JP2005508169A - 20750を使用した細胞増殖障害の診断および処置のための方法および組成物 - Google Patents
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Abstract
本発明は、細胞増殖障害、例えば、癌(結腸癌、乳癌および肺癌を含むが、これらに限定されない)の処置および診断のための方法および組成物に関する。本発明はさらに、細胞増殖障害を処置し得る化合物を同定するための方法を提供する。本発明はまた、細胞増殖障害を調節し得る化合物を同定するための方法を提供する。さらに、本発明は、異常な20750ポリペプチド活性または異常な20750核酸発現によって特徴付けられる細胞増殖障害を有する被験体を処置するための方法を提供する。
Description
【技術分野】
【0001】
本出願は、2001年10月31日出願の米国仮特許出願番号60/335,006号(この内容全体は、本明細書中に参考として援用される)に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
癌は、米国における心疾患に次ぐ第2の死因である(Boringら(1993)CA Cancer J.Clin.43:7)。癌は、増殖して腫瘍塊を形成する、正常組織由来の異常細胞または新生物性細胞の数の増加、これらの新生物性腫瘍細胞による隣接組織の浸潤、ならびに血液系またはリンパ系を介して局所リンパ節および離れた部位へ広がる悪性細胞の生成によって主に特徴付けられる。後者の悪性腫瘍への進行は、転移といわれる。
【0003】
結腸直腸癌は、西部で最も蔓延する癌である。結腸直腸癌の推定129,400件の新たな症例が、1999年に米国において生じた(Rudyら(2000)Am Fam Physician 61(6):1759−70,1773−4)。70歳までに、西部の集団の少なくとも50%が、結腸直腸癌のいくつかの形態(早期良性ポリープおよび浸潤性腺癌を含む)を発症する。良性ポリープ状病巣の約10%が、浸潤癌に進行すると推定される(Fahyら(1998)Surg Oncol 7(3−4):115−23)。結腸直腸癌は、前駆体病巣、腺癌ポリープ(これは、上皮細胞過剰増殖の領域で形成する)および陰窩形成異常(crypt dysplasia)から生じる。この前駆病巣から結腸直腸癌への進行は、多段階工程である(Winawer(1999)Am J Med 106(1A):3S−6S)。
【0004】
肺癌は、世界中で最も一般的な癌の形態である。1985年の推定は、世界中で約900,000件の肺癌が存在したことを示す(Parkinら(1993)Int J Cancer;54:594−606)。米国のみについて、1993年の予測は、170,000件の新たな肺癌症例数(約88%の死亡率)を推定した(place)(Boringら、前出)。乳癌の発症は米国においてわずかにより一般的であるが、肺癌は、男性では前立腺癌に次いで2番目であり、そして女性では乳癌および直腸結腸癌に次いで3番目である。未だに、肺癌は、最も一般的な癌の死因である。
【0005】
世界保健機構は、肺癌を4つの主要な組織学的型に分類する:(1)扁平上皮細胞癌(SCC)、(2)腺癌、(3)大細胞癌、および(4)小細胞肺癌(SCLC)。(The World Health Organization,Am J Clin Pathol(1982)77:123−136)。しかし、種々のサブタイプ内でさえ多くの腫瘍異質性が存在し、そして肺癌について1つより多い形態学的サブタイプの特徴を有することは、まれではない。用語非小細胞肺癌(NSCLC)は、扁平上皮細胞癌、腺癌および大細胞癌を含む。
【0006】
早期検出は、困難である。なぜなら、臨床症状は、しばしば、この疾患が進行段階に達するまで見られないからである。現在、診断は、胸部x線の使用、痰中に含まれる細胞型の分析、および気管支通路の光ファイバー実験によって補助される。処置レジメンは、癌の型および段階によって決定され、処置レジメンとしては、手術、放射線治療および/または化学療法が挙げられる。この疾患についての治療に相当な研究がなされているにもかかわらず、肺癌は、処置困難なままである。
【0007】
乳癌(carcinomaまたはcancer)は、生命の第3世代の最初の女性または全体的に老化し続けている女性に対する主要な医療問題である。現在米国において、女性は、生涯(80歳の年齢まで)で、8分の1の確率でこの疾患を発症すると推定されているが、28人のうち1人の女性が、乳癌が原因で死亡する生涯の危険性を有する(Harrisら編、Diseases of the Breast,1996:pp.159−168)。胸部の癌腫は、3番目に一般的な癌であり、女性においては、最も一般的な癌である。これは、女性における死亡率の主要な原因であり、そして障害、心理学的傷害、および経済的損失の原因である。乳癌は、米国において、女性における2番目に一般的な癌死の原因であり、15歳と54歳との間の女性については、癌関連死の主要な原因である(Forbes,Seminars in Oncology,vol.24(1),Suppl 1,1997:pp.S1−20−S1−35)。この疾患の間接的な影響はまた、進行性疾患(例えば、骨または脳への転移)の結果を含む、乳癌による死亡率に寄与する。骨髄抑制、放射線繊維症および好中球減少性敗血症から生じる合併症、治療介入(例えば、外科手術、放射線、化学療法、または骨髄移植)からの副作用もまた、この疾患による罹患率または死亡率に寄与する。
【0008】
これらの障害の有病率ならびに有効な治療および早期診断薬の欠如に基づいて、現在、症状の発症前のマーカーとして働き得る方法および組成物、ならびにこれらの障害を処置および治療するための治療薬を同定するための手段をして働き得る方法および組成物に対する多大な必要性が存在する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、細胞増殖障害(例えば、癌(結腸癌、乳癌、および肺癌が挙げられるがこれらに限定されない))の診断および処置のための方法および組成物を提供する。本発明は、20750分子(プロテインキナーゼファミリーの新規のメンバー)が、正常細胞(例えば、正常結腸細胞、正常肺細胞、および正常胸部細胞)と比較した場合に、腫瘍細胞(例えば、結腸腫瘍細胞、肺腫瘍細胞、および胸部腫瘍細胞)において差次的に発現され、かつ正常肝臓組織と比較した場合に、肝臓への結腸転移に由来する組織において高度に増大され、従って、細胞増殖傷害(例えば、癌(結腸癌、肺癌および乳癌が挙げられるがこれらに限定されない))の診断および処置において有用であるという発見に、少なくとも一部基づく。機構によって制限されることを意図しないが、20750分子は、β−カテニンの安定性に影響を与えることによって、Wntシグナル伝達回路を通して発癌を調節し、それによって、細胞増殖障害(例えば、癌)の処置、予後、または診断のための標的および治療剤として有用であると考えられる。
【0010】
従って、本発明は、細胞増殖障害(例えば、癌(結腸癌、乳癌、および肺癌が挙げられるがこれらに限定されない))の診断および処置のための方法を提供する。
【0011】
1つの局面において、本発明は、細胞増殖障害(例えば、癌(結腸癌、乳癌、および肺癌が挙げられるがこれらに限定されない))を処置することができる化合物を同定するための方法を提供する。この方法は、化合物が20750核酸発現または20750ポリペプチド活性を調節する能力をアッセイする工程を包含する。1つの実施形態において、化合物が核酸発現または20750ポリペプチド活性を調節する能力は、細胞増殖(例えば、腫瘍細胞の増殖)の調節を検出することによって決定される。別の実施形態において、化合物が核酸発現または20750ポリペプチド活性を調節する能力は、細胞中のβ−カテニンの濃度の調節を検出することによって決定される。
【0012】
別の局面において、本発明は、20750活性(例えば、細胞内β−カテニン濃度、細胞増殖(proliferation)、細胞増殖(growth)、細胞移動またはWntシグナル伝達経路)を調節することができる化合物を同定するための方法を提供する。この方法は、20750核酸分子または20750ポリペプチド分子を発現する細胞(例えば、結晶腫瘍細胞、肺腫瘍細胞、または胸部腫瘍細胞)を、試験化合物と接触させる工程、およびこの試験化合物が20750核酸発現または20750ポリペプチド活性を調節する能力を評価する工程、を包含する。
【0013】
本発明の別の局面は、細胞増殖(growth)プロセス、細胞移動プロセス、細胞分化プロセスまたは細胞増殖(proliferation)プロセスを調節するための方法を提供する。この方法は、細胞を20750モジュレーター(例えば、抗20750抗体、配列番号2のアミノ酸配列もしくはそのフラグメントを含む20750ポリペプチド、配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む20750ポリペプチド、配列番号2のアミノ酸配列からなるポリペプチドの単離された天然に存在する対立遺伝子改変体、低分子、アンチセンス20750核酸分子、配列番号1の核酸分子もしくはそのフラグメント、またはリボザイム)と接触させる工程を包含する。
【0014】
なお別の局面において,本発明は、細胞増殖障害(例えば、異常な20750ポリペプチド活性または異常な20750核酸発現によって特徴付けられる細胞増殖障害)(例えば、癌)を有する被験体を処置するための方法を特徴とする。好ましい実施形態において、細胞増殖障害は、結腸癌、肺癌、または乳癌である。この方法は、治療有効量の20750モジュレーターを、例えば、薬学的に受容可能な処方物においてかまたは遺伝子治療ベクターを使用して、被験体に投与する工程を包含する。本発明のこの局面の実施形態は、低分子である20750モジュレーター、抗20750抗体、配列番号2のアミノ酸配列もしくはそのフラグメントを含む20750ポリペプチド、配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む20750ポリペプチド、配列番号2のアミノ酸配列からなるポリペプチドの単離された天然に存在する対立遺伝子改変体、アンチセンス20750核酸分子、配列番号1の核酸分子もしくはそのフラグメント、またはリボザイムを含む。
【0015】
別の局面において、本発明は、被験体に20750モジュレーターを投与することによって、この被験体中での細胞増殖を調節する(例えば、増減させる)ための方法を提供する。
【0016】
被験体中での転移を調節する方法または被験体中での腫瘍進行を阻害する方法もまた、特徴とし、この方法は、有効量の20750モジュレーター(例えば、20750インヒビター)を被験体に投与する工程を包含する。
【0017】
本発明は、プロテインキナーゼの新規ファミリーメンバー(本明細書中で「20750」核酸分子および「20750」タンパク質分子をいう)の発見にもまた一部基づく。本発明の20750核酸分子または20750タンパク質分子は、種々の細胞プロセス(例えば、β−カテニン安定性、細胞増殖(proliferation)、細胞増殖(growth)、細胞移動、またはWntシグナル伝達経路)を調節するための調節因子として有用である。
【0018】
1つの実施形態において、本発明は、配列番号1または配列番号3に記載されるヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子を特徴とする。別の実施形態において、本発明は、配列番号2に記載されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする単離された核酸分子を特徴とする。
【0019】
なお別の実施形態において、本発明は、配列番号1または配列番号3に記載されるヌクレオチド配列と実質的に同一(例えば、60%同一)であるヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子を特徴とする。本発明はさらに、配列番号1または配列番号3に記載されるヌクレオチド配列の少なくとも68連続するヌクレオチドを含む単離された核酸分子を特徴とする。別の実施形態において、本発明は、配列番号2に記載されるアミノ酸配列と実質的に同一(例えば、60%同一)であるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする単離された核酸分子を特徴とする。本発明はまた、配列番号2に記載されるアミノ酸配列を有するポリペプチドの対立遺伝子改変体をコードする核酸分子を特徴とする。全長ポリペプチドをコードする単離された核酸分子に加えて、本発明はまた、本発明の全長ポリペプチドのフラグメント(例えば、生物学的に活性なフラグメントまたは抗原性フラグメント)(例えば、配列番号2のアミノ酸配列の少なくとも215連続するアミノ酸残基を含む、フラグメント)をコードする核酸分子を特徴とする。なお別の実施形態において、本発明は、本明細書中に記載される単離された核酸分子に相補的であるか、この核酸分子に対してアンチセンスであるか、またはストリンジェントな条件下でこの核酸分子にハイブリダイズする、核酸分子を特徴とする。
【0020】
別の局面において、本発明は、本明細書中に記載される単離された核酸分子(例えば、20750コード核酸分子)を含むベクターを提供する。このようなベクターは、必要に応じて、異種ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含み得る。このようなベクターを含む宿主細胞(例えば、20750核酸分子および20750ポリペプチドを産生するのに適切なベクターを含む宿主細胞)もまた、特徴とする。
【0021】
別の局面において、本発明は、単離された20750ポリペプチドおよび/またはその生物学的に活性なフラグメントもしくは抗原性フラグメントを特徴とする。例示的な実施形態は、配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチド、配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも60%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチド、配列番号1または配列番号3に記載されるヌクレオチド配列と少なくとも60%同一なヌクレオチド配列を含む核酸分子によってコードされるポリペプチドを特徴とする。本明細書中に記載される全長ポリペプチドのフラグメント(例えば、配列番号2に示される配列の少なくとも215連続するアミノ酸残基を含む、フラグメント)、および配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドの対立遺伝子改変体もまた、特徴とする。
【0022】
20750ポリペプチドおよび/またはその生物学的に活性なフラグメントもしくは抗原性フラグメントは、例えば、20750媒介障害または20750関連障害の処置および/または診断に適用可能なアッセイにおける試薬または標的として有用である。1つの実施形態において、20750ポリペプチドまたはそのフラグメントは、20750活性を有する。別の実施形態において、20750ポリペプチドまたはそのフラグメントは、以下のドメイン(膜貫通ドメイン、プロテインキナーゼドメイン)のうちの少なくとも1つを含み、そして必要に応じて、20750活性を有する。関連する局面において、本発明は、抗体(例えば、本明細書中に記載されるポリペプチドのいずれか1つに特異的に結合する抗体)、および融合タンパク質(本明細書中に記載されるポリペプチドの全てまたはフラグメントを含む)を特徴とする。
【0023】
本発明はさらに、20750ポリペプチドおよび/または20750核酸分子を検出するための方法を特徴とし、このような方法は、例えば、本明細書中に記載される、プローブ、プライマーまたは抗体を特徴とする。キット(例えば、20750ポリペプチドおよび/または20750核酸分子の検出用のキット)もまた、特徴とする。関連する局面において、本発明は、本明細書中に記載される20750ポリペプチドもしくは20750核酸分子に結合する化合物、および/または本明細書中に記載される20750ポリペプチドもしくは20750核酸分子の活性を調節する化合物を同定するための方法を特徴とする。20750活性を調節するための方法を、さらに特徴とする。
【0024】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかとなる。
【0025】
表1は、ヒト正常組織パネルおよび腫瘍組織パネルにおける20750 cDNA発現のTaqManTM分析の結果を示すグラフである(1=正常な動脈、2=病変した動脈、3=正常な静脈、4=冠状動脈平滑筋細胞、5=HUVEC、6=血管腫、7=正常な心組織、8=うっ血性心不全(CHF)心臓組織、9=腎臓組織、10=骨格筋、11=正常な脂肪、12=膵臓組織、13=初代骨芽細胞、14=分化した破骨細胞、15=正常な皮膚組織、16=正常な脊髄、17=正常な脳皮質、18=視床下部、19=神経組織、20=後根神経節(DRG)、21=正常な胸部組織、22=正常な卵巣組織、23=卵巣腫瘍組織、24=正常な前立腺組織、25=前立腺腫瘍組織、26=唾液腺、27=正常な結腸組織、28=結腸腫瘍組織、29=肺正常組織、30=肺腫瘍組織、31=慢性閉塞性肺疾患(COPD)肺組織、32=炎症性腸疾患(IBD)結腸組織、33=正常な肝臓組織、34=肝臓線維症組織、35=正常な脾臓組織、36=正常な扁桃組織、37=リンパ節組織、38=小腸組織、39=マクロファージ、40=滑膜、41=骨髄、42=活性化PBMC、43=好中球、44=巨核球、45=赤血球組織、46=ポジティブコントロール)。
【0026】
表2は、異種移植パネル(乳癌細胞株、結腸癌細胞株、肺癌細胞株および乳癌細胞株、ならびに293細胞株および293T細胞株を含む)における20750 cDNA発現のTaqManTM分析の結果を示すグラフである(1=MCF−7胸部腫瘍、2=ZR75胸部腫瘍、または3=T47D胸部腫瘍、4=MDA 231胸部腫瘍、5=MDA 435胸部腫瘍、6=SkBr3胸部腫瘍、7=DLD−1結腸腫瘍(段階C)、8=SW480結腸腫瘍(段階B)、9=SW620結腸腫瘍(段階C)、10=HCT−116結腸腫瘍、11=HT−29結腸腫瘍、12=Colo−205結腸腫瘍、13=NCI−H125肺腫瘍、14=NCI−H69肺腫瘍、15=NCI−H322原発性細気管支癌、16=NCI−H460肺腫瘍、17=A549肺腫瘍、18=正常ヒト気管上皮(NHBE)、19=SKOV−3卵巣腫瘍、20=OVCAR−3卵巣腫瘍、21=293乳児腎臓、22=293T乳児腎臓)。
【0027】
表3は、腫瘍学ヒトパネル(正常腫瘍サンプルおよび固形腫瘍サンプルを含む)における20750 cDNA発現のTaqManTM分析の結果を示すグラフである(1−3=正常な胸部、4−8=胸部腫瘍、9=リンパ、10=肺(胸部)、11−12=正常な卵巣、13−17=卵巣腫瘍、18−20=正常な肺、21−26=肺腫瘍、27−29=正常な結腸、30−33=結腸腫瘍、34−35=結腸腫瘍−肝臓転移、36=正常な肝臓(女性)、37=頸部、38=頸部−扁平上皮、39=ヒト微小血管内皮細胞(HMVEC)(停止)、40=ヒト微小血管内皮細胞(HMVEC)(増殖)、41=血管腫、42=HCT−116非中毒性、43=HCT−116低酸素性、44−45=前立腺、46=正常な前立腺腫瘍、47=前立腺腫瘍)。
【0028】
表4は、パネル(正常な結腸サンプル、初期段階の腺癌、結腸から肝臓への転移、および正常な肝臓サンプルを含む)における20750 cDNA発現のTaqManTM分析の結果を示すグラフである(1−3=正常な結腸、4−5=結腸ACA−C、6=結腸ACA−B、7=腺癌、8−24=結腸から肝臓への転移、25−27=正常な肝臓)。
【0029】
表5は、結腸ACAパネルにおける20750 cDNA発現のTaqManTM分析の結果を示すグラフである(1−5=正常な結腸サンプル、6−7=腺腫、8−11=段階Bの腺癌サンプル、12−17=段階Cの腺癌サンプル、18−22=正常な肝臓サンプル、23−27=結腸から肝臓への転移サンプル、28=腹部結腸転移)。
【0030】
表6は、インビトロで同調された細胞周期パネルにおける20750 cDNA発現のTaqManTM分析の結果を示すグラフである(1=HCT−116、アフィジコリン t=0、2=HCT−116 アフィジコリン、t=3、3=HCT−116 アフィジコリン、t=6、4=HCT−116 アフィジコリン、t=9、5=HCT−116 アフィジコリン、t=12、6=HCT−116 アフィジコリン、t=15、7=HCT−116 アフィジコリン、t=18、8=HCT−116 アフィジコリン、t=21、9=HCT−116 アフィジコリン、t=24、10=HCT−116 ノコダゾール、t=0、11=HCT−116 ノコダゾール、t=3、12=HCT−116 ノコダゾール、t=6、13=HCT−116 ノコダゾール、t=9、14=HCT−116 ノコダゾール、t=15、15=HCT−116 ノコダゾール、t=18、16=HCT−116 ノコダゾール、t=21、17=HCT−116 ノコダゾール、t=24、18=DLD−1 ノコダゾール、t=3、19=DLD−1 ノコダゾール、t=6、20=DLD−1 ノコダゾール、t=9、21=DLD−1 ノコダゾール、t=12、22=DLD−1 ノコダゾール、t=15、23=DLD−1 ノコダゾール、t=18、24=DLD−1 ノコダゾール、t=21、25=A549 ミモシン、t=0、26=A549 ミモシン、t=3、27=A549 ミモシン、t=6、28=A549 ミモシン、t=9、29=A549 ミモシン、t=15、30=A549 ミモシン、t=18、31=A549 ミモシン、t=21、32=A549 ミモシン、t=24、33=MCF10A ミモシン、t=0、34=MCF10A ミモシン、t=3、35=MCF10A ミモシン、t=6、36=MCF10A ミモシン、t=9、37=MCF10A ミモシン、t=12、38=MCF10A ミモシン、t=18、39=MCF10A ミモシン、t=21、40=MCF10A ミモシン、t=24)。
【0031】
表7は、インビトロオンコジーン細胞モデルパネル(k−rasを用いてトランスフェクトされた種々の細胞株を含む)における20750 cDNA発現のTaqManTM分析の結果を示すグラフである(1=Smad4−Sw480コントロール、2=Smad4−Sw480(24時間)、3=Smad4−Sw480(48時間)、4=Smad4−Sw480(72時間)、5=L51747−ムチン、6=HT29非ムチン性、7=SW620非ムチン性、8=CSC−1正常、9=NCM−460正常、10=HCT−116 rer+、11=SW480 RER+、12=SW480 rer −/−、13=CACO rer −/−、14=JDLD−1、15=JHCT−116、16=DKO1、17=DKO4、18=DKS−8、19=Hke3、20=HKh2、21=HK2−6、22=e3Ham#9、23=APC5 −/−、24=AP6 −/−、25=APC1 +/+、26=APC13 +/+)。
【0032】
表8は、表7に示されるインビトロオンコジーン細胞モデルパネルにおける20750 cDNA発現のTaqManTM分析からの、巨視的な種々のサンプルを示すグラフである(1=JDLD−1、2=DKO1、3=DKO4、4=DKS−8、5=JHCT−116、6=HK2−6、7=Hke3、8=HKh2、9=eHam#9)。
【0033】
表9は、Smad3−/−マウスモデルにおける20750発現を示すグラフである。(1)12〜14週目および(2)18〜24週目において、正常な結腸サンプルにおける発現を調査し、(3)12〜14週目および(4)18〜24週目において、腺腫サンプルにおける発現を調査した。
【0034】
表10は、種々の時点(1=t=0時間、2=t=3時間、3=t=6時間、4=t=9時間、5=t=15時間、6=t=18時間、7=t=21時間、8=t=24時間)においてノコダゾールで処置した、細胞周期調節HCT−116ヒト結腸癌細胞における20750発現を示すグラフである。
【0035】
(表1)
【0036】
【表1】
(表2)
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
本発明は、細胞増殖性障害(例えば、癌(結腸癌、乳癌、および肺癌を含むがこれらに限定されない))の診断および処置のための方法および組成物を提供する。本発明は、プロテインキナーゼファミリー分子の新規メンバー(本明細書中で「20750」といわれる)が、正常細胞に比べて、腫瘍細胞(例えば、結腸腫瘍細胞、肺腫瘍細胞、および胸部腫瘍細胞)および肝臓へと転移した結腸細胞中で差別的に発現されるという発見に少なくとも一部基づく。20750発現はまた、Smad3−/−マウスモデルにおける結腸腫瘍において、そしてHCT−116ヒト結腸腺癌細胞株のG2/M期においてアップレギュレートされ、発癌および細胞増殖における20750についての役割を示す。Smad3−/−マウスは、有用であり、これは、ヒト結腸直腸癌についての独自のモデルである。Smad3−/−マウスは、組織病理学的にヒト疾患に類似する、結腸癌腫を発症する。疾患進行のいくつかの段階由来のサンプルは、単離され得、この段階としては、正常上皮、増殖性上皮、腺腫様ポリープ、および種々の程度の原発性癌腫およびリンパ節転移が挙げられる。
【0039】
20750分子は、プロテインキナーゼファミリーのメンバーであり、MAP/微小管親和性調節キナーゼ様1(MARKL1)(GenBank登録番号AB049127)に相同である。MARKL1は、ヒト肝癌細胞株 HepG2を使用する過剰発現実験において、β−カテニンによって調節されることが示された(Katoら、(2001)Neoplasia 3(1):4−9)。MARKL1の発現レベルは、肝細胞癌腫の90%において顕著に増加されることが後に示された。β−カテニンは、Wntシグナル伝達経路において機能する(Millerら、(1999)Oncogene 18(55):7860−72およびPeifer(1997)Science 275:1752−1753に記載される)。分泌された成長因子のWntファミリーによるシグナル伝達は、細胞運命の決定、細胞増殖、細胞移動、および細胞極性を制御する、発生に重要な主要なシグナル伝達経路の1つを示す。例えば、リン酸化による、β−カテニン分解の減少および細胞中のβ−カテニン濃度の増加が存在する場合、Wntシグナル伝達は、増大し、細胞増殖および細胞移動の増大、細胞極性の改変、ならびに細胞運命の決定の改変を導く。Wnt経路の不適切な活性化は、種々のヒトの癌(最も顕著には、結腸癌)に関与する。機構による限定は意図しないが、β−カテニン分解を調節することによって、20750分子が、Wntシグナル伝達経路を調節し、従って、細胞増殖(growth)、細胞増殖(proliferation)、および腫瘍形成を調節すると考えられる。
【0040】
例えば、20750の調節(例えば、阻害)は、β−カテニンのリン酸化を低下することによって、β−カテニンの安定性を調節(例えば、低下)し得る。細胞におけるβ−カテニン濃度の減少は、Wntシグナル伝達の減少を導き、それによって、細胞の増殖(growth)および増殖(proliferation)の低下を導く。従って、本発明の20750分子は、新規診断標的および細胞性増殖障害(例えば、癌)の処置、診断および予後のための治療剤を提供する。好ましい実施形態において、本発明の20759分子は、新規診断標的ならびに結腸癌、肺癌、および乳癌の処置、診断および予後のための治療剤を提供する。
【0041】
本明細書中で使用される場合、「細胞増殖性障害」としては、細胞増殖(growth)、分化、または増殖(proliferation)プロセスに影響を及ぼす疾患または障害が挙げられる。本明細書中で使用される場合、「細胞増殖(growth)プロセス、細胞分化プロセス、または細胞増殖(proliferation)プロセス」は、それにより、細胞の数、サイズもしくは容積が増加するか、細胞が、他の細胞の特徴と異なる特殊化された一組の特徴を発現するか、または細胞が、特定の場所もしくは刺激の近くもしくは遠くへと移動する、プロセスである。細胞増殖(growth)プロセス、細胞分化プロセス、または細胞増殖(proliferation)プロセスとしては、アミノ酸輸送およびアミノ酸分解ならびに細胞の他の代謝プロセスが挙げられる。細胞増殖性障害は、異常に調節された細胞増殖(growth)、細胞増殖(proliferation)、細胞分化、または細胞移動によって特徴付けられ得る。細胞増殖性障害は、腫瘍形成疾患または腫瘍形成障害を含む。本明細書中で使用される場合、「腫瘍形成疾患または腫瘍形成障害」は、腫瘍の発生または腫瘍を発生する傾向を生じ得る、異常に調節された細胞の増殖(growth)、増殖(proliferation)、分化、接着または移動によって特徴付けられる疾患または障害を含む。本明細書中で使用される場合、「腫瘍」は、正常な良性組織塊または悪性組織塊を含む。細胞増殖性(growth)障害または細胞増殖性(proliferation)障害の例としては、癌(例えば、癌腫、肉腫、または白血病)が挙げられるがこれらに限定されず、この例としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:結腸癌、卵巣癌、肺癌、乳癌、子宮内膜癌、子宮癌、肝癌、胃腸の癌、前立腺癌、および脳の癌;腫瘍形成および転移;骨格形成異常;ならびに造血性障害および/または骨髄増殖性障害。
【0042】
「示差的発現」は、本明細書中で使用される場合、遺伝子の時間的発現パターンおよび/または組織発現パターンにおける定量的相違および定性的相違の両方を包含する。従って、示差的に発現される遺伝子は、その発現が、細胞増殖(growth)性疾患状態または細胞増殖(proliferation)性疾患状態に対して、正常な状態において活性化または不活化されているかもしれない。発現が、細胞増殖(growth)性疾患状態または細胞増殖(proliferation)性疾患状態に対して正常な状態において異なる程度あるいは実験状態に対してコントロール状態において異なる程度は、標準的な特徴付け技術(例えば、定量的PCR、ノーザン分析、TaqmanTM分析、転写プロファイリング、またはサブトラクティブハイブリダイゼーション)を介して可視化されるのに充分に大きいことのみを必要とする。示差的に発現される遺伝子の発現パターンは、細胞増殖性障害評価の予後判定もしくは診断の一部として用いられ得るか、または細胞増殖性障害の処置に有用な化合物を同定するための方法において用いられ得る。さらに、細胞増殖障害に関与する示差的に発現される遺伝子は、標的遺伝子発現のレベルまたは標的遺伝子産物の活性の調節が、細胞増殖障害状態を回復するように作用するように、標的遺伝子を提示し得る。標的遺伝子の発現または標的遺伝子産物の活性を調節する化合物は、細胞増殖性障害の処置において用いられ得る。本明細書中に記載される20750遺伝子は、細胞増殖性障害に関して示差的に発現され得、そして/またはそれらの産物は、細胞増殖性障害に対して重要な遺伝子産物と相互作用し得るが、これらの遺伝子はまた、さらなる疾患細胞プロセスに重要な機構に関与し得る。
【0043】
本明細書中で交換可能に使用される場合、「20750活性」、「20750の生物学的活性」、または「20750の機能的活性」は、標準的な技術に従って、インビボもしくはインビトロで決定されるように、20750の応答性細胞もしくは組織(例えば、腫瘍細胞)または20750タンパク質基質に対して、20750タンパク質、20750ポリペプチドまたは20750核酸分子により及ぼされる活性を含む。20750活性は、直接的活性(例えば、20750標的分子との結合)であり得る。本明細書中で使用される場合、「基質」または「標的分子」または「結合パートナー」は、天然で20750タンパク質が結合または相互作用し、その結果、20750媒介機能(例えば、β−カテニン分解またはWntシグナル伝達の調節)が達成される、分子である。20750標的分子は、非20750分子、または20750タンパク質もしくは20750ポリペプチドであり得る。このような標的分子の例としては、20750タンパク質と同じシグナル伝達経路にあるタンパク質(例えば、細胞増殖または細胞分化の調節を含む経路において20750タンパク質の上流で機能し得るタンパク質(活性の刺激因子およびインヒビターの両方を含む)または下流で機能し得るタンパク質)が挙げられる。あるいは、20750活性は、20750タンパク質と20750標的分子との間の相互作用により媒介される細胞シグナル伝達活性のような、間接的な活性である。20750の生物学的活性は、本明細書中に記載される。例えば、20750タンパク質は、以下の活性の1つ以上を有し得る:(1)例えば、Lodish H.ら、Molecular Cell Biology,(Scientific American Books Inc.,New York,N.Y.,1995)およびStryer L.,Biochemistry,(W.H.Freeman,New York)(これらの内容は、本明細書中に参考として援用される)に記載されるような、20750標的分子(例えば、キナーゼ分子)のリン酸化状態あるいは細胞増殖、細胞代謝または細胞分化(例えば、腫瘍細胞の増殖または分化)に関与する1つ以上のタンパク質のリン酸化状態の調節;(2)細胞増殖または細胞分化(例えば、腫瘍細胞の増殖または分化)に関与する1つ以上のタンパク質の活性の調節;(3)1つ以上の遺伝子(例えば、転写因子)の発現の調節;ならびに(4)シグナル伝達の調節。他の好ましい実施形態において、本発明の20750ポリペプチドは、以下の活性の1つ以上を有する:(1)癌または腫瘍の進行の調節;(2)細胞増殖の調節、(4)細胞分化の調節、(5)細胞移動の調節、(6)アポトーシスの調節、(7)細胞極性の調節、(8)β−カテニン安定性(例えば、細胞における分解または蓄積)の調節、および(9)Wntシグナル伝達経路の調節。
【0044】
本発明の種々の局面は、以下の小節にさらに詳細に記載される。
【0045】
(I.スクリーニングアッセイ)
本発明は、20750タンパク質に結合するか、20750発現もしくは20750活性に対して刺激性もしくは阻害性の効果を有するか、または20750標的分子の発現もしくは活性に対して刺激性もしくは阻害性の効果を有する調節因子(すなわち、候補化合物もしくは試験化合物もしくは候補因子もしくは試験因子(例えば、ペプチド、ペプチド模倣物、低分子、リボザイム、または20750アンチセンス分子))を同定するための方法(本明細書中において「スクリーニングアッセイ」ともいう)を提供する。本明細書中に記載されるアッセイを使用して同定される化合物は、細胞増殖障害を処置するのに有用であり得る。
【0046】
候補/試験化合物としては、例えば、以下が挙げられる:1)可溶性ペプチドのようなペプチド(Igテールの(tailed)融合ペプチドおよびランダムペプチドライブラリーのメンバー(例えば、Lam,K.S.ら(1991)Nature 354:82−84;Houghten,R.ら(1991)Nature 354:84−86を参照のこと)ならびにD配置および/またはL配置のアミノ酸から構成される、コンビナトリアル化学誘導分子ライブラリーを含む);2)ホスホペプチド(例えば、ランダムで、部分的に縮重した指向性ホスホペプチドライブラリーのメンバー(例えば、Songyang,Z.ら(1993)Cell 72:767−778を参照のこと));3)抗体(例えば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、抗イディオタイプ抗体、キメラ抗体、および単鎖抗体ならびにFab、F(ab’)2、Fab発現ライブラリーフラグメント、および抗体のエピトープ結合フラグメント);ならびに4)有機低分子および無機低分子(例えば、コンビナトリアルライブラリーおよび天然産物ライブラリーから得られる分子)。
【0047】
本発明の試験化合物は、当該分野で公知のコンビナトリアルライブラリー法における多数の任意のアプローチを使用して得られ得る。これらのライブラリー法としては、以下が挙げられる:生物学的ライブラリー;空間アドレス可能な平行固相ライブラリーまたは溶液相ライブラリー;デコンボルーションを必要とする合成ライブラリー法;「1ビーズ1化合物」ライブラリー法;およびアフィニティークロマトグラフィー選択を使用する合成ライブラリー法。この生物学的ライブラリーアプローチは、ペプチドライブラリーに限られるが、その他の4つのアプローチは、ペプチド、非ペプチドオリゴマーまたは化合物の低分子ライブラリーに適用可能である(Lam,K.S.(1997)Anticancer Drug Des.12:145)。
【0048】
分子ライブラリーの合成方法の例は、当該分野において見出され得、例えば、以下に見出され得る:DeWittら(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6909;Erbら(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:11422;Zuckermannら(1994)J.Med.Chem.37:2678;Choら(1993)Science 261:1303;Carrellら(1994)Angew.Chem.Int.Ed.Engl.33:2059;Carellら(1994)Angew.Chem.Int.Ed.Engl.33:2061;およびGallopら(1994)J.Med.Chem.37:1233。
【0049】
化合物のライブラリーは、溶液中(例えば、Houghten(1992)Biotechniques 13:412−421)、またはビーズ上(Lam(1991)Nature 354:82−84)、チップ上(Fodor(1993)Nature 364:555−556)、細菌上(Ladner USP5,223,409)、胞子上(LadnerUSP’409)、プラスミド上(Cullら(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:1865−1869)もしくはファージ上(ScottおよびSmith(1990)Science 249:386−390;Devlin(1990)Science 249:404−406;Cwirlaら(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.87:6378−6382;Felici(1991)J.Mol.Biol.222:301−310;Ladner前出)に示され得る。
【0050】
20750活性を調節する化合物を同定するために使用され得るアッセイは、20750が標的分子をリン酸化する能力を決定するアッセイを含む。20750活性は、例えば、インビトロキナーゼアッセイを使用することによって決定され得る。簡潔には、キナーゼ標的分子(例えば、β−カテニン)は、キナーゼタンパク質および放射性ATP(例えば、[γ−32P]ATP)と共に、MgCl2およびMnCl2(例えば、10mM MgCl2および5mM MnCl2)を含有する緩衝液中でインキュベートされ得る。インキュベーションの後、免疫沈降されたキナーゼ標的分子は、還元条件下で、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分離され、膜(例えば、PVDF膜)に転写され、そしてオートラジオグラフにかけられる。オートラジオグラフの際の検出可能なバンドの出現は、キナーゼ基質がリン酸化されたことを示す。リン酸化された基質のリン酸化アミノ酸分析はまた、キナーゼ基質においてどの残基がリン酸化されたかを決定するために実施され得る。簡単には、放射性リン酸化されたタンパク質のバンドは、SDSゲルから切り出され得、部分的酸加水分解に供され得る。次いで、生成物は、1次元電気泳動において分離され得、例えば、リン酸画像化機(phosphoimager)で分析され得、そしてニンヒドリン染色リン酸化アミノ酸標準と比較され得る。β−カテニン安定性の調節は、例えば、Moonら(2001)Gynecol Oncol.81(3)355−9に記載される方法によって、β−カテニンのリン酸化についてアッセイすることによって決定され得る。Wntシグナル伝達経路の調節は、例えば、Wongら、(2001)Cancer 92(1):136−145に記載されるように、細胞中のβ−カテニン濃度についてアッセイすることによって、決定され得る。20750活性を調節する化合物を同定するために使用され得る他のアッセイとしては、以下を決定するためのアッセイが挙げられる:
(1)細胞の増殖または分化(例えば、腫瘍細胞の増殖または分化)に関与する1つ以上のタンパク質の活性の調節;(2)1つ以上の遺伝子(例えば、転写因子)の発現の調節、(3)シグナル伝達の調節、(4)癌または腫瘍の進行の調節、(5)細胞増殖の調節、(6)細胞分化の調節、(7)細胞移動の調節、(8)アポトーシスの調節、および(9)細胞極性の調節。
【0051】
20750活性を調節する化合物を同定するために使用され得る細胞増殖アッセイとしては、以下のようなアッセイが挙げられる:Connollyら(1986)Anal.Biochem.152,136−140に記載されるような細胞数についての酸性ホスファターゼアッセイおよびLoveland,B.E.ら(1992)Biochem.Int.,27:501−510に記載されるようなMTTアッセイ(これは、生存可能な細胞を定量化するために比色アッセイを利用する)(例えば、ミトコンドリアのスクシネートデヒドロゲナーゼによる、テトラゾリウム塩(MTT)のホルマザンへの細胞性還元)。細胞増殖についての他のアッセイとしては、以下が挙げられる:クローン原性アッセイ、3Hチミジン取りこみアッセイ、DNAへの放射性標識ヌクレオチドの取りこみを測定するアッセイ、または細胞性増殖を測定するための当該分野で公知の他のアッセイ。さらに、インビボ(例えば、癌を有する患者において)での細胞性増殖の阻害は、腫瘍を検出するための任意の標準的な方法(例えば、腫瘍サイズのx線または画像化分析、あるいは変異p53タンパク質生産の減少の観察、または生検もしくは組織サンプル内の任意の公知の細胞特異的マーカーまたは腫瘍マーカーの生産の減少の観察)によって検出され得る。20750活性を調節する試験化合物の能力を決定することは、例えば、細胞周期を経る細胞進行をモニタリングすることによって達成され得る。例えば、この細胞は、腫瘍細胞(例えば、結腸腫瘍細胞、肺腫瘍細胞または胸部腫瘍細胞)であり得る。
【0052】
1つの局面において、アッセイは、細胞ベースのアッセイであり、このアッセイにおいて、20750タンパク質またはその生物学的に活性な部分を発現する細胞は、試験化合物と接触されて、そしてその試験化合物の20750活性の調節能力が決定される。好ましい実施形態において、20750タンパク質の生物学的に活性な部分は、アミノ酸輸送または分解、細胞代謝あるいは細胞増殖または細胞分化を調節し得るドメインまたはモチーフを含む。試験化合物が20750活性を調節する能力を決定することは、以下により達成され得る:例えば、20750を発現する細胞における1つ以上の特定の代謝物の産生をモニタリングすること(例えば、Saadaら、(2000)Biochem Biophys.Res.Commun.269:382−386を参照のこと)、あるいは細胞代謝、細胞増殖(growth)、細胞増殖(proliferation)、または細胞分化をモニタリングすること。細胞は、例えば、哺乳動物起源(例えば、腫瘍細胞(例えば、肺腫瘍細胞、胸部腫瘍細胞、または結腸腫瘍細胞)であり得る。
【0053】
基質に対する20750の結合を調節するか、または20750に結合する試験化合物の能力もまた決定され得る。基質に対する20750の結合を調節する試験化合物の能力を決定することは、例えば以下により達成され得る:20750基質の20750への結合が、複合体中の標識された20750基質を検出することにより決定され得るように、放射性同位体または酵素標識と20750基質とをカップリングすること。あるいは、20750を放射性同位体または酵素標識とカップリングして、複合体中の20750基質に対する20750の結合を調節する試験化合物の能力をモニタリングし得る。20750を結合する試験化合物の能力を決定することは、例えば、以下により達成され得る:20750に対するこの化合物の結合が、複合体中の標識された20750化合物を検出することにより決定され得るように、放射性同位体または酵素標識とこの化合物とをカップリングすること。例えば、20750基質は、125I、35S、14C、または3Hで、直接的または間接的のいずれかで標識され得、そしてこの放射性同位体は、放射線の直接的計数またはシンチレーション計数により検出される。あるいは、化合物は、例えば、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、またはルシフェラーゼで酵素的に標識され得、そしてこの酵素的標識は、適切な基質の産物への変換の決定により検出される。
【0054】
相互作用するもののいずれも標識することなく、20750と相互作用する化合物の能力を決定することもまた、本発明の範囲内である。例えば、微視的生理機能測定器(microphysiometer)を使用して、化合物または20750のいずれも標識することなく、化合物の20750との相互作用を検出し得る(McConnell,H.M.ら(1992)Science 257:1906−1912)。本明細書中で使用される場合、「微視的生理機能測定器」(例えば、細胞センサー(Cytosensor))は、光アドレス可能な電位差計センサー(LAPS)を使用して、細胞がその環境を酸性化する速度を測定する分析機器である。この酸性化速度の変化を、化合物と20750との間の相互作用の指標として使用し得る。
【0055】
20750活性を調節(例えば、阻害または増大)する20750調節因子の能力はまた、アミノ酸の輸送または分解、細胞代謝、細胞増殖、あるいは細胞分化を上昇または低下のいずれかをする調節因子を同定するスクリーニングアッセイによって決定され得る。1つの実施形態において、本発明は、20750タンパク質または20750ポリペプチドを発現する細胞を試験化合物と接触させる工程、および細胞増殖について細胞を試験する工程、を包含するスクリーニングアッセイを提供する。例えば、20750タンパク質または20750ポリペプチドを発現する細胞は、試験化合物と接触され、続いて、例えば、Loveland,B.E.ら、(1992)Biochem.Int.,27:501−510に記載されるように細胞性増殖を決定するためにか、または、放射性標識されたヌクレオチドのいDNAへの取り込みを測定することによってか、またはコントロール細胞に比べて存在する細胞の数を測定することによって、定量化される。細胞の数は、例えば乾燥/湿潤重量測定によってか、計数チャンバーを使用する、光学密度による細胞の計数によってか、または本明細書中に記載されるような細胞増殖についての他のアッセイもしくは当該分野で公知である細胞増殖についての他のアッセイを使用して、測定され得る。
【0056】
20750発現は、腫瘍(転移性腫瘍を含む)において増加し、かつ細胞周期の間に調節されるので、細胞増殖およびまたは細胞分化を調節する化合物は、20750発現を調節する能力により同定され得る。試験化合物が20750発現を調節するか否かを決定するために、20750を発現する細胞(例えば、肺腫瘍細胞、胸部腫瘍細胞、結腸腫瘍細胞、または対応する正常細胞)を試験化合物と接触させ、そして試験化合物が20750発現を調節する能力を、例えば、ノーザンブロット、定量的PCR(例えば、Taqman)、またはインビトロ転写アッセイにより、20750 mRNAを測定することにより決定し得る。インビトロ転写アッセイを実行するために、20750の全長プロモーターおよびエンハンサーを、レポーター遺伝子(例えば、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)またはルシフェラーゼ)に連結し得、そして宿主細胞に導入し得る。次いで、同じ宿主細胞が、試験化合物でトランスフェクトされ得るかまたは試験化合物と接触され得る。試験化合物の効果は、レポーター遺伝子活性により、およびこの活性をその試験化合物を含まない細胞におけるレポーター遺伝子活性と比較することにより、測定され得る。レポーター遺伝子活性における上昇または低下は、20750発現の調節を示しており、従って、試験化合物が、例えば腫瘍細胞において、細胞増殖および/または細胞分化を調節する能力の指標である。
【0057】
試験化合物が20750発現を調節する能力を試験するための上記アッセイはまた、20750分子が細胞増殖を調節する能力を試験するために使用され得る。試験化合物が20750発現を調節し得る場合、この試験化合物は、細胞増殖(例えば、腫瘍細胞増殖)を最も調節しそうであり得る。
【0058】
インビトロの細胞ベースの癌モデルはまた、20750活性を調節する化合物を同定するため、および/または試験化合物が20750分子の活性を調節する能力を確認するために使用され得る。例えば、細胞株は、腫瘍サプレッサーおよび癌遺伝子(野生型または変異型のp53、Smad4、p16、p14、c−mycおよびk−rasが挙げられるが、これらに限定されず、これらは、癌の進行または阻害(例えば、結腸癌、肺癌、乳癌または卵巣癌の進行または阻害)に関連することが公知である遺伝子である)で、一過的にかまたは安定にトランスフェクトされ得る。次いで、これらの細胞株は、本明細書中に記載される方法を使用して、試験化合物の存在下または非存在下で、20750の発現または活性を評価するために使用され得る。例えば、以下のヒト乳腺上皮細胞株が、インビトロモデルおよび/またはマウスにおける異種移植片モデルにおいて使用するために利用可能である:HMEC、MCF−7、T−47D、ZR−75、MDA−MB−231、MDA−MB−MC−2、MDA−MB−435、BT−549、SkBr3、MDA−MB−468、MCF10A、MCF10AT.cl1、MCF10AT.cl3、MCF10AT1、MCF10AT3B、MCF10CA1.cl、Hs578TおよびHCC1937。以下の結腸細胞株が、インビトロモデルおよび/またはマウスにおける異種移植片モデルにおいて使用するために、利用可能である:HCT−116、SW480、CC−ML3、KM12C、KM12SM、HT29、DLD−1、HCC−2998、COLO−205、HCT−15、SW−620およびKM20L2。以下の肺細胞株が、インビトロモデルおよび/またはマウスにおける異種移植片モデルにおいて使用するために、利用可能である:NCI−H345、NCI−H69およびNCI−H125。以下の卵巣細胞株が、インビトロモデルおよび/またはマウスにおける異種移植片モデルにおいて使用するために、利用可能である:SKOV3、SKOV3、OVCAR−3およびOVCAR−4。
【0059】
インビトロの細胞ベースの乳癌モデルとしては、例えば、以下が挙げられる:k−rasで形質転換されたMCF10A細胞株(乳腺上皮悪性腫瘍の細胞ベースの系);増殖因子(EGF増殖因子およびIGF1増殖因子を含む)でヒト胸部上皮細胞(MCF10A)を処理すること、およびHCC1937細胞へのBRCA1発現の再導入。
【0060】
インビトロの細胞ベースの卵巣癌モデルとしては、例えば、以下が挙げられる:血清の非存在下で、15分間、30分間および60分間にわたって、上皮増殖因子(EGF)または増殖因子Heregulin(Hrg)のいずれかでの、卵巣癌細胞株(SKOV3およびSKOV3/改変体(これらは、シスプラチン耐性である親SKOV3卵巣癌細胞株の改変体である))の処置;ならびに既にヌルの細胞株(SKOV−3およびSKOV3−Var)におけるp53の安定な発現。
【0061】
インビトロの細胞ベースの肺癌モデルとしては、例えば、以下が挙げられる:腫瘍サプレッサーモデル(例えば、NCI−H125細胞(p53についてヌルである肺腫瘍細胞株)へのp53の再導入;同じ遺伝子座由来の別個の腫瘍サプレッサーであるp16およびp14(これらは共に、肺腫瘍においては一般にサイレントである)の、肺腫瘍細胞株NCI−H460およびA549(これらは、通常、これらの遺伝子の発現を欠く)における発現;ならびに小細胞腫瘍株におけるpRb遺伝子(これは、小細胞肺癌において一般に欠失している)の発現。他の細胞ベースのモデルとしては、活性化k−ras遺伝子で安定に形質転換された気管支上皮細胞株が挙げられる。さらに、増殖因子モデルもまた使用され得る。例えば、NCI−H69およびNCI−H345小細胞肺癌腫(SCLC)細胞は、広いスペクトルの神経ペプチドレセプターインヒビターとして作用するサブスタンスPアナログ(SPA)で処理され得る。SPA処理後にダウンレギュレートされた遺伝子に、その発現が腫瘍細胞増殖に必須であるか否かを決定するためのさらなる研究のために、印をつけた(flag)。c−kitチロシンキナーゼレセプターおよびそのリガンドであるSCFの両方を発現するSCLC細胞を、キナーゼインヒビターSTI−571で処理し得る。このレセプターおよびリガンドの両方を発現する細胞株の571処理の際の選択的増殖阻害が実証され、これは、c−kitチロシンキナーゼレセプターおよびそのリガンドが、腫瘍細胞増殖を刺激するオートクラインフィードバックループにおいて機能することを示唆する。インビトロの細胞ベースの癌モデルは、20750活性を調節する化合物を同定するため、および/または試験化合物が20750分子の活性を調節する能力を確認するために、使用され得る。例えば、細胞株は、腫瘍サプレッサーおよび癌遺伝子(野生型または変異型のp53、Smad4、p16、p14、c−mycおよびk−rasが挙げられるが、これらに限定されず、これらは、癌の進行または阻害(例えば、結腸癌、肺癌、乳癌または卵巣癌の進行または阻害)に関連することが公知である遺伝子である)で、一過的にかまたは安定にトランスフェクトされ得る。次いで、これらの細胞株は、本明細書中に記載される方法を使用して、試験化合物の存在下または非存在下で、20750の発現または活性を評価するために使用され得る。例えば、以下のヒト乳腺上皮細胞が、インビトロモデルおよび/またはマウスにおける異種移植片モデルにおいて使用するために利用可能である:HMEC、MCF−7、T−47D、ZR−75、MDA−MB−231、MDA−MB−MC−2、MDA−MB−435、BT−549、SkBr3、MDA−MB−468、MCF10A、MCF10AT.cl1、MCF10AT.cl3、MCF10AT1、MCF10AT3B、MCF10CA1.cl、Hs578TおよびHCC1937。以下の結腸細胞株が、インビトロモデルおよび/またはマウスにおける異種移植片モデルにおいて使用するために、利用可能である:HCT−116、SW480、CC−ML3、KM12C、KM12SM、HT29、DLD−1、HCC−2998、COLO−205、HCT−15、SW−620およびKM20L2。以下の肺細胞株が、インビトロモデルおよび/またはマウスにおける異種移植片モデルにおいて使用するために、利用可能である:NCI−H345、NCI−H69およびNCI−H125。以下の卵巣細胞株が、インビトロモデルおよび/またはマウスにおける異種移植片モデルにおいて使用するために、利用可能である:SKOV3、SKOV3、OVCAR−3およびOVCAR−4。
【0062】
インビトロの細胞ベースの乳癌モデルとしては、例えば、以下が挙げられる:k−rasで形質転換されたMCF10A細胞株(乳腺上皮悪性腫瘍の細胞ベースの系);増殖因子(EGF増殖因子およびIGF1増殖因子を含む)でヒト胸部上皮細胞(MCF10A)を処理すること、およびHCC1937細胞へのBRCA1発現の再導入。
【0063】
インビトロの細胞ベースの卵巣癌モデルとしては、例えば、以下が挙げられる:血清の非存在下で、15分間、30分間および60分間にわたって、上皮増殖因子(EGF)または増殖因子Heregulin(Hrg)のいずれかでの、卵巣癌細胞株(SKOV3およびSKOV3/改変体(これらは、シスプラチン耐性である親SKOV3卵巣癌細胞株の改変体である))の処理;ならびに既にヌルの細胞株(SKOV−3およびSKOV3−Var)におけるp53の安定な発現。
【0064】
インビトロの細胞ベースの肺癌モデルとしては、例えば、以下が挙げられる:腫瘍サプレッサーモデル(例えば、NCI−H125細胞(p53についてヌルである肺腫瘍細胞株)へのp53の再導入;同じ遺伝子座由来の別個の腫瘍サプレッサーであるp16およびp14(これらは共に、肺腫瘍においては一般にサイレントである)の、肺腫瘍細胞株NCI−H460およびA549(これらは、通常、これらの遺伝子の発現を欠く)における発現;ならびに小細胞腫瘍株におけるpRb遺伝子(これは、小細胞肺癌において一般に欠失している)の発現。他の細胞ベースのモデルとしては、活性化k−ras遺伝子で安定に形質転換された気管支上皮細胞株が挙げられる。さらに、増殖因子モデルもまた使用され得る。例えば、NCI−H69およびNCI−H345小細胞肺癌腫(SCLC)細胞は、広いスペクトルの神経ペプチドレセプターインヒビターとして作用するサブスタンスPアナログ(SPA)で処理され得る。SPA処理後にダウンレギュレートされた遺伝子に、その発現が腫瘍細胞増殖に必須であるか否かを決定するためのさらなる研究のために、印をつけた(flag)。c−kitチロシンキナーゼレセプターおよびそのリガンドであるSCFの両方を発現するSCLC細胞を、キナーゼインヒビターSTI−571で処理し得る。このレセプターおよびリガンドの両方を発現する細胞株の571処理の際の選択的増殖阻害が実証され、これは、c−kitチロシンキナーゼレセプターおよびそのリガンドが、腫瘍細胞増殖を刺激するオートクラインフィードバックループにおいて機能することを示唆する。
【0065】
インビトロの細胞ベースの結腸癌モデルとしては、例えば、以下が挙げられる:Smad4で安定にかまたは一過的にトランスフェクトされたSW480細胞。Smad4は、結腸癌腫のサブセットにおいて変異している候補腫瘍サプレッサー遺伝子である。Smad4は、TGF−β分子のシグナル伝達において機能する。TGF−βスーパーファミリーは、増殖阻害に関与することが周知である。結腸細胞株におけるSmad4の変異/欠失は、Smad4が細胞接着および浸潤の調節因子であり得るという仮説を提供する。本発明の方法において有用な別の細胞株は、β−カテニンで安定にかまたは一過的にトランスフェクトされたNCM425細胞である。APC遺伝子の変異は、結腸直腸癌の散発性の形態および家族性形態での、腫瘍形成の原因である。APCは、β−カテニンに結合し、そしてβ−カテニンの細胞質レベルを調節する。APCが変異している場合、β−カテニンは、細胞質中に蓄積し、そして核に転移する。一旦核に入ると、β−カテニンは、LEF/TCF分子と相互作用し、そして遺伝子発現を調節する。β−カテニン/LEF(例えば、c−mycおよびサイクリンD1)複合体によって調節される遺伝子は、腫瘍形成に関与する。p53で安定にかまたは一過的にトランスフェクトされた細胞もまた、本発明の方法において有用である。p53は、結腸直腸癌腫瘍の50%より多くにおいて変異している周知の腫瘍サプレッサーである。本発明の方法において有用ななお他の細胞株としては、NCM425結腸癌細胞への、WISP−1の一過的または安定なトランスフェクション、種々の細胞への DCC、Cox2および/またはAPCの一過的または安定なトランスフェクションが挙げられる。
【0066】
HCT−116およびDLD−1のような細胞株はまた、k−rasで形質転換され得、そして本発明の方法において使用され得る。k−ras癌遺伝子を活性化する点変異は、ヒト結腸癌の50%で見出される。活性化k−rasは、結腸直腸腫瘍において細胞増殖を調節し得る。HCT−116細胞およびDLD−1細胞において活性化k−ras対立遺伝子を破壊することは、分化を形態学的に変更し、足場非依存的な増殖の喪失を引き起こし、インビトロおよびインビボでの増殖を遅延させ、そしてc−mycの発現を減少させる。20750の発現は、k−rasが破壊されたHCT−116細胞においてダウンレギュレートされることが見出された。
【0067】
細胞周期調節およびそのチェックポイントにおける異常は、悪性細胞の発生を導く。細胞増殖および細胞周期停止を調節するシグナルに細胞が応答する能力の喪失は、癌の共通の機構である。従って、細胞周期内の特定の時点の研究について、細胞株(例えば、結腸癌細胞株であるHCT116、DLD−1およびNCM425)は、例えば、薬剤(例えば、ミモシン(mimosine)(G1ブロック),ミモシン(G1/Sブロック)およびノコダゾール(nocodazole)(G2/Mブロック))を用いて同調され得る。p53状態に関連する細胞同調はまた、種々のp53状態の細胞(SKOV−3(ヌル)、OVCAR−3またはOVCAR−4(変異体)およびHEY(野生型))においても研究され得る。
【0068】
なお別の実施形態において、本発明のアッセイは、20750タンパク質またはその生物学的に活性な部分を試験化合物と接触させ、そして試験化合物が20750タンパク質またはその生物学的に活性な部分に結合するか、またはそれらの活性を調節(例えば、刺激または阻害)する能力を決定する、無細胞アッセイである。本発明のアッセイに使用するための20750タンパク質の好ましい生物学的に活性な部分としては、非20750分子との相互作用に関与するフラグメント(例えば、高い表面確立スコアを有するフラグメント)が挙げられる。20750タンパク質に対する試験化合物の結合は、上記のように、直接的にかまたは間接的にかのいずれかで決定され得る。20750タンパク質が試験化合物に結合する能力を決定することはまた、リアルタイム生体分子相互作用分析(Biomolecular Interaction Analysis(BIA))のような技術を使用して達成され得る(Sjolander,S.およびUrbaniczky,C.(1991)Anal.Chem.63:2338−2345;Szaboら(1995)Curr.Opin.Struct.Biol.5:699−705)。本明細書中で使用する場合、「BIA」は、いずれの相互作用物をも標識せずに、リアルタイムで生体特異的な相互作用を研究するための技術である(例えば、BIAcore)。表面プラズモン共鳴(SPR)の光学的現象における変化は、生体分子間のリアルタイム反応を示すものとして使用され得る。
【0069】
本発明の上記アッセイ方法の1つより多くの実施形態において、20750または20750の標的分子のいずれかを固定化して、タンパク質の一方または両方の非複合体化形態からの複合体化形態の分離を容易にし、そしてアッセイの自動化に適応させることが、望ましくあり得る。試験化合物の存在下および非存在下における、20750タンパク質に対する試験化合物の結合、または20750標的分子との20750タンパク質の相互作用は、反応物を含むのに適した任意の容器において達成され得る。このような容器の例としては、マイクロタイタープレート、試験管、および微量遠心管が挙げられる。1つの実施形態において、そのタンパク質の一方または両方をマトリックスに結合することを可能にするドメインを付加する融合タンパク質が、提供され得る。例えば、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ/20750の融合タンパク質またはグルタチオン−S−トランスフェラーゼ/標的の融合タンパク質は、グルタチオンセファロースビーズ(Sigma Chemical、St.Louis、MO)またはグルタチオン誘導体化マイクロタイタープレート上に吸着され得、次いで、これらを、試験化合物と混ぜ合わせるか、あるいは試験化合物および非吸着標的タンパク質または20750タンパク質のいずれかと混ぜ合わせ、そしてこの混合物を、複合体形成に貢献する条件下(例えば、塩およびpHに関して生理学的条件)でインキュベートし得る。インキュベーション後、ビーズまたはマイクロタイタープレートウェルを洗浄して、結合していないあらゆる成分を除去し、ビーズの場合にはマトリックスを固定し、例えば、上記のように、複合体を直接的または間接的のいずれかで決定する。あるいは、複合体をマトリックスから解離させ得、そして20750結合レベルまたは20750活性レベルを標準的な技術を使用して決定し得る。
【0070】
タンパク質をマトリクス上に固定するための他の技術はまた、本発明のスクリーニングアッセイにおいて使用され得る。例えば、20750タンパク質または20750標的分子のいずれかは、ビオチンとストレプトアビジンとの結合体化を使用して固定され得る。ビオチン化された20750タンパク質または20750標的分子を、当該分野において公知の技術を使用して、ビオチン−NHS(N−ヒドロキシ−スクシンイミド)から調製し得(例えば、ビオチン化キット、Pierce Chemicals、Rockford、IL)、そしてストレプトアビジンでコーティングした96ウェルのプレート(Pierce Chemical)のウェル中に固定し得る。あるいは、20750タンパク質または20750標的分子と反応性であるが、20750タンパク質のその標的分子への結合を妨害しない抗体は、プレートのウェルに誘導体化され得、そして結合していない標的または20750タンパク質が、抗体結合体化によってウェル内にトラップされ得る。このような複合体を検出するための方法には、GST固定化複合体に関しての上記のものに加えて、20750タンパク質または標的分子と反応性の抗体を使用する、複合体の免疫検出、ならびに20750タンパク質または標的分子に関連する酵素活性の検出に依存する酵素結合アッセイが挙げられる。
【0071】
本発明のなお別の局面において、20750タンパク質またはそのフラグメントは、ツーハイブリッドアッセイまたはスリーハイブリッドアッセイ(例えば、米国特許第5,283,317号;Zervosら、(1993)Cell 72:223〜232;Maduraら(1993)J.Biol.Chem.268:12046〜12054;Bartelら(1993)Biotechniques 14:920〜924;Iwabuchiら(1993)Oncogene 8:1693〜1696;およびBrent WO94/10300を参照のこと)において、20750と結合または相互作用し、20750活性に関与する他のタンパク質(「20750結合タンパク質」または「20750−bp」)を同定するために「ベイト(bait)タンパク質」として使用され得る。そのような20750結合タンパク質は、例えば、20750媒介性シグナル伝達経路の下流エレメントのような、20750タンパク質または20750標的によるシグナルの伝達に関与している可能性もある。あるいは、そのような20750結合タンパク質は、20750インヒビターである可能性がある。
【0072】
このツーハイブリッドシステムは、ほとんどの転写因子のモジュラー型の性質に基づく。ほとんどの転写因子は、分離可能なDNA結合ドメインおよび活性化ドメインからなる。簡単に述べると、このアッセイは、2つの異なるDNA構築物を利用する。1つの構築物において、20750タンパク質をコードする遺伝子が、既知の転写因子(例えば、GAL−4)のDNA結合ドメインをコードする遺伝子に融合される。他方の構築物において、同定されていないタンパク質(「プレイ(prey)」または「サンプル」)をコードするDNA配列ライブラリー由来のDNA配列が、既知の転写因子の活性化ドメインをコードする遺伝子に融合される。「ベイト」タンパク質と「プレイ」タンパク質とがインビボで相互作用して20750依存性複合体を形成し得る場合、その転写因子のDNA結合ドメインと活性化ドメインとは、近接する。このように近くにあることにより、その転写因子に応答性の転写調節部位に作動可能に連結したレポーター遺伝子(例えば、LacZ)の転写が可能になる。このレポーター遺伝子の発現が検出され得、そしてその機能的な転写因子を含む細胞コロニーが、単離され得、そして20750タンパク質と相互作用するタンパク質をコードするクローニングされた遺伝子を得るために使用され得る。
【0073】
別の局面において、本発明は、本明細書中に記載されるアッセイのうちの2つ以上の組み合わせに関する。例えば、調節因子が、細胞ベースのアッセイまたは無細胞アッセイを用いて同定され得、そしてその因子が20750タンパク質の活性を調節する能力が、(例えば、動物(例えば、細胞増殖障害(例えば、癌)についての動物モデル)において)インビボで確認され得る。癌の動物モデルの例としては、移植可能モデル(例えば、異種移植)が挙げられる。結腸癌についての異種移植は、以下の細胞株を用いて実施され得る:HCT−116、HT−29、SW−480、SW−620、Colon 26、DLD1、Caco2、colo205、T84およびKM12。肺癌についての異種移植は、以下の細胞株を用いて実施され得る:NCI−H125、NCI−H460、A549、NCI−H69およびNCI−H345。卵巣癌についての異種移植は、SKOV3細胞株およびHEY細胞株を用いて実施され得る。乳癌についての異種移植は、例えば、MCF10AT細胞(これは、マウスにおける皮下または同所(清浄化された乳腺脂肪パッド)異種移植片として、増殖され得る)を用いて実施され得る。MCF10AT異種移植片は、ヒト乳癌と類似の様式で進行する腫瘍を生じる。エストロゲン刺激もまた、このモデルにおいて腫瘍進行を加速することが示されている。過形成、インサイチュ癌腫および浸潤性癌腫の病期を示すMCF10AT異種移植腫瘍は、発現プロファイリングにより単離される。ヒト乳癌細胞株MDA−MB−231の転移性サブクローン(これは、脳、肺および骨に転移する)はまた、種々の部位(すなわち、皮下、同所、直接的骨注射後の骨、心臓内注射の後の骨)において、インビトロおよびインビボで増殖され得る。MCF−7およびT−47Dは、異種移植片として増殖され得る他の乳腺腺癌細胞株である。これらの細胞株は、全て、例えば、免疫無防備状態のマウス(例えば、SCIDまたはヌードマウス)に移植され得る。
【0074】
同所転移マウスモデルもまた、利用され得る。例えば、HCT−116ヒト結腸癌腫細胞株は、無胸腺ヌードマウスにおいて、皮下異種移植片または同所異種移植片(鞘内(intracaecal)注射)として増殖され得る。稀な肝臓および肺の転移物が単離され、インビトロで増殖され、そしてインビボで再移植され得る。限定された反復回数のこのプロセスを使用して、親細胞株の高度に転移性の改変体を単離し得る。標準的cDNAライブラリーおよびサブトラクティドcDNAライブラリーならびにプローブは、転移性表現型の獲得に関連する遺伝子を同定するために、親細胞株および改変体細胞株から生成され得る。このモデルは、いくつかの代替的なヒト結腸癌腫細胞株(SW480およびKM12Cを含む)を使用して、確立され得る。
【0075】
ミスマッチ修復モデル(MMR)もまた、本発明の方法において有用である。遺伝性非ポリポーシス性結腸癌(HNPCC)(これは、DNAミスマッチ修復に関与するMSH2遺伝子およびMLH1遺伝子における、生殖系列変異によって引き起こされる)は、結腸癌の症例の5〜15%を占める。MLH1遺伝子、MSH2遺伝子およびMSH3遺伝子においてヌル変異を保有するマウスモデルが、作製されている。
【0076】
癌についての他の動物モデルとしては、以下が挙げられる:トランスジェニックモデル(例えば、B66−Min/+マウス);化学物質誘導モデル(例えば、発癌物質(例えば、アゾキシメタン(azoxymethane)、2−ジメチルヒドラジンまたはN−ニトロソジメチルアミン)処置されたラットまたはマウス);Rashidiら(2000)Anticancer Res 20(2A):715によって記載されるような、結腸癌からの肝臓転移のモデル;ならびに例えば、Fingertら(1987)Cancer Res 46(14):3824−9およびTeraokaら(1995)Jpn J Cancer Res 86(5):419−23に記載されるような、癌細胞移植モデルまたは接種モデル。さらに、実験的モデル系が、以下の研究のために利用可能である(例えば、卵巣癌(Hamilton,TCら、Semin Oncol(1984)11:285−298;Rahman,NAら、Mol Cell Endocrinol (1998)145:167−174;Beamer,WGら、Toxicol Pathol(1998)26:704−710))、胃癌(Thompson,Jら、Int J Cancer(2000)86:863−869;Fodde,Rら、Cytogenet Cell Genet(1999)86:105−111))、乳癌(Li,Mら、Oncogene(2000)19:1010−1019;Green,JEら、Oncogene(2000)19:1020−1027))、黒色腫(Satyamoorthy,Kら、Cancer Metast Rev(1999)18:401−405))、および前立腺癌(Shirai,Tら、Mutat Res(2000)462:219−226;Bostwick,DGら、Prostate(2000)43:286−294))。結腸癌についてのマウスモデルとしては、APCminマウス(これは、ヒト結腸直腸癌種の高度に特徴付けられた遺伝的モデルである);APC1638Nマウス(これは、APC遺伝子のコドン1638においてPGK−ネオマイシン遺伝子を導入することによって作製され、そして、6〜8週後に異常な陰窩葉(crypt foli)を発症し、これは、4ヶ月齢までに、最終的に癌腫に進行する);およびSmad3−/−マウス(これは、組織病理学的にヒト疾患に類似する結腸癌種を発症する)。
【0077】
インビボにおける腫瘍形成を研究するための他の動物ベースのモデルは、当該分野で周知であり(Animal Models of Cancer Predisposition Syndromes,Hiai,H.およびHino,O.(編)1999,Progress in Experimental Tumor Research,Vol.35;Clarke AR Carcinogenesis(2000)21:435−41において概説される)、そして例えば、以下が挙げられる:発癌物質誘導性の腫瘍(Rithidech,Kら、Mutat Res(1999)428:33−39;Miller,MLら、Environ Mol Mutagen(2000)35:319−327)ならびに増殖調節遺伝子(例えば、癌遺伝子(例えば、ras))に(Arbeit,JMら、Am J Pathol(1993)142:1187−1197;Sinn,Eら、Cell(1987)49:465−475;Thorgeirsson,SSら、Toxicol Lett(2000)112−113:553−555)および腫瘍サプレッサー遺伝子(例えば、p53)(Vooijs,Mら、Oncogene(1999)18:5293−5303;Clark AR Cancer Metast Rev(1995)14:125−148;Kumar,TRら、J Intern Med(1995)238:233−238;Donehower,LAら(1992)Nature 356215−221)において変異を有する動物(例えば、ラット)。
【0078】
さらに、本発明は、本明細書中に記載されるような処置のための、上記スクリーニングアッセイによって同定された新規化合物の使用に関する。1実施形態において、本発明は、細胞増殖(growthまたはproliferation)障害を有する被験体を処置する方法を特徴とし、この方法は、処置が生じるように、20750調節因子を被験体に投与する工程を包含する。別の実施形態において、本発明は、癌(例えば、結腸癌、肺癌または卵巣癌)を有する被験体を処置する方法を特徴とし、この方法は、処置が生じるように、20750調節因子を用いて被験体を処置する工程を包含する。好ましい20750調節因子としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:20750タンパク質または生物学的に活性なフラグメント、20750核酸分子、20750抗体、リボザイムおよび本明細書中に開示される20750ヌクレオチド配列に基づいて設計された20750アンチセンスオリゴヌクレオチド、ならびに例えば、本明細書中に記載されるスクリーニングアッセイの少なくとも1つに従って、20750の発現および/または活性を調節し得るとして同定されたペプチド、有機および非有機の低分子。
【0079】
さらに、本明細書中に記載されるように同定された20750調節因子(例えば、アンチセンス20750核酸分子、20750特異的抗体または低分子)は、このような調節因子での処置の効力、毒性または副作用を決定するために、動物モデルにおいて使用され得る。あるいは、本明細書中に記載されるように同定された20750調節因子は、このような調節因子の作用機構を決定するために動物モデルにおいて使用され得る。
【0080】
任意の化合物(上記アッセイ系において同定された化合物のような化合物を含むが、これらに限定されない)は、細胞の増殖障害の症状を緩和する能力について試験され得る。細胞増殖障害系を緩和するこのような能力を示す化合物の同定のための、細胞ベースのアッセイおよび動物モデルベースのアッセイは、本明細書中に記載される。
【0081】
1つの局面において、本明細書中に記載されるような細胞ベースの系は、細胞増殖障害の症状を緩和する(例えば、腫瘍負荷、腫瘍サイズ、腫瘍細胞増殖、分化および/または増殖、ならびに処置の前後の浸潤能および/または転移能の低下)ように作用し得る化合物を同定するために使用され得る。例えば、このような細胞系は、細胞増殖障害の症状を緩和する能力を有することが疑われる化合物に、曝露された細胞における細胞増殖障害の症状の緩和を誘発するのに十分な濃度および十分な時間で、曝露され得る。曝露後、細胞は、細胞増殖障害の細胞表現型の1つ以上が、より正常またより野生型の、非細胞増殖障害の表現型に似るように変更されたか否かを決定するために、試験される。細胞増殖障害に関連する細胞表現型としては、異常な増殖、成長および移動、足場非依存的増殖および接触阻害の喪失が挙げられる。
【0082】
さらに、動物ベースの細胞増殖障害系(例えば、本明細書中に記載されるもの)は、細胞増殖障害の症状を緩和し得る化合物を同定するために使用され得る。このような動物モデルは、薬物、薬剤、治療および介入(細胞増殖障害を処置する際に有効であり得る)の同定のための試験物質として使用され得る。例えば、動物モデルは、細胞増殖障害の症状を緩和する能力を示すことが疑われる化合物に、曝露された動物における細胞増殖障害の症状のこのような緩和を誘発するのに十分な濃度および十分な時間で、曝露され得る。曝露に対する動物の応答は、細胞増殖障害またはそれに関連する症状の逆転(腫瘍負荷、腫瘍サイズ、ならびに処置の前後の浸潤能および/または転移能の減少)を評価することによって、モニタリングされ得る。
【0083】
本発明に関して、細胞増殖障害の症状の任意の局面を逆転する任意の処置は、ヒトの細胞増殖障害の治療的介入についての候補とみなされるべきである。試験化合物の投薬量は、用量−応答曲線を誘導することによって、決定され得る。
【0084】
さらに、遺伝子発現パターンは、化合物が細胞増殖障害の症状を緩和する能力を評価するために利用され得る。例えば、1つ以上の遺伝子の発現パターンは、「遺伝子発現プロフィール」または「転写プロフィール」(これらは、次いで、このような評価において使用され得る)の一部を形成し得る。「遺伝子発現プロフィール」または「転写プロフィール」は、本明細書中で使用する場合、所定の条件セット下で、所定の組織または細胞型について得られたmRNA発現のパターンを含む。このような条件としては、以下が挙げられ得るが、これらに限定されない:細胞の成長、増殖、分化、形質転換、腫瘍形成、転移および発癌物質曝露。遺伝子発現プロフィールは、例えば、ディファレンシャルディスプレイ手順、ノーザン分析および/またはRT−PCRを利用することによって、作製され得る。1実施形態において、20750遺伝子配列は、このような遺伝子発現プロフィールの生成および確証のための、プローブおよび/またはPCRプライマーとして使用され得る。
【0085】
遺伝子発現プロフィールは、細胞ベースのモデル系および/または動物ベースのモデル系において、既知の状態について特徴づけされ得る。引き続き、これらの既知の遺伝子発現プロフィールは、試験化合物が、このような遺伝子発現プロフィールを改変し、そしてプロフィールを、より所望されるプロフィールにより密接に類似させる効果を有することを確認するために、比較され得る。
【0086】
例えば、化合物の投与は、細胞増殖障害モデル系の遺伝子発現プロフィールを、コントロール系により密接に類似させ得る。あるいは、化合物の投与は、コントロール系の遺伝子発現プロフィールに、細胞増殖障害状態を模倣し始めさせ得る。このような化合物は、例えば、目的の化合物をさらに特徴付けるために使用され得るか、またはさらなる動物モデルの作製において使用され得る。
【0087】
(II.予測医学)
本発明はまた、予測医学の分野に関する。この分野において、診断アッセイ、予後アッセイ、およびモニタリング臨床試験が、予後(予測)目的のために使用され、それによって個体を予防的に処置する。従って、本発明の1つの局面は、生物学的サンプル(例えば、血液、血清、細胞または組織(例えば、腫瘍または癌の組織))に関して、20750タンパク質および/または核酸の発現、ならびに20750活性を決定し、それによって、個体が、細胞増殖障害に罹患しているか否かを決定するための、診断アッセイに関する。本発明はまた、個体が細胞増殖障害を発症する危険性があるか否かを決定するための、予後(または予測)アッセイを提供する。例えば、20750遺伝子における変異が、生物学的サンプル中でアッセイされ得る。このようなアッセイは、予後目的または予測目的のために使用され得、それによって個体は、細胞増殖障害の発症前に、予防的に(phophylactically)処置される。
【0088】
本発明の別の局面は、臨床試験における、20750の発現または活性に対する20750調節因子(例えば、抗20750抗体または20750リボザイム)の影響のモニタリングに関する。
【0089】
これらおよび他の薬剤は、以下の節で、さらに詳細に記載される。
【0090】
(A.細胞増殖障害についての診断アッセイ)
被験体が、細胞増殖障害に罹患しているか否かを決定するために、生物学的サンプルは被験体から獲得され得、そしてこの生物学的サンプルは、この生物学的サンプル中の20750タンパク質または20750タンパク質をコードする核酸(例えば、mRNAまたはゲノムDNA)を検出し得る化合物または薬剤と接触され得る。20750 mRNAまたはゲノムDNAを検出するのに好ましい薬剤は、20750 mRNAまたはゲノムDNAにハイブリダイズし得る標識核酸プローブである。この核酸プローブは、例えば、配列番号1に示される20750核酸またはそれらの一部(例えば、少なくとも15、20、25、30、25、40、45、50、100、250または500ヌクレオチド長であり、ストリンジェントな条件下で、20750 mRNAまたはゲノムDNAに特異的にハイブリダイズするのに十分なオリゴヌクレオチド)であり得る。本発明の診断アッセイにおいて使用するのに適切な他のプローブが、本明細書中に記載されている。
【0091】
サンプル中の20750タンパク質を検出するのに好ましい薬剤は、20750タンパク質に結合し得る抗体であり、好ましくは、検出可能な標識を有する抗体である。抗体は、ポリクローナル抗体であり得、より好ましくは、モノクローナル抗体であり得る。インタクトな抗体、またはそのフラグメント(例えば、FabまたはF(ab’)2)が、使用され得る。用語「標識」は、プローブまたは抗体に関して、検出可能な物質をプローブまたは抗体に連結(すなわち、物理的に連結)することによるこのプローブまたは抗体の直接的な標識、ならびに直接的に標識された別の試薬との反応性によるこのプローブまたは抗体の間接的な標識を包含することが意図される。間接的な標識の例としては、蛍光標識された二次抗体を使用する一次抗体の検出、および蛍光標識されたストレプトアビジンで検出され得るような、ビオチンでのDNAプローブの末端の標識の検出が挙げられる。
【0092】
用語「生物学的サンプル」は、被験体から単離された組織、細胞、および生物学的流体、ならびに被験体内に存在する組織、細胞、および流体を含むことが意図される。すなわち、本発明の検出方法を使用して、インビトロおよびインビボで、生物学的サンプル中の20750 mRNA、タンパク質、またはゲノムDNAを検出し得る。例えば、20750 mRNAを検出するためのインビトロ技術としては、ノーザンハイブリダイゼーションおよびインサイチュハイブリダイゼーションが挙げられる。20750のタンパク質を検出するためのインビトロ技術としては、酵素結合イムノソルベント検定法(ELISA)、ウエスタンブロット、免疫沈降、および免疫蛍光検査法が挙げられる。20750のゲノムDNAを検出するためのインビトロ技術としては、サザンハイブリダイゼーションが挙げられる。さらに、20750のタンパク質を検出するためのインビボ技術としては、被験体への標識抗20750抗体の導入が挙げられる。例えば、抗体は、被験体における存在および位置が、標準的な画像化技術によって検出され得る放射活性マーカーを用いて、標識され得る。
【0093】
別の実施形態において、本方法はさらに、コントロール被験体からのコントロール生物学的サンプルを獲得する工程、コントロールサンプルと、20750タンパク質、mRNA、またはゲノムDNAを検出し得る化合物または薬剤とを接触させる工程(その結果、20750タンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの存在が、生物学的サンプルにおいて検出される)、およびコントロールサンプル中の20750タンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの存在と、試験サンプル中の20750タンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの存在とを比較する工程を包含する。
【0094】
(B.細胞増殖障害についての予後アッセイ)
本発明はさらに、異常な20750発現または活性に関連する細胞増殖障害を発症する危険を有する被験体を同定するための方法に関する。
【0095】
本明細書中で使用される場合、用語「異常な」は、野生型の20750の発現または活性から逸脱した、20750の発現または活性を含む。異常な発現または活性としては、発現もしくは活性の増加または減少、ならびに野生型の発現の発生的パターンまたは細胞下の発現のパターンに従わない、発現または活性が挙げられる。例えば、異常な20750の発現または活性は、20750遺伝子が、20750遺伝子における変異によって過少発現または過剰発現される状況、ならびにこのような変異によって、非機能的20750タンパク質または野生型の様式で機能しないタンパク質(例えば、20750基質と相互作用しないタンパク質、または非20750基質と相互作用するタンパク質)を生じる状況を含むことが意図される。
【0096】
本明細書中で記載されるアッセイ(例えば、上述の診断アッセイまたは後述のアッセイ)は、細胞増殖障害(例えば、結腸癌、肺癌および卵巣癌のような、癌)を有するかまたはそれを発症する危険を有する被験体を同定するために使用され得る。生物学的サンプルは、被験体から獲得され得、そして遺伝的変更の存在または非存在について試験され得る。例えば、このような遺伝的変更は、以下の少なくとも1つの存在を確認することにより検出され得る:1)20750遺伝子からの1つ以上のヌクレオチドの欠失;2)20750遺伝子への1つ以上のヌクレオチドの付加;3)20750遺伝子の1つ以上のヌクレオチドの置換;4)20750遺伝子の染色体再構築;5)20750遺伝子のメッセンジャーRNA転写物レベルの変更;6)ゲノムDNAのメチル化パターンのような、20750遺伝子の異常な改変;7)20750遺伝子のメッセンジャーRNA転写物の非野生型スプライシングパターンの存在;8)20750タンパク質の非野生型レベル;9)20750遺伝子の対立遺伝子喪失;および10)20750タンパク質の不適切な翻訳後修飾。
【0097】
本明細書中に記載されるように、20750遺伝子における遺伝的変更を検出するために使用され得る多くのアッセイが、当該分野において公知である。例えば、20750遺伝子の遺伝的変更は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(例えば、米国特許第4,683,195号および同第4,683,202号を参照のこと)(例えば、アンカーPCRまたはRACE PCR)、あるいは、ライゲーション連鎖反応(LCR)(例えば、Landegranら(1988)Science 241:1077−1080;およびNakazawaら(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:360−364を参照のこと)におけるプローブ/プライマーを使用して検出され得、これらのうちの後者は、20750遺伝子における点変異を検出するために特に有用であり得る(Abravayaら(1995)Nucleic Acids Res.23:675−682を参照のこと)。この方法は、被験体から生物学的サンプルを収集する工程、このサンプルから核酸(例えば、ゲノムDNA、mRNAまたはこれらの両方)を単離する工程、(存在するならば)20750遺伝子のハイブリダイゼーションおよび増幅が生じるような条件下で、この核酸サンプルを、20750遺伝子に特異的にハイブリダイズする1つ以上のプライマーと接触させる工程、ならびに増幅産物の存在または非存在を検出するかあるいは増幅産物のサイズを検出しそしてコントロールサンプルと長さを比較する工程を包含する。PCRおよび/またはLCRが、本明細書中に記載される変異を検出するために使用される任意の技術と組合わせて予備的増幅工程として使用するに好ましくあり得ることが、予測される。
【0098】
代替の増幅法としては以下が挙げられる:自己維持的配列複製(self sustained sequence replication)(Guatelli,J.C.ら(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:1874−1878)、転写増幅系(Kwoh,D.Y.ら(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:1173−1177)、Q−βレプリカーゼ(Lizardi,P.M.ら(1988)Bio−Technology 6:1197)、または他の核酸増幅法のいずれか、その後の当業者に周知の技術を使用する増幅分子の検出。これらの検出スキームは、このような分子が非常に少数で存在する場合に、核酸分子の検出に特に有用である。
【0099】
代替の実施形態において、生物学的サンプル由来の20750遺伝子における変異は、制限酵素切断パターンにおける変更によって同定され得る。例えば、サンプルおよびコントロールDNAが、単離され、(必要に応じて)増幅され、1つ以上の制限エンドヌクレアーゼで消化され、そしてフラグメント長サイズが、ゲル電気泳動によって決定され、そして比較される。サンプルとコントロールDNAとの間のフラグメント長サイズの差異は、サンプルDNA中の変異を示す。さらに、配列特異的リボザイム(例えば、米国特許第5,498,531号を参照のこと)の使用は、リボザイム切断部位の発生または喪失によって、特定の変異の存在についてスコア付けするために使用され得る。
【0100】
他の実施形態において、20750中の遺伝的変異が、数百個または数千個のオリゴヌクレオチドプローブを含む高密度アレイ(Cronin,M.T.ら(1996)Human Mutation 7:244−255;Kozal,M.J.ら(1996)Nature Medicine 2:753−759)に対して、生物学的サンプル由来の核酸およびコントロール核酸(例えば、DNAまたはRNA)をハイブリダイズすることによって、同定され得る。例えば、20750における遺伝的変異は、Cronin,M.T.ら((1996)(前出)に記載されるような光生成DNAプローブを含む2次元アレイ中で同定され得る。簡単にいうと、プローブの第1ハイブリダイゼーションアレイが、連続的な重複プローブの線形アレイを作成することによって配列間の塩基変化を同定するために、サンプル中およびコントロール中の長いDNAストレッチ全体にわたり走査するために使用され得る。この工程は、点変異の同定を可能にする。この工程の後、検出される全ての改変体または変異体に相補的な、より小さく、特定化されたプローブアレイを使用することによって、特定の変異の特徴付けを可能にする第2ハイブリダイゼーションアレイが続く。各変異アレイは、平行プローブセットから構成され、一方は、野生型遺伝子に相補的であり、そして他方は、変異遺伝子に相補的である。
【0101】
なお別の実施形態において、当該分野で公知である任意の種々の配列決定反応が、生物学的サンプル中の20750の配列を、対応する野生型(コントロール)配列と比較することによって、生物学的サンプル中の20750遺伝子の直接的な配列決定および変異の検出に使用され得る。配列決定反応の例としては、MaxamおよびGilbert(1977)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 74:560またはSanger(1977)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 74:5463により開発された技術に基づく反応が挙げられる。任意の種々の自動化配列決定手順が、質量分析法による配列決定(例えば、PCT国際公開番号WO94/16101;Cohenら(1996)Adv.Chromatogr.36:127−162;およびGriffinら(1993)Appl.Biochem.Biotechnol.38:147−159を参照のこと)を含む診断アッセイ(Naeve,C.W.(1995)Biotechniques 19:448−53)を行う場合に利用され得ることもまた、企図される。
【0102】
20750遺伝子における変異を検出するための他の方法としては、RNA/RNA異種二重鎖またはRNA/DNA異種二重鎖中でミスマッチした塩基を検出するために切断剤からの保護が使用される方法が挙げられる(Myersら(1985)Science 230:1242)。一般に、「ミスマッチ切断」の分野の技術は、野生型20750配列を含む(標識された)RNAまたはDNAを、組織サンプルより得られた潜在的変異RNAまたはDNAとハイブリダイズさせることによって形成される異種二重鎖を提供することによって、開始する。この二本鎖二重鎖は、コントロール鎖とサンプル鎖との間の塩基対ミスマッチに起因して存在するような二本鎖の一本鎖領域を切断する因子で処理される。例えば、ミスマッチ領域を酵素的に消化するために、RNA/DNA二重鎖はRNaseで処理され得、DNA/DNAハイブリッドはS1ヌクレアーゼで処理され得る。他の実施形態において、DNA/DNA二重鎖またはRNA/DNA二重鎖のいずれかが、ヒドロキシルアミンまたは四酸化オスミウムで処理され得、そして、ミスマッチ領域を消化するためにピペリジンで処理され得る。ミスマッチ領域の消化後、次いで、生じた物質が、変異部位を決定するために変性ポリアクリルアミドゲル上でサイズで分けられる。例えば、Cottonら(1988)Proc.Natl Acad Sci USA 85:4397およびSaleebaら(1992)Methods Enzymol.217:286−295を参照のこと。好ましい実施形態において、コントロールDNAまたはRNAが、検出のために標識され得る。
【0103】
さらに別の実施形態において、ミスマッチ切断反応は、細胞のサンプルより得られた20750 cDNA中の点変異を検出およびマッピングするために規定された系において二本鎖DNA中のミスマッチ塩基対を認識する1つ以上のタンパク質(「DNAミスマッチ修復」酵素と呼ばれる)を使用する。例えば、E.coliのmutY酵素は、G/AミスマッチでAを切断し、そしてHeLa細胞由来のチミジンDNAグリコシラーゼは、G/TミスマッチでTを切断する(Hsuら(1994)Carcinogenesis 15:1657−1662)。例示的実施形態に従って、20750配列(例えば、野生型の20750配列)に基くプローブは、試験細胞からのcDNA産物または他のDNA産物にハイブリダイズされる。二重鎖は、DNAミスマッチ修復酵素で処理され、そして存在する場合、切断産物は、電気泳動的プロトコルなどから検出され得る。例えば、米国特許第5,459,039号を参照のこと。
【0104】
他の実施形態において、電気泳動的移動度の変更を使用して、20750遺伝子における変異を同定する。例えば、一本鎖コンフォーメーション多型(SSCP)を使用して、変異体核酸と野生型核酸との間の電気泳動的移動度の差異を検出し得る(Oritaら(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA:86:2766;Cotton(1993)Mutat.Res.285:125−144およびHayashi(1992)Genet.Anal.Tech.Appl.9:73−79もまた参照のこと)。サンプルおよびコントロールの20750核酸の一本鎖DNAフラグメントは変性され、そして再生される。一本鎖核酸の二次構造は、配列に従って変化し、電気泳動的移動度において生じた変更は、単一の塩基変化の検出さえ可能にする。DNAフラグメントは、標識されたプローブで標識されても検出されてもよい。このアッセイの感度は、(DNAではなく)RNAを用いることにより増強され得、ここで二次構造は、配列の変化により感受性である。好ましい実施形態において、目的の方法は、電気泳動的移動度の変化に基いて二本鎖へテロ二重鎖分子を分離するためにヘテロ二重鎖分析を利用する(Keenら(1991)Trends Genet 7:5)。
【0105】
なお別の実施形態において、変性剤の勾配を含有するポリアクリルアミドゲル中での変異体フラグメントまたは野生型フラグメントの移動は、変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)(Myersら(1985)Nature 313:495)を使用してアッセイされる。DGGEが分析法として使用される場合、DNAは、例えば、PCRによって約40bpの高温融解GCリッチDNAのGCクランプを付加することにより完全には変性していないことを確認するために改変される。さらなる実施形態において、温度勾配は、コントロールDNAおよびサンプルDNAの移動度の差異を同定するための変性勾配の代わりに使用される(RosenbaumおよびReissner(1987)Biophys Chem 265:12753)。
【0106】
点変異を検出するための他の技術の例としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:選択的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション、選択的増幅、または選択的プライマー伸長。例えば、オリゴヌクレオチドプライマーが調製され得、ここで、公知の変異が中心におかれ、次いで、完全な一致が見出される場合にのみハイブリダイゼーションを可能にする条件下で標的DNAにハイブリダイズする(Saikiら(1986)Nature 324:163);Saikiら(1989)Proc.Natl Acad Sci USA 86:6230)。このような対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドは、このオリゴヌクレオチドがハイブリダイズ膜に結合しそして標識標的DNAとハイブリダイズする場合に、PCR増幅標的DNAまたは多くの種々の変異にハイブリダイズされる。
【0107】
あるいは、選択的PCR増幅に依存する対立遺伝子特異的増幅技術は、本発明と組み合わせて使用され得る。増幅に特異的なプライマーとして使用されるオリゴヌクレオチドは、分子の中心に目的の変異を保有し得るか(その結果、増幅は、差示的ハイブリダイゼーションに依存する)(Gibbsら(1989)Nucleic Acids Res.17:2437−2448)、または適切な条件下で、ミスマッチが、防がれ得るかまたはポリメラーゼ伸長を低減され得る場合、一方のプライマーの3’末端で目的の変異を保有し得る(Prossner(1993)Tibtech 11:238)。さらに、切断ベース検出を作製するために、変異領域中に新規の制限部位を導入することが、好ましくあり得る(Gaspariniら(1992)Mol.Cell Probes 6:1)。特定の実施形態において、増幅のためにTaqリガーゼを使用して増幅が行われ得ることもまた、明らかである(Barany(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:189)。このような場合に、連結は、5’配列の3’末端で完全なマッチが存在する場合にのみ生じ、これにより、増幅の存在または非存在を探索することによって特定の部位で既知の変異の存在を検出し得る。
【0108】
さらに、本明細書中に記載される診断アッセイを使用して、細胞増殖障害を効果的に処置するために、被験体が20750モジュレーター(例えば、アゴニスト、アンタゴニスト、ペプチド模倣物、タンパク質、ペプチド、核酸または低分子)を投与され得るか否かを、決定し得る。
【0109】
(C.臨床試験の間の効果のモニタリング)
本発明はさらに、20750モジュレーター(例えば、本明細書中において同定された20750モジュレーター)の、被験者における細胞増殖障害の処置に対する有効性を決定するための方法を提供する。例えば、20750遺伝子の発現増加、タンパク質レベル増加、あるいは20750活性のアップレギュレートにおいて、20750モジュレーターの有効性は、20750遺伝子の発現減少、タンパク質レベル減少、あるいは20750活性のダウンレギュレートを示す被験体の臨床試験においてモニタリングされ得る。あるいは、20750遺伝子の発現減少、タンパク質レベル減少、あるいは20750活性のダウンレギュレートにおける20750モジュレーターの有効性は、20750遺伝子の発現増加、タンパク質レベル増加、あるいは20750活性の増加を示す被験体の臨床試験においてモニタリングされ得る。このような臨床試験において、20750遺伝子、および好ましくは、例えば、細胞増殖障害に関係付けられている他の遺伝子の発現または活性が、「読み出し」すなわち特定の細胞の表現型のマーカーとして使用され得る。
【0110】
例えば(限定のためではなく)、(例えば、本明細書中に記載されるようなスクリーニングアッセイにおいて同定される)20750活性を調節する因子での処置によって細胞において調節される、20750を含む遺伝子が、同定され得る。よって、細胞増殖障害を罹患する被験体に対する20750活性を調節する因子の効果を(例えば、臨床試験において)研究するために、細胞が単離され得、そしてRNAが調製され得、20750および細胞増殖障害に関連する他の遺伝子の発現レベルについて分析され得る。遺伝子発現レベル(例えば、遺伝子発現パターン)は、本明細書中に記載されるようなノーザンブロット分析またはRT−PCRによって、あるいは本明細書中に記載される方法の1つによって生成されるタンパク質の量を測定することによって、または20750もしくは他の遺伝子の活性レベルを測定することによって、定量され得る。この方法において、遺伝子発現パターンは、20750活性を調節する因子に対する細胞の生理学的応答を示すマーカーとして働き得る。この応答状態は、個体を20750活性を調節する因子で処置する前、あるいはその間の種々の時点で測定され得る。
【0111】
好ましい実施形態において、本発明は、20750活性を調節する因子(例えば、アゴニスト、アンタゴニスト、ペプチド模倣物、タンパク質、ペプチド、核酸、または本明細書中に記載されるスクリーニングアッセイによって同定される低分子)での被験体の処置の有効性をモニタリングするための方法を提供し、以下の工程を包含する:(i)この因子の投与前に投与前サンプルを被験体から得る工程;(ii)この投与前サンプル中の20750のタンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現レベルを検出する工程;(iii)1つ以上の投与後サンプルを被験体から得る工程;(iv)これらの投与後サンプル中の20750タンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現レベルまたは活性レベルを検出する工程;(v)投与前サンプル中の20750のタンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現レベルまたは活性レベルを、投与後サンプル中の20750のタンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現レベルまたは活性レベルと比較する工程;ならびに(vi)被験体に対する因子の投与を然るべく変更する工程。例えば、因子の投与増加は、20750の発現または活性を、検出された(すなわち、因子の有効性を増加させる)レベルよりも高いレベルに増加することが、好ましくあり得る。あるいは、因子の投与減少は、20750の発現または活性を、検出された(すなわち、因子の有効性を減少させる)レベルよりも低いレベルに減少することが、好ましくあり得る。この実施形態に従って、20750の発現または活性は、観察可能な表現型応答の非存在下ですら、因子の有効性の指標として使用され得る。
【0112】
(III.細胞増殖障害に罹患している被験体の処置方法)
本発明は、細胞増殖障害(例えば、結腸癌、肺癌、または卵巣癌のような癌)の危険性がある(またはこの障害になりやすい)被験体(例えば、ヒト)を処置するための予防方法および治療方法の両方を提供する。本明細書中で使用される場合、用語「処置」とは、疾患もしくは障害、疾患もしくは障害の症状、または疾患もしくは症状への素因を有する患者への治療剤の適用もしくは投与、またはその患者から単離された組織もしくは細胞株への治療剤の適用もしくは投与であって、その疾患もしくは障害、その疾患もしくは障害の症状、または疾患もしくは障害(例えば、細胞増殖障害)への素因を治療(cure)、治癒(heal)、緩和(alleviate)、軽減(relieve)、変更(alter)、矯正(remedy)、改良(ameliorate)、改善(improve)するかもしくは影響を与える(affect)ことを目的とする適用もしくは投与と定義される。治療剤としては、低分子、ペプチド、抗体、リボザイム、およびアンチセンスオリゴヌクレオチドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0113】
予防的処置法および治療的処置法の両方に関して、このような処置は、薬理ゲノム学(pharmacogenomics)の分野から得られる知識に基いて、特異的に調整または改変され得る。本明細書中で使用される場合、「薬理ゲノム学」とは、臨床開発および市場での薬物に対する、遺伝子配列決定、統計遺伝学および遺伝子発現分析のようなゲノミクス技術の適用をいう。より詳細には、この用語は、患者の遺伝子が薬物に対する患者の応答(例えば、患者の「薬物応答表現型」または「薬物応答遺伝子型」)をどのように決定するのかについての研究をいう。
【0114】
従って、本発明の別の局面は、個体の薬物応答遺伝子型に従って、本発明の20750分子または20750調節因子のいずれかを用いるその被験体の予防処置または治療処置を調整するための方法を提供する。薬理ゲノム学によって、臨床家または内科医が、この処置から最も利益を得る患者に対して予防処置または治療処置を標的化することが可能になり、そして毒性薬物関連副作用を被る患者の処置を避けることが可能になる。
【0115】
(A.予防法)
1つの局面において、本発明は、20750発現もしくは20750活性を調節する因子(例えば、細胞増殖(例えば、腫瘍細胞増殖)の調節)を被験体に投与することによって、その被験体において細胞増殖障害を予防するための方法を提供する。細胞増殖障害の危険性がある被験体は、例えば、本明細書中に記載される診断アッセイまたは予後アッセイのいずれかまたはその組合わせによって、同定され得る。予防薬の投与は、異常な20750の発現または活性が特徴的な症状の徴候の前に生じ得、その結果、細胞増殖障害が、予防されるか、またはその進行において遅延される。20750異常の型に依存して、例えば、20750、20750のアゴニスト剤または20750のアンタゴニスト剤が、被験体の処置のために使用され得る。適切な因子は、本明細書中に記載されるスクリーニングアッセイに基いて決定され得る。
【0116】
(B.治療方法)
本発明の別の局面は、細胞増殖障害に罹患した被験体を処置するための方法に関する。これらの方法は、20750の発現または活性を調節する薬剤(例えば、本明細書中に記載されるスクリーニングアッセイにより同定される薬剤)、またはこのような薬剤の組み合わせを、被験体に投与することを包含する。別の実施形態では、この方法は、低下した、異常な、または望ましくない、20750の発現または活性を補償するための治療として、20750のタンパク質または核酸分子を、被験体に投与することを包含する。
【0117】
20750活性の調節(例えば、阻害)は、20750が異常にアップレギュレートされている状況、および/または低減した20750の活性が、有益な効果(例えば、β−カテニン分解、細胞の増殖、移動および増殖の阻害)を有し、それによって、被験体における細胞増殖障害(例えば、結腸癌、肺癌、または乳癌のような癌)を改良すると考えられる状況において望ましい。
【0118】
20750の活性を調節する因子は、このような投与に適切な薬学的組成物を用いて、被験体に投与され得る。このような組成物は、代表的には、因子(例えば、核酸分子、タンパク質、または抗体)および薬学的に受容可能なキャリアを含む。本明細書中で使用される場合、語「薬学的に受容可能なキャリア」は、薬学的投与に適合性の、任意および全ての溶媒、分散媒体、コーティング、抗菌性および抗真菌性の薬剤、等張剤および吸収遅延剤などを含むことが意図される。薬学的に活性な物質のためのこのような媒体および薬剤の使用は、当該分野で周知である。活性な化合物と非適合性の任意の従来の媒体または薬剤の範囲を除いて、このような媒体の本発明の組成物における使用が意図される。補助的な活性化合物もまた、この組成物に組み込まれ得る。
【0119】
本発明の治療方法において用いられる薬学的組成物は、その意図される投与経路と適合性となるように処方される。投与経路の例としては、非経口的投与(例えば、静脈内投与)、皮内投与、皮下投与、経口投与(例えば、吸入)、経皮投与(局所的投与)、経粘膜投与、および直腸投与が挙げられる。非経口、皮内、または皮下適用のために使用される溶液または懸濁液は、以下の成分を含み得る:滅菌希釈剤(例えば、注射のための水、生理食塩水溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒);抗菌剤(例えば、ベンジルアルコールまたはメチルパラベン);抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウム);キレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸);緩衝剤(例えば、酢酸塩、クエン酸塩、またはリン酸塩)、および張性を調整するための薬剤(例えば、塩化ナトリウムまたはデキストロース)。pHは、酸または塩基(例えば、塩酸または水酸化ナトリウム)を用いて調整され得る。非経口的調製物は、ガラス製またはプラスチック製のアンプル、使い捨てシリンジ、または複数用量のバイアルに封入され得る。
【0120】
注射用途に適切な薬学的組成物は、滅菌注射溶液または分散液の即時調製物のための滅菌水溶液(水溶性の場合)または分散液、および滅菌粉末を含む。静脈内投与については、適切なキャリアには、生理学的生理食塩水、静菌水、Cremophor ELTM(BASF;Parsippany、NJ)またはリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)が挙げられる。全ての場合において、この組成物は、滅菌されなければならず、そして容易なシリンジ能力(syringability)が存在する程度にまで流動的にされるべきである。これは製造および貯蔵の条件下で安定でなければならず、そして微生物(例えば、細菌および真菌)の汚染作用に対して保存されなければならない。このキャリアは、溶媒または分散媒体(例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)を含む)、ならびにそれらの安定な混合物であり得る。適切な流動性は、例えば、コーティング(例えば、レシチン)の使用によって、分散の場合に必要とされる粒子サイズの維持によって、および界面活性剤の使用によって維持され得る。微生物の作用の予防は、種々の抗菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなど)によって達成され得る。多くの場合、等張剤(例えば、糖、ポリアルコール(例えば、マンニトール、ソルビトール)、および塩化ナトリウム)をこの組成物中に含むことが好ましい。注射用組成物の延長した吸収は、吸収を遅延させる薬剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)をこの組成物中に含むことによって、もたらされ得る。
【0121】
滅菌注射用溶液は、20750活性を調節する因子(例えば、20750タンパク質のフラグメント、あるいは抗20750抗体)を、上記で列挙した成分の1以上の組合せを用いて、必要とされる量で、適切な溶媒中に取り込ませ、必要に応じて、続いて濾過滅菌することによって調製され得る。一般に、分散剤は、活性化合物を、塩基性分散媒体および上記に列挙された成分のうちの必要とされる他の成分を含む滅菌ビヒクル中に取り込むことによって調製される。滅菌注射用溶液の調製のための滅菌粉末の場合、調製の好ましい方法は、減圧乾燥および凍結乾燥であり、これらは、予め滅菌濾過された溶液から活性成分および任意のさらなる所望の成分の粉末を生じる。
【0122】
経口組成物は、一般に、不活性希釈剤または食用キャリアを含む。これらは、ゼラチンカプセルに封入され得るか、または錠剤に加圧され得る。経口治療投与の目的で、この活性化合物は、賦形剤と共に組み込まれ、そして錠剤、トローチ、またはカプセルの形態で使用され得る。経口組成物はまた、うがい薬としての使用のための流体キャリアを使用して調製され得、ここで、流体キャリア中の化合物は、経口的に適用され、そしてスウィッシュ(swish)されて、吐き出されるか、または飲み込まれる。薬学的に適合性の結合剤、および/またはアジュバント材料が、この組成物の一部として含まれ得る。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などは、以下の成分のいずれかまたは同様の性質の化合物を含み得る:結合剤(例えば、微結晶セルロース、ガムトラガントまたはゼラチン);賦形剤(例えば、デンプンまたはラクトース)、崩壊剤(例えば、アルギン酸、Primogel、またはコーンスターチ);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウムまたはSterotes);グライダント(glidant)(例えば、コロイド状二酸化ケイ素);甘味剤(例えば、スクロースまたはサッカリン);あるいは矯味矯臭剤(例えば、ペパーミント、サリチル酸メチル、またはオレンジフレーバー)。
【0123】
吸入による投与のために、化合物は、適切な噴霧剤(例えば、二酸化炭素のような気体)を含む加圧容器もしくはディスペンサー、またはネブライザーからのエアロゾルスプレーの形態で送達される。
【0124】
全身投与もまた、経粘膜手段または経皮手段によってなされ得る。経粘膜投与または経皮投与のために、透過されるべき障壁に対して適切な透過剤が、処方物中に使用される。そのような透過剤は、当該分野で一般的に公知であり、そのような透過剤としては、例えば、経粘膜投与のためには、界面活性剤、胆汁酸塩、およびフシジン酸誘導体が挙げられる。経粘膜投与は、経鼻スプレーまたは坐剤の使用を介して達成され得る。経皮投与のために、活性化合物は、当該分野で一般的に公知であるような、軟膏、軟膏剤、ゲル、またはクリームへと処方される。
【0125】
20750活性を調節する薬剤もまた、(例えば、カカオ脂および他のグリセリドのような、従来の坐剤基剤を用いて)坐剤の形態で調製され得るか、または経直腸送達のために保持浣腸の形態で調製され得る。
【0126】
1つの実施形態において、20750活性を調節する薬剤は、その化合物が身体から迅速に排出されるのを防ぐキャリアを用いて調製される(例えば、移植物および微小カプセル化送達システムを含む、制御放出処方物)。生分解性の生体適合性ポリマー(例えば、エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸)が、使用され得る。そのような処方物の調製方法は、当業者にとって明らかである。それらの物質はまた、Alza CorporationおよびNova Pharmaceuticals,Inc.から商業的に入手され得る。リポソーム懸濁物(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体を有する、感染細胞を標的化したリポソームを含む)もまた、薬学的に受容可能なキャリアとして使用され得る。これらは、例えば、米国特許第4,522,811号に記載されるような、当業者に公知の方法に従って調製され得る。
【0127】
投与の容易さおよび投与量の均一さのために、単位投与形態で、経口組成物または非経口組成物を処方することが、特に有利である。本明細書中で使用される場合、単位投与形態とは、処置される被験体に対する単位投与量としての適切な、物理的に別個の単位を指す;各単位は、必要な薬学的キャリアに付随した状態で、所望の治療効果を生じるように計算された所定量の活性化合物を含む。本発明の単位投薬形態についての説明は、20750活性を調節する薬剤の独特の特徴、ならびに達成されるべき特定の治療効果、ならびに被験体の処置のためにそのような薬剤を配合する分野に固有の制限により決定され、直接これらに依存する。
【0128】
そのような薬剤の毒性および治療効力は、例えば、LD50(集団の50%に対して致死生である用量)およびED50(集団のうちの50%において治療上有効な用量)を決定するための、細胞培養物または実験動物における標準的な薬学的手順によって決定され得る。毒性効果と治療効果との間の用量比は、治療指数であり、そしてそれは、比LD50/ED50として表され得る。大きな治療指数を示す薬剤が、好ましい。毒性副作用を示す薬剤が使用され得るが、非感染細胞に対して生じ得る損傷を最小にして副作用を低減するために、罹患した組織部位にそのような薬剤を標的化する送達システムを設計するために注意が払われるべきである。
【0129】
細胞培養アッセイおよび動物実験から得られるデータは、ヒトにおける使用のために一定範囲の投与量を処方する際に使用され得る。そのような20750調節薬剤の投与量は、好ましくは、毒性をほとんど伴わないかまたは全く伴わない、ED50を含む一定範囲の循環濃度内に存在する。その投与量は、使用される投与形態および利用される投与経路に依存して、この範囲内で変動し得る。本発明の治療方法において使用されるどの薬剤についても、治療上有効な用量は、細胞培養アッセイからまず推定され得る。細胞培養において決定されるようなIC50(すなわち、症状の最大阻害半分を達成する試験化合物濃度)を含む循環血漿濃度範囲を達成するための用量が、動物モデルにおいて処方され得る。そのような情報は、ヒトにおいて有用な用量をより正確に決定するために、使用され得る。血漿中のレベルは、例えば、高速液体クロマトグラフィーによって測定され得る。
【0130】
本明細書中で規定される場合、タンパク質またはポリペプチドの治療上有効な量(すなわち、有効投与量)は、約0.001〜30mg/kg体重、好ましくは、約0.01〜25mg/kg体重、より好ましくは、約0.1〜20mg/kg体重、およびなおより好ましくは、約1〜10mg/kg体重、2〜9mg/kg体重、3〜8mg/kg体重、4〜7mg/kg体重、または5〜6mg/kg体重の範囲である。特定の要因が、被験体を有効に処置するために必要な投与量に影響し得ることを当業者は認識し、そのような要因としては、疾患もしくは障害の重篤度、以前の処置、被験体の全身の健康および/または年齢、ならびに存在する他の疾患が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、治療上有効な量のタンパク質、ポリペプチド、または抗体を用いる被験体の処置は、単回処置を包含し得、好ましくは、一連の処置を包含し得る。
【0131】
好ましい例において、被験体は、約0.1mg/kg体重〜20mg/kg体重の間の範囲にある抗体、タンパク質、またはポリペプチドを用いて、1週間に1回、約1〜10週間の間、好ましくは2〜8週間の間、より好ましくは約3〜7週間の間、なおより好ましくは約4週間、5週間、または6週間の間、処置される。処置に使用される抗体、タンパク質、またはポリペプチドの有効投与量は、特定の処置経過にわたって増加または減少し得ることもまた、認識される。投与量の変化は、本明細書中に記載される診断アッセイの結果から生じ得、そしてその結果から明らかになり得る。
【0132】
本発明は、発現または活性を調節する薬剤を包含する。薬剤は、例えば、低分子であり得る。例えば、そのような低分子としては、ペプチド、ペプチド模倣物、アミノ酸、アミノ酸アナログ、ポリヌクレオチド、ポリヌクレオチドアナログ、ヌクレオチド、ヌクレオチドアナログ、約10,000グラム/モル未満の分子量を有する有機化合物もしくは無機化合物(すなわち、ヘテロ有機化合物および有機金属化合物を含む)、約5,000グラム/モル未満の分子量を有する有機化合物もしくは無機化合物、約1,000グラム/モル未満の分子量を有する有機化合物もしくは無機化合物、約500グラム/モル未満の分子量を有する有機化合物もしくは無機化合物、ならびにそのような化合物の塩、エステル、および他の薬学的に受容可能な形態が挙げられるが、これらに限定されない。低分子薬剤の適切な用量は、当業者である医師、獣医師、または研究者の知識内にある多数の要因に依存することが理解される。この低分子の用量は、例えば、処置される被験体またはサンプルの主体性、サイズおよび状態に依存して変化し、さらに、該当する場合は、その組成物が投与される経路、ならびに本発明の核酸もしくはポリペプチドに対してその低分子が有することを実施者が望む効果に依存して変化する。例示的な用量としては、被験体またはサンプルの重量1kgあたり、ミリグラム量またはマイクログラム量の低分子(例えば、約1μg/kg〜約500mg/kg、約100μg/kg〜約5mg/kg、または約1μg/kg〜約50μg/kg)が挙げられる。低分子の適切な用量は、調節されるべき発現または活性に関するその低分子の能力に依存することが、さらに理解される。そのような適切な用量は、本明細書中に記載されるアッセイを使用して決定され得る。これらの低分子のうちの1つ以上が、本発明のポリペプチドまたは核酸の発現もしくは活性を調節するために動物(例えば、ヒト)に投与される場合、医師、獣医師、または研究者は、例えば、最初に比較的低用量を処方し、その後、適切な応答が得られるまでその用量を増加させ得る。さらに、特定の任意の動物被験体についての特定の用量レベルは、種々の要因(使用される特定の化合物の活性、被験体の年齢、被験体の体重、被験体の全身の健康、被験体の性別、および被験体の食餌、投与時期、投与経路、排出速度、任意の薬物組み合わせ、ならびに調節されるべき発現または活性の程度を含む)に依存することが、理解される。
【0133】
さらに、抗体(またはそのフラグメント)は、治療部分(例えば、サイトトキシン)、治療剤、または放射性金属イオンに結合体化され得る。サイトトキシンまたは細胞傷害性薬剤は、細胞に対して有害な任意の薬剤を包含する。例としては、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロパロノール、およびピューロマイシン、ならびにそれらのアナログまたはホモログが挙げられる。治療剤としては、代謝拮抗物質(例えば、メトトレキサート、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、シタラビン、5−フルオロウラシル、ダカルバジン(decarbazine))、アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、チオエパクロラムブシル、メルファラン、カルムスチン(BSNU)、およびロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド(cyclothosphamide)、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、およびcis−ジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチン)、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン(前名ダウノマイシン)およびドキソルビシン)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(前名アクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシン、およびアントラマイシン(AMC))、ならびに抗有糸分裂薬(例えば、ビンクリスチンおよびビンブラスチン)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0134】
本発明の結合体は、所定の生物学的応答を改変するために使用され得、その薬物部分は、古典的な化学的治療剤に限定されると解釈されるべきではない。例えば、その薬物部分は、所望の生物学的活性を保有するタンパク質またはポリペプチドであり得る。そのようなタンパク質としては、例えば、トキシン(例えば、アブリン、リシンA、シュードモナス外毒素、またはジフテリアトキシン);タンパク質(例えば、腫瘍壊死因子、α−インターフェロン、β−インターフェロン、神経成長因子、血小板由来増殖因子、組織プラスミノゲン活性化因子);または生物学的応答改変因子(例えば、リンホカイン、インターロイキン−1(「IL−1」)、インターロイキン−2(「IL−2」)、インターロイキン−6(「IL−6」)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(「GM−CSF」)、顆粒球コロニー刺激因子(「G−CSF」)、あるいは他の増殖因子)が挙げられ得る。
【0135】
そのような治療部分を抗体に結合体化するための技術は、周知である。例えば、Monoclonal Antibodies And Cancer Therapy,Reisfeldら編、pp.243〜56(Alan R.Liss,Inc.,1985)のArnonら、「Monoclonal Antibodies For Immunotargeting Of Drugs In Cancer Therapy」;Controlled Drug Delivery(第2版)、Robinsonら編pp.623〜53(Marcel Dekker,Inc.,1987)のHellstromら「Antibodies For Drug Delivery」;Monoclonal Antibodies ’84:Biological And Clinical Applications,Pincheraら編,pp.475〜506(1985)のThorpe,「Antibody Carriers of Cytotoxic Agents in Cancer Therapy:A Review」;Monoclonal Antibodies For Cancer Detection And Therapy,Baldwinら編、pp.303〜16(Academic Press 1985)の「Analysis,Results,And Future Prospective Of The Therapeutic Use Of Radiolabeled Antibody In Cancer Therapy」;ならびにThorpeら「The Preparation And Cytotoxic Properties Of Antibody−Toxin Conjugates」,Immunol.Rev.62:119〜58(1982)を参照のこと。あるいは、抗体は、Segalによって米国特許第4,676,980号中に記載されるように、抗体へテロ結合体を形成するために二次抗体と結合体化され得る。
【0136】
本発明の方法において使用される核酸分子は、ベクター中に挿入され得、そして遺伝子治療ベクターとして使用され得る。遺伝子治療ベクターは、例えば、静脈内注射、局所投与(米国特許第5,328,470号を参照のこと)または定位注射(例えば、Chenら、(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:3054〜3057を参照のこと)によって、被験体に送達され得る。その遺伝子治療ベクターの薬学的調製物は、受容可能な希釈剤中に遺伝子治療ベクターを含み得るか、または遺伝子送達ビヒクルが組み込まれた徐放マトリクスを含み得る。あるいは、完全な遺伝子送達ベクター(例えば、レトロウイルスベクター)が組換え細胞からインタクトで産生され得る場合、その薬学的調製物は、遺伝子送達系を産生する1つ以上の細胞を含み得る。
【0137】
(C.薬理ゲノム学(pharmacogenomics))
本発明の治療法と組み合わせて、薬理ゲノム学(すなわち、被験体の遺伝子型と、外来化合物または外来薬物に対するその被験体の応答との間の関連性の研究)が、考慮され得る。治療剤の代謝における差異は、薬理学的に活性な薬物の用量と血液濃度との間の関係を変更することによって、重篤な毒性または治療の失敗をもたらし得る。従って、医師または臨床医は、20750活性を調節する薬剤を投与するか否か、ならびに20750活性を調節する薬剤を用いる処置の投与量および/もしくは治療レジメンを変更するか否かを決定する際に、適切な薬理ゲノム学研究において得られる知識を適用することを考慮し得る。
【0138】
薬理ゲノム学は、罹患した個人における変化した薬物の性質および異常な作用に起因する、薬物に対する応答における臨床学的に有意な遺伝的変動を取り扱う。例えば、Eichelbaum,M.ら、(1996)Clin.Exp.Pharmacol.Physiol.23(10〜11):983〜985およびLinder,M.W.ら、(1997)Clin.Chem.43(2):254〜266を参照のこと。一般に、2つの型の薬理ゲノム学的条件は、区別され得る。遺伝的条件は、薬物が身体に作用する様式を変更する(変化した薬物作用)単一因子として伝達したか、または遺伝的条件は、身体が薬物に作用する様式を変更する(変化した薬物代謝)単一因子として伝達した。これらの薬理ゲノム学的条件は、稀な遺伝子欠損または天然に存在する多型のいずれかとして、存在し得る。例えば、グルコース−6−リン酸アミノペプチダーゼ欠損(G6PD)は、一般的な遺伝性酵素病であり、ここで、主な臨床学的合併症は、酸化剤薬物(抗マラリア薬、スルホンアミド、鎮痛薬、ニトロフラン)の摂取およびソラマメの消費後の溶血である。
【0139】
「ゲノムワイド相関解析(genome−wide association)」として知られている、薬物応答を予測する遺伝子を同定するための1つの薬理ゲノム学的アプローチは、すでに知られている遺伝子関連マーカー(例えば、「二座対立遺伝子」マーカーマップ(これは、ヒトゲノム上の60,000〜100,000の多型部位または変動部位からなり、その部位の各々は、2つの改変体を有する))からなるヒトゲノムの高分離度マップに、主に依存する。このような高分離度ゲノムマップは、特定の観察された薬物応答または副作用に関連したマーカーを同定するために、フェーズII/フェーズIIIの薬物試験に参加した統計学的に有意な数の患者の各々のゲノムのマップと比較され得る。あるいは、このような高分離度マップは、ヒトゲノムにおいて、数千万個の公知の単一ヌクレオチド多型(SNP)の組み合わせから生じ得る。本明細書中で使用される場合、「SNP」とは、DNAストレッチにおいて、単一のヌクレオチド塩基において生じる一般的な変化である。例えば、SNPは、1000塩基のDNAごとに1回生じ得る。SNPは、疾患プロセスに関与し得るが、大部分は、疾患に関連していないかもしれない。このようなSNPの発生に基づく遺伝地図を考慮すると、個体は、個々のゲノムにおける特定のSNPパターンに依存して、複数の遺伝カテゴリーへと分類され得る。このような様式において、処置レジメンは、遺伝的に類似する個体の間で共通であり得る形質を考慮して、そのような遺伝的に類似する個体の群に合わせて変更され得る。
【0140】
あるいは、「候補遺伝子アプローチ」と呼ばれる方法が、薬物応答を予測する遺伝子を同定するために用いられ得る。この方法に従って、薬物標的をコードする遺伝子が既知である場合(例えば、本発明の20750タンパク質)、その遺伝子のすべての一般的な改変体は、その集団においてかなり容易に同定され得、そして別の遺伝子バージョンに対する1つの遺伝子バージョンを有することが特定の薬物応答に関連するか否かが決定され得る。
【0141】
例示的実施形態として、薬物代謝酵素の活性は、薬物作用の強度および持続時間の両方の主要な決定因子である。薬物代謝酵素(例えば、N−アセチルトランスフェラーゼ2(NAT2)およびシトクロムP450酵素であるCYP2D6およびCYP2C19)の遺伝子多型の発見は、標準的かつ安全な用量の薬物を摂取した後に、予測される薬物効果を得ることも過大な薬物応答および重篤な毒性を示すこともない患者が存在する理由に関する説明を提供した。これらの多型は、その集団中で2つの表現型(代謝が速い者(EM)および代謝が遅い者(PM))の状態で発現される。PMの普及率は、種々の集団間で異なる。例えば、CYP2D6をコードする遺伝子は、非常に多型性であり、いくつかの変異が、PMにおいて同定されており、そのすべてが、機能的CYP2D6の不在をもたらす。CYP2D6およびCYP2C19の代謝速度が遅い者は、標準的用量を受けたときに、過大な薬物応答および副作用を非常に頻繁に経験する。代謝物が活性な治療部分である場合、PMは、CYP2D6が形成した代謝物であるモルヒネにより媒介されるコデインの鎮痛効果について示されるように、治療応答を示さない。その他の極端な者は、標準的用量に対して応答しない、いわゆる代謝が著しく速い者である。最近、著しく速い代謝の分子的基礎が、CYP2D6遺伝子増幅に起因することが同定された。
【0142】
あるいは、「遺伝子発現プロファイリング」と呼ばれる方法が、薬物応答を予測する遺伝子を同定するために用いられ得る。例えば、薬物(例えば、本発明の20750分子または20750モジュレーター)を投薬された動物の遺伝子発現は、毒性に関連する遺伝子経路が作動するかどうかの指標を与え得る。
【0143】
上記薬理ゲノム学的アプローチのうちの1つより多くから得られる情報が、被験体の予防的処置または治療的処置のための、適切な投薬量および処置レジメンを決定するために使用され得る。この知識は、投薬または薬物選択に適用される場合、有害な反応または治療の失敗を回避し得、それによって、20750活性を調節する薬剤を用いて細胞増殖障害に罹患している被験体を処置する場合、治療効果または予防効果を増強し得る。
【0144】
(IV.本発明の方法において使用される、組換え発現ベクターおよび宿主細胞)
本発明の方法(例えば、本明細書中に記載されるスクリーニングアッセイ)は、20750タンパク質(またはその一部)をコードする核酸を含むベクター(好ましくは発現ベクター)の使用を包含する。本明細書中で使用される場合、用語「ベクター」とは、連結された別の核酸を輸送し得る、核酸分子を指す。1つの型のベクターは、「プラスミド」であり、「プラスミド」とは、さらなるDNAセグメントが連結され得る、環状の二本鎖DNAの輪(loop)を指す。別の型のベクターは、ウイルスベクターであり、そのベクターにおいて、さらなるDNAセグメントが、ウイルスゲノム中に連結され得る。特定のベクターは、導入される宿主細胞中で自律複製可能である(例えば、細菌複製起点を有する細菌ベクター、およびエピソーム性哺乳動物ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム性哺乳動物ベクター)は、宿主細胞中に導入された際に、宿主細胞のゲノム中に組み込まれ、それによって、その宿主ゲノムとともに複製される。さらに、特定のベクターは、作動可能に連結された遺伝子の発現を指向し得る。そのようなベクターは、本明細書中で「発現ベクター」と呼ばれる。一般に、組換えDNA技術において有用な発現ベクターは、しばしば、プラスミドの形態である。本明細書において、「プラスミド」と「ベクター」とは、互換可能に使用され得る。なぜなら、プラスミドは、ベクターの最も一般的に使用される形態であるからである。しかし、本発明は、等価な機能を提供する、そのような他の形態の発現ベクター(例えば、ウイルスベクター(例えば、複製欠損レトロウイルス、アデノウイルス、およびアデノ随伴ウイルス))を包含することが意図される。
【0145】
本発明の方法において使用される組換え発現ベクターは、宿主細胞中での核酸の発現に適切な形態で発明の核酸を含む。このことは、その組換え発現ベクターが、発現されるべき核酸配列に作動可能に連結された1つ以上の調節配列(発現のために使用される宿主細胞に基いて選択される)を含むことを意味する。組換え発現ベクターにおいて、「作動可能に連結された」とは、目的のヌクレオチド配列が、(例えば、インビトロでの転写/翻訳系において、またはそのベクターが宿主細胞中に導入される場合は、その宿主細胞において)そのヌクレオチド配列の発現を可能にする様式で調節配列に連結されていることを意味することが意図される。用語「調節配列」は、プロモーター、エンハンサー、および他の発現制御エレメント(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含むことが意図される。そのような調節配列は、例えば、Goeddel(1990)Methods Enzymol.185:3〜7に記載される。調節配列とは、多くの型の宿主細胞においてヌクレオチド配列の構成的発現を指向する配列、および特定の宿主細胞においてのみそのヌクレオチド配列の発現を指向する配列(例えば、組織特異的調節配列)を包含する。発現ベクターの設計は、形質転換される宿主細胞の選択、所望されるタンパク質発現レベルなどのような因子に依存し得ることが、当業者により認識される。本発明の発現ベクターは、宿主細胞内に導入され得、それにより本明細書中に記載されるような核酸によってコードされるタンパク質またはペプチド(融合タンパク質または融合ペプチドを含む)(例えば、20750タンパク質、20750タンパク質の変異形態、融合タンパク質など)を産生し得る。
【0146】
本発明の方法において使用される組換え発現ベクターは、原核生物細胞または真核生物細胞における20750タンパク質の発現のために設計され得る。例えば、20750タンパク質は、E.coliのような細菌細胞、昆虫細胞(バキュロウイルス発現ベクターを使用する)、酵母細胞、または哺乳動物細胞において発現され得る。適切な宿主細胞は、Goeddel(1990)前出においてさらに考察される。あるいは、組換え発現ベクターは、例えば、T7プロモーター調節配列およびT7ポリメラーゼを使用して、インビトロで転写および翻訳され得る。
【0147】
原核生物におけるタンパク質の発現は、融合タンパク質または非融合タンパク質のいずれかの発現を指向する構成的プロモーターまたは誘導性プロモーターを含むベクターを使用して、E.coliにおいて最も頻繁に行われる。融合ベクターは、ベクター中にコードされるタンパク質に、通常は、組換えタンパク質のアミノ末端に、多くのアミノ酸を付加する。このような融合ベクターは、代表的には、以下の3つの目的を果たす:1)組換えタンパク質の発現を増大させること;2)組換えタンパク質の可溶性を増大させること;および3)アフィニティー精製におけるリガンドとして作用することにより、組換えタンパク質の精製を補助すること。しばしば、融合発現ベクターにおいて、タンパク質分解性切断部位は、融合部分と組換えタンパク質の接合部に導入され、融合タンパク質の精製に続いて、組換えタンパク質を融合部分から分離することが可能になる。このような酵素、およびそれらの同族認識配列は、第Xa因子、トロンビンおよびエンテロキナーゼを含む。代表的な融合発現ベクターとしては、それぞれ、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)、マルトースE結合タンパク質、またはプロテインAを、標的組換えタンパク質に融合させる、pGEX(Pharmacia Biotech Inc;Smith,D.B.およびJohnson,K.S.(1988)Gene 67:31−40)、pMAL(New England Biolabs,Beverly,MA)およびpRIT5(Pharmacia,Piscataway,NJ)が挙げられる。
【0148】
精製融合タンパク質は、20750活性アッセイ(例えば、以下に詳細に記載される直接的アッセイまたは競合アッセイ)において、または20750タンパク質に特異的な抗体を生成するために利用され得る。好ましい実施形態において、本発明のレトロウイルス発現ベクターにおいて発現される20750融合タンパク質は、骨髄細胞に感染させるために利用され得る。続いて、この骨髄細胞は、照射されたレシピエントに移植される。次いで、被験体レシピエントの病態は、十分な時間(例えば、6週間)が経過した後に試験される。
【0149】
別の実施形態において、本発明の核酸は、哺乳動物発現ベクターを使用して、哺乳動物細胞において発現される。哺乳動物発現ベクターの例としては、pCDM8(Seed,B.(1987)Nature 329:840)およびpMT2PC(Kaufmanら(1987)EMBO J.6:187−195)が挙げられる。哺乳動物細胞において使用される場合、発現ベクターの制御機能は、しばしば、ウイルス調節エレメントにより提供される。例えば、一般に使用されるプロモーターは、ポリオーマウイルス、アデノウイルス2、サイトメガロウイルスおよびシミアンウイルス40に由来する。原核生物細胞および真核生物細胞の両方について適切な他の発現系については、Sambrook,J.ら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual.第2版、Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY,1989の第16章および第17章を参照のこと。
【0150】
別の実施形態において、組換え哺乳動物発現ベクターは、特定の細胞型においてこの核酸の発現を優先的に指向し得る(例えば、組織特異的調節エレメントがこの核酸を発現させるために使用される)。
【0151】
本発明の方法は、本発明のDNA分子を含む組換え発現ベクター(このDNA分子は、この発現ベクターにアンチセンス方向にてクローニングされる)をさらに使用し得る。すなわち、このDNA分子は、20750mRNAに対してアンチセンスであるRNA分子の(このDNA分子の転写による)発現を可能にする様式にて、調節配列に作動可能に連結される。種々の細胞型におけるアンチセンスRNA分子の連続的発現を指向する、アンチセンス方向にクローニングされる核酸に作動可能に連結される調節配列(例えば、ウイルスプロモーターおよび/またはエンハンサー)が選択され得るか、またはアンチセンスRNAの構成的発現、組織特異的発現、または細胞型特異的発現を指向する調節配列が、選択され得る。このアンチセンス発現ベクターは、組換えプラスミド、ファージミド、または弱毒化ウイルスの形態であり得、この中でアンチセンス核酸は、高効率調節領域の制御下で生成され、その活性は、ベクターが導入される細胞型により決定され得る。アンチセンス遺伝子を使用する遺伝子発現の調節の議論については、Weintraub,H.ら,Antisense RNA as a molecular tool for genetic analysis,Reviews−Trends in Genetics,Vol.1(1)1986を参照のこと。
【0152】
本発明の別の局面は、本発明の20750核酸分子(例えば、組換え発現ベクター内の20750核酸分子または宿主細胞のゲノムの特定の部位への相同組み換えを可能にする配列を含む20750核酸分子)が導入される宿主細胞の使用に関する。用語「宿主細胞」および「組換え宿主細胞」は、本明細書中で交換可能に使用される。このような用語が、特定の被験体細胞のみならず、このような細胞の子孫または潜在的な子孫もまたいうことが理解される。特定の改変が、変異または環境的影響のいずれかに起因して、連続した世代において生じ得るので、このような子孫は、実際に、親細胞と同じでなくてもよいが、なお本明細書中で使用される用語の範囲内に含まれる。
【0153】
宿主細胞は、任意の原核生物細胞または真核生物細胞であり得る。例えば、20750タンパク質は、細菌細胞(例えば、E.coli、昆虫細胞、酵母または哺乳動物細胞(例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)またはCOS細胞)において発現され得る。他の適切な宿主細胞は、当業者に公知である。
【0154】
ベクターDNAは、従来の形質転換またはトランスフェクション技術を介して、原核生物細胞または真核生物細胞に導入され得る。本明細書中で使用される場合、用語「形質転換」および「トランスフェクション」は、宿主細胞に外因性核酸(例えば、DNA)を導入するための種々の当該分野で認識される技術(リン酸カルシウムまたは塩化カルシウム共沈殿、DEAE−デキストラン−媒介トランスフェクション、リポフェクチン、またはエレクトロポレーションを含む)をいうことが意図される。宿主細胞を形質転換またはトランスフェクトする適切な方法は、Sambrookら、(Molecular Cloning:A Laboratory Manual.第2版,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,1989)、および他の実験マニュアルにおいて見出され得る。
【0155】
本発明の方法において使用される宿主細胞(例えば、培養中の原核生物宿主細胞または真核生物宿主細胞)は、20750タンパク質を産生する(すなわち、発現する)ために用いられ得る。従って、本発明は、さらに本発明の宿主細胞を用いて20750タンパク質を産生するための方法を提供する。1つの実施形態では、この方法は、本発明の宿主細胞(20750タンパク質をコードする組換え発現ベクターが導入されている)を、20750タンパク質が産生されるような適切な培地中で培養する工程を包含する。別の実施形態では、本方法は、培地または宿主細胞から20750タンパク質を単離する工程をさらに包含する。
【0156】
(V.本発明の方法において使用される単離された核酸分子)
単離されたヒト20750のcDNAのコード配列およびヒト20750ポリペプチドの推定アミノ酸配列を、それぞれ配列番号1および2に示す。
【0157】
本発明の方法は、20750タンパク質またはその生物学的に活性な部分をコードする単離された核酸分子、ならびに20750をコードする核酸分子(例えば、20750 mRNA)を同定するためのハイブリダイゼーションプローブとしての使用に十分な核酸フラグメント、および20750核酸分子を増幅または変異するためのPCRプライマーとしての使用のためのフラグメントの使用を、包含する。本明細書中で使用される場合、用語「核酸分子」は、DNA分子(例えば、cDNAまたはゲノムDNA)およびRNA分子(例えば、mRNA)、ならびにヌクレオチドアナログを使用して生成されるDNAアナログまたはRNAアナログを含むことが意図される。この核酸分子は一本鎖または二本鎖であり得るが、好ましくは二本鎖DNAである。
【0158】
1つの実施形態では、本発明の20750分子は、少なくとも1つの「膜貫通ドメイン」を含む。本明細書中で使用される場合、用語「膜貫通ドメイン」は、原形質膜にまたがる約20〜45アミノ酸残基長のアミノ酸配列を包含する。より好ましくは、膜貫通ドメインは、少なくとも、約20、約25、約30、約35、約40、または約45アミノ酸残基を含み、そして原形質膜にまたがる。膜貫通ドメインは、疎水性残基がリッチであり、そして代表的に、αヘリックス構造を有する。好ましい実施形態では、膜貫通ドメインのうちの少なくとも、50%、60%、70%、80%、90%、95%またはそれより多くのアミノ酸が、疎水性(例えば、ロイシン、イソロイシン、アラニン、バリン、フェニルアラニン、プロリンまたはメチオニン)である。膜貫通ドメインは、例えば、Zagotta W.N.ら(1996)Annual Rev.Neurosci.19:235−263(この内容は、本明細書中に参考として援用される)に記載される。ヒト20750ポリペプチド(配列番号2)のアミノ酸残基214〜231は、膜貫通ドメインを含む。
【0159】
20750タンパク質における膜貫通ドメインの存在を同定するため、そして目的のタンパク質が特定のプロファイルを有することを決定するために、このタンパク質のアミノ酸配列は、MEMSAT分析に供され得る。配列番号2と示される20750タンパク質のMEMSAT分析は、ヒト20750のアミノ酸配列(配列番号2)における残基約130〜147での膜貫通ドメイン(2.9というスコアを有する)の同定をもたらす。
【0160】
別の実施形態では、本発明の20750分子は、少なくとも1つの「プロテインキナーゼドメイン」を包含する。本明細書中で使用される場合、用語「プロテインキナーゼドメイン」は、少なくとも約150〜約350アミノ酸残基を有しかつ真核生物プロテインキナーゼドメインの隠れマルコフモデル(HMM)(例えば、PFAM登録番号PF00069)に対して比較した場合の少なくとも150のビットスコアを有する、タンパク質ドメインを含む。好ましくは、真核生物プロテインキナーゼドメインは、約125〜約325、約150〜約300、約190〜約225またはより好ましくは約200アミノ酸残基のアミノ酸配列を有しかつ少なくとも150、210、250またはより好ましくは275.7のビットスコアを有する、タンパク質を含む。
【0161】
本発明の方法において用いられる核酸分子(例えば、配列番号1のヌクレオチド配列またはその一部分を有する核酸分子)は、標準的分子生物学的技術および本明細書中に提供される配列情報を用いて単離され得る。配列番号1の核酸配列の全体または一部分をハイブリダイゼーションプローブとして用いて、20750核酸分子は、標準的ハイブリダイゼーション技術および標準的クローニング技術を用いて単離され得る(例えば、Sambrook,J.,Fritsh,E.F.,およびManiatis,T.Molecular Cloning:A Laboratory Manual.第2版,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY,1989に記載される通り).
さらに、配列番号1の全体または一部を含む核酸分子を、配列番号1の配列に基づいて設計した合成オリゴヌクレオチドプライマーを使用するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって、単離し得る。
【0162】
本発明の方法において使用される核酸を、標準的なPCR増幅技術に従って、テンプレートとしてのcDNA、mRNAあるいはゲノムDNA、および適切なオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、増幅し得る。さらに、20750ヌクレオチド配列に対応するオリゴヌクレオチドを、標準的な合成技術(例えば、自動化DNA合成機を使用すること)によって、調製し得る。
【0163】
好ましい実施形態では、本発明の方法において使用される単離された核酸分子は、配列番号1に示されるヌクレオチド配列、配列番号1に示されるヌクレオチド配列の相補体、またはこれらのヌクレオチド配列のいずれかの一部分を含む。配列番号1に示されるヌクレオチド配列に相補的である核酸分子とは、配列番号1に示されるヌクレオチド配列に十分に相補的であって、その結果、配列番号1に示されるヌクレオチド配列にハイブリダイズし得、それによって安定な二重鎖を形成する、核酸分子である。
【0164】
なお別の好ましい実施形態では、本発明の方法において使用される単離された核酸分子は、配列番号1に示されるヌクレオチド配列の全長、またはこの核酸配列のいずれかの一部分に、少なくとも約55%、約59%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%またはそれより高度に同一であるヌクレオチド配列を含む。
【0165】
さらに、本発明の方法において使用される核酸分子は、配列番号1の核酸配列の一部分(例えば、プローブもしくはプライマーとして使用され得るフラグメント、または20750タンパク質の一部分(例えば、20750タンパク質の生物学的に活性な部分)をコードするフラグメント)のみを含み得る。プローブ/プライマーは、代表的に、実質的に精製されたオリゴヌクレオチドを含む。オリゴヌクレオチドは、代表的に、配列番号1のセンス配列もしくは配列番号1のアンチセンス配列、または配列番号1の天然に存在する対立遺伝子の改変体もしくは変異体のうちの、少なくとも、約12または15、好ましくは約20または約25個、より好ましくは約30個、約35個、約40個、約45個、約50個、約55個、約60個、約65個または約75個連続したヌクレオチドに、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列の領域を含む。1つの実施形態では、本発明の方法において使用される核酸分子は、100より大きい、100−200、200〜300、300〜400、400〜500、500〜600、600〜700、700〜800、800〜900、900〜1000、1000〜1100、1100〜1200、1200〜1300、1300〜1400、1400〜1500またはさらに長いヌクレオチド長であって、かつストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号1の核酸分子にハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む。
【0166】
本明細書中で使用される場合、用語「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」は、互いに有意に同一または相同であるヌクレオチ配列が、互いにハイブリダイズされたままである状態でハイブリダイゼーションおよび洗浄するための条件を記載することを意図する。好ましくは、この条件は、少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約80%、なおより好ましくは少なくとも約85%または90%互いに同一な配列が、互いにハイブリダイズしたままであるような条件である。このようなストリンジェントな条件は、当業者に公知であり、そしてCurrent Protocols in Molecular Biology,Ausubelら編、John Wiley & Sons,Inc.(1995),第2節、第4節および第6節に見出され得る。さらなるストリンジェントな条件は、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Sambrookら、Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,NY(1989)、第7章、第9章および第11章に見出され得る。好ましい、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の非限定的な例としては、約65〜70℃での、4×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中でのハイブリダイゼーション(または約42℃〜50℃での、4×SSC+50%ホルムアミド中でハイブリダイゼーション)、次いで約65℃〜70℃での、1×SSCで1回以上の洗浄が挙げられる。好ましい、高度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の非限定的な例としては、約65℃〜約70℃にて1×SSCでのハイブリダイゼーション(または約42℃〜50℃での、1×SSC+50%ホルムアミド中でハイブリダイゼーション)、次いで約65℃〜70℃にて0.3×SSCでの1回以上の洗浄が挙げられる。低下したストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件の好ましい非限定的な例としては、約50〜60℃での、4×SSC中でハイブリダイゼーション(または代わりに約40〜45℃での、6×SSC+50%ホルムアミド中でハイブリダイゼーション)、次いで約50℃〜60℃での、2×SSCで1回以上の洗浄が挙げられる。上記の値の中間の範囲(例えば、65℃〜70℃または42℃〜50℃)もまた、本発明に含まれることが意図される。SSPE(1×SSPEは、0.15M NaCl、10mM NaH2PO4および1.25mM EDTA、pH7.4である)は、ハイブリダイゼーションおよび洗浄緩衝液中でSSC(1×SSCは、0.15M NaClおよび15mMクエン酸ナトリウムである)の代わりをし得る;洗浄は、各ハイブリダイゼーションが完了した後で、15分間実行される。50塩基対長未満であることが予測されるハイブリッドについてのハイブリダイゼーション温度は、このハイブリッドの融解温度(Tm)より5〜10℃低くあるべきであり、ここでTmが以下の式に従って決定される。18塩基対長未満であるハイブリッドについて、Tm(℃)=2(A+T塩基の数)+4(G+C塩基の数)。18塩基対長と49塩基対長の間であるハイブリッドについて、Tm(℃)=81.5+16.6(log10[Na+])+0.41(%G+C)−(600/N)であり、ここで、Nはこのハイブリッド中の塩基数であり、そして[Na+]は、ハイブリダイゼーション緩衝液中のナトリウムイオンの濃度である(1×SSCについての[Na+]=0.165M)。膜(例えば、ニトロセルロース膜、またはナイロン膜)への核酸分子の非特異的ハイブリダイゼーションを減少させるために、さらなる試薬が、ハイブリダイゼーション緩衝液および/または洗浄緩衝液に添加され得ることもまた当業者によってまた認識され、この試薬としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:ブロッキング剤(例えば、BSA、もしくはサケまたはニシンの精子のキャリアDNA)、界面活性剤(例えば、SDS)、キレート剤(例えば、EDTA)、Ficoll、PVPなど。ナイロン膜が使用される場合、特に、さらなる好ましいストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の非限定的な例は、65℃での、0.25〜0.5M NaH2PO4、7% SDS中でハイブリダイゼーション、次いで65℃での、0.02M NaH2PO4、1% SDS(または代替的に0.2×SSC、1% SDS)で1回以上の洗浄である(例えば、ChurchおよびGilbert(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:1991−1995を参照のこと)。
【0167】
好ましい実施形態において、プローブは、プローブに結合される標識基をさらに含む(例えば、標識基は、放射性同位元素、蛍光化合物、酵素または酵素補因子であり得る)。このようなプローブは、20750タンパク質を誤発現する(misexpress)細胞または組織を同定するための診断的試験キットの一部として使用され得る(例えば、被験体由来の細胞サンプル中の20750コード核酸のレベルを測定すること、例えば、20750mRNAレベルを検出するか、またはゲノム20750遺伝子が変異されているか欠失されているか否かを測定することによって)。
【0168】
本発明の方法は、遺伝暗号の縮重に起因して、配列番号1に示されるヌクレオチド配列とは異なり従って、配列番号1に示されるヌクレオチド配列によってコードされるタンパク質と同じ20750タンパク質をコードする核酸分子の使用をさらに含む。別の実施形態において、本発明の方法に含まれる単離された核酸分子は、配列番号2に示されたアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするヌクレオチド配列を有する。
【0169】
本発明の方法は、ヒト20750の対立遺伝子改変体(例えば、機能的対立遺伝子改変体および非機能的対立遺伝子改変体)の使用をさらに含む。機能的対立遺伝子改変体は、ヒト20750タンパク質の天然に存在するアミノ酸配列改変体であって、20750活性を維持するアミノ酸配列改変体である。機能的対立遺伝子改変体は、代表的に、配列番号2の1つ以上のアミノ酸の保存的置換、またはそのタンパク質の非必須領域における非必須残基の置換、欠失、もしくは挿入のみを含む。非機能的対立遺伝子改変体は、ヒト20750タンパク質の天然に存在するアミノ酸配列改変体であって、20750活性を有さないアミノ酸配列改変体である。非機能的対立遺伝子改変体は、代表的には、配列番号2のアミノ酸配列の非保存的な置換、欠失、もしくは挿入または未成熟短縮化(premature truncation)、あるいはこのタンパク質の必須残基または必須領域の置換、挿入、または欠失を含む。
【0170】
本発明の方法は、ヒト20750タンパク質の非ヒトオルソログをさらに使用し得る。ヒト20750タンパク質のオルソログは、非ヒト生物から単離され、そして同じ20750活性を有するタンパク質である。
【0171】
本発明の方法は、配列番号1のヌクレオチド配列またはそれらの一部を含む核酸分子であって、変異が導入されている核酸分子の使用をさらに包含する。変異は、「非必須」アミノ酸残基または「必須」アミノ酸残基でのアミノ酸置換を導き得る。「非必須」アミノ酸残基とは、その生物学的活性を変化することなく20750の野生型配列(例えば、配列番号2の配列)から変化され得る残基であり、一方、「必須」アミノ酸残基は、生物学的活性のために必要とされる。例えば、本発明の20750タンパク質およびプロテインキナーゼファミリーの他のメンバーの間で保存されたアミノ酸残基は、変化を受容する可能性は低い。
【0172】
変異は、標準技術(例えば、部位特異的変異誘発およびPCR媒介変異誘発)により配列番号1に導入され得る。好ましくは、保存的アミノ酸置換が、1つ以上の予想される非必須アミノ酸残基でなされる。「保存的アミノ酸置換」とは、アミノ酸残基が類似の側鎖を有するアミノ酸残基で置換されるアミノ酸置換である。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーが、当該分野において規定されている。これらのファミリーとしては、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電の極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β−分枝鎖を有するアミノ酸(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が挙げられる。従って、好ましくは、20750タンパク質において予想される非必須アミノ酸残基は、同じ側鎖のファミリーからの別のアミノ酸残基で置換される。あるいは、別の実施形態において、変異は、例えば、飽和変異誘発(saturation mutagenesis)によって、20750のコード配列の全てまたは一部に沿って、ランダムに導入され得、そして得られた変異体は、活性を保持する変異体を同定するために、20750の生物学的活性についてスクリーニングされ得る。配列番号1の変異誘発の後、コードされたタンパク質が、組換え発現され得、そしてそのタンパク質の活性が、本明細書中に記載されたアッセイを用いて決定され得る。
【0173】
本発明の別の局面は、配列番号1のヌクレオチド配列に対するアンチセンスである単離された核酸分子の使用に関する。「アンチセンス」核酸は、タンパク質をコードする「センス」核酸に相補的である(例えば、二本鎖cDNA分子のコード鎖に相補的であるかまたはmRNA配列に相補的である)ヌクレオチド配列を含む。従って、アンチセンス核酸は、センス核酸に水素結合し得る。アンチセンス核酸は、全長20750コード鎖または、それらの一部のみに相補的であり得る。1つの実施形態において、アンチセンス核酸分子は、20750をコードするヌクレオチド配列のコード鎖の「コード領域」に対するアンチセンスである。用語「コード領域」とは、アミノ酸残基に翻訳されるコドンを含むヌクレオチド配列の領域をいう。別の実施形態において、このアンチセンス核酸分子は、20750をコードするヌクレオチド配列のコード鎖の「非コード領域」に対するアンチセンスである。用語「非コード領域」とは、コード領域に隣接する5’配列および3’配列であって、アミノ酸に翻訳されない配列をいう(5’および3’の非翻訳領域ともいう)。
【0174】
本明細書中に開示される20750をコードするコード鎖配列を考慮して、本発明のアンチセンス核酸は、WatsonおよびCrickの塩基対形成の法則に従って、設計され得る。アンチセンス核酸分子は、20750mRNAの全コード領域に相補的であり得るが、より好ましくは、20750mRNAのコード領域または非コード領域の一部のみに対してアンチセンスであるオリゴヌクレオチドである。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、20750mRNAの翻訳開始部位の周辺領域に相補的であり得る。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、約5、10、15、20、25、30、35、40、45または50ヌクレオチド長であり得る。本発明のアンチセンス核酸は、当該分野で公知の手順を使用して、化学的合成および酵素的連結反応を使用して構築され得る。例えば、アンチセンス核酸(例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド)は、天然に存在するヌクレオチド、あるいは分子の生物学的安定性を増大するように、またはアンチセンス核酸とセンス核酸との間に形成される二重鎖の物理的安定性を増大するように設計された、種々に改変されたヌクレオチドを使用して、化学的に合成され得る。例えば、ホスホロチオエート誘導体およびアクリジン置換ヌクレオチドが使用され得る。アンチセンス核酸を生成するために使用され得る改変ヌクレオチドの例としては、以下が挙げられる:5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−クロロウラシル、5−ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4−アセチルシトシン、5−(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β−D−ガラクトシルキューオシン、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン、1−メチルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N6−アデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メトキシアミノメチル−2−チオウラシル、β−D−マンノシルキューオシン、5’−メトキシカルボキシメチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン(wybutoxosine)、シュードウラシル、キューオシン、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、5−メチル−2−チオウラシル、3−(3−アミノ−3−N−2−カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)wおよび2,6−ジアミノプリン。あるいは、アンチセンス核酸は、核酸がアンチセンス方向でサブクローニングされた発現ベクターを使用して、生物学的に生成され得る(すなわち、挿入された核酸から転写されるRNAは、目的の標的核酸に対してアンチセンス方向のRNAであり、以下の下位の節においてさらに記載される)。
【0175】
本発明の方法に使用されるアンチセンス核酸分子は、代表的に、被験体に投与されるかまたはインサイチュで産生され、その結果、これらは、20750タンパク質をコードする細胞性mRNAおよび/またはゲノムDNAにハイブリダイズするかまたは結合して、それによって、例えば、転写および/または翻訳を阻害することによって、タンパク質の発現を阻害する。ハイブリダイゼーションは、安定な二重鎖を形成するための従来のヌクレオチド相補性によって、または、例えば、DNA二重鎖に結合するアンチセンス核酸分子の場合、二重らせんの主溝における特異的な相互作用を介してであり得る。本発明のアンチセンス核酸分子の投与の経路の例としては、組織部位での直接的注射が挙げられる。あるいは、アンチセンス核酸分子を改変して、選択された細胞を標的化し、次いで、全身に投与し得る。例えば、全身投与に関して、アンチセンス分子は、例えば、細胞表面レセプターまたは抗原に結合するペプチドまたは抗体に、アンチセンス核酸分子を連結することによって、このアンチセンス分子が、選択された細胞表面上で発現されたレセプターまたは抗原に特異的に結合するように改変され得る。このアンチセンス核酸分子はまた、本明細書中で記載されるベクターを使用して、細胞に送達され得る。アンチセンス分子の十分な細胞内濃度を達成するために、アンチセンス核酸分子が、強力なpol IIプロモーターまたはpol IIIプロモーターの制御下に配置されるベクター構築物が、好ましい。
【0176】
なお別の実施形態において、本発明の方法に使用されるアンチセンス核酸分子は、α−アノマー核酸分子である。α−アノマー核酸分子は、相補的RNAと特異的な二本鎖ハイブリッドを形成する。ここでは、通常のβ−ユニットとは対照的に、鎖は互いに対して平行に走る(Gaultierら(1987)Nucleic Acids.Res.15:6625−6641)。アンチセンス核酸分子はまた、2’−o−メチルリボヌクレオチド(Inoueら(1987)Nucleic Acids Res.15:6131−6148)またはキメラRNA−DNAアナログ(Inoueら(1987)FEBS Lett.215:327−330)を含み得る。
【0177】
なお別の実施形態において、本発明の方法に使用されるアンチセンス核酸は、リボザイムである。リボザイムは、これらのリボザイムが相補的領域を有する、一本鎖核酸(例えば、mRNA)を切断し得るリボヌクレアーゼ活性を有する触媒性RNA分子である。従って、リボザイム(例えば、ハンマーヘッドリボザイム(HaselhoffおよびGerlach(1988)Nature 334:585−591に記載される))は、20750mRNA転写物を触媒的に切断するために使用されて、それによって、20750mRNAの翻訳を阻害し得る。20750コード核酸に対して特異性を有するリボザイムは、本明細書中に開示される20750cDNA(すなわち、配列番号1)のヌクレオチド配列に基づいて設計され得る。例えば、Tetrahymena L−19 IVS RNAの誘導体は、活性部位のヌクレオチド配列が20750コードmRNAにおいて切断されるべきヌクレオチド配列に対して相補的であるように構築され得る。例えば、Cechら、米国特許第4,987,071号;およびCechら、米国特許第5,116,742号を参照のこと。あるいは、20750mRNAを使用して、RNA分子のプールから特異的なリボヌクレアーゼ活性を有する触媒性RNAを選択し得る。例えば、Bartel,D.およびSzostak,J.W.(1993)Science 261:1411−1418を参照のこと。
【0178】
あるいは、20750遺伝子の発現は、標的細胞中で20750遺伝子の転写を防止する三重ヘリックス構造を形成するために、20750の調節領域(例えば、20750のプロモーターまたはエンハンサー)に相補的なヌクレオチド配列を標的化することによって阻害され得る。一般に、Helene,C.(1991)Anticancer Drug Des.6(6):569−84;Helene,C.ら(1992)Ann.N.Y.Acad.Sci.660:27−36;およびMaher,L.J.(1992)Bioassays 14(12):807−15を参照のこと。
【0179】
なお別の実施形態において、本発明の方法において使用される20750核酸分子は、塩基部分、糖部分またはリン酸骨格において改変されて、例えば、分子の安定性、ハイブリダイゼーションまたは可溶性を改善し得る。例えば、核酸分子のデオキシリボースリン酸骨格は、ペプチド核酸を生成するために改変され得る(Hyrup B.ら(1996)Bioorganic & Medicinal Chemistry 4(1):5−23を参照のこと)。本明細書中で使用される場合、用語「ペプチド核酸」すなわち「PNA」は、核酸模倣物(例えば、DNA模倣物)をいい、ここで、デオキシリボースリン酸骨格は、偽ペプチド骨格によって置換され、そして4種の天然の核酸塩基だけが維持される。PNAの天然の骨格は、低イオン強度の条件下で、DNAおよびRNAへの特異的ハイブリダイゼーションを可能にすることが示されている。PNAオリゴマーの合成は、標準的な固相ペプチド合成プロトコルを使用して、Hyrup B.ら(1996)前出;Perry−O’Keefeら(1996)Proc.Natl.Acad.Sci.93:14670−675に記載されるように実施され得る。
【0180】
20750核酸分子のPNAは、本明細書中に記載される治療適用および診断適用において使用され得る。例えば、PNAは、例えば、転写もしくは翻訳の停止を誘導するか、または複製を阻害することによって、遺伝子発現の配列特異的調節のためのアンチセンス因子またはアンチ遺伝子(antigene)因子として使用され得る。20750核酸分子のPNAはまた、遺伝子中の単一塩基対の変異の分析において(例えば、PNA指向性のPCRクランピングによって);他の酵素と組み合わせて使用する場合には、「人工制限酵素」として(例えば、S1ヌクレアーゼ(Hyrup B.ら(1996)前出));またはDNA配列決定もしくはハイブリダイゼーションのためのプローブもしくはプライマーとして(Hyrup B.ら(1996)前出;Perry−O’Keefeら(1996)前出)、使用され得る。
【0181】
別の実施形態において、20750のPNAは、(例えば、PNAの安定性または細胞取り込みを増強するために)、PNAに親油性もしくは他のヘルパー基を結合させることによってか、PNA−DNAキメラの形成によってか、またはリポソームもしくは当該分野で公知の他の薬物送達技術の使用によって、改変され得る。例えば、PNAおよびDNAの有利な特性を組み合わせ得る20750核酸分子のPNA−DNAキメラが、生成され得る。このようなキメラは、DNA認識酵素(例えば、RNAse HおよびDNAポリメラーゼ)に、DNA部分と相互作用させ、一方、PNA部分は、高い結合親和性および結合特異性を提供する。PNA−DNAキメラは、塩基スタッキング、核酸塩基間の結合の数および方向に関して選択される、適切な長さのリンカーを使用して、連結され得る(Hyrup B.ら(1996)前出)。PNA−DNAキメラの合成は、Hyrup B.ら(1996)前出ならびにFinn P.J.ら(1996)Nucleic Acids Res.24(17):3357−63に記載されるように実施され得る。例えば、DNA鎖は、標準的なホスホロアミダイトカップリング化学および改変ヌクレオシドアナログを使用して、固体支持体上で合成され得る。例えば、5’−(4−メトキシトリチル)アミノ−5’−デオキシ−チミジンホスホルアミダイトが、PNAとDNAの5’末端との間として使用され得る(Mag,M.ら(1989)Nucleic Acid Res.17:5973−88)。次いで、PNAモノマーは、段階的な様式でカップリングされて、5’PNAセグメントおよび3’DNAセグメントを有するキメラ分子を生成する(Finn P.J.ら(1996)前出)。あるいは、キメラ分子は、5’DNAセグメントおよび3’PNAセグメントを用いて合成され得る(Peterser,K.H.ら(1975)Bioorganic Med.Chem.Lett.5:1119−11124)。
【0182】
他の実施形態において、本発明の方法において使用されるオリゴヌクレオチドは、他の付随的な基(例えば、(例えば、インビボで宿主細胞レセプターを標的化するための)ペプチド、または細胞膜(例えば、Letsingerら(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:6553−6556;Lemaitreら(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:648−652;PCT公開番号WO88/09810を参照のこと)もしくは血液−脳関門(例えば、PCT公開番号WO89/10134を参照のこと)を横切る輸送を促進する因子を含み得る。さらに、オリゴヌクレオチドは、ハイブリダイゼーションが引き金を引く切断因子(例えば、Krolら(1988)Bio−techniques 6:958−976を参照のこと)またはインターカレート因子を用いて改変され得る(例えば、Zon(1988)Pharm.Res.5:539−549を参照のこと)。この目的のために、オリゴヌクレオチドは、別の分子(例えば、ペプチド、ハイブリダイゼーションが引き金を引く架橋剤、輸送因子またはハイブリダイゼーションが引き金を引く切断因子)に結合体化され得る。
【0183】
(VI.本発明の単離された20750タンパク質および抗20750抗体)
本発明の方法は、単離された20750タンパク質およびこれらの生物学的に活性な部分、ならびに抗20750抗体を惹起するための免疫原として使用されるのに適切なポリペプチドフラグメントの使用を包含する。1つの実施形態において、ネイティブの20750タンパク質は、標準的なタンパク質精製技術を使用する、適切な精製スキームによって、細胞または組織供給源から単離され得る。別の実施形態において、20750タンパク質は、組換えDNA技術によって生成される。組換え発現の代わりに、20750のタンパク質またはポリペプチドは、標準的なペプチド合成技術を使用して、化学的に合成され得る。
【0184】
本明細書中で使用する場合、20750タンパク質の「生物学的に活性な部分」は、20750活性を有する、20750タンパク質のフラグメントを含む。20750タンパク質の生物学的に活性な一部分としては、全長の20750タンパク質より少ないアミノ酸を含み、かつ20750タンパク質の少なくとも1つの活性を示す、20750タンパク質のアミノ酸配列(例えば、配列番号2に示されるアミノ酸配列)に十分に同一であるか、あるいはこれらに由来するアミノ酸配列を含むペプチドが挙げられる。代表的には、生物学的に活性な部分は、20750タンパク質の少なくとも1つの活性を有するドメインまたはモチーフを含む。20750タンパク質の生物学的に活性な部分は、例えば、25、50、75、100、125、150、175、200、215、250、300、350、400またはそれより長いアミノ酸長である、ポリペプチドであり得る。20750タンパク質の生物学的に活性な部分は、20750活性を調節する薬剤を開発するための標的として使用され得る。
【0185】
好ましい実施形態では、本発明の方法において使用される20750タンパク質は、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有する。他の実施形態において、20750タンパク質は、配列番号2に対して実質的に同一であり、そして配列番号2のタンパク質の機能的活性を保持するが、上記第V節において詳細に記載されるように、天然の対立遺伝子改変または変異誘発に起因して、アミノ酸配列が異なる。従って、別の実施形態において、本発明の方法において使用される20750タンパク質は、配列番号2に対して少なくとも約50%、55%、59%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれより高度に同一なアミノ酸配列を含むタンパク質である。
【0186】
2つのアミノ酸配列、または2つの核酸配列のパーセント同一性を決定するために、これらの配列は、最適な比較目的で整列される(例えば、ギャップは、最適な整列のために、第1および第2のアミノ酸配列または核酸配列の一方または両方に導入され得、そして非同一配列は、比較目的では無視され得る)。好ましい実施形態において、比較目的で整列される参照配列の長さは、参照配列の少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、なおより好ましくは少なくとも60%、およびさらにより好ましくは、少なくとも70%、80%または90%の長さである(例えば、439アミノ酸残基を有する、配列番号2の20750アミノ酸配列に第二の配列を整列させる場合、少なくとも75、好ましくは少なくとも150、より好ましくは少なくとも225、なおより好ましくは少なくとも300およびなおより好ましくは少なくとも400またはそれより多くのアミノ酸残基が整列される)。次いで、対応するアミノ酸位置またはヌクレオチド位置のアミノ酸残基またはヌクレオチドが、比較される。第1の配列における位置が、第2の配列の対応する位置と同じアミノ酸残基またはヌクレオチドで占められる場合、これらの分子は、その位置で同一である(本明細書中で使用される場合、アミノ酸または核酸の「同一性」は、アミノ酸または核酸の「相同性」と等しい)。2つの配列間のパーセント同一性は、ギャップの数を考慮した、それらの配列により共有される同一の位置の数、および2つの配列の最適な整列のために導入される必要のある各ギャップの長さの関数である。
【0187】
配列の比較および2つの配列間のパーセント同一性の決定は、数学的アルゴリズムを用いて達成され得る。好ましい実施形態では、2つのアミノ酸配列間のパーセント同一性は、GCGソフトウェアパッケージ(Genetics Computer Groupからオンラインで入手可能)中のGAPプログラムに組み込まれたNeedlemanおよびWunsch(J.Mol.Biol.48:444−453(1970))のアルゴリズムを用い、Blosum 62マトリクスまたはPAM250マトリクスのいずれか、ならびにギャップウェイト16、14、12、10、8、6、または4およびレングスウェイト(length weight)1、2、3、4、5、または6を用いて決定される。さらに別の好ましい実施形態において、2つのヌクレオチド配列間のパーセント同一性は、GCGソフトウェアパッケージ(Genetics Computer Groupからオンラインで入手可能)中のGAPプログラムを用い、NWSgapdna.CMPマトリクスならびにギャップウェイト40、50、60、70、または80およびレングスウェイト1、2、3、4、5、または6を用いて決定される。別の実施形態では、2つのアミノ酸配列間または2つのヌクレオチド配列間のパーセント同一性は、ALIGNプログラム(バージョン2.0または2.0U)に組みこまれたE.Meyers,およびW.Miller(Comput.Appl.Biosci.4:11−17(1988))のアルゴリズムを使用し、PAM120ウェイトレジデューテーブル(weight residue table)、ギャップレングスペナルティー12、およびギャップペナルティー4を用いて決定される。
【0188】
本発明の方法はまた、20750のキメラタンパク質または融合タンパク質を使用し得る。本明細書中で使用される場合、20750の「キメラタンパク質」または「融合タンパク質」は、非20750ポリペプチドに作動可能に連結された、20750ポリペプチドを含む。「20750ポリペプチド」は、20750分子に対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドをいうが、一方、「非20750ポリペプチド」は、20750タンパク質に実質的に相同でないタンパク質に対応するアミノ酸配列を有するポリペプチド(例えば、20750タンパク質とは異なり、かつ同じ生物または異なる生物由来のタンパク質)をいう。20750融合タンパク質において、20750ポリペプチドは、20750タンパク質の全てまたは一部に対応し得る。好ましい実施形態において、20750融合タンパク質は、20750タンパク質の少なくとも1つの生物学的に活性な部分を含む。別の好ましい実施形態において、20750融合タンパク質は、20750タンパク質の少なくとも2つの生物学的に活性な部分を含む。融合タンパク質において、用語「作動可能に連結した」は、20750ポリペプチドおよび非20750ポリペプチドが、互いにインフレームで融合されることを示すことが意図される。非20750ポリペプチドは、20750ポリペプチドのN末端またはC末端に融合され得る。
【0189】
例えば、1つの実施形態において、融合タンパク質は、GST−20750融合タンパク質であり、ここで、20750配列は、GST配列のC末端に融合されている。このような融合タンパク質は、組換え20750の精製を容易にし得る。
【0190】
別の実施形態において、この融合タンパク質は、そのN末端において異種シグナル配列を含む20750タンパク質である。特定の宿主細胞(例えば、哺乳動物宿主細胞)において、20750の発現および/または分泌は、異種シグナル配列の使用によって増大され得る。
【0191】
本発明の方法において使用される20750融合タンパク質は、薬学的組成物中に組み込まれ得、そして被験体にインビボで投与され得る。20750融合タンパク質は、20750基質のバイオアベイラビリティーに影響を与えるために使用され得る。20750融合タンパク質の使用は、例えば、以下によって引き起こされる障害の処置のために治療的に有用であり得る:(i)20750タンパク質をコードする遺伝子の異常な改変または変異;(ii)20750遺伝子の誤調節;ならびに(iii)20750タンパク質の異常な翻訳後修飾。
【0192】
さらに、本発明の方法において使用される20750融合タンパク質は、被験体において抗20750抗体を産生するための免疫原として、20750リガンドを精製するために、そして20750と20750基質との相互作用を阻害する分子を同定するためのスクリーニングアッセイにおいて、使用され得る。
【0193】
好ましくは、本発明の方法において使用される20750のキメラタンパク質または融合タンパク質は、標準的な組換えDNA技術によって産生される。例えば、異なるポリペプチド配列をコードするDNAフラグメントは、従来技術に従って、例えば、連結のために平滑末端または付着末端を使用し、適切な末端を提供するための制限酵素消化を使用し、適切な場合粘着末端を平滑化し、所望でない連結を回避するためのアルカリホスファターゼ処理を使用し、そして酵素的連結を使用することによって一緒にインフレームで連結される。別の実施形態において、融合遺伝子は、自動化DNA合成機を含む従来技術によって合成され得る。あるいは、遺伝子フラグメントのPCR増幅は、引き続いてアニーリングおよび再増幅されてキメラ遺伝子配列を生成し得る2つの連続遺伝子フラグメント間の相補的オーバーハングを生じるアンカープライマーを使用して実施され得る(例えば、Current Protocols in Molecular Biology、Ausubelら、編、John Wiley&Sons:1992を参照のこと)。さらに、すでに融合部分(例えば、GSTポリペプチド)をコードしている多くの発現ベクターが市販されている。20750をコードする核酸は、この融合部分が、20750タンパク質にインフレームで連結されるように、このような発現ベクター中にクローニングされ得る。
【0194】
本発明はまた、20750アゴニスト(模倣物)または20750アンタゴニストのいずれかとして機能する、20750タンパク質の改変体の使用に関する。20750タンパク質の改変体は、変異誘発(例えば、20750タンパク質の別個の点変異または短縮)によって生成され得る。20750タンパク質のアゴニストは、20750タンパク質の天然に存在する形態の生物学的活性と実質的に同じ生物学的活性またはそのサブセットを保持し得る。20750タンパク質のアンタゴニストは、例えば、20750タンパク質の20750媒介性の活性を競合的に調節することによって、20750タンパク質の天然に存在する形態の活性の1以上を阻害し得る。従って、特定の生物学的効果は、機能が限定された改変体を用いる処置によって誘発され得る。1つの実施形態において、タンパク質の天然に存在する形態の生物学的活性のサブセットを有する改変体を用いる被験体の処置は、20750タンパク質の天然に存在する形態を用いた処置と比較して、被験体における副作用がより小さい。
【0195】
1つの実施形態において、20750アゴニスト(模倣物)または20750アンタゴニストのいずれかとして機能する20750タンパク質の改変体は、20750タンパク質のアゴニスト活性またはアンタゴニスト活性について、20750タンパク質の変異体(例えば、短縮変異体)のコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることによって、同定され得る。1つの実施形態において、20750改変体の多様なライブラリーは、核酸レベルでのコンビナトリアル変異誘発によって生成され、そして多様な遺伝子ライブラリーによってコードされる。20750改変体の多様なライブラリーは、例えば、合成オリゴヌクレオチドの混合物を遺伝子配列に酵素的に連結することによって生成され得、その結果、潜在的な20750配列の縮重セットは、個々のポリペプチドとしてか、あるいはその中に20750配列のセットを含むより大きい融合タンパク質のセットとして(例えば、ファージディスプレイについて)発現可能である。縮重オリゴヌクレオチド配列から潜在的な20750改変体のライブラリーを生成するために、種々の方法が使用され得る。縮重遺伝子配列の化学的合成は、自動化DNA合成機において実施され得、次いで、この合成遺伝子は、適切な発現ベクター中に連結され得る。遺伝子の縮重セットの使用は、潜在的な20750配列の所望のセットをコードする全ての配列を1つの混合物中で提供することを可能にする。縮重オリゴヌクレオチドを合成するための方法は、当該分野で公知である(例えば、Narang,S.A.(1983)Tetrahedron 39:3;Itakuraら、(1984)Annu.Rev.Biochem.53:323;Itakuraら、(1984)Science 198:1056;Ikeら、(1983)Nucleic Acid Res.11:477を参照のこと)。
【0196】
さらに、20750タンパク質コード配列のフラグメントのライブラリーは、20750タンパク質の改変体のスクリーニングおよび引き続く選択のために、20750フラグメントの多様な集団を生成するために使用され得る。1つの実施形態において、コード配列フラグメントのライブラリーは、20750コード配列の二本鎖PCRフラグメントを、ニック形成が1分子当たりほぼ1回だけ生じるような条件下でヌクレアーゼで処理し、二本鎖DNAを変性し、異なるニック形成産物由来のセンス/アンチセンス対を含み得る二本鎖DNAを形成するためにDNAを再生し、S1ヌクレアーゼでの処理によって、再形成された二重鎖から一本鎖部分を除去し、そして得られたフラグメントライブラリーを発現ベクター中に連結することによって、生成され得る。この方法によって、種々のサイズの20750タンパク質のN末端フラグメント、C末端フラグメントおよび内部フラグメントをコードする、発現ライブラリーが誘導され得る。
【0197】
点変異または短縮によって作製されたコンビナトリアルライブラリーの遺伝子産物をスクリーニングするためのいくつかの技術、および選択された特性を有する遺伝子産物についてのcDNAライブラリーをスクリーニングするためのいくつかの技術が、当該分野で公知である。このような技術は、20750タンパク質のコンビナトリアル変異誘発によって生成された遺伝子ライブラリーの迅速なスクリーニングのために適合可能である。大きい遺伝子ライブラリーをスクリーニングするための高スループットの分析に使用されやすい、最も広く使用される技術は、代表的に、遺伝子ライブラリーを複製可能な発現ベクター中にクローニングする工程、ベクターの得られたライブラリーで適切な細胞を形質転換する工程、および所望の活性の検出が、産物が検出された遺伝子をコードするベクターの単離を容易にするような条件下でコンビナトリアル遺伝子を発現する工程を包含する。再帰的アンサンブル変異誘発(recursive ensemble mutagenesis (REM))(これは、ライブラリー中の機能的変異体の頻度を増強する新たな技術である)は、20750改変体を同定するためのスクリーニングアッセイと組み合わせて使用され得る(ArkinおよびYourvan(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:7811−7815;Delagraveら、(1993)Protein Eng.6(3):327−331)。
【0198】
本発明の方法はさらに、抗20750抗体の使用を包含する。単離された20750タンパク質、またはそれらの一部分もしくはフラグメントは、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体の調製のための標準的な技術を用いて、20750に結合する抗体を生成するための免疫原として使用され得る。全長の20750タンパク質が使用され得るか、あるいは20750の抗原性ペプチドフラグメントが免疫原として使用され得る。20750の抗原性ペプチドは、配列番号2に示されるアミノ酸配列の少なくとも8アミノ酸残基を含み、そしてこのペプチドに対して惹起された抗体が、20750タンパク質と特異的な免疫複合体を形成するように、20750のエピトープを含む。好ましくは、抗原性ペプチドは、少なくとも10アミノ酸残基、より好ましくは、少なくとも15アミノ酸残基、さらにより好ましくは、少なくとも20アミノ酸残基、そして最も好ましくは、少なくとも30アミノ酸残基を含む。
【0199】
抗原性ペプチドにより含まれる、好ましいエピトープは、タンパク質の表面に局在される20750の領域(例えば、親水性領域)、および高抗原性を有する領域である。
【0200】
20750免疫原は、代表的に、適切な被験体(例えば、ウサギ、ヤギ、マウス、または他の哺乳動物)を、免疫原を用いて免疫することにより抗体を調製するために使用される。適切な免疫原性調製物は、例えば、組換え発現された20750タンパク質または化学的に合成された20750ポリペプチドを含み得る。この調製物はさらに、アジュバント(例えば、フロイントアジュバントもしくは不完全フロイントアジュバント)、あるいは類似の免疫刺激剤を含み得る。免疫原性の20750の調製物を用いる適切な被験体の免疫は、ポリクローナル抗20750抗体の応答を誘導する。
【0201】
本明細書中で使用される場合、用語「抗体」は、免疫グロブリン分子および免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分、すなわち、抗原(例えば、20750)に、特異的に結合する(免疫反応する)抗原結合部位を含む分子をいう。免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分の例としては、ペプシンのような酵素で抗体を処理することによって生成され得るF(ab)フラグメントおよびF(ab’)2フラグメントが挙げられる。本発明は、20750分子に結合するポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を提供する。本明細書中で使用される場合、用語「モノクローナル抗体」または「モノクローナル抗体組成物」は、20750の特定のエピトープと免疫反応し得る抗原結合部位の1つの種のみを含む抗体分子の集団をいう。従って、モノクローナル抗体組成物は、代表的に、その抗体が免疫反応する、特定の20750タンパク質に対して単一結合親和性を示す。
【0202】
ポリクローナル抗20750抗体は、20750の免疫原を用いて適切な被験体を免疫することによって、上記のように調製され得る。免疫された被験体における、抗20750抗体の力価は、標準的な技術(例えば、免疫した20750を用いる、固相酵素免疫検出法(ELISA))によって、経時的にモニターされ得る。所望の場合、20750に対する抗体分子は、哺乳動物から(例えば、血液から)単離され得、そしてさらに、周知の技術(例えば、IgG画分を得るためのプロテインAクロマトグラフィー)によって精製され得る。免疫後の適切なとき(例えば、抗20750抗体の力価が最も高いとき)に、抗体産生細胞は被験体から入手され得、そして標準的な技術(例えば、KohlerおよびMilstein(1975)Nature 256:495−497)(Brownら(1981)J.Immunol.127:539−46;Brownら(1980)J.Biol.Chem.255:4980−83;Yehら(1976)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 76:2927−31;ならびにYehら(1982)Int.J.Cancer 29:269−75もまた参照のこと))によってもともと記載されるハイブリドーマ技術、最近のヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozborら(1983)Immunol Today 4:72)、EBV−ハイブリドーマ技術(Coleら(1985)Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,Inc.,pp.77−96)またはトリーマ技術)によってモノクローナル抗体を調製するために使用され得る。モノクローナル抗体ハイブリドーマを生成するための技術は周知である(一般的に、Kenneth,R.H.、Monoclonal Antibodies:A New Dimension In Biological Analyses,Plenum Publishing Corp.,New York,New York(1980);Lerner,E.A.(1981)Yale J.Biol.Med.54:387−402;Gefter,M.L.ら(1977)Somatic Cell Genet.3:231−36を参照のこと)。簡単に言えば、不死化した細胞株(代表的に黒色腫)は、上記のような20750免疫原で免疫した哺乳動物に由来するリンパ球(代表的に脾細胞)と融合され、そして得られたハイブリドーマ細胞の、細胞培養上清は、20750に結合するモノクローナル抗体を生成するハイブリドーマを同定するためにスクリーニングされる。
【0203】
リンパ球と不死化細胞株との融合のために使用される、任意の多くの周知のプロトコルが、抗20750モノクローナル抗体を生成する目的のために適用され得る(例えば、Galfre,G.ら(1977)Nature 266:550-52;Gefterら(1977)前出;Lerner(1981)前出;およびKenneth(1980)前出を参照のこと)。さらに、当業者は、このような方法の多くのバリエーションもまた有用であることを理解する。代表的に、不死化細胞株(例えば、骨髄腫細胞株)は、リンパ球と同一の哺乳動物由来である。例えば、マウスハイブリドーマは、本発明の免疫原性調製物で免疫したマウスに由来するリンパ球と、不死化マウス細胞株とを融合することによって作製され得る。好ましい不死化細胞株は、ヒポキサンチン、アミノプテリンおよびチミジン(「HAT培地」)を含む培養培地に感受性である、マウス骨髄腫細胞株である。任意の多くの骨髄腫細胞株(例えば、P3−NS1/1−Ag4−1骨髄腫細胞株、P3−x63−Ag8.653骨髄腫細胞株またはSp2/O−Ag14骨髄腫細胞株)が、標準的な技術に従う融合パートナーとして使用され得る。これらの骨髄腫細胞株は、ATCCから入手可能である。代表的に、HAT感受性マウス骨髄腫細胞は、ポリエチレングリコール(「PEG」)を用いてマウス脾細胞に融合される。次いで、融合によって得られたハイブリドーマ細胞は、HAT培地を用いて選択される(これは、融合していない骨髄腫細胞および非生産性融合骨髄腫細胞を殺傷する(融合していない脾細胞は形質転換されないので、数日後に死滅する))。本発明のモノクローナル抗体を生成するハイブリドーマ細胞は、例えば、標準的なELISAアッセイを用いて、20750に結合する抗体について、ハイブリドーマ培養物の上清をスクリーニングすることによって検出される。
【0204】
モノクローナル抗体スクリーニングハイブリドーマを調製する代わりに、モノクローナル抗20750抗体は、20750を用いて、組換えコンビナトリアル免疫グロブリンライブラリー(例えば、抗体ファージディスプレイライブラリー)をスクリーニングすることによって同定および単離され得、それによって、20750に結合する免疫グロブリンライブラリーメンバーを単離する。ファージディスプレイライブラリーを生成およびスクリーニングするためのキットは、市販されている(例えば、the Pharmacia Recombinant Phage Antibody System、カタログ番号27−9400−01;およびthe Stratagene SurfZAPTM Phage Display Kit、カタログ番号240612)。さらに、抗体ディスプレイライブラリーの生成およびスクリーニングにおける使用のために特に適切な方法および試薬の例は、以下において見出され得る:例えば、Ladnerら、米国特許第5,223,409号;Kangら、PCT国際出願番号WO92/18619;Dowerら、PCT国際公開番号WO91/17271;Winterら、PCT国際公開WO92/20791;Marklandら、PCT国際公開番号WO92/15679;Breitlingら、PCT国際公開WO93/01288;McCaffertyら、PCT国際公開番号WO92/01047;Garrardら、PCT国際公開番号WO92/09690;LadnerらPCT国際公開番号WO90/02809;Fuchsら(1991)Bio/Technology 9:1369−1372;Hayら(1992)Hum.Antibod.Hybridomas 3:81−85;Huseら(1989)Science 246:1275−1281;Griffithsら(1993)EMBO J 12:725−734;Hawkinsら(1992)J.Mol.Biol.226:889−896;Clacksonら(1991)Nature 352:624−628;Gramら(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:3576−3580;Garrardら(1991)Bio/Technology 9:1373−1377;Hoogenboomら(1991)Nucleic Acid Res.19:4133−4137;Barbasら(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:7978−7982;およびMcCaffertyら(1990)Nature 348:552−554。
【0205】
さらに、標準的な組換えDNA技術を用いて作製され得る、組換え抗20750抗体(例えば、ヒトおよび非ヒトの両方の部分を含むキメラモノクローナル抗体およびヒト化モノクローナル抗体)は、本発明の方法の範囲内にある。このようなキメラモノクローナル抗体およびヒト化モノクローナル抗体は、例えば、以下に記載される方法を用いて、当該分野に公知の組換えDNA技術によって作製され得る:Robinsonら国際出願番号PCT/US86/02269;Akiraら、欧州特許出願第184,187号;Taniguchi,M.,欧州特許出願第171,496号;Morrisonら、欧州特許出願第173,494号;Neubergerら、PCT国際公開番号WO86/01533;Cabillyら、米国特許第4,816,567号;Cabillyら、欧州特許出願第125,023号;Betterら(1988)Science 240:1041−1043;Liuら(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:3439−3443;Liuら(1987)J.Immunol.139:3521−3526;Sunら(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:214−218;Nishimuraら(1987)Can. Res.47:999−1005;Woodら(1985)Nature 314:446−449;Shawら(1988)J.Natl.Cancer Inst.80:1553−1559;Morrison,S.L.(1985)Science 229:1202−1207;Oiら(1986)BioTechniques 4:214;Winter、米国特許第5,225,539号;Jonesら(1986)Nature 321:552−525;Verhoeyenら(1988)Science 239:1534;およびBeidlerら(1988)J.Immunol.141:4053−4060。
【0206】
抗20750抗体を用いて、(例えば、細胞溶解産物または細胞上清中の)20750タンパク質を検出して、20750タンパク質の発現の量およびパターンを評価し得る。抗20750抗体を診断的に用いて、臨床試験手順の一部として、組織中でのタンパク質レベルをモニタリングして、例えば、所定の処置レジメンの効力を決定し得る。検出は、この抗体を検出可能な物質へと結合させる(すなわち、物理的に連結させる)ことによって容易にされ得る。検出可能な物質の例としては、種々の酵素、補欠分子族、蛍光物質、発光物質、生体発光物質、および放射性物質が挙げられる。適切な酵素の例としては、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、またはアセチルコリンエステラーゼが挙げられ;適切な補欠分子族錯体の例としては、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンが挙げられ;適切な蛍光物質の例としては、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、塩化ダンシルまたはフィコエリトリンが挙げられ;発光物質の例としては、ルミノールが挙げられ;生体発光物質の例としては、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、およびエクオリンが挙げられ;そして適切な放射性物質の例としては、125I、131I、35Sまたは3Hが挙げられる。
【0207】
(VII.電子装置読取り可能な媒体およびアレイ)
本発明の20750調節因子を含む電子装置読取り可能な媒体もまた提供される。本明細書中で使用される場合、「電子装置読取り可能な媒体」とは、電子装置によって読取られ得そして直接アクセスされ得る、データまたは情報を、記憶、保持または含むための任意の適切な媒体をいう。このような媒体としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:磁気記憶媒体(例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク記録媒体、および磁気テープ);光学記憶媒体(例えば、コンパクトディスク);電子記憶媒体(例えば、RAM、ROM、EPROM、EEPROMなど);一般的ハードディスクおよびこれらのカテゴリーのハイブリッド(例えば、磁気/光学記憶媒体)。この媒体は、本発明のマーカーを記録されて適合または構成される。
【0208】
本明細書中で使用される場合、用語「電子装置」は、任意の適切な計算装置もしくは処理装置またはデータもしくは情報を記録するために構成もしくは適合された他のデバイスを包含するように意図される。本発明における使用に適切な電子装置の例としては、独立型計算装置;ネットワーク(ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)インターネット、イントラネット(Intranet)、およびエクストラネット(Extranet)を含む);電子アプライアンス(例えば、パーソナルディジタルアシスタント(PDA)、携帯電話、ポケットベルなど);ならびにローカル処理システムおよび分散処理システムが挙げられる。
【0209】
本明細書中で使用される場合、「記録される」とは、電子装置読取り可能媒体へと情報を記録またはコードするためのプロセスをいう。当業者は、公知の媒体に情報を記録して本発明の20750調節因子を含む製造品を作製するために現在公知の方法のいずれかを容易に採用し得る。
【0210】
種々のソフトウェアプログラムおよび形式を用いて、本発明のマーカー情報を電子装置読取り可能媒体に記録し得る。例えば、20750調節因子に対応する核酸配列は、ワード処理テキストファイルで表されてもよく、市販のソフトウェア(例えば、WordPerfectおよびMicrosoft Word)の形式にされてもよく、ASCIIファイル形式で表されてもよく、またはデータベースアプリケーション(例えば、DB2、Sybase、Oracleなど)ならびに他の形式で記録され得る。多数のデータ処理構造形式(例えば、テキストファイルまたはデータベース)を用いて、本発明の20750調節因子が記録された媒体を入手または作製し得る。
【0211】
本発明の20750調節因子を読み取り可能な形式で提供することによって、種々の目的でそのマーカー配列情報に慣用的にアクセスし得る。例えば、当業者は、本発明のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列を、読取り可能な形式で用いて、標的配列または標的構築モチーフと、データ記憶手段内に記録された配列情報とを比較し得る。検索手段を用いて、特定の標的配列または標的モチーフと一致する、本発明の配列のフラグメントまたは領域を同定する。
【0212】
それゆえ、本発明は、被験体が細胞増殖障害を有するかまたは細胞増殖障害に対する素因を有するか否かを決定するための方法を実施するための指示書を保持するための媒体を提供し、ここで、この方法は、20750調節因子の存在または非存在を決定し、そしてこの20750調節因子の存在または非存在に基づいて、この被験体が、細胞増殖障害または細胞増殖障害に対する素因を有するか否かを決定する工程、ならびに/あるいは細胞増殖障害または細胞増殖障害前状態について特定の処置を推奨する工程を包含する。
【0213】
本発明はさらに、電子システムおよび/またはネットワークにおいて、被験体が、20750に関連する細胞増殖障害または細胞増殖障害に対する素因を有するか否かを決定するための方法を提供し、ここで、この方法は、20750調節因子の存在または非存在を決定する工程、および20750調節因子の存在または非存在に基づいて、この被験体が、細胞増殖障害または細胞増殖障害に対する素因を有するか否かを決定する工程、ならびに/あるいは細胞増殖障害または細胞増殖障害前状態について特定の処置を推奨する工程を包含する。この方法はさらに、その被験体に関連した表現型情報を受け取る工程、および/またはネットワークから、その被験体に関連した表現型情報を獲得する工程を含み得る。
【0214】
本発明はまた、ネットワークにおいて、被験体が、20750調節因子に関連する細胞増殖障害または細胞増殖障害に対する素因を有するか否かを決定するための方法を提供し、この方法は、20750調節因子に関連する情報を受け取る工程、この被験体に関連した表現型情報を受け取る工程、このネットワークから、20750調節因子および/または細胞増殖障害に対応する情報を獲得する工程、ならびにこの表現型情報、20750調節因子、および獲得された情報のうちの1以上に基づいて、この被験体が、細胞増殖障害または細胞増殖障害に対する素因を有するか否かを決定する工程を包含する。この方法は、細胞増殖障害または細胞増殖障害前状態について特定の処置を推奨する工程をさらに包含し得る。
【0215】
本発明はまた、被験体が、細胞増殖障害または細胞増殖障害に対する素因を有するか否かを決定するためのビジネス方法を提供し、この方法は、20750調節因子に関連する情報を受け取る工程、この被験体に関連した表現型情報を受け取る工程、このネットワークから、20750調節因子に対応する情報および/または細胞増殖障害に対応する情報を獲得する工程、ならびに、表現型情報、20750調節因子、および獲得した情報のうちの1以上に基づいて、この被験体が、細胞増殖障害または細胞増殖障害に対する素因を有するか否かを決定する工程を包含する。この方法は、細胞増殖障害または細胞増殖障害前状態について特定の処置を推奨する工程をさらに包含し得る。
【0216】
本発明はまた、本発明の20750調節因子を含むアレイを包含する。このアレイを用いて、このアレイにおける1以上の遺伝子の発現をアッセイし得る。1つの実施形態では、このアレイを用いて、組織における遺伝子発現をアッセイして、このアレイにおける遺伝子の組織特異性を確認し得る。このようにして、約7600個までの遺伝子が、発現について同時にアッセイされ得る。これは、1以上の組織において特異的に発現される一連の遺伝子を示すプロファイルが開発されることを可能にする。
【0217】
このような定性的決定に加えて、本発明は、遺伝子発現の定量を可能にする。従って、組織特異性だけでなく、組織中での一連の遺伝子の発現レベルも確認され得る。従って、遺伝子は、それらの組織発現自体およびその組織における発現レベルに基づいてグループ分けされ得る。これは、例えば、組織間での遺伝子発現の関連を確認する際に有用である。従って、1つの組織は、混乱され得、そして第2の組織における遺伝子発現に対する影響が決定され得る。これに関連して、生物学的刺激に応答した、1つの細胞型の別の細胞型への影響が決定され得る。このような決定は、遺伝子発現のレベルで、例えば、細胞−細胞相互作用の影響を知るために有用である。薬剤が1つの細胞型を処置するために治療的に投与されるが、別の細胞型に対して望ましくない影響を有する場合、本発明は、望ましくない影響の分子的基礎を決定するためのアッセイを提供し、従って、中和剤を同時投与するかさもなければ望ましくない影響を処置する機会を提供する。同様に、単一の細胞型内でさえ、望ましくない生物学的影響が、分子レベルで決定され得る。従って、標的遺伝子以外の発現に対する薬剤の影響が確認および中和され得る。
【0218】
別の実施形態では、このアレイを用いて、このアレイ中の1以上の遺伝子の発現の時間経過をモニタリングし得る。これは、例えば、本明細書中に開示されるような、種々の生物学的状況(例えば、細胞増殖障害の発症、細胞増殖障害の進行、およびプロセス(例えば、細胞増殖障害に関連した細胞形質転換))において生じ得る。
【0219】
このアレイはまた、同じ細胞または異なる細胞における他の遺伝子発現に対するその遺伝子発現の影響を確認するために有用である。これは、例えば、最終的または下流の標的が調節できない場合、治療介入のための代替の分子標的の選択を提供する。
【0220】
このアレイはまた、正常細胞および異常細胞における1以上の遺伝子の示差的発現パターンを確認するために有用である。これは、診断または治療介入のための分子標的として役立ち得る一連の遺伝子を提供する。
【0221】
本発明は、以下の実施例によってさらに例示される。以下の実施例は、限定すると解釈されるべきではない。本願を通して引用された全ての参考文献、特許および公開された特許出願ならびに配列表の内容は、本明細書中に参考として援用される。
【実施例】
【0222】
(実施例1:ヒト20750 cDNAの同定および特徴付け)
本実施例において、ヒト20750をコードする遺伝子の同定および特徴付けが記載される。
【0223】
(ヒト20750 cDNAの単離)
本発明は、本明細書中でヒト20750と称される新規ポリペプチドをコードするヒト遺伝子の発見に、少なくとも部分的に基づく。ヒトクローン55053の全配列が決定され、そしてヒト「20750」と称されるオープンリーディングフレームを含むことが見出された。ヒト20750遺伝子のヌクレオチド配列は、配列表に、配列番号1として記載される。ヒト20750発現産物のアミノ酸配列は、配列表に、配列番号2として記載される。20750ポリペプチドは、約439個のアミノ酸を含む。配列番号1のコード領域(オープンリーディングフレーム)は、配列番号3として記載される。
【0224】
(ヒト20750分子の分析)
配列番号2のポリペプチド配列を使用する検索を、PFAMにおいてHMMデータベースに対して実施し、配列番号2の残基約1〜201において、ヒト20750のアミノ酸配列におけるプロテインキナーゼドメインを同定した(スコア=275.7)。
【0225】
配列番号2のポリペプチド配列を使用する検索をまた、Memsatデータベースに対して実施し、ヒト20750のアミノ酸配列(配列番号2)における潜在的な膜貫通ドメインを、残基約130〜147で同定した(スコア=2.9)。
【0226】
ヒト20750のアミノ酸配列の検索を、Prositeデータベースに対してさらに実施した。これらの検索により、5つの潜在的なcAMP/cGMP依存性プロテインキナーゼリン酸化部位(ProSite登録番号PS00004)の、ヒト20750のアミノ酸配列を、配列番号2の残基約188〜191、224〜227、260〜263、277〜280、および394〜397で同定した。グリコサミノグリカン結合部位(ProSite登録番号PS00002)もまた、残基約350〜353で同定した。11個の潜在的なプロテインキナーゼCリン酸化部位(ProSite登録番号PS00005)を、配列番号2の残基約18〜20、276〜278、284〜286、289〜291、305〜307、333〜335、375〜377、389〜391、393〜395、430〜432、および435〜437で同定した。2つの潜在的なN−ミリストイル化部位(ProSite登録番号PS00008)を、配列番号2の残基約237〜242および349〜354で同定した。2つのアミド化部位(ProSite登録番号PS00009)を、配列番号2の残基約119〜122および222〜225で同定した。3つの潜在的なカゼインキナーゼIIリン酸化部位(ProSite登録番号PS00006)を、配列番号2の残基約30〜33、101〜104、および172〜175で同定した。セリン/スレオニンプロテインキナーゼ活性部位シグネチャー(ProSite登録番号PS00108)を、配列番号2の残基約68〜80で同定した。
【0227】
ヒト20750のアミノ酸配列を、プログラムPSORTを用いて分析して、細胞内でのこのタンパク質の局在化を予測した。このプログラムは、問合せ配列における異なる標的化アミノ酸配列および局在化アミノ酸配列の存在を評価する。この分析の結果は、ヒト20750が、細胞質、核、またはペルオキシソームに局在し得ることを示す。
【0228】
さらなる目的の相同性(可能なキナーゼ関連ドメインを含む)を、20750のアミノ酸配列(配列番号2)を使用して同定し、ProDomデータベース(ProDom(Protein Domain Database)ウェブサイトを介してオンラインで利用可能)を検索した。
(実施例2 TaqManTM分析を用いた20750 mRNAの組織分布)
本実施例は、TaqManTM手順を用いて決定されるような、種々の細胞および組織におけるヒト20750 mRNAの組織分布を記載する。TaqmanTM手順は、mRNAを検出するための、定量的な逆転写PCRベースのアプローチである。RT−PCR反応は、PCRの間に、TaqManTMプローブを切断するために、AmpliTaq GoldTM DNAポリメラーゼの5’ヌクレアーゼ活性を活用する。簡単に言えば、cDNAを目的のサンプル(例えば、肺、卵巣、胸部、および結腸の腫瘍サンプルならびに正常サンプル)から生成し、そしてPCR増幅のための出発物質として使用した。5’遺伝子特異的プライマーおよび3’遺伝子特異的プライマーに加えて、遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプローブ(増幅されている領域に相補的である)を、この反応物(すなわち、TaqmanTMプローブ)に含めた。TaqmanTMプローブは、プローブの5’末端に共有結合した蛍光レポーター色素(例えば、FAM(6−カルボキシフルオレセイン)、TET(6−カルボキシ−4,7,2’,7’−テトラクロロフルオレセイン)、JOE(6−カルボキシ−4,5−ジクロロ−2,7−ジメトシフルオレセイン)、もしくはVIC)、およびこのプローブの3’末端にクエンチャー色素(TAMRA(6−カルボキシ−N,N,N’,N’−テトラメチルローダミン)を有するオリゴヌクレオチドを含む。
【0229】
PCR反応の間、プローブの切断は、レポーター色素およびクエンチャー色素を分離し、結果としてレポーターの蛍光を増強する。PCR産物の蓄積を、レポーター色素の蛍光増強をモニタリングすることによって直接検出する。プローブがインタクトな場合、クエンチャー色素に対してレポーター色素の近位にレポーター蛍光の抑制が生じる。PCRの間、目的の標的が存在する場合、このプローブは順方向プライマー部位と逆方向プライマー部位との間の部位に特異的アニールする。AmpliTaqTMGold DNAポリメラーゼの5’−3’ヌクレオチド分解性(nucleolytic)活性は、プローブが標的にハイブリダイズする場合のみ、レポーターとクエンチャーとの間でプローブを切断する。次いで、プローブフラグメントを、標的と置換し、そして鎖の重合を続ける。PCRの間、プローブの伸長を防ぐように、このプローブの3’末端をブロックする。このプロセスは全てのサイクルで生じ、そして産物の指数関数的な蓄積を妨げない。RNAを、トリゾール方法を使用して調製し、そして汚染したゲノムDNAを除去するためにDNaseで処理した。標準的な方法を使用してcDNAを合成した。逆転写酵素の非存在下において、コントロール遺伝子の検出可能なPCR増幅を有さないサンプルに生じるMock cDNA合成は、ゲノムDNA汚染の有効な除去を確証する。
【0230】
正常組織および腫瘍形成組織を含むヒトパネルは、正常脳皮質組織および臍帯血管内非細胞(HUVEC)における最も高い発現を伴って、ヒト20750発現の広い分布を示した(表1を参照のこと)。重要なことに、表1に示されるように、ヒト20750発現は、正常結腸組織サンプルおよび正常肺組織サンプルと比べて、結腸腫瘍サンプルおよび肺腫瘍サンプルにおいて3倍増加した。
【0231】
乳癌細胞株、結腸癌細胞株、肺癌細胞株および卵巣癌細胞株ならびに293細胞株および293T細胞株を含む異種移植片もまた試験した。表2に示されるように、ヒト20750の発現を、全ての起源の細胞株(例えば、結腸癌細胞株、乳癌細胞株、および肺癌細胞株を含む)において検出した。
【0232】
正常サンプルおよび固形腫瘍サンプルを含む腫瘍性ヒトパネルは、正常胸部サンプル、正常肺サンプル、および正常結腸サンプルと比較して、胸部腫瘍サンプル、肺腫瘍サンプル、および結腸腫瘍サンプルにおいて、ヒト20750の7倍〜10倍の過剰発現を示した(表3を参照のこと)。
【0233】
正常結腸サンプル、初期段階の腺癌サンプル、結腸から肝臓への転移サンプル、および正常肝臓サンプルを含むパネルもまた試験した。表4に示されるように、ヒト20750は、結腸から肝臓への転移サンプルの95%において過剰発現した。
【0234】
種々の段階の結腸癌(腺癌B段階サンプル、腺癌C段階サンプル、腺腫サンプル、結腸から肝臓への転移サンプル、腹腔結腸転移(abdominal colon metastasis)サンプル、正常結腸サンプル、および正常肝臓サンプルを含む)に由来するサンプルを含む拡大された結腸パネルもまた、試験した(表5を参照のこと)。結果は、結腸から肝臓への転移サンプルにおける過剰発現、ならびに腺腫および原発性腫瘍A段階における有意な発現を示した。
【0235】
インビトロで合成された細胞周期パネルもまた試験した(表6を参照こと)。ヒト20750の発現を、種々の時点で細胞周期を調節した癌細胞株のいくつかの細胞周期において試験した。細胞周期調節の異常および細胞周期チェックポイントの異常は、悪性細胞の発生を導く。細胞増殖および細胞周期停止を調節するシグナルに応答する細胞の能力の喪失は、癌を発症する共通の機構である。細胞周期停止を引き起こす薬物で細胞株を同調することによって、ある時点で、細胞周期の種々の段階において調節された遺伝子を同定するためにプロファイルされ得る。ヒト細胞の迅速な複製は、約24時間(分裂に約30分かかり、G1期に約9時間かかり、S期に約10時間かかり、G2期に約4.5時間かかる)で全部の細胞周期を進行する。ヒト20750の発現を、細胞周期に入るように同調し、誘導したいくつかの癌細胞株において、種々の時点で試験した。結果は、全ての時点で20750発現を示し、そしてヒト腺癌DLD−1細胞において20750発現の増加を示した。
【0236】
インビトロ癌遺伝子細胞モデルに由来する細胞を含むパネルもまた、試験した。これらの癌遺伝子細胞モデルは、癌の進行(例えば、結腸癌の進行)に関与することが知られている腫瘍サプレッサーおよび癌遺伝子を一過性にトランスフェクトした細胞株およびそれらを安定にトランスフェクトした細胞株を含む。表7および表8に示されるように、ヒト20750は、これらの多様な癌細胞モデルにおいて発現される。
【0237】
20750発現もまた、Smad3−/−マウスモデルにおいて分析した。Smad3−/−マウスは、ヒト結腸直腸の発癌にとって有用であり、かつ唯一のモデルである。Smad3−/−マウスは、ヒトの疾患に組織病理学的に似ている結腸癌腫を発症する。疾患進行のいくつかの段階に由来するサンプル(正常上皮、過形成上皮、腺腫性ポリープ、ならびに多様な程度の原発性癌腫およびリンパ節転移を含む)を単離し得る。正常結腸サンプルおよび癌腫サンプルにおけるヒト20750の発現を、12〜14週および18〜24週に調査した。結果を表9に示す。この結果は、20750の発現が、正常結腸組織と比べて、初期段階腫瘍および後期段階腫瘍においてアップレギュレートされることを示す。
【0238】
ノコダゾール(Nonodazol)で処理した、細胞周期を調節したHCT−116ヒト結腸癌腫細胞における20750発現の分析もまた、調査した。ノコダゾールは、G2/M期において細胞周期を調節する。結果は、これらの細胞において、ヒト20750発現が細胞周期のG2/M期の間にアップレギュレートされることを示し(表10を参照のこと)、このことは、細胞増殖の間の20750発現を示す。
【0239】
上記のデータは、癌腫(特に、結腸癌腫、肝臓への結腸転移、胸部癌腫、および肺癌腫)における20750 mRNAの有意なアップレギュレートを示す。さらに、これらのデータは、細胞増殖を伴う20750の発現に関連する。20750が多様な腫瘍において、正常サンプルと比較して腫瘍サンプルにおいて有意にアップレギュレートされて発現される場合、および20750が細胞増殖の間に発現される場合、20750活性の阻害は、特に、結腸腫瘍、胸部腫瘍または肺腫瘍における腫瘍の形成または進行を阻害し得ると考えられる。
【0240】
(実施例3:インサイチュ分析を用いた20750 mRNAの組織分布)
インサイチュ分析のために、種々の組織(例えば、正常な結腸、肝臓、胸部、および肺から得られた組織、ならびに結腸腫瘍、胸部腫瘍、および肺腫瘍、ならびに肝臓への結腸転移)を、最初にドライアイス上で凍結させた。これらの組織の10μm厚さの切片を、DEPC処理1×リン酸緩衝化生理食塩水中の4%ホルムアルデヒドで室温にて10分間後固定し、その後、DEPC 1×リン酸緩衝化生理食塩水中で2回および0.1Mトリエタノールアミン−HCl(pH8.0)中で1回リンスした。0.25%無水酢酸−0.1Mトリエタノールアミン−HCl中で10分間インキュベートした後、切片をDEPC 2×SSC(1×SSCは、0.15M NaCl+0.015Mクエン酸ナトリウムである)中でリンスした。次いで、組織を一連のエタノール洗浄液に通して脱水し、100%クロロホルム中で5分間インキュベートし、次いで、100%エタノール中で1分間および95%エタノール中で1分間リンスし、そして風乾させた。
【0241】
ハイブリダイゼーションを、35S−放射標識(5×107cpm/ml)cRNAプローブを用いて実施した。プローブを、600mM NaCl、10mM Tris(pH7.5)、1mM EDTA、0.01%剪断サケ精子DNA、0.01%酵母tRNA、0.05%酵母総RNA X1型、1×デンハルト溶液、50%ホルムアミド、10%デキストラン硫酸、100mMジチオトレイトール、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、および0.1%チオ硫酸ナトリウムを含む溶液の存在下で、55℃にて18時間インキュベートした。
【0242】
ハイブリダイゼーション後、スライドを、2×SSCで洗浄した。次いで、切片を、37℃にて、TNE(10mM Tris−HCl(pH7.6)、500mM NaCl、および1mM EDTAを含む溶液)中で10分間、1mlあたり10μgのRNase Aを含むTNE中で30分間、そして最後にTNE中で10分間、順次インキュベートした。次いで、スライドを、室温にて2×SSCでリンスし、50℃にて1時間、2×SSCで洗浄し、55℃にて1時間、0.2×SSCで洗浄し、そして60℃にて1時間、0.2×SSCで洗浄した。次いで、切片を、連続エタノール−0.3M酢酸ナトリウム濃縮物を通して迅速に脱水し、その後、風乾し、そしてKodak Biomax MR科学的画像化フィルムに24時間にわたって曝露し、続いてNB−2写真乳剤(photoemulsion)に浸し、そして4℃にて7日間曝露し、その後現像し、そして対比染色した。
【0243】
インサイチュハイブリダイゼーションの結果は、試験した4つの正常結腸組織サンプルのうちの1つ、試験した6つの結腸腫瘍サンプルのうちの6つ、試験した5つの肝臓への肝臓転移サンプルのうちの5つ、そして試験した2つの正常肝臓サンプルのうちの2つにおいて、20750の発現を示した。原発性結腸腫瘍サンプルおよび転移性癌腫サンプルにおいてもまた、中程度〜強い発現が観察された。正常肝臓サンプルおよび正常結腸サンプルは、結腸腫瘍サンプルと比較して、20750の過度の発現が示される。結果はさらに、試験した2つの正常胸部組織サンプルのうちの2つ、および試験した4つの胸部腫瘍組織サンプルのうちの4つにおいて、胸部腫瘍組織と比較して正常導管上皮における適度な発現を伴って20750の発現を示す。結果はまた、試験した4つの肺腫瘍組織のうち4つ、および2つの正常肺組織のうち2つにおいて、中程度〜強い発現を示す。
【0244】
上記のTaqman分析によって示される発現パターンを確認するこれらの結果は、ほとんどの腫瘍型において20750の広範な発現を示す。20750は、正常結腸組織および正常肝臓組織と比べて、結腸腫瘍および肝臓転移において;正常胸部組織と比べて胸部腫瘍において;そして正常肺組織と比べて肺腫瘍において差示的に発現される。従って、20750の阻害は、特に結腸腫瘍における腫瘍の進行または形成を阻害し得る。
【0245】
(実施例4:細菌細胞における組換え20750タンパク質の発現)
本実施例において、ヒト20750を、組換えグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)融合ポリペプチドとして、E.coli中に発現させ、そしてこの融合ポリペプチドを、単離および特徴付けする。特に、20750をGSTに融合させ、そしてこの融合ポリペプチドを、E.coli(例えば、PEB199株)に発現させる。PEB199でのGST−20750融合タンパク質の発現を、IPTGで誘導する。この組換え融合ポリペプチドを、グルタチオンビーズでのアフィニティクロマトグラフィーによって、誘導したPEB199株の粗細菌溶解物から精製する。細菌溶解物から精製したポリペプチドのポリアクリルアミドゲル電気泳動分析を使用して、生じた融合ポリペプチドの分子量を決定する。
【0246】
(実施例5:COS細胞における組換え20750タンパク質の発現)
COS細胞においてヒト20750遺伝子を発現させるために、Invitrogen Corporation(San Diego,CA)製のpcDNA/Ampベクターを使用する。このベクターは、SV40複製起点、アンピシリン耐性遺伝子、E.coli複製起点、ポリリンカー領域が続くCMVプロモーター、ならびにSV40イントロンおよびポリアデニル化部位を含む。20750タンパク質全体をコードするDNAフラグメント、ならびにこのフラグメントの3’末端にインフレームで融合されたHAタグ(Wilsonら(1984)Cell 37:767)またはFLAGタグを、このベクターのポリリンカー領域にクローニングし、これにより、CMVプロモーターの制御下で組換えタンパク質の発現を配置する。
【0247】
このプラスミドを構築するために、20750DNA配列を、2つのプライマーを使用するPCRによって増幅する。5’プライマーは、目的の制限部位、次いで、開始コドンから始まる20750コード配列の約20ヌクレオチドを含む;3’末端配列は、目的の他の制限部位に対する相補配列、翻訳終止コドン、HAタグまたはFLAGタグ、および20750コード配列の最後の20ヌクレオチドを含む。PCR増幅したフラグメントおよびpCDNA/Ampベクターを、適切な制限酵素で消化し、このベクターを、CIAP酵素(New England Biolabs,Beverly,MA)を使用して脱リン酸化する。好ましくは、この選択された2つの制限部位は異なり、その結果、20750遺伝子は、正確な方向で挿入される。連結混合物を、E.coli細胞(Stratagene Cloning Systems,La Jolla,CAより入手可能なHB101株、DH5α株、SURE株を使用し得る)に形質導入し、この形質導入した培養物を、アンピシリン培地プレートにプレーティングし、耐性コロニーを選択する。プラスミドDNAを、形質転換体から単離し、そして正確なフラグメントの存在について制限分析により試験する。
【0248】
引き続きCOS細胞を、リン酸カルシウム法または塩化カルシウム共沈法、DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション、リポフェクションあるいはエレクトロポレーションを使用して、20750−pcDNA/AmpプラスミドDNAでトランスフェクトする。宿主細胞をトランスフェクトするための他の適切な方法を、Sambrook,J.,Fritsh,E.F.,およびManiatis,T.Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版、Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY,1989に見出し得る。20750ポリペプチドの発現を、放射標識(NEN,Boston,MAより入手可能な35S−メチオニンまたは35S−システインを使用し得る)およびHA特異的モノクローナル抗体を使用する免疫沈降(Harlow,E.およびLane,D.Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY,1988)によって検出する。簡単には、細胞を、35S−メチオニン(または35S−システイン)で8時間標識する。次いで、この培養培地を収集し、そして界面活性剤(RIPA緩衝液(150mM NaCl、1%NP−40、0.1% SDS、0.5% DOC、50mM Tris(pH7.5)を使用して細胞を溶解する。細胞溶解物および培養培地の両方を、HA特異的モノクローナル抗体で沈降させる。次いで、沈降したポリペプチドを、SDS−PAGEによって分析する。
【0249】
あるいは、20750コード配列を含むDNAを、適切な制限部位を使用してpCDNA/Ampベクターのポリリンカーに直接クローニングする。生じたプラスミドを、上記の様式にてCOS細胞にトランスフェクトし、そして20750ポリペプチドの発現を、放射標識および20750特異的モノクローナル抗体を使用する免疫沈降によって検出する。
(等価物)
当業者は、本明細書中に記載される本発明の特定の実施形態の多くの等価物を認識するか、または慣用的にすぎない実験法を使用してこれらの等価物を確認し得る。このような等価物は、添付の特許請求の範囲に含まれるべきであることが意図される。
【0001】
本出願は、2001年10月31日出願の米国仮特許出願番号60/335,006号(この内容全体は、本明細書中に参考として援用される)に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
癌は、米国における心疾患に次ぐ第2の死因である(Boringら(1993)CA Cancer J.Clin.43:7)。癌は、増殖して腫瘍塊を形成する、正常組織由来の異常細胞または新生物性細胞の数の増加、これらの新生物性腫瘍細胞による隣接組織の浸潤、ならびに血液系またはリンパ系を介して局所リンパ節および離れた部位へ広がる悪性細胞の生成によって主に特徴付けられる。後者の悪性腫瘍への進行は、転移といわれる。
【0003】
結腸直腸癌は、西部で最も蔓延する癌である。結腸直腸癌の推定129,400件の新たな症例が、1999年に米国において生じた(Rudyら(2000)Am Fam Physician 61(6):1759−70,1773−4)。70歳までに、西部の集団の少なくとも50%が、結腸直腸癌のいくつかの形態(早期良性ポリープおよび浸潤性腺癌を含む)を発症する。良性ポリープ状病巣の約10%が、浸潤癌に進行すると推定される(Fahyら(1998)Surg Oncol 7(3−4):115−23)。結腸直腸癌は、前駆体病巣、腺癌ポリープ(これは、上皮細胞過剰増殖の領域で形成する)および陰窩形成異常(crypt dysplasia)から生じる。この前駆病巣から結腸直腸癌への進行は、多段階工程である(Winawer(1999)Am J Med 106(1A):3S−6S)。
【0004】
肺癌は、世界中で最も一般的な癌の形態である。1985年の推定は、世界中で約900,000件の肺癌が存在したことを示す(Parkinら(1993)Int J Cancer;54:594−606)。米国のみについて、1993年の予測は、170,000件の新たな肺癌症例数(約88%の死亡率)を推定した(place)(Boringら、前出)。乳癌の発症は米国においてわずかにより一般的であるが、肺癌は、男性では前立腺癌に次いで2番目であり、そして女性では乳癌および直腸結腸癌に次いで3番目である。未だに、肺癌は、最も一般的な癌の死因である。
【0005】
世界保健機構は、肺癌を4つの主要な組織学的型に分類する:(1)扁平上皮細胞癌(SCC)、(2)腺癌、(3)大細胞癌、および(4)小細胞肺癌(SCLC)。(The World Health Organization,Am J Clin Pathol(1982)77:123−136)。しかし、種々のサブタイプ内でさえ多くの腫瘍異質性が存在し、そして肺癌について1つより多い形態学的サブタイプの特徴を有することは、まれではない。用語非小細胞肺癌(NSCLC)は、扁平上皮細胞癌、腺癌および大細胞癌を含む。
【0006】
早期検出は、困難である。なぜなら、臨床症状は、しばしば、この疾患が進行段階に達するまで見られないからである。現在、診断は、胸部x線の使用、痰中に含まれる細胞型の分析、および気管支通路の光ファイバー実験によって補助される。処置レジメンは、癌の型および段階によって決定され、処置レジメンとしては、手術、放射線治療および/または化学療法が挙げられる。この疾患についての治療に相当な研究がなされているにもかかわらず、肺癌は、処置困難なままである。
【0007】
乳癌(carcinomaまたはcancer)は、生命の第3世代の最初の女性または全体的に老化し続けている女性に対する主要な医療問題である。現在米国において、女性は、生涯(80歳の年齢まで)で、8分の1の確率でこの疾患を発症すると推定されているが、28人のうち1人の女性が、乳癌が原因で死亡する生涯の危険性を有する(Harrisら編、Diseases of the Breast,1996:pp.159−168)。胸部の癌腫は、3番目に一般的な癌であり、女性においては、最も一般的な癌である。これは、女性における死亡率の主要な原因であり、そして障害、心理学的傷害、および経済的損失の原因である。乳癌は、米国において、女性における2番目に一般的な癌死の原因であり、15歳と54歳との間の女性については、癌関連死の主要な原因である(Forbes,Seminars in Oncology,vol.24(1),Suppl 1,1997:pp.S1−20−S1−35)。この疾患の間接的な影響はまた、進行性疾患(例えば、骨または脳への転移)の結果を含む、乳癌による死亡率に寄与する。骨髄抑制、放射線繊維症および好中球減少性敗血症から生じる合併症、治療介入(例えば、外科手術、放射線、化学療法、または骨髄移植)からの副作用もまた、この疾患による罹患率または死亡率に寄与する。
【0008】
これらの障害の有病率ならびに有効な治療および早期診断薬の欠如に基づいて、現在、症状の発症前のマーカーとして働き得る方法および組成物、ならびにこれらの障害を処置および治療するための治療薬を同定するための手段をして働き得る方法および組成物に対する多大な必要性が存在する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、細胞増殖障害(例えば、癌(結腸癌、乳癌、および肺癌が挙げられるがこれらに限定されない))の診断および処置のための方法および組成物を提供する。本発明は、20750分子(プロテインキナーゼファミリーの新規のメンバー)が、正常細胞(例えば、正常結腸細胞、正常肺細胞、および正常胸部細胞)と比較した場合に、腫瘍細胞(例えば、結腸腫瘍細胞、肺腫瘍細胞、および胸部腫瘍細胞)において差次的に発現され、かつ正常肝臓組織と比較した場合に、肝臓への結腸転移に由来する組織において高度に増大され、従って、細胞増殖傷害(例えば、癌(結腸癌、肺癌および乳癌が挙げられるがこれらに限定されない))の診断および処置において有用であるという発見に、少なくとも一部基づく。機構によって制限されることを意図しないが、20750分子は、β−カテニンの安定性に影響を与えることによって、Wntシグナル伝達回路を通して発癌を調節し、それによって、細胞増殖障害(例えば、癌)の処置、予後、または診断のための標的および治療剤として有用であると考えられる。
【0010】
従って、本発明は、細胞増殖障害(例えば、癌(結腸癌、乳癌、および肺癌が挙げられるがこれらに限定されない))の診断および処置のための方法を提供する。
【0011】
1つの局面において、本発明は、細胞増殖障害(例えば、癌(結腸癌、乳癌、および肺癌が挙げられるがこれらに限定されない))を処置することができる化合物を同定するための方法を提供する。この方法は、化合物が20750核酸発現または20750ポリペプチド活性を調節する能力をアッセイする工程を包含する。1つの実施形態において、化合物が核酸発現または20750ポリペプチド活性を調節する能力は、細胞増殖(例えば、腫瘍細胞の増殖)の調節を検出することによって決定される。別の実施形態において、化合物が核酸発現または20750ポリペプチド活性を調節する能力は、細胞中のβ−カテニンの濃度の調節を検出することによって決定される。
【0012】
別の局面において、本発明は、20750活性(例えば、細胞内β−カテニン濃度、細胞増殖(proliferation)、細胞増殖(growth)、細胞移動またはWntシグナル伝達経路)を調節することができる化合物を同定するための方法を提供する。この方法は、20750核酸分子または20750ポリペプチド分子を発現する細胞(例えば、結晶腫瘍細胞、肺腫瘍細胞、または胸部腫瘍細胞)を、試験化合物と接触させる工程、およびこの試験化合物が20750核酸発現または20750ポリペプチド活性を調節する能力を評価する工程、を包含する。
【0013】
本発明の別の局面は、細胞増殖(growth)プロセス、細胞移動プロセス、細胞分化プロセスまたは細胞増殖(proliferation)プロセスを調節するための方法を提供する。この方法は、細胞を20750モジュレーター(例えば、抗20750抗体、配列番号2のアミノ酸配列もしくはそのフラグメントを含む20750ポリペプチド、配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む20750ポリペプチド、配列番号2のアミノ酸配列からなるポリペプチドの単離された天然に存在する対立遺伝子改変体、低分子、アンチセンス20750核酸分子、配列番号1の核酸分子もしくはそのフラグメント、またはリボザイム)と接触させる工程を包含する。
【0014】
なお別の局面において,本発明は、細胞増殖障害(例えば、異常な20750ポリペプチド活性または異常な20750核酸発現によって特徴付けられる細胞増殖障害)(例えば、癌)を有する被験体を処置するための方法を特徴とする。好ましい実施形態において、細胞増殖障害は、結腸癌、肺癌、または乳癌である。この方法は、治療有効量の20750モジュレーターを、例えば、薬学的に受容可能な処方物においてかまたは遺伝子治療ベクターを使用して、被験体に投与する工程を包含する。本発明のこの局面の実施形態は、低分子である20750モジュレーター、抗20750抗体、配列番号2のアミノ酸配列もしくはそのフラグメントを含む20750ポリペプチド、配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む20750ポリペプチド、配列番号2のアミノ酸配列からなるポリペプチドの単離された天然に存在する対立遺伝子改変体、アンチセンス20750核酸分子、配列番号1の核酸分子もしくはそのフラグメント、またはリボザイムを含む。
【0015】
別の局面において、本発明は、被験体に20750モジュレーターを投与することによって、この被験体中での細胞増殖を調節する(例えば、増減させる)ための方法を提供する。
【0016】
被験体中での転移を調節する方法または被験体中での腫瘍進行を阻害する方法もまた、特徴とし、この方法は、有効量の20750モジュレーター(例えば、20750インヒビター)を被験体に投与する工程を包含する。
【0017】
本発明は、プロテインキナーゼの新規ファミリーメンバー(本明細書中で「20750」核酸分子および「20750」タンパク質分子をいう)の発見にもまた一部基づく。本発明の20750核酸分子または20750タンパク質分子は、種々の細胞プロセス(例えば、β−カテニン安定性、細胞増殖(proliferation)、細胞増殖(growth)、細胞移動、またはWntシグナル伝達経路)を調節するための調節因子として有用である。
【0018】
1つの実施形態において、本発明は、配列番号1または配列番号3に記載されるヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子を特徴とする。別の実施形態において、本発明は、配列番号2に記載されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする単離された核酸分子を特徴とする。
【0019】
なお別の実施形態において、本発明は、配列番号1または配列番号3に記載されるヌクレオチド配列と実質的に同一(例えば、60%同一)であるヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子を特徴とする。本発明はさらに、配列番号1または配列番号3に記載されるヌクレオチド配列の少なくとも68連続するヌクレオチドを含む単離された核酸分子を特徴とする。別の実施形態において、本発明は、配列番号2に記載されるアミノ酸配列と実質的に同一(例えば、60%同一)であるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする単離された核酸分子を特徴とする。本発明はまた、配列番号2に記載されるアミノ酸配列を有するポリペプチドの対立遺伝子改変体をコードする核酸分子を特徴とする。全長ポリペプチドをコードする単離された核酸分子に加えて、本発明はまた、本発明の全長ポリペプチドのフラグメント(例えば、生物学的に活性なフラグメントまたは抗原性フラグメント)(例えば、配列番号2のアミノ酸配列の少なくとも215連続するアミノ酸残基を含む、フラグメント)をコードする核酸分子を特徴とする。なお別の実施形態において、本発明は、本明細書中に記載される単離された核酸分子に相補的であるか、この核酸分子に対してアンチセンスであるか、またはストリンジェントな条件下でこの核酸分子にハイブリダイズする、核酸分子を特徴とする。
【0020】
別の局面において、本発明は、本明細書中に記載される単離された核酸分子(例えば、20750コード核酸分子)を含むベクターを提供する。このようなベクターは、必要に応じて、異種ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含み得る。このようなベクターを含む宿主細胞(例えば、20750核酸分子および20750ポリペプチドを産生するのに適切なベクターを含む宿主細胞)もまた、特徴とする。
【0021】
別の局面において、本発明は、単離された20750ポリペプチドおよび/またはその生物学的に活性なフラグメントもしくは抗原性フラグメントを特徴とする。例示的な実施形態は、配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチド、配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも60%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチド、配列番号1または配列番号3に記載されるヌクレオチド配列と少なくとも60%同一なヌクレオチド配列を含む核酸分子によってコードされるポリペプチドを特徴とする。本明細書中に記載される全長ポリペプチドのフラグメント(例えば、配列番号2に示される配列の少なくとも215連続するアミノ酸残基を含む、フラグメント)、および配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドの対立遺伝子改変体もまた、特徴とする。
【0022】
20750ポリペプチドおよび/またはその生物学的に活性なフラグメントもしくは抗原性フラグメントは、例えば、20750媒介障害または20750関連障害の処置および/または診断に適用可能なアッセイにおける試薬または標的として有用である。1つの実施形態において、20750ポリペプチドまたはそのフラグメントは、20750活性を有する。別の実施形態において、20750ポリペプチドまたはそのフラグメントは、以下のドメイン(膜貫通ドメイン、プロテインキナーゼドメイン)のうちの少なくとも1つを含み、そして必要に応じて、20750活性を有する。関連する局面において、本発明は、抗体(例えば、本明細書中に記載されるポリペプチドのいずれか1つに特異的に結合する抗体)、および融合タンパク質(本明細書中に記載されるポリペプチドの全てまたはフラグメントを含む)を特徴とする。
【0023】
本発明はさらに、20750ポリペプチドおよび/または20750核酸分子を検出するための方法を特徴とし、このような方法は、例えば、本明細書中に記載される、プローブ、プライマーまたは抗体を特徴とする。キット(例えば、20750ポリペプチドおよび/または20750核酸分子の検出用のキット)もまた、特徴とする。関連する局面において、本発明は、本明細書中に記載される20750ポリペプチドもしくは20750核酸分子に結合する化合物、および/または本明細書中に記載される20750ポリペプチドもしくは20750核酸分子の活性を調節する化合物を同定するための方法を特徴とする。20750活性を調節するための方法を、さらに特徴とする。
【0024】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかとなる。
【0025】
表1は、ヒト正常組織パネルおよび腫瘍組織パネルにおける20750 cDNA発現のTaqManTM分析の結果を示すグラフである(1=正常な動脈、2=病変した動脈、3=正常な静脈、4=冠状動脈平滑筋細胞、5=HUVEC、6=血管腫、7=正常な心組織、8=うっ血性心不全(CHF)心臓組織、9=腎臓組織、10=骨格筋、11=正常な脂肪、12=膵臓組織、13=初代骨芽細胞、14=分化した破骨細胞、15=正常な皮膚組織、16=正常な脊髄、17=正常な脳皮質、18=視床下部、19=神経組織、20=後根神経節(DRG)、21=正常な胸部組織、22=正常な卵巣組織、23=卵巣腫瘍組織、24=正常な前立腺組織、25=前立腺腫瘍組織、26=唾液腺、27=正常な結腸組織、28=結腸腫瘍組織、29=肺正常組織、30=肺腫瘍組織、31=慢性閉塞性肺疾患(COPD)肺組織、32=炎症性腸疾患(IBD)結腸組織、33=正常な肝臓組織、34=肝臓線維症組織、35=正常な脾臓組織、36=正常な扁桃組織、37=リンパ節組織、38=小腸組織、39=マクロファージ、40=滑膜、41=骨髄、42=活性化PBMC、43=好中球、44=巨核球、45=赤血球組織、46=ポジティブコントロール)。
【0026】
表2は、異種移植パネル(乳癌細胞株、結腸癌細胞株、肺癌細胞株および乳癌細胞株、ならびに293細胞株および293T細胞株を含む)における20750 cDNA発現のTaqManTM分析の結果を示すグラフである(1=MCF−7胸部腫瘍、2=ZR75胸部腫瘍、または3=T47D胸部腫瘍、4=MDA 231胸部腫瘍、5=MDA 435胸部腫瘍、6=SkBr3胸部腫瘍、7=DLD−1結腸腫瘍(段階C)、8=SW480結腸腫瘍(段階B)、9=SW620結腸腫瘍(段階C)、10=HCT−116結腸腫瘍、11=HT−29結腸腫瘍、12=Colo−205結腸腫瘍、13=NCI−H125肺腫瘍、14=NCI−H69肺腫瘍、15=NCI−H322原発性細気管支癌、16=NCI−H460肺腫瘍、17=A549肺腫瘍、18=正常ヒト気管上皮(NHBE)、19=SKOV−3卵巣腫瘍、20=OVCAR−3卵巣腫瘍、21=293乳児腎臓、22=293T乳児腎臓)。
【0027】
表3は、腫瘍学ヒトパネル(正常腫瘍サンプルおよび固形腫瘍サンプルを含む)における20750 cDNA発現のTaqManTM分析の結果を示すグラフである(1−3=正常な胸部、4−8=胸部腫瘍、9=リンパ、10=肺(胸部)、11−12=正常な卵巣、13−17=卵巣腫瘍、18−20=正常な肺、21−26=肺腫瘍、27−29=正常な結腸、30−33=結腸腫瘍、34−35=結腸腫瘍−肝臓転移、36=正常な肝臓(女性)、37=頸部、38=頸部−扁平上皮、39=ヒト微小血管内皮細胞(HMVEC)(停止)、40=ヒト微小血管内皮細胞(HMVEC)(増殖)、41=血管腫、42=HCT−116非中毒性、43=HCT−116低酸素性、44−45=前立腺、46=正常な前立腺腫瘍、47=前立腺腫瘍)。
【0028】
表4は、パネル(正常な結腸サンプル、初期段階の腺癌、結腸から肝臓への転移、および正常な肝臓サンプルを含む)における20750 cDNA発現のTaqManTM分析の結果を示すグラフである(1−3=正常な結腸、4−5=結腸ACA−C、6=結腸ACA−B、7=腺癌、8−24=結腸から肝臓への転移、25−27=正常な肝臓)。
【0029】
表5は、結腸ACAパネルにおける20750 cDNA発現のTaqManTM分析の結果を示すグラフである(1−5=正常な結腸サンプル、6−7=腺腫、8−11=段階Bの腺癌サンプル、12−17=段階Cの腺癌サンプル、18−22=正常な肝臓サンプル、23−27=結腸から肝臓への転移サンプル、28=腹部結腸転移)。
【0030】
表6は、インビトロで同調された細胞周期パネルにおける20750 cDNA発現のTaqManTM分析の結果を示すグラフである(1=HCT−116、アフィジコリン t=0、2=HCT−116 アフィジコリン、t=3、3=HCT−116 アフィジコリン、t=6、4=HCT−116 アフィジコリン、t=9、5=HCT−116 アフィジコリン、t=12、6=HCT−116 アフィジコリン、t=15、7=HCT−116 アフィジコリン、t=18、8=HCT−116 アフィジコリン、t=21、9=HCT−116 アフィジコリン、t=24、10=HCT−116 ノコダゾール、t=0、11=HCT−116 ノコダゾール、t=3、12=HCT−116 ノコダゾール、t=6、13=HCT−116 ノコダゾール、t=9、14=HCT−116 ノコダゾール、t=15、15=HCT−116 ノコダゾール、t=18、16=HCT−116 ノコダゾール、t=21、17=HCT−116 ノコダゾール、t=24、18=DLD−1 ノコダゾール、t=3、19=DLD−1 ノコダゾール、t=6、20=DLD−1 ノコダゾール、t=9、21=DLD−1 ノコダゾール、t=12、22=DLD−1 ノコダゾール、t=15、23=DLD−1 ノコダゾール、t=18、24=DLD−1 ノコダゾール、t=21、25=A549 ミモシン、t=0、26=A549 ミモシン、t=3、27=A549 ミモシン、t=6、28=A549 ミモシン、t=9、29=A549 ミモシン、t=15、30=A549 ミモシン、t=18、31=A549 ミモシン、t=21、32=A549 ミモシン、t=24、33=MCF10A ミモシン、t=0、34=MCF10A ミモシン、t=3、35=MCF10A ミモシン、t=6、36=MCF10A ミモシン、t=9、37=MCF10A ミモシン、t=12、38=MCF10A ミモシン、t=18、39=MCF10A ミモシン、t=21、40=MCF10A ミモシン、t=24)。
【0031】
表7は、インビトロオンコジーン細胞モデルパネル(k−rasを用いてトランスフェクトされた種々の細胞株を含む)における20750 cDNA発現のTaqManTM分析の結果を示すグラフである(1=Smad4−Sw480コントロール、2=Smad4−Sw480(24時間)、3=Smad4−Sw480(48時間)、4=Smad4−Sw480(72時間)、5=L51747−ムチン、6=HT29非ムチン性、7=SW620非ムチン性、8=CSC−1正常、9=NCM−460正常、10=HCT−116 rer+、11=SW480 RER+、12=SW480 rer −/−、13=CACO rer −/−、14=JDLD−1、15=JHCT−116、16=DKO1、17=DKO4、18=DKS−8、19=Hke3、20=HKh2、21=HK2−6、22=e3Ham#9、23=APC5 −/−、24=AP6 −/−、25=APC1 +/+、26=APC13 +/+)。
【0032】
表8は、表7に示されるインビトロオンコジーン細胞モデルパネルにおける20750 cDNA発現のTaqManTM分析からの、巨視的な種々のサンプルを示すグラフである(1=JDLD−1、2=DKO1、3=DKO4、4=DKS−8、5=JHCT−116、6=HK2−6、7=Hke3、8=HKh2、9=eHam#9)。
【0033】
表9は、Smad3−/−マウスモデルにおける20750発現を示すグラフである。(1)12〜14週目および(2)18〜24週目において、正常な結腸サンプルにおける発現を調査し、(3)12〜14週目および(4)18〜24週目において、腺腫サンプルにおける発現を調査した。
【0034】
表10は、種々の時点(1=t=0時間、2=t=3時間、3=t=6時間、4=t=9時間、5=t=15時間、6=t=18時間、7=t=21時間、8=t=24時間)においてノコダゾールで処置した、細胞周期調節HCT−116ヒト結腸癌細胞における20750発現を示すグラフである。
【0035】
(表1)
【0036】
【表1】
(表2)
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
本発明は、細胞増殖性障害(例えば、癌(結腸癌、乳癌、および肺癌を含むがこれらに限定されない))の診断および処置のための方法および組成物を提供する。本発明は、プロテインキナーゼファミリー分子の新規メンバー(本明細書中で「20750」といわれる)が、正常細胞に比べて、腫瘍細胞(例えば、結腸腫瘍細胞、肺腫瘍細胞、および胸部腫瘍細胞)および肝臓へと転移した結腸細胞中で差別的に発現されるという発見に少なくとも一部基づく。20750発現はまた、Smad3−/−マウスモデルにおける結腸腫瘍において、そしてHCT−116ヒト結腸腺癌細胞株のG2/M期においてアップレギュレートされ、発癌および細胞増殖における20750についての役割を示す。Smad3−/−マウスは、有用であり、これは、ヒト結腸直腸癌についての独自のモデルである。Smad3−/−マウスは、組織病理学的にヒト疾患に類似する、結腸癌腫を発症する。疾患進行のいくつかの段階由来のサンプルは、単離され得、この段階としては、正常上皮、増殖性上皮、腺腫様ポリープ、および種々の程度の原発性癌腫およびリンパ節転移が挙げられる。
【0039】
20750分子は、プロテインキナーゼファミリーのメンバーであり、MAP/微小管親和性調節キナーゼ様1(MARKL1)(GenBank登録番号AB049127)に相同である。MARKL1は、ヒト肝癌細胞株 HepG2を使用する過剰発現実験において、β−カテニンによって調節されることが示された(Katoら、(2001)Neoplasia 3(1):4−9)。MARKL1の発現レベルは、肝細胞癌腫の90%において顕著に増加されることが後に示された。β−カテニンは、Wntシグナル伝達経路において機能する(Millerら、(1999)Oncogene 18(55):7860−72およびPeifer(1997)Science 275:1752−1753に記載される)。分泌された成長因子のWntファミリーによるシグナル伝達は、細胞運命の決定、細胞増殖、細胞移動、および細胞極性を制御する、発生に重要な主要なシグナル伝達経路の1つを示す。例えば、リン酸化による、β−カテニン分解の減少および細胞中のβ−カテニン濃度の増加が存在する場合、Wntシグナル伝達は、増大し、細胞増殖および細胞移動の増大、細胞極性の改変、ならびに細胞運命の決定の改変を導く。Wnt経路の不適切な活性化は、種々のヒトの癌(最も顕著には、結腸癌)に関与する。機構による限定は意図しないが、β−カテニン分解を調節することによって、20750分子が、Wntシグナル伝達経路を調節し、従って、細胞増殖(growth)、細胞増殖(proliferation)、および腫瘍形成を調節すると考えられる。
【0040】
例えば、20750の調節(例えば、阻害)は、β−カテニンのリン酸化を低下することによって、β−カテニンの安定性を調節(例えば、低下)し得る。細胞におけるβ−カテニン濃度の減少は、Wntシグナル伝達の減少を導き、それによって、細胞の増殖(growth)および増殖(proliferation)の低下を導く。従って、本発明の20750分子は、新規診断標的および細胞性増殖障害(例えば、癌)の処置、診断および予後のための治療剤を提供する。好ましい実施形態において、本発明の20759分子は、新規診断標的ならびに結腸癌、肺癌、および乳癌の処置、診断および予後のための治療剤を提供する。
【0041】
本明細書中で使用される場合、「細胞増殖性障害」としては、細胞増殖(growth)、分化、または増殖(proliferation)プロセスに影響を及ぼす疾患または障害が挙げられる。本明細書中で使用される場合、「細胞増殖(growth)プロセス、細胞分化プロセス、または細胞増殖(proliferation)プロセス」は、それにより、細胞の数、サイズもしくは容積が増加するか、細胞が、他の細胞の特徴と異なる特殊化された一組の特徴を発現するか、または細胞が、特定の場所もしくは刺激の近くもしくは遠くへと移動する、プロセスである。細胞増殖(growth)プロセス、細胞分化プロセス、または細胞増殖(proliferation)プロセスとしては、アミノ酸輸送およびアミノ酸分解ならびに細胞の他の代謝プロセスが挙げられる。細胞増殖性障害は、異常に調節された細胞増殖(growth)、細胞増殖(proliferation)、細胞分化、または細胞移動によって特徴付けられ得る。細胞増殖性障害は、腫瘍形成疾患または腫瘍形成障害を含む。本明細書中で使用される場合、「腫瘍形成疾患または腫瘍形成障害」は、腫瘍の発生または腫瘍を発生する傾向を生じ得る、異常に調節された細胞の増殖(growth)、増殖(proliferation)、分化、接着または移動によって特徴付けられる疾患または障害を含む。本明細書中で使用される場合、「腫瘍」は、正常な良性組織塊または悪性組織塊を含む。細胞増殖性(growth)障害または細胞増殖性(proliferation)障害の例としては、癌(例えば、癌腫、肉腫、または白血病)が挙げられるがこれらに限定されず、この例としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:結腸癌、卵巣癌、肺癌、乳癌、子宮内膜癌、子宮癌、肝癌、胃腸の癌、前立腺癌、および脳の癌;腫瘍形成および転移;骨格形成異常;ならびに造血性障害および/または骨髄増殖性障害。
【0042】
「示差的発現」は、本明細書中で使用される場合、遺伝子の時間的発現パターンおよび/または組織発現パターンにおける定量的相違および定性的相違の両方を包含する。従って、示差的に発現される遺伝子は、その発現が、細胞増殖(growth)性疾患状態または細胞増殖(proliferation)性疾患状態に対して、正常な状態において活性化または不活化されているかもしれない。発現が、細胞増殖(growth)性疾患状態または細胞増殖(proliferation)性疾患状態に対して正常な状態において異なる程度あるいは実験状態に対してコントロール状態において異なる程度は、標準的な特徴付け技術(例えば、定量的PCR、ノーザン分析、TaqmanTM分析、転写プロファイリング、またはサブトラクティブハイブリダイゼーション)を介して可視化されるのに充分に大きいことのみを必要とする。示差的に発現される遺伝子の発現パターンは、細胞増殖性障害評価の予後判定もしくは診断の一部として用いられ得るか、または細胞増殖性障害の処置に有用な化合物を同定するための方法において用いられ得る。さらに、細胞増殖障害に関与する示差的に発現される遺伝子は、標的遺伝子発現のレベルまたは標的遺伝子産物の活性の調節が、細胞増殖障害状態を回復するように作用するように、標的遺伝子を提示し得る。標的遺伝子の発現または標的遺伝子産物の活性を調節する化合物は、細胞増殖性障害の処置において用いられ得る。本明細書中に記載される20750遺伝子は、細胞増殖性障害に関して示差的に発現され得、そして/またはそれらの産物は、細胞増殖性障害に対して重要な遺伝子産物と相互作用し得るが、これらの遺伝子はまた、さらなる疾患細胞プロセスに重要な機構に関与し得る。
【0043】
本明細書中で交換可能に使用される場合、「20750活性」、「20750の生物学的活性」、または「20750の機能的活性」は、標準的な技術に従って、インビボもしくはインビトロで決定されるように、20750の応答性細胞もしくは組織(例えば、腫瘍細胞)または20750タンパク質基質に対して、20750タンパク質、20750ポリペプチドまたは20750核酸分子により及ぼされる活性を含む。20750活性は、直接的活性(例えば、20750標的分子との結合)であり得る。本明細書中で使用される場合、「基質」または「標的分子」または「結合パートナー」は、天然で20750タンパク質が結合または相互作用し、その結果、20750媒介機能(例えば、β−カテニン分解またはWntシグナル伝達の調節)が達成される、分子である。20750標的分子は、非20750分子、または20750タンパク質もしくは20750ポリペプチドであり得る。このような標的分子の例としては、20750タンパク質と同じシグナル伝達経路にあるタンパク質(例えば、細胞増殖または細胞分化の調節を含む経路において20750タンパク質の上流で機能し得るタンパク質(活性の刺激因子およびインヒビターの両方を含む)または下流で機能し得るタンパク質)が挙げられる。あるいは、20750活性は、20750タンパク質と20750標的分子との間の相互作用により媒介される細胞シグナル伝達活性のような、間接的な活性である。20750の生物学的活性は、本明細書中に記載される。例えば、20750タンパク質は、以下の活性の1つ以上を有し得る:(1)例えば、Lodish H.ら、Molecular Cell Biology,(Scientific American Books Inc.,New York,N.Y.,1995)およびStryer L.,Biochemistry,(W.H.Freeman,New York)(これらの内容は、本明細書中に参考として援用される)に記載されるような、20750標的分子(例えば、キナーゼ分子)のリン酸化状態あるいは細胞増殖、細胞代謝または細胞分化(例えば、腫瘍細胞の増殖または分化)に関与する1つ以上のタンパク質のリン酸化状態の調節;(2)細胞増殖または細胞分化(例えば、腫瘍細胞の増殖または分化)に関与する1つ以上のタンパク質の活性の調節;(3)1つ以上の遺伝子(例えば、転写因子)の発現の調節;ならびに(4)シグナル伝達の調節。他の好ましい実施形態において、本発明の20750ポリペプチドは、以下の活性の1つ以上を有する:(1)癌または腫瘍の進行の調節;(2)細胞増殖の調節、(4)細胞分化の調節、(5)細胞移動の調節、(6)アポトーシスの調節、(7)細胞極性の調節、(8)β−カテニン安定性(例えば、細胞における分解または蓄積)の調節、および(9)Wntシグナル伝達経路の調節。
【0044】
本発明の種々の局面は、以下の小節にさらに詳細に記載される。
【0045】
(I.スクリーニングアッセイ)
本発明は、20750タンパク質に結合するか、20750発現もしくは20750活性に対して刺激性もしくは阻害性の効果を有するか、または20750標的分子の発現もしくは活性に対して刺激性もしくは阻害性の効果を有する調節因子(すなわち、候補化合物もしくは試験化合物もしくは候補因子もしくは試験因子(例えば、ペプチド、ペプチド模倣物、低分子、リボザイム、または20750アンチセンス分子))を同定するための方法(本明細書中において「スクリーニングアッセイ」ともいう)を提供する。本明細書中に記載されるアッセイを使用して同定される化合物は、細胞増殖障害を処置するのに有用であり得る。
【0046】
候補/試験化合物としては、例えば、以下が挙げられる:1)可溶性ペプチドのようなペプチド(Igテールの(tailed)融合ペプチドおよびランダムペプチドライブラリーのメンバー(例えば、Lam,K.S.ら(1991)Nature 354:82−84;Houghten,R.ら(1991)Nature 354:84−86を参照のこと)ならびにD配置および/またはL配置のアミノ酸から構成される、コンビナトリアル化学誘導分子ライブラリーを含む);2)ホスホペプチド(例えば、ランダムで、部分的に縮重した指向性ホスホペプチドライブラリーのメンバー(例えば、Songyang,Z.ら(1993)Cell 72:767−778を参照のこと));3)抗体(例えば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、抗イディオタイプ抗体、キメラ抗体、および単鎖抗体ならびにFab、F(ab’)2、Fab発現ライブラリーフラグメント、および抗体のエピトープ結合フラグメント);ならびに4)有機低分子および無機低分子(例えば、コンビナトリアルライブラリーおよび天然産物ライブラリーから得られる分子)。
【0047】
本発明の試験化合物は、当該分野で公知のコンビナトリアルライブラリー法における多数の任意のアプローチを使用して得られ得る。これらのライブラリー法としては、以下が挙げられる:生物学的ライブラリー;空間アドレス可能な平行固相ライブラリーまたは溶液相ライブラリー;デコンボルーションを必要とする合成ライブラリー法;「1ビーズ1化合物」ライブラリー法;およびアフィニティークロマトグラフィー選択を使用する合成ライブラリー法。この生物学的ライブラリーアプローチは、ペプチドライブラリーに限られるが、その他の4つのアプローチは、ペプチド、非ペプチドオリゴマーまたは化合物の低分子ライブラリーに適用可能である(Lam,K.S.(1997)Anticancer Drug Des.12:145)。
【0048】
分子ライブラリーの合成方法の例は、当該分野において見出され得、例えば、以下に見出され得る:DeWittら(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6909;Erbら(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:11422;Zuckermannら(1994)J.Med.Chem.37:2678;Choら(1993)Science 261:1303;Carrellら(1994)Angew.Chem.Int.Ed.Engl.33:2059;Carellら(1994)Angew.Chem.Int.Ed.Engl.33:2061;およびGallopら(1994)J.Med.Chem.37:1233。
【0049】
化合物のライブラリーは、溶液中(例えば、Houghten(1992)Biotechniques 13:412−421)、またはビーズ上(Lam(1991)Nature 354:82−84)、チップ上(Fodor(1993)Nature 364:555−556)、細菌上(Ladner USP5,223,409)、胞子上(LadnerUSP’409)、プラスミド上(Cullら(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:1865−1869)もしくはファージ上(ScottおよびSmith(1990)Science 249:386−390;Devlin(1990)Science 249:404−406;Cwirlaら(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.87:6378−6382;Felici(1991)J.Mol.Biol.222:301−310;Ladner前出)に示され得る。
【0050】
20750活性を調節する化合物を同定するために使用され得るアッセイは、20750が標的分子をリン酸化する能力を決定するアッセイを含む。20750活性は、例えば、インビトロキナーゼアッセイを使用することによって決定され得る。簡潔には、キナーゼ標的分子(例えば、β−カテニン)は、キナーゼタンパク質および放射性ATP(例えば、[γ−32P]ATP)と共に、MgCl2およびMnCl2(例えば、10mM MgCl2および5mM MnCl2)を含有する緩衝液中でインキュベートされ得る。インキュベーションの後、免疫沈降されたキナーゼ標的分子は、還元条件下で、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分離され、膜(例えば、PVDF膜)に転写され、そしてオートラジオグラフにかけられる。オートラジオグラフの際の検出可能なバンドの出現は、キナーゼ基質がリン酸化されたことを示す。リン酸化された基質のリン酸化アミノ酸分析はまた、キナーゼ基質においてどの残基がリン酸化されたかを決定するために実施され得る。簡単には、放射性リン酸化されたタンパク質のバンドは、SDSゲルから切り出され得、部分的酸加水分解に供され得る。次いで、生成物は、1次元電気泳動において分離され得、例えば、リン酸画像化機(phosphoimager)で分析され得、そしてニンヒドリン染色リン酸化アミノ酸標準と比較され得る。β−カテニン安定性の調節は、例えば、Moonら(2001)Gynecol Oncol.81(3)355−9に記載される方法によって、β−カテニンのリン酸化についてアッセイすることによって決定され得る。Wntシグナル伝達経路の調節は、例えば、Wongら、(2001)Cancer 92(1):136−145に記載されるように、細胞中のβ−カテニン濃度についてアッセイすることによって、決定され得る。20750活性を調節する化合物を同定するために使用され得る他のアッセイとしては、以下を決定するためのアッセイが挙げられる:
(1)細胞の増殖または分化(例えば、腫瘍細胞の増殖または分化)に関与する1つ以上のタンパク質の活性の調節;(2)1つ以上の遺伝子(例えば、転写因子)の発現の調節、(3)シグナル伝達の調節、(4)癌または腫瘍の進行の調節、(5)細胞増殖の調節、(6)細胞分化の調節、(7)細胞移動の調節、(8)アポトーシスの調節、および(9)細胞極性の調節。
【0051】
20750活性を調節する化合物を同定するために使用され得る細胞増殖アッセイとしては、以下のようなアッセイが挙げられる:Connollyら(1986)Anal.Biochem.152,136−140に記載されるような細胞数についての酸性ホスファターゼアッセイおよびLoveland,B.E.ら(1992)Biochem.Int.,27:501−510に記載されるようなMTTアッセイ(これは、生存可能な細胞を定量化するために比色アッセイを利用する)(例えば、ミトコンドリアのスクシネートデヒドロゲナーゼによる、テトラゾリウム塩(MTT)のホルマザンへの細胞性還元)。細胞増殖についての他のアッセイとしては、以下が挙げられる:クローン原性アッセイ、3Hチミジン取りこみアッセイ、DNAへの放射性標識ヌクレオチドの取りこみを測定するアッセイ、または細胞性増殖を測定するための当該分野で公知の他のアッセイ。さらに、インビボ(例えば、癌を有する患者において)での細胞性増殖の阻害は、腫瘍を検出するための任意の標準的な方法(例えば、腫瘍サイズのx線または画像化分析、あるいは変異p53タンパク質生産の減少の観察、または生検もしくは組織サンプル内の任意の公知の細胞特異的マーカーまたは腫瘍マーカーの生産の減少の観察)によって検出され得る。20750活性を調節する試験化合物の能力を決定することは、例えば、細胞周期を経る細胞進行をモニタリングすることによって達成され得る。例えば、この細胞は、腫瘍細胞(例えば、結腸腫瘍細胞、肺腫瘍細胞または胸部腫瘍細胞)であり得る。
【0052】
1つの局面において、アッセイは、細胞ベースのアッセイであり、このアッセイにおいて、20750タンパク質またはその生物学的に活性な部分を発現する細胞は、試験化合物と接触されて、そしてその試験化合物の20750活性の調節能力が決定される。好ましい実施形態において、20750タンパク質の生物学的に活性な部分は、アミノ酸輸送または分解、細胞代謝あるいは細胞増殖または細胞分化を調節し得るドメインまたはモチーフを含む。試験化合物が20750活性を調節する能力を決定することは、以下により達成され得る:例えば、20750を発現する細胞における1つ以上の特定の代謝物の産生をモニタリングすること(例えば、Saadaら、(2000)Biochem Biophys.Res.Commun.269:382−386を参照のこと)、あるいは細胞代謝、細胞増殖(growth)、細胞増殖(proliferation)、または細胞分化をモニタリングすること。細胞は、例えば、哺乳動物起源(例えば、腫瘍細胞(例えば、肺腫瘍細胞、胸部腫瘍細胞、または結腸腫瘍細胞)であり得る。
【0053】
基質に対する20750の結合を調節するか、または20750に結合する試験化合物の能力もまた決定され得る。基質に対する20750の結合を調節する試験化合物の能力を決定することは、例えば以下により達成され得る:20750基質の20750への結合が、複合体中の標識された20750基質を検出することにより決定され得るように、放射性同位体または酵素標識と20750基質とをカップリングすること。あるいは、20750を放射性同位体または酵素標識とカップリングして、複合体中の20750基質に対する20750の結合を調節する試験化合物の能力をモニタリングし得る。20750を結合する試験化合物の能力を決定することは、例えば、以下により達成され得る:20750に対するこの化合物の結合が、複合体中の標識された20750化合物を検出することにより決定され得るように、放射性同位体または酵素標識とこの化合物とをカップリングすること。例えば、20750基質は、125I、35S、14C、または3Hで、直接的または間接的のいずれかで標識され得、そしてこの放射性同位体は、放射線の直接的計数またはシンチレーション計数により検出される。あるいは、化合物は、例えば、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、またはルシフェラーゼで酵素的に標識され得、そしてこの酵素的標識は、適切な基質の産物への変換の決定により検出される。
【0054】
相互作用するもののいずれも標識することなく、20750と相互作用する化合物の能力を決定することもまた、本発明の範囲内である。例えば、微視的生理機能測定器(microphysiometer)を使用して、化合物または20750のいずれも標識することなく、化合物の20750との相互作用を検出し得る(McConnell,H.M.ら(1992)Science 257:1906−1912)。本明細書中で使用される場合、「微視的生理機能測定器」(例えば、細胞センサー(Cytosensor))は、光アドレス可能な電位差計センサー(LAPS)を使用して、細胞がその環境を酸性化する速度を測定する分析機器である。この酸性化速度の変化を、化合物と20750との間の相互作用の指標として使用し得る。
【0055】
20750活性を調節(例えば、阻害または増大)する20750調節因子の能力はまた、アミノ酸の輸送または分解、細胞代謝、細胞増殖、あるいは細胞分化を上昇または低下のいずれかをする調節因子を同定するスクリーニングアッセイによって決定され得る。1つの実施形態において、本発明は、20750タンパク質または20750ポリペプチドを発現する細胞を試験化合物と接触させる工程、および細胞増殖について細胞を試験する工程、を包含するスクリーニングアッセイを提供する。例えば、20750タンパク質または20750ポリペプチドを発現する細胞は、試験化合物と接触され、続いて、例えば、Loveland,B.E.ら、(1992)Biochem.Int.,27:501−510に記載されるように細胞性増殖を決定するためにか、または、放射性標識されたヌクレオチドのいDNAへの取り込みを測定することによってか、またはコントロール細胞に比べて存在する細胞の数を測定することによって、定量化される。細胞の数は、例えば乾燥/湿潤重量測定によってか、計数チャンバーを使用する、光学密度による細胞の計数によってか、または本明細書中に記載されるような細胞増殖についての他のアッセイもしくは当該分野で公知である細胞増殖についての他のアッセイを使用して、測定され得る。
【0056】
20750発現は、腫瘍(転移性腫瘍を含む)において増加し、かつ細胞周期の間に調節されるので、細胞増殖およびまたは細胞分化を調節する化合物は、20750発現を調節する能力により同定され得る。試験化合物が20750発現を調節するか否かを決定するために、20750を発現する細胞(例えば、肺腫瘍細胞、胸部腫瘍細胞、結腸腫瘍細胞、または対応する正常細胞)を試験化合物と接触させ、そして試験化合物が20750発現を調節する能力を、例えば、ノーザンブロット、定量的PCR(例えば、Taqman)、またはインビトロ転写アッセイにより、20750 mRNAを測定することにより決定し得る。インビトロ転写アッセイを実行するために、20750の全長プロモーターおよびエンハンサーを、レポーター遺伝子(例えば、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)またはルシフェラーゼ)に連結し得、そして宿主細胞に導入し得る。次いで、同じ宿主細胞が、試験化合物でトランスフェクトされ得るかまたは試験化合物と接触され得る。試験化合物の効果は、レポーター遺伝子活性により、およびこの活性をその試験化合物を含まない細胞におけるレポーター遺伝子活性と比較することにより、測定され得る。レポーター遺伝子活性における上昇または低下は、20750発現の調節を示しており、従って、試験化合物が、例えば腫瘍細胞において、細胞増殖および/または細胞分化を調節する能力の指標である。
【0057】
試験化合物が20750発現を調節する能力を試験するための上記アッセイはまた、20750分子が細胞増殖を調節する能力を試験するために使用され得る。試験化合物が20750発現を調節し得る場合、この試験化合物は、細胞増殖(例えば、腫瘍細胞増殖)を最も調節しそうであり得る。
【0058】
インビトロの細胞ベースの癌モデルはまた、20750活性を調節する化合物を同定するため、および/または試験化合物が20750分子の活性を調節する能力を確認するために使用され得る。例えば、細胞株は、腫瘍サプレッサーおよび癌遺伝子(野生型または変異型のp53、Smad4、p16、p14、c−mycおよびk−rasが挙げられるが、これらに限定されず、これらは、癌の進行または阻害(例えば、結腸癌、肺癌、乳癌または卵巣癌の進行または阻害)に関連することが公知である遺伝子である)で、一過的にかまたは安定にトランスフェクトされ得る。次いで、これらの細胞株は、本明細書中に記載される方法を使用して、試験化合物の存在下または非存在下で、20750の発現または活性を評価するために使用され得る。例えば、以下のヒト乳腺上皮細胞株が、インビトロモデルおよび/またはマウスにおける異種移植片モデルにおいて使用するために利用可能である:HMEC、MCF−7、T−47D、ZR−75、MDA−MB−231、MDA−MB−MC−2、MDA−MB−435、BT−549、SkBr3、MDA−MB−468、MCF10A、MCF10AT.cl1、MCF10AT.cl3、MCF10AT1、MCF10AT3B、MCF10CA1.cl、Hs578TおよびHCC1937。以下の結腸細胞株が、インビトロモデルおよび/またはマウスにおける異種移植片モデルにおいて使用するために、利用可能である:HCT−116、SW480、CC−ML3、KM12C、KM12SM、HT29、DLD−1、HCC−2998、COLO−205、HCT−15、SW−620およびKM20L2。以下の肺細胞株が、インビトロモデルおよび/またはマウスにおける異種移植片モデルにおいて使用するために、利用可能である:NCI−H345、NCI−H69およびNCI−H125。以下の卵巣細胞株が、インビトロモデルおよび/またはマウスにおける異種移植片モデルにおいて使用するために、利用可能である:SKOV3、SKOV3、OVCAR−3およびOVCAR−4。
【0059】
インビトロの細胞ベースの乳癌モデルとしては、例えば、以下が挙げられる:k−rasで形質転換されたMCF10A細胞株(乳腺上皮悪性腫瘍の細胞ベースの系);増殖因子(EGF増殖因子およびIGF1増殖因子を含む)でヒト胸部上皮細胞(MCF10A)を処理すること、およびHCC1937細胞へのBRCA1発現の再導入。
【0060】
インビトロの細胞ベースの卵巣癌モデルとしては、例えば、以下が挙げられる:血清の非存在下で、15分間、30分間および60分間にわたって、上皮増殖因子(EGF)または増殖因子Heregulin(Hrg)のいずれかでの、卵巣癌細胞株(SKOV3およびSKOV3/改変体(これらは、シスプラチン耐性である親SKOV3卵巣癌細胞株の改変体である))の処置;ならびに既にヌルの細胞株(SKOV−3およびSKOV3−Var)におけるp53の安定な発現。
【0061】
インビトロの細胞ベースの肺癌モデルとしては、例えば、以下が挙げられる:腫瘍サプレッサーモデル(例えば、NCI−H125細胞(p53についてヌルである肺腫瘍細胞株)へのp53の再導入;同じ遺伝子座由来の別個の腫瘍サプレッサーであるp16およびp14(これらは共に、肺腫瘍においては一般にサイレントである)の、肺腫瘍細胞株NCI−H460およびA549(これらは、通常、これらの遺伝子の発現を欠く)における発現;ならびに小細胞腫瘍株におけるpRb遺伝子(これは、小細胞肺癌において一般に欠失している)の発現。他の細胞ベースのモデルとしては、活性化k−ras遺伝子で安定に形質転換された気管支上皮細胞株が挙げられる。さらに、増殖因子モデルもまた使用され得る。例えば、NCI−H69およびNCI−H345小細胞肺癌腫(SCLC)細胞は、広いスペクトルの神経ペプチドレセプターインヒビターとして作用するサブスタンスPアナログ(SPA)で処理され得る。SPA処理後にダウンレギュレートされた遺伝子に、その発現が腫瘍細胞増殖に必須であるか否かを決定するためのさらなる研究のために、印をつけた(flag)。c−kitチロシンキナーゼレセプターおよびそのリガンドであるSCFの両方を発現するSCLC細胞を、キナーゼインヒビターSTI−571で処理し得る。このレセプターおよびリガンドの両方を発現する細胞株の571処理の際の選択的増殖阻害が実証され、これは、c−kitチロシンキナーゼレセプターおよびそのリガンドが、腫瘍細胞増殖を刺激するオートクラインフィードバックループにおいて機能することを示唆する。インビトロの細胞ベースの癌モデルは、20750活性を調節する化合物を同定するため、および/または試験化合物が20750分子の活性を調節する能力を確認するために、使用され得る。例えば、細胞株は、腫瘍サプレッサーおよび癌遺伝子(野生型または変異型のp53、Smad4、p16、p14、c−mycおよびk−rasが挙げられるが、これらに限定されず、これらは、癌の進行または阻害(例えば、結腸癌、肺癌、乳癌または卵巣癌の進行または阻害)に関連することが公知である遺伝子である)で、一過的にかまたは安定にトランスフェクトされ得る。次いで、これらの細胞株は、本明細書中に記載される方法を使用して、試験化合物の存在下または非存在下で、20750の発現または活性を評価するために使用され得る。例えば、以下のヒト乳腺上皮細胞が、インビトロモデルおよび/またはマウスにおける異種移植片モデルにおいて使用するために利用可能である:HMEC、MCF−7、T−47D、ZR−75、MDA−MB−231、MDA−MB−MC−2、MDA−MB−435、BT−549、SkBr3、MDA−MB−468、MCF10A、MCF10AT.cl1、MCF10AT.cl3、MCF10AT1、MCF10AT3B、MCF10CA1.cl、Hs578TおよびHCC1937。以下の結腸細胞株が、インビトロモデルおよび/またはマウスにおける異種移植片モデルにおいて使用するために、利用可能である:HCT−116、SW480、CC−ML3、KM12C、KM12SM、HT29、DLD−1、HCC−2998、COLO−205、HCT−15、SW−620およびKM20L2。以下の肺細胞株が、インビトロモデルおよび/またはマウスにおける異種移植片モデルにおいて使用するために、利用可能である:NCI−H345、NCI−H69およびNCI−H125。以下の卵巣細胞株が、インビトロモデルおよび/またはマウスにおける異種移植片モデルにおいて使用するために、利用可能である:SKOV3、SKOV3、OVCAR−3およびOVCAR−4。
【0062】
インビトロの細胞ベースの乳癌モデルとしては、例えば、以下が挙げられる:k−rasで形質転換されたMCF10A細胞株(乳腺上皮悪性腫瘍の細胞ベースの系);増殖因子(EGF増殖因子およびIGF1増殖因子を含む)でヒト胸部上皮細胞(MCF10A)を処理すること、およびHCC1937細胞へのBRCA1発現の再導入。
【0063】
インビトロの細胞ベースの卵巣癌モデルとしては、例えば、以下が挙げられる:血清の非存在下で、15分間、30分間および60分間にわたって、上皮増殖因子(EGF)または増殖因子Heregulin(Hrg)のいずれかでの、卵巣癌細胞株(SKOV3およびSKOV3/改変体(これらは、シスプラチン耐性である親SKOV3卵巣癌細胞株の改変体である))の処理;ならびに既にヌルの細胞株(SKOV−3およびSKOV3−Var)におけるp53の安定な発現。
【0064】
インビトロの細胞ベースの肺癌モデルとしては、例えば、以下が挙げられる:腫瘍サプレッサーモデル(例えば、NCI−H125細胞(p53についてヌルである肺腫瘍細胞株)へのp53の再導入;同じ遺伝子座由来の別個の腫瘍サプレッサーであるp16およびp14(これらは共に、肺腫瘍においては一般にサイレントである)の、肺腫瘍細胞株NCI−H460およびA549(これらは、通常、これらの遺伝子の発現を欠く)における発現;ならびに小細胞腫瘍株におけるpRb遺伝子(これは、小細胞肺癌において一般に欠失している)の発現。他の細胞ベースのモデルとしては、活性化k−ras遺伝子で安定に形質転換された気管支上皮細胞株が挙げられる。さらに、増殖因子モデルもまた使用され得る。例えば、NCI−H69およびNCI−H345小細胞肺癌腫(SCLC)細胞は、広いスペクトルの神経ペプチドレセプターインヒビターとして作用するサブスタンスPアナログ(SPA)で処理され得る。SPA処理後にダウンレギュレートされた遺伝子に、その発現が腫瘍細胞増殖に必須であるか否かを決定するためのさらなる研究のために、印をつけた(flag)。c−kitチロシンキナーゼレセプターおよびそのリガンドであるSCFの両方を発現するSCLC細胞を、キナーゼインヒビターSTI−571で処理し得る。このレセプターおよびリガンドの両方を発現する細胞株の571処理の際の選択的増殖阻害が実証され、これは、c−kitチロシンキナーゼレセプターおよびそのリガンドが、腫瘍細胞増殖を刺激するオートクラインフィードバックループにおいて機能することを示唆する。
【0065】
インビトロの細胞ベースの結腸癌モデルとしては、例えば、以下が挙げられる:Smad4で安定にかまたは一過的にトランスフェクトされたSW480細胞。Smad4は、結腸癌腫のサブセットにおいて変異している候補腫瘍サプレッサー遺伝子である。Smad4は、TGF−β分子のシグナル伝達において機能する。TGF−βスーパーファミリーは、増殖阻害に関与することが周知である。結腸細胞株におけるSmad4の変異/欠失は、Smad4が細胞接着および浸潤の調節因子であり得るという仮説を提供する。本発明の方法において有用な別の細胞株は、β−カテニンで安定にかまたは一過的にトランスフェクトされたNCM425細胞である。APC遺伝子の変異は、結腸直腸癌の散発性の形態および家族性形態での、腫瘍形成の原因である。APCは、β−カテニンに結合し、そしてβ−カテニンの細胞質レベルを調節する。APCが変異している場合、β−カテニンは、細胞質中に蓄積し、そして核に転移する。一旦核に入ると、β−カテニンは、LEF/TCF分子と相互作用し、そして遺伝子発現を調節する。β−カテニン/LEF(例えば、c−mycおよびサイクリンD1)複合体によって調節される遺伝子は、腫瘍形成に関与する。p53で安定にかまたは一過的にトランスフェクトされた細胞もまた、本発明の方法において有用である。p53は、結腸直腸癌腫瘍の50%より多くにおいて変異している周知の腫瘍サプレッサーである。本発明の方法において有用ななお他の細胞株としては、NCM425結腸癌細胞への、WISP−1の一過的または安定なトランスフェクション、種々の細胞への DCC、Cox2および/またはAPCの一過的または安定なトランスフェクションが挙げられる。
【0066】
HCT−116およびDLD−1のような細胞株はまた、k−rasで形質転換され得、そして本発明の方法において使用され得る。k−ras癌遺伝子を活性化する点変異は、ヒト結腸癌の50%で見出される。活性化k−rasは、結腸直腸腫瘍において細胞増殖を調節し得る。HCT−116細胞およびDLD−1細胞において活性化k−ras対立遺伝子を破壊することは、分化を形態学的に変更し、足場非依存的な増殖の喪失を引き起こし、インビトロおよびインビボでの増殖を遅延させ、そしてc−mycの発現を減少させる。20750の発現は、k−rasが破壊されたHCT−116細胞においてダウンレギュレートされることが見出された。
【0067】
細胞周期調節およびそのチェックポイントにおける異常は、悪性細胞の発生を導く。細胞増殖および細胞周期停止を調節するシグナルに細胞が応答する能力の喪失は、癌の共通の機構である。従って、細胞周期内の特定の時点の研究について、細胞株(例えば、結腸癌細胞株であるHCT116、DLD−1およびNCM425)は、例えば、薬剤(例えば、ミモシン(mimosine)(G1ブロック),ミモシン(G1/Sブロック)およびノコダゾール(nocodazole)(G2/Mブロック))を用いて同調され得る。p53状態に関連する細胞同調はまた、種々のp53状態の細胞(SKOV−3(ヌル)、OVCAR−3またはOVCAR−4(変異体)およびHEY(野生型))においても研究され得る。
【0068】
なお別の実施形態において、本発明のアッセイは、20750タンパク質またはその生物学的に活性な部分を試験化合物と接触させ、そして試験化合物が20750タンパク質またはその生物学的に活性な部分に結合するか、またはそれらの活性を調節(例えば、刺激または阻害)する能力を決定する、無細胞アッセイである。本発明のアッセイに使用するための20750タンパク質の好ましい生物学的に活性な部分としては、非20750分子との相互作用に関与するフラグメント(例えば、高い表面確立スコアを有するフラグメント)が挙げられる。20750タンパク質に対する試験化合物の結合は、上記のように、直接的にかまたは間接的にかのいずれかで決定され得る。20750タンパク質が試験化合物に結合する能力を決定することはまた、リアルタイム生体分子相互作用分析(Biomolecular Interaction Analysis(BIA))のような技術を使用して達成され得る(Sjolander,S.およびUrbaniczky,C.(1991)Anal.Chem.63:2338−2345;Szaboら(1995)Curr.Opin.Struct.Biol.5:699−705)。本明細書中で使用する場合、「BIA」は、いずれの相互作用物をも標識せずに、リアルタイムで生体特異的な相互作用を研究するための技術である(例えば、BIAcore)。表面プラズモン共鳴(SPR)の光学的現象における変化は、生体分子間のリアルタイム反応を示すものとして使用され得る。
【0069】
本発明の上記アッセイ方法の1つより多くの実施形態において、20750または20750の標的分子のいずれかを固定化して、タンパク質の一方または両方の非複合体化形態からの複合体化形態の分離を容易にし、そしてアッセイの自動化に適応させることが、望ましくあり得る。試験化合物の存在下および非存在下における、20750タンパク質に対する試験化合物の結合、または20750標的分子との20750タンパク質の相互作用は、反応物を含むのに適した任意の容器において達成され得る。このような容器の例としては、マイクロタイタープレート、試験管、および微量遠心管が挙げられる。1つの実施形態において、そのタンパク質の一方または両方をマトリックスに結合することを可能にするドメインを付加する融合タンパク質が、提供され得る。例えば、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ/20750の融合タンパク質またはグルタチオン−S−トランスフェラーゼ/標的の融合タンパク質は、グルタチオンセファロースビーズ(Sigma Chemical、St.Louis、MO)またはグルタチオン誘導体化マイクロタイタープレート上に吸着され得、次いで、これらを、試験化合物と混ぜ合わせるか、あるいは試験化合物および非吸着標的タンパク質または20750タンパク質のいずれかと混ぜ合わせ、そしてこの混合物を、複合体形成に貢献する条件下(例えば、塩およびpHに関して生理学的条件)でインキュベートし得る。インキュベーション後、ビーズまたはマイクロタイタープレートウェルを洗浄して、結合していないあらゆる成分を除去し、ビーズの場合にはマトリックスを固定し、例えば、上記のように、複合体を直接的または間接的のいずれかで決定する。あるいは、複合体をマトリックスから解離させ得、そして20750結合レベルまたは20750活性レベルを標準的な技術を使用して決定し得る。
【0070】
タンパク質をマトリクス上に固定するための他の技術はまた、本発明のスクリーニングアッセイにおいて使用され得る。例えば、20750タンパク質または20750標的分子のいずれかは、ビオチンとストレプトアビジンとの結合体化を使用して固定され得る。ビオチン化された20750タンパク質または20750標的分子を、当該分野において公知の技術を使用して、ビオチン−NHS(N−ヒドロキシ−スクシンイミド)から調製し得(例えば、ビオチン化キット、Pierce Chemicals、Rockford、IL)、そしてストレプトアビジンでコーティングした96ウェルのプレート(Pierce Chemical)のウェル中に固定し得る。あるいは、20750タンパク質または20750標的分子と反応性であるが、20750タンパク質のその標的分子への結合を妨害しない抗体は、プレートのウェルに誘導体化され得、そして結合していない標的または20750タンパク質が、抗体結合体化によってウェル内にトラップされ得る。このような複合体を検出するための方法には、GST固定化複合体に関しての上記のものに加えて、20750タンパク質または標的分子と反応性の抗体を使用する、複合体の免疫検出、ならびに20750タンパク質または標的分子に関連する酵素活性の検出に依存する酵素結合アッセイが挙げられる。
【0071】
本発明のなお別の局面において、20750タンパク質またはそのフラグメントは、ツーハイブリッドアッセイまたはスリーハイブリッドアッセイ(例えば、米国特許第5,283,317号;Zervosら、(1993)Cell 72:223〜232;Maduraら(1993)J.Biol.Chem.268:12046〜12054;Bartelら(1993)Biotechniques 14:920〜924;Iwabuchiら(1993)Oncogene 8:1693〜1696;およびBrent WO94/10300を参照のこと)において、20750と結合または相互作用し、20750活性に関与する他のタンパク質(「20750結合タンパク質」または「20750−bp」)を同定するために「ベイト(bait)タンパク質」として使用され得る。そのような20750結合タンパク質は、例えば、20750媒介性シグナル伝達経路の下流エレメントのような、20750タンパク質または20750標的によるシグナルの伝達に関与している可能性もある。あるいは、そのような20750結合タンパク質は、20750インヒビターである可能性がある。
【0072】
このツーハイブリッドシステムは、ほとんどの転写因子のモジュラー型の性質に基づく。ほとんどの転写因子は、分離可能なDNA結合ドメインおよび活性化ドメインからなる。簡単に述べると、このアッセイは、2つの異なるDNA構築物を利用する。1つの構築物において、20750タンパク質をコードする遺伝子が、既知の転写因子(例えば、GAL−4)のDNA結合ドメインをコードする遺伝子に融合される。他方の構築物において、同定されていないタンパク質(「プレイ(prey)」または「サンプル」)をコードするDNA配列ライブラリー由来のDNA配列が、既知の転写因子の活性化ドメインをコードする遺伝子に融合される。「ベイト」タンパク質と「プレイ」タンパク質とがインビボで相互作用して20750依存性複合体を形成し得る場合、その転写因子のDNA結合ドメインと活性化ドメインとは、近接する。このように近くにあることにより、その転写因子に応答性の転写調節部位に作動可能に連結したレポーター遺伝子(例えば、LacZ)の転写が可能になる。このレポーター遺伝子の発現が検出され得、そしてその機能的な転写因子を含む細胞コロニーが、単離され得、そして20750タンパク質と相互作用するタンパク質をコードするクローニングされた遺伝子を得るために使用され得る。
【0073】
別の局面において、本発明は、本明細書中に記載されるアッセイのうちの2つ以上の組み合わせに関する。例えば、調節因子が、細胞ベースのアッセイまたは無細胞アッセイを用いて同定され得、そしてその因子が20750タンパク質の活性を調節する能力が、(例えば、動物(例えば、細胞増殖障害(例えば、癌)についての動物モデル)において)インビボで確認され得る。癌の動物モデルの例としては、移植可能モデル(例えば、異種移植)が挙げられる。結腸癌についての異種移植は、以下の細胞株を用いて実施され得る:HCT−116、HT−29、SW−480、SW−620、Colon 26、DLD1、Caco2、colo205、T84およびKM12。肺癌についての異種移植は、以下の細胞株を用いて実施され得る:NCI−H125、NCI−H460、A549、NCI−H69およびNCI−H345。卵巣癌についての異種移植は、SKOV3細胞株およびHEY細胞株を用いて実施され得る。乳癌についての異種移植は、例えば、MCF10AT細胞(これは、マウスにおける皮下または同所(清浄化された乳腺脂肪パッド)異種移植片として、増殖され得る)を用いて実施され得る。MCF10AT異種移植片は、ヒト乳癌と類似の様式で進行する腫瘍を生じる。エストロゲン刺激もまた、このモデルにおいて腫瘍進行を加速することが示されている。過形成、インサイチュ癌腫および浸潤性癌腫の病期を示すMCF10AT異種移植腫瘍は、発現プロファイリングにより単離される。ヒト乳癌細胞株MDA−MB−231の転移性サブクローン(これは、脳、肺および骨に転移する)はまた、種々の部位(すなわち、皮下、同所、直接的骨注射後の骨、心臓内注射の後の骨)において、インビトロおよびインビボで増殖され得る。MCF−7およびT−47Dは、異種移植片として増殖され得る他の乳腺腺癌細胞株である。これらの細胞株は、全て、例えば、免疫無防備状態のマウス(例えば、SCIDまたはヌードマウス)に移植され得る。
【0074】
同所転移マウスモデルもまた、利用され得る。例えば、HCT−116ヒト結腸癌腫細胞株は、無胸腺ヌードマウスにおいて、皮下異種移植片または同所異種移植片(鞘内(intracaecal)注射)として増殖され得る。稀な肝臓および肺の転移物が単離され、インビトロで増殖され、そしてインビボで再移植され得る。限定された反復回数のこのプロセスを使用して、親細胞株の高度に転移性の改変体を単離し得る。標準的cDNAライブラリーおよびサブトラクティドcDNAライブラリーならびにプローブは、転移性表現型の獲得に関連する遺伝子を同定するために、親細胞株および改変体細胞株から生成され得る。このモデルは、いくつかの代替的なヒト結腸癌腫細胞株(SW480およびKM12Cを含む)を使用して、確立され得る。
【0075】
ミスマッチ修復モデル(MMR)もまた、本発明の方法において有用である。遺伝性非ポリポーシス性結腸癌(HNPCC)(これは、DNAミスマッチ修復に関与するMSH2遺伝子およびMLH1遺伝子における、生殖系列変異によって引き起こされる)は、結腸癌の症例の5〜15%を占める。MLH1遺伝子、MSH2遺伝子およびMSH3遺伝子においてヌル変異を保有するマウスモデルが、作製されている。
【0076】
癌についての他の動物モデルとしては、以下が挙げられる:トランスジェニックモデル(例えば、B66−Min/+マウス);化学物質誘導モデル(例えば、発癌物質(例えば、アゾキシメタン(azoxymethane)、2−ジメチルヒドラジンまたはN−ニトロソジメチルアミン)処置されたラットまたはマウス);Rashidiら(2000)Anticancer Res 20(2A):715によって記載されるような、結腸癌からの肝臓転移のモデル;ならびに例えば、Fingertら(1987)Cancer Res 46(14):3824−9およびTeraokaら(1995)Jpn J Cancer Res 86(5):419−23に記載されるような、癌細胞移植モデルまたは接種モデル。さらに、実験的モデル系が、以下の研究のために利用可能である(例えば、卵巣癌(Hamilton,TCら、Semin Oncol(1984)11:285−298;Rahman,NAら、Mol Cell Endocrinol (1998)145:167−174;Beamer,WGら、Toxicol Pathol(1998)26:704−710))、胃癌(Thompson,Jら、Int J Cancer(2000)86:863−869;Fodde,Rら、Cytogenet Cell Genet(1999)86:105−111))、乳癌(Li,Mら、Oncogene(2000)19:1010−1019;Green,JEら、Oncogene(2000)19:1020−1027))、黒色腫(Satyamoorthy,Kら、Cancer Metast Rev(1999)18:401−405))、および前立腺癌(Shirai,Tら、Mutat Res(2000)462:219−226;Bostwick,DGら、Prostate(2000)43:286−294))。結腸癌についてのマウスモデルとしては、APCminマウス(これは、ヒト結腸直腸癌種の高度に特徴付けられた遺伝的モデルである);APC1638Nマウス(これは、APC遺伝子のコドン1638においてPGK−ネオマイシン遺伝子を導入することによって作製され、そして、6〜8週後に異常な陰窩葉(crypt foli)を発症し、これは、4ヶ月齢までに、最終的に癌腫に進行する);およびSmad3−/−マウス(これは、組織病理学的にヒト疾患に類似する結腸癌種を発症する)。
【0077】
インビボにおける腫瘍形成を研究するための他の動物ベースのモデルは、当該分野で周知であり(Animal Models of Cancer Predisposition Syndromes,Hiai,H.およびHino,O.(編)1999,Progress in Experimental Tumor Research,Vol.35;Clarke AR Carcinogenesis(2000)21:435−41において概説される)、そして例えば、以下が挙げられる:発癌物質誘導性の腫瘍(Rithidech,Kら、Mutat Res(1999)428:33−39;Miller,MLら、Environ Mol Mutagen(2000)35:319−327)ならびに増殖調節遺伝子(例えば、癌遺伝子(例えば、ras))に(Arbeit,JMら、Am J Pathol(1993)142:1187−1197;Sinn,Eら、Cell(1987)49:465−475;Thorgeirsson,SSら、Toxicol Lett(2000)112−113:553−555)および腫瘍サプレッサー遺伝子(例えば、p53)(Vooijs,Mら、Oncogene(1999)18:5293−5303;Clark AR Cancer Metast Rev(1995)14:125−148;Kumar,TRら、J Intern Med(1995)238:233−238;Donehower,LAら(1992)Nature 356215−221)において変異を有する動物(例えば、ラット)。
【0078】
さらに、本発明は、本明細書中に記載されるような処置のための、上記スクリーニングアッセイによって同定された新規化合物の使用に関する。1実施形態において、本発明は、細胞増殖(growthまたはproliferation)障害を有する被験体を処置する方法を特徴とし、この方法は、処置が生じるように、20750調節因子を被験体に投与する工程を包含する。別の実施形態において、本発明は、癌(例えば、結腸癌、肺癌または卵巣癌)を有する被験体を処置する方法を特徴とし、この方法は、処置が生じるように、20750調節因子を用いて被験体を処置する工程を包含する。好ましい20750調節因子としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:20750タンパク質または生物学的に活性なフラグメント、20750核酸分子、20750抗体、リボザイムおよび本明細書中に開示される20750ヌクレオチド配列に基づいて設計された20750アンチセンスオリゴヌクレオチド、ならびに例えば、本明細書中に記載されるスクリーニングアッセイの少なくとも1つに従って、20750の発現および/または活性を調節し得るとして同定されたペプチド、有機および非有機の低分子。
【0079】
さらに、本明細書中に記載されるように同定された20750調節因子(例えば、アンチセンス20750核酸分子、20750特異的抗体または低分子)は、このような調節因子での処置の効力、毒性または副作用を決定するために、動物モデルにおいて使用され得る。あるいは、本明細書中に記載されるように同定された20750調節因子は、このような調節因子の作用機構を決定するために動物モデルにおいて使用され得る。
【0080】
任意の化合物(上記アッセイ系において同定された化合物のような化合物を含むが、これらに限定されない)は、細胞の増殖障害の症状を緩和する能力について試験され得る。細胞増殖障害系を緩和するこのような能力を示す化合物の同定のための、細胞ベースのアッセイおよび動物モデルベースのアッセイは、本明細書中に記載される。
【0081】
1つの局面において、本明細書中に記載されるような細胞ベースの系は、細胞増殖障害の症状を緩和する(例えば、腫瘍負荷、腫瘍サイズ、腫瘍細胞増殖、分化および/または増殖、ならびに処置の前後の浸潤能および/または転移能の低下)ように作用し得る化合物を同定するために使用され得る。例えば、このような細胞系は、細胞増殖障害の症状を緩和する能力を有することが疑われる化合物に、曝露された細胞における細胞増殖障害の症状の緩和を誘発するのに十分な濃度および十分な時間で、曝露され得る。曝露後、細胞は、細胞増殖障害の細胞表現型の1つ以上が、より正常またより野生型の、非細胞増殖障害の表現型に似るように変更されたか否かを決定するために、試験される。細胞増殖障害に関連する細胞表現型としては、異常な増殖、成長および移動、足場非依存的増殖および接触阻害の喪失が挙げられる。
【0082】
さらに、動物ベースの細胞増殖障害系(例えば、本明細書中に記載されるもの)は、細胞増殖障害の症状を緩和し得る化合物を同定するために使用され得る。このような動物モデルは、薬物、薬剤、治療および介入(細胞増殖障害を処置する際に有効であり得る)の同定のための試験物質として使用され得る。例えば、動物モデルは、細胞増殖障害の症状を緩和する能力を示すことが疑われる化合物に、曝露された動物における細胞増殖障害の症状のこのような緩和を誘発するのに十分な濃度および十分な時間で、曝露され得る。曝露に対する動物の応答は、細胞増殖障害またはそれに関連する症状の逆転(腫瘍負荷、腫瘍サイズ、ならびに処置の前後の浸潤能および/または転移能の減少)を評価することによって、モニタリングされ得る。
【0083】
本発明に関して、細胞増殖障害の症状の任意の局面を逆転する任意の処置は、ヒトの細胞増殖障害の治療的介入についての候補とみなされるべきである。試験化合物の投薬量は、用量−応答曲線を誘導することによって、決定され得る。
【0084】
さらに、遺伝子発現パターンは、化合物が細胞増殖障害の症状を緩和する能力を評価するために利用され得る。例えば、1つ以上の遺伝子の発現パターンは、「遺伝子発現プロフィール」または「転写プロフィール」(これらは、次いで、このような評価において使用され得る)の一部を形成し得る。「遺伝子発現プロフィール」または「転写プロフィール」は、本明細書中で使用する場合、所定の条件セット下で、所定の組織または細胞型について得られたmRNA発現のパターンを含む。このような条件としては、以下が挙げられ得るが、これらに限定されない:細胞の成長、増殖、分化、形質転換、腫瘍形成、転移および発癌物質曝露。遺伝子発現プロフィールは、例えば、ディファレンシャルディスプレイ手順、ノーザン分析および/またはRT−PCRを利用することによって、作製され得る。1実施形態において、20750遺伝子配列は、このような遺伝子発現プロフィールの生成および確証のための、プローブおよび/またはPCRプライマーとして使用され得る。
【0085】
遺伝子発現プロフィールは、細胞ベースのモデル系および/または動物ベースのモデル系において、既知の状態について特徴づけされ得る。引き続き、これらの既知の遺伝子発現プロフィールは、試験化合物が、このような遺伝子発現プロフィールを改変し、そしてプロフィールを、より所望されるプロフィールにより密接に類似させる効果を有することを確認するために、比較され得る。
【0086】
例えば、化合物の投与は、細胞増殖障害モデル系の遺伝子発現プロフィールを、コントロール系により密接に類似させ得る。あるいは、化合物の投与は、コントロール系の遺伝子発現プロフィールに、細胞増殖障害状態を模倣し始めさせ得る。このような化合物は、例えば、目的の化合物をさらに特徴付けるために使用され得るか、またはさらなる動物モデルの作製において使用され得る。
【0087】
(II.予測医学)
本発明はまた、予測医学の分野に関する。この分野において、診断アッセイ、予後アッセイ、およびモニタリング臨床試験が、予後(予測)目的のために使用され、それによって個体を予防的に処置する。従って、本発明の1つの局面は、生物学的サンプル(例えば、血液、血清、細胞または組織(例えば、腫瘍または癌の組織))に関して、20750タンパク質および/または核酸の発現、ならびに20750活性を決定し、それによって、個体が、細胞増殖障害に罹患しているか否かを決定するための、診断アッセイに関する。本発明はまた、個体が細胞増殖障害を発症する危険性があるか否かを決定するための、予後(または予測)アッセイを提供する。例えば、20750遺伝子における変異が、生物学的サンプル中でアッセイされ得る。このようなアッセイは、予後目的または予測目的のために使用され得、それによって個体は、細胞増殖障害の発症前に、予防的に(phophylactically)処置される。
【0088】
本発明の別の局面は、臨床試験における、20750の発現または活性に対する20750調節因子(例えば、抗20750抗体または20750リボザイム)の影響のモニタリングに関する。
【0089】
これらおよび他の薬剤は、以下の節で、さらに詳細に記載される。
【0090】
(A.細胞増殖障害についての診断アッセイ)
被験体が、細胞増殖障害に罹患しているか否かを決定するために、生物学的サンプルは被験体から獲得され得、そしてこの生物学的サンプルは、この生物学的サンプル中の20750タンパク質または20750タンパク質をコードする核酸(例えば、mRNAまたはゲノムDNA)を検出し得る化合物または薬剤と接触され得る。20750 mRNAまたはゲノムDNAを検出するのに好ましい薬剤は、20750 mRNAまたはゲノムDNAにハイブリダイズし得る標識核酸プローブである。この核酸プローブは、例えば、配列番号1に示される20750核酸またはそれらの一部(例えば、少なくとも15、20、25、30、25、40、45、50、100、250または500ヌクレオチド長であり、ストリンジェントな条件下で、20750 mRNAまたはゲノムDNAに特異的にハイブリダイズするのに十分なオリゴヌクレオチド)であり得る。本発明の診断アッセイにおいて使用するのに適切な他のプローブが、本明細書中に記載されている。
【0091】
サンプル中の20750タンパク質を検出するのに好ましい薬剤は、20750タンパク質に結合し得る抗体であり、好ましくは、検出可能な標識を有する抗体である。抗体は、ポリクローナル抗体であり得、より好ましくは、モノクローナル抗体であり得る。インタクトな抗体、またはそのフラグメント(例えば、FabまたはF(ab’)2)が、使用され得る。用語「標識」は、プローブまたは抗体に関して、検出可能な物質をプローブまたは抗体に連結(すなわち、物理的に連結)することによるこのプローブまたは抗体の直接的な標識、ならびに直接的に標識された別の試薬との反応性によるこのプローブまたは抗体の間接的な標識を包含することが意図される。間接的な標識の例としては、蛍光標識された二次抗体を使用する一次抗体の検出、および蛍光標識されたストレプトアビジンで検出され得るような、ビオチンでのDNAプローブの末端の標識の検出が挙げられる。
【0092】
用語「生物学的サンプル」は、被験体から単離された組織、細胞、および生物学的流体、ならびに被験体内に存在する組織、細胞、および流体を含むことが意図される。すなわち、本発明の検出方法を使用して、インビトロおよびインビボで、生物学的サンプル中の20750 mRNA、タンパク質、またはゲノムDNAを検出し得る。例えば、20750 mRNAを検出するためのインビトロ技術としては、ノーザンハイブリダイゼーションおよびインサイチュハイブリダイゼーションが挙げられる。20750のタンパク質を検出するためのインビトロ技術としては、酵素結合イムノソルベント検定法(ELISA)、ウエスタンブロット、免疫沈降、および免疫蛍光検査法が挙げられる。20750のゲノムDNAを検出するためのインビトロ技術としては、サザンハイブリダイゼーションが挙げられる。さらに、20750のタンパク質を検出するためのインビボ技術としては、被験体への標識抗20750抗体の導入が挙げられる。例えば、抗体は、被験体における存在および位置が、標準的な画像化技術によって検出され得る放射活性マーカーを用いて、標識され得る。
【0093】
別の実施形態において、本方法はさらに、コントロール被験体からのコントロール生物学的サンプルを獲得する工程、コントロールサンプルと、20750タンパク質、mRNA、またはゲノムDNAを検出し得る化合物または薬剤とを接触させる工程(その結果、20750タンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの存在が、生物学的サンプルにおいて検出される)、およびコントロールサンプル中の20750タンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの存在と、試験サンプル中の20750タンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの存在とを比較する工程を包含する。
【0094】
(B.細胞増殖障害についての予後アッセイ)
本発明はさらに、異常な20750発現または活性に関連する細胞増殖障害を発症する危険を有する被験体を同定するための方法に関する。
【0095】
本明細書中で使用される場合、用語「異常な」は、野生型の20750の発現または活性から逸脱した、20750の発現または活性を含む。異常な発現または活性としては、発現もしくは活性の増加または減少、ならびに野生型の発現の発生的パターンまたは細胞下の発現のパターンに従わない、発現または活性が挙げられる。例えば、異常な20750の発現または活性は、20750遺伝子が、20750遺伝子における変異によって過少発現または過剰発現される状況、ならびにこのような変異によって、非機能的20750タンパク質または野生型の様式で機能しないタンパク質(例えば、20750基質と相互作用しないタンパク質、または非20750基質と相互作用するタンパク質)を生じる状況を含むことが意図される。
【0096】
本明細書中で記載されるアッセイ(例えば、上述の診断アッセイまたは後述のアッセイ)は、細胞増殖障害(例えば、結腸癌、肺癌および卵巣癌のような、癌)を有するかまたはそれを発症する危険を有する被験体を同定するために使用され得る。生物学的サンプルは、被験体から獲得され得、そして遺伝的変更の存在または非存在について試験され得る。例えば、このような遺伝的変更は、以下の少なくとも1つの存在を確認することにより検出され得る:1)20750遺伝子からの1つ以上のヌクレオチドの欠失;2)20750遺伝子への1つ以上のヌクレオチドの付加;3)20750遺伝子の1つ以上のヌクレオチドの置換;4)20750遺伝子の染色体再構築;5)20750遺伝子のメッセンジャーRNA転写物レベルの変更;6)ゲノムDNAのメチル化パターンのような、20750遺伝子の異常な改変;7)20750遺伝子のメッセンジャーRNA転写物の非野生型スプライシングパターンの存在;8)20750タンパク質の非野生型レベル;9)20750遺伝子の対立遺伝子喪失;および10)20750タンパク質の不適切な翻訳後修飾。
【0097】
本明細書中に記載されるように、20750遺伝子における遺伝的変更を検出するために使用され得る多くのアッセイが、当該分野において公知である。例えば、20750遺伝子の遺伝的変更は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(例えば、米国特許第4,683,195号および同第4,683,202号を参照のこと)(例えば、アンカーPCRまたはRACE PCR)、あるいは、ライゲーション連鎖反応(LCR)(例えば、Landegranら(1988)Science 241:1077−1080;およびNakazawaら(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:360−364を参照のこと)におけるプローブ/プライマーを使用して検出され得、これらのうちの後者は、20750遺伝子における点変異を検出するために特に有用であり得る(Abravayaら(1995)Nucleic Acids Res.23:675−682を参照のこと)。この方法は、被験体から生物学的サンプルを収集する工程、このサンプルから核酸(例えば、ゲノムDNA、mRNAまたはこれらの両方)を単離する工程、(存在するならば)20750遺伝子のハイブリダイゼーションおよび増幅が生じるような条件下で、この核酸サンプルを、20750遺伝子に特異的にハイブリダイズする1つ以上のプライマーと接触させる工程、ならびに増幅産物の存在または非存在を検出するかあるいは増幅産物のサイズを検出しそしてコントロールサンプルと長さを比較する工程を包含する。PCRおよび/またはLCRが、本明細書中に記載される変異を検出するために使用される任意の技術と組合わせて予備的増幅工程として使用するに好ましくあり得ることが、予測される。
【0098】
代替の増幅法としては以下が挙げられる:自己維持的配列複製(self sustained sequence replication)(Guatelli,J.C.ら(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:1874−1878)、転写増幅系(Kwoh,D.Y.ら(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:1173−1177)、Q−βレプリカーゼ(Lizardi,P.M.ら(1988)Bio−Technology 6:1197)、または他の核酸増幅法のいずれか、その後の当業者に周知の技術を使用する増幅分子の検出。これらの検出スキームは、このような分子が非常に少数で存在する場合に、核酸分子の検出に特に有用である。
【0099】
代替の実施形態において、生物学的サンプル由来の20750遺伝子における変異は、制限酵素切断パターンにおける変更によって同定され得る。例えば、サンプルおよびコントロールDNAが、単離され、(必要に応じて)増幅され、1つ以上の制限エンドヌクレアーゼで消化され、そしてフラグメント長サイズが、ゲル電気泳動によって決定され、そして比較される。サンプルとコントロールDNAとの間のフラグメント長サイズの差異は、サンプルDNA中の変異を示す。さらに、配列特異的リボザイム(例えば、米国特許第5,498,531号を参照のこと)の使用は、リボザイム切断部位の発生または喪失によって、特定の変異の存在についてスコア付けするために使用され得る。
【0100】
他の実施形態において、20750中の遺伝的変異が、数百個または数千個のオリゴヌクレオチドプローブを含む高密度アレイ(Cronin,M.T.ら(1996)Human Mutation 7:244−255;Kozal,M.J.ら(1996)Nature Medicine 2:753−759)に対して、生物学的サンプル由来の核酸およびコントロール核酸(例えば、DNAまたはRNA)をハイブリダイズすることによって、同定され得る。例えば、20750における遺伝的変異は、Cronin,M.T.ら((1996)(前出)に記載されるような光生成DNAプローブを含む2次元アレイ中で同定され得る。簡単にいうと、プローブの第1ハイブリダイゼーションアレイが、連続的な重複プローブの線形アレイを作成することによって配列間の塩基変化を同定するために、サンプル中およびコントロール中の長いDNAストレッチ全体にわたり走査するために使用され得る。この工程は、点変異の同定を可能にする。この工程の後、検出される全ての改変体または変異体に相補的な、より小さく、特定化されたプローブアレイを使用することによって、特定の変異の特徴付けを可能にする第2ハイブリダイゼーションアレイが続く。各変異アレイは、平行プローブセットから構成され、一方は、野生型遺伝子に相補的であり、そして他方は、変異遺伝子に相補的である。
【0101】
なお別の実施形態において、当該分野で公知である任意の種々の配列決定反応が、生物学的サンプル中の20750の配列を、対応する野生型(コントロール)配列と比較することによって、生物学的サンプル中の20750遺伝子の直接的な配列決定および変異の検出に使用され得る。配列決定反応の例としては、MaxamおよびGilbert(1977)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 74:560またはSanger(1977)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 74:5463により開発された技術に基づく反応が挙げられる。任意の種々の自動化配列決定手順が、質量分析法による配列決定(例えば、PCT国際公開番号WO94/16101;Cohenら(1996)Adv.Chromatogr.36:127−162;およびGriffinら(1993)Appl.Biochem.Biotechnol.38:147−159を参照のこと)を含む診断アッセイ(Naeve,C.W.(1995)Biotechniques 19:448−53)を行う場合に利用され得ることもまた、企図される。
【0102】
20750遺伝子における変異を検出するための他の方法としては、RNA/RNA異種二重鎖またはRNA/DNA異種二重鎖中でミスマッチした塩基を検出するために切断剤からの保護が使用される方法が挙げられる(Myersら(1985)Science 230:1242)。一般に、「ミスマッチ切断」の分野の技術は、野生型20750配列を含む(標識された)RNAまたはDNAを、組織サンプルより得られた潜在的変異RNAまたはDNAとハイブリダイズさせることによって形成される異種二重鎖を提供することによって、開始する。この二本鎖二重鎖は、コントロール鎖とサンプル鎖との間の塩基対ミスマッチに起因して存在するような二本鎖の一本鎖領域を切断する因子で処理される。例えば、ミスマッチ領域を酵素的に消化するために、RNA/DNA二重鎖はRNaseで処理され得、DNA/DNAハイブリッドはS1ヌクレアーゼで処理され得る。他の実施形態において、DNA/DNA二重鎖またはRNA/DNA二重鎖のいずれかが、ヒドロキシルアミンまたは四酸化オスミウムで処理され得、そして、ミスマッチ領域を消化するためにピペリジンで処理され得る。ミスマッチ領域の消化後、次いで、生じた物質が、変異部位を決定するために変性ポリアクリルアミドゲル上でサイズで分けられる。例えば、Cottonら(1988)Proc.Natl Acad Sci USA 85:4397およびSaleebaら(1992)Methods Enzymol.217:286−295を参照のこと。好ましい実施形態において、コントロールDNAまたはRNAが、検出のために標識され得る。
【0103】
さらに別の実施形態において、ミスマッチ切断反応は、細胞のサンプルより得られた20750 cDNA中の点変異を検出およびマッピングするために規定された系において二本鎖DNA中のミスマッチ塩基対を認識する1つ以上のタンパク質(「DNAミスマッチ修復」酵素と呼ばれる)を使用する。例えば、E.coliのmutY酵素は、G/AミスマッチでAを切断し、そしてHeLa細胞由来のチミジンDNAグリコシラーゼは、G/TミスマッチでTを切断する(Hsuら(1994)Carcinogenesis 15:1657−1662)。例示的実施形態に従って、20750配列(例えば、野生型の20750配列)に基くプローブは、試験細胞からのcDNA産物または他のDNA産物にハイブリダイズされる。二重鎖は、DNAミスマッチ修復酵素で処理され、そして存在する場合、切断産物は、電気泳動的プロトコルなどから検出され得る。例えば、米国特許第5,459,039号を参照のこと。
【0104】
他の実施形態において、電気泳動的移動度の変更を使用して、20750遺伝子における変異を同定する。例えば、一本鎖コンフォーメーション多型(SSCP)を使用して、変異体核酸と野生型核酸との間の電気泳動的移動度の差異を検出し得る(Oritaら(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA:86:2766;Cotton(1993)Mutat.Res.285:125−144およびHayashi(1992)Genet.Anal.Tech.Appl.9:73−79もまた参照のこと)。サンプルおよびコントロールの20750核酸の一本鎖DNAフラグメントは変性され、そして再生される。一本鎖核酸の二次構造は、配列に従って変化し、電気泳動的移動度において生じた変更は、単一の塩基変化の検出さえ可能にする。DNAフラグメントは、標識されたプローブで標識されても検出されてもよい。このアッセイの感度は、(DNAではなく)RNAを用いることにより増強され得、ここで二次構造は、配列の変化により感受性である。好ましい実施形態において、目的の方法は、電気泳動的移動度の変化に基いて二本鎖へテロ二重鎖分子を分離するためにヘテロ二重鎖分析を利用する(Keenら(1991)Trends Genet 7:5)。
【0105】
なお別の実施形態において、変性剤の勾配を含有するポリアクリルアミドゲル中での変異体フラグメントまたは野生型フラグメントの移動は、変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)(Myersら(1985)Nature 313:495)を使用してアッセイされる。DGGEが分析法として使用される場合、DNAは、例えば、PCRによって約40bpの高温融解GCリッチDNAのGCクランプを付加することにより完全には変性していないことを確認するために改変される。さらなる実施形態において、温度勾配は、コントロールDNAおよびサンプルDNAの移動度の差異を同定するための変性勾配の代わりに使用される(RosenbaumおよびReissner(1987)Biophys Chem 265:12753)。
【0106】
点変異を検出するための他の技術の例としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:選択的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション、選択的増幅、または選択的プライマー伸長。例えば、オリゴヌクレオチドプライマーが調製され得、ここで、公知の変異が中心におかれ、次いで、完全な一致が見出される場合にのみハイブリダイゼーションを可能にする条件下で標的DNAにハイブリダイズする(Saikiら(1986)Nature 324:163);Saikiら(1989)Proc.Natl Acad Sci USA 86:6230)。このような対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドは、このオリゴヌクレオチドがハイブリダイズ膜に結合しそして標識標的DNAとハイブリダイズする場合に、PCR増幅標的DNAまたは多くの種々の変異にハイブリダイズされる。
【0107】
あるいは、選択的PCR増幅に依存する対立遺伝子特異的増幅技術は、本発明と組み合わせて使用され得る。増幅に特異的なプライマーとして使用されるオリゴヌクレオチドは、分子の中心に目的の変異を保有し得るか(その結果、増幅は、差示的ハイブリダイゼーションに依存する)(Gibbsら(1989)Nucleic Acids Res.17:2437−2448)、または適切な条件下で、ミスマッチが、防がれ得るかまたはポリメラーゼ伸長を低減され得る場合、一方のプライマーの3’末端で目的の変異を保有し得る(Prossner(1993)Tibtech 11:238)。さらに、切断ベース検出を作製するために、変異領域中に新規の制限部位を導入することが、好ましくあり得る(Gaspariniら(1992)Mol.Cell Probes 6:1)。特定の実施形態において、増幅のためにTaqリガーゼを使用して増幅が行われ得ることもまた、明らかである(Barany(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:189)。このような場合に、連結は、5’配列の3’末端で完全なマッチが存在する場合にのみ生じ、これにより、増幅の存在または非存在を探索することによって特定の部位で既知の変異の存在を検出し得る。
【0108】
さらに、本明細書中に記載される診断アッセイを使用して、細胞増殖障害を効果的に処置するために、被験体が20750モジュレーター(例えば、アゴニスト、アンタゴニスト、ペプチド模倣物、タンパク質、ペプチド、核酸または低分子)を投与され得るか否かを、決定し得る。
【0109】
(C.臨床試験の間の効果のモニタリング)
本発明はさらに、20750モジュレーター(例えば、本明細書中において同定された20750モジュレーター)の、被験者における細胞増殖障害の処置に対する有効性を決定するための方法を提供する。例えば、20750遺伝子の発現増加、タンパク質レベル増加、あるいは20750活性のアップレギュレートにおいて、20750モジュレーターの有効性は、20750遺伝子の発現減少、タンパク質レベル減少、あるいは20750活性のダウンレギュレートを示す被験体の臨床試験においてモニタリングされ得る。あるいは、20750遺伝子の発現減少、タンパク質レベル減少、あるいは20750活性のダウンレギュレートにおける20750モジュレーターの有効性は、20750遺伝子の発現増加、タンパク質レベル増加、あるいは20750活性の増加を示す被験体の臨床試験においてモニタリングされ得る。このような臨床試験において、20750遺伝子、および好ましくは、例えば、細胞増殖障害に関係付けられている他の遺伝子の発現または活性が、「読み出し」すなわち特定の細胞の表現型のマーカーとして使用され得る。
【0110】
例えば(限定のためではなく)、(例えば、本明細書中に記載されるようなスクリーニングアッセイにおいて同定される)20750活性を調節する因子での処置によって細胞において調節される、20750を含む遺伝子が、同定され得る。よって、細胞増殖障害を罹患する被験体に対する20750活性を調節する因子の効果を(例えば、臨床試験において)研究するために、細胞が単離され得、そしてRNAが調製され得、20750および細胞増殖障害に関連する他の遺伝子の発現レベルについて分析され得る。遺伝子発現レベル(例えば、遺伝子発現パターン)は、本明細書中に記載されるようなノーザンブロット分析またはRT−PCRによって、あるいは本明細書中に記載される方法の1つによって生成されるタンパク質の量を測定することによって、または20750もしくは他の遺伝子の活性レベルを測定することによって、定量され得る。この方法において、遺伝子発現パターンは、20750活性を調節する因子に対する細胞の生理学的応答を示すマーカーとして働き得る。この応答状態は、個体を20750活性を調節する因子で処置する前、あるいはその間の種々の時点で測定され得る。
【0111】
好ましい実施形態において、本発明は、20750活性を調節する因子(例えば、アゴニスト、アンタゴニスト、ペプチド模倣物、タンパク質、ペプチド、核酸、または本明細書中に記載されるスクリーニングアッセイによって同定される低分子)での被験体の処置の有効性をモニタリングするための方法を提供し、以下の工程を包含する:(i)この因子の投与前に投与前サンプルを被験体から得る工程;(ii)この投与前サンプル中の20750のタンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現レベルを検出する工程;(iii)1つ以上の投与後サンプルを被験体から得る工程;(iv)これらの投与後サンプル中の20750タンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現レベルまたは活性レベルを検出する工程;(v)投与前サンプル中の20750のタンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現レベルまたは活性レベルを、投与後サンプル中の20750のタンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現レベルまたは活性レベルと比較する工程;ならびに(vi)被験体に対する因子の投与を然るべく変更する工程。例えば、因子の投与増加は、20750の発現または活性を、検出された(すなわち、因子の有効性を増加させる)レベルよりも高いレベルに増加することが、好ましくあり得る。あるいは、因子の投与減少は、20750の発現または活性を、検出された(すなわち、因子の有効性を減少させる)レベルよりも低いレベルに減少することが、好ましくあり得る。この実施形態に従って、20750の発現または活性は、観察可能な表現型応答の非存在下ですら、因子の有効性の指標として使用され得る。
【0112】
(III.細胞増殖障害に罹患している被験体の処置方法)
本発明は、細胞増殖障害(例えば、結腸癌、肺癌、または卵巣癌のような癌)の危険性がある(またはこの障害になりやすい)被験体(例えば、ヒト)を処置するための予防方法および治療方法の両方を提供する。本明細書中で使用される場合、用語「処置」とは、疾患もしくは障害、疾患もしくは障害の症状、または疾患もしくは症状への素因を有する患者への治療剤の適用もしくは投与、またはその患者から単離された組織もしくは細胞株への治療剤の適用もしくは投与であって、その疾患もしくは障害、その疾患もしくは障害の症状、または疾患もしくは障害(例えば、細胞増殖障害)への素因を治療(cure)、治癒(heal)、緩和(alleviate)、軽減(relieve)、変更(alter)、矯正(remedy)、改良(ameliorate)、改善(improve)するかもしくは影響を与える(affect)ことを目的とする適用もしくは投与と定義される。治療剤としては、低分子、ペプチド、抗体、リボザイム、およびアンチセンスオリゴヌクレオチドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0113】
予防的処置法および治療的処置法の両方に関して、このような処置は、薬理ゲノム学(pharmacogenomics)の分野から得られる知識に基いて、特異的に調整または改変され得る。本明細書中で使用される場合、「薬理ゲノム学」とは、臨床開発および市場での薬物に対する、遺伝子配列決定、統計遺伝学および遺伝子発現分析のようなゲノミクス技術の適用をいう。より詳細には、この用語は、患者の遺伝子が薬物に対する患者の応答(例えば、患者の「薬物応答表現型」または「薬物応答遺伝子型」)をどのように決定するのかについての研究をいう。
【0114】
従って、本発明の別の局面は、個体の薬物応答遺伝子型に従って、本発明の20750分子または20750調節因子のいずれかを用いるその被験体の予防処置または治療処置を調整するための方法を提供する。薬理ゲノム学によって、臨床家または内科医が、この処置から最も利益を得る患者に対して予防処置または治療処置を標的化することが可能になり、そして毒性薬物関連副作用を被る患者の処置を避けることが可能になる。
【0115】
(A.予防法)
1つの局面において、本発明は、20750発現もしくは20750活性を調節する因子(例えば、細胞増殖(例えば、腫瘍細胞増殖)の調節)を被験体に投与することによって、その被験体において細胞増殖障害を予防するための方法を提供する。細胞増殖障害の危険性がある被験体は、例えば、本明細書中に記載される診断アッセイまたは予後アッセイのいずれかまたはその組合わせによって、同定され得る。予防薬の投与は、異常な20750の発現または活性が特徴的な症状の徴候の前に生じ得、その結果、細胞増殖障害が、予防されるか、またはその進行において遅延される。20750異常の型に依存して、例えば、20750、20750のアゴニスト剤または20750のアンタゴニスト剤が、被験体の処置のために使用され得る。適切な因子は、本明細書中に記載されるスクリーニングアッセイに基いて決定され得る。
【0116】
(B.治療方法)
本発明の別の局面は、細胞増殖障害に罹患した被験体を処置するための方法に関する。これらの方法は、20750の発現または活性を調節する薬剤(例えば、本明細書中に記載されるスクリーニングアッセイにより同定される薬剤)、またはこのような薬剤の組み合わせを、被験体に投与することを包含する。別の実施形態では、この方法は、低下した、異常な、または望ましくない、20750の発現または活性を補償するための治療として、20750のタンパク質または核酸分子を、被験体に投与することを包含する。
【0117】
20750活性の調節(例えば、阻害)は、20750が異常にアップレギュレートされている状況、および/または低減した20750の活性が、有益な効果(例えば、β−カテニン分解、細胞の増殖、移動および増殖の阻害)を有し、それによって、被験体における細胞増殖障害(例えば、結腸癌、肺癌、または乳癌のような癌)を改良すると考えられる状況において望ましい。
【0118】
20750の活性を調節する因子は、このような投与に適切な薬学的組成物を用いて、被験体に投与され得る。このような組成物は、代表的には、因子(例えば、核酸分子、タンパク質、または抗体)および薬学的に受容可能なキャリアを含む。本明細書中で使用される場合、語「薬学的に受容可能なキャリア」は、薬学的投与に適合性の、任意および全ての溶媒、分散媒体、コーティング、抗菌性および抗真菌性の薬剤、等張剤および吸収遅延剤などを含むことが意図される。薬学的に活性な物質のためのこのような媒体および薬剤の使用は、当該分野で周知である。活性な化合物と非適合性の任意の従来の媒体または薬剤の範囲を除いて、このような媒体の本発明の組成物における使用が意図される。補助的な活性化合物もまた、この組成物に組み込まれ得る。
【0119】
本発明の治療方法において用いられる薬学的組成物は、その意図される投与経路と適合性となるように処方される。投与経路の例としては、非経口的投与(例えば、静脈内投与)、皮内投与、皮下投与、経口投与(例えば、吸入)、経皮投与(局所的投与)、経粘膜投与、および直腸投与が挙げられる。非経口、皮内、または皮下適用のために使用される溶液または懸濁液は、以下の成分を含み得る:滅菌希釈剤(例えば、注射のための水、生理食塩水溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒);抗菌剤(例えば、ベンジルアルコールまたはメチルパラベン);抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウム);キレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸);緩衝剤(例えば、酢酸塩、クエン酸塩、またはリン酸塩)、および張性を調整するための薬剤(例えば、塩化ナトリウムまたはデキストロース)。pHは、酸または塩基(例えば、塩酸または水酸化ナトリウム)を用いて調整され得る。非経口的調製物は、ガラス製またはプラスチック製のアンプル、使い捨てシリンジ、または複数用量のバイアルに封入され得る。
【0120】
注射用途に適切な薬学的組成物は、滅菌注射溶液または分散液の即時調製物のための滅菌水溶液(水溶性の場合)または分散液、および滅菌粉末を含む。静脈内投与については、適切なキャリアには、生理学的生理食塩水、静菌水、Cremophor ELTM(BASF;Parsippany、NJ)またはリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)が挙げられる。全ての場合において、この組成物は、滅菌されなければならず、そして容易なシリンジ能力(syringability)が存在する程度にまで流動的にされるべきである。これは製造および貯蔵の条件下で安定でなければならず、そして微生物(例えば、細菌および真菌)の汚染作用に対して保存されなければならない。このキャリアは、溶媒または分散媒体(例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)を含む)、ならびにそれらの安定な混合物であり得る。適切な流動性は、例えば、コーティング(例えば、レシチン)の使用によって、分散の場合に必要とされる粒子サイズの維持によって、および界面活性剤の使用によって維持され得る。微生物の作用の予防は、種々の抗菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなど)によって達成され得る。多くの場合、等張剤(例えば、糖、ポリアルコール(例えば、マンニトール、ソルビトール)、および塩化ナトリウム)をこの組成物中に含むことが好ましい。注射用組成物の延長した吸収は、吸収を遅延させる薬剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)をこの組成物中に含むことによって、もたらされ得る。
【0121】
滅菌注射用溶液は、20750活性を調節する因子(例えば、20750タンパク質のフラグメント、あるいは抗20750抗体)を、上記で列挙した成分の1以上の組合せを用いて、必要とされる量で、適切な溶媒中に取り込ませ、必要に応じて、続いて濾過滅菌することによって調製され得る。一般に、分散剤は、活性化合物を、塩基性分散媒体および上記に列挙された成分のうちの必要とされる他の成分を含む滅菌ビヒクル中に取り込むことによって調製される。滅菌注射用溶液の調製のための滅菌粉末の場合、調製の好ましい方法は、減圧乾燥および凍結乾燥であり、これらは、予め滅菌濾過された溶液から活性成分および任意のさらなる所望の成分の粉末を生じる。
【0122】
経口組成物は、一般に、不活性希釈剤または食用キャリアを含む。これらは、ゼラチンカプセルに封入され得るか、または錠剤に加圧され得る。経口治療投与の目的で、この活性化合物は、賦形剤と共に組み込まれ、そして錠剤、トローチ、またはカプセルの形態で使用され得る。経口組成物はまた、うがい薬としての使用のための流体キャリアを使用して調製され得、ここで、流体キャリア中の化合物は、経口的に適用され、そしてスウィッシュ(swish)されて、吐き出されるか、または飲み込まれる。薬学的に適合性の結合剤、および/またはアジュバント材料が、この組成物の一部として含まれ得る。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などは、以下の成分のいずれかまたは同様の性質の化合物を含み得る:結合剤(例えば、微結晶セルロース、ガムトラガントまたはゼラチン);賦形剤(例えば、デンプンまたはラクトース)、崩壊剤(例えば、アルギン酸、Primogel、またはコーンスターチ);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウムまたはSterotes);グライダント(glidant)(例えば、コロイド状二酸化ケイ素);甘味剤(例えば、スクロースまたはサッカリン);あるいは矯味矯臭剤(例えば、ペパーミント、サリチル酸メチル、またはオレンジフレーバー)。
【0123】
吸入による投与のために、化合物は、適切な噴霧剤(例えば、二酸化炭素のような気体)を含む加圧容器もしくはディスペンサー、またはネブライザーからのエアロゾルスプレーの形態で送達される。
【0124】
全身投与もまた、経粘膜手段または経皮手段によってなされ得る。経粘膜投与または経皮投与のために、透過されるべき障壁に対して適切な透過剤が、処方物中に使用される。そのような透過剤は、当該分野で一般的に公知であり、そのような透過剤としては、例えば、経粘膜投与のためには、界面活性剤、胆汁酸塩、およびフシジン酸誘導体が挙げられる。経粘膜投与は、経鼻スプレーまたは坐剤の使用を介して達成され得る。経皮投与のために、活性化合物は、当該分野で一般的に公知であるような、軟膏、軟膏剤、ゲル、またはクリームへと処方される。
【0125】
20750活性を調節する薬剤もまた、(例えば、カカオ脂および他のグリセリドのような、従来の坐剤基剤を用いて)坐剤の形態で調製され得るか、または経直腸送達のために保持浣腸の形態で調製され得る。
【0126】
1つの実施形態において、20750活性を調節する薬剤は、その化合物が身体から迅速に排出されるのを防ぐキャリアを用いて調製される(例えば、移植物および微小カプセル化送達システムを含む、制御放出処方物)。生分解性の生体適合性ポリマー(例えば、エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸)が、使用され得る。そのような処方物の調製方法は、当業者にとって明らかである。それらの物質はまた、Alza CorporationおよびNova Pharmaceuticals,Inc.から商業的に入手され得る。リポソーム懸濁物(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体を有する、感染細胞を標的化したリポソームを含む)もまた、薬学的に受容可能なキャリアとして使用され得る。これらは、例えば、米国特許第4,522,811号に記載されるような、当業者に公知の方法に従って調製され得る。
【0127】
投与の容易さおよび投与量の均一さのために、単位投与形態で、経口組成物または非経口組成物を処方することが、特に有利である。本明細書中で使用される場合、単位投与形態とは、処置される被験体に対する単位投与量としての適切な、物理的に別個の単位を指す;各単位は、必要な薬学的キャリアに付随した状態で、所望の治療効果を生じるように計算された所定量の活性化合物を含む。本発明の単位投薬形態についての説明は、20750活性を調節する薬剤の独特の特徴、ならびに達成されるべき特定の治療効果、ならびに被験体の処置のためにそのような薬剤を配合する分野に固有の制限により決定され、直接これらに依存する。
【0128】
そのような薬剤の毒性および治療効力は、例えば、LD50(集団の50%に対して致死生である用量)およびED50(集団のうちの50%において治療上有効な用量)を決定するための、細胞培養物または実験動物における標準的な薬学的手順によって決定され得る。毒性効果と治療効果との間の用量比は、治療指数であり、そしてそれは、比LD50/ED50として表され得る。大きな治療指数を示す薬剤が、好ましい。毒性副作用を示す薬剤が使用され得るが、非感染細胞に対して生じ得る損傷を最小にして副作用を低減するために、罹患した組織部位にそのような薬剤を標的化する送達システムを設計するために注意が払われるべきである。
【0129】
細胞培養アッセイおよび動物実験から得られるデータは、ヒトにおける使用のために一定範囲の投与量を処方する際に使用され得る。そのような20750調節薬剤の投与量は、好ましくは、毒性をほとんど伴わないかまたは全く伴わない、ED50を含む一定範囲の循環濃度内に存在する。その投与量は、使用される投与形態および利用される投与経路に依存して、この範囲内で変動し得る。本発明の治療方法において使用されるどの薬剤についても、治療上有効な用量は、細胞培養アッセイからまず推定され得る。細胞培養において決定されるようなIC50(すなわち、症状の最大阻害半分を達成する試験化合物濃度)を含む循環血漿濃度範囲を達成するための用量が、動物モデルにおいて処方され得る。そのような情報は、ヒトにおいて有用な用量をより正確に決定するために、使用され得る。血漿中のレベルは、例えば、高速液体クロマトグラフィーによって測定され得る。
【0130】
本明細書中で規定される場合、タンパク質またはポリペプチドの治療上有効な量(すなわち、有効投与量)は、約0.001〜30mg/kg体重、好ましくは、約0.01〜25mg/kg体重、より好ましくは、約0.1〜20mg/kg体重、およびなおより好ましくは、約1〜10mg/kg体重、2〜9mg/kg体重、3〜8mg/kg体重、4〜7mg/kg体重、または5〜6mg/kg体重の範囲である。特定の要因が、被験体を有効に処置するために必要な投与量に影響し得ることを当業者は認識し、そのような要因としては、疾患もしくは障害の重篤度、以前の処置、被験体の全身の健康および/または年齢、ならびに存在する他の疾患が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、治療上有効な量のタンパク質、ポリペプチド、または抗体を用いる被験体の処置は、単回処置を包含し得、好ましくは、一連の処置を包含し得る。
【0131】
好ましい例において、被験体は、約0.1mg/kg体重〜20mg/kg体重の間の範囲にある抗体、タンパク質、またはポリペプチドを用いて、1週間に1回、約1〜10週間の間、好ましくは2〜8週間の間、より好ましくは約3〜7週間の間、なおより好ましくは約4週間、5週間、または6週間の間、処置される。処置に使用される抗体、タンパク質、またはポリペプチドの有効投与量は、特定の処置経過にわたって増加または減少し得ることもまた、認識される。投与量の変化は、本明細書中に記載される診断アッセイの結果から生じ得、そしてその結果から明らかになり得る。
【0132】
本発明は、発現または活性を調節する薬剤を包含する。薬剤は、例えば、低分子であり得る。例えば、そのような低分子としては、ペプチド、ペプチド模倣物、アミノ酸、アミノ酸アナログ、ポリヌクレオチド、ポリヌクレオチドアナログ、ヌクレオチド、ヌクレオチドアナログ、約10,000グラム/モル未満の分子量を有する有機化合物もしくは無機化合物(すなわち、ヘテロ有機化合物および有機金属化合物を含む)、約5,000グラム/モル未満の分子量を有する有機化合物もしくは無機化合物、約1,000グラム/モル未満の分子量を有する有機化合物もしくは無機化合物、約500グラム/モル未満の分子量を有する有機化合物もしくは無機化合物、ならびにそのような化合物の塩、エステル、および他の薬学的に受容可能な形態が挙げられるが、これらに限定されない。低分子薬剤の適切な用量は、当業者である医師、獣医師、または研究者の知識内にある多数の要因に依存することが理解される。この低分子の用量は、例えば、処置される被験体またはサンプルの主体性、サイズおよび状態に依存して変化し、さらに、該当する場合は、その組成物が投与される経路、ならびに本発明の核酸もしくはポリペプチドに対してその低分子が有することを実施者が望む効果に依存して変化する。例示的な用量としては、被験体またはサンプルの重量1kgあたり、ミリグラム量またはマイクログラム量の低分子(例えば、約1μg/kg〜約500mg/kg、約100μg/kg〜約5mg/kg、または約1μg/kg〜約50μg/kg)が挙げられる。低分子の適切な用量は、調節されるべき発現または活性に関するその低分子の能力に依存することが、さらに理解される。そのような適切な用量は、本明細書中に記載されるアッセイを使用して決定され得る。これらの低分子のうちの1つ以上が、本発明のポリペプチドまたは核酸の発現もしくは活性を調節するために動物(例えば、ヒト)に投与される場合、医師、獣医師、または研究者は、例えば、最初に比較的低用量を処方し、その後、適切な応答が得られるまでその用量を増加させ得る。さらに、特定の任意の動物被験体についての特定の用量レベルは、種々の要因(使用される特定の化合物の活性、被験体の年齢、被験体の体重、被験体の全身の健康、被験体の性別、および被験体の食餌、投与時期、投与経路、排出速度、任意の薬物組み合わせ、ならびに調節されるべき発現または活性の程度を含む)に依存することが、理解される。
【0133】
さらに、抗体(またはそのフラグメント)は、治療部分(例えば、サイトトキシン)、治療剤、または放射性金属イオンに結合体化され得る。サイトトキシンまたは細胞傷害性薬剤は、細胞に対して有害な任意の薬剤を包含する。例としては、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロパロノール、およびピューロマイシン、ならびにそれらのアナログまたはホモログが挙げられる。治療剤としては、代謝拮抗物質(例えば、メトトレキサート、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、シタラビン、5−フルオロウラシル、ダカルバジン(decarbazine))、アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、チオエパクロラムブシル、メルファラン、カルムスチン(BSNU)、およびロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド(cyclothosphamide)、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、およびcis−ジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチン)、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン(前名ダウノマイシン)およびドキソルビシン)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(前名アクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシン、およびアントラマイシン(AMC))、ならびに抗有糸分裂薬(例えば、ビンクリスチンおよびビンブラスチン)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0134】
本発明の結合体は、所定の生物学的応答を改変するために使用され得、その薬物部分は、古典的な化学的治療剤に限定されると解釈されるべきではない。例えば、その薬物部分は、所望の生物学的活性を保有するタンパク質またはポリペプチドであり得る。そのようなタンパク質としては、例えば、トキシン(例えば、アブリン、リシンA、シュードモナス外毒素、またはジフテリアトキシン);タンパク質(例えば、腫瘍壊死因子、α−インターフェロン、β−インターフェロン、神経成長因子、血小板由来増殖因子、組織プラスミノゲン活性化因子);または生物学的応答改変因子(例えば、リンホカイン、インターロイキン−1(「IL−1」)、インターロイキン−2(「IL−2」)、インターロイキン−6(「IL−6」)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(「GM−CSF」)、顆粒球コロニー刺激因子(「G−CSF」)、あるいは他の増殖因子)が挙げられ得る。
【0135】
そのような治療部分を抗体に結合体化するための技術は、周知である。例えば、Monoclonal Antibodies And Cancer Therapy,Reisfeldら編、pp.243〜56(Alan R.Liss,Inc.,1985)のArnonら、「Monoclonal Antibodies For Immunotargeting Of Drugs In Cancer Therapy」;Controlled Drug Delivery(第2版)、Robinsonら編pp.623〜53(Marcel Dekker,Inc.,1987)のHellstromら「Antibodies For Drug Delivery」;Monoclonal Antibodies ’84:Biological And Clinical Applications,Pincheraら編,pp.475〜506(1985)のThorpe,「Antibody Carriers of Cytotoxic Agents in Cancer Therapy:A Review」;Monoclonal Antibodies For Cancer Detection And Therapy,Baldwinら編、pp.303〜16(Academic Press 1985)の「Analysis,Results,And Future Prospective Of The Therapeutic Use Of Radiolabeled Antibody In Cancer Therapy」;ならびにThorpeら「The Preparation And Cytotoxic Properties Of Antibody−Toxin Conjugates」,Immunol.Rev.62:119〜58(1982)を参照のこと。あるいは、抗体は、Segalによって米国特許第4,676,980号中に記載されるように、抗体へテロ結合体を形成するために二次抗体と結合体化され得る。
【0136】
本発明の方法において使用される核酸分子は、ベクター中に挿入され得、そして遺伝子治療ベクターとして使用され得る。遺伝子治療ベクターは、例えば、静脈内注射、局所投与(米国特許第5,328,470号を参照のこと)または定位注射(例えば、Chenら、(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:3054〜3057を参照のこと)によって、被験体に送達され得る。その遺伝子治療ベクターの薬学的調製物は、受容可能な希釈剤中に遺伝子治療ベクターを含み得るか、または遺伝子送達ビヒクルが組み込まれた徐放マトリクスを含み得る。あるいは、完全な遺伝子送達ベクター(例えば、レトロウイルスベクター)が組換え細胞からインタクトで産生され得る場合、その薬学的調製物は、遺伝子送達系を産生する1つ以上の細胞を含み得る。
【0137】
(C.薬理ゲノム学(pharmacogenomics))
本発明の治療法と組み合わせて、薬理ゲノム学(すなわち、被験体の遺伝子型と、外来化合物または外来薬物に対するその被験体の応答との間の関連性の研究)が、考慮され得る。治療剤の代謝における差異は、薬理学的に活性な薬物の用量と血液濃度との間の関係を変更することによって、重篤な毒性または治療の失敗をもたらし得る。従って、医師または臨床医は、20750活性を調節する薬剤を投与するか否か、ならびに20750活性を調節する薬剤を用いる処置の投与量および/もしくは治療レジメンを変更するか否かを決定する際に、適切な薬理ゲノム学研究において得られる知識を適用することを考慮し得る。
【0138】
薬理ゲノム学は、罹患した個人における変化した薬物の性質および異常な作用に起因する、薬物に対する応答における臨床学的に有意な遺伝的変動を取り扱う。例えば、Eichelbaum,M.ら、(1996)Clin.Exp.Pharmacol.Physiol.23(10〜11):983〜985およびLinder,M.W.ら、(1997)Clin.Chem.43(2):254〜266を参照のこと。一般に、2つの型の薬理ゲノム学的条件は、区別され得る。遺伝的条件は、薬物が身体に作用する様式を変更する(変化した薬物作用)単一因子として伝達したか、または遺伝的条件は、身体が薬物に作用する様式を変更する(変化した薬物代謝)単一因子として伝達した。これらの薬理ゲノム学的条件は、稀な遺伝子欠損または天然に存在する多型のいずれかとして、存在し得る。例えば、グルコース−6−リン酸アミノペプチダーゼ欠損(G6PD)は、一般的な遺伝性酵素病であり、ここで、主な臨床学的合併症は、酸化剤薬物(抗マラリア薬、スルホンアミド、鎮痛薬、ニトロフラン)の摂取およびソラマメの消費後の溶血である。
【0139】
「ゲノムワイド相関解析(genome−wide association)」として知られている、薬物応答を予測する遺伝子を同定するための1つの薬理ゲノム学的アプローチは、すでに知られている遺伝子関連マーカー(例えば、「二座対立遺伝子」マーカーマップ(これは、ヒトゲノム上の60,000〜100,000の多型部位または変動部位からなり、その部位の各々は、2つの改変体を有する))からなるヒトゲノムの高分離度マップに、主に依存する。このような高分離度ゲノムマップは、特定の観察された薬物応答または副作用に関連したマーカーを同定するために、フェーズII/フェーズIIIの薬物試験に参加した統計学的に有意な数の患者の各々のゲノムのマップと比較され得る。あるいは、このような高分離度マップは、ヒトゲノムにおいて、数千万個の公知の単一ヌクレオチド多型(SNP)の組み合わせから生じ得る。本明細書中で使用される場合、「SNP」とは、DNAストレッチにおいて、単一のヌクレオチド塩基において生じる一般的な変化である。例えば、SNPは、1000塩基のDNAごとに1回生じ得る。SNPは、疾患プロセスに関与し得るが、大部分は、疾患に関連していないかもしれない。このようなSNPの発生に基づく遺伝地図を考慮すると、個体は、個々のゲノムにおける特定のSNPパターンに依存して、複数の遺伝カテゴリーへと分類され得る。このような様式において、処置レジメンは、遺伝的に類似する個体の間で共通であり得る形質を考慮して、そのような遺伝的に類似する個体の群に合わせて変更され得る。
【0140】
あるいは、「候補遺伝子アプローチ」と呼ばれる方法が、薬物応答を予測する遺伝子を同定するために用いられ得る。この方法に従って、薬物標的をコードする遺伝子が既知である場合(例えば、本発明の20750タンパク質)、その遺伝子のすべての一般的な改変体は、その集団においてかなり容易に同定され得、そして別の遺伝子バージョンに対する1つの遺伝子バージョンを有することが特定の薬物応答に関連するか否かが決定され得る。
【0141】
例示的実施形態として、薬物代謝酵素の活性は、薬物作用の強度および持続時間の両方の主要な決定因子である。薬物代謝酵素(例えば、N−アセチルトランスフェラーゼ2(NAT2)およびシトクロムP450酵素であるCYP2D6およびCYP2C19)の遺伝子多型の発見は、標準的かつ安全な用量の薬物を摂取した後に、予測される薬物効果を得ることも過大な薬物応答および重篤な毒性を示すこともない患者が存在する理由に関する説明を提供した。これらの多型は、その集団中で2つの表現型(代謝が速い者(EM)および代謝が遅い者(PM))の状態で発現される。PMの普及率は、種々の集団間で異なる。例えば、CYP2D6をコードする遺伝子は、非常に多型性であり、いくつかの変異が、PMにおいて同定されており、そのすべてが、機能的CYP2D6の不在をもたらす。CYP2D6およびCYP2C19の代謝速度が遅い者は、標準的用量を受けたときに、過大な薬物応答および副作用を非常に頻繁に経験する。代謝物が活性な治療部分である場合、PMは、CYP2D6が形成した代謝物であるモルヒネにより媒介されるコデインの鎮痛効果について示されるように、治療応答を示さない。その他の極端な者は、標準的用量に対して応答しない、いわゆる代謝が著しく速い者である。最近、著しく速い代謝の分子的基礎が、CYP2D6遺伝子増幅に起因することが同定された。
【0142】
あるいは、「遺伝子発現プロファイリング」と呼ばれる方法が、薬物応答を予測する遺伝子を同定するために用いられ得る。例えば、薬物(例えば、本発明の20750分子または20750モジュレーター)を投薬された動物の遺伝子発現は、毒性に関連する遺伝子経路が作動するかどうかの指標を与え得る。
【0143】
上記薬理ゲノム学的アプローチのうちの1つより多くから得られる情報が、被験体の予防的処置または治療的処置のための、適切な投薬量および処置レジメンを決定するために使用され得る。この知識は、投薬または薬物選択に適用される場合、有害な反応または治療の失敗を回避し得、それによって、20750活性を調節する薬剤を用いて細胞増殖障害に罹患している被験体を処置する場合、治療効果または予防効果を増強し得る。
【0144】
(IV.本発明の方法において使用される、組換え発現ベクターおよび宿主細胞)
本発明の方法(例えば、本明細書中に記載されるスクリーニングアッセイ)は、20750タンパク質(またはその一部)をコードする核酸を含むベクター(好ましくは発現ベクター)の使用を包含する。本明細書中で使用される場合、用語「ベクター」とは、連結された別の核酸を輸送し得る、核酸分子を指す。1つの型のベクターは、「プラスミド」であり、「プラスミド」とは、さらなるDNAセグメントが連結され得る、環状の二本鎖DNAの輪(loop)を指す。別の型のベクターは、ウイルスベクターであり、そのベクターにおいて、さらなるDNAセグメントが、ウイルスゲノム中に連結され得る。特定のベクターは、導入される宿主細胞中で自律複製可能である(例えば、細菌複製起点を有する細菌ベクター、およびエピソーム性哺乳動物ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム性哺乳動物ベクター)は、宿主細胞中に導入された際に、宿主細胞のゲノム中に組み込まれ、それによって、その宿主ゲノムとともに複製される。さらに、特定のベクターは、作動可能に連結された遺伝子の発現を指向し得る。そのようなベクターは、本明細書中で「発現ベクター」と呼ばれる。一般に、組換えDNA技術において有用な発現ベクターは、しばしば、プラスミドの形態である。本明細書において、「プラスミド」と「ベクター」とは、互換可能に使用され得る。なぜなら、プラスミドは、ベクターの最も一般的に使用される形態であるからである。しかし、本発明は、等価な機能を提供する、そのような他の形態の発現ベクター(例えば、ウイルスベクター(例えば、複製欠損レトロウイルス、アデノウイルス、およびアデノ随伴ウイルス))を包含することが意図される。
【0145】
本発明の方法において使用される組換え発現ベクターは、宿主細胞中での核酸の発現に適切な形態で発明の核酸を含む。このことは、その組換え発現ベクターが、発現されるべき核酸配列に作動可能に連結された1つ以上の調節配列(発現のために使用される宿主細胞に基いて選択される)を含むことを意味する。組換え発現ベクターにおいて、「作動可能に連結された」とは、目的のヌクレオチド配列が、(例えば、インビトロでの転写/翻訳系において、またはそのベクターが宿主細胞中に導入される場合は、その宿主細胞において)そのヌクレオチド配列の発現を可能にする様式で調節配列に連結されていることを意味することが意図される。用語「調節配列」は、プロモーター、エンハンサー、および他の発現制御エレメント(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含むことが意図される。そのような調節配列は、例えば、Goeddel(1990)Methods Enzymol.185:3〜7に記載される。調節配列とは、多くの型の宿主細胞においてヌクレオチド配列の構成的発現を指向する配列、および特定の宿主細胞においてのみそのヌクレオチド配列の発現を指向する配列(例えば、組織特異的調節配列)を包含する。発現ベクターの設計は、形質転換される宿主細胞の選択、所望されるタンパク質発現レベルなどのような因子に依存し得ることが、当業者により認識される。本発明の発現ベクターは、宿主細胞内に導入され得、それにより本明細書中に記載されるような核酸によってコードされるタンパク質またはペプチド(融合タンパク質または融合ペプチドを含む)(例えば、20750タンパク質、20750タンパク質の変異形態、融合タンパク質など)を産生し得る。
【0146】
本発明の方法において使用される組換え発現ベクターは、原核生物細胞または真核生物細胞における20750タンパク質の発現のために設計され得る。例えば、20750タンパク質は、E.coliのような細菌細胞、昆虫細胞(バキュロウイルス発現ベクターを使用する)、酵母細胞、または哺乳動物細胞において発現され得る。適切な宿主細胞は、Goeddel(1990)前出においてさらに考察される。あるいは、組換え発現ベクターは、例えば、T7プロモーター調節配列およびT7ポリメラーゼを使用して、インビトロで転写および翻訳され得る。
【0147】
原核生物におけるタンパク質の発現は、融合タンパク質または非融合タンパク質のいずれかの発現を指向する構成的プロモーターまたは誘導性プロモーターを含むベクターを使用して、E.coliにおいて最も頻繁に行われる。融合ベクターは、ベクター中にコードされるタンパク質に、通常は、組換えタンパク質のアミノ末端に、多くのアミノ酸を付加する。このような融合ベクターは、代表的には、以下の3つの目的を果たす:1)組換えタンパク質の発現を増大させること;2)組換えタンパク質の可溶性を増大させること;および3)アフィニティー精製におけるリガンドとして作用することにより、組換えタンパク質の精製を補助すること。しばしば、融合発現ベクターにおいて、タンパク質分解性切断部位は、融合部分と組換えタンパク質の接合部に導入され、融合タンパク質の精製に続いて、組換えタンパク質を融合部分から分離することが可能になる。このような酵素、およびそれらの同族認識配列は、第Xa因子、トロンビンおよびエンテロキナーゼを含む。代表的な融合発現ベクターとしては、それぞれ、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)、マルトースE結合タンパク質、またはプロテインAを、標的組換えタンパク質に融合させる、pGEX(Pharmacia Biotech Inc;Smith,D.B.およびJohnson,K.S.(1988)Gene 67:31−40)、pMAL(New England Biolabs,Beverly,MA)およびpRIT5(Pharmacia,Piscataway,NJ)が挙げられる。
【0148】
精製融合タンパク質は、20750活性アッセイ(例えば、以下に詳細に記載される直接的アッセイまたは競合アッセイ)において、または20750タンパク質に特異的な抗体を生成するために利用され得る。好ましい実施形態において、本発明のレトロウイルス発現ベクターにおいて発現される20750融合タンパク質は、骨髄細胞に感染させるために利用され得る。続いて、この骨髄細胞は、照射されたレシピエントに移植される。次いで、被験体レシピエントの病態は、十分な時間(例えば、6週間)が経過した後に試験される。
【0149】
別の実施形態において、本発明の核酸は、哺乳動物発現ベクターを使用して、哺乳動物細胞において発現される。哺乳動物発現ベクターの例としては、pCDM8(Seed,B.(1987)Nature 329:840)およびpMT2PC(Kaufmanら(1987)EMBO J.6:187−195)が挙げられる。哺乳動物細胞において使用される場合、発現ベクターの制御機能は、しばしば、ウイルス調節エレメントにより提供される。例えば、一般に使用されるプロモーターは、ポリオーマウイルス、アデノウイルス2、サイトメガロウイルスおよびシミアンウイルス40に由来する。原核生物細胞および真核生物細胞の両方について適切な他の発現系については、Sambrook,J.ら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual.第2版、Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY,1989の第16章および第17章を参照のこと。
【0150】
別の実施形態において、組換え哺乳動物発現ベクターは、特定の細胞型においてこの核酸の発現を優先的に指向し得る(例えば、組織特異的調節エレメントがこの核酸を発現させるために使用される)。
【0151】
本発明の方法は、本発明のDNA分子を含む組換え発現ベクター(このDNA分子は、この発現ベクターにアンチセンス方向にてクローニングされる)をさらに使用し得る。すなわち、このDNA分子は、20750mRNAに対してアンチセンスであるRNA分子の(このDNA分子の転写による)発現を可能にする様式にて、調節配列に作動可能に連結される。種々の細胞型におけるアンチセンスRNA分子の連続的発現を指向する、アンチセンス方向にクローニングされる核酸に作動可能に連結される調節配列(例えば、ウイルスプロモーターおよび/またはエンハンサー)が選択され得るか、またはアンチセンスRNAの構成的発現、組織特異的発現、または細胞型特異的発現を指向する調節配列が、選択され得る。このアンチセンス発現ベクターは、組換えプラスミド、ファージミド、または弱毒化ウイルスの形態であり得、この中でアンチセンス核酸は、高効率調節領域の制御下で生成され、その活性は、ベクターが導入される細胞型により決定され得る。アンチセンス遺伝子を使用する遺伝子発現の調節の議論については、Weintraub,H.ら,Antisense RNA as a molecular tool for genetic analysis,Reviews−Trends in Genetics,Vol.1(1)1986を参照のこと。
【0152】
本発明の別の局面は、本発明の20750核酸分子(例えば、組換え発現ベクター内の20750核酸分子または宿主細胞のゲノムの特定の部位への相同組み換えを可能にする配列を含む20750核酸分子)が導入される宿主細胞の使用に関する。用語「宿主細胞」および「組換え宿主細胞」は、本明細書中で交換可能に使用される。このような用語が、特定の被験体細胞のみならず、このような細胞の子孫または潜在的な子孫もまたいうことが理解される。特定の改変が、変異または環境的影響のいずれかに起因して、連続した世代において生じ得るので、このような子孫は、実際に、親細胞と同じでなくてもよいが、なお本明細書中で使用される用語の範囲内に含まれる。
【0153】
宿主細胞は、任意の原核生物細胞または真核生物細胞であり得る。例えば、20750タンパク質は、細菌細胞(例えば、E.coli、昆虫細胞、酵母または哺乳動物細胞(例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)またはCOS細胞)において発現され得る。他の適切な宿主細胞は、当業者に公知である。
【0154】
ベクターDNAは、従来の形質転換またはトランスフェクション技術を介して、原核生物細胞または真核生物細胞に導入され得る。本明細書中で使用される場合、用語「形質転換」および「トランスフェクション」は、宿主細胞に外因性核酸(例えば、DNA)を導入するための種々の当該分野で認識される技術(リン酸カルシウムまたは塩化カルシウム共沈殿、DEAE−デキストラン−媒介トランスフェクション、リポフェクチン、またはエレクトロポレーションを含む)をいうことが意図される。宿主細胞を形質転換またはトランスフェクトする適切な方法は、Sambrookら、(Molecular Cloning:A Laboratory Manual.第2版,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,1989)、および他の実験マニュアルにおいて見出され得る。
【0155】
本発明の方法において使用される宿主細胞(例えば、培養中の原核生物宿主細胞または真核生物宿主細胞)は、20750タンパク質を産生する(すなわち、発現する)ために用いられ得る。従って、本発明は、さらに本発明の宿主細胞を用いて20750タンパク質を産生するための方法を提供する。1つの実施形態では、この方法は、本発明の宿主細胞(20750タンパク質をコードする組換え発現ベクターが導入されている)を、20750タンパク質が産生されるような適切な培地中で培養する工程を包含する。別の実施形態では、本方法は、培地または宿主細胞から20750タンパク質を単離する工程をさらに包含する。
【0156】
(V.本発明の方法において使用される単離された核酸分子)
単離されたヒト20750のcDNAのコード配列およびヒト20750ポリペプチドの推定アミノ酸配列を、それぞれ配列番号1および2に示す。
【0157】
本発明の方法は、20750タンパク質またはその生物学的に活性な部分をコードする単離された核酸分子、ならびに20750をコードする核酸分子(例えば、20750 mRNA)を同定するためのハイブリダイゼーションプローブとしての使用に十分な核酸フラグメント、および20750核酸分子を増幅または変異するためのPCRプライマーとしての使用のためのフラグメントの使用を、包含する。本明細書中で使用される場合、用語「核酸分子」は、DNA分子(例えば、cDNAまたはゲノムDNA)およびRNA分子(例えば、mRNA)、ならびにヌクレオチドアナログを使用して生成されるDNAアナログまたはRNAアナログを含むことが意図される。この核酸分子は一本鎖または二本鎖であり得るが、好ましくは二本鎖DNAである。
【0158】
1つの実施形態では、本発明の20750分子は、少なくとも1つの「膜貫通ドメイン」を含む。本明細書中で使用される場合、用語「膜貫通ドメイン」は、原形質膜にまたがる約20〜45アミノ酸残基長のアミノ酸配列を包含する。より好ましくは、膜貫通ドメインは、少なくとも、約20、約25、約30、約35、約40、または約45アミノ酸残基を含み、そして原形質膜にまたがる。膜貫通ドメインは、疎水性残基がリッチであり、そして代表的に、αヘリックス構造を有する。好ましい実施形態では、膜貫通ドメインのうちの少なくとも、50%、60%、70%、80%、90%、95%またはそれより多くのアミノ酸が、疎水性(例えば、ロイシン、イソロイシン、アラニン、バリン、フェニルアラニン、プロリンまたはメチオニン)である。膜貫通ドメインは、例えば、Zagotta W.N.ら(1996)Annual Rev.Neurosci.19:235−263(この内容は、本明細書中に参考として援用される)に記載される。ヒト20750ポリペプチド(配列番号2)のアミノ酸残基214〜231は、膜貫通ドメインを含む。
【0159】
20750タンパク質における膜貫通ドメインの存在を同定するため、そして目的のタンパク質が特定のプロファイルを有することを決定するために、このタンパク質のアミノ酸配列は、MEMSAT分析に供され得る。配列番号2と示される20750タンパク質のMEMSAT分析は、ヒト20750のアミノ酸配列(配列番号2)における残基約130〜147での膜貫通ドメイン(2.9というスコアを有する)の同定をもたらす。
【0160】
別の実施形態では、本発明の20750分子は、少なくとも1つの「プロテインキナーゼドメイン」を包含する。本明細書中で使用される場合、用語「プロテインキナーゼドメイン」は、少なくとも約150〜約350アミノ酸残基を有しかつ真核生物プロテインキナーゼドメインの隠れマルコフモデル(HMM)(例えば、PFAM登録番号PF00069)に対して比較した場合の少なくとも150のビットスコアを有する、タンパク質ドメインを含む。好ましくは、真核生物プロテインキナーゼドメインは、約125〜約325、約150〜約300、約190〜約225またはより好ましくは約200アミノ酸残基のアミノ酸配列を有しかつ少なくとも150、210、250またはより好ましくは275.7のビットスコアを有する、タンパク質を含む。
【0161】
本発明の方法において用いられる核酸分子(例えば、配列番号1のヌクレオチド配列またはその一部分を有する核酸分子)は、標準的分子生物学的技術および本明細書中に提供される配列情報を用いて単離され得る。配列番号1の核酸配列の全体または一部分をハイブリダイゼーションプローブとして用いて、20750核酸分子は、標準的ハイブリダイゼーション技術および標準的クローニング技術を用いて単離され得る(例えば、Sambrook,J.,Fritsh,E.F.,およびManiatis,T.Molecular Cloning:A Laboratory Manual.第2版,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY,1989に記載される通り).
さらに、配列番号1の全体または一部を含む核酸分子を、配列番号1の配列に基づいて設計した合成オリゴヌクレオチドプライマーを使用するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって、単離し得る。
【0162】
本発明の方法において使用される核酸を、標準的なPCR増幅技術に従って、テンプレートとしてのcDNA、mRNAあるいはゲノムDNA、および適切なオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、増幅し得る。さらに、20750ヌクレオチド配列に対応するオリゴヌクレオチドを、標準的な合成技術(例えば、自動化DNA合成機を使用すること)によって、調製し得る。
【0163】
好ましい実施形態では、本発明の方法において使用される単離された核酸分子は、配列番号1に示されるヌクレオチド配列、配列番号1に示されるヌクレオチド配列の相補体、またはこれらのヌクレオチド配列のいずれかの一部分を含む。配列番号1に示されるヌクレオチド配列に相補的である核酸分子とは、配列番号1に示されるヌクレオチド配列に十分に相補的であって、その結果、配列番号1に示されるヌクレオチド配列にハイブリダイズし得、それによって安定な二重鎖を形成する、核酸分子である。
【0164】
なお別の好ましい実施形態では、本発明の方法において使用される単離された核酸分子は、配列番号1に示されるヌクレオチド配列の全長、またはこの核酸配列のいずれかの一部分に、少なくとも約55%、約59%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%またはそれより高度に同一であるヌクレオチド配列を含む。
【0165】
さらに、本発明の方法において使用される核酸分子は、配列番号1の核酸配列の一部分(例えば、プローブもしくはプライマーとして使用され得るフラグメント、または20750タンパク質の一部分(例えば、20750タンパク質の生物学的に活性な部分)をコードするフラグメント)のみを含み得る。プローブ/プライマーは、代表的に、実質的に精製されたオリゴヌクレオチドを含む。オリゴヌクレオチドは、代表的に、配列番号1のセンス配列もしくは配列番号1のアンチセンス配列、または配列番号1の天然に存在する対立遺伝子の改変体もしくは変異体のうちの、少なくとも、約12または15、好ましくは約20または約25個、より好ましくは約30個、約35個、約40個、約45個、約50個、約55個、約60個、約65個または約75個連続したヌクレオチドに、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列の領域を含む。1つの実施形態では、本発明の方法において使用される核酸分子は、100より大きい、100−200、200〜300、300〜400、400〜500、500〜600、600〜700、700〜800、800〜900、900〜1000、1000〜1100、1100〜1200、1200〜1300、1300〜1400、1400〜1500またはさらに長いヌクレオチド長であって、かつストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号1の核酸分子にハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む。
【0166】
本明細書中で使用される場合、用語「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」は、互いに有意に同一または相同であるヌクレオチ配列が、互いにハイブリダイズされたままである状態でハイブリダイゼーションおよび洗浄するための条件を記載することを意図する。好ましくは、この条件は、少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約80%、なおより好ましくは少なくとも約85%または90%互いに同一な配列が、互いにハイブリダイズしたままであるような条件である。このようなストリンジェントな条件は、当業者に公知であり、そしてCurrent Protocols in Molecular Biology,Ausubelら編、John Wiley & Sons,Inc.(1995),第2節、第4節および第6節に見出され得る。さらなるストリンジェントな条件は、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Sambrookら、Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,NY(1989)、第7章、第9章および第11章に見出され得る。好ましい、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の非限定的な例としては、約65〜70℃での、4×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中でのハイブリダイゼーション(または約42℃〜50℃での、4×SSC+50%ホルムアミド中でハイブリダイゼーション)、次いで約65℃〜70℃での、1×SSCで1回以上の洗浄が挙げられる。好ましい、高度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の非限定的な例としては、約65℃〜約70℃にて1×SSCでのハイブリダイゼーション(または約42℃〜50℃での、1×SSC+50%ホルムアミド中でハイブリダイゼーション)、次いで約65℃〜70℃にて0.3×SSCでの1回以上の洗浄が挙げられる。低下したストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件の好ましい非限定的な例としては、約50〜60℃での、4×SSC中でハイブリダイゼーション(または代わりに約40〜45℃での、6×SSC+50%ホルムアミド中でハイブリダイゼーション)、次いで約50℃〜60℃での、2×SSCで1回以上の洗浄が挙げられる。上記の値の中間の範囲(例えば、65℃〜70℃または42℃〜50℃)もまた、本発明に含まれることが意図される。SSPE(1×SSPEは、0.15M NaCl、10mM NaH2PO4および1.25mM EDTA、pH7.4である)は、ハイブリダイゼーションおよび洗浄緩衝液中でSSC(1×SSCは、0.15M NaClおよび15mMクエン酸ナトリウムである)の代わりをし得る;洗浄は、各ハイブリダイゼーションが完了した後で、15分間実行される。50塩基対長未満であることが予測されるハイブリッドについてのハイブリダイゼーション温度は、このハイブリッドの融解温度(Tm)より5〜10℃低くあるべきであり、ここでTmが以下の式に従って決定される。18塩基対長未満であるハイブリッドについて、Tm(℃)=2(A+T塩基の数)+4(G+C塩基の数)。18塩基対長と49塩基対長の間であるハイブリッドについて、Tm(℃)=81.5+16.6(log10[Na+])+0.41(%G+C)−(600/N)であり、ここで、Nはこのハイブリッド中の塩基数であり、そして[Na+]は、ハイブリダイゼーション緩衝液中のナトリウムイオンの濃度である(1×SSCについての[Na+]=0.165M)。膜(例えば、ニトロセルロース膜、またはナイロン膜)への核酸分子の非特異的ハイブリダイゼーションを減少させるために、さらなる試薬が、ハイブリダイゼーション緩衝液および/または洗浄緩衝液に添加され得ることもまた当業者によってまた認識され、この試薬としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:ブロッキング剤(例えば、BSA、もしくはサケまたはニシンの精子のキャリアDNA)、界面活性剤(例えば、SDS)、キレート剤(例えば、EDTA)、Ficoll、PVPなど。ナイロン膜が使用される場合、特に、さらなる好ましいストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の非限定的な例は、65℃での、0.25〜0.5M NaH2PO4、7% SDS中でハイブリダイゼーション、次いで65℃での、0.02M NaH2PO4、1% SDS(または代替的に0.2×SSC、1% SDS)で1回以上の洗浄である(例えば、ChurchおよびGilbert(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:1991−1995を参照のこと)。
【0167】
好ましい実施形態において、プローブは、プローブに結合される標識基をさらに含む(例えば、標識基は、放射性同位元素、蛍光化合物、酵素または酵素補因子であり得る)。このようなプローブは、20750タンパク質を誤発現する(misexpress)細胞または組織を同定するための診断的試験キットの一部として使用され得る(例えば、被験体由来の細胞サンプル中の20750コード核酸のレベルを測定すること、例えば、20750mRNAレベルを検出するか、またはゲノム20750遺伝子が変異されているか欠失されているか否かを測定することによって)。
【0168】
本発明の方法は、遺伝暗号の縮重に起因して、配列番号1に示されるヌクレオチド配列とは異なり従って、配列番号1に示されるヌクレオチド配列によってコードされるタンパク質と同じ20750タンパク質をコードする核酸分子の使用をさらに含む。別の実施形態において、本発明の方法に含まれる単離された核酸分子は、配列番号2に示されたアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするヌクレオチド配列を有する。
【0169】
本発明の方法は、ヒト20750の対立遺伝子改変体(例えば、機能的対立遺伝子改変体および非機能的対立遺伝子改変体)の使用をさらに含む。機能的対立遺伝子改変体は、ヒト20750タンパク質の天然に存在するアミノ酸配列改変体であって、20750活性を維持するアミノ酸配列改変体である。機能的対立遺伝子改変体は、代表的に、配列番号2の1つ以上のアミノ酸の保存的置換、またはそのタンパク質の非必須領域における非必須残基の置換、欠失、もしくは挿入のみを含む。非機能的対立遺伝子改変体は、ヒト20750タンパク質の天然に存在するアミノ酸配列改変体であって、20750活性を有さないアミノ酸配列改変体である。非機能的対立遺伝子改変体は、代表的には、配列番号2のアミノ酸配列の非保存的な置換、欠失、もしくは挿入または未成熟短縮化(premature truncation)、あるいはこのタンパク質の必須残基または必須領域の置換、挿入、または欠失を含む。
【0170】
本発明の方法は、ヒト20750タンパク質の非ヒトオルソログをさらに使用し得る。ヒト20750タンパク質のオルソログは、非ヒト生物から単離され、そして同じ20750活性を有するタンパク質である。
【0171】
本発明の方法は、配列番号1のヌクレオチド配列またはそれらの一部を含む核酸分子であって、変異が導入されている核酸分子の使用をさらに包含する。変異は、「非必須」アミノ酸残基または「必須」アミノ酸残基でのアミノ酸置換を導き得る。「非必須」アミノ酸残基とは、その生物学的活性を変化することなく20750の野生型配列(例えば、配列番号2の配列)から変化され得る残基であり、一方、「必須」アミノ酸残基は、生物学的活性のために必要とされる。例えば、本発明の20750タンパク質およびプロテインキナーゼファミリーの他のメンバーの間で保存されたアミノ酸残基は、変化を受容する可能性は低い。
【0172】
変異は、標準技術(例えば、部位特異的変異誘発およびPCR媒介変異誘発)により配列番号1に導入され得る。好ましくは、保存的アミノ酸置換が、1つ以上の予想される非必須アミノ酸残基でなされる。「保存的アミノ酸置換」とは、アミノ酸残基が類似の側鎖を有するアミノ酸残基で置換されるアミノ酸置換である。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーが、当該分野において規定されている。これらのファミリーとしては、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電の極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β−分枝鎖を有するアミノ酸(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が挙げられる。従って、好ましくは、20750タンパク質において予想される非必須アミノ酸残基は、同じ側鎖のファミリーからの別のアミノ酸残基で置換される。あるいは、別の実施形態において、変異は、例えば、飽和変異誘発(saturation mutagenesis)によって、20750のコード配列の全てまたは一部に沿って、ランダムに導入され得、そして得られた変異体は、活性を保持する変異体を同定するために、20750の生物学的活性についてスクリーニングされ得る。配列番号1の変異誘発の後、コードされたタンパク質が、組換え発現され得、そしてそのタンパク質の活性が、本明細書中に記載されたアッセイを用いて決定され得る。
【0173】
本発明の別の局面は、配列番号1のヌクレオチド配列に対するアンチセンスである単離された核酸分子の使用に関する。「アンチセンス」核酸は、タンパク質をコードする「センス」核酸に相補的である(例えば、二本鎖cDNA分子のコード鎖に相補的であるかまたはmRNA配列に相補的である)ヌクレオチド配列を含む。従って、アンチセンス核酸は、センス核酸に水素結合し得る。アンチセンス核酸は、全長20750コード鎖または、それらの一部のみに相補的であり得る。1つの実施形態において、アンチセンス核酸分子は、20750をコードするヌクレオチド配列のコード鎖の「コード領域」に対するアンチセンスである。用語「コード領域」とは、アミノ酸残基に翻訳されるコドンを含むヌクレオチド配列の領域をいう。別の実施形態において、このアンチセンス核酸分子は、20750をコードするヌクレオチド配列のコード鎖の「非コード領域」に対するアンチセンスである。用語「非コード領域」とは、コード領域に隣接する5’配列および3’配列であって、アミノ酸に翻訳されない配列をいう(5’および3’の非翻訳領域ともいう)。
【0174】
本明細書中に開示される20750をコードするコード鎖配列を考慮して、本発明のアンチセンス核酸は、WatsonおよびCrickの塩基対形成の法則に従って、設計され得る。アンチセンス核酸分子は、20750mRNAの全コード領域に相補的であり得るが、より好ましくは、20750mRNAのコード領域または非コード領域の一部のみに対してアンチセンスであるオリゴヌクレオチドである。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、20750mRNAの翻訳開始部位の周辺領域に相補的であり得る。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、約5、10、15、20、25、30、35、40、45または50ヌクレオチド長であり得る。本発明のアンチセンス核酸は、当該分野で公知の手順を使用して、化学的合成および酵素的連結反応を使用して構築され得る。例えば、アンチセンス核酸(例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド)は、天然に存在するヌクレオチド、あるいは分子の生物学的安定性を増大するように、またはアンチセンス核酸とセンス核酸との間に形成される二重鎖の物理的安定性を増大するように設計された、種々に改変されたヌクレオチドを使用して、化学的に合成され得る。例えば、ホスホロチオエート誘導体およびアクリジン置換ヌクレオチドが使用され得る。アンチセンス核酸を生成するために使用され得る改変ヌクレオチドの例としては、以下が挙げられる:5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−クロロウラシル、5−ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4−アセチルシトシン、5−(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β−D−ガラクトシルキューオシン、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン、1−メチルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N6−アデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メトキシアミノメチル−2−チオウラシル、β−D−マンノシルキューオシン、5’−メトキシカルボキシメチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン(wybutoxosine)、シュードウラシル、キューオシン、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、5−メチル−2−チオウラシル、3−(3−アミノ−3−N−2−カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)wおよび2,6−ジアミノプリン。あるいは、アンチセンス核酸は、核酸がアンチセンス方向でサブクローニングされた発現ベクターを使用して、生物学的に生成され得る(すなわち、挿入された核酸から転写されるRNAは、目的の標的核酸に対してアンチセンス方向のRNAであり、以下の下位の節においてさらに記載される)。
【0175】
本発明の方法に使用されるアンチセンス核酸分子は、代表的に、被験体に投与されるかまたはインサイチュで産生され、その結果、これらは、20750タンパク質をコードする細胞性mRNAおよび/またはゲノムDNAにハイブリダイズするかまたは結合して、それによって、例えば、転写および/または翻訳を阻害することによって、タンパク質の発現を阻害する。ハイブリダイゼーションは、安定な二重鎖を形成するための従来のヌクレオチド相補性によって、または、例えば、DNA二重鎖に結合するアンチセンス核酸分子の場合、二重らせんの主溝における特異的な相互作用を介してであり得る。本発明のアンチセンス核酸分子の投与の経路の例としては、組織部位での直接的注射が挙げられる。あるいは、アンチセンス核酸分子を改変して、選択された細胞を標的化し、次いで、全身に投与し得る。例えば、全身投与に関して、アンチセンス分子は、例えば、細胞表面レセプターまたは抗原に結合するペプチドまたは抗体に、アンチセンス核酸分子を連結することによって、このアンチセンス分子が、選択された細胞表面上で発現されたレセプターまたは抗原に特異的に結合するように改変され得る。このアンチセンス核酸分子はまた、本明細書中で記載されるベクターを使用して、細胞に送達され得る。アンチセンス分子の十分な細胞内濃度を達成するために、アンチセンス核酸分子が、強力なpol IIプロモーターまたはpol IIIプロモーターの制御下に配置されるベクター構築物が、好ましい。
【0176】
なお別の実施形態において、本発明の方法に使用されるアンチセンス核酸分子は、α−アノマー核酸分子である。α−アノマー核酸分子は、相補的RNAと特異的な二本鎖ハイブリッドを形成する。ここでは、通常のβ−ユニットとは対照的に、鎖は互いに対して平行に走る(Gaultierら(1987)Nucleic Acids.Res.15:6625−6641)。アンチセンス核酸分子はまた、2’−o−メチルリボヌクレオチド(Inoueら(1987)Nucleic Acids Res.15:6131−6148)またはキメラRNA−DNAアナログ(Inoueら(1987)FEBS Lett.215:327−330)を含み得る。
【0177】
なお別の実施形態において、本発明の方法に使用されるアンチセンス核酸は、リボザイムである。リボザイムは、これらのリボザイムが相補的領域を有する、一本鎖核酸(例えば、mRNA)を切断し得るリボヌクレアーゼ活性を有する触媒性RNA分子である。従って、リボザイム(例えば、ハンマーヘッドリボザイム(HaselhoffおよびGerlach(1988)Nature 334:585−591に記載される))は、20750mRNA転写物を触媒的に切断するために使用されて、それによって、20750mRNAの翻訳を阻害し得る。20750コード核酸に対して特異性を有するリボザイムは、本明細書中に開示される20750cDNA(すなわち、配列番号1)のヌクレオチド配列に基づいて設計され得る。例えば、Tetrahymena L−19 IVS RNAの誘導体は、活性部位のヌクレオチド配列が20750コードmRNAにおいて切断されるべきヌクレオチド配列に対して相補的であるように構築され得る。例えば、Cechら、米国特許第4,987,071号;およびCechら、米国特許第5,116,742号を参照のこと。あるいは、20750mRNAを使用して、RNA分子のプールから特異的なリボヌクレアーゼ活性を有する触媒性RNAを選択し得る。例えば、Bartel,D.およびSzostak,J.W.(1993)Science 261:1411−1418を参照のこと。
【0178】
あるいは、20750遺伝子の発現は、標的細胞中で20750遺伝子の転写を防止する三重ヘリックス構造を形成するために、20750の調節領域(例えば、20750のプロモーターまたはエンハンサー)に相補的なヌクレオチド配列を標的化することによって阻害され得る。一般に、Helene,C.(1991)Anticancer Drug Des.6(6):569−84;Helene,C.ら(1992)Ann.N.Y.Acad.Sci.660:27−36;およびMaher,L.J.(1992)Bioassays 14(12):807−15を参照のこと。
【0179】
なお別の実施形態において、本発明の方法において使用される20750核酸分子は、塩基部分、糖部分またはリン酸骨格において改変されて、例えば、分子の安定性、ハイブリダイゼーションまたは可溶性を改善し得る。例えば、核酸分子のデオキシリボースリン酸骨格は、ペプチド核酸を生成するために改変され得る(Hyrup B.ら(1996)Bioorganic & Medicinal Chemistry 4(1):5−23を参照のこと)。本明細書中で使用される場合、用語「ペプチド核酸」すなわち「PNA」は、核酸模倣物(例えば、DNA模倣物)をいい、ここで、デオキシリボースリン酸骨格は、偽ペプチド骨格によって置換され、そして4種の天然の核酸塩基だけが維持される。PNAの天然の骨格は、低イオン強度の条件下で、DNAおよびRNAへの特異的ハイブリダイゼーションを可能にすることが示されている。PNAオリゴマーの合成は、標準的な固相ペプチド合成プロトコルを使用して、Hyrup B.ら(1996)前出;Perry−O’Keefeら(1996)Proc.Natl.Acad.Sci.93:14670−675に記載されるように実施され得る。
【0180】
20750核酸分子のPNAは、本明細書中に記載される治療適用および診断適用において使用され得る。例えば、PNAは、例えば、転写もしくは翻訳の停止を誘導するか、または複製を阻害することによって、遺伝子発現の配列特異的調節のためのアンチセンス因子またはアンチ遺伝子(antigene)因子として使用され得る。20750核酸分子のPNAはまた、遺伝子中の単一塩基対の変異の分析において(例えば、PNA指向性のPCRクランピングによって);他の酵素と組み合わせて使用する場合には、「人工制限酵素」として(例えば、S1ヌクレアーゼ(Hyrup B.ら(1996)前出));またはDNA配列決定もしくはハイブリダイゼーションのためのプローブもしくはプライマーとして(Hyrup B.ら(1996)前出;Perry−O’Keefeら(1996)前出)、使用され得る。
【0181】
別の実施形態において、20750のPNAは、(例えば、PNAの安定性または細胞取り込みを増強するために)、PNAに親油性もしくは他のヘルパー基を結合させることによってか、PNA−DNAキメラの形成によってか、またはリポソームもしくは当該分野で公知の他の薬物送達技術の使用によって、改変され得る。例えば、PNAおよびDNAの有利な特性を組み合わせ得る20750核酸分子のPNA−DNAキメラが、生成され得る。このようなキメラは、DNA認識酵素(例えば、RNAse HおよびDNAポリメラーゼ)に、DNA部分と相互作用させ、一方、PNA部分は、高い結合親和性および結合特異性を提供する。PNA−DNAキメラは、塩基スタッキング、核酸塩基間の結合の数および方向に関して選択される、適切な長さのリンカーを使用して、連結され得る(Hyrup B.ら(1996)前出)。PNA−DNAキメラの合成は、Hyrup B.ら(1996)前出ならびにFinn P.J.ら(1996)Nucleic Acids Res.24(17):3357−63に記載されるように実施され得る。例えば、DNA鎖は、標準的なホスホロアミダイトカップリング化学および改変ヌクレオシドアナログを使用して、固体支持体上で合成され得る。例えば、5’−(4−メトキシトリチル)アミノ−5’−デオキシ−チミジンホスホルアミダイトが、PNAとDNAの5’末端との間として使用され得る(Mag,M.ら(1989)Nucleic Acid Res.17:5973−88)。次いで、PNAモノマーは、段階的な様式でカップリングされて、5’PNAセグメントおよび3’DNAセグメントを有するキメラ分子を生成する(Finn P.J.ら(1996)前出)。あるいは、キメラ分子は、5’DNAセグメントおよび3’PNAセグメントを用いて合成され得る(Peterser,K.H.ら(1975)Bioorganic Med.Chem.Lett.5:1119−11124)。
【0182】
他の実施形態において、本発明の方法において使用されるオリゴヌクレオチドは、他の付随的な基(例えば、(例えば、インビボで宿主細胞レセプターを標的化するための)ペプチド、または細胞膜(例えば、Letsingerら(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:6553−6556;Lemaitreら(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:648−652;PCT公開番号WO88/09810を参照のこと)もしくは血液−脳関門(例えば、PCT公開番号WO89/10134を参照のこと)を横切る輸送を促進する因子を含み得る。さらに、オリゴヌクレオチドは、ハイブリダイゼーションが引き金を引く切断因子(例えば、Krolら(1988)Bio−techniques 6:958−976を参照のこと)またはインターカレート因子を用いて改変され得る(例えば、Zon(1988)Pharm.Res.5:539−549を参照のこと)。この目的のために、オリゴヌクレオチドは、別の分子(例えば、ペプチド、ハイブリダイゼーションが引き金を引く架橋剤、輸送因子またはハイブリダイゼーションが引き金を引く切断因子)に結合体化され得る。
【0183】
(VI.本発明の単離された20750タンパク質および抗20750抗体)
本発明の方法は、単離された20750タンパク質およびこれらの生物学的に活性な部分、ならびに抗20750抗体を惹起するための免疫原として使用されるのに適切なポリペプチドフラグメントの使用を包含する。1つの実施形態において、ネイティブの20750タンパク質は、標準的なタンパク質精製技術を使用する、適切な精製スキームによって、細胞または組織供給源から単離され得る。別の実施形態において、20750タンパク質は、組換えDNA技術によって生成される。組換え発現の代わりに、20750のタンパク質またはポリペプチドは、標準的なペプチド合成技術を使用して、化学的に合成され得る。
【0184】
本明細書中で使用する場合、20750タンパク質の「生物学的に活性な部分」は、20750活性を有する、20750タンパク質のフラグメントを含む。20750タンパク質の生物学的に活性な一部分としては、全長の20750タンパク質より少ないアミノ酸を含み、かつ20750タンパク質の少なくとも1つの活性を示す、20750タンパク質のアミノ酸配列(例えば、配列番号2に示されるアミノ酸配列)に十分に同一であるか、あるいはこれらに由来するアミノ酸配列を含むペプチドが挙げられる。代表的には、生物学的に活性な部分は、20750タンパク質の少なくとも1つの活性を有するドメインまたはモチーフを含む。20750タンパク質の生物学的に活性な部分は、例えば、25、50、75、100、125、150、175、200、215、250、300、350、400またはそれより長いアミノ酸長である、ポリペプチドであり得る。20750タンパク質の生物学的に活性な部分は、20750活性を調節する薬剤を開発するための標的として使用され得る。
【0185】
好ましい実施形態では、本発明の方法において使用される20750タンパク質は、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有する。他の実施形態において、20750タンパク質は、配列番号2に対して実質的に同一であり、そして配列番号2のタンパク質の機能的活性を保持するが、上記第V節において詳細に記載されるように、天然の対立遺伝子改変または変異誘発に起因して、アミノ酸配列が異なる。従って、別の実施形態において、本発明の方法において使用される20750タンパク質は、配列番号2に対して少なくとも約50%、55%、59%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれより高度に同一なアミノ酸配列を含むタンパク質である。
【0186】
2つのアミノ酸配列、または2つの核酸配列のパーセント同一性を決定するために、これらの配列は、最適な比較目的で整列される(例えば、ギャップは、最適な整列のために、第1および第2のアミノ酸配列または核酸配列の一方または両方に導入され得、そして非同一配列は、比較目的では無視され得る)。好ましい実施形態において、比較目的で整列される参照配列の長さは、参照配列の少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、なおより好ましくは少なくとも60%、およびさらにより好ましくは、少なくとも70%、80%または90%の長さである(例えば、439アミノ酸残基を有する、配列番号2の20750アミノ酸配列に第二の配列を整列させる場合、少なくとも75、好ましくは少なくとも150、より好ましくは少なくとも225、なおより好ましくは少なくとも300およびなおより好ましくは少なくとも400またはそれより多くのアミノ酸残基が整列される)。次いで、対応するアミノ酸位置またはヌクレオチド位置のアミノ酸残基またはヌクレオチドが、比較される。第1の配列における位置が、第2の配列の対応する位置と同じアミノ酸残基またはヌクレオチドで占められる場合、これらの分子は、その位置で同一である(本明細書中で使用される場合、アミノ酸または核酸の「同一性」は、アミノ酸または核酸の「相同性」と等しい)。2つの配列間のパーセント同一性は、ギャップの数を考慮した、それらの配列により共有される同一の位置の数、および2つの配列の最適な整列のために導入される必要のある各ギャップの長さの関数である。
【0187】
配列の比較および2つの配列間のパーセント同一性の決定は、数学的アルゴリズムを用いて達成され得る。好ましい実施形態では、2つのアミノ酸配列間のパーセント同一性は、GCGソフトウェアパッケージ(Genetics Computer Groupからオンラインで入手可能)中のGAPプログラムに組み込まれたNeedlemanおよびWunsch(J.Mol.Biol.48:444−453(1970))のアルゴリズムを用い、Blosum 62マトリクスまたはPAM250マトリクスのいずれか、ならびにギャップウェイト16、14、12、10、8、6、または4およびレングスウェイト(length weight)1、2、3、4、5、または6を用いて決定される。さらに別の好ましい実施形態において、2つのヌクレオチド配列間のパーセント同一性は、GCGソフトウェアパッケージ(Genetics Computer Groupからオンラインで入手可能)中のGAPプログラムを用い、NWSgapdna.CMPマトリクスならびにギャップウェイト40、50、60、70、または80およびレングスウェイト1、2、3、4、5、または6を用いて決定される。別の実施形態では、2つのアミノ酸配列間または2つのヌクレオチド配列間のパーセント同一性は、ALIGNプログラム(バージョン2.0または2.0U)に組みこまれたE.Meyers,およびW.Miller(Comput.Appl.Biosci.4:11−17(1988))のアルゴリズムを使用し、PAM120ウェイトレジデューテーブル(weight residue table)、ギャップレングスペナルティー12、およびギャップペナルティー4を用いて決定される。
【0188】
本発明の方法はまた、20750のキメラタンパク質または融合タンパク質を使用し得る。本明細書中で使用される場合、20750の「キメラタンパク質」または「融合タンパク質」は、非20750ポリペプチドに作動可能に連結された、20750ポリペプチドを含む。「20750ポリペプチド」は、20750分子に対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドをいうが、一方、「非20750ポリペプチド」は、20750タンパク質に実質的に相同でないタンパク質に対応するアミノ酸配列を有するポリペプチド(例えば、20750タンパク質とは異なり、かつ同じ生物または異なる生物由来のタンパク質)をいう。20750融合タンパク質において、20750ポリペプチドは、20750タンパク質の全てまたは一部に対応し得る。好ましい実施形態において、20750融合タンパク質は、20750タンパク質の少なくとも1つの生物学的に活性な部分を含む。別の好ましい実施形態において、20750融合タンパク質は、20750タンパク質の少なくとも2つの生物学的に活性な部分を含む。融合タンパク質において、用語「作動可能に連結した」は、20750ポリペプチドおよび非20750ポリペプチドが、互いにインフレームで融合されることを示すことが意図される。非20750ポリペプチドは、20750ポリペプチドのN末端またはC末端に融合され得る。
【0189】
例えば、1つの実施形態において、融合タンパク質は、GST−20750融合タンパク質であり、ここで、20750配列は、GST配列のC末端に融合されている。このような融合タンパク質は、組換え20750の精製を容易にし得る。
【0190】
別の実施形態において、この融合タンパク質は、そのN末端において異種シグナル配列を含む20750タンパク質である。特定の宿主細胞(例えば、哺乳動物宿主細胞)において、20750の発現および/または分泌は、異種シグナル配列の使用によって増大され得る。
【0191】
本発明の方法において使用される20750融合タンパク質は、薬学的組成物中に組み込まれ得、そして被験体にインビボで投与され得る。20750融合タンパク質は、20750基質のバイオアベイラビリティーに影響を与えるために使用され得る。20750融合タンパク質の使用は、例えば、以下によって引き起こされる障害の処置のために治療的に有用であり得る:(i)20750タンパク質をコードする遺伝子の異常な改変または変異;(ii)20750遺伝子の誤調節;ならびに(iii)20750タンパク質の異常な翻訳後修飾。
【0192】
さらに、本発明の方法において使用される20750融合タンパク質は、被験体において抗20750抗体を産生するための免疫原として、20750リガンドを精製するために、そして20750と20750基質との相互作用を阻害する分子を同定するためのスクリーニングアッセイにおいて、使用され得る。
【0193】
好ましくは、本発明の方法において使用される20750のキメラタンパク質または融合タンパク質は、標準的な組換えDNA技術によって産生される。例えば、異なるポリペプチド配列をコードするDNAフラグメントは、従来技術に従って、例えば、連結のために平滑末端または付着末端を使用し、適切な末端を提供するための制限酵素消化を使用し、適切な場合粘着末端を平滑化し、所望でない連結を回避するためのアルカリホスファターゼ処理を使用し、そして酵素的連結を使用することによって一緒にインフレームで連結される。別の実施形態において、融合遺伝子は、自動化DNA合成機を含む従来技術によって合成され得る。あるいは、遺伝子フラグメントのPCR増幅は、引き続いてアニーリングおよび再増幅されてキメラ遺伝子配列を生成し得る2つの連続遺伝子フラグメント間の相補的オーバーハングを生じるアンカープライマーを使用して実施され得る(例えば、Current Protocols in Molecular Biology、Ausubelら、編、John Wiley&Sons:1992を参照のこと)。さらに、すでに融合部分(例えば、GSTポリペプチド)をコードしている多くの発現ベクターが市販されている。20750をコードする核酸は、この融合部分が、20750タンパク質にインフレームで連結されるように、このような発現ベクター中にクローニングされ得る。
【0194】
本発明はまた、20750アゴニスト(模倣物)または20750アンタゴニストのいずれかとして機能する、20750タンパク質の改変体の使用に関する。20750タンパク質の改変体は、変異誘発(例えば、20750タンパク質の別個の点変異または短縮)によって生成され得る。20750タンパク質のアゴニストは、20750タンパク質の天然に存在する形態の生物学的活性と実質的に同じ生物学的活性またはそのサブセットを保持し得る。20750タンパク質のアンタゴニストは、例えば、20750タンパク質の20750媒介性の活性を競合的に調節することによって、20750タンパク質の天然に存在する形態の活性の1以上を阻害し得る。従って、特定の生物学的効果は、機能が限定された改変体を用いる処置によって誘発され得る。1つの実施形態において、タンパク質の天然に存在する形態の生物学的活性のサブセットを有する改変体を用いる被験体の処置は、20750タンパク質の天然に存在する形態を用いた処置と比較して、被験体における副作用がより小さい。
【0195】
1つの実施形態において、20750アゴニスト(模倣物)または20750アンタゴニストのいずれかとして機能する20750タンパク質の改変体は、20750タンパク質のアゴニスト活性またはアンタゴニスト活性について、20750タンパク質の変異体(例えば、短縮変異体)のコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることによって、同定され得る。1つの実施形態において、20750改変体の多様なライブラリーは、核酸レベルでのコンビナトリアル変異誘発によって生成され、そして多様な遺伝子ライブラリーによってコードされる。20750改変体の多様なライブラリーは、例えば、合成オリゴヌクレオチドの混合物を遺伝子配列に酵素的に連結することによって生成され得、その結果、潜在的な20750配列の縮重セットは、個々のポリペプチドとしてか、あるいはその中に20750配列のセットを含むより大きい融合タンパク質のセットとして(例えば、ファージディスプレイについて)発現可能である。縮重オリゴヌクレオチド配列から潜在的な20750改変体のライブラリーを生成するために、種々の方法が使用され得る。縮重遺伝子配列の化学的合成は、自動化DNA合成機において実施され得、次いで、この合成遺伝子は、適切な発現ベクター中に連結され得る。遺伝子の縮重セットの使用は、潜在的な20750配列の所望のセットをコードする全ての配列を1つの混合物中で提供することを可能にする。縮重オリゴヌクレオチドを合成するための方法は、当該分野で公知である(例えば、Narang,S.A.(1983)Tetrahedron 39:3;Itakuraら、(1984)Annu.Rev.Biochem.53:323;Itakuraら、(1984)Science 198:1056;Ikeら、(1983)Nucleic Acid Res.11:477を参照のこと)。
【0196】
さらに、20750タンパク質コード配列のフラグメントのライブラリーは、20750タンパク質の改変体のスクリーニングおよび引き続く選択のために、20750フラグメントの多様な集団を生成するために使用され得る。1つの実施形態において、コード配列フラグメントのライブラリーは、20750コード配列の二本鎖PCRフラグメントを、ニック形成が1分子当たりほぼ1回だけ生じるような条件下でヌクレアーゼで処理し、二本鎖DNAを変性し、異なるニック形成産物由来のセンス/アンチセンス対を含み得る二本鎖DNAを形成するためにDNAを再生し、S1ヌクレアーゼでの処理によって、再形成された二重鎖から一本鎖部分を除去し、そして得られたフラグメントライブラリーを発現ベクター中に連結することによって、生成され得る。この方法によって、種々のサイズの20750タンパク質のN末端フラグメント、C末端フラグメントおよび内部フラグメントをコードする、発現ライブラリーが誘導され得る。
【0197】
点変異または短縮によって作製されたコンビナトリアルライブラリーの遺伝子産物をスクリーニングするためのいくつかの技術、および選択された特性を有する遺伝子産物についてのcDNAライブラリーをスクリーニングするためのいくつかの技術が、当該分野で公知である。このような技術は、20750タンパク質のコンビナトリアル変異誘発によって生成された遺伝子ライブラリーの迅速なスクリーニングのために適合可能である。大きい遺伝子ライブラリーをスクリーニングするための高スループットの分析に使用されやすい、最も広く使用される技術は、代表的に、遺伝子ライブラリーを複製可能な発現ベクター中にクローニングする工程、ベクターの得られたライブラリーで適切な細胞を形質転換する工程、および所望の活性の検出が、産物が検出された遺伝子をコードするベクターの単離を容易にするような条件下でコンビナトリアル遺伝子を発現する工程を包含する。再帰的アンサンブル変異誘発(recursive ensemble mutagenesis (REM))(これは、ライブラリー中の機能的変異体の頻度を増強する新たな技術である)は、20750改変体を同定するためのスクリーニングアッセイと組み合わせて使用され得る(ArkinおよびYourvan(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:7811−7815;Delagraveら、(1993)Protein Eng.6(3):327−331)。
【0198】
本発明の方法はさらに、抗20750抗体の使用を包含する。単離された20750タンパク質、またはそれらの一部分もしくはフラグメントは、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体の調製のための標準的な技術を用いて、20750に結合する抗体を生成するための免疫原として使用され得る。全長の20750タンパク質が使用され得るか、あるいは20750の抗原性ペプチドフラグメントが免疫原として使用され得る。20750の抗原性ペプチドは、配列番号2に示されるアミノ酸配列の少なくとも8アミノ酸残基を含み、そしてこのペプチドに対して惹起された抗体が、20750タンパク質と特異的な免疫複合体を形成するように、20750のエピトープを含む。好ましくは、抗原性ペプチドは、少なくとも10アミノ酸残基、より好ましくは、少なくとも15アミノ酸残基、さらにより好ましくは、少なくとも20アミノ酸残基、そして最も好ましくは、少なくとも30アミノ酸残基を含む。
【0199】
抗原性ペプチドにより含まれる、好ましいエピトープは、タンパク質の表面に局在される20750の領域(例えば、親水性領域)、および高抗原性を有する領域である。
【0200】
20750免疫原は、代表的に、適切な被験体(例えば、ウサギ、ヤギ、マウス、または他の哺乳動物)を、免疫原を用いて免疫することにより抗体を調製するために使用される。適切な免疫原性調製物は、例えば、組換え発現された20750タンパク質または化学的に合成された20750ポリペプチドを含み得る。この調製物はさらに、アジュバント(例えば、フロイントアジュバントもしくは不完全フロイントアジュバント)、あるいは類似の免疫刺激剤を含み得る。免疫原性の20750の調製物を用いる適切な被験体の免疫は、ポリクローナル抗20750抗体の応答を誘導する。
【0201】
本明細書中で使用される場合、用語「抗体」は、免疫グロブリン分子および免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分、すなわち、抗原(例えば、20750)に、特異的に結合する(免疫反応する)抗原結合部位を含む分子をいう。免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分の例としては、ペプシンのような酵素で抗体を処理することによって生成され得るF(ab)フラグメントおよびF(ab’)2フラグメントが挙げられる。本発明は、20750分子に結合するポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を提供する。本明細書中で使用される場合、用語「モノクローナル抗体」または「モノクローナル抗体組成物」は、20750の特定のエピトープと免疫反応し得る抗原結合部位の1つの種のみを含む抗体分子の集団をいう。従って、モノクローナル抗体組成物は、代表的に、その抗体が免疫反応する、特定の20750タンパク質に対して単一結合親和性を示す。
【0202】
ポリクローナル抗20750抗体は、20750の免疫原を用いて適切な被験体を免疫することによって、上記のように調製され得る。免疫された被験体における、抗20750抗体の力価は、標準的な技術(例えば、免疫した20750を用いる、固相酵素免疫検出法(ELISA))によって、経時的にモニターされ得る。所望の場合、20750に対する抗体分子は、哺乳動物から(例えば、血液から)単離され得、そしてさらに、周知の技術(例えば、IgG画分を得るためのプロテインAクロマトグラフィー)によって精製され得る。免疫後の適切なとき(例えば、抗20750抗体の力価が最も高いとき)に、抗体産生細胞は被験体から入手され得、そして標準的な技術(例えば、KohlerおよびMilstein(1975)Nature 256:495−497)(Brownら(1981)J.Immunol.127:539−46;Brownら(1980)J.Biol.Chem.255:4980−83;Yehら(1976)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 76:2927−31;ならびにYehら(1982)Int.J.Cancer 29:269−75もまた参照のこと))によってもともと記載されるハイブリドーマ技術、最近のヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozborら(1983)Immunol Today 4:72)、EBV−ハイブリドーマ技術(Coleら(1985)Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,Inc.,pp.77−96)またはトリーマ技術)によってモノクローナル抗体を調製するために使用され得る。モノクローナル抗体ハイブリドーマを生成するための技術は周知である(一般的に、Kenneth,R.H.、Monoclonal Antibodies:A New Dimension In Biological Analyses,Plenum Publishing Corp.,New York,New York(1980);Lerner,E.A.(1981)Yale J.Biol.Med.54:387−402;Gefter,M.L.ら(1977)Somatic Cell Genet.3:231−36を参照のこと)。簡単に言えば、不死化した細胞株(代表的に黒色腫)は、上記のような20750免疫原で免疫した哺乳動物に由来するリンパ球(代表的に脾細胞)と融合され、そして得られたハイブリドーマ細胞の、細胞培養上清は、20750に結合するモノクローナル抗体を生成するハイブリドーマを同定するためにスクリーニングされる。
【0203】
リンパ球と不死化細胞株との融合のために使用される、任意の多くの周知のプロトコルが、抗20750モノクローナル抗体を生成する目的のために適用され得る(例えば、Galfre,G.ら(1977)Nature 266:550-52;Gefterら(1977)前出;Lerner(1981)前出;およびKenneth(1980)前出を参照のこと)。さらに、当業者は、このような方法の多くのバリエーションもまた有用であることを理解する。代表的に、不死化細胞株(例えば、骨髄腫細胞株)は、リンパ球と同一の哺乳動物由来である。例えば、マウスハイブリドーマは、本発明の免疫原性調製物で免疫したマウスに由来するリンパ球と、不死化マウス細胞株とを融合することによって作製され得る。好ましい不死化細胞株は、ヒポキサンチン、アミノプテリンおよびチミジン(「HAT培地」)を含む培養培地に感受性である、マウス骨髄腫細胞株である。任意の多くの骨髄腫細胞株(例えば、P3−NS1/1−Ag4−1骨髄腫細胞株、P3−x63−Ag8.653骨髄腫細胞株またはSp2/O−Ag14骨髄腫細胞株)が、標準的な技術に従う融合パートナーとして使用され得る。これらの骨髄腫細胞株は、ATCCから入手可能である。代表的に、HAT感受性マウス骨髄腫細胞は、ポリエチレングリコール(「PEG」)を用いてマウス脾細胞に融合される。次いで、融合によって得られたハイブリドーマ細胞は、HAT培地を用いて選択される(これは、融合していない骨髄腫細胞および非生産性融合骨髄腫細胞を殺傷する(融合していない脾細胞は形質転換されないので、数日後に死滅する))。本発明のモノクローナル抗体を生成するハイブリドーマ細胞は、例えば、標準的なELISAアッセイを用いて、20750に結合する抗体について、ハイブリドーマ培養物の上清をスクリーニングすることによって検出される。
【0204】
モノクローナル抗体スクリーニングハイブリドーマを調製する代わりに、モノクローナル抗20750抗体は、20750を用いて、組換えコンビナトリアル免疫グロブリンライブラリー(例えば、抗体ファージディスプレイライブラリー)をスクリーニングすることによって同定および単離され得、それによって、20750に結合する免疫グロブリンライブラリーメンバーを単離する。ファージディスプレイライブラリーを生成およびスクリーニングするためのキットは、市販されている(例えば、the Pharmacia Recombinant Phage Antibody System、カタログ番号27−9400−01;およびthe Stratagene SurfZAPTM Phage Display Kit、カタログ番号240612)。さらに、抗体ディスプレイライブラリーの生成およびスクリーニングにおける使用のために特に適切な方法および試薬の例は、以下において見出され得る:例えば、Ladnerら、米国特許第5,223,409号;Kangら、PCT国際出願番号WO92/18619;Dowerら、PCT国際公開番号WO91/17271;Winterら、PCT国際公開WO92/20791;Marklandら、PCT国際公開番号WO92/15679;Breitlingら、PCT国際公開WO93/01288;McCaffertyら、PCT国際公開番号WO92/01047;Garrardら、PCT国際公開番号WO92/09690;LadnerらPCT国際公開番号WO90/02809;Fuchsら(1991)Bio/Technology 9:1369−1372;Hayら(1992)Hum.Antibod.Hybridomas 3:81−85;Huseら(1989)Science 246:1275−1281;Griffithsら(1993)EMBO J 12:725−734;Hawkinsら(1992)J.Mol.Biol.226:889−896;Clacksonら(1991)Nature 352:624−628;Gramら(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:3576−3580;Garrardら(1991)Bio/Technology 9:1373−1377;Hoogenboomら(1991)Nucleic Acid Res.19:4133−4137;Barbasら(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:7978−7982;およびMcCaffertyら(1990)Nature 348:552−554。
【0205】
さらに、標準的な組換えDNA技術を用いて作製され得る、組換え抗20750抗体(例えば、ヒトおよび非ヒトの両方の部分を含むキメラモノクローナル抗体およびヒト化モノクローナル抗体)は、本発明の方法の範囲内にある。このようなキメラモノクローナル抗体およびヒト化モノクローナル抗体は、例えば、以下に記載される方法を用いて、当該分野に公知の組換えDNA技術によって作製され得る:Robinsonら国際出願番号PCT/US86/02269;Akiraら、欧州特許出願第184,187号;Taniguchi,M.,欧州特許出願第171,496号;Morrisonら、欧州特許出願第173,494号;Neubergerら、PCT国際公開番号WO86/01533;Cabillyら、米国特許第4,816,567号;Cabillyら、欧州特許出願第125,023号;Betterら(1988)Science 240:1041−1043;Liuら(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:3439−3443;Liuら(1987)J.Immunol.139:3521−3526;Sunら(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:214−218;Nishimuraら(1987)Can. Res.47:999−1005;Woodら(1985)Nature 314:446−449;Shawら(1988)J.Natl.Cancer Inst.80:1553−1559;Morrison,S.L.(1985)Science 229:1202−1207;Oiら(1986)BioTechniques 4:214;Winter、米国特許第5,225,539号;Jonesら(1986)Nature 321:552−525;Verhoeyenら(1988)Science 239:1534;およびBeidlerら(1988)J.Immunol.141:4053−4060。
【0206】
抗20750抗体を用いて、(例えば、細胞溶解産物または細胞上清中の)20750タンパク質を検出して、20750タンパク質の発現の量およびパターンを評価し得る。抗20750抗体を診断的に用いて、臨床試験手順の一部として、組織中でのタンパク質レベルをモニタリングして、例えば、所定の処置レジメンの効力を決定し得る。検出は、この抗体を検出可能な物質へと結合させる(すなわち、物理的に連結させる)ことによって容易にされ得る。検出可能な物質の例としては、種々の酵素、補欠分子族、蛍光物質、発光物質、生体発光物質、および放射性物質が挙げられる。適切な酵素の例としては、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、またはアセチルコリンエステラーゼが挙げられ;適切な補欠分子族錯体の例としては、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンが挙げられ;適切な蛍光物質の例としては、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、塩化ダンシルまたはフィコエリトリンが挙げられ;発光物質の例としては、ルミノールが挙げられ;生体発光物質の例としては、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、およびエクオリンが挙げられ;そして適切な放射性物質の例としては、125I、131I、35Sまたは3Hが挙げられる。
【0207】
(VII.電子装置読取り可能な媒体およびアレイ)
本発明の20750調節因子を含む電子装置読取り可能な媒体もまた提供される。本明細書中で使用される場合、「電子装置読取り可能な媒体」とは、電子装置によって読取られ得そして直接アクセスされ得る、データまたは情報を、記憶、保持または含むための任意の適切な媒体をいう。このような媒体としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:磁気記憶媒体(例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク記録媒体、および磁気テープ);光学記憶媒体(例えば、コンパクトディスク);電子記憶媒体(例えば、RAM、ROM、EPROM、EEPROMなど);一般的ハードディスクおよびこれらのカテゴリーのハイブリッド(例えば、磁気/光学記憶媒体)。この媒体は、本発明のマーカーを記録されて適合または構成される。
【0208】
本明細書中で使用される場合、用語「電子装置」は、任意の適切な計算装置もしくは処理装置またはデータもしくは情報を記録するために構成もしくは適合された他のデバイスを包含するように意図される。本発明における使用に適切な電子装置の例としては、独立型計算装置;ネットワーク(ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)インターネット、イントラネット(Intranet)、およびエクストラネット(Extranet)を含む);電子アプライアンス(例えば、パーソナルディジタルアシスタント(PDA)、携帯電話、ポケットベルなど);ならびにローカル処理システムおよび分散処理システムが挙げられる。
【0209】
本明細書中で使用される場合、「記録される」とは、電子装置読取り可能媒体へと情報を記録またはコードするためのプロセスをいう。当業者は、公知の媒体に情報を記録して本発明の20750調節因子を含む製造品を作製するために現在公知の方法のいずれかを容易に採用し得る。
【0210】
種々のソフトウェアプログラムおよび形式を用いて、本発明のマーカー情報を電子装置読取り可能媒体に記録し得る。例えば、20750調節因子に対応する核酸配列は、ワード処理テキストファイルで表されてもよく、市販のソフトウェア(例えば、WordPerfectおよびMicrosoft Word)の形式にされてもよく、ASCIIファイル形式で表されてもよく、またはデータベースアプリケーション(例えば、DB2、Sybase、Oracleなど)ならびに他の形式で記録され得る。多数のデータ処理構造形式(例えば、テキストファイルまたはデータベース)を用いて、本発明の20750調節因子が記録された媒体を入手または作製し得る。
【0211】
本発明の20750調節因子を読み取り可能な形式で提供することによって、種々の目的でそのマーカー配列情報に慣用的にアクセスし得る。例えば、当業者は、本発明のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列を、読取り可能な形式で用いて、標的配列または標的構築モチーフと、データ記憶手段内に記録された配列情報とを比較し得る。検索手段を用いて、特定の標的配列または標的モチーフと一致する、本発明の配列のフラグメントまたは領域を同定する。
【0212】
それゆえ、本発明は、被験体が細胞増殖障害を有するかまたは細胞増殖障害に対する素因を有するか否かを決定するための方法を実施するための指示書を保持するための媒体を提供し、ここで、この方法は、20750調節因子の存在または非存在を決定し、そしてこの20750調節因子の存在または非存在に基づいて、この被験体が、細胞増殖障害または細胞増殖障害に対する素因を有するか否かを決定する工程、ならびに/あるいは細胞増殖障害または細胞増殖障害前状態について特定の処置を推奨する工程を包含する。
【0213】
本発明はさらに、電子システムおよび/またはネットワークにおいて、被験体が、20750に関連する細胞増殖障害または細胞増殖障害に対する素因を有するか否かを決定するための方法を提供し、ここで、この方法は、20750調節因子の存在または非存在を決定する工程、および20750調節因子の存在または非存在に基づいて、この被験体が、細胞増殖障害または細胞増殖障害に対する素因を有するか否かを決定する工程、ならびに/あるいは細胞増殖障害または細胞増殖障害前状態について特定の処置を推奨する工程を包含する。この方法はさらに、その被験体に関連した表現型情報を受け取る工程、および/またはネットワークから、その被験体に関連した表現型情報を獲得する工程を含み得る。
【0214】
本発明はまた、ネットワークにおいて、被験体が、20750調節因子に関連する細胞増殖障害または細胞増殖障害に対する素因を有するか否かを決定するための方法を提供し、この方法は、20750調節因子に関連する情報を受け取る工程、この被験体に関連した表現型情報を受け取る工程、このネットワークから、20750調節因子および/または細胞増殖障害に対応する情報を獲得する工程、ならびにこの表現型情報、20750調節因子、および獲得された情報のうちの1以上に基づいて、この被験体が、細胞増殖障害または細胞増殖障害に対する素因を有するか否かを決定する工程を包含する。この方法は、細胞増殖障害または細胞増殖障害前状態について特定の処置を推奨する工程をさらに包含し得る。
【0215】
本発明はまた、被験体が、細胞増殖障害または細胞増殖障害に対する素因を有するか否かを決定するためのビジネス方法を提供し、この方法は、20750調節因子に関連する情報を受け取る工程、この被験体に関連した表現型情報を受け取る工程、このネットワークから、20750調節因子に対応する情報および/または細胞増殖障害に対応する情報を獲得する工程、ならびに、表現型情報、20750調節因子、および獲得した情報のうちの1以上に基づいて、この被験体が、細胞増殖障害または細胞増殖障害に対する素因を有するか否かを決定する工程を包含する。この方法は、細胞増殖障害または細胞増殖障害前状態について特定の処置を推奨する工程をさらに包含し得る。
【0216】
本発明はまた、本発明の20750調節因子を含むアレイを包含する。このアレイを用いて、このアレイにおける1以上の遺伝子の発現をアッセイし得る。1つの実施形態では、このアレイを用いて、組織における遺伝子発現をアッセイして、このアレイにおける遺伝子の組織特異性を確認し得る。このようにして、約7600個までの遺伝子が、発現について同時にアッセイされ得る。これは、1以上の組織において特異的に発現される一連の遺伝子を示すプロファイルが開発されることを可能にする。
【0217】
このような定性的決定に加えて、本発明は、遺伝子発現の定量を可能にする。従って、組織特異性だけでなく、組織中での一連の遺伝子の発現レベルも確認され得る。従って、遺伝子は、それらの組織発現自体およびその組織における発現レベルに基づいてグループ分けされ得る。これは、例えば、組織間での遺伝子発現の関連を確認する際に有用である。従って、1つの組織は、混乱され得、そして第2の組織における遺伝子発現に対する影響が決定され得る。これに関連して、生物学的刺激に応答した、1つの細胞型の別の細胞型への影響が決定され得る。このような決定は、遺伝子発現のレベルで、例えば、細胞−細胞相互作用の影響を知るために有用である。薬剤が1つの細胞型を処置するために治療的に投与されるが、別の細胞型に対して望ましくない影響を有する場合、本発明は、望ましくない影響の分子的基礎を決定するためのアッセイを提供し、従って、中和剤を同時投与するかさもなければ望ましくない影響を処置する機会を提供する。同様に、単一の細胞型内でさえ、望ましくない生物学的影響が、分子レベルで決定され得る。従って、標的遺伝子以外の発現に対する薬剤の影響が確認および中和され得る。
【0218】
別の実施形態では、このアレイを用いて、このアレイ中の1以上の遺伝子の発現の時間経過をモニタリングし得る。これは、例えば、本明細書中に開示されるような、種々の生物学的状況(例えば、細胞増殖障害の発症、細胞増殖障害の進行、およびプロセス(例えば、細胞増殖障害に関連した細胞形質転換))において生じ得る。
【0219】
このアレイはまた、同じ細胞または異なる細胞における他の遺伝子発現に対するその遺伝子発現の影響を確認するために有用である。これは、例えば、最終的または下流の標的が調節できない場合、治療介入のための代替の分子標的の選択を提供する。
【0220】
このアレイはまた、正常細胞および異常細胞における1以上の遺伝子の示差的発現パターンを確認するために有用である。これは、診断または治療介入のための分子標的として役立ち得る一連の遺伝子を提供する。
【0221】
本発明は、以下の実施例によってさらに例示される。以下の実施例は、限定すると解釈されるべきではない。本願を通して引用された全ての参考文献、特許および公開された特許出願ならびに配列表の内容は、本明細書中に参考として援用される。
【実施例】
【0222】
(実施例1:ヒト20750 cDNAの同定および特徴付け)
本実施例において、ヒト20750をコードする遺伝子の同定および特徴付けが記載される。
【0223】
(ヒト20750 cDNAの単離)
本発明は、本明細書中でヒト20750と称される新規ポリペプチドをコードするヒト遺伝子の発見に、少なくとも部分的に基づく。ヒトクローン55053の全配列が決定され、そしてヒト「20750」と称されるオープンリーディングフレームを含むことが見出された。ヒト20750遺伝子のヌクレオチド配列は、配列表に、配列番号1として記載される。ヒト20750発現産物のアミノ酸配列は、配列表に、配列番号2として記載される。20750ポリペプチドは、約439個のアミノ酸を含む。配列番号1のコード領域(オープンリーディングフレーム)は、配列番号3として記載される。
【0224】
(ヒト20750分子の分析)
配列番号2のポリペプチド配列を使用する検索を、PFAMにおいてHMMデータベースに対して実施し、配列番号2の残基約1〜201において、ヒト20750のアミノ酸配列におけるプロテインキナーゼドメインを同定した(スコア=275.7)。
【0225】
配列番号2のポリペプチド配列を使用する検索をまた、Memsatデータベースに対して実施し、ヒト20750のアミノ酸配列(配列番号2)における潜在的な膜貫通ドメインを、残基約130〜147で同定した(スコア=2.9)。
【0226】
ヒト20750のアミノ酸配列の検索を、Prositeデータベースに対してさらに実施した。これらの検索により、5つの潜在的なcAMP/cGMP依存性プロテインキナーゼリン酸化部位(ProSite登録番号PS00004)の、ヒト20750のアミノ酸配列を、配列番号2の残基約188〜191、224〜227、260〜263、277〜280、および394〜397で同定した。グリコサミノグリカン結合部位(ProSite登録番号PS00002)もまた、残基約350〜353で同定した。11個の潜在的なプロテインキナーゼCリン酸化部位(ProSite登録番号PS00005)を、配列番号2の残基約18〜20、276〜278、284〜286、289〜291、305〜307、333〜335、375〜377、389〜391、393〜395、430〜432、および435〜437で同定した。2つの潜在的なN−ミリストイル化部位(ProSite登録番号PS00008)を、配列番号2の残基約237〜242および349〜354で同定した。2つのアミド化部位(ProSite登録番号PS00009)を、配列番号2の残基約119〜122および222〜225で同定した。3つの潜在的なカゼインキナーゼIIリン酸化部位(ProSite登録番号PS00006)を、配列番号2の残基約30〜33、101〜104、および172〜175で同定した。セリン/スレオニンプロテインキナーゼ活性部位シグネチャー(ProSite登録番号PS00108)を、配列番号2の残基約68〜80で同定した。
【0227】
ヒト20750のアミノ酸配列を、プログラムPSORTを用いて分析して、細胞内でのこのタンパク質の局在化を予測した。このプログラムは、問合せ配列における異なる標的化アミノ酸配列および局在化アミノ酸配列の存在を評価する。この分析の結果は、ヒト20750が、細胞質、核、またはペルオキシソームに局在し得ることを示す。
【0228】
さらなる目的の相同性(可能なキナーゼ関連ドメインを含む)を、20750のアミノ酸配列(配列番号2)を使用して同定し、ProDomデータベース(ProDom(Protein Domain Database)ウェブサイトを介してオンラインで利用可能)を検索した。
(実施例2 TaqManTM分析を用いた20750 mRNAの組織分布)
本実施例は、TaqManTM手順を用いて決定されるような、種々の細胞および組織におけるヒト20750 mRNAの組織分布を記載する。TaqmanTM手順は、mRNAを検出するための、定量的な逆転写PCRベースのアプローチである。RT−PCR反応は、PCRの間に、TaqManTMプローブを切断するために、AmpliTaq GoldTM DNAポリメラーゼの5’ヌクレアーゼ活性を活用する。簡単に言えば、cDNAを目的のサンプル(例えば、肺、卵巣、胸部、および結腸の腫瘍サンプルならびに正常サンプル)から生成し、そしてPCR増幅のための出発物質として使用した。5’遺伝子特異的プライマーおよび3’遺伝子特異的プライマーに加えて、遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプローブ(増幅されている領域に相補的である)を、この反応物(すなわち、TaqmanTMプローブ)に含めた。TaqmanTMプローブは、プローブの5’末端に共有結合した蛍光レポーター色素(例えば、FAM(6−カルボキシフルオレセイン)、TET(6−カルボキシ−4,7,2’,7’−テトラクロロフルオレセイン)、JOE(6−カルボキシ−4,5−ジクロロ−2,7−ジメトシフルオレセイン)、もしくはVIC)、およびこのプローブの3’末端にクエンチャー色素(TAMRA(6−カルボキシ−N,N,N’,N’−テトラメチルローダミン)を有するオリゴヌクレオチドを含む。
【0229】
PCR反応の間、プローブの切断は、レポーター色素およびクエンチャー色素を分離し、結果としてレポーターの蛍光を増強する。PCR産物の蓄積を、レポーター色素の蛍光増強をモニタリングすることによって直接検出する。プローブがインタクトな場合、クエンチャー色素に対してレポーター色素の近位にレポーター蛍光の抑制が生じる。PCRの間、目的の標的が存在する場合、このプローブは順方向プライマー部位と逆方向プライマー部位との間の部位に特異的アニールする。AmpliTaqTMGold DNAポリメラーゼの5’−3’ヌクレオチド分解性(nucleolytic)活性は、プローブが標的にハイブリダイズする場合のみ、レポーターとクエンチャーとの間でプローブを切断する。次いで、プローブフラグメントを、標的と置換し、そして鎖の重合を続ける。PCRの間、プローブの伸長を防ぐように、このプローブの3’末端をブロックする。このプロセスは全てのサイクルで生じ、そして産物の指数関数的な蓄積を妨げない。RNAを、トリゾール方法を使用して調製し、そして汚染したゲノムDNAを除去するためにDNaseで処理した。標準的な方法を使用してcDNAを合成した。逆転写酵素の非存在下において、コントロール遺伝子の検出可能なPCR増幅を有さないサンプルに生じるMock cDNA合成は、ゲノムDNA汚染の有効な除去を確証する。
【0230】
正常組織および腫瘍形成組織を含むヒトパネルは、正常脳皮質組織および臍帯血管内非細胞(HUVEC)における最も高い発現を伴って、ヒト20750発現の広い分布を示した(表1を参照のこと)。重要なことに、表1に示されるように、ヒト20750発現は、正常結腸組織サンプルおよび正常肺組織サンプルと比べて、結腸腫瘍サンプルおよび肺腫瘍サンプルにおいて3倍増加した。
【0231】
乳癌細胞株、結腸癌細胞株、肺癌細胞株および卵巣癌細胞株ならびに293細胞株および293T細胞株を含む異種移植片もまた試験した。表2に示されるように、ヒト20750の発現を、全ての起源の細胞株(例えば、結腸癌細胞株、乳癌細胞株、および肺癌細胞株を含む)において検出した。
【0232】
正常サンプルおよび固形腫瘍サンプルを含む腫瘍性ヒトパネルは、正常胸部サンプル、正常肺サンプル、および正常結腸サンプルと比較して、胸部腫瘍サンプル、肺腫瘍サンプル、および結腸腫瘍サンプルにおいて、ヒト20750の7倍〜10倍の過剰発現を示した(表3を参照のこと)。
【0233】
正常結腸サンプル、初期段階の腺癌サンプル、結腸から肝臓への転移サンプル、および正常肝臓サンプルを含むパネルもまた試験した。表4に示されるように、ヒト20750は、結腸から肝臓への転移サンプルの95%において過剰発現した。
【0234】
種々の段階の結腸癌(腺癌B段階サンプル、腺癌C段階サンプル、腺腫サンプル、結腸から肝臓への転移サンプル、腹腔結腸転移(abdominal colon metastasis)サンプル、正常結腸サンプル、および正常肝臓サンプルを含む)に由来するサンプルを含む拡大された結腸パネルもまた、試験した(表5を参照のこと)。結果は、結腸から肝臓への転移サンプルにおける過剰発現、ならびに腺腫および原発性腫瘍A段階における有意な発現を示した。
【0235】
インビトロで合成された細胞周期パネルもまた試験した(表6を参照こと)。ヒト20750の発現を、種々の時点で細胞周期を調節した癌細胞株のいくつかの細胞周期において試験した。細胞周期調節の異常および細胞周期チェックポイントの異常は、悪性細胞の発生を導く。細胞増殖および細胞周期停止を調節するシグナルに応答する細胞の能力の喪失は、癌を発症する共通の機構である。細胞周期停止を引き起こす薬物で細胞株を同調することによって、ある時点で、細胞周期の種々の段階において調節された遺伝子を同定するためにプロファイルされ得る。ヒト細胞の迅速な複製は、約24時間(分裂に約30分かかり、G1期に約9時間かかり、S期に約10時間かかり、G2期に約4.5時間かかる)で全部の細胞周期を進行する。ヒト20750の発現を、細胞周期に入るように同調し、誘導したいくつかの癌細胞株において、種々の時点で試験した。結果は、全ての時点で20750発現を示し、そしてヒト腺癌DLD−1細胞において20750発現の増加を示した。
【0236】
インビトロ癌遺伝子細胞モデルに由来する細胞を含むパネルもまた、試験した。これらの癌遺伝子細胞モデルは、癌の進行(例えば、結腸癌の進行)に関与することが知られている腫瘍サプレッサーおよび癌遺伝子を一過性にトランスフェクトした細胞株およびそれらを安定にトランスフェクトした細胞株を含む。表7および表8に示されるように、ヒト20750は、これらの多様な癌細胞モデルにおいて発現される。
【0237】
20750発現もまた、Smad3−/−マウスモデルにおいて分析した。Smad3−/−マウスは、ヒト結腸直腸の発癌にとって有用であり、かつ唯一のモデルである。Smad3−/−マウスは、ヒトの疾患に組織病理学的に似ている結腸癌腫を発症する。疾患進行のいくつかの段階に由来するサンプル(正常上皮、過形成上皮、腺腫性ポリープ、ならびに多様な程度の原発性癌腫およびリンパ節転移を含む)を単離し得る。正常結腸サンプルおよび癌腫サンプルにおけるヒト20750の発現を、12〜14週および18〜24週に調査した。結果を表9に示す。この結果は、20750の発現が、正常結腸組織と比べて、初期段階腫瘍および後期段階腫瘍においてアップレギュレートされることを示す。
【0238】
ノコダゾール(Nonodazol)で処理した、細胞周期を調節したHCT−116ヒト結腸癌腫細胞における20750発現の分析もまた、調査した。ノコダゾールは、G2/M期において細胞周期を調節する。結果は、これらの細胞において、ヒト20750発現が細胞周期のG2/M期の間にアップレギュレートされることを示し(表10を参照のこと)、このことは、細胞増殖の間の20750発現を示す。
【0239】
上記のデータは、癌腫(特に、結腸癌腫、肝臓への結腸転移、胸部癌腫、および肺癌腫)における20750 mRNAの有意なアップレギュレートを示す。さらに、これらのデータは、細胞増殖を伴う20750の発現に関連する。20750が多様な腫瘍において、正常サンプルと比較して腫瘍サンプルにおいて有意にアップレギュレートされて発現される場合、および20750が細胞増殖の間に発現される場合、20750活性の阻害は、特に、結腸腫瘍、胸部腫瘍または肺腫瘍における腫瘍の形成または進行を阻害し得ると考えられる。
【0240】
(実施例3:インサイチュ分析を用いた20750 mRNAの組織分布)
インサイチュ分析のために、種々の組織(例えば、正常な結腸、肝臓、胸部、および肺から得られた組織、ならびに結腸腫瘍、胸部腫瘍、および肺腫瘍、ならびに肝臓への結腸転移)を、最初にドライアイス上で凍結させた。これらの組織の10μm厚さの切片を、DEPC処理1×リン酸緩衝化生理食塩水中の4%ホルムアルデヒドで室温にて10分間後固定し、その後、DEPC 1×リン酸緩衝化生理食塩水中で2回および0.1Mトリエタノールアミン−HCl(pH8.0)中で1回リンスした。0.25%無水酢酸−0.1Mトリエタノールアミン−HCl中で10分間インキュベートした後、切片をDEPC 2×SSC(1×SSCは、0.15M NaCl+0.015Mクエン酸ナトリウムである)中でリンスした。次いで、組織を一連のエタノール洗浄液に通して脱水し、100%クロロホルム中で5分間インキュベートし、次いで、100%エタノール中で1分間および95%エタノール中で1分間リンスし、そして風乾させた。
【0241】
ハイブリダイゼーションを、35S−放射標識(5×107cpm/ml)cRNAプローブを用いて実施した。プローブを、600mM NaCl、10mM Tris(pH7.5)、1mM EDTA、0.01%剪断サケ精子DNA、0.01%酵母tRNA、0.05%酵母総RNA X1型、1×デンハルト溶液、50%ホルムアミド、10%デキストラン硫酸、100mMジチオトレイトール、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、および0.1%チオ硫酸ナトリウムを含む溶液の存在下で、55℃にて18時間インキュベートした。
【0242】
ハイブリダイゼーション後、スライドを、2×SSCで洗浄した。次いで、切片を、37℃にて、TNE(10mM Tris−HCl(pH7.6)、500mM NaCl、および1mM EDTAを含む溶液)中で10分間、1mlあたり10μgのRNase Aを含むTNE中で30分間、そして最後にTNE中で10分間、順次インキュベートした。次いで、スライドを、室温にて2×SSCでリンスし、50℃にて1時間、2×SSCで洗浄し、55℃にて1時間、0.2×SSCで洗浄し、そして60℃にて1時間、0.2×SSCで洗浄した。次いで、切片を、連続エタノール−0.3M酢酸ナトリウム濃縮物を通して迅速に脱水し、その後、風乾し、そしてKodak Biomax MR科学的画像化フィルムに24時間にわたって曝露し、続いてNB−2写真乳剤(photoemulsion)に浸し、そして4℃にて7日間曝露し、その後現像し、そして対比染色した。
【0243】
インサイチュハイブリダイゼーションの結果は、試験した4つの正常結腸組織サンプルのうちの1つ、試験した6つの結腸腫瘍サンプルのうちの6つ、試験した5つの肝臓への肝臓転移サンプルのうちの5つ、そして試験した2つの正常肝臓サンプルのうちの2つにおいて、20750の発現を示した。原発性結腸腫瘍サンプルおよび転移性癌腫サンプルにおいてもまた、中程度〜強い発現が観察された。正常肝臓サンプルおよび正常結腸サンプルは、結腸腫瘍サンプルと比較して、20750の過度の発現が示される。結果はさらに、試験した2つの正常胸部組織サンプルのうちの2つ、および試験した4つの胸部腫瘍組織サンプルのうちの4つにおいて、胸部腫瘍組織と比較して正常導管上皮における適度な発現を伴って20750の発現を示す。結果はまた、試験した4つの肺腫瘍組織のうち4つ、および2つの正常肺組織のうち2つにおいて、中程度〜強い発現を示す。
【0244】
上記のTaqman分析によって示される発現パターンを確認するこれらの結果は、ほとんどの腫瘍型において20750の広範な発現を示す。20750は、正常結腸組織および正常肝臓組織と比べて、結腸腫瘍および肝臓転移において;正常胸部組織と比べて胸部腫瘍において;そして正常肺組織と比べて肺腫瘍において差示的に発現される。従って、20750の阻害は、特に結腸腫瘍における腫瘍の進行または形成を阻害し得る。
【0245】
(実施例4:細菌細胞における組換え20750タンパク質の発現)
本実施例において、ヒト20750を、組換えグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)融合ポリペプチドとして、E.coli中に発現させ、そしてこの融合ポリペプチドを、単離および特徴付けする。特に、20750をGSTに融合させ、そしてこの融合ポリペプチドを、E.coli(例えば、PEB199株)に発現させる。PEB199でのGST−20750融合タンパク質の発現を、IPTGで誘導する。この組換え融合ポリペプチドを、グルタチオンビーズでのアフィニティクロマトグラフィーによって、誘導したPEB199株の粗細菌溶解物から精製する。細菌溶解物から精製したポリペプチドのポリアクリルアミドゲル電気泳動分析を使用して、生じた融合ポリペプチドの分子量を決定する。
【0246】
(実施例5:COS細胞における組換え20750タンパク質の発現)
COS細胞においてヒト20750遺伝子を発現させるために、Invitrogen Corporation(San Diego,CA)製のpcDNA/Ampベクターを使用する。このベクターは、SV40複製起点、アンピシリン耐性遺伝子、E.coli複製起点、ポリリンカー領域が続くCMVプロモーター、ならびにSV40イントロンおよびポリアデニル化部位を含む。20750タンパク質全体をコードするDNAフラグメント、ならびにこのフラグメントの3’末端にインフレームで融合されたHAタグ(Wilsonら(1984)Cell 37:767)またはFLAGタグを、このベクターのポリリンカー領域にクローニングし、これにより、CMVプロモーターの制御下で組換えタンパク質の発現を配置する。
【0247】
このプラスミドを構築するために、20750DNA配列を、2つのプライマーを使用するPCRによって増幅する。5’プライマーは、目的の制限部位、次いで、開始コドンから始まる20750コード配列の約20ヌクレオチドを含む;3’末端配列は、目的の他の制限部位に対する相補配列、翻訳終止コドン、HAタグまたはFLAGタグ、および20750コード配列の最後の20ヌクレオチドを含む。PCR増幅したフラグメントおよびpCDNA/Ampベクターを、適切な制限酵素で消化し、このベクターを、CIAP酵素(New England Biolabs,Beverly,MA)を使用して脱リン酸化する。好ましくは、この選択された2つの制限部位は異なり、その結果、20750遺伝子は、正確な方向で挿入される。連結混合物を、E.coli細胞(Stratagene Cloning Systems,La Jolla,CAより入手可能なHB101株、DH5α株、SURE株を使用し得る)に形質導入し、この形質導入した培養物を、アンピシリン培地プレートにプレーティングし、耐性コロニーを選択する。プラスミドDNAを、形質転換体から単離し、そして正確なフラグメントの存在について制限分析により試験する。
【0248】
引き続きCOS細胞を、リン酸カルシウム法または塩化カルシウム共沈法、DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション、リポフェクションあるいはエレクトロポレーションを使用して、20750−pcDNA/AmpプラスミドDNAでトランスフェクトする。宿主細胞をトランスフェクトするための他の適切な方法を、Sambrook,J.,Fritsh,E.F.,およびManiatis,T.Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版、Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY,1989に見出し得る。20750ポリペプチドの発現を、放射標識(NEN,Boston,MAより入手可能な35S−メチオニンまたは35S−システインを使用し得る)およびHA特異的モノクローナル抗体を使用する免疫沈降(Harlow,E.およびLane,D.Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY,1988)によって検出する。簡単には、細胞を、35S−メチオニン(または35S−システイン)で8時間標識する。次いで、この培養培地を収集し、そして界面活性剤(RIPA緩衝液(150mM NaCl、1%NP−40、0.1% SDS、0.5% DOC、50mM Tris(pH7.5)を使用して細胞を溶解する。細胞溶解物および培養培地の両方を、HA特異的モノクローナル抗体で沈降させる。次いで、沈降したポリペプチドを、SDS−PAGEによって分析する。
【0249】
あるいは、20750コード配列を含むDNAを、適切な制限部位を使用してpCDNA/Ampベクターのポリリンカーに直接クローニングする。生じたプラスミドを、上記の様式にてCOS細胞にトランスフェクトし、そして20750ポリペプチドの発現を、放射標識および20750特異的モノクローナル抗体を使用する免疫沈降によって検出する。
(等価物)
当業者は、本明細書中に記載される本発明の特定の実施形態の多くの等価物を認識するか、または慣用的にすぎない実験法を使用してこれらの等価物を確認し得る。このような等価物は、添付の特許請求の範囲に含まれるべきであることが意図される。
Claims (13)
- 細胞増殖障害を処置し得る化合物を同定するための方法であって、該化合物が20750核酸発現または20750ポリペプチド活性を調節する能力をアッセイし、それによって、細胞増殖障害を処置し得る化合物を同定する工程を包含する、方法。
- 細胞増殖を調節し得る化合物を同定するための方法であって、以下:
a)20750を発現する細胞を、試験化合物と接触させる工程;および
b)該試験化合物が、20750核酸の発現または20750ポリペプチドの活性を調節する能力をアッセイし、それによって、細胞増殖を調節し得る化合物を同定する工程
を包含する、方法。 - 細胞における細胞増殖を調節するための方法であって、細胞を20750調節因子と接触させ、それによって、該細胞中の細胞増殖を調節する工程を包含する、方法。
- 前記細胞が、胸部細胞、肺細胞または結腸細胞である、請求項2に記載の方法。
- 前記20750調節因子が、有機低分子、ペプチド、抗体またはアンチセンス核酸分子である、請求項3に記載の方法。
- 前記20750調節因子が、20750ポリペプチド活性を調節し得る、請求項3に記載の方法。
- 前記20750調節因子が、有機低分子、ペプチド、抗体またはアンチセンス核酸分子である、請求項6に記載の方法。
- 前記20750調節因子が、20750核酸発現を調節し得る、請求項6に記載の方法。
- 異常な20750ポリペプチド活性または異常な20750核酸発現によって特徴付けられる細胞増殖障害を有する被験体を処置するための方法であって、20750調節因子を該被験体に投与し、それによって、該細胞増殖障害を有する被験体を処置する工程を包含する、方法。
- 前記細胞増殖障害が、乳癌、肺癌および結腸癌からなる群より選択される、請求項9に記載の方法。
- 前記20750調節因子が、薬学的に受容可能な処方物において投与される、請求項9に記載の方法。
- 前記20750調節因子が、有機低分子、ペプチド、抗体またはアンチセンス核酸分子である、請求項9に記載の方法。
- 前記20750調節因子が、20750ポリペプチド活性を調節し得る、請求項9に記載の方法。
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