JP2005501671A - ペレットインプラントシステムおよび投与方法 - Google Patents
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Abstract
少なくとも1つの医薬ペレットインプラントおよび少なくとも1つの非医薬装置インプラントを含む複数のインプラントを、1回の複合処置で動物またはヒトに埋め込むペレットインプラントシステムおよび方法である。本システムは、(1)医薬ペレットまたはインプラント可能な非医薬装置を皮下注射針の内腔を通過させて動物またはヒトの皮下に埋め込むためのインプランター器具、および(2)少なくとも1つの医薬ペレット、および、注射針を通過させて埋め込むために大きさを合わせた少なくとも1つの非医薬装置ペレットを含む複数のペレットを含む。注射針は、動物またはヒトの皮膚に穴をあけるのに用いられる。ペレットは、1回の注入で注射針を通過させて動物またはヒトの皮下に送達される。本システムは、複数のインプラントを動物またはヒトに埋め込むのに必要な皮膚の穴の数を最小限にするため、インプラント投与に伴う動物またはヒトにおける感染の危険を減少させる。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、インプラント可能な非医薬ペレットインプラントを、医薬ペレットインプラントと共に、1回の複合処置で皮下に投与するペレットインプラントシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
服用した薬剤を動物やヒトに送達するためのインプラントが広く用いられており、当業界周知である。インプラントが広く用いられている薬剤の種類としては、なかでも、徐放性製剤(time delayed pharmaceutical)、栄養補給剤、成長刺激剤、避妊ステロイド、ホルモン、抗体、抗原、生物製剤、ワクチン、プロスタグランジン、麻薬拮抗薬、抗不整脈剤、ヒト、ウマおよびイヌやネコのような家畜でノミや寄生体を駆除するための殺生剤が挙げられる。インプラントは、動物衛生および生産強化の分野において広く家畜に用いられる。例えば、インプラントとして投与された成長刺激剤は、ウシ、ブタ、ヒツジ、シチメンチョウ、ニワトリなどの屠殺するために飼育された動物の成長を促進し、屠殺体の品質を高めるために広く用いられる。一般的に、医薬インプラントは小型の固形ペレットに製造され、動物の皮下に注入される。
【0003】
インプラント可能な同定装置は、動物またはヒトの皮下に埋め込まれ、動物またはヒトをそれぞれ同定するのに用いることができ、当業界既知である。このような装置の一例は、電子集積回路マイクロチップである。マイクロチップは、動物の皮下に埋め込まれ、コード化された情報を装填しているため、例えばチップをスキャンした際に動物を同定するのに用いることができる。マイクロチップは、家畜、ペット用動物、魚介類、および野生動物の同定に広く用いられている。マイクロチップはまた、動物の病歴、または関連する市場情報のような情報も含む。口蹄疫や狂牛病(牛海綿状脳症)の大発生により、キャリアー動物の同定がきわめて重要になっている。同定装置を動物体内に保持させることにより、獣医師は、どのような治療計画を動物が受けるべきかを的確に知ることができる。
【0004】
マイクロチップはまた、ヒトの皮下に埋め込んでもよい。マイクロチップは識別情報を含んでもよく、誘拐された子供や家出をした子供をみつけるのに役立つ可能性がある。マイクロチップはまた、ワクチン接種情報または医療情報を含んでもよく、学校関係者にとって有用であり得る。成人のためには、その人がてんかんまたは糖尿病であると医師に警告する情報をマイクロチップに含ませることもできる。
【0005】
マイクロチップおよび医薬ペレットインプラントは、似たような器具および処置で投与することができる。一般的に、ペレットまたはチップは、皮下注射針を備えたインプランターにより投与される。注射針は、動物またはヒトの皮膚に穴をあけるのに用いられる。ペレットまたはチップは、注射針で皮下に押し込まれ、注射針を引き抜くことにより皮下に留置される。家畜の場合、ペレットまたはチップは、通常、動物をシュートに閉じ込めている間に耳の皮下に埋め込まれる。
【0006】
インプラント可能な同定装置および医薬インプラントが広範囲にわたり使用されるため、個々の動物に同定装置インプラントと医薬ペレットインプラントとの両方を埋め込むことはきわめて一般的であり、現在、これは別々の注入により行われている。すなわちこのような場合、2またはそれ以上の別々の穴を動物の皮膚に開けなければならない。
【0007】
現行のシステムおよび処置に随伴するいくつかの問題がある。第一に、特に多数の動物がかかわる場合に、埋め込み処置を行うことは、相当大きな労力を要する。より厄介な問題は、穴をあける部位での感染であり、これは、多数の家畜にインプラントを投与する場合によくあることである。家畜の場合、1回の埋め込み作業で、立て続けに同じ注射針で多数の動物に埋め込むことは一般的なことであり、この注射針はしばしば100匹またはそれ以上もの動物に用いられる。その上、このような注入はしばしば、飼育場内または飼育場近辺で行われたり、理想的な衛生条件とは程遠いような場所で行われたりする。このような状況で、1匹の動物に無菌の注入部位を準備すること、または、注射針により1匹の動物から次の動物へ感染性の微生物が移ることを防ぐのは事実上不可能である。問題をさらに困難にするのは、動物を閉じ込めている間に、焼印押し(branding)、獣医学的検査または処置などのその他の処置が埋め込み作業と同時に行われることであり、それにより動物をさらに興奮させ、注入および消毒を困難にする恐れがある。注入部位に堆肥が存在することも珍しいことではない。このような埋め込みは、動物の皮膚への意図的な刺創形成を含むために、インプラント送達中または送達後に細菌が埋め込み部位に入ってしまい、それによりその部位で感染を起こす恐れがある。このような感染により膿瘍が生じる恐れがあり、そのため、インプラントペレットがカプセル化され、または、元の挿入インプラント受け入れ穴から治療用ペレットが押し出され、それにより活性成分の吸収および輸送が妨げられ、インプラントの有効性が減少する恐れがある。米国では、インプラントを受けた飼育場のウシの約10%〜約15%が、その後、膿瘍を発症していると推測されている。
【0008】
別々の皮膚の穴を通して別々の注入により同定装置インプラントと医薬インプラントとの両方が動物に投与される場合、上記問題は悪化する。複数の注入によりインプラント投与に必要な労力が増大するだけでなく、必然的により高い感染の危険に動物をさらすことになる。
【0009】
現在、感染の発生率を低減させるための多種多様な技術が用いられている。インプラント製造元は、埋め込み手段、ペレット格納庫および注射針を消毒すること、および、埋め込みプロセスの間、優れた衛生状態で実施されているかどうかを観察すること、を推奨している。常在細菌がインプラント受け入れ穴に侵入することを防ぐために、埋め込み部位を注入前に洗浄または消毒してもよく、注射針を多数の動物への注入に用いる場合は、1匹の動物から次の動物への感染を防ぐために、注射針を動物間で消毒してもよい。米国特許第5,817,054号(1998年、Grimm)では、それぞれの受け入れ動物のインプラント領域を形成する皮膚の刺創に消毒剤を導入するための消毒剤ディスペンサーを備えたインプランターを開示している。米国特許第5,870,098号(1999年、StevensおよびSpurlin)では、抗生物質および医薬ペレットシステム、ならびに1回の治療処置の一部として注入部位での感染を防ぐための局部的な持続性の抗生物質放出を提供する方法を開示している。このような方法はいずれも、衛生性を高め、インプラント受け入れ穴の初期の雑菌混入を減らすのに役立ち得るが、必然的にインプラント投与にかかるコスト、時間、および労力を増すことになる。その上、これらの方法のいずれによっても動物の皮膚につくられる穴の総数は減少しないので、穴を通じて微生物が動物の体に侵入する危険は減少しない。さらに、米国特許第5,817,054号および米国特許第5,870,098号で説明された方法は、余計な化学物質の導入が必要であり、それにより動物または畜産物の品質に望ましくない影響を与える恐れがある。
【0010】
従って、1つの同定装置ペレットを含む複数のペレットを動物に埋め込むより優れたシステムおよび方法が必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、少なくとも1つの医薬ペレットインプラントおよび少なくとも1つの非医薬装置インプラントを含む複数のインプラントを動物またはヒトに投与するのに必要な皮膚の穴の総数を減少させることにより、その穴を通じて細菌が動物に侵入する危険を減少させるペレットインプラントシステムおよび方法を提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、追加的な抗生物質、静菌剤、または抗炎症薬を動物またはヒトの体に導入しないで、少なくとも1つの医薬ペレットインプラントおよび少なくとも1つの非医薬装置インプラントを含む複数のインプラントを動物またはヒトに投与する処置により生じる動物における感染の危険を減少させるペレットインプラントシステムおよび方法を提供することである。
【0013】
本発明のさらなる目的は、少なくとも1つの医薬ペレットインプラントおよび少なくとも1つの非医薬装置インプラントを含む複数のインプラントを動物またはヒトに投与するのに必要な労力を低減させるペレットインプラントシステムおよび方法を提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、明細書および請求項を読んでみれば当業者にとって明白である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の上記目的および他の目的は、少なくとも1つの医薬ペレットインプラントおよび少なくとも1つの非医薬装置インプラントを1回の注入で動物に埋め込むことを可能にするペレットインプラントシステムおよび方法を提供することにより達成される。
【0016】
一つの観点において、本発明は、1またはそれ以上の医薬ペレットおよび1またはそれ以上の非医薬装置ペレットを含むインプラントを対象とする。
【0017】
他の観点において、本発明は、少なくとも1つの医薬ペレットインプラントおよび少なくとも1つの非医薬装置インプラントを含む複数のインプラントを、1回の複合処置で動物またはヒトに埋め込むペレットシステムおよび方法を対象とする。本ペレットシステムは、医薬ペレットまたはインプラント可能な非医薬装置を皮下注射針の内腔を通過させて動物またはヒトの皮下に埋め込むためのインプランター器具、および、注射針を通過させて埋め込むためにサイズ調整した複数のペレットを含む。このペレットは、少なくとも1つの医薬第一ペレットおよび少なくとも1つの非医薬装置第二ペレットを含み、前記ペレットは、1回の注入の一部として同時に送達される。
【0018】
一実施形態において、非医薬装置ペレットは、動物もしくはヒト、または動物の源を同定するための情報を含むインプラント可能な同定装置である。
【0019】
他の実施形態において、非医薬装置ペレットは、動物もしくはヒト、または動物の源を同定する以外の目的のための情報を含むインプラント可能な装置である。
【0020】
他の実施形態において、本発明は、皮下注射針と注射針から離れて連結されたインプラント格納庫とを備えたインプランター器具を用いることによる、少なくとも1つの非医薬装置ペレットを含む複数のインプラントを動物またはヒトに埋め込むシステムおよび方法を提供する。本インプラントは、少なくとも1つの薬剤ペレットおよび少なくとも1つの非医薬ペレットを含み、この複合化したペレットは、薬剤および非医薬装置の連続的な送達のために、連続的な順番で、格納庫に封入される。
【0021】
さらなる実施形態において、本医薬ペレットは、抗生物質、ワクチン、成長促進物質、成長刺激剤もしくは駆虫剤、またはそれらの混合物を含む。
【0022】
さらなる実施形態において、本インプラントは、ウシ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ブタ、ネコ、魚類、ニワトリ、シチメンチョウ、およびヒトから選択される動物に埋め込まれる。
【0023】
さらなる実施形態において、本インプラントは、食用の動物、ペット用の動物、動物園の動物、および外来の動物から選択される動物に埋め込まれる。
【0024】
定義および慣例
下記の定義および説明は、この文書全体(明細書と請求項とを含む)を通して用いられる用語に関する。
【0025】
本発明で用いられる用語「医薬ペレット」、「医薬インプラント」、または「医薬ペレットインプラント」は、(1)1またはそれ以上の薬剤を送達するのに用いられ、(2)動物またはヒトの皮下埋め込みに適した物理装置を意味する。
【0026】
本発明で用いられる用語「薬剤」は、投与される被検体に何らかの変化をもたらすのに有用な、および、そのような変化をもたらすように意図された化合物、物質、物体、または組成物を意味する。例えば、この定義に含まれる「薬剤」としては、ステロイドホルモン、プロスタグランジン、ビタミン、抗生物質、抗炎症薬、化学療法剤、心血管作動薬および抗高血圧剤が挙げられる。用語「薬剤」はまた、生きた、弱力化した、または死んだ微生物(例えば細菌およびウイルス)も含む。
【0027】
用語「製薬上許容できる」は、薬理学的/毒物学的な観点から患者が許容し得る特性および/または物質、および、組成物、製剤、安定性、患者の受容性および生物学的利用率に関する物理学的/化学的な観点から製薬化学者が許容し得る特性および/または物質を意味する。
【0028】
本発明で用いられる用語「非医薬インプラント」、「非医薬装置インプラント」、または「非医薬ペレットインプラント」は、上記で定義された医薬インプラント以外の、動物またはヒトの皮下埋め込みに適した全てのタイプの物理装置を意味する。本発明で使用するための適切な非医薬インプラントの例としては、インプラントを保持する被検体または被検体の源をそれぞれ同定するためのインプラント可能な同定装置、または、動物またはヒトを同定する以外の目的のための情報(例えば病歴に関する情報や関連する市場情報)を含むインプラント可能な非医薬装置、が挙げられる。
【0029】
本発明で用いられる用語「インプランター」は、インプラントを動物またはヒトの皮膚に送達または挿入するのに用いる装置または器具を意味する。一般的に、インプランターは、その中を通過させてインプラントを送達する皮下注射針を有する。本発明で用いられる、インプランターに付随する「皮下注射針」という用語は、インプラントを受け入れ、インプランターから動物へ送達するための通路を有する、軟質または硬質の注射針、カニューレ、管類、または、その他全ての構造を意味する。
【0030】
発明の詳細な説明
本明細書で引用された全ての特許出願、特許、および参考文献は、参照によりその全体を本発明に加入する。矛盾がある場合は、本明細書(定義を含む)を優先させるものとする。
【0031】
本発明は、1またはそれ以上の薬剤および少なくとも1つの非医薬インプラントを含む少なくとも1つの医薬インプラントを、動物またはヒトに1回の複合処置で投与するシステムおよび方法を提供する。概して、本埋め込みシステムは、(a)薬剤ペレットまたはインプラント可能なマイクロチップを皮下注射針の内腔を通過させて埋め込むのに用いられる皮下注射針を有するインプランター器具、ならびに、(b)少なくとも1つの医薬ペレットおよび少なくとも1つの非医薬装置ペレットを含む。使用の際、前記医薬ペレットおよび前記非医薬ペレットを前記インプランター器具に装填し、続いて、動物またはヒトに1回の注入で同時または連続的に送達する。
【0032】
本発明は、インプラント可能な非医薬インプラントもしくは医薬インプラントまたはその両方を受け入れるのに適したヒトおよび当業界既知の全ての動物種において実施することができる。適切な動物としては、これらに限定されないが、ペット用の動物、食用の動物およびその他の家畜、野生生物、ならびに動物園の動物が挙げられる。適切な動物の特定の例としては、これらに限定されないが、ウシ、ウマ、ヤギ、ブタ、ヒツジ、イヌ、ネコ、魚類、および外来種が挙げられる。
【0033】
本発明は、2またはそれ以上のインプラントを1回の注入で埋め込むことが可能な当業界で広く用いられるインプランター器具のいずれを用いても実施することができ、このような装置としては、例えば米国特許第5,522,797号,米国特許第5,874,098号、および米国特許第4,105,030号で説明されたものが挙げられる。米国特許第5,522,797号,米国特許第5,874,098号、および米国特許第4,105,030号それぞれの全開示は、参照により本発明に加入する。
【0034】
本発明の実施形態を以下で説明する。しかしながら、本発明は、特に、非医薬ペレットインプラントと医薬ペレットインプラントとの両方を動物またはヒトに提供することができる全てのタイプのインプラントシステムを含むものとする。この説明は、限定の意味として解釈されるべきではなく、単に本発明の全般的な原則を説明する目的でなされたものである。本発明の範囲は、請求項を参照することによって判断されるべきである。
【0035】
適切なインプランター器具は、米国特許第4,105,030号で詳細に図解、説明される。一般的に、インプラント器具は、ハンドル、ハンドルに取り付けられた指で操作可能なトリガー、注射針、および、ペレットを注射針から押出すために注射針内に置かれたロッドを含む。使用の際、好ましい数の別々の医薬インプラントを、少なくとも1つの非医薬インプラント(例えばマイクロチップ)と共に注射針に装填する。操作者は、本インプランターを握り、注射針を標的動物の皮および皮下に押し進め、インプラント受け入れ穴をつくる。ペレットを含む注射針を皮下に挿入したら、次に操作者は、ハンドル上のトリガーを押し下げ、それにより、注射針はばねにより自動的に引き抜かれ、埋め込まれたペレットは所定の位置に残る。
【0036】
その他の適切なインプランター器具が、米国特許第5,522,797号で詳細に図解、説明されており、このインプランター器具は、通常、グリップ、グリップに取り付けられたトリガー、注射針、ペレット格納庫ストリップ、ペレット格納庫、およびインペラーを有するハウジングを含む。埋め込もうとするペレットを、格納庫ストリップチャンバーに装填する。注射針を用いて動物の皮または皮膚に穴をあけ、トリガーを引いてペレットの注入を開始し、インペラーを用いてペレットを格納庫チャンバーと注射針の内腔とを通過させて押し込むことにより、ペレットを注射針の内腔を通過させて皮膚の穴へ押し込む。通常、インプランターの各格納庫ストリップは、複数の平行に並べられたインプラントを含み、このインプラントは、対応するペレットチャンバーに格納されており、このペレットチャンバーは、相互連結ウェブにより連結されている。このチャンバーは、平行に隣り合わせた配置で並べられている。インプランターが再び装填を必要とする前に埋め込み容量を増すために、複数のストリップを端と端とを繋げて連結してもよい。使用の際、各格納庫チャンバーに、好ましい数の別々の医薬ペレットを、少なくとも1つの非医薬ペレットインプラント(例えばマイクロチップ)と共に装填する。その後、格納庫をインプランターハウジングに挿入する。操作者は、インプランターを握り、標的動物の皮および皮下に注射針を押し進め、インプラント受け入れ穴をつくる。次に、操作者は、トリガー部材を押し下げて推進メカニズムを作動させ、注射針の内腔を通過させてインプラント受け入れ穴にインプラントを押し込む。その後、操作者は、注射針を引き抜き、インプラントを動物体内に残すことができる。
【0037】
本発明における非医薬ペレットインプラントは、動物またはヒトの体内への埋め込みに適しており、本明細書で説明された方法を用いて埋め込むことができる医薬ペレットインプラント以外の全てのタイプの物理装置を含むことを特に考慮している。本発明で使用するための適切な非医薬ペレットインプラントの例としては、これらに限定されないが、動物またはヒトをそれぞれ同定するためのインプラント可能な同定装置、および、動物またはヒトを同定する以外の目的のための情報を含むインプラント可能な非医薬装置が挙げられる。このようなインプラント可能な同定装置の一例は、インプラント可能な電子トランスポンダーまたはトランスミッターであり、これらは広く「マイクロチップ」と呼ばれる。マイクロチップは、特有の同定コードを含み、動物またはヒトの皮下に埋め込まれる。これらマイクロチップは、Destron Fearing,Trovan、およびAVIDのような数々の会社から市販されている。本発明に適したその他のタイプの同定装置は、米国特許第4,909,250号で詳細に図解、説明されており、この同定装置は、動物を同定するための情報が刷り込まれたインプラント可能な同定ペレットである。
【0038】
インプラント可能な非医薬、非同定インプラントは、病歴または関連する市場情報に関する情報を含むマイクロチップであり得る。
【0039】
適切な医薬ペレットインプラントならどれでも本発明で使用することができる。このようなインプラントの例は、ペレットまたは複数のペレットの形態で1またはそれ以上の薬剤を含むインプラントである。液状または固体状のいずれかの薬剤の使用が特に考慮される。本発明において、医薬インプラントに含まれる薬剤の性質またはタイプは重要ではなく、どのような物質でも用いられるが、例えば、酵素またはその他の有機触媒、タンパク質および糖タンパク質、ペプチド、抗体、核酸、ステロイド、抗生物質、抗真菌剤、麻薬拮抗剤、抗ヒスタミン剤、緩下剤、ビタミン、鎮静剤、抗炎症性物質、抗躁病薬,刺激剤、化学療法剤、避妊薬、放射性医薬品、ミネラルおよび栄養補給剤、ホルモン、医薬品およびその他の治療剤が挙げられる。本発明で用いられる医薬インプラントはまた、生きた、弱力化した、または死んだ微生物、例えば細菌、およびウイルス、例えば常在ウイルス、エンテロウイルス、バクテリオファージの送達に用いることができる。本発明は、ホルモンおよびステロイドの迅速かつ持続的な送達に特に適しており、このホルモンおよびステロイドとしては、アンドロゲン、例えばテストステロン、酢酸トレンボロン(TBA)、ジヒドロエピアンドロテロン(dihydroepiandroterone)、およびその他のアンドロゲン性ステロイド、エストロゲン、例えばエストラジオール−17−β、安息香酸エストラジオール、ゼララノン(zeralanone)、およびその他のエストロゲン様のステロイド、プロゲスチン、例えばプロゲステロン、酢酸メレンゲストロール(MGA)、酢酸メゲストロール、酢酸メドロキシプロゲステロン、ノルゲステメト(norgestemet)、ノルエチドロン(norethidrone)、およびその他のプロゲスチン化合物、放出因子、例えば黄体形成ホルモン放出ホルモンおよび類似体、成長ホルモン放出ホルモンおよび類似体、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(thyroid releasing hormone)および類似体、ならびにその他の放出因子および類似体、成長ホルモン/ソマトトロピン、例えば様々な種からの天然および組換えソマトトロピンおよび類似体、成長因子、例えばインスリン様成長因子、上皮成長因子およびその他同様の因子、が挙げられる。本発明はまた、インバーメクチン(invermectin)のような駆虫剤、および抗原の送達に特に適している。
【0040】
好ましい医薬インプラントは、発情現象の抑制および妊娠の阻害のための薬剤(例えば安息香酸エストラジオール)を含むインプラントを含む。その他の好ましい医薬インプラントは、動物の成長を促進するため、または体重増加を強化するための薬剤を含むものであり、このような薬剤としては、例えば、MGA、MGAおよびTBAの組み合わせ、または、MGA、TBAおよびエストラジオールの組み合わせ、が挙げられる。動物の成長または体重増加を促進するための多数のインプラントは、例えば、米国特許第3,417,182号、第5,091,185号、および第5,744,163号に説明されている。その他の好ましい薬剤としては、β−ラクタムおよびセファロスポリンのような抗生物質が挙げられる。特に、セフチオフルを、そのナトリウム塩、塩酸塩または遊離酸型で用いることが好ましい。
【0041】
本インプラントに用いられる薬剤の量を決定することは、当業者の知識および技術の範囲内である。例えば、米国特許第5,035,891号を参照。一般的に、本インプラント中の薬剤の量は、化合物の性質;処理すべき被検体の大きさ、年齢、体重、および種類;症状の重症度または望ましい効果の規模などに応じて様々である。当業者は、これらパラメーターを容易に決定し、ファクターとすることができる。例えば、去勢ウシの成長を促進するのに適した代表的なインプラントは、薬剤として、プロゲステロン約200mgおよび安息香酸エストラジオール約20mgの組み合わせを含む。未経産牛の成長を促進するのに適した代表的なインプラントは、薬剤として、プロピオン酸テストステロン約200mgおよび安息香酸エストラジオール約20mgの組み合わせを含む。
【0042】
多数の添加剤のいずれでも医薬ペレットインプラントに用いることができ、例えば、ポリエチレングリコール、ステアリン酸マグネシウム、セルロースおよびその誘導体(特にエチルセルロース)、ラクトース、高分子支持体、ならびに、結合剤、ならびに、着色剤が挙げられる。医薬ペレットインプラントの製造は、多種多様な当業界既知の方法により達成することができる。例えば、有効量の生物活性ペプチドまたはペプチド類似体を1〜12ヶ月にわたり送達するための医薬インプラントを製造するプロセスは、米国特許第6,159,490号に詳細に図解、説明されており、このプロセスは、グリコリド単位とラクチド単位との比率が約0〜5:1の乳酸とグリコール酸とのコポリマーを、粒度約50〜150μmに粉砕する工程;粉砕したコポリマーを生物活性ペプチドまたはペプチド類似体の水性スラリーで湿潤させる工程;コポリマーとスラリーとを混合し、コポリマーと約10〜50%の生物活性ペプチドとの均一な混合物を得る工程;その混合物を減圧下で25℃未満の温度で乾燥する工程;乾燥した混合物を約70〜110℃の温度で押出す工程;および、押出された混合物から直径約1〜2mm、長さ約10〜25mmの円筒ロッドを切り出し、インプラントを成形する工程を含む。
【0043】
上述の記載は、説明の意味に解釈すべきであり、限定の意味に解釈すべきではない。本発明を、好ましい実施形態またはその実施形態と共に開示したが、上記請求項により定義された本発明の範囲に含まれるその他の実施形態が存在し得ることを理解すべきである。
【0044】
さらなる詳細がなくても、当業者であれば、上記の記載を用いて本発明を十分に実施することができると考えられる。以下の実施例は、本発明を説明するために提供されており、請求項に記載の範囲を限定する意図はない。当業者であれば、反応物と反応条件や技術との双方に関する処置の適切な変更を速やかに見極められる。
【実施例1】
【0045】
酢酸メレンゲストロールを含む医薬ペレット:
酢酸メレンゲストロールを含む医薬ペレットを、顆粒化液として水を用いた湿式造粒法または乾式造粒法のような通常の錠剤形成技術、それに続くスクリーニング、サイジングおよび打錠成型により作製した。
【実施例2】
【0046】
同定マイクロチップおよび酢酸メレンゲストロールペレットの埋め込み
実施例1の医薬ペレット5個と、モデルTX1400L同定マイクロチップ(Electronic ID社製)1個とを、皮下注射針を備えたインプランター器具の格納庫に装填した。操作者は、インプランターを作動させ、動物の皮膚に第一の穴をあけ、インプラント組成物を注射針を通して動物に送達した。動物が未経産牛の場合は、耳の後方部に穴を作製することが好ましい。インプラントの医薬ペレットは、成長を促進し、発情現象を抑制し、妊娠を阻害するのに十分な量および速度で酢酸メレンゲストロールを送達し、同時に、マイクロチップは、HS59001−Fミニポータブルリーダー(Electronic ID社製)でマイクロチップをスキャンする際に動物を同定する情報を提供した。
【0001】
本発明は、インプラント可能な非医薬ペレットインプラントを、医薬ペレットインプラントと共に、1回の複合処置で皮下に投与するペレットインプラントシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
服用した薬剤を動物やヒトに送達するためのインプラントが広く用いられており、当業界周知である。インプラントが広く用いられている薬剤の種類としては、なかでも、徐放性製剤(time delayed pharmaceutical)、栄養補給剤、成長刺激剤、避妊ステロイド、ホルモン、抗体、抗原、生物製剤、ワクチン、プロスタグランジン、麻薬拮抗薬、抗不整脈剤、ヒト、ウマおよびイヌやネコのような家畜でノミや寄生体を駆除するための殺生剤が挙げられる。インプラントは、動物衛生および生産強化の分野において広く家畜に用いられる。例えば、インプラントとして投与された成長刺激剤は、ウシ、ブタ、ヒツジ、シチメンチョウ、ニワトリなどの屠殺するために飼育された動物の成長を促進し、屠殺体の品質を高めるために広く用いられる。一般的に、医薬インプラントは小型の固形ペレットに製造され、動物の皮下に注入される。
【0003】
インプラント可能な同定装置は、動物またはヒトの皮下に埋め込まれ、動物またはヒトをそれぞれ同定するのに用いることができ、当業界既知である。このような装置の一例は、電子集積回路マイクロチップである。マイクロチップは、動物の皮下に埋め込まれ、コード化された情報を装填しているため、例えばチップをスキャンした際に動物を同定するのに用いることができる。マイクロチップは、家畜、ペット用動物、魚介類、および野生動物の同定に広く用いられている。マイクロチップはまた、動物の病歴、または関連する市場情報のような情報も含む。口蹄疫や狂牛病(牛海綿状脳症)の大発生により、キャリアー動物の同定がきわめて重要になっている。同定装置を動物体内に保持させることにより、獣医師は、どのような治療計画を動物が受けるべきかを的確に知ることができる。
【0004】
マイクロチップはまた、ヒトの皮下に埋め込んでもよい。マイクロチップは識別情報を含んでもよく、誘拐された子供や家出をした子供をみつけるのに役立つ可能性がある。マイクロチップはまた、ワクチン接種情報または医療情報を含んでもよく、学校関係者にとって有用であり得る。成人のためには、その人がてんかんまたは糖尿病であると医師に警告する情報をマイクロチップに含ませることもできる。
【0005】
マイクロチップおよび医薬ペレットインプラントは、似たような器具および処置で投与することができる。一般的に、ペレットまたはチップは、皮下注射針を備えたインプランターにより投与される。注射針は、動物またはヒトの皮膚に穴をあけるのに用いられる。ペレットまたはチップは、注射針で皮下に押し込まれ、注射針を引き抜くことにより皮下に留置される。家畜の場合、ペレットまたはチップは、通常、動物をシュートに閉じ込めている間に耳の皮下に埋め込まれる。
【0006】
インプラント可能な同定装置および医薬インプラントが広範囲にわたり使用されるため、個々の動物に同定装置インプラントと医薬ペレットインプラントとの両方を埋め込むことはきわめて一般的であり、現在、これは別々の注入により行われている。すなわちこのような場合、2またはそれ以上の別々の穴を動物の皮膚に開けなければならない。
【0007】
現行のシステムおよび処置に随伴するいくつかの問題がある。第一に、特に多数の動物がかかわる場合に、埋め込み処置を行うことは、相当大きな労力を要する。より厄介な問題は、穴をあける部位での感染であり、これは、多数の家畜にインプラントを投与する場合によくあることである。家畜の場合、1回の埋め込み作業で、立て続けに同じ注射針で多数の動物に埋め込むことは一般的なことであり、この注射針はしばしば100匹またはそれ以上もの動物に用いられる。その上、このような注入はしばしば、飼育場内または飼育場近辺で行われたり、理想的な衛生条件とは程遠いような場所で行われたりする。このような状況で、1匹の動物に無菌の注入部位を準備すること、または、注射針により1匹の動物から次の動物へ感染性の微生物が移ることを防ぐのは事実上不可能である。問題をさらに困難にするのは、動物を閉じ込めている間に、焼印押し(branding)、獣医学的検査または処置などのその他の処置が埋め込み作業と同時に行われることであり、それにより動物をさらに興奮させ、注入および消毒を困難にする恐れがある。注入部位に堆肥が存在することも珍しいことではない。このような埋め込みは、動物の皮膚への意図的な刺創形成を含むために、インプラント送達中または送達後に細菌が埋め込み部位に入ってしまい、それによりその部位で感染を起こす恐れがある。このような感染により膿瘍が生じる恐れがあり、そのため、インプラントペレットがカプセル化され、または、元の挿入インプラント受け入れ穴から治療用ペレットが押し出され、それにより活性成分の吸収および輸送が妨げられ、インプラントの有効性が減少する恐れがある。米国では、インプラントを受けた飼育場のウシの約10%〜約15%が、その後、膿瘍を発症していると推測されている。
【0008】
別々の皮膚の穴を通して別々の注入により同定装置インプラントと医薬インプラントとの両方が動物に投与される場合、上記問題は悪化する。複数の注入によりインプラント投与に必要な労力が増大するだけでなく、必然的により高い感染の危険に動物をさらすことになる。
【0009】
現在、感染の発生率を低減させるための多種多様な技術が用いられている。インプラント製造元は、埋め込み手段、ペレット格納庫および注射針を消毒すること、および、埋め込みプロセスの間、優れた衛生状態で実施されているかどうかを観察すること、を推奨している。常在細菌がインプラント受け入れ穴に侵入することを防ぐために、埋め込み部位を注入前に洗浄または消毒してもよく、注射針を多数の動物への注入に用いる場合は、1匹の動物から次の動物への感染を防ぐために、注射針を動物間で消毒してもよい。米国特許第5,817,054号(1998年、Grimm)では、それぞれの受け入れ動物のインプラント領域を形成する皮膚の刺創に消毒剤を導入するための消毒剤ディスペンサーを備えたインプランターを開示している。米国特許第5,870,098号(1999年、StevensおよびSpurlin)では、抗生物質および医薬ペレットシステム、ならびに1回の治療処置の一部として注入部位での感染を防ぐための局部的な持続性の抗生物質放出を提供する方法を開示している。このような方法はいずれも、衛生性を高め、インプラント受け入れ穴の初期の雑菌混入を減らすのに役立ち得るが、必然的にインプラント投与にかかるコスト、時間、および労力を増すことになる。その上、これらの方法のいずれによっても動物の皮膚につくられる穴の総数は減少しないので、穴を通じて微生物が動物の体に侵入する危険は減少しない。さらに、米国特許第5,817,054号および米国特許第5,870,098号で説明された方法は、余計な化学物質の導入が必要であり、それにより動物または畜産物の品質に望ましくない影響を与える恐れがある。
【0010】
従って、1つの同定装置ペレットを含む複数のペレットを動物に埋め込むより優れたシステムおよび方法が必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、少なくとも1つの医薬ペレットインプラントおよび少なくとも1つの非医薬装置インプラントを含む複数のインプラントを動物またはヒトに投与するのに必要な皮膚の穴の総数を減少させることにより、その穴を通じて細菌が動物に侵入する危険を減少させるペレットインプラントシステムおよび方法を提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、追加的な抗生物質、静菌剤、または抗炎症薬を動物またはヒトの体に導入しないで、少なくとも1つの医薬ペレットインプラントおよび少なくとも1つの非医薬装置インプラントを含む複数のインプラントを動物またはヒトに投与する処置により生じる動物における感染の危険を減少させるペレットインプラントシステムおよび方法を提供することである。
【0013】
本発明のさらなる目的は、少なくとも1つの医薬ペレットインプラントおよび少なくとも1つの非医薬装置インプラントを含む複数のインプラントを動物またはヒトに投与するのに必要な労力を低減させるペレットインプラントシステムおよび方法を提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、明細書および請求項を読んでみれば当業者にとって明白である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の上記目的および他の目的は、少なくとも1つの医薬ペレットインプラントおよび少なくとも1つの非医薬装置インプラントを1回の注入で動物に埋め込むことを可能にするペレットインプラントシステムおよび方法を提供することにより達成される。
【0016】
一つの観点において、本発明は、1またはそれ以上の医薬ペレットおよび1またはそれ以上の非医薬装置ペレットを含むインプラントを対象とする。
【0017】
他の観点において、本発明は、少なくとも1つの医薬ペレットインプラントおよび少なくとも1つの非医薬装置インプラントを含む複数のインプラントを、1回の複合処置で動物またはヒトに埋め込むペレットシステムおよび方法を対象とする。本ペレットシステムは、医薬ペレットまたはインプラント可能な非医薬装置を皮下注射針の内腔を通過させて動物またはヒトの皮下に埋め込むためのインプランター器具、および、注射針を通過させて埋め込むためにサイズ調整した複数のペレットを含む。このペレットは、少なくとも1つの医薬第一ペレットおよび少なくとも1つの非医薬装置第二ペレットを含み、前記ペレットは、1回の注入の一部として同時に送達される。
【0018】
一実施形態において、非医薬装置ペレットは、動物もしくはヒト、または動物の源を同定するための情報を含むインプラント可能な同定装置である。
【0019】
他の実施形態において、非医薬装置ペレットは、動物もしくはヒト、または動物の源を同定する以外の目的のための情報を含むインプラント可能な装置である。
【0020】
他の実施形態において、本発明は、皮下注射針と注射針から離れて連結されたインプラント格納庫とを備えたインプランター器具を用いることによる、少なくとも1つの非医薬装置ペレットを含む複数のインプラントを動物またはヒトに埋め込むシステムおよび方法を提供する。本インプラントは、少なくとも1つの薬剤ペレットおよび少なくとも1つの非医薬ペレットを含み、この複合化したペレットは、薬剤および非医薬装置の連続的な送達のために、連続的な順番で、格納庫に封入される。
【0021】
さらなる実施形態において、本医薬ペレットは、抗生物質、ワクチン、成長促進物質、成長刺激剤もしくは駆虫剤、またはそれらの混合物を含む。
【0022】
さらなる実施形態において、本インプラントは、ウシ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ブタ、ネコ、魚類、ニワトリ、シチメンチョウ、およびヒトから選択される動物に埋め込まれる。
【0023】
さらなる実施形態において、本インプラントは、食用の動物、ペット用の動物、動物園の動物、および外来の動物から選択される動物に埋め込まれる。
【0024】
定義および慣例
下記の定義および説明は、この文書全体(明細書と請求項とを含む)を通して用いられる用語に関する。
【0025】
本発明で用いられる用語「医薬ペレット」、「医薬インプラント」、または「医薬ペレットインプラント」は、(1)1またはそれ以上の薬剤を送達するのに用いられ、(2)動物またはヒトの皮下埋め込みに適した物理装置を意味する。
【0026】
本発明で用いられる用語「薬剤」は、投与される被検体に何らかの変化をもたらすのに有用な、および、そのような変化をもたらすように意図された化合物、物質、物体、または組成物を意味する。例えば、この定義に含まれる「薬剤」としては、ステロイドホルモン、プロスタグランジン、ビタミン、抗生物質、抗炎症薬、化学療法剤、心血管作動薬および抗高血圧剤が挙げられる。用語「薬剤」はまた、生きた、弱力化した、または死んだ微生物(例えば細菌およびウイルス)も含む。
【0027】
用語「製薬上許容できる」は、薬理学的/毒物学的な観点から患者が許容し得る特性および/または物質、および、組成物、製剤、安定性、患者の受容性および生物学的利用率に関する物理学的/化学的な観点から製薬化学者が許容し得る特性および/または物質を意味する。
【0028】
本発明で用いられる用語「非医薬インプラント」、「非医薬装置インプラント」、または「非医薬ペレットインプラント」は、上記で定義された医薬インプラント以外の、動物またはヒトの皮下埋め込みに適した全てのタイプの物理装置を意味する。本発明で使用するための適切な非医薬インプラントの例としては、インプラントを保持する被検体または被検体の源をそれぞれ同定するためのインプラント可能な同定装置、または、動物またはヒトを同定する以外の目的のための情報(例えば病歴に関する情報や関連する市場情報)を含むインプラント可能な非医薬装置、が挙げられる。
【0029】
本発明で用いられる用語「インプランター」は、インプラントを動物またはヒトの皮膚に送達または挿入するのに用いる装置または器具を意味する。一般的に、インプランターは、その中を通過させてインプラントを送達する皮下注射針を有する。本発明で用いられる、インプランターに付随する「皮下注射針」という用語は、インプラントを受け入れ、インプランターから動物へ送達するための通路を有する、軟質または硬質の注射針、カニューレ、管類、または、その他全ての構造を意味する。
【0030】
発明の詳細な説明
本明細書で引用された全ての特許出願、特許、および参考文献は、参照によりその全体を本発明に加入する。矛盾がある場合は、本明細書(定義を含む)を優先させるものとする。
【0031】
本発明は、1またはそれ以上の薬剤および少なくとも1つの非医薬インプラントを含む少なくとも1つの医薬インプラントを、動物またはヒトに1回の複合処置で投与するシステムおよび方法を提供する。概して、本埋め込みシステムは、(a)薬剤ペレットまたはインプラント可能なマイクロチップを皮下注射針の内腔を通過させて埋め込むのに用いられる皮下注射針を有するインプランター器具、ならびに、(b)少なくとも1つの医薬ペレットおよび少なくとも1つの非医薬装置ペレットを含む。使用の際、前記医薬ペレットおよび前記非医薬ペレットを前記インプランター器具に装填し、続いて、動物またはヒトに1回の注入で同時または連続的に送達する。
【0032】
本発明は、インプラント可能な非医薬インプラントもしくは医薬インプラントまたはその両方を受け入れるのに適したヒトおよび当業界既知の全ての動物種において実施することができる。適切な動物としては、これらに限定されないが、ペット用の動物、食用の動物およびその他の家畜、野生生物、ならびに動物園の動物が挙げられる。適切な動物の特定の例としては、これらに限定されないが、ウシ、ウマ、ヤギ、ブタ、ヒツジ、イヌ、ネコ、魚類、および外来種が挙げられる。
【0033】
本発明は、2またはそれ以上のインプラントを1回の注入で埋め込むことが可能な当業界で広く用いられるインプランター器具のいずれを用いても実施することができ、このような装置としては、例えば米国特許第5,522,797号,米国特許第5,874,098号、および米国特許第4,105,030号で説明されたものが挙げられる。米国特許第5,522,797号,米国特許第5,874,098号、および米国特許第4,105,030号それぞれの全開示は、参照により本発明に加入する。
【0034】
本発明の実施形態を以下で説明する。しかしながら、本発明は、特に、非医薬ペレットインプラントと医薬ペレットインプラントとの両方を動物またはヒトに提供することができる全てのタイプのインプラントシステムを含むものとする。この説明は、限定の意味として解釈されるべきではなく、単に本発明の全般的な原則を説明する目的でなされたものである。本発明の範囲は、請求項を参照することによって判断されるべきである。
【0035】
適切なインプランター器具は、米国特許第4,105,030号で詳細に図解、説明される。一般的に、インプラント器具は、ハンドル、ハンドルに取り付けられた指で操作可能なトリガー、注射針、および、ペレットを注射針から押出すために注射針内に置かれたロッドを含む。使用の際、好ましい数の別々の医薬インプラントを、少なくとも1つの非医薬インプラント(例えばマイクロチップ)と共に注射針に装填する。操作者は、本インプランターを握り、注射針を標的動物の皮および皮下に押し進め、インプラント受け入れ穴をつくる。ペレットを含む注射針を皮下に挿入したら、次に操作者は、ハンドル上のトリガーを押し下げ、それにより、注射針はばねにより自動的に引き抜かれ、埋め込まれたペレットは所定の位置に残る。
【0036】
その他の適切なインプランター器具が、米国特許第5,522,797号で詳細に図解、説明されており、このインプランター器具は、通常、グリップ、グリップに取り付けられたトリガー、注射針、ペレット格納庫ストリップ、ペレット格納庫、およびインペラーを有するハウジングを含む。埋め込もうとするペレットを、格納庫ストリップチャンバーに装填する。注射針を用いて動物の皮または皮膚に穴をあけ、トリガーを引いてペレットの注入を開始し、インペラーを用いてペレットを格納庫チャンバーと注射針の内腔とを通過させて押し込むことにより、ペレットを注射針の内腔を通過させて皮膚の穴へ押し込む。通常、インプランターの各格納庫ストリップは、複数の平行に並べられたインプラントを含み、このインプラントは、対応するペレットチャンバーに格納されており、このペレットチャンバーは、相互連結ウェブにより連結されている。このチャンバーは、平行に隣り合わせた配置で並べられている。インプランターが再び装填を必要とする前に埋め込み容量を増すために、複数のストリップを端と端とを繋げて連結してもよい。使用の際、各格納庫チャンバーに、好ましい数の別々の医薬ペレットを、少なくとも1つの非医薬ペレットインプラント(例えばマイクロチップ)と共に装填する。その後、格納庫をインプランターハウジングに挿入する。操作者は、インプランターを握り、標的動物の皮および皮下に注射針を押し進め、インプラント受け入れ穴をつくる。次に、操作者は、トリガー部材を押し下げて推進メカニズムを作動させ、注射針の内腔を通過させてインプラント受け入れ穴にインプラントを押し込む。その後、操作者は、注射針を引き抜き、インプラントを動物体内に残すことができる。
【0037】
本発明における非医薬ペレットインプラントは、動物またはヒトの体内への埋め込みに適しており、本明細書で説明された方法を用いて埋め込むことができる医薬ペレットインプラント以外の全てのタイプの物理装置を含むことを特に考慮している。本発明で使用するための適切な非医薬ペレットインプラントの例としては、これらに限定されないが、動物またはヒトをそれぞれ同定するためのインプラント可能な同定装置、および、動物またはヒトを同定する以外の目的のための情報を含むインプラント可能な非医薬装置が挙げられる。このようなインプラント可能な同定装置の一例は、インプラント可能な電子トランスポンダーまたはトランスミッターであり、これらは広く「マイクロチップ」と呼ばれる。マイクロチップは、特有の同定コードを含み、動物またはヒトの皮下に埋め込まれる。これらマイクロチップは、Destron Fearing,Trovan、およびAVIDのような数々の会社から市販されている。本発明に適したその他のタイプの同定装置は、米国特許第4,909,250号で詳細に図解、説明されており、この同定装置は、動物を同定するための情報が刷り込まれたインプラント可能な同定ペレットである。
【0038】
インプラント可能な非医薬、非同定インプラントは、病歴または関連する市場情報に関する情報を含むマイクロチップであり得る。
【0039】
適切な医薬ペレットインプラントならどれでも本発明で使用することができる。このようなインプラントの例は、ペレットまたは複数のペレットの形態で1またはそれ以上の薬剤を含むインプラントである。液状または固体状のいずれかの薬剤の使用が特に考慮される。本発明において、医薬インプラントに含まれる薬剤の性質またはタイプは重要ではなく、どのような物質でも用いられるが、例えば、酵素またはその他の有機触媒、タンパク質および糖タンパク質、ペプチド、抗体、核酸、ステロイド、抗生物質、抗真菌剤、麻薬拮抗剤、抗ヒスタミン剤、緩下剤、ビタミン、鎮静剤、抗炎症性物質、抗躁病薬,刺激剤、化学療法剤、避妊薬、放射性医薬品、ミネラルおよび栄養補給剤、ホルモン、医薬品およびその他の治療剤が挙げられる。本発明で用いられる医薬インプラントはまた、生きた、弱力化した、または死んだ微生物、例えば細菌、およびウイルス、例えば常在ウイルス、エンテロウイルス、バクテリオファージの送達に用いることができる。本発明は、ホルモンおよびステロイドの迅速かつ持続的な送達に特に適しており、このホルモンおよびステロイドとしては、アンドロゲン、例えばテストステロン、酢酸トレンボロン(TBA)、ジヒドロエピアンドロテロン(dihydroepiandroterone)、およびその他のアンドロゲン性ステロイド、エストロゲン、例えばエストラジオール−17−β、安息香酸エストラジオール、ゼララノン(zeralanone)、およびその他のエストロゲン様のステロイド、プロゲスチン、例えばプロゲステロン、酢酸メレンゲストロール(MGA)、酢酸メゲストロール、酢酸メドロキシプロゲステロン、ノルゲステメト(norgestemet)、ノルエチドロン(norethidrone)、およびその他のプロゲスチン化合物、放出因子、例えば黄体形成ホルモン放出ホルモンおよび類似体、成長ホルモン放出ホルモンおよび類似体、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(thyroid releasing hormone)および類似体、ならびにその他の放出因子および類似体、成長ホルモン/ソマトトロピン、例えば様々な種からの天然および組換えソマトトロピンおよび類似体、成長因子、例えばインスリン様成長因子、上皮成長因子およびその他同様の因子、が挙げられる。本発明はまた、インバーメクチン(invermectin)のような駆虫剤、および抗原の送達に特に適している。
【0040】
好ましい医薬インプラントは、発情現象の抑制および妊娠の阻害のための薬剤(例えば安息香酸エストラジオール)を含むインプラントを含む。その他の好ましい医薬インプラントは、動物の成長を促進するため、または体重増加を強化するための薬剤を含むものであり、このような薬剤としては、例えば、MGA、MGAおよびTBAの組み合わせ、または、MGA、TBAおよびエストラジオールの組み合わせ、が挙げられる。動物の成長または体重増加を促進するための多数のインプラントは、例えば、米国特許第3,417,182号、第5,091,185号、および第5,744,163号に説明されている。その他の好ましい薬剤としては、β−ラクタムおよびセファロスポリンのような抗生物質が挙げられる。特に、セフチオフルを、そのナトリウム塩、塩酸塩または遊離酸型で用いることが好ましい。
【0041】
本インプラントに用いられる薬剤の量を決定することは、当業者の知識および技術の範囲内である。例えば、米国特許第5,035,891号を参照。一般的に、本インプラント中の薬剤の量は、化合物の性質;処理すべき被検体の大きさ、年齢、体重、および種類;症状の重症度または望ましい効果の規模などに応じて様々である。当業者は、これらパラメーターを容易に決定し、ファクターとすることができる。例えば、去勢ウシの成長を促進するのに適した代表的なインプラントは、薬剤として、プロゲステロン約200mgおよび安息香酸エストラジオール約20mgの組み合わせを含む。未経産牛の成長を促進するのに適した代表的なインプラントは、薬剤として、プロピオン酸テストステロン約200mgおよび安息香酸エストラジオール約20mgの組み合わせを含む。
【0042】
多数の添加剤のいずれでも医薬ペレットインプラントに用いることができ、例えば、ポリエチレングリコール、ステアリン酸マグネシウム、セルロースおよびその誘導体(特にエチルセルロース)、ラクトース、高分子支持体、ならびに、結合剤、ならびに、着色剤が挙げられる。医薬ペレットインプラントの製造は、多種多様な当業界既知の方法により達成することができる。例えば、有効量の生物活性ペプチドまたはペプチド類似体を1〜12ヶ月にわたり送達するための医薬インプラントを製造するプロセスは、米国特許第6,159,490号に詳細に図解、説明されており、このプロセスは、グリコリド単位とラクチド単位との比率が約0〜5:1の乳酸とグリコール酸とのコポリマーを、粒度約50〜150μmに粉砕する工程;粉砕したコポリマーを生物活性ペプチドまたはペプチド類似体の水性スラリーで湿潤させる工程;コポリマーとスラリーとを混合し、コポリマーと約10〜50%の生物活性ペプチドとの均一な混合物を得る工程;その混合物を減圧下で25℃未満の温度で乾燥する工程;乾燥した混合物を約70〜110℃の温度で押出す工程;および、押出された混合物から直径約1〜2mm、長さ約10〜25mmの円筒ロッドを切り出し、インプラントを成形する工程を含む。
【0043】
上述の記載は、説明の意味に解釈すべきであり、限定の意味に解釈すべきではない。本発明を、好ましい実施形態またはその実施形態と共に開示したが、上記請求項により定義された本発明の範囲に含まれるその他の実施形態が存在し得ることを理解すべきである。
【0044】
さらなる詳細がなくても、当業者であれば、上記の記載を用いて本発明を十分に実施することができると考えられる。以下の実施例は、本発明を説明するために提供されており、請求項に記載の範囲を限定する意図はない。当業者であれば、反応物と反応条件や技術との双方に関する処置の適切な変更を速やかに見極められる。
【実施例1】
【0045】
酢酸メレンゲストロールを含む医薬ペレット:
酢酸メレンゲストロールを含む医薬ペレットを、顆粒化液として水を用いた湿式造粒法または乾式造粒法のような通常の錠剤形成技術、それに続くスクリーニング、サイジングおよび打錠成型により作製した。
【実施例2】
【0046】
同定マイクロチップおよび酢酸メレンゲストロールペレットの埋め込み
実施例1の医薬ペレット5個と、モデルTX1400L同定マイクロチップ(Electronic ID社製)1個とを、皮下注射針を備えたインプランター器具の格納庫に装填した。操作者は、インプランターを作動させ、動物の皮膚に第一の穴をあけ、インプラント組成物を注射針を通して動物に送達した。動物が未経産牛の場合は、耳の後方部に穴を作製することが好ましい。インプラントの医薬ペレットは、成長を促進し、発情現象を抑制し、妊娠を阻害するのに十分な量および速度で酢酸メレンゲストロールを送達し、同時に、マイクロチップは、HS59001−Fミニポータブルリーダー(Electronic ID社製)でマイクロチップをスキャンする際に動物を同定する情報を提供した。
Claims (26)
- a)ペレットを皮下注射針の内腔を通過させて動物に埋め込むためのインプランター器具を提供する工程;
b)上記インプランター器具に、少なくとも1つの医薬ペレットおよび少なくとも1つの非医薬ペレットを装填する工程;および、
c)動物の皮下に皮下注射針を挿入し、上記医薬ペレットおよび上記非医薬ペレットを上記動物の皮下に注入する工程、
を含む、少なくとも1つの医薬ペレットと、少なくとも1つの非医薬ペレットとを、1回の注入で動物またはヒトの皮下に埋め込む方法。 - インプランター器具は、医薬ペレットおよび非医薬ペレットを装填したペレット格納庫を備える、請求項1に記載の方法。
- (a)皮下注射針を動物またはヒトの皮下に挿入し、医薬ペレットを注入する工程、
(b)皮下注射針を動物またはヒトの皮下の所定位置に維持し、非医薬ペレットを連続的に注入する工程、
を含む、請求項1に記載の方法。 - (a)皮下注射針を動物またはヒトの皮下に挿入し、非医薬ペレットを注入する工程、
(b)皮下注射針を動物またはヒトの皮下の所定位置に維持し、医薬ペレットを連続的に注入する工程、
を含む、請求項1に記載の方法。 - 非医薬ペレットは、同定装置である、請求項1に記載の方法。
- 同定装置は、マイクロチップである、請求項5に記載の方法。
- 同定装置は、トランスポンダーまたはトランスミッターである、請求項5に記載の方法。
- 医薬ペレットは、抗生物質、ワクチン、成長促進物質、成長刺激剤、駆虫剤およびそれらの混合物からなる1またはそれ以上の薬剤を含む、請求項1に記載の方法。
- 薬剤は、MGA、MGAおよびTBAの組み合わせ、または、MGA、TBAおよびエストラジオールの組み合わせを含む、請求項8に記載の方法。
- 複数の別々の医薬ペレットを提供する工程を含む、請求項1に記載の方法。
- 動物は、ウシ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ブタ、ネコ、魚類、ニワトリ、およびシチメンチョウからなる群より選択される請求項1に記載の方法。
- 動物は、食用の動物、ペット用の動物、外来の動物、動物園の動物、および外来の動物からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
- (a)少なくとも1つの非医薬ペレット;および、
(b)少なくとも1つの医薬ペレット、
を含む、動物またはヒトでの皮下埋め込みのためのインプラント。 - 非医薬ペレットは、同定装置である、請求項12に記載のインプラント。
- 同定装置は、マイクロチップである、請求項13に記載のインプラント。
- 同定装置は、トランスポンダーまたはトランスミッターである、請求項13に記載のインプラント。
- 医薬ペレットは、抗生物質、ワクチン、成長促進物質、成長刺激剤、駆虫剤およびそれらの混合物からなる1またはそれ以上の薬剤を含む、請求項13に記載のインプラント。
- 薬剤は、MGA、MGAおよびTBAの組み合わせ、または、MGA、TBAおよびエストラジオールの組み合わせを含む、請求項17に記載の方法。
- ペレットは全て、一つのユニットに統合される、請求項13に記載のインプラント。
- (a)ペレットを皮下注射針の内腔を通過させて動物に埋め込むためのインプランター器具;および、
(b)少なくとも1つの医薬ペレットおよび少なくとも1つの非医薬装置ペレット、
を含み、上記ペレットは全て、動物に1回の注入で同時に送達するための上記インプランター器具に装填される、
少なくとも1つの医薬ペレットおよび少なくとも1つの非医薬装置ペレットを動物の皮下に1回の複合処置で埋め込むためのペレットインプラントシステム。 - インプランター器具は、医薬ペレットおよび非医薬ペレットを装填したペレット格納庫を備える、請求項18に記載のペレットインプラントシステム。
- 非医薬ペレットは、同定装置である、請求項18に記載のペレットインプラントシステム。
- 同定装置は、マイクロチップである、請求項18に記載のペレットインプラントシステム。
- 同定装置は、トランスポンダーまたはトランスミッターである、請求項18に記載のペレットインプラントシステム。
- 医薬ペレットは、抗生物質、ワクチン、成長促進物質、成長刺激剤、駆虫剤およびそれらの混合物からなる1またはそれ以上の薬剤を含む、請求項18に記載のペレットインプラントシステム。
- 薬剤は、MGA、MGAおよびTBAの組み合わせ、または、MGA、TBAおよびエストラジオールの組み合わせを含む、請求項25に記載の方法。
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