JP2005506951A - 高分子のための制御放出系 - Google Patents

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Abstract

本発明は、生物活性分子を有機化合物に曝露することで調製された固体の組成物から、前記分子を制御放出送達することに関する。例えば、該有機化合物は、アルコール(例えば好ましくはメタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、t-ブタノールなどの低級アルコールなど)、アルコールの混合物、アルデヒド、ケトン、炭化水素(飽和もしくは不飽和)、又は芳香族炭化水素などの有機溶媒である。溶媒は様々な有機溶媒の混合物でもよく、又は、生成される調合物が、様々な凍結乾燥製剤などの混合物でもよく、例えば生成される混合物の放出曲線を制御するのに用いてもよい。

Description

【0001】
遺伝子工学の到来と共に、タンパク質、糖質及び核酸など、多くの生体高分子が大量に手に入るようになった。しかしながら、組換えにより生成されたこれらのペプチド及びタンパク質の投与には、固有の問題がいくつかある。多くの場合、これらのタンパク質の生物学的効果を維持するには、長期間の投与を要する。これらの作用物質を水性の賦形剤に入れて毎日投与するのは不便であり、また費用もかかるため、持続性又は遅延性の放出が好ましい。加えて、タンパク質は、投与に最も適している水性環境では非常に不安定である。
【0002】
さらに、多様な状態の治療で成功を収めるには、このような状態を効果的に治療することが公知の作用物質に重大な副作用がある場合があるために、投薬量を低くしてこれらの副作用を抑えねばならないという制約がある。別の場合としては、治療薬が大変不安定であったり、又は半減期が大変短いために投与を繰り返さねばならないこともある。さらに別の例では、医薬の長期投与が好ましい場合もある。
【0003】
これらの場合はすべて、ある一定期間にわたる持続的な制御投薬が可能となれば、解決策が得られるであろう。
【0004】
発明の概要
本発明の局面の一つは、生物活性分子を有機化合物に曝露することで調製された固体の組成物から、前記分子を制御放出送達することに関する。例えば、該有機化合物は、アルコール(例えば好ましくはメタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、t-ブタノールなどの低級アルコール)、アルコールの混合物、アルデヒド、ケトン、炭化水素(飽和もしくは不飽和)、又は芳香族炭化水素などの有機溶媒である。溶媒は様々な有機溶媒の混合物でもよく、又は、生成される調合物が、様々な凍結乾燥製剤などの混合物でもよく、例えば生成される混合物の放出曲線を制御するのに用いてもよい。
【0005】
制御放出用に調合される本分子は有機化合物であってよい。いくつかの実施態様では、それは高分子、好ましくはタンパク質、ペプチド、核酸、オリゴヌクレオチド、糖質、ガングリオシド、又はグリカンなどの生体高分子である。本分子は脂質、ステロール又は他の親油性成分であってもよい。本制御送達系は、低分子(例えば有機化合物)の制御放出を送達するために使用することができる。
【0006】
いくつかの実施態様では、本製剤を、沈殿及び/又は凍結乾燥によって調製する。
【0007】
発明を実施するための最良の態様
発明の説明
1.概観
本発明は制御放出送達系に関し、タンパク質及び他の分子、例えば糖質、核酸、及び他の物質など、を有機化合物で処置すると、水性媒質中でのそれらの可溶性を改変できるという発見に基づく。例えば、ある実施態様では、タンパク質を有機溶媒(例えばアルコール)に暴露すると、水分子及び他の関連する部分が有機残基に置換される。いくつかの実施態様では、本製剤は固体、例えば凍結乾燥、沈殿等で形成される粉末又は結晶など、である。
【0008】
生成される製剤は、タンパク質の遅延性放出性調合物とすることができ、例えば医薬又は他の水性の用途に用いた場合に、生物学的効果を持続させるために適している。提示する例はタンパク質に言及しているが、本原理は、例えばペプチド、糖質、核酸、オリゴヌクレオチド、脂質、グリカン、ガングリオシド及び他の生体高分子など、他の水溶性生体高分子にも応用できる。結合させた水残基で溶媒化させた有機低分子及び何らかの無機分子は、特定の分子の制御放出を行うよう、同様な態様で処置することができる。
【0009】
さらに、タンパク質の可溶性は、タンパク質の可溶性を変えることのある翻訳後修飾によっても、調節される。解説する本方法は、翻訳後修飾により、及び、翻訳後修飾によらずに、タンパク質の可溶性を変化させることができる。
【0010】
いくつかの実施態様では、有機溶媒を加えることで生体分子を水溶液中で沈殿させた後、凍結乾燥させる。代替的な手法では、有機溶媒を含有する溶液から直接、該溶液を凍結乾燥させ、乾燥後の物質を調合して制御放出系にする方法や、沈殿したタンパク質を水溶液で洗浄した後に、凍結乾燥を行わずに直接、調合する方法、又は、乾燥タンパク質を有機溶媒で処置した後、溶媒を除去後に調合する方法、がある。
【0011】
いくつかの好適な実施態様では、溶媒は不活性の溶媒、そしてさらにより好ましくは無水有機溶媒である。溶媒は当該高分子を不可逆的に変性させてはならず、例えば、復元までの時間が必要であれば、その時間は、再水和プロセスよりも有意に長くてはならない。
【0012】
配合及び物質の大きさは、沈殿のタイミング及び方法や、凍結乾燥条件によって調節できる。当該分子が沈殿したら、この沈殿物を凍結乾燥させて余分な水分を取り除き、水分が有機溶媒にすぐに置換しないようにする。直接的な沈殿の起きないコロイド懸濁液を沈殿液の代わりに用いることもできる。コロイド懸濁液を用いると、小さなサイズの粒子を作製できる。さらに、沈殿又はコロイド形成を行わずに、混合液を直接、凍結乾燥させると、有機−水性溶媒中の当該分子の濃度、沈殿方法及びタンパク質溶液の濃度に依って、様々なサイズの粒子を作製することができる。場合によっては、ゆっくり放出させようとする分子に付いた水分子と置換可能な無機分子を、水系全体に用いても、凍結乾燥後に同じ結果を得ることができる。放出は、用いる特定の有機溶媒、用いる緩衝剤、並びに、沈殿させる及び/又は凍結乾燥させるタンパク質の粒子サイズの影響を受ける。
【0013】
加えて、本発明の方法により、放出曲線をより大幅に調節することができる。本製剤は、短期又は長期の放出動態を示すよう、つまり巨大分子の急速な放出又は持続的な放出のいずれでも可能なよう、作製することができる。いずれの場合も、本製剤は、水溶液から凍結乾燥させた高分子の製剤に比較して、血清又は他の生物体液中での可溶性が低く、例えば、少なくとも24時間、48時間、又はさらに168時間(7日間)といった期間にわたる溶解率が、水溶液から凍結乾燥させた高分子の製剤の少なくとも2分の1、そしてより好ましくは少なくとも10分の1、25分の1、50分の1又は100分の1である、などである。
【0014】
いくつかの好適な実施態様では、本組成物により、少なくとも2日間、そしてより好ましくは少なくとも7日間、14日間、21日間、50日間、又はさらに100日間といった期間にわたって、少なくとも当該活性化合物に関するED50である平均的な一定した状態の投薬量を提供するような速度で、生物活性化合物を放出させることができる。
【0015】
いくつかの好適な実施態様では、患者(特にヒト)に投与した場合に、当該溶媒に有害な副作用がある場合に、この有害な副作用に関するIC50未満に留まる速度、そしてより好ましくは、このようなIC50濃度より少なくとも1桁下、2桁下又は3桁下の濃度で留まる速度で、溶媒が製剤から放出されるよう、溶媒を選択する。
【0016】
いくつかの実施態様では、本有機物質は極性のプロトン性溶媒、例えば脂肪族アルコール、グリコール、グリコールエーテル、及びこれらの混合物など、である。いくつかの好適な実施態様では、本有機物質は水混和性の極性プロトン性溶媒である。
【0017】
ゲル、マイクロスフィア、ウェファー又はインプラントの形の当業で公知の生分解性又は非生分解性物質を、本発明の改変された分子に混合することもできる。
【0018】
これら本調合物は、非経口、経口、筋肉内、皮下、皮膚、静脈内、動脈内、病巣内、鞘内、又は、数多くの疾患の治療、予防及び診断のための他の送達部位で、用いることができる。
【0019】
本発明のさらに別の局面は、例えばヒト又は他の動物の治療のための医薬調合物を調製する方法など、事業を行う方法に関する。このような方法のある例示的な実施態様では、ここに解説した凍結乾燥製剤を作製するための凍結乾燥設備が提供される。該凍結乾燥製剤は、例えば丸剤、錠剤、パッチ、注射液等として、好ましくは政府による認可を受けた設備、例えばFDAによる認可を受けた設備など、でパッケージされる。好適な実施態様では、本凍結乾燥製剤を、もしより大きなロットでパッケージされていても、一回の剤形で提供する。
【0020】
II. 定義
「生体侵食性」とは、物質が、環境による作用、又は特に生物による作用により、溶解又は消化されて成分分子に成り得ること、そして選択的には、代謝又は消化されて、その環境又は生物を毒する又は害することなく、より簡単な構成成分に成り得ることを意味する。
【0021】
「哺乳動物に投与する」とは、活性成分を含有する本組成物を、経口、非経口、腸管内、胃内、局所、経皮、皮下、局所又は全身投与することを意味する。選択的には、本組成物を適した医薬品添加物と一緒に投与してもよく、該医薬品添加物は、生理食塩水、エチルセルロース、アセトテフタレート、マンニトール、乳糖、でんぷん、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、滑石、ブドウ糖、ショ糖、炭酸エステル、等であってよい。
【0022】
「持続放出」又は「持続的な放出」とは、活性成分が、約30分から約2ヶ月又はそれ以上の範囲で、数分、数時間、数日、数週又は数ヶ月といった期間にわたって確認可能かつ操作可能な速度で送達賦形剤から放出されることを指す。
【0023】
略語
HSA ヒト血清アルブミン
HOAc 酢酸
NaOAc 酢酸ナトリウム
KOAc 酢酸カリウム
Mg(OAc)2 酢酸マグネシウム
IFN-α001 インターフェロンα-001
IFN-α012 インターフェロンα-012
PBS リン酸緩衝生理食塩水
【0024】
III.例示的な生体高分子
本発明に用いてもよい生体高分子には、タンパク質、糖質、核酸及びこれらの組合せがある。
【0025】
有利な点として、本発明に従い、本方法を用いると、農−食品産業において薬学的に貴重又は価値があるタンパク質を調合することができる。関係するタンパク質には、サイトカイン、成長因子、ソマトトロピン、成長ホルモン、コロニー刺激因子、エリスロポエチン、プラスミノーゲン活性化因子、酵素、T細胞受容体、表面膜タンパク質、リポタンパク質、凝固因子、抗凝固因子、腫瘍壊死因子、輸送タンパク質、ホーミング受容体、アドレッシン、等がある。哺乳動物ポリペプチドの例には、レニンなどの分子、ヒト成長ホルモンを含む成長ホルモン;ウシ成長ホルモン;成長ホルモン放出因子;副甲状腺ホルモン;甲状腺刺激ホルモン;リポタンパク質;α-1-抗トリプシン;インシュリン;プロインシュリン;卵胞刺激ホルモン;カルシトニン;黄体形成ホルモン;グルカゴン;第VIIIC因子、第IX因子、組織因子、及びフォン・ウィルブランド因子などの凝固因子;プロテインCなどの抗凝固因子;心房性ナトリウム利尿因子;肺表面活性物質;ウロキナーゼ又はヒト尿などのプラスミノーゲン活性化因子又は組織型プラスミノーゲン活性化因子(t-PA);ボンベシン;トロンビン;造血性成長因子;腫瘍壊死因子-α及び-β;エンケファリナーゼ;RANTES(活性化時に調節を受け、正常T細胞で発現及び分泌);ヒトマクロファージ炎症性タンパク質(MIP-1-α);ヒト血清アルブミンなどの血清アルブミン;ミュラー管阻害物質;レラクシンA鎖;レラクシンB鎖;プロレラクシン;マウス性腺刺激ホルモン関連ペプチド;ベータ-ラクタマーゼなどの微生物タンパク質;DNase;インヒビン;アクチビン;血管内皮増殖因子(VEGF);ホルモン又は成長因子の受容体;インテグリン;プロテインA又はD;リウマチ因子;骨由来神経栄養因子(BDNF)などの神経栄養因子、ニュートロフィン-3、-4、-5、又は-6(NT-3、NT-4、NT-5、又はNT-6)、又はNGF-βなどの神経成長因子;血小板由来成長因子(PDGF);aFGF及びbFGFなどの線維芽増殖因子;上皮増殖因子(EGF);TGF-α、TGF-β及びBMPなどのトランスフォーミング増殖因子(TGF);インシュリン様成長因子-I及び-II(IGF-I及びIGF-II);des(1-3)-IGF-I(脳IGF-I)、インシュリン様成長因子結合タンパク質;CD-3、CD-4、CD-8、及びCD-19などのCDタンパク質;エリスロポエチン;骨誘導性因子;イムノトキシン;骨形態形成タンパク質(BMP);インターフェロン-α、-β、及び-γなどのインターフェロン;コロニー刺激因子(CSF)、例えばM-CSF、GM-CSF、及びG-CSF;インターロイキン(IL)、例えばIL-1乃至IL-10;スーパーオキシドジスムターゼ;T細胞受容体;表面膜タンパク質;崩壊促進因子;抗原(例えば細菌性及びウィルス性抗原);輸送タンパク質;ホーミング受容体;アドレッシン;調節タンパク質;免疫グロブリン様タンパク質;抗体;ヌクレアーゼ;及び上に挙げたポリペプチドのいずれかのフラグメント、がある。
【0026】
適した治療的及び/又は予防的な生物学的活性のある薬剤の他の例には、アンチセンス分子などの核酸;及び、抗生物質、ステロイド、うっ血除去薬、神経刺激性物質、麻酔剤、鎮静薬、心血管薬、抗腫瘍剤、抗新生物剤、抗ヒスタミン剤、ホルモン(例えばチロキシン)及びビタミンなどの小分子がある。
【0027】
IV.典型的な方法
タンパク質の制御放出の速度は数多くの変項によって調節することができる。該変項には、有機溶媒の添加速度、タンパク質(又は他の分子)の有機溶媒中の時間(タンパク質が有機溶媒に暴露される時間)、タンパク質を沈殿させるための有機溶媒の濃度、沈殿前の有機溶媒の濃度、溶液を直接凍結乾燥させる前の有機溶媒の濃度、媒質の有機及び非有機の組成、温度、陽イオンの濃度、陰イオンの濃度、沈殿の速度、pH、有機溶媒の混合、かきまぜ、攪拌、他のタンパク質の担体としての存在、複数のタンパク質の制御放出のための他のタンパク質の存在、タンパク質安定化剤、溶存気体、還元剤、酸化剤、当該粒子の質量対表面積、放出のための調製前の試料の洗浄、塩濃度、改質物質への暴露時間、当該タンパク質又は他の高分子の濃度、無機化合物、有機化合物の種類、などがある。無機陽イオンは、一価、二価、三価、四価又は五価でもよい。無機陰イオンは一価、二価、三価、四価又は五価でもよい。いくつかの実施態様では、凍結乾燥を省略できる。例えば、沈殿物をn-ヘキサンなどの無極性溶媒で洗浄して、当該タンパク質に影響を与えることなく、有機溶媒を除去することもできる。又は、沈殿物を水性の媒質で洗浄して有機溶媒を除去し、タンパク質の塊体から余分な有機溶媒を除去することもできる。さらに、可溶性タンパク質を除去すると共に、初期放出速度が高くなることを防ぐために、沈殿物を洗浄及び/又はプレインキュベートすることもできる。
【0028】
有機化合物は溶媒である必要はなく、混合液中の構成成分であるだけでもよい。
【0029】
加えて、本タンパク質沈殿物を、ゲル、マイクロスフィア、ウェファー又はインプラントの形の当業で公知の多種の生分解性又は非生分解性材料中に配置することができる。これらの場合、放出は、固有のタンパク質放出速度と、ゲル、マイクロスフィア、ウェファー又はインプラントにより制御される放出速度の両方により、調節される。これらの調合物は非経口、経口、筋肉内、皮下、皮膚、静脈内、動脈内、病巣内、鞘内、又は、数多くの疾患の治療、予防及び診断のための他の送達部位で使用できる。
【0030】
当該タンパク質を溶媒と平衡させる間、用いる有機溶媒は沈殿物中でこのタンパク質に付着する。該有機溶媒は、当該溶液中で可溶性である他の有機化合物に部分的又は完全に置換されてもよい。該有機化合物は、例えば抗生物質、抗菌剤、アミノ配糖体、クロラムフェニコール、マクロライド、抗カビ剤、セファロスポリン、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン(DOPA)、アドレナリン作動性アゴニスト、アドレナリン作動性アンタゴニスト、コリン作動性アゴニスト、コリン作動性アンタゴニスト、ムスカリン性アゴニスト、ムスカリン性アンタゴニスト、抗ウィルス剤、交感神経様作動薬、交感神経遮断薬、セロトニンアゴニスト、セロトニンアンタゴニスト、抗高血圧剤、モノアミンオキシダーゼ阻害剤、利尿薬、抗不整脈薬、ホスホジエステラーゼ阻害剤、ジギタリス配糖体、カルシウムアンタゴニスト、血管拡張剤、プロスタグランジン、オータコイド、脂質低下剤、抗凝固剤、線維素溶解剤、血小板凝集阻害剤、抗うつ剤、ベンゾジアゼピン、抗てんかん薬、抗パーキンソン病薬、鎮痛薬、オピオイド、オピオイドペプチド、阿片剤、ペプチド、抗炎症薬(NSAID、アセトアミノフェン)、バルビツール酸塩、ペプチドホルモン、ステロイド、糖質コルチコイド、塩類コルチコイド、エストロゲン、プロゲスチン、アンドロゲン、抗アンドロゲン、チロキシン、トリヨードチロニン、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)、抗新生物薬、及び抗ヒスタミン剤などの活性医薬であってよい。このように、当該タンパク質が放出され、溶解すると、ウシもしくはヒト血清アルブミン又は免疫グロブリンなどの他のタンパク質に連結させた、(薬物として)付着した有機化合物が送達される。従って、有機溶媒を付着させたタンパク質は効果的な送達系として使用が可能である。さらに、特定の組織又は細胞を標的にすることができる免疫グロブリン及び他のタンパク質を用いると、付着させた分子をこの組織又は細胞に送達することができる。
【0031】
本プロセスにより作製した製剤は、活性作用物質の均質もしくは不均質な混合物でもよく、又は、異なる条件(例えば異なる溶媒を用いるなど)下で調製された活性作用物質の製剤であってもよい。
【0032】
ある特定の製剤中に含有させる生物学的に活性な作用物質の量は、当業者であれば、例えば体重、治療しようとする状況、用いる高分子の種類、及び製剤からの放出速度などの因子を考慮して決定できる、治療上、予防上又は診断上の有効量である。
【0033】
生物学的に活性な作用物質はまた、例えば安定化剤、界面活性剤、可溶化剤及び充填剤など、他の医薬品添加物と混合することもできる。安定化剤は、当該作用物質の放出期間にわたって、当該作用物質の効力を維持するために加えられる。適した安定化剤には、例えば、糖質、アミノ酸、脂肪酸及び界面活性剤があり、当業者に公知である。可溶化剤は、水溶液中の当該作用物質の溶解度を改変したり、又は、場合によっては、有機溶媒中の当該作用物質の溶解度を改変するために加えられる。適した可溶化剤には、当該作用物質の放出速度を制御するのに用いることができる錯化剤、例えばアルブミン及びプロタミン、がある。充填剤は典型的には不活性の材料を含んで成る。
【0034】
別の実施態様では、生物学的に活性な作用物質は、金属陽イオン成分と一緒に凍結乾燥すると、当該作用物質をさらに安定化させ、また、当該の生物学的に活性な作用物質の放出速度をさらに制御することができる。
【0035】
本調合物を治療薬として用いる場合、ヒト又は動物に対し、静脈内、皮下又は筋肉内注射;吸入による投与;関節内投与;粘膜投与;眼内投与;及び局所投与を含め、経口又は非経口投与により、投与してよい。静脈内投与にはカテーテル導入法又は血管形成術が含まれる。
【0036】
他の実施態様では、本製剤は、例えば水供給又は水処理施設への薬剤(例えば酵素)の放出など、治療目的以外の水環境で用いることができる。
【0037】
例えば用いようとする調合物がマイクロ粒子を形成可能にするためなど、本調合物には、活性な作用物質に加え、他の適した高分子を含めることができる。ある好適な実施態様では、この方法で用いる高分子は生体適合性があるものである。ある高分子に生体適合性がある、とは、当該高分子、及び、代謝産物など当該高分子の何らかの分解生成物、が、当該高分子を投与したヒト又は動物にとって有毒でなく、かつ、例えば注射部位における免疫反応など、レシピエントの身体に対して何の有意な有害もしくは薬害作用がないことである。生体適合性のある高分子は生分解性高分子でも、非生分解性高分子でも、これらの混成物でも、又は、これらのコポリマーでもよい。
【0038】
適した生体適合性ある、非生分解性高分子には、例えば、ポリアクリレート、エチレン酢酸ビニルポリマー及び他のアシル置換酢酸セルロースのポリマー、非分解性ポリウレタン、ポリスチレン、塩化ポリビニル、フッ化ポリビニル、ポリ(ビニルイミダゾール)、クロロスルホネートポリオレフィン、酸化ポリエチレン、これらの混成物及びコポリマー、がある。
【0039】
適した生体適合性ある、生分解性ポリマーには、例えばポリ(ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリカーボネート、ポリエステルアミド、ポリ無水物、ポリ(アミノ酸)、ポリオルトエステル、ポリアセタル、ポリシアノアクリレート、ポリエーテルエステル、ポリかプロラクトン、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(アルキレンアルキレート)、ポリウレタン、これらの混成物及びコポリマー、がある。ポリ(ラクチド)を含んで成る高分子、ラクチド及びグリコリドのコポリマー、これらの混成物、又はこれらの混合物、がより好ましい。前記高分子は、単一の異性体種の単量体からも、又は、異性体の混合物からも、形成することができる。
【0040】
この方法で用いる高分子は、ブロックしてある高分子でも、ブロックしていない高分子でも、又は、ブロックしてある高分子とブロックしていない高分子の混成物でもよい。ブロックしていない高分子は、当業で従来定義されているように、具体的には遊離カルボキシル末端基を有するものである。またブロックしてある高分子とは、当業で従来定義されているように、具体的にはカルボキシル末端基をブロックしてあるものである。一般的に、ブロック基は重合反応の開始材料を由来とし、典型的にはアルキルラジカルである。
【0041】
いくつかの実施態様では、本調合物を凍結乾燥により調製する。最も簡単な形の凍結乾燥装置は、湿潤試料材料を中に配置して、蒸発冷却及び凍結により試料を凍結させた後、水蒸気圧を三重点圧未満に維持できるような真空室が、水蒸気を取り除く手段と共に成るものであろう。
【0042】
実施例1
アルコール/水溶液中で沈殿した凍結乾燥させたタンパク質試料からのウシ血清アルブミン(BSA)の放出を最長811時間、測定した。この実施例では、試料の調製及び分析方法を簡単に解説し、BSAの制御放出を示した結果を紹介する。この放出は、用いる特定のアルコール、用いる緩衝剤、及び、沈殿及び凍結乾燥させたタンパク質の粒子サイズの影響を受ける。
【0043】
BSA(USB、アマーシャム・ライフ・サイエンセズ社製、カタログ番号10868)の5%(w/w)溶液を、0.01Mの酢酸緩衝液で、等容の0.005M酢酸ナトリウム及び0.005M酢酸を用いて調製した。pHはほぼ5だった。アルコールn-プロパノールを濃度が40%(v/v)になるまで加えた。室温で一晩かけて平衡させた後、上清を取り除き、沈殿物を−20℃で凍結させ、−70℃にした後に凍結乾燥させた。バイアルを載せる表面と凍結乾燥装置のチャンバを予冷して、凍結乾燥の段階で試料が凍結したままで維持されるようにした。試料は5時間、凍結乾燥させた。この凍結乾燥時間は、凍結乾燥させようとする体積に応じてこれより長くても、又は短くてもよい。凍結乾燥後の試料をへらでいくつかの破片に分割した。これらの破片をガラス製バイアルの壁及び底に向かって押しつぶして小さな粒子に分けた。大きな塊及び小さく破砕された粒子の重さを量り、5乃至10mgの塊及び破砕粒子を別々の1.5ml入りの円錐形のポリプロピレン製試験管に入れた後、1mlのリン酸緩衝生理食塩水を加えた。これらの塊又は粒子をこの液体中に分配した。この試料を分配してから1時間後、試験管の中身を再度混合し、これら試験管を5,000rpmで5分間、遠心分離した(エッペンドルフ・セントリフュージ、モデル番号5415)。0.1mlの試料を検定用に取り出し、0.1mlのPBSに替えた。この手法を繰り返して65時間毎に試料を採取した。98時間目及びその後の各時点で、全体積の放出媒質を取り出し、新鮮な1mlのPBSに替えた。
【0044】
96ウェル微量定量プレートを用いた微量定量プレート用のマイクロ検定法(ブラッドフォード法に基づくバイオ-ラド社のタンパク質検定;クーマシー・ブリリアント・ブルー染料、カタログ番号500-0006)により、試料をタンパク質含有量について分析した。標準は5乃至60μg/mlのBSAを含有していた。標準及び試料をウェルにまず容積0.16mlになるように加え、次に40μlの染料を各ウェルに混合しながら加えてから、630nmでの吸光度を読み取った。添加タンパク質(BSA)の非存在時の空試験値を補正済みの吸光度から標準曲線を作製した。同じロットのBSAに基づくと共に、BSAの重量対全容積(w/v)に基づいて作製されたこの標準曲線から、試料のタンパク質濃度を計算した。様々な時点で放出されたタンパク質の数値を、供給業者(USB、アマーシャム・ライフ・サイエンセズ社製、カタログ番号10868)の瓶から直接採ったBSAから量り取って溶液に加えた、凍結乾燥させたBSAのタンパク質濃度の違いを調べることで、調節した。
【0045】
この制御放出の結果を図1に示す[nPはn-プロパノールを表す]。図示のように、ほとんどもしくは全くバースト効果がなく、放出は基本的に線形である。表面積対質量の比が大きい小さな粒子の方が、より速い速度で放出する。最初の数時間の放出中の放出速度が僅かに速いようである(図1)。このより速い放出速度は、使用前に試料を媒質中でプレインキュベートしておくと、なくすことができる。
【0046】
実施例2
アルコール/水溶液中で沈殿した凍結乾燥させたタンパク質試料からのBSAの放出を最長811時間、測定した。この実施例では、試料の調製及び分析方法を簡単に解説し、BSAの制御放出を示した結果を紹介する。この放出は、用いる特定のアルコール、用いる緩衝剤、及び、沈殿及び凍結乾燥させたタンパク質の粒子サイズの影響を受ける。
【0047】
BSA(USB、アマーシャム・ライフ・サイエンセズ社製、カタログ番号10868)の5%(w/w)溶液を、0.1Mの酢酸緩衝液で、等容の0.05M酢酸ナトリウム及び0.05M酢酸を用いて調製した。pHはほぼ5だった。アルコールn-プロパノールを濃度が50%(v/v)になるまで加えた。室温で一晩かけて平衡させた後、上清を取り除き、沈殿物を−20℃で凍結させ、−70℃にした後に凍結乾燥させた。バイアルを載せる表面と凍結乾燥装置のチャンバを予冷して、凍結乾燥の段階で試料が凍結したままで維持されるようにした。試料は5時間、凍結乾燥させた。この凍結乾燥時間は、凍結乾燥させようとする体積に応じてこれより長くても、又は短くてもよい。凍結乾燥後の試料をへらでいくつかの破片に分割した。これらの破片をガラス製バイアルの壁及び底に向かって押しつぶして小さな粒子に分けた。大きな塊及び小さく破砕された粒子の重さを量り、5乃至10mgの塊及び破砕粒子を別々の1.5ml入りの円錐形のポリプロピレン製試験管に入れた後、1mlのリン酸緩衝生理食塩水を加えた。これらの塊又は粒子をこの液体中に分配した。この試料を分配してから1時間後、試験管の中身を再度混合し、これら試験管を5,000rpmで5分間、遠心分離した(エッペンドルフ・セントリフュージ、モデル番号5415)。0.1mlの試料を検定用に取り出し、0.1mlのPBSに替えた。この手法を繰り返して65時間毎に試料を採取した。98時間目及びその後の各時点で、全体積の放出媒質を取り出し、新鮮な1mlのPBSに替えた。
【0048】
96ウェル微量定量プレートを用いた微量定量プレート用のマイクロ検定法(ブラッドフォード法に基づくバイオ-ラド社のタンパク質検定;クーマシー・ブリリアント・ブルー染料、カタログ番号500-0006)により、試料をタンパク質含有量について分析した。標準は5乃至60μg/mlのBSAを含有していた。標準及び試料をウェルにまず容積0.16mlになるように加え、次に40μlの染料を各ウェルに混合しながら加えてから、630nmでの吸光度を読み取った。添加タンパク質(BSA)の非存在時の空試験値を補正済みの吸光度から標準曲線を作製した。同じロットのBSAに基づくと共に、BSAの重量対全容積(w/v)に基づいて作製されたこの標準曲線から、試料のタンパク質濃度を計算した。様々な時点で放出されたタンパク質の数値を、供給業者(USB、アマーシャム・ライフ・サイエンセズ社製、カタログ番号10868)の瓶から直接採ったBSAから量り取って溶液に加えた、凍結乾燥させたBSAのタンパク質濃度の違いを調べることで、調節した。
【0049】
この制御放出の結果を図2に示す[nPはn-プロパノールを表す]。図示のように、全くバースト効果がなく、放出は基本的に線形である。表面積対質量の比が大きい小さな粒子の方が、より速い速度で放出する。最初の数時間の放出中の放出速度が僅かに速いようである(図2)。このより速い放出速度は、使用前に試料を媒質中でプレインキュベートしておくと、なくすことができる。
【0050】
実施例3
アルコール/水溶液中で沈殿した凍結乾燥させたタンパク質試料からのBSAの放出を最長811時間、測定した。この実施例では、試料の調製及び分析方法を簡単に解説し、BSAの制御放出を示した結果を紹介する。この放出は、用いる特定のアルコール、用いる緩衝剤、及び、沈殿及び凍結乾燥させたタンパク質の粒子サイズの影響を受ける。
【0051】
BSA(USB、アマーシャム・ライフ・サイエンセズ社製、カタログ番号10868)の5%(w/w)溶液を、0.01Mの酢酸緩衝液で、等容の0.005M酢酸ナトリウム及び0.005M酢酸を用いて調製した。pHはほぼ5だった。t-ブチルアルコールを濃度が40%(v/v)になるまで加えた。室温で一晩かけて平衡させた後、上清を取り除き、沈殿物を−20℃で凍結させ、−70℃にした後に凍結乾燥させた。バイアルを載せる表面と凍結乾燥装置のチャンバを予冷して、凍結乾燥の段階で試料が凍結したままで維持されるようにした。試料は5時間、凍結乾燥させた。この凍結乾燥時間は、凍結乾燥させようとする体積に応じてこれより長くても、又は短くてもよい。凍結乾燥後の試料をへらでいくつかの破片に分割した。これらの破片をガラス製バイアルの壁及び底に向かって押しつぶして小さな粒子に分けた。大きな塊及び小さく破砕された粒子の重さを量り、5乃至10mgの塊及び破砕粒子を別々の1.5ml入りの円錐形のポリプロピレン製試験管に入れた後、1mlのリン酸緩衝生理食塩水を加えた。これらの塊又は粒子をこの液体中に分配した。この試料を分配してから1時間後、試験管の中身を再度混合し、これら試験管を5,000rpmで5分間、遠心分離した(エッペンドルフ・セントリフュージ、モデル番号5415)。0.1mlの試料を検定用に取り出し、0.1mlのPBSに替えた。この手法を繰り返して65時間毎に試料を採取した。98時間目及びその後の各時点で、全体積の放出媒質を取り出し、新鮮な1mlのPBSに替えた。
【0052】
96ウェル微量定量プレートを用いた微量定量プレート用のマイクロ検定法(ブラッドフォード法に基づくバイオ-ラド社のタンパク質検定;クーマシー・ブリリアント・ブルー染料、カタログ番号500-0006)により、試料をタンパク質含有量について分析した。標準は5乃至60μg/mlのBSAを含有していた。標準及び試料をウェルにまず容積0.16mlになるように加え、次に40μlの染料を各ウェルに混合しながら加えてから、630nmでの吸光度を読み取った。添加タンパク質(BSA)の非存在時の空試験値を補正済みの吸光度から標準曲線を作製した。同じロットのBSAに基づくと共に、BSAの重量対全容積(w/v)に基づいて作製されたこの標準曲線から、試料のタンパク質濃度を計算した。様々な時点で放出されたタンパク質の数値を、供給業者(USB、アマーシャム・ライフ・サイエンセズ社製、カタログ番号10868)の瓶から直接採ったBSAから量り取って溶液に加えた、凍結乾燥させたBSAのタンパク質濃度の違いを調べることで、調節した。
【0053】
この制御放出の結果を図3に示す[tBAはt-ブチルアルコールを表す]。図示のように、大きなバースト効果はなく、放出は最初の数時間を過ぎた後は基本的に線形である。表面積対質量の比が大きい小さな粒子の方が、より速い速度で放出する。最初の数時間の放出中の放出速度が僅かに速いようである(図3)。このより速い放出速度は、使用前に試料を媒質中でプレインキュベートしておくと、なくすことができる。
【0054】
実施例4
アルコール/水溶液中で沈殿した凍結乾燥させたタンパク質試料からのBSAの放出を最長811時間、測定した。この実施例では、試料の調製及び分析方法を簡単に解説し、BSAの制御放出を示した結果を紹介する。この放出は、用いる特定のアルコール、用いる緩衝剤、及び、沈殿及び凍結乾燥させたタンパク質の粒子サイズの影響を受ける。
【0055】
BSA(USB、アマーシャム・ライフ・サイエンセズ社製、カタログ番号10868)の5%(w/w)溶液を、0.1Mの酢酸緩衝液で、等容の0.05M酢酸ナトリウム及び0.05M酢酸を用いて調製した。pHはほぼ5だった。アルコールであるt-ブチルアルコールを濃度が40%(v/v)になるまで加えた。室温で一晩かけて平衡させた後、上清を取り除き、沈殿物を−20℃で凍結させ、−70℃にした後に凍結乾燥させた。バイアルを載せる表面と凍結乾燥装置のチャンバを予冷して、凍結乾燥の段階で試料が凍結したままで維持されるようにした。試料は5時間、凍結乾燥させた。この凍結乾燥時間は、凍結乾燥させようとする体積に応じてこれより長くても、又は短くてもよい。凍結乾燥後の試料をへらでいくつかの破片に分割した。これらの破片をガラス製バイアルの壁及び底に向かって押しつぶして小さな粒子に分けた。大きな塊及び小さく破砕された粒子の重さを量り、5乃至10mgの塊及び破砕粒子を別々の1.5ml入りの円錐形のポリプロピレン製試験管に入れた後、1mlのリン酸緩衝生理食塩水を加えた。これらの塊又は粒子をこの液体中に分配した。この試料を分配してから1時間後、試験管の中身を再度混合し、これら試験管を5,000rpmで5分間、遠心分離した(エッペンドルフ・セントリフュージ、モデル番号5415)。0.1mlの試料を検定用に取り出し、0.1mlのPBSに替えた。この手法を繰り返して65時間毎に試料を採取した。98時間目及びその後の各時点で、全体積の放出媒質を取り出し、新鮮な1mlのPBSに替えた。
【0056】
96ウェル微量定量プレートを用いた微量定量プレート用のマイクロ検定法(ブラッドフォード法に基づくバイオ-ラド社のタンパク質検定;クーマシー・ブリリアント・ブルー染料、カタログ番号500-0006)により、試料をタンパク質含有量について分析した。標準は5乃至60μg/mlのBSAを含有していた。標準及び試料をウェルにまず容積0.16mlになるように加え、次に40μlの染料を各ウェルに混合しながら加えてから、630nmでの吸光度を読み取った。添加タンパク質(BSA)の非存在時の空試験値を補正済みの吸光度から標準曲線を作製した。同じロットのBSAに基づくと共に、BSAの重量対全容積(w/v)に基づいて作製されたこの標準曲線から、試料のタンパク質濃度を計算した。様々な時点で放出されたタンパク質の数値を、供給業者(USB、アマーシャム・ライフ・サイエンセズ社製、カタログ番号10868)の瓶から直接採ったBSAから量り取って溶液に加えた、凍結乾燥させたBSAのタンパク質濃度の違いを調べることで、調節した。
【0057】
この制御放出の結果を図4に示す[tBAはt-ブチルアルコールを表す]。図示のように、大きなバースト効果はなく、放出は最初の数時間を過ぎた後は基本的に線形である。表面積対質量の比が大きい小さな粒子の方が、より速い速度で放出する。最初の数時間の放出中の放出速度が僅かに速いようである(図4)。このより速い放出速度は、使用前に試料を媒質中でプレインキュベートしておくと、なくすことができる。
【0058】
放出データの比較。 全試料に関する放出動態の比較を一枚の表(図5)でまとめて示す。これら多様な試料の有する放出動態の継続時間は、500時間(21日間)から約10,000時間(1年を越える)まで様々であることが窺える。試料の組合せにより、様々な時点で多様な放出速度を持つ放出動態を生み出すことができる。小型の粒子は、最も急速に放出する製剤(図5;図4;0.1M酢酸塩;t-ブチルアルコール、40%)を例外として、速い放出速度を示した。これらの結果は、塩濃度及びアルコールの種類により、放出速度を広範に調節できることを実証するものである。
【0059】
実施例5乃至13の概略的材料及び方法
(i)材料
・ウシ血清アルブミン(カタログ番号10868、ロット番号107331、USB)
・ヒト血清アルブミン(カタログ番号10878、ロット番号103077、USB)
・アルブミン(ヒト)25%溶液:イムノ−U.S.社製(NDC64193-228-05、ロット番号628808)
・アルブミン(ヒト)25%溶液:アルファ・セラピューティック社製(カタログ番号521302、ロット番号NG9856A)
・インターフェロン-α001(PBL)0.94mg/mlのTris緩衝液溶液[さらに米国特許第5,789,551号、第5,869,293号、第6,001,589号、第6,299,870号、第6,300,474号も参照されたい]
・インターフェロン-α12(PBL)1.38mg/mlのTris緩衝液溶液
・Tris緩衝液(20mmのTris、200mmのNaCl、6%のグリセロール、pH7-8)
・インターフェロンELISA(PBL製品番号41110)
・PBS(ダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水、シグマ・ケミカル社製のカタログ番号8537、又はギブコ-BRL社製のカタログ番号14198-144)
【0060】
(ii)方法
タンパク質の沈殿 タンパク質は、有機添加法又は酸添加法という二つの基本的な手法の一つにより、周囲温度(約24℃)で沈殿させた。有機添加法では、タンパク質溶液を水溶液として調製し、有機成分を添加してタンパク質を沈殿させた。(代替的には、タンパク質を含有する水溶液を有機溶液に添加することもできる。)酸添加法の場合、有機成分の一部分を、タンパク質が沈殿しないような条件下でタンパク質溶液に加えた。沈殿は、タンパク質溶液に有機成分を加えるのと同時、又は加えた後で、酸性溶液を添加することで、開始させた。説明に特に他に明示する場合を除き、脱イオン水を用いて調合試薬を希釈した。25%原料材料を1%の最終濃度に希釈することでHSA保存溶液を作製し、提示したデータは、イムノ-U.S.社製ヒト血清アルブミンを用いて得た。
【0061】
pHの調節. 有機溶媒はpHを精確に測定する際の障害となるため、いずれの調合物に関して明示したpHも、有機成分を加える前の(水)溶液のpHを言うものである。有機添加法の場合、当該タンパク質水溶液のpHを、有機成分を加える直前に所望のpHに調節した。酸添加法で同じ調合物を作製するために、有機溶媒を加える前でなく、最終ステップで、等量の酸を添加した。
【0062】
成熟法. 成熟期間は、沈殿を開始させるために最後の調合物成分を加えた後に開始し、上清から沈殿物を分離するために遠心分離を開始した時点で終了した。沈殿物の放出特性は、成熟期間やこの期間中の調合物の状態に左右される。他に明示しない限り、温度は約24℃という周囲温度であった。容器を回転させて調合物を混合し、試験管内か、又は、磁気攪拌棒を入れたバイアル中で攪拌するか、あるいは最初に混合して後は静置した。さらに、成熟期間中、調合物のいくつかを、成熟期間の終わりにかけて1乃至3回、吸引により注射針を通過させた。
【0063】
洗浄法. 沈殿物を洗浄する最初のステップは、1)遠心分離により、上清から沈殿物を分離する、2)沈殿物に触れないように、できるだけ多くの上清を取り除く、及び3)該沈殿物をPBS/0.01%チメロサール中に再懸濁させる、ことであった。沈殿物を回収し、(PBS/0.01%チメロサール中に入れて、)ベックマン又はエッペンドルフ・マイクロセントリフュージで3,000乃至15,000rpmを2乃至5分間、1回又は2回、遠心分離をかけて、洗浄した。回収した上清の試料をPBS/0.01%チメロサールで10倍に希釈して(有機物及び酸の希釈を通じて)、希釈された上清中でタンパク質がさらに沈殿しないようにした。放出実験をすぐに開始する場合には、最後に回収された洗浄試料をゼロ時間試料とラベルし、再懸濁させた製剤を37℃にしたインキュベータ内に配置した。この37℃という温度ですべての試料について放出を測定した。代替的には、試料を最初の回収後又は洗浄サイクル後に、再懸濁させずに凍結乾燥させてもよい。
【0064】
凍結乾燥. 洗浄を行わずに凍結乾燥させる沈殿物を0乃至4℃まで冷却してから、−20℃、−70℃、及び−135℃まで、各温度で少なくとも15分間、順に冷却した。PBS/0.01%チメロサールで洗浄後に凍結乾燥させる沈殿物は−20℃までにのみ、冷却した。調合物は、ユニトップ100SMバルク/ストッパリング・チャンバを取り付けたウィルティス・フリーズモービル6で凍結乾燥させた。この凍結乾燥装置の棚は、フリーザからこの棚にバイアルを移すまでにドライアイスで予め冷却しておいた。バイアルは400mトル未満で2乃至5時間、凍結乾燥させた。
【0065】
放出の測定. 総量1mlの放出媒質(PBS/0.01%チメロサール)を作製するのに充分なPBSを洗浄及び/又は凍結乾燥させた沈殿物に加えた。各沈殿物を放出媒質(PBS/0.01チメロサール)に懸濁させてから、この放出試料を37℃のインキュベータ内に配置して、タンパク質の放出の測定を開始した。所定の時間間隔で、放出媒質と一緒に試料を含有する試験管をインキュベータから取り出して、2乃至5分間、3,000乃至15,000rpmで遠心分離した。上清中に放出タンパク質を含有する媒質の大半は通常約0.9mlであり、この約0.9mlを取り出して、等容の新鮮なPBS/0.01%チメロサールと取り替えた。
【0066】
試料の分析. アルブミン試料をそのまま検定するか、又は、バイオ−ラド・プロテイン・アッセイ(バイオ−ラド・ラブズ社製)の範囲まで、PBS/0.01%チメロサールで希釈した。調合物中の原料アルブミン原材料から希釈した保存溶液を検定標準として用いた。インターフェロン試料を、そのままか、又は、PBS/0.01%チメロサールで希釈して、ELISA法で検定した(PBLバイオメディカル・ラボラトリーズ社製、製品番号41110)。
【0067】
計算. n回目試料中の放出量を、それまでの試料中に放出された量の合計に加算して、各試料時点で放出された分析物の累積量を計算した。典型的には1.0mlの総量のうち0.9mlが各試料間で回収されるため、n回目試料中の放出量を、試験管に残った前回試料分の量について補正した。放出された累積量を、放出された質量に対して、又は、37℃でのインキュベーション開始時(放出の開始時)に沈殿物中に存在する計算上の総分析物のパーセンテージに対して、で表にした。放出の開始時に沈殿物中に存在する総分析物は、上清及び洗浄試料中で回収された分析物量を、調合物に加えられた分析物の当初の量から減算することで、計算した。
【0068】
実施例5
持続性放出の実施態様として、HSA及びヒトIFN-α012の放出を、酢酸ナトリウム濃度の関数として、図6に示すように評価した。溶液Iは9.0mgのHSA(イムノ−U.S.社製)及び10μgのIFN-α012を溶かした40%(w/w)n-プロパノール(0.364g n-プロパノール)水溶液を総重量0.91gにしたものから成った。様々な溶液II組成物は、様々な量の酢酸ナトリウム(1M、pH6.3)及び脱イオン水及び0.040gをn-プロパノールに溶かして、40% n-プロパノール溶液とし、250、450、及び600mMの最終酢酸ナトリウム濃度とし、総量を0.10gとしたものから成った。溶液II(0.10g)を攪拌しながら溶液I(0.91g)に加え、最終1.01gの各調合物とした。40% n-プロパノール及び25、45、及び60mM濃度の酢酸ナトリウムを含有する該最終1.01gの調合物を2ml入りのガラス製バイアル中で6時間、24℃で攪拌した後、25Gの注射針を通過させた直後に、上清を沈殿物から分離した。洗浄後の沈殿物中のHSA及びIFN-α012の量を材料及び方法の項で解説したように調べた。放出はPBS/0.01%チメロサール中で行わせた。図示のように、持続放出の初期のバースト相並びにHSA及びヒトIFN-α012の放出速度は、酢酸ナトリウム濃度で変化させることができる。酢酸ナトリウム濃度が高いときにバースト速度(0乃至24時間)が著しく低下し、HSA及びヒトIFN-α012の放出速度も低下する(図6A乃至D)。放出は約7日間の分析期間後も続いた。ヒトIFN-α012の放出のバースト相は、酢酸ナトリウム濃度に特に感受性が高い。この放出を約160時間(6日を越えて)観察した。
【0069】
実施例6
HSAの放出に及ぼす、調合物中の陽イオン種の作用を図7A、Bに示す。溶液Iは、8.1mgのHSA(イムノ-U.S.社製)を溶かした40%(w/w)n-プロパノール脱イオン水溶液を総量0.91mlにしたものから成った。様々な溶液II組成物は、多様な塩保存溶液(それぞれ1M陽イオン濃度、pH6.3)を脱イオン水に加えずに、又は0.025ml加えた後、n-プロパノールを加えて、40%(w/w)n-プロパノールの溶液とし、最終陽イオン濃度は250mM、総量は0.10mlとしたものから成った。溶液II(0.10ml)を0.91mlの溶液Iに攪拌しながら加えて、40%(w/w)n-プロパノールを有する最終1.01ml調合物を生成させた。40%のn-プロパノールと、なし又は25mM濃度の酢酸カリウム、酢酸ナトリウム又は酢酸マグネシウムを含有するこれら最終1.01ml調合物を、2ml入りのガラス製バイアル中で6時間、24℃で攪拌してから、上清を沈殿物から分離した。洗浄後の沈殿物中のHSA量を材料及び方法の項で解説したように調べた。放出はPBS/0.01%チメロサール中で行わせた。最初の24時間のバースト速度は、調合物中のナトリウムにより大きく低下し、またマグネシウムによりさらに低下した。その上、放出速度は多様な酢酸塩を用いると上下させることができる。これらの調合物すべてで、25日間を越える(600時間を超える)放出速度の延長に成功した。放出はグラフで測定された時間を過ぎても継続したと予測された(図7A、B)。この放出を600時間即ち25日間を越えて観察した。
【0070】
実施例7
ヒトIFN-α012の放出に及ぼす、調合物中の陽イオン種の作用を図8A、Bに示す。溶液Iは、45mgのHSA(イムノ−U.S.社製)及び5.44μgのIFN-α012を溶かした40%(w/w)n-プロパノール脱イオン水溶液を総量4.55mlとしたものから成った。多様な溶液II組成物は、36μlの0.1M酢酸(HSA溶液の緩衝能を補正するため)及び0.250gの酢酸カリウム、酢酸ナトリウム又は酢酸マグネシウム溶液(それぞれpH6.3)を、0.314gの脱イオン水及び0.400gのn-プロパノールに加えて40%(w/w)n-プロパノール及び250mM最終酢酸濃度の溶液を、総量1gになるように作製したものから成った。該酢酸カリウム溶液は、0.980gの酢酸カリウム、10.061gの水及び0.274mlの1M酢酸で作製した。該酢酸ナトリウム溶液は、0.823gの酢酸ナトリウム、10.056gの水及び0.245mlの1M酢酸で作製した。該酢酸マグネシウム溶液は、2.144gの酢酸マグネシウム、10gの水及び0.200mlの1M酢酸で作製した。溶液II(0.50ml)を4.55mlの溶液Iに攪拌しながら加えて、40%(w/w)n-プロパノールを有する最終5.05ml調合物を生成させた。この最終調合物を50ml入り円錐形試験管内で6時間、24℃で攪拌し、沈殿物を5mlのPBS/0.01%チメロサールで洗浄した後、5mlのPBS/0.01%チメロサール中に懸濁させてから、二つの別々の2.5ml試料に分割した後、沈殿物から上清を分離した。放出データは、一方の2.5ml部分の調合物から採った沈殿物のものである。調合物中の塩濃度は、それぞれの溶液中、21mM NaOAc、20mM KOAc及び18mM Mg(OAc)2である。洗浄後の沈殿物中のIFN-α012の量を、材料及び方法の項で解説したように調べた。放出はPBS/0.01%チメロサール中で行わせた。バースト速度は、酢酸カリウムから酢酸ナトリウム、そして酢酸マグネシウムへと、この順に大きく低下させることができる(図8)。加えて、放出の全体的速度もこれらの塩で調節できる。IFN-α012の放出速度は酢酸カリウムの場合が一番速く、酢酸ナトリウムがそれより遅く、そして酢酸マグネシウムの場合が最も遅い(図8)。放出を約170時間即ち7日間、観察した。
【0071】
実施例8
ヒトIFN-α012の放出に及ぼす、調合物のpHの作用を図9に示す。酢酸(0.1M)を用いて5% HSA保存溶液をpH5.0又はpH7.0に調節した。溶液Iは、pH5.0又はpH7.0のHSA保存溶液のいずれかのうちの10mgのHSA(アルファ・セラピューティック社製)と、6.83μgのIFN-α012と付加的な水とを、総量0.6gになるようにしたものから成った。最終調合物は、0.4gのn-プロパノールを溶液Iに攪拌しながら加えて濃度を40%(w/w)n-プロパノールにして調製した。最終調合物1gを2ml入りガラス製バイアル内で24時間、24℃で攪拌してから、上清を沈殿物から分離した。洗浄後の沈殿物中のIFN-α012の量を、材料及び方法の項で解説したように調べた。放出はPBS/0.01%チメロサール中で行わせた。バーストはpH5.0及びpH7.0のときの両方で中程度であり、両方のpH値で著明に線形に近づいた(図9)。pHが低い方が、放出速度が大きく上昇した。見られた全体的バースト効果は相対的に小さいか、又は全くなかった。放出を約240時間即ち10日間、観察した。
【0072】
実施例9
HSA及びヒトIFN-α012の放出に及ぼす、調合物のpHの作用を示す(図10A−D)。溶液Iは、45mgのHSA(イムノ−U.S.社製)及び5.44μgのIFN-α012を溶かした40%(w/w)n-プロパノール脱イオン水溶液を総量4.55mlとしたものから成った。溶液II組成物は以下の通りに調製した。溶液IIa:1.55mlの1M酢酸を0.82gの無水酢酸ナトリウム及び10gの脱イオン水に加えて、この溶液AのpHを5.52に調節し;その後、0.036mlの0.1M酢酸を0.250gの溶液Aに加えて、HSA溶液の緩衝能を補正した;次に脱イオン水を加えて総重量を0.600gとした;次に0.400gのn-プロパノールを加えて40%(w/w)n-プロパノールの最終溶液を総量1.00g、作製した。溶液IIb:0.40mlの1M酢酸を0.82gの無水酢酸ナトリウム及び10gの脱イオン水に加えて、この溶液BのpHを6.13に調節した;次に、0.036mlの0.1M酢酸を0.250gの溶液Bに加えて、HSA溶液の緩衝能を補正した;次に脱イオン水を加えて総重量を0.600gとした;次に0.400gのn-プロパノールを加えて40%(w/w)n-プロパノールの最終溶液を総重量1.00g、作製した。溶液IIc:0.245mlの1M酢酸を0.823gの無水酢酸ナトリウム及び10.056gの脱イオン水に加えて、この溶液CのpHを6.31に調節した;次に0.036mlの0.1M酢酸を0.250gの溶液Cに加えてHSA溶液の緩衝能を補正した;次に脱イオン水を加えて総重量を0.600gにした。次に0.400gのn-プロパノールを加えて40%(w/w)n-プロパノールの最終溶液を総重量1.00g、作製した。これら最終調合物を調製するためには、0.50mlの溶液IIa、IIb、又はIIcを4.55mlの溶液Iに攪拌しながら加えて、40%(w/w)n-プロパノールを有し、それぞれpH5.52、pH6.13又はpH6.31の三種類の調合物を5.05ml、作製した。最終調合物を50ml入りの円錐形試験管内で6時間、24℃で攪拌した後、二つの別々の2.52ml試料に分割してから、上清を沈殿物から分離した。放出データはその調合物の一つの2.52ml部分のものである。洗浄後の沈殿物中のIFN-α012の量を、材料及び方法の項で解説したように調べた。放出は、PBS/0.01%チメロサール中で行わせた。HSAの全体的なバーストはすべてのpH値で僅か(pH5.52、pH6.13及びpH6.31(図10A、B)だったが、ヒトIFN-α012については僅かにこれらより大きかった(図10C、D)。HSA及びヒトIFN-α012の両方の放出速度は、図9にも示すように、すべての場合で(図10A−D)pHを低下させることにより、上昇した。pHを少し変化させるだけで、放出速度を調節できること、そして放出の全体的な変化はHSA及びIFN-α012で同じであることに、注目されたい。
【0073】
実施例10
HSA及びヒトIFN-α001の、25mM酢酸ナトリウムの存在下で形成された沈殿物からの放出に及ぼす、調合物の酸濃度の作用を図11に示す。溶液Iは、8.1mgのHSA(イムノ−U.S.社製)及び0.92μgのIFN-α001を溶かした40%(w/w)n-プロパノール脱イオン水溶液を総量0.9mlにしたものから成った。それぞれ0.004、0.010、0.015及び0.025mlの0.1M酢酸の40%(w/w)n-プロパノール脱イオン水溶液から成る、いくつかの溶液II調合物、IIa、IIb、IIc及びIIdを調製した。溶液IIIは1Mの酢酸ナトリウムの40%(w/w)n-プロパノール脱イオン水溶液を総量0.025mlにしたものから成った。それぞれ0.071、0.065、0.060及び0.050mlの40%(w/w)n-プロパノールの脱イオン水溶液から成るいくつかの溶液IV調合物、IVa、IVb、IVc及びIVdを調製した。これら最終調合物を調製する際に、溶液IIa、IIb、IIc及びIIdをそれぞれ溶液IVa、IVb、IVc及びIVdに合わせた。溶液II、III及びIVを一緒にして混合してから、溶液Iを素早くこれらの混合液に加えて、最終1ml調合物を作製した。このようにして、最終濃度25mMの酢酸ナトリウム、40%(w/w)n-プロパノール及び図示した最終酢酸濃度を有する調合物を作製した。調合物を2ml入りのガラス製バイアル内で6時間、24℃で攪拌してから、沈殿物から上清を分離した。洗浄後、沈殿物を4時間、400mトル未満で凍結乾燥させた。洗浄後の沈殿物中のHSAの量を、材料及び方法の項で解説したように調べた。放出はPBS/0.01%チメロサール中で行わせた。酢酸量を増加すると、図9及び10に示すようなpHを低下させたときのバーストの上昇に匹敵するバーストの上昇がある。さらに、酸の量を増加させたときの放出速度も、図9及び10に示すようなpHを低下させたときの放出速度の上昇に匹敵する上昇を見せる。HSA及びヒトIFN-α001の放出を、約90時間観察した(図11A−D)。
【0074】
実施例11
1.5mM酢酸の存在下で形成された沈殿物からのHSA及びヒトIFN-α001の放出に対し、調合物の塩濃度が及ぼす作用を図12に示す。溶液Iは、8.1mgのHSA(イムノ−U.S.社製)及び0.92μgのIFN-α001を溶かした40%(w/w)n-プロパノール脱イオン水溶液を総量0.9mlにしたものから成った。溶液IIは、0.1M酢酸及び40%(w/w)n-プロパノールの脱イオン水溶液を総量0.015mlにしたものから成った。それぞれ0、0.015、0.025及び0.035mlの1m酢酸ナトリウムを溶かした40%(w/w)n-プロパノール脱イオン水溶液から成るいくつかの溶液III調合物、IIIa、IIIb、IIIc及びIIIdを調製した。それぞれ0.085、0.070、0.060及び0.050mlの40%(w/w)n-プロパノールの脱イオン水溶液から成るいくつかの溶液IV調合物、IVa、IVb、IVc及びIVdを調製した。これらの最終調合物を調製する際、溶液IIIa、IIIb、IIIc及びIIIdをそれぞれ溶液IVa、IVb、IVc及びIVdと合わせた。溶液II、III及びIVを混合して一緒にした後、溶液Iを素早くこの混合液に加えて、最終1ml調合物を作製した。こうして最終酢酸濃度1.5mM、40%(w/w)n-プロパノール(w/w)となり、図示した最終的なナトリウム濃度となった。調合物を2ml入りのガラス製バイアル内で6時間、24℃で攪拌してから、上清を沈殿物から分離した。洗浄後、沈殿物を4時間、400mトル未満で凍結乾燥させた。洗浄後の沈殿物中のHSA及びIFN-α001の量を材料及び方法の項で解説したように調べた。放出はPBS/0.01%チメロサール中で行わせた。塩濃度を上昇させると、HSA(図12A、B)及びIFN-α001(図12C、D)のバーストが抑えられ、放出速度が低下する。バーストの大半は、酢酸ナトリウム濃度を15mMより上にするとなくすことができる。放出を約90時間、観察した。
【0075】
実施例12
三級ブタノール沈殿物の場合のHSAの放出に及ぼす、調合物の塩濃度及びpHの作用を図13に示す。酢酸(0.1M)を用いて5%HSA保存溶液をpH5.35又は7.0に調節した。溶液Iは、pH5.35又はpH7.0の5%保存溶液から採った18.0mgのHSA(アルファ・セラピューティック社製)、1.0μgのIFN-α012及び脱イオン水から成り、この溶液の総重量は0.375gであった。それぞれ0.02M及び0.1MのNaCl濃度を有する溶液IIa及びIIbを調製するために、充分な脱イオン水を3.75M NaCl溶液の0.021及び0.0043mlに加えて、各溶液の総重量を0.425gにした。溶液I(0.375g)のpH5.35及びpH7.0変形版の両者を溶液IIa及びIIbに加えて、図面に示すように様々な組合せのpH及びNaCl濃度を持つ0.80gを作製してから、0.31又は0.47gのt-ブチルアルコールを加えて、28.1%及び36.9%(w/w)t-ブチルアルコールとした(表の解説の要約を参照されたい)。最終的な1.11乃至1.27gの調合物を2ml入りのガラス製バイアル中で24時間、24℃で攪拌してから、上清を沈殿物から分離した。洗浄後の沈殿物中のHSAの量を、材料及び方法の項で解説したように調べた。放出はPBS/0.01%チメロサール中で行わせた。t-ブチルアルコールを加えた調合物中では、pHはバーストにほとんど影響を与えていなかった(図13A及びB)。さらに、HSAの放出速度は、n-プロパノールを加えた調合物の場合とは対照的に、pHの低下と共に低下した(図9及び10)。にもかかわらず、HSAの全体的な放出速度は、350時間の観察にわたって(図13)。放出速度は、pH5.35のときよりpH7.0のときの方がより線形に近かった。
【0076】
実施例13
n-プロパノールによるHSAの沈殿の閾値に及ぼす、調合物のpH及び塩濃度の作用を図14に示す。11%(w/w)HSA(USB)溶液を6時間ずつ3回、それぞれ2Lの脱イオン水でピアース・スライド・アライザ(15ml容量、No.66410、ロット番号BJ44820B)で透析した。最終濃度は、分光光度法により280nmで8.28%(w/w)と分析した。この溶液を4%(w/w)に脱イオン水で希釈した。4%HSAのうちの量(0.9g)を2ml入りガラス製バイアル中に量り入れた。酢酸ナトリウム(1M)、酢酸(1M)、水酸化ナトリウム(1M)、及び水を多様な組合せで総重量0.1gになるように加えて、図面に示すような、1g調合物で測定される最終ナトリウム濃度及びpH値とした。次に、n-プロパノールを約50μlずつ攪拌しながら加え、最初の沈殿物が安定(攪拌しても5分間以内に再溶解しない)になった時点を記録した。データの点を結んで、ナトリウム濃度が等しい場合を、多様なpH及びn-プロパノール(w/w)濃度で示す。HSAの沈殿の閾値は、酢酸ナトリウム濃度により大幅に変更することができる。酢酸ナトリウム濃度が低いときは、最も少ないレベルのn-プロパノールしか、HSAの沈殿を開始させるのに必要としない。これらのデータ(図14)により、本調合物を調節するための概略的なアプローチが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1−5】BSA製剤の様々な放出曲線を示すグラフである。
【図6A−D】HSA及びIFN-α012の放出に及ぼす、調合物の塩濃度の作用を示す。溶液Iは、9.0mgのHSA(イムノ−U.S.社製)及び10μgのIFN-α012を溶かした40%(w/w)n-プロパノール(0.364g n-プロパノール)水溶液を総重量0.91gとしたものから成った。様々な溶液II組成物は、様々な量の酢酸ナトリウム(1M、pH6.3)及び脱イオン水及び0.040gをn-プロパノールに溶かして、40% n-プロパノールとし、250、450、及び600mMの最終酢酸ナトリウム濃度とし、総量を0.10gとしたものから成った。溶液II(0.10g)を攪拌しながら溶液I(0.91g)に加え、最終的に1.01gの各調合物とした。40% n-プロパノール及び25、45、及び60mM濃度の酢酸ナトリウムを含有する該最終1.01gの調合物を2ml入りのガラス製バイアル中で6時間、24℃で攪拌した後、25Gの注射針を通過させた直後に、上清を沈殿物から分離した。洗浄後の沈殿物中のHSA及びIFN-α012の量を材料及び方法の項で解説したように調べた。放出はPBS/0.01%チメロサール中で行わせた。A及びB. それぞれ沈殿したHSAの絶対放出量(mg)及びパーセント放出量。C及びD. それぞれ沈殿したIFN-α012の絶対放出量(ng)及びパーセント放出量。
【図7A−B】HSAの放出に及ぼす、調合物中の陽イオン種の作用を示す。溶液Iは、8.1mgのHSA(イムノ-U.S.社製)を溶かした40%(w/w)n-プロパノール脱イオン水溶液を総量0.91mlにしたものから成った。様々な溶液II組成物は、多様な塩保存溶液(それぞれ1M陽イオン濃度、pH6.3)を脱イオン水に、加えず、又は0.025ml加えた後に、n-プロパノールを加えて、40%(w/w)n-プロパノールの溶液とし、最終陽イオン濃度は250mM、総量は0.10mlとしたものから成った。溶液II(0.10ml)を0.91mlの溶液Iに攪拌しながら加えて、40%(w/w)n-プロパノールを有する最終1.01ml調合物を生成させた。40%のn-プロパノールと、なし又は25mM濃度の酢酸カリウム、酢酸ナトリウム又は酢酸マグネシウムを含有するこの最終1.01ml調合物を、2ml入りのガラス製バイアル中で6時間、24℃で攪拌してから、上清を沈殿物から分離した。洗浄後の沈殿物中のHSAの量を、材料及び方法の項で解説したように調べた。放出はPBS/0.01%チメロサール中で行わせた。A及びB. それぞれ沈殿したHSAの絶対放出量(mg)及びパーセント放出量。塩は酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、及び酢酸マグネシウムであった(それぞれNaOAc、KOAc、及びMg(OAc)2で示す)。
【図8A−B】IFN-α012の放出に及ぼす、調合物中の陽イオン種の作用を示す。溶液Iは、45mgのHSA(イムノ−U.S.社製)及び5.44μgのIFN-α012を溶かした40%(w/w)n-プロパノール脱イオン水溶液を総量4.55mlとしたものから成った。多様な溶液II組成物は、36μlの0.1M酢酸(HSA溶液の緩衝能を補正するため)及び0.250gの酢酸カリウム、酢酸ナトリウム又は酢酸マグネシウム溶液(それぞれpH6.3)を、0.314gの脱イオン水及び0.400gのn-プロパノールに加えて40%(w/w)n-プロパノール及び250mM最終酢酸濃度の溶液を、総重量1gになるように作製したものから成った。該酢酸カリウム溶液は、0.980gの酢酸カリウム、10.061gの水及び0.274mlの1M酢酸で作製した。該酢酸ナトリウム溶液は、0.823gの酢酸ナトリウム、10.056gの水及び0.245mlの1M酢酸で作製した。該酢酸マグネシウム溶液は、2.144gの酢酸マグネシウム、10gの水及び0.200mlの1M酢酸で作製した。溶液II(0.50ml)を4.55mlの溶液Iに攪拌しながら加えて、40%(w/w)n-プロパノールを有する最終5.05ml調合物を生成させた。この最終調合物を50ml入り円錐形試験管内で6時間、24℃で攪拌し、沈殿物を5mlのPBS/0.01%チメロサールで洗浄した後、5mlのPBS/0.01%チメロサール中に懸濁させてから、二つの別々の2.5ml試料に分割した後、沈殿物から上清を分離した。放出データは、一方の2.5ml部分の調合物から採った沈殿物のものである。洗浄後の沈殿物中のIFN-α012の量を、材料及び方法の項で解説したように調べた。放出はPBS/0.01%チメロサール中で行わせた。A及びB. それぞれ沈殿したIFN-α012の絶対放出量(ng)及びパーセント放出量。塩は酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、及び酢酸マグネシウムであった(それぞれ21mM NaOAc、20mM KOAc、及び18mM Mg(OAc)2で示す)。
【図9A−B】IFN-α012の放出に及ぼす、調合物の水溶液pHの作用を示す。酢酸(0.1M)を用いて5% HSA保存溶液(アルファ・セラピューティック社製)をpH5.0又はpH7.0に調節した。溶液Iは、pH5.0又はpH7.0のHSA保存溶液のいずれかのうちの10mgのHSAと、6.83μgのIFN-α012と付加的な水とを、総重量0.6gになるようにしたものから成った。最終調合物は、0.4gのn-プロパノールを溶液Iに攪拌しながら加えて濃度40%(w/w)n-プロパノールにして調製した。最終調合物1gを2ml入りガラス製バイアル内で24時間、24℃で攪拌してから、上清を沈殿物から分離した。洗浄後の沈殿物中のIFN-α012の量を、材料及び方法の項で解説したように調べた。放出はPBS/0.01%チメロサール中で行わせた。A及びB. それぞれ沈殿したIFN-α012の絶対放出量(ng)及びパーセント放出量。
【図10A−B】HSA及びIFN-α012の放出に及ぼす、調合物の水溶液pHの作用を示す。溶液Iは、45mgのHSA(イムノ−U.S.社製)及び5.44μgのIFN-α012を溶かした40%(w/w)n-プロパノール脱イオン水溶液を総量4.55mlとしたものから成った。溶液II組成物は以下の通りに調製した。溶液IIa:1.55mlの1M酢酸を0.82gの無水酢酸ナトリウム及び10gの脱イオン水に加えて、この溶液AのpHを5.52に調節し;その後、0.036mlの0.1M酢酸を0.250gの溶液Aに加えて、HSA溶液の緩衝能を補正した;次に脱イオン水を加えて総重量を0.600gとした;次に0.400gのn-プロパノールを加えて40%(w/w)n-プロパノールの最終溶液を総重量1.00g、作製した。溶液IIb:0.40mlの1M酢酸を0.82gの無水酢酸ナトリウム及び10gの脱イオン水に加えて、この溶液BのpHを6.13に調節した;次に、0.036mlの0.1M酢酸を0.250gの溶液Bに加えて、HSA溶液の緩衝能を補正した;次に脱イオン水を加えて総重量を0.600gとした;次に0.400gのn-プロパノールを加えて40%(w/w)n-プロパノールの最終溶液を総重量1.00g、作製した。溶液IIc:0.245mlの1M酢酸を0.823gの無水酢酸ナトリウム及び10.056gの脱イオン水に加えて、この溶液CのpHを6.31に調節した;次に0.036mlの0.1M酢酸を0.250gの溶液Cに加えてHSA溶液の緩衝能を補正した;次に脱イオン水を加えて総重量を0.600gにした。次に0.400gのn-プロパノールを加えて40%(w/w)n-プロパノールの最終溶液を総重量1.00g、作製した。この最終調合物を調製するためには、0.50mlの溶液IIa、IIb、又はIIcを4.55mlの溶液Iに攪拌しながら加えて、40%(w/w)n-プロパノールを有し、それぞれpH5.52、pH6.13又はpH6.31の三種類の調合物を5.05ml、作製した。最終調合物を50ml入りの円錐形試験管内で6時間、24℃で攪拌した後、二つの別々の2.52ml試料に分割してから、上清を沈殿物から分離した。放出データはその調合物の一つの2.52ml部分のものである。洗浄後の沈殿物中のIFN-α012の量を、材料及び方法の項で解説したように調べた。放出は、PBS/0.01%チメロサール中で行わせた。A及びB. それぞれ沈殿したHSAの絶対放出量(mg)及びパーセント放出量。C及びD. それぞれ沈殿したIFN-α012の絶対放出量及びパーセント放出量。
【図11A−B】HSA及びIFN-α001の、25mM酢酸ナトリウムの存在下で形成された沈殿物からの放出に及ぼす、調合物の酸濃度の作用を示す。溶液Iは、8.1mgのHSA(イムノ−U.S.社製)及び0.92μgのIFN-α001を溶かした40%(w/w)n-プロパノール脱イオン水溶液を総量0.9mlにしたものから成った。それぞれ0.004、0.010、0.015及び0.025mlの0.1M酢酸の40%(w/w)n-プロパノール脱イオン水溶液から成る、いくつかの溶液II調合物、IIa、IIb、IIc及びIIdを調製した。溶液IIIは1Mの酢酸ナトリウム及び40%(w/w)n-プロパノールを溶かした脱イオン水を総量0.025mlにしたものから成った。それぞれ0.071、0.065、0.060及び0.050mlの40%(w/w)n-プロパノールの脱イオン水溶液から成るいくつかの溶液IV調合物、IVa、IVb、IVc及びIVdを調製した。これら最終調合物を調製する際に、溶液IIa、IIb、IIc及びIIdをそれぞれ溶液IVa、IVb、IVc及びIVdに合わせた。溶液II、III及びIVを一緒にして混合してから、溶液Iを素早くこれらの混合液に加えて、最終的な1mlの調合物を生成させた。このようにして、最終濃度25mMの酢酸ナトリウム、40%(w/w)n-プロパノール及び図示した最終濃度の酢酸を有する調合物を作製した。調合物を2ml入りのガラス製バイアル内で6時間、24℃で攪拌してから、沈殿物から上清を分離した。洗浄後、沈殿物を4時間、400mトル未満で凍結乾燥させた。洗浄後の沈殿物中のHSAの量を、材料及び方法の項で解説したように調べた。放出はPBS/0.01%チメロサール中で行わせた。A及びB. それぞれ沈殿したHSAの絶対放出量(mg)及びパーセント放出量。C及びD. それぞれ沈殿したIFN-α012の絶対放出量(ng)及びパーセント放出量。
【図12A−D】1.5mM酢酸の存在下で形成された沈殿物からのHSA及びIFN-α001の放出に対し、調合物の塩濃度が及ぼす作用を示す。溶液Iは、8.1mgのHSA(イムノ−U.S.社製)及び0.92μgのIFN-α001を溶かした40%(w/w)n-プロパノール脱イオン水溶液を総量0.9mlにしたものから成った。溶液IIは、0.1M酢酸及び40%(w/w)n-プロパノールの脱イオン水溶液を総量0.015mlにしたものから成った。それぞれ0、0.015、0.025及び0.035mlの1m酢酸ナトリウムを溶かした40%(w/w)n-プロパノール脱イオン水溶液から成るいくつかの溶液III調合物、IIIa、IIIb、IIIc及びIIIdを調製した。それぞれ0.085、0.070、0.060及び0.050mlの40%(w/w)n-プロパノールの脱イオン水溶液から成るいくつかの溶液IV調合物、IVa、IVb、IVc及びIVdを調製した。これら最終調合物を調製する際、溶液IIIa、IIIb、IIIc及びIIIdをそれぞれ溶液IVa、IVb、IVc及びIVdと合わせた。溶液II、III及びIVを混合して一緒にした後、溶液Iを素早くこの混合液に加えて、最終的な1mlの調合物を作製した。こうして最終酢酸濃度1.5mM、40%(w/w)n-プロパノール(w/w)となり、その最終的なナトリウム濃度を図面に示す。調合物を2ml入りのガラス製バイアル内で6時間、24℃で攪拌してから、上清を沈殿物から分離した。洗浄後、沈殿物を4時間、400mトル未満で凍結乾燥させた。洗浄後の沈殿物中のHSA及びIFN-α001の量を材料及び方法の項で解説したように調べた。放出はPBS/0.01%チメロサール中で行わせた。A及びB. それぞれ沈殿したHSAの絶対放出量(mg)及びパーセント放出量。C及びD. それぞれ沈殿したIFN-α001の絶対放出量(ng)及びパーセント放出量。
【図13A−B】三級ブタノール沈殿物の場合のHSAの放出に及ぼす、調合物の塩濃度及びpHの作用を示す。酢酸(0.1M)を用いて5%HSA保存溶液(アルファ・セラピューティック社製)をpH5.35又は7.0に調節した。溶液Iは、pH5.35又はpH7.0の5%保存溶液から採った18.0mgのHSA、1.0μgのIFN-α012及び脱イオン水から成り、この溶液の総重量は0.375gであった。それぞれ0.02M及び0.1MのNaCl濃度を有する溶液IIa及びIIbを調製するために、充分な脱イオン水を3.75M NaCl溶液の0.021及び0.0043mlに加えて、各溶液の総重量を0.425gにした。溶液I(0.375g)のpH5.35及びpH7.0変形版の両者を溶液IIa及びIIbに加えて、図面に示すように様々な組合せのpH及びNaCl濃度を持つ0.80gを作製してから、0.31又は0.47gのt-ブチルアルコールを加えて、28.1%及び36.9%(w/w)t-ブチルアルコールとした(表の解説の要約を参照されたい)。最終的な1.11乃至1.27gの調合物を2ml入りのガラス製バイアル中で24時間、24℃で攪拌してから、上清を沈殿物から分離した。洗浄後の沈殿物中のHSAの量を、材料及び方法の項で解説したように調べた。放出はPBS/0.01%チメロサール中で行わせた。A及びB. それぞれ沈殿したHSAの絶対放出量(mg)及びパーセント放出量。
【図14】n-プロパノールによるHSAの沈殿の閾値に及ぼす、調合物のpH及び塩濃度の作用を示す。11%(w/w)HSA(USB社製)溶液を6時間ずつ3回、それぞれ2Lの脱イオン水でピアース・スライド・アライザ(15ml容量、No.66410、ロット番号BJ44820B)で透析した。最終濃度は、分光光度法により280nmで8.28%(w/w)と分析した。この溶液を4%(w/w)に脱イオン水で希釈した。4%HSAのうちの量(0.9g)を2ml入りガラス製バイアル中に量り入れた。酢酸ナトリウム(1M)、酢酸(1M)、水酸化ナトリウム(1M)、及び水を多様な組合せで総重量0.1gになるように加えて、図面に示すような、1g調合物で測定される最終ナトリウム濃度及びpH値とした。次に、n-プロパノールを約50μlずつ攪拌しながら加え、最初の沈殿物が安定(攪拌しても5分間以内に再溶解しない)になった時点を記録した。データの点を結んで、ナトリウム濃度が等しい場合を、多様なpH及びn-プロパノール(w/w)濃度で示す。

Claims (25)

  1. 沈殿物、凍結乾燥物又は結晶が形成されるような条件下で、一種又はそれ以上の生物活性分子を有機溶媒に曝露することで調製される固体の組成物を由来とする前記生物活性分子を含んで成る遅延放出性調合物。
  2. ポリペプチドを有機溶媒に暴露することで調製される前記ポリペプチドの沈殿物、凍結乾燥物又は結晶を含んで成る遅延放出性調合物であって、前記ポリペプチドが、水溶液中において前記調合物から少なくとも7日間の期間にわたって放出される、遅延放出性調合物。
  3. 生物活性ポリペプチドを極性プロトン性有機溶媒に暴露することで調製される前記ポリペプチドの沈殿物、凍結乾燥物又は結晶を含んで成る調合物であって、患者に投与されたときに、少なくとも前記ポリペプチドのED50である平均的な安定状態の投薬量を提供する速度で前記ポリペプチドを少なくとも7日間にわたって放出する、調合物。
  4. 前記有機溶媒が、アルコール、アルデヒド、ケトン、炭化水素、芳香族炭化水素、又はこれらの混合物である、請求項1乃至3のいずれかに記載の調合物。
  5. 前記有機溶媒がアルコール又は複数のアルコールの混合物である、請求項1乃至3のいずれかに記載の調合物。
  6. 前記アルコールが低級アルコール又はその混合物である、請求項5に記載の調合物。
  7. 前記アルコールが、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、及びt-ブタノール、又はこれらの混合物からなる群より選択される、請求項5に記載の調合物。
  8. 前記有機溶媒が極性のプロトン性溶媒である、請求項1乃至3のいずれかに記載の調合物。
  9. 前記有機溶媒が水混和性の極性プロトン性溶媒である、請求項1乃至3のいずれかに記載の調合物。
  10. 前記生物活性分子又はポリペプチドが、前記調合物から、水溶液中で、少なくとも前記生物活性分子又はポリペプチドのED50である平均的な安定状態の投薬量を提供する速度で少なくとも50日間にわたって放出される、請求項1乃至3のいずれかに記載の調合物。
  11. 前記有機溶媒が、患者に投与されたときに、前記溶媒に有害な副作用がある場合の該副作用に関するIC50 の少なくとも一桁下で留まる速度で前記溶媒が前記調合物から放出されるように選択される、請求項1乃至3のいずれかに記載の調合物。
  12. 生物活性分子が、タンパク質、ペプチド、核酸、オリゴヌクレオチド、糖質、ガングリオシド、又はグリカンからなる群より選択される高分子である、請求項1に記載の調合物。
  13. 前記ポリペプチドが、サイトカイン、成長因子、ソマトトロピン、成長ホルモン、コロニ刺激因子、エリスロポエチン、プラスミノーゲン活性化因子、酵素、T細胞受容体、表面膜タンパク質、リポタンパク質、凝固因子、抗凝固因子、腫瘍壊死因子、輸送タンパク質、ホーミング受容体、及びアドレッシンからなる群より選択される、請求項2乃至3のいずれかに記載の調合物。
  14. 前記ポリペプチドが、レニン;ヒト成長ホルモン;ウシ成長ホルモン;成長ホルモン放出因子;副甲状腺ホルモン;甲状腺刺激ホルモン;リポタンパク質;α-1-抗トリプシン;インシュリン;プロインシュリン;卵胞刺激ホルモン;カルシトニン;黄体形成ホルモン;グルカゴン;第VIIIC因子、第IX因子、組織因子、及びフォン・ウィルブランド因子などの凝固因子;抗凝固因子;心房性ナトリウム利尿因子;肺表面活性物質;プラスミノーゲン活性化因子;ボンベシン;トロンビン;造血性成長因子;腫瘍壊死因子-α;腫瘍壊死因子-β;エンケファリナーゼ;RANTES(活性化時に調節を受け、正常T細胞で発現及び分泌);ヒトマクロファージ炎症性タンパク質(MIP-1-α);血清アルブミン;ミュラー管阻害物質;レラクシンA鎖;レラクシンB鎖;プロレラクシン;性腺刺激ホルモン関連ペプチド;微生物タンパク質;DNase;インヒビン;アクチビン;血管内皮増殖因子(VEGF);ホルモン又は成長因子の受容体;インテグリン;プロテインA;プロテインD;リウマチ因子;神経栄養因子;血小板由来成長因子(PDGF);線維芽増殖因子;上皮増殖因子(EGF);トランスフォーミング増殖因子(TGF);インシュリン様成長因子-I;インシュリン様成長因子-II;des(1-3)-IGF-I(脳IGF-I)、インシュリン様成長因子結合タンパク質;CDタンパク質;エリスロポエチン;骨誘導性因子;イムノトキシン;インターフェロン;コロニー刺激因子(CSF);インターロイキン(IL);スーパーオキシドジスムターゼ;T細胞受容体;表面膜タンパク質;崩壊促進因子;抗原;輸送タンパク質;ホーミング受容体;アドレッシン;調節タンパク質;免疫グロブリン様タンパク質;抗体;ヌクレアーゼ;及びこれらのフラグメント、からなる群より選択される、請求項13に記載の調合物。
  15. 前記生物活性分子が脂質及びステロールからなる群より選択される、請求項1に記載の調合物。
  16. 前記生物活性分子が小有機化合物である、請求項1に記載の調合物。
  17. 沈殿物である、請求項1乃至3のいずれかに記載の調合物。
  18. 凍結乾燥物である、請求項1乃至3のいずれかに記載の調合物。
  19. ポリペプチドの沈殿物又は凍結乾燥物を含んで成る調合物であって、前記沈殿物又は凍結乾燥物が少なくとも50パーセント(モル)極性プロトン性有機溶媒を含有し、前記調合物が、患者に投与されたときに、少なくとも前記ポリペプチドのED50である平均的な安定状態の投薬量を提供する速度で少なくとも7日間にわたって前記ポリペプチドを放出する、調合物。
  20. 請求項1乃至3のいずれかに記載の調合物を含んで成る、動物への投与用の薬物。
  21. 哺乳動物への投与用の、請求項20に記載の薬物。
  22. ヒトへの投与用の、請求項20に記載の薬物。
  23. 請求項1乃至3のいずれかに記載の調合物を薬学的に容認可能な医薬品添加物と一緒に調合するステップを含む、薬物を製造する方法。
  24. (a)生物活性分子を有機溶媒に曝露するステップと、
    (b)沈殿物、凍結乾燥物又は結晶を形成するステップと
    を含む、生物活性分子の遅延放出性調合物を製造する方法方法。
  25. (a)請求項1乃至3のいずれかに記載の調合物を調製するステップと、
    (b)市場出荷用の印刷物、及び/又は、前記調合物の使用に関して健康管理提供者を教育する製品印刷物を提供するステップと、
    (c)前記調合物を健康管理提供者に届ける流通網を提供するステップと
    を含む、医薬事業を行う方法。
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