JP2005508811A - 隅柱 - Google Patents

Abstract

【解決手段】梱包される商品を保護するための、軸方向に可変断面形状を有する積層紙隅柱（２０、４０、６０）が開示されている。

Description

本発明は、机や家電製品のような梱包される商品の緩衝及び保護のために使用される種類の管状の隅柱に関する。より具体的には、本発明は、梱包される商品の形状の凸凹に対応できるように、高さに沿って断面形状が可変となった管状の積層紙製隅柱に関する。

従来の隅柱は、紙に接着剤を塗布し、マンドレルの周りに湿った紙を巻きつけ、巻きつけた紙を所望の長さに切断して断面形状が実質的に円形の１つ又は複数の筒状の管を形成し、この巻紙の管をまだ展性がある間に成形工具上に滑り込ませ、管を所望の形状に成形し、紙の層と層の間の接着剤を硬化させて完成品の管を形成することにより製造されている。従来の管状隅柱はどんな長さにでも切断できるが、断面の形状は一様である。

当技術では、従来の積層型隅柱の例が数多く知られている。例えば、ガードナーへの米国特許第４，４８２，０５４号では、縦方向に伸張するビードを有し、縦方向に作用する圧縮力に対する抵抗を向上させ、横方向に作用する力に対する緩衝性を高めた、積層紙製隅柱を開示している。この隅柱では、断面形状が一定である。

ガードナーの米国特許第４，４８３，４４４号は、圧縮力に対する柱の抵抗力を実質的に下げることなく、底板に対する柱の張出しに適応した断面形状を有する隅柱を開示している。断面形状は柱の高さに沿って一定である。

ヒューの米国特許第５，２６７，６５１号は、横方向に向いた強化ビードを鋭角で伸ばし対向する壁と自由に係合する隅柱を開示している。相当の横力が加わると、ビードは自身の上に潰れて、内壁と外壁の間に中間層を形成する。

チューその他の米国特許第６，１８６，３２９号は、複数枚の紙のシートで作られた積層型隅柱を開示している。上記先行技術による隅柱全てと同様に、チューの隅柱も断面形状が一定である。

これら先行技術の各隅柱は、特定の用途には有用であっても、保護対象の商品の外形の凸凹に対応できる可変断面形状を有するものは皆無である。
而して、本発明の目的は、梱包される商品の不規則な外形にうまく対応できる可変断面形状を有する積層紙製隅柱を提供することである。

本発明のこの他の及び追加の目的は、以下の詳細な説明、添付図面、及び特許請求の範囲に記載する内容から明らかとなるであろう。

本発明は、断面形状が柱の長さに沿って変化する新しい型式の積層紙製隅柱である。この可変性によって、トリムリップ、脆い接触点、突出ノブ、螺子頭などのような、保護対象商品の特定の形状に、柱がより良好に馴染むことができるようになり、柱の保護及び緩衝性が改良される。

従来の隅柱のように、この可変形状隅柱は、接着剤で被覆した紙をマンドレルに巻きつけて、断面が実質的に円形の筒状の管を形成し、次に、まだ湿っている管を成形工具上に滑り込ませて所望の形状に成形することにより作られる。しかしながら、従来の隅柱製造とは異なり、成形工具は可変断面形状を有しているので、外側の成形要素が紙製の管を成形工具に押しつけると、仕上がった隅柱も可変断面形状を有することになる。

好適な実施形態では、可変形状隅柱は、一定の断面形状を有する下側部分と、異なる断面形状を有する上側部分と、第１部分と第２部分の間にあって、柱が一方の断面形状から他方の断面形状に移行する中間部分とを有している。可変形状隅柱は、一定の断面を有する筒状の管として始まっているので、出来上がった可変形状隅柱は、長さに沿って一定の周長を有している。

次に図面について説明するが、図１から図３は、先行技術による隅柱を示している。この隅柱は湿った接着剤を紙に塗布し、湿った紙を断面が略円形のマンドレルの周りに巻き付け、巻き付けた紙を所望の長さに切断して断面が略円形の１つ又は複数の筒状の管を形成し、管にまだ展性のある間にこの巻紙管を成形工具上に滑り込ませ、管を図１から図３に示す形状に成形し、紙の層と層の間の接着剤を硬化させて管を完成させることにより製造される。完成した隅柱は、大抵は、商品の各隅の、商品とパッケージの内側の隅部との間に置かれる。隅柱は、垂直(軸方向)及び水平（横方向）の力から商品を保護する。

紙をマンドレルに巻きつけるので、紙は複数の隣接する完全に連続した層を形成する。即ち、層は向かい合う面全体に亘って接触している。
図１から図３の従来の隅柱１０は、互いに対して実質的に垂直で、一体的に形成された端部１３、１４で終端している２つの脚部１１、１２を備えている。脚部１１、１２は、内壁１５（商品に最も近い壁）及び外壁１６により画定され、内壁１５と外壁１６は互いに概ね平行で離間して配置されている。内側に向けられたビード１７、１８が、各脚部１１、１２に沿って外壁１６上に形成され、隅柱１０の垂直方向全長に亘って伸びている。ビードは垂直方向の力に対する隅柱の抵抗力を高める。

図１に示すように、完成した隅柱は、その全長（高）に亘って一定の断面形状を有している。即ち、柱には２次元の可変性（ｘ−ｙ平面の可変性）しかない。
対照的に、本発明は、その長さ（高さ）に沿う可変性を含む、３次元の可変性を有する紙製の隅柱である。この可変性により、トリムリップ、脆い接触点、突出ノブ、螺子頭などのような、保護対象商品の特定の形状に、隅柱がより良好に合うことができるようになり、保護及び緩衝性が改良される。

図４から図８は、本発明による可変形状隅柱の第１の実施形態を示している。先行技術による隅柱１０と同じように、可変形状隅柱２０は、一体的に形成された端部２３、２４で終端している、互いに略垂直な２つの脚部２１、２２を備えている。脚部２１、２２は、概ね互いに平行で離間して配置された内壁２５と外壁２６により画定されている。内側に向けられたビード２７、２８は、各脚部２１、２２に沿って外壁２６に形成され、隅柱２０の軸方向全長に亘って伸びている。なお、可変形状隅柱では、ビードは、内壁２５に形成しても、両方の壁に形成してもよいし、或いは全くビードを形成しなくともよい。

隅柱２０は、柱の縦軸に対し横断方向にとった断面で見て一定の形状（即ち、一定断面形状）を有する下側部分３２と、一定ではあるが下側部分３２とは異なる断面形状を有する上側部分３４と、上下両部分に挟まれ、柱２０が一方の断面形状から他方の断面形状に連続的に移行する中間部分すなわち移行部分で構成されている。即ち、柱２０は、柱の表面の孔又はその他の開口のような不連続部分を柱の表面に設けることなく、一方の形状から他方の形状に移行する。

隅柱２０の軸方向の断面形状の可変性は、外壁２６の断面形状は一定であるのが望ましいことから、内壁２５の断面形状を可変とした結果である。この３次元の可変性により、２次元の可変性では保護対象商品にうまく合わない状況でも、柱が機能するようになる。

例えば、図４から図８の隅柱では、下側部分３２を形成している内壁２５の部分は垂直であり、内壁２５の形状は高さ（Ｚ座標）が変化してもｘ−ｙ面内では変化しない。しかしながら、中間部分３６を形成する内壁２５の部分は完全に垂直ではなく、その形状は、高さが変化するにつれｘ−ｙ面内で変化する。これは柱の移行部分である。隅柱を更に上に向かって見ていくと、隅柱の上側部分３４を形成する部分は垂直であるが、下側部分３２を形成する内壁２５の部分とは、ｘ−ｙ面内での位置が異なっている。

従来の隅柱のように、可変形状隅柱は、最初に接着剤被覆紙をマンドレルの周りに巻き付けて略円形で一定の断面を有する筒状の管を形成し、その管を成形工具上に滑り込ませ所望の形状に成形し、次に管を冷却して接着剤を硬化させることにより作られる。従来の（一定断面の）隅柱の製造と異なり、成形工具は、その長さの少なくとも一部分に沿って可変形状を有している。隅柱が成形工具を滑り出ることができるように、成形工具の断面は、図では柱の上端部である、隅柱が滑り出る端部に向って、収縮して（小さくなって）いなければならない。これは図６及び図８に最もはっきりと示されており、先端部の隅柱の断面形状は隅柱の底部の断面形状内に嵌まることが分かる。

可変形状隅柱は、最初は一定の断面形状を有する筒状の管から形成されており、隅柱を作るのに使用される紙は伸びたり、縮んだり、破れたり、折り重なったりすることがないので、完成した可変形状隅柱は一定の周長を有している（即ち、どの断面の周囲の距離も一定である）。

図９から図１４は、本発明の可変形状隅柱の第２の実施形態を示している。先行技術による隅柱１０並びに第１の実施形態２０と同じように、第２の実施形態４０は、互いに実質的に垂直で、一体的に形成された端部４３、４４で終端する２つの脚部４１、２２を備えている。脚部４１、４２は、互いに概ね離間して配置された関係にある内壁４５と外壁４６で画定されている。随意的に、内側に向けられたビード４７、４８が、各脚部４１、４２に沿って外壁４６に形成され、隅柱４０の軸方向全長に亘って伸びている。

第１の実施形態２０と同様に、隅柱４０は、一定の断面形状を有する下側部分５２と、一定ではあるが下側部分５２とは異なる断面形状を有する上側部分５４と、下側部分と上側部分に挟まれ、柱４０が一方の断面形状から他方の断面形状に移行する中間部分すなわち移行部分５６とで構成されている。

第１の実施形態とは異なり、脚部は対称形ではない。そうではなく、脚部４１は脚部４２よりも端部４３の幅が広くなっている。更に、脚部４１の内壁４５の中間部分５６は垂直ではない（高さが変化するにつれｘ−ｙ面内で変化する）。更に、端部４３、４４は垂直ではない。そうではなく、端部は隅柱４０の上端に向って内側に傾斜している。換言すると、脚部４１、４２の水平方向長が変化している。

図１５から図１９は、本発明の可変形状隅柱の第３の実施形態を示している。先に説明した隅柱のように、この第３の実施形態６０は、互いに実質的に垂直で、一体的に形成された端部６３、６４で終端している２つの脚部６１、６２を備えている。脚部６１、６２は、互いに概ね離間して配置された関係にある内壁６５と外壁６６で画定されている。随意的に、内側に向けられたビード６７、６８が、各脚部６１、６２に沿って外壁６６に形成され、隅柱６０の軸方向全長に亘って伸びている。

最初の２つの実施形態２０、４０と同様に、隅柱６０は、一定の断面形状を有する下側部分７２と、一定ではあるが下側部分７２とは異なる断面形状を有する上側部分７４と、下側部分と上側部分に挟まれ、柱６０が一方の断面形状から他方の断面形状に移行する中間部分すなわち移行部分７６とで構成されている。第１の実施形態２０と同様に、両脚部は同じ形状である。

この３つの実施形態全てにおいて、内壁の可変断面形状は、トリムリップ、ハンドル、ノブ、螺子頭のような、保護対象の外向きに突き出た形状に対応することを目的としている。一方、外壁は、通常、直線的なパッケージの平らで垂直な２辺に接するので、可変断面形状を有する必要はない。

上記教示及び特許請求の範囲に述べる事項により定義される本発明の範囲を逸脱することなく、本発明にはこの他の変更及び代替実施形態が考えられる。特許請求の範囲に述べる内容は、本発明の範囲に入るそのような全ての変更を包含するものである。

先行技術による隅柱の斜視上面図である。 図１の先行技術による隅柱の上面図である。 図１の先行技術による隅柱の側面図である。 本発明による可変形状隅柱の第１の実施形態を示す斜視上面図である。 図４の隅柱の斜視底面図である。 図４の隅柱の上面図である。 図４の隅柱の側面図である。 図４の隅柱の底面図である。 本発明による可変形状隅柱の第２の実施形態の斜視上面図である。 図９の隅柱を逆さの位置の状態で示した斜視底面図である。 図９の隅柱の左側面図である。 図９の隅柱の上面図である。 図９の隅柱の右側面図である。 図９の隅柱の底面図である。 本発明による可変形状隅柱の第３の実施形態を示す斜視上面図である。 図１５の隅柱の斜視底面図である。 図１５の隅柱の上面図である。 図１５の隅柱の側面図である。 図１５の隅柱の底面図である。

Claims (7)

1. 梱包される商品を保護するための長形隅柱（２０、４０、６０）において、前記隅柱は、マンドレルの周りに巻き付けて、接着剤によって接着された複数の隣接する完全に連続した層に形成した紙で構成され、前記隅柱の長さにより所定の軸線が形成され、前記隅柱は、前記軸方向に可変断面形状を有しており、前記断面形状が１つの断面形状から別の断面形状に連続的に移行する隅柱。
2. 前記移行の領域は、一定の断面形状を有する部分（３２及び３４、５２及び５４、７２及び７４）の間に挟まれている、請求項１に記載の隅柱。
3. 前記隅柱は、互いに略垂直に配置された２つの脚部（２１及び２２、４１及び４２、６１及び６２）を備え、前記脚部は夫々、垂直端部（２３及び２４、４３及び４４、６３及び６４）で終端しており、前記脚部は、互いに概ね平行で離間して配置された関係にあり各端部で結合され前記脚部の前記垂直端部を形成している外壁（２６、４６、６６）と内壁（２５、４５、６５）とにより画定されており、前記内壁は前記梱包される商品に面している、請求項１に記載の隅柱。
4. 前記外壁（２６、４６、６６）は、一定の断面形状を有しており、前記内壁（２５、４５、６５）は、可変断面形状を有している、請求項４に記載の隅柱。
5. 前記隅柱は一定の水平方向の周長を有している、請求項１に記載の隅柱。
6. 前記隅柱（２０、６０）は、前記２つの脚部（２１及び２２、６１及び６２）を分割する垂直面を中心に対称である、請求項３に記載の隅柱。
7. 前記隅柱（４０）は、前記２つの脚部（４１及び４２）を分割する面を中心に非対称である、請求項３に記載の隅柱。

Images