JP2005503286A - 自転車のクランクセット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】2個の一体構造の薄壁で連続する管状部材からなる2部材の自転車のクランクセットで、各管状部材はクランクアームとクランク軸の半体部を具備し、クランクアームとクランク軸部が連続する薄壁管状形を形成し、2個の管状部材が、自転車のブラケットシェル内部の2個の軸受セットの中央で連結され、2個の管状部材を接続する継手は、外スリーブと、内スリーブと、2個の外面がテーパ状で内面がねじ切りされたブッシュと、ねじ切りしたスタッドとを具備し、ねじ切りしたスタッドを回転すると、ブッシュが内スリーブを膨張させる位置をとり、それによって2個の管状部材のクランク軸部が、内スリーブの膨張によって内スリーブと外スリーブの間に固定される。代わりに、締まりばめ継手が2個の管状部材を接続し、ほぞ孔部材とほぞ部材を具備し、ほぞ部材はほぞ孔部材に嵌合して連動し、第1管状を第2管状部材に固定し、締まりばめ継手は、さらに取付ボルトと離脱ボルトを具備して、組み立てと分解を容易にする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は一般的には自転車のクランクセット組立体に係り、特に、高強度で軽量な2部材の、連続する管状のテーパ状クランクセットに関する。
【0002】
【従来の技術】
自転車レースにおいては、自転車コンポーネントの重量、強度および剛性が自転車競技者にとって最終的に重要である。強度と剛性の優れた軽量のコンポーネント(特に回転部品)が非常に求められている。
【0003】
これらコンポーネントの特徴を扱う試みに関する情報は、エドワーズの米国特許第5,493,937号、デュラムの第4,704,919号、リチャードソンの第5,924,336号に見られる。しかし、これら参考文献のいずれに開示されている構造も、以下に述べるように少なくとも1つの欠点があり、重量を最小化しながら、最大の耐荷重を効果的に兼ね備えていない。
【0004】
既存の自転車のクランクセットの多くは、クランクアームを連結した2部材のクランク軸からなる。クランクアームはクランク軸の部分に機械的に装着される個別の部材であることが多く、ガセット板により補強されることもある。機械的な装着点と補強用のガセット板は、不必要に装着部分の重量を増やすことになる。エドワーズの米国特許第5,493,937号は、クランクアームを連結した典型的な2部材のクランク軸を開示している。クランクアームはクランク軸に装着される個別部材で、ガセット板により補強されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
クランクアームとクランク軸(これを「クランクセット」と定義する)は著しい曲げモーメントとねじれ荷重を受けるため、これらの部材の強度と剛性は信頼性のある機能にとって重要である。クランクセットの重量を最小化することも望まれる。しかしながら、個々の部材を連結してクランクセットを形成するには、ガセット板により継手を補強する必要があり、その結果、望まないにもかかわらず重量が増す。このように重量が加わることに加え、エドワーズのクランク軸側のガセット板は最大の応力点にない。そのため、ガセット板は限定的な価値しか有していないといえる。
【0006】
強度、剛性および重量に影響する2番目の設計要素は、クランクアームとクランク軸の形状である。現在の多くのクランクセットは、クランクアームの長さに沿って一定の断面積を有するクランクアームを具備する。クランクアームが支える応力はクランクアームの長長手方向に沿って一定ではないため、一定の断面積を有するクランクアームは重量に対して優れた耐荷重を具備しないことになり、このため最大の強度・剛性対重量の関係を達成するのに不利に働く。エドワーズの特許のクランクアームならびにクランク軸もその長手方向に沿って一定の断面積を有する。このことが、最軽量で最大の強度と剛性を達成するのを著しく制限している。部材の長手方向に沿って一定の断面積を維持すると、部材が追加荷重に耐えられなくなる。このため、寸法と重量を増大したからといって、構造的な強度はそれほど増加されない。
【0007】
現在のクランクセットのなかには、ブラケットシェルの中にある2つのクランク軸部をスプライン継手により連結するものがある。エドワーズは、さらに2個の2部材の軸をスプライン継手により連結することを開示している。クランク軸に巨大な周期的な荷重が作用するのは周知の事実である。クランク軸で最も弱い部分は外径が最小のところであり、これは典型的には応力集中点である。スプライン継手は別の径の大きなクランク軸部内に径の小さなクランク軸部を連結するので、クランク軸の全体の支持力は径の小さな部分に制限される。エドワーズの設計の場合、これがスプライン継手で生じるので、クランク軸の径を大きくする必要がある。径が大きいと重量が増え、さらにより大型でより重い軸受が必要である。さらに、クランク軸の端部は構造的に閉成されないので、クランク軸は座屈荷重を受けやすいままである。自転車のブラケットをシェルに入れるという寸法の制限を考えると、スプライン継手はクランク軸全体の直径に対して最大の耐荷重を提供しない。
【0008】
今の補強された重量の重い継手を備える大径のクランク軸のクランクセットには、大型で重い軸受セットが必要であるか、または軸受の場所をブラケットシェルの外側にする必要がある(リチャードソンのように)。ブラケットシェルの境界の条件は決まっているので、軸受セットが大きいと大径のクランク軸を収容するための空間が少なくなる。
【0009】
より小型の軸受セットがクランク軸の荷重に耐えることができるような、高強度の材料で作られる軸受セットが望まれている。このように軸受セットが小さくなると大径のクランク軸のために、一般的にはブラケットシェル内部の空間が増え、そのためクランクセット組立体の幅が広がるという欠点のある軸受セットの位置をブラケットシェルの外側にしなくても、クランク軸の支持力が増すことになる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上の問題を、半体のクランク軸部とクランクアームを組み合わせた一体構造設計の連続する管状部材を提供することにより解決するものである。これでジョイントとジョイントの補強部の重量がかさむのをおさえ、重量を最小化しながら優れた強度と剛性を効果的に提供する。
【0011】
本発明は、クランクアームに沿った耐荷重に合わせて最適化されたテーパ状のクランクアームを提供する。これはクランクアームの長手方向に沿った荷重に耐えるためにクランクアームの長さに沿った各点に必要な最小の断面を効果的に提供する。一体構造で連続する設計が、クランクセットの各部材に均一かつ均等に応力を分配する。
【0012】
本発明は、さらにクランク軸の径に対して効果的に耐荷重を最大化した、管状設計の均一なクランク軸の外径を提供する。
【0013】
本発明は、さらに現在のクランクセットのものよりも実質的に小さい外径の高強度の軸受セットを提供し、そのため決められたブラケットシェルの外径の中により大きな外径のクランク軸を収容し、優れた耐荷重を有するクランクセットを提供する。
【0014】
本発明は、軽量で優れた強度と剛性を備える2部材の自転車のクランクセットを提供することを目的としている。クランクセットは、好ましくは2個の薄壁管状部材からなる。管状部材は、比較的大径のクランク軸部と軽量でテーパ形のクランクアームを具備し、クランクアームの長手方向における各地点の管の断面積の大きさをねじれ、曲げおよびせん断の荷重によって決定し、クランクアームの遠位端にある補強インサートが様々なペダル軸、つまり連続する一体構造のクランク軸とクランクアームの管状部材の内部に組み込まれる管状ペダル軸を収容する。
【0015】
本発明のクランクセットは現在のクランクセット組立体より著しく軽量で、優れた耐荷重を備えている。クランクセットは、好ましくはねじれ、曲げおよびせん断荷重が管状クランク軸とテーパ状のクランクアームの断面の寸法を決定するように設計される。管状部材は、好ましくは連続する管状部材全体に実質的に均一かつ均等に応力を分配するように設計され、成形される。
【0016】
本発明のある態様において、クランクセットは、好ましくは現在のクランクセット組立体にあるものよりも小さな軸受セットを可能にし、大径のクランク軸のためにブランケットシェル内部に余分な空間を提供する、超高強度のボールベアリングのある軸受セットを具備する。
【0017】
本発明の別の態様において、クランクセットは好ましくは、クランクセットの部材がクランク軸全長の半分となるように、クランク軸の中央で分かれている。2個の半体のクランク軸部は好ましくは2個の軸受セットの中央にあるブランケットシェルの中で連結されて、せん断荷重を効果的に取除く。
【0018】
本発明の別の態様において、自転車のクランクセットは、好ましくは第1管状部材と、第2管状部材と、第2管状部材に接続されるスパイダと、第1管状部材と第2管状部材とをブラケットシェル内で固定する継手とを具備している。第1および第2管状部材は、好ましくは連続する一体構造の薄壁管状形を形成するクランクアームとクランク軸部とを具備している。
【0019】
本発明のさらに別の態様において、第1管状部材および第2管状部材は、好ましくはさらにペダル軸を具備し、そこでクランクアームとクランク軸部とペダル軸が合わさって連続する一体構造の薄壁管状構造を形成する。別の態様において、スパイダが、好ましくはさらに第2管状部材の連続する薄壁管状形に組み込まれる。
【0020】
本発明のさらに別の態様において、第1管状部材および第2管状部材は好ましくは射出成形によりアラミド繊維複合材料から形成される。代わりに、第1管状部材および第2管状部材は射出成形により炭素およびガラス繊維複合材料から形成されてもよい。さらに、第1管状部材および第2管状部材は、クラムシェル設計のスチール型打ち部品で、一緒に電子ビームまたはレーザにより溶接して、連続した一体構造の薄壁管状構造を形成してもよい。
【0021】
本発明の別の態様において、クランクセットの継手は、好ましくは外スリーブと、内スリーブと、2個の外面がテーパ状で内面をねじ切りしたブッシュと、ねじ切りしたスタッドとを具備する。スタッドを回転してブッシュを内スリーブが膨らむように位置付け、第1管状部材および第2管状部材のクランク軸部を継手の内スリーブと外スリーブの間に固定する。
【0022】
その態様のさらに別の面において、本発明は、クランクセットが1対の中空L字形の管状部材を具備し、L字形の管状部材の各々が、一体構造で単一部材の連続する壁を有し、L字形の管状部材の各々が、それぞれ第1閉端部および第2閉端部を備えた第1脚部と、第1脚部の中間点と第1脚部の第2端部との間の位置において第1脚部を連結する第2脚部とからなり、第2脚部が第1脚部との接合箇所の位置から離れた開端部を有する自転車のクランクセットを提供する。各管状部材の脚部の内部には仕切りがなく、互いに連通している。L字形の管状部材の第1閉端部は望ましくは丸みをつけられる。
【0023】
管状部材の2番目のものは、好ましくは単一部材の連続する壁の一部として、それに一体的に形成されるスパイダを有する。スパイダは望ましくは第2管状部材の第2脚部と同軸上で、管状部材の第2閉端部付近にあり、スパイダが従来の自転車の駆動チェーンと駆動係合するのに適する。管状部材は好ましくは、第2脚部の共通軸に対して一体的に回転するために、その各第2脚部の複雑な開端部で同軸上に嵌合して結合するのに適している。
【0024】
クランクセットは、さらに好ましくは複雑な開端部が嵌合する際に、一体的に回転するために第2脚部を締め付け固定するための解放自在の締め付け手段を具備する。解放自在の締め付け手段は、望ましくは嵌合した第2脚部を取り囲む外スリーブと、嵌合した第2脚部内部に配置され、第2脚部の開端部付近の第2脚部の内側環状面に対して外側に膨張するのに適した軸方向にテーパ状の内面を有する放射状に膨張可能な内スリーブとを具備し、それによって外方に圧迫して第2脚部を外スリーブに密着させる。解放自在の締め付け手段はさらに好ましくは、内スリーブ内に同軸上に配置されるねじ切りしたスタッドと、スタッドと螺合して、内スリーブの内側と軸方向に摺動可能に接触する外面が軸方向においてテーパ状のブッシュ手段とからなる。スタッドが回転すると、ブッシュはそれに沿って軸方向に動き、それによって内スリーブは第2脚部の環状面に対して放射状に外方に圧迫され、さらに第2脚部が外スリーブと密着するように外方に圧迫されて、それによって一緒に一体的な回転をするために第2脚部がその間に挟みこまれる。
【0025】
本発明のさらに別の態様において、継手は、好ましくはほぞ孔部材とほぞ部材とからなる。ほぞは、好ましくはほぞ孔に差し込まれて、第1管状部材のクランク軸部を第2管状部材に固定する。この継手は、さらに管状部材の一方のボルト孔を貫通し、他方の管状部材の取付孔を螺合する取付ボルトを具備してもよい。取付ボルトを取付孔にねじ込むことによって、ほぞ部材をほぞ孔部材にしっかりと固定する。ほぞ孔とほぞ部材はテーパ状であってもテーパ状でなくともよい。この継手はさらに離脱ボルトを具備してもよく、そこで取付ボルトをはずして、離脱ボルトをボルト孔にねじ込んで貫通すると、ほぞ部材がほぞ孔部材から離間するようになる。
【0026】
本発明のさらに別の態様において、ボルト孔は好ましくは10mmの外径を有し、取付孔は好ましくは8mmの内径を有する。取付ボルトの外径を8mmにすることができ、離脱ボルトの外径を10mmにすることができる。
【0027】
本発明のさらに別の態様において、ほぞとほぞ孔部材は、好ましくはボロン複合材料である。代わりに、ほぞとほぞ孔部材は、高強度の金属材料とすることができる。
【0028】
本発明の別の態様において、クランクセットは、好ましくはさらに2個の軸受セットの間の中央に位置するブラケットシェル内に継手を備えた2個の軸受セットを具備している。軸受セットは、外カップと、内カップと、シールと、セラミックボールとを具備してもよい。セラミックボールは、外カップ、内カップ、およびシールの内部に収容してもよく、保持器で互いに分離してもよい。外カップは好ましくはブラケットシェルと連通し、内カップは好ましくは管状部材の一方のクランク軸部と連通している。セラミックボールは窒化シリコンでもよい。外カップと内カップは52100スチールでもよく、硬化されて窒化チタンアルミニウムによりスパッタ被覆して、全体の硬度がロックウェル硬度90を超えるようにしてもよい。シールはばね式のテフロン製ガータでもよい。保持器は、マイラー、ナイロン、デルリンまたは他のエンジニアリングプラスチックから作ることができる。
【0029】
本発明の別の態様において、クランクアームは、好ましくはさらに様々なペダルを考慮するために内面をねじ切りしたチタン製インサートからなる。クランクアームはチタン製インサートを収容するために、チタン製インサート付近に、圧縮成形した中実の炭素繊維およびガラス複合材料部分を備えることができる。業界で知られているものよりも著しく軽量な本発明のクランクセットは、比較的外径の大きい管状薄壁セクションから構成されている。重量を減らすために強度と剛性を犠牲にしてはいない。
【0030】
いくつかのエンジニアリング原理が強度と剛性と重量の関係を決めている。管状構造では、慣性モーメントが外径の4番目の力として挙げられるが、重量は外径の2乗で増えるだけである。さらに、閉じた管状構造は、開いた構造のものと比べ、巨大な回転モーメントを有している。これが強度と剛性が構造、つまりは重量に結びつく重要な変数である。
【0031】
境界条件がさらに、部材の最大サイズと最小サイズを制限する。この境界条件には、ボトムブラケットシェルの外径、チェーンのための最低限の空間、そしてペダル間の所望の最大幅がある。境界条件を最も制限する2つの要素とは、クランクセットが様々な規格のペダルを収容することと、クランクセットを取付け易いように分離していることである。クランクセットの形状は境界条件に制限されるが、そうでなければ荷重に決定される。本発明のアプローチは、曲げ荷重をクランク軸端部の寸法の決定因子とし、ねじれ荷重をペダルのクランク軸付近の最小断面積の決定因子とすることである。クランクセットはこれら制約要因について設計されている。その態様の別の面では、本発明は連続する管状部材を提供する。荷重は、自転車を使う人、自転車におけるクランクの位置、および様々な外部条件によって、方向と大きさが変わる。クランクアームにおける主な荷重は曲げモーメントであり、クランク軸においてはねじれ荷重である。管状形はクランクセットの応力を実質的に均一かつ均等に全体に分配している。
【0032】
その態様の別の面において、本発明は2個のクランクセットの部材を連結する方法を提供する。取付け易く、構造的な一体性を維持するために、クランクセットをクランク軸の中央で正確に分離している。継手がこの2個の部材を一緒に保持する。
【0033】
【発明の実施の形態】
図面全部に、特に図1に8の符号を付した2部材の自転車のクランクセットが図示されている。このクランクセットはそれぞれ10の符号を付した2個の連続する薄壁管状部材を具備している。各管状部材10は、連続するクランクアーム40と半体のクランク軸50とを有している。補強ペダル軸インサート80は、半体の軸50から離れたアーム40の端部に位置付けてもよい。クランクアーム40はテーパ状である。補強インサート80(図7に詳細に図示される)は、好ましくは各クランクアーム40の遠位端にある。インサート80は好ましくは中実で、好ましくは図示していない様々なペダルの装着ができるように、ペダル軸用の孔30の内部に標準的な内ねじを具備する。駆動側の連続する管状部材10はさらに10Sの符号を付され、さらに望ましくはチェーンギアを取り付けることができるスパイダ60を具備する。図1にはチェーンギアは図示していない。
【0034】
2個の連続する管状部材10は、それぞれ好ましくはクランク軸部50を具備し、好ましくはクランクセット8のクランク軸の全長の半分と全く等しい軸方向の長さを有している。これにより、管状部材10がブラケットシェル14の内部において2個の軸受セット16の中央に位置するように接続される。他の実施形態においては、クランク軸の軸方向の長手方向長さの半分以外の寸法にしたクランク軸部を有する管状部材10でもよい。このように構成すると、管状部材10の間の接続は、ブラケットシェル14の内部の2個の軸受セット16の中央に位置しない。
【0035】
さらに、図1を参照すると、本発明の自転車のクランクセットの好適な実施形態においては、自転車のクランクセットには一般的に8の符号が付され、このクランクセット8は、1対の中空のL字形の管状部材10、10Sを具備し、L字形の管状部材10、10Sはそれぞれ一体的な構造で、300の符号を付される単一部材の連続する壁を有している。Sは、従来の自転車のチェーンを駆動係合するためのスパイダ60を備えた管状部材10の一方を指す。
【0036】
L字形の各管状部材10は、それぞれ第1閉端部302および第2閉端部304を有する第1脚部40を具備している。各管状部材10は、さらに好ましくは、第1脚部40の長手方向の中間点と第1脚部40の第2端部304の間の位置において好ましくは第1脚部40を連結する第2脚部50を具備している。第2脚部50は一端が接合箇所310の位置において第1脚部40と連結して終わり、第2脚部50と第1脚部40の接合箇所310の位置から仕切りなく離れた第2端部12を有している。
【0037】
第1脚部40は仕切りのない内部306を有しており、一方、第2脚部50は仕切りのない内部308を有している。各管状部材10、10Sの脚部40、50の仕切りのない内部306、308は、好ましくは互いに連通している。
【0038】
L字形の管状部材10、10Sの第1脚部40の第1閉端部302は丸みをつけられている。
【0039】
管状部材10の2番目のものと称される管状部材10Sは、好ましくは単一部材の連続する壁300の一部として、好ましくはそれに一体的に形成されるスパイダ60を有している。管状部材10Sの第1脚部40の仕切りのない内部306は、図1に示すようにスパイダ60の内部まで延在している。
【0040】
スパイダ60は好ましくは管状部材10Sの第1脚部40の第2閉端部304付近に形成され、従来の自転車の駆動チェーンとの駆動係合に適するようになっている。
【0041】
1対のL字形の管状部材10、10Sは、好ましくは各第2脚部50の複雑な開端部12において同軸上に嵌合して連結するのに適している。これによって自転車のクランクセット、特に連結したL字形の管状部材10、10Sの、第2脚部50の共通軸を中心とした一体的な回転が容易になる。
【0042】
クランクセット8は、好ましくはさらに各L字形の管状部材10、10Sの第2脚部50を締め付けて固定するために、一般的には314の符号を付した解放自在の固定手段を具備している。これによって、複雑な開端部312が嵌合するとき、L字形の管状部材10、10Sの一体的な回転が容易になる。解放自在の固定手段314は、好ましくはさらに嵌合した第2脚部50を取り囲む外スリーブ120と、嵌合した第2脚部50の中に配置される放射状に膨張可能な内スリーブ110とを具備している。内スリーブ110は、好ましくは第2脚部50の開端部12に近い第2脚部50の内側環状面に対して外側に膨張するのに適した軸方向にテーパ状の内面130を具備している。この外側への膨張が第2脚部50を外方に圧迫して、外スリーブ120と密着させる。
【0043】
解放自在な固定手段314は、好ましくはさらに内スリーブ110の中に好ましくは同軸上に配置されるねじ切りしたスタッド150を具備し、好ましくはさらにスタッド150を螺合する外面が軸方向にテーパ状のブッシュ手段140と、内スリーブ110の軸方向に摺動可能な接触内材130とを具備している。スタッド150が回転すると、ブッシュ140がそれに沿って軸方向に動き、内スリーブ110を第2脚部50の内側環状面に対して放射状に外方に圧迫する。これにより第2脚部50を外方に圧迫して外スリーブ12と密着させ、それによって第2脚部50は互いに一体的に回転するために内スリーブ110と外スリーブ120の間に挟持される。
【0044】
図2を参照すると、各連続する管状部材10は複雑に割れたまたは開いた端部12を有している。2個の連続する管状部材10がともに合わさる位置になると、クランクアーム40が互いに180°の位置になる。このように、一方のクランクアーム40のトルクが他方のクランクアーム40に伝達される。
【0045】
スリーブ付き継手100は、好ましくは連続する管状部材10をともに固定する。2個の半体のクランク軸50を装着する複雑に割れた端部12は、好ましくは図2および図5に示すように、スリーブ付き継手100の内スリーブ110と外スリーブ120の間に挟持される。内スリーブ110の内面130は好ましくは、その中央部の厚い部分からその外側の縁の薄い部分まで円錐状をなすように先細に形成されている。
【0046】
内スリーブ110の円錐状に先細になった内径130を接合して受けて収容するように外面が先細になった外径160を有する2個の突合せブッシュ140が、内スリーブ110の各端部にある。図6に示すようにブッシュ140が一緒に引かれるとき、外スリーブ120に対して半体のクランク軸50を圧搾しながら、内スリーブ110を膨張させることになる。ブッシュ140は、好ましくはその内径170でねじ切りされ、ねじ切りしたスタッド150で一緒に引っ張られる。一方のブッシュ140が右ねじを螺設され、他方のブッシュ140が左ねじを螺設されている。ねじ切りしたスタッド150は各端部で逆方向にねじ切りされて、各ブッシュ140と合致して螺合し、スタッド150を回転することによって両ブッシュ140を一緒にスタッド150上に移動させることができる。スタッド150をある方向に回転と、半体のクランク軸50を外スリーブ120に固定しながら、ブッシュ140を一緒に押動させることになる。スタッド150を反対方向に回転するとブッシュ140は離間して、半体のクランク軸50は外スリーブ120に強固に装着された状態から解放される。
【0047】
スタッド150は、図8に示すように、その長さ方向が軸方向に延びる六角形の孔180を有している。スタッド150は、好ましくは孔180に挿入される対応する六角形のキーレンチ(図示せず)により回転される。
【0048】
本発明は、周知の自転車のクランクセット組立体より優れた点をいくつか提供する。
【0049】
図1を参照すると、円形に近い楕円形の断面を備えた連続する管状部材10は、クランクセットの応力を本質的には均一かつ均等に全体に分配するような形状に形成されている。この設計は、構造的な応力をペダル軸インサート80からクランクアーム40を通りクランク軸50を横切って、図示しないチェーンギアを嵌合するスパイダ60まで、連続する管状部材10の薄壁20に沿って本質的には均一に分配することになる。スパイダ60は、その一体的な部分であるため、駆動側の連続する管状部材10Sを補強している。管状部材10の一部としてスパイダ60を製造することで、重量が最小化される。
【0050】
別の利点として、標準ねじを使用して、中実の補強インサート80を使うことにより、ほとんど重量が加わることなく様々な高性能のペダルに対応できることになる。2個の連続する管状部材10は、また自転車への取付けが実用的で簡単にできるように設計されている。クランクセットを分離することにより、つまりクランク軸に沿って部材10、10Sを正確に中央で分離することにより、構造的な一体性を保ちながら簡単な取付けが実現される。連続する管状部材10、10Sの複雑な割れ目12により、中央のジョイントに応力が著しく集中することなく、クランクセットの片側から反対側にトルクを伝達することができる。
【0051】
クランクセット、具体的には管状部材10は多数の材料から製造できるが、クランクセットは、好ましくは極限強さを十分に活用できるように管状部材10、10S優先の材料から製造される。ある好適な実施形態においては、この材料はアラミド繊維複合材料である。別の実施形態においては、材料は炭素およびガラス繊維複合材料である。さらに別の実施形態においては、連続する管状部材10はクラムシェル構造として、一緒に電子ビームまたはレーザ溶接されるスチール型打ち材である
連続するクランクアーム40のテーパ状の設計によれば、テーパ状ではないクランクアームの約2/3しか材料が要らない。また、テーパ状のクランクアーム40は真っ直ぐなクランクアームと同じ荷重に耐えることができる。そのため、重量を著しく減らしながら、構造的な性能を維持することができる。
【0052】
単一部材で一体構造の連続する管状部材10の別の実施形態が図9に示されているが、図3に示すものの代替案である一体構造の連続する薄壁管状部材40であり、望ましくはクランク軸54と、クランクアーム40と、ペダル軸補強インサート用の孔82とを具備している。管状部材10は、アラミド繊維複合材料や炭素およびガラス繊維複合材料などの薄壁20の構造を有する複合材料から製造することができる。代わりに、管状部材10はクラムシェル構造で一緒に電子ビームまたはレーザ溶接するスチール型打ち部品とすることができる。複合材料の実施形態は望ましくは射出成形され、好ましくは単一部材の連続する一体構造の管状部材である。スチールにより製造する場合、一緒に型打ちして溶接するが、管状部材10には形状に不連続点がなく、機械的な接合箇所もなく、しかも接続点や補強ガセット板がないので、依然として部材10は連続する一体構造となっている。複合材料とスチールの両実施形態の連続する一体構造の設計は、強度と剛性を犠牲にすることなく重量を最小化することを可能にする。
【0053】
図10は、図4に示すものの代替案の駆動側の連続する管状部材10Sの別の実施形態の側面図であり、スパイダ60と、クランクアーム40と、ペダル軸補強インサート用の孔82とを具備している。
【0054】
図11は、図10に示されるような駆動側の管状部材10の別の実施形態の平面図であり、クランク軸54と、スパイダ60と、クランクアーム40と、ペダル軸32とを示している。図10および11に示される駆動側の管状部材10も、薄壁20の構造を有する複合材料、またはスチール型打ち溶接部品から製造することができ、どちらの場合にも望ましくはペダル軸32を連続する単一部材の一体式の構造に組み込むことになる。
【0055】
スパイダ60はスプロケットタング61を具備しており、図示していないチェーンを噛合させる。駆動側の管状部材10の複合材料の実施形態では、各スプロケットタング61の近くのスパイダ60の領域は中実として、チェーンから作用する荷重に耐え得るようにする。駆動側の管状部材10のスチール型打ち材の実施形態では、スプロケットタング61を中空として、クラムシェルの不可欠な部分として形成される。
【0056】
図12には、ほぞ孔部材202とほぞ部材204を有する締まりばめ継手200が示されている。ほぞ孔部材202とほぞ部材204は、それぞれ好ましくは図14に示す末広がりの先端216で終わる円筒形の管状壁207を具備している。ほぞ孔部材202とほぞ部材204は、好ましくは管状部材10のクランク軸部54に円筒形のスリーブを装着するように被着され、好ましくはクランクセット8の各管状部材10からクランクセット8のクランク軸の全長の半分の距離まで延びるクランク軸を形成している。図9および図11のそれぞれに示す線52は、ほぞ孔部材202またはほぞ部材204の末広がりの先端216の構造が延びて、実際に各管状部材10のクランク軸54の部分にスリーブを装着するように被着する範囲を示している。3M DP−420などの高強度エポキシ構造接着剤を望ましくは0.2286mm(0.009インチ)から0.2794mm(0.011インチ)の厚さの層として使用して、ほぞ孔部材202またはほぞ部材204を管状部材10のクランク軸54に装着する。
【0057】
図18および図20に示す管状部材10の半体のクランク軸部50は、管状部材10のクランク軸50の部分をスリーブを装着するように被着するほぞ孔部材202またはほぞ部材204を具備し、好ましくはテーパ状ではなく、互いに180°の位置で相対するクランクアーム40と整列される。図18および図20は、また半体のクランク軸部50にプレス嵌めされる外カップ220と内側シール229を示している。締まりばめ継手220が継手200全体にトルクと曲げモーメントを効果的に伝達する。
【0058】
図14に示すように、ブラケットシェル14の中で継手200が2個の軸受セット16の中央に位置付けられることにより本質的にせん断荷重が除去される。締まりばめ継手200を使用して、クランクセット8の不要な背隙や遊びをなくすことができる。
【0059】
図13は、テーパ状の4面雄部材212とテーパ状の4面雌部材214を有するテーパ状の4面継手210を示している。雄部材212と雌部材214は、それぞれテーパ状の4面を有しており、各部材の4面がそれぞれ同じ表面積である。テーパ状の4面継手210は好ましくはスチール製である。各部材212、214は、好ましくは末広がりの先端216で終わる円筒形の管状壁207を具備している。締まりばめ継手200と同様に、雄部材212と雌部材214は管状部材のクランク軸部54に円筒形のスリーブを装着するように被着して固定され、クランクセット8の各管状部材10からクランクセット8のクランク軸の全長の半分の距離まで延びるクランク軸を形成している。図9および図11のそれぞれにある線52は、雄および雌のテーパ状の4つの部材212、214の末広がりの先端216の構造が延びて、具体的に各管状部材10のクランク軸部54にスリーブを装着するように被着する範囲を示している。
【0060】
テーパ状の4面継手210も相対するクランクアーム40と互いに相対して整列され、継手210の全体に本質的にはすべてのトルクと曲げモーメントを効果的に伝達するようになっている。2つの軸受セット16の間に継手210を中央に配置したことにより、本質的にはせん断荷重を除去することができる。
【0061】
締まりばめ継手200とテーパ状の4面継手210が、半体のクランク軸部50の装着点全体に実質的に均一に荷重を分配している。末広がりの先端216により不均一な応力の分配を最小化することができる。スリーブ付き継手200は広い面積に軸受の荷重を分配し易くし、管状部材10に荷重が集中するのを最小化することができる。管状部材10が複合材料から作られる場合、管状部材10への集中荷重は最小化しなければならない。
【0062】
締まりばめ継手200は、より経済的で製造工程が簡単なため、スプライン付き継手や、あるいはテーパ状の4面継手210よりも優れている。テーパ状の4面継手210は、好ましくは鋳造、鍛造または型打ちされるので、使用前にかなりの加工を要する。締まりばめ継手200は標準的なフライス盤で加工でき、すぐに使用可能である。他の継手は、まず製造した後に磨き上げたりというより高いレベルの加工が必要である。締まりばめ継手200は極めて丈夫で、組み立て中に継手200を締付けすぎてもほとんどあるいは全く損傷しない。
【0063】
組立ておよび分解のために、締まりばめ継手200とテーパ状の4面継手210は、それぞれ一方のクランク軸部50にボルト孔206と、他方のクランク軸部50の部分に取付孔208を具備している。孔206にあるボルト孔は孔208にある取付孔よりも内径が大きい。ボルト孔と取付孔は内面がねじ切りされている。
【0064】
締まりばめ継手200またはテーパ状の4面継手210を組立てるために、取付孔または孔208のものと外径の等しいねじ切りした取付ボルトをボルト孔206に通して、取付孔208に入れる。取付ボルト209を取付孔208にねじ込むと(図17に図示)、取付ボルト209のテーパ状の頭がボルト孔206の内径よりも大きいため、ほぞ孔202とほぞ204の部材(またはテーパ状の4面継手210の雄部材212と雌部材214)が引張られて嵌合する。取付ボルト209は、望ましくは4.9gのチタン製のアレンヘッドボルトとする。
【0065】
取付ボルト209を使用することにより継手の組立てを簡単にできるので、つまり、締まりばめ継手200のほぞ孔部材202およびほぞ部材204か、またはテーパ状の4面継手210の雄のテーパ状の部材212および雌のテーパ状の部材214のいずれかを一緒に引張ることができるので、取付ボルト209は締まりばめ継手200またはテーパ状の4面継手210の各部材をクランクセット8の使用中に一緒に保持する必要はない。取付ボルト209は継手の組立ての後に取外してもよい。
【0066】
つまみ42(図1〜図4、図18および19に図示)を取外すと、継手の組立ておよび分解のために、つまりねじ切りしたスタッド150の操作のため、または取付ボルト209あるいは離脱ボルトの取付け/取外しのために、ブラケットシェル14の中の継手(スリーブ付き継手100、締まりばめ継手200またはテーパ状の4面継手210のいずれか)に手を届かせることができる。つまみ42はチタン製であり、クランクアーム40の溝の中にプレス嵌めされて、異物を封じ出すために2重Oリングを有している。
【0067】
締まりばめ継手200またはテーパ状の4面継手210を分解するには、取付ボルト209を取外す。ボルト孔206の内径と外径の等しいねじ切りした離脱ボルト(図示せず)を、ボルト孔206にねじ込んで、離脱ボルトの末端がほぞ204をほぞ孔202との係合から離脱するまで、または雄のテーパ状の4面部材212が雌のテーパ状の4面部材214との係合から離脱するまで挿入する。代わりに、取付ボルト209を取付孔208にねじ込みながら、離脱ボルトをボルト孔206にねじ込んで、各ボルトの末端が継手200、210の中で対峙させることもできる。一方の(または両方の)ボルトを残りのボルトの末端に当てて回転させると、ほぞ孔202がほぞ部材204から外れるか、または雄のテーパ状の4面部材212が雌のテーパ状の4面部材214から外れる。分解に取付ボルト209と離脱ボルトの両方を使用することにより、締まりばめ継手200またはテーパ状の4面継手210の連動部材は絶対に損傷することがない。
【0068】
締まりばめ継手200とテーパ状の4面継手210は、好ましくは優れた疲労特性と高靭性を有する超高強度の耐食性の金属から製造する。ある好適な実施形態では、17−4PHの時効硬化したステンレススチールが使用される。17−4PHスチールは、200,000psi以上の強度になるように硬化できる(標準スチールは60,000psiの降伏強さを有している)。17−4PHスチールは靭性、耐食性および疲労強さが優れている。
【0069】
図14は、ブラケットシェル14の中の2個の軸受セット16の中央に配置した締まりばめ継手200の上断面詳細図である。各軸受セット16は、外カップ220と、内カップ222と、セラミックボール224と、保持リング226と、外側シール228と、内側シール229とを具備している。
【0070】
ある実施形態では、セラミックボール224は直径3.2mmの窒化シリコンである。外カップ220および内カップ222(外カップ220が図16に示されている)は約ロックウェル硬度60まで硬化した52100スチールである。カップ220、222をさらに窒化チタンアルミニウムによりスパッタ被覆すると、カップ220、222の硬度はロックウェル硬度90を超える。硬度を与えることに加え、スパッタ被覆はカップ220、222の潤滑性を高め、耐食性を与えることになる。
【0071】
保持リング(図15に示される)は、マイラー、ナイロン、デルリンなどの材料、あるいセラミックボール224を分離でき、ボール同士のすり合わせを防ぐことができれば、どのようなエンジニアリングプラスチックでもよい。シール228、229(図16に外カップ220の不可欠な部分として内側シール229を示している)は好ましくはばね式テフロン製ガータシールであり、制動トルクをあまり与えないようにしながら、ゴム製のリップシールよりもクランク軸に25から50倍の力を与えることができる。同様に、外側シール228は好ましくは内カップ222の不可欠な部分として形成される。
【0072】
図20を参照して、ブラケットシェル14の中のクランクセット8の組立てについて説明する。一体的な内側シール229を備える外カップ220と、ハウジング保持リング226と、セラミックボール224をブラケットシェル14にねじ込む。管状部材10の半体のクランク軸部50(内カップ222と一体的な外側シール228を備える)を、ブラケットシェル14の各末端に挿入する(外カップ220と保持リング226の中で)。つぎに、締まりばめ継手200を合わせる(要すれば取付ボルト209を使って)。最後に軸受セット16の外カップ220と内カップ222を少し分離して、軸受セット16に予荷重を加える(クランクセット8から遊びをとる)。外カップ220または内カップ222のいずれかをねじ戻せば、ブラケットシェル14の中を調整するためにクランクセット8は約2〜3mm横に動く。組立てにはシムやスペーサは必要ない。外カップ220はロックタイトで適宜な場所に固定される。
【0073】
標準的なペダルを収容するために、複合材料の実施形態のクランクセット8の補強インサート80を好ましくは内面にねじ切りして、好ましくはチタニウム製とする。補強ペダル軸インサート80は、好ましくは、クランクアーム40の補強インサート用の孔82の中の適所に成形またはエポキシ樹脂により接着する。複合材料のクランクアーム40の領域(孔82の近く)は好ましくは中実の炭素繊維およびガラス複合材料とし、圧縮成形される。クランクアーム40の中空のセクションは、発泡スチロールプラグの周りを圧縮成形されるか、または形状に合わせてナイロンゴムあるいは真直ぐなラテックスゴムによりゴム成形される。スチール製のクランクセット8の場合、補強インサート80は好ましくは別に加工し、好ましくはクランクアーム40の末端またはクランクアーム40を貫通して適宜な場所に溶接される。1以上のガセット板など他の材料により補強インサート80を囲む必要はない。
【0074】
本発明のこれら利点は、以上の明細書から当業者には明らかである。本発明の広範な発明の概念を逸脱することなく、前述した実施形態に変更や変型を行なえることは当業者に理解できる。そのため、本発明はこれに記載のある実施形態に制限されるものではなく、請求項に定義されるように、発明の範囲と精神の範囲内にあるすべての変更と変型を含もうとしていることは理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施形態によるブラケットシェル内に連結した2部材のクランクセットの上断面図
【図2】図1に示すクランクセットのハウジングを詳述する一部切断した上断面分解図
【図3】図1に示すクランクセットのハウジングを詳述する一部切断した上断面分解図
【図4】スパイダを有する管状クランクアームを示した図1のクランクセットハウジングの左側面図
【図5】ブッシュが操作位置にはない図1に示すクランクセットの継手部分の上断面分解図
【図6】ブッシュが操作位置にある図5に示す継手の上断面分解図
【図7】ペダル軸を支えるために使用する補強インサートの横断面図
【図8】ブッシュを省略した図5に示す継手の端面図
【図9】本発明によるクランクアームとクランク軸部と補強インサート用の孔とを具備する図3に示す管状部材の別の実施形態の平面図
【図10】本発明による図4に示すスパイダを有する管状部材の別の実施形態の側面図
【図11】すべて本発明によるクランクアームとクランク軸部とスパイダとペダル軸とを具備する図4に示すスパイダに接続される管状部材の別の実施形態の平面図
【図12】本発明に従ってほぞ孔部材とほぞ部材とを具備する締まりばめ継手の分解斜視図
【図13】本発明による雄部材と雌部材からなるテーパ状の4面継手の分解斜視図
【図14】本発明によるブラケットシェル内部の2個の軸受セットの中央に配置した締まりばめ継手の破断上面詳細図
【図15】本発明による軸受セットの玉軸受を備える保持リングの斜視図
【図16】本発明による軸受セットの一体型内側シールを備える外カップの斜視図
【図17】本発明による締まりばめ継手用またはテーパ状の4面継手用の取付ボルトの斜視図
【図18】本発明による図9に示す管状部材の斜視図であり、締まりばめ継手のほぞ部材が管状部材に装着されて、一体型外側シールをもつ内カップをほぞ部材にプレス嵌合している状態を示す図
【図19】本発明による図10に示すスパイダを有する管状部材の側面図であり、さらに継手の組立てと分解のためのアクセスホールをカバーするつまみを示す図
【図20】本発明による締まりばめ継手を有するクランクセット組立体の分解斜視図
【発明の属する技術分野】
本発明は一般的には自転車のクランクセット組立体に係り、特に、高強度で軽量な2部材の、連続する管状のテーパ状クランクセットに関する。
【0002】
【従来の技術】
自転車レースにおいては、自転車コンポーネントの重量、強度および剛性が自転車競技者にとって最終的に重要である。強度と剛性の優れた軽量のコンポーネント(特に回転部品)が非常に求められている。
【0003】
これらコンポーネントの特徴を扱う試みに関する情報は、エドワーズの米国特許第5,493,937号、デュラムの第4,704,919号、リチャードソンの第5,924,336号に見られる。しかし、これら参考文献のいずれに開示されている構造も、以下に述べるように少なくとも1つの欠点があり、重量を最小化しながら、最大の耐荷重を効果的に兼ね備えていない。
【0004】
既存の自転車のクランクセットの多くは、クランクアームを連結した2部材のクランク軸からなる。クランクアームはクランク軸の部分に機械的に装着される個別の部材であることが多く、ガセット板により補強されることもある。機械的な装着点と補強用のガセット板は、不必要に装着部分の重量を増やすことになる。エドワーズの米国特許第5,493,937号は、クランクアームを連結した典型的な2部材のクランク軸を開示している。クランクアームはクランク軸に装着される個別部材で、ガセット板により補強されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
クランクアームとクランク軸(これを「クランクセット」と定義する)は著しい曲げモーメントとねじれ荷重を受けるため、これらの部材の強度と剛性は信頼性のある機能にとって重要である。クランクセットの重量を最小化することも望まれる。しかしながら、個々の部材を連結してクランクセットを形成するには、ガセット板により継手を補強する必要があり、その結果、望まないにもかかわらず重量が増す。このように重量が加わることに加え、エドワーズのクランク軸側のガセット板は最大の応力点にない。そのため、ガセット板は限定的な価値しか有していないといえる。
【0006】
強度、剛性および重量に影響する2番目の設計要素は、クランクアームとクランク軸の形状である。現在の多くのクランクセットは、クランクアームの長さに沿って一定の断面積を有するクランクアームを具備する。クランクアームが支える応力はクランクアームの長長手方向に沿って一定ではないため、一定の断面積を有するクランクアームは重量に対して優れた耐荷重を具備しないことになり、このため最大の強度・剛性対重量の関係を達成するのに不利に働く。エドワーズの特許のクランクアームならびにクランク軸もその長手方向に沿って一定の断面積を有する。このことが、最軽量で最大の強度と剛性を達成するのを著しく制限している。部材の長手方向に沿って一定の断面積を維持すると、部材が追加荷重に耐えられなくなる。このため、寸法と重量を増大したからといって、構造的な強度はそれほど増加されない。
【0007】
現在のクランクセットのなかには、ブラケットシェルの中にある2つのクランク軸部をスプライン継手により連結するものがある。エドワーズは、さらに2個の2部材の軸をスプライン継手により連結することを開示している。クランク軸に巨大な周期的な荷重が作用するのは周知の事実である。クランク軸で最も弱い部分は外径が最小のところであり、これは典型的には応力集中点である。スプライン継手は別の径の大きなクランク軸部内に径の小さなクランク軸部を連結するので、クランク軸の全体の支持力は径の小さな部分に制限される。エドワーズの設計の場合、これがスプライン継手で生じるので、クランク軸の径を大きくする必要がある。径が大きいと重量が増え、さらにより大型でより重い軸受が必要である。さらに、クランク軸の端部は構造的に閉成されないので、クランク軸は座屈荷重を受けやすいままである。自転車のブラケットをシェルに入れるという寸法の制限を考えると、スプライン継手はクランク軸全体の直径に対して最大の耐荷重を提供しない。
【0008】
今の補強された重量の重い継手を備える大径のクランク軸のクランクセットには、大型で重い軸受セットが必要であるか、または軸受の場所をブラケットシェルの外側にする必要がある(リチャードソンのように)。ブラケットシェルの境界の条件は決まっているので、軸受セットが大きいと大径のクランク軸を収容するための空間が少なくなる。
【0009】
より小型の軸受セットがクランク軸の荷重に耐えることができるような、高強度の材料で作られる軸受セットが望まれている。このように軸受セットが小さくなると大径のクランク軸のために、一般的にはブラケットシェル内部の空間が増え、そのためクランクセット組立体の幅が広がるという欠点のある軸受セットの位置をブラケットシェルの外側にしなくても、クランク軸の支持力が増すことになる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上の問題を、半体のクランク軸部とクランクアームを組み合わせた一体構造設計の連続する管状部材を提供することにより解決するものである。これでジョイントとジョイントの補強部の重量がかさむのをおさえ、重量を最小化しながら優れた強度と剛性を効果的に提供する。
【0011】
本発明は、クランクアームに沿った耐荷重に合わせて最適化されたテーパ状のクランクアームを提供する。これはクランクアームの長手方向に沿った荷重に耐えるためにクランクアームの長さに沿った各点に必要な最小の断面を効果的に提供する。一体構造で連続する設計が、クランクセットの各部材に均一かつ均等に応力を分配する。
【0012】
本発明は、さらにクランク軸の径に対して効果的に耐荷重を最大化した、管状設計の均一なクランク軸の外径を提供する。
【0013】
本発明は、さらに現在のクランクセットのものよりも実質的に小さい外径の高強度の軸受セットを提供し、そのため決められたブラケットシェルの外径の中により大きな外径のクランク軸を収容し、優れた耐荷重を有するクランクセットを提供する。
【0014】
本発明は、軽量で優れた強度と剛性を備える2部材の自転車のクランクセットを提供することを目的としている。クランクセットは、好ましくは2個の薄壁管状部材からなる。管状部材は、比較的大径のクランク軸部と軽量でテーパ形のクランクアームを具備し、クランクアームの長手方向における各地点の管の断面積の大きさをねじれ、曲げおよびせん断の荷重によって決定し、クランクアームの遠位端にある補強インサートが様々なペダル軸、つまり連続する一体構造のクランク軸とクランクアームの管状部材の内部に組み込まれる管状ペダル軸を収容する。
【0015】
本発明のクランクセットは現在のクランクセット組立体より著しく軽量で、優れた耐荷重を備えている。クランクセットは、好ましくはねじれ、曲げおよびせん断荷重が管状クランク軸とテーパ状のクランクアームの断面の寸法を決定するように設計される。管状部材は、好ましくは連続する管状部材全体に実質的に均一かつ均等に応力を分配するように設計され、成形される。
【0016】
本発明のある態様において、クランクセットは、好ましくは現在のクランクセット組立体にあるものよりも小さな軸受セットを可能にし、大径のクランク軸のためにブランケットシェル内部に余分な空間を提供する、超高強度のボールベアリングのある軸受セットを具備する。
【0017】
本発明の別の態様において、クランクセットは好ましくは、クランクセットの部材がクランク軸全長の半分となるように、クランク軸の中央で分かれている。2個の半体のクランク軸部は好ましくは2個の軸受セットの中央にあるブランケットシェルの中で連結されて、せん断荷重を効果的に取除く。
【0018】
本発明の別の態様において、自転車のクランクセットは、好ましくは第1管状部材と、第2管状部材と、第2管状部材に接続されるスパイダと、第1管状部材と第2管状部材とをブラケットシェル内で固定する継手とを具備している。第1および第2管状部材は、好ましくは連続する一体構造の薄壁管状形を形成するクランクアームとクランク軸部とを具備している。
【0019】
本発明のさらに別の態様において、第1管状部材および第2管状部材は、好ましくはさらにペダル軸を具備し、そこでクランクアームとクランク軸部とペダル軸が合わさって連続する一体構造の薄壁管状構造を形成する。別の態様において、スパイダが、好ましくはさらに第2管状部材の連続する薄壁管状形に組み込まれる。
【0020】
本発明のさらに別の態様において、第1管状部材および第2管状部材は好ましくは射出成形によりアラミド繊維複合材料から形成される。代わりに、第1管状部材および第2管状部材は射出成形により炭素およびガラス繊維複合材料から形成されてもよい。さらに、第1管状部材および第2管状部材は、クラムシェル設計のスチール型打ち部品で、一緒に電子ビームまたはレーザにより溶接して、連続した一体構造の薄壁管状構造を形成してもよい。
【0021】
本発明の別の態様において、クランクセットの継手は、好ましくは外スリーブと、内スリーブと、2個の外面がテーパ状で内面をねじ切りしたブッシュと、ねじ切りしたスタッドとを具備する。スタッドを回転してブッシュを内スリーブが膨らむように位置付け、第1管状部材および第2管状部材のクランク軸部を継手の内スリーブと外スリーブの間に固定する。
【0022】
その態様のさらに別の面において、本発明は、クランクセットが1対の中空L字形の管状部材を具備し、L字形の管状部材の各々が、一体構造で単一部材の連続する壁を有し、L字形の管状部材の各々が、それぞれ第1閉端部および第2閉端部を備えた第1脚部と、第1脚部の中間点と第1脚部の第2端部との間の位置において第1脚部を連結する第2脚部とからなり、第2脚部が第1脚部との接合箇所の位置から離れた開端部を有する自転車のクランクセットを提供する。各管状部材の脚部の内部には仕切りがなく、互いに連通している。L字形の管状部材の第1閉端部は望ましくは丸みをつけられる。
【0023】
管状部材の2番目のものは、好ましくは単一部材の連続する壁の一部として、それに一体的に形成されるスパイダを有する。スパイダは望ましくは第2管状部材の第2脚部と同軸上で、管状部材の第2閉端部付近にあり、スパイダが従来の自転車の駆動チェーンと駆動係合するのに適する。管状部材は好ましくは、第2脚部の共通軸に対して一体的に回転するために、その各第2脚部の複雑な開端部で同軸上に嵌合して結合するのに適している。
【0024】
クランクセットは、さらに好ましくは複雑な開端部が嵌合する際に、一体的に回転するために第2脚部を締め付け固定するための解放自在の締め付け手段を具備する。解放自在の締め付け手段は、望ましくは嵌合した第2脚部を取り囲む外スリーブと、嵌合した第2脚部内部に配置され、第2脚部の開端部付近の第2脚部の内側環状面に対して外側に膨張するのに適した軸方向にテーパ状の内面を有する放射状に膨張可能な内スリーブとを具備し、それによって外方に圧迫して第2脚部を外スリーブに密着させる。解放自在の締め付け手段はさらに好ましくは、内スリーブ内に同軸上に配置されるねじ切りしたスタッドと、スタッドと螺合して、内スリーブの内側と軸方向に摺動可能に接触する外面が軸方向においてテーパ状のブッシュ手段とからなる。スタッドが回転すると、ブッシュはそれに沿って軸方向に動き、それによって内スリーブは第2脚部の環状面に対して放射状に外方に圧迫され、さらに第2脚部が外スリーブと密着するように外方に圧迫されて、それによって一緒に一体的な回転をするために第2脚部がその間に挟みこまれる。
【0025】
本発明のさらに別の態様において、継手は、好ましくはほぞ孔部材とほぞ部材とからなる。ほぞは、好ましくはほぞ孔に差し込まれて、第1管状部材のクランク軸部を第2管状部材に固定する。この継手は、さらに管状部材の一方のボルト孔を貫通し、他方の管状部材の取付孔を螺合する取付ボルトを具備してもよい。取付ボルトを取付孔にねじ込むことによって、ほぞ部材をほぞ孔部材にしっかりと固定する。ほぞ孔とほぞ部材はテーパ状であってもテーパ状でなくともよい。この継手はさらに離脱ボルトを具備してもよく、そこで取付ボルトをはずして、離脱ボルトをボルト孔にねじ込んで貫通すると、ほぞ部材がほぞ孔部材から離間するようになる。
【0026】
本発明のさらに別の態様において、ボルト孔は好ましくは10mmの外径を有し、取付孔は好ましくは8mmの内径を有する。取付ボルトの外径を8mmにすることができ、離脱ボルトの外径を10mmにすることができる。
【0027】
本発明のさらに別の態様において、ほぞとほぞ孔部材は、好ましくはボロン複合材料である。代わりに、ほぞとほぞ孔部材は、高強度の金属材料とすることができる。
【0028】
本発明の別の態様において、クランクセットは、好ましくはさらに2個の軸受セットの間の中央に位置するブラケットシェル内に継手を備えた2個の軸受セットを具備している。軸受セットは、外カップと、内カップと、シールと、セラミックボールとを具備してもよい。セラミックボールは、外カップ、内カップ、およびシールの内部に収容してもよく、保持器で互いに分離してもよい。外カップは好ましくはブラケットシェルと連通し、内カップは好ましくは管状部材の一方のクランク軸部と連通している。セラミックボールは窒化シリコンでもよい。外カップと内カップは52100スチールでもよく、硬化されて窒化チタンアルミニウムによりスパッタ被覆して、全体の硬度がロックウェル硬度90を超えるようにしてもよい。シールはばね式のテフロン製ガータでもよい。保持器は、マイラー、ナイロン、デルリンまたは他のエンジニアリングプラスチックから作ることができる。
【0029】
本発明の別の態様において、クランクアームは、好ましくはさらに様々なペダルを考慮するために内面をねじ切りしたチタン製インサートからなる。クランクアームはチタン製インサートを収容するために、チタン製インサート付近に、圧縮成形した中実の炭素繊維およびガラス複合材料部分を備えることができる。業界で知られているものよりも著しく軽量な本発明のクランクセットは、比較的外径の大きい管状薄壁セクションから構成されている。重量を減らすために強度と剛性を犠牲にしてはいない。
【0030】
いくつかのエンジニアリング原理が強度と剛性と重量の関係を決めている。管状構造では、慣性モーメントが外径の4番目の力として挙げられるが、重量は外径の2乗で増えるだけである。さらに、閉じた管状構造は、開いた構造のものと比べ、巨大な回転モーメントを有している。これが強度と剛性が構造、つまりは重量に結びつく重要な変数である。
【0031】
境界条件がさらに、部材の最大サイズと最小サイズを制限する。この境界条件には、ボトムブラケットシェルの外径、チェーンのための最低限の空間、そしてペダル間の所望の最大幅がある。境界条件を最も制限する2つの要素とは、クランクセットが様々な規格のペダルを収容することと、クランクセットを取付け易いように分離していることである。クランクセットの形状は境界条件に制限されるが、そうでなければ荷重に決定される。本発明のアプローチは、曲げ荷重をクランク軸端部の寸法の決定因子とし、ねじれ荷重をペダルのクランク軸付近の最小断面積の決定因子とすることである。クランクセットはこれら制約要因について設計されている。その態様の別の面では、本発明は連続する管状部材を提供する。荷重は、自転車を使う人、自転車におけるクランクの位置、および様々な外部条件によって、方向と大きさが変わる。クランクアームにおける主な荷重は曲げモーメントであり、クランク軸においてはねじれ荷重である。管状形はクランクセットの応力を実質的に均一かつ均等に全体に分配している。
【0032】
その態様の別の面において、本発明は2個のクランクセットの部材を連結する方法を提供する。取付け易く、構造的な一体性を維持するために、クランクセットをクランク軸の中央で正確に分離している。継手がこの2個の部材を一緒に保持する。
【0033】
【発明の実施の形態】
図面全部に、特に図1に8の符号を付した2部材の自転車のクランクセットが図示されている。このクランクセットはそれぞれ10の符号を付した2個の連続する薄壁管状部材を具備している。各管状部材10は、連続するクランクアーム40と半体のクランク軸50とを有している。補強ペダル軸インサート80は、半体の軸50から離れたアーム40の端部に位置付けてもよい。クランクアーム40はテーパ状である。補強インサート80(図7に詳細に図示される)は、好ましくは各クランクアーム40の遠位端にある。インサート80は好ましくは中実で、好ましくは図示していない様々なペダルの装着ができるように、ペダル軸用の孔30の内部に標準的な内ねじを具備する。駆動側の連続する管状部材10はさらに10Sの符号を付され、さらに望ましくはチェーンギアを取り付けることができるスパイダ60を具備する。図1にはチェーンギアは図示していない。
【0034】
2個の連続する管状部材10は、それぞれ好ましくはクランク軸部50を具備し、好ましくはクランクセット8のクランク軸の全長の半分と全く等しい軸方向の長さを有している。これにより、管状部材10がブラケットシェル14の内部において2個の軸受セット16の中央に位置するように接続される。他の実施形態においては、クランク軸の軸方向の長手方向長さの半分以外の寸法にしたクランク軸部を有する管状部材10でもよい。このように構成すると、管状部材10の間の接続は、ブラケットシェル14の内部の2個の軸受セット16の中央に位置しない。
【0035】
さらに、図1を参照すると、本発明の自転車のクランクセットの好適な実施形態においては、自転車のクランクセットには一般的に8の符号が付され、このクランクセット8は、1対の中空のL字形の管状部材10、10Sを具備し、L字形の管状部材10、10Sはそれぞれ一体的な構造で、300の符号を付される単一部材の連続する壁を有している。Sは、従来の自転車のチェーンを駆動係合するためのスパイダ60を備えた管状部材10の一方を指す。
【0036】
L字形の各管状部材10は、それぞれ第1閉端部302および第2閉端部304を有する第1脚部40を具備している。各管状部材10は、さらに好ましくは、第1脚部40の長手方向の中間点と第1脚部40の第2端部304の間の位置において好ましくは第1脚部40を連結する第2脚部50を具備している。第2脚部50は一端が接合箇所310の位置において第1脚部40と連結して終わり、第2脚部50と第1脚部40の接合箇所310の位置から仕切りなく離れた第2端部12を有している。
【0037】
第1脚部40は仕切りのない内部306を有しており、一方、第2脚部50は仕切りのない内部308を有している。各管状部材10、10Sの脚部40、50の仕切りのない内部306、308は、好ましくは互いに連通している。
【0038】
L字形の管状部材10、10Sの第1脚部40の第1閉端部302は丸みをつけられている。
【0039】
管状部材10の2番目のものと称される管状部材10Sは、好ましくは単一部材の連続する壁300の一部として、好ましくはそれに一体的に形成されるスパイダ60を有している。管状部材10Sの第1脚部40の仕切りのない内部306は、図1に示すようにスパイダ60の内部まで延在している。
【0040】
スパイダ60は好ましくは管状部材10Sの第1脚部40の第2閉端部304付近に形成され、従来の自転車の駆動チェーンとの駆動係合に適するようになっている。
【0041】
1対のL字形の管状部材10、10Sは、好ましくは各第2脚部50の複雑な開端部12において同軸上に嵌合して連結するのに適している。これによって自転車のクランクセット、特に連結したL字形の管状部材10、10Sの、第2脚部50の共通軸を中心とした一体的な回転が容易になる。
【0042】
クランクセット8は、好ましくはさらに各L字形の管状部材10、10Sの第2脚部50を締め付けて固定するために、一般的には314の符号を付した解放自在の固定手段を具備している。これによって、複雑な開端部312が嵌合するとき、L字形の管状部材10、10Sの一体的な回転が容易になる。解放自在の固定手段314は、好ましくはさらに嵌合した第2脚部50を取り囲む外スリーブ120と、嵌合した第2脚部50の中に配置される放射状に膨張可能な内スリーブ110とを具備している。内スリーブ110は、好ましくは第2脚部50の開端部12に近い第2脚部50の内側環状面に対して外側に膨張するのに適した軸方向にテーパ状の内面130を具備している。この外側への膨張が第2脚部50を外方に圧迫して、外スリーブ120と密着させる。
【0043】
解放自在な固定手段314は、好ましくはさらに内スリーブ110の中に好ましくは同軸上に配置されるねじ切りしたスタッド150を具備し、好ましくはさらにスタッド150を螺合する外面が軸方向にテーパ状のブッシュ手段140と、内スリーブ110の軸方向に摺動可能な接触内材130とを具備している。スタッド150が回転すると、ブッシュ140がそれに沿って軸方向に動き、内スリーブ110を第2脚部50の内側環状面に対して放射状に外方に圧迫する。これにより第2脚部50を外方に圧迫して外スリーブ12と密着させ、それによって第2脚部50は互いに一体的に回転するために内スリーブ110と外スリーブ120の間に挟持される。
【0044】
図2を参照すると、各連続する管状部材10は複雑に割れたまたは開いた端部12を有している。2個の連続する管状部材10がともに合わさる位置になると、クランクアーム40が互いに180°の位置になる。このように、一方のクランクアーム40のトルクが他方のクランクアーム40に伝達される。
【0045】
スリーブ付き継手100は、好ましくは連続する管状部材10をともに固定する。2個の半体のクランク軸50を装着する複雑に割れた端部12は、好ましくは図2および図5に示すように、スリーブ付き継手100の内スリーブ110と外スリーブ120の間に挟持される。内スリーブ110の内面130は好ましくは、その中央部の厚い部分からその外側の縁の薄い部分まで円錐状をなすように先細に形成されている。
【0046】
内スリーブ110の円錐状に先細になった内径130を接合して受けて収容するように外面が先細になった外径160を有する2個の突合せブッシュ140が、内スリーブ110の各端部にある。図6に示すようにブッシュ140が一緒に引かれるとき、外スリーブ120に対して半体のクランク軸50を圧搾しながら、内スリーブ110を膨張させることになる。ブッシュ140は、好ましくはその内径170でねじ切りされ、ねじ切りしたスタッド150で一緒に引っ張られる。一方のブッシュ140が右ねじを螺設され、他方のブッシュ140が左ねじを螺設されている。ねじ切りしたスタッド150は各端部で逆方向にねじ切りされて、各ブッシュ140と合致して螺合し、スタッド150を回転することによって両ブッシュ140を一緒にスタッド150上に移動させることができる。スタッド150をある方向に回転と、半体のクランク軸50を外スリーブ120に固定しながら、ブッシュ140を一緒に押動させることになる。スタッド150を反対方向に回転するとブッシュ140は離間して、半体のクランク軸50は外スリーブ120に強固に装着された状態から解放される。
【0047】
スタッド150は、図8に示すように、その長さ方向が軸方向に延びる六角形の孔180を有している。スタッド150は、好ましくは孔180に挿入される対応する六角形のキーレンチ(図示せず)により回転される。
【0048】
本発明は、周知の自転車のクランクセット組立体より優れた点をいくつか提供する。
【0049】
図1を参照すると、円形に近い楕円形の断面を備えた連続する管状部材10は、クランクセットの応力を本質的には均一かつ均等に全体に分配するような形状に形成されている。この設計は、構造的な応力をペダル軸インサート80からクランクアーム40を通りクランク軸50を横切って、図示しないチェーンギアを嵌合するスパイダ60まで、連続する管状部材10の薄壁20に沿って本質的には均一に分配することになる。スパイダ60は、その一体的な部分であるため、駆動側の連続する管状部材10Sを補強している。管状部材10の一部としてスパイダ60を製造することで、重量が最小化される。
【0050】
別の利点として、標準ねじを使用して、中実の補強インサート80を使うことにより、ほとんど重量が加わることなく様々な高性能のペダルに対応できることになる。2個の連続する管状部材10は、また自転車への取付けが実用的で簡単にできるように設計されている。クランクセットを分離することにより、つまりクランク軸に沿って部材10、10Sを正確に中央で分離することにより、構造的な一体性を保ちながら簡単な取付けが実現される。連続する管状部材10、10Sの複雑な割れ目12により、中央のジョイントに応力が著しく集中することなく、クランクセットの片側から反対側にトルクを伝達することができる。
【0051】
クランクセット、具体的には管状部材10は多数の材料から製造できるが、クランクセットは、好ましくは極限強さを十分に活用できるように管状部材10、10S優先の材料から製造される。ある好適な実施形態においては、この材料はアラミド繊維複合材料である。別の実施形態においては、材料は炭素およびガラス繊維複合材料である。さらに別の実施形態においては、連続する管状部材10はクラムシェル構造として、一緒に電子ビームまたはレーザ溶接されるスチール型打ち材である
連続するクランクアーム40のテーパ状の設計によれば、テーパ状ではないクランクアームの約2/3しか材料が要らない。また、テーパ状のクランクアーム40は真っ直ぐなクランクアームと同じ荷重に耐えることができる。そのため、重量を著しく減らしながら、構造的な性能を維持することができる。
【0052】
単一部材で一体構造の連続する管状部材10の別の実施形態が図9に示されているが、図3に示すものの代替案である一体構造の連続する薄壁管状部材40であり、望ましくはクランク軸54と、クランクアーム40と、ペダル軸補強インサート用の孔82とを具備している。管状部材10は、アラミド繊維複合材料や炭素およびガラス繊維複合材料などの薄壁20の構造を有する複合材料から製造することができる。代わりに、管状部材10はクラムシェル構造で一緒に電子ビームまたはレーザ溶接するスチール型打ち部品とすることができる。複合材料の実施形態は望ましくは射出成形され、好ましくは単一部材の連続する一体構造の管状部材である。スチールにより製造する場合、一緒に型打ちして溶接するが、管状部材10には形状に不連続点がなく、機械的な接合箇所もなく、しかも接続点や補強ガセット板がないので、依然として部材10は連続する一体構造となっている。複合材料とスチールの両実施形態の連続する一体構造の設計は、強度と剛性を犠牲にすることなく重量を最小化することを可能にする。
【0053】
図10は、図4に示すものの代替案の駆動側の連続する管状部材10Sの別の実施形態の側面図であり、スパイダ60と、クランクアーム40と、ペダル軸補強インサート用の孔82とを具備している。
【0054】
図11は、図10に示されるような駆動側の管状部材10の別の実施形態の平面図であり、クランク軸54と、スパイダ60と、クランクアーム40と、ペダル軸32とを示している。図10および11に示される駆動側の管状部材10も、薄壁20の構造を有する複合材料、またはスチール型打ち溶接部品から製造することができ、どちらの場合にも望ましくはペダル軸32を連続する単一部材の一体式の構造に組み込むことになる。
【0055】
スパイダ60はスプロケットタング61を具備しており、図示していないチェーンを噛合させる。駆動側の管状部材10の複合材料の実施形態では、各スプロケットタング61の近くのスパイダ60の領域は中実として、チェーンから作用する荷重に耐え得るようにする。駆動側の管状部材10のスチール型打ち材の実施形態では、スプロケットタング61を中空として、クラムシェルの不可欠な部分として形成される。
【0056】
図12には、ほぞ孔部材202とほぞ部材204を有する締まりばめ継手200が示されている。ほぞ孔部材202とほぞ部材204は、それぞれ好ましくは図14に示す末広がりの先端216で終わる円筒形の管状壁207を具備している。ほぞ孔部材202とほぞ部材204は、好ましくは管状部材10のクランク軸部54に円筒形のスリーブを装着するように被着され、好ましくはクランクセット8の各管状部材10からクランクセット8のクランク軸の全長の半分の距離まで延びるクランク軸を形成している。図9および図11のそれぞれに示す線52は、ほぞ孔部材202またはほぞ部材204の末広がりの先端216の構造が延びて、実際に各管状部材10のクランク軸54の部分にスリーブを装着するように被着する範囲を示している。3M DP−420などの高強度エポキシ構造接着剤を望ましくは0.2286mm(0.009インチ)から0.2794mm(0.011インチ)の厚さの層として使用して、ほぞ孔部材202またはほぞ部材204を管状部材10のクランク軸54に装着する。
【0057】
図18および図20に示す管状部材10の半体のクランク軸部50は、管状部材10のクランク軸50の部分をスリーブを装着するように被着するほぞ孔部材202またはほぞ部材204を具備し、好ましくはテーパ状ではなく、互いに180°の位置で相対するクランクアーム40と整列される。図18および図20は、また半体のクランク軸部50にプレス嵌めされる外カップ220と内側シール229を示している。締まりばめ継手220が継手200全体にトルクと曲げモーメントを効果的に伝達する。
【0058】
図14に示すように、ブラケットシェル14の中で継手200が2個の軸受セット16の中央に位置付けられることにより本質的にせん断荷重が除去される。締まりばめ継手200を使用して、クランクセット8の不要な背隙や遊びをなくすことができる。
【0059】
図13は、テーパ状の4面雄部材212とテーパ状の4面雌部材214を有するテーパ状の4面継手210を示している。雄部材212と雌部材214は、それぞれテーパ状の4面を有しており、各部材の4面がそれぞれ同じ表面積である。テーパ状の4面継手210は好ましくはスチール製である。各部材212、214は、好ましくは末広がりの先端216で終わる円筒形の管状壁207を具備している。締まりばめ継手200と同様に、雄部材212と雌部材214は管状部材のクランク軸部54に円筒形のスリーブを装着するように被着して固定され、クランクセット8の各管状部材10からクランクセット8のクランク軸の全長の半分の距離まで延びるクランク軸を形成している。図9および図11のそれぞれにある線52は、雄および雌のテーパ状の4つの部材212、214の末広がりの先端216の構造が延びて、具体的に各管状部材10のクランク軸部54にスリーブを装着するように被着する範囲を示している。
【0060】
テーパ状の4面継手210も相対するクランクアーム40と互いに相対して整列され、継手210の全体に本質的にはすべてのトルクと曲げモーメントを効果的に伝達するようになっている。2つの軸受セット16の間に継手210を中央に配置したことにより、本質的にはせん断荷重を除去することができる。
【0061】
締まりばめ継手200とテーパ状の4面継手210が、半体のクランク軸部50の装着点全体に実質的に均一に荷重を分配している。末広がりの先端216により不均一な応力の分配を最小化することができる。スリーブ付き継手200は広い面積に軸受の荷重を分配し易くし、管状部材10に荷重が集中するのを最小化することができる。管状部材10が複合材料から作られる場合、管状部材10への集中荷重は最小化しなければならない。
【0062】
締まりばめ継手200は、より経済的で製造工程が簡単なため、スプライン付き継手や、あるいはテーパ状の4面継手210よりも優れている。テーパ状の4面継手210は、好ましくは鋳造、鍛造または型打ちされるので、使用前にかなりの加工を要する。締まりばめ継手200は標準的なフライス盤で加工でき、すぐに使用可能である。他の継手は、まず製造した後に磨き上げたりというより高いレベルの加工が必要である。締まりばめ継手200は極めて丈夫で、組み立て中に継手200を締付けすぎてもほとんどあるいは全く損傷しない。
【0063】
組立ておよび分解のために、締まりばめ継手200とテーパ状の4面継手210は、それぞれ一方のクランク軸部50にボルト孔206と、他方のクランク軸部50の部分に取付孔208を具備している。孔206にあるボルト孔は孔208にある取付孔よりも内径が大きい。ボルト孔と取付孔は内面がねじ切りされている。
【0064】
締まりばめ継手200またはテーパ状の4面継手210を組立てるために、取付孔または孔208のものと外径の等しいねじ切りした取付ボルトをボルト孔206に通して、取付孔208に入れる。取付ボルト209を取付孔208にねじ込むと(図17に図示)、取付ボルト209のテーパ状の頭がボルト孔206の内径よりも大きいため、ほぞ孔202とほぞ204の部材(またはテーパ状の4面継手210の雄部材212と雌部材214)が引張られて嵌合する。取付ボルト209は、望ましくは4.9gのチタン製のアレンヘッドボルトとする。
【0065】
取付ボルト209を使用することにより継手の組立てを簡単にできるので、つまり、締まりばめ継手200のほぞ孔部材202およびほぞ部材204か、またはテーパ状の4面継手210の雄のテーパ状の部材212および雌のテーパ状の部材214のいずれかを一緒に引張ることができるので、取付ボルト209は締まりばめ継手200またはテーパ状の4面継手210の各部材をクランクセット8の使用中に一緒に保持する必要はない。取付ボルト209は継手の組立ての後に取外してもよい。
【0066】
つまみ42(図1〜図4、図18および19に図示)を取外すと、継手の組立ておよび分解のために、つまりねじ切りしたスタッド150の操作のため、または取付ボルト209あるいは離脱ボルトの取付け/取外しのために、ブラケットシェル14の中の継手(スリーブ付き継手100、締まりばめ継手200またはテーパ状の4面継手210のいずれか)に手を届かせることができる。つまみ42はチタン製であり、クランクアーム40の溝の中にプレス嵌めされて、異物を封じ出すために2重Oリングを有している。
【0067】
締まりばめ継手200またはテーパ状の4面継手210を分解するには、取付ボルト209を取外す。ボルト孔206の内径と外径の等しいねじ切りした離脱ボルト(図示せず)を、ボルト孔206にねじ込んで、離脱ボルトの末端がほぞ204をほぞ孔202との係合から離脱するまで、または雄のテーパ状の4面部材212が雌のテーパ状の4面部材214との係合から離脱するまで挿入する。代わりに、取付ボルト209を取付孔208にねじ込みながら、離脱ボルトをボルト孔206にねじ込んで、各ボルトの末端が継手200、210の中で対峙させることもできる。一方の(または両方の)ボルトを残りのボルトの末端に当てて回転させると、ほぞ孔202がほぞ部材204から外れるか、または雄のテーパ状の4面部材212が雌のテーパ状の4面部材214から外れる。分解に取付ボルト209と離脱ボルトの両方を使用することにより、締まりばめ継手200またはテーパ状の4面継手210の連動部材は絶対に損傷することがない。
【0068】
締まりばめ継手200とテーパ状の4面継手210は、好ましくは優れた疲労特性と高靭性を有する超高強度の耐食性の金属から製造する。ある好適な実施形態では、17−4PHの時効硬化したステンレススチールが使用される。17−4PHスチールは、200,000psi以上の強度になるように硬化できる(標準スチールは60,000psiの降伏強さを有している)。17−4PHスチールは靭性、耐食性および疲労強さが優れている。
【0069】
図14は、ブラケットシェル14の中の2個の軸受セット16の中央に配置した締まりばめ継手200の上断面詳細図である。各軸受セット16は、外カップ220と、内カップ222と、セラミックボール224と、保持リング226と、外側シール228と、内側シール229とを具備している。
【0070】
ある実施形態では、セラミックボール224は直径3.2mmの窒化シリコンである。外カップ220および内カップ222(外カップ220が図16に示されている)は約ロックウェル硬度60まで硬化した52100スチールである。カップ220、222をさらに窒化チタンアルミニウムによりスパッタ被覆すると、カップ220、222の硬度はロックウェル硬度90を超える。硬度を与えることに加え、スパッタ被覆はカップ220、222の潤滑性を高め、耐食性を与えることになる。
【0071】
保持リング(図15に示される)は、マイラー、ナイロン、デルリンなどの材料、あるいセラミックボール224を分離でき、ボール同士のすり合わせを防ぐことができれば、どのようなエンジニアリングプラスチックでもよい。シール228、229(図16に外カップ220の不可欠な部分として内側シール229を示している)は好ましくはばね式テフロン製ガータシールであり、制動トルクをあまり与えないようにしながら、ゴム製のリップシールよりもクランク軸に25から50倍の力を与えることができる。同様に、外側シール228は好ましくは内カップ222の不可欠な部分として形成される。
【0072】
図20を参照して、ブラケットシェル14の中のクランクセット8の組立てについて説明する。一体的な内側シール229を備える外カップ220と、ハウジング保持リング226と、セラミックボール224をブラケットシェル14にねじ込む。管状部材10の半体のクランク軸部50(内カップ222と一体的な外側シール228を備える)を、ブラケットシェル14の各末端に挿入する(外カップ220と保持リング226の中で)。つぎに、締まりばめ継手200を合わせる(要すれば取付ボルト209を使って)。最後に軸受セット16の外カップ220と内カップ222を少し分離して、軸受セット16に予荷重を加える(クランクセット8から遊びをとる)。外カップ220または内カップ222のいずれかをねじ戻せば、ブラケットシェル14の中を調整するためにクランクセット8は約2〜3mm横に動く。組立てにはシムやスペーサは必要ない。外カップ220はロックタイトで適宜な場所に固定される。
【0073】
標準的なペダルを収容するために、複合材料の実施形態のクランクセット8の補強インサート80を好ましくは内面にねじ切りして、好ましくはチタニウム製とする。補強ペダル軸インサート80は、好ましくは、クランクアーム40の補強インサート用の孔82の中の適所に成形またはエポキシ樹脂により接着する。複合材料のクランクアーム40の領域(孔82の近く)は好ましくは中実の炭素繊維およびガラス複合材料とし、圧縮成形される。クランクアーム40の中空のセクションは、発泡スチロールプラグの周りを圧縮成形されるか、または形状に合わせてナイロンゴムあるいは真直ぐなラテックスゴムによりゴム成形される。スチール製のクランクセット8の場合、補強インサート80は好ましくは別に加工し、好ましくはクランクアーム40の末端またはクランクアーム40を貫通して適宜な場所に溶接される。1以上のガセット板など他の材料により補強インサート80を囲む必要はない。
【0074】
本発明のこれら利点は、以上の明細書から当業者には明らかである。本発明の広範な発明の概念を逸脱することなく、前述した実施形態に変更や変型を行なえることは当業者に理解できる。そのため、本発明はこれに記載のある実施形態に制限されるものではなく、請求項に定義されるように、発明の範囲と精神の範囲内にあるすべての変更と変型を含もうとしていることは理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施形態によるブラケットシェル内に連結した2部材のクランクセットの上断面図
【図2】図1に示すクランクセットのハウジングを詳述する一部切断した上断面分解図
【図3】図1に示すクランクセットのハウジングを詳述する一部切断した上断面分解図
【図4】スパイダを有する管状クランクアームを示した図1のクランクセットハウジングの左側面図
【図5】ブッシュが操作位置にはない図1に示すクランクセットの継手部分の上断面分解図
【図6】ブッシュが操作位置にある図5に示す継手の上断面分解図
【図7】ペダル軸を支えるために使用する補強インサートの横断面図
【図8】ブッシュを省略した図5に示す継手の端面図
【図9】本発明によるクランクアームとクランク軸部と補強インサート用の孔とを具備する図3に示す管状部材の別の実施形態の平面図
【図10】本発明による図4に示すスパイダを有する管状部材の別の実施形態の側面図
【図11】すべて本発明によるクランクアームとクランク軸部とスパイダとペダル軸とを具備する図4に示すスパイダに接続される管状部材の別の実施形態の平面図
【図12】本発明に従ってほぞ孔部材とほぞ部材とを具備する締まりばめ継手の分解斜視図
【図13】本発明による雄部材と雌部材からなるテーパ状の4面継手の分解斜視図
【図14】本発明によるブラケットシェル内部の2個の軸受セットの中央に配置した締まりばめ継手の破断上面詳細図
【図15】本発明による軸受セットの玉軸受を備える保持リングの斜視図
【図16】本発明による軸受セットの一体型内側シールを備える外カップの斜視図
【図17】本発明による締まりばめ継手用またはテーパ状の4面継手用の取付ボルトの斜視図
【図18】本発明による図9に示す管状部材の斜視図であり、締まりばめ継手のほぞ部材が管状部材に装着されて、一体型外側シールをもつ内カップをほぞ部材にプレス嵌合している状態を示す図
【図19】本発明による図10に示すスパイダを有する管状部材の側面図であり、さらに継手の組立てと分解のためのアクセスホールをカバーするつまみを示す図
【図20】本発明による締まりばめ継手を有するクランクセット組立体の分解斜視図
Claims (8)
- 自転車のクランクセットにおいて、
a.第1管状部材と、
b.第2管状部材と、
c.第2管状部材に接続されるスパイダと、
d.第1管状部材と前記第2管状部材とを固定する継手と
を有し、
前記第1管状部材および前記第2管状部材のそれぞれが、
a.クランクアームと、
b.前記クランクアームを備えたクランク軸部であって、連続する一体構造の薄壁管状構造とされたクランク軸部と
を具備することを特徴とする自転車のクランクセット。 - 前記クランク軸部がクランクセットの半分の軸の長さであることを特徴とする請求項1に記載のクランクセット。
- テーパ状の前記クランクアームが、クランクアームの長さ全体に応力を均一かつ均等に分配する楕円形の断面を有していることを特徴とする請求項1に記載のクランクセット。
- 前記第1管状部材および前記第2管状部材がアラミド繊維複合材料製で、射出成形されていることを特徴とする請求項3に記載のクランクセット。
- クランクセットを自転車のブラケットシェルの中で組立てる組立方法において、
a.軸受セットの外カップを前記ブラケットシェルの両端のそれぞれにねじ込み、
b.前記軸受セットの内カップを、2個の前記クランクセットの部材のクランク軸部のそれぞれに挿入し、
c.2個の前記クランクセットの部材の一方の前記クランク軸部を、前記各軸受セットの外カップと保持リング内の前記ブラケットシェルの各端部に挿入し、
d.2個の前記クランクセットの部材の前記クランク軸部を連動させ、
e.2個の前記軸受セットに予荷重を加え、
f.前記外カップを前記ブラケットシェルに固定する
ことを特徴とする組立方法。 - 前記クランクセットの部材の2個の前記クランク軸部を、一方のクランク軸部にあるほぞ部材をもう一方のクランク軸部の末端にあるほぞ孔部材に嵌合させることによって連動させることを特徴とする請求項5に記載の組立方法。
- 取付ボルトを一方の前記クランク軸部の末端にあるボルト孔に貫通させ、他方の前記クランク軸部の末端にある取付孔に螺合して、前記ほぞ部材を取付ボルトによりほぞ孔部材に嵌合させることを特徴とする請求項6に記載の組立方法。
- 自転車のクランクセットにおいて、
a.それぞれ一体的な構造で、単一部材の連続する壁を有する1対の中空のL字形の管状部材を具備し、前記各管状部材が、
i.それぞれ第1閉端部および第2閉端部を有する第1脚部と、
ii.前記第1脚部の軸方向の中点と前記第1脚部の第2端部の間の位置に前記第1脚部を連結し、前記第1脚部との接合部位置から離れた開端部を有する第2脚部と、
iii.互いに連通する、前記各管状部材の前記脚部の内部と、
iv.丸みをつけられている、前記L字形の管状部材の第1閉端部と
を備えており、
v.2番目の前記管状部材は、前記第2閉端部の近傍において、前記第2管状部材の前記第2脚部と同軸上に、前記単一部材の連続する壁の一部としてそれに一体的に形成され従来の自転車の駆動チェーンと駆動係合するのに適しているスパイダを備えており、
vi.前記管状部材は、前記第2脚部の共通軸を中心に一体的に回転するために、各第2脚部の複雑な開端部で同軸上において嵌合して結合するのに適しており、
さらに、
b.前記複雑な開端部が嵌合するとき、前記一体的な回転をするために前記第2脚部を締め付けて固定するための解放自在な締め付け手段を具備し、前記締め付け手段が、
i.嵌合する前記第2脚部を取り囲む外スリーブと、
ii.嵌合する前記第2脚部の内部に配置され、軸方向にテーパ状の内面を有し、前記第2脚部の内側環状面に対して外側に膨張するのに適し、前記第2脚部を外方に圧迫して前記外スリーブと密着させる放射状に膨張可能な内スリーブと、
iii.前記内スリーブ内に同軸上に配置されるねじ切りしたスタッドと、
iv.前記スタッドに螺合し、前記スタッドに沿ってブッシュが軸方向に回転する動きにより前記内スリーブの内面に軸方向に摺動可能に接触する外面が軸方向にテーパ状のブッシュ手段と
を備えており、
前記スタッドの回転により、このスタッドに沿ったブッシュの軸方向の動きが前記内スリーブを前記第2脚部の環状の内面に対して放射状に外側に動かし、前記第2脚部を外方に圧迫して、前記外スリーブに密着させ、前記第2脚部を互いに一体的に回転させるためにその間に挟みこむことを特徴とする自転車のクランクセット。
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