JP2005508650A - Gh−1における一塩基多型 - Google Patents

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Abstract

本発明は、多型部位を含むGH−1遺伝子の核酸セグメントを提供する。前記部位に隣接する領域にハイブリダイズするプローブ及びアレル特異的プライマーも提供する。また、本発明は、GH−1機能不全の診断方法も提供する。

Description

本出願は、2001年11月9日に出願された米国仮出願60/347448の利益を主張する。
《発明の分野》
本発明は、多型部位を含む成長ホルモン1(GH−1)遺伝子の核酸セグメントを提供する。また、本発明は、成長ホルモン機能不全が疑われる個体が、GH−1機能不全への作用剤を投与するのに適切な候補であるか否かを決定する方法も提供する。
《背景》
〈一塩基多型〉
全ての生物は、それらの進化の過程で反復的な突然変異を受け、従って祖先の配列のバリアント型を発生させる〔Gusella,Ann.Rev.Biochem.55,831−854(1986)〕。前記バリアント型は、祖先の型と比較して、進化論的な優位性を付与することも付与しないこともある。前記バリアント型は、中立であろう。或る場合には、バリアント型は致死的であり、そしてその生物の更なる世代に遺伝されることがない。別の場合には、バリアント型は、その種に進化論的な優位性を付与し、そして最終的にその種の多くのメンバー又はほとんどのメンバーのDNA中に組み込まれて、実際的に祖先型になる。多くの場合、祖先型及びバリアント型のどちらも生き残り、そして種の集団の中で共存する。この配列の複数の型の共存は、多型を生じさせる。
多型のいくつかの異なるタイプが報告されている。制限酵素断片長多型(RFLP)とは、「Botsteinら,Am.J.Hum.Genet.32,314−331(1980)」に記載されているように、制限酵素断片の長さが変化するDNA配列のバリエーションを意味する。制限酵素断片長多型は、制限酵素切断部位を生成するか又は削除することがあり、こうして制限酵素断片の長さを変化させることがある。RFLPは、ヒト及び動物の遺伝子分析に広く使用されてきた〔参照:USP5,856,104,1999年1月5日,Cheeら,WO90/13668;WO90/11369;Donis−Keller,Cell51,319−337(1987);Landerら,Genetics121,85−99(1989)〕。遺伝性の形質[trait]を、特定のRFLPと連鎖させることができる場合には、個体中のRFLPの存在を用いて、その動物も前記形質を示すようになる可能性を予測することができる。
他の多型は、ショートタンデムリピート(STR)の形態をとり、これらは、タンデム・ジ−、トリ−、及びテトラヌクレオチドが繰り返されたモチーフを含む。これらのタンデムリピートは、バリアブルナンバータンデムリピート(VNTR)多型とも称される。VNTRは、同一性及び父系分析(USP5,075,217;Armourら,FEBS Lett.307,113−115(1992);Hornら,WO91/14003;Jeffreys,EP370,719)、及び多数の遺伝子マッピング研究に用いられてきた。
或る種の別の多型は、同じ種の個体間で単一ヌクレオチドバリエーションの形をとる。前記多型は、RFLP、STR、及びVNTRよりもずっと高頻度である。しかしながら、単一ヌクレオチド変化は制限酵素切断部位の作成又は破壊も生じさせることができるので、一塩基多型がRFNPをもたらすことを認識すべきである。或る種の一塩基多型は、タンパク質コード配列中に発生し、この場合には、前記多型の1つは、欠陥タンパク質又は別のバリアントタンパク質の発現、及び(潜在的に)遺伝病を起こすことがある。コード配列中の多型が遺伝病を起こす遺伝子の例としては、ベータ−グロブリン(鎌状赤血球貧血症)及びCFTR(嚢胞性線維症)を挙げることができる。他の一塩基多型は、非コード領域内に生じる。また、これらの多型のいくつかは、(例えば、欠陥スプライシングの結果として)欠陥的なタンパク質発現をもたらすことがある。他の一塩基多型は、表現型への効果を有していないが、表現型への効果と遺伝学的に関連している可能性は残されている。
一塩基多型の頻度及び均質性がより高いことは、その多型が、別の多型のケースよりも、興味の対象である遺伝子座の近くに接近して発見される確率がより高いことを意味する。また、特徴付けられた一塩基多型の種々の型は、しばしば、(例えば、アレル特異的ハイブリダイゼーションプローブ又はプライマーを用いるアッセイの使用によって)別のタイプの多型を区別するのに、より容易である。疾病の分析において複数の遺伝子生成物が役割を果たす状態(例えば、低身長)においては、SNPは、リサーチツールとして特別に期待されており、そしてそれらは有用な診断ツールであることもできる。
〈成長ホルモン〉
成長ホルモン1(GH−1)は、下垂体前葉から放出される191アミノ酸の球状タンパク質であり、そして生後の正常な成長に必要である(Niall HD.Nature1971;23:90−1;LiCH.Mol Cell Biochem1982;46:31−41)。成長ホルモン1の不充分な分泌は、生児出生の1/4000〜1/10,000に影響し、成長障害及び低身長をもたらすことがある(Phillips III JA and Cogan JD.J Clinical Endocrinology Metabolism1994;78:11−16)。
前記ケースの殆どは散発性であるが、前記個体の3〜30%は、成長ホルモン欠損に関する遺伝的素地を示唆する罹病した親又は兄弟(姉妹)を有する。家族性の単離された成長ホルモン欠損(isolated growth hormone deficiency:IGHD)には、IGHD IA、IGHD IB、IGHD II、及びIGHD IIIの4つの型がある(Phillips1994)。タイプIAは、最も深刻な型であり、常染色体劣性遺伝であり、そしてホモ接合性の欠失、置換、又はナンセンス突然変異によって生じる。その結果、成長ホルモンの欠失が起き、重篤な小人症をもたらす。最も一般的な型は、IGHD IBであり、これは、常染色体劣性であり、スプライス部位の突然変異によって引き起こされる。IGHD IIは、スプライス部位の突然変異によって引き起こされ、そして常染色体優性である。IGHD IIIは、X−連鎖した遺伝であり、そしてその原因は不明である。後者の3つの型は、成長ホルモンの少量の生成をもたらし、その結果、通常は外因性成長ホルモンに応答する小人症を引き起こす。
GH−1のプロモーター領域は、IGDHと関連しているだろうとされていた多型に関して研究されてきた(「Wagner JKら,Eur J Endocrinol1997:137:474−81」;「Giordano M,Hum Genet1997;100:249−55」)。DNAサンプルを、低身長個体(複数)及び正常身長個体(複数)の両方から得た。8つのSNP(Giordano,1997)及び12のSNP(Wagner,1997)が同定され、7つのSNPがどちらの研究でも観察された。いずれの研究でも、IGHD個体のSNPと対照のSNPとの間に何の関連性も見出せなかった。その他のGH−1多型が記載されている(WO01/85993)。
従って、成長ホルモン機能不全に対して予測性を有する新たな一塩基多型は明らかに緊急な必要性を有しており、そしてこれが本発明の課題である。
《発明の概要》
本発明は、GH−1遺伝子多型マーカーのセットを発見したことに基づく。これらのマーカーは、GH−1のコード領域中に位置する。前記GH−1メッセージの配列又はcDNAの配列を、以下に示す。それらの関連するアミノ酸変化を伴う多型を、太字で記載する。
前記の配列は、GH−1の主要な22kDaアイソフォームを表し、且つ、コード配列及び26アミノ酸リーダーペプチドを含むコードされる前記GH−1ポリペプチドのアミノ酸配列を表す。側方の番号は、アミノ酸残基のナンバリングを意味する。垂直矢印の横の太字の数字は、エキソン境界を明示する。終止コドンは、アステリスクでマークする。前記配列は、アクセッション番号NM_00515としてGenbankにおいて見いだされ、そして配列番号1に記載する。前記リーダー配列及びそれによりコードされるアミノ酸は、下線が引かれ、イタリック体で記載されている。前記リーダー配列のアミノ酸配列を、配列番号2に記載する。慣例は、リーダー配列の最初のアミノ酸配列(Met)を−26と表すが、しかしながら、配列番号2においては、このナンバリングが、整数ナンバリングシステムを反映するように、最初のMetを番号1と指定していることが理解されよう。
成熟GH−1ポリペプチドのアミノ酸配列は、前記に示しており、また、配列番号4にもそれぞれ示す。前記成熟タンパク質の最初のアミノ酸は、慣例によってアミノ酸番号1と示す。前記慣例は、成熟タンパク質中の最初のアミノ酸(Phe)が番号1である配列番号4のナンバリングにおいても保持されている。
前記及び配列番号1に記載の主要な22kDaアイソフォームのRNA及び得られるcDNAが、イントロンを伴うゲノム配列によってコードされることは、理解されよう。前記GH−1遺伝子のゲノム配列を配列番号4に記載し、また、図1にも記載した。配列番号4のゲノム基準配列[genomic reference sequence]は、Chenら「Chenら,Genomics 4 479−497(1989)」によって最初に報告されたGenbankアクセッション番号J03071に由来する。
本発明は、S1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8、及びS9と指定されるGH−1多型部位を含み、GH−1機能不全の診断に適しているか、又はGH−1機能不全が子孫に遺伝する可能性の予測に適しているGH−1診断ポリヌクレオチド及びその相補体[complement]の、又は治療方法の評価における使用の、最初の記載を含む。更に、本発明は、GH−1機能不全への作用剤の投与方法、並びに診断方法及び予測方法を含む。
本発明の一態様は、配列番号1又は4のヌクレオチドの連続するスパンを含むか、から実質的になるか、又はからなる、単離されたポリヌクレオチドであって、前記の連続するスパンが少なくとも長さ6、8、10、12、15、20、25、30、35、40、50、75、100、200、500、又は800のヌクレオチドであり、そして本発明の単一ヌクレオチドGH−1多型部位1つ以上を含む、前記の単離されたポリヌクレオチド及びその相補体を包含する。また、本発明は、ストリンジェントな条件下で、GH−1遺伝子又は転写物にハイブリダイズする一塩基多型1つ以上を含む、ポリヌクレオチド又はプローブも包含する。
従って、例として、本発明は、
配列番号1(位置68のヌクレオチドが、A又はCのヌクレオチド群から選択される);
配列番号4(位置1665のヌクレオチドが、A又はCのヌクレオチド群から選択される);
配列番号1(位置116のヌクレオチドが、C又はTのヌクレオチド群から選択される);
配列番号4(位置1973のヌクレオチドが、C又はTのヌクレオチド群から選択される);
配列番号1(位置177のヌクレオチドが、C又はTのヌクレオチド群から選択される);
配列番号4(位置2034のヌクレオチドが、C又はTのヌクレオチド群から選択される);
配列番号1(位置212のヌクレオチドが、T又はAのヌクレオチド群から選択される);
配列番号4(位置2069のヌクレオチドが、T又はAのヌクレオチド群から選択される);
配列番号1(位置213のヌクレオチドが、T又はAのヌクレオチド群から選択される);
配列番号4(位置2070のヌクレオチドが、T又はAのヌクレオチド群から選択される);
配列番号1(位置224のヌクレオチドが、C又はTのヌクレオチド群から選択される);
配列番号4(位置2081のヌクレオチドが、C又はTのヌクレオチド群から選択される);
配列番号1(位置279のヌクレオチドが、A又はCのヌクレオチド群から選択される);
配列番号4(位置2345のヌクレオチドが、A又はCのヌクレオチド群から選択される);
配列番号1(位置375のヌクレオチドが、C又はGのヌクレオチド群から選択される);
配列番号4(位置2533のヌクレオチドが、C又はGのヌクレオチド群から選択される);
配列番号1(位置596のヌクレオチドが、G又はCのヌクレオチド群から選択される);
配列番号4(位置3007のヌクレオチドが、G又はCのヌクレオチド群から選択される)
のヌクレオチド長が少なくとも10、12、15、20、25、30、35、40、50、75、100、200、500、又は800の連続するヌクレオチドを含むか、から実質的になるか、又はからなる、単離されたポリヌクレオチドを提供する。
これらのセグメントの相補体も含まれる。前記セグメントは、DNA又はRNAであることができ、また、二本鎖又は一本鎖であることができる。セグメントのいくつかは、10〜20又は10〜50塩基長である。好ましくは、セグメントは10〜400塩基長である。
更に、本発明は、GH−1遺伝子又はその相補体から誘導された転写物、又はGH−1遺伝子にハイブリダイズする、アレル特異的オリゴヌクレオチドを提供する。これらのオリゴヌクレオチドは、プローブ又はプライマーであることができる。配列番号4は、ゲノム配列を表す。配列番号1は、GH−1遺伝子の主要転写物のcDNA又はRNA配列を表す。本発明の好ましい態様は、ゲノムDNAから誘導されたポリヌクレオチド配列を含むが、当業者であれば、mRNAの自然なスプライシングのために、RNA転写物の配列から誘導される際に、異なる配列を有するポリヌクレオチドプライマー又はプローブを用いて、イントロン配列に近い多型部位におけるヌクレオチドのアイデンティティーを決定することができることが分かる。例えば、スプライスバリアントなどの別の基準配列も認められよう。こうした変化した転写物中にGH−1多型が存在する限り、本発明は、前記の異なるようにスプライシングされた前記転写物のバックグラウンドにおいてGH−1多型を検出することを意図するポリヌクレオチドを包含する。
更に、本発明は、個体から得られる核酸の分類方法を提供する。前記方法は、GH−1多型部位に、どのヌクレオチドが存在するかを決定する。場合により、各多型における複数の塩基を、1回の反応内で同時に決定する。このタイプの分析は、疾病表現型の存在を試験される複数の個体に関して実施することができる。次いで、疾病表現型の存在若しくは不在、又は疾病状態の発病の傾向の存在若しくは不在を、試験された個体の多型部位における塩基又は塩基セットの存在と相関させることができる。
従って、本発明は、更に、GH1多型部位1つ以上を含む核酸を含む患者から材料を得て、そしてGH−1ハプロタイプ若しくは遺伝子型を決定することによって、患者におけるGH−1ハプロタイプ若しくは遺伝子型の存在又は不在を決定することによる、GH−1機能不全又はその表現型の子孫への遺伝の傾向の診断方法を提供する。
本発明は、更に、個体から得られるGH−1ポリペプチドの分類方法であって、前記ポリペプチドがGH−1突然変異ポリペプチドであるかどうかを決定する、前記分類方法を提供する。
また、本発明は、患者の処置に関して、GH−1機能不全への作用剤による治療方法を評価する方法であって、GH−1多型部位少なくとも1つを占めるヌクレオチドのアイデンティティーを決定し、そして前記剤による治療方法を前記患者に実施すべきか否かを評価する、前記評価方法も提供する。
また、本発明は、患者の処置に関して、GH−1機能不全への作用剤による治療方法を評価する方法であって、前記患者から得られるGH−1ポリペプチドがGH−1突然変異多型であるか否かを決定することを含む、前記治療方法も提供する。
また、本発明は、GH−1多型部位にGH−1機能不全を示すヌクレオチドを有することが予じめ決定された患者に、ヒト成長ホルモンを投与することを含む、ヒト成長ホルモンの投与方法も提供する。
本発明は、GH−1突然変異ポリペプチドが、表1に記載のとおり、稀少なアレルをコードする多型部位と一緒のGH−1コード多型核酸によってコードされる、前記GH−1突然変異ポリペプチド及びそれらをコードする核酸を提供する。
更に、本発明は、本発明のGH−1多型部位を含む核酸セグメントの増幅に有用なプライマーを提供する。
《図面の簡単な説明》
図1:成長ホルモン1のゲノム配列
図1は、Genbankデータベース登録J03071由来のヒト成長ホルモン1に対するゲノム配列を示す。多型部位は、下線が引かれており、太字イタリック体である。実施例1で、PCR断片の生成及び前記断片の配列決定に用いられたプライマーは、下線を引かれ、そしてそのオリゴヌクレオチドの名前及びその方向を前記配列の上に示した。アミノ酸配列は、ヌクレオチド配列の下にある。最初の26(−26〜−1)のアミノ酸は、シグナル配列ペプチドを表す。コード領域の中には、4つのイントロンがある。矢印は、遺伝子の始まりと終わりとを示す。開始メチオニン、ストップコドン、及びポリA付加部位は、太字である。−30〜−25におけるTATAボックス及び−132〜107及び−92〜−67における2つのPIT−1部位は、四角で囲まれている。
《配列表の簡単な説明》
配列番号1:多型部位の記載を伴うGH−1cDNA配列
配列番号2:GH−1シグナル−ポリペプチド ペプチド配列
配列番号3:GH−1成熟ポリペプチド配列
配列番号4:GH−1ゲノム配列
配列番号5〜51:プライマー
《発明の詳細な説明》
〈定義〉
用語「GH−1診断ポリヌクレオチド」は、GH−1多型部位(相補体を含む)を含み、GH−1ゲノム配列から誘導される任意のポリヌクレオチド又はGH−1遺伝子から誘導される転写物を意味する〔主要な及び別の転写種[transcript species]は、当業者に周知である〕。主要アイソフォームのメッセージ配列を、配列番号1に記載し、そして相当するゲノム配列を配列番号4に記載する。診断ポリヌクレオチドは、プライマー又はプローブであることができる。
本明細書において交換可能に使用される用語「オリゴヌクレオチド」及び「ポリヌクレオチド」は、一本鎖又は二本鎖形態のどちらかのヌクレオチドを1つより多く含む、RNA、DNA、又はRNA/DNAハイブリッド配列を含む。本明細書において、形容詞として用いる用語「ヌクレオチド」は、任意の長さの一本鎖又は二本鎖形態のRNA、DNA、又はRNA/DNAハイブリッド配列を含む分子を表す。また、本明細書において、用語「ヌクレオチド」は、個々のヌクレオチド又は種々のヌクレオチドを意味する名詞として使用され、分子又は核酸分子中の個々のユニット(オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドの中のヌクレオチドの場合は、プリン又はピリミジン、リボース又はデオキシリボース糖部分、及びホスフェート基又はホスホジエステル結合を含む)を意味する。本明細書において、用語「ヌクレオチド」は、「修飾されたヌクレオチド」を含むように使用され、これは、少なくとも1つの修飾(a)異なる連結基、(b)プリンのアナログ形態、(c)ピリミジンのアナログ形態、又は(d)類似の糖、例えば、類似連結基、プリン、ピリミジン、及び糖を含む(例えば、PCT公開番号WO95/04064参照)。しかしながら、本発明のポリヌクレオチドは、好ましくは50%よりも多く従来のデオキシリボースヌクレオチドを含み、そして最も好ましくは90%より多く従来のデオキシリボースヌクレオチドを含む。本発明のポリヌクレオチド配列は、任意の公知の方法、例えば、合成、組み換え、エクスビボ生成、又はその組み合わせ、並びに当業者に知られている任意の方法によって、調製することができる。
本明細書において、用語「単離された」は、自然に及び必然的に通常関連する別の化合物、例えば、以下に限定されるものでないが、他の核酸、炭水化物、脂質、及びタンパク質(例えば、ポリヌクレオチドの合成において使用される酵素)から或る程度まで分離された本発明のポリヌクレオチド又はポリヌクレオチドベクターを示すか、あるいは線状ポリヌクレオチドからの共有結合的に近接しているポリヌクレオチドの分離を示す。ポリヌクレオチドは、サンプルが少なくとも約50%、好ましく60%〜75%の単一ポリヌクレオチド配列及びコンホメーション(直線対共有結合的近接[Linear versus covalently close])を示した時に、実質的に単離されている。実質的に単離されたポリヌクレオチドは、典型的に、約50%、好ましくは60〜90%(重量/重量)の核酸サンプルを含み、より通常は約95%、そして好ましくは約99%以上の純度である。ポリヌクレオチドの純度又は均質性は、当業者に周知の多くの手段、例えば、サンプルのアガロース又はポリアクリルアミドゲル電気泳動、及び続いて前記ゲルを染色することによって単一のポリヌクレオチドバンドを視覚化することによって示すことができる。或る目的のために、HPLC又は当業者に周囲の他の方法を用いることによって、より高い解像度を提供することができる。
本発明のポリペプチドに関して、用語「精製された」は、そのポリペプチドが通常見出される起源細胞又は生体環境から分離されることを意味する。場合により、前記の精製されたポリペプチドは、薬剤学的に許容することのできる担体を用いて再構成して、患者に投与することができる。
用語プライマーは、適当な条件下(すなわち、4つの異なるヌクレオチド三リン酸、及び例えば、DNA若しくはRNAポリメラーゼ又は逆転写酵素などの重合剤の存在下)で、適切な緩衝溶液中にて、及び適温で、テンプレート・ディレクテッドDNA合成の開始点として作用することができる一本鎖オリゴヌクレオチドを意味する。プライマーの適切な長さは、意図する用途に応じて変化するが、典型的には、15〜30ヌクレオチドの範囲である。短いプライマー分子は、一般的に、テンプレートと充分に安定なハイブリッド複合体を形成するように、より冷たい温度を必要とする。プライマーは、前記テンプレートの正確な配列を反映することを必要としないが、テンプレートとハイブリダイズするためには十分に相補的でなければならない。用語プライマー部位は、プライマーがハイブリダイズする目的DNAの領域を意味する。用語プライマーペアは、増幅されるべきDNA配列の5’末端でハイブリダイズする5’上流プライマー及び増幅されるべき配列の3’末端の相補体とハイブリダイズする3’下流プライマーを含むプライマーセットを意味する。
用語「プローブ」又は「ハイブリダイゼーションプローブ」は、サンプル内に存在する特定のポリヌクレオチド配列を同定するのに用いることができる規定の核酸セグメント(又はヌクレオチドアナログセグメント、例えば、本明細書で規定するポリペプチド)を意味し、前記核酸セグメントは、ハイブリダイゼーションによって同定する前記特定のポリヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を含む。「プローブ」又は「ハイブリダイゼーションプローブ」は、核酸の相補鎖と塩基特異的な方法で結合することができる核酸である。前記プローブとしては、「Nielsenら,Science254,1497−1500(1991)」に記載されるようなペプチド核酸を挙げることができる。
ハイブリダイゼーションは、通常、「ストリンジェントな条件」、例えば、1M以下の塩濃度、及び少なくとも25℃の温度下で実施する。例えば、5X SSPE〔750mM−NaCl、50mMリン酸Na,5mM−EDTA,pH7.4〕及び温度25℃〜60℃の条件が、アレル特異的プローブハイブリダイゼーションに適する。この特定の緩衝液の組成を、例示として挙げることができるが、当業者であれば、同等の適切さを有する別の組成に容易に置き換えることができよう。
本明細書において、用語「配列決定」(及び「シークエンシング」)は、核酸中のヌクレオチドの順序を決定するための工程を意味する。核酸を配列決定するための種々の方法が、当業者に周知である。前記配列決定方法としては、例えば「Sangerら,Proc.Natl.Acad.Sci.74:5463(1977)」(これは、参照することにより本明細書に含まれる)に記載のジデオキシ処理鎖末端化のザンガー法を挙げることができる〔Sambrookら(編),Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第二版),Plainview,ニューヨーク州:Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)中の「DNA Sequencing」(これは、参照することにより本明細書に含まれる)も参照されたい〕。酵素的配列決定法においては、種々のポリメラーゼ、例えば、大腸菌DNAポリメラーゼIのクレノウ断片、配列TM(T7DNAポリメラーゼ)、Taq DNAポリメラー、及びAmplitaqを用いることができる。周知の配列決定法も、DNAのマクサム−ギルバート化学分解〔参照:「Maxam and Gilbert,Methods Enzymol.65:499(1980)」(これは、参照することにより本明細書に含まれる)及びSambrookら,1989(前出)中の「DNA Sequencing」〕を含む。現在では、しばしば、自動化された方法の助けを借りて配列決定を実施することが、当業者であれば分かる。
用語「形質」(trait)及び「表現型」(phenotype)は、本明細書において交換可能に使用されており、そして生物の任意の可視的な、検出可能な、又はその他測定可能な特性、例えば、疾病(例えば、)の症状又は前記疾病に対する罹病性を意味する。本明細書において、用語「形質」又は「表現型」は、典型的には、GH−1機能不全の症状又はGH−1機能不全に対する罹病性、又はGH−1機能不全への作用剤に対する個体の応答性、又はGH−1機能不全への作用剤に対する副作用の症状、若しくはGH−1機能不全への作用剤に対する副作用に対する罹病性を意味する。
用語「GH機能不全の疑いがある個体」は、以下の特徴の1つ以上を示すことを意味する。
(i)成長不全:標準的身長チャート[Tannerら,Arch Dis Child,45,755−762(1970)]上にプロットした場合に、個体に対して予測される成人身長が、その個体の両親の身長に基づいて予測されるその個体の目標成人身長範囲から、逸脱している成長パターン[一連の身長測定によって描写される;Brook CDG(編)Clinical Pediatric Endocrinology第3版,第9章,p141(1995,Blackwell Science)]として規定される。従って、本発明は、前記の本発明の方法によって検出される若しくは検出可能なGH1のバリアントを更に提供する。判定基準(i)に対する参考文献としては、「Tanner and Whitehouse Arch Dis Child,51,170−179(1976)」が有用である。患者の目標成人身長範囲は、中央−両親身長(mid−parental height:MPH)として計算され、MPHに対して第10百分位数から第90百分位数の範囲を有するが、これは、性別に応じて変化する:
男性のMPH=[父親の身長+(母親の身長+13)]/2±6〜8cm、通常7.5cmの範囲内;及び
女性のMPH=[(父親の身長−13)+母親の身長]/2±6〜8cm、通常は、6cmの範囲内;
(ii)身長速度が、年齢に対する第25百分位数を下回る;及び/又は
(iii)暦年齢と比較した場合の、Tanner−Whitehouse目盛による骨年齢遅延が少なくとも2年;及び/又は
判定基準(ii)及び(iii)に関して、各々の判定基準は、以下に詳述するとおり、当業者に容易に利用することができ及び報告されている公知の方法及びパラメーターによって評価することができる:
(ii)「Tanner JM,Whitehouse RH Atlas of Children’s Growth(1982,London:Academic Press)」;及び「Butlerら,Ann Hum Biol,17,177−198(1990)」は、最初の判定基準の決定を可能にする、すなわち患者の身長速度が患者の年齢に対する第25百分位数未満である統計値の資料である。
(iii)骨年齢遅延の年を評価するための前記Tanner−Whitehouse目盛は、Tanner JM, Whitehouse RH, Cameron Nらによって、「Assessment of Skeletal Maturity and Prediction of Adult Height (1983, London:Academic Press)」に記載されている。本発明の方法においては、前記個体が、(暦年齢と比較した場合に)約3.5〜4年の骨年齢遅延を示すことが好ましい。
個体における骨年齢遅延の評価は、複数回実施する場合には、その個体がより若いと変化のレベルがより大きく、従って例えば、2歳児の複数回評価は、骨年齢遅延が±6ヶ月で変化するが、3歳のときには、±4ヶ月等の差で変化するという結果になることがある。
また、場合により、前記患者に、成長ホルモン機能試験1つ以上を受けさせることができる。用語「成長ホルモン機能試験」は、成長ホルモンの分泌の試験、例えば、後出の刺激試験、特にインシュリン誘発低血糖症試験(IST)を意味する。GH機能試験は、通常、低身長で;内分泌クリニックを訪れて臨床的に評価され及び身長を1回以上検査され;その対象の成長不全に対して検出可能な他の原因が無く;従って、適切な刺激、例えば、インシュリンの静脈投与の結果による血液グルコースの深在性の低下に続くその対象の下垂体からの成長ホルモン分泌を生じさせるその対象の能力が評価されることが保証される患者において実行する。前記個体の成長ホルモン機能試験の結果は、しばしば正常である。
前記は子供達に関する記載であるが、成人も「GH−1機能不全が予測される個体」になりうることに注意されたい。成人における成長ホルモンの欠乏が有害であることには証拠があり、心臓血管疾病により死亡する危険性が増加する。年齢及び性別が一致する健康な対象と比較して、成長ホルモン欠乏症の成人は、増加した脂肪量、減少した筋肉量及び強度、より小さい心臓及びより低い心拍出量、より低い骨密度、及びより高い血清脂質濃度を有する。また、成長ホルモン欠乏症の成人は、成長ホルモン欠乏症以外のホルモン欠乏症を充分矯正したにもかかわらず、減少した生命力、エネルギー、及び身体的運動性;情動の傾向;社会的隔離感;及び性機能における障害を有する〔「Vance and Mauras(1999)New England Journal of Medicine341(16)p1206−1216」〕。
用語「GH−1機能不全」は、内因性GH−1ポリペプチドを正常レベルで生成することができないか、正常レベルに維持することができないか、又は正常レベルで存在する場合であっても正常に作用させることができないことにより生じる低身長を含む、臨床状態を意味する。細胞のレベルで正常に機能している場合には、GH−1ポリペプチド1つは、GHレセプター分子(GHR)2つと結合して、それらを二量体化させる。GH−1と結合したGHR分子2つの二量体化は、チロシンキナーゼJAK−2と関連するシグナル形質導入に必要であると考えられている。GH−1の様々な効果が、種々の組織中に種々の細胞質ドメイン又はリン酸化部位を有することができるGHR分子の1つのタイプによって媒介されることができる。JAK−2によって活性化する場合には、これらの種々の細胞のドメインは、一方は成長の効果のための及び他方は多様な代謝効果のための異なるリン酸化経路を導くことができる。「GH−1機能不全」の臨床的な症状発現は、前記のとおりである。
「GH−1機能不全への作用剤」には、GH−1機能不全の症状1つ以上を、処理、減少、又は緩和する、当業者に公知の任意の医薬又は化合物が含まれる。「GH−1機能不全への作用剤」には、GH−1機能不全に関連するホルモン又は調節分子の活性又は濃度を変化させる当業者に公知の任意の医薬又は化合物が含まれる。外因性成長ホルモンは、組換技術により生成しても又は天然に生成しても、この定義に包含される。
本明細書において、用語「遺伝子型」は、個体又はサンプル中に存在するアレルのアイデンティティーを意味する。本発明において、遺伝子型は、好ましくは、個体又はサンプル中に存在する多型アレルの記載を意味する。多型マーカーに対して、サンプル又は個体を、用語「遺伝子型決定」するは、多型マーカーにおいて個体により担持される特定のアレル又は特定のヌクレオチドを決定することを含む。
用語「ハプロタイプ」は、染色体1つの上の現実のアレルの組み合わせを意味する。本発明において、ハプロタイプは、好ましくは、或る個体において発見される多型の組合せ(これは、表現型に関連することがある)に関する。
本明細書において、用語「多型(polymorphism)」は、異なるゲノム又は個体の間に、別のゲノム配列又はアレル2つ以上が出現することを意味する。「多型の(Polymorphic)」は、或る集団内で特定のゲノム配列のバリアント2つ以上を発見することができる状態を意味する。「多型部位」とは、多様性が発生する遺伝子座である。多型は、集団内において、遺伝子的に決定した2つ以上の選択的な配列又はアレルの存在を意味する。好ましい多型は、少なくともアレル2つ以上を有し、各発生が、選択した集団の1%よりも大きく、そしてより好ましくは選択した集団の10%又は20%よりも大きい頻度で各々発生する。多型の遺伝子座は、1塩基対と同じくらい小さいことがある。多型マーカーは、制限断片長多型、可変の数のタンデムリピート(VNTR)、超可変領域、ミニサテライツ、ジヌクレオチドリピート、トリヌクレオチドリピート、テトラヌクレオチドリピート、単純配列リピート、及び挿入要素、例えばAluを含む。最初に同定されたアレル型を、基準型として任意に指定し、そして別のアレル型を別アレル又はバリアントアレルとして指定する。選択した集団中で最も高頻度で発生するアレル型は、しばしば、野生型を意味する。二倍体の生物は、アレル型に関して、ホモ接合性又はヘテロ接合性であることができる。バイアレリック多型は、2つの型を有する。トリアレリック多型は、3つの型を有する。
「一塩基多型」(SNP)は、一塩基対の変化である。一塩基多型は、アレル配列間の変異の部位であり、単一のヌクレオチドによって占められる多型部位で発生する。前記部位は、通常、そのアレルの高度に保存された配列(例えば、その集団の1/100又は1/1000未満の構成員において変化する配列)が、先行し及び続く。
一塩基多型は、通常、多型部位におけるヌクレオチド1つの別のヌクレオチドへの置換が原因で生じる。トランジションは、1つのプリンの別のプリンによる置換又は1つのピリミジンの別のピリミジンによる置換である。トランスバージョンは、ピリミジンによるプリンの置換、又はその逆である。また、一塩基多型は、基準アレルに関するヌクレオチドの欠失又はヌクレオチドの挿入から生じることができる。単一ヌクレオチド変化は、制限酵素切断部位を破壊又は生成する結果となることができることに注意されたい。従って、一塩基多型それ自体が、制限酵素断片長多型として存在することもできる。
一塩基多型(SNP)は、RFLP及びVNTRと同じ方法で用いることができるが、数個の利点を提供する。一塩基多型は、より大きい頻度で発生し、そして他の多型の型よりもゲノム間により均一な間隔で存在する。(SNP)は、約1/1000塩基対の頻度で発生し、そして1%以上の頻度を有するための最少の豊富なアレルに対する要求によって、稀少なバリエーション又は突然変異から区別される(Brookes,1999)。
SNPの例としては:
1.その遺伝子によってコードされるタンパク質生成物中において、アミノ酸1つを別のアミノ酸に置換する非同義的コード領域変化、
2.遺伝子コードの縮重によりアミノ酸コード配列が変わる同義的変化、
3.遺伝子の転写に変化させるか又は変化させない、プロモーター、エンハンサー、又は他の遺伝的調節要素配列の変化、
4.特に5’末端における(リボソーム結合、開始、又は翻訳の効率を変えることができる)又は3’末端における(mRNAの安定性を変えることができる)、mRNAの非翻訳領域内における変化、及び
5.転写物のスプライシング又は他の遺伝的調節要素の機能を変化させることができる、イントロン領域の中での変化
を挙げることができる。
本明細書において、用語「GH−1多型」は、GH−1に対する遺伝子内の本明細書内で開示した中での多型又は多型部位を意味する。GH−1一塩基多型は、単一のヌクレオチドにおける変化を反映する多型である。用語「GH−1内の多型少なくとも1つ」は、GH−1遺伝子内の多型少なくとも1つを意味する。同じGH−1多型がGH−1遺伝子の全ての種々の転写物中に潜在的に存在すること、及び関連する配列の単純な比較によって適当なフランキング配列を推定することができることが分かっている。
本明細書において、用語「GH−1多型部位」は、本明細書に記載の多型が存在する部位を意味する。本明細書で開示した前記部位は、後出の表1に記載されており、そして便宜としてS1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8、及びS9と命名し、そして命名したS1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8、及びS9は、それぞれ、配列番号1の位置68、116、177、212、213、224、279、375、又は596におけるヌクレオチド、配列番号4の位置1665、1973、2034、2069、2070、2081、2345、2533、又は3007のヌクレオチドによって表示される。同じGH−1多型部位が、GH−1遺伝子の全ての種々の転写物に存在すること、及びGH−1多型部位の適切なフランキング配列を、関連した配列の単純な比較によって推定することができることが分かっている。
本明細書において、ポリヌクレオチドの中のヌクレオチドの位置は、そのポリヌクレオチドの中心に関して、以下の方法で記載する。ポリヌクレオチドが奇数のヌクレオチドを有する場合には、ポリヌクレオチドの3’及び5’末端から等距離のヌクレオチドを「中央の」ポリヌクレオチドであるとみなし、そして前記中央のヌクレオチドのすぐ隣の任意のヌクレオチド、又は中央のヌクレオチドそれ自身を、「中央の1ヌクレオチド以内」であるとみなす。奇数のヌクレオチドを有するポリヌクレオチドにおいて、そのポリヌクレオチドの中間に位置するヌクレオチド5つは、いずれも、中央の2ヌクレオチド以内であるとみなし、その他も同様に考える。ポリヌクレオチドが偶数のヌクレオチドを有する場合には、そのポリヌクレオチドの中心は、結合であってヌクレオチドではない。従って、中心のヌクレオチド2つのどちらも、「中央の1ヌクレオチド以内」であるとみなされ、そして前記ポリヌクレオチドの中間のヌクレオチド4つは、いずれも、「中心の2ヌクレオチド以内」であるとみなされ、その他も同様に考える。ヌクレオチド1つ以上の置換、挿入、又は欠失を含む多型に関して、前記多型の3’置換、挿入、又は欠失されたポリヌクレオチドから前記ポリヌクレオチドの3’末端までの距離と、前記多型の置換、挿入、又は欠失されたポリヌクレオチドから前記ポリヌクレオチドの5’末端までの距離との間の差が0又は1ヌクレオチドの場合には、その多型、アレル、又はバイアレリックマーカーが、ポリヌクレオチドの「中心」である。この差が0〜3であるならば、前記多型は、「中心の1ヌクレオチド以内」であるとみなされる。この差が0〜5であるならば、前記多型は、「中心の2ヌクレオチド以内」とみなされる。この差が0〜7であるならば、多型は、「中心の3ヌクレオチド以内」とみなされ、その他も同様に考える。ヌクレオチド1つ以上の置換、挿入、又は欠失を含む多型に関して、前記多型の置換、挿入、又は欠失されたポリヌクレオチドから前記ポリヌクレオチドの3’末端までの距離と、前記多型の置換、挿入、又は欠失されたポリヌクレオチドから前記ポリヌクレオチドの5’末端までの距離との間の差が0又は1のヌクレオチドの場合には、その多型、アレル、又はバイアレリックマーカーが、ポリペプチドの「中心」である。この差が0〜3であるならば、多型は、「中心の1ヌクレオチド以内」であるとみなされる。この差が0〜5であるならば、多型は「中心の2ヌクレオチド以内」とみなされる。この差が0〜7であるならば、多型は、「中心の3ヌクレオチド以内」とみなされ、その他も同様に考える。
ポリヌクレオチドの末端に関するポリヌクレオチド中のヌクレオチドの位置は、本明細書に、以下の方法で記載する。ヌクレオチドが、ポリヌクレオチドの5’末端か3’末端のどちらかにあるならば、そのヌクレオチドは、ポリヌクレオチドの「末端」である。
本明細書において、用語「上流」は、特定の基準点からポリヌクレオチドの5’末端の方の位置を意味する。本明細書において交換可能に使用される用語「塩基対」(base paired)及び「ワトソン&クリック塩基対」(Watson & Crick base paired)は、それらの配列アイデンティティーによって、チミン残基又はウラシル残基がアデニン残基と2つの水素結合によって結合し、そしてシトシン残基及びグアニン残基が3つの水素結合によって結合する二重らせんDNAにおいて見られる方法で、別のヌクレオチドと水素結合することができるヌクレオチドを意味する(参照:「Stryer,L.,Biochemistry,第4版,1995」)。
本明細書において、用語「相補的である」又は「その相補体」は、別の特異的ポリヌクレオチドと、その相補領域の全体にわたってワトソン&クリック塩基対を形成することができるポリヌクレオチドの配列を意味する。この用語は、それらの配列に単に基づくポリヌクレオチドのペアに対して適用され、そして2つのポリヌクレオチドが実際結合するであろうなんらかの特定の条件のセットではない。
本明細書において、用語「GH−1突然変異体ポリペプチド」は、GH−1遺伝子又は転写物又はその一部によってコードされるGH−1ポリペプチドを意味し、これは、表1に示すように、希なアレルをコードする多型部位少なくとも1つを有するGH−1多型部位少なくとも1つを含む。従って、用語GH−1突然変異ポリペプチドは、位置13、25、29、47、79、又は153の1つ以上が、稀なアレルによってコードされるアミノ酸によって占められる配列番号3(すなわち、位置13=Val、位置25=Ile又はTyr、位置47=Thr、位置79=Cys、及び/又は位置153=His、あるいはこれらの位置における保存的な置換)を含むポリペプチド種を包含する。この中のナンバリングシステムが、GH−1タンパク質の最も多いアイソフォームに関するナンバリングを参照することは、理解されるであろう。前記定義は、当業者に周知の別のアイソフォームの枠組み内の突然変異を含むことを意図する。基準を、例えば、「位置13のアミノ酸がバリンであるGH−1突然変異体ポリペプチド」に対して作った場合には、前記用語には、同じ置換を有する別のアイソフォームから誘導されるGH−1突然変異ポリペプチドを包含することを意図する。
保存的な置換は、アミノ酸1つの、類似の特性を有する別のアミノ酸への置換として当業者に認識されている。典型的な保存的置換を、以下の表A〔WO97/09433,p10,1997年3月13日公開(PCT/GB96/02197,1996年9月6日出願)より〕に記載する。
保存的な置換I
側鎖の特徴 アミノ酸
脂肪族
非極性 GAP
ILV
極性−非荷電 CSTM
NQ
極性−荷電 DE
KR
芳香族 HFWY
その他 NQDE
あるいは、「Lehninger,Biochemistry,第2版;Worth Publishers,Inc.NY:ニューヨーク州(1975)pp.71−77」に記載されているとおりに、保存的アミノ酸を、以下のようにグループ分けすることができる。
保存的な置換II
側鎖の特徴 アミノ酸
非極性(疎水性)
A.脂肪族: ALIVP
B.芳香族: FW
C.硫黄含有: M
D.ボーダーライン: G
非荷電−極性
A.ヒドロキシル: STY
B.アミド: NQ
C.スルフヒドリル: C
D.ボーダーライン: G
陽電荷(塩基性): KRH
負電荷(酸性): DE
保存的な置換のグループ分けの別の例を、以下に記載する。
保存的な置換III
オリジナルの残基 典型的な置換
Ala(A) Val,Leu,Ile
Arg(R) Lys,Gln,Asn
Asn(N) Gln,His,Lys,Arg
Asp(D) Glu
Cys(C) Ser
Gln(Q) Asn
Glu(E) Asp
His(H) Asn,Gln,Lys,Arg
Ile(I) Leu,Val,Met,Ala,Phe,
Leu(L) Ile,Val,Met,Ala,Phe
Lys(K) Arg,Gln,Asn
Met(M) Leu,Phe,Ile
Phe(F) Leu,Val,Ile,Ala
Pro(P) Gly
Ser(S) Thr
Thr(T) Ser
Trp(W) Tyr
Tyr(Y) Trp,Phe,Thr,Ser
Val(V) Ile,Leu,Met,Phe,Ala
〈本発明の多型〉
成長ホルモン1(GH−1)は、脳下垂体から放出されるアミノ酸数191の球状タンパク質であり、出生後の正常な成長に不可欠である(Niall,1971;Li,1982)。pre−hGH−1は、タンパク質を粗面小胞体の外側に向かわせるアミノ末端のアミノ酸数26のシグナル配列を有している。成長ホルモン1に対する遺伝子(GH−1遺伝子)は、染色体17上の全長48kbのクラスター中に見出された5つの遺伝子の1つである(George,1981)。その他の4つの遺伝子は、成長ホルモン2(GH−2遺伝子)、絨毛性ソマトマンモトロピン1及び2(CSH−1及びCSH−2遺伝子)、並びにCSH偽遺伝子(CSHP−1偽遺伝子)である。各遺伝子は、同じエキソン−イントロン構造を有し、そして5つの遺伝子は、91%〜95%の類似性を有する。これらの類似性にもかかわらず、これらの遺伝子は、組織特異的な発現を示し、GH−1は、脳下垂体前葉のみで転写されるが、その他の遺伝子4つは、胎盤で転写される(Chen,1989)。この組織特異的な転写は、下垂体−特異的転写因子Pit−1/GHF1に対するGH−1のプロモーター領域内の2つの結合部位によって媒介される(Bonder,1988)。前記胎盤遺伝子4つは、それらのプロモーター領域中に、下垂体−特異的レセプター配列を有する(Nachtigal,1992)。
GH−1cDNAのヌクレオチド及びアミノ酸配列は、Genbankアクセッション番号NM_00515において既に開示されており、そして配列番号1として本明細書に含まれている。
完全成長ホルモン遺伝子座に対するゲノム配列は、「Chenら,Genomics4,479−497(1989)」中に報告されており、そしてアクセッション番号J03071としてGenbank中にある。
GH−1遺伝子の発現により、いくつかの異なるGHアイソフォームが生成される(GH−1遺伝子基準配列を、図1及び配列番号4に記載する)。GH−1転写物の9%中で、エキソン2は、エキソン3のオルタネイティブアクセプタースプライス部位45bpまでスプライジングされて、アミノ酸残基32〜46を欠失し、そして正常な22kDaタンパク質の代わりに20kDaアイソフォームを生成する。この20kDaアイソフォームは、成長及び分化を刺激することができるように考えられる。オルタネイティブアクセプタースプライシング部位選択の決定に関連する因子は、いまだ特徴付けられていないが、明らかに複雑な性質を有する。エキソン3によってコードされるコドン32〜71の不在の結果生じる17.5kDaアイソフォームも、下垂体腫瘍組織中に微量検出された。エキソン3及び4又はエキソン2、3、及び4のどちらかが欠けているスプライシング生成物は、下垂体組織で報告されているが、しかしながら、これらは、不活性なタンパク質生成物をコードするものと考えられる。また、GHの24kDaのグリコシル化バリアントも、記載されている。主要な22kDaアイソフォームのアミノ酸配列を、配列番号3に記載する。
GH−1をコードする遺伝子は、関連する遺伝子5つのクラスター内の染色体17q23に位置する。この66.5kbクラスターは、現在、完全に配列決定されている〔Chenら,Genomics,4,479−497(1989)〕。前記成長ホルモン遺伝子クラスター中に存在するその他の遺伝子座は、絨毛性ソマトマンモトロピン遺伝子2つ(CSH1及びCSH2)、絨毛性ソマトマンモトロピン偽遺伝子1つ(CSHP1)、及び成長ホルモン遺伝子(GH−2)である。これらの遺伝子は、長さ6〜13kbの遺伝子間領域によって分けられており、同じ転写位置に位置し、胎盤において発現し、そして下流の組織特有のエンハンサーの制御下にある。前記GH−2遺伝子座は、アミノ酸残基13においてGH−1由来の成長ホルモンと異なるタンパク質をコードする。5つの遺伝子全ては、GH−1の場合は長さが260bp、209bp、92bp、及び253bpであって短いイントロンによって同じ位置で遮断されるエキソン5つを有する非常に似た構造を共有する。
GH−1遺伝子のエキソン1は、5’非翻訳配列の(しかしながら、別の転写開始部位が、−54に存在する)60bp、−26〜−24のコドン、及び26アミノ酸リーダー配列の開始位置に相当するコドン−23の最初のヌクレオチドを含む。エキソン2は、前記リーダーペプチドの残り、及び成熟GHの最初の31アミノ酸をコードする。エキソン3〜5は、それぞれ、アミノ酸32〜71、アミノ酸72〜126、及びアミノ酸127〜191をコードする。エキソン5も、ポリアデニル化部位内の3’非翻訳配列を完結する112bpをコードする。Aluの繰り返し配列要素が、GH−1ポリアデニル化部位に対して100bp3’に存在する。5つの関連する前記遺伝子は、それらの5’フランキング及びコード領域に亘って高度に相同的であるが、それらは、それらの3’フランキング領域で異なる。
GH−1遺伝子及びGH−2遺伝子は、それらのmRNAのスプライシングパターンに関して異なる。前記のとおり、GH−1転写物の9%において、エキソン2は、別のアクセプタースプライス部位45bpにスプライシングされて、エキソン3となって、正常な22kDaの代わりに20kDaのアイソフォームを生成する。前記GH−2遺伝子は、この方法で二者択一的にスプライシングされない。また、GH−1のエキソン3によりコードされる40のアミノ酸を欠いている第3の17.5kDaバリアントも報告されている。
前記CSH1遺伝子座及びCSH2遺伝子座は、同じ配列のタンパク質をコードし、そしてGH−1配列に対してDNAレベルで93%相同的である。前記CSH遺伝子配列に比べて、CSHP1偽遺伝子は、その「エキソン」内に25ヌクレオチドの置換を含み、そのうえ、イントロン2のドナースプライスサイトの絶対+1位置中に、その発現を部分的に不活化するG→Aトランジションを含む。
シークエンシング及びPCRプライマーの賢明な選択によって、本発明者らは、GH−1遺伝子から特定的に配列を得て、そしてその存在がGH−1機能不全に対する診断であるか、又はヒトゲノム中の固有の位置に関する遺伝マーカーとしての有用性を有する従来未知の一塩基多型いくつか(以下の表1に要約されている)を確認した。
前記のように、配列番号1のcDNA配列の位置68におけるGH−1一塩基多型は、配列番号4のゲノム配列の位置1665における同じ多型に相当する。同じ一致が、本発明の他の多型についても当てはまる。同様の一致を、GH−1ゲノム配列から誘導される任意の別のメッセージ転写物から決定することができよう。従って、他の基準配列が、それらがGH−1遺伝子転写物のスプライスバリアントから誘導されようが、あるいはそれらが別のヌクレオチド変化を含もうが、それでもなお同等の多型部位を有すること、並びに、前記配列から誘導されるポリヌクレオチドが、本発明の一部である(そして、本明細書においてGH−1診断ポリヌクレオチドとして規定されている)ことが理解されよう。
問題の多型が既に特徴付けられているか否かに応じて、2つの異なったタイプの分析がある。最初のタイプの分析は、しばしば、デ・ノボ・アイデンティフィケーション(de novo identification:新規同定)と称する。第2のタイプの分析は、同定された多型のどの型が、試験下で個体に存在するかを決定している。最初のタイプの分析は、種々の固体における目標配列を比較して、バリエーションの位置、すなわち多型部位を同定する。人の間で最大の民族的多様性、並びに最大の血統及び植物及び動物における種多様性を示す個人の群を分析することによって、遺伝子座の最も普遍的なアレル/ハプロタイプの特色であるパターンを、同定することができ、そして前記集団中における前記個体群の頻度を決定することができる。追加のアレルの頻度を、例えば地勢、人種、又は性などの基準によって特徴付けられた分集団に対して、決定することができる。
本発明の多型の新規同定を説明する実施例を、以下に記載する。
《実施例1:本発明の多型の新規同定》
〈材料及び方法〉
〔DNAサンプル〕
匿名の血液サンプル(複数)からDNAサンプルを得た。QiaAmp DNAブラッド・ミニ・キット(キアゲン[Qiagen])を用いて、DNAを調製した。このサンプルは、人口対照西部ミシガンサンプルと称され、CON01のラベルを付されている。またこのサンプルは、各個人の一般的表現型情報のみが知られ、本質的には各個人に関する情報のない、種々の民族性の、主に白人及び黒人の人々を代表している(少なくとも1人は、身長が低かった)。
〔GH−1のPCR増幅〕
GH−1遺伝子に対して固有であり、そしてGHクラスター中の別のいずれかの関連する遺伝子とのヌクレオチドミスマッチ少なくとも2つを有するように、プライマー配列を設計した。ABI9600サーモサイクラーを用い、製造元の指示に従って、反応約50μL中でエクスパンド・ハイ・フィデリティー・エンザイム・ミックス[Expand High Fidelity enzyme mix]を使用して、PCRを実施した。
そのサイクルプログラムは、以下のとおりであった:94℃で2分間を1サイクル、次いで94℃で15秒間、次いで68℃で2分間を10サイクル(サイクルごとに1℃減少)、及び次いで94℃で15秒間、58℃で30秒間、72℃で2分間を50サイクル。
前記反応混合物は、以下のものを含んでいた:HO36μL,10TT緩衝液5μL(140mM硫酸アンモニウム,0.1%ゼラチン,0.6M・Tris−トリシンpH8.4),15mM−MgSO5μL,10mM−dNTP2μL,ヒトゲノムDNA(Clontech)1μL(100ng,50ng、又は25ng),エクスパンド・ハイ・フィデリティー・エンザイム・ミックス(3.5U/μL)(Roche)0.4μL。
(A)RFD1384(1μg/μL)0.3μL,RFD1377(1μg/μL)0.3μL,
(B)RFD1372(1μg/μL)0.3μL,RFD1383(1μg/μL)0.3μL,
(C)RFD1372(1μg/μL)0.3μL,RFD1385(1μg/μL)0.3μL,
RFD1384:GGGAGCCCCAGCAATGC(配列番号5)
RFD1377:ACGGATTTCTGTTGTGTTTCCTC(配列番号6)
RFD1372:GAGCTCAGGGTTTTTCCCGAAGC(配列番号7)
RFD1383:GGGCAGAGATAATAGCAAACAAG(配列番号8)
RFD1385:TGTAGGAAGTCTGGGGTGC(配列番号9)
前記PCR生成物を、マルチスクリーンPCRフィルタープレート(Millipore)を用いて精製した。前記PCR反応物を、前記プレート上に載せ、そしてそのプレートをマルチスクリーンマニホールド(Millipore)の上部に置き、そして5〜10分間24インチHgの減圧を適用した。前記マニホールドから前記プレートを除去し、そしてHO50μLを、各ウェルに加えた。そのプレートを、プレートミキサー上に置き、そして5分間激しく振った。精製したPCR生成物を各ウェルから回収し、そして新しい96ウェル反応プレート中に配置した。
〔DNA塩基配列決定〕
Taq FSTMポリメラーゼを用い、ABI377蛍光ベースシークエンサー(Perkin Elmer/Applied Biosystems Division,PE/ABD,Foster City,カリフォルニア州)及びABI BigDye(商標)ターミネーター・サイクル・シークエンシング・レディ・リアクション・キット[Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction kit]を使用して、前記PCR断片を直接配列決定した。各サイクルシークエンシング反応は、HO9.6μL、BigDyeターミネーター混合物8.4μL(Big Dyeターミネーター8μL及びDMSO0.4μL)、DNA1μL(〜0.5μg)、及びプライマー1μL(25ng/μL)を含み、そしてPerkin−Elmer9600中で実施した。98℃で1分間の初期変性、続いて96℃で30秒間、50℃で30秒間アニーリング、及び60℃で4分間伸長の50サイクルを使用して、サイクルシークエンシングを実施した。伸長生成物を,AGTC(商標)ゲルろ過ブロック(Edge BiosSystems,Gaithersburg,メリーランド州)を用いて精製した。各反応生成物を、ピペットによりカラム上に装填し、次いでこれをスウィンギングバケット遠心分離機(SorvallモデルRT6000B卓上遠心分離機)中で、室温において750×gで2分間遠心分離した。カラム−精製サンプルを、減圧下で約60分間乾燥し、次いでDNA添加液2μL(83%脱イオン化ホルムアミド,8.3mM−EDTA,及び1.6mg/mLブルーデキストラン)中に溶解した。次いで、そのサンプルを2.3分間90℃に加熱し、そしてABI377シークエンサーによる配列分析用に、各サンプル0.75μLずつを、そのゲルサンプルウェル中に装填した。その配列クロマトグラムを、コンピュータープログラムphred/Phrap及びConsedを用いて分析した。
〈結果〉
図1は、GenbankJ03071由来のヒト成長ホルモン1に対するゲノム配列を示す。この遺伝子は、コード領域内に4つのイントロンを含む。成長ホルモン1に対する遺伝子のみを増幅するために、そのクラスター中の他の遺伝子4つと比較して最も相違する遺伝子の領域からプライマーを設計した。いくつかの組合せを試みたが、前記配列を2.8kb配列におよぶ重複断片2つに分けることによって、最も一致する結果が得られた。この領域は、600bpの5’フランキング配列、エキソン5つ全て、及びイントロン4つ、並びに1kbの3’フランキング配列を含む。図2は、ゲノムDNA25ng、50ng、又は100ngにおける断片RFD1984〜RFD1377(1.5kb)、RFD1372〜RFD1383(1.8kb)、及びRFD1372〜RFD1385(2.1kb)を示す。RFD1384〜1377及びRFD1372〜1383は、3つの濃度全てで強いバンドを示す。RFD1372〜1385は、25ngDNAにおいてバンドを示さず、50ngにおいて弱いバンドを示し、そして100ngにおいて適切に強いバンドを示した。
人口対照西部ミシガンサンプル(CON01のラベルを付されている)と称する72個体からのDNAを含有するプレートを、成長ホルモン1の1.5kb断片及び1.8kb断片に対するプライマーを用いて増幅した。そのPCR生成物を精製し、そして配列決定した。前記72個体の配列を比較して配列間の違いを表示するコンピュータープログラムPOLYPHREDによって、そのクロマトグラムを分析した。このサンプルの規模は小さいものの、希少なアレルの頻度が、5%を超えることが計算された。SNPの99%を検出するためには、ハプロイドゲノム48個を比較することが必要である(Kruglyak,2001)。1%の頻度でSNPの99.9%を同定するには、ハプロイドゲノム192個を必要としたであろう。そして本発明者らの研究では、ハプロイドゲノムが144個であったので、SNPの97%が検出されたはずである。
本発明者らの発見した新規SNPの2つは、コード領域中に存在し、結果としてアミノ酸が変化する、これらを以下に概説する。
エキソン5中の前記SNPは、アスパラギン酸をヒスチジンに変化させる。これは、酸性アミノ酸から弱塩基性アミノ酸への変化である。この変化は、Asp171からHis171への変化が種特異性に対して影響するのと同じ方法で(Souza1995)、GH−1に影響する可能性がある。
ドナーサンプル(例えば、身長の低い個体)の更に多種多様なサンプル収集を利用する同様のアプローチを、以下の実施例2に記載する。
《実施例2:罹病及び非罹病集団中における多型の同定》
〈サンプル選択調製〉
以下の集団からサンプルを得た:
ミシガン:臨床試験ボランティア(ミシガン州から,疾病無し,正常な身長分布,大部分が白人)からの血液サンプル219個。
GCI:前記集団よりも2.5%低い身長を有する182個体(交絡状態無し)。
CRV:Coriellから入手した5つの民族群(白人、アフリカ系−アメリカ人、日本人、中国人、東南アジア人[SE Asian]、及びアメリカインディアン)からの93個体。
実施例1に記載のとおりに、粗製にサンプルを調製した。
〈プライマー設計〉
前記GHホモログ5つに対するゲノム配列を、公開データベースから検索し、そして相互にアラインメントした。前記アラインメントにより、前記遺伝子5つの間で最も高い保存及び最も低い保存の領域が同定された。GH1に対して特異的な配列を可能な限り多く含むように、慎重にプライマーを位置決めした。特に、第一プライマー(a及びpのラベルが付されている)を、可能であれば、GH1に特有の領域から選択した。
〈ネステッドPCR〉
ネステッドPCRによって、それぞれのアンプリコン(単位複製配列)を得た。GH1に対して独特の塩基を含むプライマーを用いるPCR2ラウンドによって、最終生成物の特異性が増加する。
それぞれのアンプリコンを、無作為集団サンプル8つからのDNAからPCR増幅し、そして配列決定した。これらサンプル8種の配列トレースを、全サンプルにおいて現れるヘテロ接合位置の存在(一塩基の違いを有する複数の遺伝子が、PCRの間に増幅されたことを示している)について分析する。前記アンプリコンは、いずれも、全てのサンプル中において、ヘテロ接合位置を含まなかった。
更に、遺伝子ホモログの間で異なることが知られているそれぞれのアンプリコン中のいくつかの位置を、GH1に対して予測される塩基の存在について確認したところ、全てがGH1であることが確認された。
GH−1遺伝子の特定の領域を、分離アンプリコンとして増幅した。前記アンプリコンの位置を以下の表3にまとめる。
表4にまとめられているように、以下のプライマーを使用した。
前記プライマーの意味は、以下の表5に記載のとおりである。
プライマーを、2.5uMの作業用原液に希釈した。
DNAを、2.5ng/nLの作業用原液に希釈した。
20μLでPCR反応を実施した。要するに、5×CPCR緩衝液4μLを、10mMdNTP0.4μL、ddH2O9.3μL、及びPLATINUM(商標)0.3μL(Life Technologies Polymerase(5U/μL)と混ぜ;
2.5uMの作業用原液に予め希釈しておいたフォワードプライマー及びリバースプライマーそれぞれ2μLを、予め2.5ng/nLに希釈しておいたDNAテンプレート2μLに加えた。
*:5×CPCRに対するレシピ
1.0M TrisHCL pH8.8 10.0mL
4M KCL 1.063mL
1M(NH)SO 5.0mL
1M MgSO 1.0mL
20%Triton 2.5mL
体積を100mLにする。
各増幅におけるプライマリーPCR工程に対して、以下のプログラムを使用した:
〔プライマリーPCR条件〕
95℃で5分間DNA初期変性;
4サイクル:96℃で10秒間(変性),58℃で10秒間(アニーリング),72℃で1.5分間(伸長);続いて20サイクル:96℃で10秒間(変性),55℃で10秒間(アニーリング),72℃で1.5分間(伸長)(合計24サイクル)。
前記プライマリーPCR後に、その生成物をHO中に1:10に希釈した。以下のプロトコル及びプログラムに従って、セカンダリーPCRを実施した。
〔セカンダリーPCR条件〕
95℃で5分間DNAの初期変性;
4サイクル:96℃で10秒間(変性),58℃で10秒間(アニーリング),72℃で1.5分間(伸長);続いて20サイクル:96℃で10秒間(変性),55℃で10秒間(アニーリング),72℃で1分間以下(伸長)(合計24サイクル)。
各患者サンプルからアンプリコンDNAを得て、配列決定した。
〈塩基配列決定プロトコル〉
前記セカンダリーPCR用のプライマーを、M13配列を用いて端部形成する。前記セカンダリーPCRからのPCR生成物を、1mM−EDTA中に1:10に希釈し、そして色素−プライマー化学、及び前記M13末端に相補的なシークエンシングプライマーを用いて、シークエンシング反応を実施した。シークエンシング生成物を、キャピラリーシークエンサー(MegaBace,Molecular Dynamics)又はABI377シークエンサー上で試験した。原トレースを、商標の付いたソフトウェアを用いて、分析及びベース・コール[base−call]した。
〔結果〕
前記プロトコル及び実施例1のプロトコルに従った結果として、以下のコード領域突然変異を発見した。「位置」欄に対する出典は、図1の番号付けシステムを意味する。
サイト1結合領域内のコーディングミューテーションは、機能に強く関連する傾向があることに注意すべきである。Ala13は、技術的に結合領域の範囲外であるが、ヘリックス3及び4と相互作用するヘリックス1の疎水性中心の一部である。このことは埋もれてしまうが、サイト2の近くに位置するので、バリンへの突然変異は、サイト2の結合を妨害することができる。置換バリンは、サイト2結合領域内におけるヘリックス1の不安定化を起こすことができる。
IGF1及びその結合タンパク質であるIGF1−BP3は、通常、GH1によってアップレギュレートされ、GH1の成長効果の多くを促進する。本発明者らは、GCI同齢集団内の対象の、血しょうIGF1及びIGF1−BP3レベルを測定してきた。IGF1の血しょうレベルは、年齢に応じて変化するが、しかしながらどの年齢においても100ng/mLより低い値は、低いとみなされる。多発性(おそらく競合している突然変異)を有する個体は、1人を除いて、GH1遺伝子中にコード変化があるGCI対象のIGF1値が、正常レベルより低い。3mg/Lより低いIGF1−BP3値は、低いとみなされる。対象の殆どは、69の位置に突然変異を有する1人を除いて、IGF−BP3が低い。そのデータを以下の表7に記載する。
〈関連性試験〉
前記のとおり多型を確認したら、診断及び予測目的のための、あるいは別の表現型と特定の多型の存在との相関関係を確立するための試験に基づいて、確認された多型のどの型が個体中に存在するかを決定することが望ましくなる。
特定のヌクレオチド位置の同一性の決定においては、同様に論じられている種々の適切な方法がある。
〈多型の分析〉
A.サンプルの調製
分析される個体からの目的核酸中で多型を検出する。ゲノムDNAのアッセイには、実質的に全ての生物学的サンプル(純粋な赤血球以外)が適している。例えば、便利な組織サンプルとしては、全血、精液、唾液、涙、尿、便、汗、頬、皮膚、及び毛を挙げることができる。cDNA又はmRNAをアッセイするには、組織サンプルは、目的の核酸が発現している器官から得られたものでなければならない。
後出の方法の多くは、目的のサンプルからDNAを増幅することが必要である。これは、PCRによって達成することができる。全体的にPCR技術、すなわち:「Principles and Applications for DNA Amplification(H.A.Erlich編,Freeman Press,N.Y.,N.Y.,1992);「PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications(Innisら編,Academic Press,San Diego,Calif.,1990)」;「Mattilaら,Nucleic Acids Res.19,4967(1991)」;「Eckertら,PCR Methods and Applications1,17(1991)」;「PCR(McPhersonら編,IRL Press,Oxford)」;及びUSP4,683,202(これらは、それぞれ、全ての目的で参照することにより包含される)。
適切な別の増幅方法としては、リガーゼ連鎖反応(ligase chain reaction:LCR)〔参照:「Wu and Wallace,Genomics4,560(1989)」,「Landegrenら,Science241,1077(1988)」,「Kwohら,transcription amplification,Proc.Natl.Acad.Sci.USA86,1173(1989)」,及び「Guatelliら,self−sustained sequence replication,Proc.Nat.Acad.Sci.USA,87,1874(1990)」〕、及び核酸ベース配列増幅(nucleic acid based sequence amplification:NASBA)を挙げることができる。後者の増幅方法2つは、増幅生成物として一本鎖RNA(ssRNA)及び二本鎖DNA(dsDNA)を、それぞれ約30又は100対1の割合で生成する等温転写に基づく等温反応を含む。
B.目的DNAにおける多型の検出
1.アレル特異的プローブ
多型を分析するためのアレル特異的プローブの設計及び使用については、例えば、「Saikiら,Nature324,163−166(1986)」;「Dattagupta,EP235,726」、「Saiki,WO89/11548」に記載されている。アレル特異的プローブは、或る個体由来の目的DNAのセグメントにハイブリダイズするが、別の個体からの相当するセグメントにはハイブリダイズしないように設計することができ、それは、前記2者からのそれぞれのセグメント中には、異なる多型の型が存在するからである。アレルと好ましくは実質的バイナリー応答[essentially binary response]との間のハイブリダイゼーション強度に有意な差があり、それにより単一のアレルのみにプローブがハイブリダイズするくらいに、ハイブリダイゼーション条件は、充分にストリンジェントであることが好ましい。或る種のプローブは、目的DNAのセグメントにハイブリダイズして、多型部位とプローブの中心位置(例えば、15mer中では7位において;16mer中では8位又は9位において)とをアラインメントするように設計されている。プローブのこの設計は、異なるアレル型の間のハイブリダイゼーションにおける良好な区別を達成することができる。
これらのプローブは、好ましくは8〜50ヌクレオチドを含み、且つ本発明の多型マーカーを含む配列とハイブリダイズするのに充分なくらい相補的で、そして好ましくは唯一つのヌクレオチドバリエーションについて目的の配列を区別することができるくらい充分に特異的であるという特徴を有する。本発明のプローブ内のGCの含有量は、通常、10〜75%、好ましくは35〜60%、及びより好ましくは40〜55%の範囲である。これらのプローブの長さは、10、15、20、又は30から少なくとも100ヌクレオチド、好ましくは10〜50、より好ましくは18〜35ヌクレオチドの範囲である。特に好ましいプローブは、長さが25ヌクレオチドである。好ましくは、前記多型マーカーは、ポリヌクレオチドプローブの中心の4ヌクレオチド内である。特に好ましいプローブにおいて、その多型マーカーは、そのポリヌクレオチドの中心にある。より短いプローブは、目的の核酸配列に対する特異性に欠け、且つ一般的に、より低い温度が、テンプレートとの充分に安定なハイブリッド複合体を形成するのに必要とされるであろう。より長いプローブは、製造に費用がかかり、更に、しばしば、自己ハイブリダイズして、ヘアピン構造を形成することがある。オリゴヌクレオチドプローブの合成方法は、前記されており、そして本発明のプローブに適用することができる。
本発明のプローブは、好ましくは、標識付けされているか又は固形支持体に固定されている。ラベル及び固形支持体は、当業者に周知である。検出プローブは、一般的に、核酸配列又は非荷電の[uncharged]核酸アナログ、例えば、国際公開公報WO92/20702中に開示されているペプチド核酸、USP5,185,444;5,034,506、及び5,142,047に記載のモルホリノアナログである。前記プローブは、そのプローブに更なるdNTPが加わることができないように、「伸長不可[non−extendable]」でなければならないであろう。それらのアナログは、通常、伸長不可であり、そして核酸プローブは、ヒドロキシル基が伸長に関与することができなくなるように、そのプローブの3’末端を変形することによって伸長不可にすることができる。例えば、キャプチャー若しくは検出ラベルによって、プローブの3’末端を官能化し、それによって、ヒドロキシ基を消費又はブロックすることができる。あるいは、3’ヒドロキシル基を、単純に、開裂、置換、又は修飾することができる。
本発明のプローブは、多くの目的に有用である。ゲノムDNAに対するサザンハイブリダイゼーション又はmRNAに対するノーザンハイブリダイゼーションにおいて、それらを使用することができる。また、本発明のプローブは、PCR増幅生成物の検出にも用いることができる。アレル特異的プローブに対するハイブリダイゼーションをアッセイすることによって、当該サンプルにおいて、バイアレリックマーカーアレルの存在又は不在を検出することができる。
「ハイブリダイゼーションアッセイ」としては、特に、後出の、アレイ形式でのハイスループットパラレルハイブリダイゼーションを挙げることができる。
アレル特異的プローブは、しばしば、目的配列の基準型に完全マッチするメンバーと、バリアント型に完全マッチするメンバーとの組合せで使用される。従って、同じ目的配列内の複数の多型の同時分析のために、数組のプローブを同じ支持体上に固定化することができる。
2.アレル特異的プライマー
アレル特異的プライマーは、多型が重複している目的DNA上のサイトにハイブリダイズし、そしてそのプライマーが完全な相補性を示すアレル型の増幅のみをプライムする。「Gibbs,Nucleic Acid Res.17,2427−2448(1989)」を参照されたい。このプライマーは、離れたサイトにハイブリダイズするセカンドプライマーと組み合わせて用いられる。特定のアレル型が存在することを知らせる検出可能な生成物をもたらすプライマー2つから、増幅が生じる。通常、第2の組合せのプライマー(その一方は、多型部位において一塩基のミスマッチを示し、そしてもう一方は、離れたサイトに対して完全な相補性を示す)を用いて、コントロールを実施する。前記一塩基のミスマッチは、増幅を妨げ、そして検出可能な生成物が形成されない。前記方法は、前記多型と一緒にアラインメントされたオリゴヌクレオチドの最も3’側の位置に、前記ミスマッチが含まれる場合に、最も作用する。なぜならば、この位置は、前記プライマーからの伸長を最も不安定化させるからである。例えば、WO93/22456を参照されたい。当然のことながら、本発明は、離れたミスマッチを有するプライマー、並びに選択される条件のために不安定な塩基対を形成し、従って、不効率にプライムするプライマーをも考慮する。
3.ダイレクト−シークエンシング
本発明の多型の配列の直接分析は、ジデオキシチェーンターミネーション法又はマクサム−ギルバート法〔参照:「Sambrookら,Molecular Cloning,A Laboratory Manual(第2版,CSHP,ニューヨーク州1989)」;「Zyskindら,Recombinant DNA Laboratory Manual,(Acad.Press,1988)」〕のいずれかによって達成することができる。DNA配列決定の分野が、過去数年間の間に著しく進歩してきたこと、及び本発明が、このような進歩を考慮していることを、認められたい。最も著しいことは、過去10年の間に、自動DNA配列分析における信頼性が増してきたことである。
4.変性勾配ゲル電気泳動
前記ポリメラーゼ連鎖反応を用いて生成された増幅生成物を、変性勾配ゲル電気泳動を用いて分析することができる。配列−依存性融点特性及び溶液中のDNAの電気泳動による移動の違いに基づいて、異なるアレルを同定することができる〔「Erlichら,PCR Technology,Principles and Applications for DNA Amplification,W.H.Freeman and Co,ニューヨーク州,1992,第7章」〕。
5.一本鎖高次構造多型分析
一本鎖高次構造多型分析〔この同定は、「Oritaら,Proc.Nat.Acad.Sci.86,2766−2770(1989)」に記載されているとおり、一本鎖PCR生成物の電気泳動による移動における違いによる差違に基づく〕を用いて、目的配列のアレルを区別することができる。増幅したPCR生成物は、前記のとおりに生成することができ、そして加熱するか又は変性させて、一本差増幅生成物を形成することができる。一本鎖核酸は、リフォールディングするか又は二次構造(これは、塩基配列に部分的に依存する)を形成することができる。一本鎖増幅生成物の電気泳動による移動の違いは、目的配列のアレル間の塩基配列の違いに関連づけることができる。
前記の方法の別の変形としては、フィルター上のアレル特異的ハイブリダイゼーション、アレル特異的PCR、PCR+制限酵素切断(RFLP−PCR)、変性キャピラリー電気泳動、プライマー伸長、及び飛行時間型質量分析法、並びに5’ヌクレアーゼ(Taq−Man[商標])アッセイを挙げることができる。
前記Taq−Manアッセイは、TaqDNAポリメラーゼの5’ヌクレアーゼ活性を利用して、蓄積している増幅生成物に特異的にアニーリングしたDNAプローブを切断する。Taq−Manプローブを、蛍光エネルギー転移[fluorescence energy transfer]を介して相互作用するドナー−アクセプター色素ペアで標識する。増幅の間の前記ポリメラーゼの利用によるTaq−Manプローブの切断は、クエンチングアクセプター色素からドナー色素を分離させ、ドナー蛍光を大きく増大させる。アレルバリアント2つを検出するのに必要な全ての試薬は、反応の最初に集めることができ、そして結果は、実時間で観察することができる(参照:「Livakら,Nature Genetics,9:341−342,1995」)。等質のハイブリダイゼーション−ベースの別の方法においては、アレルの区別に分子ビーコンを使用する。分子ビーコンは、等質の溶液中の特異的核酸の存在を報告するヘアピン形のオリゴヌクレオチドプローブである。それらは、それらの標的に結合すると、コンホメーション再構築し、内部的にクエンチング(消光)された蛍光体の蛍光を回復する(Tyagiら,Nature Biotechnology,16:49−531,1998)。
SNP遺伝子型判定に対する好ましい方法は、分析された各SNPに対して多大な最適化を必要としない大量の自動化された分析を実施することができることが好ましい。後者の例としては、マイクロタイタープレート(Hybaid)及び「単一緊縮性[single−stringency]」DNAチップ・ハイブリダイゼーション(Affymetrix)の様式に合わせることができるDASH(Dynamic Allele−Specific hybridization)を挙げることができる。当然のことながら、前記例示が全てを含んだものではないことを認められたい。
アレイ型式でのハイスループットパラレルハイブリダイゼーションが、本発明に特に含まれ、これを、以下に説明する。
オリゴヌクレオチドアレイに基づくハイブリダイゼーションアッセイは、完全マッチした及びミスマッチの目的配列バリアントに対する短いオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション安定性における違いに基づく。多型情報への能率的な到達は、選択された位置で固形支持体(すなわち、チップ)に結合したオリゴヌクレオチドプローブの高密度アレイを含む基本構造を介して得ることができる。各DNAチップは、格子状パターンに配置された個体合成DNAプローブを、数千〜数百万含むことができ、そして10セント硬貨(dime)の大きさまで小型化することができる。
このチップ技術は、既に多くのケースに適用されて、成功している。例えば、BRCA I遺伝子、エス.セレビジア[S.cerevisiae]突然変異菌株、及びHIV−Iウイルスのプロテアーゼ遺伝子において、突然変異のスクリーニングが実施されている(「Haciaら,Nature Genetics,14(4):441−447,1996」;「Shoemakerら,Nature Genetics,14(4):450−456,1996」「Kozalら,Nature Medicine,2:753−759,1996」)。バイアレリック多型の検出に用いる種々のフォーマットのチップを、Affymetrix(GeneChip[商標])、Hyseq(HyChip and HyGnostics)、及びプロトジーンラボラトリーズ[Protogene Laboratories]によって、カスタマイズされた塩基上で製造することができる。
一般的に、これらの方法は、或る個体から得られた目的核酸配列セグメント(この目的配列は、多型マーカーを含む)に相補的なオリゴヌクレオチドプローブのアレイを使用する。EP785280には、一塩基多型を検出するためのタイリングストラテジーが記載されている。要約すると、アレイを、一般的に、多数の特異的多型に対して「タイリング」することができる。「タイリング」は、一般的に、興味のある目的配列、並びにその配列の予め選択したバリエーション(例えば、モノマー、すなわちヌクレオチドの塩基セットのメンバー1以上による規定の位置の置換)に相補的な配列を構成するオリゴヌクレオチドプローブの規定のセットの合成を意味する。更に、タイリングストラテジーは、国際公開公報WO95/11995にも記載されている。特定の観点においては、アレイを、同定された多数の特定のバイアレリックマーカー配列に対してタイリングする。特に、前記アレイを、特異的バイアレリックマーカー又はバイアレリックマーカーのセットに対して特異的な検出ブロックを数多く含むようにタイリングする。例えば、検出ブロックを、特異的多型を含む配列セグメントを補う多くのプローブを含むようにタイリングすることができる。両方のアレルに相補的なプローブを保証するために、そのバイアレリックマーカーにおいて異なるペアとして、プローブを合成する。多型塩基において異なるプローブ以外に、一般的に、一置換されたプローブも、検出ブロック中にタイリングする。これらの一置換されたプローブは、多型から両方の方向の数個の塩基において、及び前記塩基までに、(A、T、G、C、及びUから選択される)その残りのヌクレオチドで置換されている塩基を有する。典型的には、タイリングされた検出ブロック中のプローブは、バイアレリックマーカーから5塩基離れた位置までで前記位置を含む配列の位置の置換を含むであろう。一置換された前記プローブは、実際のハイブリダイゼーションと人為的クロスハイブリダイゼーションとを区別するための、タイリングされたアレイに対する内部対照を提供する。目的配列とのハイブリダイゼーション及びアレイの洗浄が完了したら、アレイをスキャンして、目的の配列がハイブリダイズするアレイ上の位置を決定する。次いで、スキャンしたアレイからのハイブリダイゼーションデータを分析して、バイアレリックマーカーのどのアレル(単数又は複数)がサンプル中に存在するかを確認する。ハイブリダイゼーション及びスキャニングは、国際公開公報WO92/10092及びWO95/11995、並びにUSP5,424,186に記載のとおりに実施することができる。
こうして、或る態様においては、前記チップは、長さ約15ヌクレオチドの断片の核酸配列のアレイを含むことができる。別の態様においては、前記チップは、配列番号1に記載の6〜800の連続するヌクレオチドを含む単離されたポリヌクレオチド、及びそれに相補的な配列、又は多型部位少なくとも1つを含み、連続するヌクレオチド少なくとも8つ、好ましくは連続するヌクレオチド10、15、20、より好ましくは25、30、40、47、又は50個を含むその断片からなる群から選択される配列少なくとも1つを含むことができる。或る態様においては、前記チップは、本発明のポリヌクレオチド少なくとも2、3、4、5、6、7、8、又はそれ以上のアレイを含むことができる。固形支持体に結合した本発明の固形支持体及びポリヌクレオチドを、更に1に記載する。
蛍光アレル特異的PCR[Fluorescent Allele−Specific PCR:FAS−PCR]は、3’ヌクレオチド1つが異なり、アレルに対して正確にマッチして検出される、アレル特異的プライマーを使用する(Howardら,1999)。こうして、バイアレリックSNPの各アレルに正確にマッチするように設計されたプライマー2つを、共用のリバースプライマー1つと一緒に使用して、それぞれのアレル特異的プライマーを検出する。これを使用して、PCR増幅プライマーの3’ヌクレオチドが正確にマッチしない場合には増幅が成功しないことを観察するのに役立てる。典型的には、各アレル特異的プライマーに、異なる蛍光プライマーをタグ付けして、自動化されたDNA分析システム(例えば、PE Biosystems Model310/373/377、又は3700)を用いるゲル又はキャピラリー電気泳動によって分析する際に、それらの識別をできるようにする。
また、DNA塩基組成の違いによる熱変性の違いを利用する方法を用いても、SNPを迅速且つ効率的に遺伝子型判定することができる。この試験の或る態様では、プライマーの1つに26塩基の5’GC末端を加えること以外は前記のとおりに、バイアレリックSNPを検出するためのアレル特異的プライマーを設計する(Germer and Higuichi,1999)。共通のリバースプライマー1つを用いるPCR増幅の後で、その管に、dsDNAに対して優先的に結合する蛍光色素(例えば、SYBR Green1)を加え、次いでPCR増幅のdsDNA生成物の熱変性プロフィールを決定する。GC末端を有する前記プライマーにより増幅されるSNPに対してホモ接合性のサンプルは、温度目盛りの高い末端において変性するであろうが、一方、GCタグを有さないプライマーによって増幅されたSNに対してホモ接合性のサンプルは、温度目盛りの低い末端において変性するであろう。ヘテロ接合性のサンプルは、前記熱変性プロフィールにおいて2つのピークを示すであろう。
前記方法の変法では、熱変性曲線により動的アレル特異的ハイブリダイゼーション(dynamic allele−specific hybridization:DASH)を検出する(Howellら,1999)。この試験の態様においては、1対のPCRプライマーを用いて、SNPを含むDNAサンプル中のゲノム領域を増幅する。これらのプライマーの1つを、ビオチン化して、続いての前記ビオチン化生成ストランドのストレプアビジンでコートされたマイクロタイタープレートへの結合を可能にする一方で、非ビオチン化ストランドをアルカリによって洗浄して除去する。アレルの1つに対して正確にマッチするオリゴウクレオチドプローブを、低温で、その固定したPCR生成物にハイブリダイズする。これにより、dsDNA挿入色素(例えば、SYBR Green1)と相互作用するdsDNA領域を形成する。次いで、前記熱変性プロフィールにより、融点の違いに基づいてバイアレリックSNP間の一塩基ミスマッチを区別する試験を実施することができる。別のSNP遺伝子型判定方法及びGH−1遺伝子におけるSNPの検出へのそれらの適用は、当業者に発想することができよう。
〈遺伝的診断方法における本発明の多型〉
本発明の多型は、GH−1機能不全を発病する危険性が高い人又はGH−1機能不全に罹病している人を同定することができる診断試験を開発するために使用することもできる。本発明の診断方法は、試験対照が、GH−1機能不全の発病の高い危険性に関連する多型マーカーパターンを有するか否か、あるいは、個体が、存在する特定の突然変異に一致するGH−1機能不全に罹病しているか否かを決定するための種々の方法、例えば、ハプロタイプ決定するための個体の染色体の分析、例えば、家系研究、一精子DNA分析、又は体細胞雑種を実施することができる方法、並びにタンパク質レベルで多型を検出するように設計された抗体に基づく方法を用いることができる。
〈個体のハプロタイプの決定〉
個体における同じ染色体セグメント上の特定の多型部位を占めるヌクレオチド(ハプロタイプ)のアイデンティティーを決定することが、しばしば特に有利である。従って、本発明は、患者からGH−1多型部位を含む核酸を含む材料を得て;配列番号1又は4内の位置における任意の多型部位に隣接するヌクレオチド配列に相補的なオリゴヌクレオチドプライマーのペアを用いて、前記核酸を酵素学的に増幅して、任意の前記多型部位又は別のGH−1多型部位を含む増幅生成物を生成し、そしてGH−1ハプロタイプを決定することによって、患者におけるGH−1ハプロタイプの存在又は不在を決定することによる、GH−1機能不全、又は個体から子孫へのGH−1機能不全の遺伝の傾向の診断方法、あるいはGH−1機能不全に対する疾病素質の決定方法を更に提供する。
ハプロタイプを決定するために、当業者は、配列分析に先駆けて、増幅した生成物を直接的に配列決定することができるか、又はベクター内にサブクローニングするかを理解する。市販のシークエンシングキット、例えば、アマシャム・ライフサイエンス社[Amersham Life Science](Arlington Heights,イリノイ州)から販売されているSequenaseTMキットを用いて、本発明の方法で、増幅生成物を配列決定することができる。また、自動化された配列分析も有用であり、自動化シークエンシング装置、例えば、アプライドバイオシステムズ社[Applied Biosystems]〔Foster City,カリフォルニア州;また、「Frazierら,Electrophoresis17:1550−1552(1996)」(これは、参照することにより本明細書に含まれる)〕から、例えば、Prism377DNAシークエンサー又は373DNAシークエンサーが、市販されている。こうして、直接配列分析から、個体のハプロタイプ組成の配列を生じるディプロイドゲノム中の両方のコピーを推定することができる。
別の可能性としては、単独染色体を独立して、例えば、非対称PCR増幅[asymmetric PCR amplification](参照:「Newtonら,ucleic Acid Res.,17:2503−2516,1989」;「Wuら,Proc.Natl Acad Sci.USA,86:2757,1989」)によるか、又は限界希釈による単独染色体の単離、及びそれに続くPCR増幅(参照:「Ruanoら,Proc.Natl Acad.Sci.USA,87:6296−6300,1990」)によって研究することができる。更に、特定のアレルのダブルPCR増幅によって、サンプルを、充分に近い多型マーカーに対してハプロタイプを決定することができる(Sarkar,G.及びSommer S.S.,Biotechniques,1991)。
本発明は、或る個体が、GH−1機能不全を発病する危険性があるか、又は本発明の多型又は突然変異に一致するGH−1機能不全に罹病しているかを決定するための診断方法を提供する。また、本発明は、或る個体が、GH−1機能不全障害への作用剤に対してポジティブに応答するか否か、あるいは、或る個体が、GH−1機能不全への作用剤に対して、有害な副作用を発生する危険性があるか否かを決定する方法も、提供する。
これらの方法は、個体から核酸サンプルを得て、そしてその核酸サンプルが、アレル少なくとも1つ若しくは多型ハプロタイプ少なくとも1つ、その形質[trait]の発症の危険性の指標、又は形質−発生アレルを有する結果としてのその個体が形質を発現する指標を、含むか否かを決定することを含む。
前記診断方法においては、好ましくは、核酸サンプルを、個体から得て、そしてこのサンプルを、前記の方法を用いて遺伝子型判定する。前記診断は、1つの多型に基づくこともできるし、又は1群の多型に基づくこともできる。これらのそれぞれの方法において、核酸サンプルを、試験対象から得て、そして多型マーカー1つ以上の多型パターンを表1に記載した。
従って、以下の状態、すなわち:
(a)S1におけるヌクレオチドのアイデンティティーが、コード鎖上のC又は非コード鎖上のGである
(b)S2におけるヌクレオチドのアイデンティティーが、コード鎖上のT又は非コード鎖上のAである
(c)S3におけるヌクレオチドのアイデンティティーが、コード鎖上のT又は非コード鎖上のAである
(d)S4におけるヌクレオチドのアイデンティティーが、コード鎖上のA又は非コード鎖上のTである
(e)S5におけるヌクレオチドのアイデンティティーが、コード鎖上のA又は非コード鎖上のTである
(f)S6におけるヌクレオチドのアイデンティティーが、コード鎖上のT又は非コード鎖上のAである
(g)S7におけるヌクレオチドのアイデンティティーが、コード鎖上のC又は非コード鎖上のGである
(h)S8におけるヌクレオチドのアイデンティティーが、コード鎖上のG又は非コード鎖上のCである
(i)S9におけるヌクレオチドのアイデンティティーが、コード鎖上のC又は非コード鎖上のGである
の1つ以上が存在する場合には、その個体が、GH−1機能不全に罹病している及び/又はGH−1機能不全への作用剤で治療する必要があるかもしれないという結論がくだされるであろう。
或る態様では、核酸サンプル上でPCR増幅を実施して、検出可能な表現型に関連する多型が同定されている領域を増幅する。その増幅生成物を、配列決定して、検出可能な表現型に関連する多型少なくとも1つをその個体が有するか否かを決定する。増幅生成物を生成するのに使用されるプライマーとしては、実施例1及び2に記載されているプライマーを挙げることができる。あるいは、前記核酸サンプルを、前記のとおりにマイクロシークエンシング反応させて、その個体が、突然変異の結果の検出可能な表現型に関連する多型1つ以上又は候補遺伝子中の多型を有するか否かを決定する。前記マイクロシークエンシング反応において使用するプライマーとしては、実施例1及び2に記載されているプライマーを挙げることができる。別の態様においては、前記核酸サンプルを、検出可能な表現型に関連する候補遺伝子アレル1つ以上に特異的にハイブリダイズするアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブ1つ以上と、接触させる。
好ましい態様では、配列番号1の位置68、116、177、212、213、224、279、375、若しくは596、又は配列番号4の位置1665、1973、2034、2069、2070、2081、2345、2533、若しくは3007における多型部位(前記位置におけるヌクレオチド)からなる群から選択されるバイアレリックマーカー少なくとも1つにおいて存在するヌクレオチドのアイデンティティーが決定され、そして検出可能な前記形質が、GH−1機能不全である。
これらの診断方法は、患者及び臨床医の双方にとって非常に便利である。本発明の検出方法において患者から得る試験サンプル好ましくは、標準的な方法(例えば、頬のスミア、血液サンプル、又は毛から)によって患者リンパ球から抽出したゲノムDNAを含む。その後、前記GH−1遺伝子内の特定の位置におけるヌクレオチドを同定するのに適した任意の方法によって、GH−1遺伝子分析を実施する。更に、本発明のポリヌクレオチドを含む診断キットを、後で記載する。
〈本発明の抗体〉
本発明者が見出したところによれば、アミノ酸を変化させるコード領域中のSNPの全ては、抗体−ベース診断に受け入れることが可能であろう。
バリアント遺伝子生成物に対して特異的に結合するが、相当する基準遺伝子生成物[reference gene product]に対しては結合しないポリクローナル抗体及び/又はモノクローナル抗体を、想定する。マウス又はその他の動物に、バリアント遺伝子生成物又はその合成ペプチド断片を注射することにより、抗体を製造することができる。例えば、「Harlow & Lane,Antibodies,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Press,ニューヨーク州(1988)」;「Goding,Monoclonal antibodies,Principles and Practice(第2版)Academic Press,ニューヨーク州(1986)」に記載のとおりに、モノクローナル抗体をスクリーニングする。バリアント遺伝子生成物との特異的免疫活性及び相当する原型遺伝子生成物に対する免疫活性の欠如について、モノクローナル抗体を試験する。これらの抗体は、バリアント型を検出するための診断アッセイにおいて、又は医薬組成物中の活性成分として、有用である。前記抗体を使用する診断は、当業者に周知であり、以下に限定されるものでないが、例えば、ウエスタンブロット分析、ELISA分析、及びラジオイムノアッセイを挙げることができる。
バリアント遺伝子生成物に対して特異的に結合するが、相当する基準遺伝子生成物に対しては結合しないポリクローナル抗体及び/又はモノクローナル抗体を入手しさえすれば、宿主の診断は、当業者の能力の範囲内である。また、前記抗体は、治療様式としても有用性がある。
核酸レベルにおいてGH−1機能不全を診断するための予測方法における同じ完全なセットが、おそらく特異的抗体であろうことが推測される。
〈診断キット〉
更に、本発明は、前記アレル特異的オリゴヌクレオチド又は前記抗体の少なくとも1つを含むキットを提供する。前記キットは、しばしば、異なる形態の多型に対してハイブリダイズするアレル特異的オリゴヌクレオチドのペア1組以上を含む。或るキットにおいては、前記アレル特異的オリゴヌクレオチドが、基材に固定されて提供される。例えば、同一の基材が、前記多型の両方を検出するためのアレル特異的オリゴヌクレオチドプローブ(複数)を、含むことができる。前記キットの場合により添加する構成品としては、例えば、制限酵素、逆転写酵素、又はポリメラーゼ、その基質のヌクレオシド三リン酸、ラベル付けに使用する手段(例えば、アビジン酵素複合体、及びラベルがビオチンの場合には、酵素基質及び色原体)、及び逆転写、PCR、又はハイブリダイゼーション反応用の適切な緩衝液を挙げることができる。また、通常、前記キットは、前記方法を実施するための指示書も含む。
本発明は、GH−1機能不全に関連するGH−1多型を個体が有するか否かを決定するのに使用する。前記GH−1多型は、全集団における前記多型の頻度と、GH−1機能不全に罹病している人における前記多型の頻度とを比較する集団研究における遺伝的危険因子となることが示される。例えば、全集団中においては3%の頻度であるがGH−1機能不全に罹病している個人においては30%の頻度で前記多型が発生する場合には、前記多型に関する試験は、個体がGH−1機能不全関連障害を有するか又は発症する可能性が高いことを明らかにするであろう。この情報は、未来の時点においてGH−1機能不全を発症する高い危険性を有する個体を予後的に同定するか、臨床試験においてGH−1機能不全が存在し、従って、GH−1機能不全関連障害により罹病しやすいと診断される個体を診断的に同定することに使用することができる。
予後判定又は診断の目的のための前記GH−1多型の分析は、SNPを正確に検出することができる任意の方法、例えば、以下に限定されるものでないが、フィルター上のアレル特異的ハイブリダイゼーション、アレル特異的PCR、PCR+制限酵素切断(RFLP−PCR)、変性キャピラリー電気泳動、プライマー伸長、及び飛行時間型質量分析法、並びに5’ヌクレアーゼ(Taq−Man)アッセイによって実施することができる。
SNP遺伝子型判定に対する好ましい方法は、分析された各SNPに対して多大な最適化を必要としない大量の自動化された分析を実施することができることが好ましい。後者の例としては、マイクロタイタープレート(Hybaid)及び「単一緊縮性(single−stringency)」DNAチップ・ハイブリダイゼーション(Affymetrix)の様式に合わせることができるDASH(Dynamic Allele−Specific hybridization)を挙げることができる。
〈本発明のポリペプチド及びコードする核酸〉
本発明は、GH−1遺伝子、又は転写物、又は表1に示す希少なアレルをコードする多型部位を有するGH−1多型部位少なくとも1つを含むその一部によってコードされるGH−1ポリペプチドである、GH−1突然変異ポリペプチド(及びコードする核酸)を含む。従って、用語GH−1突然変異ポリペプチドは、位置13、25、29、47、79又は153の1つ以上が、前記の希少なアレルによってコードされるアミノ酸によって占められている(すなわち、位置13=Val、位置25=Ile又はTyr、位置47=Thr、位置79=Cys、及び/又は位置153=His、あるいはこれらの位置における保存的な置換を有する)配列番号3を含むポリペプチドの種類を包含する。前記ナンバリングシステムが、GH−1タンパク質の最も多いアイソフォームに関するナンバリングを参照していることが理解されよう。また、本発明は、付属のリーダー配列又はシグナル配列を有する無処理のGH−1突然変異ポリペプチドを含み、特に、前記シグナル配列又はリーダー配列中に多型性の置換を同様に有する無処理のGH−1突然変異ポリペプチドを包含する。
前記突然変異タンパク質は、GH−1ホルモン作用のアンタゴニストとしての有用性がある。サイト2結合に影響する突然変異を有する突然変異タンパク質が、特に好ましい。GH−1突然変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、遺伝子治療の有用な剤であることが特に予想される、そして前記突然変異タンパク質をコードする前記ポリヌクレオチドは、本発明の一部である。また、配列番号1及び配列番号4により例示されるGH−1突然変異タンパク質並びにそのGH−1遺伝子座の別の任意のスプライス生成物をコードするポリヌクレオチドを、本発明が含むことも理解されよう。
当業者に周知なことであるが、遺伝コードの縮重のため、前記突然変異GH−1突然変異ポリペプチドによってコードされるポリペプチドと同じポリペプチドをコードすることができる多くの別のDNA及びRNA分子が存在する。従って、本発明は、これらの、発現して前記ポリペプチドをコードする別のDNA及びRNA分子も想定する。
〔本発明の多型マーカーを用いる遺伝的分析の方法〕
多型のアイデンティティーを確立したら、成長ホルモン機能不全以外の表現型の存在又は不在と、多型の特定の型との関係づけを試みることが望ましい。
本発明者らは、本発明の或る多型とGH−1機能不全表現型との関連を確立してきたが、本発明が、本発明の多型部位を別の疾病状態(GH−1機能不全又は別の疾病用の薬剤治療に対する感受性)の分析のためのマーカーとして使用することを想定するか、又は任意の完全な又は部分的なヒトゲノムの遺伝地図に含まれることができることは、明白である。
本発明の多型マーカーは、遺伝型と表現型との間の統計学的に有意な相関を示すための当業者に周知の任意の方法における用途を提供する。複合形質[complex trait]の遺伝的分析には、種々の方法を用いることができる(参照:「Lander及びSchork,Science,265,2037−2048,1994」)。多型が表現型形質[phenotypic trait]と関連するかを決定するには、3つの主要な方法:すなわち、家族研究を利用して、遺伝子座と推定上の形質遺伝子座との同時分離について証拠を探す連鎖アプローチ[linkage approach](パラメトリック又はノンパラメトリック)、並びにアレルと形質又はアレルを起こす形質との間の統計学的に有意な関連について証拠を探す関連アプローチ[association approach]、並びに連鎖及び関連の両方について試験するTDTアプローチが使用される。
本発明の多型マーカーは、パラメトリック連鎖解析にもノンパラメトリック連鎖解析にも使用することができる。好ましくは、本発明の多型マーカーを用い、関連性実験、例えば、ケースコントロール法(罹病している家族を使用する必要がなく、そして複合の形質及び散在の形質に関連する遺伝子の同定が可能な手法)を使用して、GH−1機能不全又は別の障害に関連する遺伝子を同定する。
本発明の多型マーカーを用いる遺伝的分析は、任意の規模で実施することができる。本発明の多型マーカーの完全なセット又は本発明の多型マーカーの任意のサブセットを使用することができる。更に、本発明の多型マーカーを含む遺伝的マーカーの任意のセットも、使用することができる。本発明の多型マーカーと組み合わせて遺伝的マーカーとして使用することができるバイアレリック多型のセットが、WO98/20165に記載されている。前記のように、本発明の多型マーカーが、ヒトゲノムの任意の完全な又は部分的な遺伝地図中に含まれていることができることに注意されたい。これらの種々の用途は、本発明において特に想定されている。
前記説明及び実施例に特に記載されている以外の方法で本発明を実施することができることが明白になろう。
前記の教えに照らして、多くの本発明の変形及び変更が可能であり、従って、これらも、本発明の範囲内である。本明細書で引用した全ての文献の全開示は、参照することにより本明細書に含まれる。
図1は、Genbankデータベース登録J03071由来のヒト成長ホルモン1に対するゲノム配列を示す。
【配列表】

Claims (48)

  1. 10〜800の連続したヌクレオチドを含む、単離されたGH−1診断ポリヌクレオチド又はその相補体。
  2. ゲノムDNAから誘導された、請求項1に記載の単離されたGH−1診断ポリヌクレオチド。
  3. 配列番号4に記載の配列から誘導された、請求項2に記載の単離されたGH−1診断ポリヌクレオチド。
  4. メッセンジャーRNAから誘導された、請求項1に記載の単離されたGH−1診断ポリヌクレオチド。
  5. 多型部位がS1であり、そして前記多型部位におけるヌクレオチドが、A又はCのヌクレオチド群から選択される、請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  6. 多型部位がS2であり、そして前記多型部位におけるヌクレオチドが、C又はTのヌクレオチド群から選択される、請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  7. 多型部位がS3であり、そして前記多型部位におけるヌクレオチドが、C又はTのヌクレオチド群から選択される、請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  8. 多型部位がS4であり、そして前記多型部位におけるヌクレオチドが、T又はAのヌクレオチド群から選択される、請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  9. 多型部位がS5であり、そして前記多型部位におけるヌクレオチドが、T又はAのヌクレオチド群から選択される、請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  10. 多型部位がS6であり、そして前記多型部位におけるヌクレオチドが、C又はTのヌクレオチド群から選択される、請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  11. 多型部位がS7であり、そして前記多型部位におけるヌクレオチドが、A又はCのヌクレオチド群から選択される、請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  12. 多型部位がS8であり、そして前記多型部位におけるヌクレオチドが、C又はGのヌクレオチド群から選択される、請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  13. 多型部位がS9であり、そして前記多型部位におけるヌクレオチドが、C又はGのヌクレオチドの群から選択される、請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  14. ヌクレオチド数が400未満である、請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  15. ヌクレオチド数が50未満である、請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  16. ヌクレオチド数が30未満である、請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  17. ヌクレオチド数が25未満である、請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  18. ポリヌクレオチドの中心の4ヌクレオチド内に多型が含まれる、請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  19. ポリヌクレオチドの中心に多型が位置する、請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  20. ポリヌクレオチドの末端に多型が位置する、請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  21. ポリヌクレオチドがプローブである、請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  22. ポリヌクレオチドがプライマーである、請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  23. 多型部位を含む配列番号4のセグメントの増幅において使用するための、ポリヌクレオチド。
  24. バリアントGH−1遺伝子にハイブリダイズするが、野生型GH−1遺伝子にはハイブリダイズしない一本鎖DNAプローブであって、前記バリアントGH−1遺伝子が、
    1665の位置に「C」を有する配列番号4、
    1973の位置に「T」を有する配列番号4、
    2034の位置に「T」を有する配列番号4、
    2069の位置に「A」を有する配列番号4、
    2070の位置に「A」を有する配列番号4、
    2081の位置に「T」を有する配列番号4、
    2345の位置に「C」を有する配列番号4、
    2533の位置に「G」を有する配列番号4、
    3007の位置に「G」を有する配列番号4、
    からなる群から選択される、前記一本鎖DNAプローブ。
  25. 固体支持体に取付けた核酸分子のアレイであって、請求項24に記載の一本鎖DNAプローブを含む、前記アレイ。
  26. 診断若しくは予後判定の目的のために、個体から得られるGH−1をコードする核酸分子又はその断片を分類する方法であって、コード鎖上又は非コード鎖上のどちらかにおけるS1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8、及びS9からなる群から選択されるGH−1多型部位少なくとも1つを占めるヌクレオチドに対応する前記核酸中のヌクレオチドのアイデンティティーを決定することを含む、前記分類方法。
  27. 前記決定が、少なくとも2つのGH−1多型部位のヌクレオチドのアイデンティティーを決定することを含む、請求項26に記載の方法。
  28. 患者の処置に用いられる、GH−1機能不全への作用剤による治療を評価する方法であって、
    (a)コード鎖上又は非コード鎖上の何れかにおいて、少なくとも1つのGH−1多型部位を占めるヌクレオチドに対応する前記患者から得られる核酸中のヌクレオチドのアイデンティティーを決定し;
    (b)前記患者に、前記剤による治療を実施すべきかを評価する
    ことを含む、前記評価方法。
  29. 以下のいずれかの状態:
    (a)S1におけるヌクレオチドのアイデンティティーが、コード鎖上のC又は非コード鎖上のGである
    (b)S2におけるヌクレオチドのアイデンティティーが、コード鎖上のT又は非コード鎖上のAである
    (c)S3におけるヌクレオチドのアイデンティティーが、コード鎖上のT又は非コード鎖上のAである
    (d)S4におけるヌクレオチドのアイデンティティーが、コード鎖上のA又は非コード鎖上のTである
    (e)S5におけるヌクレオチドのアイデンティティーが、コード鎖上のA又は非コード鎖上のTである
    (f)S6におけるヌクレオチドのアイデンティティーが、コード鎖上のT又は非コード鎖上のAである
    (g)S7におけるヌクレオチドのアイデンティティーが、コード鎖上のC又は非コード鎖上のGである
    (h)S8におけるヌクレオチドのアイデンティティーが、コード鎖上のG又は非コード鎖上のCである
    (i)S9におけるヌクレオチドのアイデンティティーが、コード鎖上のC又は非コード鎖上のGである
    が存在する場合に、患者に前記剤による治療を実施すべきと決定することを、前記評価が含む、請求項28に記載の方法。
  30. 前記剤が、ヒト成長ホルモンである、請求項28に記載の方法。
  31. GH−1多型部位にGH−1機能不全を示すヌクレオチドを有することが予め確定された患者に、ヒト成長ホルモンを投与することを含む、ヒト成長ホルモンの投与方法であって、前記の予めの確定が、以下の状態:
    (a)S1におけるヌクレオチドのアイデンティティーが、コード鎖上のC又は非コード鎖上のGである
    (b)S2におけるヌクレオチドのアイデンティティーが、コード鎖上のT又は非コード鎖上のAである
    (c)S3におけるヌクレオチドのアイデンティティーが、コード鎖上のT又は非コード鎖上のAである
    (d)S4におけるヌクレオチドのアイデンティティーが、コード鎖上のA又は非コード鎖上のTである
    (e)S5におけるヌクレオチドのアイデンティティーが、コード鎖上のA又は非コード鎖上のTである
    (f)S6におけるヌクレオチドのアイデンティティーが、コード鎖上のT又は非コード鎖上のAである
    (g)S7におけるヌクレオチドのアイデンティティーが、コード鎖上のC又は非コード鎖上のGである
    (h)S8におけるヌクレオチドのアイデンティティーが、コード鎖上のG又は非コード鎖上のCである
    (i)S9におけるヌクレオチドのアイデンティティーが、コード鎖上のC又は非コード鎖上のGである
    のいずれかの存在を確認する、投与方法。
  32. (a)コード鎖上又は非コード鎖上のどちらかにおけるS1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8、及びS9からなる群から選択されるGH−1多型部位少なくとも1つを占めるヌクレオチドに対応するヌクレオチドのアイデンティティーを決定し;
    (b)前記GH−1多型部位におけるヌクレオチドのアイデンティティーに基づいて選択される治療のディスクリプタを伝達する
    ことを含む、患者に対する治療の選択方法。
  33. S1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8、及びS9からなる群から選択される1つ以上のGH−1多型部位を占めるヌクレオチドに対応する単独染色体上のヌクレオチドを決定することを含む、診断若しくは予後判定の目的のために、個体においてハプロタイプを決定する方法。
  34. S1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8、及びS9からなる群から選択されるGH−1多型部位を占めるヌクレオチド(単独又は複数)のアイデンティティーを決定するのに必要な成分を、自給式キット中に小容量で含む、診断キット。
  35. 10〜800の連続ヌクレオチドを含む単離されたGH−1診断ポリヌクレオチドを含む、請求項34に記載の診断キット。
  36. (a)配列番号2の位置3のアミノ酸を含むエピトープに対する抗体であって、前記アミノ酸位置におけるアラニンからスレオニンを区別することができる前記抗体;又は
    (b)配列番号2の位置19のアミノ酸を含むエピトープに対する抗体であって、前記アミノ酸位置におけるセリンからプロリンを区別することができる前記抗体;
    (c)配列番号3の位置13のアミノ酸を含むエピトープに対する抗体であって、前記アミノ酸位置におけるバリンからアラニンを区別することができる前記抗体;
    (d)配列番号3の位置25のアミノ酸を含むエピトープに対する抗体であって、前記アミノ酸位置におけるイソロイシン又はチロシンからフェニルアラニンを区別することができる前記抗体;
    (e)配列番号3の位置28のアミノ酸を含むエピトープに対する抗体であって、前記アミノ酸位置における末端チロシンを同定することができる前記抗体;
    (f)配列番号3の位置47のアミノ酸を含むエピトープに対する抗体であって、前記アミノ酸位置におけるスレオニンからアスパラギンを区別することができる前記抗体;
    (g)配列番号3の位置79のアミノ酸を含むエピトープに対する抗体であって、前記アミノ酸位置におけるシステインからセリンを区別することができる前記抗体;
    (h)配列番号3の位置153のアミノ酸を含むエピトープに対する抗体であって、前記アミノ酸位置におけるヒスチジンからアスパラギン酸を区別することができる前記抗体
    からなる抗体の群から選択される抗体。
  37. 請求項36に記載の抗体を含む、診断キット。
  38. 以下の突然変異、すなわち:
    (a)GH−1多型部位S3によりコードされているアミノ酸がバリンである;
    (b)GH−1多型部位S4によりコードされているアミノ酸がイソロイシンである;
    (c)GH−1多型部位S5によりコードされているアミノ酸がチロシンである;
    (d)GH−1多型部位S7によりコードされているアミノ酸がスレオニンである;
    (e)GH−1多型部位S8によりコードされているアミノ酸がシステインである;
    (f)GH−1多型部位S9によりコードされているアミノ酸がヒスチジンである;
    を1つ以上含む、単離されたGH−1突然変異ポリペプチド。
  39. 突然変異1つを含む、請求項38に記載の単離された突然変異ポリペプチド。
  40. 請求項38に記載のGH−1突然変異ポリペプチドをコードする、単離されたポリヌクレオチド。
  41. 疾病状態の治療が必要な患者に、前記患者の組織中のGH−1活性を変化させるのに充分な量でGH−1突然変異ポリペプチドを投与する工程を含む、疾病状態の治療方法。
  42. S1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8、及びS9からなる群から選択されるGH−1多型部位少なくとも1つによってコードされるアミノ酸のアイデンティティーを決定することを含む、ポリペプチドがGH−1突然変異ポリペプチドであるか否かの確定のため、診断若しくは予後判定の目的で個体から得られるGH−1ポリペプチドを分類する方法。
  43. 決定が、GH−1多型部位少なくとも2つによってコードされるアミノ酸のアイデンティティーを決定することを含む、請求項42に記載の方法。
  44. 患者の処置に用いる、GH−1機能不全への作用剤による治療を評価する方法であって、
    (a)患者から得られるGH−1ポリペプチドがGH−1突然変異ポリペプチドであるかを決定し;
    (b)患者に、前記剤による治療を実施すべきかを評価する
    ことを含む、評価方法。
  45. 前記評価が、以下のいずれかの状態:
    (a)GH−1多型部位S1によりコードされているアミノ酸のアイデンティティーがアラニンである;
    (b)GH−1多型部位S2によりコードされているアミノ酸のアイデンティティーがセリンである;
    (c)GH−1多型部位S3によりコードされているアミノ酸のアイデンティティーがバリンである;
    (d)GH−1多型部位S4によりコードされているアミノ酸のアイデンティティーがイソロイシンである;
    (e)GH−1多型部位S5によりコードされているアミノ酸のアイデンティティーがチロシンである;
    (f)GH−1多型部位S6に隣接するアミノ酸のアイデンティティーが末端チロシンである;
    (g)GH−1多型部位S7によりコードされているアミノ酸のアイデンティティーがスレオニンである;
    (h)GH−1多型部位S8によりコードされているアミノ酸のアイデンティティーがシステインである;
    (i)GH−1多型部位S9によりコードされているアミノ酸のアイデンティティーがヒスチジンである;
    が存在する場合に、前記剤による治療を患者に実施すべきと決定することを含む、請求項44に記載の方法。
  46. 前記剤が、ヒト成長ホルモンである、請求項44に記載の方法。
  47. 突然変異GH−1ポリペプチドを発現することが予め確定された患者にヒト成長ホルモンを投与することを含む、ヒト成長ホルモンの投与方法であって、前記の予めの確定が、以下の条件:
    (a)GH−1多型部位S1によってコードされるアミノ酸のアイデンティティーが、アラニンである;
    (b)GH−1多型部位S2によってコードされるアミノ酸のアイデンティティーが、セリンである;
    (c)GH−1多型部位S3によってコードされるアミノ酸のアイデンティティーが、バリンである;
    (d)GH−1多型部位S4によってコードされるアミノ酸のアイデンティティーが、イソロイシンである;
    (e)GH−1多型部位S5によってコードされるアミノ酸のアイデンティティーが、チロシンである;
    (f)GH−1多型部位S6に隣接するアミノ酸のアイデンティティーが、末端チロシンである;
    (g)GH−1多型部位S7によってコードされるアミノ酸のアイデンティティーが、スレオニンである;
    (h)GH−1多型部位S8によってコードされるアミノ酸のアイデンティティーが、システインである;
    (i)GH−1多型部位S9によってコードされるアミノ酸のアイデンティティーが、ヒスチジンである
    のいずれかの存在を確認する、投与方法。
  48. (a)患者から得られるGH−1ポリペプチドがGH−1突然変異ポリペプチドであるかを決定し;
    (b)GH−1多型部位によってコードされるアミノ酸のアイデンティティーに基づいて選択された治療のディスクリプタを伝達する
    ことを含む、患者に対する治療の選択方法。
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