凝縮され、その大部分は供給流の調製用としてライン12により第1反応器30に戻され、リサイクルされる。酢酸と水の凝縮液の一部(いわゆる水の抜き出し)は、溶媒脱水系に導かれ生成水が除去される。図示していないが、必要に応じて凝縮液の一部を、還流釣り索(slinger)により反応器20の上部空間に戻したり、別の供給ラインからあるいは既にある供給流のライン19に混合することによって、反応器20の反応ゾーンに戻したりしてもよい。
本発明は、TA酸化反応を多段化するための経済的かつ信頼性の高い方法を提供するものであり、これにより、テレフタル酸の商業的製造プロセスでよく使われている従来型の一段式酸化反応器の生産能力を最大100%増加させることができる。
本発明の好ましい実施態様を示す概略図である。 図1に示す工程図に代わる概略図であり、逆混合反応器が示されている。

Claims (4)

  1. パラキシレンをテレフタル酸へ触媒液相空気酸化する従来型酸化反応器の生産能力を増大させる方法であって、
    (a)2,000kPaから20,000kPaの範囲の高圧下で、酢酸および酸化触媒を含む供給流を形成する工程、
    (b)前記供給流に酸素を添加する工程、
    (c)(1)前記酸素添加した供給流と(2)パラキシレンとを、前記従来型酸化反応器の上流に設けた第1反応ゾーンへ同時にかつ連続的に供給し、酢酸:パラキシレン質量比が10〜20:1の範囲にあって、反応生成物が形成されるときに該反応生成物が溶液中に維持される反応媒体を生成する工程、
    (d)前記第1反応ゾーンの反応媒体における酸素消費量を、存在するパラキシレンのテレフタル酸への完全転換に必要な酸素量の50%未満に制限する工程、および、
    (e)前記反応媒体を、前記従来型酸化反応器へ供給すると同時に、反応媒体の圧力を1,000kPaから2,000kPaの範囲に減圧する工程
    を順次行うことにより反応を段階化することを含む方法。
  2. 前記第1反応ゾーンは、栓流型反応器または逆混合型反応器である請求項1のプロセス。
  3. (a)前記従来型酸化反応器に存在する酢酸の一部を蒸発させる工程、
    (b)前記蒸気を反応器の上部空間から除去する工程、
    (c)前記蒸気を凝縮する工程、および
    (d)前記凝縮液の一部または全部を前記供給流にリサイクルする工程
    をさらに含む請求項2のプロセス。
  4. パラキシレン供給の一部を第1反応ゾーンから前記従来型反応器に分配し、それによって、第1反応ゾーンにおける反応媒体の溶媒:パラキシレン質量比が、第1反応器をバイパスして供給されるパラキシレンの量に応じて増加して25:1を超える工程をさらに含む請求項1または3に記載のプロセス。


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