JP2005511210A - 計量バルブ及び医薬定量吸入器及びその方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、エラストマー製基材を処理する方法に関し、該方法は、任意の適切な順序で、処理に有効な浴温度でアルコール及びアルカリ性物質を含む浴にエラストマー製基材を供給することを含む。他に行うことには、前記エラストマー製基材を処理するのに充分な時間、前記浴に、処理に有効な振動数及びパワーレベルの超音波エネルギーを供給すること;処理したエラストマー製基材を脱イオン水でリンスすること;及び、処理及びリンスしたエラストマー製基材を乾燥させることなどがある。
Description
本発明は、一般に、エラストマー製基材物質、特に、医薬吸入装置(特に、定量吸入器)で使用するためのシール及びガスケットに加工されたエラストマーを処理及びコーティングする方法並びに該方法で製造された製品に関する。
本発明は、呼吸器障害の治療で用いることができる一定量の薬物含有製剤を供給するのに使用される定量吸入器(MDI)用の容器を提供する。
好ましい薬物は、4-ヒドロキシ-α1-[[[6-(4-フェニルブトキシ)ヘキシル]アミノ]メチル]-1,3-ベンゼンジメタノールであり、これは、英国特許出願公開第2140800号において、広範な気管支拡張薬の一つとして記載された。この化合物は、サルメテロールという一般名によっても知られており、その1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸塩(キシナホ酸塩)は、喘息及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの炎症性疾患の非常に効果的な治療薬として広く知られるようになっている。
エーロゾル製剤用の容器には、通常、バルブに連結したバイアル体(缶又はキャニスター)が含まれている。バルブには、製剤がそこを通って供給されるバルブステムが含まれている。一般に、バルブには、バルブステムの逆方向運動を可能にするためのゴム製バルブシールがあり、それによって容器からの噴射剤の漏出が防止される。定量吸入器には、1回の作動ごとに計量された量のエーロゾル製剤をレシピエントに送達するように設計されているバルブが含まれている。そのような計量バルブ(metering valve)には、通常、正確な所定用量を1回の作動ごとに投与するための所定の容量を有する計量用チャンバ(metering chamber)が含まれている。
計量バルブには、バルブからの噴射剤の漏出を防止するためのガスケット(シールとも称される)が組み込まれている。ガスケットは、例えば低密度ポリエチレン、クロロブチル、黒色及び白色ブタジエンアクリロニトリルゴム、ブチルゴム及びネオプレンなどの適するエラストマー製材料を含むことができる。
MDIで使用するためのバルブは、エーロゾル業界でよく知られている製造業者から、例えば、フランスのバロイス社(Valois)(例:DF10、DF30、DF60)、英国のベスパック(Bespak)plc社(例:BK300、BK356、BK357)、及び、英国の3M-ネオテクニック社(3M-Neotechnic Limited)(例:SpraymiserTM)から入手可能である。そのような計量バルブは、例えば、金属キャニスター(例えば、アルミニウムキャニスター)などのような、医薬エーロゾル製剤を送達するのに適する市販のキャニスターと一緒に使用される。
上記のようなバルブシール/ガスケットを組み込んだMDIは、一般に、噴射剤11(CCl3F)、噴射剤114(CF2ClCF2Cl)及び噴射剤12(CCl2F2)又はそれらの混合物などのクロロフルオロカーボン系噴射剤(CFC類)で十分な機能を発揮する。しかしながら、これらの噴射剤は、現在、成層圏のオゾンの分解を誘発し得る。従って、いわゆる「オゾンに優しい」噴射剤を用いる医薬用エーロゾル製剤を提供する必要がある。
オゾン減少効果を(従来のCFC噴射剤と比較して)最少にし得る種類の噴射剤には、限定するものではないが、ヒドロフルオロアルカン類(HFA類)、特に、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFA134a)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロ-n-プロパン(HFA227)及びそれらの混合物などがある。しかしながら、そのような新しい種類のHFA噴射剤を用いて調製した医薬エーロゾル製剤の安定化に関連する問題が生じている。
医薬エーロゾル製剤は、一般に、溶液又は懸濁液を含む。懸濁液と若干量(おそらく、微量)の溶解している薬物の混合物も可能であるが、これは、下記で論じるように、一般に望ましくない。溶液製剤の中には、中に含まれている薬剤物質が分解を受けやすいという欠点を有するものがある。さらに、治療プロフィールに影響する液滴径の制御に関する問題も存在し得る。この理由により、懸濁液が一般に好ましい。
一般に、MDIなどのエーロゾル装置の効率は、肺内の適切な部位に付着する用量の関数である。付着はいくつかの要因によって影響され得る。その様な要因のうちの最も重要なものの一つは、空気力学的径である。エーロゾル製剤中の固体粒子及び/又は液滴は、その空気力学的質量中央径(mass median aerodynamic diameter)(MMAD、即ち、その径を中心にして空気力学的質量径が等しく分布している径)によって特徴付けることができる。
懸濁液製剤では、一般に、粒径は、固体医薬を通常微粒子化により縮小させたその寸法により製造時に制御する。しかしながら、懸濁させた薬物が噴射剤中において充分な溶解度を有する場合、オストワルド成長として知られているプロセスにより粒径が大きくなる可能性がある。さらにまた、粒子は、凝集する傾向を有し得るか、又は、MDIの部品、例えば、キャニスターやバルブなどに付着する傾向を有し得る。さらに、上記薬物は、特に長期間にわたって保管された場合、バルブの処理されていないか及び/又はコーティングされていないいずれかのゴム製構成要素に吸収される傾向を有し得る。特に、微粒子が優先的に吸収され得る。オストワルド成長及び特に薬物付着の影響は、一般に低用量で製剤される強力な薬物(キシナホ酸サルメテロールなど)の場合に特に重大となり得る。
医薬エーロゾル製剤は、一般に、薬物の懸濁液及び1種以上の液体噴射剤を含有し、場合により、共噴射剤(co-propellant)、さらに、場合により、溶媒又は界面活性剤などの補助剤及び/又は別の賦形剤も含有する。エーロゾル製剤は、キャニスターの中で加圧状態にある。
上記問題は、例えば、欧州特許出願公開第0372777号、国際公開第91/04011号、国際公開第91/11173号、国際公開第91/11495号及び国際公開第91/14422号(前記特許文献は、参照により本明細書に組み入れる)に開示されているように、アルコール類、アルカン類、ジメチルエーテル、界面活性剤(例えば、フッ素化及び非フッ素化界面活性剤、カルボン酸類、ポリエトキシレート類など)のような1種以上の補助剤を添加し、さらには、従来のクロロフルオロカーボン系噴射剤を、オゾンへの潜在的な害を最小限に抑えるような少量で加えることにより処理されてきた。
キシナホ酸サルメテロールの賦形剤を含まない製剤が、国際公開第93/11743号に記載されている。前記特許文献は、参照により本明細書に組み入れる。
さらに、国際公開第96/32345号、国際公開第96/32151号、国際公開第96/32150号及び国際公開第96/32099号(前記特許文献は、参照により本明細書に組み入れる)には、場合により1種以上の非フルオロカーボンポリマーと組み合わせた、1種以上のフルオロカーボンポリマーでコーティングされたエーロゾルキャニスターが開示されており、ここで、該非フルオロカーボンポリマーは、該エーロゾルキャニスターの中に含まれている代替的な噴射剤の医薬エーロゾル製剤の薬物粒子が(該キャニスターの壁に)付着するのを低減する。
MDIから患者に送達される処方された用量のエーロゾル医薬が、(1)製造者が要求する規格を一貫して満足し、(2)FDA及び別の規制当局の要件を満たすことは有利である。即ち、MDIから送出されるいずれの用量も狭い許容範囲内にあることが有利である。従って、計量バルブの作動時に投与された用量の全てにおいて、製剤が実質的に均一であることは有利である。さらに、長期間にわたって保管された時に、懸濁液の濃度が有意には変化しないことも有利である。
規制当局の承認を得るために、医薬エーロゾル製剤製品は厳密な規格を満足させる。(規格が通常設定されている)一つのパラメータは、微粒子質量(FPM)である。FPMは、特定の範囲の径、通常は5μm未満の径を有する薬物粒子の量に基づいて、肺内部(即ち、小細気管支及び肺胞)に達する可能性を有する薬剤物質の量を評価する方法である。
MDIの作動によるFPMは、一般に、標準的なHPLC分析によって測定されるアンダーセン(Andersen)カスケード衝撃スタックの段階3、4及び5で付着する薬物物質の量の合計に基づいて計算する。
特に、MDIを長期間にわたって保管した後であっても、MDIから供給される全ての用量についての医薬エーロゾル製剤のFPMを設定された規格内とすることは有利である。
懸濁液中の薬物の濃度(従って、供給される粒子状のキシナホ酸サルメテロール及びHFA製剤の用量)は、薬物がバルブのゴム製構成要素中に吸着されることで経時的に減少する可能性があると思われる。これは、缶の総薬物含有量(TDC)における減少として観察することができる。この問題は、周囲の大気条件から該製剤中への水分の進入によって加速され得る。
さらに、キシナホ酸サルメテロールHFA134a製剤の平均用量及びFPMは、該製剤中への水の侵入、及び/又は、付着、及び/又は、吸収/吸着によって、経時的に低下するものと思われる。
さらにまた、別のバルブ構成要素への薬物粒子の付着、特に、計量用チャンバへの薬物粒子の付着も、観察される製剤の安定性についての問題、例えば、投与される用量における不整合性などの一因となり得る。この投与される用量における不整合性は、作動の回数の増加に伴って顕著になる。
付着に伴う問題は、噴射剤1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFA134a)及び1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロ-n-プロパン(HFA227)をベースとして賦形剤を含まないエーロゾル製剤を用いる場合に特に悪化する。さらに、それは、該エーロゾルの貯蔵期間が長くなるに連れて、特に高温及び/又は高湿で保管する場合に、大きくなると思われる。
MDIから得られるHFA噴射剤中の懸濁液状態にあるキシナホ酸サルメテロールの製剤の懸濁濃度、用量及びFPMは、有利には、バルブ構成要素への前記付着を低減させることにより、及び/又は、薬物のゴム製構成要素への吸収を低減させることにより、及び/又は、特定のバルブ材料を用いることで貯蔵中及び使用中における該製剤への水の進入を効果的に制御することにより安定化される。さらにまた、本発明は、有利には、MDIのエラストマー製構成要素を処理及びコーティングして、該構成要素のスティッキングを引き起こし及び/又はその後の該構成要素の充填時及び使用時における損傷を引き起こす可能性のある摩擦を低下させる。
CFC噴射剤を用いるMDIからHFA噴射剤を用いるMDIに変えたことで、多くの問題が提起された。特に、1種以上のHFA噴射剤を含む薬物含有エーロゾル製剤は、一般に、該製剤中にエタノールを存在させることが必要とされる。従来からのシール及びガスケットは、エタノールの存在下で膨潤する。膨潤する従来のシール及びガスケットは、その結果、少なくとも部分的にその封止能力を失う。エタノールの存在下における封止性を向上させるために、エラストマー(例えば、EPDM)製シール及びガスケットが用いられた。なぜなら、それらがあまり膨潤しないことが知られているからである。しかしながら、処理されていないエラストマー製ガスケットは、多くの用途で、充分な潤滑性又は最適の潤滑性を有しない。従って、処理されていないEPDM製シール又はガスケットは、不均一に摩耗して封止能力を失う可能性がある。不充分な潤滑性と摩耗により、さらに、バルブがスティッキングを起こす可能性もある。
本発明は、有利には、MDIへの充填を包含する吸入器の全寿命を通して封止性と潤滑性を向上させることにより、MDIで用いられる先行技術のシール及びガスケットにおける上記問題を克服する。
従来のMDIのシール及びガスケットに関連する別の問題は、本体及び表面が、一般に、汚染物質/不純物として機能する複数の異なった物質及び抽出物を含んでいるということである。例えば、従来の本体のエラストマーは、充填材、添加剤、着色剤及び硬化剤を含んでいる。シート素材エラストマーの表面は、様々なシリコーン、石けん、潤滑油、汚れ、グリース及び別の一般的な汚染物質で汚染され得る。そのような汚染物質は、コーティングの適切な付着性を阻害若しくは妨害し、又は、表面処理の有効性を阻害若しくは妨害する。抽出物は、エーロゾル薬物製剤の効力と安全性に有害な影響を与える点で問題である。
本発明は、有利には、ガスケットから抽出され得る物質に対するバリヤを作り、周囲環境中の水蒸気の進入に対してバリヤを形成させることにより安全性と効力を向上させる。
MDIのシール及びガスケットに関連するさらに別の問題は、特に、シール/ガスケットが高圧縮力及び高圧下にあることにより、それらが薬物製剤中の噴射剤及びいずれかの界面活性剤に曝されることに起因して、時間の経過に伴って劣化する傾向にあることである。時間の経過に伴って、可塑剤及び充填材がエラストマー製のシール及びガスケットから抽出され、これが該エラストマーを劣化させる。このようにして、劣化したシール及びガスケットは、柔軟性、潤滑性及び封止能力を失う。
本発明は、前記シール/ガスケットの表面に、有機チタン製低摩擦バリヤコーティングを付着させることにより、劣化を防止するか又は実質的に低減する。本発明のコーティングされた/処理されたシール及びガスケットは、有利には、シリコーンも元素としてのケイ素も含まない乾燥潤滑剤コーティングを化学的に結合させることにより、性能及び耐用年数を向上させる。液体シリコーンは様々なバルブステム構成要素をコーティングするのに慣習的に用いられている。しかしながら、そのようなプロセスは、多段階であって、多くの時間を要する。さらにまた、シリコーンプロセスは、特にバルブ組み立て工程において、論理学的に複雑であるという理由により非能率的である。
本発明の前処理により、有機チタンをベースとするコーティングの優れた付着及び結合が可能となる。さらにまた、コーティングされたシール/ガスケットは低い摩擦係数と高い潤滑性を有し、それによって、シール/ガスケットの機械的摩損が低減され、バルブのスティッキングと薬物粒子の付着が低減/排除される。さらにまた、シール/ガスケットの表面は、用いる有機チタンモノマーに応じて、疎水性又は親水性であり得う。さらにまた、有機チタンコーティングは、有利には、ガス、蒸気(例えば、水蒸気)及び溶媒に対する優れたバリヤとして機能する。このことは、水蒸気が進入すると不安定になる傾向があるHFAエーロゾル製剤において特に重要である。該バリヤは、さらに、エラストマーからの抽出物のレベルも低減し、あらゆる離型剤をエラストマーの表面に封じ込めることができる。さらにまた、該バリヤの機能は、有利には、噴射剤の漏出及び脱出を低減するか又は防止する。コーティングされたシール/ガスケットは、さらに、化学的及び熱的に安定であり、柔軟性であり、エーロゾル薬物製剤と化学的に適合性である。
本発明の別の有利な点及び利益は、下記において記載されているとともに、含まれている図面において示されている。
図面の説明
本発明は、本明細書に記載されている詳細な説明及び添付図面からさらに完全に理解される。添付図面は例証のみを目的として与えられているものであって、本発明を限定するものではない。
本発明は、本明細書に記載されている詳細な説明及び添付図面からさらに完全に理解される。添付図面は例証のみを目的として与えられているものであって、本発明を限定するものではない。
図1は、本発明の計量バルブの一実施形態の断面図を示している。
図2は、本発明の計量バルブの一実施形態の別の断面図を示している。
図3は、本発明のリング及び谷構造の一実施形態の断面図を示している。
本発明の一態様は、エラストマー製基材を処理する方法に関し、該方法は、任意の適切な順序で、処理に有効な浴温度でアルコール及びアルカリ性物質を含む浴にエラストマー製基材を供給すること;前記エラストマー製基材を処理するのに充分な時間、前記浴に、処理に有効な振動数及びパワーレベルの超音波エネルギーを供給すること;処理したエラストマー製基材を脱イオン水でリンスすること;及び、処理及びリンスしたエラストマー製基材を乾燥させることを含む。
好ましくは、前記浴は、エタノール及び水酸化カリウムを含む。さらに好ましくは、前記浴は、80〜99重量%のエタノールと1〜20重量%の水酸化カリウムを含有し、さらに好ましくは、約91重量%のエタノールと約9重量%の水酸化カリウムを含有する。
前記超音波エネルギーは、好ましくは、前記浴に10〜20分間供給し、その際、浴温度は40〜60℃の範囲とする。さらに好ましくは、前記超音波エネルギーを約15分間供給し、その際、浴温度は約50℃とする。
好ましくは、前記エラストマー製基材は、アクリロニトリルブタジエン又はエチレンプロピレンジエンモノマーから製造する。前記エラストマー製基材は、さらに、1種以上の充填材、添加剤、硬化剤及び/又は架橋剤を含有し得る。処理及びリンスしたエラストマー製基材は、好ましくは、対流式オーブンで乾燥させる。
本発明の別の態様は、エラストマー製基材を処理及びコーティングする方法に関し、該方法は、任意の適切な順序で、処理に有効な浴温度でアルコール及びアルカリ性物質を含む浴にエラストマー製基材を供給すること;前記エラストマー製基材を処理するのに充分な時間、前記浴に、処理に有効な振動数及びパワーレベルの超音波エネルギーを供給すること;処理したエラストマー製基材を脱イオン水でリンスすること;処理及びリンスしたエラストマー製基材を乾燥させること;反応チャンバを供給して、それに、処理及びリンスしたエラストマー製基材を含有させること;適切な圧力に維持された前記反応チャンバに有機チタネートを供給すること;前記反応チャンバに電圧を印加してプラズマを発生させること;及び、前記反応チャンバをパージすることを含む。
本発明で使用し得る有機チタネートのリストには、限定するものではないが、チタン酸テトラアルキル及びチタネートキレートなどが含まれる。チタン酸テトラアルキルの例としては、限定するものではないが、チタン酸テトライソプロピル、チタン酸テトラ-n-ブチル及びチタン酸テトラキス(2-エチルヘキシル)などを挙げることができる。チタネートキレートの例としては、限定するものではないが、アセチルアセトネートチタネートキレート、エチルアセトアセテートチタネートキレート、トリエタノールアミンチタネートキレート及び乳酸チタネートキレートアンモニウム塩などを挙げることができる。これらの有機チタネートは、デュポン社のTYZOR(登録商標)有機チタネート製品のPerformance Chemical line から入手可能である。前記有機チタネートは、好ましくは、プラズマ化学気相成長法(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)(PECVD)を用いて、前記エラストマー製基材上に付着させる。さらにまた、別の適切な蒸着プロセスを用いて有機チタネートを付着させることもできる。
適切な圧力に維持されている前記反応チャンバに不活性ガスを供給してもよい。エッチングガスを前記反応チャンバに有機チタネートより先に供給して、処理及びリンスしたエラストマー製基材をエッチングされたものとしてもよい。あるいは、該エッチングガスは、反応チャンバに有機チタネートと一緒に供給してもよい。好ましくは、有機チタネートに対する該不活性エッチングガスの比率は、20:1〜40:1の範囲、さらに好ましくは、30:1〜35:1の範囲であり、さらに好ましくは、約33 1/3:1である。該不活性エッチングガスは、好ましくは、アルゴン又は酸素である。前記反応チャンバは、好ましくは、窒素でパージする。有機チタネートは、好ましくは、チタン酸テトライソプロピルである。
好ましくは、前記反応チャンバの圧力は約50ミリTorrに維持し、印加電圧は約250ボルトであり得る。エッチングガスから発生したプラズマは、最大で約10分間、前記基材と反応させ得る。エッチングガスから発生したプラズマ及び有機チタネートは、最大で約10分間、前記基材と反応させ得る。
本発明の別の態様は、吸入器で使用するためのシールであり、該シールは、エラストマー製基材;及び、前記基材上の少なくとも一部に存在する膜厚を有するチタン含有コーティングを含む。
本発明のさらに別の態様は、吸入器で使用するためのガスケットであり、該ガスケットは、エラストマー製基材;及び、前記基材上の少なくとも一部に存在する膜厚を有するチタン含有コーティングを含む。
本発明のさらに別の態様は、吸入器で使用するためのシールであり、該シールは、任意の適切な順序で、処理に有効な浴温度でアルコール及びアルカリ性物質を含む浴にエラストマー製基材を供給すること;前記エラストマー製基材を処理するのに充分な時間、前記浴に、処理に有効な振動数及びパワーレベルの超音波エネルギーを供給すること;処理したエラストマー製基材を脱イオン水でリンスすること;処理及びリンスしたエラストマー製基材を乾燥させること;反応チャンバを供給して、それに、処理及びリンスしたエラストマー製基材を含有させること;前記反応チャンバに不活性アルゴンガスを供給すること;前記反応チャンバに電圧を印加してエッチングのためのアルゴンプラズマを発生させること;適切な圧力に維持された前記反応チャンバに有機チタネートを供給すること;前記反応チャンバに電圧を印加してプラズマを発生させること;及び、前記反応チャンバをパージすることを含む方法により製造される。
本発明のさらに別の態様は、吸入器で使用するためのガスケットであり、該ガスケットは、任意の適切な順序で、処理に有効な浴温度でアルコール及びアルカリ性物質を含む浴にエラストマー製基材を供給すること;前記エラストマー製基材を処理するのに充分な時間、前記浴に、処理に有効な振動数及びパワーレベルの超音波エネルギーを供給すること;処理したエラストマー製基材を脱イオン水でリンスすること;処理及びリンスしたエラストマー製基材を乾燥させること;反応チャンバを供給して、それに、処理及びリンスしたエラストマー製基材を含有させること;適切な圧力に維持された前記反応チャンバに有機チタネートを供給すること;前記反応チャンバに電圧を印加してプラズマを発生させること;及び、前記反応チャンバをパージすることを含む方法により製造される。
本発明のさらに別の態様は、計量バルブに関し、該計量バルブは、バルブボディ;計量用チャンバ;バルブステム;及び、エラストマー製基材と該基材上の少なくとも一部に存在する膜厚を有するチタン含有コーティングを含む1以上のステムシールを含み、ここで、該計量バルブは、薬物と液体噴射剤を含む薬物懸濁液を計量するのに適するものであり、該薬物は、サルメテロール、サルブタモール、ホルモテロール、イプラトロプリウム(ipratroprium)、フルチカゾン、ベクロメタゾン、ブデソニド、テルブタリン、及びそれらの塩、エステル、溶媒和物、並びにそれらの組合せからなる群から選択されるものである。
本発明の別の態様は、計量バルブに連通しているキャニスターを含む定量吸入器に関し、ここで、該計量バルブは、バルブボディ;計量用チャンバ;バルブステム;及び、エラストマー製基材と該基材上の少なくとも一部に存在する膜厚を有するチタン含有コーティングを含む1以上のステムシールを含み、ここで、該計量バルブは、薬物と液体噴射剤を含む薬物懸濁液を計量するのに適するものであり、該薬物は、サルメテロール、サルブタモール、ホルモテロール、イプラトロプリウム、フルチカゾン、ベクロメタゾン、ブデソニド、テルブタリン、及びそれらの塩、エステル、溶媒和物、並びにそれらの組合せからなる群から選択されるものである。
本発明の別の態様は、計量バルブに連通しているキャニスターを含む薬物製品に関し、ここで、該キャニスターは噴射剤と薬物を含む薬物懸濁液を含有しており、該計量バルブは、バルブボディ;計量用チャンバ;バルブステム;及び、エラストマー製基材と該基材上の少なくとも一部に存在する膜厚を有するチタン含有コーティングを含む1以上のステムシールを含み、ここで、該計量バルブは、該薬物懸濁液を計量するのに適するものであり、該薬物は、サルメテロール、サルブタモール、ホルモテロール、イプラトロプリウム、フルチカゾン、ベクロメタゾン、ブデソニド、テルブタリン、及びそれらの塩、エステル、溶媒和物、並びにそれらの組合せからなる群から選択されるものである。
図1に示されているように、本発明の第一の実施形態によるバルブは、圧着によって口輪(2)内に封止されているバルブボディ(1)を有し、その口輪自体は、周知方法でガスケット(3)を介して容器頸部(不図示)上に設置されている。該容器は、液体噴射剤HFA134a中の薬物の懸濁液で満たされている。
この目的に適する薬物には、限定するものではないが、喘息、気管支炎、慢性閉塞性肺疾患及び胸部感染症などの呼吸器障害を治療するための薬物などがある。吸入療法で効力を有し、懸濁液として製剤し得る別の薬物も用いることができる。適する薬物としては、限定するものではないが、鎮痛薬、例えば、コデイン、ジヒドロモルヒネ、エルゴタミン、フェンタニル又はモルヒネ;狭心症薬(anginal preparations)、例えば、ジルチアゼム;抗アレルギー薬、例えば、クロモグリケート、ケトチフェン又はネオドクロミル(neodocromil);抗感染薬、例えば、セファロスポリン類、ペニシリン類、ストレプトマイシン、スルホンアミド類、テトラサイクリン類及びペンタミジン;抗ヒスタミン薬、例えば、メタピリレン;抗炎症薬、例えば、プロピオン酸フルチカゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、フルニソリド、ブデソニド又はトリアムシノロンアセトニド;鎮咳薬、例えば、ノスカピン;気管支拡張薬、例えば、サルメテロール、サルブタモール、エフェドリン、アドレナリン、フェノテロール、ホルモテロール、イソプレナリン、メタプロテレノール、フェニルエフリン、フェニルプロパノールアミン、ピルブテロール、レプロテロール、リミテロール、テルブタリン、イソエタリン、ツロブテロール、オルシプレナリン又は(-)-4-アミノ-3,5-ジクロロ-α-[[[6-[2-(2-ピリジニル)エトキシ]-ヘキシル]アミノ]メチル]ベンゼンメタノール;利尿薬、例えば、アミロリド;抗コリン作動薬、例えば、イプラトロピウム、アトロピン又はオキシトロピウム;ホルモン、例えば、コルチゾン、ヒドロコルチゾン又はプレドニソロン;キサンチン類、例えば、アミノフィリン、コリンテオフィリネート、リシンテオフィリネート又はテオフィリン;治療用タンパク質及びペプチド、例えば、インスリン又はグルカゴン、並びに、それらの組合せなどを挙げることができる。適切な場合には、上記薬物は、その活性及び/又は安定性を最適化するために、塩(例えば、アルカリ金属塩として、又は、アミン塩として、又は、酸付加塩として)の形態で、又は、エステル(例えば、低級アルキルエステル)として、又は、溶媒和物(例えば、水和物)として用いることができることは、当業者には明らかである。好ましい薬物は、サルブタモール、硫酸サルブタモール、サルメテロール、キシナホ酸サルメテロール、プロピオン酸フルチカゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、硫酸テルブタリン、臭化イプラトロピウム、及びそれらの組合せである。薬物の上記懸濁液が1種以上の活性成分のみから成ってもよいことは理解されるべきである。
バルブボディ(1)は、該バルブの下側部分に計量用チャンバ(4)を含み、上側部分にはサンプリングチャンバ(5)を含んでいる。サンプリングチャンバ(5)は、戻しバネ(6)のためのハウジングとしても機能する。用語「上側」及び「下側」は、図1において示されているように低い位置に配置されている容器及びバルブの頸部との配置を示すために使用されている。バルブボディ(1)はバルブステム(7)を含み、バルブステム(7)は、下側ステムシール(9)及び口輪(2)を通ってバルブの外側に延びている外側ステム部分(8)を含んでいる。外側ステム部分(8)は、ステム(7)の外側端部で開口して半径方向通路(11)に連通している軸方向又は長手方向の流路(10)を含んでいる。
ステム(7)の内側部分は、それが上側ステムシール(12)の開口部をスライドして通過できるような直径を有している。ステム(7)は、さらに、シールを提供するのに充分な程度に、上側ステムシール(12)の周囲に係合している。上側ステムシール(12)は、前記下側部分と上側部分の間にスリーブ(14)によってバルブボディ(1)に形成されたステップ(13)に接触して所定位置に保持されている。スリーブ(14)は下側ステムシール(9)と上側ステムシール(12)の間で計量用チャンバ(4)を規定している。バルブステム(7)は通路(15)を有し、それは(ステムが図1に示されている非動作位置にある場合)、計量用チャンバ(4)とサンプリングチャンバ(5)の間に連通を提供する。バルブステム(7)は、さらに、バルブボディ(1)の側面に形成されたスロット(16)を介して容器内部とも連通している。スロット(16)は、それに関して軸方向に延びるバルブボディ(1)の周囲に等角に配置し得る。各スロット(16)は、約1mmの幅とサンプリングチャンバ(5)の長さよりも僅かに短い長さを有することができ、それによって、容器内の懸濁液はサンプリングチャンバ(5)の全体を通って自由に流れることができる。
バルブステム(7)は、戻しバネ(6)によって下方に偏った位置にあり、下側ステムシール(9)に隣接しているショルダー(17)を有する。図1に示されている位置では、ショルダー(17)は下側ステムシール(9)に接している。半径方向通路(11)は、下側ステムシール(9)の下で開口しており、それによって、計量用チャンバ(4)を流路(10)から分離している。容器内の懸濁液は、周囲の環境から適切に封止されている。
リング(18)がスロットの下でバルブボディの周囲に配置されている。リング(18)は、断面歯厚が小さい多くの部分で形成されており、半径方向の断面は「U」字形状を与える。多くの谷部(19)がバルブボディの周囲に形成されている。図1及び図3に示されているように、リングは分離した構成要素として形成されているが、1つ以上の別のバルブ構成要素と一緒に一体的に形成することもできる。好ましくは、リング(18)はナイロンから成形するか、又は、別の適する成形材料から成形する。好ましくは、リング(18)は、バルブボディ(1)の上側部分を覆って摩擦嵌合するのに適する直径の内側環状接触リムを有する。リング(18)は、スロット(16)の下でステップ(13)に接触して乗っている。あるいは、リング(18)は、バルブボディ(1)の一体成形された部分として形成することができる。
図3に示されているように、リングの外壁は軸方向に延びて等角度で離れている多くのスロットを形成しており、これが、リングの下側部分から上方向に延びているベーン(20)を形成している。好ましくは、6つのスロットと6つのベーンを用いる。あるいは、より多くの又はより少ないスロットとベーンを用いることができる。リングの下側部分には、組み立て中にガスケットを正確に配置するためにガスケット(3)のためのシート(21)が含まれている。さらにまた、シート(21)により、ガスケットの内径を大きくして、ガスケットの寸法と接触面積を小さくすることが可能となる。シート/ガスケット構造は、有利には、不純物がガスケットから浸みだして薬物懸濁液中に入るのを防止するか又は入る可能性を小さくする。
容器を振盪して薬物懸濁液を均質化する。懸濁液はスロット(16)を通ってサンプリングチャンバ(5)に自由に流れ込み、それによって、確実に、サンプリングチャンバ内の懸濁液が容器内の懸濁液と充分に混合される。懸濁液が流れることにより、さらに、サンプリングチャンバ(5)の内部で凝集する薬物粒子が分散又は再懸濁される。さらにまた、懸濁液がベーン(20)の周囲を流れることで、懸濁液の乱流及び渦運動を引き起こし、それによって、リングの近くの薬物粒子の沈澱物及び凝集物が分散される。
バルブを作動させるには、バルブステム(7)をバネ(6)の力に抗して押す。バルブステムが押されると、通路(15)の両端が、計量用チャンバ(4)から遠い上側ステムシール(12)の側面に位置する。計量用チャンバ内で薬物製剤の用量が計量される。バルブステム(7)をさらに押すことができ、それによって半径方向通路(11)が移動して計量用チャンバ(4)に入り、上側ステムシール(12)がバルブステム本体に接触して封止する。計量された用量は、半径方向通路(11)及び出口流路(10)を通って放出される。
バルブステムを放すと、バネ(6)によってステム(7)が図1及び図2で示されている位置に戻される。その場合、通路(15)は、計量用チャンバ(4)とサンプリングチャンバ(5)の間を再度連通させる。この位置で、液体が加圧下に容器からスロット(16)及び通路(15)を通って計量用チャンバ(4)に入る。
容器及びバルブが作動可能な状態において、バルブボディの周囲にある「U」字形状のリング(18)によって、スロット(16)の下方にある谷部(19)が提供される。懸濁液中に再分散されない薬物粒子の沈澱物/凝集物は前記谷部に収容される。谷部(19)によって、さらに、(スロット(16)を通ってサンプリングチャンバ(5)に入る)懸濁液が、薬物粒子の沈澱物及び凝集物を含まない均質な懸濁液であることを保証する。リング(18)は、さらに、スロット(16)の下方の容器内に収容することができる懸濁液の容積を減じる。
コーティングされ/処理された本発明のエラストマー製ガスケット及びシールは、有利には、処理されていないエラストマー製シール及びガスケットと比較して、封止性と潤滑性が向上している。特に、1種以上のHFA噴射剤を含む薬物含有エーロゾル製剤では、一般に、該製剤中にエタノールを存在させることが必要とされる。従来のシール及びガスケットは、エタノールの存在下で膨潤する。膨潤する従来のシール及びガスケットは、その結果、少なくとも部分的にその封止能力を失う。エタノールの存在下における封止性を向上させるために、エラストマー(例えば、EPDM)製シール及びガスケットが用いられた。なぜなら、それらがあまり膨潤しないことが知られているからである。しかしながら、処理されていないエラストマー製ガスケットは、多くの用途で、充分な潤滑性又は最適の潤滑性を有しない。従って、処理されていないEPDM製シール又はガスケットは、不均一に摩耗して封止能力を失う可能性がある。不充分な潤滑性と摩耗により、さらに、バルブがスティッキングを起こす可能性もある。
前述における表現「EPDMのポリマー」と「EPDMポリマー」は、交換可能に使用されている。好ましい液化噴射剤ガスは、1,1,1,2-テトラフルオロエタンである。EPDMポリマーは、West and Parker Seals(USA)を包含する様々な製造業者から入手することができる。EPDMのポリマーから形成されたガスケット/シールは、90重量%を超えるEPDMポリマーを含有し、好ましくは、95重量%を超えるEPDMポリマー、さらに好ましくは、99重量%を超えるEPDMポリマーを含有する。本発明の一実施形態において、MDIバルブは、実質的にEPDMポリマーから形成されている缶封止用ガスケット(3)によってキャニスターに封止されている。好ましくは、該バルブは計量バルブであるが、医薬吸入装置に適する別のタイプのバルブも本発明で使用することができる。
EPDMは、熱可塑性ゴム(TPR類)及び熱可塑性加硫ゴム(TPV類)とも称される広範な種類の熱可塑性エラストマー(TPE類)の1種である。MDIで使用するためのシール及びガスケットを製造するのにニトリルゴムを使用することもできる。そのようなニトリルゴムには、例えば、アクリロニトリルと共重合しているポリブタジエンなどがある。この種類のエラストマー及びゴムの例としては、もちろん限定するものではないが、SANTOPRENE(登録商標)、VYRAM(登録商標)、VISTAFLEX(登録商標)、DYTRON(登録商標)、GEOLAST(登録商標)及びTREFSIN(登録商標)などを挙げることができる。抽出成分を含んでいるゴム製のガスケット及びシールは問題であり得るが、それらは、一般に、適切な量の慣習的な充填材、添加剤及び硬化剤を含有する。
本発明の別の実施形態において、計量バルブは、ライナー(14)と上側封止用ガスケット(12)及び下側封止用ガスケット(9)によって画定される計量用チャンバ(4)を含んでおり、その中をバルブステム(8)が通過する。前記バルブは、封止用ガスケット(3)を用いてキャニスターに封止されている。
前記計量用チャンバはライナー(14)を含み得る。前記ライナーは、処理及び/又はコーティングされていてもよい。ライナー(14)は、適切な特性を有する任意の材料から形成し得る。例えば、ライナー(14)は、ナイロン、ポリブチレンテレフタレートPBT(ポリエステル)、アセタール(ポリオキシメチレン)及びテトラブチレンテレフタレート(TBT)から成形することができる。ライナー(14)は、ステンレス鋼又はアルミニウムなどの該薬物製剤と適合性を有する金属材料から製造することもできる。
本発明は、さらにまた、実質的にフッ素化されている計量用チャンバ(4)の表面も包含する。計量用チャンバ(4)のフッ素化膜表面は、有利には、特に、キシナホ酸サルメテロールとHFA噴射剤を含む薬物懸濁液製剤と一緒に使用するときに、計量用チャンバへの薬物の付着を低減する。
特に、計量用チャンバ(4)の壁の表面処理は、フッ素化された小分子モノマー(又は、前駆体)、例えば、C1-10ペルフルオロアルカン類、例えば、限定するものではないが、ペルフルオロシクロアルカン類;C2-10ペルフルオロアルケン類;水素のかなりの部分がフッ素で置き換えられているフルオロアルカン類、例えば、フルオロシクロアルカン類又はフルオロアルケン類、又は、それらのフッ素含有分子の混合物などを含む1種以上のフッ素含有プラズマの使用を包含する。さらに、前記フッ素含有プラズマは、フッ素化前駆体と組み合わせて1種以上の非フルオロカーボン化合物を用いることによって製造することができる。さらに好ましくは、前記プラズマは、C1-10ペルフルオロアルカン前駆体から製造する。
フッ素含有プラズマコーティングを用いて、計量用チャンバ、バルブステム、リング、谷部、ライナー(用いる場合)及びサンプリングチャンバなどの種々のバルブ構成要素のいずれかの任意の表面の少なくとも一部にフッ素化ポリマーを適用する。重合を行うか、又は、前記基材中の水素イオンをフッ素イオンと交換することにより構成要素表面を直接修飾する。コールドプラズマフッ素化プロセスは、真空下、周囲温度で行うことができる。コーティングしようとする構成要素を、パージして真空にしてある反応チャンバ内に配置する。前記フッ素モノマー(又は、前駆体)を、制御された速度で前記反応チャンバに供給する。プラズマを反応チャンバ内で着火してプラズマを生成させ、所定時間にわたって選択されたパワー設定に維持する。処理サイクルの終わりに、プラズマを消し、反応チャンバのフラッシング(又は、例えば窒素などによるパージ)を行い、生成物を回収する。フッ素含有ポリマーの薄層(例えば、1〜10μm)を前記バルブ構成要素の表面に結合させる。
プラズマ重合には、典型的には、約20℃〜約100℃の範囲の温度を用いることができる。構成要素の表面、特に、計量用チャンバの表面は、該表面へのコーティングの付着性を向上させることにより該表面のより効果的なコーティングを容易にするために、活性化することが必要な場合もある。
好ましくは、フッ素含有プラズマを用いてプラズマコーティングしようとする構成要素は、前処理して、表面の全ての汚染物を除去し、及び/又は、表面を活性化する。これは、例えば、酸素又はアルゴンなどのエッチングガスで構成要素を処理することにより行うことができる。このプロセスでは、ラジカルがプラスチック又は金属基材と反応する。例えば、構成要素を低圧酸素プラズマ環境に曝すことにより構成要素表面上に極性基が形成されるが、これが、施されるプラズマコーティングとの結合を促進する。
あるいは、計量用チャンバ(特に、例えば上記したようなプラスチック材料で形成されている場合)は、フルオロプラズマコーティングについて上述したものと同様の方法を用いて、ジメチルシロキサンのようなシロキサン含有プラズマで表面処理することもできる。
あるいは、計量用チャンバ(特に、金属材料で形成されている場合)は、テトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ビニルジエンフルオリド(PVDF)及び塩素化エチレンテトラフルオロエチレンのうちの1種以上のモノマー単位の複数からつくられたフルオロカーボンポリマーを包含するフルオロカーボンポリマーを用いて、慣習的な技術によりコーティングすることができる。ペルフルオロカーボンポリマー(例えば、PTFE、PFA又はFEP)などの、炭素に対するフッ素の割合が比較的高いフッ素化ポリマーが好ましいと考えられる。
前記フッ素化ポリマーは、場合により、ポリアミド類、ポリイミド類、ポリアミドイミド類、ポリエーテルスルホン類、ポリフェニレンスルフィド類及びアミン-ホルムアルデヒド熱硬化性樹脂のような非フッ素化ポリマーとブレンドする。これらの追加されるポリマーは、多くの場合、前記基材へのポリマーコーティングの付着性を向上させる。好ましいポリマーブレンドは、PTFE/FEP/ポリアミドイミド、PTFE/ポリエーテルスルホン(PES)及びFEP-ベンゾグアナミンである。最も好ましいポリマーコーティングは、PTFEとPESのブレンドである。純粋なFEPのコーティングも、同様に、相当興味深いものである。
例えば金属(例えば、アルミニウム又はステンレス鋼)に上記コーティングを施すための1つの技術では、該金属をコイルストックとして前コーティングし、硬化させてから、型打ち又は延伸して缶の形状とする。この方法は、2つの理由により大量生産に適している。第1に、コイルストックのコーティングの技術分野は十分に発達しており、いくつかの製造業者が高い均一性水準及び広範囲の厚さで金属コイルストックをカスタムコーティングすることができる。第2に、コーティングしていないストックを延伸又は型打ちするのに用いられる方法と本質的に同じ方法によって、前コーティングしたストックを高速且つ高精度で型打ち又は延伸することができる。
コーティング技術のための別の技術には、静電式乾燥粉末コーティング法、又は、前成型されたMDI構成要素にフッ素化ポリマー/ポリマーブレンドコーティング配合物をスプレーした後で硬化させる方法などがある。さらにまた、前成型されたMDI構成要素をフルオロカーボンポリマー/ポリマーブレンドコーティング配合物に浸漬し、硬化させることもでき、これにより、内側も外側も完全にコーティングされる。さらにまた、フルオロカーボンポリマー/ポリマーブレンド配合物をMDI構成要素の内側に注入し、次に排液することで、内部をポリマーコーティングされた状態で残すこともできる。
適切な硬化温度は、コーティングに選択されるポリマーブレンド及び使用されるコーティング法に依存する。しかしながら、コイルコーティング及びスプレーコーティングの場合、一般的には、ポリマーの融点より高い温度が必要とされ、例えば融点より約50℃高い温度で、最大で約20分間、例えば5〜10分間、例えば、約8分間、又は必要に応じた時間で行う。上記した好ましいポリマーブレンド及び特に好ましいポリマーブレンドについては、約300℃〜約400℃の範囲、例えば約350℃〜380℃の範囲の硬化温度が適切である。
構成要素をコーティングし、その後続いて硬化させる場合、前記基材の構成成分が該プロセスに確実に耐えられるようするために、それらを強化材料から製造してもよい。従って、本発明の一態様は、上記で記載したような容器の製造方法であって、前記計量用チャンバの表面処理が、場合により非フルオロカーボンポリマーと組み合わせた、フルオロカーボンポリマーのコーティングを施すプロセスを含む前記方法である。
これとは逆に、ポリマー化合物の溶液が入った処理槽にディップされ得るか又は浴浸漬され得る構成要素に、別のポリマーコーティングを用いることもできる。通常、そのような構成要素は少なくとも1時間、例えば12時間にわたって室温で該溶液に浸漬され、それによって、内部及び外部の両方が処理される。
処理された構成要素は、好ましくは、溶媒で洗浄し、場合により減圧下で、昇温条件下、例えば50〜100℃で乾燥させる。適するコーティング材料の例には、米国特許第4,746,550号(参照により本明細書に組み入れる)に記載されているような、一般式Rf-O(C3F6O)m(CFX)n-CFX-Y-Zpで表される官能末端基を有するフルオロポリエーテル、例えば、カルボキシル、エステル、アミド、ヒドロキシル、イソシアネート、エポキシ、シラン、例えば、-CONR2R3[式中、R2及びR3は互いに独立して、水素又はシリルエーテル(例えば、SiRt(OR)3-t)から選択され得る]のような、コーティングを基材に固定することができる官能基を有するペルフルオロポリエーテル、又は、米国特許第6,071,564号(参照により本明細書に組み入れる)に記載されているような、-CF2CH2OH,-CF2CFXCH2OH(式中、XはCl又はFである)若しくは-CF(CF3)CH2OHの型のヒドロキシ官能基を有するフルオロポリエーテル;米国特許第3,492,374号(参照により本明細書に組み入れる)に記載されているような、式[XCF2CF2O(CFXCF2O)XCFXCH2O]2PO(OM)で表されるリン酸ジエステル、又は、欧州特許第0687533号(参照により本明細書に組み入れる)に記載されているような、式[Rf-O-CFY-L-O]mP=O(O-Z+)3-m[式中、Lは2価有機基であり;m=1であり;Yは、-F又は-CF3であり;Z+は、H+、M+(ここで、Mはアルカリ金属である)及びN(R)4 +(ここで、R基は独立して、H又はC1-6アルキルを表す)から選択され;Rfは、ポリペルフルオロアルキレンオキシド鎖である]で表されるリン酸モノエステルなどがある。
上記フルオロポリエーテルは、場合により架橋基(CH2CH2)q(式中、qは1〜6の整数を表す)を介してペルフルオロアルキル基-CF2、-CF2CFX(式中、XはCl又はFである)又はCF(CF3)に直接結合している-CH2OH末端を有するモノ官能性フルオロポリエーテルと組み合せて用いることもできる。
さらにまた、別の適するコーティング材料には、1600〜1750の範囲の分子量を有するペルフルオロポリオキシアルカンのシラン誘導体であるポリマー化合物、及び、一般式:
R1-(CH2)v-CF2O-(C2F4O)x-(CF2O)yCF2-(CH2)w-R1 (1)
[式中、R1は-(OCH2-CH2)z-OPO(OH)2からなり;x、y及びzは、該化合物の分子量が900〜2100となるような値であり、v及びwは独立して1又は2を表す]
で表されるポリマー化合物などがある。
R1-(CH2)v-CF2O-(C2F4O)x-(CF2O)yCF2-(CH2)w-R1 (1)
[式中、R1は-(OCH2-CH2)z-OPO(OH)2からなり;x、y及びzは、該化合物の分子量が900〜2100となるような値であり、v及びwは独立して1又は2を表す]
で表されるポリマー化合物などがある。
あるいは、計量用チャンバは、実質的にフッ素化されている適切な材料から形成されることで、前記製剤に対して実質的にフッ素化された表面を提供する。適するフッ素化材料には、フッ素化ポリマー/コポリマー若しくはそれらの混合物、又は、アセタール、ポリエステル(PBT)などのバルブの製造に従来から使用されている非フッ素化ポリマーと組み合せたフッ素化ポリマーの混合物などがある。適するフッ素化ポリマーの例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニルジエン(PVDF)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)などを挙げることができる。適するコポリマーとしては、テトラフルオロエチレン(TFE)とPFAのコポリマー、TFEとヘキサフルオロプロピレン(HFP)のコポリマー(DYNEONから、FEP 6107及びFEP 100として入手可能)、VDFとHFPのコポリマー(Viton Aとして市販されている)、TFEとペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)のコポリマー(DYNEONから、PFA 6515Nとして入手可能)、TFEとヘキサフルオロプロピレンとフッ化ビニリデンのブレンド(DYNEONから、THV 200Gとして市販されている)などを挙げることができる。
しかしながら、注目すべきことは、フッ素化ポリマーを含んでおり且つ本発明による吸入器に使用されるバルブを製造するのに用いることができる従来からあるポリマー、コポリマー又はそれらの混合物はいずれも適切であり得るということである。ポリマー及び/又はコポリマーの混合物の例は、例えば、最大80重量%のフッ素化ポリマー、場合により最大40重量%のフッ素化ポリマー、場合により最大20重量%のフッ素化ポリマー又は場合により最大5重量%のフッ素化ポリマーを含む。好ましくは、PTFE、PVF及びPCTFEから選択されるフッ素化ポリマーを、非フッ素化ポリマーとの混合物として用いる。例えば、適する材料は、5%PTFE/アセタールブレンドであるHOSTAFORM X329TM(Hoechst)、20%PTFE/アセタールブレンドであるHOSTAFORM C9021TF、PTFE/PBTブレンド(例えば、LNP WL4040)、PTFE/PBT/シリコーンブレンド(例えば、LNP WL4540)などである。
前記計量用チャンバを形成し得る別の適する材料としては、ポリエチレンテトラフルオロエチレン、ポリビニル-ジエンフルオリド、ポリペルフルオロアルコキシアルカン、ポリクロロトリフルオロエチレン、フッ素化ポリエチレンプロピレン、ポリテトラフルオロエチレンとポリペルフルオロアルコキシアルカンのコポリマー、ポリテトラフルオロエチレンとポリヘキサフルオロプロピレンのコポリマー、ポリフッ化ビニルジエンとポリヘキサフルオロプロピレンのコポリマー、ポリテトラフルオロエチレンとポリペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)のコポリマー、ポリテトラフルオロエチレンとポリヘキサフルオロプロピレンとポリフッ化ビニリデンのブレンド、並びにそれらのブレンド及びそれらの組合せからなる群から選択される1種又はそれ以上の材料などがある。
本発明において使用するフッ素化ポリマー及びそれらの混合物は、慣習的ないずれかの方法で、例えば、射出成形及びプラスチック成形などにより成形することができる。本発明は、さらにまた、バルブステムが前記製剤に対して実質的にフッ素化されている表面を提供する、上記で記載した容器にも関する。
好ましくは、実質的にフッ素化された表面は、ステムの表面処理によって得られる。最も好ましくは、前記表面処理は、上記で記載したような、フルオロシクロアルカンを包含するC1-10ペルフルオロアルカン;C2-10ペルフルオロアルケン;フルオロシクロアルカンを包含するフルオロアルカン若しくは水素が高い割合でフッ素によって置き換わっているフルオロアルケン又はそれらの混合物などのような高度にフッ素化された小分子を用いるプラズマコーティングのプロセスを含む。フッ素含有プラズマを用いてプラズマコーティングしようとするステムは、場合により、前処理して、表面の汚染物を除去してもよく、及び/又は、表面を活性化してもよい。
あるいは、ステムは、場合により非フルオロカーボンポリマーと組み合せた、フルオロカーボンポリマーを用いる慣習的な技術によってコーティングすることもできるが、そのようなコーティングでは、上記で記載したように、コーティングを行ったあとに硬化させることが必要である。
さらに、計量用チャンバについて上記で記載したように、50〜100℃の温度で乾燥させることを必要とするフルオロカーボンポリマーを用いる方法によっても、ステムをコーティングすることができる。
あるいは、ステムは、フッ素化されている適切な材料から形成されることで、前記製剤に対して実質的にフッ素化された表面を提供する。
計量用チャンバについて上記で記載した方法及び材料と同様の方法及び材料が、本発明によるバルブステムの製造に適している。
前記エーロゾル薬物製剤は、C1-4ヒドロフルオロアルカンなどの噴射剤、好ましくは、1,1,1,2-テトラフルオロエタン若しくは1,1,1,2,3,3,3-n-ヘプタフルオロプロパン又はそれらの混合物などを含む。好ましい製剤は、賦形剤を含まないか又は実質的に含まない。
本発明の薬物製剤は、好ましくは、成層圏のオゾンの分解を誘発する成分を含まない。特に、本発明は、有利には、CCl3F、CCl2F2及びCF3CCl3などのクロロフルオロカーボンを全く含まない。本発明は、さらにまた、有利には、揮発性補助剤又は界面活性剤、例えば、プロパン、n-ブタン、イソブタン、ペンタン及びイソペンタンなどの飽和炭化水素又はジメチルエーテルなどのジアルキルエーテルなどを実質的に含まない。「実質的に含まない」とは、一般に、医薬の重量に基づいて、0.01重量%未満、特に0.0001重量%未満しか含まないことを意味するものと理解される。
本発明の薬物製剤は、さらにまた、極性補助剤、例えば、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール及びそれらの混合物のようなC2-6脂肪族アルコール及びポリオールなども実質的に含まない。
好ましくは、粒子状(例えば、微粉砕された)薬物の粒径は、肺の中に実質的に全ての薬物が吸入され得るのに充分なものである。さらに好ましくは、前記粒径は、100μm未満、さらに好ましくは、20μm未満、さらに好ましくは、1〜10μmの範囲、さらに好ましくは、1〜5μmの範囲である。
前記製剤中の薬物の濃度は、0.01〜2重量%(全てのパーセンテージは、特に断りがない限り、重量%による)であってよく、さらに好ましくは、0.01〜1重量%、さらに好ましくは、0.03〜0.25重量%であってよい。キシナホ酸サルメテロールを含む薬物製剤は、0.03〜0.15重量%の濃度を有し得る。
用語「定量吸入器」又はMDIは、缶、前記缶を覆う固定されたキャップ、前記キャップ内に設置された製剤計量バルブを含むユニットを意味する。MDIシステムには、適切なチャネリング装置が含まれている。適切なチャネリング装置には、例えば、バルブアクチュエーター、及び、円筒形又は円錐に近い形状の通路が含まれており、前記通路を通って、充填されたキャニスターから計量バルブを介して患者の鼻又は口に薬物が送達され得る。そのようなものの例としては、マウスピースアクチュエーターがある。
MDIキャニスターには、一般に、噴射剤の蒸気圧に耐え得る容器が含まれている。プラスチック製ボトル、プラスチックでコーティングされているガラス瓶、又は、好ましくは、金属製缶を使用することができる。好ましくは、前記金属製缶は、アルミニウム製缶又はアルミニウム合金製缶であり、これらは、陽極処理、ラッカーコーティング及び/又はプラスチックコーティングされていてもよい。
超音波溶着若しくはレーザー溶着などの溶着、ネジ式嵌合又は圧着によって、キャニスターの上にキャップを取り付けることができる。本明細書で教示されているMDIは、当技術分野の方法で製造することができる(例えば、Byron(上掲)、及び、国際公開第96/32150号を参照されたい)。好ましくは、キャニスターにはキャップアセンブリを取り付け、そのキャップの中に製剤計量バルブを設置する。キャップは、所定の位置に圧着する。
本発明のさらに別の態様は、噴射剤を液体として維持するのに必要な圧力に耐えることができ、内部にエーロゾル製剤を含む密封容器(上記で記載したような容器)である。好ましくは、該容器はアルミニウム製である。好ましくは、前記キャニスターも、前記製剤に対して実質的にフッ素化された表面を提供する。好ましくは、キャニスターの中に含まれている製剤に対して実質的にフッ素化された表面を提供するように、キャニスターを表面処理する。さらに好ましくは、キャニスターは、場合により非フルオロカーボンポリマーと組み合わせた、フルオロカーボンポリマーでコーティングすることにより表面処理する。
FEP及びPTFEから選択されるフルオロカーボンポリマーが、キャニスターを表面処理するのに特に好ましい。FEPが特に好ましい。PTFEとPESのポリマーブレンドも特に好ましい。
キャニスターの表面処理は、バルブ構成要素について上記で記載した方法と類似の方法で行うことができる。
本発明の製剤は、例えば、超音波処理又は高剪断混合機を用いて、適切な容器中で選択された噴射剤中に前記薬物を分散させることで調製することができる。このプロセスは、望ましくは、湿度を制御した条件下で行う。
本発明によるエーロゾル製剤の化学的及び物理的安定性並びに製薬上の許容性は、当業者によく知られている方法によって測定することができる。例えば、該構成成分の化学的安定性は、例えば製品を長期間保管した後で、HPLCアッセイによって測定することができる。物理的安定性データは、別の慣習的な分析技術から、例えば、漏出試験、バルブ送出アッセイ(1回の作動当たりの平均発射重量)、用量再現性アッセイ(1回の作動当たりの有効成分)及びスプレー分布分析などにより得ることができる。
本発明によるエーロゾル製剤の懸濁安定性は、慣習的な技術により、例えば、バックライト散乱計測器を用いて凝集粒度分布を測定することにより、又は、カスケード衝撃によって粒径分布を測定することにより、又は、「ツインインピンジャー(twin impinger)」分析法により測定することができる。本明細書で使用される場合、「ツインインピンジャー」アッセイへの言及は、British Pharmacopaeia 1988, pages A204-207, Appendix XVII Cにおいて定義されているように、「装置Aを用いて加圧された吸入における発射された用量の付着の測定」を意味する。そのような技術によって、エーロゾル製剤の「吸入され得る割合(respirable fraction)」を計算することができる。「吸入され得る割合」を計算するのに用いられる一つの方法は、上記ツインインピンジャー法を用いて1回の作動当たり送出される活性成分の総量のパーセントとして表される、1回の作動当たりに下側衝突チャンバで回収される活性成分の量である「微粒子割合(fine particle fraction)」を参照することによる。
充填されたキャニスターを商業的に生産するための大規模バッチの製造に、医薬エーロゾル製造の当業者によく知られている慣習的な大量製造方法及び機械類を用いることができる。例えば、1つの大量製造方法においては、計量バルブをアルミニウム缶上に圧着して、空のキャニスターを形成する。粒子状薬物を材料投入用容器(charge vessel)に入れ、液化噴射剤を、界面活性剤を含んだ液化噴射剤とともにこの材料投入用容器を通過させて製造用容器の中に加圧充填する。この薬物懸濁液を混合した後、充填機に循環させ、次いで、薬物懸濁液のアリコートを前記計量バルブを通してキャニスター中に充填する。
別のプロセスでは、液化製剤のアリコートを、該製剤が気化しないように充分に低温にした条件下で開口キャニスターに入れ、次いで、計量バルブをキャニスターに圧着する。
典型的には、医薬用途用に調製されたバッチでは、充填された各キャニスターを重量検査に付し、バッチ番号を用いてコード化し、貯蔵用トレーに詰めた後、放出試験(release testing)に付す。
充填された各キャニスターは、好都合には、使用に先立って、適切なチャネリング装置に取り付けて、薬物を患者の肺又は鼻腔内に投与するための定量吸入器システムを形成させる。定量吸入器は、1回の作動又は「一吹き(puff)」当たり、固定された単位用量の薬物を送出するように設計する。例えば、一吹き当たり10〜5000μgの範囲の薬物を送出するように設計する。
薬物の投与は、軽度、中等度、重度の急性症状若しくは慢性症状の治療、又は、予防的処置に対して指示され得る。投与される正確な用量は、患者の年齢及び状態、使用される特定の粒子状薬物及び投与回数に依存し、最終的には担当医の裁量に委ねられるものであることは理解されよう。薬物を併用する場合、その組み合せの各成分の用量は、一般に、単独で用いられる場合に各成分に対して使用される用量となる。典型的には、投与は、1回以上、例えば、1日当たり1〜8回行うことができ、例えば、1回毎に、1度、2度、3度又は4度の「一吹き」であってよい。
適する1日用量は、疾患の重症度に応じて、例えば、50〜200μgの範囲のサルメテロールであり得る。
従って、例えば、バルブが作動する毎に、25μgのサルメテロール(キシナホ酸塩として)が送出される。典型的には、定量吸入器システムで用いられる充填された各キャニスターには、60、100、120、160又は240の計量された用量又は「一吹き」分の薬物が含まれている。別の薬物についての適切な投与計画は知られているか、又は、当業者であれば容易に知ることができる。
下記実施例を参照して、本発明をさらに説明するが、下記実施例は、本発明を例証するためのものであって、限定するものではない。
Claims (32)
- エラストマー製基材を処理する方法であって、任意の適切な順序で、
処理に有効な浴温度でアルコール及びアルカリ性物質を含む浴にエラストマー製基材を供給すること;
前記エラストマー製基材を処理するのに充分な時間、前記浴に、処理に有効な振動数及びパワーレベルの超音波エネルギーを供給すること;
処理したエラストマー製基材を脱イオン水でリンスすること;
及び、
処理及びリンスしたエラストマー製基材を乾燥させること;
を含む、前記方法。 - 前記浴がエタノール及び水酸化カリウムを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記浴が、80〜99重量%のエタノール及び1〜20重量%の水酸化カリウムを含む、請求項2に記載の方法。
- 前記浴が、約91重量%のエタノール及び約9重量%の水酸化カリウムを含む、請求項3に記載の方法。
- 前記超音波エネルギーを前記浴に10〜20分間供給し、その際、浴温度を40〜60℃の範囲とする、請求項1に記載の方法。
- 前記超音波エネルギーを前記浴に約15分間供給し、その際、浴温度を約50℃とする、請求項5に記載の方法。
- 前記エラストマー製基材をアクリロニトリルブタジエン又はエチレンプロピレンジエンモノマーから製造する、請求項1に記載の方法。
- 前記エラストマー製基材が、さらに、1種以上の充填材を含有する、請求項7に記載の方法。
- 前記エラストマー製基材が、さらに、1種以上の架橋剤を含有する、請求項8に記載の方法。
- 前記処理及びリンスしたエラストマー製基材を対流式オーブンで乾燥させる、請求項1に記載の方法。
- エラストマー製基材を処理及びコーティングする方法であって、任意の適切な順序で、
処理に有効な浴温度でアルコール及びアルカリ性物質を含む浴にエラストマー製基材を供給すること;
前記エラストマー製基材を処理するのに充分な時間、前記浴に、処理に有効な振動数及びパワーレベルの超音波エネルギーを供給すること;
処理したエラストマー製基材を脱イオン水でリンスすること;
処理及びリンスしたエラストマー製基材を乾燥させること;
反応チャンバを供給して、それに、処理及びリンスしたエラストマー製基材を含有させること;
前記反応チャンバに不活性ガスを供給すること;
前記反応チャンバに電圧を印加して第一のプラズマを発生させること;
適切な圧力に維持された前記反応チャンバに有機チタネートを供給すること;
前記反応チャンバに電圧を印加して第二のプラズマを発生させること;
及び、
前記反応チャンバをパージすること;
を含む、前記方法。 - 適切な圧力に維持された前記反応チャンバにエッチングガスを供給することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
- 前記反応チャンバに、前記不活性ガスを有機チタネートより先に供給して、処理及びリンスしたエラストマー製基材をエッチングされたものとする、請求項12に記載の方法。
- 前記不活性ガスを前記反応チャンバに有機チタネートと一緒に供給する、請求項12に記載の方法。
- 有機チタネートに対する前記不活性ガスの比率が20:1〜40:1の範囲にある、請求項14に記載の方法。
- 有機チタネートに対する前記不活性ガスの比率が30:1〜35:1の範囲にある、請求項15に記載の方法。
- 有機チタネートに対する前記不活性ガスの比率が約33 1/3:1である、請求項16に記載の方法。
- 前記不活性ガスがアルゴン又は酸素である、請求項12に記載の方法。
- 前記反応チャンバを窒素でパージする、請求項11に記載の方法。
- 前記有機チタネートがチタン酸テトライソプロピルである、請求項11に記載の方法。
- 前記反応チャンバの圧力を約50ミリTorrに維持する、請求項11に記載の方法。
- 前記印加電圧が約250ボルトである、請求項11に記載の方法。
- 前記不活性ガスから発生したプラズマを最大で約10分間前記基材と反応させる、請求項12に記載の方法。
- 前記不活性ガスから発生したプラズマ及び前記有機チタネートを最大で約10分間前記基材と反応させる、請求項12に記載の方法。
- 前記エラストマー製基材がアクリロニトリルブタジエン又はエチレンプロピレンジエンモノマーから製造される、請求項11に記載の方法。
- 吸入器で使用するためのシールであって、エラストマー製基材、及び、前記基材上の少なくとも一部に存在する膜厚を有するチタン含有コーティングを含む、前記シール。
- 吸入器で使用するためのガスケットであって、エラストマー製基材、及び、前記基材上の少なくとも一部に存在する膜厚を有するチタン含有コーティングを含む、前記ガスケット。
- 吸入器で使用するためのシールであって、任意の適切な順序で、
処理に有効な浴温度でアルコール及びアルカリ性物質を含む浴にエラストマー製基材を供給すること;
前記エラストマー製基材を処理するのに充分な時間、前記浴に、処理に有効な振動数及びパワーレベルの超音波エネルギーを供給すること;
処理したエラストマー製基材を脱イオン水でリンスすること;
処理及びリンスしたエラストマー製基材を乾燥させること;
反応チャンバを供給して、それに、処理及びリンスしたエラストマー製基材を含有させること;
前記反応チャンバに不活性ガスを供給すること;
前記反応チャンバに電圧を印加して第一のプラズマを発生させること;
適切な圧力に維持された前記反応チャンバに有機チタネートを供給すること;
前記反応チャンバに電圧を印加して第二のプラズマを発生させること;
及び、
前記反応チャンバをパージすること;
を含む方法により製造される、前記シール。 - 吸入器で使用するためのガスケットであって、任意の適切な順序で、
処理に有効な浴温度でアルコール及びアルカリ性物質を含む浴にエラストマー製基材を供給すること;
前記エラストマー製基材を処理するのに充分な時間、前記浴に、処理に有効な振動数及びパワーレベルの超音波エネルギーを供給すること;
処理したエラストマー製基材を脱イオン水でリンスすること;
処理及びリンスしたエラストマー製基材を乾燥させること;
反応チャンバを供給して、それに、処理及びリンスしたエラストマー製基材を含有させること;
前記反応チャンバに不活性ガスを供給すること;
前記反応チャンバに電圧を印加して第一のプラズマを発生させること;
適切な圧力に維持された前記反応チャンバに有機チタネートを供給すること;
前記反応チャンバに電圧を印加して第二のプラズマを発生させること;
及び、
前記反応チャンバをパージすること;
を含む方法により製造された、前記ガスケット。 - 計量バルブであって、
バルブボディ;
計量用チャンバ;
バルブステム;
及び、
エラストマー製基材と該基材上の少なくとも一部に存在する膜厚を有するチタン含有コーティングを含む1以上のステムシール;
を含み、
ここで、該計量バルブは、薬物と液体噴射剤を含む薬物懸濁液を計量するのに適するものであり、
該薬物は、サルメテロール、サルブタモール、ホルモテロール、イプラトロプリウム、フルチカゾン、ベクロメタゾン、ブデソニド、テルブタリン、及びそれらの塩、エステル、溶媒和物、並びにそれらの組合せからなる群から選択されるものである、前記計量バルブ。 - 計量バルブに連通しているキャニスターを含む定量吸入器であって、ここで、
該計量バルブは、
バルブボディ;
計量用チャンバ;
バルブステム;
及び、
エラストマー製基材と該基材上の少なくとも一部に存在する膜厚を有するチタン含有コーティングを含む1以上のステムシール;
を含み、
ここで、該計量バルブは、薬物と液体噴射剤を含む薬物懸濁液を計量するのに適するものであり、
該薬物は、サルメテロール、サルブタモール、ホルモテロール、イプラトロプリウム、フルチカゾン、ベクロメタゾン、ブデソニド、テルブタリン、及びそれらの塩、エステル、溶媒和物、並びにそれらの組合せからなる群から選択されるものである、前記定量吸入器。 - 計量バルブに連通し、噴射剤と薬物を含む薬物懸濁液を含有するキャニスターを含む薬物製品であって、
ここで、該計量バルブは、
バルブボディ;
計量用チャンバ;
バルブステム;
及び、
エラストマー製基材と該基材上の少なくとも一部に存在する膜厚を有するチタン含有コーティングを含む1以上のステムシール;
を含み、
ここで、該計量バルブは、該薬物懸濁液を計量するのに適するものであり、
該薬物は、サルメテロール、サルブタモール、ホルモテロール、イプラトロプリウム、フルチカゾン、ベクロメタゾン、ブデソニド、テルブタリン、及びそれらの塩、エステル、溶媒和物、並びにそれらの組合せからなる群から選択されるものである、前記薬物製品。
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