JP2005508230A - 繰り返し膨張可能なガス充填膨張素子を採用したガイドワイヤ膨張システム - Google Patents
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Abstract
血管手術に使用されるガイドワイヤ膨張システムは、近位端に近接する延伸シール可能部位を有する管状ガイドワイヤアセンブリの遠位端に近接して、繰り返して膨張可能なガス充填膨張素子を有する。ガス膨張/排気システムは、ガイドワイヤアセンブリの近位端に除去可能に連結されており、ガイドワイヤから空気を排気可能な排気システムと、膨張バルーンを複数回膨張させるべく、圧力が付与されたガスをガイドワイヤに供給する膨張システムとを有する。シーリングシステムもガイドワイヤアセンブリの近位端に除去可能に連結されており、前記延伸シール可能部位に沿って管状の前記ガイドワイヤアセンブリの複数個の気密シールの1つを形成するべく、前記延伸シール可能部位に沿って複数個に分離された位置の1つで前記延伸シール可能部位を選択的にシールする。膨張素子の各回の収縮で、該膨張素子の血管下流側に血液流が流れ込み、延伸シール可能部位における最後のシール部位に近接する部位が開放されて、膨張素子が速やかに収縮する。
Description
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、概ね、血管の医療素子に関する。一層詳細には、本発明は、繰り返し膨張可能なガス充填膨張素子を採用した血管手術の際に使用されるガイドワイヤ膨張システムに関する。
【0002】
背景技術
動脈疾患には、人体の動脈で起こる損傷が含まれる。疾患を有する血管は、血栓、血小板、血餅等で閉塞され、最終的に、虚血として知られている状態を招く。虚血は、動脈による心筋や他の組織への血液流を実質的に減少ないし喪失させ、影響ある部位への永久的な損傷を引き起こす。動脈疾患が、最も一般的には硬質な血小板や心臓中の冠動脈疾患の情報に関連する一方、末梢血管、大脳血管、等の人体中の他の血管で、動脈や静脈の内腔において硬質な血小板、比較的軟質な血栓又は血餅が生じることに起因して、類似の損傷が起こる。
【0003】
疾患を有する血管を治療するため、様々な血管用医療素子や手術法が開発された。現在の標準的な手術法は、バイパス外科手術(狭小化又は閉塞された周辺の血管が新しい血管に移植される)や、様々な非外科的インターベンショナル血管医療手術である。非外科的インターベンショナル血管医療手術には、血管形成術(血小板や血栓を押し戻すべく、動脈における狭小化ないし閉塞された部位でカテーテルのバルーンを膨張させる)、ステント・グラフト留置術(血小板や血栓を押しとどめるため、動脈における狭小化ないし閉塞された部位に接触して金属メッシュ管を伸張させる)、糊状沈着物の切除(atheroectomy)という形態の除去(debbulking)(硬化した血小板を除去するために使用される高速ないし高出力型の機構が使用される)、血栓摘出術(血餅や血栓を除去するため、ある種の機構が使用されたり、流体注入が行われる)が含まれる。それぞれの血管医療素子では、患者の血管系を介して、所定の治療を施す位置まで可撓性に富むガイドワイヤが送られ、その後、素子の遠位端を含み且つ施す手術に適したカテーテルが、治療位置までガイドワイヤの後を追う。
【0004】
インターベンショナル血管医療手術は、多くの外科的な煩雑さを回避することができるものの、血小板、血栓、その他の断片が動脈の下流側に流れた場合、潜在的な卒中、心筋梗塞(心臓発作)、他の組織の死を招く可能性がある。この潜在的な問題に対する1つの解決策は、治療位置の下流側への血液流を、遮ったり制御したりするための膨張素子を使用することである。血管中に分離空間を形成する膨張素子としての一対のバルーンを使用するカテーテル処置の例は、米国特許第4,573,966号、第4,636,195号、第5,059,178号、第5,320,604号、第5,833,644号、第5,925,016号、第6,022,336号及び第6,176,844号に開示されている。治療位置の上流側又は下流側に膨張素子としての単数個のバルーンを使用するカテーテル処置の例は、米国特許第5,171,221号、第5,195,955号、第5,135,482号、第5,380,284号、第5,688,234号、第5,713,917号、第5,775,327号、第5,792,179号、第5,807,330号、第5,833,650号、第5,843,022号、第6,021,340号、第6,159,195号及び第6,248,121号に開示されている。機械的に膨張する膨張素子を使用するカテーテル処置の例は、米国特許第6,231,588号に示されている。膨張バルーンは、例えば、米国特許第4,838,268号や米国特許第5,209,727号に記載されているように、カテーテルの内部に如何なるガイドワイヤをも具備しない非オーバー・ザ・ワイヤカテーテルにおいても使用されている。
【0005】
血管手術法の一部として膨張素子を使用することは、心臓バイパス血管に施される除去手術において、一層一般的になりつつある。心臓バイパス血管の大多数は、患者の足の内部に存在する伏在静脈から切除されて移植される。伏在静脈は長く、且つ直線的な静脈であり、心臓の血流を確保するのに要する適切量以上の受容能力を有する。一旦移植されると、伏在静脈は、移植された動脈内腔で蓄積される血小板や血餅によって引き起こされる動脈疾患に罹患し易くなる。残念なことに、除去を行う標準的なインターベンショナル血管医療手術は、伏在静脈冠状動脈バイパス移植手術を行う際に、程々に成功しているのみである。伏在静脈冠状動脈バイパス移植手術において、標準的なバルーン血管形成手術の煩雑さの程度は、生来の血管中で「無血流再開現象」を含む動脈塞栓の煩雑さよりも遙かに大きく、また、手術に由来する心筋梗塞を起こす。指向性で回転するレーザ素子による糊状沈着物の切除方法は、高頻度の動脈塞栓と関連し、結果として梗塞が起こる可能性が著しく高くなる。伏在静脈冠状動脈バイパス移植手術にステント・グラフト留置術を採用することは、結果が混在する。ステント・グラフト留置術は、動脈の再狭窄を起こすことはほとんどないが、動脈塞栓や梗塞が起こる危険性を回避することができない。
【0006】
伏在静脈冠状動脈移植閉塞を治療するための標準的な非外科的インターベンショナル手術におけるこれらの欠点を克服するべく、障害に対して保安素子の末梢を使用する塞栓保護法が発展してきた。保安素子の顕著な例は、フィルタ又はバルーンである。糊状沈着物の切除素子ないし血栓摘出術素子に併せて保安素子を使用することは、塞栓が保安素子を超えて移動することを阻止することを意図するものであり、塞栓粒を除去することができるようになるので、心筋梗塞の危険性が低減する。膨張素子がバルーンである場合、バルーンは、末端が治療部位又は病変部位まで挿入されて膨張される。それから治療部位で治療が施され、バルーンは全血液流を遮り、これにより該バルーンを超えて塞栓が移動することが阻止される。治療の後、ある種の粒除去素子では、除去された塞栓をバルーン収縮に先んじて取り除かなければならない。米国特許第5,843,022号では、病変部位ないし初段部位で血管末梢を膨張させるバルーンが使用されている。膨張は高圧水ジェットによって行われ、次に、流体と該流体に同伴した塞栓とが、排出チューブを介して除去される。米国特許第6,135,991号では、血液を流動させるとともに治療素子から近位で塞栓が移動することを妨げる圧力として血管を膨張させるバルーンが開示されている。
【0007】
ガイドワイヤの終端部に膨張バルーンを具備する素子としては、様々な型のものが存在する。米国特許第5,520,645号、第5,779,688号、第5,908,405号には、遠位端に除去可能な膨張バルーンを有するガイドワイヤが開示されている。米国特許第4,573,470号には、カテーテルの内部にガイドワイヤが一体型ユニットとして結合された膨張バルーンを有するガイドワイヤの開示がある。米国特許第5,059,176号、5,167,239号、第5,520,645号、第5,779,688号、第6,050,972号には、バルーンの膨張及び/又は収縮に使用されるバルブが配置された遠位端にバルーンを有する様々なガイドワイヤが開示されている。米国特許第5,908,405号には、ガイドワイヤに対して繰り返し挿入及び引き出し可能な除去可能バルーン部材の配列が開示されている。米国特許第5,776,100号には、遠位端に膨張バルーンが粘着的に結合されるとともに、該膨張バルーンに対して膨張流体を供給するアダプタを近位端に有するガイドワイヤが開示されている。
【0008】
同じ組織を血液に与える余剰の動脈がある脳解剖の場合を除き、動脈に膨張素子を使用することの問題の1つは、血液流が欠如することに起因して、膨張素子の組織下流に被害を与えてしまう可能性があることである。結論として、動脈を完全に遮断する膨張素子は、比較的短期間で展開される。この不利益を克服するべく、膨張素子に関する近年の開発動向の大部分は、フィルタを配置することによって血液を選別する素子に焦点が合わせられている。米国特許第5,827,324号、第5,938,672号、第5,997,558号、第6,080,170号、第6,171,328号、第6,203,561号、第6,245,089号には、カテーテルシステムの遠位端に配置されたフィルタ配列の様々な例が開示されている。フィルタ配列が理論的には膨張素子よりも優れている一方、実際には、この種のフィルタ配列はしばしば閉塞を招き、事実上、フィルタは膨張素子に転換されつつある。また、フィルタ配列は、配置や摘出に関し、膨張素子に比して機構的にも操作的にも複雑である。
【0009】
血管や人工血管(stent)を膨張させるバルーンを具備する血管形成素子やステント・グラフト留置術カテーテル素子の大部分において、ほとんどのカテーテルバルーン膨張素子と同様に大部分のガイドワイヤバルーン膨張素子が、バルーンの膨張媒体として、生理食塩水や、蛍光透視鏡の視覚化(すなわち、コントラスト)のための放射線不透過性マーカーと生理食塩水との混合物のような液体流が使用される。血管バルーンを膨張させる液体流媒体は、概して、液体の膨張特性が均一で予見可能であることと、医師にとって液体媒体が取り扱い易く且つ精通されていることとから、好ましいとされている。例えば、血管形成バルーンの場合、安全上の理由から、膨張流体が非圧縮性であることを余儀なくされ、高圧(20気圧以上)を要する。数多くの利点を有する一方、液体流体には、長尺で短直径の管内では移動に際して高抵抗であるという理由から、膨張バルーンの迅速な収縮にはさほど寄与しない。血管形成手術との関連では、バルーンカテーテルは、ガイドワイヤに比してさらに長尺な内腔を有する。結局、迅速な収縮は可能ではある。しかしながら、ガイドワイヤに関しては、液体が充填された膨張バルーンは、1分以内で収縮させることができず、また、ガイドワイヤの長さに依存して、収縮に数分を要する。結局、ガイドワイヤの終端部で膨張バルーンを繰り返して収縮及び再膨張させることによる血管の全遮断時間を短くすることは実用的ではない。
【0010】
大動脈内膨張素子として収縮及び膨張が迅速な膨張素子が必要である場合、ガス充填バルーンが使用されている。この種の大動脈内膨張素子の例は、米国特許第4,646,719号、第4,733,652号、第5,865,721号、第6,146,372号、第6,245,008号、第6,241,706号に記載されている。大動脈内膨張素子を使用することが効果的である一方、これらの素子は、カテーテルが該大動脈内膨張素子を追い越す能力がないので、ガイドワイヤを使用する設定にはなっていない。
【0011】
初期のカテーテルバルーン素子は、膨張媒体としてガスを使用するものであり、小規模なシリンジ注入システムで体積を増加させるものが米国特許第4,865,587号に開示されている。より近時では、ガイドワイヤ上のガス充填膨張バルーンが米国特許第6,214,567号の代替形態として開示されている。この代替形態のガイドワイヤを如何にシールするかという点に関し、液体流体の形態に使用するバルブ配列に類似したバルブ型配列を行うことのみが示唆されている。類似したガス充填膨張バルーンが、ケンジーナッシュ(Kensey Nash)社によって開発されたアエジスボルテックス(Aegis Vortex)(商標)システムに関連して開示されている。米国特許第6,217,567号公報及びアエジスボルテックスシステムの双方では、閉塞した伏在静脈の冠状動脈バイパス移植を施す一方、閉塞の危険性を最小限にするための遠位保護にガス充填膨張バルーンが使用されている。一旦配置されると、膨張バルーンは、塞栓が血管から吸飲されるまで、糊状沈着物の切除処置プロセスによる塞栓除去を行う。ガスを素子にどのように導入するかという点や、バルーンをどのように収縮させるかという点に関し、特別な装置は開示も示唆もなされていない。
【0012】
血管手術、特に、閉塞された伏在静脈の冠状動脈バイパス移植において、末梢塞栓保護を行うために膨張素子を使用することがより一般的になりつつあるものの、現在行われている提案には、その効果を最小限とする重大な不利な点が存在する。液体膨張バルーンは、依然として過度に長尺であり、収縮に長時間を要し、膨張の下流側に損害を与える危険性がある。膨張フィルタはこの点に着目して設計されているが、閉塞による問題を受け易く、配置と回収が複雑化し、微小な塞栓粒が下流側へ移動する可能性もある。現存のガス充填膨張バルーンは、液体充填膨張バルーンにおける問題点を克服するものではあるが、典型的なものでは、バルブや継手の配列が複雑化する。この点に関して有効で、簡素で、迅速に膨張・収縮し、既存の提案の限界を克服可能である膨張素子が供されることが希求されている。
【0013】
発明の要旨
本発明は、近位端に延伸シール可能部位を有する管状ガイドワイヤアセンブリの遠位端に近接して繰り替えし膨張可能なガス充填膨張素子を有する、血管の手術に有用なガイドワイヤ膨張システムである。ガス膨張/排気システムは、ガイドワイヤアセンブリの近位端に取り外し可能に接続されており、ガイドワイヤから空気を排気可能な排気システムと、膨張バルーンを複数回膨張させるべく、圧力が付与されたガスをガイドワイヤに供給する膨張システムとを有する。シーリングシステムもガイドワイヤアセンブリの近位端に除去可能に連結されており、前記延伸シール可能部位に沿って管状の前記ガイドワイヤアセンブリの複数個の気密シールの1つを形成するべく、前記延伸シール可能部位に沿って複数個に分離された位置の1つで前記延伸シール可能部位を選択的にシールする。膨張素子の各回の収縮で、該膨張素子の血管下流側に血液流が流れ込み、延伸シール可能部位における最後のシール部位に近接する部位が開放されて、膨張素子が速やかに収縮する。
【0014】
本発明におけるガイドワイヤ膨張システムの利点は、血管手術の間、1以上のオーバー・ザ・ワイヤカテーテルに対して、ガイドワイヤアセンブリの近位端の間で機械的な接続及び拘束から解放されて一般的な可変ガイドワイヤとして機能し、前記膨張素子が繰り返し膨張及び収縮可能であることにある。代替的に、迅速な可変カテーテルシステムとして使用するために、本発明のガイドワイヤアセンブリを短くすることもできる。液体が充填される膨張素子とは異なり、本発明では、手術の間、操作者が短い周期で複数回ガス充填膨張素子を膨張させることが可能となるほど、迅速な膨張と収縮を繰り返しおこなうことができる。これにより、下流側の組織に損害を与える潜在的な危険性が低減する。他のガス充填膨張素子とは異なり、本発明は、簡素であり、ガイドワイヤを一般的な可変ガイドワイヤとして使用することができる。ガイドワイヤの内部で機械的な配置やバルブ機構が複雑となってコスト上昇を招くこともなく、システムが複雑化することや、故障を起こす可能性を低減することもできる。
【0015】
好適な実施形態では、延伸シール可能部位は捲縮部位を有し、シーリング機構は捲縮機構を有する。この捲縮機構は、捲縮部位近傍を複数回捲縮及び切断することが可能な程度の長さを有し、好ましくは、直径はガイドワイヤの本体の直径に等しいか若干小さい。捲縮機構は、ガイドワイヤの捲縮部位を捲縮して該ガイドワイヤを複数回シールする。好ましくは、ガス膨張/排気システムと、シーリングシステムの捲縮機構とは、手持ち式装置の一部として組み込まれている。膨張素子の各回の収縮で、該膨張素子の血管下流側に血液流が流れ込み、延伸シール可能部位における最後のシール部位に近接する部位が開放されて、膨張素子が速やかに収縮する。好ましくは、ガイドワイヤの延伸捲縮部位は寸法取りされ、シール部位の捲縮機構の有効外径が前記ガイドワイヤアセンブリの本体の外径と同等の大きさとなるように、前記捲縮機構が配置されている。
【0016】
代替的な実施形態では、シーリング手段は、ガイドワイヤアセンブリと膨張/収縮システムとの間の気密シールを維持する一方、シール可能部位の近位端に閉塞材が選択的に挿入された閉塞機構を有する。一実施形態では、閉塞材はワックス又はゲルであり、シーリングシステムは、一旦ワックス/ゲルが挿入された際にシール可能部位の外方から過剰のワックス/ゲルを取り除く拭き取り機構を有する。この実施形態では、シール可能部位は、シールの末梢のシール可能部位を切断するか、又は、シール可能部位の近位端を加熱することにより、開放される。
【0017】
好適な実施形態では、冠状動脈の手術は、ガイドワイヤアセンブリは、少なくとも40cm、より好ましくは100cmの有効長と、0.060インチ未満、より好ましくは0.018インチ未満の外径を有し、前記延伸シール可能部位が少なくとも1cm、より好ましくは少なくとも5cmの有効長と、0.050インチ未満、より好ましくは0.012インチ未満の外径とを有し、前記膨張素子が2分未満、より好ましくは1分未満で収縮する。
【0018】
この実施形態は、特に、伏在静脈の冠状動脈バイパス移植手術を含むような、血管除去インターベンショナル手術における遠位動脈塞栓術保護で行われる。又は、ガイドワイヤ膨張システムと、ガイドワイヤアセンブリとを構成・寸法取りして、抹消の血管手術又は神経血管手術に使用するようにしてもよい。
【0019】
好適な実施形態では、膨張システムは、膨張バルーンを1回膨張させるために十分な体積の生体適合性ガスを含むシリンジを有し、このため、生体適合性ガスのシステムからのリークが最小限に抑制される。好ましい実施形態では、消毒されたパッケージがパッケージ化されるとともに組み立てられ、生体適合性ガスのみが充填された際に、消毒された前記パッケージ内のガスで血管を満たす。
【0020】
好適な実施形態の詳細な説明
図1、図2を参照し、本発明に係るガイドワイヤ膨張システム20の全体的な操作につき説明する。ガイドワイヤ膨張システム20は、ガイドワイヤアセンブリ22と、シーリングシステム60と、ガス膨張/排気システム80とを有する。
【0021】
ガイドワイヤアセンブリ22は、管状部材であり、近位部位24と遠位部位26を有する。本発明において、「近位」「遠位」は、素子の操作機構に対しての文言である。例えば、ガイドワイヤアセンブリ22の素子の遠位端は、血管に先に挿入される部位である。一方、近位端は患者の外部に露出したままの部位であり、このため、素子の操作機構に近い位置にある。延伸シール可能部位28は、ガイドワイヤアセンブリ22の近位部位24に最も近接する。好ましくは、シール可能部位28は、ガイドワイヤアセンブリ22の本体部位30の外径に比して小さい外径を有する管状部分からなる捲縮可能な部位である。捲縮可能な部位の直径は、ガイドワイヤを有効に使用可能な寸法であればよいが、直径をより小さくすることが、捲縮可能な部位をシールする際に余分な力を必要とせず、且つ捲縮するときに過度に大きな捲縮シールとならないことが理解されよう。膨張バルーン32は、ガイドワイヤアセンブリ22の遠位部位26に配設される。膨張バルーン32は、ガイドワイヤアセンブリ22の近位部位24の近位端36と内腔34を介して流体操作的に接続されており、内腔34とバルーン32は、チャネル又はホール35によって連通されている。好適な実施の形態において、ガイドワイヤアセンブリ22の遠位部位26の遠位端40には、可撓性チップ38が配設されている。ガイドワイヤアセンブリ22の遠位部位26には、ガイドワイヤアセンブリ22の遠位部位26の可撓性と移動特性を向上させるためにテーパ部位42を設けることが好ましい。
【0022】
シーリングシステム60は、ガス膨張/排気システム80をも含む手持ち式の装置の一部として使用される。又は、シーリングシステム60は、ガス膨張/排気システム80とは完全に別個の独立した構成部品であってもよい。シーリングシステム60は、ガイドワイヤアセンブリ22の近位部位24の近位端36が、シーリングシステム60に関連してシール可能部位28の少なくとも一部分で操作可能部位とするために挿入可能である、第1絞り部62を有する。さらに、シーリングシステム60は、ガス膨張/排気システム80に連通された第2絞り部64を有する。好適な実施形態においては、シーリングシステム60は、捲縮機構66とシーリング機構68とを有する。第1絞り部62から第2絞り部64へは通路70が形成され、捲縮機構66とシーリング機構68の双方を経由する流路が設けられている。好ましくは、シール可能部位28の少なくとも一部分は、捲縮機構66とシーリング機構68とを拘束するのに十分な距離で第1絞り部62に挿入されている。
【0023】
捲縮機構66の好適な形態を、図12〜図14に示す。捲縮機構66は、シール可能部位28を捲縮して1対のローラ76、78で保持可能な回転可能カム配列74を動作させるハンドル72を有する。シーリング機構68は、通路70に沿って捲縮機構66の近位に配設された回転可能な止血バルブであることが好ましい。捲縮機構66とシーリング機構68は、通路70の直線部分に沿って互いに同軸上に配置されていると好適である。この実施形態では、近位端36がシーリング機構68の止血バルブを拘束するまで、ガイドワイヤアセンブリ22の近位部位24の近位端36が第1絞り部62に挿入されるとき、シール可能部位28は、捲縮機構66と関連して適切に配置される。
【0024】
この実施形態において、シーリング機構68の拘束部位と捲縮機構66との間の相対的な距離が、図1、図2に示されるように形成される気密なシール部位のシール可能部28に沿った複数の箇所の相対距離に対応することが諒解されよう。ガイドワイヤアセンブリ22の膨張バルーン32の複数回の膨張・収縮を可能とするには、延伸シール可能部位28の長さは、捲縮機構66とシーリング機構68との間の距離の少なくとも2倍以上とするべきである。
【0025】
ガス膨張/排気システム80は、導管82を介してシーリングシステム60の第2絞り部64に接続されている。ガス膨張/排気しシステム80は、1つの排気システム86と膨張システム88とを選択的に導管82に接続するバルブ配列84を有するものであることが好ましい。排気システム86は、ガイドワイヤアセンブリ22、通路70及び導管82から空気を排気するために使用される。膨張システム88は、膨張バルーン32を複数回膨張させるために十分な生体適合性のガスを貯留している。生体適合性のガスの好適な例は、二酸化炭素である。本発明において使用可能な他の生体適合性ガスは、酸素、窒素、亜酸化窒素等である。好適ではないが、本発明が意図する迅速な膨張や収縮が十分に可能な表面張力の流体が得られるのであれば、低粘度の生体適合性液体や泡を使用することもできる。付加的に、圧力ゲージ90を膨張システム88に設けるようにしてもよい。
【0026】
ガスは、二酸化炭素のような生体適合性ガスであることが好ましい。本発明において使用可能な他の生体適合性ガスは、酸素、窒素、亜酸化窒素等である。非生体適合性ガスであっても使用は可能であるが、血液に溶解する生体適合性ガスは、システムからの漏洩現象による空気塞栓を引き起こさないという点から好適である。また、生体適合性ガスは、この場合、生体適合性ガスが周囲の空気に比して血液に効率的に溶解し易くなるという観点から、溶解性に加えて優れた駆動勾配を有するものであることが好ましい。好適ではないが、本発明が意図する迅速な膨張や収縮が十分に可能な表面張力の流体が得られるのであれば、低粘度の生体適合性液体や泡を使用することもできる。
【0027】
仮に、膨張バルーン32を有するガイドワイヤアセンブリ22がバルーンの如何なる漏洩も破損もなく繰り返して膨張と収縮が可能であるものであるとすれば、膨張/排気システム80の排気部位がガイドワイヤアセンブリ22及びシーリングシステム60内の空気が如何なる構成部品の故障、漏洩、破損現象においても血液流に導入されることのないことを保証するほどに安全な効果を意図するものであっても、該膨張/排気システム80の排気部位が必要でないものであることが諒解されよう。
【0028】
図3a〜3d、図4a、4bに示される好適な実施の形態では、本体部位30は、主に、外径が0.013インチで且つ内径が0.007インチであるステンレス鋼皮下注射管から形成されている。シール可能部位28が切断された際に1分未満の所望の時間で無抵抗の収縮を達成するべく、本体部位30の内径は少なくとも0.002インチであることが好ましい。ガイドワイヤアセンブリ22のシール可能部位28は、ステンレス鋼からなる捲縮管で形成され、0.009〜0.115インチの外径と少なくとも0.002インチ、好ましくはおよそ0.005インチの内径を有する。好ましくは、シール可能部位28は、十分な強度のレーザ溶接による近位部位24に固定されている。又は、シール可能部位28を、ガイドワイヤアセンブリ22の本体部位30の近位部位24の部分の中央研磨部や外径減少部に形成するようにしてもよい。他の実施形態では、シール可能部位を、ガイドワイヤアセンブリ22の本体部位30の近位部位24の一部を、特定のシール技術に適切となるように改良や処理を行って設けるようにしてもよい。図4aに示すように、一実施形態では、シール可能部位28の遠位端は、好ましくは、本体部位30の面取りされた近位端内の中央領域に位置する。代替的に、図4bに示すように、面取りされた捲縮配列又は個別の接合/捲縮管、類似の管状接合配列を採用することができる。好ましくは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の保護ポリマー被覆56又は親水性被覆を、本体部位30を囲繞する被覆56のように公知の手法によって施す。保護ポリマー被覆56の好適な厚みは0.0004±0.0003インチであり、ガイドワイヤアセンブリ22の本体部位30の有効外径の場合、0.014インチである。
【0029】
この実施形態では、シール可能部位28は、機密シールとするために変形され、その変形を保持する材質であれば、作製可能である。捲縮と供給のため、シール可能部位28は、手袋をはめた手に刺さることが可能であるほど鋭利で固い部位が存在しないことが好ましい。好適な実施の形態では、シール可能部位28の近位端36の1インチ未満以内で把持することができなければ、シール可能部位28の与えられた近位端36は、標準的な外科用手袋を貫通しない。加えて、シール可能部位28は、カテーテル素子がシール可能部位28を繰り返し通過することを可能とする引っ張り抵抗、曲げ抵抗の点から、十分な長さを有するものでなければならない。
【0030】
この実施形態では、本体部位30は、Ni−Tiを使用した遠位端26、又はレーザ溶接48で本体部位30にレーザ溶接されたステンレス鋼スリーブ46を固定し、捲縮50で遠位端26に捲縮する。遠位端26は、好適には、内径が0.045インチであり且つテーパ部42を形成するために外径が0.014〜0.0075インチの範囲であるNi−Ti合金からなり、中央部研磨工程が略されることによって形成されたものである。好ましくは、遠位端は一対の巻線部を有し、近位チップ巻線52と遠位チップ巻線54は、縦方向に離間してホール35に隣接しており、バルーン32を遠位端26に結合するより良好な表面を支援する。この配列は、生体適合性ガスで充填されたバルーン32が2つの巻線部52、54に比して放射線透過性となった際に、蛍光透視下にバルーン32の位置の可視性が向上する傾向にあることを示すものである。又は、放射線不透過性/MRIのマーカーとして供するため、膨張バルーン32に近接する遠位部位26周辺に白金マーカー帯を位置させるようにしてもよい。可撓性チップ38は、好適には捲縮54によって膨張バルーン28に離間する遠位部位26に接して巻回されている。又は、チップ38にスリーブを溶接し、テーパ部42をこのスリーブに挿入して捲縮することもできる。
【0031】
また、ガイドワイヤアセンブリ22を構成するに際しては、ガイドワイヤに要求される可撓性とトルク特性を有する材料であるならば、多くの他の合金やポリマーを使用することができ、十分な強度と気密シールを得ることができる接合手法であるならば、他の接合手法を採用することができる。そのような材料としては、特に限定されるものではないが、Ni−Ti、17−7ステンレス鋼、304ステンレス鋼、コバルト超合金、他のポリマー、編み込まれた材料、合金が挙げられる。ガイドワイヤアセンブリ22を構成する接合手法としては、特に限定されるものではないが、溶接、機械的嵌合、接着、スリーブ配列、これらの併用が挙げられる。
【0032】
バルーン32は、膨張可能なポリマーやゴムからなる。好ましくは、膨張バルーンは、バルーンを予備伸張させるために予備的に膨張されており、このため、バルーン膨張は、圧力に対して一層線的である。好ましくは、ガスシステム80によって供給される圧力は、バルーン32の弾性限界内に収められるように設定される。バルーンを2層構造とし、バルーンの層間にガス及び/又は液体を供給することは、蛍光透視下にガイドワイヤアセンブリ22の遠位端の可視性を向上させるのに適した別の実施形態において採用される。
【0033】
実際には、ガイドワイヤ膨張システム20の使用に先駆け、医療技術者は、部材を血管内腔に挿入する。ガイドワイヤアセンブリ22の近位部位24が、第1絞り部62に挿入されてシーリング機構68を介して接続される。ガイドワイヤアセンブリ22の遠位部位26が、血管の内腔に挿入され、膨張バルーン32が血管を膨張させる部位まで挿入される。バルブ配列84が排気のためにセットされる。排気システム86の第1シリンジプランジャ92がスライドするように引き出されて、ガイドワイヤアセンブリ22から空気が除去される。その後、バルブ配列84が膨張のためにセットされる。膨張システム88の第2シリンジプランジャ94がスライドするように押し込まれて、不活性ガスがガイドワイヤアセンブリ22に導入される。不活性ガスは、図2に示すように膨張バルーン32を膨張させる。膨張の間、医療技術者は、膨張バルーン32が膨張した際、該膨張バルーン32の相対的な寸法を評価するべく、また、膨張圧力が膨張バルーン32の破裂限界を超えることのないように、圧力ゲージ90を監視する。膨張バルーン32の膨張に続いて、捲縮機構66がガイドワイヤアセンブリ22のシール可能部位28を捲縮し、これにより、膨張バルーン32が膨張した状態を保持するようにガイドワイヤアセンブリ22がシールされる。シーリング機構68が解除され、ガイドワイヤアセンブリ22の近位部位24が機械的に又は他の拘束から解放されるように、図3に示すように近位部位24が第1絞り部62から除去され、一般的なガイドワイヤとして機能する。医療技術者が膨張バルーン32を縮小させようとする場合、シール可能部位28が、該シール可能部位28に存在する捲縮部に対して医療用ハサミ等のようなものが使用されて切断される。医療技術者が膨張バルーン32を再膨張させる必要があると認める場合、菌位部位24が第1絞り部62に再挿入される。その後、シーリング機構68が付勢され、排気/膨張過程が繰り返される。シール可能部位28を切断するために、捲縮ハンドル72を分離して配列するようにしてもよいことが諒解されよう。又は、折り込み部を後や前に繰り返し折り曲げたりすることができる等、捲縮や供給が容易となるように、シール可能部位28に対し、選択した部位に折り込みを入れたり他の弱体化方法を行ったりしてもよい。別の実施形態では、シール可能部位28は、シール可能部位の供給を容易とするため、シール可能部位を脆弱な金属を使用してせん断するよりは寧ろ、折り取られる。
【0034】
図5に、代替的に使用可能な膨張/排気アセンブリ80を示す。アセンブリ本体96は、膨張シリンジ98と排気シリンジ100を別個に有する。アセンブリ本体96は、圧力ゲージ90を有する。アセンブリ本体96には、捲縮機構66とシーリング機構68とを具備する構造体102が連結されている。アセンブリ本体96の表面には、バルブ配列84が装着されている。アセンブリ本体96には、2個の把持用孔部104が設けられている。アセンブリ本体96には、把持部106が連結されている。好適な実施の形態において、アセンブリ本体96は適切な不活性ポリマーから構成されているが、医療用素子の構成材料として使用されている大多数のポリマーを使用することができる。別の実施形態では、アセンブリ本体96は、適切な金属合金、強化ガラス、又はそれらの組み合わせによって構成される。
【0035】
図6に、代替的なガス膨張/排気システム80を示す。バルブスイッチ108は、3個のバルブ継手110を有する。1つの内部連結継手110は、排気チャンバ112に連結されている。排気チャンバ112内部には、排気シリンジ100が装着されている。別の内部連結継手110には、圧力ゲージ90が連結されている。圧力ゲージ90は、膨張チャンバ114と連通されている。膨張チャンバ114の内部には、膨張シリンジ98が装着されている。最後の内部連結継手110は、構造体116に連結されている。構造体116は、捲縮機構66とシーリング機構68とを具備する。安全な測定のためにガスをシステム80の内部で一方向にのみ流通させるべく、内部連結継手110と、排気チャンバ112及び膨張チャンバ114のそれぞれとの間に、一方向逆止弁111、113を連結することが好ましい。逆止弁113は、システムから排気された空気が再混入することを防止し、二酸化炭素ガスのみが装置の外部に送気されるようにする。
【0036】
図7及び図8に、代替的なガス膨張/排気システム80を示す。アセンブリ本体118は、膨張チャンバ114と排気チャンバ112とを具備する。膨張チャンバ114は、膨張シリンジ98を有する。排気チャンバ112は、排気シリンジ100を有する。バルブスイッチ108は、アセンブリ本体118の外装として装着されている。圧力ゲージ90は、アセンブリ本体118に組み込まれている。アセンブリ本体118には、把持部106が設けられている。導管122がアセンブリ本体118に連結されている。溝112の遠位端には、構造体124が位置する。構造体124は、捲縮機構66とシーリング機構68とを具備する。
【0037】
図9に、シーリングシステム60の一実施形態を示す。シーリングシステム60は、好ましくは、捲縮機構66とシーリング機構68とを具備する。捲縮機構66は、捲縮本体126、ハンドル72、ハンドル戻し128及び捲縮絞り130を有する。シーリング機構68は、シール本体132と、シーリング絞り134とを有する。シーリングシステム60には、捲縮絞り130及びシーリング絞り134に内部連通するシーリング孔136が設けられている。
【0038】
図10に、代替的なガス膨張/排気システム80を示す。バルブスイッチ108はポート138を有し、このポート138は、逆止弁111を介するとともに、排気シリンジ100に接続されたホース140に連結されている。バルブスイッチ108のうちの1つには、膨張マニホールド142が連結されている。膨張マニホールド142は、コネクタ146と圧力ゲージ90が連結されている。膨張マニホールド142は、3個の逆止弁144a、144b、144cを有する。各逆止弁144は、それぞれ、膨張シリンジ98a、98b、98cに連結されている。この実施形態においては、排気シリンジ100は、圧力ゲージ90の後方に装着されている。他の実施形態と同様に、導管82の遠位端にシーリングシステム60が連結されている。シーリングシステム60は、シーリング機構68と捲縮機構66とを具備する。
【0039】
図11に、構成部品が共通のハウジング150に配設されていることを除いて、図10に示す実施形態と同様に構成された代替的なガス膨張/排気システム80を示す。ハウジング150は、連結具141、導管82及びバルブスイッチ108を介して内部連通された内部通路を有し、バルブスイッチ108を排気シリンジ100、膨張シリンジ98a、98b、98c及び圧力ゲージ90に連結する。ハウジング150は、3個の膨張シリンジ98a、98b、98cによってチャンバが形成される構造体152を含む。また、ハウジング150は、隣接する膨張シリンジ98同士の間に設けられた外部把持部106と内部把持部154として形成される構造体を有する。ハウジング150は、一体的なハウジング150の一部として、一体的な排気シリンジ100と圧力ゲージ90とを有する構造体を含む。
【0040】
図18と図19に、この図11に示される代替的な実施形態を示す。内部にシールされた通路を形成するべくハウジング150を使用するよりも寧ろ、組み立てられ、図10に示す構造に実質的に類似のガス膨張/排気システム80は、ハウジング150がシステム80の周囲の保護的且つ機能的な容器となるように、ハウジング150内部にしっかりと配置される。図18の分解図に示すように、上記したシステム80の構成部品は、ハウジングへの収容に先んじて組み立てられる。上記した構成部品に加え、この分解図には、2つのさらなる構成部品が示されている。T字型コネクタ143の一端には圧力ゲージ90、他端にはコネクタ146が媒介物として連結される。さらに、連結器145が、バルブスイッチ108をT字型コネクタ143に内部連結する。上記の構成部品の組立体は、図19に示すように、上方カバーハウジング151内に組み立てられたシステムが堅牢に配置されることによって完成する。上方ハウジング151に接合されて最終的にハウジング150を構成するのに適合した下方カバーハウジング153も、図19に併せて示した。
【0041】
上方ハウジング151と下方ハウジング153との接合は、接着結合、熱結合、化学的結合、圧着、留め金、クリップ、ねじやボルトの緊締等の無数の手法によって行うことができる。
【0042】
図10、図11、図18及び図19に示す実施形態では、バルーン32の有効圧力が2気圧未満とされており、従って、患者の体内で漏洩するガスの全体積が低減される。所望の膨張圧力及び膨張サイクルの全回数に依存して、膨張シリンジ98内の圧縮ガスの全量が重要となる。仮に漏洩が起こるとすれば、膨張シリンジ98の全量は、その漏洩に対して感受性を示すであろう。図10、図11に示される実施形態において、各々の膨張に個別に膨張シリンジ98a、98b、98cを使用することにより、これら代替的な実施形態では、システム20の漏洩によって患者の体内に入り込む圧縮ガスの全量を単純な方法で低減することができるのである。
【0043】
同様の結果は、ルアーロック(luer lock)等の方法でシーリングシステム60に直接的に個別の膨張シリンジ98a、98b、98cを手動で押した場合や排気シリンジ100を手動で押した場合にも得ることができる。この実施形態では、好適な実施形態ほど迅速、簡便ではなさそうであるが、この代替案では、ハウジング150内の導管80に相当する分だけガスを減じることができるとともに、バルブスイッチ108を不要とすることができる。
【0044】
代替的な実施形態では、シーリングシステム60は、延伸シール可能部位28の進路に沿って、複数の気密シールを達成する捲縮以外の手法を使用できる。一実施形態では、図15に示すように、シール可能部位28の近位端に、ワックス、プラスチック、ポリマー、金属等からなる挿入物又は閉塞物等のような、様々な形態のシール材158が挿入される。導管82は、導管絞り160を経由してシーリング機構162に連結されている。この実施形態では、シール材158は、シール本体166内に存在するシール閉じ込め層164に拘束されている。この実施形態において、シール材158は、高温で流動するとともにシーリングシステム60の消毒時に溶解するワックス又はゲルであることが好ましい。シール閉じ込め層164は、金属層か、又は、消毒過程ないし高温露呈過程で流動する物質を拘束可能な非金属材からなる。シール可能部位28の近位端は、該近位端が操作可能なOリング166、又は、シール可能で変形可能な材質からなる他の形態、例えば、シリコーン穴シールや同様の膜シールを通過するまで、第1絞り部62を介して挿入される。シール可能部位28をシールすることを所望する場合、シール可能部位28は、第2の付加的シールであるOリング168を通過し、シール閉じ込め層164を介してシール材158まで挿入される。シール材158は、シール可能部位28の近位端に設けられており、ガイドワイヤアセンブリ22が排出されることを阻止する。シール可能部位28は、操作可能なOリング166と第1絞り部62とを介してスライドするように引き出され、ガイドワイヤアセンブリ22がシーリング機構162から効果的に解放される。他の代替的な実施形態では、延伸シール可能部位28に沿って収縮部が存在する。この収縮部は、シール可能部位28が収縮部を形成するために金属やポリマーで形成されている場合、熱によって設けられる。又は、シール可能部位28に収縮部を形成するため、電気的又は磁気的エネルギのアークや溶接を行うようにしてもよい。一実施形態では、シールと同じ目的を得、且つシール可能部位28を供給するべく、捲縮機構66に代え、スポット溶接と同等なものが使用される。別の実施形態では、ガイドワイヤアセンブリ22をシールするべく他の手法が採用される。これらの方法には、熱源を使用してシール可能部を溶解する手法、熱源を糊やゲルに加える手法、閉塞材を挿入することを含む手法、シール材を操作する磁石を使用する手法、小さな膨張素子を使用する手法が含まれるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0045】
実施形態で明記したシール方法に依存し、異なった収縮方法が採用される。好適な実施形態では、シール可能部位28は、該シール可能部位28の近位端に位置するシール材158に対して末端であるシール可能部位28のせん断、破断、開放を介しての収縮が可能な程度に十分な長さである。シール可能部位28の十分な長さは、ガイドワイヤアセンブリ22を、膨張バルーン32の複数回の膨張及び収縮を行うガス膨張/排気システム80に接続することを可能とする。他の実施形態では、シール材158の閉塞が除去されてシール材158の溶解を含む収縮方法であって、シール可能部位28をせん断することを必要としない他の方法が採用される。
【0046】
一実施形態では、ガイドワイヤ膨張システム20は、好ましくは、予備的に組み立てられ、適切な生体適合性ガスからなる周囲とパッケージ化されたものである。図16に、組み込まれてパッケージ化されたガイドワイヤ膨張システム20の一実施形態を示す。このガイドワイヤ膨張システム20は、シールチャンバ170に組み込まれてパッケージ化されている。シールチャンバ170は、概ね、通気ダクト171、シール操作ポート173、雰囲気制御システム175によって構成されている。通気ダクト171と雰囲気制御システム175は、シールチャンバ170内の生体適合性ガス雰囲気を維持する全体的システムである。チャンバ170内のセンサ的読み取り部は、チャンバ170内の生体適合性ガスのレベルを補正するために必要なデータを雰囲気制御システム175に提供する。貯留された生体適合性ガスは、通気ダクト171を介してチャンバ170に導入される。ガイドワイヤ膨張システム20及び/又は予備的に組み立てられた構成部品の組み立て及びパッケージ化は、シール操作ポート172を使用して実施される。このポート172は、チャンバ170外部に位置する組み立て者又はパッケージ化者が、実際の人的接触を介したり、又は、ガスないし空気中に含まれる所望しない混入物の導入を介したりすることに起因して、混入物を導入することなくチャンバの内容物に接近できるように、消毒された上シールされている。これらのポート172は、可撓性のグローブ仕様付属部品が付設されるか、又は、チャンバ170の外部の制御回路によって、該チャンバ170内部で操作可能なロボット的装置によって構成される。図16に示すように、チャンバ170に2以上のチャンバを連結するようにしてもよい。
【0047】
ガイドワイヤ膨張システム20とそれに対応する構成部品とをチャンバ170内に置き、ガイドワイヤ膨張システム20を形成するべく、ガイドワイヤアセンブリ22、シーリングシステム60、及びガス膨張/排気システム80を組み込むとともに、生体適合性パッケージを置換する。生体適合性パッケージ174は、密閉してシールされ、これにより、生体適合性パッケージ174及びガイドワイヤ膨張システム20の双方の内部が単に生体適合性ガスとなる。好適な実施形態において、パッケージ174は、図17に示される。パッケージ174は、好ましくは、金属泊の小袋からなる。この小袋は、次の積層品が医学的にまとめられた薄膜である:8.75ミクロンの金属泊層、接着層、白色ポリエチレン層、12ミクロンPET層。小袋174の好適な合計厚みはおよそ3.6mmであり、最小接合強度は1ポンドである。加えて、薄膜の好適な防壁特性は、酸素透過率<0.01cc/100平方インチ/24時間(73°F、相対湿度0%)ASTM3985、水分蒸気透過率<0.01gmH2O/100平方インチ/24時間(100°F、相対湿度90%)ASTMF 1249である。当業者であれば、生体適合性小袋174がボール紙製箱、プラスチック製収容体等のような、外部パッケージ又は収容体の内部に収容及び/又は連結されていてもよいことは容易に諒解できよう。この種の外部パッケージは、生体適合性パッケージ174の輸送、標識付、取り扱いを容易にする。
【0048】
実際には、医療技術者は、移動するガイドワイヤアセンブリ22を介して血液の内腔に接近する。ガイドワイヤ膨張システム20が生体適合性パッケージ174から除去される。可撓性チップ38が挿入されて血管を膨張させる箇所で操作される。バルブ配列84が排気位置に位置合わせされ、第1シリンジプランジャ92がスライドするように移動されて、ガイドワイヤアセンブリ22内に存在するガスが排気される。バルブ配列84が膨張位置に位置合わせされ、第2シリンジプランジャ94がスライドするように移動されて、膨張バルーン32が膨張される。
【0049】
膨張バルーン32の次なる膨張に際しては、捲縮機構66のハンドル72が、捲縮を行い、好ましくはシール可能部位28を供給するローラ76及びローラ78で押し込まれる。この実施形態では、シール可能部位28が供給されると、有効なシールが即座に形成される。シーリング機構68が解除されるとともに、ガイドワイヤアセンブリ22がシーリングシステム60から完全に除去され、膨張体の処置が行われる間、膨張バルーン32が膨張した状態を維持する。次なる処置では、シール可能部位28がせん断もしくは破断され、その結果、膨張バルーン32が収縮する。膨張処置が終了していれば、ガイドワイヤアセンブリ22が血管の内腔から除去される。さらに別の処置が必要な場合、シール可能部位28が第1絞り部62を介してシーリングシステムに再連結される。シーリング機構68が締め直され、排気/膨張過程が繰り返される。
【0050】
本発明に係る好適な実施の形態では、ガイドワイヤ膨張システム20は、米国特許第5,370,609号又は米国特許第5,496,267号に記載されているように、糊状沈着物の切除や血栓摘出術用のガイドワイヤとして使用される。なお、米国特許第5,370,609号及び米国特許第5,496,267号における開示事項を本明細書の一部として援用する。これらの実施形態の各々では、ガイドワイヤ膨張システム20が患者の体内に導入され、膨張バルーン32が膨張され、その後、糊状沈着物切除用カテーテルや血栓摘出術用カテーテルがガイドワイヤアセンブリ22の近位端36を超えてスライドされ、膨張バルーンの位置に最も近接するまで前進される。細かい血管を閉塞するべく、ガイドワイヤアセンブリ22のシール可能部位28がバルーン32を収縮させる間の所定の最大長の時間内で手術が行われ、血管中の血液流が再開される。手術の方式に依存して、カテーテルが血管から除去されるか、又は、留置される。好ましくは、治療の際に除去された廃棄物や他の血小板の吸引は、バルーン32が収縮する前に行われ、バルーン32は、手術が再開される前に再膨張される。
【0051】
液体の代替にガスが膨張媒体として使用されていることから、ガイドワイヤアセンブリ22の壁の厚みと、管状部材の強度とが、理想的な屈強ガイドワイヤの強度と可撓性に適合するほど向上していることが諒解されよう。結果的に強度の向上は目覚ましく、この理由は、式(R(0)**4−R(i)**4)として規定される管状部材の強度が、壁の厚みが増したことに伴ってガイドワイヤアセンブリの強度を効率よく4倍にするからである。
【0052】
膨張バルーンの迅速な膨張と収縮は、受け入れられる膨張素子となる鍵である。膨張流体の粘度と、内腔の排気/膨張を介しての抵抗は、膨張と収縮の有効速度に影響する。膨張流体の粘度を低下させることにより、本発明では、内腔の排気/膨張を介しての抵抗が上昇するという問題を解消することができる。その結果、内腔の排気/膨張ために、所望の膨張及び収縮特性が維持される一方、ガイドワイヤの構造的な堅牢性を著しく向上させるような、内径がより小さい管を使用することが可能となる。抵抗の上昇が許容できることは、より長尺なガイドワイヤ、特に、典型的には長さが変更可能なガイドワイヤが使用可能となることを意味する。液体膨張バルーンを膨張させるために使用される典型的な高粘度膨張流体は、例えば、より長尺な内腔を介して高粘度膨張流体を排出することに関連して収縮時間が長くなるので、長さを変更可能なガイドワイヤには実施展開されない。
【0053】
別の実施形態では、図20に示すように、ガイドワイヤアセンブリ22は、外径0.007インチ、内径0.004インチの連続的なステンレス鋼管を含み、シール可能部位28に沿う箇所を除いて巻回された0.003インチの第2ワイヤを有する構成とされている。膨張バルーン32の遠位端には、所望の可撓性チップ38を取り付けるためにテーパ部が設けられている。第2の非被覆箇所が、膨張バルーン32が堅牢に接合される箇所を超えた箇所であり、且つステンレス鋼の管中である1以上の絞り部とともに、遠位部位に設けられる。この実施形態では、Ni−Ti合金を使用することを回避することができ、ガイドワイヤアセンブリ22に沿ってレーザ溶接やその他の接合技術を使用する必要もないので、コストを低廉化することができる。
【0054】
別の実施形態では、図21に示すように、編み込まれたポリイミド皮下刺激管と、この中に配置されたNi−Tiコア棒体とを有するようにして構成されている。Ni−Tiコア棒体は、ガイドワイヤアセンブリ22に剛性をもたらし、Ni−Ti管に比して低コスト化することができる。代替的に、ポリマー製外側皮下刺激管を炭素繊維で強化複合材とし、皮下刺激管の強度を向上させてもよい。皮下刺激管内の棒体を保護するために多数の変更が可能であり、この実施形態に関しては、フレキシブルチップ38や、皮下刺激管を膨張バルーン32で保護することが含まれる。
【0055】
本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な特定の実施形態を採り得るものであり、従って、例示した実施形態は実例として考慮されるべきで本発明がこれらに限定されるというものではない。本発明の観点に関しては、上記した開示よりも寧ろ添付の特許請求の範囲が参照されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図1は、排気モードである本発明に係るガイドワイヤ膨張システムの概略図である。
【図2】図2は、図1に示されるガイドワイヤ膨張システムの膨張モードである。
【図3】図3a〜図3dは、図1に示されるガイドワイヤアセンブリの側面図である。
【図4】図4a及び図4bは、図3aに示されるガイドワイヤアセンブリの近位部位の断面図である。
【図5】図5は、他の実施形態に係るガス膨張/排気システムの展望図である。
【図6】図6は、他の実施形態に係るガス膨張/排気システムの展望図である。
【図7】図7は、他の実施形態に係るガス膨張/排気システムの展望図である。
【図8】図8は、図7に示されるガス膨張/排気システムの展開図である。
【図9】図9は、図7に示される他の実施形態に係る捲縮機構の展望図である。
【図10】図10は、本発明に係る好適な実施形態のガス膨張/排気システムの上方平面図である。
【図11】図11は、代替的な実施形態に係るガス膨張/排気システムの展望図である。
【図12】図12は、本発明の一実施形態に係るシーリングシステムのための手持ち式装置の終端図である。
【図13】図13は、図12のシーリングシステムの部分図である。
【図14】図14は、図12のシーリングシステムの部分図である。
【図15】図15は、閉塞機構の一実施形態を示すシーリングシステムの代替的な実施形態の断面図である。
【図16】図16は、本発明の観点からパッケージ化されて組み立てられた好適なシールチャンバの展望図である。
【図17】図17は、本発明の一実施形態に係る生体適合性パッケージの側面図である。
【図18】図18は、代替的な実施形態に係るガス膨張/排気システムの展望図である。
【図19】図19は、代替的な実施形態に係るガス膨張/排気システムの接合ハウジングアセンブリの展望図である。
【図20】図20は、図1に示すガイドワイヤアセンブリの代替的な実施形態に係る展望図である。
【図21】図21は、図1に示すガイドワイヤアセンブリの代替的な実施形態に係る展望図である。
【0001】
技術分野
本発明は、概ね、血管の医療素子に関する。一層詳細には、本発明は、繰り返し膨張可能なガス充填膨張素子を採用した血管手術の際に使用されるガイドワイヤ膨張システムに関する。
【0002】
背景技術
動脈疾患には、人体の動脈で起こる損傷が含まれる。疾患を有する血管は、血栓、血小板、血餅等で閉塞され、最終的に、虚血として知られている状態を招く。虚血は、動脈による心筋や他の組織への血液流を実質的に減少ないし喪失させ、影響ある部位への永久的な損傷を引き起こす。動脈疾患が、最も一般的には硬質な血小板や心臓中の冠動脈疾患の情報に関連する一方、末梢血管、大脳血管、等の人体中の他の血管で、動脈や静脈の内腔において硬質な血小板、比較的軟質な血栓又は血餅が生じることに起因して、類似の損傷が起こる。
【0003】
疾患を有する血管を治療するため、様々な血管用医療素子や手術法が開発された。現在の標準的な手術法は、バイパス外科手術(狭小化又は閉塞された周辺の血管が新しい血管に移植される)や、様々な非外科的インターベンショナル血管医療手術である。非外科的インターベンショナル血管医療手術には、血管形成術(血小板や血栓を押し戻すべく、動脈における狭小化ないし閉塞された部位でカテーテルのバルーンを膨張させる)、ステント・グラフト留置術(血小板や血栓を押しとどめるため、動脈における狭小化ないし閉塞された部位に接触して金属メッシュ管を伸張させる)、糊状沈着物の切除(atheroectomy)という形態の除去(debbulking)(硬化した血小板を除去するために使用される高速ないし高出力型の機構が使用される)、血栓摘出術(血餅や血栓を除去するため、ある種の機構が使用されたり、流体注入が行われる)が含まれる。それぞれの血管医療素子では、患者の血管系を介して、所定の治療を施す位置まで可撓性に富むガイドワイヤが送られ、その後、素子の遠位端を含み且つ施す手術に適したカテーテルが、治療位置までガイドワイヤの後を追う。
【0004】
インターベンショナル血管医療手術は、多くの外科的な煩雑さを回避することができるものの、血小板、血栓、その他の断片が動脈の下流側に流れた場合、潜在的な卒中、心筋梗塞(心臓発作)、他の組織の死を招く可能性がある。この潜在的な問題に対する1つの解決策は、治療位置の下流側への血液流を、遮ったり制御したりするための膨張素子を使用することである。血管中に分離空間を形成する膨張素子としての一対のバルーンを使用するカテーテル処置の例は、米国特許第4,573,966号、第4,636,195号、第5,059,178号、第5,320,604号、第5,833,644号、第5,925,016号、第6,022,336号及び第6,176,844号に開示されている。治療位置の上流側又は下流側に膨張素子としての単数個のバルーンを使用するカテーテル処置の例は、米国特許第5,171,221号、第5,195,955号、第5,135,482号、第5,380,284号、第5,688,234号、第5,713,917号、第5,775,327号、第5,792,179号、第5,807,330号、第5,833,650号、第5,843,022号、第6,021,340号、第6,159,195号及び第6,248,121号に開示されている。機械的に膨張する膨張素子を使用するカテーテル処置の例は、米国特許第6,231,588号に示されている。膨張バルーンは、例えば、米国特許第4,838,268号や米国特許第5,209,727号に記載されているように、カテーテルの内部に如何なるガイドワイヤをも具備しない非オーバー・ザ・ワイヤカテーテルにおいても使用されている。
【0005】
血管手術法の一部として膨張素子を使用することは、心臓バイパス血管に施される除去手術において、一層一般的になりつつある。心臓バイパス血管の大多数は、患者の足の内部に存在する伏在静脈から切除されて移植される。伏在静脈は長く、且つ直線的な静脈であり、心臓の血流を確保するのに要する適切量以上の受容能力を有する。一旦移植されると、伏在静脈は、移植された動脈内腔で蓄積される血小板や血餅によって引き起こされる動脈疾患に罹患し易くなる。残念なことに、除去を行う標準的なインターベンショナル血管医療手術は、伏在静脈冠状動脈バイパス移植手術を行う際に、程々に成功しているのみである。伏在静脈冠状動脈バイパス移植手術において、標準的なバルーン血管形成手術の煩雑さの程度は、生来の血管中で「無血流再開現象」を含む動脈塞栓の煩雑さよりも遙かに大きく、また、手術に由来する心筋梗塞を起こす。指向性で回転するレーザ素子による糊状沈着物の切除方法は、高頻度の動脈塞栓と関連し、結果として梗塞が起こる可能性が著しく高くなる。伏在静脈冠状動脈バイパス移植手術にステント・グラフト留置術を採用することは、結果が混在する。ステント・グラフト留置術は、動脈の再狭窄を起こすことはほとんどないが、動脈塞栓や梗塞が起こる危険性を回避することができない。
【0006】
伏在静脈冠状動脈移植閉塞を治療するための標準的な非外科的インターベンショナル手術におけるこれらの欠点を克服するべく、障害に対して保安素子の末梢を使用する塞栓保護法が発展してきた。保安素子の顕著な例は、フィルタ又はバルーンである。糊状沈着物の切除素子ないし血栓摘出術素子に併せて保安素子を使用することは、塞栓が保安素子を超えて移動することを阻止することを意図するものであり、塞栓粒を除去することができるようになるので、心筋梗塞の危険性が低減する。膨張素子がバルーンである場合、バルーンは、末端が治療部位又は病変部位まで挿入されて膨張される。それから治療部位で治療が施され、バルーンは全血液流を遮り、これにより該バルーンを超えて塞栓が移動することが阻止される。治療の後、ある種の粒除去素子では、除去された塞栓をバルーン収縮に先んじて取り除かなければならない。米国特許第5,843,022号では、病変部位ないし初段部位で血管末梢を膨張させるバルーンが使用されている。膨張は高圧水ジェットによって行われ、次に、流体と該流体に同伴した塞栓とが、排出チューブを介して除去される。米国特許第6,135,991号では、血液を流動させるとともに治療素子から近位で塞栓が移動することを妨げる圧力として血管を膨張させるバルーンが開示されている。
【0007】
ガイドワイヤの終端部に膨張バルーンを具備する素子としては、様々な型のものが存在する。米国特許第5,520,645号、第5,779,688号、第5,908,405号には、遠位端に除去可能な膨張バルーンを有するガイドワイヤが開示されている。米国特許第4,573,470号には、カテーテルの内部にガイドワイヤが一体型ユニットとして結合された膨張バルーンを有するガイドワイヤの開示がある。米国特許第5,059,176号、5,167,239号、第5,520,645号、第5,779,688号、第6,050,972号には、バルーンの膨張及び/又は収縮に使用されるバルブが配置された遠位端にバルーンを有する様々なガイドワイヤが開示されている。米国特許第5,908,405号には、ガイドワイヤに対して繰り返し挿入及び引き出し可能な除去可能バルーン部材の配列が開示されている。米国特許第5,776,100号には、遠位端に膨張バルーンが粘着的に結合されるとともに、該膨張バルーンに対して膨張流体を供給するアダプタを近位端に有するガイドワイヤが開示されている。
【0008】
同じ組織を血液に与える余剰の動脈がある脳解剖の場合を除き、動脈に膨張素子を使用することの問題の1つは、血液流が欠如することに起因して、膨張素子の組織下流に被害を与えてしまう可能性があることである。結論として、動脈を完全に遮断する膨張素子は、比較的短期間で展開される。この不利益を克服するべく、膨張素子に関する近年の開発動向の大部分は、フィルタを配置することによって血液を選別する素子に焦点が合わせられている。米国特許第5,827,324号、第5,938,672号、第5,997,558号、第6,080,170号、第6,171,328号、第6,203,561号、第6,245,089号には、カテーテルシステムの遠位端に配置されたフィルタ配列の様々な例が開示されている。フィルタ配列が理論的には膨張素子よりも優れている一方、実際には、この種のフィルタ配列はしばしば閉塞を招き、事実上、フィルタは膨張素子に転換されつつある。また、フィルタ配列は、配置や摘出に関し、膨張素子に比して機構的にも操作的にも複雑である。
【0009】
血管や人工血管(stent)を膨張させるバルーンを具備する血管形成素子やステント・グラフト留置術カテーテル素子の大部分において、ほとんどのカテーテルバルーン膨張素子と同様に大部分のガイドワイヤバルーン膨張素子が、バルーンの膨張媒体として、生理食塩水や、蛍光透視鏡の視覚化(すなわち、コントラスト)のための放射線不透過性マーカーと生理食塩水との混合物のような液体流が使用される。血管バルーンを膨張させる液体流媒体は、概して、液体の膨張特性が均一で予見可能であることと、医師にとって液体媒体が取り扱い易く且つ精通されていることとから、好ましいとされている。例えば、血管形成バルーンの場合、安全上の理由から、膨張流体が非圧縮性であることを余儀なくされ、高圧(20気圧以上)を要する。数多くの利点を有する一方、液体流体には、長尺で短直径の管内では移動に際して高抵抗であるという理由から、膨張バルーンの迅速な収縮にはさほど寄与しない。血管形成手術との関連では、バルーンカテーテルは、ガイドワイヤに比してさらに長尺な内腔を有する。結局、迅速な収縮は可能ではある。しかしながら、ガイドワイヤに関しては、液体が充填された膨張バルーンは、1分以内で収縮させることができず、また、ガイドワイヤの長さに依存して、収縮に数分を要する。結局、ガイドワイヤの終端部で膨張バルーンを繰り返して収縮及び再膨張させることによる血管の全遮断時間を短くすることは実用的ではない。
【0010】
大動脈内膨張素子として収縮及び膨張が迅速な膨張素子が必要である場合、ガス充填バルーンが使用されている。この種の大動脈内膨張素子の例は、米国特許第4,646,719号、第4,733,652号、第5,865,721号、第6,146,372号、第6,245,008号、第6,241,706号に記載されている。大動脈内膨張素子を使用することが効果的である一方、これらの素子は、カテーテルが該大動脈内膨張素子を追い越す能力がないので、ガイドワイヤを使用する設定にはなっていない。
【0011】
初期のカテーテルバルーン素子は、膨張媒体としてガスを使用するものであり、小規模なシリンジ注入システムで体積を増加させるものが米国特許第4,865,587号に開示されている。より近時では、ガイドワイヤ上のガス充填膨張バルーンが米国特許第6,214,567号の代替形態として開示されている。この代替形態のガイドワイヤを如何にシールするかという点に関し、液体流体の形態に使用するバルブ配列に類似したバルブ型配列を行うことのみが示唆されている。類似したガス充填膨張バルーンが、ケンジーナッシュ(Kensey Nash)社によって開発されたアエジスボルテックス(Aegis Vortex)(商標)システムに関連して開示されている。米国特許第6,217,567号公報及びアエジスボルテックスシステムの双方では、閉塞した伏在静脈の冠状動脈バイパス移植を施す一方、閉塞の危険性を最小限にするための遠位保護にガス充填膨張バルーンが使用されている。一旦配置されると、膨張バルーンは、塞栓が血管から吸飲されるまで、糊状沈着物の切除処置プロセスによる塞栓除去を行う。ガスを素子にどのように導入するかという点や、バルーンをどのように収縮させるかという点に関し、特別な装置は開示も示唆もなされていない。
【0012】
血管手術、特に、閉塞された伏在静脈の冠状動脈バイパス移植において、末梢塞栓保護を行うために膨張素子を使用することがより一般的になりつつあるものの、現在行われている提案には、その効果を最小限とする重大な不利な点が存在する。液体膨張バルーンは、依然として過度に長尺であり、収縮に長時間を要し、膨張の下流側に損害を与える危険性がある。膨張フィルタはこの点に着目して設計されているが、閉塞による問題を受け易く、配置と回収が複雑化し、微小な塞栓粒が下流側へ移動する可能性もある。現存のガス充填膨張バルーンは、液体充填膨張バルーンにおける問題点を克服するものではあるが、典型的なものでは、バルブや継手の配列が複雑化する。この点に関して有効で、簡素で、迅速に膨張・収縮し、既存の提案の限界を克服可能である膨張素子が供されることが希求されている。
【0013】
発明の要旨
本発明は、近位端に延伸シール可能部位を有する管状ガイドワイヤアセンブリの遠位端に近接して繰り替えし膨張可能なガス充填膨張素子を有する、血管の手術に有用なガイドワイヤ膨張システムである。ガス膨張/排気システムは、ガイドワイヤアセンブリの近位端に取り外し可能に接続されており、ガイドワイヤから空気を排気可能な排気システムと、膨張バルーンを複数回膨張させるべく、圧力が付与されたガスをガイドワイヤに供給する膨張システムとを有する。シーリングシステムもガイドワイヤアセンブリの近位端に除去可能に連結されており、前記延伸シール可能部位に沿って管状の前記ガイドワイヤアセンブリの複数個の気密シールの1つを形成するべく、前記延伸シール可能部位に沿って複数個に分離された位置の1つで前記延伸シール可能部位を選択的にシールする。膨張素子の各回の収縮で、該膨張素子の血管下流側に血液流が流れ込み、延伸シール可能部位における最後のシール部位に近接する部位が開放されて、膨張素子が速やかに収縮する。
【0014】
本発明におけるガイドワイヤ膨張システムの利点は、血管手術の間、1以上のオーバー・ザ・ワイヤカテーテルに対して、ガイドワイヤアセンブリの近位端の間で機械的な接続及び拘束から解放されて一般的な可変ガイドワイヤとして機能し、前記膨張素子が繰り返し膨張及び収縮可能であることにある。代替的に、迅速な可変カテーテルシステムとして使用するために、本発明のガイドワイヤアセンブリを短くすることもできる。液体が充填される膨張素子とは異なり、本発明では、手術の間、操作者が短い周期で複数回ガス充填膨張素子を膨張させることが可能となるほど、迅速な膨張と収縮を繰り返しおこなうことができる。これにより、下流側の組織に損害を与える潜在的な危険性が低減する。他のガス充填膨張素子とは異なり、本発明は、簡素であり、ガイドワイヤを一般的な可変ガイドワイヤとして使用することができる。ガイドワイヤの内部で機械的な配置やバルブ機構が複雑となってコスト上昇を招くこともなく、システムが複雑化することや、故障を起こす可能性を低減することもできる。
【0015】
好適な実施形態では、延伸シール可能部位は捲縮部位を有し、シーリング機構は捲縮機構を有する。この捲縮機構は、捲縮部位近傍を複数回捲縮及び切断することが可能な程度の長さを有し、好ましくは、直径はガイドワイヤの本体の直径に等しいか若干小さい。捲縮機構は、ガイドワイヤの捲縮部位を捲縮して該ガイドワイヤを複数回シールする。好ましくは、ガス膨張/排気システムと、シーリングシステムの捲縮機構とは、手持ち式装置の一部として組み込まれている。膨張素子の各回の収縮で、該膨張素子の血管下流側に血液流が流れ込み、延伸シール可能部位における最後のシール部位に近接する部位が開放されて、膨張素子が速やかに収縮する。好ましくは、ガイドワイヤの延伸捲縮部位は寸法取りされ、シール部位の捲縮機構の有効外径が前記ガイドワイヤアセンブリの本体の外径と同等の大きさとなるように、前記捲縮機構が配置されている。
【0016】
代替的な実施形態では、シーリング手段は、ガイドワイヤアセンブリと膨張/収縮システムとの間の気密シールを維持する一方、シール可能部位の近位端に閉塞材が選択的に挿入された閉塞機構を有する。一実施形態では、閉塞材はワックス又はゲルであり、シーリングシステムは、一旦ワックス/ゲルが挿入された際にシール可能部位の外方から過剰のワックス/ゲルを取り除く拭き取り機構を有する。この実施形態では、シール可能部位は、シールの末梢のシール可能部位を切断するか、又は、シール可能部位の近位端を加熱することにより、開放される。
【0017】
好適な実施形態では、冠状動脈の手術は、ガイドワイヤアセンブリは、少なくとも40cm、より好ましくは100cmの有効長と、0.060インチ未満、より好ましくは0.018インチ未満の外径を有し、前記延伸シール可能部位が少なくとも1cm、より好ましくは少なくとも5cmの有効長と、0.050インチ未満、より好ましくは0.012インチ未満の外径とを有し、前記膨張素子が2分未満、より好ましくは1分未満で収縮する。
【0018】
この実施形態は、特に、伏在静脈の冠状動脈バイパス移植手術を含むような、血管除去インターベンショナル手術における遠位動脈塞栓術保護で行われる。又は、ガイドワイヤ膨張システムと、ガイドワイヤアセンブリとを構成・寸法取りして、抹消の血管手術又は神経血管手術に使用するようにしてもよい。
【0019】
好適な実施形態では、膨張システムは、膨張バルーンを1回膨張させるために十分な体積の生体適合性ガスを含むシリンジを有し、このため、生体適合性ガスのシステムからのリークが最小限に抑制される。好ましい実施形態では、消毒されたパッケージがパッケージ化されるとともに組み立てられ、生体適合性ガスのみが充填された際に、消毒された前記パッケージ内のガスで血管を満たす。
【0020】
好適な実施形態の詳細な説明
図1、図2を参照し、本発明に係るガイドワイヤ膨張システム20の全体的な操作につき説明する。ガイドワイヤ膨張システム20は、ガイドワイヤアセンブリ22と、シーリングシステム60と、ガス膨張/排気システム80とを有する。
【0021】
ガイドワイヤアセンブリ22は、管状部材であり、近位部位24と遠位部位26を有する。本発明において、「近位」「遠位」は、素子の操作機構に対しての文言である。例えば、ガイドワイヤアセンブリ22の素子の遠位端は、血管に先に挿入される部位である。一方、近位端は患者の外部に露出したままの部位であり、このため、素子の操作機構に近い位置にある。延伸シール可能部位28は、ガイドワイヤアセンブリ22の近位部位24に最も近接する。好ましくは、シール可能部位28は、ガイドワイヤアセンブリ22の本体部位30の外径に比して小さい外径を有する管状部分からなる捲縮可能な部位である。捲縮可能な部位の直径は、ガイドワイヤを有効に使用可能な寸法であればよいが、直径をより小さくすることが、捲縮可能な部位をシールする際に余分な力を必要とせず、且つ捲縮するときに過度に大きな捲縮シールとならないことが理解されよう。膨張バルーン32は、ガイドワイヤアセンブリ22の遠位部位26に配設される。膨張バルーン32は、ガイドワイヤアセンブリ22の近位部位24の近位端36と内腔34を介して流体操作的に接続されており、内腔34とバルーン32は、チャネル又はホール35によって連通されている。好適な実施の形態において、ガイドワイヤアセンブリ22の遠位部位26の遠位端40には、可撓性チップ38が配設されている。ガイドワイヤアセンブリ22の遠位部位26には、ガイドワイヤアセンブリ22の遠位部位26の可撓性と移動特性を向上させるためにテーパ部位42を設けることが好ましい。
【0022】
シーリングシステム60は、ガス膨張/排気システム80をも含む手持ち式の装置の一部として使用される。又は、シーリングシステム60は、ガス膨張/排気システム80とは完全に別個の独立した構成部品であってもよい。シーリングシステム60は、ガイドワイヤアセンブリ22の近位部位24の近位端36が、シーリングシステム60に関連してシール可能部位28の少なくとも一部分で操作可能部位とするために挿入可能である、第1絞り部62を有する。さらに、シーリングシステム60は、ガス膨張/排気システム80に連通された第2絞り部64を有する。好適な実施形態においては、シーリングシステム60は、捲縮機構66とシーリング機構68とを有する。第1絞り部62から第2絞り部64へは通路70が形成され、捲縮機構66とシーリング機構68の双方を経由する流路が設けられている。好ましくは、シール可能部位28の少なくとも一部分は、捲縮機構66とシーリング機構68とを拘束するのに十分な距離で第1絞り部62に挿入されている。
【0023】
捲縮機構66の好適な形態を、図12〜図14に示す。捲縮機構66は、シール可能部位28を捲縮して1対のローラ76、78で保持可能な回転可能カム配列74を動作させるハンドル72を有する。シーリング機構68は、通路70に沿って捲縮機構66の近位に配設された回転可能な止血バルブであることが好ましい。捲縮機構66とシーリング機構68は、通路70の直線部分に沿って互いに同軸上に配置されていると好適である。この実施形態では、近位端36がシーリング機構68の止血バルブを拘束するまで、ガイドワイヤアセンブリ22の近位部位24の近位端36が第1絞り部62に挿入されるとき、シール可能部位28は、捲縮機構66と関連して適切に配置される。
【0024】
この実施形態において、シーリング機構68の拘束部位と捲縮機構66との間の相対的な距離が、図1、図2に示されるように形成される気密なシール部位のシール可能部28に沿った複数の箇所の相対距離に対応することが諒解されよう。ガイドワイヤアセンブリ22の膨張バルーン32の複数回の膨張・収縮を可能とするには、延伸シール可能部位28の長さは、捲縮機構66とシーリング機構68との間の距離の少なくとも2倍以上とするべきである。
【0025】
ガス膨張/排気システム80は、導管82を介してシーリングシステム60の第2絞り部64に接続されている。ガス膨張/排気しシステム80は、1つの排気システム86と膨張システム88とを選択的に導管82に接続するバルブ配列84を有するものであることが好ましい。排気システム86は、ガイドワイヤアセンブリ22、通路70及び導管82から空気を排気するために使用される。膨張システム88は、膨張バルーン32を複数回膨張させるために十分な生体適合性のガスを貯留している。生体適合性のガスの好適な例は、二酸化炭素である。本発明において使用可能な他の生体適合性ガスは、酸素、窒素、亜酸化窒素等である。好適ではないが、本発明が意図する迅速な膨張や収縮が十分に可能な表面張力の流体が得られるのであれば、低粘度の生体適合性液体や泡を使用することもできる。付加的に、圧力ゲージ90を膨張システム88に設けるようにしてもよい。
【0026】
ガスは、二酸化炭素のような生体適合性ガスであることが好ましい。本発明において使用可能な他の生体適合性ガスは、酸素、窒素、亜酸化窒素等である。非生体適合性ガスであっても使用は可能であるが、血液に溶解する生体適合性ガスは、システムからの漏洩現象による空気塞栓を引き起こさないという点から好適である。また、生体適合性ガスは、この場合、生体適合性ガスが周囲の空気に比して血液に効率的に溶解し易くなるという観点から、溶解性に加えて優れた駆動勾配を有するものであることが好ましい。好適ではないが、本発明が意図する迅速な膨張や収縮が十分に可能な表面張力の流体が得られるのであれば、低粘度の生体適合性液体や泡を使用することもできる。
【0027】
仮に、膨張バルーン32を有するガイドワイヤアセンブリ22がバルーンの如何なる漏洩も破損もなく繰り返して膨張と収縮が可能であるものであるとすれば、膨張/排気システム80の排気部位がガイドワイヤアセンブリ22及びシーリングシステム60内の空気が如何なる構成部品の故障、漏洩、破損現象においても血液流に導入されることのないことを保証するほどに安全な効果を意図するものであっても、該膨張/排気システム80の排気部位が必要でないものであることが諒解されよう。
【0028】
図3a〜3d、図4a、4bに示される好適な実施の形態では、本体部位30は、主に、外径が0.013インチで且つ内径が0.007インチであるステンレス鋼皮下注射管から形成されている。シール可能部位28が切断された際に1分未満の所望の時間で無抵抗の収縮を達成するべく、本体部位30の内径は少なくとも0.002インチであることが好ましい。ガイドワイヤアセンブリ22のシール可能部位28は、ステンレス鋼からなる捲縮管で形成され、0.009〜0.115インチの外径と少なくとも0.002インチ、好ましくはおよそ0.005インチの内径を有する。好ましくは、シール可能部位28は、十分な強度のレーザ溶接による近位部位24に固定されている。又は、シール可能部位28を、ガイドワイヤアセンブリ22の本体部位30の近位部位24の部分の中央研磨部や外径減少部に形成するようにしてもよい。他の実施形態では、シール可能部位を、ガイドワイヤアセンブリ22の本体部位30の近位部位24の一部を、特定のシール技術に適切となるように改良や処理を行って設けるようにしてもよい。図4aに示すように、一実施形態では、シール可能部位28の遠位端は、好ましくは、本体部位30の面取りされた近位端内の中央領域に位置する。代替的に、図4bに示すように、面取りされた捲縮配列又は個別の接合/捲縮管、類似の管状接合配列を採用することができる。好ましくは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の保護ポリマー被覆56又は親水性被覆を、本体部位30を囲繞する被覆56のように公知の手法によって施す。保護ポリマー被覆56の好適な厚みは0.0004±0.0003インチであり、ガイドワイヤアセンブリ22の本体部位30の有効外径の場合、0.014インチである。
【0029】
この実施形態では、シール可能部位28は、機密シールとするために変形され、その変形を保持する材質であれば、作製可能である。捲縮と供給のため、シール可能部位28は、手袋をはめた手に刺さることが可能であるほど鋭利で固い部位が存在しないことが好ましい。好適な実施の形態では、シール可能部位28の近位端36の1インチ未満以内で把持することができなければ、シール可能部位28の与えられた近位端36は、標準的な外科用手袋を貫通しない。加えて、シール可能部位28は、カテーテル素子がシール可能部位28を繰り返し通過することを可能とする引っ張り抵抗、曲げ抵抗の点から、十分な長さを有するものでなければならない。
【0030】
この実施形態では、本体部位30は、Ni−Tiを使用した遠位端26、又はレーザ溶接48で本体部位30にレーザ溶接されたステンレス鋼スリーブ46を固定し、捲縮50で遠位端26に捲縮する。遠位端26は、好適には、内径が0.045インチであり且つテーパ部42を形成するために外径が0.014〜0.0075インチの範囲であるNi−Ti合金からなり、中央部研磨工程が略されることによって形成されたものである。好ましくは、遠位端は一対の巻線部を有し、近位チップ巻線52と遠位チップ巻線54は、縦方向に離間してホール35に隣接しており、バルーン32を遠位端26に結合するより良好な表面を支援する。この配列は、生体適合性ガスで充填されたバルーン32が2つの巻線部52、54に比して放射線透過性となった際に、蛍光透視下にバルーン32の位置の可視性が向上する傾向にあることを示すものである。又は、放射線不透過性/MRIのマーカーとして供するため、膨張バルーン32に近接する遠位部位26周辺に白金マーカー帯を位置させるようにしてもよい。可撓性チップ38は、好適には捲縮54によって膨張バルーン28に離間する遠位部位26に接して巻回されている。又は、チップ38にスリーブを溶接し、テーパ部42をこのスリーブに挿入して捲縮することもできる。
【0031】
また、ガイドワイヤアセンブリ22を構成するに際しては、ガイドワイヤに要求される可撓性とトルク特性を有する材料であるならば、多くの他の合金やポリマーを使用することができ、十分な強度と気密シールを得ることができる接合手法であるならば、他の接合手法を採用することができる。そのような材料としては、特に限定されるものではないが、Ni−Ti、17−7ステンレス鋼、304ステンレス鋼、コバルト超合金、他のポリマー、編み込まれた材料、合金が挙げられる。ガイドワイヤアセンブリ22を構成する接合手法としては、特に限定されるものではないが、溶接、機械的嵌合、接着、スリーブ配列、これらの併用が挙げられる。
【0032】
バルーン32は、膨張可能なポリマーやゴムからなる。好ましくは、膨張バルーンは、バルーンを予備伸張させるために予備的に膨張されており、このため、バルーン膨張は、圧力に対して一層線的である。好ましくは、ガスシステム80によって供給される圧力は、バルーン32の弾性限界内に収められるように設定される。バルーンを2層構造とし、バルーンの層間にガス及び/又は液体を供給することは、蛍光透視下にガイドワイヤアセンブリ22の遠位端の可視性を向上させるのに適した別の実施形態において採用される。
【0033】
実際には、ガイドワイヤ膨張システム20の使用に先駆け、医療技術者は、部材を血管内腔に挿入する。ガイドワイヤアセンブリ22の近位部位24が、第1絞り部62に挿入されてシーリング機構68を介して接続される。ガイドワイヤアセンブリ22の遠位部位26が、血管の内腔に挿入され、膨張バルーン32が血管を膨張させる部位まで挿入される。バルブ配列84が排気のためにセットされる。排気システム86の第1シリンジプランジャ92がスライドするように引き出されて、ガイドワイヤアセンブリ22から空気が除去される。その後、バルブ配列84が膨張のためにセットされる。膨張システム88の第2シリンジプランジャ94がスライドするように押し込まれて、不活性ガスがガイドワイヤアセンブリ22に導入される。不活性ガスは、図2に示すように膨張バルーン32を膨張させる。膨張の間、医療技術者は、膨張バルーン32が膨張した際、該膨張バルーン32の相対的な寸法を評価するべく、また、膨張圧力が膨張バルーン32の破裂限界を超えることのないように、圧力ゲージ90を監視する。膨張バルーン32の膨張に続いて、捲縮機構66がガイドワイヤアセンブリ22のシール可能部位28を捲縮し、これにより、膨張バルーン32が膨張した状態を保持するようにガイドワイヤアセンブリ22がシールされる。シーリング機構68が解除され、ガイドワイヤアセンブリ22の近位部位24が機械的に又は他の拘束から解放されるように、図3に示すように近位部位24が第1絞り部62から除去され、一般的なガイドワイヤとして機能する。医療技術者が膨張バルーン32を縮小させようとする場合、シール可能部位28が、該シール可能部位28に存在する捲縮部に対して医療用ハサミ等のようなものが使用されて切断される。医療技術者が膨張バルーン32を再膨張させる必要があると認める場合、菌位部位24が第1絞り部62に再挿入される。その後、シーリング機構68が付勢され、排気/膨張過程が繰り返される。シール可能部位28を切断するために、捲縮ハンドル72を分離して配列するようにしてもよいことが諒解されよう。又は、折り込み部を後や前に繰り返し折り曲げたりすることができる等、捲縮や供給が容易となるように、シール可能部位28に対し、選択した部位に折り込みを入れたり他の弱体化方法を行ったりしてもよい。別の実施形態では、シール可能部位28は、シール可能部位の供給を容易とするため、シール可能部位を脆弱な金属を使用してせん断するよりは寧ろ、折り取られる。
【0034】
図5に、代替的に使用可能な膨張/排気アセンブリ80を示す。アセンブリ本体96は、膨張シリンジ98と排気シリンジ100を別個に有する。アセンブリ本体96は、圧力ゲージ90を有する。アセンブリ本体96には、捲縮機構66とシーリング機構68とを具備する構造体102が連結されている。アセンブリ本体96の表面には、バルブ配列84が装着されている。アセンブリ本体96には、2個の把持用孔部104が設けられている。アセンブリ本体96には、把持部106が連結されている。好適な実施の形態において、アセンブリ本体96は適切な不活性ポリマーから構成されているが、医療用素子の構成材料として使用されている大多数のポリマーを使用することができる。別の実施形態では、アセンブリ本体96は、適切な金属合金、強化ガラス、又はそれらの組み合わせによって構成される。
【0035】
図6に、代替的なガス膨張/排気システム80を示す。バルブスイッチ108は、3個のバルブ継手110を有する。1つの内部連結継手110は、排気チャンバ112に連結されている。排気チャンバ112内部には、排気シリンジ100が装着されている。別の内部連結継手110には、圧力ゲージ90が連結されている。圧力ゲージ90は、膨張チャンバ114と連通されている。膨張チャンバ114の内部には、膨張シリンジ98が装着されている。最後の内部連結継手110は、構造体116に連結されている。構造体116は、捲縮機構66とシーリング機構68とを具備する。安全な測定のためにガスをシステム80の内部で一方向にのみ流通させるべく、内部連結継手110と、排気チャンバ112及び膨張チャンバ114のそれぞれとの間に、一方向逆止弁111、113を連結することが好ましい。逆止弁113は、システムから排気された空気が再混入することを防止し、二酸化炭素ガスのみが装置の外部に送気されるようにする。
【0036】
図7及び図8に、代替的なガス膨張/排気システム80を示す。アセンブリ本体118は、膨張チャンバ114と排気チャンバ112とを具備する。膨張チャンバ114は、膨張シリンジ98を有する。排気チャンバ112は、排気シリンジ100を有する。バルブスイッチ108は、アセンブリ本体118の外装として装着されている。圧力ゲージ90は、アセンブリ本体118に組み込まれている。アセンブリ本体118には、把持部106が設けられている。導管122がアセンブリ本体118に連結されている。溝112の遠位端には、構造体124が位置する。構造体124は、捲縮機構66とシーリング機構68とを具備する。
【0037】
図9に、シーリングシステム60の一実施形態を示す。シーリングシステム60は、好ましくは、捲縮機構66とシーリング機構68とを具備する。捲縮機構66は、捲縮本体126、ハンドル72、ハンドル戻し128及び捲縮絞り130を有する。シーリング機構68は、シール本体132と、シーリング絞り134とを有する。シーリングシステム60には、捲縮絞り130及びシーリング絞り134に内部連通するシーリング孔136が設けられている。
【0038】
図10に、代替的なガス膨張/排気システム80を示す。バルブスイッチ108はポート138を有し、このポート138は、逆止弁111を介するとともに、排気シリンジ100に接続されたホース140に連結されている。バルブスイッチ108のうちの1つには、膨張マニホールド142が連結されている。膨張マニホールド142は、コネクタ146と圧力ゲージ90が連結されている。膨張マニホールド142は、3個の逆止弁144a、144b、144cを有する。各逆止弁144は、それぞれ、膨張シリンジ98a、98b、98cに連結されている。この実施形態においては、排気シリンジ100は、圧力ゲージ90の後方に装着されている。他の実施形態と同様に、導管82の遠位端にシーリングシステム60が連結されている。シーリングシステム60は、シーリング機構68と捲縮機構66とを具備する。
【0039】
図11に、構成部品が共通のハウジング150に配設されていることを除いて、図10に示す実施形態と同様に構成された代替的なガス膨張/排気システム80を示す。ハウジング150は、連結具141、導管82及びバルブスイッチ108を介して内部連通された内部通路を有し、バルブスイッチ108を排気シリンジ100、膨張シリンジ98a、98b、98c及び圧力ゲージ90に連結する。ハウジング150は、3個の膨張シリンジ98a、98b、98cによってチャンバが形成される構造体152を含む。また、ハウジング150は、隣接する膨張シリンジ98同士の間に設けられた外部把持部106と内部把持部154として形成される構造体を有する。ハウジング150は、一体的なハウジング150の一部として、一体的な排気シリンジ100と圧力ゲージ90とを有する構造体を含む。
【0040】
図18と図19に、この図11に示される代替的な実施形態を示す。内部にシールされた通路を形成するべくハウジング150を使用するよりも寧ろ、組み立てられ、図10に示す構造に実質的に類似のガス膨張/排気システム80は、ハウジング150がシステム80の周囲の保護的且つ機能的な容器となるように、ハウジング150内部にしっかりと配置される。図18の分解図に示すように、上記したシステム80の構成部品は、ハウジングへの収容に先んじて組み立てられる。上記した構成部品に加え、この分解図には、2つのさらなる構成部品が示されている。T字型コネクタ143の一端には圧力ゲージ90、他端にはコネクタ146が媒介物として連結される。さらに、連結器145が、バルブスイッチ108をT字型コネクタ143に内部連結する。上記の構成部品の組立体は、図19に示すように、上方カバーハウジング151内に組み立てられたシステムが堅牢に配置されることによって完成する。上方ハウジング151に接合されて最終的にハウジング150を構成するのに適合した下方カバーハウジング153も、図19に併せて示した。
【0041】
上方ハウジング151と下方ハウジング153との接合は、接着結合、熱結合、化学的結合、圧着、留め金、クリップ、ねじやボルトの緊締等の無数の手法によって行うことができる。
【0042】
図10、図11、図18及び図19に示す実施形態では、バルーン32の有効圧力が2気圧未満とされており、従って、患者の体内で漏洩するガスの全体積が低減される。所望の膨張圧力及び膨張サイクルの全回数に依存して、膨張シリンジ98内の圧縮ガスの全量が重要となる。仮に漏洩が起こるとすれば、膨張シリンジ98の全量は、その漏洩に対して感受性を示すであろう。図10、図11に示される実施形態において、各々の膨張に個別に膨張シリンジ98a、98b、98cを使用することにより、これら代替的な実施形態では、システム20の漏洩によって患者の体内に入り込む圧縮ガスの全量を単純な方法で低減することができるのである。
【0043】
同様の結果は、ルアーロック(luer lock)等の方法でシーリングシステム60に直接的に個別の膨張シリンジ98a、98b、98cを手動で押した場合や排気シリンジ100を手動で押した場合にも得ることができる。この実施形態では、好適な実施形態ほど迅速、簡便ではなさそうであるが、この代替案では、ハウジング150内の導管80に相当する分だけガスを減じることができるとともに、バルブスイッチ108を不要とすることができる。
【0044】
代替的な実施形態では、シーリングシステム60は、延伸シール可能部位28の進路に沿って、複数の気密シールを達成する捲縮以外の手法を使用できる。一実施形態では、図15に示すように、シール可能部位28の近位端に、ワックス、プラスチック、ポリマー、金属等からなる挿入物又は閉塞物等のような、様々な形態のシール材158が挿入される。導管82は、導管絞り160を経由してシーリング機構162に連結されている。この実施形態では、シール材158は、シール本体166内に存在するシール閉じ込め層164に拘束されている。この実施形態において、シール材158は、高温で流動するとともにシーリングシステム60の消毒時に溶解するワックス又はゲルであることが好ましい。シール閉じ込め層164は、金属層か、又は、消毒過程ないし高温露呈過程で流動する物質を拘束可能な非金属材からなる。シール可能部位28の近位端は、該近位端が操作可能なOリング166、又は、シール可能で変形可能な材質からなる他の形態、例えば、シリコーン穴シールや同様の膜シールを通過するまで、第1絞り部62を介して挿入される。シール可能部位28をシールすることを所望する場合、シール可能部位28は、第2の付加的シールであるOリング168を通過し、シール閉じ込め層164を介してシール材158まで挿入される。シール材158は、シール可能部位28の近位端に設けられており、ガイドワイヤアセンブリ22が排出されることを阻止する。シール可能部位28は、操作可能なOリング166と第1絞り部62とを介してスライドするように引き出され、ガイドワイヤアセンブリ22がシーリング機構162から効果的に解放される。他の代替的な実施形態では、延伸シール可能部位28に沿って収縮部が存在する。この収縮部は、シール可能部位28が収縮部を形成するために金属やポリマーで形成されている場合、熱によって設けられる。又は、シール可能部位28に収縮部を形成するため、電気的又は磁気的エネルギのアークや溶接を行うようにしてもよい。一実施形態では、シールと同じ目的を得、且つシール可能部位28を供給するべく、捲縮機構66に代え、スポット溶接と同等なものが使用される。別の実施形態では、ガイドワイヤアセンブリ22をシールするべく他の手法が採用される。これらの方法には、熱源を使用してシール可能部を溶解する手法、熱源を糊やゲルに加える手法、閉塞材を挿入することを含む手法、シール材を操作する磁石を使用する手法、小さな膨張素子を使用する手法が含まれるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0045】
実施形態で明記したシール方法に依存し、異なった収縮方法が採用される。好適な実施形態では、シール可能部位28は、該シール可能部位28の近位端に位置するシール材158に対して末端であるシール可能部位28のせん断、破断、開放を介しての収縮が可能な程度に十分な長さである。シール可能部位28の十分な長さは、ガイドワイヤアセンブリ22を、膨張バルーン32の複数回の膨張及び収縮を行うガス膨張/排気システム80に接続することを可能とする。他の実施形態では、シール材158の閉塞が除去されてシール材158の溶解を含む収縮方法であって、シール可能部位28をせん断することを必要としない他の方法が採用される。
【0046】
一実施形態では、ガイドワイヤ膨張システム20は、好ましくは、予備的に組み立てられ、適切な生体適合性ガスからなる周囲とパッケージ化されたものである。図16に、組み込まれてパッケージ化されたガイドワイヤ膨張システム20の一実施形態を示す。このガイドワイヤ膨張システム20は、シールチャンバ170に組み込まれてパッケージ化されている。シールチャンバ170は、概ね、通気ダクト171、シール操作ポート173、雰囲気制御システム175によって構成されている。通気ダクト171と雰囲気制御システム175は、シールチャンバ170内の生体適合性ガス雰囲気を維持する全体的システムである。チャンバ170内のセンサ的読み取り部は、チャンバ170内の生体適合性ガスのレベルを補正するために必要なデータを雰囲気制御システム175に提供する。貯留された生体適合性ガスは、通気ダクト171を介してチャンバ170に導入される。ガイドワイヤ膨張システム20及び/又は予備的に組み立てられた構成部品の組み立て及びパッケージ化は、シール操作ポート172を使用して実施される。このポート172は、チャンバ170外部に位置する組み立て者又はパッケージ化者が、実際の人的接触を介したり、又は、ガスないし空気中に含まれる所望しない混入物の導入を介したりすることに起因して、混入物を導入することなくチャンバの内容物に接近できるように、消毒された上シールされている。これらのポート172は、可撓性のグローブ仕様付属部品が付設されるか、又は、チャンバ170の外部の制御回路によって、該チャンバ170内部で操作可能なロボット的装置によって構成される。図16に示すように、チャンバ170に2以上のチャンバを連結するようにしてもよい。
【0047】
ガイドワイヤ膨張システム20とそれに対応する構成部品とをチャンバ170内に置き、ガイドワイヤ膨張システム20を形成するべく、ガイドワイヤアセンブリ22、シーリングシステム60、及びガス膨張/排気システム80を組み込むとともに、生体適合性パッケージを置換する。生体適合性パッケージ174は、密閉してシールされ、これにより、生体適合性パッケージ174及びガイドワイヤ膨張システム20の双方の内部が単に生体適合性ガスとなる。好適な実施形態において、パッケージ174は、図17に示される。パッケージ174は、好ましくは、金属泊の小袋からなる。この小袋は、次の積層品が医学的にまとめられた薄膜である:8.75ミクロンの金属泊層、接着層、白色ポリエチレン層、12ミクロンPET層。小袋174の好適な合計厚みはおよそ3.6mmであり、最小接合強度は1ポンドである。加えて、薄膜の好適な防壁特性は、酸素透過率<0.01cc/100平方インチ/24時間(73°F、相対湿度0%)ASTM3985、水分蒸気透過率<0.01gmH2O/100平方インチ/24時間(100°F、相対湿度90%)ASTMF 1249である。当業者であれば、生体適合性小袋174がボール紙製箱、プラスチック製収容体等のような、外部パッケージ又は収容体の内部に収容及び/又は連結されていてもよいことは容易に諒解できよう。この種の外部パッケージは、生体適合性パッケージ174の輸送、標識付、取り扱いを容易にする。
【0048】
実際には、医療技術者は、移動するガイドワイヤアセンブリ22を介して血液の内腔に接近する。ガイドワイヤ膨張システム20が生体適合性パッケージ174から除去される。可撓性チップ38が挿入されて血管を膨張させる箇所で操作される。バルブ配列84が排気位置に位置合わせされ、第1シリンジプランジャ92がスライドするように移動されて、ガイドワイヤアセンブリ22内に存在するガスが排気される。バルブ配列84が膨張位置に位置合わせされ、第2シリンジプランジャ94がスライドするように移動されて、膨張バルーン32が膨張される。
【0049】
膨張バルーン32の次なる膨張に際しては、捲縮機構66のハンドル72が、捲縮を行い、好ましくはシール可能部位28を供給するローラ76及びローラ78で押し込まれる。この実施形態では、シール可能部位28が供給されると、有効なシールが即座に形成される。シーリング機構68が解除されるとともに、ガイドワイヤアセンブリ22がシーリングシステム60から完全に除去され、膨張体の処置が行われる間、膨張バルーン32が膨張した状態を維持する。次なる処置では、シール可能部位28がせん断もしくは破断され、その結果、膨張バルーン32が収縮する。膨張処置が終了していれば、ガイドワイヤアセンブリ22が血管の内腔から除去される。さらに別の処置が必要な場合、シール可能部位28が第1絞り部62を介してシーリングシステムに再連結される。シーリング機構68が締め直され、排気/膨張過程が繰り返される。
【0050】
本発明に係る好適な実施の形態では、ガイドワイヤ膨張システム20は、米国特許第5,370,609号又は米国特許第5,496,267号に記載されているように、糊状沈着物の切除や血栓摘出術用のガイドワイヤとして使用される。なお、米国特許第5,370,609号及び米国特許第5,496,267号における開示事項を本明細書の一部として援用する。これらの実施形態の各々では、ガイドワイヤ膨張システム20が患者の体内に導入され、膨張バルーン32が膨張され、その後、糊状沈着物切除用カテーテルや血栓摘出術用カテーテルがガイドワイヤアセンブリ22の近位端36を超えてスライドされ、膨張バルーンの位置に最も近接するまで前進される。細かい血管を閉塞するべく、ガイドワイヤアセンブリ22のシール可能部位28がバルーン32を収縮させる間の所定の最大長の時間内で手術が行われ、血管中の血液流が再開される。手術の方式に依存して、カテーテルが血管から除去されるか、又は、留置される。好ましくは、治療の際に除去された廃棄物や他の血小板の吸引は、バルーン32が収縮する前に行われ、バルーン32は、手術が再開される前に再膨張される。
【0051】
液体の代替にガスが膨張媒体として使用されていることから、ガイドワイヤアセンブリ22の壁の厚みと、管状部材の強度とが、理想的な屈強ガイドワイヤの強度と可撓性に適合するほど向上していることが諒解されよう。結果的に強度の向上は目覚ましく、この理由は、式(R(0)**4−R(i)**4)として規定される管状部材の強度が、壁の厚みが増したことに伴ってガイドワイヤアセンブリの強度を効率よく4倍にするからである。
【0052】
膨張バルーンの迅速な膨張と収縮は、受け入れられる膨張素子となる鍵である。膨張流体の粘度と、内腔の排気/膨張を介しての抵抗は、膨張と収縮の有効速度に影響する。膨張流体の粘度を低下させることにより、本発明では、内腔の排気/膨張を介しての抵抗が上昇するという問題を解消することができる。その結果、内腔の排気/膨張ために、所望の膨張及び収縮特性が維持される一方、ガイドワイヤの構造的な堅牢性を著しく向上させるような、内径がより小さい管を使用することが可能となる。抵抗の上昇が許容できることは、より長尺なガイドワイヤ、特に、典型的には長さが変更可能なガイドワイヤが使用可能となることを意味する。液体膨張バルーンを膨張させるために使用される典型的な高粘度膨張流体は、例えば、より長尺な内腔を介して高粘度膨張流体を排出することに関連して収縮時間が長くなるので、長さを変更可能なガイドワイヤには実施展開されない。
【0053】
別の実施形態では、図20に示すように、ガイドワイヤアセンブリ22は、外径0.007インチ、内径0.004インチの連続的なステンレス鋼管を含み、シール可能部位28に沿う箇所を除いて巻回された0.003インチの第2ワイヤを有する構成とされている。膨張バルーン32の遠位端には、所望の可撓性チップ38を取り付けるためにテーパ部が設けられている。第2の非被覆箇所が、膨張バルーン32が堅牢に接合される箇所を超えた箇所であり、且つステンレス鋼の管中である1以上の絞り部とともに、遠位部位に設けられる。この実施形態では、Ni−Ti合金を使用することを回避することができ、ガイドワイヤアセンブリ22に沿ってレーザ溶接やその他の接合技術を使用する必要もないので、コストを低廉化することができる。
【0054】
別の実施形態では、図21に示すように、編み込まれたポリイミド皮下刺激管と、この中に配置されたNi−Tiコア棒体とを有するようにして構成されている。Ni−Tiコア棒体は、ガイドワイヤアセンブリ22に剛性をもたらし、Ni−Ti管に比して低コスト化することができる。代替的に、ポリマー製外側皮下刺激管を炭素繊維で強化複合材とし、皮下刺激管の強度を向上させてもよい。皮下刺激管内の棒体を保護するために多数の変更が可能であり、この実施形態に関しては、フレキシブルチップ38や、皮下刺激管を膨張バルーン32で保護することが含まれる。
【0055】
本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な特定の実施形態を採り得るものであり、従って、例示した実施形態は実例として考慮されるべきで本発明がこれらに限定されるというものではない。本発明の観点に関しては、上記した開示よりも寧ろ添付の特許請求の範囲が参照されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図1は、排気モードである本発明に係るガイドワイヤ膨張システムの概略図である。
【図2】図2は、図1に示されるガイドワイヤ膨張システムの膨張モードである。
【図3】図3a〜図3dは、図1に示されるガイドワイヤアセンブリの側面図である。
【図4】図4a及び図4bは、図3aに示されるガイドワイヤアセンブリの近位部位の断面図である。
【図5】図5は、他の実施形態に係るガス膨張/排気システムの展望図である。
【図6】図6は、他の実施形態に係るガス膨張/排気システムの展望図である。
【図7】図7は、他の実施形態に係るガス膨張/排気システムの展望図である。
【図8】図8は、図7に示されるガス膨張/排気システムの展開図である。
【図9】図9は、図7に示される他の実施形態に係る捲縮機構の展望図である。
【図10】図10は、本発明に係る好適な実施形態のガス膨張/排気システムの上方平面図である。
【図11】図11は、代替的な実施形態に係るガス膨張/排気システムの展望図である。
【図12】図12は、本発明の一実施形態に係るシーリングシステムのための手持ち式装置の終端図である。
【図13】図13は、図12のシーリングシステムの部分図である。
【図14】図14は、図12のシーリングシステムの部分図である。
【図15】図15は、閉塞機構の一実施形態を示すシーリングシステムの代替的な実施形態の断面図である。
【図16】図16は、本発明の観点からパッケージ化されて組み立てられた好適なシールチャンバの展望図である。
【図17】図17は、本発明の一実施形態に係る生体適合性パッケージの側面図である。
【図18】図18は、代替的な実施形態に係るガス膨張/排気システムの展望図である。
【図19】図19は、代替的な実施形態に係るガス膨張/排気システムの接合ハウジングアセンブリの展望図である。
【図20】図20は、図1に示すガイドワイヤアセンブリの代替的な実施形態に係る展望図である。
【図21】図21は、図1に示すガイドワイヤアセンブリの代替的な実施形態に係る展望図である。
Claims (64)
- 血管手術に使用されるガイドワイヤ膨張システムであって、
遠位端に近接する膨張バルーンと、近位端に近接する延伸シール可能部位とを有する管状のガイドワイヤアセンブリと、
前記ガイドワイヤアセンブリの近位端に接続されて除去可能なガス膨張/収縮システムと、
を有し、
前記ガス膨張/収縮システムは、前記ガイドワイヤアセンブリから空気を排気する手段と、
前記膨張バルーンを複数回膨張させるために前記ガイドワイヤアセンブリにガスを導入する手段と、
前記ガイドワイヤアセンブリの近位端に接続された除去可能なシーリングシステムと、
を有し、
前記シーリングシステムは、前記延伸シール可能部位に沿って管状の前記ガイドワイヤアセンブリの複数個の気密シールの1つを形成するべく、前記延伸シール可能部位に沿って複数個に分離された位置の1つで前記延伸シール可能部位を選択的にシールする手段を有することを特徴とするガイドワイヤ膨張システム。 - 請求項1記載のシステムにおいて、前記ガス膨張/収縮システムと前記シーリングシステムとが手持ち式装置の一部として配設されていることを特徴とするガイドワイヤ膨張システム。
- 請求項2記載のシステムにおいて、前記ガイドワイヤアセンブリの前記近位端が前記手持ち式装置の第1絞り部に選択的に挿入され、前記ガス膨張システムが前記手持ち式装置の第2絞り部に操作可能に挿入され、前記手持ち式装置が前記第1絞り部及び前記第2絞り部に連結された気密通路を有することを特徴とするガイドワイヤ膨張システム。
- 請求項1記載のシステムにおいて、前記ガイドワイヤアセンブリが少なくとも40cmの有効長と0.060インチ未満の外径を有し、前記延伸シール可能部位が少なくとも1cmの有効長と0.050インチ未満の外径とを有し、前記膨張素子が2分未満で収縮することを特徴とするガイドワイヤ膨張システム。
- 請求項1記載のシステムにおいて、前記ガイドワイヤアセンブリが少なくとも100cmの有効長と0.018インチ未満の外径を有し、前記延伸シール可能部位が少なくとも5cmの有効長と0.012インチ未満の外径とを有し、前記膨張素子が1分未満で収縮することを特徴とするガイドワイヤ膨張システム。
- 請求項1記載のシステムにおいて、シーリングの前記手段が捲縮機構を有し、前記シール可能部位が延伸捲縮可能部位を有することを特徴とするガイドワイヤ膨張システム。
- 請求項6記載のシステムにおいて、前記延伸捲縮可能部位に寸法が入れられており、前記捲縮機構が前記シール位置を捲縮するとき、前記捲縮機構がシール位置で捲縮部位の有効外径が前記ガイドワイヤアセンブリの本体の外径と同等の大きさとなるように、前記捲縮機構が配置されていることを特徴とするガイドワイヤ膨張システム。
- 請求項1記載のシステムにおいて、シーリングの前記手段が、前記ガイドワイヤアセンブリと前記膨張/収縮システムとの間の気密シールを維持する一方、前記シール可能部位の近位端に閉塞材が選択的に挿入された閉塞機構を有することを特徴とするガイドワイヤ膨張システム。
- 請求項1記載のシステムにおいて、血管手術の間、前記膨張素子が繰り返し膨張及び収縮可能であり、ガイドワイヤアセンブリの近位端の間で機械的な接続及び拘束から解放されて一般的な可変ガイドワイヤとして機能することを特徴とするガイドワイヤ膨張システム。
- 請求項1記載のシステムにおいて、さらに、前記膨張バルーンを膨張させるため、気密シールに対して前記延伸シール可能部位を選択的に開放する手段を有することを特徴とするガイドワイヤ膨張システム。
- 請求項1記載のシステムにおいて、さらに、管状のガイドワイヤ、ガス膨張/収縮システム、シーリングシステムを含む消毒されたパッケージを有することを特徴とするガイドワイヤ膨張システム。
- 請求項9記載のシステムにおいて、消毒された前記パッケージは、生体適合性ガスが充填された際に、消毒された前記パッケージ内のガスや空気に比して駆動勾配が大きく且つ血液に溶解可能な生体適合性ガスで血管を満たすパッケージであることを特徴とするガイドワイヤ膨張システム。
- 請求項1記載のシステムにおいて、前記ガスは、空気に比して駆動勾配が大きく且つ血液に溶解可能な生体適合性ガスであることを特徴とするガイドワイヤ膨張システム。
- 血管手術に使用されるガイドワイヤ膨張システムであって、
遠位端に近接する膨張バルーン及び近位端に近接する拡張シール部位を有するチューブ状ガイドワイヤアセンブリと、
前記ガイドワイヤアセンブリの近位端に接続されて除去可能なガス膨張/排気システムと、
選択的に前記拡張シール部位をシールし、前記拡張シール部位に沿って複数個に分離された位置の1つで近接する部位を選択的にシールして、チューブ状の前記ガイドワイヤアセンブリの複数の気密シールの1つを形成する前記ガイドワイヤアセンブリの近位部位に接続された除去可能なシーリングシステムと、
を備え、前記ガス膨張/排気システムは、
選択的に前記ガイドワイヤアセンブリから空気を排気する排気システムと、
選択的に前記ガイドワイヤアセンブリにガスを導入し複数回膨張バルーンを膨張させる膨張システムとを備え、
前記膨張装置は、血管手術の際、ガイドワイヤアセンブリの近位端が機械的接続や障害が無く、交換ガイドワイヤとして機能するように繰り返し膨張及び収縮可能であることを特徴とするガイドワイヤ膨張システム。 - 血管手術に使用されるガイドワイヤ膨張システムであって、
遠位端に近接する膨張バルーンと、近位端に近接する延伸シール可能部位とを有する管状のガイドワイヤアセンブリと、
前記ガイドワイヤアセンブリの近位端に操作可能に接続されて除去可能なガス膨張/収縮システムと、
を有し、
前記ガス膨張/収縮システムは、第1絞り部と、第2絞り部と、これらの間に形成された内腔を有する手持ち式装置を有し、前記ガイドワイヤアセンブリの前記近位端が前記手持ち式装置の第1絞り部に選択的に挿入され、
前記ガス膨張/収縮システムは、
前記手持ち式装置に収容され、少なくとも前記ガイドワイヤの近位端をシール可能に拘束して前記内腔の一部分に位置させるシーリング機構と、
前記手持ち式装置の第1絞り部に前記ガイドワイヤの近位端が挿入された際、捲縮部位に沿ってガイドワイヤを選択的に捲縮する捲縮機構と、
第1シリンジシステムと、
前記膨張バルーンを複数回膨張させるのに十分な体積のガスを含む第2シリンジシステムと、
前記第1シリンジシステム及び前記第2シリンジシステムを操作可能に前記手持ち式装置の第2絞り部に連結する導管とを有し、
前記導管は、排気システムと膨張システムのいずれか一方のみを選択的に第2絞り部に一度接続するバルブ配列を有することを特徴とするガイドワイヤ膨張システム。 - 請求項15記載のシステムにおいて、前記第2シリンジシステムは、複数個の独立したシリンジを有し、各々のシリンジは、前記膨張バルーンを1回膨張させるために十分な体積のガスを含むことを特徴とするガイドワイヤ膨張システム。
- 請求項15記載のシステムにおいて、前記第1シリンジシステムに連結された導管は、排気のみを可能とする一方向逆止弁を有し、前記第2シリンジシステムに連結された導管は、膨張のみを可能とする一方向逆止弁を有することを特徴とするガイドワイヤ膨張システム。
- 血管の手術に使用されるガイドワイヤ膨張システムであって、
遠位端に近接する膨張バルーンと、近位端に近接する延伸シール可能部位とを有する管状のガイドワイヤアセンブリと、
前記ガイドワイヤアセンブリの近位端に取り外し可能に接続されて複数回膨張バルーンを膨張させるべく、ガイドワイヤの内部にガスを導入するガス膨張システムと、
前記ガイドワイヤの前記近位端に取り外し可能に接続されたシーリングシステムと、
を有し、
前記シーリングシステムは、前記延伸シール可能部位に沿って管状の前記ガイドワイヤアセンブリの複数個の気密シールの1つを形成するべく、前記延伸シール可能部位に沿って複数個に分離された位置の1つで前記延伸シール可能部位を選択的にシールする手段を有することを特徴とするガイドワイヤ膨張システム。 - 血管の手術に使用されるガイドワイヤ膨張システムであって、
遠位端に近接する膨張バルーンと、近位端に近接する延伸シール可能部位とを有する管状のガイドワイヤアセンブリと、
前記ガイドワイヤアセンブリの近位端に取り外し可能に接続されて複数回膨張バルーンを膨張させるべく、ガイドワイヤの内部にガスを選択的に導入するガス膨張システムと、
前記ガイドワイヤの前記近位端に取り外し可能に接続され、前記延伸シール可能部位に沿って管状の前記ガイドワイヤアセンブリの複数個の気密シールの1つを形成するべく、前記延伸シール可能部位に沿って複数個に分離された位置の1つで前記延伸シール可能部位を選択的にシールするシーリング手段と、
前記膨張素子が、血管手術の間、繰り返し膨張及び収縮可能であり、ガイドワイヤアセンブリの近位端の間で機械的な接続及び拘束から解放されて一般的な可変ガイドワイヤとして機能することを特徴とするガイドワイヤ膨張システム。 - 血管の手術中に血管を繰り返し膨張させる方法であって、
(a)管状ガイドワイヤを血管に案内して、血管の処置を行う部位にガイドワイヤの遠位端に近接する膨張バルーンを配置し、
(b)前記ガイドワイヤから空気を排気し、
(c)前記膨張バルーンを膨張させるために、圧力を付加して生体適合性ガスをガイドワイヤ内に導入し、
(d)前記ガイドワイヤの近位端をシールし、
(e)前記血管の処置部位に、前記ガイドワイヤの近位端を超えてカテーテルを導入し、
(f)前記カテーテルを使用して手術を行い、
(g)前記ガイドワイヤの前記近位端を開放して前記ガイドワイヤのシールを解除することにより、前記膨張バルーンを収縮させ、
(h)手術の間、少なくとも前記の段階(b)〜(d)及び(g)を繰り返して膨張バルーンを複数回膨張及び収縮させることを特徴とする血管の手術中に血管を膨張させる方法。 - 請求項20記載の方法において、段階(f)が、段階(g)に先んじて血管の少なくとも一部を吸引する過程を含むことを特徴とする血管の手術中に血管を膨張させる方法。
- 請求項20記載の方法において、段階(g)が段階(c)の5分以内に行われ、段階(g)において、膨張バルーンが実質的に収縮されて2分未満で血管内の血液流が再開されることを特徴とする血管の手術中に血管を膨張させる方法。
- 請求項22記載の方法において、段階(g)において、膨張バルーンが実質的に収縮されて1分未満で血管内の血液流が再開されることを特徴とする血管の手術中に血管を膨張させる方法。
- 血管の手術中に血管を繰り返し膨張させる方法であって、
(a)管状ガイドワイヤを血管に案内して、血管の処置を行う部位にガイドワイヤの遠位端に近接する膨張バルーンを配置し、
(b)前記膨張バルーンを膨張させるために、圧力を付加してガスをガイドワイヤ内に導入し、
(c)前記ガイドワイヤの近位端をシールし、
(d)前記血管の処置部位に、前記ガイドワイヤの近位端を超えてカテーテルを導入し、
(e)前記カテーテルを使用して手術を行い、
(f)前記ガイドワイヤの前記近位端を開放して前記ガイドワイヤのシールを解除することにより、前記膨張バルーンを収縮させ、
(g)手術の間、少なくとも前記の段階(b)〜(d)及び(f)を繰り返して膨張バルーンを複数回膨張及び収縮させることを特徴とする血管の手術中に血管を膨張させる方法。 - 請求項24記載の方法において、段階(f)が、血管の処置部位から流体を吸飲して導入することを含む血管形成術であり、前記膨張バルーンは、該膨張バルーンの下流側に流体が流動することを回避するためのものであることを特徴とする血管の手術中に血管を膨張させる方法。
- 管状のガイドワイヤアセンブリであって、
遠位端と、近位端と、内腔とを有する管状のガイドワイヤ部材と、
前記内腔に連通されて前記遠位端に近接された膨張バルーンと、
前記近位端に近接されて前記内腔と連通された捲縮可能部位と、
を有し、
前記捲縮可能部位は、管状の当該ガイドワイヤアセンブリに気密シールを形成するべく、複数個に分離された位置の1つで選択的にシールする手段が付加されていることを特徴とする管状ガイドワイヤアセンブリ。 - 請求項26記載の管状ガイドワイヤアセンブリにおいて、前記ガイドワイヤアセンブリが少なくとも40cmの有効長と0.060インチ未満の外径を有し、前記延伸シール可能部位が少なくとも1cmの有効長と0.050インチ未満の外径とを有し、前記膨張素子が2分未満で収縮することを特徴とする管状ガイドワイヤアセンブリ。
- 請求項26記載の管状ガイドワイヤアセンブリにおいて、前記ガイドワイヤアセンブリが少なくとも100cmの有効長と0.018インチ未満の外径を有し、前記延伸シール可能部位が少なくとも5cmの有効長と0.012インチ未満の外径とを有し、前記膨張素子が1分未満で収縮することを特徴とする管状ガイドワイヤアセンブリ。
- 請求項26記載の管状ガイドワイヤアセンブリにおいて、前記捲縮機構がシール位置で捲縮部位の有効外径が前記ガイドワイヤアセンブリの本体の外径と同等の大きさとなるように、前記延伸捲縮可能部位に寸法が入れられていることを特徴とする管状ガイドワイヤアセンブリ。
- 請求項26記載の管状ガイドワイヤアセンブリにおいて、前記延伸捲縮部位が複数回の捲縮と、これに対応する複数回の前記延伸捲縮部位に沿う切断が可能な長さであり、且つ前記ガイドワイヤの本体の直径よりも小さな直径を有することを特徴とする管状ガイドワイヤアセンブリ。
- 請求項26記載の管状ガイドワイヤアセンブリにおいて、当該管状ガイドワイヤアセンブリが、ステンレス鋼で形成された皮下刺激管(hypotube)で形成された本体を含む管状部材であることを特徴とする管状ガイドワイヤアセンブリ。
- 請求項31記載の管状ガイドワイヤアセンブリにおいて、前記捲縮可能部位が前記ステンレス鋼製皮下刺激管の近位端に共線的に連結され、且つ前記ガイドワイヤの本体のステンレス鋼製皮下刺激管よりも小さな直径を有することを特徴とする管状ガイドワイヤアセンブリ。
- 請求項31記載の管状ガイドワイヤアセンブリにおいて、前記管状ガイドワイヤ部材が、Ni−Ti合金からなる遠位部位を含むことを特徴とする管状ガイドワイヤアセンブリ。
- 請求項33記載の管状ガイドワイヤアセンブリにおいて、前記遠位端にテーパ部が設けられていることを特徴とする管状ガイドワイヤアセンブリ。
- 請求項34記載の管状ガイドワイヤアセンブリにおいて、前記テーパ部の内径が0.05インチ未満であり、且つ外径が少なくとも0.012インチから0.008インチ未満までの範囲で縮径することを特徴とする管状ガイドワイヤアセンブリ。
- 請求項33記載の管状ガイドワイヤアセンブリにおいて、前記遠位部位が前記膨張バルーンに近接する白金マーカー帯を有することを特徴とする管状ガイドワイヤアセンブリ。
- 請求項33記載の管状ガイドワイヤアセンブリにおいて、さらに、前記膨張バルーンの末端の前記遠位部位に連結した可撓性巻線チップを有することを特徴とする管状ガイドワイヤアセンブリ。
- 請求項26記載の管状ガイドワイヤアセンブリにおいて、血管手術の間、前記膨張バルーンが繰り返し膨張及び収縮可能であり、ガイドワイヤアセンブリの近位端の間で機械的な接続及び拘束から解放されて一般的な可変ガイドワイヤとして機能することを特徴とするガイドワイヤ膨張システム。
- 請求項26記載の管状ガイドワイヤアセンブリにおいて、前記内腔の内径が少なくとも0.002インチであり、前記膨張バルーンの受動的な縮小が1分未満で終了することを特徴とするガイドワイヤ膨張システム。
- 請求項26記載の管状ガイドワイヤアセンブリにおいて、前記捲縮可能部位が、該捲縮可能部位をカテーテル素子が繰り返し通過することを可能とする引っ張り抵抗、曲げ抵抗が得られる十分な長さを有し、前記捲縮可能部位の近位端の1インチ未満以内で把持するとき、標準的な外科用手袋を貫通しないことを特徴とするガイドワイヤ膨張システム。
- 請求項26記載の管状ガイドワイヤアセンブリにおいて、前記バルーンが予備伸張されるために予備的に膨張され、バルーン膨張が圧力に対して線的であることを特徴とする管状ガイドワイヤアセンブリ。
- 請求項26記載の管状ガイドワイヤアセンブリにおいて、前記延伸捲縮部位が該延伸捲縮部位に沿って複数の位置で折り目が付けられ、弱体化されて前記延伸捲縮部位を供することを容易化していることを特徴とする管状ガイドワイヤアセンブリ。
- 請求項26記載の管状ガイドワイヤアセンブリにおいて、前記管状ガイドワイヤ部材及び前記延伸捲縮部位が、前記延伸捲縮部位近傍を除いて第2ワイヤが巻回された連続的なステンレス鋼製管からなることを特徴とする管状ガイドワイヤアセンブリ。
- 請求項26記載の管状ガイドワイヤアセンブリにおいて、前記管状ガイドワイヤ部材が、編み込まれたポリイミド皮下刺激管と、その中に収容されたテーパを有するコア棒体とを有することを特徴とする管状ガイドワイヤアセンブリ。
- 請求項44記載の管状ガイドワイヤアセンブリにおいて、前記コア媒体の少なくとも近位端が内部に形成された内腔を有し、前記延伸捲縮部位である前記ポリイミド皮下刺激管の近位端に近接して延伸することを特徴とする管状ガイドワイヤアセンブリ。
- 請求項26記載の管状ガイドワイヤアセンブリにおいて、さらに、互いに空間的に大きく分離され、且つ前記内腔と前記膨張バルーンに流体を送り込むガイドワイヤ部材の1個の孔部に隣接する一対の巻線部を有し、この巻線部の各々の少なくとも一部が前記膨張バルーンの少なくとも一部に結合されていることを特徴とする管状ガイドワイヤアセンブリ。
- ガイドワイヤアセンブリの近位端に接続された除去可能なガス膨張/排気システムであつて、
ガイドワイヤアセンブリから空気を排気する手段と、
ガイドワイヤアセンブリの遠位端に近接する膨張バルーンを複数回膨張させるため、前記ガイドワイヤアセンブリに生体適合性ガスを導入する手段と、
前記ガイドワイヤアセンブリの複数個の気密シールの1つを形成するべく、複数個に分離された位置の1つで前記ガイドワイヤアセンブリの近位端を選択的にシールする手段と、
を有することを特徴とするガス膨張/排気システム。 - 請求項47記載のガス膨張/排気システムにおいて、当該ガス膨張/排気システムが手持ち式装置であることを特徴とするガス膨張/排気システム。
- 請求項48記載のガス膨張/排気システムにおいて、前記ガイドワイヤアセンブリの近位端が前記手持ち式装置の第1絞り部に選択的に挿入されており、当該ガス膨張/排気システムが前記手持ち式装置の第2絞り部に操作可能に接続されており、前記前記手持ち式装置が前記第1絞り部と前記第2絞り部に連通する気密通路を有することを特徴とするガス膨張/排気システム。
- 請求項47記載のガス膨張/排気システムにおいて、シーリングの手段が捲縮手段を有することを特徴とするガス膨張/排気システム。
- 請求項50記載のガス膨張/排気システムにおいて、前記捲縮手段が、第1の押し下げローラと、前記第1のローラから離間してガイドワイヤを送り出す第2の副オフセットローラとを有し、前記第1ローラが旋回可能なカムで押し下げレバーハンドルに連結され、ハンドルの力が前記第1ローラに前記オフセット第2ローラを非礼的に接近させ、ハンドルの第1の基準力が前記ガイドワイヤの近位部位をシールし、ハンドルの第2の基準力が前記ガイドワイヤの近位部位を送り出すことを特徴とするガス膨張/排気システム。
- 請求項51記載のガス膨張/排気システムにおいて、スプリングのバイアスによって、前記押し下げレバーハンドルが押し下げ力の休止に伴って開放開始位置に自動的に復帰することを特徴とするガス膨張/排気システム。
- 請求項47記載のガス膨張/排気システムにおいて、シーリングの前記手段が、前記ガイドワイヤアセンブリと前記膨張/収縮システムとの間の気密シールを維持する一方、前記シール可能部位の近位端に閉塞材が選択的に挿入された閉塞機構を有することを特徴とするガス膨張/排気システム。
- 請求項47記載のガス膨張/排気システムにおいて、当該ガス膨張/排気システムが、消毒されたパッケージであることを特徴とするガス膨張/排気システム。
- 請求項54記載のガス膨張/排気システムにおいて、消毒された前記パッケージは、生体適合性ガスのみが充填された際に、消毒された前記パッケージ内のガスで血管を満たすパッケージであることを特徴とするガイドワイヤ膨張システム。
- ガイドワイヤアセンブリの近位部位に接続された除去可能なガス膨張/排気システムであって、
前記ガイドワイヤアセンブリから選択的に空気を排気する第1シリンジシステムと、
選択的に生体適合性ガスを前記ガイドワイヤアセンブリに導入し、前記ガイドワイヤアセンブリの遠位端に近接する膨張バルーンを複数回膨張させる第2シリンジシステムと、
複数個に分離された位置の1つで近接する部位を選択的にシールして、前記ガイドワイヤアセンブリの複数の気密シールの1つを形成する前記ガイドワイヤアセンブリの近位部位に接続された除去可能なシーリングシステムとを有することを特徴とするガス膨張/排気システム。 - ガイドワイヤアセンブリの近位部位に除去可能に接続され、選択的に作動可能なガス膨張/収縮システムであって、
第1絞り部及び第2絞り部並びに前記第1絞り部と前記第2絞り部との間に内腔を有し、前記ガイドワイヤの前記近位部位が前記第1絞り部に挿入可能である手持ち式構造と、
前記手持ち式構造に収容され、前記内腔の少なくとも一部に沿って位置し、前記ガイドワイヤの前記近位部位にシール可能に係合するシーリング機構と、
前記ガイドワイヤの前記近位部位に沿った一カ所に前記ガイドワイヤを選択的に捲縮する捲縮機構と、
前記ガイドワイヤアセンブリから選択的に空気を排気する第1シリンジシステムと、
前記ガイドワイヤアセンブリの遠位端に近接する膨張バルーンを複数回膨張させるのに十分な量の生体適合性ガスを含む第2シリンジシステムと、
前記第1シリンジシステムと前記第2シリンジシステムとを前記手持ち式構造の前記第2絞り部に作動可能に接続する導管と、
を備え、前記導管は、前記第1シリンジシステムと前記第2シリンジシステムとのうち何れか一方のみを選択的に前記第2絞り部に接続するバルブ構造を含むことを特徴とするガス膨張/収縮システム。 - ガイドワイヤアセンブリの近位部位に除去可能に接続されるガス膨張/排気システムであって、
第1絞り部及び第2絞り部並びに前記第1絞り部と前記第2絞り部との間に内腔を有し、前記ガイドワイヤの前記近位部位が前記第1絞り部に挿入可能である手持ち式構造と、
前記手持ち式構造に収容され、前記内腔の少なくとも一部に沿って位置し、前記ガイドワイヤの前記近位部位にシール可能に係合するシーリング機構と、
前記ガイドワイヤの前記近位部位に沿った一カ所に前記ガイドワイヤを選択的に捲縮する捲縮機構と、
前記ガイドワイヤアセンブリから選択的に空気を排気する第1シリンジシステムと、
前記ガイドワイヤアセンブリの遠位端に近接する膨張バルーンを複数回膨張させるのに十分な量の生体適合性ガスを含むシリンジシステムからなる複数のシリンジシステムと、
を備えることを特徴とするガス膨張/排気システム。 - ガス膨張/排気システムを使用する方法であって、
(a) ガイドワイヤアセンブリの近位部位にガス膨張/排気システムを装着する段階と、
(b) 第1シリンジシステムを用いて前記ガイドワイヤから空気を排気する段階と、
(c) 第2シリンジシステムを用いて加圧された生体適合性ガスを前記ガイドワイヤに導入し、前記ガイドワイヤの遠位端に近接する膨張バルーンを膨張させる段階と、
(d) 前記ガイドワイヤへの加圧ガスの導入をモニタし制御するために圧力ゲージを検査する段階と、
(e) 前記ガイドワイヤの近位部位をシールする段階と、
を備えることを特徴とするガス膨張/排気システムを使用する方法。 - 請求項59記載の方法において、前記ガイドワイヤの前記近位部位をシールする段階は、捲縮機構のハンドルに押し下げる圧力を付与し、捲縮して前記ガイドワイヤの前記近位部位に回動カム構造を付勢することによってなされることを特徴とするガス膨張/排気システムを使用する方法。
- 請求項59記載の方法において、前記ガイドワイヤの前記近位部位をシールする段階は、前記ガイドワイヤの前記近位部位にシール材料を挿入することによってなされることを特徴とするガス膨張/排気システムを使用する方法。
- 請求項61記載の方法において、前記シール材料は、ワックス、プラスチック、ポリマー及び金属からなるグループから1つ選択されることを特徴とするガス膨張/排気システムを使用する方法。
- ガス膨張/排気システム及びガイドワイヤアセンブリをパッケージする方法であって、
(a) 前記ガス膨張/排気システム及び前記ガイドワイヤアセンブリの構成要素を生体適合性ガスを含む雰囲気を有するシールされたチャンバに配設する段階と、
(b) シールされたチャンバ内で前記ガス膨張/排気システム及び前記ガイドワイヤアセンブリを組み立てる段階と、
(c) 前記ガス膨張/排気システム及び前記ガイドワイヤアセンブリを生体適合性パッケージに中身として個々に配設する段階と、
(d) 前記中身の周囲の前記生体適合性パッケージを個々の密閉する段階と、
(e) シールされた前記チャンバから密閉した前記パッケージを除去する段階と、
を備えることを特徴とするガス膨張/排気システムを使用する方法。 - ガイドワイヤアセンブリの近位部位に除去可能に接続されるガス膨張/収縮システムであって、
前記ガイドワイヤアセンブリから選択的に空気を排気する第1シリンジシステムと、
選択的に生体適合性ガスを前記ガイドワイヤアセンブリに導入し、前記ガイドワイヤアセンブリの遠位端に近接する膨張バルーンを複数回膨張させる第2シリンジシステムと、
複数個に分離された位置の1つで前記ガイドワイヤアセンブリの近接する部位を選択的にシールして、前記ガイドワイヤアセンブリの複数の気密シールの1つを形成する前記ガイドワイヤアセンブリの近位部位に接続された除去可能なシーリングシステムとを有し、
前記シーリングシステムは、
流体が連通する第1絞り部及び第2絞り部と、
作動Oリングと、
シールOリングと、
シール内容層とを含み、
前記第1絞り部は、前記ガイドワイヤの前記近位部位を収容可能であり、前記第2絞り部は、導管に除去可能に接続され、
前記作動Oリングは、前記第1絞り部に同軸的に収容され、前記前記第1絞り部を通して幾らかの挿入距離を有して作動係合し、
前記シールOリングは、前記第1絞り部に同軸的に収容され、前記作動Oリングから遠位方向に離間し、前記第1絞り部を通して身体へ前記ガイドワイヤの更なる挿入を可能にし、前記作動Oリングを通り過ぎて、前記ガイドワイヤを前記シールOリングと係合させ、
前記シール内容層は、前記シールOリングを通じて前記ガイドワイヤの挿入を幾らかの距離だけ通り過ぎるように収容し、それによって前記シール内容層が、前記シール内容層及びシール材料へ前記ガイドワイヤを挿入したときに前記シール材料を前記ガイドワイヤの近位部位へ押し込むことを特徴とするガス膨張/排気システム及びガイドワイヤアセンブリをパッケージする方法。
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