JP2005507919A - 泌尿生殖器経路の病原感染を阻害するためのegfの使用 - Google Patents

泌尿生殖器経路の病原感染を阻害するためのegfの使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、表皮性成長因子(EGF)で病原感染を処理又は防止することに関する。EGFは、種々の組織又は細胞型における病原の病原コロニー化を阻害する能力を有する。病原コロニー化は、病原感染に対して本質的であり、EGFは、特に泌尿生殖器経路における病原感染用の有効な予防及び治療薬として使用することができる。

Description

【技術分野】
【0001】
関連する特許出願
本出願は、2001年10月26日に出願された出願番号60/330,650号の利益を享受する。本発明は、表皮性成長因子で病原感染を処理するか又は防止することに関する。
【背景技術】
【0002】
粘膜表面は湿っており、外部環境と接触する動物の内在的な排出物の内部の内張りであり、例えば、全消化経路(口―鼻の空孔から肛門まで)、気道、尿-生殖器経路、眼の表面、乳房腺、及び前立腺を含む。粘膜表面は、上皮細胞、殆どの場合簡単なカラム上皮又は層状上皮によって覆われており、しばしば粘液を分泌する。外部環境とのその頻繁な接触のため、粘膜表面は病原感染に特に曝されやすい。
【0003】
病原感染は、メカニズムは明らかではないが、病原付着及びコロニー化によって始まる。しかしながら、細菌病原は、効率的な感染を展開するために、典型的に宿主細胞表面へ結合する必要がある。付着とコロニー化の後に、微生物は、コロニー化した表面に増加し、そして/又は宿主細胞へ進行する。病気を引き起こすのに必ずしも十分ではないが、病原と宿主との間のこの感染は、細菌による病気における決定因子である。したがって、病原性コロニー化を阻害することは、病原感染を防止及び/又は処理する効果的方法である。
【0004】
これまでのところ、抗生物質が、病原に対してもっとも広く使用される抗感染剤である。抗生物質は、細菌感染によって引き起こされる病気の兆候を迅速に緩和することができ、細菌成長又は複製の典型的な効率的阻害剤である。しかしながら、抗生物質の過剰使用のために、多くの細菌は、抗生物質への耐性を高め、使用することができる抗生物質の数が劇的に減少している。加えて、抗生物質は細菌に対して効果的であるが、他の病原、例えばウイルスなどによる感染を処理することはまだ困難である。したがって、病原に対する抗感染剤の必要性が存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
表皮成長因子(EGF)は、胃腸経路における病原コロニーを阻害することを示した(U>S.特許No.5,753,622)。EGFが胃腸経路に大量に存在し、生物的活動を多様化していることが良く記載されている。それゆえ、この経路における病原コロニー化のEGFの阻害効果は、EGFが胃腸経路において表皮細胞を特異的に認識し、相互作用することができ、それによって、病原と表皮細胞との間の相互作用を妨害することを示唆する。驚くことに、当方は、EGFは、また、膀胱、腎臓を含むそれらの組織及び器官の型において病原コロニーを阻害することができることを見出した。したがって、当方の知見は、EGFが、広く種々の組織及び器官の型、特に、泌尿生殖器の経路における病原感染に対する効果的な予防法又は治療薬であることを示す。
【0006】
したがって、本発明の一つの側面は、有効的な量の表皮性成長因子(EGF)を動物に投与することからなる動物の泌尿生殖器経路における病原感染を阻害又は処理する方法を提供する。特に、感染は、細菌、酵母、寄生生物又はウイルス感染とすることができる。
【0007】
本発明の別の側面において、病原を同定することができないか、及び/又は感染が、病気又は健康状態において無症状であるが、病気又は健康状態の表皮因子であるEGFを病原感染を治療又は予防するのに使用することができる。特に、病気又は健康状態は、前立腺炎又は膀胱炎である。前立腺炎は、急性細菌性前立腺炎、慢性細菌性前立腺炎、又は慢性突発性前立腺炎とすることができる。好ましくは、前立腺炎は、細菌性前立腺炎(急性又は慢性)である。膀胱炎は、細菌性膀胱炎又は間質性膀胱炎であり、好ましくは細菌性膀胱炎である。
【0008】
表皮成長因子を当該技術におけるいずれの方法によっても投与することができ、好ましくは局所投与又は組織投与、より好ましくは局所投与である。表皮成長因子は、天然EGFと実質的に同一のアミノ酸配列を有するいずれかのポリペプチドとすることができる一方、EGF生物学的活性を有し、好ましくは、天然EGF、EGF51gln51、EGF-D、EGF-X16、HB-EGF、TGF及びその融合タンパク質からなる群から好ましくは選択される。
【0009】
病原感染は、無症状又は症候性とすることができる。感染は、また、病気又は治療状態へ派生することもできる。特に、感染は、傷の次に生じることができる。病原感染に曝されるいずれの傷も本発明において検討される。傷は、好ましくは皮膚又は粘膜表面に局所的である。特に、傷は、やけど、切り傷、刺し傷、潰瘍、裂き傷からなる群から選択される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、病原感染を表皮成長因子(EGF)で治療又は予防することに関する。EGFは、胃腸経路において病原性コロニーを阻害することが示され、この現象は、胃腸経路におけるその豊富な量と一致し、生物活性を多様化している。驚くことに、当方は、膀胱及び腎臓を含む他の組織又は器官における病原コロニーを阻害することもできることを見出した。したがって、当方の知見は、EGFが、広い種類の組織又は器官の型における病原感染に対する効果的な予防又は治療剤であることを示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明を詳細に説明する前に、本出願において使用される用語を他に指示しない限り、以下に定義する。
【0012】
定義
病原感染を「阻害又は治療すること」とは、感染のオンセット後又は病原処理としてのいずれかで感染の程度を減少させることを意味する。感染の程度は、当該技術においていずれかの確立された方法、例えば、感染と関連の有る兆候を観察するか、感染部位に存在する病原を培養し又は計算することによって決定することができる。感染の程度は、好ましくは少なくとも約10%、より好ましくは少なくとも約20%、さらに好ましくは少なくとも約30%、最も好ましく少なくとも約50%まで減少される。
【0013】
病原は、動物に感染することが可能ないずれかの微生物である。病原は、細菌に限定されないが、糸状菌(酵母を含む)、ウイルス及び原生寄生動物を含む。
【0014】
病原感染は、病原によって引き起こされる感染である。感染は状態に言及され、それによって、病原は宿主動物ににおいて増殖し、及び/又は病原産物を生じ、その結果、感染に関連する兆候を生じる。当該病原産物の例は、細菌によって作られる毒素である。
【0015】
「粘膜表面」、「粘膜」は、外部へ開口する、消化経路、呼吸器経路、又は泌尿生殖器経路の体の空孔の上皮である。総ての場合において、粘膜は、濡れているか、湿っていて、分泌物、排尿器粘膜の場合、尿によって湿らされた表面である。総ての粘膜は、緩い結合組織の層がベース膜へ奥行きがある薄膜プロプリアによって直接的に強調される表皮シートからなる。粘膜の細胞組成は変化する。しかしながら、多くの粘膜は階層化された扁平又は簡単な円柱状上皮のいずれかを含む。多くの粘膜は粘液を分泌するけれども、これは、要求されない。消化及び呼吸の経路の粘膜は、大量の保護潤滑粘液を分泌するが、排尿器経路のそれは、分泌しない。粘膜の他の例は、限定されないが、眼の表面、乳房腺、及び前立腺で見出すことができる。
【0016】
「泌尿生殖器経路」は、腎臓、尿管、膀胱、尿道、及び女性と男性の生殖構造を含め泌尿器、生殖器官、及び関連する器官を意味する。女性の動物において、生殖構造は、卵巣、卵管、子宮、子宮頸管、及び膣を含む。男性の動物において、生殖構造は、睾丸、精嚢、精管、前立腺、及びペニスを含む。
【0017】
「傷」は、通常の連続構造の分裂を生じる物理的手段によって引き起こされる身体上の傷である。特に傷として含まれるものは、皮膚又は粘膜表面のやけど、切り傷、刺し傷、潰瘍、裂き傷である。
【0018】
「有効的な量」は、その意図する目的を達成するために十分な量である。例えば、特定の大腸菌感染を阻害又は処理するのに有効的な量は、感染に関わる大腸菌の兆候、又は数を減少させるのに十分な量である。有効的な量は、投与経路、EGFの投与形態、治療すべき動物、病原及び感染の性質などの要因によって変わるであろう。したがって、有効的な量は、当該技術において確立された方法によって経験的に、又は臨床的に決定される必要がある。
【0019】
「表皮成長因子」すなわちEGFは、(1)天然EGFと実質的に同様の配列を持ち、(2)天然EGFの生物学的活性を所有する。天然EGFは、好ましくは哺乳類のEGFである。例えば、天然ヒトEGFは、通常のヒトの唾液腺及び十二指腸において主に合成される53−アミノ酸ポリペプチドである(Carpenter et al, 1979; 米国特許No. 6191,106 )。天然EGFと「同様の実質的配列を有するポリペプチドは、少なくともアミノ酸レベルで天然EGFと少なくとも焼く30%同一である。EGFは、アミノ酸レベルで天然EGFと、好ましくは少なくとも約40%、より好ましくは少なくとも約60%、さらに好ましくは少なくとも約70%、最も好ましくは少なくとも約80%である。天然EGFと「パーセント同一」すなわち「%同一」という語は、2つの配列を合わせたとき、EGFアナログでも見出される天然EGFにおけるアミノ酸配列の割合をいう。パーセント同一は、当該技術で確立された、例えば、LALIGN又はBLASTなどのいずれかの方法又はアルゴリズムによって決定することができる。
【0020】
ポリペプチドは、それが、EGF受容体へ結合する能力を有するか、天然EGFに対して生じたポリクローナル抗体によって認識することができるなら、「EGFの生物学的活性を所有する。好ましくは、ポリペプチドは、受容体結合測定においてEGF受容体へ特異的に結合する能力を有する。
【0021】
したがって、「EGF」という語は、天然のEGFの欠失、挿入、実質的突然変異体であるEGFアナログを含む。EGFとして含まれるものは、いずれかの種の天然EGF、形質転換成長因子(TGF)、又は組み換え修飾EGFである。具体例として、限定されないが、2つのC末端アミノ酸が欠失した組み換え修飾EGF、51の位置でのニュートラルアミノ酸置換(特にEGF51gln51,米国特許出願公開No.20020098178A1)、位置16でのHis残基が、ニュートラル又はアミノ酸で置換されたEGF突然変異体(EGF-X16)(米国特許No.6191106)、天然EGFのアミノ末端残基を欠くEGFの52アミノ酸欠失突然変異体(EGF-D)、N末端残基と2つのC末端残基(Arg-Leu)が欠失されたEGF欠失突然変異体(EGF-B)、位置21でのMet残基が酸化されているEGF-D(EGF-C)、位置21でのMet残基が酸化されているEGF-B(EGF-A)、ヘパリン結合EGF様成長因子(HB-EGF)、又は上記のいずれかからなる融合タンパク質。EGFは、天然EGF又はEGF突然変異体へ加えられる追加のアミノ酸も含むことができる。例えば、EGFフラッグ誘導体は、N末端において8つのアミノ酸フラッグ配列を有し、抗フラッグモノクローナル抗体を含むカラムを使用するアフィニティークロマトグラフィーによって迅速なペプチド精製を可能とする(International Biotechnology Inc.)。他の有用なEGFアナログ、又は変異株は、米国特許出願公開No.20020098178A1号、及び米国特許No.6,191,106及び5,547,935号に記載されている。
【0022】
「胃腸系」とは、胃から全小腸及び大腸を含め大腸までの消化系の部分を意味する。
【0023】
「無症状感染」とは、臨床的兆候なしにいずれかの病原体による感染である。
【0024】
方法
EGFは、胃腸経路の病原感染を阻害又は処理するために使用することができる(米国特許No.5,753,622号)。実施例1に示すように、EGFで予備処理したウサギは、たとえEGFで処理しないウサギに下痢を引き起こす大腸菌を与えたとしても下痢を生じなかった。EGFで処理された群も未処理群より1日早く大腸菌を分泌し、処理された動物の内臓における大腸菌コロニーは、かなりEGFによって減少した。したがって、EGFは内臓の参勤コロニー化を防ぎ、細菌の早期一掃を生じ、それによって動物を細菌感染及び下痢から保護した。
【0025】
同様の保護効果は、胃潰瘍モデルにおいて観察された。実施例2に示すように、潰瘍はラットに誘発させて、EGFを、潰瘍関連ラットの群へ7日後与えた。対照例ラットは、EGFの代りに同量の無菌水を与えられた。比較において、2つの多種多様な抗生物質、ストレプトマイシン及びペニシリンの組み合わせを、第3群に供した。予想されたように、抗生物質処理ラットは、潰瘍部位でのかなり低い細菌コロニーを有し、対照例ラットより早く潰瘍が治癒した。EGF処理ラットにおける細菌の程度も低く、抗生物質処理ラットに匹敵し、EGFが効果的に細菌コロニーを阻害することを示した。この結果と一致して、EGF処理群における潰瘍は、無菌水のみを供した対照例ラットのものよりも早く治癒した。それゆえ、EGFは、胃腸上皮への抗感染及び傷治癒活性を発揮した。
【0026】
EGFの抗感染効果は、直接的細菌成長阻害によって仲介されない。実施例3に示すように、EGFの存在下で培養した細菌は、EGF無しの細菌のものに匹敵した成長率を示した.したがって、EGFは、細菌コロニー及び直接的に細菌成長を阻害することによる感染を阻害せず、EGFは細菌の胃腸経路における上皮細胞への結合、次いでコロニー化をおそらく妨害していることを示唆する。
【0027】
通常にヒトにおいて、大量のEGFは、胃腸経路のルーメンを通じて見出すことができる(Konturek et al)。EGFの臨床投与は、胃腸粘膜DNA、RNA,及びタンパク質含有量におけるかなりの増加を提供し、このEGFの増殖性作用は、胃腸経路内の粘膜状態の維持に貢献すると考えられる。EGFの胃腸経路での他の効果もかなり記録された。例えば、EGFは、幼少期中の膜細胞の増殖及び分化、予備被膜した腸の機能的成熟、及び成熟内臓における上皮増殖を促進する(O’Loughlin et al., 1985; Goodlad et al., 1991; Walker-Smith et al., 1985) 。 EGFは、電解質と栄養素の小腸吸収を高めることも示した(O’Loughlin et al., 1994). これらの結果は、EGFが主として、胃腸経路におけるその機能を発揮することを示唆し、EGFが胃腸上皮への病原の付着を特異的に阻害するという知見を支持する。
【0028】
驚くことに、当方は、EGFは、胃腸経路以外の病原感染を阻害する能力を有する。実施例4及び5に示すように、当方は種々の他の粘膜系を使用してEGFの効果をテストした。この結果は、EGFが膀胱組織及び腎臓上皮細胞において病原コロニーを阻害する能力を有することを示す。したがって、EGFは、以前の予想に反して組織における病原コロニー及び感染を阻害し、それゆえ、広く多様な感染状況において病原感染を防止又は処理するのに使用することができる。さらに、実施例6は、EGFが同様に広く異なる病原の感染に対しても有効であることも示す。
【0029】
したがって、本発明は、有効的な量の上皮成長因子を動物へ投与することからなる動物における病原感染を阻害又は処理する方法を提供する。好ましくは、感染は、腎臓、尿管、膀胱、尿道、前立腺、睾丸、卵巣、卵管、子宮、子宮頸管及び膣を含む泌尿生殖器経路において生じる。
【0030】
本発明は、病因学の要因が病原感染であるが、原因病原を同定することが困難か、又は感染の兆候を検出することが困難な病気又は医学的状態の予防又は処理に特に有用である。例えば、前立腺炎は、効率的に処理するのが時折困難な一般的排尿状態である.総ての男性の半分までもが、生存中にあるとき前立腺炎の兆候から苦しんでいると予想されている。
【0031】
3つの前立腺炎、すなわち、急性細菌性前立腺炎、慢性細菌性前立腺炎、及び慢性特発性前立腺炎が存在する。急性細菌性前立腺炎の培養診断は、直接的である一方、急性細菌前立腺炎は、より安定な病気であり、抗細菌治療の複数種にもかかわらず、前立腺の分泌系における細菌の再発、再発排尿経路感染、持続によって特徴付けられる。他方、慢性特発性前立腺炎は、前立腺分泌、又は栽培上記録された細菌尿における過剰の数の炎症細胞を含むか又は含まないとすることができる。事実、多くの患者からの前立腺分泌は正常のように思える。最近、慢性特発性前立腺炎は、病原感染に関連することが示唆された。種々の細菌は、より低い量の抗酸菌、糸状菌、寄生生物、及びウイルスがこの病気に関連する(Domingue et al., 1998)。EGFは、広い種類の病原の感染を阻害することができるので、たとえ原因となる薬が同定できなくても前立腺を治療するためにEGFを使用するこは理想的である。
【0032】
膀胱炎は、一般に細菌性膀胱炎と間質性膀胱炎の2つの型に分類される膀胱における炎症の状態である。細菌性膀胱炎は、細菌感染から生じ、それゆえEGFは、細菌膀胱炎の処理に理想的な治療剤である。間質性膀胱炎は、本発明も特に有益である不十分に理解された医学状態である。間質性膀胱炎は、女性に多く見られる膀胱状態のタイプである。その診断上の一般に一致した基準は、排尿の頻度、緊急性、及び痛み、低容量の過敏な膀胱、粘膜出血、及び膀胱膨張での分裂である。しかしながら、間質性膀胱炎の診断である具体的な組織病理学の変化はない。80年以上に渡り述べらてきたにもかかわらず、それは、未決定の病因であり、不完全な治療結果のままである。光学顕微鏡、電子顕微鏡、血清学、及び分子生物学工学を使用する研究が、いずれの微生物も一貫して単離されないが、おそらくこの状況において初期の段階で役割を演じることによって、感染が病因学的要因であることが示唆される(Rosamilia et al., 2000)。したがって、EGFは、初期の段階を越えて病気の更なる進行を特に防ぐために間質性膀胱を治療するのに使用することができる。
【0033】
EGFは、別の医学的状態、例えば、傷の苦痛の次に起こる病原感染を防ぐ又は処理するのにも使用することができる。本発明において予想される傷は、典型的に、皮膚又は粘膜表面における傷であり、例えば、やけど、切り傷、刺し傷、潰瘍、裂き傷などを含む。しかしながら、EGFは、病原感染を受けるいずれかの傷に対して有益であるとすることができる。病原感染を防ぐために、EGFが、病原感染のいずれかの指標の前に、傷を負っている対象へ投与することが好ましい。EGFは、当該技術で確立されたいずれかの方法又は経路にしたがって、投与することができる。好ましくは、EGFは、経口的に、傷で又は傷の近くで局所的に投与される。もし病原感染が生じたら、EGFは、なお投与して感染の改善、及び処理をすることができる。
【0034】
天然EGFに加えて、病原性コロニー化を阻害する活性を有するいずれかのEGFアナログも本発明に有益である。天然EGFと実質的に同一の配列及び生物学的活性を所有するいずれのEGFアナログの病原性コロニー化を阻害するための能力をここで記載する方法によって決定することができる。EGFは、その目的と一致する経路を通じて、配合して投与すべきである。例えば、泌尿生殖器感染に対して、EGFは、管内投与、腔内投与を含め、好ましくは局所的に投与される。例えば、EGFは、圧注、溶液、エマルジョン、クリーム、軟膏、ゲル、ペースト、座剤、カテテール移送の形態で投与することができる。EGFは、標的組織におけるEGFの出現を生じるいずれかの方法によって移送することもできる。たとえば、EGFは、系統的に投与又は、EGFの放出を誘導する担体を使用して移送されることができる。当該担体は、限定されないが、EGFをコード化する発現ベクター、遺伝子的に修飾した細菌、酵母、又は特にEGF発現ウイルス、又は遺伝的に修飾した植物又はEGFを発現するそれらの部分を含む。
【0035】
以下の実施例は、本発明を説明するために提供され、本発明の範囲を限定するものとしていかなる方法によっても構築されるべきではない。
【0036】
実施例
以下の例において、以下の略語は次の意味を有する。定義されない略語は、それらの一般的に受け入れられる意味を有する。
℃ = 摂氏
hr or h = 時間
min = 分
μM = マイクロモル
mM = ミリモル
M = モル
ml = ミリリットル
μl = マイクロリットル
mg = ミリグラム
μg = マイクログラム
rpm = 1分当たりの回転数
FBS = 胎児牛血清
FCS = 胎児子牛血清
DTT = ジチオスレイトール
DMEM = ダルベッコ修正イーグル培地
CFU = コロニー形成ユニット
PBS = リン酸緩衝生理食塩水
EGF = 上皮成長因子
PDGF = 血小板生成成長因子
【0037】
実施例1
EGFの腸感染での効果
15匹ニュージーランド白ウサギ(6週齢、500〜700g)を使用する初期の研究は、EGFが大腸菌による腸内コロニー化から動物を守ることができるかの仮定をテストするために行なわれた。動物を3つの群に分けた。すなわち、1)未操作の対照例、2)大腸菌を経口的に感染させた動物、及び3)大腸菌を経口的に感染させて60μgの組み換えヒトEGF(Austral Biological, San Ramon, Calif. 94583)を感染前3日から初めて10日間毎日経口投与を与えた動物である。総ての動物を、体重の増減、食べ物の摂取、大腸菌の直腸通過、下痢の状態を毎日チャックした。結果を表1に要約する。
【表1】
Figure 2005507919
値は、予防注射後7日の群当たり5動物の平均からの平均値±標準誤差であり、[%]は、一掃された細菌の割合である。
1 グラム
2 食事摂取/重量増減
3 ミリグラム/cm
4 Log 10 CFU(結腸近接cmあたり)
【0038】
臨床上、未処理感染動物において、直腸標本は注射後2日で大腸菌に対して+であり、5匹のウサギのうち3匹は、7日までに下痢の症状を示した。対照的に、60μgEGFを毎日投与した感染させた動物は、より早く大腸菌を分泌し、下痢の症状を示さなかった。対照例は、下痢も大腸菌も示さなかった(直腸標本又は検死での腸のいずれにおいても)。対照例と比較して、感染後7日、感染させた動物は、減少した累積体重、低い食事転換効率、及び回腸と結腸近接における減少した粘膜ウエット重量を有した。EGF処理は、結腸近接において62%まで細菌コロニー化を減少させて、回腸及び結腸における粘膜重量を保護し、食事転換効率、重量増減を改善した(表1)。処理し感染させた動物における食事効率及び重量増減は、非感染対照例に匹敵する。
【0039】
実施例2
胃潰瘍の細菌コロニー化でのEGFの効果
胃潰瘍誘発は、潰瘍回復が遅れた潰瘍部位での細菌コロニー化のかなり上昇したレベルを生じた(Elliott et al.、1998)。潰瘍部位での予め存在する細菌コロニー化に対するEGFの効果を調べるために、潰瘍をラット潰瘍モデルを使用して以下のように誘発した。
【0040】
175-200gのオスウィスターラットをCharles River 研究所から得た(St.Constant.PQ,Canada).動物を実験を通じて、潰瘍誘発前18〜24時間の空腹期間中は食事を何も摂取させないこと以外は、標準的なペレット状食事及び飲み水を自由に摂取させた。以前に述べたモデルから修飾した方法を使用して潰瘍を誘発させた(Okabe and Pfeiffer,1972)。少しの間、ハロダン麻酔下、中線閾値を行い、胃を穏やかに体外へ出した。カットされ、滑らかにファイルされた3mlシリンジの容器を、死体領域の胃の漿膜表面に設置した。80%酢酸の1mlの半分(vol/vol)をシリンジの容器に滴下し、1分間胃と接触させて放置し、吸引した後、領域を生理食塩水で穏やかにリンスした。酢酸に曝した領域は、59.7mm3であった。胃潰瘍領域を以下のように決定した。ラットは、子宮頚疾患によって殺され、胃を取り除き、ワックスブロック上でピン止めされた。25mmの紙グリッドを潰瘍のそばに置き、その後撮影した。潰瘍領域を5x引き伸ばし写真を使用して、面積測定によって決定した。画素の潰瘍形成の領域をその後、参照として紙グリッドを使用して平方センチメートルのユニットに変換した。総ての面積測定決定を、観測者がラットが受けた処理を気づかないようにコード化した写真を使用して行なった。
【0041】
潰瘍誘導後7日で、7日処理期間、毎日一度経口的にEGF(1又は100μg/kg)投与して開始した。EGFの担体は、無菌水で、対照例ラットは、EGFの代りに同じ容量の無菌水を供した。比較のために、第三のラットの群を、細菌感染を阻害することで知られる広範囲の抗生物質であるストレプトマイシン(336mg/ml、0.25ml)とペニシリン(168mg/ml;0.25ml)の組み合わせ経口処理を毎日2回供した。7日処理期間の最後に、ラットを、頸部脱臼により屠殺し、胃を潰瘍領域決定のために取り除き組織サンプルを細菌培養用に採取した。EGF処理又は構成物処理したラットから回復した細菌レベルを計算し、対照例群(担体のみ)から回復した細菌の平均数の割合として表現した。
【0042】
結果は以下のようである。7日の処理期間に渡って担体を供したラットは、潰瘍部位で6.5 log CFU/g 組織の平均細菌レベル、潰瘍なしのラットの胃から採取した組織培養から得られたもの(3-4 log CFU/g組織、Elliott et al.,1998) よりかなり高いレベル(P<0.01)を有した。1又は100μg/kgのいずれかでのEGFの投与は、担体単独を供したラットと比較して細菌レベルをかなり減少させた(p<0.01、それぞれ、5.0±0.4及び5.3±0.3log CFD/g 組織。)。ストレプトマイシン/ペニシリンの組み合わせ処理も、潰瘍部位での細菌のコロニー化におけて顕著な減少を示した(4.9±0.3 log CFU/g 組織)。したがって、EGFは胃の潰瘍部位での細菌コロニー化に対するその効果において抗生物質に匹敵した。
【0043】
実施例3
EGFは、細菌成長を直接的に阻害しない。
EGFの細菌成長における効果を試験管内で決定した。3つの細菌分離物をこれらの試験用に使用した。すなわち、1)新鮮なラット排泄物から18時間、37℃でTSBアガロースプレート上で成長させた単一コロニーとして単離したグラム陽性腸球菌faecalis、2)新鮮なラット排泄物から18時間37℃でアガロースプレート上で成長させた単一コロニーとして単離した大腸菌、3)ラットにおいて胃の潰瘍の回復を遅延させることを以前に示した大腸菌のストレプトマイシン耐性株(C-25)(Elliott et al., 1998) 。新鮮な排泄物から単離されたE.faexalis 及び大腸菌は、標準的な細菌同定感受性測定を使用して、獣医病原研究所(Alberta, Edmonton, AB, Canada)によってこのように同定された。総ての細菌ストック培地をMicrobank多孔質ビーズ上に被膜したTSB(Difco Laboratories, Detroit, MI)上で−70℃で貯蔵した(Pro-Labs Diagnostics, Richmond Hill, ON, Canada)。3つの一連の実験において、log 相細菌(103CFU/ml)を、100μl/wellの全体容積においてEGF(対照例)又は10μMEGFのいずれかでTSBを含む96ウエルプレート上のウエルへ分けて加えた。この濃度を、生体内の胃腸細菌に遭遇するEGFレベルより高い末端に影響を与えるように選択し(Gregory,1985)、それは、感染させた動物において経口的EGF投与の同様の実験プロトコールを使用する以前の研究と一致する(Buret,et al,. 1998)。1時間間隔で(0-5時間 予備注射)、各ウエルにおける視覚可能な細菌細胞を、一連の希釈、及びTBSアガロースプレート(球菌用)又はMacConkeyアガロースプレート(ロッド又は大腸菌用)上に18時間、37℃での培養によってカウントした。細菌の数をミリリットル当たりのlog10CFUとして表現した。
【0044】
実施例4
EGFは、梅光組織において大腸菌のコロニー化を阻害する。
1cm2の膀胱組織サンプルをニュージーランド白ウサギから摘出し、24ウエルプレート上に設置した。ウエルの半分は、その後、ヒト組み換えEGFを供した(Austral、Biological、10μM最終濃度)、他の半分は、対照例として使用するため担体、無水PBSを供した。15分後、2×108大腸菌(ヒト泌尿器経路感染K1:08AC:H7)を各ウエルへ加えて、3時間30℃で5%CO2下、900μlDMEM組織培地中で共にインキュベーションした。その後、組織サンプルを無菌PBSで洗浄し、秤量し、ホモジナイズした。大腸菌コロニー化を、一晩インキュベーション後、無菌希釈し、McConkeyアガロースプレート中へスポットプレートすることによって、測定した。
【0045】
結果は、EGF処理が大腸菌による膀胱コロニーを減少させたことを示した。
【表2】
Figure 2005507919
【0046】
これらの結果は、EGFは、膀胱感染において細菌コロニーをかなり阻害することを示す。
【0047】
実施例5
上皮由来の他の細胞でのEGFの効果
牛腎臓上皮細胞(MDBK及びNBL-1)又はヒト腸上皮細胞(CaCo2及びSCBN)での原生寄生生物Cryptosporidium parvumに対するEGFの効果を調べた。細胞は1μMEGF、又は対照例として使用するために担体のみが与えられた。15分後、規制動物を細胞へ加え、コロニー化の程度(寄生生物によって感染した細胞%)を、24時間後に決定した。
【0048】
この結果は、EGFの投与が総ての細胞株においてクリプトスポリジウム属parvumコロニー化をかなり減少させることを示す。したがって、EGFは、腸の上皮細胞及びこの腎臓上皮細胞における他の粘膜系由来の細胞において、抗感染活性を有する。EGFは、この寄生生物クリプトスポリジウム属parvumの場合における細菌以外の病原の感染を阻害する際にも効果を有する。さらに、EGFは、異種に渡り有効であり、ヒト及び牛細胞における病原感染を阻害する。
【0049】
実施例6
EGFの他の細菌及び寄生生物への効果
この実験は、ヒト上皮細胞でのEGFの他の病原、例えば、サルモネラtyphimurium及び大腸菌K-12などのコロニー化の効果を評価するために行なわれた。
【0050】
A.2×10個のサルモネラtyphimurium及び大腸菌K-12を、トランスウエル膜(多孔率3.0μm)上で成長した密集ヒトCaCo2単一層の先端表面に加えた。単一層は、感染前15分間、EGF(100μm又は10μm)又はPBSを供された。予備感染の各時間、膜の下に再度培地を設置し、細菌の経上皮移行率を(CFU/h)を計算した。
【0051】
結果は、100μmのEGFは、最初の大腸菌転位を1時間遅延させ、その後95%以上の侵入率を阻害した。サルモネラtyphmuriumの移行は、100μmEGFで処理された単一層において完全に全廃されて、10μmEGFでは90%以上で阻害された。
【0052】
B.寄生生物でのEGFの効果をさらに調べるために、以下の実験を、アレチネズミにおける寄生生物の感染に対するEGFの効果を決定するために行なった。アレチネズミを200、000個の栄養型(Giardia Lamblia, S2単離)で感染させた。一つの群は、毎日経口的にPBSを供し、その結果は、感染3日から始めて経口的にEGF(100μm/kg)を与えた動物から得られたデータに匹敵した。空腸サンプルを6日予備感染で得て、腸粘膜の栄養型をカウントした。
【0053】
この結果は、EGF処理がジアルジア属lambliaによる胃のコロニー化をかなり阻害することを証明し、以下の表3に要約される。
【表3】
Figure 2005507919
【0054】
当方は、その後、ランブル鞭毛虫症における宿主細胞寄生生物相互作用及びEGFの効果を調べるためにヒト小腸上皮細胞株SCBNを使用した。当方は、G. lambilia が、SCBN細胞の硬い結合ZO-1を破裂させ、傍細胞透過性を顕著に増加させたことを見出した。しかしながら、EGFでの予備処理は、これらの異常を防止し、残存栄養型の細胞への付着を阻害した。
【0055】
C.EGFのヘリコバクター属感染に対する効果も測定した。6〜8週齢のメスc57BL/6マウスをオートクレーブ容器中で飼育し、無菌食及び水を自由に与えた。動物は、ランダムに以下の群、すなわち、1)未感染対照例、2)感染-未処理(担体)、3)感染-EGF処理、の一つへ割り当てられた。動物を、0、2、及び4日間、無菌リン酸緩衝食塩水(PBS)において懸濁させた1×109残存ヘリコバクター属pylori(SS1株)を含む0.2ml接種で経口的に感染させた。未感染動物を無菌PBSのみを供した。感染を、2及び10週間進行させた。
【0056】
殺傷する前に10日間、処理は経口的に毎日投与された。EGF処理動物は、マウス組み換えEGF(無菌PBSにおいて100μg/kg)を供し、偽造処理動物は、無菌PBSを供した。殺傷時点で、組織を以下のようにH.pyloriコロニー化の測定用に胃から収集した。
【0057】
組織サンプルを無菌PBSで1:10(W:V)で希釈し、選択Columbia Blood アガロースプレート(7%熱不活性化ウマ血清、10mg/Lバンコマイシン、5mg/L[名]トリメトプリム、20mg/Lバシトラシン、10mg/Lナリジクス酸、2500IU/lポリミキシンBを含む)上にホモジネートし、無菌的に希釈した、プレートを37℃で[形]微好気性チャンバーにおいて37℃でインキュベーションし、5日後、コロニー形成単位を測定した。
【0058】
結果は、EGFは、H.pyloriの数を劇的に減少させ、感染した動物から単離されたことを示す。したがって、感染処理群は、対応感染未処理群より少ない桁のH.pyloriを生産した。予期したように、未感染対照例は、細菌を生じなかった。したがって、EGFは、病原感染に対してかなり有効である。

Claims (14)

  1. 有効的な量の表皮性成長因子(EGF)を動物に投与することからなる動物の
    泌尿生殖器経路における病原感染を阻害又は処理する方法。
  2. 感染が、尿路感染である請求項1記載の方法。
  3. 感染が、生殖路感染である請求項1記載の方法。
  4. 感染が、膣感染である請求項3記載の方法。
  5. 感染が、粘膜表面の感染である請求項1記載の方法。
  6. 感染が、バクテリア感染、酵母感染、寄生感染、ウイルス感染からなる群から選択される請求項1記載の方法。
  7. EGFが、局所的に投与される請求項1記載の方法。
  8. EGFが、組み換えEGFである請求項1記載の方法。
  9. EGFが、天然EGF、EGF51gln51、EGF-D、EGF-X16、TGF及びHB-EGFからなる群から選択される請求項1記載の方法。
  10. 病原感染が、前立腺炎に関連する請求項1記載の方法。
  11. 前立腺炎が、急性細菌性前立腺炎、慢性細菌性前立腺炎、及び慢性突発性前立腺炎からなる群から選択される請求項1記載の方法。
  12. 前立腺炎が、細菌性前立腺炎である請求項11記載の方法。
  13. 病原感染が、膀胱炎に関連する請求項1記載の方法。
  14. 膀胱炎が細菌性膀胱炎である請求項13記載の方法。
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