JP2005504453A - ビームフォーミングアレイの立体角クロストークキャンセル - Google Patents
ビームフォーミングアレイの立体角クロストークキャンセル Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005504453A JP2005504453A JP2002573477A JP2002573477A JP2005504453A JP 2005504453 A JP2005504453 A JP 2005504453A JP 2002573477 A JP2002573477 A JP 2002573477A JP 2002573477 A JP2002573477 A JP 2002573477A JP 2005504453 A JP2005504453 A JP 2005504453A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- signal
- cancellation
- beams
- output
- resulting
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H04—ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
- H04R—LOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
- H04R3/00—Circuits for transducers, loudspeakers or microphones
- H04R3/005—Circuits for transducers, loudspeakers or microphones for combining the signals of two or more microphones
-
- H—ELECTRICITY
- H04—ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
- H04R—LOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
- H04R3/00—Circuits for transducers, loudspeakers or microphones
-
- H—ELECTRICITY
- H04—ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
- H04R—LOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
- H04R2430/00—Signal processing covered by H04R, not provided for in its groups
- H04R2430/20—Processing of the output signals of the acoustic transducers of an array for obtaining a desired directivity characteristic
- H04R2430/25—Array processing for suppression of unwanted side-lobes in directivity characteristics, e.g. a blocking matrix
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Acoustics & Sound (AREA)
- Signal Processing (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Otolaryngology (AREA)
- Circuit For Audible Band Transducer (AREA)
- Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)
- Obtaining Desirable Characteristics In Audible-Bandwidth Transducers (AREA)
Abstract
マイクロホンなどの変換器による信号の軸上ピックアップを改良するための非適応システム及び方法であって、変換器により受信された信号は、ローブまたはビームとして空間的に表すことができ、軸上ピックアップは、ビームのサイド部分を除去することにより高められる。単一または複数の入力信号は、極プロット上の0度の位置か、またはそれ以外の位置である所定の場所を有し、システムは、可能な限り狭い出力ビーム幅を生成する。受信した信号(または複数の信号)の入力ビームは、キャンセルビームを生成するように処理された後、位相または時間遅延を用いて、キャンセルビームがステアリングされて、所望の出力ビーム幅の外側の所望の入力ビームと重複する。次いで、重ね合わせにより、キャンセルビームが所望の入力ビームから差し引かれる結果、より狭いビーム幅をもつ出力ビームが得られるため、干渉源または一般に望ましくない信号であると思われるビームの部分を自動的に排除することにより、軸上ピックアップが高められる。
【選択図】図1
【選択図】図1
Description
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本願は、2001年3月16日に出願された米国仮特許出願第60/276,371号と、2002年2月27日に出願され、現時点では出願番号を入手できていない米国非仮特許出願の優先権を主張し、両出願の発明の名称は、「ビームフォーミングアレイの立体角クロストークのキャンセル」である。
【0002】
背景技術
本発明は、マイクロホン、特に、マイクロホンにより受信される信号の干渉キャンセルに関し、さらに詳しく言えば、信号の立体角クロストークをキャンセルし、ビームパターンの幅を、前記ビームパターンと単一または複数の重複ビームパターンとが共有する空間領域からの信号を差し引くことにより狭める技術に関する。
【0003】
音響(音声)信号処理において、重ね合わせとしても知られているように、ある信号を別の信号と組み合わせることにより、ある信号を別の信号から差し引くことができる。さらに正確に言えば、任意の信号のキャンセルが、その信号と全く逆の複製を、その信号そのもの、または前記信号の全く逆のものと高度に相関する第2の信号と線形的に重ね合わせることにより行われてよい。例えば、信号は、通常、信号波の平均から正及び負の変位をそれぞれ表す山と谷を有する正弦波である。前記第2の信号が第1の信号と組み合わされると、2つの信号の変位は、2つの信号または波の交差に沿って各点で加算される。ある特定の点で、正の変位が負の変位と加算されると、得られるその点での組み合わせ波は、2つの変位の差となる。2つの正の変位が加算されると、得られるその点での組み合わせ波は、変位の和となる。
【0004】
変換器が、音響信号をアナログ電気信号に変換する。便宜上、単に「信号」として参照しているが、音響信号は、変換器の物理連結を介して平均静圧付近の大気圧縮及び膨張を媒体へ変換する特別に連続した電圧(アナログ)変換である。音響応用の場合、前記変換器は、マイクロホン、ハイドロホン、ジオホン、または同様のデバイスである。デジタル信号は、アナログ・デジタル変換器(ADC)による、前記アナログ信号の数値データへの変換である。
【0005】
マラシュ(Marash)らの米国特許第6,049,607号(‘607)は、参照により本願明細書に援用されたものとする。‘607特許には、信号、特に、エコーまたはマルチパスをキャンセルするために使用されるシステムが記載されている。一実施形態において、‘607特許は、線状または任意に分布した受信器を使用する。この実施形態において、‘607特許は、例えば、時間遅延ステアリングで複数のマイクロホンにより受信された信号を認識し、その信号を、到来信号を保有する第2のチャンネルと比較することによりエコーをキャンセルする。したがって、システムは、第2のマイクロホンの信号が遠距離音場のエコーであると認識し、重ね合わせにより、その信号を複数のマイクロホンにより受信される全信号から差し引く。重ね合わせの方法は、1つ以上の入力ビームフォーマ及び帯域制限された適応フィルタを選択することにより行われる。このようなシステムは、連続的に適応性のあるものである。
【0006】
さらに詳しく言えば、‘607特許は、伝送線の他端にいる人からの信号を、伝送室のアレイにより受信される話者の声(ターゲット信号)から差し引くように、多数のステアリングされたビームに連続的に適応性のあるデジタル信号処理(DSP)を使用する。これは、複数のビームに多数の帯域制限された適応フィルタを動作させ、「ターゲット」信号から出力信号を差し引くことにより行われる。これにより、しきい値条件を満たすかぎり、キャンセルする信号をフィルタが連続的に「探す」(すなわち、連続的に適応性がある)ため、バックグラウンドノイズの「ポンピング(pumping)」が生じる可能性がある。本願明細書において使用する「ポンピング」とは、出力が一定ではなく、したがって、バックグラウンド出力が変化している状況をさす。これにより、複数の信号、エコー、及び信号の特徴の急速な変化からクロスオーバーリークが生じる。以下の記載において、「ノイズ」という用語は、望ましい出力であると見なされない任意の信号をさす。
【0007】
‘607特許におけるフィルタリングは、簡潔に述べると、複数のビームからの信号を帯域制限された周波数ドメインに分割し、そのような帯域制限された信号の望ましくないと見なされたものを通過させないことにより実行される。‘607特許のプロセスは、受信した信号に応じて適応性のあるものであり、受信した信号に基づいてステアリングを連続的に再計算しなければならない。‘607特許のプロセスは、複数のビームの信号を帯域制限された周波数ドメインに分割し、各ドメインを適応フィルタリングした後、出力で各々を再度組み合わせる。これにより、出力信号の品質は連続的に変動する。
【0008】
オーディオテクニカ社(Audio-Technica)製のAT−895という製品名で市販されているマイクロホンシステムは、マラシュ(Marash)らの米国特許第5,825,898号(‘898)の方法と、グリーン(Green)らの米国特許第6,084,973号(‘973)の方法を取り入れたものであり、同特許はそれぞれ本願明細書に参照により援用されたものとする。マイクロホン群により受信された信号は、固定周波数帯域幅の複数の信号に分割され、複数の信号が分析されて、望ましくない/干渉を与える信号を探す。帯域制限されたビームは、参照ビームまたはマイクロホンの軸周りにステアリングされ、参照ビームまたはマイクロホンから差し引かれる。本願明細書において使用する「ビームをステアリングする」という表現は、信号の極図上の参照点の周りでビームを回転させることを記述するために使用される。本願明細書で使用される場合、「適応性のある」という用語は、システムが入力信号を連続的にモニタし、望ましくない/干渉を与える信号であると見なされるものを除去し、ビームのステアリングを連続的に調節し、フィルタリングを介して差し引くために重複した部分を連続的に調節することをさす。これは、「ヌルステアリング」、または、帯域制限された適応性フィルタリングを含むことから、「帯域制限されたヌルステアリング」として当業者に知られている。
【0009】
‘898特許及び‘973特許は、ハンズフリー電話に向けられる発話のように、高級オーディオシステムに適用された遠距離通信応用において生じる原理に基づいている。したがって、信号レンジ(帯域幅)の狭帯域にのみ理想的に適しており、適切に機能する。したがって、広帯域では、特に、高品質の音の受信、処理、及び増幅を行うためにフルレンジの音響信号を処理する場合、‘898特許には問題が生じる。したがって、‘898特許及び‘973特許により教示され、AT−895マイクロホンにより利用されている方法には、多数の問題がある。
【0010】
‘898特許及び‘973特許の方法は、追加及び/または複合(可変状態)信号により複雑化される。主軸に到来する信号は望ましいものであり、主軸から外れて到来する信号は望ましくないものと見なされる。帯域制限されたキャンセルビームは、連続的に適応性のある(周波数及び時間依存ベースで)角度にステアリングされる。これらの方法には、エコーの時間遅延が、システムがそれをエコーと見なさず、その代わりとして新しい信号と見なす程度に大きい可能性があるため、反射分析の別の問題が生じ得る。また、マルチパス音響信号は、信号処理に関する問題も生じ得る。ステアリングの方向は、複数のビームが複数の方向にステアリングされるため、周波数に対して常に変化することになる。システムが常に変化するキャンセルまたは「ヌルステアリング」ビームを隔離及び維持しなければならないため、ビームは、音源の変化に基づいて消失及び再現してよく、これらの方法を利用するマイクロホンシステムによる可能な処理は、システムハードウェアが対応可能な同時適応性ビームの数に依存する。したがって、周波数の関数として、マイクロホンの得られる指向性パターンは、一定ではなく、常に変化するものである。
【0011】
さらに、バックグラウンドノイズは、適切にキャンセルされなければ、ポンピングされる。ポンピングとは、簡潔に言えば、異なる立体角に向いたピックアップパターン間で連続的に適応性のあるスイッチングを行い、それによって、時間の経過とともに、さまざまなスペクトルコンテンツ(異なる周波数シグネチャ)を含むことにより生じる出力信号の急速な変動である。重ね合わせされたノイズ信号が、単に、時間(位相)に適切に整列されていないことや別の不正適用など、望ましくない信号の逆またはそれに高度に相関しているものでなければ、重ね合わせされた信号は、望ましくない信号をゼロ振幅に近づけようとする(それによって、所望の信号対雑音比を低減させる)のではなく、組み合わせられた相関されていない全信号(ノイズ)を増大させる。これは、ビームフォーマまたはヌルの重ね合わせに基づいた出力信号のスペクトルコンテンツの急速な変動によるポンピングと呼ばれ、連続的適応性ベースで変化する。さらに、帯域制限されたヌルステアリングを実行することにより、全体的に見て、変換器アレイの全ピックアップパターンの全形状は、連続的に変化することになる。これにより、周波数帯域のセットにわたったピックアップパターンが高度に一貫性のないものになる可能性がある。軸外れ信号(ノイズ、望ましくない信号)がポンピングアップ及びダウンすることにより、関連する信号のビームパターン及び出力スペクトルが連続的に適応するため、ノイズレベルが上昇及び下降する。簡潔に言えば、連続的に適応性のある信号処理方法を用いることにより生じる当業者に公知の問題が多数存在する。
【0012】
これらの米国特許第6,049,607号(‘607)、同第6,084,973号、及び同第5,825,898号により開示されている方法及び装置に伴うこれらの問題の結果として、連続的に適応性のあるマイクロホンピックアップアルゴリズムは、例えば、音反射などの複数の信号経路を変換器に与えることにより、連続的に変化する信号出力を生じるため、特に、密閉環境において高品質なオーディオ応用に関連した複合信号に適していない。
【0013】
ビームフォーミングは公知のものであり、さまざまな方法で実行される。最も典型的には、複数の変換器または変換器要素を必要とするシステムにおいてビームを形成することが可能である。しかしながら、オークボ(Ohkubo)らの米国特許第5,862,240号に記載されているように、単一の変換器を利用することも可能である。オークボ(Ohkubo)の特許は、単一のマイクロホンまたは変換器要素への多数の音経路を利用するシステムに関し、その内容全体は本願明細書に参照により援用されたものとする。さらに、防音材及び可変長を伴った複数の菅を使用して、ビームフォーミング及びステアリングのために、複数の菅にある音を減衰及び位相シフトしてよいことは、当業者に公知である。さらに、バウムハウアー(Baumhauer)らの米国特許第5,651,074号、及びアレン(Allen)らの米国特許第5,848,172号には、ビームを形成するための他の装置が開示されており、その内容全体は本願明細書に参照により援用されたものとする。
【0014】
発明の開示
本願出願人は、空間フィルタリング及び音響信号処理を深く理解することにより、軸上ピックアップを高める良好な方法は、1つ以上の主要な(望ましい)ピックアップパターンと重複する立体角または空間領域を共有する1つ以上のピックアップパターンからの適切にスケーリングされた信号を逆に重ね合わせすることにより、軸外ピックアップを単に削除することであることを結論付けた。さらに、本願出願人は、開示された参考特許の方法、または受信器のピックアップパターンの連続的な変化を生じさせる同様の方法は、適応ノイズキャンセルアルゴリズムの連続的にポンピング変化するローブにより、好ましくない追加のランダム信号を導入することを結論付けた。
【0015】
一般的に言えば、本発明の一つの態様により、本発明の方法は、非適応ビームを並列に処理する。マイクロホンが、極プロットにローブまたはビームとして認識可能な組み合わされた信号を受信する。この方法は、所望のまたは主要なローブまたはビームの両側のビームを処理する。この方法は、極プロットの2次元または3次元のいずれかで重複する複数のローブを認識する。重み付けされたキャンセルビームは、位相または時間遅延によりある角度にステアリングされたビームから直接得られた信号であり、キャンセルビームと所望のビームとの間の重複を生じる。これらの重み付けされたキャンセルビームと所望のビームとを重ね合わせることにより、所望のビームまたはローブのプロファイルのエッジが除去またはキャンセル(より適切には、低減)されることになる。さらに、本発明によれば、システムのユーザーは、信号の到来が予想される特定の方向を有してよい。したがって、所望のビームパターンは、所望の方向にステアリング可能であり、所望の方向から受信されたビーム信号のプロファイルのエッジは、この方法で除去可能であることにより、信号を減衰し、望ましくない干渉またはバックグラウンド信号を除去できる。
【0016】
本発明は、ビームフォーミングを利用する。ビームフォーミングは、さまざまな方法及び手段で当業者に公知のものである。本発明は、デジタル、アナログ、または音響経路長遅延ビームフォーミングにより達成されるビームフォーミングを利用することができる。
【0017】
好適な実施の形態の詳細な説明
本発明は、特定の干渉源をキャンセルしようとしたり、帯域制限ベースで厳密に信号をキャンセルしようとしたりすることなく、既存のビームフォーマのビーム幅を狭くするために、追加の重複非適応ビームを用いる。ビームフォーミングとは、特定の角度から生じる音響放射を時間遅延するために、位相遅延または時間遅延させた複数の要素信号をコヒーレント重ね合わせまたは「スタック(積み重ね)」することにより、その角度からの音響信号を処理または強化することを表す。本願明細書において、「ビームパターン」とは、方位角の関数として音響信号に対する1つ以上の変換器の感度の大きさを表す。これは、指向性の関数として当業者に一般に参照されている。
【0018】
信号ビームの認識可能なローブの特定の方向において、極プロットにおけるローブの左部分及び右部分として表される、ローブのエッジからの信号は、着目源を含まない空間セグメントからのものであるため、干渉と見なされる。ローブのエッジを特定する試みがなされないため、信号が周期的であるか非周期的であるかは重要ではない。
【0019】
本発明は、軸外信号を隔離し、線形重ね合わせを用いる。本願明細書において使用する場合、クロストークキャンセルは、ビームパターン重複領域が存在するように、主要ビームからキャンセルビームを位相または遅延ステアリングし、キャンセルビームの逆及び/または減衰信号を主要ビームと重ね合わせ、主要なビームに対して得られた所望のより狭いビーム幅を生成するプロセスを指すために使用される。
【0020】
以下、図面を参照すると、図1は、入力信号Iを処理し、出力信号Oを生成する本発明のシステム10を表す。入力Iは、単一の変換器Tまたはマイクロホン、または複数の変換器Tにより受信される複数の入力信号であってよい。当業者に公知のように、マイクロホンは、主として、音響音声信号を電気音声信号に変換する変換器である。しかしながら、単一のマイクロホンは、複数の変換器を含むことができると同時に、単一の変換器は、別個に分離可能な複数の音響信号を受信できる。入力信号Iは、変換器Tから離れた位置にある音響源(図示せず)から得られたアナログ信号である。
【0021】
アナログ電気信号に変換されると、入力信号Iは、アナログ・デジタル変換器12で表されるように、アナログからデジタルデータに変換される。A/D変換器12は、デジタル信号Dを位相/遅延またはビームフォーマ14に送信する。次いで、信号Dは、後処理ブロック/フィルタ16により後処理される信号セットに変換されて、出力ビームフォーマ信号B1、B2...BNを生成する。変換器Tにより音響信号(入力信号)Iを受信し、これらをフィルタリング及び加算されたデジタル信号Dに変換するプロセスは、当業者に公知のものである。このプロセスは、専用のマイクロプロセッサ、またはソフトウェアとして保有されるコンピュータ実行可能命令を実行するマイクロプロセッサまたはコンピュータ、またはこれらのステップを処理する任意の他の手段(すなわち、アナログ回路)により達成することができる。
【0022】
次に、アルゴリズムブロック20により表される本発明のクロストークキャンセルが実行される。ブロック20は、増幅器/重み付け係数22及びアルゴリズム24を含む。アルゴリズム24の手段は、当業者に公知のように、アナログ電子機器であってよく、マイクロプロセッサ、または実行可能命令を実行するコンピュータ、またはこれらのステップを実行するための任意の他の手段であってよい。係数22は、予めプログラムされるか、またはオンボード命令を保有してよく、それとともに、アルゴリズム24により制御される。システム10で生じる処理は、総称してBNと呼ぶB1、B2...BNで表されるN個の出力ビームを含む。各出力ビームBNが特定の所望の信号にノイズ成分を与えることがあるため、各出力ビームBNは、所望の信号から重ね合わせを介して除去される信号の一部分を与えることがあるとされる。各出力ビームBNからの信号の各部分を重み付けするために、出力ビーム1〜Nに減衰係数aNが与えられる(必須ではないが、通常、およそ0.00〜0.20)。ビームは、1〜Xの所望のビームのBXとして示すことができる。ビームBXは、以下の式BX=ΣaNBNで表される。この式は、ブロック20で行われる加算である。このようなクロストークキャンセルにより、図2のMで表される信号のような所望のローブまたはビームが得られ、これらは加算されて出力信号Oを生成する。出力信号Oは、式O=ΣBXに従う。
【0023】
図1において、ビームフォーミング方法は、遅延/加算を含む任意のビームフォーミング方法、及び周波数ドメインビームフォーミング方法であってよい。本発明の最適な実施は、予測可能な重複セグメントでビームを生成するビームフォーミングから得られる。
【0024】
図2において、N個の変換器により受信された信号の理想的な2次元極プロットが描写されている。図2の横軸に沿って、複数の変換器Tを表す点がある。上述したように、各変換器Tは、別々のマイクロホンであってよく、単一のマイクロホン内にある複数の変換器であってよく、または、図1〜3に示すように、極プロットにあるようなビームとして表される別個の音声信号を特定できる変換器Tの部分または要素であってよい。変換器Tは、任意の数(偶数または奇数)のものであってよく、Nの数量で表される。変換器Tが、別々で個別のマイクロホンである必要はなく、別々の場所で音声(音響)信号を感知可能であるマイクロホン上の点であってよいということに加え、この変換器Tのアレイは、間隔または全体的形状のいずれにおいても線形である必要はないことにも留意されたい。
【0025】
中心ローブは、主要ビームMであり、所望のビームである。主要ビームMの両側に、2つのキャンセルビームCL、CRがある。図2において、主要ビームMのステアリング角度Θは0°であり、主要ビームMの中心軸と一致する。キャンセルビームCL、CRの中心軸は、ステアリング角度ΦL、ΦRだけ主要ビームMの中心軸からそれぞれずれており、ΦL及びΦRは、キャンセルビームCL、CRの方位角と呼ばれる。主要ビームM及びキャンセルビームCL、CRが重複する結果として、陰影領域RL及びRRが得られ、この場合、主要ビームM及びキャンセルビームCL、CRは、立体角ΩL及びΩRを共有する。
【0026】
主要ビームMは、最初、極プロット上でビーム幅βを有する。ビーム幅βは、既知のものであってもよいし、既知のものでなくてもよい。主要ビームの幅は、一般的に、シミュレーションまたは測定により既知のものである。キャンセルビームの幅は、シミュレーションまたは実験により決定されてよい。得られるビーム幅は、キャンセルビームの角度及び振幅係数の関数であり、したがって、重複量の関数である。これは、シミュレーションまたは測定により前もって決定されてもよいし、決定されなくてもよい。これは、システムの指向性パターンの実験的測定により決定されてよい。ビーム幅βは、エッジに沿って望ましくないノイズが伴う望ましい信号(この場合、すべての望ましくない信号はノイズと見なされる)を含むものとされる。さらに、望ましくない/干渉する信号を除去することにより、ビーム幅β’を有する得られるビームが発生するとされる。所望の得られるビーム幅β’は、シミュレーション方法により前もって計算されてよく、または、キャンセルビームフォーマ信号の振幅を調節することにより(キャンセルビーム出力信号の重み付けにより)実時間ハードウェア上で「調整(ダイヤルイン)」されてよい。
【0027】
上述したように、本発明は、先行技術の実施形態のように、連続的に適応性のあるものではない。システムのユーザーは、係数22を「調整」または調節し、アルゴリズム24を調節することができ、または、アルゴリズム24は、係数22を調節することができる。セットアッププロセス中、システムは、試行錯誤を繰り返して、最適な状態に調節することができる。慎重に製造しているにもかかわらず、電子機器の特徴が、各構成部品に特有なものであるため、最適な動作を行うには、通常、微調節が必要であるとされる。しかしながら、動作中、システム10のセットアップは準静的であり、動作中の連続的な計算、再計算、及び較正が不要である。
【0028】
所望のビームが所望の方向にステアリングされた後、本発明のプロセスを利用することができる。言い換えれば、システムにより受信される予定の所望の信号の方向と、差し引かれる予定の領域とを把握しておかなければならない。音響信号が特定の方向から生じることが分かると、主要ビームMのステアリング角度Θを選択し、除去される領域を特定して、ビーム幅βをビーム幅β’に狭める。ビームをステアリングするために、特定のターゲットまたは音源を有することが不要であることを留意されたい。ビームフォーミングは、得られるビームがさまざまな方向を向くように、アレイ要素からの信号を同調(遅延)させることにより達成される。所望の信号、いわゆるターゲットの存在は、ビームをステアリングし狭くするための必須条件ではない。
【0029】
図3は、例示的に、0°ではないステアリング(またはステアリングされた)角度Θ、この場合、例示的に、Θ=30°での主要ビームMを表している。図3は、既知の所望の音響源が、基準0°から30°の位置にある場合を表している。
【0030】
図2及び図3に表された方法は、フーリエ変換対、高速フーリエ変換、または離散、連続、または高速(高速離散)フーリエ分析を含むフーリエ分析を用いて証明されてよい。例えば、2次元フーリエ変換を用いることにより、主要ビームMはビーム幅βを有するのに対して、所望のビーム幅はβ’である。この方法は、ビーム幅β’を生成するために、ビーム幅βに対して要求される空間フィルタを決定するための信号の空間表現を用いる。空間表現、いわゆる、βの空間信号は、関数a(x,y)として示される。β’の空間表現は、a’(x,y)である。次に、関数A(kx,ky)をa(x,y)の2次元高速フーリエ変換(FFT)または波数変換として示すのに対して、A’(kx,ky)は、所望のビームパターンの波数変換である。1次元信号処理の直接的な類似物として、2次元フーリエ変換対H(kx,ky)、h(kx,ky)により表される2次元(空間)フィルタがあり、この場合、H(kx,ky)=波数ドメインのA’(kx,ky)/A(kx,ky)である。得られる要求されるフィルタは、関数h(x,y)として示される空間表現である。関数h(x,y)は、逆領域表現であり、このような状況において、一般に知られているようにフィルタとして動作しないが、簡潔にするために、空間フィルタと呼ぶ。一般に知られているようなフィルタは、1次元(時間ドメイン)信号のある一定の部分の通過を拒絶する。
【0031】
簡潔に言えば、フーリエ変換の使用は、いくつかの基本的な原理に依存する。時間ドメイン信号の場合、電子フィルタFE(図示せず)を適用することにより、特定の特徴、この場合、ビーム幅を有する所望の出力信号アレイOE(図示せず)を生成するために、入力信号IE(図示せず)が使用できることが分かっている。本発明のシステムにおいて、入力信号IEは既知のものであり、所望の出力OEは既知のものである。時間遅延において数学的に表現すると、IE(t)*FE(t)=OE(t)であり、式中、*は畳み込みとして知られる演算子を表す。入力信号IEと所望の出力OEが変換される場合、式は、フーリエドメインを表し、IE(ω)xFE(ω)=OE(ω)となり、式中、xは、乗法として知られる演算子を表す。ついで、この式は、FE(ω)=OE(ω)/IE(ω)として簡単に解くことができ、ここでも、FE(ω)は、周波数ドメインでのフィルタを表す。周波数ドメインフィルタが決定されると、フィルタ上の逆フーリエ変換は、時間ドメインにおけるフィルタを生成する。2次元(または空間)信号に対して、信号は、x次元及びy次元における距離の関数IE(x,y)であり、その変換は、波数の関数IE(kx,ky)、k=(2*pi*f)/cであり、式中、fは周波数であり、cは媒体の伝播速度である。次いで、このプロセスは、システム10において実行される。
【0032】
好適な実施形態において、本願明細書に記載するすべての処理及びステアリングは、固定ステアリング角度及び固定遅延とともに、時間ドメインにおいて実行されることを認識されたい。したがって、好適な実施形態において、設計ツールとして、概念を証明するために、フーリエ分析が使用される。しかしながら、本願の範囲は、周波数ドイメンも同様に使用する応用を含む。周波数ドメインにおいて、設計ツールとして、概念を証明するためだけでなく、製造ツールとしても、フーリエ分析が用いられてよい。波数ドメインにおけるフーリエ分析は、多大な計算力を必要とし、したがって、全システムパラメータを考慮すると、常に実現可能なものではない場合がある。好適な実施形態において、2次元FETなどのフーリエ分析は、システムの構成部品または任意のコンピュータコードにより実行されない。これらの計算(上述した「調整」)は、計算力が潜在的に制限されているためだけでなく、実際のビームフォーマ及び所望のビームフォーマの予想される音響ピックアップパターンの計算を伴うため、システム10の外部で計算される。2次元FETの使用は、外部の設計ツールとして適用された、予想されるビームパターンを予め計算/シミュレートし、適切なキャンセルビームステアリング及び振幅を決定してよい。時間ドメインビームフォーマの場合、サンプリングレートが固定されることにより、ビームステアリング用に使用される固定された遅延、ひいては、固定されたステアリング角度が得られる。したがって、ビーム幅、角度、及び重複だけを予測しさえすればよい。ビームを正確にステアリングするためには、周波数ドメインビームフォーミングが必要になる。選択される方法は、使用されるビームフォーマのタイプに基づく(すなわち、離散遅延または大きさ/位相フィルタ)。
【0033】
時間ドメインにおいて、この方法は、重複が存在するように、キャンセルビームを主要ビームの左及び/または右に単純にステアリングしている。その点で、キャンセルビームの振幅は、満足できる結果が得られるまで調節されてよい。これは、通常、固定された遅延が、ステアリングされたビームが制限された数の固定角度(例えば、20度、35度、及び60度)でのみ生じるようにするため、(デジタル時間遅延システムにおけるように)ビームをステアリングするための離散(固定)遅延を使用するとき選択するであろう方法である。ビームを正確にステアリングするためには、周波数ドメインビームフォーミングが必要になる。フーリエ分析を使用することにより、この方法の理論的基礎が確証される。周波数ドメインにおいて、この方法は、離散時間遅延、または、チャンネルごとの周波数ドメインフィルタにより形成されるビームに適用される。第2の方法は、上記フーリエ分析からのものである。2次元フーリエ変換が、キャンセルビームの時間遅延方式の振幅「調整」を実証するために使用可能であるため、要求されるキャンセルビームのステアリング角度を決定するために使用されてもよい。固定時間遅延ではなく、ビームフォーマをステアリングするためにフィルタが使用される場合、正確な位相遅延は、ほとんど任意の角度にステアリング可能なキャンセルビームを形成できる。したがって、2次元FETにより、前もって角度、振幅、及び予想される結果が得られる。
【0034】
使用されるビームフォーミング方法にかかわらず、ビーム幅は、アレイ開口がステアリング角度の余弦とともに変化するため、ステアリングされたビームごとに変動することになる。時間遅延ビームフォーマの場合、時間ドメインにおいて、制限された数のステアリング角度が存在する。ビームパターンが重複するならば、望ましくないビームの振幅係数は、満足できる結果を得るために、「調整(ダイヤルイン)」または「調和(チューニング)」されてよい。したがってビーム幅または正確なステアリング角度を予め決定させる必要はなく、システムを経験的に決定された設定状態に調和させる。
【0035】
いずれの方法の場合も、実証プロセスは、空間(2次元)フーリエ変換を実験的方法及びデータの確証方法として使用している。例えば、時間ドメインにおいて逆変換関数を解くことに類似した方法で、空間ドメインフィルタは、図5〜8に示すように、約+/−30度に向けられたローブを示す。
【0036】
理論的な計算が実験的データを確証及び/または補足したと仮定した場合、空間フィルタの大きさ及び位相を解くために、実際及び所望のビームパターンの数値的表現を使用することができ、これは、所望のビームパターンを達成するようにキャンセルビームがステアリングされる方向を示すことになる。これは、特に、周波数ドメインビームフォーマの場合、設計プロセスの一部として見なされてよいが、システム10において「実時間」ベースで使用される処理アルゴリズムの一部である必要はない。また、周波数ドメインビームフォーミングでのこのような波数処理プロセスは、ビーム幅調節を制御する、いわゆる、自動的に「調整」するために、フィードバック機構とともに使用することもできる。しかしながら、これを達成するためには、多大な処理力が必要であり、商業的に実現不可能である場合が多い。
【0037】
時間ドメイン及び周波数ドメインの両方のビームフォーマにおいて、ビームは選択可能であるが、角度は選択可能ではない。時間ドメイン位相遅延で時間ドメインビームフォーマを実行するさい、ビームを正確にステアリングすることは不可能である。ビームに音源が存在する場合、そのビームが使用される。サンプリングレートが固定されているため、遅延は、サンプリング周期の関数である。これにより、多数の固定ビームが得られる。この場合、複数のビームの減衰係数を調節することが最も簡単であり、これらのビームは、前記固定角度に対して、所望のビームの左または右にステアリングされる。係数値を設定するための上述したような2次元処理が使用されてよいが、一般に、形式的手順である。
【0038】
ビームステアリングが各信号に与えられる位相の関数である周波数ドメインビームフォーマの場合、2次元フーリエ変換の使用は、キャンセルビームの振幅係数とステアリング角度の両方を決定するために必要である。さらに、ターゲットビームが特定されてよく、ステアリング角度が、上述したフーリエ変換フィルタリングプロセスを用いて、各要素上で信号の位相を調節することにより選択されてよい。
【0039】
図4は、2つのビームパターンS1及びS2(信号感度対角度)の極プロットを示す。ビームパターンS1は、クロストークキャンセルがない1kHzビームパターンであるのに対して、S1Cは、クロストークキャンセルがある同じビームパターンS1を示す。ビームパターンS2は、クロストークキャンセルがない3kHzビームパターンであるのに対して、S2Cは、クロストークキャンセルがある同じビームパターンS2を示す。図4に示すように、各ビームパターンS1及びS2のプロットが狭められた。この処理により、軸外角度でのビームパターンを受信する感度が低減し、標遊または望ましくない信号(本願明細書では、ノイズと呼ぶ)が低減される。これにより、前記軸外信号を減衰することにより、出力が高められる。
【0040】
図5〜8は、クロストークキャンセルがある場合とない場合の両方で、無響室においてテストされたさまざまな周波数ごとの極プロットされたデータを表し、プロットの各主要な区画は10デシベルを表す。図5は、400、600、800、1000、1200、1600、2000、2400Hzの周波数で、クロストークキャンセルがない信号を示す。図6は、クロストークキャンセルがある場合の図5と同一の信号を示す。特定の周波数として各ラインをラベル付けすることは、クロストークキャンセルの結果を理解することに寄与しない。したがって、図5と図6を比較することに関して留意すべきことは、図5におけるプロットの中心に向かうローブビームが、図6におけるプロットの中心にあるものに対応するということである。図6のローブビームにおいて、ローブの空間的表現は、さらにはっきりとした輪郭になり、より狭いものである。同様に、図5のサイドローブ(軸外ピックアップローブ)は、図6においてより小さく(狭く)なっている。
【0041】
図7及び図8は、クロストークキャンセルがない場合とある場合のそれぞれにおいて、2500、2800、3200、3600、4000、4400、及び4700の周波数での信号を表す。図5及び図6と同様に、図7及び図8は、本発明の技術によるクロストークキャンセルを利用することにより、ビームの狭くより広いはっきりとした輪郭を示す。
【0042】
図9は、本発明の方法のフローチャートを示す。入力信号Iは、音響信号をアナログ電気信号に変換する変換器Tにより受信される。A/D変換器12は、アナログ電気信号をデジタル信号Dに変換する。この実施形態に示すように、デジタル信号Dは、ビームフォーマ14に送信され、出力ビーム16になる。ブロック18は、位置を与えるか、ビームMの位置Θ(図2、3を参照)を決定する。ブロック14及び18は、極プロットに対してビームとしてグラフに表示可能な方向依存性の信号感度を生成する。以下、ビームとして見る信号は、複数の信号が存在すれば、信号が加算されるブロック108に送信される。次いで、加算されたビームは、破線で表したブロック20に送信される。
【0043】
本発明のさらなる実施形態において、ビームを形成し、2次元FFT、他のFFT、またはデバイスの実験的な(経験的な)調節または調和を用いて、非適応キャンセルを適用するための任意のアナログ方法が使用されてよいことを留意されたい。さらに、単一のマイクロホンまたは変換器アセンブリが、複数の音経路、ひいては、複数の音響信号(すなわち、複数の同時指向性ピックアップパターンからのプロセス信号)に対して使用可能であるため、単一のマイクロホンまたは変換器アセンブリが本願で実行可能であることを留意されたい。独立したビームを形成するために使用可能な複数のポートを有する音響ビームフォーマが、本願明細書に記載したものと同じ方法で利用されてよい。例えば、オークボ(Ohkubo)らの米国特許第5,862,240号の発明は、単一のマイクロホンまたは変換器要素として利用されてよく、防音材を伴うさまざまな長さの複数の菅が使用されて、音を減衰し、複数の菅の音に位相シフトをもたらしてよい。これらの方法及びシステムは、本発明に必要であるように、独立したビームを形成するために使用されてよい。
【0044】
さらに、本願の方法及びシステムは、マイクロホンとして同様の結果で一般に機能する構成部品を使用してよい。この方法は、ハイドロホン及びジオホンなどの同様の変換器のアレイにも同様に適用可能である。
【0045】
フーリエ分析は、本願において記載した原理的な手段であるが、計算を実行するために、多数の数学的計算を追加することができ、本発明の方法は、フーリエ分析の使用に限定されるべきものではないことは明らかである。したがって、フーリエ分析が経験的方法にすべて取って代わられるものであってよいことは特に明らかである。
【0046】
本発明のステップは、上述したとおりに正確に実行される必要がないことを留意されたい。例えば、これらのステップのいくつかは、専用のハードウェア、または回路、またはソフトウェアアプリケーション、またはハードウェア、回路、及びソフトウェアのいくつかの組み合わせにより実行されてよい。したがって、本発明のシステムの構成部品が、1つであってもよく、または、ハードウェア、回路、及びソフトウェアの組み合わせであってもよい。このため、本発明が、ステップやシステム構成部品の順番や位置に必ずしも依存する必要はないことも明らかである。
【0047】
本発明の範囲から逸脱することなく、上記構造のさまざまな変更がなされてよいため、上記記載に含まれ、または添付の図面に示されたすべてのものは、例示的なものであり、制限的なものではないと解釈されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の略図である。
【図2】中心軸がゼロ度である本発明のビームの理想的な極プロットの図である。
【図3】中心軸がゼロ度から角度Θだけステアリングされた本発明のビームの理想的な極プロットの図である。
【図4】本発明により処理された出力信号と処理されていない出力信号の極プロットである。
【図5】本発明により処理されていないさまざまな周波数信号の極プロットである。
【図6】本発明により処理されたさまざまな周波数信号の極プロットである。
【図7】本発明により処理されていないさまざまな周波数信号の極プロットである。
【図8】本発明により処理されたさまざまな周波数信号の極プロットである。
【図9】本発明の処理を表すフローチャートである。
【0001】
関連出願の参照
本願は、2001年3月16日に出願された米国仮特許出願第60/276,371号と、2002年2月27日に出願され、現時点では出願番号を入手できていない米国非仮特許出願の優先権を主張し、両出願の発明の名称は、「ビームフォーミングアレイの立体角クロストークのキャンセル」である。
【0002】
背景技術
本発明は、マイクロホン、特に、マイクロホンにより受信される信号の干渉キャンセルに関し、さらに詳しく言えば、信号の立体角クロストークをキャンセルし、ビームパターンの幅を、前記ビームパターンと単一または複数の重複ビームパターンとが共有する空間領域からの信号を差し引くことにより狭める技術に関する。
【0003】
音響(音声)信号処理において、重ね合わせとしても知られているように、ある信号を別の信号と組み合わせることにより、ある信号を別の信号から差し引くことができる。さらに正確に言えば、任意の信号のキャンセルが、その信号と全く逆の複製を、その信号そのもの、または前記信号の全く逆のものと高度に相関する第2の信号と線形的に重ね合わせることにより行われてよい。例えば、信号は、通常、信号波の平均から正及び負の変位をそれぞれ表す山と谷を有する正弦波である。前記第2の信号が第1の信号と組み合わされると、2つの信号の変位は、2つの信号または波の交差に沿って各点で加算される。ある特定の点で、正の変位が負の変位と加算されると、得られるその点での組み合わせ波は、2つの変位の差となる。2つの正の変位が加算されると、得られるその点での組み合わせ波は、変位の和となる。
【0004】
変換器が、音響信号をアナログ電気信号に変換する。便宜上、単に「信号」として参照しているが、音響信号は、変換器の物理連結を介して平均静圧付近の大気圧縮及び膨張を媒体へ変換する特別に連続した電圧(アナログ)変換である。音響応用の場合、前記変換器は、マイクロホン、ハイドロホン、ジオホン、または同様のデバイスである。デジタル信号は、アナログ・デジタル変換器(ADC)による、前記アナログ信号の数値データへの変換である。
【0005】
マラシュ(Marash)らの米国特許第6,049,607号(‘607)は、参照により本願明細書に援用されたものとする。‘607特許には、信号、特に、エコーまたはマルチパスをキャンセルするために使用されるシステムが記載されている。一実施形態において、‘607特許は、線状または任意に分布した受信器を使用する。この実施形態において、‘607特許は、例えば、時間遅延ステアリングで複数のマイクロホンにより受信された信号を認識し、その信号を、到来信号を保有する第2のチャンネルと比較することによりエコーをキャンセルする。したがって、システムは、第2のマイクロホンの信号が遠距離音場のエコーであると認識し、重ね合わせにより、その信号を複数のマイクロホンにより受信される全信号から差し引く。重ね合わせの方法は、1つ以上の入力ビームフォーマ及び帯域制限された適応フィルタを選択することにより行われる。このようなシステムは、連続的に適応性のあるものである。
【0006】
さらに詳しく言えば、‘607特許は、伝送線の他端にいる人からの信号を、伝送室のアレイにより受信される話者の声(ターゲット信号)から差し引くように、多数のステアリングされたビームに連続的に適応性のあるデジタル信号処理(DSP)を使用する。これは、複数のビームに多数の帯域制限された適応フィルタを動作させ、「ターゲット」信号から出力信号を差し引くことにより行われる。これにより、しきい値条件を満たすかぎり、キャンセルする信号をフィルタが連続的に「探す」(すなわち、連続的に適応性がある)ため、バックグラウンドノイズの「ポンピング(pumping)」が生じる可能性がある。本願明細書において使用する「ポンピング」とは、出力が一定ではなく、したがって、バックグラウンド出力が変化している状況をさす。これにより、複数の信号、エコー、及び信号の特徴の急速な変化からクロスオーバーリークが生じる。以下の記載において、「ノイズ」という用語は、望ましい出力であると見なされない任意の信号をさす。
【0007】
‘607特許におけるフィルタリングは、簡潔に述べると、複数のビームからの信号を帯域制限された周波数ドメインに分割し、そのような帯域制限された信号の望ましくないと見なされたものを通過させないことにより実行される。‘607特許のプロセスは、受信した信号に応じて適応性のあるものであり、受信した信号に基づいてステアリングを連続的に再計算しなければならない。‘607特許のプロセスは、複数のビームの信号を帯域制限された周波数ドメインに分割し、各ドメインを適応フィルタリングした後、出力で各々を再度組み合わせる。これにより、出力信号の品質は連続的に変動する。
【0008】
オーディオテクニカ社(Audio-Technica)製のAT−895という製品名で市販されているマイクロホンシステムは、マラシュ(Marash)らの米国特許第5,825,898号(‘898)の方法と、グリーン(Green)らの米国特許第6,084,973号(‘973)の方法を取り入れたものであり、同特許はそれぞれ本願明細書に参照により援用されたものとする。マイクロホン群により受信された信号は、固定周波数帯域幅の複数の信号に分割され、複数の信号が分析されて、望ましくない/干渉を与える信号を探す。帯域制限されたビームは、参照ビームまたはマイクロホンの軸周りにステアリングされ、参照ビームまたはマイクロホンから差し引かれる。本願明細書において使用する「ビームをステアリングする」という表現は、信号の極図上の参照点の周りでビームを回転させることを記述するために使用される。本願明細書で使用される場合、「適応性のある」という用語は、システムが入力信号を連続的にモニタし、望ましくない/干渉を与える信号であると見なされるものを除去し、ビームのステアリングを連続的に調節し、フィルタリングを介して差し引くために重複した部分を連続的に調節することをさす。これは、「ヌルステアリング」、または、帯域制限された適応性フィルタリングを含むことから、「帯域制限されたヌルステアリング」として当業者に知られている。
【0009】
‘898特許及び‘973特許は、ハンズフリー電話に向けられる発話のように、高級オーディオシステムに適用された遠距離通信応用において生じる原理に基づいている。したがって、信号レンジ(帯域幅)の狭帯域にのみ理想的に適しており、適切に機能する。したがって、広帯域では、特に、高品質の音の受信、処理、及び増幅を行うためにフルレンジの音響信号を処理する場合、‘898特許には問題が生じる。したがって、‘898特許及び‘973特許により教示され、AT−895マイクロホンにより利用されている方法には、多数の問題がある。
【0010】
‘898特許及び‘973特許の方法は、追加及び/または複合(可変状態)信号により複雑化される。主軸に到来する信号は望ましいものであり、主軸から外れて到来する信号は望ましくないものと見なされる。帯域制限されたキャンセルビームは、連続的に適応性のある(周波数及び時間依存ベースで)角度にステアリングされる。これらの方法には、エコーの時間遅延が、システムがそれをエコーと見なさず、その代わりとして新しい信号と見なす程度に大きい可能性があるため、反射分析の別の問題が生じ得る。また、マルチパス音響信号は、信号処理に関する問題も生じ得る。ステアリングの方向は、複数のビームが複数の方向にステアリングされるため、周波数に対して常に変化することになる。システムが常に変化するキャンセルまたは「ヌルステアリング」ビームを隔離及び維持しなければならないため、ビームは、音源の変化に基づいて消失及び再現してよく、これらの方法を利用するマイクロホンシステムによる可能な処理は、システムハードウェアが対応可能な同時適応性ビームの数に依存する。したがって、周波数の関数として、マイクロホンの得られる指向性パターンは、一定ではなく、常に変化するものである。
【0011】
さらに、バックグラウンドノイズは、適切にキャンセルされなければ、ポンピングされる。ポンピングとは、簡潔に言えば、異なる立体角に向いたピックアップパターン間で連続的に適応性のあるスイッチングを行い、それによって、時間の経過とともに、さまざまなスペクトルコンテンツ(異なる周波数シグネチャ)を含むことにより生じる出力信号の急速な変動である。重ね合わせされたノイズ信号が、単に、時間(位相)に適切に整列されていないことや別の不正適用など、望ましくない信号の逆またはそれに高度に相関しているものでなければ、重ね合わせされた信号は、望ましくない信号をゼロ振幅に近づけようとする(それによって、所望の信号対雑音比を低減させる)のではなく、組み合わせられた相関されていない全信号(ノイズ)を増大させる。これは、ビームフォーマまたはヌルの重ね合わせに基づいた出力信号のスペクトルコンテンツの急速な変動によるポンピングと呼ばれ、連続的適応性ベースで変化する。さらに、帯域制限されたヌルステアリングを実行することにより、全体的に見て、変換器アレイの全ピックアップパターンの全形状は、連続的に変化することになる。これにより、周波数帯域のセットにわたったピックアップパターンが高度に一貫性のないものになる可能性がある。軸外れ信号(ノイズ、望ましくない信号)がポンピングアップ及びダウンすることにより、関連する信号のビームパターン及び出力スペクトルが連続的に適応するため、ノイズレベルが上昇及び下降する。簡潔に言えば、連続的に適応性のある信号処理方法を用いることにより生じる当業者に公知の問題が多数存在する。
【0012】
これらの米国特許第6,049,607号(‘607)、同第6,084,973号、及び同第5,825,898号により開示されている方法及び装置に伴うこれらの問題の結果として、連続的に適応性のあるマイクロホンピックアップアルゴリズムは、例えば、音反射などの複数の信号経路を変換器に与えることにより、連続的に変化する信号出力を生じるため、特に、密閉環境において高品質なオーディオ応用に関連した複合信号に適していない。
【0013】
ビームフォーミングは公知のものであり、さまざまな方法で実行される。最も典型的には、複数の変換器または変換器要素を必要とするシステムにおいてビームを形成することが可能である。しかしながら、オークボ(Ohkubo)らの米国特許第5,862,240号に記載されているように、単一の変換器を利用することも可能である。オークボ(Ohkubo)の特許は、単一のマイクロホンまたは変換器要素への多数の音経路を利用するシステムに関し、その内容全体は本願明細書に参照により援用されたものとする。さらに、防音材及び可変長を伴った複数の菅を使用して、ビームフォーミング及びステアリングのために、複数の菅にある音を減衰及び位相シフトしてよいことは、当業者に公知である。さらに、バウムハウアー(Baumhauer)らの米国特許第5,651,074号、及びアレン(Allen)らの米国特許第5,848,172号には、ビームを形成するための他の装置が開示されており、その内容全体は本願明細書に参照により援用されたものとする。
【0014】
発明の開示
本願出願人は、空間フィルタリング及び音響信号処理を深く理解することにより、軸上ピックアップを高める良好な方法は、1つ以上の主要な(望ましい)ピックアップパターンと重複する立体角または空間領域を共有する1つ以上のピックアップパターンからの適切にスケーリングされた信号を逆に重ね合わせすることにより、軸外ピックアップを単に削除することであることを結論付けた。さらに、本願出願人は、開示された参考特許の方法、または受信器のピックアップパターンの連続的な変化を生じさせる同様の方法は、適応ノイズキャンセルアルゴリズムの連続的にポンピング変化するローブにより、好ましくない追加のランダム信号を導入することを結論付けた。
【0015】
一般的に言えば、本発明の一つの態様により、本発明の方法は、非適応ビームを並列に処理する。マイクロホンが、極プロットにローブまたはビームとして認識可能な組み合わされた信号を受信する。この方法は、所望のまたは主要なローブまたはビームの両側のビームを処理する。この方法は、極プロットの2次元または3次元のいずれかで重複する複数のローブを認識する。重み付けされたキャンセルビームは、位相または時間遅延によりある角度にステアリングされたビームから直接得られた信号であり、キャンセルビームと所望のビームとの間の重複を生じる。これらの重み付けされたキャンセルビームと所望のビームとを重ね合わせることにより、所望のビームまたはローブのプロファイルのエッジが除去またはキャンセル(より適切には、低減)されることになる。さらに、本発明によれば、システムのユーザーは、信号の到来が予想される特定の方向を有してよい。したがって、所望のビームパターンは、所望の方向にステアリング可能であり、所望の方向から受信されたビーム信号のプロファイルのエッジは、この方法で除去可能であることにより、信号を減衰し、望ましくない干渉またはバックグラウンド信号を除去できる。
【0016】
本発明は、ビームフォーミングを利用する。ビームフォーミングは、さまざまな方法及び手段で当業者に公知のものである。本発明は、デジタル、アナログ、または音響経路長遅延ビームフォーミングにより達成されるビームフォーミングを利用することができる。
【0017】
好適な実施の形態の詳細な説明
本発明は、特定の干渉源をキャンセルしようとしたり、帯域制限ベースで厳密に信号をキャンセルしようとしたりすることなく、既存のビームフォーマのビーム幅を狭くするために、追加の重複非適応ビームを用いる。ビームフォーミングとは、特定の角度から生じる音響放射を時間遅延するために、位相遅延または時間遅延させた複数の要素信号をコヒーレント重ね合わせまたは「スタック(積み重ね)」することにより、その角度からの音響信号を処理または強化することを表す。本願明細書において、「ビームパターン」とは、方位角の関数として音響信号に対する1つ以上の変換器の感度の大きさを表す。これは、指向性の関数として当業者に一般に参照されている。
【0018】
信号ビームの認識可能なローブの特定の方向において、極プロットにおけるローブの左部分及び右部分として表される、ローブのエッジからの信号は、着目源を含まない空間セグメントからのものであるため、干渉と見なされる。ローブのエッジを特定する試みがなされないため、信号が周期的であるか非周期的であるかは重要ではない。
【0019】
本発明は、軸外信号を隔離し、線形重ね合わせを用いる。本願明細書において使用する場合、クロストークキャンセルは、ビームパターン重複領域が存在するように、主要ビームからキャンセルビームを位相または遅延ステアリングし、キャンセルビームの逆及び/または減衰信号を主要ビームと重ね合わせ、主要なビームに対して得られた所望のより狭いビーム幅を生成するプロセスを指すために使用される。
【0020】
以下、図面を参照すると、図1は、入力信号Iを処理し、出力信号Oを生成する本発明のシステム10を表す。入力Iは、単一の変換器Tまたはマイクロホン、または複数の変換器Tにより受信される複数の入力信号であってよい。当業者に公知のように、マイクロホンは、主として、音響音声信号を電気音声信号に変換する変換器である。しかしながら、単一のマイクロホンは、複数の変換器を含むことができると同時に、単一の変換器は、別個に分離可能な複数の音響信号を受信できる。入力信号Iは、変換器Tから離れた位置にある音響源(図示せず)から得られたアナログ信号である。
【0021】
アナログ電気信号に変換されると、入力信号Iは、アナログ・デジタル変換器12で表されるように、アナログからデジタルデータに変換される。A/D変換器12は、デジタル信号Dを位相/遅延またはビームフォーマ14に送信する。次いで、信号Dは、後処理ブロック/フィルタ16により後処理される信号セットに変換されて、出力ビームフォーマ信号B1、B2...BNを生成する。変換器Tにより音響信号(入力信号)Iを受信し、これらをフィルタリング及び加算されたデジタル信号Dに変換するプロセスは、当業者に公知のものである。このプロセスは、専用のマイクロプロセッサ、またはソフトウェアとして保有されるコンピュータ実行可能命令を実行するマイクロプロセッサまたはコンピュータ、またはこれらのステップを処理する任意の他の手段(すなわち、アナログ回路)により達成することができる。
【0022】
次に、アルゴリズムブロック20により表される本発明のクロストークキャンセルが実行される。ブロック20は、増幅器/重み付け係数22及びアルゴリズム24を含む。アルゴリズム24の手段は、当業者に公知のように、アナログ電子機器であってよく、マイクロプロセッサ、または実行可能命令を実行するコンピュータ、またはこれらのステップを実行するための任意の他の手段であってよい。係数22は、予めプログラムされるか、またはオンボード命令を保有してよく、それとともに、アルゴリズム24により制御される。システム10で生じる処理は、総称してBNと呼ぶB1、B2...BNで表されるN個の出力ビームを含む。各出力ビームBNが特定の所望の信号にノイズ成分を与えることがあるため、各出力ビームBNは、所望の信号から重ね合わせを介して除去される信号の一部分を与えることがあるとされる。各出力ビームBNからの信号の各部分を重み付けするために、出力ビーム1〜Nに減衰係数aNが与えられる(必須ではないが、通常、およそ0.00〜0.20)。ビームは、1〜Xの所望のビームのBXとして示すことができる。ビームBXは、以下の式BX=ΣaNBNで表される。この式は、ブロック20で行われる加算である。このようなクロストークキャンセルにより、図2のMで表される信号のような所望のローブまたはビームが得られ、これらは加算されて出力信号Oを生成する。出力信号Oは、式O=ΣBXに従う。
【0023】
図1において、ビームフォーミング方法は、遅延/加算を含む任意のビームフォーミング方法、及び周波数ドメインビームフォーミング方法であってよい。本発明の最適な実施は、予測可能な重複セグメントでビームを生成するビームフォーミングから得られる。
【0024】
図2において、N個の変換器により受信された信号の理想的な2次元極プロットが描写されている。図2の横軸に沿って、複数の変換器Tを表す点がある。上述したように、各変換器Tは、別々のマイクロホンであってよく、単一のマイクロホン内にある複数の変換器であってよく、または、図1〜3に示すように、極プロットにあるようなビームとして表される別個の音声信号を特定できる変換器Tの部分または要素であってよい。変換器Tは、任意の数(偶数または奇数)のものであってよく、Nの数量で表される。変換器Tが、別々で個別のマイクロホンである必要はなく、別々の場所で音声(音響)信号を感知可能であるマイクロホン上の点であってよいということに加え、この変換器Tのアレイは、間隔または全体的形状のいずれにおいても線形である必要はないことにも留意されたい。
【0025】
中心ローブは、主要ビームMであり、所望のビームである。主要ビームMの両側に、2つのキャンセルビームCL、CRがある。図2において、主要ビームMのステアリング角度Θは0°であり、主要ビームMの中心軸と一致する。キャンセルビームCL、CRの中心軸は、ステアリング角度ΦL、ΦRだけ主要ビームMの中心軸からそれぞれずれており、ΦL及びΦRは、キャンセルビームCL、CRの方位角と呼ばれる。主要ビームM及びキャンセルビームCL、CRが重複する結果として、陰影領域RL及びRRが得られ、この場合、主要ビームM及びキャンセルビームCL、CRは、立体角ΩL及びΩRを共有する。
【0026】
主要ビームMは、最初、極プロット上でビーム幅βを有する。ビーム幅βは、既知のものであってもよいし、既知のものでなくてもよい。主要ビームの幅は、一般的に、シミュレーションまたは測定により既知のものである。キャンセルビームの幅は、シミュレーションまたは実験により決定されてよい。得られるビーム幅は、キャンセルビームの角度及び振幅係数の関数であり、したがって、重複量の関数である。これは、シミュレーションまたは測定により前もって決定されてもよいし、決定されなくてもよい。これは、システムの指向性パターンの実験的測定により決定されてよい。ビーム幅βは、エッジに沿って望ましくないノイズが伴う望ましい信号(この場合、すべての望ましくない信号はノイズと見なされる)を含むものとされる。さらに、望ましくない/干渉する信号を除去することにより、ビーム幅β’を有する得られるビームが発生するとされる。所望の得られるビーム幅β’は、シミュレーション方法により前もって計算されてよく、または、キャンセルビームフォーマ信号の振幅を調節することにより(キャンセルビーム出力信号の重み付けにより)実時間ハードウェア上で「調整(ダイヤルイン)」されてよい。
【0027】
上述したように、本発明は、先行技術の実施形態のように、連続的に適応性のあるものではない。システムのユーザーは、係数22を「調整」または調節し、アルゴリズム24を調節することができ、または、アルゴリズム24は、係数22を調節することができる。セットアッププロセス中、システムは、試行錯誤を繰り返して、最適な状態に調節することができる。慎重に製造しているにもかかわらず、電子機器の特徴が、各構成部品に特有なものであるため、最適な動作を行うには、通常、微調節が必要であるとされる。しかしながら、動作中、システム10のセットアップは準静的であり、動作中の連続的な計算、再計算、及び較正が不要である。
【0028】
所望のビームが所望の方向にステアリングされた後、本発明のプロセスを利用することができる。言い換えれば、システムにより受信される予定の所望の信号の方向と、差し引かれる予定の領域とを把握しておかなければならない。音響信号が特定の方向から生じることが分かると、主要ビームMのステアリング角度Θを選択し、除去される領域を特定して、ビーム幅βをビーム幅β’に狭める。ビームをステアリングするために、特定のターゲットまたは音源を有することが不要であることを留意されたい。ビームフォーミングは、得られるビームがさまざまな方向を向くように、アレイ要素からの信号を同調(遅延)させることにより達成される。所望の信号、いわゆるターゲットの存在は、ビームをステアリングし狭くするための必須条件ではない。
【0029】
図3は、例示的に、0°ではないステアリング(またはステアリングされた)角度Θ、この場合、例示的に、Θ=30°での主要ビームMを表している。図3は、既知の所望の音響源が、基準0°から30°の位置にある場合を表している。
【0030】
図2及び図3に表された方法は、フーリエ変換対、高速フーリエ変換、または離散、連続、または高速(高速離散)フーリエ分析を含むフーリエ分析を用いて証明されてよい。例えば、2次元フーリエ変換を用いることにより、主要ビームMはビーム幅βを有するのに対して、所望のビーム幅はβ’である。この方法は、ビーム幅β’を生成するために、ビーム幅βに対して要求される空間フィルタを決定するための信号の空間表現を用いる。空間表現、いわゆる、βの空間信号は、関数a(x,y)として示される。β’の空間表現は、a’(x,y)である。次に、関数A(kx,ky)をa(x,y)の2次元高速フーリエ変換(FFT)または波数変換として示すのに対して、A’(kx,ky)は、所望のビームパターンの波数変換である。1次元信号処理の直接的な類似物として、2次元フーリエ変換対H(kx,ky)、h(kx,ky)により表される2次元(空間)フィルタがあり、この場合、H(kx,ky)=波数ドメインのA’(kx,ky)/A(kx,ky)である。得られる要求されるフィルタは、関数h(x,y)として示される空間表現である。関数h(x,y)は、逆領域表現であり、このような状況において、一般に知られているようにフィルタとして動作しないが、簡潔にするために、空間フィルタと呼ぶ。一般に知られているようなフィルタは、1次元(時間ドメイン)信号のある一定の部分の通過を拒絶する。
【0031】
簡潔に言えば、フーリエ変換の使用は、いくつかの基本的な原理に依存する。時間ドメイン信号の場合、電子フィルタFE(図示せず)を適用することにより、特定の特徴、この場合、ビーム幅を有する所望の出力信号アレイOE(図示せず)を生成するために、入力信号IE(図示せず)が使用できることが分かっている。本発明のシステムにおいて、入力信号IEは既知のものであり、所望の出力OEは既知のものである。時間遅延において数学的に表現すると、IE(t)*FE(t)=OE(t)であり、式中、*は畳み込みとして知られる演算子を表す。入力信号IEと所望の出力OEが変換される場合、式は、フーリエドメインを表し、IE(ω)xFE(ω)=OE(ω)となり、式中、xは、乗法として知られる演算子を表す。ついで、この式は、FE(ω)=OE(ω)/IE(ω)として簡単に解くことができ、ここでも、FE(ω)は、周波数ドメインでのフィルタを表す。周波数ドメインフィルタが決定されると、フィルタ上の逆フーリエ変換は、時間ドメインにおけるフィルタを生成する。2次元(または空間)信号に対して、信号は、x次元及びy次元における距離の関数IE(x,y)であり、その変換は、波数の関数IE(kx,ky)、k=(2*pi*f)/cであり、式中、fは周波数であり、cは媒体の伝播速度である。次いで、このプロセスは、システム10において実行される。
【0032】
好適な実施形態において、本願明細書に記載するすべての処理及びステアリングは、固定ステアリング角度及び固定遅延とともに、時間ドメインにおいて実行されることを認識されたい。したがって、好適な実施形態において、設計ツールとして、概念を証明するために、フーリエ分析が使用される。しかしながら、本願の範囲は、周波数ドイメンも同様に使用する応用を含む。周波数ドメインにおいて、設計ツールとして、概念を証明するためだけでなく、製造ツールとしても、フーリエ分析が用いられてよい。波数ドメインにおけるフーリエ分析は、多大な計算力を必要とし、したがって、全システムパラメータを考慮すると、常に実現可能なものではない場合がある。好適な実施形態において、2次元FETなどのフーリエ分析は、システムの構成部品または任意のコンピュータコードにより実行されない。これらの計算(上述した「調整」)は、計算力が潜在的に制限されているためだけでなく、実際のビームフォーマ及び所望のビームフォーマの予想される音響ピックアップパターンの計算を伴うため、システム10の外部で計算される。2次元FETの使用は、外部の設計ツールとして適用された、予想されるビームパターンを予め計算/シミュレートし、適切なキャンセルビームステアリング及び振幅を決定してよい。時間ドメインビームフォーマの場合、サンプリングレートが固定されることにより、ビームステアリング用に使用される固定された遅延、ひいては、固定されたステアリング角度が得られる。したがって、ビーム幅、角度、及び重複だけを予測しさえすればよい。ビームを正確にステアリングするためには、周波数ドメインビームフォーミングが必要になる。選択される方法は、使用されるビームフォーマのタイプに基づく(すなわち、離散遅延または大きさ/位相フィルタ)。
【0033】
時間ドメインにおいて、この方法は、重複が存在するように、キャンセルビームを主要ビームの左及び/または右に単純にステアリングしている。その点で、キャンセルビームの振幅は、満足できる結果が得られるまで調節されてよい。これは、通常、固定された遅延が、ステアリングされたビームが制限された数の固定角度(例えば、20度、35度、及び60度)でのみ生じるようにするため、(デジタル時間遅延システムにおけるように)ビームをステアリングするための離散(固定)遅延を使用するとき選択するであろう方法である。ビームを正確にステアリングするためには、周波数ドメインビームフォーミングが必要になる。フーリエ分析を使用することにより、この方法の理論的基礎が確証される。周波数ドメインにおいて、この方法は、離散時間遅延、または、チャンネルごとの周波数ドメインフィルタにより形成されるビームに適用される。第2の方法は、上記フーリエ分析からのものである。2次元フーリエ変換が、キャンセルビームの時間遅延方式の振幅「調整」を実証するために使用可能であるため、要求されるキャンセルビームのステアリング角度を決定するために使用されてもよい。固定時間遅延ではなく、ビームフォーマをステアリングするためにフィルタが使用される場合、正確な位相遅延は、ほとんど任意の角度にステアリング可能なキャンセルビームを形成できる。したがって、2次元FETにより、前もって角度、振幅、及び予想される結果が得られる。
【0034】
使用されるビームフォーミング方法にかかわらず、ビーム幅は、アレイ開口がステアリング角度の余弦とともに変化するため、ステアリングされたビームごとに変動することになる。時間遅延ビームフォーマの場合、時間ドメインにおいて、制限された数のステアリング角度が存在する。ビームパターンが重複するならば、望ましくないビームの振幅係数は、満足できる結果を得るために、「調整(ダイヤルイン)」または「調和(チューニング)」されてよい。したがってビーム幅または正確なステアリング角度を予め決定させる必要はなく、システムを経験的に決定された設定状態に調和させる。
【0035】
いずれの方法の場合も、実証プロセスは、空間(2次元)フーリエ変換を実験的方法及びデータの確証方法として使用している。例えば、時間ドメインにおいて逆変換関数を解くことに類似した方法で、空間ドメインフィルタは、図5〜8に示すように、約+/−30度に向けられたローブを示す。
【0036】
理論的な計算が実験的データを確証及び/または補足したと仮定した場合、空間フィルタの大きさ及び位相を解くために、実際及び所望のビームパターンの数値的表現を使用することができ、これは、所望のビームパターンを達成するようにキャンセルビームがステアリングされる方向を示すことになる。これは、特に、周波数ドメインビームフォーマの場合、設計プロセスの一部として見なされてよいが、システム10において「実時間」ベースで使用される処理アルゴリズムの一部である必要はない。また、周波数ドメインビームフォーミングでのこのような波数処理プロセスは、ビーム幅調節を制御する、いわゆる、自動的に「調整」するために、フィードバック機構とともに使用することもできる。しかしながら、これを達成するためには、多大な処理力が必要であり、商業的に実現不可能である場合が多い。
【0037】
時間ドメイン及び周波数ドメインの両方のビームフォーマにおいて、ビームは選択可能であるが、角度は選択可能ではない。時間ドメイン位相遅延で時間ドメインビームフォーマを実行するさい、ビームを正確にステアリングすることは不可能である。ビームに音源が存在する場合、そのビームが使用される。サンプリングレートが固定されているため、遅延は、サンプリング周期の関数である。これにより、多数の固定ビームが得られる。この場合、複数のビームの減衰係数を調節することが最も簡単であり、これらのビームは、前記固定角度に対して、所望のビームの左または右にステアリングされる。係数値を設定するための上述したような2次元処理が使用されてよいが、一般に、形式的手順である。
【0038】
ビームステアリングが各信号に与えられる位相の関数である周波数ドメインビームフォーマの場合、2次元フーリエ変換の使用は、キャンセルビームの振幅係数とステアリング角度の両方を決定するために必要である。さらに、ターゲットビームが特定されてよく、ステアリング角度が、上述したフーリエ変換フィルタリングプロセスを用いて、各要素上で信号の位相を調節することにより選択されてよい。
【0039】
図4は、2つのビームパターンS1及びS2(信号感度対角度)の極プロットを示す。ビームパターンS1は、クロストークキャンセルがない1kHzビームパターンであるのに対して、S1Cは、クロストークキャンセルがある同じビームパターンS1を示す。ビームパターンS2は、クロストークキャンセルがない3kHzビームパターンであるのに対して、S2Cは、クロストークキャンセルがある同じビームパターンS2を示す。図4に示すように、各ビームパターンS1及びS2のプロットが狭められた。この処理により、軸外角度でのビームパターンを受信する感度が低減し、標遊または望ましくない信号(本願明細書では、ノイズと呼ぶ)が低減される。これにより、前記軸外信号を減衰することにより、出力が高められる。
【0040】
図5〜8は、クロストークキャンセルがある場合とない場合の両方で、無響室においてテストされたさまざまな周波数ごとの極プロットされたデータを表し、プロットの各主要な区画は10デシベルを表す。図5は、400、600、800、1000、1200、1600、2000、2400Hzの周波数で、クロストークキャンセルがない信号を示す。図6は、クロストークキャンセルがある場合の図5と同一の信号を示す。特定の周波数として各ラインをラベル付けすることは、クロストークキャンセルの結果を理解することに寄与しない。したがって、図5と図6を比較することに関して留意すべきことは、図5におけるプロットの中心に向かうローブビームが、図6におけるプロットの中心にあるものに対応するということである。図6のローブビームにおいて、ローブの空間的表現は、さらにはっきりとした輪郭になり、より狭いものである。同様に、図5のサイドローブ(軸外ピックアップローブ)は、図6においてより小さく(狭く)なっている。
【0041】
図7及び図8は、クロストークキャンセルがない場合とある場合のそれぞれにおいて、2500、2800、3200、3600、4000、4400、及び4700の周波数での信号を表す。図5及び図6と同様に、図7及び図8は、本発明の技術によるクロストークキャンセルを利用することにより、ビームの狭くより広いはっきりとした輪郭を示す。
【0042】
図9は、本発明の方法のフローチャートを示す。入力信号Iは、音響信号をアナログ電気信号に変換する変換器Tにより受信される。A/D変換器12は、アナログ電気信号をデジタル信号Dに変換する。この実施形態に示すように、デジタル信号Dは、ビームフォーマ14に送信され、出力ビーム16になる。ブロック18は、位置を与えるか、ビームMの位置Θ(図2、3を参照)を決定する。ブロック14及び18は、極プロットに対してビームとしてグラフに表示可能な方向依存性の信号感度を生成する。以下、ビームとして見る信号は、複数の信号が存在すれば、信号が加算されるブロック108に送信される。次いで、加算されたビームは、破線で表したブロック20に送信される。
【0043】
本発明のさらなる実施形態において、ビームを形成し、2次元FFT、他のFFT、またはデバイスの実験的な(経験的な)調節または調和を用いて、非適応キャンセルを適用するための任意のアナログ方法が使用されてよいことを留意されたい。さらに、単一のマイクロホンまたは変換器アセンブリが、複数の音経路、ひいては、複数の音響信号(すなわち、複数の同時指向性ピックアップパターンからのプロセス信号)に対して使用可能であるため、単一のマイクロホンまたは変換器アセンブリが本願で実行可能であることを留意されたい。独立したビームを形成するために使用可能な複数のポートを有する音響ビームフォーマが、本願明細書に記載したものと同じ方法で利用されてよい。例えば、オークボ(Ohkubo)らの米国特許第5,862,240号の発明は、単一のマイクロホンまたは変換器要素として利用されてよく、防音材を伴うさまざまな長さの複数の菅が使用されて、音を減衰し、複数の菅の音に位相シフトをもたらしてよい。これらの方法及びシステムは、本発明に必要であるように、独立したビームを形成するために使用されてよい。
【0044】
さらに、本願の方法及びシステムは、マイクロホンとして同様の結果で一般に機能する構成部品を使用してよい。この方法は、ハイドロホン及びジオホンなどの同様の変換器のアレイにも同様に適用可能である。
【0045】
フーリエ分析は、本願において記載した原理的な手段であるが、計算を実行するために、多数の数学的計算を追加することができ、本発明の方法は、フーリエ分析の使用に限定されるべきものではないことは明らかである。したがって、フーリエ分析が経験的方法にすべて取って代わられるものであってよいことは特に明らかである。
【0046】
本発明のステップは、上述したとおりに正確に実行される必要がないことを留意されたい。例えば、これらのステップのいくつかは、専用のハードウェア、または回路、またはソフトウェアアプリケーション、またはハードウェア、回路、及びソフトウェアのいくつかの組み合わせにより実行されてよい。したがって、本発明のシステムの構成部品が、1つであってもよく、または、ハードウェア、回路、及びソフトウェアの組み合わせであってもよい。このため、本発明が、ステップやシステム構成部品の順番や位置に必ずしも依存する必要はないことも明らかである。
【0047】
本発明の範囲から逸脱することなく、上記構造のさまざまな変更がなされてよいため、上記記載に含まれ、または添付の図面に示されたすべてのものは、例示的なものであり、制限的なものではないと解釈されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の略図である。
【図2】中心軸がゼロ度である本発明のビームの理想的な極プロットの図である。
【図3】中心軸がゼロ度から角度Θだけステアリングされた本発明のビームの理想的な極プロットの図である。
【図4】本発明により処理された出力信号と処理されていない出力信号の極プロットである。
【図5】本発明により処理されていないさまざまな周波数信号の極プロットである。
【図6】本発明により処理されたさまざまな周波数信号の極プロットである。
【図7】本発明により処理されていないさまざまな周波数信号の極プロットである。
【図8】本発明により処理されたさまざまな周波数信号の極プロットである。
【図9】本発明の処理を表すフローチャートである。
Claims (40)
- 少なくとも1つの変換器と、
ビームフォーマと、
少なくとも1つの選択された固定入力ビームと、
狭められた軸上ビーム幅を有する所望の得られる出力ビームを生成するアルゴリズムブロックと、
狭められたビーム幅を有する前記所望の得られる出力ビームを含む出力信号と、
を含む変換器信号の出力を改善するシステム。 - 複数の選択された固定入力ビームをさらに含み、前記アルゴリズムブロックは、複数の所望の出力ビームを生成し、前記出力信号は、所望のビーム幅を有する複数の所望の出力ビームを含む請求項1に記載のシステム。
- 前記変換器は、ビームパターンとして空間的に表すことができる複数の音響信号を同時に受信するマイクロホンである請求項1に記載のシステム。
- 前記システムは、複数の変換器を含む請求項3に記載のシステム。
- 前記変換器は、マイクロホン、相反変換器、ハイドロホン、またはジオホンからなる群から選択される請求項4に記載のシステム。
- 所望の得られるビームの狭められた軸上ビーム幅は、所望の主要ビームを、前記所望の主要ビームの軸からある角度にステアリングされたビームと重ね合わせすることにより生成される請求項1に記載のシステム。
- 前記アルゴリズムブロックは、複数の所望の主要ビームの狭められた軸上ビーム幅を生成し、前記アルゴリズムブロックは、前記複数の所望の得られるビームのビームフォーマ出力を加算し、前記出力信号は、前記複数の所望の得られる狭められたビームの前記ビームフォーマ出力を含む請求項1に記載のシステム。
- マイクロプロセッサをさらに含み、前記マイクロプロセッサは、前記アルゴリズムブロックを含む請求項1に記載のシステム。
- 前記アルゴリズムブロックは、
コンピュータ実行可能命令と、
前記コンピュータ実行可能命令を内部に格納する媒体と、
を含む請求項1に記載のシステム。 - 前記変換器への複数の音経路をさらに含み、前記複数の音経路は、前記複数の音経路に対応する複数の信号をもたらし、前記複数の音経路は、前記複数の信号に位相シフトをもたらす請求項1に記載のシステム。
- 前記複数の音経路は、減衰及び位相シフトをもたらすさまざまな共振器を有する請求項10に記載のシステム。
- 前記複数の音経路は、異なる長さを有し、減衰及び位相シフトをもたらす防音材を含む請求項10に記載のシステム。
- 前記複数の音経路は、減衰及び位相シフトをもたらすさまざまな断面を有する請求項10に記載のシステム。
- 所望の信号を含む所望の主要ビームの空間的表現上の位置を決定するステップと、
前記所望の信号の前記所望のビームの幅を狭めるステップと、
を含む所望の信号の所望のピックアップを狭める方法。 - 前記位置決定ステップは、経験的に実行され固定される請求項14に記載の方法。
- 前記位置決定ステップは、数学的分析を用いて実行される請求項14に記載の方法。
- 前記数学的分析は、多次元フーリエ変換である請求項16に記載の方法。
- 前記所望の信号は、アナログ音響信号であり、前記方法は、
変換器により入力信号を受信するステップと、
前記入力信号からビームを形成するステップと、
出力信号を出力するステップと、
をさらに含む請求項14に記載の方法。 - 前記所望のビームの幅を狭めるステップは、
キャンセルビームを生成するステップと、
前記狭められた所望のビームの所望の得られるビーム幅により特定された位相シフトを用いて、またはそれにより、前記キャンセルビームの中心軸をステアリングするステップと、
重ね合わせにより、前記所望の主要ビームから前記キャンセルビームを差し引くステップと、
を含む請求項14に記載の方法。 - 前記ビーム幅を狭めるステップは、
第2のキャンセルビームを生成するステップと、
前記第2のキャンセルビームの中心軸を、前記所望の得られるビームの所望の得られるビーム幅により特定される第2の角度にステアリングするステップと、
重ね合わせにより、前記所望の主要ビームから前記第2のキャンセルビームを差し引くステップと、
を含む請求項19に記載の方法。 - 複数の主要ビームに前記方法が同時に実行されて、複数の改良された軸上信号ピックアップを生成する請求項14に記載の方法。
- 前記方法は、前記狭められた複数の所望の主要ビームを加算するステップをさらに含む請求項21に記載の方法。
- 前記ビーム幅を狭めるステップは、マイクロプロセッサにより実行される請求項14に記載の方法。
- 前記マイクロプロセッサは、コンピュータ実行可能命令と、前記実行可能ステップを読み取る媒体とを含む請求項23に記載の方法。
- 所望の入力信号の軸上ピックアップを改善する非連続適応方法であって、
所望の入力信号の所望の主要ビームの空間的表現上の位置を決定するステップと、
所望の得られるビームの所望の得られるビーム幅を決定するステップと、
前記所望の主要ビームの空間的表現の領域を除去することにより、前記所望の主要ビームのビーム幅を狭めるステップと、
所望の得られる出力ビームを生成するステップと、
前記所望の得られる出力ビームから出力信号を生成するステップと、
を含む方法。 - 前記所望の得られるビーム幅を決定するステップは、経験的に実行される請求項25に記載の方法。
- 前記所望の得られるビーム幅を決定するステップは、数学的に実行される請求項25に記載の方法。
- 前記所望の得られるビーム幅を決定するステップは、フーリエ変換を用いて実行される請求項25に記載の方法。
- 前記ビーム幅を狭めるステップは、
キャンセルビームを生成するステップと、
前記所望の得られる出力ビームの所定の所望の得られるビーム幅により特定された位相だけ、前記キャンセルビームの中心軸をステアリングするステップと、
重ね合わせにより、前記所望の主要ビームから前記キャンセルビームを差し引くステップと、
を含む請求項25に記載の方法。 - 前記ビーム幅を狭めるステップは、
各キャンセルビームが前記所望の主要ビームと重複する複数のキャンセルビームを生成するステップと、
前記所望の得られる出力ビームの所望の得られるビーム幅により特定された位相だけ、前記複数のキャンセルビームの中心軸をステアリングするステップと、
重ね合わせにより、前記所望の主要ビームから前記複数のキャンセルビームを差し引くステップと、
を含む請求項29に記載の方法。 - 前記方法は、複数の所望の主要ビームを同時に改善し、複数の所望の得られる出力ビームを同時に生成する請求項30に記載の方法。
- 前記出力信号は、前記複数の得られる所望の出力ビームの各々を含む請求項31に記載の方法。
- 前記複数の所望の得られる出力ビームは、複数の所望の入力信号から生成される請求項32に記載の方法。
- 前記方法は、
変換器により前記所望の入力信号を受信するステップと、
前記キャンセルビームを生成するステップの前に、前記所望の入力信号からビームを形成するステップと、
前記出力信号を出力するステップと、
をさらに含む請求項29に記載の方法。 - 前記方法は、前記所望の入力信号をアナログ信号からデジタル信号に変換するステップをさらに含む請求項34に記載の方法。
- 前記ビーム幅を狭めるステップは、マイクロプロセッサにより実行される請求項25に記載の方法。
- 前記マイクロプロセッサは、コンピュータ実行可能命令と、前記実行可能ステップを読み取る媒体とを含む請求項36に記載の方法。
- コンピュータ実行可能命令を有するコンピュータ読取り可能媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令は、
所望の入力信号の所望の主要ビームの空間的表現の位置を特定するステップと、
キャンセルビームを生成するステップと、
狭められた所望のビームの所望の得られるビーム幅により特定される位相だけ、前記キャンセルビームの中心軸をステアリングするステップと、
重ね合わせにより、前記所望の主要ビームから前記キャンセルビームを差し引くステップと、
を含むステップを実行するコンピュータ読取り可能媒体。 - 複数のキャンセルビームを生成するステップと、
前記所望の得られるビームの所望の得られるビーム幅により特定された位相だけ、前記複数のキャンセルビームの中心軸をステアリングするステップと、
重ね合わせにより、前記所望の主要ビームから前記複数のキャンセルビームを差し引くステップと、
を実行するコンピュータ実行可能命令をさらに有する請求項38に記載のコンピュータ読取り可能媒体。 - 変換器により前記信号を受信するステップと、
前記信号をアナログ信号からデジタル信号に変換するステップと、
前記信号からビームを形成するステップと、
前記信号を出力するステップと、
を実行するコンピュータ実行可能命令をさらに有する請求項38に記載のコンピュータ読取り可能媒体。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US27637101P | 2001-03-16 | 2001-03-16 | |
US10/085,172 US20020131580A1 (en) | 2001-03-16 | 2002-02-27 | Solid angle cross-talk cancellation for beamforming arrays |
PCT/US2002/007504 WO2002076143A2 (en) | 2001-03-16 | 2002-03-14 | Solid angle cross-talk cancellation for beamforming arrays |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005504453A true JP2005504453A (ja) | 2005-02-10 |
Family
ID=26772382
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002573477A Pending JP2005504453A (ja) | 2001-03-16 | 2002-03-14 | ビームフォーミングアレイの立体角クロストークキャンセル |
Country Status (10)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20020131580A1 (ja) |
EP (1) | EP1415504A2 (ja) |
JP (1) | JP2005504453A (ja) |
KR (1) | KR20040004552A (ja) |
CN (1) | CN1299538C (ja) |
BR (1) | BR0207991A (ja) |
CA (1) | CA2440999A1 (ja) |
MX (1) | MXPA03008383A (ja) |
RU (1) | RU2003130460A (ja) |
WO (1) | WO2002076143A2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005253071A (ja) * | 2004-03-02 | 2005-09-15 | Microsoft Corp | マイクロフォン・アレイを使用するビーム・フォーミングのシステムおよび方法 |
Families Citing this family (42)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20030161485A1 (en) * | 2002-02-27 | 2003-08-28 | Shure Incorporated | Multiple beam automatic mixing microphone array processing via speech detection |
DE602005003643T2 (de) * | 2005-04-01 | 2008-11-13 | Mitel Networks Corporation, Ottawa | Verfahren zur Beschleunigung des Trainings eines akustischen Echokompensators in einem Vollduplexaudiokonferenzsystem durch akustische Strahlbildung |
JP4701931B2 (ja) * | 2005-09-02 | 2011-06-15 | 日本電気株式会社 | 信号処理の方法及び装置並びにコンピュータプログラム |
US8120462B2 (en) * | 2006-09-25 | 2012-02-21 | Sensomatic Electronics, LLC | Method and system for standing wave detection for radio frequency identification marker readers |
KR100827080B1 (ko) * | 2007-01-09 | 2008-05-06 | 삼성전자주식회사 | 사용자 인식 기반의 빔 포밍 장치 및 방법 |
KR100873000B1 (ko) * | 2007-03-28 | 2008-12-09 | 경상대학교산학협력단 | 마이크 어레이를 이용한 방향성 음원 필터링 시스템 및 그방법 |
US8934640B2 (en) * | 2007-05-17 | 2015-01-13 | Creative Technology Ltd | Microphone array processor based on spatial analysis |
US8693698B2 (en) * | 2008-04-30 | 2014-04-08 | Qualcomm Incorporated | Method and apparatus to reduce non-linear distortion in mobile computing devices |
CN101515033B (zh) * | 2009-04-03 | 2011-11-23 | 合肥工业大学 | 用于波束成形法噪声源识别的多层立体网格阵列 |
KR101601196B1 (ko) * | 2009-09-07 | 2016-03-09 | 삼성전자주식회사 | 지향성 음향 생성 장치 및 방법 |
US9973848B2 (en) * | 2011-06-21 | 2018-05-15 | Amazon Technologies, Inc. | Signal-enhancing beamforming in an augmented reality environment |
US9253567B2 (en) | 2011-08-31 | 2016-02-02 | Stmicroelectronics S.R.L. | Array microphone apparatus for generating a beam forming signal and beam forming method thereof |
CN102969002B (zh) * | 2012-11-28 | 2014-09-03 | 厦门大学 | 一种可抑制移动噪声的麦克风阵列语音增强装置 |
JP6544239B2 (ja) * | 2013-12-12 | 2019-07-17 | 株式会社ソシオネクスト | オーディオ再生装置 |
US10924846B2 (en) * | 2014-12-12 | 2021-02-16 | Nuance Communications, Inc. | System and method for generating a self-steering beamformer |
US9554207B2 (en) | 2015-04-30 | 2017-01-24 | Shure Acquisition Holdings, Inc. | Offset cartridge microphones |
US9565493B2 (en) | 2015-04-30 | 2017-02-07 | Shure Acquisition Holdings, Inc. | Array microphone system and method of assembling the same |
KR102362121B1 (ko) | 2015-07-10 | 2022-02-11 | 삼성전자주식회사 | 전자 장치 및 그 입출력 방법 |
JP6789690B2 (ja) * | 2016-06-23 | 2020-11-25 | キヤノン株式会社 | 信号処理装置、信号処理方法、及びプログラム |
JP6742216B2 (ja) * | 2016-10-25 | 2020-08-19 | キヤノン株式会社 | 音響処理システム、音響処理方法、プログラム |
US10367948B2 (en) | 2017-01-13 | 2019-07-30 | Shure Acquisition Holdings, Inc. | Post-mixing acoustic echo cancellation systems and methods |
CN112335261B (zh) | 2018-06-01 | 2023-07-18 | 舒尔获得控股公司 | 图案形成麦克风阵列 |
US11297423B2 (en) | 2018-06-15 | 2022-04-05 | Shure Acquisition Holdings, Inc. | Endfire linear array microphone |
CN109104683B (zh) * | 2018-07-13 | 2021-02-02 | 深圳市小瑞科技股份有限公司 | 一种双麦克风相位测量校正的方法及校正系统 |
CN110891226B (zh) * | 2018-09-07 | 2022-06-24 | 中兴通讯股份有限公司 | 一种消噪方法、装置、设备和存储介质 |
EP3854108A1 (en) | 2018-09-20 | 2021-07-28 | Shure Acquisition Holdings, Inc. | Adjustable lobe shape for array microphones |
US11956590B2 (en) | 2019-03-19 | 2024-04-09 | Northwestern Polytechnical University | Flexible differential microphone arrays with fractional order |
US11558693B2 (en) | 2019-03-21 | 2023-01-17 | Shure Acquisition Holdings, Inc. | Auto focus, auto focus within regions, and auto placement of beamformed microphone lobes with inhibition and voice activity detection functionality |
EP3942845A1 (en) | 2019-03-21 | 2022-01-26 | Shure Acquisition Holdings, Inc. | Auto focus, auto focus within regions, and auto placement of beamformed microphone lobes with inhibition functionality |
CN113841419A (zh) | 2019-03-21 | 2021-12-24 | 舒尔获得控股公司 | 天花板阵列麦克风的外壳及相关联设计特征 |
WO2020237206A1 (en) | 2019-05-23 | 2020-11-26 | Shure Acquisition Holdings, Inc. | Steerable speaker array, system, and method for the same |
CN114051637A (zh) | 2019-05-31 | 2022-02-15 | 舒尔获得控股公司 | 集成语音及噪声活动检测的低延时自动混波器 |
RU2713621C1 (ru) * | 2019-08-19 | 2020-02-05 | Федеральное государственное унитарное предприятие "Ростовский-на-Дону научно-исследовательский институт радиосвязи" (ФГУП "РНИИРС") | Способ построения радиолокационного запросчика |
CN114467312A (zh) | 2019-08-23 | 2022-05-10 | 舒尔获得控股公司 | 具有改进方向性的二维麦克风阵列 |
US11270712B2 (en) | 2019-08-28 | 2022-03-08 | Insoundz Ltd. | System and method for separation of audio sources that interfere with each other using a microphone array |
GB2589082A (en) * | 2019-11-11 | 2021-05-26 | Nokia Technologies Oy | Audio processing |
US11552611B2 (en) | 2020-02-07 | 2023-01-10 | Shure Acquisition Holdings, Inc. | System and method for automatic adjustment of reference gain |
USD944776S1 (en) | 2020-05-05 | 2022-03-01 | Shure Acquisition Holdings, Inc. | Audio device |
US11706562B2 (en) | 2020-05-29 | 2023-07-18 | Shure Acquisition Holdings, Inc. | Transducer steering and configuration systems and methods using a local positioning system |
JP2024505068A (ja) | 2021-01-28 | 2024-02-02 | シュアー アクイジッション ホールディングス インコーポレイテッド | ハイブリッドオーディオビーム形成システム |
CN114945119A (zh) | 2021-02-15 | 2022-08-26 | 舒尔.阿奎西什控股公司 | 定向带式麦克风组件 |
CN116643290B (zh) * | 2023-06-16 | 2024-04-26 | 山西建筑工程集团有限公司 | 一种不规则轮廓的双平台运动补偿的计量方法和系统 |
Family Cites Families (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6223300A (ja) * | 1985-07-23 | 1987-01-31 | Victor Co Of Japan Ltd | 指向性マイクロホン装置 |
US5862240A (en) * | 1995-02-10 | 1999-01-19 | Sony Corporation | Microphone device |
US5651074A (en) * | 1995-05-11 | 1997-07-22 | Lucent Technologies Inc. | Noise canceling gradient microphone assembly |
US6002776A (en) * | 1995-09-18 | 1999-12-14 | Interval Research Corporation | Directional acoustic signal processor and method therefor |
US6535610B1 (en) * | 1996-02-07 | 2003-03-18 | Morgan Stanley & Co. Incorporated | Directional microphone utilizing spaced apart omni-directional microphones |
US5825898A (en) * | 1996-06-27 | 1998-10-20 | Lamar Signal Processing Ltd. | System and method for adaptive interference cancelling |
US5848172A (en) * | 1996-11-22 | 1998-12-08 | Lucent Technologies Inc. | Directional microphone |
US6154552A (en) * | 1997-05-15 | 2000-11-28 | Planning Systems Inc. | Hybrid adaptive beamformer |
US6766029B1 (en) * | 1997-07-16 | 2004-07-20 | Phonak Ag | Method for electronically selecting the dependency of an output signal from the spatial angle of acoustic signal impingement and hearing aid apparatus |
JP3216704B2 (ja) * | 1997-08-01 | 2001-10-09 | 日本電気株式会社 | 適応アレイ装置 |
US6084973A (en) * | 1997-12-22 | 2000-07-04 | Audio Technica U.S., Inc. | Digital and analog directional microphone |
US6049607A (en) * | 1998-09-18 | 2000-04-11 | Lamar Signal Processing | Interference canceling method and apparatus |
US6594367B1 (en) * | 1999-10-25 | 2003-07-15 | Andrea Electronics Corporation | Super directional beamforming design and implementation |
AU2001294960A1 (en) * | 2000-09-29 | 2002-04-08 | Knowles Electronics, Llc. | Second order microphone array |
US6748086B1 (en) * | 2000-10-19 | 2004-06-08 | Lear Corporation | Cabin communication system without acoustic echo cancellation |
-
2002
- 2002-02-27 US US10/085,172 patent/US20020131580A1/en not_active Abandoned
- 2002-03-14 WO PCT/US2002/007504 patent/WO2002076143A2/en not_active Application Discontinuation
- 2002-03-14 CN CNB028067363A patent/CN1299538C/zh not_active Expired - Fee Related
- 2002-03-14 EP EP02733840A patent/EP1415504A2/en not_active Withdrawn
- 2002-03-14 BR BRPI0207991-7A patent/BR0207991A/pt not_active IP Right Cessation
- 2002-03-14 RU RU2003130460/28A patent/RU2003130460A/ru not_active Application Discontinuation
- 2002-03-14 JP JP2002573477A patent/JP2005504453A/ja active Pending
- 2002-03-14 MX MXPA03008383A patent/MXPA03008383A/es active IP Right Grant
- 2002-03-14 KR KR10-2003-7011745A patent/KR20040004552A/ko not_active Application Discontinuation
- 2002-03-14 CA CA002440999A patent/CA2440999A1/en not_active Abandoned
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005253071A (ja) * | 2004-03-02 | 2005-09-15 | Microsoft Corp | マイクロフォン・アレイを使用するビーム・フォーミングのシステムおよび方法 |
JP4690072B2 (ja) * | 2004-03-02 | 2011-06-01 | マイクロソフト コーポレーション | マイクロフォン・アレイを使用するビーム・フォーミングのシステムおよび方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2002076143A2 (en) | 2002-09-26 |
KR20040004552A (ko) | 2004-01-13 |
CN1515129A (zh) | 2004-07-21 |
CN1299538C (zh) | 2007-02-07 |
WO2002076143A8 (en) | 2002-12-19 |
RU2003130460A (ru) | 2005-02-10 |
EP1415504A2 (en) | 2004-05-06 |
US20020131580A1 (en) | 2002-09-19 |
MXPA03008383A (es) | 2004-02-12 |
WO2002076143A3 (en) | 2004-02-19 |
BR0207991A (pt) | 2006-02-21 |
CA2440999A1 (en) | 2002-09-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2005504453A (ja) | ビームフォーミングアレイの立体角クロストークキャンセル | |
Benesty et al. | Conventional beamforming techniques | |
US10229698B1 (en) | Playback reference signal-assisted multi-microphone interference canceler | |
EP1184676B1 (en) | System and method for processing a signal being emitted from a target signal source into a noisy environment | |
US4589137A (en) | Electronic noise-reducing system | |
US7123727B2 (en) | Adaptive close-talking differential microphone array | |
US9237391B2 (en) | Low noise differential microphone arrays | |
EP1312239B1 (en) | Interference suppression techniques | |
KR101060301B1 (ko) | 센서 어레이에서 장치 또는 신호의 부정합을 조정하기 위한 방법 및 장치 | |
JP4782202B2 (ja) | 強調された位相差値を使用して雑音弁別を改良するための方法および装置 | |
JP4782201B2 (ja) | 減衰ファクタを用いて雑音弁別を改良するための方法および装置 | |
US20080247565A1 (en) | Position-Independent Microphone System | |
US7944775B2 (en) | Adaptive array control device, method and program, and adaptive array processing device, method and program | |
US20110029288A1 (en) | Method And Apparatus For Improving Noise Discrimination In Multiple Sensor Pairs | |
WO2007025225A2 (en) | Beam former using phase difference enhancement | |
WO2007025232A2 (en) | System and method for improving time domain processed sensor signal output | |
CN110557710A (zh) | 具有语音控制的低复杂度多声道智能扩音器 | |
WO2017025151A1 (en) | An audio signal processing apparatus and a sound emission apparatus | |
KR101613683B1 (ko) | 음향 방사 패턴 생성 장치 및 방법 | |
Neo et al. | Robust microphone arrays using subband adaptive filters | |
JP2012510748A (ja) | 音響アンテナの指向性を改善するための方法及び装置 | |
Ward et al. | Broadband microphone arrays for speech acquisition | |
JP2005536113A (ja) | 調和的ネスティングを有する遅延ネットワークマイクロフォン | |
AU2002305042A1 (en) | Solid angle cross-talk cancellation for beamforming arrays | |
Iseki et al. | Neural-network-based microphone-array system trained with temporal-spatial patterns of multiple sinusoidal signals |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050204 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080122 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080624 |