JP2005503183A - 心臓および身体の他の部分の血管から物質を除去して腎臓または他の器官の障害または不全をなくすかできるだけ少なくする方法および装置 - Google Patents
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Abstract
血管系からの物質の隔離および除去を達成するために、血管系の血管を閉塞するのにカテーテルが使用される。この物質は、それにより、血管系で隔離され、そして除去できる。このようにして、この物質は、循環系の他の部分に入る前に、除去される。この方法は、冠状動脈に造影剤を注入した直後に、冠状静脈洞から造影剤を除去するのに適用できる。この方法は、造影剤を注入しなければならない血管造影手順により引き起こされる腎不全をなくすか相当に少なくする。このような血管造影手順は、しばしば、介入手順中に、実行される。この方法により、造影剤は、腎臓(この場所で、腎不全または腎障害を起こし得る)へと循環するのが実質的に妨げられる。この方法を実行する装置もまた、開示されている。
Description
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、Disclosure Document番号第480895号(これは、2000年10月6日に出願された)に関連しており、また、35 USC 120に基づいて、米国仮特許出願第60/263,865号(これは、2001年1月23日に出願された)に関連して優先権を主張しており、両出願の内容は、本明細書中で参考として援用されている。
【0002】
(発明の背景)
1.発明の分野
本発明は、物質を身体の空間に注入して、その物質を空間内に一時的に残すことに関する。本発明はまた、カテーテルとそのカテーテルを空間に案内する手段とにより、この空間を閉塞することに関する。このような注入は、冠状動脈造影および冠状動脈介入の分野で特に興味深く、特に、この物質を造影剤の形状で取り扱うことに対処する。本発明はまた、血管造影手順および介入手順の間に、心臓で造影剤を取り扱う装置に関する。
【背景技術】
【0003】
2.従来技術の説明
Randolphらの米国特許第6,021,340号は、冠状静脈洞用の案内カテーテルを有する。Randolphらの案内カテーテルは、図8〜11で示された屈曲末端部を有する。このカテーテルは、バルーン36の形態で、閉塞手段を有する。これらの屈曲部のいずれも、本発明で検討したC形状またはS形状ではない。さらに、バルーン36は、図4および7で示すように、このカテーテルの直線部分に配置されている。
【0004】
Randolphらの装置と本発明との重要な違いは、Randolphらの装置の末端部にある屈曲が、冠状静脈洞50から離れた分枝52において電気活性を検出するために、冠状静脈洞50から離れた分枝52に装置70を位置付けるように適合されていることにある。
【0005】
Randolphは、その閉塞部から上流に第二カテーテルにより造影剤を注入することを何ら開示していない。
【0006】
Randolphは、また、造影剤を隔離し除去する目的で閉塞することを欠いている。Randolphの閉塞の目的は、「造影液が間違った方向に流れたり希薄になったりすること(これは、分枝血管の蛍光透視観察を妨害し得る)をできるだけ少なくするために、血管を通る血流を停止すること」にある。
【0007】
Niaziの米国特許出願第US2001/0052345号は、冠状静脈洞をカニューレ挿入するカテーテルを有する。Niaziの装置は、内部カテーテル12および外部カテーテル10を有する。外部カテーテル12は、むしろ案内鞘のように機能し、これは、当該技術分野で公知であり、カテーテルを案内するのに使用され、その中に挿入されて、選択位置へと案内される。従って、Niaziのカテーテルの組合せは、カテーテルの先端を案内する屈曲遠位末端を有する単一カテーテルとして設けられていないので、本発明とは異なる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
Niaziのカテーテル対はまた、その目的の点で、本発明とは違う。Niaziは、ペースリードの位置を付け、そして補助する目的であり、Niaziの閉塞装置21は、本発明のように造影剤を隔離し除去する目的ではない。
【0009】
Niaziのカテーテルと本発明との他の違いには、外部カテーテルの遠位末端にある屈曲部が、特に、C形状ではないことがある。図2〜5で最もよく示されているように、この遠位末端部分は、非常に特殊な構造を有するように思われ、これは、図7および8で分かるように、頸静脈または鎖骨下静脈を通る経皮挿入によって、一対のカテーテルを冠状静脈洞に挿入するために、角度を付けた相対配向を含む。Niaziは、本発明で意図されているような大腿静脈を経由して挿入されたカテーテルに冠状静脈洞を係合することを開示または示していない。
【0010】
さらに、Niaziの装置は、静脈の上流から挿入される第二カテーテル(これは、造影剤を吸引して除去する直前に、その造影剤を注入する)を有しない。
【0011】
本発明の関連した特徴は、冠状動脈と冠状静脈洞との間で、血管系の空間を観察し得ることにある。これには、本発明の第二カテーテルが必要である。
【0012】
腎臓病に罹った患者の冠状動脈造影または介入中に造影剤を使用すると、腎臓病に罹った患者の30%、そして、糖尿病および腎臓病に罹った患者の50%までにおいて、相当な腎不全の危険性が伴う。この副作用により、長期間入院することになり、また、ある患者では、慢性的な透析が必要な永続的な腎障害を引き起こす。腎臓に対する造影剤暴露の量を減らすことができる介入は、腎臓合併症の危険性が相当に少なくなる。冠状動脈介入で使用される染料の量が造影剤誘発腎症と相関していることは、周知である。
【0013】
診断または介入手順を受けている患者の心臓から造影剤を除去する手順は、知られておらず、現在使用されてもいない。それゆえ、本発明の第一の目的は、心臓の血管造影手順および介入手順中に、心臓の血管から造影剤を除去する方法および装置を提供することにある。
【0014】
この方法により、冠状動脈造影手順または介入手順を受けている患者の腎不全を防止すると、相当な命が救われ、また、医療費を節約できる。上で述べた統計により分かるように、腎臓病の持病がある患者の循環系に造影剤が入ることを許すことは、大きな危険因子である。本発明は、このような危険性を避けるという点で、従来技術から大きく進歩したものである。
【0015】
さらに、本発明の目的は、さらに一般的には、何らかの目的のために、人体の空間または血管に物質を一時的に注入する方法および装置を提供することにある。これらの目的には、以下が挙げられるが、これらに限定されない:治療液または薬液の注入、造影剤を注入して空間または血管の内部を撮像することによる診断および/または研究、あるいは空間または血管の内部での機械的手順または化学的手順の撮像促進。
【0016】
本発明のさらに他の目的は、上記目的を達成する方法および装置を提供することにあり、ここで、この装置は、この方法を部分的または完全に自動化する制御装置を含む。
【0017】
(発明の簡単な要旨)
本発明は、治療目的、診断目的または撮像目的で注入した後に、人体の空間または血管から物質を除去する方法および装置として、規定される。本発明は、身体の多くの空間、血管および器官で有用であると考えられている。しかしながら、例示の実施形態は、血管循環から造影剤を除去するために、心臓の血管の点から記述されている。
【0018】
本発明はまた、血管系に注入した造影剤が原因の腎不全をできるだけ少なくする方法として特徴付けられ、この方法は、血管系の選択部分を閉塞する手段を有するカテーテルを配置する工程を包含する。この開示に非常に大きく依存した特定の例証的な例では、この血管は、閉塞され得る単一の血管であり、そして、その空間は、この血管およびその分枝のうち、この閉塞部の上流でかつこの造影剤の注入点から下流の部分である。それゆえ、この空間とは、さらに具体的には、血液および造影剤を収容する内部および容量の点から、血管系の選択部分のことである。好ましい実施形態では、この閉塞手段は、バルーン先端であり、好ましい閉塞方法は、このバルーン先端を膨張させてこの血管系を選択的に閉塞しそれによりこの造影剤をこの血管系の選択部分に一時的に保持することにより、なされる。この造影剤の少なくとも一部は、次いで、この造影剤がこの血管系の選択部分に一時的に保持されている間に、この血管系でこの造影剤の所定濃度が得られるまで、この血管系から除去される。
【0019】
この装置は、カテーテルを含み、このカテーテルは、血管循環を選択的に閉塞してそれにより造影剤を血管循環の選択部分に一時的に保持する閉塞手段を有する。好ましい実施形態では、この閉塞手段は、このカテーテル上のバルーンである。吸引装置は、この造影剤がこの血管循環の選択部分に一時的に保持されている間に、この血管循環からこの造影剤を選択的に除去する。制御装置は、この造影剤の少なくとも所定量がこの血管循環の選択部分から除去されたとき、この吸引装置を停止する。この制御装置は、この選択部分でこの造影剤を保持する工程、各サイクル中に一連の血管造影画像を撮る工程、次いで、各サイクルの最後にこの選択部分からこの造影剤を除去する工程の繰り返しサイクルを提供するように、作動され得る。
【0020】
他の同等の閉塞手段が使用され得ると考えられる。例えば、吸引閉塞手段が使用され得、ここで、この装置は、オリフィスを備えたカテーテルの形態であり、このオリフィスを通して、流体は、この選択部分の閉塞点にて、全身流れと合致する速度および圧力に向けられる。他の等価物には、任意の種々の閉塞手段に組み込まれる機械的拡大装置または他の拡大装置が挙げられ得る。
【0021】
この方法および装置は、機能的な説明と共に、文法的に変えて記述されているものの、特許請求の範囲は、35 USC 112に基づいて明白に規定されていなければ、「手段」または「工程」の限定の構成によって何らかの様式で必然的に限定されているとは解釈されず、法的均等論に基づいて、その意味の全範囲および特許請求の範囲によって与えられる定義の等価物に一致し、また、特許請求の範囲が35 USC 112に基づいて明白に規定されている場合、35 USC 112に基づく全法的等価物に一致することが明らかに理解できるはずである。本発明は、以下の図面に目を向けることにより、うまく視覚化でき、ここで、同じ要素は、同じ番号により参照されている。
【0022】
本発明およびその種々の実施形態は、その好ましい実施形態(これらは、特許請求の範囲で規定した本発明の例示的な実施例として、提示されている)の上記詳細な説明に目を向けることにより、さらに理解できる。明らかに、特許請求の範囲で規定した本発明は、上記の例示の実施形態よりも広範囲であり得ることが分かる。
【0023】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
冠状静脈10は、右心房14に入る流れの最終進路として、冠状静脈洞12に流れる。解剖学的には、第一カテーテル18(これは、冠状静脈洞静脈12を閉塞して閉塞部23から遠位にある血液21を除去できる)を使用することにより、冠状動脈介入中にて、冠状静脈洞12から造影剤16の殆どを除去することが可能である。
【0024】
バルーン先端カテーテルは、心臓手術中にて、心臓麻痺に対して安全に使用されている。しかしながら、本発明で提案されるような閉塞手段を有するカテーテルは、本発明の前まで一度も使用されていなかった。バルーン先端カテーテルの1公知業者には、Redwood City,CaliforniaのHeartport Inc.がある。Heartportのバルーン先端カテーテルは、他の用途のために製造されている。その好ましい閉塞手段は、バルーン先端47であるが、他の閉塞手段が可能であり、本発明のカテーテルは、従来技術で開示されているものを超えた他の特徴を有する。
【0025】
本発明の装置は、従来のバルーン先端カテーテルとは異なる。そういうものとして、本発明の第一カテーテル18は、改良型カテーテルであり、その装置は、改良型カテーテル18と他の装置との組合せを含む。第一バルーン先端カテーテル18は、当該技術分野で公知の経皮アクセスによって、非常に簡単に、冠状静脈洞12に挿入できる。バルーン先端カテーテル18は、先端47の近位末端にバルーン63を有し、これは、冠状静脈洞を閉塞できる。冠状静脈洞12は、それゆえ、バルーン63から遠位で閉塞され、その結果、血液21は、下流に進むのを止められ、本発明の第一カテーテル18を使って、簡単に収集できる。第一カテーテル18を得るための適切な改良は、以下で示す。本発明では、任意の適切に改良したバルーン先端カテーテルが使用され得、Heartportカテーテルは、冠状静脈洞12で使用できる容認されたバルーン先端カテーテルの一例であるという理由だけから述べていることに留意すべきである。
【0026】
図1は、本発明に従って改良した第一バルーン先端カテーテル18の概略前面部分断面図である。カテーテル18は、鼠径部36から大腿静脈34を通るか頸部41または胸部42を通りそれぞれ頸静脈または鎖骨下静脈38を通して選択的に挿入され得るように、改良されている。この改良は、その遠位末端にある多少鋭い屈曲部27である。屈曲部27は、図1Aにて、30で示すようにC形状であり得るか、または32で示すようにS形状であり得る。屈曲部27は、予め形成され永久的であり得るか、調節可能であり得る。カテーテル18は、体内に挿入している間に、調節できるように形成され得る。第一カテーテル18を冠状静脈洞12に挿入することが物理的に束縛されることで分かるように、カテーテル18の先端47は、大腿静脈34から心臓45に入るために、湾曲経路に追随しなければならず、次いで、冠状静脈洞12に挿入されなければならない。これらの物理的束縛および湾曲経路を操縦する必要性は、図3で最もよく示されている。
【0027】
図1Aは、第一カテーテル18の遠位末端(これは、ほぼC形状またはS形状である)およびバルーン63(これは、この遠位末端の小部分に沿ってのみ、伸長している)を示しているが、このバルーンは、このカテーテルの任意の長さを占め得、それにより、このカテーテルと共にC形状またはS形状を呈し得ることが理解できるはずである。これらの形状は、第一カテーテルの遠位末端または先端に適用できる。
【0028】
安全性は、頚動脈を通って心臓45の左側54にアクセスする際の重要な問題である。鼠径部36から大腿静脈を経由して第二カテーテル50を挿入するのは、そのためである。第二カテーテル50は、通常、心臓45の左側54にある冠状動脈52(これは、冠状静脈洞の上流にある)に造影剤16を注入するのに使用される。第二カテーテル50は、鼠径部36の大腿動脈を通して挿入されなければならないので、鼠径部36の同じ領域にて、第一カテーテル18により、心臓45の右側43にもアクセスすることが、手順上、さらに実用的である。このようにして、付添人1人は、患者56の鼠径部36領域で、各第一カテーテル18および第二カテーテル50の両方の経皮アクセス点をモニターし得る。しかしながら、大腿静脈34を通って心臓45の右側43にアクセスするには、本発明のバルーン先端カテーテルを改良する必要がある。
【0029】
心臓45の右側43へのアクセスは、通常、頸部41の頸静脈38を通して行われる。しかしながら、本発明のカテーテル18は、鼠径部36から大腿静脈34を通って、心臓45の右側43に選択的にアクセスする。大腿静脈34を通るアクセスは、手順上の利点を提供し、これには、上述のさらなる利便性が挙げられる。頸静脈38を通るのではなく大腿静脈34を通って冠状静脈洞12にアクセスするとき、冠状静脈洞12とカテーテル先端47との係合は、さらに困難となる。しかしながら、手順上の利点が得られることから、本発明の必要とされる改良が正当化される。この理由は、第二カテーテル50によるアクセスは、通常、第一カテーテル18によるアクセスと共同する必要があり、そして、第二カテーテル50によるアクセスは、安全上の理由のために、鼠径部36からのアクセスに制限されるからである。
【0030】
ガイドワイヤ58および鞘61を含めた通常の手段により、これらのカテーテルを案内し位置付け易くなることをさらに記しておく。
【0031】
図1は、本発明を使用する方法の工程を示し、これは、第一カテーテル18を冠状静脈洞に挿入する工程を包含する。
【0032】
図2は、大腿動脈を経由して冠状動脈52に第二カテーテル50を挿入し造影剤を注入する工程を包含する方法の工程を示している。
【0033】
図3は、第一カテーテル18のバルーン先端のバルーン63で冠状静脈洞を閉塞する工程を示す。この図は、閉塞部23から遠位の血液21中にある大量の造影剤16を示す。バルーン63の膨張は、造影剤16の注入の15分前から造影剤16の注入の3秒後まで、実行され得る。しかしながら、好ましい膨張時間は、この造影剤の注入の約1秒後である。
【0034】
図3Aは、心臓45に対する主要な動脈および静脈の関係を示す描写を提供する。循環系における腎臓67および鼠径部36の関係もまた、示されている。第一カテーテル18は、大腿静脈34を通って伸長していることが、示されている。
【0035】
図3Bは、バルーン63を膨張し収縮するのに利用される注射器70を図示している。注射器70はまた、造影剤16を注入または除去するのにも使用され得る。
【0036】
図4は、血液21から造影剤16を除去する工程を図示している。示され得るように、図4では、図3で存在しているよりも少ない造影剤16が存在している。この原因は、バルーン63から遠位の地点から第一カテーテル18を通る吸引による。この吸引の開始は、一般に、バルーン63の膨張と呼応すべきである。通常、数サイクルの吸引で除去される血液21の量は、血液損失により患者56を危険に晒すほどに多くはない。しかしながら、注入前の数分間の吸引は、相当な血液損失の原因となるので、推奨されない。吸引を開始する好ましい時間は、この造影剤の注入の1〜2秒後である。吸引の持続時間は、3〜20秒間であり得る。しかしながら、好ましくは、吸引の持続時間は、5〜10秒間である。
【0037】
図4Aは、患者自身の血液21(これは、造影剤と共に吸引され、フィルター76で濾過されて造影剤を除去し、そして患者の体内に戻される)を輸血することによる流体の交換を示す。従来、手順中に失われた流体を交換するには、生理食塩水を使うIVまたは血液21の輸血が使用されている。交換流体は、血液損失が起こりそうな手順の前にでも注入され得る。しかしながら、患者の血液21を濾過して患者の体内に戻すことにより再利用するという考えは、多くの利点を有し得る。このような濾過には、本発明の他の局面と組み合わせて、造影剤16またはある種の他の物質78(これは、本発明のさらに広い範囲で使用され得る)を除去する必要があることから、独特の要件がある。図4Aの配置では、精製した血液は、主に、赤血球を含有する。吸引した流体の残りは、通常、血漿および注入した物質78を含有する。
【0038】
濾過は、赤血球以外の全てのものを捕獲する膜により達成され得ると考えられる。あるいは、赤血球を分離するために、この造影剤および血液の混合物の遠心分離が使用され得る。
【0039】
実際、造影剤を除去する代替手段は、十分な量の造影剤が下流に進むのを防止するために、血管系から十分な速度で血液および造影剤を吸引することにより、使用され得る。
【0040】
図5は、血液21から造影剤16を除去した後、バルーン63を選択的に収縮する工程を図示している。注目できるように、バルーン63は、膨張したままにされ得る。これは、たとえバルーン63を数分間膨張したままにしても、心臓45に対して悪影響を及ぼさない。バルーン63を長時間膨張したままにすることで起こり得る副作用は、冠状静脈洞が僅かに拡大するので、冠状静脈洞12を完全に閉じるためにさらに膨張する必要があり得ることである。
【0041】
本発明の方法の工程の上記記述は、本発明の方法の一般的な実施形態を提供する。装置を使用する方法の多くの他の可能な実施形態または異形が存在している。特に、これらの実施形態は、例としてのみ、特定の手順によって記述されていることが理解できるはずである。この方法は、心臓45ならびに心臓45の特定空間および血管に関連して記述されているが、この方法は、物質78を一時的に注入した後に除去すべき身体の他の空間および/または血管にも適用され得る。
【0042】
カテーテル18の基本要素は、先端バルーン63である。バルーン63は、カテーテル18が冠状静脈洞、主要心臓静脈または他の血管管腔または空洞に安全に挿入され得るように、収縮状態で、低プロフィールであり得る。
【0043】
本発明の1実施形態では、少なくとも1個のセンサ81は、オペレータを警告するために、警報装置83または信号85を作動するのに利用される。あるいは、センサ81は、この方法の次の工程を自動的に始動させるのに使用され得る。心臓動脈または冠状動脈に造影剤を注入した後、バルーン12(これは、冠状静脈10に同時に設置される)は、膨張される。これを達成するために、少なくとも1つのセンサ81は、オペレータを警告するために、またはこの方法の次の工程を自動的に始動するために、警報装置83または信号85を作動するのに利用される。それゆえ、センサ81は、能動システムまたは受動システムで組み込まれ得ることが理解され得る。この受動システムは、また、カテーテル先端センサ81が造影剤16の低い濃度を検出してバルーン63を自動的に収縮するまで、静脈10からの造影剤16を含む、上流にある血液21を除去するように構成され得る。この能動システムでは、センサ81は、造影剤16の濃度が低レベルに達したとき、バルーン63を収縮するようにオペレータに通知するために、警報装置83または信号85を選択的に発する。
【0044】
他の実施形態では、制御装置92には、少なくとも1個のタイマー90が設けられる。この実施形態では、タイマー90は、バルーン63の収縮を制御するために、少なくとも1個のセンサ81と置き換えられる。この収縮のタイミングは、ヒトにおいて、適切な時間間隔を与える研究により、測定される。
【0045】
この実施形態では、少なくとも1個のタイマー90は、3つの所定時間を与える。第一所定時間は、造影剤の注入に対するバルーン63の膨張の時間である。この時間は、造影剤16の注入の15分前であるか、この造影剤の注入の3秒後であり得る。後者の限界は、少なくとも部分的には、造影剤16を注入する空間および/または血管の大きさにより、決定される。好ましくは、上記の特定の例については、閉塞は、造影剤16を注入した1秒後に起こる。第二所定時間は、吸引を開始する時間である。上で述べたように、この吸引開始時間は、一般に、その閉塞開始時間と一致する。しかしながら、タイマー90は、あるいは、造影剤16を注入して1〜2秒後に、吸引を開始し得る。少なくとも1個のタイマー90で制御され得る第三所定時間は、吸引の持続時間である。手順中の吸引の全持続時間は、このような時間が患者56に対する著しい血液損失および潜在的な危険または危害に相当する場合、重要であり得る。しかし、正常な環境下では、血液損失は考慮されず、吸引は、短い間隔に制限される必要がない。3〜20秒間の吸引時間は、十分に短い限界と十分に長い限界とを提供する。しかしながら、吸引持続時間は、好ましくは、造影剤16を注入する各サイクルまたは各時点について、5〜10秒間の範囲である。
【0046】
身体の残りの部分に循環させることなく、血管造影手順で使用される造影剤の殆ど全てを除去する能力のために、対応および同調する閉塞および造影剤の除去と共に、造影剤16の繰り返しサイクルまたはパルスが使用され得る。本発明により、腎不全の患者または造影剤に感受性が高い患者において、従来の血管造影技術および造影剤16を使用できるだけでなく、パルス血管造影の新しい血管造影技術および新しい形態の造影剤16も使用できるようになる。
【0047】
本発明の方法は、本発明以前に課せられていたのと同じ厳しい制限を受けない。すなわち、造影剤16を注入しすぎることにより患者56に危害を加える危険性に基づく制限は、実質的に克服される。その理由は、この造影剤が、腎臓67に有害であるので、本発明を使用において使用される場合、いかなる有意な量においても患者56の循環系に侵入することが許容されないからである。それゆえ、本発明の方法により、患者において、冠状動脈造影手順および介入手順を多く使用できるようになる。これは、特に、造影剤により誘導される腎不全の危険が高い患者に当てはまり、有益である。本発明を使用することによって、以前に血管造影手順を使えなかった危険度の高い患者の多くは、現在、使えるようになる。
【0048】
この隔離および除去の方法は、ヒト被験体に対する使用には限定されない。実際、この方法は、哺乳動物、または血管系を有する任意の生存生物に使用され得る。しかしながら、本発明は、特に、ヒトまたは脊椎動物患者の血管系に注入された一定量のX線造影剤の少なくとも一部を隔離または除去する工程を包含し得る。
【0049】
広範な範囲の本発明の方法は、上記特定の例で述べた方法と類似の数工程を有し得る。第一工程は、閉塞した血管に、オクルダーを有する第一カテーテルを挿入する工程である。他の工程は、このオクルダーの上流の位置に第二カテーテルを挿入する工程である。次いで、第二カテーテルにより、このオクルダーの上流にある患者の血管系に、造影剤が注入される。重要な工程は、注入した造影剤媒体の少なくとも一部がオクルダーの上流で保持されるように、このオクルダーに血管を閉塞させることにある。次いで、この造影剤媒体が吸引されて、このオクルダーの上流に残留している造影剤媒体を血管系から除去できる。最後に、この造影剤媒体を除去した後、このオクルダーは、該血管の閉塞を終わらせ得る。
【0050】
本発明の方法は、心臓の血管を閉塞する特定の例には限定されず、体内の種々の位置で適用され得る。そういうものとして、造影剤または他の物質を吸引するかあるいは注入するための管腔のオリフィスは、バルーンの遠位側に位置し得ることに注目するのが重要である。この理由は、その経皮挿入点が、隔離される血管系の領域の閉塞点の上流であり得ることによる。この場合、造影剤または他の物質も同様に、このバルーンの近位側で注入され得る。
【0051】
当然、このオクルダーは、閉塞するためのバルーンを有するバルーン先端オクルダーであり得る。あるいは、このオクルダーは、血管系の選択された血管の血流れを止めるように機能する任意の型のオクルダーであり得る。他方、上で具体的に述べた詳細は、本発明の広い範囲で等しく当てはまることが、理解できるはずである。例えば、脊椎動物およびヒトの患者では、第一、第二および第三の所定時間が適用可能であり得る。
【0052】
本発明のより広範囲の方法は、さらに、上で述べたセンサに関連する追加工程を包含し得る。これらの工程には、以下の工程が含まれる:制御装置を提供する工程であって、該制御装置は、該センサと連絡している、工程;該センサを使用して、所定量または濃度の物質または物理的特性の存在を感知する工程;および該センサが該所定量または濃度の該物質または物理的特性を感知したとき、該センサから該制御装置へと信号を送る工程。
【0053】
より広範囲の方法はなおさらに、第一カテーテルにある第一および第二導管に関連する工程を包含し得る。本発明のこの局面では、第一導管は、第一ポンプに連結され、そして該第二導管は、第二ポンプに連結される。第一導管は、前記バルーンから遠位にある該先端の末端にオリフィスを有し、そして該第二導管は、該バルーンに密封して連結される。第一カテーテルは、制御装置で信号が受信されたとき、この制御装置が該方法における他の工程と同調させるために制御装置内の少なくとも1個の装置を始動するように、制御装置に連結される。
【0054】
この少なくとも1個の他の装置は、警報装置、スイッチまたはタイマーであり得る。前記信号は、前記オクルダーの上流で十分な量の造影剤の存在がX線撮影で見えたとき、該制御装置を手動で始動することにより発せられ得る。
【0055】
図6は、本発明の装置のバルーン先端カテーテル18の概略側面断面図である。この装置は、例としてのみ、特定の手順の点から、以下で記述する。この装置は、身体の他の部分での他の手順のために使用され得、本開示の例証的な特定の例で記述したものと類似の利点を提供する。
【0056】
カテーテル18の機能の1つには、冠状動脈または心臓動脈に造影剤を注入した直後に、冠状静脈洞12または他の主要心臓静脈10から染料または造影剤16を除去することにある。この目的のために、第一カテーテル18は、先端オリフィス98を備えた該カテーテル内に規定される第一管腔96を有し、このオリフィスを通して、血液21は、先端47から、冠状静脈洞の外に吸引され得る。造影剤16と混合された吸引された血液21は、収集ボトル101に収集され、真空ボトルまたはポンプ103と連結することにより制御される部分真空下で維持される。
【0057】
図6は、バルーン63をさらに示し、これは、カテーテル18で規定される第二管腔105と連絡している。第二管腔105は、バルーン63の流体レザバ107に近位に連結されている。流体は、レザバ107と連絡された可逆ポンプ110または他の手段によって、バルーン63を膨張または収縮するのに使用される。
【0058】
ポンプ103および110は、手動、自動、または手動工程と自動工程との組み合わせにより、制御され得る。主に手動で制御する実施形態では、電子制御装置92上の少なくとも第一および第二スイッチボタン112、114が選択的に始動されて、ポンプ103、110を適切に始動および停止する。バルーン63を膨張および収縮するのに適切な時間ならびに吸引および吸引停止するのに適切な時間は、この場合、蛍光透視スクリーンを観察して造影剤が存在するか否かおよび空間および/または血管中のその濃度を確認することにより、決定される。スイッチボタン114は、可逆ポンプ110に適切な入力を送る3つの位置を備えたスイッチを有する。
【0059】
図6の装置の代替例は、各々の注射器70によって一方または両方のポンプ103、110を置き換えることにより、達成される。両方のポンプ103、110が置き換えられる場合、制御装置92およびスイッチボタン112、114もまた、不要となる。この場合、この制御装置は、注射器70のプランジャー上の手動操縦インターフェイスである。この装置の操作者は、装置との物理的インターフェイスにより、この型の制御装置に入力を加える。さらに、この型の制御装置では、蛍光透視スクリーンの形態の視覚手段は、操作者を通じて、この装置に間接的な入力を送り、従って、この制御装置の一部と見なされ得る。
【0060】
部分的または完全に自動化されたこの装置の実施形態は、電子制御装置92によって達成される。部分な自動制御の場合、ポンプ103および110は、制御装置92上のスイッチボタン112および114を押すことにより、適切に起動される。ポンプ103、110を始動するのに適切な時間は、制御装置92上の信号85または警報装置83により指され得る。信号85または警報装置83は、造影剤16の濃度レベルが所定レベルに達する場合、少なくとも1個のセンサ81からの入力信号により、作動され得る。信号85または警報装置83に応答して、操作者は、適切なスイッチボタン112、114を押すべきである。信号または警報装置83は、バルーン63を膨張して吸引を開始する必要性を示す高レベルで起動され得る。信号85または警報装置83は、バルーン63を吸引停止および/または収縮する必要性を示す、低レベルで起動され得る。この時点で、操作者は、吸引ポンプ103を停止して、ポンプ110によってレザバ107に流体を引き戻すことにより、バルーン63を収縮する。
【0061】
あるいは、完全に自動化された実施形態では、この装置の制御装置92は、センサ81からの信号85を自動的に感知してポンプ103、110を適切に始動および停止し得る。センサ81は、特定の閾値または濃度より高いか低い造影剤16の存在を直接的または間接的に示す信号を戻すことができる、現在既知であるか後に考案される任意の型であり得る。例えば、血液21中の物質78の一時的な存在または不在を検出するのに、温度センサ、pHセンサまたは抵抗率センサが使用され得る。センサ81の応答は、それゆえ、造影剤16に特異的である必要はなく、血液21中に注入した任意の物質に特異的である必要がある。
【0062】
部分的に自動化から完全な自動化までの代替例の各々において、この制御装置は、スイッチボタン112、114、少なくとも1個のタイマー90、または少なくとも1個のセンサ81により起動される内部スイッチを有する。これらの内部スイッチは、図示されていないが、この制御装置においてポンプ103、110、警報装置83、信号85、タイマー90または他の装置を始動および停止するのに使用できる通常のスイッチである。
【0063】
上記の装置は、実際には、一緒に使用される複数装置のシステムである。上記方法の場合のように、このシステムは、本発明のより広い範囲の観点で、記載され得る。すなわち、ヒトまたは脊椎動物の患者の血管系に注入された物質を除去するシステムとして、記載され得る。
【0064】
本発明のより広い範囲のシステムは、拡大可能領域を有するカテーテルを備える。この拡大可能領域は、拡大状態にあるとき、血管系の選択された領域を閉塞するように適合されている。より広い範囲において、血管系の選択領域の閉塞部は、血管系のその領域において物質を保持する。
【0065】
先に記述した例と同様に、吸引装置は、血管系の領域から注入物質の少なくとも相当部分を除去する。さらに、この注入物質が保持された血管系の領域から少なくとも所定量の注入物質が吸引された場合に該吸引装置を停止するための、制御装置が提供され得る。
【0066】
上記の広範囲の方法におけるように、このシステムは、血管系を有する任意の生物に適用できる。しかしながら、重要なことは、どのように本発明のシステムを哺乳動物患者の解剖学的血管に適用し得るかである。上記特定の例の全ての特徴は、広範囲の本発明に適用され得る。例えば、この吸引装置を特定の時点で始動および停止するために、制御装置が同様に使用され得る。
【0067】
広範囲の本発明の第一カテーテルはさらに、管腔を備え得、この管腔は、このカテーテルの少なくとも一部を通って延びており、上で述べた特定の例と類似のオクルダーの上流に、カテーテル内に形成されたアパーチャを有する。この特徴により、注入物質は、このアパーチャを通り管腔を通して吸引可能である。
【0068】
さらに、広範囲の本発明では、本発明の方法および装置は、心臓以外の器官で使用され得ることに注目すべきである。すなわち、この方法および装置は、脳、腎臓、肺、または体内の任意の血管系で、使用され得ることが企図される。
【0069】
例示される実施形態を用いた実験では、バルーン先端カテーテルは、1匹のブタにおいて使用するのに成功し、血液21は、いかなる合併症も伴わずに、冠状静脈洞から安全に取り出された。このカテーテルの挿入は、蛍光透視下にて、困難を伴わずに実行された。冠状静脈洞の完全な閉塞は、最終局面の前に、膨張したバルーンの遠位に染料を注入することにより、蛍光透視下にて確認しつつ、達成された。冠状静脈洞の圧力が測定され、血液21の除去前に、わずかに上昇した。除去した造影剤16または染料の量を分析すると、注入した造影剤16または染料の67%は、冠状静脈洞からうまく除去されたことが明らかとなった。
【0070】
この予備的な証明は、この方法が操作可能であり、実用的であり、造影剤の大部分を除去することによって腎臓67を保護するのに有効であるはずであることを示唆している。
【0071】
冠状静脈洞から収集した血液21中の除去した造影剤16または染料の濃度は、収集した血液試料の、十分に確立されたクロマトグラフィー法(これは、市販されている)を使用することにより、調査され得る。
【0072】
ヒトにおいて、本発明の手順を用いて、造影剤16の67〜99%を除去することが可能である。さらに、殆どの場合、ヒトに対する手順の間に、造影剤16の90%が除去され得ると見積もられる。このことは、ブタから除去されなかった造影剤16の多くが、奇静脈と呼ばれる別の静脈を通ってブタの循環系に逃げた可能性が最も高いという事実に起因する。なぜならば、この奇静脈は、実験手順中に閉塞されていなかったからである。ヒトは、ブタと違い、冠奇静脈を持っていない。従って、冠状静脈洞12を閉塞すると、ヒトの標的空間にある造影剤16が完全に隔離され、造影剤の非常に少量の残遺物は、存在する場合、循環系に逃げてゆく。
【0073】
本発明の精神および範囲から逸脱することなく、当業者により、多くの変更および改良がなされ得る。従って、例示の実施形態は、例示の目的でのみ示され、上記特許請求の範囲で規定される本発明を限定すると見なすべきではないことが理解されなければならない。例えば、特許請求の範囲の要素は、特定の組み合せで示されているという事実にもかかわらず、本発明は、このような組み合わせにおいて最初から請求されていない場合でさえも、上記のそれより少ない要素、それよりも多い要素または異なる要素の他の組み合せを含むことは、明らかに理解できるはずである。
【0074】
本発明およびその種々の実施形態を記載するために本明細書中で使用した用語は、それらの通常定義される意味だけでなく、本発明の特別な定義により、通例定義される意味の範囲を超える構造、物質または作用を含むことが理解されるべきである。従って、ある要素が、本明細書の関係において、1つより多い意味を有することが理解される場合、それらの用語の請求の範囲における使用は、本明細書およびその用語自体によりサポートされる全ての可能性のある意味に対して包括的であることが理解されなければならない。
【0075】
従って、上記請求の範囲の用語または要素の定義は、本明細書中では、文字通り示される要素の組み合せだけでなく、実質的に同じ結果を得るために実質的に同じ様式で実質的に同じ機能を果たす全ての等価な構造、物質または作用を含むように規定される。この意味で、2個またはそれ以上の要素の等価な置換が、上記特許請求の範囲における要素のいずれか1つに対してなされ得るか、または1つの要素が、請求の範囲における2個またはそれ以上の要素に対して置換され得ることが考慮される。要素は、特定の組み合せにおいて作用するように上述されており、最初はそのように請求され得るけれども、請求した組み合せに由来する1個またはそれ以上の要素は、いくつかの場合、その組み合せから切り離され得、また、請求した組み合せは、下位概念の組み合せまたはその変形に向けられ得ることが、明確に理解される。
【0076】
特許請求する主体的内容の形式的な変更は、当業者により検討される場合、現在公知のものであれ後に考案されたものであれ、明らかに、本発明の範囲内に同等に含まれると見なされる。従って、当業者に現在公知であるか後の公知となる明らかな置き換えは、特許請求した要素の範囲内であると規定される。
【0077】
従って、これらの請求の範囲は、上で具体的に説明し記述したもの、概念的に等価であるもの、明らかに置き換えることができるもの、また、本発明の必須概念に事実上取り込まれるものを含むことが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】図1は、心臓およびその中に第一カテーテルを挿入する工程の概略正面図である。
【図1A】図1Aは、図1の1A部分の詳細図である。
【図2】図2は、心臓およびその中に第二カテーテルを挿入する工程の概略正面図である。
【図3】図3は、第一カテーテルのバルーン先端を膨張する工程と一緒になった、心臓の概略正面図である。
【図3A】図3Aは、心臓への主な動脈および静脈と、挿入する第一カテーテルとの関係を示す概略正面図である。
【図3B】図3Bは、第一カテーテルに連結した注射器の概略側面図であり、これは、膨張位置および非膨張位置でのバルーン先端を図示している。
【図3C】図3Cは、図3の3C部分の詳細図である。
【図4】図4は、図3と類似した正面図であり、これは、血液21および造影剤の除去工程を示している。
【図4A】図4Aは、この装置のポンプ、および造影剤を除去し精製した血液を患者に戻すためのフィルターの概略図である。
【図5】図5は、血管内のカテーテル先端の部分断面図であり、そのバルーン先端は、選択的に収縮されているか、膨張したままである。
【図6】図6は、本発明を実施する際に使用されるカテーテルシステムの単純化した概略側面断面図である。
【図7】図7は、本発明の装置を使って本発明の方法を実行しているオペレータの概略斜視図である。
【0001】
(関連出願)
本願は、Disclosure Document番号第480895号(これは、2000年10月6日に出願された)に関連しており、また、35 USC 120に基づいて、米国仮特許出願第60/263,865号(これは、2001年1月23日に出願された)に関連して優先権を主張しており、両出願の内容は、本明細書中で参考として援用されている。
【0002】
(発明の背景)
1.発明の分野
本発明は、物質を身体の空間に注入して、その物質を空間内に一時的に残すことに関する。本発明はまた、カテーテルとそのカテーテルを空間に案内する手段とにより、この空間を閉塞することに関する。このような注入は、冠状動脈造影および冠状動脈介入の分野で特に興味深く、特に、この物質を造影剤の形状で取り扱うことに対処する。本発明はまた、血管造影手順および介入手順の間に、心臓で造影剤を取り扱う装置に関する。
【背景技術】
【0003】
2.従来技術の説明
Randolphらの米国特許第6,021,340号は、冠状静脈洞用の案内カテーテルを有する。Randolphらの案内カテーテルは、図8〜11で示された屈曲末端部を有する。このカテーテルは、バルーン36の形態で、閉塞手段を有する。これらの屈曲部のいずれも、本発明で検討したC形状またはS形状ではない。さらに、バルーン36は、図4および7で示すように、このカテーテルの直線部分に配置されている。
【0004】
Randolphらの装置と本発明との重要な違いは、Randolphらの装置の末端部にある屈曲が、冠状静脈洞50から離れた分枝52において電気活性を検出するために、冠状静脈洞50から離れた分枝52に装置70を位置付けるように適合されていることにある。
【0005】
Randolphは、その閉塞部から上流に第二カテーテルにより造影剤を注入することを何ら開示していない。
【0006】
Randolphは、また、造影剤を隔離し除去する目的で閉塞することを欠いている。Randolphの閉塞の目的は、「造影液が間違った方向に流れたり希薄になったりすること(これは、分枝血管の蛍光透視観察を妨害し得る)をできるだけ少なくするために、血管を通る血流を停止すること」にある。
【0007】
Niaziの米国特許出願第US2001/0052345号は、冠状静脈洞をカニューレ挿入するカテーテルを有する。Niaziの装置は、内部カテーテル12および外部カテーテル10を有する。外部カテーテル12は、むしろ案内鞘のように機能し、これは、当該技術分野で公知であり、カテーテルを案内するのに使用され、その中に挿入されて、選択位置へと案内される。従って、Niaziのカテーテルの組合せは、カテーテルの先端を案内する屈曲遠位末端を有する単一カテーテルとして設けられていないので、本発明とは異なる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
Niaziのカテーテル対はまた、その目的の点で、本発明とは違う。Niaziは、ペースリードの位置を付け、そして補助する目的であり、Niaziの閉塞装置21は、本発明のように造影剤を隔離し除去する目的ではない。
【0009】
Niaziのカテーテルと本発明との他の違いには、外部カテーテルの遠位末端にある屈曲部が、特に、C形状ではないことがある。図2〜5で最もよく示されているように、この遠位末端部分は、非常に特殊な構造を有するように思われ、これは、図7および8で分かるように、頸静脈または鎖骨下静脈を通る経皮挿入によって、一対のカテーテルを冠状静脈洞に挿入するために、角度を付けた相対配向を含む。Niaziは、本発明で意図されているような大腿静脈を経由して挿入されたカテーテルに冠状静脈洞を係合することを開示または示していない。
【0010】
さらに、Niaziの装置は、静脈の上流から挿入される第二カテーテル(これは、造影剤を吸引して除去する直前に、その造影剤を注入する)を有しない。
【0011】
本発明の関連した特徴は、冠状動脈と冠状静脈洞との間で、血管系の空間を観察し得ることにある。これには、本発明の第二カテーテルが必要である。
【0012】
腎臓病に罹った患者の冠状動脈造影または介入中に造影剤を使用すると、腎臓病に罹った患者の30%、そして、糖尿病および腎臓病に罹った患者の50%までにおいて、相当な腎不全の危険性が伴う。この副作用により、長期間入院することになり、また、ある患者では、慢性的な透析が必要な永続的な腎障害を引き起こす。腎臓に対する造影剤暴露の量を減らすことができる介入は、腎臓合併症の危険性が相当に少なくなる。冠状動脈介入で使用される染料の量が造影剤誘発腎症と相関していることは、周知である。
【0013】
診断または介入手順を受けている患者の心臓から造影剤を除去する手順は、知られておらず、現在使用されてもいない。それゆえ、本発明の第一の目的は、心臓の血管造影手順および介入手順中に、心臓の血管から造影剤を除去する方法および装置を提供することにある。
【0014】
この方法により、冠状動脈造影手順または介入手順を受けている患者の腎不全を防止すると、相当な命が救われ、また、医療費を節約できる。上で述べた統計により分かるように、腎臓病の持病がある患者の循環系に造影剤が入ることを許すことは、大きな危険因子である。本発明は、このような危険性を避けるという点で、従来技術から大きく進歩したものである。
【0015】
さらに、本発明の目的は、さらに一般的には、何らかの目的のために、人体の空間または血管に物質を一時的に注入する方法および装置を提供することにある。これらの目的には、以下が挙げられるが、これらに限定されない:治療液または薬液の注入、造影剤を注入して空間または血管の内部を撮像することによる診断および/または研究、あるいは空間または血管の内部での機械的手順または化学的手順の撮像促進。
【0016】
本発明のさらに他の目的は、上記目的を達成する方法および装置を提供することにあり、ここで、この装置は、この方法を部分的または完全に自動化する制御装置を含む。
【0017】
(発明の簡単な要旨)
本発明は、治療目的、診断目的または撮像目的で注入した後に、人体の空間または血管から物質を除去する方法および装置として、規定される。本発明は、身体の多くの空間、血管および器官で有用であると考えられている。しかしながら、例示の実施形態は、血管循環から造影剤を除去するために、心臓の血管の点から記述されている。
【0018】
本発明はまた、血管系に注入した造影剤が原因の腎不全をできるだけ少なくする方法として特徴付けられ、この方法は、血管系の選択部分を閉塞する手段を有するカテーテルを配置する工程を包含する。この開示に非常に大きく依存した特定の例証的な例では、この血管は、閉塞され得る単一の血管であり、そして、その空間は、この血管およびその分枝のうち、この閉塞部の上流でかつこの造影剤の注入点から下流の部分である。それゆえ、この空間とは、さらに具体的には、血液および造影剤を収容する内部および容量の点から、血管系の選択部分のことである。好ましい実施形態では、この閉塞手段は、バルーン先端であり、好ましい閉塞方法は、このバルーン先端を膨張させてこの血管系を選択的に閉塞しそれによりこの造影剤をこの血管系の選択部分に一時的に保持することにより、なされる。この造影剤の少なくとも一部は、次いで、この造影剤がこの血管系の選択部分に一時的に保持されている間に、この血管系でこの造影剤の所定濃度が得られるまで、この血管系から除去される。
【0019】
この装置は、カテーテルを含み、このカテーテルは、血管循環を選択的に閉塞してそれにより造影剤を血管循環の選択部分に一時的に保持する閉塞手段を有する。好ましい実施形態では、この閉塞手段は、このカテーテル上のバルーンである。吸引装置は、この造影剤がこの血管循環の選択部分に一時的に保持されている間に、この血管循環からこの造影剤を選択的に除去する。制御装置は、この造影剤の少なくとも所定量がこの血管循環の選択部分から除去されたとき、この吸引装置を停止する。この制御装置は、この選択部分でこの造影剤を保持する工程、各サイクル中に一連の血管造影画像を撮る工程、次いで、各サイクルの最後にこの選択部分からこの造影剤を除去する工程の繰り返しサイクルを提供するように、作動され得る。
【0020】
他の同等の閉塞手段が使用され得ると考えられる。例えば、吸引閉塞手段が使用され得、ここで、この装置は、オリフィスを備えたカテーテルの形態であり、このオリフィスを通して、流体は、この選択部分の閉塞点にて、全身流れと合致する速度および圧力に向けられる。他の等価物には、任意の種々の閉塞手段に組み込まれる機械的拡大装置または他の拡大装置が挙げられ得る。
【0021】
この方法および装置は、機能的な説明と共に、文法的に変えて記述されているものの、特許請求の範囲は、35 USC 112に基づいて明白に規定されていなければ、「手段」または「工程」の限定の構成によって何らかの様式で必然的に限定されているとは解釈されず、法的均等論に基づいて、その意味の全範囲および特許請求の範囲によって与えられる定義の等価物に一致し、また、特許請求の範囲が35 USC 112に基づいて明白に規定されている場合、35 USC 112に基づく全法的等価物に一致することが明らかに理解できるはずである。本発明は、以下の図面に目を向けることにより、うまく視覚化でき、ここで、同じ要素は、同じ番号により参照されている。
【0022】
本発明およびその種々の実施形態は、その好ましい実施形態(これらは、特許請求の範囲で規定した本発明の例示的な実施例として、提示されている)の上記詳細な説明に目を向けることにより、さらに理解できる。明らかに、特許請求の範囲で規定した本発明は、上記の例示の実施形態よりも広範囲であり得ることが分かる。
【0023】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
冠状静脈10は、右心房14に入る流れの最終進路として、冠状静脈洞12に流れる。解剖学的には、第一カテーテル18(これは、冠状静脈洞静脈12を閉塞して閉塞部23から遠位にある血液21を除去できる)を使用することにより、冠状動脈介入中にて、冠状静脈洞12から造影剤16の殆どを除去することが可能である。
【0024】
バルーン先端カテーテルは、心臓手術中にて、心臓麻痺に対して安全に使用されている。しかしながら、本発明で提案されるような閉塞手段を有するカテーテルは、本発明の前まで一度も使用されていなかった。バルーン先端カテーテルの1公知業者には、Redwood City,CaliforniaのHeartport Inc.がある。Heartportのバルーン先端カテーテルは、他の用途のために製造されている。その好ましい閉塞手段は、バルーン先端47であるが、他の閉塞手段が可能であり、本発明のカテーテルは、従来技術で開示されているものを超えた他の特徴を有する。
【0025】
本発明の装置は、従来のバルーン先端カテーテルとは異なる。そういうものとして、本発明の第一カテーテル18は、改良型カテーテルであり、その装置は、改良型カテーテル18と他の装置との組合せを含む。第一バルーン先端カテーテル18は、当該技術分野で公知の経皮アクセスによって、非常に簡単に、冠状静脈洞12に挿入できる。バルーン先端カテーテル18は、先端47の近位末端にバルーン63を有し、これは、冠状静脈洞を閉塞できる。冠状静脈洞12は、それゆえ、バルーン63から遠位で閉塞され、その結果、血液21は、下流に進むのを止められ、本発明の第一カテーテル18を使って、簡単に収集できる。第一カテーテル18を得るための適切な改良は、以下で示す。本発明では、任意の適切に改良したバルーン先端カテーテルが使用され得、Heartportカテーテルは、冠状静脈洞12で使用できる容認されたバルーン先端カテーテルの一例であるという理由だけから述べていることに留意すべきである。
【0026】
図1は、本発明に従って改良した第一バルーン先端カテーテル18の概略前面部分断面図である。カテーテル18は、鼠径部36から大腿静脈34を通るか頸部41または胸部42を通りそれぞれ頸静脈または鎖骨下静脈38を通して選択的に挿入され得るように、改良されている。この改良は、その遠位末端にある多少鋭い屈曲部27である。屈曲部27は、図1Aにて、30で示すようにC形状であり得るか、または32で示すようにS形状であり得る。屈曲部27は、予め形成され永久的であり得るか、調節可能であり得る。カテーテル18は、体内に挿入している間に、調節できるように形成され得る。第一カテーテル18を冠状静脈洞12に挿入することが物理的に束縛されることで分かるように、カテーテル18の先端47は、大腿静脈34から心臓45に入るために、湾曲経路に追随しなければならず、次いで、冠状静脈洞12に挿入されなければならない。これらの物理的束縛および湾曲経路を操縦する必要性は、図3で最もよく示されている。
【0027】
図1Aは、第一カテーテル18の遠位末端(これは、ほぼC形状またはS形状である)およびバルーン63(これは、この遠位末端の小部分に沿ってのみ、伸長している)を示しているが、このバルーンは、このカテーテルの任意の長さを占め得、それにより、このカテーテルと共にC形状またはS形状を呈し得ることが理解できるはずである。これらの形状は、第一カテーテルの遠位末端または先端に適用できる。
【0028】
安全性は、頚動脈を通って心臓45の左側54にアクセスする際の重要な問題である。鼠径部36から大腿静脈を経由して第二カテーテル50を挿入するのは、そのためである。第二カテーテル50は、通常、心臓45の左側54にある冠状動脈52(これは、冠状静脈洞の上流にある)に造影剤16を注入するのに使用される。第二カテーテル50は、鼠径部36の大腿動脈を通して挿入されなければならないので、鼠径部36の同じ領域にて、第一カテーテル18により、心臓45の右側43にもアクセスすることが、手順上、さらに実用的である。このようにして、付添人1人は、患者56の鼠径部36領域で、各第一カテーテル18および第二カテーテル50の両方の経皮アクセス点をモニターし得る。しかしながら、大腿静脈34を通って心臓45の右側43にアクセスするには、本発明のバルーン先端カテーテルを改良する必要がある。
【0029】
心臓45の右側43へのアクセスは、通常、頸部41の頸静脈38を通して行われる。しかしながら、本発明のカテーテル18は、鼠径部36から大腿静脈34を通って、心臓45の右側43に選択的にアクセスする。大腿静脈34を通るアクセスは、手順上の利点を提供し、これには、上述のさらなる利便性が挙げられる。頸静脈38を通るのではなく大腿静脈34を通って冠状静脈洞12にアクセスするとき、冠状静脈洞12とカテーテル先端47との係合は、さらに困難となる。しかしながら、手順上の利点が得られることから、本発明の必要とされる改良が正当化される。この理由は、第二カテーテル50によるアクセスは、通常、第一カテーテル18によるアクセスと共同する必要があり、そして、第二カテーテル50によるアクセスは、安全上の理由のために、鼠径部36からのアクセスに制限されるからである。
【0030】
ガイドワイヤ58および鞘61を含めた通常の手段により、これらのカテーテルを案内し位置付け易くなることをさらに記しておく。
【0031】
図1は、本発明を使用する方法の工程を示し、これは、第一カテーテル18を冠状静脈洞に挿入する工程を包含する。
【0032】
図2は、大腿動脈を経由して冠状動脈52に第二カテーテル50を挿入し造影剤を注入する工程を包含する方法の工程を示している。
【0033】
図3は、第一カテーテル18のバルーン先端のバルーン63で冠状静脈洞を閉塞する工程を示す。この図は、閉塞部23から遠位の血液21中にある大量の造影剤16を示す。バルーン63の膨張は、造影剤16の注入の15分前から造影剤16の注入の3秒後まで、実行され得る。しかしながら、好ましい膨張時間は、この造影剤の注入の約1秒後である。
【0034】
図3Aは、心臓45に対する主要な動脈および静脈の関係を示す描写を提供する。循環系における腎臓67および鼠径部36の関係もまた、示されている。第一カテーテル18は、大腿静脈34を通って伸長していることが、示されている。
【0035】
図3Bは、バルーン63を膨張し収縮するのに利用される注射器70を図示している。注射器70はまた、造影剤16を注入または除去するのにも使用され得る。
【0036】
図4は、血液21から造影剤16を除去する工程を図示している。示され得るように、図4では、図3で存在しているよりも少ない造影剤16が存在している。この原因は、バルーン63から遠位の地点から第一カテーテル18を通る吸引による。この吸引の開始は、一般に、バルーン63の膨張と呼応すべきである。通常、数サイクルの吸引で除去される血液21の量は、血液損失により患者56を危険に晒すほどに多くはない。しかしながら、注入前の数分間の吸引は、相当な血液損失の原因となるので、推奨されない。吸引を開始する好ましい時間は、この造影剤の注入の1〜2秒後である。吸引の持続時間は、3〜20秒間であり得る。しかしながら、好ましくは、吸引の持続時間は、5〜10秒間である。
【0037】
図4Aは、患者自身の血液21(これは、造影剤と共に吸引され、フィルター76で濾過されて造影剤を除去し、そして患者の体内に戻される)を輸血することによる流体の交換を示す。従来、手順中に失われた流体を交換するには、生理食塩水を使うIVまたは血液21の輸血が使用されている。交換流体は、血液損失が起こりそうな手順の前にでも注入され得る。しかしながら、患者の血液21を濾過して患者の体内に戻すことにより再利用するという考えは、多くの利点を有し得る。このような濾過には、本発明の他の局面と組み合わせて、造影剤16またはある種の他の物質78(これは、本発明のさらに広い範囲で使用され得る)を除去する必要があることから、独特の要件がある。図4Aの配置では、精製した血液は、主に、赤血球を含有する。吸引した流体の残りは、通常、血漿および注入した物質78を含有する。
【0038】
濾過は、赤血球以外の全てのものを捕獲する膜により達成され得ると考えられる。あるいは、赤血球を分離するために、この造影剤および血液の混合物の遠心分離が使用され得る。
【0039】
実際、造影剤を除去する代替手段は、十分な量の造影剤が下流に進むのを防止するために、血管系から十分な速度で血液および造影剤を吸引することにより、使用され得る。
【0040】
図5は、血液21から造影剤16を除去した後、バルーン63を選択的に収縮する工程を図示している。注目できるように、バルーン63は、膨張したままにされ得る。これは、たとえバルーン63を数分間膨張したままにしても、心臓45に対して悪影響を及ぼさない。バルーン63を長時間膨張したままにすることで起こり得る副作用は、冠状静脈洞が僅かに拡大するので、冠状静脈洞12を完全に閉じるためにさらに膨張する必要があり得ることである。
【0041】
本発明の方法の工程の上記記述は、本発明の方法の一般的な実施形態を提供する。装置を使用する方法の多くの他の可能な実施形態または異形が存在している。特に、これらの実施形態は、例としてのみ、特定の手順によって記述されていることが理解できるはずである。この方法は、心臓45ならびに心臓45の特定空間および血管に関連して記述されているが、この方法は、物質78を一時的に注入した後に除去すべき身体の他の空間および/または血管にも適用され得る。
【0042】
カテーテル18の基本要素は、先端バルーン63である。バルーン63は、カテーテル18が冠状静脈洞、主要心臓静脈または他の血管管腔または空洞に安全に挿入され得るように、収縮状態で、低プロフィールであり得る。
【0043】
本発明の1実施形態では、少なくとも1個のセンサ81は、オペレータを警告するために、警報装置83または信号85を作動するのに利用される。あるいは、センサ81は、この方法の次の工程を自動的に始動させるのに使用され得る。心臓動脈または冠状動脈に造影剤を注入した後、バルーン12(これは、冠状静脈10に同時に設置される)は、膨張される。これを達成するために、少なくとも1つのセンサ81は、オペレータを警告するために、またはこの方法の次の工程を自動的に始動するために、警報装置83または信号85を作動するのに利用される。それゆえ、センサ81は、能動システムまたは受動システムで組み込まれ得ることが理解され得る。この受動システムは、また、カテーテル先端センサ81が造影剤16の低い濃度を検出してバルーン63を自動的に収縮するまで、静脈10からの造影剤16を含む、上流にある血液21を除去するように構成され得る。この能動システムでは、センサ81は、造影剤16の濃度が低レベルに達したとき、バルーン63を収縮するようにオペレータに通知するために、警報装置83または信号85を選択的に発する。
【0044】
他の実施形態では、制御装置92には、少なくとも1個のタイマー90が設けられる。この実施形態では、タイマー90は、バルーン63の収縮を制御するために、少なくとも1個のセンサ81と置き換えられる。この収縮のタイミングは、ヒトにおいて、適切な時間間隔を与える研究により、測定される。
【0045】
この実施形態では、少なくとも1個のタイマー90は、3つの所定時間を与える。第一所定時間は、造影剤の注入に対するバルーン63の膨張の時間である。この時間は、造影剤16の注入の15分前であるか、この造影剤の注入の3秒後であり得る。後者の限界は、少なくとも部分的には、造影剤16を注入する空間および/または血管の大きさにより、決定される。好ましくは、上記の特定の例については、閉塞は、造影剤16を注入した1秒後に起こる。第二所定時間は、吸引を開始する時間である。上で述べたように、この吸引開始時間は、一般に、その閉塞開始時間と一致する。しかしながら、タイマー90は、あるいは、造影剤16を注入して1〜2秒後に、吸引を開始し得る。少なくとも1個のタイマー90で制御され得る第三所定時間は、吸引の持続時間である。手順中の吸引の全持続時間は、このような時間が患者56に対する著しい血液損失および潜在的な危険または危害に相当する場合、重要であり得る。しかし、正常な環境下では、血液損失は考慮されず、吸引は、短い間隔に制限される必要がない。3〜20秒間の吸引時間は、十分に短い限界と十分に長い限界とを提供する。しかしながら、吸引持続時間は、好ましくは、造影剤16を注入する各サイクルまたは各時点について、5〜10秒間の範囲である。
【0046】
身体の残りの部分に循環させることなく、血管造影手順で使用される造影剤の殆ど全てを除去する能力のために、対応および同調する閉塞および造影剤の除去と共に、造影剤16の繰り返しサイクルまたはパルスが使用され得る。本発明により、腎不全の患者または造影剤に感受性が高い患者において、従来の血管造影技術および造影剤16を使用できるだけでなく、パルス血管造影の新しい血管造影技術および新しい形態の造影剤16も使用できるようになる。
【0047】
本発明の方法は、本発明以前に課せられていたのと同じ厳しい制限を受けない。すなわち、造影剤16を注入しすぎることにより患者56に危害を加える危険性に基づく制限は、実質的に克服される。その理由は、この造影剤が、腎臓67に有害であるので、本発明を使用において使用される場合、いかなる有意な量においても患者56の循環系に侵入することが許容されないからである。それゆえ、本発明の方法により、患者において、冠状動脈造影手順および介入手順を多く使用できるようになる。これは、特に、造影剤により誘導される腎不全の危険が高い患者に当てはまり、有益である。本発明を使用することによって、以前に血管造影手順を使えなかった危険度の高い患者の多くは、現在、使えるようになる。
【0048】
この隔離および除去の方法は、ヒト被験体に対する使用には限定されない。実際、この方法は、哺乳動物、または血管系を有する任意の生存生物に使用され得る。しかしながら、本発明は、特に、ヒトまたは脊椎動物患者の血管系に注入された一定量のX線造影剤の少なくとも一部を隔離または除去する工程を包含し得る。
【0049】
広範な範囲の本発明の方法は、上記特定の例で述べた方法と類似の数工程を有し得る。第一工程は、閉塞した血管に、オクルダーを有する第一カテーテルを挿入する工程である。他の工程は、このオクルダーの上流の位置に第二カテーテルを挿入する工程である。次いで、第二カテーテルにより、このオクルダーの上流にある患者の血管系に、造影剤が注入される。重要な工程は、注入した造影剤媒体の少なくとも一部がオクルダーの上流で保持されるように、このオクルダーに血管を閉塞させることにある。次いで、この造影剤媒体が吸引されて、このオクルダーの上流に残留している造影剤媒体を血管系から除去できる。最後に、この造影剤媒体を除去した後、このオクルダーは、該血管の閉塞を終わらせ得る。
【0050】
本発明の方法は、心臓の血管を閉塞する特定の例には限定されず、体内の種々の位置で適用され得る。そういうものとして、造影剤または他の物質を吸引するかあるいは注入するための管腔のオリフィスは、バルーンの遠位側に位置し得ることに注目するのが重要である。この理由は、その経皮挿入点が、隔離される血管系の領域の閉塞点の上流であり得ることによる。この場合、造影剤または他の物質も同様に、このバルーンの近位側で注入され得る。
【0051】
当然、このオクルダーは、閉塞するためのバルーンを有するバルーン先端オクルダーであり得る。あるいは、このオクルダーは、血管系の選択された血管の血流れを止めるように機能する任意の型のオクルダーであり得る。他方、上で具体的に述べた詳細は、本発明の広い範囲で等しく当てはまることが、理解できるはずである。例えば、脊椎動物およびヒトの患者では、第一、第二および第三の所定時間が適用可能であり得る。
【0052】
本発明のより広範囲の方法は、さらに、上で述べたセンサに関連する追加工程を包含し得る。これらの工程には、以下の工程が含まれる:制御装置を提供する工程であって、該制御装置は、該センサと連絡している、工程;該センサを使用して、所定量または濃度の物質または物理的特性の存在を感知する工程;および該センサが該所定量または濃度の該物質または物理的特性を感知したとき、該センサから該制御装置へと信号を送る工程。
【0053】
より広範囲の方法はなおさらに、第一カテーテルにある第一および第二導管に関連する工程を包含し得る。本発明のこの局面では、第一導管は、第一ポンプに連結され、そして該第二導管は、第二ポンプに連結される。第一導管は、前記バルーンから遠位にある該先端の末端にオリフィスを有し、そして該第二導管は、該バルーンに密封して連結される。第一カテーテルは、制御装置で信号が受信されたとき、この制御装置が該方法における他の工程と同調させるために制御装置内の少なくとも1個の装置を始動するように、制御装置に連結される。
【0054】
この少なくとも1個の他の装置は、警報装置、スイッチまたはタイマーであり得る。前記信号は、前記オクルダーの上流で十分な量の造影剤の存在がX線撮影で見えたとき、該制御装置を手動で始動することにより発せられ得る。
【0055】
図6は、本発明の装置のバルーン先端カテーテル18の概略側面断面図である。この装置は、例としてのみ、特定の手順の点から、以下で記述する。この装置は、身体の他の部分での他の手順のために使用され得、本開示の例証的な特定の例で記述したものと類似の利点を提供する。
【0056】
カテーテル18の機能の1つには、冠状動脈または心臓動脈に造影剤を注入した直後に、冠状静脈洞12または他の主要心臓静脈10から染料または造影剤16を除去することにある。この目的のために、第一カテーテル18は、先端オリフィス98を備えた該カテーテル内に規定される第一管腔96を有し、このオリフィスを通して、血液21は、先端47から、冠状静脈洞の外に吸引され得る。造影剤16と混合された吸引された血液21は、収集ボトル101に収集され、真空ボトルまたはポンプ103と連結することにより制御される部分真空下で維持される。
【0057】
図6は、バルーン63をさらに示し、これは、カテーテル18で規定される第二管腔105と連絡している。第二管腔105は、バルーン63の流体レザバ107に近位に連結されている。流体は、レザバ107と連絡された可逆ポンプ110または他の手段によって、バルーン63を膨張または収縮するのに使用される。
【0058】
ポンプ103および110は、手動、自動、または手動工程と自動工程との組み合わせにより、制御され得る。主に手動で制御する実施形態では、電子制御装置92上の少なくとも第一および第二スイッチボタン112、114が選択的に始動されて、ポンプ103、110を適切に始動および停止する。バルーン63を膨張および収縮するのに適切な時間ならびに吸引および吸引停止するのに適切な時間は、この場合、蛍光透視スクリーンを観察して造影剤が存在するか否かおよび空間および/または血管中のその濃度を確認することにより、決定される。スイッチボタン114は、可逆ポンプ110に適切な入力を送る3つの位置を備えたスイッチを有する。
【0059】
図6の装置の代替例は、各々の注射器70によって一方または両方のポンプ103、110を置き換えることにより、達成される。両方のポンプ103、110が置き換えられる場合、制御装置92およびスイッチボタン112、114もまた、不要となる。この場合、この制御装置は、注射器70のプランジャー上の手動操縦インターフェイスである。この装置の操作者は、装置との物理的インターフェイスにより、この型の制御装置に入力を加える。さらに、この型の制御装置では、蛍光透視スクリーンの形態の視覚手段は、操作者を通じて、この装置に間接的な入力を送り、従って、この制御装置の一部と見なされ得る。
【0060】
部分的または完全に自動化されたこの装置の実施形態は、電子制御装置92によって達成される。部分な自動制御の場合、ポンプ103および110は、制御装置92上のスイッチボタン112および114を押すことにより、適切に起動される。ポンプ103、110を始動するのに適切な時間は、制御装置92上の信号85または警報装置83により指され得る。信号85または警報装置83は、造影剤16の濃度レベルが所定レベルに達する場合、少なくとも1個のセンサ81からの入力信号により、作動され得る。信号85または警報装置83に応答して、操作者は、適切なスイッチボタン112、114を押すべきである。信号または警報装置83は、バルーン63を膨張して吸引を開始する必要性を示す高レベルで起動され得る。信号85または警報装置83は、バルーン63を吸引停止および/または収縮する必要性を示す、低レベルで起動され得る。この時点で、操作者は、吸引ポンプ103を停止して、ポンプ110によってレザバ107に流体を引き戻すことにより、バルーン63を収縮する。
【0061】
あるいは、完全に自動化された実施形態では、この装置の制御装置92は、センサ81からの信号85を自動的に感知してポンプ103、110を適切に始動および停止し得る。センサ81は、特定の閾値または濃度より高いか低い造影剤16の存在を直接的または間接的に示す信号を戻すことができる、現在既知であるか後に考案される任意の型であり得る。例えば、血液21中の物質78の一時的な存在または不在を検出するのに、温度センサ、pHセンサまたは抵抗率センサが使用され得る。センサ81の応答は、それゆえ、造影剤16に特異的である必要はなく、血液21中に注入した任意の物質に特異的である必要がある。
【0062】
部分的に自動化から完全な自動化までの代替例の各々において、この制御装置は、スイッチボタン112、114、少なくとも1個のタイマー90、または少なくとも1個のセンサ81により起動される内部スイッチを有する。これらの内部スイッチは、図示されていないが、この制御装置においてポンプ103、110、警報装置83、信号85、タイマー90または他の装置を始動および停止するのに使用できる通常のスイッチである。
【0063】
上記の装置は、実際には、一緒に使用される複数装置のシステムである。上記方法の場合のように、このシステムは、本発明のより広い範囲の観点で、記載され得る。すなわち、ヒトまたは脊椎動物の患者の血管系に注入された物質を除去するシステムとして、記載され得る。
【0064】
本発明のより広い範囲のシステムは、拡大可能領域を有するカテーテルを備える。この拡大可能領域は、拡大状態にあるとき、血管系の選択された領域を閉塞するように適合されている。より広い範囲において、血管系の選択領域の閉塞部は、血管系のその領域において物質を保持する。
【0065】
先に記述した例と同様に、吸引装置は、血管系の領域から注入物質の少なくとも相当部分を除去する。さらに、この注入物質が保持された血管系の領域から少なくとも所定量の注入物質が吸引された場合に該吸引装置を停止するための、制御装置が提供され得る。
【0066】
上記の広範囲の方法におけるように、このシステムは、血管系を有する任意の生物に適用できる。しかしながら、重要なことは、どのように本発明のシステムを哺乳動物患者の解剖学的血管に適用し得るかである。上記特定の例の全ての特徴は、広範囲の本発明に適用され得る。例えば、この吸引装置を特定の時点で始動および停止するために、制御装置が同様に使用され得る。
【0067】
広範囲の本発明の第一カテーテルはさらに、管腔を備え得、この管腔は、このカテーテルの少なくとも一部を通って延びており、上で述べた特定の例と類似のオクルダーの上流に、カテーテル内に形成されたアパーチャを有する。この特徴により、注入物質は、このアパーチャを通り管腔を通して吸引可能である。
【0068】
さらに、広範囲の本発明では、本発明の方法および装置は、心臓以外の器官で使用され得ることに注目すべきである。すなわち、この方法および装置は、脳、腎臓、肺、または体内の任意の血管系で、使用され得ることが企図される。
【0069】
例示される実施形態を用いた実験では、バルーン先端カテーテルは、1匹のブタにおいて使用するのに成功し、血液21は、いかなる合併症も伴わずに、冠状静脈洞から安全に取り出された。このカテーテルの挿入は、蛍光透視下にて、困難を伴わずに実行された。冠状静脈洞の完全な閉塞は、最終局面の前に、膨張したバルーンの遠位に染料を注入することにより、蛍光透視下にて確認しつつ、達成された。冠状静脈洞の圧力が測定され、血液21の除去前に、わずかに上昇した。除去した造影剤16または染料の量を分析すると、注入した造影剤16または染料の67%は、冠状静脈洞からうまく除去されたことが明らかとなった。
【0070】
この予備的な証明は、この方法が操作可能であり、実用的であり、造影剤の大部分を除去することによって腎臓67を保護するのに有効であるはずであることを示唆している。
【0071】
冠状静脈洞から収集した血液21中の除去した造影剤16または染料の濃度は、収集した血液試料の、十分に確立されたクロマトグラフィー法(これは、市販されている)を使用することにより、調査され得る。
【0072】
ヒトにおいて、本発明の手順を用いて、造影剤16の67〜99%を除去することが可能である。さらに、殆どの場合、ヒトに対する手順の間に、造影剤16の90%が除去され得ると見積もられる。このことは、ブタから除去されなかった造影剤16の多くが、奇静脈と呼ばれる別の静脈を通ってブタの循環系に逃げた可能性が最も高いという事実に起因する。なぜならば、この奇静脈は、実験手順中に閉塞されていなかったからである。ヒトは、ブタと違い、冠奇静脈を持っていない。従って、冠状静脈洞12を閉塞すると、ヒトの標的空間にある造影剤16が完全に隔離され、造影剤の非常に少量の残遺物は、存在する場合、循環系に逃げてゆく。
【0073】
本発明の精神および範囲から逸脱することなく、当業者により、多くの変更および改良がなされ得る。従って、例示の実施形態は、例示の目的でのみ示され、上記特許請求の範囲で規定される本発明を限定すると見なすべきではないことが理解されなければならない。例えば、特許請求の範囲の要素は、特定の組み合せで示されているという事実にもかかわらず、本発明は、このような組み合わせにおいて最初から請求されていない場合でさえも、上記のそれより少ない要素、それよりも多い要素または異なる要素の他の組み合せを含むことは、明らかに理解できるはずである。
【0074】
本発明およびその種々の実施形態を記載するために本明細書中で使用した用語は、それらの通常定義される意味だけでなく、本発明の特別な定義により、通例定義される意味の範囲を超える構造、物質または作用を含むことが理解されるべきである。従って、ある要素が、本明細書の関係において、1つより多い意味を有することが理解される場合、それらの用語の請求の範囲における使用は、本明細書およびその用語自体によりサポートされる全ての可能性のある意味に対して包括的であることが理解されなければならない。
【0075】
従って、上記請求の範囲の用語または要素の定義は、本明細書中では、文字通り示される要素の組み合せだけでなく、実質的に同じ結果を得るために実質的に同じ様式で実質的に同じ機能を果たす全ての等価な構造、物質または作用を含むように規定される。この意味で、2個またはそれ以上の要素の等価な置換が、上記特許請求の範囲における要素のいずれか1つに対してなされ得るか、または1つの要素が、請求の範囲における2個またはそれ以上の要素に対して置換され得ることが考慮される。要素は、特定の組み合せにおいて作用するように上述されており、最初はそのように請求され得るけれども、請求した組み合せに由来する1個またはそれ以上の要素は、いくつかの場合、その組み合せから切り離され得、また、請求した組み合せは、下位概念の組み合せまたはその変形に向けられ得ることが、明確に理解される。
【0076】
特許請求する主体的内容の形式的な変更は、当業者により検討される場合、現在公知のものであれ後に考案されたものであれ、明らかに、本発明の範囲内に同等に含まれると見なされる。従って、当業者に現在公知であるか後の公知となる明らかな置き換えは、特許請求した要素の範囲内であると規定される。
【0077】
従って、これらの請求の範囲は、上で具体的に説明し記述したもの、概念的に等価であるもの、明らかに置き換えることができるもの、また、本発明の必須概念に事実上取り込まれるものを含むことが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】図1は、心臓およびその中に第一カテーテルを挿入する工程の概略正面図である。
【図1A】図1Aは、図1の1A部分の詳細図である。
【図2】図2は、心臓およびその中に第二カテーテルを挿入する工程の概略正面図である。
【図3】図3は、第一カテーテルのバルーン先端を膨張する工程と一緒になった、心臓の概略正面図である。
【図3A】図3Aは、心臓への主な動脈および静脈と、挿入する第一カテーテルとの関係を示す概略正面図である。
【図3B】図3Bは、第一カテーテルに連結した注射器の概略側面図であり、これは、膨張位置および非膨張位置でのバルーン先端を図示している。
【図3C】図3Cは、図3の3C部分の詳細図である。
【図4】図4は、図3と類似した正面図であり、これは、血液21および造影剤の除去工程を示している。
【図4A】図4Aは、この装置のポンプ、および造影剤を除去し精製した血液を患者に戻すためのフィルターの概略図である。
【図5】図5は、血管内のカテーテル先端の部分断面図であり、そのバルーン先端は、選択的に収縮されているか、膨張したままである。
【図6】図6は、本発明を実施する際に使用されるカテーテルシステムの単純化した概略側面断面図である。
【図7】図7は、本発明の装置を使って本発明の方法を実行しているオペレータの概略斜視図である。
Claims (54)
- 血管造影手順および冠状動脈介入手順中に、冠状静脈洞から造影剤を除去して、該造影剤が体循環に入るのを実質的に防止する装置であって、該装置は、以下:
カテーテルであって、血管循環を選択的に閉塞するバルーン先端を有し、それにより、該冠状静脈洞の上流にある該血管循環の選択部分に該造影剤を一時的に保持する、カテーテル;
吸引装置であって、該血管循環の該選択部分に一時的に保持されている間に、該血管循環から該造影剤を選択的に除去する、吸引装置;および
制御装置であって、該造影剤の少なくとも所定量が該血管循環から除去されたとき、該吸引装置を停止する、制御装置、
を備える、装置。 - 血管造影手順および冠状動脈介入手順中に心臓の少なくとも1本の血管に注入された造影剤が原因の腎不全をできるだけ少なくする方法であって、該方法は、以下:
バルーン先端を有するカテーテルを、大腿静脈を通して、該少なくとも1本の血管の選択部分に配置する工程;
該バルーン先端を膨張させて、該少なくとも1本の血管に選択的に閉塞部を形成し、それにより、該少なくとも1本の血管の上流にある該選択部分に該造影剤を一時的に保持する工程;および
該造影剤が該少なくとも1本の血管の該選択部分に一時的に保持されている間に、該血管系で該造影剤の所定濃度が得られるまで、該少なくとも1本の血管から該造影剤の少なくとも一部を除去する工程、
を包含する、方法。 - 冠状静脈洞静脈を閉塞して、造影剤の残遺物が該冠状静脈洞静脈の閉塞部分の上流にある血液を経由して身体循環系に入る前に、該血液から造影剤を除去する装置であって、該装置は、以下:
カテーテルであって、以下:
バルーン先端であって、該バルーン先端は、一端にあり、該静脈に挿入してそれを閉塞し、屈曲部を有する、バルーン先端;および
吸引装置であって、該カテーテルを通して吸引することにより、該造影剤を除去する、吸引装置、
を備える、カテーテル;ならびに
制御装置であって、特定の時点で、該吸引装置を始動し停止する、制御装置、
を備える、装置。 - 前記吸引装置が、注射器を含み、該注射器が、前記バルーン先端のバルーンから遠位にある該カテーテルの管腔を通して、前記造影剤を吸引する、請求項3に記載の装置。
- 前記制御装置が、以下:
手動操縦インターフェイスであって、注射器のプランジャー上にあり、吸引を開始し終了するための、インターフェイス;および
視覚手段であって、前記静脈をモニターして、該吸引の開始または終了前に、該静脈内の前記造影剤の存在を測定するための、視覚手段、
を備える、請求項4に記載の装置。 - 前記カテーテルが、膨張可能バルーンを備えた先端を含み、そして前記吸引装置が、ポンプを含み、該ポンプが、該バルーンから遠位にオリフィスを有する該カテーテルの管腔を通して、前記造影剤を吸引する、請求項3に記載の装置。
- 前記制御装置が、以下:
手動電気スイッチであって、前記ポンプをつけたり止めたりするための、スイッチ;および
視覚手段であって、前記静脈をモニターして、該ポンプをつけたり止めたりする前に、該静脈内の前記造影剤の存在を測定するための、視覚手段、
を備える、請求項6に記載の装置。 - 前記制御装置が、電気制御装置であり、さらに、以下:
センサであって、前記先端にあり、前記静脈内の流体の特性を感知する、センサ;
を備える、請求項6に記載の装置であって、
該制御装置は、前記ポンプを自動的につけたり止めたりし、ここで、該センサは、該センサが所定の特性測定値により始動されるとき、該制御装置に信号を送る、装置。 - 前記ポンプが、第一ポンプであり、そして前記装置が、第二ポンプを含み、
前記制御装置が、少なくとも1個のタイマーを含み、該タイマーが、前記静脈の上流での前記造影剤の注入と、前記バルーンの膨張、該制御装置とを同調させ、
ここで、該少なくとも1個のタイマーが、該第二ポンプを始動し、該第二ポンプが、該造影剤の該挿入に対して、第一所定時間間隔で、該バルーンを膨張し、そして
該少なくとも1個のタイマーが、該第二ポンプを始動し、該第二ポンプが、該造影剤の該挿入に対して、第二所定時間間隔で、該バルーンを収縮する、請求項6に記載の装置。 - 前記第一所定間隔が、前記静脈の上流に前記造影剤を注入する15分前から3秒後である、請求項9に記載の装置。
- 前記第一所定時間間隔が、約1秒間である、請求項10に記載の装置。
- 前記少なくとも1個のタイマーが、前記静脈の上流での前記造影剤の注入後、1秒間と2秒間の間の第二所定時間長後、前記第一ポンプを始動して、該第一ポンプによる前記吸引を開始する、請求項9に記載の装置。
- 前記少なくとも1個のタイマーが、3〜20秒間の範囲の吸引持続時間後、前記第一ポンプを停止する、請求項12に記載の装置。
- 前記吸引持続時間が、5〜10秒間の範囲である、請求項13に記載の装置。
- 前記屈曲部が、C形状を構成する、請求項3に記載の装置。
- 前記屈曲部が、S形状を構成する、請求項3に記載の装置。
- 血管造影手順および冠状動脈介入手順中に、血管および心臓の空間内の物質を隔離し、血液内の該物質を該血管および該心臓の該空間から除去して、該心臓および身体の体循環に入ることができる該物質の量を少なくする方法であって、該方法は、以下:
該身体の自然通路を通して、該血管に、第一カテーテルを挿入する工程であって、該第一カテーテルは、遠位末端にて、屈曲部を有し、ここで、該第一カテーテルは、閉塞手段を有する、工程;
該身体の別の自然通路を通して、該血管の上流にある位置に、第二カテーテルを挿入する工程;
該物質を、該血管の上流にある該位置に注入する工程;
該第一カテーテルの該閉塞手段により、該血管内に閉塞部を形成する工程;
該閉塞部の上流にある該血管から、該血液および該物質を吸引する工程;ならびに
該物質の大部分が該血管から吸引された後、該閉塞部を除く工程、
を包含する、方法。 - 前記第一カテーテルが、バルーン先端カテーテルであり、そして前記閉塞手段が、バルーン先端を含み、前記閉塞工程および吸引工程が、さらに、以下:
前記注入工程の15分前から3秒後の第一所定時間後に、該第一カテーテルの該バルーン先端を膨張させることにより、前記血管を閉塞する工程;
前記注入工程の1〜2秒後の第二所定時間後に、該血管から、前記物質および血液を吸引する工程;
持続が3秒間〜20秒間の範囲の第三所定持続時間にわたって、該血管から、該物質および血液を吸引する工程、
を包含する、請求項17に記載の方法。 - 前記第一所定時間長が、約1秒間であり、
前記第二所定時間長が、2秒間であり、そして
前記第三所定時間長が、5〜10秒間の範囲である、請求項18に記載の方法。 - 前記第一カテーテルが、バルーン先端カテーテルであり、そして前記閉塞手段が、バルーン先端を含み、ここで、該第一カテーテルが、さらに、センサおよびセンサワイヤを有し、該センサが、該バルーン先端のバルーン先端から遠位にあり、そして該センサワイヤが、該カテーテルを通って、制御装置に延びており、前記方法が、以下:
該センサにより、該閉塞手段の上流の量、濃度または物理的特性を感知する工程;
所定量、濃度または物理的特性が検出されたとき、該センサにより検出した信号を、該制御装置に自動的に送る工程;および
該信号が受信されたとき、該制御装置により、該制御装置に連結された少なくとも1個の装置を始動して、該方法中の他の少なくとも1工程と同調させる工程、
をさらに包含する、請求項17に記載の方法。 - 前記量および濃度が、酸素または前記物質内の特定化学物質の測定値を含み、
前記物理的特性が、温度または電気的特性を含み、そして
前記少なくとも1個の装置が、警報装置、スイッチおよびタイマーの少なくとも1個を含む、請求項20に記載の方法。 - 前記第一カテーテルが、さらに、第一管腔および第二管腔を含み、該第一管腔が、第一ポンプに連結され、そして該第二管腔が、第二ポンプに連結され、該第一管腔が、前記バルーンから遠位にオリフィスを含み、そして該第二管腔が、該バルーンに密封して連結され、ここで、
前記感知工程が、さらに、前記センサにより、前記血管内の前記物質の量または濃度を感知する工程を包含し、
前記制御装置による前記始動工程が、該制御装置が該第二ポンプにより該バルーン先端を自動的に膨張する工程および該制御装置が該第一ポンプにより前記物質および前記血液を自動的に吸引する工程を包含する、請求項21に記載の方法。 - 前記第一カテーテルが、バルーン先端カテーテルであり、そして前記閉塞手段が、バルーン先端を含み、ここで、該第一カテーテルが、さらに、第一管腔および第二管腔を含み、該第一管腔が、第一ポンプに連結され、そして該第二管腔が、第二ポンプに連結され、該第一管腔が、前記バルーンから遠位にオリフィスを含み、そして該第二管腔が、該バルーンに密封して連結され、該第一カテーテルが、制御装置に連結され、ここで、
該制御装置が、該制御装置において信号が受信されたとき、該制御装置内のスイッチおよびタイマーの少なくとも1個を始動して、該方法中の他の少なくとも1つのさらなる工程と同調させ、
該物質の存在が前記血管内で蛍光透視スクリーンにより見えるとき、該制御装置上のスイッチボタンを手動で始動することにより、該信号が発せられる、請求項17に記載の方法。 - 前記制御装置が、複数の装置を含み、該複数の装置が、前記第一ポンプ用のスイッチ、前記第二ポンプ用のスイッチ、少なくとも1個の前記タイマーを含み、前記始動工程が、以下:
該制御装置が、該第一ポンプにより前記バルーンを膨張させる工程;
該制御装置が、該少なくとも1個のタイマーで測定した第二時間長の後、該第一ポンプにより、前記血管から前記物質および血液を吸引する工程;および
該制御装置が、該少なくとも1個のタイマーで測定した第三時間長の後、該第一ポンプを止める工程、
を包含する、請求項23に記載の方法。 - 前記第一カテーテルが、バルーン先端カテーテルであり、そして前記閉塞手段が、バルーン先端を含み、ここで、該第一カテーテルが、さらに、第一管腔および第二管腔を含み、該第一管腔が、第一ポンプに連結され、そして該第二管腔が、第二ポンプに連結され、該第一管腔が、前記バルーンから遠位にオリフィスを含み、そして該第二管腔が、該バルーンに密封して連結され、該第一カテーテルが、制御装置に連結され、ここで、該制御装置が、該第一ポンプ用の第一スイッチおよび該第二ポンプ用の第二スイッチを含み、前記方法が、さらに、以下:
該第二スイッチにより、該第二ポンプを手動で始動して、それにより、前記血管に前記物質を挿入した後、第一所定時間長で、該バルーン先端を膨張させる工程;
該血管に該物質を挿入した後の第二時間長後、該第一スイッチにより、該第一ポンプを手動で始動して、それにより、該血管から、該物質および血液を吸引する工程;
第三所定吸引持続時間の後、該第一スイッチにより、該第一ポンプを止めて、それにより、該吸引を停止する工程;および
該第二スイッチにより、該第二ポンプを逆方向で始動することにより、該バルーン先端を収縮させる工程、
を包含する、請求項17に記載の方法。 - 前記制御装置が、さらに、警報装置または信号を含み、前記第一ポンプまたは前記第二ポンプを始動するべきであることを、該警報装置または信号がユーザーに知らせ、前記方法が、さらに、
該警報または該信号に応答して、該ポンプの少なくとも1個を始動する工程を包含する、請求項25に記載の方法。 - さらに、以下:
前記血液および前記物質を濾過して、該血液から該物質を除去する工程;および
該血液を濾過した後、該血液を前記身体に再導入する工程であって、ここで、該物質の大部分は、該血液からうまく除去され、そして該身体の循環系に入ることが防止される、工程、
を包含する、請求項17に記載の方法。 - 前記吸引工程が、さらに、前記血管から、前記物質の67〜99%を除去する工程を包含する、請求項17に記載の方法。
- 前記吸引工程が、前記物質の少なくとも90%を除去する工程を包含する、請求項28に記載の方法。
- 膨張による閉塞、吸引および収縮の前記工程の各々が、注射器を手動操作することにより、達成される、請求項17に記載の方法。
- 前記第一カテーテル用の前記通路が、前記身体の鼠径部から心臓に至る大腿静脈である、請求項17に記載の方法。
- 前記第一カテーテル用の前記通路が、前記身体の頸部から心臓に至る頸静脈である、請求項17に記載の方法。
- 前記第一カテーテルが、バルーン先端カテーテルであり、そして前記閉塞手段が、バルーン先端を含み、ここで、前記屈曲部が、該バルーン先端に位置しており、該第一カテーテルを挿入する前記工程が、さらに、以下:
該第一カテーテルを選択的に操縦して、該屈曲部により、該バルーン先端を湾曲浴で案内して、該バルーン先端を、閉塞する該血管に係合する工程、
を包含する、請求項31に記載の方法。 - 前記屈曲部が、C形状である、請求項33に記載の方法。
- 前記屈曲部が、S形状である、請求項33に記載の方法。
- 一次手順または二次手順として、人体の血管に物質を注入しそこから物質を除去する方法であって、ここで、該物質は、該手順中にて、該血管に一時的に留まり、そして除去されて、該人体に対する該物質の有害な影響を避け、該方法は、以下:
該血管に、第一バルーン先端カテーテルを経皮的に挿入する工程;
該血管と流体連絡した空間に、第二カテーテルを経皮的に挿入する工程;
該第一カテーテルの末端で閉塞することによって、該血管を閉塞する工程;
該血管に向かう自然な流れに対して、該空間に、該物質を注入する工程;
該第一カテーテル内の管腔により、該閉塞手段から遠位にある該カテーテルのオリフィスを通して、該空間および該血管内の該物質を吸引する工程;および
該カテーテルに連結された制御装置により、該方法の該工程を同調させる工程、
を包含する、方法。 - 前記注入工程が、造影剤を注入する工程を包含し、前記方法が、さらに、以下:
該造影剤が該空間および該血管に存在している間に、血管造影法により、該空間および該血管を撮像する工程、
を包含する、請求項36に記載の方法。 - さらに、以下:
前記血管および前記空間の少なくとも1つの内部についての情報を集める一次手順として、種々の角度および位置から撮像するために、前記注入工程および撮像工程を選択的に繰り返す工程、
を包含する、請求項37に記載の方法。 - さらに、以下:
前記空間および前記血管の少なくとも1つに対する一次冠状動脈介入手順中に、該血管および該空間の少なくとも1つの内部についての情報を集める二次的であり、かつコンプリメンタリーな手順として、種々の角度および位置から撮像するために、前記注入工程および撮像工程を選択的に繰り返す工程、
を包含する、請求項37に記載の方法。 - 前記一次手順が、機械的または化学的操作の1つであり、ここで、前記注入工程および撮像工程が、該一次手順中に、該一次手順を評価できるようにする、請求項39に記載の方法。
- 前記血管が、冠状静脈洞である、請求項39に記載の方法。
- 前記方法が、さらに、前記第一カテーテルの前記オリフィスを通して造影剤を注入する工程を包含する、請求項36に記載の方法。
- 前記注入工程が、前記血管および前記空間の少なくとも1つの内部に対する治療目的のために薬剤を注入する工程を包含する、請求項36に記載の方法。
- ヒトまたは動物の患者の血管系に注入した物質を除去するシステムであって、該システムは、以下:
カテーテルであって、該カテーテルは拡大可能領域を有し、該拡大可能領域が拡大状態のとき、血管系の選択領域を閉塞して、該物質を、該血管系のその領域で保持する、カテーテル;
吸引装置であって、該物質が保持された該血管系の該領域から、該注入物質の少なくとも実質的な部分を除去する、吸引装置;および
制御装置であって、該物質が保持された該血管系の該領域から少なくとも所定量の該注入物質が吸引されたとき、該吸引装置を停止する、制御装置、
を備える、システム。 - 腎障害を引き起こす物質を、哺乳動物患者の血管系に導入する結果として生じる腎障害をできるだけ少なくする方法であって、該方法は、以下:
該血管系の選択部分に、バルーン先端を有するカテーテルを配置する工程;
該バルーン先端を膨張させて該血管系を選択的に閉塞し、それにより、該血管系の該選択部分に、該造影剤を一時的に保持する工程;および
該造影剤が該血管系の該選択部分に一時的に保持されている間に、該血管系で該造影剤の所定濃度が得られるまで、該血管系から該造影剤の少なくとも一部を除去する工程、
を包含する、方法。 - 哺乳動物患者の体内の解剖学的血管から一定量の注入物質を除去する装置であって、該装置は、以下:
カテーテルであって、該カテーテルは、以下:
該血管を閉塞する、オクルダー;
吸引装置であって、該オクルダーにより作り出された閉塞部の上流にある血管から、該注入物質を除去する、吸引装置;および
制御装置であって、特定時点で、該吸引装置を始動し停止する、制御装置、
を有するカテーテルを備える、装置。 - 前記カテーテルが、さらに、管腔を含み、該管腔が、該カテーテルの少なくとも一部を通って伸び、そしてアパーチャを有し、該アパーチャが、前記注入物質が該アパーチャを通り該管腔を通して吸引できるように、該オクルダーから上流の該カテーテルに形成される、請求項46に記載の装置。
- 前記制御装置が、以下:
手動操作注射器であって、該注射器は、吸引を開始し終了する;および
視覚手段であって、該視覚手段は、前記血管をモニターして、該吸引の開始または終了の前に、該血管内の前記造影剤の存在を決定する、
を備える、請求項46に記載の装置。 - 前記オクルダーが、ほぼC形状のバルーンを備える、請求項46に記載の装置。
- 前記オクルダーが、ほぼS形状のバルーンを備える、請求項46に記載の装置。
- ヒトまたは動物の患者の血管系に注入された一定量のX線造影剤の少なくとも一部を隔離し除去する方法であって、該方法は、以下:
A)閉塞する血管に第一カテーテルを挿入する工程であって、該第一カテーテルは、オクルダーを有する、工程;
B)該オクルダーから上流の位置に、第二カテーテルを挿入する工程;
C)該オクルダーから上流の該患者の血管系に、造影剤を注入する工程;
D)該注入造影剤の少なくとも一部が該オクルダーの上流で保持されるように、該オクルダーに該血管を閉塞させる工程;
E)該血管系から、該オクルダーの上流に保持された該造影剤の少なくとも一部を吸引し除去する工程;および
F)該オクルダーに該血管の閉塞を終わらせる工程、
を包含する、方法。 - 工程Aが、バルーンを備えるオクルダーを有するカテーテルを挿入する工程を包含し、ここで、工程DおよびEが、さらに、以下:
工程Cでの前記注入の15分前から3秒後の第一所定時間で、該バルーンを膨張することにより、該血管を閉塞する工程;
前記注入工程の1〜2秒後の第二所定時間で、該血管から、流体および該造影剤を吸引する工程;
3秒間〜20秒間の範囲の第三所定時間長わたって、該血管から、該流体および該造影剤を吸引する工程、
を包含する、請求項51に記載の方法。 - 前記第一カテーテルが、さらに、センサを備え、該センサが、前記オクルダーから遠位に位置しており、ここで、前記方法が、さらに、以下:
G)制御装置を提供する工程であって、該制御装置は、該センサと連絡している、工程;
H)該センサを使用して、所定量または濃度の物質または物理的特性の存在を感知する工程;
I)該センサが該物質の該所定量または濃度あるいは物理的特性を感知したとき、該センサから該制御装置へと信号を送る工程、
を包含する、請求項51に記載の方法。 - 前記第一カテーテルが、さらに、第一導管および第二導管を備え、該第一導管が、第一ポンプに連結され、そして該第二導管が、第二ポンプに連結され、該第一導管が、前記バルーンから遠位の前記先端の末端に管腔を有し、そして該第二導管が、該バルーンに密封して連結され、該第一カテーテルが、制御装置に連結され、ここで、
該制御装置が、該制御装置内で少なくとも1個の装置を作動させ、該制御装置で信号が受信されたとき、前記方法の他の工程と同調し、
該少なくとも1個の装置が、警報装置、スイッチおよびタイマーの1個を備え、そして
該信号が、前記オクルダーの上流で十分な量の造影剤の存在がX線撮影で見えたとき、該制御装置を手動で始動することにより発せられる、請求項51に記載の方法。
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