JP2005501797A - ペースト状ないしパウダー状テクスチャーを持つ化粧品用組成物 - Google Patents

ペースト状ないしパウダー状テクスチャーを持つ化粧品用組成物 Download PDF

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Abstract

少なくとも一のバインダー剤Aと少なくとも一の粒子相Bを含有する、ペースト状ないしはパウダー状のテクスチャーを有する新規の化粧品用組成物、特にメークアップ用組成物において、バインダー剤が少なくとも一の水相と少なくとも部分的に架橋した少なくとも一のエラストマー性固形親水性オルガノポリシロキサンを含有し、該バインダー剤が該水相に該オルガノポリシロキサンが懸濁した水性懸濁液である組成物に関する。前記組成物は、組成物の全重量に対して35〜60重量%の粒子相、組成物の全重量に対して25〜45重量%のオルガノポリシロキサンを含有し、バインダー剤Aと粒子相Bとの間の組成物の全重量に対するA/B重量比が0.6〜2の範囲であることを特徴とする。

Description

【発明の開示】
【0001】
本発明の主題は、特定のバインダーを含有し、ペースト状及び/又は微粉状の形態、例えばフリー、圧密化又は加圧固形化形態の化粧品用組成物、特にメークアップ用又は手入れ用の組成物に関する。
【0002】
メークアップパウダーは、一般に、一方では、特に顔料とフィラーを含む粒子相を、他方では、完成した製品にある程度の付着性を付与し、メークアップ製品に柔軟性とエモリエント性を付与し、皮膚へのその付着性を促進するための脂肪物質を含んでなるバインダーとしての脂肪相を含有している。
最終組成物は、良好な被捕集容量を持つと共に、特に衝撃に起因する崩壊を回避するために十分に均質で集密でなければならないので、パウダー、特に圧密(コンパクト)パウダーにおける結合剤(バインダー)の処方は多くの困難を生じる。
【0003】
従って、メークアップパウダーは、一般に非常に多量の乾燥した微粉状化合物と油からなる製品である。よって、これらの製品は、皮膚に適用した場合に、突っ張り感又は乾燥感をもたらし、清涼感をもたらさないものであった。
さらに、特許出願EP-1023893及びEP1025837には、親水性オルガノポリシロキサンの粒子を含有するメークアップ用又は手入れ用組成物が記載されている。記載された組成物の分野では、これらの組成物は、流れるので、成形することができない液体である。
【0004】
本出願人は、予期しないことに、バインダーとして、少なくとも部分的に架橋したエラストマー性固形オルガノポリシロキサンのパウダーの水性懸濁液を使用することで、特に清涼感に関して優れた化粧品特性を示す、ペースト状から微粉状の新規なテクスチャーを有する組成物を得ることができることを見出した。さらに、このような組成物は、有利には慣習的な化粧品用の容器の中で押圧されることにより成形することができる。
【0005】
よって本発明の主題は、少なくとも一のバインダーAと少なくとも一の粒子相Bを含有する新規な化粧品用組成物、特にメークアップ用又は手入れ用組成物にあり、該バインダーは少なくとも一の水相と少なくとも部分的に架橋した少なくとも一のエラストマー性固形オルガノポリシロキサンCを含有し、該バインダーは前記水相に前記オルガノポリシロキサンが懸濁した水性懸濁液であり、前記組成物は、組成物の全重量に対して35〜60重量%の粒子相、組成物の全重量に対して25〜45重量%のオルガノポリシロキサンを含有し、バインダーAと粒子相Bとの間の組成物の全重量に対するA/B重量比が0.6〜2、好ましくは1〜1.6であることを特徴とする組成物にある。
【0006】
本発明の組成物が手入れ用組成物である場合、該組成物は、有利には、特に光学的効果により、皮膚の表面の外観を変化させる手入れ用組成物である。例えば、マットにする組成物、及び/又は皮膚の欠陥、例えば赤み、コジワ及び/又は毛穴をマスクする組成物である。よって、マット効果を有する手入れ用組成物が挙げられる。
【0007】
本発明の組成物は、一般的に、また好ましくは、オルガノポリシロキサンCと粒子相Bの間の組成物の全重量に対するC/B重量比が0.4〜1.2、好ましくは0.6〜1.2であるものである。
本発明の組成物は、パウダー状からペースト状の新規なテクスチャーを有し、0〜80、好ましくは0〜40、さらに好ましくは0〜10のショア硬度を有する。ペースト状のテクスチャーは、一般的に0〜10、好ましくは0〜5、さらに好ましくは0の範囲、例えば0〜2のショア硬度を有する。パウダー状のテクスチャーは、一般的に約70までの高いショア硬度を有する。
よって、本発明の組成物は、良好な付着性を有し、メークアップ化粧品として容易に使用することができる。
【0008】
ショア硬度を測定するためのプロトコルは次の通りである。硬度は、一般的に皿に入った加圧固形製品について測定する。皿は、大抵の場合、約50mmの直径と約4mmの高さの丸底金属皿、例えばメプコ社(MEPCO)の照会商品名A96Gの皿である。皿中の製品の質量は約8+/−1gである。圧密化圧は一般的に100バール(1バール=0.1MPa)である。圧密化装置は手動の圧密化装置、例えば照会商品名ケンウォール・エンジニアリング(Kemwall Engineering)の圧密化装置である。測定は、ツビィック(ZWICK)型デュロメーターで実施する。測定は、手動でレバーを下げ、力測定システムに連結されたローターを降下させることからなる。ローターの表面全体がサンプルと接触したとき、硬度値をダイアル目盛りの針で読む。この測定値はショアで表される。ローターは直径1mmの金属針である。
【0009】
得られた組成物は、非常に均質で、皮膚への適用後さえも、また数時間の間、その状態のままである。
本発明の組成物は優れた化粧品特性を有している:本組成物は十分に皮膚に付着するが、強すぎることはなく、特に柔軟な感触があって、適用が容易である。さらに、このような組成物は水に非常に容易に再分散させることができ、それを使用するヒトは、必要性及び/又は環境に応じてそのメークアップの被覆力及びコンシステンシーをコントロールすることができる。さらに、本発明の組成物により、皮膚及び/又は粘膜に適用した後に、非常に自然なメークアップ仕上げを得ることができる。
さらに、本発明の組成物の特定のテクスチャーにより、乾いた又は湿った状態で、特にスポンジを用いて適用することが可能で、湿ったスポンジで付着させる際の軟化に大なる柔軟性を付与することができる。
【0010】
最後に、組成物は、化粧品用容器、例えばカップ又は皿又はポットにおいて、典型的には0(不含)〜約50バール、すなわち0(不含)〜約5x10Paの圧力で加圧することにより成形することができる。当業者であれば、組成物に含有される液体が絞出されることなく、すなわち実際に滲出することなく成形することを可能にする加圧圧を選択することができる(組成物は化粧品用容器の形状となる)。本発明の組成物の新規なテクスチャーを特徴付けることが可能な他の試験法では、このような組成物は、その形状を例えば(模型用ペーストのように)手で修正可能な程度に十分可撓的で変形可能であるが、周囲の大気圧(約1.013x10Pa)及び室温(20℃)で水平面上に1時間形状を変化させないで約3cmの円筒形状に保つことができる程度に十分硬い。
よって、このような組成物は、有利には、通常の化粧品用容器中に加圧によって成形することができる。加圧による成形で、製品と消費者との間に接触面(例えば皿、ポット又はスティックの頂部表面)が生じ、製品の新規なテスクチャーが高められ、製品との接触が促進され、好ましい(しなやかで柔軟な)感触を示し、適用時(指又はスポンジ又はブラシ(小さいもの又は大きなもの)での適用時)に遊び心のある外観が付与される。
【0011】
また、本発明の主題は、身体及び/又は顔の任意の皮膚領域、すなわち皮膚、まつげ及び眉毛、粘膜(下瞼内側を含む)及び半粘膜(唇)、並びに身体及び顔の任意の他の皮膚領域に、本発明の組成物を少なくとも部分的に適用することを含む、メークアップ及び/又は手入れ方法にある。よって、有利には、本発明の組成物は、ファンデーション、ほほ紅、アイブローメークアップ、アイシャドウ、コンシーラ製品、マット効果を有する手入れ製品、又は顔及び/又は身体に少なくとも部分的に適用することを意図した身体のメークアップ製品組成物の形態で提供される。
【0012】
本発明の化粧品用組成物は、組成物の全重量に対して35〜60重量%の粒子相を含有する。例えば、組成物の全重量に対して粒子相が40〜50重量%の値であると、本発明による良好な結果が付与される。
本発明の化粧品用組成物は、組成物の全重量に対して25〜45重量%のオルガノポリシロキサンを含有する。実際、オルガノポリシロキサンは、粒子間の柔軟なクッションの役割を担っている。
本発明の他の特徴、側面及び利点は、以下の詳細な記載を読むことにより明らかになるであろう。
【0013】
「エラストマー性」なる表現は、粘弾性特性、特にスポンジ又は軟球(supple sphere)のコンシステンシーを有する、変形可能で柔軟な物質を意味すると理解される。その弾性係数は、この材料が変形に対して耐性があり、伸長及び収縮について制限された能力を有する。この物質は、伸長させた後に、その元の形状を回復することができる。このエラストマーは、その可動度が架橋点の均一な網目構造によって制限されている高分子量のポリマー鎖からなる。
本発明の組成物のエラストマー性オルガノポリシロキサン類は皮膚を乾燥させず、良好な化粧品特性、特に柔軟性とマット感を提供する。これらの新規のエラストマーにより、適用時に快適感があり、良好に伸展し、柔軟で触れても粘着感のない組成物が付与される。これらの化合物により、皮膚及び/又は粘膜への適用時、水に対する安定性が良好になる。
本発明の組成物は、上述した利点に加え、良好な安定性を有する。
【0014】
本発明のエラストマー性オルガノポリシロキサン類は、3次元構造を有する部分的又は完全に架橋した化合物及び化合物群である。
本発明の組成物に含まれるエラストマーは、3次元構造を有するエラストマー性固形オルガノポリシロキサンを含むパウダーが水に分散した水性分散液の形態で提供される。粒子の分散液(又は懸濁液)は非常に均質である。
本発明のエラストマー性オルガノポリシロキサンは、特開平10−175816号公報に記載されている架橋ポリマーから選択され得る。
【0015】
オルガノポリシロキサン粒子は、日本のJIS-A法を用いるか、又は室温にてショアAデュロメーターで測定(ASTM D2240規格に従う)することのできる、所定の硬度を有する変形可能な固形粒子の形態である。このJIS硬度はこの目的のために調製したエラストマーブロックについて以下のようにして測定できる:オルガノポリシロキサン(i)とオルガノシロキサン(ii)を混合し;混合物から空気を除去し;100℃のオーブンで30分間、成形、加硫し;室温まで冷却した後、硬度を測定する。密度もまたこのエラストマーブロックで測定される。
特に、JIS硬度は、80以下、好ましくは65以下である。本発明の組成物のオルガノポリシロキサン類は、例えばダウ-コーニング・東レ・シリコーン社からBY29-122、BY29-119、HMW2220及びDC9509の名称で市販されているものである。またこれら市販品の混合物を使用することもできる。製品名BY-29122をベースにしたエラストマーブロックは硬度7であり、製品名BY-29119をベースにしたものは硬度30である。密度は0.97〜0.98である。
特に、エラストマー性オルガノポリシロキサンの粒子(活性物質として)は、0.1〜500μm、好ましくは0.1〜200μmのサイズを有する。これらの粒子は、球状、平面状又はアモルファスであってよいが、好ましくは球状である。
【0016】
本発明の組成物は、油と称される、室温で液状の脂肪物質、例えば特開平10−175816号公報に記載されているもので、一般的に室温で固体状のロウ及び樹脂、ペースト状の脂肪物質で、動物性、植物性、無機又は合成由来のもの、並びにそれらの混合物から選択される、少なくとも一の脂肪物質を含有する脂肪相をさらに含有していてもよい。油としては、シリコーン油、フッ化油、フルオロシリコーン油及び炭化水素油で、部分的にシリコーン化されていてもよいものである。これらの油は室温及び大気圧で揮発性でありうる。揮発性油なる表現は、特に皮膚又は唇と接触して1時間以内に蒸発可能な油を意味すると理解される。これらの油は、組成物の全重量に対して0〜30重量%、好ましくは0.1〜15重量%であり得る。
【0017】
本発明の組成物において使用可能な油としては、特に:
− 動物由来の炭化水素油、例えばペルヒドロスクアレン;
− 植物性炭化水素油、例えば脂肪酸の液状トリグリセリド類、例えばヒマワリ油、コーン油、大豆油、ヘチマ油、グレープシード油、ゴマ油、ヘーゼルナッツ油、アプリコット油、マカダミア油、ヒマシ油、及びアボカド油、カプリル/カプリン酸のトリグリセリド類、例えばステアリネリーズ・デュボア社(Stearineries Dubois)から販売されているもの、又はダイナミット・ノーベル社(Dynamit Nobel)からミグリオール(Miglyol)810、812及び818の名称で販売されているもの;
− Rが7〜19の炭素原子を有する高級脂肪酸残基を表し、Rが3〜20の炭素原子を有する分枝状の炭化水素鎖を表す、式RCOORの油、例えばプルセリン(Purcellin)油;
− 無機又は合成由来で直鎖状又は分枝状の炭化水素、例えば揮発性又は非揮発性のパラフィン油及びそれらの誘導体、ワセリン、ポリデセン、水素化ポリイソブテン、例えばパーリーム(parleam);
− 合成エステル及びエーテル、例えばミリスチン酸イソプロピル、アルコール類又はポリアルコール類のオクタノアート、デカノアート又はリシノレアート;
− 脂肪アルコール、例えばオクチルドデカノール又はオレイルアルコール;
− 部分的に炭化水素性及び/又はシリコーン化されたフッ化油、例えば特開平2−295912公報に記載されているもの;
− シリコーン油、例えば室温で液状又はペースト状であり、直鎖状又は環状のシリコーン鎖を有するポリメチルシロキサン類、フェニルジメチコーン類、フェニルトリメチコーン類、及びポリメチルフェニルシロキサン類;及び
− それらの混合物;
を挙げることができる。
【0018】
本発明の好ましい実施態様では、本発明の組成物はシリコーン油を含有する。好ましくは、このようなシリコーン油は両親媒性で、ジメチコーンコポリオールタイプのものである。
有利には、本発明の組成物は、室温で固体状又は半固体状(ペースト状の形態)であってよい炭化水素、フッ化又はシリコーンロウ又はそれらの混合物を含有し得る。これらのロウは、植物、鉱物、動物及び/又は合成由来のものであってよい。特に、これらのロウは25℃を越え、好ましくは45℃さえ超える融点を有する。
【0019】
シリコーンロウは、シリコーン構造と、シリコーン構造にペンダントして、及び/又はその末端に存在する一又は複数のアルキル又はアルコキシ鎖を含む単位を含むロウであってよく、これらの鎖は10〜45の炭素原子を有し、直鎖状又は分枝状である。これらのロウは、それぞれ、アルキルジメチコーン類及びアルコキシジメチコーン類と称される。さらに、これらのアルキル鎖は一又は複数のエステル官能基を担持し得る。
【0020】
本発明で使用可能な他のロウとしては、動物由来のロウ、例えばラノリン、ミツロウ;植物由来のロウ、例えばカルナウバ又はキャンデリラロウ;鉱物由来のロウ、例えばパラフィン、亜炭又はマイクロクリスタリンワックス、セレシン又はオゾケライト;合成ロウ、例えばポリエチレンロウ;それらの混合物を挙げることができる。
有利には、ロウは、例えば保持力及び/又はマット効果を提供し、及び/又は皿等の化粧品用容器中の加圧固形製品の粘着性を増加させるために、ロウの水性ミクロ分散液の形態で添加されてもよい。このようなロウのミクロ分散液は、例えば特許EP-B-1-0446094に記載されている。また次の照会商品名:BASF社のポリゲン(Polygen)PE及びWE1、BYK・セラ(CERA)社のアクアサー(Aquacer)498ないし608、例えばアクアサー510及びアクアサー608、又はアクアサー533、あるいはティスコ社(Tiscco)のスーパー・オキシブリル(Super Oxybrill)、又は最後にモクロパウダー社(Mocropowders)のマイクロディスパーション411として市販されているものであってよい。
【0021】
これらの脂肪物質は、所望の特性、例えばコンシステンシー又はテクスチャーを有する組成物を調製するために、当業者により種々の方法で選択され得る。
組成物は、組成物の全重量に対して、一般的には0(不含)〜30重量%、より一般的には0.1〜30重量%、好ましくは0.1〜10重量%のロウを含有し得る。
【0022】
有利には、本発明の組成物は、少なくとも一の水相ゲル化剤、すなわち組成物にゲルの外観を付与しそれを増粘することができる化合物を含有する。このゲル化剤は、通常使用される量、例えば組成物の全重量に対して0(不含)〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%の量で、本組成物中に存在し得る。本発明において使用され得る水相ゲル化剤としては:ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びカルボキシメチルセルロースのような水溶性セルロース性ゲル化剤;グアーガム;第4級化グアーガム;C-Cヒドロキシアルキル基を有する非イオン性グアーガム;キサンタン、キャロブ、スクレログルカン、ジェラン及びカラヤガム;アルギン酸塩、マルトデキストリン、デンプンとその誘導体、ヒアルロン酸とその塩;クレー、特にモンモリロナイト、ヘクトライト又はベントーン、ラポナイト;グッドリッチ社(Goodrich)の「カルボポール(Carbopol)」又は「カルボマー(Carbomer)」等の、少なくとも部分的に中性化された架橋ポリアクリル酸のような、カルボキシル基を有するポリマー類(例えばTEAと略称されるトリエタノールアミンで中和されたカルボマー980);ポリグリセリル(メタ)アクリラート;ポリビニルピロリドン;ポリビニルアルコール;アクリルアミドの架橋ポリマー及びコポリマー;メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの架橋ホモポリマー;会合性ポリウレタン、会合性ポリアミド及びそれらの混合物を挙げることができる。
本発明において、水相ゲル化剤は、好ましくはキサンタンガム、クレー類、会合性ポリウレタン類、会合性ポリアミド類、セルロース性増粘剤、特にヒドロキシエチルセルロース、少なくとも部分的に中和された架橋ポリアクリル酸、及びそれらの混合物から選択される。
【0023】
本発明の組成物は、水分の蒸発を少なくとも部分的に、例えば完全に制限可能な、少なくとも一の生成物をまた含有してもよい。このような生成物は、蒸発を少なくとも部分的に妨げるために、例えば水分と結合可能である。このような生成物が導入された組成物は、一般的に、以下に詳細に説明する測定プロトコルに従うところの次の二つの特性:ポット中で液滴(ドロップ)が生成されないこと及び/又は組成物の水分活性の低減、の少なくとも一方を有する。
これらの特性を測定するために、前記生成物を5%含有する組成物を調製する。それぞれ液滴テスト及び水分活性テストと呼ぶ2つのテストを実施する。
【0024】
液滴テストと称する第1のテストでは、300gのテスト用組成物を、ソシエテ・パリジェンヌ・デ・ヴェレリ社(Societe Parisienne de Verrerie)からの照会商品名「ボカル・ツイスト・オフ(Bocal Twist Off)750ml、H02768」を有するガラスポット型で、容量750ml、外径98mm+/−1mm、高さ142mm+/−1mmであるガラスポットに製造直後に収容する。このポットをソシエテ・パリジェンヌ・デ・ヴェレリ社製の「82mm白色金属カバー、R27182」の頂部に螺合する、内径82mmの金属製蓋で密封する。十分に堅く締めることによって、確実に瓶を蓋で適切に密封し、好ましくは、アメリカン・ナショナル・カン社(American National Can)のパラフィルム(登録商標)型の伸長可能な研究用プラスチックフィルムを瓶の頂部から最小3cmに配し+カバーを被覆して、瓶を液密にする。「パラフィルム(登録商標)+カバーで閉止された瓶中の処方物」の組合せを室温(20−25℃)、大気圧(1.013x10Pa)に置く。瓶の内壁を24時間毎に、t=0からt=10日の間、観察する。この観察期間中、肉眼で内壁に何の水滴も認められなければ、該生成物は、本発明の組成物に使用することができる生成物である。
【0025】
水分活性テストと称される第2のテストでは、水分活性はロトロニック(ROTRONIC)型装置で測定される。このロトロニック装置は、3つの主たる部材:水槽、測定センサー及び測定値を読み取るシステムからなる。付与される値は、次の型:サーモスタットを具備する水槽であるエコリン(Ecoline)RE204 ローダ(LAUDA)、サーモスタットを具備する水槽に連結された湿度計AwV C ロトロニック(測定センサー)、及び湿度計に連結された検湿器BT-RS1 ロトロニック(水分活性の測定値を読み取り)の部材を使用して得られたものである。サンプル(約3g)をPS14型の使い捨てサンプル用キュベット(直径46mmx16mm)に配する。サンプルとキュベットを組み合わせたものを、23℃に温度自動調節された測定用チャンバーに配する。このようにして組み合わせたものの温度を30分間一定にさせた後、水分活性又はAw値を読み取る。Aw値が0.95+/−0.005以下であるならば、該生成物は、本発明の組成物に使用可能な生成物である。
【0026】
このような生成物は、例えば糖類、例えばトレハロース、ポリオール類及びグリコール類、例えばグリセリン、ポリエチレングリコール及びプロピレングリコールからなる群から選択される。好ましくは、このような生成物はグリセリンである。このような生成物は、組成物の全重量に対して0(不含)〜30重量%、一般的には0.1〜30重量%、好ましくは0.1〜10重量%の量で、本発明の組成物に存在している。
【0027】
本発明の組成物は、ペースト又はパウダー、例えば圧密、フリー又は加圧固形化形態で提供され得る。
本発明の組成物は、ファンデーション、ほほ紅、アイシャドウ、アイブローメークアップ、コンシーラ製品又は顔又は身体に少なくとも部分的に適用されることを意図したマット効果を付与する製品といった組成物の形態で提供されてもよい。
もちろん、本発明の組成物は、化粧品的又は皮膚科学的に許容可能である、すなわち毒性がなく、ヒトの皮膚(瞼の内側を含む)又は唇に適用可能なものでなければならない。
【0028】
本発明の組成物は、化粧品用組成物で通常使用される、メークアップ及び/又は手入れ用途を促進させるために、本発明の組成物を着色及び/又は不透明にし、及び/又はかさ(body)を付与する、少なくとも一の顔料、及び/又は少なくとも一の真珠光沢剤、及び/又は少なくとも一のフィラー及び/又は光沢剤(グリッター)、及び/又はそれらの混合物を含んでいてもよい粒子相をさらに含有する。粒子相なる表現は、種々のサイズ及び/又は種々の型であってよい粒子の形態の成分、実質的にはこのような粒子からなる成分を含む相を意味すると理解される。これらの粒子は、球状、平面状、針状の形態であってよく、又は何ら特徴のない形状であってもよい。
粒子相の粒子は、特に、少なくとも一のシリコーン化合物、例えばポリジメチルシロキサン、及び/又はポリマー類、特にポリエチレン類又はポリメタクリラート類、及び/又は少なくとも一のフッ化化合物、及び/又は少なくとも一のアミノ酸、及び/又は一の連続又は非連続相、又はシリカ等の粒子の形態の鉱物性コーティングで被覆されていてもよい。
【0029】
顔料なる表現は、組成物を着色及び/又は不透明化することを意図し、媒体に不溶性の白色又は有色で無機又は有機の少なくとも一の粒子を意味すると理解すべきものである。
顔料は、組成物の全重量に対して0(不含)〜60%、一般的には0.05〜60%、好ましくは0.5%〜50%の範囲の量であってよい。それは、通常のサイズ又はナノメーターサイズであってもよい。顔料は、一般的に、チタン、ジルコニウム又はセリウムの二酸化物、並びに亜鉛、鉄又はクロムの酸化物、ナノチタン、ナノ亜鉛、フェリックブルー及びそれらの混合物から選択される。有機顔料としては、カーボンブラック、ラッカー、例えばカルシウム、バリウム、アルミニウム及びジルコニウムの塩、酸染料、例えばハロアシッド、アゾ及びアントラキノン染料及びそれらの混合物を挙げることができる。また、少なくとも一の無機顔料と少なくとも一の有機顔料との混合物を考慮することもできる。
顔料は、特に少なくとも一のシリコーン化合物、例えばポリジメチルシロキサン、及び/又はポリマー類、特にポリエチレン類、又は無機化合物、例えば連続又は非連続相、又はシリカ等の粒子の形態のもので被覆されていてもよい。このようなものとして、ミヨシ社(Myioshi)から販売されているポリメチルヒドロゲノシロキサン類で被覆された顔料である「SIオキシド」を挙げることができる。
【0030】
フィラーなる表現は、メークアップを均質にし、及び/又はマット効果及び/又は柔軟性、及び/又はボリューム又は堅さを組成物に付与し、取り出して適用する間における組成物の良好な崩壊性に寄与する、無色又は白色で、無機又は合成の粒子を意味すると理解すべきものである。
フィラーは、組成物の全重量に対して0(不含)〜60%、一般的には0.05〜60%、好ましくは20%〜60%の範囲の量で、粒子相に存在してもよい。それは、無機又は合成であってよい。それは一般的に、タルク、特に親水性になるように表面処理されたもの、マイカ、シリカ、カオリン、ナイロン(登録商標)パウダー(特にアトケム社(Atochem)からのオルガソール(Orgasol)(登録商標))、ポリエチレンパウダー、テフロン(登録商標)、絹雲母、クレー類、デンプン、窒化硼素、テトラフルオロエチレンポリマーのパウダー、ポリメチルメタクリラートのパウダー、ポリウレタンパウダー、例えばコボ社(KOBO)のBPD-500、ポリスチレンパウダー、ポリエステルパウダー、合成された中空のミクロスフィア、例えばエクスパンセル(Expancel)(登録商標)(ノーベル・インダストリー社(NOBEL INDUSTRIE))、マイクロスポンジ、例えばポリトラップ(Polytrap)(登録商標)(ダウ・コーニング社(Dow Corning))、及びポリメチルシルセスキオキサン樹脂のマイクロビーズ(例えば東芝社(TOSHIBA)のトスパール(Tospearl))、亜鉛及びチタンの酸化物、ジルコニウム及びセリウムの酸化物、沈降性炭酸カルシウム、マグネシウムの炭酸塩及び炭酸水素塩、ヒドロキシアパタイト、中空シリカのミクロスフィア(マプレコス社(MAPRECOS)のシリカビーズ(登録商標))、ガラス及びセラミックのマイクロカプセル、分子当たり8〜22の炭素原子、好ましくは12〜18の炭素原子を有する有機カルボン酸から誘導された金属石鹸、例えば亜鉛、マグネシウム及びリチウムのステアラート、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、及びそれらの混合物から選択される。好ましくは、フィラーはマイカ、より好ましくは親水性のタルク、合成された中空のミクロスフィア、ポリウレタンパウダー、及びナイロン(登録商標)パウダーから選択される。
【0031】
真珠光沢剤なる表現は、光を反射する真珠光沢がある粒子を意味すると理解すべきものである。真珠光沢剤は、組成物の全重量に対して0(不含)〜60%、一般的には0.05〜60%、好ましくは10%〜50%の範囲の量で、組成物に存在してもよい。考えられる真珠光沢剤としては、天然の真珠、酸化チタン、酸化鉄、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、シリカ、天然顔料及びオキシ塩化ビスマスで被覆されたマイカ、並びに有色のマイカ-チタン、並びにそれらの混合物を挙げることができる。
本発明の組成物は、光沢剤(グリッター)をさらに含有してもよい。
本発明の好ましい実施態様では、粒子相は、マイカ、真珠光沢剤、好ましくは親水性のタルク、合成の中空ミクロスフィア、ポリウレタンパウダー、顔料及びナイロン(登録商標)パウダーからなる群から選択される少なくとも一の化合物を含有する。
【0032】
本発明の組成物は、少なくとも一の水溶性着色料、特にビート根汁及び/又はメチレンブルーをさらに含有してもよく、それは、組成物の全重量に対して0(不含)〜6重量%、好ましくは0.05〜6重量%であり得る。
【0033】
本発明の組成物は、当業者により通常使用される少なくとも一の防腐剤、例えばフェノキシエタノール、パラベン類、クロロフェネシン、ベンジルアルコール、クロルヘキシジングルコナート、DMDM/HMDMの混合物、水にヒダントイン+ブタン-1,3-ジオール+ヨードプロピニルブチルカルバマート(70/4.5/2.5)が入ったもの(ロンザ社(LONZA)のグリダント(Glidant)プラス液状タイプ)、エチルアルコール+ペンチレングリコール+ナトリウムメチルパラベンの混合物、好ましくは欧州特許出願EP-0935960に記載されているような47/47/6の割合のもの、ペンチレングリコール+ナトリウムメチルパラベンの混合物、及びそれらの混合物を、0(不含)と、当業者には公知のように、処方の保護に十分なパーセンテージの間の量、一般的には組成物の全重量に対して最大10重量%まで、例えば組成物の全重量に対して0(不含)〜2重量%の量で含有してもよい。
【0034】
本発明の一実施態様では、本発明の組成物は、組成物の全重量に対して:
・25〜45重量%のオルガノポリシロキサンC、
・15〜25重量%の水相D、及び
・35〜60重量%の粒子相B、
を、オルガノポリシロキサンCと水相Dの合計と粒子相Bとの間の組成物の全重量に対する(C+D)/B重量比が0.6〜2、好ましくは1〜1.6になるように含有する。
よって、このような組成物は、オルガノポリシロキサンCと粒子相Bとの間の組成物の全重量に対するC/B重量比が0.4〜1.2、好ましくは0.6〜1.2であるものが好ましい。
さらに、このような組成物は、一般的に0〜70のショア硬度、好ましくは0〜25のショア硬度を有する。
【0035】
好ましい実施態様では、本発明の組成物は、組成物の全重量に対して:
・63%のオルガノポリシロキサンCと37%の水からなる、40〜70重量%のバインダーA、及び
・35〜60重量%の粒子相B、
を、バインダーAと粒子相Bとの間の組成物の全重量に対するA/B重量比が0.6〜2、好ましくは1〜1.6になるように含有する。
好ましくは、このような組成物は、オルガノポリシロキサンCと粒子相Bとの間の組成物の全重量に対するC/B重量比が0.4〜1.2、好ましくは0.6〜1.2であるものが好ましい。
さらに、このような組成物は、一般的に0〜70、好ましくは0〜25のショア硬度を有する。
【0036】
本発明の組成物は、組成物の全重量に対して0(不含)〜20重量%、好ましくは0(不含)〜10重量%、より一般的には0.01〜10重量%の含有量で、バインダーにより提供されない水相をさらに含有していてもよい。
もちろん、当業者であれば、本発明の組成物の有利な特性が、考慮される添加により損なわれるか、実質的に損なわれないように、付加的な添加剤及び/又はそれらの量を留意して選択するであろう。特に、これらの添加剤は、組成物の均一性、安定性、快適性及び清涼さを妨げないものでなければならない。
【0037】
本発明の組成物は、水中に分散させたパウダー状の少なくとも一のエラストマー性オルガノポリシロキサンを冷温状態で又は加熱し、粒子相、例えば一又は複数の顔料及び/又は一又は複数のフィラー及び/又は少なくとも一の他の化合物を添加し、場合によっては液状の脂肪相(特にロウ類の最も高い融点まで加熱したもの)を添加し、続いて必要ならばホモジナイズ、例えば乳化させることにより製造することができる。
【0038】
また、特許出願EP-A-667146に記載されたような混合(ブレンド)/押出しによって得ることもできる。この方法は、ロールミル又はツインスクリュー式押出混合機、例えば「クレックストラル社(CLEXTRAL)」のクッカー-押出機ミキサー「BC21」により、冷却中にペースト(バインダー+添加剤+フィラー+顔料)をブレンドすることからなる。この方法により、変形可能で堅牢(コンシステント)なペーストの形態の組成物を製造することが可能となる。
粒子相の含有量が85%を超える本発明の組成物は、当業者にとって慣習的な混合造粒機、例えばベイカー(Baker)又はロジゲ(Loedige)の商標のものを使用して調製してもよい。
【0039】
本発明の組成物を製造するための特定の方法は、混合(ブレンディング)、好ましくはツインスクリュー式押出による混合を用いる少なくとも一の方法を含む。ツインスクリュー式押出機、例えば「クレックストラル社」のクッカー-押出機ミキサー「BC21」を使用するこの調製方法の特定の実施態様では、重量計量装置型の計量装置等の、粒子相を導入する少なくとも一の手段により、ツインスクリュー式押出機の頂部から微粉状形態の該相を導入し、蠕動ポンプ型のポンプ等のオルガノポリシロキサンの水性懸濁液を導入するための少なくとも一の手段により該懸濁液を導入し、続いて押出機において冷ブレンドすることを含む。ついで、このようにして押出機の出口で得られた柔軟なロールを収集し、例えば皿等で成形し、ついで、該皿の形状にするために、該ロールを形成する材料に含有される液体を絞り出すことなく、この形状に成形するのに十分可能な圧力で押圧する。
【0040】
それらの物理状態(液体であるか微粉状であるか)にかかわらず、添加剤(全て又はいくらか)、特に防腐剤は、一般的に3通りの異なった方法で押出機に導入することができる。第1の方法は、粒子相及び水性懸濁液とは独立したフィードを使用することからなる:液状形態の添加剤を蠕動ポンプにより適切な容器に入れ;微粉状の添加剤をパウダー用の重量計量装置により適切な容器に入れる。第2の方法は、当業者に公知であるように、過度に強力な相互作用が共に生じることなく、提供された水性懸濁液に該添加剤を送ることからなる。例えば、このような相互作用により多量に収集され、混合物のポンピングを不可能にする程に粘度が増加する。最後に、第3の方法に従えば、架橋した水性懸濁液との相互作用があり、その量が15%未満である場合、有利にはそれを微粉相に導入することができる。微粉相と添加剤、特に防腐剤の混合は、ベイカー型のパウダー混合機により実施され、一般的に押出/混合工程の前に行われ得る。ベイカー装置の出口で得られる混合物はフリーパウダーの外観を持ち、K-TRON計量装置型のパウダー用重量計量装置を介して押出/混合機に導入されてもよい。
この場合、本発明の組成物は、パウダー状の外観を有するしっかりした(consistent)ペーストの形態で提供される。
【実施例】
【0041】
以下の組成物の実施例は本発明を例証するために付与されるものであって、何ら制限するものではない。
実施例
第3のメークアップ用処方物及び第2の手入れ用処方物を除き、「クレックストラル」社のクッカー-押出機ミキサー「BC21」である同時回転ツインスクリュー式押出機での、次の製造手順:
− 重量測定装置により、押出機の頭部から、微粉状形態のフィラー及び/又は顔料及び/又は真珠光沢剤を導入し、
− 蠕動ポンプにより、押出機の第1の3つの容器の一つに、架橋ポリジメチルシロキサン(ダウ・コーニング社のBY-29119)の水性懸濁液を導入し、
− 例えば蠕動ポンプにより、適切な容器に液状形態の他の付加的な添加剤を導入し、
− 押出機において冷状態で混合する、
に従い、本発明の組成物を調製する。
押出機の出口で得られた柔軟なロールを手で収集し、皿の形状にするために、皿に入れて加圧する。使用される圧力は、ロール材料に含まれる液体が絞り出されないように、この形状にすることができるものとすべきである。
【0042】
本発明の第1の真珠光沢処方物は次の組成を有する:
紅色染料(Ponceau)のナトリウム塩 0.06%
マイカ-チタン酸化物/褐酸化鉄 40%
キノリンイエロー 0.06%
BY-29119* 59.88%
*BY29-119は63%の活性物質、すなわち63%の親水性オルガノポリシロキサンパウダーを含有する。
BY-29119バインダー/粒子相の重量比は1.49であり、ポリマー(BY-29119中)/粒子相の重量比は0.94である。
このようにして、非常に好ましい手触りを示し、瞼の皮膚に適用すれば清涼感を付与する銅褐色に着色したアイシャドウが得られる。
【0043】
本発明の第2の処方物は次の組成を有する:
酸化チタン(未処理のアナターゼ) 6.74%
黄酸化鉄 1.57%
褐、黄酸化鉄 1.35%
黒酸化鉄 0.34%
ナイロンパウダー(アトケム社のオルガソール(登録商標)) 30%
BY-29119 60%
BY-29119バインダー/粒子相の重量比は1.5であり、ポリマー(BY-29119中)/粒子相の重量比は0.945である。
このようにして、非常に快適な手触りを有し、顔の皮膚に適用すれば清涼感を付与するファンデーションが得られる。このようにして調製されたメークアップは、その快適で、柔軟な、また自然なパウダー状の特徴が特に顕著である。
【0044】
本発明の第3の処方物は次の組成を有する:
酸化チタン(未処理のアナターゼ) 6.74%
黄酸化鉄 1.57%
褐、黄酸化鉄 1.35%
黒酸化鉄 0.34%
ナイロンパウダー(アトケム社のオルガソール(登録商標)) 25%
シリカで被覆された球状で多孔質のマイカ(50/30/
20)(カタリスツ・アンド・ケミカル社(CATALYSTS &
CHEMICALS)のベルベットベイル(Velvetveil)H6400) 5%
BY-29119 54%
グリセリン 5%
シャロン・ラボ社(Sharon Lab)の防腐剤フェノケム
(Phenochem) 1%
BY-29119バインダー/粒子相の重量比は1.35であり、ポリマー(BY-29119中)/粒子相の重量比は0.85である。
【0045】
それは2つの異なる方法で調製することもできる:すなわち、グリセリン-防腐剤を混合し、蠕動ポンプを介して押出混合機に送るか、もしくは添加剤、ここでは防腐剤を導入する第3の方法として本明細書に詳細に記載されるように、微粉相に防腐剤を導入することによって、調製できる。
上述した2つの実施方式のいずれによる実施方式かにかかわらず、このようにして、非常に好ましい手触りを有し、顔の皮膚に適用すれば清涼感を付与するファンデーションが得られる。テクスチャーは先の実施例とは異なり、「クリーミー」な感触であり、その外観はかなり均一で、このようにして調製されたメークアップは、同じ規準でまた顕著である。
【0046】
本発明の3種のメークアップ用組成物は、取り出し時に柔軟であり、好ましい適用感があり、適用中に清涼感があるといった、際だった特性を有する。さらに、このような組成物は、そのコンシステンシーが使用中に希釈されて調節可能であるために被覆力及び付着強度を容易にコントロールすることができ、使用者に非常に高く評価される「あつらえた」製品を作製できる。
同様に、本発明のマット効果を有する手入れ用組成物を製造することができる。このような手入れ用組成物は、例えば本発明で先の実施例2及び3のメークアップ用組成物において、顔料及び着色料をナイロンパウダーに置き換えたものである。
【0047】
このようにして、次の本発明のマット効果を有する手入れ用組成物が得られる:
第1のマット効果を有する手入れ用処方物:
ナイロンパウダー(アトケム社のオルガソール(登録商標)) 40%
BY-29119 60%
このようにして、非常に快適な手触り感を有し、顔の皮膚に適用すれば清涼感を付与するマット効果を有する手入れ製品が得られる。
BY-29119バインダー/粒子相の重量比は1.50であり、ポリマー(BY-29119中)/粒子相の重量比は0.945である。
【0048】
第2のマット効果を有する手入れ用処方物:
ナイロンパウダー(アトケム社のオルガソール(登録商標)) 35%
ベルベットベイルH6400 5%
BY-29119 54%
グリセリン 5%
シャロン・ラボ社の防腐剤フェノケム 1%
BY-29119バインダー/粒子相の重量比は1.35であり、ポリマー(BY-29119中)/粒子相の重量比は0.85である。
このようにして、非常に快適な手触り感を有し、顔の皮膚に適用すれば清涼感を付与するマット効果を有する手入れ製品が得られる。この第2の組成物は、よりクリーミーな外観を有し、皿中のその外観がより均質である点で、先のものとは異なる。

Claims (43)

  1. 少なくとも一のバインダーAと少なくとも一の粒子相Bを含有し、バインダーが少なくとも一の水相と少なくとも部分的に架橋した少なくとも一のエラストマー性固形オルガノポリシロキサンCを含有し、該バインダーが該水相に該オルガノポリシロキサンが懸濁した水性懸濁液である化粧品用組成物において、組成物の全重量に対して35〜60重量%の粒子相、組成物の全重量に対してポリマーの25〜45重量%のオルガノポリシロキサンを含有し、バインダーAと粒子相Bとの間の組成物の全重量に対するA/B重量比が0.6〜2であることを特徴とする組成物。
  2. 請求項1に記載のメークアップ用組成物。
  3. 請求項1に記載のマット効果を有する手入れ用組成物。
  4. A/B重量比が1〜1.6である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. オルガノポリシロキサンCと粒子相Bの間の組成物の全重量に対するC/B重量比が、0.4〜1.2、好ましくは0.6〜1.2である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. オルガノポリシロキサンの粒子が、0.1〜500μm、好ましくは0.1〜200μmのサイズを有する、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. オルガノポリシロキサンの粒子が、80以下、好ましくは65以下のショア硬度を有する、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 脂肪相をさらに含有している、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 脂肪相が、油、ロウ、ガム及びペースト状脂肪物質で、動物性、植物性、鉱物性又は合成由来のもの、並びにそれらの混合物から選択される、少なくとも一の脂肪物質を含有している、請求項8に記載の組成物。
  10. 脂肪相が、ロウの水性ミクロ分散液の形態で少なくとも一のロウを含有している、請求項8又は9に記載の組成物。
  11. 少なくとも一の水相ゲル化剤をさらに含有している、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の組成物。
  12. 水相ゲル化剤が、キサンタンガム、クレー類、会合性ポリウレタン類、会合性ポリアミド類、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース性増粘剤、少なくとも部分的に中和された架橋ポリアクリル酸、並びにそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項11に記載の組成物。
  13. 水分の蒸発を少なくとも部分的に制限可能な少なくとも一の生成物をさらに含有している、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の組成物。
  14. 前記生成物が、グリセリン、トレハロース、ポリエチレングリコール及びプロピレングリコールからなる群から選択されることを特徴とする、請求項13に記載の組成物。
  15. 前記生成物が、組成物の全重量に対して0.1〜30重量%、好ましくは0.1〜10重量%の量で存在している、請求項14に記載の組成物。
  16. ファンデーション、ほほ紅、アイブローメークアップ、アイシャドウ、コンシーラ製品、マット効果を有する手入れ製品、又は顔及び/又は身体に少なくとも部分的に適用することを意図した身体のメークアップ製品用組成物の形態で提供される、請求項1ないし15のいずれか1項に記載の組成物。
  17. 粒子相が、少なくとも一の顔料、及び/又は少なくとも一の真珠光沢剤、及び/又は少なくとも一のフィラー、及び/又は少なくとも一のグリッター、及び/又はそれらの混合物を含有していることを特徴とする、請求項1ないし16のいずれか1項に記載の組成物。
  18. 顔料が、チタン、ジルコニウム及びセリウムの二酸化物、亜鉛、鉄及びクロムの酸化物、ナノチタン、ナノ亜鉛、フェリックブルー、カーボンブラック、カルシウム、バリウム、アルミニウム及びジルコニウムの塩、ハロアシッド、アゾ及びアントラキノン染料、ポリジメチルシロキサン及び/又はポリエチレンで被覆された顔料、及びそれらの混合物から選択される、請求項17に記載の組成物。
  19. 顔料が、組成物の全重量に対して0.05〜60%の範囲、好ましくは0.5〜50%の範囲の量で存在している、請求項17又は18に記載の組成物。
  20. フィラーが、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、ナイロン(登録商標)パウダー、ポリエチレンパウダー、テフロン(登録商標)、絹雲母、クレー類、デンプン、窒化硼素、テトラフルオロエチレンポリマーのパウダー、ポリメチルメタクリラートのパウダー、ポリウレタンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリエステルパウダー、合成された中空のミクロスフィア、マイクロスポンジ、及びポリメチルシルセスキオキサン樹脂のマイクロビーズ、亜鉛及びチタンの酸化物、ジルコニウム及びセリウムの酸化物、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム及び炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、中空シリカのミクロスフィア、ガラス及びセラミックのマイクロカプセル、亜鉛、マグネシウム及びリチウムのステアラート、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、及びそれらの混合物から選択される、請求項17ないし19のいずれか1項に記載の組成物。
  21. フィラーが、マイカ及びナイロン(登録商標)パウダーから選択される、請求項17ないし20のいずれか1項に記載の組成物。
  22. フィラーが、組成物の全重量に対して0.05〜60%、好ましくは20%〜60%の範囲の量で存在している、請求項17ないし21のいずれか1項に記載の組成物。
  23. 粒子相が少なくとも一の真珠光沢剤を含有している、請求項17ないし22のいずれか1項に記載の組成物。
  24. 真珠光沢剤が、組成物の全重量に対して0.05〜60%、好ましくは10%〜50%の範囲の量で存在している、請求項23に記載の組成物。
  25. 真珠光沢剤が、天然の真珠、酸化チタン、酸化鉄、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、シリカ、天然顔料及びオキシ塩化ビスマスで被覆されたマイカ、及び有色のマイカ-チタン、及びそれらの混合物から選択される、請求項23又は24に記載の組成物。
  26. 粒子相が、マイカ、タルク、合成された中空のミクロスフィア、ポリウレタンパウダー、真珠光沢剤、顔料及びナイロン(登録商標)パウダーからなる群から選択される少なくとも一の化合物を含有している、請求項17ないし25のいずれか1項に記載の組成物。
  27. 組成物が、少なくとも一の水溶性着色料をさらに含有している、請求項1ないし26のいずれか1項に記載の組成物。
  28. 前記水溶性着色料が、組成物の全重量に対して0.05〜6重量%である、請求項27に記載の組成物。
  29. 組成物が、組成物の全重量に対して0(不含)〜2重量%の量で、少なくとも一の防腐剤をさらに含有している、請求項1ないし28のいずれか1項に記載の組成物。
  30. 組成物の全重量に対して:
    ・25〜45重量%のオルガノポリシロキサンC、
    ・15〜25重量%の水相D、及び
    ・35〜60重量%の粒子相B、
    を、オルガノポリシロキサンCと水相Dの合計と前記粒子相Bとの間の組成物の全重量に対する(C+D)/B重量比が0.6〜2、好ましくは1〜1.6になるように含有している、請求項1ないし29のいずれか1項に記載の組成物。
  31. オルガノポリシロキサンCと前記粒子相Bとの間の組成物の全重量に対するC/B重量比が0.4〜1.2、好ましくは0.6〜1.2である、請求項30に記載の組成物。
  32. 組成物の全重量に対して:
    ・63%のオルガノポリシロキサンCと37%の水からなる、40〜70重量%のバインダーA、及び
    ・35〜60重量%の粒子相B、
    を、バインダーAと粒子相Bとの間の組成物の全重量に対するA/B重量比が0.6〜2、好ましくは1〜1.6になるように含有している、請求項1ないし31のいずれか1項に記載の組成物。
  33. オルガノポリシロキサンCと前記粒子相Bとの間の組成物の全重量に対するC/B重量比が0.4〜1.2、好ましくは0.6〜1.2である、請求項32に記載の組成物。
  34. 組成物の全重量に対して0(不含)〜20重量%、好ましくは0.01〜10重量%の含有量で、バインダーにより提供されない水相をさらに含有している、請求項33に記載の組成物。
  35. 0〜80、好ましくは0〜40、さらに好ましくは0〜10のショア硬度を有する、請求項1ないし34のいずれか1項に記載の組成物。
  36. 化粧品用容器に、0(不含)〜約5x10Paの圧力で加圧することにより成形可能である、請求項1ないし35のいずれか1項に記載の組成物。
  37. その形状が、周囲大気圧及び室温で水平面上に、1時間形状を実際に変化させないで約3cmの円筒形を保つことができる程度に変化可能である、請求項1ないし36のいずれか1項に記載の組成物。
  38. 水中に分散させたパウダー状の少なくとも一のエラストマー性オルガノポリシロキサンを冷状態又は加熱し、粒子相及び/又は少なくとも一の他の化合物を添加し、場合によっては液状の脂肪相を添加し、続いて必要ならばホモジナイズすることによる、請求項1ないし37のいずれか1項に記載の組成物の製造方法。
  39. 混合/押出しによるものである、請求項1ないし38のいずれか1項に記載の組成物の製造方法。
  40. ツインスクリュー式押出機の頭部から微粉状形態の粒子相を、該相を導入する少なくとも一の手段により導入し、オルガノポリシロキサンの水性懸濁液を、該懸濁液を導入するための少なくとも一の手段により導入し、ついで柔軟なロールの製造を可能にする押出機で冷状態で混合することを含む、請求項39に記載の製造方法。
  41. 押出機の出口で得られた柔軟なロールを収集し、成形し、ついで加圧する、請求項39又は40に記載の製造方法。
  42. 請求項1ないし37のいずれか1項に記載の組成物を、身体及び/又は顔の任意の皮膚領域に少なくとも部分的に適用することを含むメークアップの適用方法。
  43. 請求項1ないし37のいずれか1項に記載の組成物を、身体及び/又は顔の任意の皮膚領域に少なくとも部分的に適用することを含む手入れ方法。
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