JP2005508637A6 - 単離された肝細胞増殖因子ペプチドおよびその変異体、調製方法、ならびに抗血管新生薬としての、治療上の使用 - Google Patents

単離された肝細胞増殖因子ペプチドおよびその変異体、調製方法、ならびに抗血管新生薬としての、治療上の使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2005508637A6
JP2005508637A6 JP2003540360A JP2003540360A JP2005508637A6 JP 2005508637 A6 JP2005508637 A6 JP 2005508637A6 JP 2003540360 A JP2003540360 A JP 2003540360A JP 2003540360 A JP2003540360 A JP 2003540360A JP 2005508637 A6 JP2005508637 A6 JP 2005508637A6
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peptide
hgf
amino acid
variants
sequence
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003540360A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005508637A (ja
Inventor
メルクロヴァ−レノン,タティアナ
Original Assignee
アンスティテュ デ ヴェソー エ ドゥ サン
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from FR0114146A external-priority patent/FR2831540B1/fr
Application filed by アンスティテュ デ ヴェソー エ ドゥ サン filed Critical アンスティテュ デ ヴェソー エ ドゥ サン
Publication of JP2005508637A publication Critical patent/JP2005508637A/ja
Publication of JP2005508637A6 publication Critical patent/JP2005508637A6/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

本発明は、以下からなる一群から選択されるペプチド物質に関する:(i)HGFα鎖に由来し、配列番号2で表されるアミノ酸配列を有する、ペプチドN、および(ii) 前記ペプチドN配列から、1または数個のアミノ酸の削除、置換もしくは付加によって誘導される、そのペプチド変異体。前記ペプチドNは、HGFのHGF-R受容体への競合的な結合とは異なる機構による抗血管新生活性を有する。本発明はまた、前記ペプチド物質の治療上の使用、および調製方法、ならびに(i)それを発現するDNA断片、前記DNAを含有するプラスミド、および前記プラスミドを保有する細菌に関する。

Description

発明の分野
本発明は、新規工業製品としての、肝細胞増殖因子(HGF)の単離されたペプチド(本明細書ではNと称する)、およびその変異体に関する。本発明はまた、これらを調製する方法、ならびに血管新生の阻害剤として介入する抗血管新生薬として、これらを治療に使用することに関する。
本明細書で使われる略号および頭文字はすべて後に定義される。
HGFは現在、多くの細胞標的に関してかなり広範な特異性を有する、多面的な因子であると認識されている。特に、たとえば胚形成、組織再生および腫瘍形成といった複雑な生物学的プロセスに関与する間葉-上皮/内皮相互作用において、HGFはメディエーターとして重要な役割を担っている(K.Matsumotoら、Ciba Found. Symp., 1997; 212: 198-211を参照されたい)。HGFが血管新生の強力な活性化剤であることも知られているが(F.Bussolinoら、J. Cell Biol., 1992; 119: 624-641)、そのin vivoでの有効性は、VEGFより大きいと考えられる(E.van Belleら、Circulation, 1998; 97: 381-390)。
構造的に言うと、HGFは血液凝固カスケードの酵素に関連するペプチドである。成熟HGFは2つの鎖(すなわちサブユニット):αおよびβ鎖からなるペプチドである。未変性HGFにおいて(下記の図1を参照されたい)、α鎖を与えるアミノ酸配列部分(aa 1-478)は、そのN末端からC末端までの間に以下を含んでなる:
(i) 31アミノ酸残基(aa 1-31)を含んでなるペプチドL、 ここでこのペプチドLは(i)薬理学的な観点ではおそらく興味を引かないが、(ii)シグナルペプチドとして関与する、
(ii) 96アミノ酸残基(aa 32-127)を有し、4個のCys残基を含んでなる、「ヘアピン」ループを含有するドメインN(このペプチドNは本発明によれば有用なペプチドである)、および
(iii) 6または7のCys残基をそれぞれ含んでなる、4個のクリングルドメイン(K1、K2、K3およびK4と呼ばれる)、ここでK1は79アミノ酸残基(aa 128-206)を含んでなり、K2は78アミノ酸残基(aa 211-288)、K3は79アミノ酸残基(aa 305-383)およびK4は79アミノ酸残基(aa 391-469)を含んでなる。
HGFのα鎖は、HGFとその受容体との相互作用の主要な場となるが、このHGF受容体はc-Met癌原遺伝子によって発現され、(HGFがその受容体と結合した後)チロシンキナーゼ酵素活性を有する。下記の本文において、この受容体をHGF-Rと称する。
セリンプロテアーゼの触媒ドメインと相同性を示すβ鎖は、HGF-R受容体とは結合しないようであるが、前記受容体の自己リン酸化のために必須であって、結局、特定の因子(「エフェクター」)との相互作用のために細胞内シグナル伝達に関与する。
β鎖を欠いた、α鎖からなるペプチドはHGF-R受容体と結合するが、これはHGFアンタゴニストであって(K. Dateら、FEBS Letters, 1997; 420: 1-6)、競合的メカニズムによって、HGFの生物学的反応、より詳細にはこの因子の血管新生反応の阻害剤として作用する(K. Kubaら、Cancer Res., 2000; 60: 6737-6743)。
特にWO-A-99/55361から、HGFα鎖が配列決定されたことは周知である。より正確には、NK4と命名されたペプチドはピログルタミン酸基から始まって、前記α鎖のアミノ酸を含んでなる(すなわち未変性HGFのaa Pyrglu32からVal478まで)が、これは抗腫瘍効果(EP-A-0890361)および抗血管新生効果を有し、この効果は血管新生の阻害から明らかとなる(K. Kubaらによる文献および出願WO-A-99/55361、上記)。
簡単に述べると、現在までに知られているメカニズムは次の通りである:
(A) ペプチドLの切断によって、未変性HGFは成熟HGFとなる(すなわち活性化される);
(B) 成熟HGFは、そのα鎖を介して、HGF-R受容体と結合する;
(C) 成熟HGFがHGF-Rと結合した結果、HGF-Rの酵素活性が出現するが、これはチロシンキナーゼ型の活性である;このことは「活性化」を意味するが、この活性化によって、HGF-Rタンパク質の細胞内ドメインに含まれる酵素が、そのチロシンキナーゼの効力を発揮することが可能となる;
(D) ペプチドNK4を使用すると、HGF-Rが自らのチロシンキナーゼ酵素活性を発揮することなくNK4がこの受容体と結合するので、NK4はHGFの競合阻害剤として機能する。
発明の由来
HGFα鎖のK1、K2、K3およびK4ドメインは、特定の他のタンパク質(たとえば、アンジオスタチン、およびプロトロンビンの第2クリングル)の抗血管新生クリングルに非常に類似しているため、本発明の進行中に、(1)HGFα鎖のクリングルK1、K2、K3および/またはK4が抗血管新生活性を有するかどうか、および(2)上記クリングルのうち1つもしくは複数の、見込まれる抗血管新生活性のメカニズムがK1、K2、K3および/またはK4とHGF-R受容体との競合的結合にあるのかどうか、という問題が生じた。
HGFα鎖のペプチドN、K1、K2、K3およびK4を単離してテストした後、驚くべきことに、ペプチドNは、ほぼNK4の配列に包含されるが〔NはNK4のアミノ酸配列とは最初のアミノ酸の種類が異なり、Gln1がPyrglu1に置き換わっている(すなわち、未変性HGFの32位である)〕、このペプチドNがNK4のクリングルとは異なるメカニズムによって発現する抗血管新生特性を有することが明らかになった。
手短に述べると、以下に説明するように、本発明から次のことが認められた:
・Nは、HGF-R受容体に対してHGFと競合的に結合するのとは異なるメカニズムによって、HGFの阻害剤として作用する;本出願人のアッセイ結果によれば、NはNK4とは異なりHGF-Rと実質的に結合しない;Nが、HGF/GAG結合を阻害することによってHGFとGAGとの相互作用を妨害する時点からHGFの阻害剤として作用すると考える十分な根拠がある;さらに
・K1は、K2、K3およびK4とは違って、本出願人が現在知る限りでは、HGF-R受容体との結合についてHGFと競合することによって有効に作用する、HGFの唯一のクリングルである。
補足すると、ペプチドNはNK4のハプテンを含んでなり、HGFα鎖に由来するのであるが、このペプチドNは、その配列中にNK4のアミノ酸2-96を含有する(すなわち、未変性HGFのArg33-Asn127)が、NK4とは最初のアミノ酸が異なっている(すなわち、上記のEP-A-0890361およびWO-A-99/55361によると、未変性HGFのピログルタミン酸基PyrGlu32の代わりにGln32)。
発明の目的
本発明によって、(a)抗血管新生特性を有する新規物質、(b)前記を調製する方法、および(c)前記物質の治療上の使用、を与えることが提示される。
発明の主題
本発明によって、新規ペプチド物質が提示されるが、これは下記で構成される一群から選択される点に特徴を有する:
(i) HGFα鎖に由来し、配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するペプチドN、および
(ii) 前記ペプチドN配列から1以上のアミノ酸の欠失、置換もしくは付加によって誘導されたそのペプチドの変異体、
前記のペプチドNおよびその変異体は、HGFがHGF-R受容体と競合的に結合することとは異なるメカニズムによって、抗血管新生活性を示す。
本発明の別の態様によって治療組成物が提唱されるが、この組成物は、血管新生関連疾患を治療する目的で、製薬上許容される賦形剤とともに、下記の一群から選択される治療上有効な量のペプチド物質を含有することを特徴とする:
(i) HGFα鎖に由来し、配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するペプチドN、および
(ii) 前記ペプチドN配列から1以上のアミノ酸の欠失、置換もしくは付加によって誘導されたそのペプチドの変異体。
前記の血管新生関連疾患について前記抗血管新生ペプチド物質を使用することも提案される。
最後に、ペプチドN、もしくはその上述の変異体をコードするDNA断片、当該DNA断片を含有するプラスミド、および当該プラスミドを含有する細菌もまた、新規工業製品として提示される。
発明の詳細な説明
hHGF因子はすでに配列決定されている。特に、NK4の配列PyrGlu32-Val478は、WO-A-99/55361で与えられる。先行技術によると、NK4は、HGFの受容体であるHGF-Rに対するNK4とHGFの間の競合的メカニズムによって、抗腫瘍および抗血管新生物質として機能する。
合成(遺伝子工学技術に基づいた発現による)とそれに続く精製の後、本発明のペプチドN(このペプチドのN末端の最初のアミノ酸はPyrGluではなくてGlnである)およびその変異体をテストした。ペプチドNはNK4の配列が教えるところに対して新規であるが、このペプチドNおよびその変異体は、GAG〔特にHep(高分子量ヘパリン、通常のヘパリンおよび低分子量ヘパリン)、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸など〕との相互作用の点で、K1, K2, K3 およびK4とは異なる。すべてを考慮すると、注目されるのは、Nおよびその変異体がHGF(および、たとえばVEGFおよびbFGFといった他の特定のGF)のGAGとの相互作用を阻害することであり;結果として、(i)Nおよびその変異体は、受容体に関するGFの結合を妨げ、さらに(ii)前記GFの活性は低下し、あるいはほとんどなくなる。
下記の内容が推定されるが、これは1つの説であって本出願人はそれに拘束されない。すなわち前記ペプチドNおよびその変異体はGAGと結合するが、これらは、
(a)GAGのHGFへの接着、もしくはHGFのGAGによる活性化を妨げ、その結果(b)HGF-Rを活性化するためのHGFのHGF-Rへの結合を妨げる。
結論として、上記の論点(b)の結合がない場合、HGFの血管新生作用は発揮されない。
また、(a)+(b)のメカニズムの阻害は、HGFのみならず、HGFの受容体であるHGF-Rに結合できず、自身に特異的な受容体にも結合することができない他のGFにも影響を及ぼすことが注目される。
本発明の変異体は、ペプチドNから、1または複数のアミノ酸の欠失、置換もしくは付加によって誘導されたものである。
ここで、欠失もしくは脱離はCys残基を含まない。他方、この欠失もしくは脱離は1から5までの隣接するアミノ酸群に関わることができる。たとえば、まず1または複数のMet, Trpおよび/またはTyr残基を削除し、次に、Nの配列中、より詳細には(a)Val33からGlu38、(b)Leu66からVal77、または(c)Glu84からAsn90の間にあるわずか5以下のアミノ酸のペプチド断片を切除することができる。
さて、置換は1から3までのアミノ酸からなる1または複数のアミノ酸群に関わる。たとえば、少なくとも1つのCysを(もしくはCysのすべてであっても)Serと置き換えることが可能であり、さらに塩基性側鎖を有する特定の残基(特にArg, HisおよびLys)をAla, GluもしくはAspで置換することができる。
付加には、主に、Nの孤立した塩基性アミノ酸に近接して、詳細には、Lys16, Lys21, Arg42, Arg45, Lys47, Lys54, Lys60, His83, Lys91 および Arg95に近接して、塩基性側鎖(Argおよび/またはLysが好ましい)を有する1から3までのアミノ酸からなる断片が関与する。使用される発現ベクターによって、Nの活性を変えることなくGln1の上流に(すなわち未変性HGF配列のGln32の上流に)1から22のアミノ酸を組み込むことも可能である。したがって、Gln1の上流に次のN末端の1つを付加することができる:
(A) M,
(A2) MASMTGGQQMGRD,
(A3) MGSSHHHHHSSGLVPRGSHM.
本発明のペプチドNの変異体は、当然、欠失、置換および/または付加の組み合わせの結果生じる。
本発明によって提唱される調製方法は、ペプチドNもしくはその変異体のうちの1つをコードするDNA分子を使用すること、および続いて次の各項を実施することである:
(1)5’末端に、第1の制限酵素切断部位をコードするDNA断片を導入すること、
(2)3’末端に、第2の制限酵素切断部位をコードするDNA断片を導入すること、ステップ1および2は任意の順序で実施される、次いで
(3)ステップ1および2の結果得られたペプチドを、続いて、細菌プラスミド、特に大腸菌(Escherichia coli)のプラスミドに挿入すること、
(4)上記のように改変されたプラスミドを保有する菌株を30-37℃の温度で培養すること、
(5)ペプチドN、もしくはその変異体の1つを25-30℃の温度で発現させること。
こうして得られたペプチドは、それ自体としては既知の方法によって、特にクロマトグラフィーによって精製される。
実施例1から4まで
本発明の実施例1(Ex1)は、配列番号2で与えられるアミノ酸配列であるペプチドNで構成される。Ex1を発現するDNA断片は配列番号1に示される。
本発明の実施例2(Ex2)は、A3-Nからなるペプチドである。これは、そのN末端、ペプチドNの上流にペプチドA3を含んでなる。Ex2のアミノ酸配列は配列番号4に示される。Ex2を発現するDNA断片は配列番号3で与えられる。
本発明の実施例3(Ex3)は、Ex2から4アミノ酸断片(アミノ酸Met94からGly97まで) (すなわちペプチドNのMet73からGly76まで)を欠失させた結果生じる。Ex3の配列およびそれをコードするDNA配列は、それぞれ配列番号5および配列番号7で与えられる。
本発明の実施例4(Ex4)は、Ex2から、まずLys112(すなわちNのLys91)のあとに2アミノ酸(Lys-Arg)を挿入し、次に第2および第3のCys残基〔Ex2のCys64およびCys74(すなわちNのCys43およびCys53)〕をSerで置換することによって得られる。Ex4の配列およびそれをコードするDNA配列はそれぞれ配列番号6および配列番号8で与えられる。
実施されたアッセイの結果の一部を下記にまとめた。下記のアッセイにおいて、血管新生をex vivoで分析するための主要なモデルとしてHUVEC細胞を使用した。HUVEC細胞はHGFを産生しない;その一方で、同細胞はHGF受容体HGF-Rを発現するc-Met癌原遺伝子を与え、そのレベルは培養条件によって調節することができる。コンフルエントになった静止状態の細胞は少量のHGF-Rを与える。この発現は、細胞が対数増殖期にはいると、または3次元コラーゲンゲル中で毛細血管様構造(もしくは毛細血管)を形成すると増加する。
アッセイ1
bFGFによるHUVEC細胞の増殖刺激を、N, K1, K2, K3およびK4ペプチドなし、およびこれらの存在下でその量を増加させて評価した。HUVEC細胞増殖は、〔3H〕チミジンによって測定した。
HUVEC細胞がコンフルエント状態に達したときに細胞を集め、これを24ウェルプレートに2×104細胞個/ウェルの濃度で、2.5%FBSを添加した0.5mlのM199i中に入れる。細胞を37℃にて4時間放置して付着させ、10ng/mlのbFGFを単独で添加することによって、もしくは精製ペプチドN, K1, K2, K3およびK4の量を増加させて(0.1-50μg/ml)併用することによって、増殖を誘導する。さらに24時間インキュベートした後、3.7×104Bq(1μCi)の〔3H〕チミジン(Amersham Pharmacia Biotechから発売されている製品)を、最後の18時間のインキュベーションの間、各ウェルに添加する。細胞をPBSで3回洗浄した後、氷浴中で冷却した10%(w/v)トリクロロ酢酸溶液で0.5時間処理する。その結果得られた沈澱を室温で0.5時間、0.3N NaOH(0.5ml/ウェル)を用いて可溶化する。次に、溶液を1N HClで中和する。放射能〔3H〕を、液体シンチレーションカウンター(Beckman LS-6500多目的液体シンチレーションカウンター)を用いて測定する。結果は、1つの検査産物につき3つの培養物の平均値〔カウント/分(±標準誤差)〕として表される。
図3に記録された結果は、〔3H〕チミジンのカウントが統計学的に有意に変化しないため、クリングルK1からK4までのどれも、bFGFによって誘導されるHUVEC細胞増殖に影響を与えないことを示す。これに対して、ペプチドNは、濃度に依存する様式でbFGFによって誘導されるHUVEC細胞増殖を阻害するが、その最大効果の半値は、およそ7μMのペプチドNを使用したときに発生する。
アッセイ2
HUVEC細胞の増殖は、上記の様式にしたがって評価され、4μMペプチドNの存在下、または非存在下で、ウェルにbFGFとともに10 ng/ml HGF、もしくは10 ng/mlのVEGFアイソフォーム(VEGF165およびVEGF121)をそれぞれ添加することによって、この細胞の増殖を誘導した。図4に示した結果(cpmで表される)は、ペプチドNが任意のGFによって誘導されるHUVEC細胞の増殖を阻害することを明白に示す。
アッセイ3
HUVEC細胞の走化性による遊走を、先行技術から導かれた技法(Boyden chamber法の変法)によって評価した。Corning Costar Corporation社(Cambridge, MA)から発売され、多孔質ポリカーボネートフィルター(孔径:8μm)を備えた、壁細胞培養チャンバー(「トランスウェル」)インサートを、0.1%ゼラチンでコートした。2.5% FBSを添加したM199i培地中のHUVEC細胞(4×104)をトランスウェル装置に加えた。このインサートを10 ng/ml HGF、およびそれぞれ50 μg/ml量の精製ペプチドN, K1, K2, K3もしくはK4のうち1つを入れたチャンバーの上に載せる。このチャンバーを37℃で5時間インキュベートする。次にフィルターをPBSですすぎ、ヘマトキシリンで固定して染色する。遊走しなかった細胞を除去するためにフィルターの上面をこそげる。遊走の程度の高い領域にある細胞の数(×400)を、10領域/フィルターの割合で、3連で記録する。図5に示す結果は、ペプチドNが、多孔質膜を通過するHUVEC細胞の、誘導された遊走を完全に阻害することを示す。一部のクリングル(K3およびK4)が弱い阻害作用を示すことも観察されたが、しかしながらこの作用は統計学的に有意ではない。
アッセイ4
3次元コラーゲンゲル中でのHUVEC細胞毛細血管の形成をペプチドNが阻害することについて検討した。ラット尾の1型コラーゲンをBD Biosciences社(Bedford, MA)から入手し、上記ゲルはメーカーの使用説明書にしたがって作られた。簡単に述べると、氷冷したコラーゲン溶液を、1N NaOHの添加によって中和し、9/1 v/v比でPBSと混合する。HUVEC細胞は、トリプシン-EDTA処理によって個々に分離され、2.5% FBSを添加したM199i培地中に懸濁するが、これを、最終濃度1 mg/mlコラーゲンとなるように、中和したコラーゲン溶液と混合する。この懸濁液(5×105細胞個/ml)のうち0.4mlを24ウェルプレートのウェル中に注ぎ入れ、37℃で40分間インキュベートすることによってゲルを形成させる。ゲルを0.5mlの 2.5% FBS添加M199i培地、および10 ng/mlの、3つのGF:bFGF, VEGF165もしくはHGFのうち1つで覆う。精製ペプチドN(1μM)を増殖因子と同時にウェルに添加する。培養物を37℃で48時間、5% CO2を含有する加湿環境でインキュベートする。顕微鏡(Zeiss Axiovert 25)を用いてゲルを検査し、Archimed Pro 2.1ソフトウェアを用いて画像を記録する。
HUVEC細胞がコラーゲンゲル中で増殖する場合、細胞は速やかに形態形成を遂げて毛細管のネットワークを与える。
こうした毛細管の形成は自然発生的に起こり、もしくは増殖因子によって引き起こされる。図6に示す結果は、bFGF, VEGF165およびはHGFが、使用した実験条件の下で、ほとんどのHUVEC細胞の毛細管への組織化を誘導することを示す。こうした毛細管の形成は、本発明のペプチドNが前記増殖因子の任意の1つと同時に添加されたとき、それによって完全に阻害される。さらに、毛細管形成が、クリングルK1, K2, K3もしくはK4のうち1つの存在下で誘導されたときHUVEC細胞の形態形成の変容は観察されない(この結果は図6では明らかでない)。
アッセイ5
本発明のペプチドNがHGFとGAG(たとえばHep)との相互作用に関与する主要な部位を構成していることを示す目的で、ペプチドN, K1, K2, K3およびK4のヘパリンに対する親和性を、BIAcore 2000装置(BIAcore社、Uppsala, Swedenより発売)を用いた表面プラズモン共鳴装置によって分析した。高分子量ヘパリンを、ストレプトアビジンでコートした検出器(センサーシップ)の表面上で捉えられるように、製品EZ-Link Biotin-LC-Hydrazide(Pierce社、Rockford, IL、製)を用いてビオチン化して使用した。精製ペプチドをBIAcore装置用の通常のバッファー(0.005% Tween-20を含有するPBS)で希釈し、20ml/分の速度で固定化したヘパリン上に注入した。実験はペプチドの濃度範囲内で行われた。得られた結果を、BIAcore社のBIA評価プログラムによって自動的に分析した。得られた結果を図7に示したが、ここで、ペプチドNがヘパリンに対して、他の4つのクリングルK1, K2, K3およびK4に比べて非常に高い親和性を有することがわかる。この5つのペプチドはヘパリンと結合する能力を有するが、その結合には相違がある。もっとも大きな反応は、0.7μMのペプチドNの結合について得られる反応であるが、この濃度はクリングルの濃度の約20分の1の低い濃度である(K3については600RUであるのに対してペプチドNについては2000RU)。したがって、生理的濃度では、HGF/GSG相互作用は主としてペプチドNによって与えられる。
アッセイ6
HGFまたはNに対する、可溶性HGF-R〔HGF-Rの細胞外ドメインのHGF-結合部分、およびIgGの一部を含んでなる融合タンパク質であるキメラ産物(HGF-R/IgG)〕の親和性、正常な分子量のヘパリン(HEP)の親和性、および分割された低分子量ヘパリン(LMWH)の親和性を評価するために、上記アッセイ5を再現した。これらはそれぞれ検出器の表面上に固定化された(「センサーシップ」)。
注目されるのは、HGFおよびNに対してHepがLMWHよりも高い親和性(25倍高い)を有することである。
可溶性HGF-RおよびHepのHGFおよびNに対する結合に関しては、得られた結果を3回の異なる実験について図8A, 8B, 8Cおよび8Dに示すが、この結果はHepのNに対する選択的な結合、および可溶性HGF-RのNに対する結合の欠如を実証する。
アッセイ7
放射標識リガンドの結合および置換を検討した。Iodo-gen Pre-Coated Iodination Tubesをメーカーの説明書にしたがって使用して、HGF(5 μg)、VEGF165(10 μg)およびN(25μg)〔もしくは、適切な場合にはK1(25μg)〕を1 mCi(すなわち3.7×107 Bq)の〔125I〕Naでヨウ素化した。分離されたタンパク質を、0.4 M NaCl, 5 mM EDTAおよび0.25 % AlbuMAX(INVITROGEN社によって供給される)を含有する25 mM Tris-HC、pH7.4で平衡化したカラムで精製し、遠心分離によって濃縮した。トリクロロ酢酸による沈澱によって測定された比放射能は:
125I〕HGFについては、18×106 cpm/pmol、
125I〕VEGF165ついては、8×106 cpm/pmol、
125I〕Nについては、9×105 cpm/pmol
である。
ヨウ素化タンパク質による結合および置換の検討は、コンフルエントなHUVEC細胞で、4℃にて24ウェルプレート上で行われた。細胞をPBSで洗浄し、0.5ml結合培地(0.1% AlbuMIXを含有する通常培地)とともに0.5時間プレインキュベートした。Nに関する結合パラメーターを決定するために、モル過剰量の100の非標識Nのとともに、または非標識Nなしで、放射標識したNの量を増加させてHUVEC細胞に添加して、2時間インキュベートした。置換実験のために、非標識Nの存在下でその濃度を増加させて、一定量のHGF(1 nM)もしくはVEGF165(0.2 nM)を、それぞれ4時間および2時間、HUVEC細胞に添加した。インキュベーション終了時に、細胞を結合培地で3回洗浄し、次に0.3M NaOHで可溶化した。HUVEC細胞に伴う放射能は適当な計数装置によって測定された。
得られた結果は、NがHGFおよびVEGF165のHUVECへの結合を阻害すること、およびK1はこの場合阻害剤として機能しないことを示す。Nによる阻害は前記Nの濃度に依存する。
置換に関しては、その速度論は二分子型の単純な反応モデルに対応することが観察される。適当なプログラムを用いて算出されたKd値は、
HGFに関しては20.40±5.11 nM、および
VEGF165に関しては56.17±17.18 nM、である。
図9Aおよび9Bを参照されたい。
結論
アッセイ1-7で上記に与えられ、図3-9に示された結果に照らして、ペプチドNがHGF阻害剤として機能することは明白である。既知のペプチドNK4とは異なり、本発明のペプチドNは、HGF-Rに対するHGFとの競合的な結合をほとんど妨げることはない。その一方で、アッセイ5-6および図7-8を考慮すると、ペプチドNは、HepのHGFへの付着、もしくはHepによるHGFの活性化を妨げることによって、たとえばHepのようなGAGとのHGFの相互作用に、いっそう確実に介在する;したがって、HGFはもはやHGF-Rに作用することができず、HGF-Rがチロシンキナーゼ作用を発揮するようにHGF-Rを活性化することもできない。
実施例2-4のペプチドはペプチドNと同じ作用様式を示す。抗血管新生物質として、Nおよびその変異体は血管新生に関連する疾患、とりわけ過度の血管新生によって引き起こされる疾患の治療に有用である。これらは特に
・ 血管新生阻害剤およびHGFアンタゴニストとして、(特に、慢性関節リウマチ、糖尿病性網膜症、加齢性黄斑変性症、および創傷治癒過程における過剰な瘢痕形成に関して)
・ 異常な細胞増殖の調節物質として(特に、乾癬、オスラー-ウェーバー症候群、血管腫、および良性もしくは悪性腫瘍に関して)、および
・ 内皮細胞過剰刺激の阻害剤として、
必要とされる。
簡単に述べると、ペプチドNおよびその変異体は、抗血管新生薬、抗リウマチ薬、抗関節炎薬、抗炎症薬、抗乾癬薬、抗増殖薬、抗腫瘍薬および/または細胞増殖抑制薬として特に有用である。
添付の図面において、
は、α鎖の5個の主要ドメイン(N、K1、K2、K3およびK4)を持つ未変性HGFの構造を図式的に示し、断片PDはβ鎖を表す; 図2aおよび図2bは、単離されたN、K1、K2、K3およびK4ペプチドの精製度を、クーマシーブルー染色(図2a)、および抗HGF抗体を用いたウェスタンブロッティング(図2b)によって示す; は、ペプチドN、K1、K2、K3またはK4(0から50μg/mlまで増加させる)の存在下でのbFGF(10 ng/ml)を用いたHUVEC細胞増殖の刺激作用に関するアッセイで得られた結果をグラフとして表す; は、bFGF, HGF, VEGF165 およびVEGF121といったGF存在下での、HUVEC細胞増殖のペプチドNによる阻害を明らかにするグラフである; は、多孔質膜を通過するHUVEC細胞の遊走に対する、HGF, HGF + N, HGF + K1, HGF + K2, HGF + K3 および HGF + K4の影響を明らかにするグラフである; は、3次元コラーゲンゲル中でのHUVECによる「毛細血管様管」構造形成の阻害に関する6枚の写真を含んでなる〔bFGF とbFGF + Nとの比較、VEGFとVEGF + N (この場合VEGFはVEGF165である)との比較、およびHGFとHGF + Nとの比較〕; は、本発明のペプチドNが、Hepの強力な結合という点でK1, K2, K3 およびK4とは異なることを示すグラフである; 図8a-図8dおよび図9A-図9Bは、前記ペプチドNについて得られた補完的な結果に関する。 図8a-図8dおよび図9A-図9Bは、前記ペプチドNについて得られた補完的な結果に関する。
略号
便宜をはかるため、下記の事項は、本明細書の記述に使用された専門上の略語および頭文字の一覧である。
aa アミノ酸;
c-Met タンパク質をコードする癌原遺伝子のDNA断片、ここでこのタンパク質はチロシンキナーゼ酵素活性を有し、HGF受容体〔本明細書ではHGF-Rと称する〕に相当する;
cpm 1分間当たりの計数;
DNA デオキシリボ核酸;
FBS ウシ胎仔血清;
FGF 線維芽細胞増殖因子;FGFの中でも、特にaFGF(酸性線維芽細胞増殖因子)およびbFGF(塩基性線維芽細胞増殖因子)が有名である;
GAG グリコサミノグリカン;
GF 増殖因子;
Hep ヘパリン;
HEPES N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N-2-エタンスルホン酸、バッファーとして機能する製品;
HGF 肝細胞増殖因子;特に指示しない限り、本明細書ではHGFはヒト肝細胞増殖因子 (hHGF)を意味する;
hHGF ヒト肝細胞増殖因子;
HGF-R HGF受容体 (本明細書では、“c-Met”遺伝子との混同を招く“c-Met”という術語よりも“HGF-R”という表記が選ばれる);
HUVEC ヒト臍帯静脈内皮細胞;
K1 HGFのクリングル-1 ドメインもしくは対応するペプチド;
K2 HGFのクリングル-2 ドメインもしくは対応するペプチド;
K3 HGFのクリングル-3 ドメインもしくは対応するペプチド;
K4 HGFのクリングル-4 ドメインもしくは対応するペプチド;
M199 アメリカの会社、LIFE TECHNOLOGIES (Rockville, MD)から発売されている培地;
M199i 15 mM HEPES (pH 7.4)、2 mM グルタミン、 50 U/ml ペニシリン、50 μg/ml ストレプトマイシンおよび2.5 μg/ml アンフォテリシンBを添加したM199培地;
N HGFのヘアピンループドメイン、対応するペプチド、または本発明のペプチドであって、そのN末端が(WO-A-99/55361によって説明される先行技術によればPyrGluであるがその代わりに)Glnであるペプチドであればさらによい;
NK4 HGFのNからK4までのアミノ酸配列からなるペプチド(すなわち未変性HGFの aa 32-478);
RT 室温;
RU レゾナンスユニット(1000 RU はmm2当たり1 ng のタンパク質の結合に相当する);
VEGF 血管内皮増殖因子; VEGFの中でも、特にVEGF165因子および VEGF121因子がよく知られている。
【配列表】
Figure 2005508637
Figure 2005508637
Figure 2005508637
Figure 2005508637
Figure 2005508637
Figure 2005508637

Claims (10)

  1. (i)HGFα鎖に由来し、配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するペプチドN、および
    (ii)前記ペプチドN配列から、1または複数のアミノ酸の欠失、置換もしくは付加によって誘導されるそのペプチド変異体、
    からなる一群から選択されることを特徴とするペプチド物質であって、前記ペプチドNおよびその変異体が、HGF-R受容体に対するHGFの競合的な結合とは異なるメカニズムによる抗血管新生活性を有する、ペプチド物質。
  2. (i)HGFα鎖に由来し、配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するペプチドN、および
    (ii)前記ペプチドN配列から1または複数のアミノ酸の欠失、置換もしくは付加によって誘導されるそのペプチド変異体、
    からなる一群から選択される、治療上有効な量のペプチド物質を、製薬上許容される賦形剤とともに含有することを特徴とする、血管新生関連疾患を治療するための治療組成物。
  3. 血管新生関連疾患に対する治療上の使用に向けた抗血管新生医薬品を調製するために、前記物質を使用することを特徴とする、請求項1に記載のペプチド物質の使用。
  4. 請求項1に記載のペプチド物質をコードすることを特徴とする、DNA断片。
  5. 請求項4に記載のDNA断片を含有することを特徴とする、プラスミド。
  6. 請求項5に記載のプラスミドを含有する、細菌菌株。
  7. ペプチドN、またはその変異体の1つをコードするDNA分子を利用して、請求項1に記載のペプチド物質を調製する方法であって、
    (1)5’末端に、第1の制限酵素切断部位をコードするDNA断片を導入すること、
    (2)3’末端に、第2の制限酵素切断部位をコードするDNA断片を導入すること、ステップ1および2は任意の順序で実施される、次いで
    (3)ステップ1および2の結果得られたペプチドを、続いて、細菌プラスミド、特に大腸菌(Escherichia coli)のプラスミドに挿入すること、
    (4)上記のように改変されたプラスミドを保有する菌株を30-37℃の温度で培養すること、および
    (5)ペプチドN、もしくはその変異体の1つを25-30℃の温度で発現させること
    を特徴とする、方法。
  8. そのアミノ酸配列が配列番号4の配列であることを特徴とする、請求項1に記載のペプチド物質。
  9. そのアミノ酸配列が配列番号5の配列であることを特徴とする、請求項1に記載のペプチド物質。
  10. そのアミノ酸配列が配列番号6の配列であることを特徴とする、請求項1に記載のペプチド物質。
JP2003540360A 2001-10-31 2002-10-30 単離された肝細胞増殖因子ペプチドおよびその変異体、調製方法、ならびに抗血管新生薬としての、治療上の使用 Pending JP2005508637A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FR0114146A FR2831540B1 (fr) 2001-10-31 2001-10-31 Peptide isole du facteur de croissance hepatocytaire et ses variants, procede de preparation et utilisation en therapeutique en tant qu'agents antiangiogeniques
FR01/14146 2001-10-31
PCT/FR2002/003739 WO2003038095A2 (fr) 2001-10-31 2002-10-30 Peptide isole du facteur de croissance hepatocytaire et ses variants, procede de preparation et utilisation en therapeutique en tant qu'agents antiangiogeniques

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005508637A JP2005508637A (ja) 2005-04-07
JP2005508637A6 true JP2005508637A6 (ja) 2005-08-04

Family

ID=8868969

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003540360A Pending JP2005508637A (ja) 2001-10-31 2002-10-30 単離された肝細胞増殖因子ペプチドおよびその変異体、調製方法、ならびに抗血管新生薬としての、治療上の使用

Country Status (6)

Country Link
EP (1) EP1442121A2 (ja)
JP (1) JP2005508637A (ja)
AU (1) AU2002360156A1 (ja)
CA (1) CA2465714A1 (ja)
FR (1) FR2831540B1 (ja)
WO (1) WO2003038095A2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5317475B2 (ja) * 2005-10-24 2013-10-16 富士フイルムRiファーマ株式会社 肝細胞増殖因子受容体が関与する疾患の診断薬及び治療薬
US9611297B1 (en) 2016-08-26 2017-04-04 Thrasos Therapeutics Inc. Compositions and methods for the treatment of cast nephropathy and related conditions

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6566098B1 (en) * 1990-09-14 2003-05-20 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services DNA encoding truncated hepatocyte growth factor variants
WO1999055361A1 (fr) * 1998-04-28 1999-11-04 Toshikazu Nakamura Inhibiteurs de neovascularisation
EP1242451A2 (en) * 1999-12-15 2002-09-25 EntreMed, Inc. Compositions and methods for inhibiting endothelial cell proliferation

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2083846B1 (en) N-terminal fgf variants having increased receptor selectivity and uses thereof
RU2515063C9 (ru) Мутеины липокалина слезной жидкости, обладающие аффинностью к с-мет рецепторной тирозинкиназе человека, и способы их получения
Gualandris et al. Interaction of high‐molecular‐weight basic fibroblast growth factor with endothelium: biological activity and intracellular fate of human recombinant Mr 24,000 bFGF
Isacchi et al. A six-amino acid deletion in basic fibroblast growth factor dissociates its mitogenic activity from its plasminogen activator-inducing capacity.
KR100353579B1 (ko) 섬유아세포성장인자의표면고리구조유사체
KR20080082608A (ko) Vegf 유사체 및 사용 방법
KR101175687B1 (ko) 성장인자 복합체 및 세포 이동 및 성장의 조절
US8420780B2 (en) Mutated netrin 4, fragments thereof and uses thereof as drugs
EP3210999B1 (en) Fusion proteins for treatment of cns
US20110262432A1 (en) mutated netrin 4 proteins, fragments thereof and their uses as drugs
KR20130132880A (ko) 간암의 치료에 사용하기 위한 robo1-fc 융합 단백질
US8735355B2 (en) Methods of use of fragments of secreted frizzled related protein, sFRP
JP2002520053A (ja) 凝固因子fvii/fviiaに対する向上した親和性を持つ組織因子タンパク質変異体
US7148037B2 (en) Platelet-derived growth factor D, DNA coding therefor, and uses thereof
JP2005508637A6 (ja) 単離された肝細胞増殖因子ペプチドおよびその変異体、調製方法、ならびに抗血管新生薬としての、治療上の使用
JP2005508637A (ja) 単離された肝細胞増殖因子ペプチドおよびその変異体、調製方法、ならびに抗血管新生薬としての、治療上の使用
US20050107296A1 (en) Isolated peptide of the hepatocyte growth factor and its variants, preparation method and therapeutic use as anti-angiogenic agents
JPH05271291A (ja) 機能性ポリペプチド
AU2008256550B2 (en) VEGF-D mutants and their use
JPH07103156B2 (ja) 再生骨髄から同定された骨形成成長ポリペプチド
EP0981620B1 (en) Hgf polypeptides and their use in therapy
EP1049778B1 (en) Recombinant proteins derived from hgf and msp
JP3612348B2 (ja) 肝実質細胞増殖因子誘導体
EP0525054A1 (en) Modified heparin binding growth factors