JP2005507645A - 標的遺伝子の転写調節 - Google Patents

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Abstract

本発明は、特定の遺伝子転写物の転写を制御し得る誘導性の遺伝子調節配列を同定する方法を記載する。誘導性の遺伝子調節配列を使用する方法もまた、議論される。特に、本発明の遺伝子調節配列は、核酸転写物のインビボでの転写を調節し得る。1つの実施形態において、本発明の方法は、以下の工程:(a)動物被験体の組織に刺激器を挿入する工程;(b)刺激器を用いて拍動性電磁シグナルを付与する工程であって、ここで、組織の少なくとも一部が刺激される、工程;(c)刺激された組織の一部において増強された転写または低減された転写のいずれかを有する遺伝子を同定する工程;および(d)遺伝子の増強された転写または低減された転写に関与する遺伝子調節配列を選択する工程であって、ここで、遺伝子調節配列が、拍動性電磁刺激に応答することが同定される、工程、を包含する。

Description

【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、特定の遺伝子転写産物の転写制御を提供する方法を開示する。このような転写制御に関する1つの特定の用途は、遺伝子治療における用途である。特異的遺伝子調節配列、シグナル伝達デバイス、および転写因子をエミュレートするペプチド、ならびにこれらを用いる方法もまた提供される。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
過去10年の間、研究者は、遺伝子治療関連手順を実施するためのしっかりとした基礎を築き始めた。例えば、哺乳動物における異種遺伝子の長期発現は、組織特異的プロモーターを含むように操作されたウイルスベクターを用いて実証された(その全体が本明細書中に参考として特に援用される、米国特許第6,040,172号)。さらに、行動の改変は、ヒトのパーキンソン病に関する動物モデルにおいて実証された(その全体が本明細書中に参考として特に援用される、米国特許第6,180,613号)。しかし、遺伝子治療が一般的医療的実践となる前に、他の要因が取り組まれなければならない。このような要因の1つは、遺伝子転写産物および/または得られる遺伝子産物の発現調節に関する。
【0003】
例えば、多くの遺伝子治療ストラテジーは、絶えず発現された場合に有害な影響を引き起こすようである遺伝子の発現を含む。従って、調節できない遺伝子転写産物を投与することは、しばしば、受け入れられない。このような場合、調節可能な遺伝子発現系を用いて遺伝子治療を実施することは、他の状態では治療的な遺伝子および/または遺伝子産物の発現を制御するために必要である。現在、調節可能なプロモーター(例えば、メタロチオネインプロモーター、テトラサイクリンでオンになるプロモーター、およびテトラサイクリンでオフになるプロモーター)が利用可能である。不幸なことに、このようなプロモーターは、遺伝子治療に充分に適切なわけでない。なぜなら、これらは、毒性であるか、または長期使用すると毒性になり得るかのいずれかのインデューサー化合物によって制御されるからである。さらに他のものは、特定のインビボでの適用に関して実用的でない。例えば、これらは、血液脳関門を越えることができない。一般的に、遺伝子調節ストラテジーにおいて現在用いられる調節可能なプロモーターは、非常に異なる目的に関して同定/選択されており、それゆえ、これらが遺伝子治療において果たさねばならない特定の役割に関して最適化されていない。
【0004】
それゆえ、特定の組織における刺激に応答する遺伝子調節配列(例えば、プロモーター)を同定するための方法を開発する必要性が存在する。さらに、無毒性であってかつ標的組織に容易に利用され得る、このような遺伝子調節配列の刺激を同定する必要性が存在する。遺伝子治療において使用するための、このような遺伝子調節配列を用いたベクターを開発する必要性が存在する。さらに、新規刺激器および本発明の遺伝子調節配列を用いる遺伝子治療を実施する方法を提供する必要性が存在する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(関連特許出願)
本願は、米国特許法119(e)条の下で、USSN仮特許出願60/292,604(2001年5月22日出願)に対する優先権を主張する。USSN仮特許出願60/292,604は、その全体が、本明細書中に参考として特に援用される。
【0006】
(発明の要旨)
本発明は、インビボで外因性遺伝子の発現を調節するための、特異的刺激器によって制御され得る、特異的遺伝子調節配列を提供する。本発明はさらに、このような遺伝子調節配列を選択するための方法を提供する。1つの実施形態では、この遺伝子調節配列は、特定の場所および/または特定の時間において刺激に応答する。従って、このような遺伝子調節配列は、特定の組織中でおよび/または特定の刺激の投与によって誘導され得る。任意の所定の遺伝子治療ストラテジーに関して、組織および刺激器の種類は好ましくは、その適用前に予め決定される。
【0007】
1つの実施形態では、この遺伝子調節配列は、拍動性電磁シグナル(例えば、刺激)に応答する。特定の実施形態では、この拍動性シグナルは、1〜1000ヘルツのパルス頻度で少なくとも1分間にわたってオンおよびオフされ得る。特定の実施形態では、このパルス頻度は、10〜400ヘルツである。より特定の実施形態では、このパルス頻度は、20〜200ヘルツである。さらにより特定の実施形態では、このパルス頻度は、30〜150ヘルツである。1つの実施形態では、電流は、1マイクロアンペアと50ミリアンペアとの間である。より特定の実施形態では、電流は、10マイクロアンペアと5ミリアンペアとの間である。1つの実施形態では、電圧強度は、1ミリボルトと30ボルトとの間である。より特定の実施形態では、電圧強度は、100ミリボルトと10ボルトとの間である。
【0008】
1つの実施形態では、個々のパルスは、1マイクロ秒〜10秒である。特定の実施形態では、このパルスは、20マイクロ秒〜1秒である。より特定の実施形態では、このパルス幅は、50マイクロ秒〜0.5秒である。さらにより特定の実施形態では、このパルス幅は、90〜180マイクロ秒である。
【0009】
従って、本発明の1つの局面では、拍動性電磁刺激に対して応答する遺伝子調節配列を同定するための方法が提供される。1つのこのような方法は、刺激器を動物被験体の組織に挿入する工程およびこの刺激器を用いて拍動性シグナルを付与する工程であって、ここで、この組織の少なくとも一部が刺激される工程を包含する。次いで、刺激された組織部分において転写が増強されたかまたは減少したかのいずれかの遺伝子が同定され、そしてこの遺伝子の転写の増強または減少に関与する遺伝子調節配列が選択される。従って、この遺伝子調節配列は、拍動性電磁刺激に応答すると同定される。特定の実施形態では、この拍動性電磁シグナルは、双極性刺激器によって提供される。関連の実施形態では、この拍動性電磁シグナルは、単極性刺激器によって提供される。
【0010】
特定の実施形態では、組織の少なくとも一部は、刺激器のシグナルによって刺激されず、そして刺激された組織部分において転写が増強されたかまたは減少したかのいずれかである遺伝子を同定することは、刺激された組織部分における遺伝子転写を、刺激されない組織部分の遺伝子転写と比較することによって実施される。別の実施形態では、第2の刺激器が、刺激されない組織部分に配置される。この型の特定の実施形態では、この第2の刺激器によって拍動性シグナルは付与されない。代替の実施形態では、組織全体が刺激される。
【0011】
本発明の1つの実施形態では、この組織は、神経組織である。特定の実施形態では、この神経組織は、脳組織である。他の実施形態では、この組織は、心臓組織、肝臓組織、または膵臓組織である。この実施形態の特定の実施形態では、膵臓組織は、ランゲルハンス島由来のインスリン産生β細胞を含む。
【0012】
1つの実施形態では、この拍動性電磁シグナルは、磁気シグナルである。この型の特定の実施形態では、この拍動性電磁シグナルは、経頭蓋磁気刺激である。別の実施形態では、この拍動性電磁シグナルは、電気シグナルである。
【0013】
第2の局面では、本発明は、本発明の方法を実施することによって同定された、単離された遺伝子調節配列を特徴とする。1つの実施形態では、この遺伝子調節配列は、拍動性電磁シグナルに応答する。特定の実施形態では、遺伝子調節配列が応答するこの拍動性電磁シグナルは、磁気シグナルである。代替の実施形態では、遺伝子調節配列が応答する拍動性電磁シグナルは、電気シグナルである。関連の実施形態では、この遺伝子調節配列は、本発明の方法によって同定される特定のペプチドに応答する。
【0014】
本発明はさらに、本発明の方法によって同定される遺伝子調節配列の制御下で作動可能に目的の遺伝子を含む哺乳動物宿主細胞における目的の遺伝子のインビボ発現のためのベクターを提供する。特定の実施形態において、このベクターは、拍動性電磁刺激に応答性の遺伝子調節配列を含む転写制御領域に作動可能に連結された目的の遺伝子を含む。1つの実施形態において、拍動性電磁シグナルは、磁気である。別の実施形態において、拍動性電磁シグナルは、電気である。特定の実施形態において、ベクターの転写制御領域の遺伝子調節配列は、組織特異性を示す。特定の実施形態において、ベクターの転写制御領域の遺伝子調節配列は、このベクターについての標的細胞であるように選択される細胞により発現されるタンパク質をコードする遺伝子から得られる。
【0015】
1つの実施形態において、このベクターは、複製欠損ウイルスベクターである。この型の特定の実施形態において、ベクターは、複製欠損単純ヘルペスウイルス(HSV)である。別の実施形態において、このベクターは、複製欠損パピローマウイルスである。なお別の実施形態において、このベクターは、複製欠損エプスタインバーウイルス(EBV)である。さらに別の実施形態において、このベクターは、複製欠損アデノウイルスおよび/または力の弱いアデノウイルスである。なお別の実施形態において、このベクターは、複製欠損アデノ随伴ウイルス(AAV)である。なお別の実施形態において、このベクターは、複製欠損レトロウイルスである。この型の特定の実施形態において、複製欠損レトロウイルスベクターは、エキソビボ遺伝子治療プロトコルにおける使用のために調製される。
【0016】
1つの実施形態において、このベクターの転写制御領域の遺伝子調節配列は、神経組織から得られる。この型のより具体的な実施形態において、この神経組織は、脳組織である。他の特定の実施形態において、この遺伝子調節配列は、心臓組織、肝臓組織、または膵臓組織から得られる。この型の特定の実施形態において、この膵臓組織は、ランゲルハンス島のインスリン生成β細胞を含む。
【0017】
第2の局面において、本発明は、本発明のベクターで形質転換された非ヒト哺乳動物宿主を提供する。好ましくは、このベクターによりコードされる目的の遺伝子の発現は、拍動性電磁シグナルを刺激因子に供することにより調節され得る。特定の実施形態において、この拍動性電磁シグナルは、磁気である。代替的実施形態において、拍動性電磁シグナルは、電気である。好ましい実施形態において、刺激因子はまた、非ヒト哺乳動物宿主に存在する。
【0018】
第3の局面において、本発明は、動物被験体の標的組織にベクターを投与することにより、動物被験体の標的組織に本発明のベクターを送達する方法を特徴とする。好ましくは、ベクターによりコードされる目的の遺伝子の発現は、拍動性電磁シグナルを刺激因子に供することにより調節され得る。1つの実施形態において、この拍動性電磁シグナルは、磁気である。代替的実施形態において、拍動性電磁シグナルは、電気である。特定の実施形態において、標的組織における目的の遺伝子の転写は、電磁シグナルにより刺激される。代替的実施形態において、標的組織における目的の遺伝子の転写は、電磁シグナルにより妨害および/または阻害される。特定の実施形態において、拍動性電磁シグナルは、双極性刺激因子により提供される。関連の実施形態において、この拍動性電磁シグナルは、単極性刺激因子により提供される。
【0019】
第4の局面において、本発明は、ペプチドに応答性の遺伝子調節配列を同定する方法を特徴とする。1つのこのような方法は、ペプチドと細胞とを接触させる工程、および増強された転写または減少された転写のいずれかを有する遺伝子を同定する工程を包含する。増強された遺伝子の転写または減少された遺伝子の転写に関与する遺伝子調節配列が選択される。これらの遺伝子調節配列は、このペプチドに対して応答性であるとして同定される。好ましい実施形態において、このペプチドは、ランダムに生成されたペプチドである。特定の実施形態において、ペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列を有する。より具体的な実施形態において、このペプチドは、3〜40アミノ酸の長さである。より具体的には、このペプチドは、5〜15アミノ酸の長さである。遺伝子調節配列への結合を通じて遺伝子の転写を増強または減少し得るランダムに生成されたペプチドはまた、本発明に含まれる。さらに、これらのペプチドに応答する遺伝子調節配列はまた、このような遺伝子調節配列を含むベクターと同様に、本発明の一部である。
【0020】
第5の局面において、本発明は、本発明のベクターが投与された動物被験体の標的組織における目的の遺伝子の発現を調節する方法を特徴とする。1つのこのような方法は、拍動性シグナルを、この標的組織における目的の遺伝子の転写を調節する刺激因子に供する工程を包含する。この局面の特定の実施形態において、ベクターの遺伝子調節配列による拍動性シグナルの応答は、標的組織における目的の遺伝子の転写を刺激する。代替的実施形態において、この遺伝子調節配列による拍動性シグナルに対する応答は、標的組織における目的の遺伝子の転写を減少させる。この型の好ましい実施形態において、この遺伝子調節配列による拍動性シグナルに対する応答は、標的組織における目的の遺伝子の転写を停止および/または妨害する。
【0021】
第6の局面において、本発明は、パーキンソン病に起因する症状を改善する方法を特徴とする。1つのこのような方法は、パーキンソン病の症状を有する患者の視床下核にグルタミン酸デカルボキシラーゼを投与する工程を包含する。1つのこのような実施形態において、グルタミン酸デカルボキシラーゼは、ベクターを介して患者の視床下核に投与される。1つの特定の実施形態において、このベクターは、拍動性電磁シグナルにより刺激される遺伝子調節配列の制御下で作動可能にグルタミン酸デカルボキシラーゼをコードする核酸を含む。拍動性電磁シグナルは、患者の視床下核に入れられる刺激因子により付与される。この拍動性電磁シグナルは、視床下核においてグルタミン酸デカルボキシラーゼの転写を刺激し、このことにより、パーキンソン病に起因する症状の改善がもたらされる。好ましい実施形態において、このベクターは、複製欠損ウイルスベクターである。特定の実施形態において、このベクターは、ヒトグルタミン酸デカルボキシラーゼをコードする核酸に作動可能に連結されたニワトリβ−アクチンプロモーターを含む(CBA−GAD65ウイルスベクター)。
【0022】
第7の局面において、本発明は、細胞により貯蔵された化合物の放出を調節する方法を特徴とする。好ましい実施形態において、この化合物は、有機低分子である。1つのこのような実施形態において、この化合物は、ホルモンおよび/または神経伝達物質(例えば、エピネフリン、ノルエピネフリン、ドパミン、ドパ、セロトニンおよびGABA)である。
【0023】
この方法の1つの実施形態は、遺伝子調節配列の制御下で作動可能にタンパク質(好ましくは、酵素)をコードする核酸を含むベクターを、動物被験体(好ましくは、ヒト)に投与する工程を包含する。この遺伝子調節配列は、拍動性電磁シグナルにより刺激されるその能力について特異的に選択される一方、このタンパク質は、発現される場合、動物被験体の細胞により実質的に貯蔵される化合物の生成するその能力について特異的に選択される。次いで、刺激因子は、特定のシグナルを適用するために使用される場合に、遺伝子調節配列が応答するように、動物被験体の組織に挿入される。以下に例示する特定の実施形態において、ベクターおよび刺激因子は、視床下核に投与される。次いで、拍動性電磁シグナルは刺激因子に供され、このタンパク質を発現させ、それにより化合物の生成を刺激し、続いて、細胞によりこの化合物が貯蔵される。その後、第2の拍動性電磁シグナルは、刺激因子に供され、これは、貯蔵された化合物の細胞からの放出を調節する。以下の実施例4において、この化合物は、GABAである。第2の拍動性電磁シグナルは、低頻度で行われる場合、細胞は、GABAの放出を増大するように刺激されるのに対し、第2の拍動性電磁シグナルが高頻度で行われる場合、細胞は、GABAの放出を減少(および/またはブロック)するように刺激される。
【0024】
従って、本発明は、拍動性電磁シグナルに応答する遺伝子調節配列を提供し、それらの制御下で作動可能に核酸の転写を容易にするように、拍動性電磁シグナルにより刺激される。拍動性電磁シグナルの制御下で作動可能に核酸の転写を妨害することにより、またはその制御下で作動可能に核酸の転写を防止することにより、拍動性電磁シグナルに応答する遺伝子調節配列もさらに提供される。
【0025】
本発明は、本発明の方法により同定される遺伝子調節配列の制御下で作動可能である核酸を含むベクターおよび複製欠損ベクターを提供する。
【0026】
さらに、本発明は、本発明の方法により同定される遺伝子調節配列の制御下に置くことにより、インビボで選択された核酸の転写を調節する(転写のスイッチを切ることを含む)方法を提供する。
【0027】
さらに、本発明は、本発明の遺伝子調節配列の制御下で作動可能な治療核酸を含む複製欠損ウイルスベクターを使用して遺伝子治療を行う方法を提供する。
【0028】
(発明の詳細な説明)
本発明は、特異的刺激器によってアップレギュレートおよび/またはダウンレギュレートされ得る(好ましくはオンおよび/またはオフにされ得る)特異的遺伝子調節配列を用いることによって、異種遺伝子の転写をインビボで制御するための方法を提供する。さてに提供されるのは、これらの遺伝子調節配列の制御下に作動可能にある目的の遺伝子を含む特異的発現カセット、および標的細胞にこれらの発現カセットを送達する方法である。この送達方法は、標準的トランスジェニック技術(例えば、トランスフェクションおよび形質導入)を用いることを含む。この発現カセットは、ウイルスベクターおよび非ウイルスベクターの両方に含まれ得る。この遺伝子調節配列は、規定の刺激の後、特定の組織における遺伝子発現パターンをスクリーニングすることに基づいて、特徴付けられ得る。特定の実施形態では、この発現カセットの送達は、神経系に対してであり、そしてこの遺伝子調節配列は、神経系において調節されるその能力について選択される。
【0029】
本発明は、生理学的刺激に応答する遺伝子治療のために遺伝子の発現を制御するために、遺伝子調節配列を同定するための方法を特徴とする。1つのこのような実施形態では、生理学的刺激が施され、そしてメッセンジャーRNAが、細胞または組織から抽出される。次いで、マイクロアレイ分析(例えば、その全体が本明細書中に参考として特に援用される、米国特許第6,215,894号および米国特許第6,004,755号を参照のこと)は、生理学的刺激に応答して発現が増大した遺伝子を同定するために実施され得る。次いで、これらの遺伝子由来の遺伝子調節配列は、(例えば、PCRまたはゲノムライブラリースクリーニングによって)同定および/または単離され得る。次いで、この遺伝子調節配列は、目的の遺伝子の発現を制御するために、発現カセット中に挿入され得る。次いで、この生理学的刺激を用いて、目的の遺伝子の発現を制御し得る。
【0030】
マイクロアレイ分析以外の方法としては、ディファレンシャルディスプレイ(例えば、その全体が本明細書中に参考として特に援用される、米国特許第6,045,998号および米国特許第5,599,672号を参照のこと)、差引きmRNAハイブリダイゼーション(例えば、その全体が本明細書中に参考として特に援用される、米国特許第5,958,738号および米国特許第5,525,471号を参照のこと)、ペプチドアレイ、二次元タンパク質ゲル電気泳動および関連ペプチドの微量配列決定が挙げられ得るがこれらに限定されない。
【0031】
刺激としては、電気刺激、磁界、熱刺激もしくは冷刺激、ペプチド注入もしくはタンパク質注入、化学物質注入もしくは薬物注入、電離放射線、マイクロ波または超音波が挙げられ得るがこれらに限定されない。
【0032】
遺伝子調節配列(例えば、プロモーターまたは遺伝的応答配列/エレメント)は、特定の刺激に対する標的組織中の内因性細胞遺伝子の応答に基づいて選択され得る。一旦同定されると、その遺伝子調節配列は、その後、その標的組織中の任意の目的遺伝子の発現を制御するために、遺伝子治療ベクター中に挿入され得る。
【0033】
その哺乳動物神経系は、特定の遺伝子に転写を誘導することによって、環境条件(居住条件(paradigm)および富裕条件(paradigm)を含む)に応答し(Youngら(1999)Nat.Med.5:448〜53およびRamponら(2000)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.97:12880〜12884)、経頭蓋磁気刺激に応答し(Fujikiら(1997)Brain Res.Mol.Brain Res.44:301〜308;Mullerら(2000)Neuropsychopharm.2:205〜15;ならびにHausmannら(2000)Brain Res.Mol.Brain Res.76:355〜62)に応答し、そして外因性化合物およびペプチドの末梢投与に応答する。
【0034】
多数のタンパク質の発現が、ラットにおいて高頻度TMSに応答性であることが見出されており、このタンパク質発現としては、神経膠酸性筋原線維タンパク質(GFAP)発現(Fujikiら(1997)(前出))、c−fos発現、脳由来神経栄養因子(BDNF)発現およびコレシストキニン(CCK)発現(Mullerら(2000)(前出)、およびHausmannら(2000)(前出))が挙げられる。これらの遺伝子の遺伝子調節配列は、本発明の方法によって発現カセット中で使用され得る。
【0035】
本発明の1つの特定の局面は、本質的にすべてのペプチド(例えば、好ましくは、3〜40アミノ酸残基、より好ましくは5〜15アミノ酸残基)を、特定の遺伝子を選択的にアップレギュレートおよび/またはダウンレギュレートする(好ましくは、オンおよび/またはオフにする)ために使用することである。従って、本発明は、任意の所定のペプチドによりアップレギュレートおよび/またはダウンレギュレートされる(好ましくは、オンおよび/またはオフにされる)遺伝子を、同定/マッピングする方法を提供する。
【0036】
特に、下記実施例3において、NMDAレセプターをコードする遺伝子、F3コンタクチンをコードする遺伝子、およびMAP−2をコードする遺伝子が、新規なペプチドに応答してアップレギュレートされることが示される。従って、これらの遺伝子の5’プロモーター領域由来の遺伝子調節配列が、その遺伝子スイッチの構成成分として提供される。最初に、単離されたプロモーターが、マーカー遺伝子(例えば、グリーン蛍光タンパク質(例えば、本明細書中に参考として全体が特に援用される、米国特許第5,625,048号、WO97/26333およびWO99/64592を参照のこと)またはルシフェラーゼの上流にクローニングされ得、これは、その後、そのペプチドの末梢投与に対する応答性をさらに特徴付けるために使用され得る。その後、重要な神経タンパク質(例えば、チロシンヒドロキシラーゼ、DARP−32など)が、例えば、遺伝子治療のために、マーカータンパク質の代わりに挿入され得る。
【0037】
同様に、CREをコードする遺伝子、p53をコードする遺伝子、AP−1をコードする遺伝子、SREをコードする遺伝子、NF−κBをコードする遺伝子、SRFをコードする遺伝子、Splをコードする遺伝子に由来する、複数の遺伝子調節配列(例えば、3〜10コピーのその応答エレメントを使用する)を含む合成プロモーター構築物が、ルシフェラーゼcDNAおよびGFP cDNAの上流にまず配置され得る。これらの発現カセットは、AAV cisプラスミド中にクローニングされ得、そして例えば、rAAV−RE(遺伝子応答エレメント)−luc/GFPを作製するために使用され得る。1つのそのような発現ベクター(rAAV−Cre−luc)が、すでにパッケージングされ、そして一群のラット中に首尾良く注入されている。本発明は、適用された刺激に依存して、所定のトランスジーンをアップレギュレートし得るかまたはそのトランスジーンをダウンレギュレートし得るかのいずれかである合成応答エレメントを作製するために使用され得る、応答エレメントの「カクテル」をさらに提供する。
【0038】
ベクターとしては、アデノウイルスベクター(組換えベクターおよび「無気力な(gutless)」ベクター)、単純ヘルペスウイルスベクター(組換えベクターおよびアンプリコン)、アデノ随伴ウイルスベクター、レンチウイルスベクター、レトロウイルスベクター、合成ウイルスベクターまたは非ウイルスベクター(リポソームおよびプラスミドベースの系を含む)が挙げられ得るが、これらに限定されない。好ましくは、そのウイルスベクターは、生殖欠損ウイルスベクターである。
【0039】
外部刺激に応答性であることが同定された内因性プロモーターのいくらかの部分を含む、キメラプロモーターまたは遺伝子応答エレメントもまた、本発明の一部であることにも留意すべきである。
【0040】
(定義)
本明細書中で使用される場合、用語「遺伝子」とは、ポリペプチドをコードするヌクレオチドの集合を指し、cDNA核酸およびゲノムDNA核酸を含む。遺伝子は、天然のゲノムDNA中に存在するイントロンおよび調節配列(例えば、プロモーター)のすべてを含む、天然に存在する遺伝子に必ずしも相当しない核酸である。むしろ、特定のタンパク質をコードする遺伝子は、そのタンパク質についての対応するコード配列だけを最小限含み得る。
【0041】
本明細書中で使用される場合、「プロモーター配列」は、細胞中のRNAポリメラーゼに結合し得かつ下流の(3’方向の)コード配列の転写を開始し得る、DNA調節領域である。本発明を規定するために、そのプロモーター配列は、その3’末端にて転写開始部位と境を接しており、そしてバックグラウンドを超える検出可能なレベルで転写を開始するために必要な最小数の塩基またはエレメントを含むまで上流(5’方向)に広がる。そのプロモーター配列中には、転写開始部位(例えば、S1ヌクレアーゼを用いてマッピングすることによって簡便に規定される)ならびにRNAポリメラーゼの結合を担うタンパク質結合ドメイン(コンセンサス配列)が見出される。
【0042】
本明細書中で使用される場合、転写制御配列および翻訳制御配列は、宿主細胞中でコード配列の発現を提供する、DNA調節配列(例えば、プロモーター、エンハンサー、ターミネーターなど)である。真核生物細胞において、ポリアデニル化シグナルは、制御配列である。
【0043】
「発現制御配列」は、別のDNA配列の転写および翻訳を制御および調節する、DNA配列である。コード配列は、RNAポリメラーゼがそのコード配列を前駆体RNAへと転写し、その後、その前駆体RNAがトランスRNAスプライシングされてmRNAを生じ、そのコード配列によりコードされるタンパク質へと翻訳される場合に、細胞中の転写制御配列および翻訳制御配列の「制御下に作動可能にある」。
【0044】
ヌクレオチド配列は、遺伝子調節配列が、そのヌクレオチド配列の転写を制御および/または調節する場合に、その遺伝子調節配列の「制御下に作動可能にある」。その遺伝子調節配列は、そのヌクレオチド配列に「作動可能に連結」されているとも言われ得る。
【0045】
本明細書中で使用される場合、「遺伝子調節配列」は、(a)ヌクレオチド配列の転写を制御および/または調節するようにシスで作用し、そして(b)そのヌクレオチド配列の転写を促進および/または阻害するように調節刺激によりトランスで作用を受け得る、核酸である。従って、誘導性プロモーターは、遺伝子調節配列である。さらに、ヌクレオチド配列の転写を、単独でかまたは別のプロモーターもしくはそのフラグメント(例えば、キメラプロモーター)と組み合わせかのいずれかで制御および/または調節する能力を保持または保有する、プロモーターの部分(例えば、フラグメント/エレメント)もまた、遺伝子調節配列である。そのようなフラグメントとしては、応答エレメント(遺伝的応答エレメント)およびプロモーターエレメントが挙げられる。
【0046】
本明細書中で使用される場合、「発現カセット」は、遺伝子調節配列の制御下に作動可能にある、転写されるべきヌクレオチド配列(例えば、コード配列)を最小限含む核酸である。
【0047】
「シグナル配列」は、そのコード配列の前に含まれ得る。この配列は、そのポリペプチドのN末端側にシグナルペプチドをコードし、このシグナルペプチドは、そのポリペプチドを細胞表面へと導くかまたはそのポリペプチドを培地中に分泌するように宿主細胞に伝達し、このシグナルペプチドは、そのタンパク質が細胞を離れる前に宿主細胞により切り離される。シグナル配列は、原核生物および真核生物に自然に存在する種々のタンパク質に関連して見出され得る。
【0048】
本明細書中で使用される場合、「dvv」と略される「欠損ウイルスベクター」は、複製および/またはパッケージングされるためには、欠損している少なくとも1つの核酸の発現および/または転写を必要とするウイルスベクターである。好ましくは、そのdvvは、複製欠損ウイルスベクターである。
【0049】
本明細書中で使用される場合、「異種遺伝子」は、ベクターまたは細胞中に配置されている、そのベクター中にも細胞中にも天然では存在しない遺伝子である。
【0050】
本明細書中で使用される場合、遺伝子は、その遺伝子が特定のベクターまたは細胞によってコードされない場合に、「外因性遺伝子」である。
【0051】
本明細書中で使用される「ベクター」は、細胞への核酸(例えば、遺伝子)の効率的移入を容易にする遺伝子構築物である。ベクターの使用は、その細胞中でのその核酸の転写および/または発現も容易にし得る。ベクターの例としては、プラスミド、ファージ、アンプリコン、ウイルスおよびコスミドが挙げられ、これらに、結合したセグメントの複製をもたらすように別のDNAセグメントが結合され得る。
【0052】
本明細書中で使用される場合、「拍動性」刺激とは、単位時間あたり1回より多くの拍動(好ましくは、一連の拍動)が、規定される拍動幅にて生成される刺激である。単位時間あたりの拍動数は、その周波数と呼ばれ、ヘルツ(Hertz)で示され得る。
【0053】
本明細書中で使用される場合、「拍動幅」とは、1つの拍動が持続する時間の長さである。
【0054】
本明細書中で使用される場合、「有機低分子」とは、3キロダルトン未満、好ましくは1.5キロダルトン未満の分子量を有する、有機化合物または無機化合物(金属)複合体化有機化合物である。
【0055】
(遺伝子治療)
本発明の遺伝子調節配列を用いて、ヒト細胞を含む任意の細胞における遺伝子転写を調節し得る。しかし、本発明の遺伝子調節配列を用いて、他の哺乳動物(例えば、げっ歯類(マウス、ラット、ウサギ、ハムスターおよびモルモット);家畜動物(例えば、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ウマおよびウシ);家庭用愛玩動物(例えば、ネコおよびイヌ)、高等霊長類(例えば、サル)、および類人猿(例えば、ヒヒ、チンパンジーおよびゴリラ))の細胞における遺伝子転写を調節し得る。
【0056】
本発明の遺伝子調節配列は、目的の任意の異種核酸(好ましくは、タンパク質をコードするもの)に作動可能に連結され得る。実際、任意のタンパク質は、本発明の遺伝子調節配列の制御下で作動可能に異種核酸によりコードされ得る。数個のこれらのタンパク質および、特に、状態および/または疾患におけるこれらの役割の短いリストを、以下の表3に含める。しかし、このリストは、選抜きの任意の核酸の発現を調節する能力を提供する本発明の一般的な方法論を制限すべきではない。さらに、本発明の発現カセットは、各々異なるタンパク質をコードし、かつ全てが同じ遺伝子調節配列の制御下にある、複数の核酸を含むように構築され得る。あるいは、異なる核酸が、異なる遺伝子調節配列の制御下で配置され得る。例えば、2つの遺伝子調節配列(一方は、拍動性電磁シグナルを用いて処置される場合転写を刺激し、そして他方は、同じ条件下で転写を妨げる)の使用を用いて、1つのコード配列を1つの遺伝子調節配列に作動可能に連結し、その他のコード配列をその他の遺伝子調節配列に作動可能に連結することによって、同時に2つの異なる遺伝子の発現を制御し得る。例えば、インスリンおよびグルカゴンの発現は、この様式で制御され得る。あるいは、複数の発現カセットを用いて、複数の異なるタンパク質をコードし得る。
【0057】
【表3】
Figure 2005507645
1つの特定の例において、本発明の遺伝子調節配列の制御下で作動可能にインスリンをコードする核酸を含む欠損ウイルスベクターを用いて、インスリン依存性糖尿病を処置するために、インビボで膵臓を形質転換し得る。例えば、脈動電磁シグナルが刺激器により提供される時に、遺伝子調節配列を誘導して転写を刺激する場合、インスリンの発現は制御され得、そしてインスリン依存性糖尿病が処置され得る。本発明のベクターは、インビトロ、エキソビボ、およびインビボで送達され得る。
【0058】
遺伝子調節配列がウイルスベクターに含まれる場合、送達は、例えば、以前に例示されるように、脳への定位固定注入によってか(米国特許第6,180,613号(本明細書中でその全体が特に参考として援用される))、または心臓を処置するために動脈に対するガイドカテーテルを介して(米国特許第6,162,796号(本明細書中でその全体が特に参考として援用される))行われ得る。さらに、本発明のベクターはまた、特定の適用について、静脈内送達、脳室内送達、および/または鞘内送達され得る。投与のさらなる経路は、直接的視覚下のベクターの局所適用(例えば、浅層皮質適用、または他の非定位適用)であり得る。
【0059】
特定の型の細胞に対するベクターの標的化のために、ベクターを、細胞の表面レセプターに特異的に結合するホーミング剤と会合させる必要があり得る。従って、ベクターは、特定の神経系細胞がレセプターを有するリガンド(例えば、エンケファリン)、または表面特異的抗体に結合体化され得る。結合体化は、共有結合性であり得るか(例えば、グルタルアルデヒドのような架橋剤)、または非共有結合性であり得る(例えば、ビオチン化ベクターに対するアビジン化リガンドの結合)。
【0060】
さらに、本発明の、ヘルパーを含まない欠損ウイルスベクターは、Andersonら(米国特許第5,399,346号(本明細書中でその全体が特に参考として援用される))により例示されるように、エキソビボで送達され得る。
【0061】
あるいは、ベクターは、リポフェクションにより導入され得る。リポソームは、核酸のカプセル化および核酸のトランスフェクションのために用いられ得る。リポソーム媒介トランスフェクションで遭遇する困難性および危険性を制限するように設計された合成カチオン性脂質を用いて、マーカーをコードする遺伝子のインビボトランスフェクションのためのリポソームを調製し得る(Felgnerら(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:7413−7417;Mackeyら(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A. 85:8027−8031もまた参照のこと)。カチオン性脂質の使用は、負に荷電した核酸のカプセル化を容易にし得、そしてまた、負に荷電した細胞膜との融合を容易にし得る(Felgnerら(1989)Science 337:387−388)。外来遺伝子を特定の器官にインビボで導入するためのリポフェクションの使用は、特定の実践的な利点を有する。特定の細胞に対するリポソームの分子標的化は、利点の1つの範囲を表す。特定の細胞型に対するトランスフェクションを指向することは、細胞の不均一性を有する組織(例えば、膵臓、肝臓、腎臓、および脳)において特に有利であることが明らかである。脂質は、標的化の目的のために他の分子に化学的にカップリングされ得る(Mackeyら(1988)前出)。
【0062】
裸のDNAプラスミドとしてベクターを導入することもまた可能である。遺伝子治療のための裸のDNAベクターは、当該分野で公知の方法(例えば、トランスフェクション、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、形質導入、細胞融合、DEAEデキストラン、リン酸カルシウム沈降、遺伝子銃の使用、DNAベクタートランスポーターの使用(例えば、Wuら(1992)J.Biol.Chem.267:963−967;Wuら(1988)J.Biol.Chem.263:14621−14624;Hartmutら、カナダ国特許出願番号2,012,311号(1990年3月15日出願)を参照のこと))により、所望の宿主細胞に導入され得る。
【0063】
本発明のエキソビボでの方法において、本発明の遺伝子調節配列は、哺乳動物レシピエントへと移植される宿主細胞に送達される。この宿主細胞は、哺乳動物レシピエントに対して、内因性または外因性であり得る。用語「移植細胞」は、レシピエント被験体へとグラフト、インプラント、または移植される成分(例えば、組織または細胞)を広くいう。本明細書中で用いられる場合、用語「移植」とは、ある被験体の1つの部分から、同じ被験体の別の部分または別の被験体に、組織または細胞を移すまたはグラフトすることをいう。移植した組織は、同一の組成の、またはドナー生物由来の、またはインビトロ培養物由来の細胞の収集物を含み得る。移植細胞への本発明の遺伝子調節配列の送達は、当該分野で公知の方法および上記の方法(例えば、プラスミドとして、ベクターの一部として;注入、リポフェクションなどによって)のいずれかによって達成され得る。
【0064】
種々の分離した細胞が、肝臓のような組織または器官の単離および移植のための標準的な技術を用いて移植され得る。例えば、米国特許第6,281,015号(本明細書中で特に参考として援用される)を参照のこと。
【0065】
(トランスジェニック動物)
トランスジェニック動物モデルは、本発明の遺伝子調節配列の制御下で作動可能に核酸を含むように調製され得る。例えば、ウイルスベクター、またはコスミドクローン(もしくはファージクローン)を含む遺伝子導入ベクターが構築され得る。コスミドは、開示されている手順(Jaenisch(1988)Science 240:1468−1474)を用いてトランスジェニックマウスに導入され得る。
【0066】
従って、本発明は、さらに、本発明の遺伝子調節配列の制御下で作動可能に1つ以上の異種遺伝子を含む、トランスジェニック動物、ノックイン動物、およびノックアウト動物を提供する。これらの動物は、薬物スクリーニングアッセイの動物モデルとして使用され得る。1つのこのような例では、薬物は、特定の遺伝子の種々の「制御下された」発現レベルの下で、または特定の遺伝子の発現を誘導する前および/または後の種々の時間で、加えられ得、特定の状態に対する薬物の効果のより多くの詳細な調査を可能にする。特定の実施形態では、トランスジェニック動物、ノックイン動物、またはノックアウト動物は、マウスである。本発明の誘導性のノックアウト動物、ノックイン動物、および/またはトランスジェニック動物由来の細胞もまた、本発明の一部である。これらの細胞はまた、例えば、薬物アッセイにおいて用いられ得る。
【0067】
トランスジェニック動物は、上記の遺伝子治療技術を通じてか、または核酸の、例えば、胚性幹細胞または動物接合体(例えば、本発明の遺伝子調節配列の制御下で作動可能な核酸を含む、細菌の人工染色体(BAC))へのマイクロインジェクションにより得られ得る。BACのマイクロインジェクションは、ラット、ウサギ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、およびウシを含む多数の動物において成功していることが示されている(Transgenic Animals Generation and Use(1997)L.M.Houdebine編、Harwood Academic Publishers,The Netherlands)。相同組換えを通じて特定の核酸をコードする、BACまたは他のDNA(例えば、バクテリオファージP1由来の人工染色体(PAC))を構築する方法は、最近、非常に詳細に記載されている(Heintzら(1998)PCT/US98/12966(本明細書中で特に、その全体が参考として援用される))。あるいは、酵母人工染色体(YAC)が用いられ得る。
【0068】
(リボザイムおよびアンチセンス)
アンチセンス核酸は、特定のmRNA分子の少なくとも一部に相補的である、DNA分子またはRNA分子である(Weintraub(1990)Sci.Amer.262:40−46;Marcus−Sekura(1987)Nucl.Acid Res,15:5749−5763;Marcus−Sekura(1988)Anal.Biochem.172:289−295);Bryschら(1994)Cell Mol.Neurobiol.14:557−568を参照のこと)。好ましくは、使用されるアンチセンス分子は、mRNAの実質的な部分に相補的である。細胞内で、このアンチセンス分子は、そのmRNAにハイブリダイズし、二本鎖分子を形成する。細胞は、この二本鎖形態のmRNAを翻訳しない。従って、アンチセンス核酸は、mRNAのタンパク質への発現を阻害する。このようなRNA/DNA二重鎖がRNaseHの好ましい基質であるので、好ましくは、DNAアンチセンス核酸が使用される。
【0069】
約15ヌクレオチドより大きいオリゴマー、およびAUG開始コドンにハイブリダイズする分子は、特に有効である。アンチセンス方法は、インビトロ(Marcus−Sekura(1988)前出;Hamborら(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85:4010−4014)およびインサイチュ(Arimaら(1998)Antisense Nucl.Acid Drug Dev.8:319−327;Houら(1998)Antisense Nucl.Acid.Drug Dev.8:295−308)で多くの遺伝子の発現を阻害するために使用された。
【0070】
リボザイムは、DNA制限エンドヌクレアーゼに幾分類似の様式で、他の1本鎖RNA分子を特異的に切断する能力を有するRNA分子である。リボザイムは、特定のmRNAが、それら自身のイントロンを切り出す能力を有することの観察から、発見された。これらのリボザイムのヌクレオチド配列を改変することによって、研究者らはRNA分子中の特定のヌクレオチド配列を認識し、そしれこれを切断する分子を操作し得た(Cech(1988)JAMA 260:3030−3034;Cech(1989)Biochem.Intl.18:7−14)。これらリボザイムは配列特異的であるので、特定の配列を有するmRNAのみが不活性化される。
【0071】
本発明者らは、テトラヒメナ型および「ハンマーヘッド」型の2つの型のリボザイムを同定した(Haselhoffら(1988)Nature 334:585−591)。テトラヒメナ型リボザイムは、4塩基の配列を認識するが、「ハンマーヘッド」型は11塩基〜18塩基の配列を認識する。認識配列が長くなると、認識配列が標的mRNA種において排他的に出現する可能性がより高まる。従って、ハンマーヘッド型リボザイムは、特定のmRNA種を不活性化させるために、テトラヒメナ型リボザイムより好ましく、そして18塩基の認識配列がより短い認識配列よりも好ましい。
【0072】
アンチセンス核酸および/またはリボザイムはまた、本発明の遺伝子調節配列の制御下に作動可能に配置され得る。ベクター(例えば、ウイルスベクター)中に配置されて、そして適切に投与される場合、このような発現カセットを使用して、細胞、組織または動物被験体において、特定のタンパク質の発現を選択的に調節し得る。この場合、遺伝子は転写されるが、発現されることを選択的に妨げられるので、この手順は、上記のタンパク質をコードする遺伝子の転写を調節することに相補的である。例えば、本明細書中で開示される方法論によって、敗血症性ショック、らい病または結核において惹起する腫瘍壊死因子αの過剰発現を防止する、アンチセンス核酸またはリボザイムの投与が、特に有益であり得る。
【0073】
(特定の実施形態)
本発明の例示として提供される、以下の非限定的な実施例を参照することによって、本発明をよりよく理解し得る。以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態をより完全に例示するために提示される。しかし、これら実施例は、決して本発明の広範な範囲を限定するように理解されるべきではない。
【0074】
異種性遺伝子の発現を調節する1つの方法は、誘導性プロモーターの制御下にこの遺伝子を作動可能に配置することである。不運なことに、インビボに対してインビトロで試験された場合、プロモーター活性および遺伝子発現の根本的な相異があるので、通常使用される誘導性プロモーターの大部分は、生きている動物においてよりもむしろ培養細胞において遺伝子発現を制御するように最適化された。例えば、組織培養におけるアストログリア細胞の電気刺激は、近年、誘導性hsp70プロモーター(hsp70)の制御下で、マーカー遺伝子の発現を誘導することが示された(Pelham(1982)Cell 30:517−528;Yanagidaら(2000)J.Biotechnology 79:53−61)。しかし、このhsp70プロモーターは、化学的毒性、熱ストレス、および虚血を含む種々のストレスに非特異的に応答し、そしてこのhsp70プロモーターが適用された電気刺激に特異的に応答したことを示す直接的な証拠が存在しなかった。さらに、組織培養に置いたアストログリア細胞は、分裂することを必要とされるのに対して、これら細胞は通常は、脳内のネイティブな状態では分裂を受けない。従って、インビボでhsp70プロモーターが脳の電気刺激によっては影響を受けないことを見出すことは、驚嘆するべきことではない(実施例1)。
【0075】
以下に記載の実験の前に、異種性タンパク質のインビボでの発現を制御するための電気刺激の使用は、実証されなかった。従って、異種性タンパク質(ルシフェラーゼ)をコードする核酸を、電気刺激に応答する遺伝子調節配列(すなわち、ヒトグリア細胞酸性線維タンパク質遺伝子の2.2kbの5’フラグメント)の制御下の発現カセットに配置した。次いで、この発現カセット(組換えウイルスベクターのrAAV−GFAP−Luc)を、動物被験体に送達(すなわち、注入)した。電気刺激を適用し、そしてルシフェラーゼ活性を、摘出された海馬において測定した。
【0076】
実施例2に記載されるように、電気刺激器を脳内に挿入して、発現ベクター(例えば、ウイルスベクター)中に含まれる異種性遺伝子の発現を制御し得る。通常は、神経刺激または脳刺激が神経の興奮(firing)活性を変化させるために、種々の刺激器を使用するが、これら装置は、遺伝子発現制御するためには全く使用されていない。
【0077】
実施例3は、ラットへの鼻腔内のペプチド注入を示し、続いて、種々の脳の領域における遺伝子発現の変化を分析した。
【0078】
パーキンソン病は、黒質線状体経路の消失によって特徴付けられる神経変性障害であり、そして尾状核−被殻(putamen)においてドーパミン伝達を促進する処置に応答性である(Yahrら(1987)Parkinson’s Disease(Raven Press);Yahrら(1969)Arch.Neurol. 21:343−54)。黒質の片側性6−ヒドロキシドーパミン損傷を、樹立されたパーキンソン病のげっ歯類モデルを作製するために使用した。
【0079】
電気生理学的研究によって、視床下核(STN)が黒質(SN)との顕著な興奮性接続を有することを実証している。パーキンソン病(PD)において、視床下核は過剰反応し、そしてこの過剰反応性は、視床下核におけるドーパミンニューロンの進行性の変性、および振せん、硬直および運動緩徐のようなパーキンソン病の通常の特徴へと導く。以下の実施例4に記載されるように、視床下核から黒質への興奮性投射路を、阻害性投射路へと変化させることは、パーキンソン病の関連症状を緩和させる。
【実施例】
【0080】
(実施例)
(実施例1.調節遺伝子に対する電気刺激の使用)
(材料および方法:) ラット:Male−Sprague−Dawley系統、Fisher系統、Wistar系統およびLewis系統のラットを、全ての実験で用いた。
【0081】
(経頭蓋磁気刺激:) ヒトの2.2kbの神経膠酸性線維性タンパク質(GFAP)プロモーター由来の遺伝子調節配列の制御下で、ルシフェラーゼ導入遺伝子を発現するアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを、青年期の雄ラットの左海馬後部に定位的に注射した。4週間後、ラットのグループを、ランダム化して、トランス(30列、各々10秒の持続時間)として送達される、刺激器による活性化なし(すなわち、偽の刺激)、低周波刺激(5Hz)または高周波(25Hz)の5cm Cadwellコイルに曝した。刺激または偽の刺激を、左海馬全体に集中する5cmコイルを用いて、1日に1回4日間与えた。5日目に、ラットを安楽死させ、そして海馬を切除して、ルシフェラーゼ活性について分析した。
【0082】
表1に示されるように、測定されたルシフェラーゼ活性の量は、適用した電気刺激の量と相関した。さらなるコントロールとして、完全に未処置のコントロールラットのグループにおけるルシフェラーゼ活性は、刺激後に検出不能であることが見出された(10pg未満)。表1から明らかであるように、GFAPプロモーターエレメントの制御下で作動可能であるルシフェラーゼの発現は、電気刺激とともに増加する(方法を参照のこと)。従って、誘導性遺伝子のプロモーター領域から単離された5’エレメントまたは応答エレメントの使用は、同様に調節性転写単位を生成するために使用され得る。
【0083】
(表1:rAAV−GFAP−Lucベクターを注射したラットの海馬におけるルシフェラーゼ活性に対する電気刺激の効果)
【0084】
【表1】
Figure 2005507645
ルシフェラーゼ活性/海馬(pg)
(平均、標準偏差(S.D.))。
【0085】
(実施例2.外因性遺伝子を調節するような遺伝的調節性配列の選択)
双極性刺激器を、ラットの尾状核中に左右相称に挿入した。次いで、刺激を、200μAの電流を用いて高周波(200Hz)で30分間、左尾状核に実行した。一方、刺激器を、右尾状核に挿入したが、オフのままにした。刺激に続いて、動物を屠殺し、右および左の尾状核を解剖し、そしてこの組織サンプルを迅速に凍結させた。mRNAを、この組織から抽出し、そして右(未刺激)尾状核に対して、左(刺激)尾状核由来のmRNAを比較する、マイクロアレイ分析を実施した。この手順を、4匹の動物において反復した。
【0086】
このデータの分析は、全てのサンプルおよび反復において高い一致を伴う、約70遺伝子における有意な変化を明らかにした。いくつかの遺伝子の量が減少するとともに、大部分の遺伝子は遮断され、そして8遺伝子が、増加した量で発現した。次に、プロモーターを、遮断された4遺伝子(すなわち、タンパク質キナーゼBキナーゼ、シナプス(snyaptic)小胞タンパク質2B、ホスファチジルイノシトール3−キナーゼp85、およびカルシニューリンB)、および刺激に対する応答で増加した1遺伝子(インスリン様増殖因子−1(IGF−1))からPCRによって単離した。
【0087】
次に、2.0〜3.5kbの間のプロモーターフラグメントを、緑色蛍光タンパク質(GFP)に関する遺伝子を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター中に挿入した。次いで、AAVベクターを、標準的な技術を用いて、パッケージ化し、そして精製した。特定の実施例において、カルシニューリンBプロモーター/GFP構築物を、パッケージ化し、次いで、3μlの精製したベクターストックを、5匹の動物におけるラット尾状核中に左右相称に注入した。脳刺激器を、脳における同じ点に左右相称に挿入し、そして歯科用セメントで頭蓋に固定した。回復の48〜72時間後、左の刺激器を、200μAの電流を用いて高周波(200Hz)で30分間オンにしたが、右の刺激器は、オフのままであった。次いで、動物を屠殺し、そして組織を収集した。タンパク質を、ウエスタンブロット分析(これは、モノクローナル抗GFPタンパク質および標準的技術を用いて実施した)のために抽出した。これらの結果は、左(刺激)尾状核からのGFPタンパク質レベルが、右(未刺激)尾状核のレベルに対して減少したことを示した。
【0088】
次いで、構築物を、緑色蛍光タンパク質ではなく、チロシンヒドロキシラーゼ(TH)をコードするように改変した。これまでに、パーキンソン病のラットモデルの尾状核におけるウイルスベクター由来のチロシンヒドロキシラーゼの発現は、治療的改善をもたらすことが示された(米国特許第6,180,613号(本明細書中にその全体において参考として詳細に援用される))。
【0089】
類似の実験において、THをコードする構築物はまた、電気刺激に応答することが示された(すなわち、上記される対応するGFP構築物についてと同様)。TH構築物の場合、右(未刺激)尾状核のレベルに対する左(刺激)尾状核からのチロシンヒドロキシラーゼのmRNAレベルの有意な減少を、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)アッセイによって決定した。
【0090】
(実施例3.遺伝子を調節するために末梢投与されたペプチドの使用)
(末梢投与されるペプチド:) HSEGTFTSD(配列番号1)のアミノ酸配列を有する9アミノ酸を含む新規ペプチドを合成した。このペプチドを、30μgの用量でラットに鼻腔内投与し、そして自発的な運動挙動、常同性(stereotype)、摂食に全く影響せず、そしてまたこれが、痛覚閾値にも影響しないことを見出した。投与から20分後、ラットを屠殺し、そしてこれらの海馬を取り出した。引き続いて、海馬を解剖し、そして海馬RNAを単離した。次いで、単離したRNAを、AFFYMETRICラット遺伝子チップ(約7000のcDNAおよびESTを含む)を用いる遺伝子発現プロファイリングのために使用した。ラットのさらなるグループは、小胞コントロールまたはアンフェタミンを受けた。遺伝子発現データの分析は、小胞で処置したラットと比較して、多数の遺伝子が、20倍を超える増加した発現を有することを示した。これらの遺伝子としては、神経接着分子F3、bcl−w、MAP−2、NMDAレセプター、mGluR5(別のグルタミン酸レセプター)(これらの各々は、この20分時点で20〜70倍まで増加した)が挙げられる。
【0091】
(実施例4.グルタミン酸デカルボキシラーゼをコードするウイルスベクターの視床下核への投与)
電気生理(electrophysiology)およびマイクロダイアリシス(microdialysis)を、正常ラットおよびヒトグルタミン酸デカルボキシラーゼをコードするCBA−GAD65ウイルスベクター(GAD65/67)で処置したラットの黒質で実施した。グルタミン酸デカルボキシラーゼは、ニューロンにおいて、グルタミン酸塩をGABAに変換する。CBA−GADウイルスベクターを、内側前脳束の6−OHDA損傷(lesion)の3週間前に視床下核に注射した。電気生理およびマイクロダイアリシスを、ウイルスベクターの形質転換の少なくとも4ヶ月前に実施した。
【0092】
視床下核から黒質までの阻害性GABAを含む接続を、電気生理およびマイクロダイアリシスを用いて検出した。マイクロダイアリシス実験において、未処置のコントロールラットにおける増加と比較して、GABAのはるかに高い増加(約10倍)を、視床下核の低周波電気刺激によって検出した。表2は、未処置のコントロールラットと比較した、CBA−GADウイルスベクターで形質導入したラットにおける低周波刺激の前後に得られた黒質中のGABAおよびグルタミン酸の細胞外濃度を示す。図3および図4は、表2におけるデータに対応する。対照的に、高周波刺激は、マイクロダイアリシス実験においてGABAの放出をブロックし、転写調節に完全に独立したGABAの放出が、電磁刺激(例えば、電気刺激)によって調節され得ることを示す。
【0093】
(表2)
(視床下核刺激の間の黒質マイクロダイアリシス)
【0094】
【表2−1】
Figure 2005507645
【0095】
【表2−2】
Figure 2005507645
注:各々のサンプルを、5〜6分毎に収集した。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】図1は、視床下核の電気刺激に対する黒質におけるニューロンの応答を示す。t=0での電気刺激後のスパイク数のヒストグラム(20ms bin)を示す。刺激の試行の各々は、ヒストグラムを作成し、グラフの表示した範囲として使用される。図1は、正常ラットにおいて、視床下核刺激に起因するインパルス活性があることを示す。
【図2】図2は、視床下核の電気刺激に対する黒質におけるニューロンの応答を示す。t=0での電気刺激後のスパイク数のヒストグラム(20ms bin)を示す。刺激の試行の各々は、ヒストグラムを作成し、グラフの表示した範囲として使用される。図2は、視床下核刺激に起因して、黒質におけるニューロンの自律的開始の阻害を示す。
【図3】図3は、未処置ラットおよびCBA−GAD65ウイルスベクターを形質導入したラットにおける視床下核刺激の間の細胞外GABA濃度の変化を示す。刺激を、2つの異なる期間(2分間および5配列循環)にわたり、以下に示す2つの異なるラット群に付与した: (i)10Hz(500μAにて2分間)(ST1と表示);および (ii)10Hz(500μAにて5分間)(ST2と表示)。
【図4】図4は、未処置ラットおよびCBA−GAD65ウイルスベクターを形質導入したラットにおける視床下核刺激の間の黒質および視床下核のグルタミン酸濃度を示す。刺激を、2つの異なる期間(2分間および5配列循環)にわたり、以下に示す2つの異なるラット群に付与した: (i)10Hz(500μAにて2分間)(ST1と表示);および (ii)10Hz(500μAにて5分間)(ST2と表示)。

Claims (35)

  1. 拍動性電磁刺激に応答する遺伝子調節配列を同定する方法であって、該方法は、以下の工程:
    (a)動物被験体の組織に刺激器を挿入する工程;
    (b)該刺激器を用いて拍動性電磁シグナルを付与する工程であって、ここで、該組織の少なくとも一部が刺激される、工程;
    (c)刺激された該組織の一部において増強された転写または低減された転写のいずれかを有する遺伝子を同定する工程;および
    (d)該遺伝子の該増強された転写または低減された転写に関与する遺伝子調節配列を選択する工程であって、ここで、該遺伝子調節配列が、該拍動性電磁刺激に応答することが同定される、工程、
    を包含する、方法。
  2. 前記拍動性電磁シグナルが、双極性刺激器によって提供される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記拍動性電磁シグナルが、単極性刺激器によって提供される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記組織の少なくとも一部が前記刺激器によって刺激されない、請求項1に記載の方法であって、ここで、工程(c)の同定工程は、刺激された前記組織の一部における前記遺伝子の転写を、刺激されない前記組織の一部における前記遺伝子の転写と比較することによって実施される、方法。
  5. 第2の刺激器が、刺激されていない前記組織の一部に配置される、請求項4に記載の方法であって、ここで、拍動性シグナルが該第2の刺激器によって付与されない、方法。
  6. 前記組織が神経組織である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記神経組織が脳組織である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記拍動性電磁シグナルが磁気刺激である、請求項1に記載の方法。
  9. 請求項1に記載の方法を実施することによって同定される、単離された遺伝子調節配列。
  10. 哺乳動物宿主細胞における目的の遺伝子のインビボ発現のためのベクターであって、ここで、該ベクターは、該目的の遺伝子、および遺伝子調節配列を含む転写調節領域を含み、ここで、該目的の遺伝子は、該転写調節領域に作動可能に連結され、該遺伝子調節配列は、拍動性電磁刺激に応答する、ベクター。
  11. 前記転写調節領域が、組織特異性を示し、そして前記宿主細胞によって発現されるタンパク質をコードする遺伝子由来である、請求項10に記載のベクター。
  12. 複製欠損ウイルスである、請求項10に記載のベクター。
  13. 前記宿主細胞が神経組織細胞である、請求項10に記載のベクター。
  14. 前記神経組織細胞が脳細胞である、請求項13に記載のベクター。
  15. 請求項10に記載のベクターで形質転換された非ヒト哺乳動物宿主であって、ここで、該非ヒト哺乳動物宿主における前記目的の遺伝子の発現が、刺激器を用いて拍動性シグナルを付与することによって調節され得る、非ヒト哺乳動物宿主。
  16. 請求項10に記載のベクターで形質転換された細胞であって、該形質転換された細胞における前記目的の遺伝子の発現が、刺激器を用いて拍動性シグナルを付与することによって調節され得る、細胞。
  17. 前記形質転換された細胞がレシピエント哺乳動物宿主に移植され得、そして、該レシピエント哺乳動物宿主における前記目的の遺伝子の発現が、刺激器を用いて拍動性シグナルを付与することによって調節され得る、請求項16に記載の細胞。
  18. 複製欠損単純ヘルペスウイルス(HSV)、複製欠損パピローマウイルス、複製欠損エプスタインバーウイルス(EBV)、複製欠損アデノウイルス、無気力なアデノウイルス、複製欠損アデノ随伴ウイルス(AAV)、および複製欠損レンチウイルス、からなる群より選択される、請求項10に記載の複製欠損ウイルスベクター。
  19. 動物被験体の標的組織に請求項10に記載のベクターを送達する方法であって、該方法は、該動物被験体の該組織に該ベクターを投与する工程を包含し、ここで、該標的組織における前記目的の遺伝子の発現は、刺激器を用いて拍動性シグナルを付与することによって調節され得る、方法。
  20. 前記標的組織における前記目的の遺伝子の転写が、該標的組織に存在する刺激器によって刺激される、請求項19に記載の方法。
  21. 請求項10に記載のベクターが投与された動物被験体の組織における目的の遺伝子の発現を調節する方法であって、該方法は、該組織における該目的の遺伝子の転写を調節する刺激器を用いて拍動性シグナルを付与する工程を包含する、方法。
  22. 前記遺伝子調節配列による拍動性シグナルに対する応答が、前記目的の遺伝子の転写を刺激する、請求項21に記載の方法。
  23. 前記遺伝子調節配列による拍動性シグナルに対する応答が、前記目的の遺伝子の転写を妨げる、請求項21に記載の方法。
  24. ペプチドに応答する遺伝子調節配列を同定する方法であって、該方法は、以下の工程:
    (a)ペプチドを細胞と接触させる工程;
    (b)細胞に関して変更された転写を示すが該ペプチドと接触されていない遺伝子を同定する工程;および
    (c)該遺伝子の該変更された転写に関する遺伝子調節配列を選択する工程であって、ここで、該遺伝子調節配列が、該ペプチドに対して応答することが同定される、工程、
    を包含する、方法。
  25. 前記変更された転写が、転写の増強または低減である、請求項24に記載の方法。
  26. 請求項24に記載の方法を実施することによって同定される、単離された遺伝子調節配列。
  27. 変更された転写を示す遺伝子を同定する工程が、2次元電気泳動ゲルまたはノザンブロット分析による、請求項24に記載の方法。
  28. 哺乳動物宿主細胞において目的の遺伝子のインビボ発現のためのベクターであって、ここで、該ベクターは、該目的の遺伝子、および請求項26に記載の遺伝子調節配列を含む転写制御領域を含み、ここで、該目的の遺伝子が、該転写制御領域に作動可能に連結され、そして該遺伝子調節配列が、前記ペプチドに応答する、ベクター。
  29. パーキンソン病に起因する症状を改善する方法であって、該方法は、以下の工程:
    (a)パーキンソン病の症状を有する患者の視床下核にベクターを投与する工程であって、ここで、該ベクターは、拍動性電磁シグナルによって刺激される遺伝子調節配列の制御下でグルタミン酸デカルボキシラーゼを作動可能にコードする核酸を含む、工程;
    (b)該患者の視床下核に刺激器を挿入する工程;および
    (c)該刺激器を用いて拍動性電磁シグナルを付与する工程であって、ここで、該グルタミン酸デカルボキシラーゼは、発現されて、そしてパーキンソン病の症状の改善を導く、工程
    を包含する、方法。
  30. 前記ベクターが複製欠損ウイルスベクターである、請求項29に記載の方法。
  31. 前記ベクターがCBA−GAD65ウイルスベクターである、請求項29に記載の方法。
  32. 細胞によって貯蔵された化合物の放出を調節する方法であって、該方法は、以下の工程:
    (a)動物被験体の視床下核にベクターを投与する工程であって、ここで、該ベクターは、拍動性電磁シグナルによって刺激される遺伝子調節配列の制御下でタンパク質を作動可能にコードする核酸を含み、ここで、該タンパク質の発現が、該動物被験体の細胞によって貯蔵される化合物の産生を刺激する、工程;
    (b)該動物被験体の視床下核に刺激器を挿入する工程;
    (c)該刺激器を用いて拍動性電磁シグナルを付与する工程であって、ここで、該タンパク質が発現され、そして該化合物が産生され、ここで、該細胞が該化合物を貯蔵する、工程;
    (d)該刺激器を用いて第2の拍動性電磁シグナルを付与する工程であって、ここで、該細胞からの該貯蔵された化合物の放出が調節される、工程、
    を包含する、方法。
  33. 前記化合物がGABAである、請求項32に記載の方法。
  34. 第2の拍動性電磁シグナルの付与が低頻度であり、そして前記細胞からのGABAの放出が増加される、請求項33に記載の方法。
  35. 第2の拍動性電磁シグナルの付与が高頻度であり、そして前記細胞からのGABAの放出が低減される、請求項33に記載の方法。
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