JP2005512054A - 呼気試験 - Google Patents

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Abstract

本発明は、小腸の内膜を横切る運搬のために刷子縁酵素による変換が必要とされる適当な標識被験基質を摂取した、哺乳動物またはヒトにおける小腸の内膜の状態を評価する方法を提供する。適当な基質は、スクロースおよびマルトースを含む。これらの運搬は、期間後に呼気中に排出される二酸化炭素中に存在する標識の量を評価することによって非常に簡便に測定することができる。この方法は、化学療法誘発性粘膜炎および感染性原因の胃腸炎、による損傷を評価するための利用法を有することが分かった。

Description

発明の詳細な説明
(技術分野)
本発明は小腸の状態を評価するための診断試験に関するものであり、より具体的にはそれを行なうための呼気試験の使用に関する。
(背景技術)
小腸の内膜は、個体の健康および幸福において特に重要な役割を果たしている。そのものは、ヒトの身体における栄養素の取り込みのための主な界面である。大部分のエネルギー取り込みは、小腸に在る刷子縁(brush border)による。該刷子縁の表面積は、腸管内腔中に隆起する絨毛として知られる構造によって最大となる。
重篤な健康の結果(ramification)は、例えば減少する絨毛の同化作用のためにあるいは刷子縁に在る腸細胞に対する損傷のために、該刷子縁の機能上の表面積が有意に減少すれば、起こり得る。
小腸管に対する損傷は、多数の様式で起こり得る。例えば、損傷は、病原または疾患(例えば、クーロン病、腹腔疾患および糖尿病)による感染から生じ得る。あるいは、様々な処置が、例えば殺菌剤(例えば、ある抗生物質)の使用によるか、またはより一般的にはそれらの速く分裂する性質の結果として特に後の2つの傾向がある腸細胞への抗癌処置の適用によって、損傷を引き起こし得る。
腸細胞の損傷の大きさは、例えば企図する処置の大きさを変えることによったり、または対症薬物を投与することによって、上記疾患のいずれかについて調節することができる。それらの治療行為は現在、刷子縁の障害から生じる生理学的な症状の出現までは、とられていない。多くの場合、問題の被験者は既にかなりのストレスの下にあるので、できるだけ早く、より特にそれら不全の発症前に、それらの潜在的な不全に取り組むことが非常に望まれる。従って、このことはそれらの不全の予測となり得る適当な診断方法を必要とする。
現在、小腸の損傷および機能不全の最終的な診断のために使用される方法は、小腸のバイオプシーの生化学的な分析および組織学的な分析による。これらの方法の大きな欠点は、(a)バイオプシーを行なう際の侵襲性、および(b)酵素活性と小さい標本部位から全小腸までの腸に対する損傷との情報の外挿である。後者は、小腸に影響を及ぼす疾患は全般にわたって均一な応答を生じると仮定しているが、しかしながら、多数の疾患は本来限局的であることが知られる。この方法は、繰り返し方式に基づいて行なうには、全く非実用的である。
呼気水素試験(Breath hydrogen tests)は小腸の消化不良の基準として採用され、そしてそのものは小腸に対する損傷を評価するための別方法である。呼気水素は、小腸内で吸収不良である発酵性物質から生じ、そして大腸中に存在するミクロフローラによる発酵のために結腸に供される。従って、小腸の表面積の減少または酵素活性の低下は、結腸までの消化性糖(例えば、スクロース)の通過および続くH産生を生じ、このことは小腸にとって問題であることを示している。しかしながら、該試験は水素産生細菌が結腸中に存在する場合には、唯一適当である。大腸中に常在する水素産生細菌を有しない有意な割合のヒトおよび動物の個体群(これは、20%までと見積もられている)が存在すると考えられている。次いで、これにより、偽陰性(false negatives)の可能性が生まれる。加えて、該試験は定性的なだけであって、従って存在する損傷または機能不全の大きさの見積もりを与えない。これらは、呼気水素試験の臨床的な有用性の大きな限界である。
小腸の完全性(integrity)の評価が可能である第3の試験は、糖吸収試験(SAT)である。該SATは、尿中のある糖(例えば、ラクツロース、ラムノースおよびスクロース)の出現量を測定する。これらは、損傷した小腸内膜の指標である。SATは現在、小腸の内膜の完全性の基準として腸透過度を評価するために限られた様式で使用されている。これらの試験は非侵襲的であるという利点を与えるが、それらは小腸の構造および機能におけるある特定の構成成分(これは、胃腸管の内容物を全身系から分離するために不透過性バリヤーを保つ能力である)について試験するのみである。SATの大きな欠点は、(a)診断的な特異性が低いこと、(b)若年において試験を行なうことの困難さ、および(c)摂取プローブの尿中排泄の分析は実施することが困難である複雑な多段階プロトコールを含むこと、である。
(発明の概要)
ある具体的な態様において、本発明は哺乳動物またはヒトの小腸の内膜の状態を評価する方法に関し、好ましくは
該哺乳動物またはヒトの絶食期間を許容し、
最初の呼気標本を採取し、
指標酵素の許容され得る標識被験基質を投与し(ここで、該指標酵素は小腸に在る腸細胞の刷子縁上で特異的に発現する)、
該指標酵素は実質的に全ての哺乳動物またはヒトの個体群の要素中で恒常的に発現したりおよび存在し、
該標識被験基質を投与後に、1つ以上の更なる呼気標本を採取し、
該呼気標本中の標識二酸化炭素のレベルを確認し、そして、
該被験基質の摂取後の標識二酸化炭素の変化を算出する、
方法、に関すると言うことができる。
該指標酵素は二糖類分解酵素であることが好ましく、特にスクラーゼであり得て、このものは全ての正常な個体の腸細胞上で恒常的であってそして発現する。このための被験基質は、標識スクロースである。その存在をアッセイして上記欠損の指標を得ることができる更なる指標酵素は、マルターゼである。この場合の被験基質は、標識マルトースである。スクロース−イソマルターゼ欠乏症として知られる欠乏症を有するヒト個体群のうちの非常に小さい(0.2%)個体群が存在し、本発明の本形態はこの疾患を検出するのに使用することができるが、そこでは使用することはできない。例えば、更にラクトースと異なって、上記の2つの指標酵素は非コーカサス人であるサブ個体群における活性を劇的にカットオフしない。該指標酵素の別の側面は、活性が小腸内でのみ実質的に曝露され、従って小腸の完全性(integrity)または活性を具体的に評価するという利点を有することである。本発明は上記の2つの二糖類分解酵素の活性を評価するために必ずしも限られるものではなく、また上記と同じ性質を有する他の指標酵素にも関係し得ると理解されるであろう。しかしながら、本発明は、スクロースを本目的に使用することができ、そしてそれを行なうことは信頼できることであることを非常に具体的に示す。少なくともマルトースはまた、その目的のために信頼できると想到される。
別の広い態様において、本発明は哺乳動物またはヒトの小腸の内膜の状態を評価する方法であって、
最初の呼気標本を採取し、
許容され得る標識被験基質を投与し(ここで、該被験基質はスクロースおよびマルトースからなる群から選ばれる)、
該標識被験基質を投与後に、1つ以上の更なる呼気標本を採取し、
該呼気標本中の標識二酸化炭素のレベルを確認し、
該被験基質の摂取後の標識二酸化炭素の変化を算出し、そして、
該変化を標準と比較して、該評価を行なう、
方法に関すると述べることができる。
該被験基質の1つ以上の原子を標識化して、その結果二酸化炭素(CO)がこれらの標識原子を含むように生成することができる。従って、該標識原子が炭素または酸素のいずれかであり得ることは容易に明らかであろう。多数の公知の標識を使用することができる。最も都合の良い標識は、最も一般的な同位体(ここで、該最も一般的な同位体は、12Cおよび16Oである)以外の同位体の使用であり得る。該基質は摂取されるので、使用する該同位体は、低いエネルギーを放出するかもしくは放射線を放出しない(最も好ましくは全くない)ものが好ましく、その理由で13Cは好ましい選択物である。13Cは安定な同位体であって、そしてこのものは、合成的に製造する13C−スクロースの添加を必要としない十分な高レベルで特定の植物中で産生されるスクロース中に存在する。他の酵素を測定したり、および13Cマルトースもしくは他の基質を測定する場合には、該標識同位体を合成的に製造する必要があり得ると理解される。加えて、より強いシグナルを放出するために、ある合成スクロースを天然スクロースに加えることができる。
使用することができる他の同位体としては、14Cを含む。14Cは他の呼気試験分析において使用され、そしてこのものは多数の個体にとって通常安全であると考えられるが、通常、若い子供および子供を生む年齢の女性においては使用されない。使用される別の一般的な形態の放射性同位体は、l8Oである。
標識化合物の他の使用の場合と同様に、標識の大きさは自然に生じる大きさと測定可能なだけ相違するので十分であると理解される。13C−スクロースの場合、その存在量は、例えばショ糖では約11〜12原子%であり、そして測定可能な結果は合理的な量のスクロースの摂取後に達成することができる。スクロースの比活性がより高い場合には、多くの量を摂取する必要はあり得ない。当然に、該必要とされる比活性は調節することができて、都合の良い結果を与えるレベルを経験的に見出すことができる。
原子の標識化の他の形態をまた使用することができ、そして本発明はそれら標識化を包含することができる。
試験する哺乳動物またはヒトは、該標識基質の摂取前のある期間中、絶食させることが好ましい。これは、おそらく8時間の終夜の絶食、またはおそらく2もしくは3時間の別の期間であり得る。絶食の目的は、該試験にある大きさの一貫性を持たせることであり、あるいは例えばそれ以外で摂取した物質が酵素活性において該被験基質と競合しないこと、または別に該試験を有意に妨害する他の因子(例えば、該被験基質に対して指標酵素と競合し得る他の酵素の誘発)が存在し得ることを確認することである。
呼気標本は、該被験基質を投与する前に採取する。このことは、非標識COに対する標識CO(例えば、12COに対する13CO)の基底レベルを確認するためである。次いで、これを用いて、該被験基質を投与後に変動を比較する。天然のバックグラウンドのために、例えば13COレベルが哺乳動物またはヒトの呼気に存在するであろう。従って、本発明の方法は、該レベルを超える増加分を測定する。しかしながら、コントロール呼気標本を摂取する必要が全くなかったり、および該被験基質の摂取後に1つ以上の呼気標本を損傷の指標となる適当な絶対レベルの13COに対して試験することができることがあり得る。
該呼気標本は、いずれかの公知の方法によって採取することができ、そしてこのものは、容器、ガラスチューブまたは膨張性(inflatable)袋中に吹き込む程度の簡単なものであり得る。該標本を動物から採取する場合には、より複雑な準備(arrangements)が必要とされ得る。収集は通常、デッドスペースからの空気の収集を避けることを含み、従ってヒトの場合には、最初の約150mLは通常収集されないと理解される。
次いで、該標本を、該呼気中の標識COの相対量について試験する。これらを試験するために使用する方法は、非標識物質と比較して標識物質の量を試験するのに適当ないずれかの方法であり得る。
該標識COについて測定するために、内部標準を供することが望ましい。非常に都合がよい形態において、内部標準は非標識COを測定するためでもあり得る。従って、13COの場合に、同位体比質量分析計を用いて、12COに対する13COの比率を測定し、そしてその比率のどんな変化をも記録する。
損傷を検出することができる時間経過は経験的にチェックし、そしてスクロース溶液の摂取の約45分後から、該摂取の約2〜3時間後までの有意差を見出した。サンプリングの時間は、被験基質を与える際の状態を含めたある範囲の疾患に依存し得る。
例え被験動物またはヒトが損傷した小腸の内膜を有していたとしても標識COの増加を伴う応答が存在し、従ってコントロールの使用または別の標準との比較が非常に望ましいことを見出した。治療行為が必要とされる時期を示すために、COによって測定される指標酵素活性の閾値レベルが経験的に確認されるであろうと予期する。閾値の算出のために、被験者の年齢もしくは体重、または該被験者が患っている疾患を考慮して、調節を行なうことが必要となり得る。
より理解するために、本発明は多数の実施例および図面を引用することによって記載する。
(発明の詳細な記載)
(実施例1)
ラットにおける胃腸炎疾患のメトトレキセートモデル
物質および方法
動物
16の成体雄性スプレーグ・ドーリーラットを、研究の期間中、周囲の温度を25℃で、且つ12時間の明−暗周期でテクニプラスト(Techniplast)社製代謝ケージ中に個別に収容した。8ラット(平均体重は、182.4±2.8g)は、3日間の連続した朝に(すなわち、プロトコールの1、2および3日目)、0.9%塩化ナトリウム中のメトトレキセート(Lederle Laboratories, Baulkliam Hills, NSW, 豪州)(2.5mg/kg)の皮下注射を用いて処置した。ラットは、7日間のプロトコール期間中、18%カゼイン食餌を摂食させ、そして自由に水を与えた。残りの8ラット(平均体重は、211.3±4.8g)は、最も重いものから最も軽いものまでメトトレキセート処置のラットに体重を一致させ、そして該7日間のプロトコールの毎日にそれらのメトトレキセート処置対応物によって同量の18%カゼイン食餌を摂食させた。
13 C−スクロース呼気試験
13C−スクロース呼気試験は、該プロトコールの7日目の朝8時から全てのラットについて行なった。ラットは、標本収集の10分前に、カスタムビルド呼気収集チャンバー(1リットルのパイレックス容器;図1)中に入れた。8分後に該チャンバーを閉じ、そして残りの2分間、人工空気を該チャンバーに入口から供給した。気流は、この2分間の期間中にCOのチャンバーをフラッシュするのに十分とした。呼気標本収集時には、入口および出口にフィットさせた2方向タップを2分間閉じ、ラットによって呼息されたCOを蓄積させた。
呼気標本を、この2分間の期間の最後にシリンジ(20mLのプラスチック;Becton Dickinson, Sandy, Utah, 米国)で取り出し、そして人工空気を該チャンバーに直ちに戻した。13COの分析のために、呼気標本を10mLの真空ガラス管(evacuated glass tube)(Exetainer, Labco Limited, High Wycombe, 英国)にシリンジによって移した。各呼気試験は、終夜(13時間)の絶食および呼気収集チャンバー中での15分間の順化期間後に行なった。3個のベースライン呼気標本の収集後に、ラットに経口胃管内ガバージュ(orogastric gavaging)によって、スクロース溶液(AnalaR, BDH, MERCK Pty Ltd, Victoria, 豪州;一定用量の1g/水mL)(2mL)を経口摂取させた。呼気標本を、その後240分間中、20分間隔で収集した。
殺傷方法および組織収集
ラットを、7日目の午後にCO麻酔下、頚部の脱臼によって犠牲にした。該腹部を正中切開によって開口し、そして該肝臓および胃を切除した。該胃の内容物を、リン酸緩衝生理食塩水(pH 6.0)を用いて十分にフラッシュした。該小腸を氷冷スラブ上に置き、そして3個の切片に分割した。該十二指腸は、胃−十二指腸接合部から十二指腸空腸窩(the ligament of Treitz)までの腸を含有し;十二指腸窩から盲腸までの残りの腸を半分に分割して、同じ長さの空腸および回腸を得た。4cm部を各腸切片から切除し、そしてこのものを液体窒素中で素早く冷蔵し、その後、スクラーゼ活性の測定まで−70℃のフリーザーに移した。各切片の更なる1cmを切除し、そしてこのものをメタカーン(methacarn)固定液中で2時間固定し、70%エタノールに48時間移し、そして組織学的な分析のために、パラフィンワックス中に包埋した(Howarthらによる(1996))。
スクラーゼ活性のインビトロアッセイ
十二指腸、空腸および回腸由来の組織を、ShiraziおよびBeechley(1991)の方法における第1の2工程に従って、スクラーゼ活性のアッセイのために調製した。要するに、二糖類分解酵素を含有する刷子縁膜を、低浸透圧ショックによって単離し、続いて遠心分離を行なった。酵素調製物のアリコート(3×1mL)を、各ラットの十二指腸、空腸および回腸から得た。解凍するまで、アリコートを液体窒素中に保存し、そしてDahlqvist(1968)の方法によってスクラーゼ活性についてアッセイした。このアッセイは、該酵素調製物に公知の量のスクロース(基質)を30分間かけて添加すること、およびグルコースオキシダーゼを用いてこの期間中に遊離するグルコースの量を測定することを含む。次いで、酵素活性は、該酵素調製物のタンパク質濃度に関連した。これは、Bradford(1976)の方法(該方法は、ウシ血清アルブミンの標準曲線を用いて、該標本中のタンパク質の含有量を確認する)によって決定した。結果として、十二指腸、空腸および回腸の刷子縁膜の代表的なスクラーゼ活性は、37℃、pH6.0で加水分解した基質のμmol/タンパク質mg/時間として測定した。
組織学
パラフィンワックス中の組織標本を21μmで横方向に切片し、ヘマトキシリンおよびエオシンを用いて染色して腸粘膜の構造を曝露し、そして光学顕微鏡によって検査した(Howarthらによる1996)。腸損傷の半定量的な組織学的評価を用いて、小腸の3個の切片における損傷重傷度の総スコアを得た。0〜3個の範囲に及ぶ重傷度スコアを11個の組織学的な特徴について割り付け(表1)、従って、該最大重傷度スコア(33)は最も激しい損傷を示す(Howarthらによる1996)。
表1.メトトレキセート誘発性腸損傷についての重傷度スコアを導くのに使用する組織学的なパラメータ
Figure 2005512054
データ分析
全ての統計学的な試験の有意性は、p<0.05で設定した。
呼気 13 CO 分析
呼気標本は、V410データ収集システムを備えた同位体比質量分析計(IRMS;Europa Scientific, ABCA 20/20, Crewe, 英国)によって分析した。呼気標本の同位体質量分析はデルタ値としての結果を表し、このものは炭酸カルシウムの国際予備規格であるPee-Dee Belemnite石灰石(South Carolina, 米国)(Renesらによる(1997))に相対的な標本中の13C/l2Cの比率(千分率)を意味する。呼気13COのベースラインレベルは、スクロースの摂取前に収集した呼気標本のデルタ量を平均化することによって測定した。次いで、13C−スクロース呼気試験からの結果を、間隔サンプリングの期間中、呼気収集の各時点についてのベースラインからの13COレベルの変化(すなわち、ベースラインを超えるデルタ量(delta over baseline:DOB)として算出した。「オーバータイムでの呼気13COレベルの変化」曲線下の面積(AUC)を、台形則:
AUC=Σ[(DOBt1+DOBt2)/2]×(t2−tl)
を用いて算出した。
AUCデータは、平均値±SEMとして提示する。
コントロールラットおよびメトトレキセート処置ラットのAUC間での有意差は、対応のないt−検定によって決定した。
インビトロスクラーゼ活性
スクラーゼ活性をタンパク質(37℃、pH6.0で加水分解した基質μmol/タンパク質mg/時間)に対する比活性として表し、そして平均値±SEMとして提示した。コントロール群またはメトトレキセート処置群のいずれかにおける腸の3個の切片からのスクラーゼ活性を、一元配置分散分析(one-way analysis of variance)およびボンフェローニの多重比較検定(Bonferroni post-hoc test)を用いて比較した。コントロールラットと比較したメトトレキセート処置ラットの十二指腸、空腸および回腸におけるスクラーゼ活性の有意差は、対応のないt−検定を用いて検出した。
組織学
組織学的な重傷度スコアを算出し、そして平均値およびレンジとして提示した。対応のない2群の間のノンパラメトリック・マン・ホイットニー検定(unpaired non-parametric Mann-Whitney two-sample test)を用いて、腸の各切片についてのメトトレキセート処置ラットとコントロールとの重傷度スコアを比較した。
呼気 13 CO およびインビトロスクラーゼ活性の間の関係
ピアソンの偏差積率相関(Pearson's Product-Moment Correlation)を用いて、呼気13COレベル(AUC)と小腸の個々の切片(すなわち、十二指腸、空腸および回腸)のインビトロスクラーゼ活性との間の関係を調べた。加えて、呼気13COレベル(AUC)をまた、全小腸の平均的なスクラーゼの活性(これは、各切片が示す腸の長さに比例した十二指腸、空腸および回腸のスクラーゼ活性を表し、そしてそれら3つの結果をまとめることによって算出した)に相関させた。
結果
13 C−スクロース呼気試験
図2は、プロトコールの7日目でのコントロールラットおよびメトトレキセートラットにおいてスクロース摂取後の240分間にわたって生成する呼気13COレベル(DOB)の増大を比較する。メトトレキセート処置ラットにおいて観察されるAUC(AUC=4.7±0.56)は、コントロールラットのAUC(AUC=15.2±1.2;p<0.001)よりも有意に低かった。
スクラーゼ活性のインビトロアッセイ
スクラーゼ活性(37℃、pH6.0で加水分解した基質(μmol)/タンパク質mg/時間での比活性)は十二指腸および空腸において同程度であり、そしてコントロールラットの回腸においては有意に低かった(p<0.05;図3)。メトトレキセート処置後の7日目には、スクラーゼ活性は、腸の全ての3切片において有意に低下した(p<0.0005)。メトトレキセート処置ラットにおける腸の3切片の間ではスクラーゼ活性の有意差は全くなかった(p>0.05)。
組織学
メトトレキセート処置ラットは、該小腸の全ての3切片においてコントロールラットよりも有意に高い重傷度スコアを示した(p<0.05)(表2)。図4は、メトトレキセートが空腸絨毛構造に及ぼす影響の例を示す。
表2.コントロールラットおよび7日前にメトトレキセート処置したラットに由来の小腸切片の重傷度スコア
Figure 2005512054
値は、11個の独立した組織学的な判定基準(ここで、各パラメータの重傷度を0〜3でスコアした)についてのスクアの合計である。最大の重傷度スコアは33である;これは、損傷の最大の重傷度を示す。データは、平均値(レンジ)として提示する。
は、コントロールの重傷度スコアからの有意差を示す(p<0.05)。
呼気 13 CO およびインビトロスクラーゼ活性の間の関係
十二指腸、空腸、回腸および全腸(これは、全ての3切片由来のデータをプールすることによって導く)のスクラーゼ活性を、13C−スクロース呼気試験の結果(AUC)に相関させた(表3)。小腸におけるスクラーゼ活性レベルおよびスクロース摂取後の呼気13COレベルの間の最も強い関係を、全腸由来のスクラーゼ活性の表現を用いて見出した。
表3.コントロールラットおよびメトトレキセート処置ラットにおいて、天然スクロースの摂取後の小腸スクラーゼ活性および呼気13COレベルの間の関係を示す相関係数
Figure 2005512054
r=±1の相関係数は、2つの間の完全な線形関係を示す。
議論
小腸による13C−基質の消化および吸収、並びに続く肝臓中での該13C−産物の代謝により、呼気中で測定可能な13COの産生を生じる(Koetseらによる1999;Schoellerらによる1980)。ベースラインレベルに対する呼気13COの増大は、小腸による13C−基質の消化および吸収を反映する(Koetseらによる1999;Hieleらによる1988;Macleanらによる1983;Schoellerらによる1980)。
この例の場合に、天然スクロースの摂取後の240分間中に、有意に低レベルの呼気13COが、コントロールラットと比較してメトトレキセート処置ラットによって呼息された。これらの結果は、ラットの小腸に対するメトトレキセート誘発性損傷後に、スクロースの消化および吸収が有意に損なわれたことを示す。
メトトレキセート(DNA合成のインヒビター)(Erdmanらによる1991)は、ラットにおいて広範な小腸粘膜の損傷を引き起こすことが知られている(Vanderhoofらによる1990;Howarthらによる1996;Erdmanらによる1991)。スクロースの摂取後にメトトレキセート処置ラットにおいて観察される低い呼気13COレベルが実際にスクラーゼの低い活性に関連するのかどうかを測定するために、スクラーゼ活性のインビトロアッセイを、十二指腸、空腸および回腸由来の組織について行なった。7日前にメトトレキセートを用いて処置したラットの小腸は、腸の全ての3切片についてコントロール動物と比較して、スクラーゼ活性の有意な低下を示した。コントロールラットおよびメトトレキセート処置ラット由来の腸切片の組織学的な分析は、メトトレキセートがまた検査する各切片において有意な構造上の損傷を誘発することを示した。本研究において観察された小腸の構造およびスクラーゼ活性に及ぼすメトトレキセートの有害な効果は、胃腸粘膜への損傷を誘発する薬物使用のこれまでの研究と一致する(Vanderhoofらによる1990;Ruppinらによる1988;Taminiauらによる1980;Fiedorekらによる1991;Renesらによる1997;Verburgらによる1997)。
強い正の関係が、ラットの小腸に固有のスクラーゼ活性レベルおよびスクロース摂取後の呼気13COレベルの間に存在することが分かった。重要なことに、この関係は、コントロールラットおよびメトトレキセートラット由来のインビトロスクラーゼアッセイのデータが個々の切片についてよりも全小腸の代表例である場合に、最も強かった。現実的には局所的な小腸のパラメータのみを測定する小腸バイオプシーの結果(Permanらによる1978;Lembckeらによる1989)と対比して、13C−スクロース呼気試験は全小腸の完全性(integrity)の基準となる。
(実施例2)
物質および方法
被験者
該研究は、年齢が19〜37齢(平均年齢は22+2齢)で平均体重が65.2+3kgの10の健康で非喫煙の成人(男性:n=2;女性:n=8)を補充した。被験者は、胃腸疾患または肝臓疾患の知られる病歴を全く有しない。該実験に先立ち、該3週間の抗生物質および非ステロイド性抗炎症薬の使用を行ない、そして該実験の保証付き排除に先立ち、急性のアルコール消費を行なった。
被験溶液
被験者は、別々の機会に、水(100mL)中に溶解したスクロース(AnalaR, BDH, MERCK Pty Ltd, Victoria, 豪州)(20g、40gおよび60g)を摂取した。これらの呼気試験の順序は、各被験者にランダムとした。該呼気試験がスクラーゼ活性の抑制を検出することができるかどうかを測定するために、2有志者に、粉砕し且つ水(30mL)中に溶解したスクラーゼインヒビター(アカルボース錠剤、Glucobay(登録商標))(2×100mg)を摂取させ、その直後に水(70mL)中に溶解したスクロース(20g)を摂取させた。
13 C−スクロース呼気試験
全ての被験者に、試験前の最小8時間および該試験期間の3時間の期間中、絶食を要求した。該被験溶液の摂取の30分後に、少量の水を与えた。被験者は、該被験溶液の摂取直前に、2個のベースライン呼気標本を提供した。該被験溶液の摂取後に、呼気標本を3時間中15分毎に収集した。身体的な活動は、3時間の実験期間中、特に呼気収集時点では避けた。目的(end)の呼息呼気標本は、5×10mLのガラスチューブ(Exetainer, Labco Limited, High Wycombe, 英国)中にストローを通して呼息することによって提供した。これらのチューブは呼気水素含有量の分析のために使用して呼気被験基質の吸収不良を検出し、そして残りの2つのチューブは13CO分析のために使用してスクラーゼ活性を測定した。
一元配置分散分析およびボンフェローニの多重比較検定を用いて、異なる被験溶液の摂取後のAUCの有意差を検出した。
呼気水素分析
ヒト被験者によって提供された呼気標本は、ガスクロマトグラフィー(Quintron, Model DP Microlyzer, E. F. Brewer Company, Wisconsin)によって水素含有量を分析した。ベースラインを>20百万分率(ppm)だけ超える呼気水素の増大は、基質の吸収不良および続く常在性結腸細菌による発酵を示すものと採られている(Permanらによる1978;Davidsonらによる1985)。
結果
用量応答関係
スクロース摂取後180分間にわたるAUCは、スクロースの用量を20gから40gに(p<0.01)、およびスクロースの用量を20gから60gに(p<0.001)増大させた場合に、有意に増大した。スクロースの用量を40gから60gに増大させた場合には、AUCは変化しなかった(図5)。
スクラーゼインヒビターが 13 C−スクロースに及ぼす影響、および水素呼気試験
スクロース(20g)を摂取させ且つスクラーゼインヒビター(200mg)を摂取させない2水素産生被験者の呼気13CO(AUC)レベルおよび水素(ppm)レベルを、表4に報告する。インヒビターであるアカルボースが存在する場合には、AUCはそれぞれ57%および93%だけ減少し、一方で呼気水素はそれぞれ最大68ppmおよび79ppmにまで増大した。
表4.スクロース(20g)の摂取に対して応答する際の、スクラーゼインヒビターが呼気13COレベルおよび水素レベルに及ぼす影響
Figure 2005512054
生の値を、各被験者について提示した(n=2)。呼気13COは、被験溶液の摂取後の180分間にわたって、呼気13COの増大を示す曲線下面積として表す。呼気水素値は、180分間にわたって生じるベースラインからの最大変化(百万分率(ppm)として表す)である。呼気水素の>20ppmだけの増大は、炭水化物の吸収不良を示す(Permanらによる1978;Davidsonらによる1985)。
議論
摂取した13C−スクロースの用量を20gから40gに、および20gから60gに(40gから60gへの場合は除く)増大させた場合に、呼気13COレベルは有意に増大した。被験者は公知の胃腸疾患または肝臓疾患を全く有せずに全て健康であるので、該摂取したスクロースの完全な消化および吸収を仮定した。従って、これらの結果は、スクラーゼ酵素に利用可能な13C−スクロースの量が増大するにつれて、その結果産物の生成が増大することは、呼気13COレベルの増大によって反映されるが、最適レベルは20〜40gの間であり得ることを示唆する。
呼気13COレベルのベースラインのばらつきは、13C−基質を用いる呼気試験の敏感度(sensitivity)を低下させ得る(KleinおよびKleinによる1985)。この理由のために、スクロース用量の13C−濃縮(enrichment)は、全ての個体において呼気13COの測定可能な増大を与えるのに十分でなければいけない(Stellaardらによる1998)。この実施例の場合に、スクロース(20g)は、全ての被験者においてベースラインに相対的な呼気13COレベルを増大させるのに十分であって、ここで呼気13COレベル(AUC)の増大は0.4〜5.6にまで及んだ。この大きな個体間のばらつきは、被験者間のベースライン呼気13COレベルの差違に帰することができる(Schoellerらによる1980)。高いベースラインを有する被験者による天然スクロース(20g)の摂取は、呼気13COレベルをあまり増大させない。それに対して、用量が40gの天然スクロースは投与する13C標識の量を倍にし、そして呼気13COレベルをより大きな程度にまで増大させる。従って、より高い用量のスクロースは、高いベースラインの呼気13COレベルの脱感作影響を減少することができる(Ruppinらによる1988)。13C−スクロース呼気試験の敏感度を改善する別方法は、該実験に先だって3〜5日間、13Cが天然に豊富にない食物を含有する標準的な食餌を投与することであろう(Ruppinらによる1988)。このことは、ベースライン呼気13COレベルを低下させる効果を有し、その結果20g程の低用量の天然スクロースが全ての個体においてスクロースの消化および吸収をシグナルするのに適当となり得る。
本研究において使用するスクラーゼの強力な競合的インヒビターであるアカルボースは構造上、スクロースと非常に似ている(Hanozetらによる1981)が、スクロースとは違って、小腸によって分解されないし、また吸収もされない(Ruppinらによる1988)。スクロースと組み合わせて摂取させた場合に、アカルボースはその消化および吸収が有効に低下する(Ruppinらによる1988;Hanozetらによる1981)。本研究において、スクロース(20g)の摂取直前にアカルボース(200mg)を投与することにより、水素産生レベルの大きな増大および呼気13COレベルの著しい低下を生じた。該インヒビターの存在下での呼気水素の増大は、吸収不良のスクロースが結腸に入り、そしてこのものが常在細菌そう(resident bacterial flora)によって発酵することを示している(Permanらによる1978;Davidsonらによる1985)。該13C−スクロース呼気試験の結果は、スクラーゼの抑制に影響を及ぼしていると思えるが、しかしながら、それはスクロースの消化および吸収を制限する別の因子に起因し得る。スクラーゼの抑制は小腸管腔中の過剰な浸透圧的に活性なスクロースの存在下で起こるので、アカルボースは腸内容物の流速を増大させることが分かっている(Ruppinらによる1988)。小腸通過時間の減少は、スクラーゼによる消化のための小腸刷子縁との接触の低下のために、本研究において観察される呼気13COレベルの著しい低下に実質的に寄与し得る(Koetseらによる1999)。
(実施例3)
メトトレキセートの異なる経時治療方式がラットに及ぼす影響
3群のラット(n−8)を、メトトレキセートを用いないかまたはメトトレキセートを4日間もしくはメトトレキセートを7日間用いるかのいずれかで、上記実施例1と同様に処置した。該ラットは、240分まで15分間隔で上記の通り、呼気試験した。この結果を、図6に見ることができる。4日間のメトトレキセート処置が7日間のメトトレキセート処置と比較してスクラーゼ活性に及ぼす影響の大きさの明らかな素量的な(quantal)差違が存在する。
(実施例4)
アカルボースレベルの変化が 13 CO 呼気試験に及ぼす影響
スクロース呼気試験を、13C−スクロースと一緒に摂取したある範囲の濃度のアカルボースを用いて、健康なヒト(n=10)について行なった。実験操作は、実施例2において使用するのと同様とした。経時標本を、摂取の時点から180分まで15分間隔で採取した。該結果を図7に示すことができる。
従って、呼気中の13COの測定は、アカルボースの約100mgにまで加えられたアカルボースのレベルに逆比例することを知ることができる。アカルボースはスクラーゼ酵素のインヒビターであって、そして本実験において使用するレベルでは、スクラーゼ酵素の連続的な抑制を示す。
次いで、このことは、13CO呼気試験が抑制の大きさの定量的な基準を与え得ることを示す。
(実施例5)
胃腸炎および胃粘膜炎を有する患者についての予備的データ
実施した試験は、実質的に上記実施例2において記載する通りとした。
胃腸炎
図8は、胃腸炎を有する3アボリジニの子供においてスクロース呼気試験の間に呼息された13COのパーセントを示す。図9は、10健康なアボリジニの子供の群における同一パラメータを示す。健常者と比較した損傷した粘膜を有する者の間では明白な区別が存在する。病気の子供は、150分間の被験期間にわたってほとんどシグナルを示さない。
胃粘膜炎
胃粘膜炎についての予備的なデータは、ほとんど有害な症状を被っていない者と比較して、重度の粘膜炎を有する子供において著しい抑圧を示した。
表5
Figure 2005512054
ベースライン:期間の比率(B/D)が2以下である患者は、粘膜炎の症状をほとんどまたは全く示さなかった。より高い比率を有する患者は、脱水症および重度の粘膜炎について集中治療(intensive care)を了承されるB/Dが10を示す患者の場合には、より重度の症状を被った。
(実施例6)
粘膜炎についてのマーカーとしてのスクロース呼気試験
方法および物質
被験者
全ての患者は、胃腸疾患または肝臓疾患の公知の病歴を全く有しておらず、そして非糖尿病であった。身長および体重がそれぞれ150.7±3.7cmおよび45.4±3.2kgである5〜17齢(11.2±0.8齢(yr)、平均値±SEM)である26健康な子供(男性:n=11、女性:n=16)を、該研究のために補充した(表6)。コントロール被験者は、試験前の4週間、抗生物質、抗ヒスタミン薬および非ステロイド性抗炎症薬の摂取を断った。
2001年4月から2002年4月まで、ウーマンズ・アンド・チルドレン・ホスピタル(Women's and Children's Hospital)(アデレード、豪州)での26癌患者に研究のためにアプローチした。13患者が該研究に参加することを断り、そしてHD−化学療法を受けている13患者(男性:n=7、女性:n=6)を補充した。記録した13患者のうち、3人が患者/親の要求で退薬し、1人が非服薬コンプライアンスを理由に退薬し、そして1人が州間の再配置を理由に退薬した。該研究において記録した残りの8人の性質を表6に示し、そしてサイクル1および/またはサイクル2の試験についてのそれらの化学療法治療方式を表7に示す。全ての患者が、記録前に多数のサイクルの化学療法を受けた(非未処置)。患者は、身長および体重がそれぞれ143.3±8.9cmおよび38.8±6.9kgである5〜16齢(10.4±10yr、平均値±SEM)とした(表6)。
インフォームドコンセントの文書(Informed written consent)を全ての被験者から入手し、そして倫理的な許可(ethical clearance)を、ウーマンズ・アンド・チルドレン・ホスピタル(アデレード、豪州)の倫理委員会から承諾された。該研究は、ヘルシンキ宣言に従って行なった。
表6.コントロール(n=26)および患者(n=8)の性質。癌診断に関して評価した(n=14)化学療法のサイクル数を示す。
Figure 2005512054
データは、平均値±SEMとして表す。癌診断に関して評価したサイクル数は、評価したサイクル数として表す(評価したサイクルに寄与する患者の数)。
表7.サイクル1および/またはサイクル2において、8評価可能な患者に投与する化学療法治療様式
Figure 2005512054
全てのサイクルにおいてHD−化学療法を受けた患者を評価した。表中、N/Aは、1つのサイクルだけの化学療法を処置として評価した患者はその時点から止めたことを示す。
実験上の設計
全ての被験者は、試験前の終夜および試験期間の最小4時間の間に、絶食することを要求した。ほんの少量の水を試験期間中に許し、そして少量の食事を4時間後に許した。身体的な活動は、最小に保った。全ての患者において各試験日に、体重および身長を記録した。
コントロール試験:
26コントロール被験者は、期間内の5時間、2つの完全試験(complete tests)(これは、SIPおよびSBTから構成される)を行なった。両方の完全試験は、各間に最小1週間を空けて2個の別々の機会で行なった。SIPおよびSBTの平均値を、2つの別々の機会(試験1および試験2)、並びに該2つの機会の合わせた平均(T)として算出した。
患者の試験:
患者に1サイクルの化学療法の間参加するように依頼し、そしてできるだけ、第2のサイクル中、該試験を繰り返すように依頼した。4または5個の完全試験のコースを、化学療法のサイクル中に行なった。ベースライン試験を、HD−化学療法の投与の5日前までに行ない(試験1);HD−化学療法の投与後の24時間以内に1日目の試験を行ない(試験2);化学療法後の3〜5日目に行ない(試験3);および化学療法後の6〜9日目に行なった(試験4)。試験5は、試験4を行なった後に、粘膜炎が臨床的に診断された場合にのみ行ない、そして新たな化学療法のサイクルを開始する前に完結させた。8評価可能な癌患者は、14サイクルの化学療法の最終的な評価に寄与した。粘膜炎は互いに独立したあるサイクルの化学療法において発生することができるので、各サイクルの化学療法を個別に評価した。化学療法のサイクルにおける粘膜の発生は、腫瘍学の医師によって独立して評価した(以下を参照)。化学療法のサイクルにおいて臨床的に粘膜を発生しない患者群は「非粘膜炎」と標識し、そして化学療法のサイクルの間に粘膜炎を発生した群は「粘膜炎」と標識した。
粘膜炎と疑わしい患者についての医師の評価基準:
1.口腔粘膜の評価
a)口腔粘膜が桃色外形からより白色の外形に変化したか?
b)潰瘍が存在するか?その場合に、数はいくらかおよびそれらが位置するのはどこか?(これは、重傷度を示す)
c)口腔潰瘍と合わせて別の炎症が存在するか?(これは、感染症を示す)
d)患者は歯肉炎を有するか?
e)ヘルペス潰瘍形成が存在するか?口腔の前側に臨床的に見られるか?
2.可能ならば、患者を鼻経路について評価する。
3.肛門の周りの会陰上皮を評価する−隆起、圧通、痛み、潰瘍が存在するか?
4.腹腔の検査:
a)腹腔の鼓腸(bloating)、
b)腹腔の膨満、
c)白痢?頻度?一貫性(consistency)?
d)痛み、
e)腸雑音。
これらの症状などの組み合わせは、粘膜炎の重傷度を決定する。現行では、粘膜炎の診断についての適当な「スコア」が存在しない。
小腸透過性(SIP)
全ての被験者は、試験開始前に彼らの膀胱から排尿した(試験前の標本)。L/Rドリンク(これは、ラクツロースシロップ(Dupholac, SOLVAY-DUPHOV, B. V., オランド国)(7.5mL)およびL−ラムノース(SIGMA, Sigma-Aldrich, 独国)(1.1g)を含有し、そして水(92.5mL)と混合する)を摂取した(t=0時間)。次の5時間の間に排尿された全ての続く尿を収集した。被験者がt=5時間時に膀胱から排尿することができない場合には、排尿された次の尿を収集した。各被験者についてそれぞれの試験日での全ての尿を貯蔵し、そして保存剤としてチメロサール(thiomersal)(10g/L)(0.1mL)を含有する容器中に保存した。次いで、尿の容量を測定し、アリコート(12mL)し、そして分析まで−20℃で保存した。
スクロース呼気試験(SBT)
SIP試験に対してt=1.5時間(SBTベースライン)時に、被験者はストローを用いて3×10mLのガラスチューブ(Exetainer, Labco Limited, High Wycombe, 英国)中に呼息し、標本が目的(end)の呼息からの呼気を含むことを確認した。SBTベースラインサンプリング後に、被験者は水(100mL)中に溶解した13C−スクロース(AnalaR, BDH, MERCK, Pty Ltd, Victoria, 豪州国)(20g)を直ちに摂取した。次いで、3組の呼気標本を、3時間の間、15分毎に採取した。呼気13COを分析して、小腸の消化/吸収能を測定した(実施例1)。
尿透過性分析
アリコートした尿の標本(2mL)を、半分の容量の混合ベッドイオン交換マトリックス(アンバーライト(Amberlite)MB-1樹脂;BDH; Rohm & Haas Company; 米国)を用いて2回処理し、次いでこのものを0.2μmフィルターを通して通過させた。尿糖濃度23に応じて、標本を1/10以上にまで希釈した。尿中のラクツロースおよびラムノースの濃度を、ロイヤル・ダーウィン・ホスピタル(Royal Darwin Hospital)(ダーウィン、豪州国)において高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(Dionex DX500システム;Dionex Corporation;Sunnyvale, California, 米国)によって測定した。簡単に、炭水化物を、ガードカラムを適合させたカルボパック(Carbopac)PA10アニオン交換カラムを用いて分離した。単糖類の溶出は、最初の7分間、40mM NaOHのアイソクラチック溶出を用いて達成した。7.01分時に、二糖類の溶出のために、このものを100mM NaOHにまでステップアップさせた。19分時に、該カラムを200mM NaOHを用いて5分間洗浄した。完了操作は、流速が0.8mL/分で29分間かけて行なった。クロマトグラムを積分し、そしてピークネット(Peaknet)4.3ソフトウェア23を用いてプロットした。
糖プローブ(probe)の全尿中排泄量を各被験者について算出し、そして結果をL/Rのパーセントとして表して、従来記載されている通り23〜25、混乱因子(例えば、胃排出、小腸造影(intestinal transit)および腎クリアランス)を排除した。
L/R比(log10)=
((回収ラクツロース%/回収ラムノース%))×100)log10
呼気 13 CO 分析
呼気標本(10mL)を、V410データ収集システムを備えた同位体比分析計(IRMS; Europa Scientific, ABCA 20/20, Crewe, 英国)を用いて13COについて分析した。結果はデルタ値として提示し、このものは炭酸カルシウムの国際予備規格であるPee-Dee Belemnite石灰石(South Carolina, 米国)(MatthesおよびHayesによる(1979))と比較した13C/l2C比を意味し、これは高い精度で千分率として標本中で読み取る。
13COデータは、13C(%CD)の蓄積量(パーセント)として表す。式中、13Cの蓄積量(%)は、下記の式と等しい。
Figure 2005512054
13CO分析は、Ghoosら(1993)によって記載されている通り、各被験者の身長および体重(体表面積(Haycockらによる1978))を考慮する。小腸の通過時間はほぼ90分であるので、最初の90分の13CO排出をSBT分析の限界点(cut-off point)として使用した。加えて、この時点後に吸収不良13C−スクロースの結腸発酵(これは、胃易感染性(gut compromised)の個体中で見られる)が呼気中の13COの上昇を引き起こして、従って偽陽性を生じ得る(Peltonらによる2002)。
統計学的分析
1元配置ANOVAをフィッシャー(Fisher)-LSD post-hoc検定と組み合わせて用いて、コントロール群(n=26)、非粘膜炎群(n=8)および粘膜炎群(n=6)の間の全分析についての有意性を測定した。2元配置ANOVAは、SIPおよびSBTについて試験1(T1)および試験2(T2)に関するコントロール被験者の性別および年齢を因子として使用した。L/R比はログ変換して、データを正規化した。p<0.05である場合に、統計的有意差を考慮した。全てのデータを、平均値±平均値の標準誤差(SEM)として表した。
結果
コントロール
該26コントロール被験者のT1およびT2についての平均L/R比は、それぞれ0.572±0.023および0.562±0.029であった。該2つの試験間には、有意な差違は全く観察されなかった。性別および年齢は、T1およびT2についてのL/R比の結果に有意な影響を全く有しなかった。L/Rについて平均した結合平均値(combined mean(TM))は0.57±0.021であり、そしてレンジは0.35−0.79(±2標準偏差(SD))であった。
T1およびT2(n=26)についての13C−スクロースの平均%CD(0〜90分間)は、それぞれ8.48±0.39および8.49±0.43であった。T1およびT2の間には、有意差は全く観察されなかった。性別および年齢は、T1またはT2のいずれかの%CDの結果には影響を及ぼさなかった。T13C−スクロースの%CDは平均化すると8.48±0.33であって、そして続くレンジは5.06−11.90(±2SD)であった。
患者
評価した14の化学療法の完了サイクルのうち、6患者は化学療法のサイクルにおいて粘膜炎を発症し(43%)、そして8は発症しなかった(57%)。これは、医師によって個別に診断される。化学療法後の6〜9日目に(試験3)、化学療法のサイクルにおいて粘膜炎を発症した2患者は、粘膜炎の重傷が原因で被験方法を完了することができなかった(n=4)。
ベースラインでの該3群(コントロール、非粘膜炎または粘膜炎)の間にはL/R透過性比において差違は存在しなかった。SBT%CDは、ベースラインでコントロール群および非粘膜炎群と比較して粘膜炎群において有意に低かった(p<0.05)(表8)。
表8.ベースラインでの全被験者の小腸バリヤーおよび吸収機能の評価
Figure 2005512054
ベースラインでのSIPおよびSBT:コントロール群(n=8)、非粘膜炎群(n=8)および粘膜炎群(n=6)。データは平均値±SEMとして表し、ここではHCに対する有意差(p=0.004)および非粘膜炎群に対する有意差(p=0.002)を示す。
化学療法後の6〜9日目に、粘膜炎群(n=4)は、非粘膜炎群と比較してL/R比が有意に上昇した(70%)(p=0.03)。該粘膜炎群は化学療法後の6〜9日目に「正常な」範囲を超えて、一方で非粘膜炎群は健康なコントロールの正常な範囲内であった(図10)。
非粘膜炎群と比較した粘膜炎群における%CD13C−スクロース(0〜90分間)の有意な低下(p<0.05)は、試験する全ての時点で観察された(図11)。該粘膜炎群は、ベースライン、1日目、3〜5日目および6〜9日目のそれぞれでの非粘膜炎群と比較して、排出13CO13C−スクロース)の39%、43%、68%および54%が低下した。該粘膜炎群は、1日目のコントロールの「正常な」範囲以下であって、そして化学療法後の6〜9日目では正常には戻らなかったが、一方で非粘膜炎群は該範囲内に留まった。
議論
粘膜炎は化学療法の一般的な副作用であることがこれまでに示されており、化学療法処置を受けている癌患者の60%までにおいて生じる。粘膜炎は、胃腸(GI)管における病変の潰瘍化を特徴とし、その結果化学療法剤は、速い細胞代謝回転速度を有するセルライン(例えば、GI上皮)に影響を及ぼす(Morelliらによる1996;IjiriおよびPottenによる1983;Ikunoらによる1995)。アポトーシスの増大および増殖の低下が主因で、化学療法が絨毛を平滑末端化(blunting)し、陰窩を浅くし(shallow)そして陰窩細胞の低増殖(hypoproliferation)を引き起こすことが、小腸において知られる(IrijiおよびPottenによる1983;Ikunoらによる1995;Xianらによる2000;Keefeらによる2000)。
化学療法処置の結果として、小腸において病変の潰瘍化を発症する患者は、彼らは一般的に低い数の血小板および白血球を示すので、現行の侵襲的なバイオプシー法を用いて評価することができない。従って、GIの出血および細菌のトランスロケーション/感染の危険が増大する(Keefeによる1998;Keefeらによる2000)。従って、本発明の目的は、非侵襲的なマーカー(Menziesらによる1979)を用いて、健康な子供および化学療法を受けている癌の子供における小腸の状態を非侵襲的に評価して、これらの試験が化学療法のサイクルにわたって粘膜炎を発症する患者に帰する小腸の変化を検出することができるかどうかを測定することである。
このパイロット研究により、該SIPおよびSBTが健康な子供および化学療法を受けている癌の子供における小腸の健康および機能不全を非侵襲的に評価することができることを実証し、そして化学療法のサイクル中に臨床上粘膜炎を発症する子供における易感染性の小腸の機能を検出した。
本実験例は、呼気13COを測定することによって13C−スクロース(20g)の摂取に対する応答時の該SBTの「正常な」範囲を確立する。スクロースは、健康な個体において小腸中でスクラーゼ(これは、刷子縁酵素である)によって触媒されて、その構成単糖類であるフルクロースおよびグルコースとなる。これらの産物の肝臓中での続く代謝により、COの産生を生じ、これは呼気中に排出される。このことは、簡単なIRMS分析(実施例1、SchoellerらおよびKoetseらによる1999)を用いて検出しそして測定することができる。スクラーゼ活性はこの方法における律速因子であって、スクラーゼ活性のレベルの低下および続くその産物の代謝により、呼気中に排出される13COの減少を生じることが分かっている(Butlerらによる2002)。従来の研究は小腸損傷のマーカーとして13C−ラクトース呼気試験を用いているが、しかしながら、非コーカサス人の80%が加齢関連の低ラクターゼ活性を示す(Koetseらによる1999)。それと比較して、該個体群のわずか0.2%だけが遺伝的なスクラーゼ欠損症を有すると提示されている(Grayらによる1976)。従って、該13C−スクロース呼気試験は、粘膜損傷の信頼でき且つ優れた予後的酵素である(実施例1を参照)。
該SBTは、その後の粘膜炎の発症を有する癌患者において化学療法投与の24時間後に、異常な小腸の機能を検出することができる。ある大きさの可変性が、サイクルにわたる「粘膜炎」群において観察され、このことはほとんどおそらく異なる因子(例えば、化学療法薬物の投与期間および用量)によるものであり、そして従ってそのものは該GI上皮に影響を及ぼす。化学療法のサイクルにおいて粘膜炎を発症する患者は、13COの産出量が有意に低下した。このことは、ベースラインにおいて見られ、そして6〜9日目でも有意に抑制し続ける。ある化学療法のサイクルの開始と次の間での一般的な時間の長さは約14日であって、ベースラインで観察される抑制がそれまでの化学療法のサイクルからの持ち越しの影響を示すものであることはあり得る。この原理はKeefeらによる(2000)による研究において取り組まれており、ここで、小腸の形態計測学的な重症度スコア(これは、未処置の成人癌患者における絨毛の面積、陰窩の長さおよび有糸分裂の計数によって測定される)は化学療法処置後の16日目までに処置前の値にまで戻らなかった。
本実験例は、同一の分析方法を用いた場合に従来報告されている研究と類似したL/R比についての「正常な」範囲を観察した(Xianらによる2000;Kukuruzovicらによる1999;Brewsterらによる1997)。しかしながら、本研究における健康なコントロールから導かれる範囲は、これらの従来の研究の範囲よりも広いことに注意すべきである。このことは、これらの研究が3歳以下の子供において行なわれており(Behrensらによる1987;Saltzmanらによる1995)、胃腸炎の地理的分布が一般的である場所において行なわれ(Kukuruzovicらによる1999)、そして1.1gに反してラムノースの1.0gを摂取しただけであるという事実に帰するようである。しかしながら、多様な分析法を用いた研究が、同年齢の群について本研究に類似する範囲を導いている(Menziesらによる1979)。
化学療法のサイクルの間に粘膜炎を発症する癌の子供は、SIPを用いて検出することができる。このことは、粘膜炎を発症していない化学療法を受けている癌患者と比較して、6〜9日目にL/R比が有意に上昇することによって示される。このことは、バリヤーの機能が、絨毛萎縮症および/または細隙結合の完全性(tight junction integrity)の変化が原因で易感染性となり得ることを示す。従来の研究は、単糖類の透過性の減少が絨毛萎縮症の兆候であって、そして二糖類の透過性の増大が「漏出性の(leaky)」細隙結合の指標となることを示している(Keefeらによる1997;Pearsonらによる1984;Sundstromらによる1998)。細隙結合の状態は成人癌患者において研究されており、そこでは電子顕微鏡像下、細隙結合のパーセントが化学療法のサイクル中、化学療法処置前の値からオープンに増大することを記載している(Keefeらによる2000)。
絨毛の平滑末端化および陰窩の容量の減少(これは、絨毛の再生を誘発する)の結果として、易感染性の機能がSIPおよびSBTにおいて観察された。このパイロット研究は、例え粘膜炎が化学療法投与後の7日目に通常の臨床的に観察されても(Sonisによる1998;Keefeらによる2000)、小腸の変化はこの時点の前に起こることを示した。このことは、世界中の研究において記載されている通り(Sonisらによる1999;Turhalらによる2000;Changらによる2000)、現行の診断方法が主に口腔および肛門の評価基準、並びに患者の症状に基づくという事実におそらく最も帰するであろう。しかしながら、SBTの結果は、粘膜炎を評価する現行法は小腸の損傷が7〜10日目の通常の診断時間(このとき、粘膜の変化を見ることができる)より十分に先に生じるので、十分な敏感度でないことを示唆する。該SBTは、粘膜炎の診断を助けるために、臨床的な実施に実行されるべきであると示す。
この例(stexample)の別の重要な意味は、これらの患者における「生活の質」を維持するための将来の可能性である。癌と診断された子供において生活の質が大きく低下したり、または問題となることが十分に記載されている(Doddらによる2001)。特に子供において、重度の副作用(例えば、粘膜炎)に対処することがなくても、癌処置に関連して該生活の質(例えば、毛の消失、入院および処置そのもの)が変化するのを伴って、闘う(contend)には十分に困難である(Feldによる1997)。この研究の発見は、粘膜炎が発症する場合に何時、医薬品または栄養学的製品を介入するか?という問題を導く。現在では、予防的(preventative)製品または介入姓(intervention)製品は臨床的に入手不可能であるが、それら製品の利用可能性を導き得る多数の研究が進行中である(Henrikssonらによる1995)。従って、ベースライン、1日目または3〜5日目での高リスクのサイクルについてSBTの使用、およびその後の異常な結果は、視覚的に観察される症状を待つのに反して、癌処置中の患者における粘膜炎のための介入性製品の早期の投与を導くことができる。このことは、実際に粘膜炎の重傷度および/または長さを最小とすることができたり、あるいは更にその発症を予防してそしてまともな生活の質を維持することができる。
SBTの場合に、敏感度および特異度を維持したりまたは実際に改善するために、有利となり得る試験に先だって3〜5日間、13Cが天然に豊富に存在しない食物を含有する標準食餌の投与を述べることは重要である。また、SBTと組み合わせて用いる目的で、第2の呼気試験、水素呼気試験の付加を用いて、更に小腸の損傷を確認することができる。呼気中のH排出の増大は、消化不良物質であるスクロースの指標となるであろ(Barrらによる1978)。
易感染性小腸バリヤー機能に関連して有意に上昇したL/R比が、他の胃腸管疾患(例えば、活動性クローン病および腹腔疾患)を有する患者において観察されると記載されていることもまた関心が持たれる(Menziesらによる1979;Smecuolらによる1997)。同様に、これらの患者はまた、バイオプシーによって検出される通り、刷子縁酵素(例えば、スクラーゼ)の活性が低下することを示し得ると記載されている(Nieminenらによる2001;Arvanitakisによる1979;Cumminsらによる1991;Duncanらによる1994)。従って、SBTはこれらの疾患の診断を助けるのに使用することができ、従って高価で且つ侵襲的な方法を潜在的に除くことができると提案する。
栄養学的なもの(例えば、ビタミンサプリメント(Kokkonenらによる2002))または医薬(例えば、ケラチノサイト成長因子(Goodladらによる2000)または上皮成長因子(Huangらによる2001))のいずれかの介入性のものが粘膜炎について研究されている。従って、該SBTは、個体患者にとって介入するのに最もよい時期およびGI症状を改善する有効性を決定するためにマーカー/モニターとして使用することができる。
(実施例7)
メトトレキセート処置ラットにおける葉酸による抑制
方法
実験上の設計
16雌性SPF Dark Agoutiラットを個々の代謝ゲージ中に収容し、そして半合成カゼインベースの食餌および新鮮な水を自由に与えた。食物および水の摂取量、並びに体重を、毎日測定した。0および24時間時に、MTX(1.5mg/kg、i/m)を2回注射した。葉酸カルシウムを、MTX注射2時間前およびその間に、8ラットの飲料水(10mg/m)に加えた。8ラットにはMTXを与えたが、葉酸処置は全く行なわず、そして4コントロールラットは全く処置しなかった。各処置群由来の4ラットを最初の化学療法の72時間後に殺し、そして他の4は120時間後に殺した。SBTは、化学療法前、並びに最初の化学療法の52時間後および100時間後に企図した。
適当な時期に、ラットにハロタンを用いて麻酔をかけ、循環血(cardiac blood)標本を集め、そして該動物を頚部の脱臼によって殺した。小腸を空にし、冷凍生理食塩水を用いてフラッシュし、そして秤量した。組織学的な評価のために、各々の空腸近部からの標本をホルマリン中に集め、そしてスクラーゼおよびミエロペルオキシダーゼの測定のために空腸からの標本を液体窒素中に集めた。
スクロース呼気試験
呼気13COレベルは、小腸のスクラーゼ活性の指標である。SBTは、化学療法前およびその後に企図した。
ラットを3時間絶食させ、そしてこのものを15分間収集チャンバー中に入れて順化させて、次いでベースライン標本をエキセテイナー(exetainer)中に集めた。
ラットを、天然13C−スクロース(1g/mL)を含有するスクロース溶液(1.0mL)を用いてガバージュした。
呼気標本を、ガバージュ後に30、60および90分間隔で収集し、そして同位体比質量分析計(PDZ-Europa ABCA)によって13COについて分析した。
分析法
スクラーゼ活性を、呼気グルコース濃度の見積もりのためにグルコースオキシダーゼ方法の改変法(Dahlqvistによる1968)を用いて測定した。
結果
葉酸を与えていないラットの食物摂取量および体重は、化学療法後に減少した(データは示さない)。SBT結果は、MTX処置の52時間後での葉酸投与は、粘膜損傷を減弱することを示す(図12)。図13は、非葉酸群と比較して葉酸群におけるスクラーゼ活性の破壊の有意な低下を示す(52時間後でp<0.0012、100時間後でp<0.0136)。該データは、空腸スクラーゼ活性の結果(図14)および組織MPO中での上昇の防止(図15)によって示される。72時間後のMTX処置した非葉酸群は、葉酸群およびコントロール群に対して有意に相違した(p<0.01)。
要約
葉酸なしでMTXを用いて処置することにより、処置後t0〜96時間まで食物摂取量の有意な20%の低下を生じた(データは示さない)。
葉酸なしでMTXを与えたラットの体重は、化学療法後に減少した。
炎症性マーカーであるミエロペルオキシダーゼは、72時間後で葉酸を与えていないMTX処置ラットにおいて有意に高かった。
SBTは、小腸の機能が化学療法の結果として損なわれることを示した。
葉酸の投与は、非葉酸のMTX処置ラットにおいて観察される空腸スクラーゼ活性の低下を防止した。
絨毛の高さの測定は、葉酸を経口投与すると構造上、損傷が減毒されることを示した。
結論
葉酸カルシウムは、スクラーゼ活性、MPOレベル、組織学的な変化およびスクロース呼気試験によって測定される通り、小腸粘膜に対する損傷を全体として防止した。該SBTは、小腸の機能不全を追跡するための非侵襲的であって且つ簡単で価値ある方法を与える、本研究において使用する唯一の方法である。SBTは、小腸の機能の統合的な測定法を与え、そしてこのものを用いて予防的なまたは寛解的な補助療法の有効性を評価することができる。将来、該SBTは、処置の間の栄養状態を最適化するために目的に合わせた化学療法治療法式について客観的方法を与え、これにより化学療法の衰弱性の影響を潜在的に低下することができる。
(実施例8)
5−フルオロウラシル処置ラットにおける粘膜炎
化学療法誘発性の小腸粘膜炎は、癌患者、特に代謝拮抗薬物を受けている患者において重大な副作用である。スクロース呼気試験(SBT)は、損傷および修復の間の小腸の機能をインビボで評価するための新規な方法である。我々はここで、5−フルオロウラシル(5−FU)の単独注射を用いる化学療法誘発性粘膜炎のラットモデルを記載する。
方法
10雌性ダーク・アゴウチ(Dark Agouti)ラットに、5−FU(150mg/kg)を腹腔内注射し;そして3ラットを5−FU処置の48時間後、72時間後に殺し、および4ラットを96時間後に殺した。2コントロールラットは、5−FUを用いて処置しなかった。スクロース呼気試験(SBT)は、小腸(SI)スクラーゼ機能の指標として13C−スクロースのガバージュ後に呼気中の放出13COを測定することによって、化学療法前および殺す前に企図した。組織標本を、スクラーゼ酵素測定、並びに空腸および回腸由来の組織学的評価のために、SIから収集した。
結果
食物摂取量は5−FU注射の24時間後に11.1±0.3g/ラット/日から5.3±0.4gにまで低下し、そして注射の72時間後には最も低く(4.7±0.7g)、そして96時間後では増加し始めた(6.4±0.8g)。SBTは、酵素機能の低下が化学療法の76時間後に最も激しく;13COの産生速度の曲線下面積(AUC)が72時間後では化学療法前のAUCよりも有意に低かった(それぞれ、7.02±0.16および2.02±0.25;p<0.01、ノンパラメトリックANOVA)。回腸スクラーゼ活性は72時間後では54.9±0.9の正常なレベルから7.52±0.82グルコースnmol/分/cmにまで低下し、そして化学療法の96時間後にレベルが増大し始めた。空腸および回腸組織の組織学的な重傷度スコアは、最も激しい損傷が48時間後に生じ(平均値は、それぞれ13および17である)、損傷が主に陰窩に限定されることを示した。重症度スコアは、空腸および回腸のそれぞれについて72時間後では8および12であり、そして96時間後では5および8であった。
結論
該SBT測定およびスクラーゼ酵素測定は、最大の機能的な損傷が化学療法の72時間後に起こることを示す。最も激しい組織学的な損傷は、化学療法の48時間後に陰窩中で起こった。SBTは、SI機能を評価するための価値あるインビボ方法である。1回用量の5−FU処置は、機構的な研究およびインターベンションの研究にとって適当な小腸粘膜炎の簡便なモデルを提供する。
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図1は、第1の実施例において使用する呼気収集装置を図示する図面である。 図2は、コントロールラット(n=8)および7日前にメトトレキセート処置したラット(n=8)における、13C−スクロース溶液(2mL)の摂取後240分間にわたって20分毎の呼気13COレベルを示す図面である。値は、ベースラインからの呼気13COの変化(デルタ量)として表し、そしてこれを平均値±SEMとして提示する。 図3は、コントロールラット(n=8)および7日前にメトトレキセート処置したラット(n=8)の十二指腸、空腸および回腸中でのスクラーゼ活性(37℃、pH6.0で加水分解した基質のmmol/タンパク質のmg/時間)を示す図面である。データは、平均値±SEMとして提示する。 は、コントロール群内のスクラーゼ活性の有意な相違(p<0.05)を示す。 **は、コントロールラットおよびメトトレキセート処置ラットの間でのスクラーゼ活性の有意な相違(p<0.0005)を示す。 図4は、コントロールラット(a)および7日前にメトトレキセート処置したラット(b)由来の、ヘマトキシリンおよびエオシンを用いて染色した空腸の横断面(10倍の拡大率)を示す代表的な図面である。絨毛は、メトトレキセート処置した空腸において視覚的にはより短くそしてよりもじゃもじゃと伸びている(stubbier)。 図5は、13C−スクロース(20g、40g、および60g)の摂取に対する応答の際の健康なヒト(n=10)における呼気13COレベルを示す図面である。値は、曲線下面積として表し、そして平均値±SEMとして提示する。 は、40gのスクロースおよび60gのスクロース由来のAUCの有意な差違を示す。 図6は、メトトレキセートの4日間処置のラット(正方形)または7日間処置のラット(三角形)、およびコントロール(菱形)における呼気13COレベルを示す図面である。 図7は、13C−スクロースに加えて、4つの異なるレベルのアカルボースを摂取したヒト有志者における呼気13COレベルを示す図面である。菱形は、スクロース(20g)の場合(インヒビターなし、n=10)を示す。正方形は、スクロース(20g)およびアカルボース(25mg)の場合(n=9)を示す。三角形は、スクロース(20g)およびアカルボース(50mg)の場合(n−9)を示す。十字形(cross)は、スクロース(20g)およびアカルボース(100mg)の場合(n−8)を示す。そして、星形は、スクロース(20g)およびアカルボース(200mg)(n=9)を示す。 図8は、胃腸炎を有する3アボリジニの(aboriginal)子供におけるスクロース呼気試験の間に呼息される13COのパーセントを示す図面である。平均値は、十字形の太いラインとして示す。 図9は、10健康なアボリジニの子供の群における図8と同一パラメータを示す図面である。平均値は、正方形を付した太いラインによって示す。 図10は、非粘膜炎群(n=8)(暗いライン)および粘膜炎群(n=6)(薄いライン)の間でのL/R透過率比によって示される、小腸のバリヤー機能(SIP)の時間経過を示す図面である。試験6〜9日目において、粘膜炎群はn=4である。コントロールの平均値±2SDは、連続線および破線の水平の緑色ラインとして示す。データは、平均値±SEMとして表す。有意性は、(p<0.05)によって示す。 図11は、非粘膜炎群(n=8)(暗いライン)および粘膜炎群(n=6)(薄いライン)の間での0〜90分の%CDによって示される、小腸の吸収能の時間経過を示す図面である。試験6〜9日目において、粘膜炎群はn=4である。コントロールの平均値±2SDは、連続線および破線の水平の緑色ラインとして示す。データは、平均値±SEMとして表す。有意性は、(p<0.05)、**(p<0.005)、および***(p<0.001)によって示す。 図12は、MTX処置の52時間後のラットにおけるスクロースガバージュ後の、呼気13COレベルに葉酸が及ぼす影響(平均値±SEM)(n=4/群)を示す図面である。充填正方形は52時間後の葉酸ありの場合を示し、充填円形は52時間後の葉酸ありの場合を示す。オープン正方形はMTX処置前で葉酸なしの場合を示し、オープン円形はMTX処置前で葉酸ありの場合を示す。 図13は、MTX処置の52時間後のラットにおけるスクロースガバージュ後の、呼気13COレベルに葉酸が及ぼす影響(平均値±SEM)(n=4/群)を示す図面である。対のバーの第1は葉酸ありの場合を示し、第2は葉酸なしの場合を示す。 図14は、MTX処置の72時間後および120時間後のラットの空腸スクラーゼレベルに葉酸が及ぼす影響(平均値±SEM、n=4、例外としてコントロール群の場合は2)を示す図面である。3組のバーの第1はMTX処置の場合を示し、第2はMTX処置および葉酸ありの場合を示し、そして第3はコントロール(MTX処置なし)の場合を示す。 図15は、MTX処置の72時間後および120時間後のラットの空腸MPOレベルに葉酸が及ぼす影響(平均値±SEM、n=4、例外としてコントロール群の場合は2)を示す図面である。3組のバーの第1はMTX処置および葉酸ありの場合を示し、第2はMTX処置および葉酸なしの場合を示し、そして第3はコントロールの場合を示す。

Claims (18)

  1. 哺乳動物またはヒトの小腸の内膜の状態を評価する方法であって、
    最初の呼気標本を採取し、
    許容され得る標識被験基質を投与し(ここで、該被験基質はスクロースおよびマルトースからなる群から選ばれる)、
    該標識被験基質の投与後に、1つ以上の更なる呼気標本を採取し、
    該呼気標本中の標識二酸化炭素のレベルを確認し、
    該被験基質の摂取後の標識二酸化炭素の変化を算出し、そして、
    該変化を標準と比較して、該評価を行なう、
    該方法。
  2. ヒトまたは動物は胃腸炎を患っている、請求項1記載の小腸の内膜の状態を評価する方法。
  3. 胃腸炎は感染性物質が原因である、請求項2記載の小腸の内膜の状態を評価する方法。
  4. ヒトまたは動物は粘膜炎を患っている、請求項1記載の小腸の内膜の状態を評価する方法。
  5. ヒトを評価し、そして該ヒトは化学療法を受ける、請求項5記載の小腸の内膜の状態を評価する方法。
  6. ヒトは子供である、請求項5記載の小腸の内膜の状態を評価する方法。
  7. スクロースを使用し、そしてこのものは13Cで標識する、請求項6記載の小腸の内膜の状態を評価する方法。
  8. 標識COのレベルを内部標準に対して測定する、請求項1記載の小腸の内膜の状態を評価する方法。
  9. 標識は13Cであって、そして12Cに対する13Cの比率を測定する、請求項8記載の小腸の内膜の状態を評価する方法。
  10. 標識スクロースを投与する、請求項9記載の小腸の内膜の状態を評価する方法。
  11. 呼気標本は標識被験基質の最初の摂取の30分以上後に採取する、請求項1記載の小腸の内膜の状態を評価する方法。
  12. 呼気標本は標識被験基質の最初の摂取の60分以上後に採取する、請求項1記載の小腸の内膜の状態を評価する方法。
  13. 呼気標本は標識被験基質の摂取の45分後および3時間後の間に採取する、請求項1記載の小腸の内膜の状態を評価する方法。
  14. 更に呼気Hを測定する、請求項1記載の小腸の内膜の状態を評価する方法。
  15. 2つ以上の更なる呼気標本を採取する、請求項1記載の小腸の内膜の状態を評価する方法。
  16. 蓄積標識COを確認する、請求項15記載の小腸の内膜の状態を評価する方法。
  17. ヒトまたは動物は標識被験基質を投与する前に絶食させる、請求項1記載の小腸の内膜の状態を評価する方法。
  18. ヒトまたは動物は、標識被験基質を投与する前に標準的な食餌を摂食させる、請求項1記載の小腸の内膜の状態を評価する方法。

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