しかしながら、特許文献1の技術の場合、帯紐の引き抜き操作は片手では困難であるという問題があるほか、携帯紐を誤って引き抜く可能性も高く、その場合には意に反して防犯ブザーが鳴動してしまう。また、再度携帯紐を差し込めばすぐに防犯ブザーが停止してしまうため、犯人により容易に防犯ブザーの鳴動停止操作がなされてしまうという問題もある。
また、特許文献2の技術では、誤動作防止蓋を開けてから専用非常ボタンを操作する必要があるため、防犯ブザーを作動させるのに手間がかかり、とっさの場合に役立たないことが考えられる。
同様に、特許文献3の技術では、暗証番号を入力する必要があるため、防犯ブザーを作動させるのに手間がかかり、とっさの場合に役立たない可能性が大きい。
また、特許文献4の技術では、防犯機能を作動させるためにはアンテナを強い力で引っ張り出す必要があるが、アンテナを引き出すためには通常両手での操作が必要であり、操作性が悪いという問題がある。また、犯人にアンテナを戻された場合は100番通話は続行されるものの防犯ブザーは停止するため、犯行現場での危険を回避できる可能性が低くなってしまう。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、防犯機能を作動させるための操作を片手で容易に行うことが可能であり、好ましくは誤作動の発生を抑制し得るとともに、犯人による防犯機能の停止操作は困難な防犯機能付き携帯端末装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の防犯機能付き携帯端末装置は、本体ケースと、電波を送受信するアンテナと、常態において前記アンテナの一部が前記本体ケース外に突出した突出部となるように、前記アンテナを前記本体ケース外に向けて付勢する付勢手段と、前記付勢手段による付勢に抗して前記突出部が前記本体ケース内に押し込み操作されたことを検出する検出手段と、前記検出手段が前記突出部の押し込み操作を所定時間内に所定回数以上検出した場合に作動して防犯動作を行う防犯動作手段と、を備えることを特徴としている。
また、本発明の防犯機能付き携帯端末装置は、本体ケースと、電波を送受信するアンテナと、常態において前記アンテナの一部が前記本体ケース外に突出した突出部となるように、前記アンテナを前記本体ケース外に向けて付勢する付勢手段と、前記付勢手段による付勢に抗して前記突出部が前記本体ケース内に押し込み操作されたことを検出する検出手段と、前記検出手段が前記突出部の押し込み操作を所定時間以上連続して検出した後で該押し込み操作が解除された場合に作動して防犯動作を行う防犯動作手段と、を備えることを特徴としている。
また、本発明の防犯機能付き携帯端末装置は、本体ケースと、電波を送受信するアンテナと、常態において前記アンテナの一部が前記本体ケース外に突出した突出部となるように、前記アンテナを前記本体ケース外に向けて付勢する付勢手段と、前記付勢手段による付勢に抗して前記突出部が前記本体ケース内に押し込み操作されたことを検出する検出手段と、前記押し込み操作を含む所定の操作がなされた場合に作動して防犯動作を行う防犯動作手段と、を備えることを特徴としている。ここで、「前記押し込み操作を含む所定の操作」とは、単にアンテナの突出部の押し込み操作であっても良い。
また、本発明の防犯機能付き携帯端末装置は、本体ケースと、電波を送受信するアンテナと、常態において前記アンテナの一部が前記本体ケース外に突出した突出部となるように、前記アンテナを前記本体ケース外に向けて付勢する付勢手段と、前記付勢手段による付勢に抗して前記突出部が前記本体ケース内に第1押込量だけ押し込み操作されたことを検出する第1検出手段と、前記第1検出手段による検出状態の継続時間を計時するタイマと、前記第1押込量よりも多い第2押込量だけ前記付勢手段による付勢に抗して前記突出部が押し込み操作されたことを検出する第2検出手段と、前記タイマにより所定時間以上の前記継続時間が計時された後で前記第2検出手段により前記第2押込量の押し込み操作が検出された場合に作動して防犯動作を行う防犯動作手段と、を備えることを特徴としている。
また、本発明の防犯機能付き携帯端末装置は、本体ケースと、電波を送受信するアンテナと、常態において前記アンテナの一部が前記本体ケース外に突出した突出部となるように、前記アンテナを前記本体ケース外に向けて付勢する付勢手段と、前記付勢手段による付勢に抗して前記突出部が前記本体ケース内に第1押込量だけ押し込み操作されたことを検出する第1検出手段と、前記第1検出手段による検出状態の継続時間を計時するタイマと、前記第1押込量よりも多い第2押込量だけ前記付勢手段による付勢に抗して前記突出部が押し込み操作されたことを検出する第2検出手段と、前記タイマにより所定時間以上の前記継続時間が計時された後で前記突出部の押し込み操作が解除されるという第1条件か、前記第2検出手段により前記第2押込量の押し込み操作が検出されるという第2条件が成立した場合に作動して防犯動作を行う防犯動作手段と、を備えることを特徴としている。
また、本発明の防犯機能付き携帯端末装置は、本体ケースと、電波を送受信するアンテナと、常態において前記アンテナの一部が前記本体ケース外に突出した突出部となるように、前記アンテナを前記本体ケース外に向けて付勢する付勢手段と、前記付勢手段による付勢に抗して前記突出部が前記本体ケース内に第1押込量だけ押し込み操作されたことを検出する第1検出手段と、前記第1押込量よりも多い第2押込量だけ前記付勢手段による付勢に抗して前記突出部が押し込み操作されたことを検出する第2検出手段と、前記第1押込量の押し込み操作と前記第2押込量の押し込み操作とを組み合わせた操作を含む所定の操作がなされた場合に作動して防犯動作を行う防犯動作手段と、を備えることを特徴としている。ここで、「前記第1押込量の押し込み操作と前記第2押込量の押し込み操作とを組み合わせた操作を含む所定の操作」とは、単に、前記第1押込量の押し込み操作と前記第2押込量の押し込み操作とを組み合わせた操作であっても良い。
本発明の防犯機能付き携帯端末装置においては、前記第1検出手段は、前記第1押込量だけ押し込み操作された際に相互に導通される一対の接点を備えて構成され、前記第2検出手段は、前記第2押込量だけ押し込み操作された際に相互に導通される一対の接点を備えて構成され、前記アンテナは、前記第1押込量だけ押し込み操作された際には前記第1検出手段の一対の接点を相互に導通させる一方で、前記第2押込量だけ押し込み操作された際には前記第2検出手段の一対の接点を相互に導通させる導電部を備えて構成されていることを好ましい例とする。
この場合、前記第1検出部の一対の接点のうちの一方の接点と、前記第2検出部の一対の接点のうちの一方の接点とは、同一の接点により構成することができる。
また、本発明の防犯機能付き携帯端末装置は、使用者に操作される操作部と、前記操作部に含まれる防犯動作用操作部が操作されたことを検出する検出手段と、前記検出手段が前記防犯動作用操作部の操作を所定時間以上連続して検出した後で該操作が解除された場合に作動して防犯動作を行う防犯動作手段と、を備えることを特徴としている。
本発明の防犯機能付き携帯端末装置においては、前記所定回数を使用者が任意に設定する操作を行うことが可能に構成されていることが好ましい。
本発明の防犯機能付き携帯端末装置においては、前記所定時間を使用者が任意に設定する操作を行うことが可能に構成されていることが好ましい。
本発明の防犯機能付き携帯端末装置においては、前記防犯動作手段は、アラーム音を発する防犯ブザーを備えて構成されていることが好ましい。
本発明の防犯機能付き携帯端末装置においては、前記防犯動作手段は、予め登録された通知先宛の通話を自動的に開始する自動通話開始手段を備えて構成されていることが好ましい。
本発明の防犯機能付き携帯端末装置においては、前記防犯動作手段は、予め登録された通知先宛に自動的に電子メールを送信する自動メール送信手段を備えて構成されていることが好ましい。
本発明の防犯機能付き携帯端末装置においては、前記通知先を使用者が任意に設定する操作を行うことが可能に構成されていることが好ましい。
本発明の防犯機能付き携帯端末装置においては、前記防犯動作手段は、複数種類の防犯動作を実行可能に構成され、当該防犯機能付き携帯端末装置は、前記複数種類の防犯動作のうちの何れの防犯動作を作動させるかを使用者が任意に設定する操作を行うことが可能に構成されていることが好ましい。
本発明の防犯機能付き携帯端末装置においては、前記防犯動作手段を作動停止させる作動停止手段をさらに備えることが好ましい。
本発明の防犯機能付き携帯端末装置においては、前記作動停止手段は、暗証番号が入力操作された場合に前記防犯動作手段を作動停止させることを好ましい例とする。
本発明の防犯機能付き携帯端末装置においては、前記防犯動作手段を作動停止させる作動停止手段をさらに備え、前記作動停止手段は、前記検出手段が前記突出部の押し込み操作を所定時間以上連続して検出した場合に前記防犯動作手段を作動停止させることも好ましい例とする。
本発明の防犯機能付き携帯端末装置においては、前記防犯動作手段を作動停止させる作動停止手段をさらに備え、前記作動停止手段は、前記突出部の押し込み操作を含む所定の停止操作がなされた場合に前記防犯動作手段を作動停止させることも好ましい例とする。
本発明の防犯機能付き携帯端末装置においては、前記防犯動作手段を作動停止させる作動停止手段をさらに備え、前記作動停止手段は、前記第1押込量の押し込み操作と前記第2押込量の押し込み操作とを組み合わせた操作を含む所定の停止操作がなされた場合に前記防犯動作手段を作動停止させることも好ましい。
本発明の防犯機能付き携帯端末装置においては、前記所定の停止操作を使用者が任意に設定する操作を行うことが可能に構成されていることも好ましい。
本発明の防犯機能付き携帯端末装置においては、前記検出手段が前記押し込み操作を所定時間以上連続して検出した場合であっても、該押し込み操作が解除される前に所定の停止操作が行われた場合には、前記防犯動作手段は作動しないことも好ましい。
本発明の防犯機能付き携帯端末装置においては、前記タイマにより所定時間以上の前記継続時間が計時された場合であっても、前記突出部の押し込み操作が解除される前に所定の停止操作が行われた場合には、前記防犯動作手段は作動しないことも好ましい。
本発明の防犯機能付き携帯端末装置においては、前記検出手段が前記操作を所定時間以上連続して検出した場合であっても、該操作が解除される前に所定の停止操作が行われた場合には、前記防犯動作手段は作動しないことも好ましい。
本発明の防犯機能付き携帯端末装置においては、前記防犯動作手段は、少なくとも第1及び第2の2種類の防犯動作を実行可能に構成され、このうち第1の防犯動作は前記アンテナの押し込み操作に基づき実行され、第2の防犯動作は前記アンテナ以外の操作部の操作に基づき実行されることも好ましい。
本発明の防犯機能付き携帯端末装置においては、電源としての電池と、前記電池を当該防犯機能付き携帯端末装置の本体ケースより脱落防止させる電池カバーと、を備え、前記電池カバーは前記本体ケースに止着されることが好ましい。
本発明の防犯機能付き携帯端末装置においては、前記防犯動作手段の動作用に専用の防犯動作手段専用電池を備えることが好ましい。
本発明の防犯機能付き携帯端末装置においては、前記防犯動作手段は、前記自動通話開始手段により開始された通話の際に当該防犯機能付き携帯端末装置の位置情報を通知する位置情報通知手段を備えることが好ましい。
本発明の防犯機能付き携帯端末装置においては、前記防犯動作手段は、前記自動メール送信手段により送信される電子メールにて当該防犯機能付き携帯端末装置の位置情報を通知する位置情報通知手段を備えることが好ましい。
本発明の防犯機能付き携帯端末装置は、GPS機能を備え、前記位置情報通知手段は前記GPS機能により認識される位置情報を通知することが好ましい。
本発明の防犯機能付き携帯端末装置は、例えば携帯電話機からなることを好ましい例とする。
本発明によれば、検出手段がアンテナの突出部の押し込み操作を所定時間内に所定回数以上検出した場合に作動して防犯動作を行う防犯動作手段を備えるので、アンテナの突出部の押し込み操作を所定時間内に所定回数以上行うことにより防犯動作手段を作動させることができる。よって、とっさの場合でも片手で容易かつ確実に防犯機能を作動させることができる。また、携帯端末装置が鞄やポケットの中にある状態であっても、手探りで容易にアンテナの突出部を操作することができる。また、所定時間内に所定回数以上アンテナの突出部の押し込み操作を検出した場合にのみ防犯機能が作動するので、好適に誤動作を防止することができる。更に、通常の使用状態・携帯状態(非常事態でない場合)ではアンテナの突出部が押し込まれないような強力な付勢手段を用いることにより、通常の使用状態・携帯状態における誤動作をより好適に防止することができる。更に、通常の操作では使用することがないアンテナを防犯機能を作動させるための操作部として用いるので、通常の使用状態・携帯状態における誤動作を好適に防止することができる。
また、本発明によれば、検出手段がアンテナの突出部の押し込み操作を所定時間以上連続して検出した後で該押し込み操作が解除された場合に作動して防犯動作を行う防犯動作手段を備えるので、アンテナの突出部の押し込み操作を所定時間以上連続的に行った後で該押し込み操作を解除することにより防犯動作手段を作動させることができる。よって、例えば予め危険を予知できるような場合にアンテナの突出部の押し込み操作を続けておき、万一実際に危険がせまった場合に該押し込み操作を解除することにより、片手で容易かつ確実に防犯機能を作動させることができる。また、携帯端末装置が鞄やポケットの中にある状態であっても、手探りで容易にアンテナの突出部を操作することができる。また、所定時間以上連続的にアンテナの突出部の押し込み操作を検出した後で該押し込み操作が解除された場合にのみ防犯機能が作動するので、好適に誤動作を防止することができる。更に、通常の使用状態・携帯状態(非常事態でない場合)ではアンテナの突出部が押し込まれないような強力な付勢手段を用いることにより、通常の使用状態・携帯状態における誤動作をより好適に防止することができる。更に、通常の操作では使用することがないアンテナを防犯機能を作動させるための操作部として用いるので、通常の使用状態・携帯状態における誤動作を好適に防止することができる。
また、本発明によれば、アンテナの突出部の押し込み操作を含む所定の操作がなされた場合に作動して防犯動作を行う防犯動作手段を備えるので、該所定の操作を行うことにより防犯動作手段を作動させることができる。よって、例えば、防犯動作手段を作動させるのに必要な操作のうちアンテナの突出部の押し込み操作以外の操作も片手で容易に行うことができるような操作とすることにより、或いは、「アンテナの突出部の押し込み操作を含む所定の操作」を単にアンテナの突出部の押し込み操作とすることにより、とっさの場合でも片手で容易かつ確実に防犯機能を作動させることができる。また、通常の使用状態・携帯状態(非常事態でない場合)ではアンテナの突出部が押し込まれないような強力な付勢手段を用いることにより、通常の使用状態・携帯状態における誤動作をより好適に防止することができる。更に、通常の操作では使用することがないアンテナを防犯機能を作動させるための操作部として用いるので、通常の使用状態・携帯状態における誤動作を好適に防止することができる。
また、本発明によれば、アンテナの突出部を第1押込量だけ押し込む操作の継続時間が所定時間以上となった後でアンテナの突出部を第2押込量だけ押し込む操作が検出された場合に作動して防犯動作を行う防犯動作手段を備えるので、アンテナの突出部を第1押込量だけ押し込む操作を所定時間だけ継続した後でアンテナの突出部を第2押込量だけ押し込む操作を行うことにより防犯動作手段を作動させることができる。よって、例えば予め危険を予知できるような場合に第1押込量の押し込み操作を続けておき、万一実際に危険がせまった場合に第2押込量の押し込み操作を行うことにより、片手で容易かつ確実に防犯機能を作動させることができる。また、携帯端末装置が鞄やポケットの中にある状態であっても、手探りで容易にアンテナの突出部を操作することができる。また、アンテナの突出部を第1押込量だけ押し込む操作の継続時間が所定時間以上となった後でアンテナの突出部を第2押込量だけ押し込む操作が検出された場合にのみ防犯機能が作動するので、好適に誤動作を防止することができる。更に、通常の使用状態・携帯状態(非常事態でない場合)ではアンテナの突出部が押し込まれないような強力な付勢手段を用いることにより、通常の使用状態・携帯状態における誤動作をより好適に防止することができる。更に、通常の操作では使用することがないアンテナを防犯機能を作動させるための操作部として用いるので、通常の使用状態・携帯状態における誤動作を好適に防止することができる。
また、本発明によれば、アンテナの突出部を第1押込量だけ押し込む操作の継続時間が所定時間以上となった後で該押し込み操作が解除されるという第1条件か、アンテナの突出部を第2押込量だけ押し込む操作が検出されるという第2条件が成立した場合に作動して防犯動作を行う防犯動作手段を備えるので、アンテナの突出部を第1押込量だけ押し込み操作を所定時間だけ継続した後で該押し込み操作を解除するという第1操作か、又は、アンテナの突出部を第2押込量だけ押し込むという第2操作を行うことにより、防犯動作手段を作動させることができる。よって、例えば予め危険を予知できるような場合に第1押込量の押し込み操作を続けておき、万一実際に危険がせまった場合に該押し込み操作を解除することにより、片手で容易かつ確実に防犯機能を作動させることができる。或いは、とっさの場合にはアンテナの突出部を第2押込量だけ押し込む操作を行うことにより、片手で容易かつ確実に防犯機能を作動させることができる。また、携帯端末装置が鞄やポケットの中にある状態であっても、手探りで容易にアンテナの突出部を操作することができる。また、アンテナの突出部を第1押込量だけ押し込む操作の継続時間が所定時間以上となった後で該押し込み操作が解除されるか、又は、アンテナの突出部を第2押込量だけ押し込む操作が検出された場合にのみ防犯機能が作動するので、好適に誤動作を防止することができる。更に、通常の使用状態・携帯状態(非常事態でない場合)ではアンテナの突出部が押し込まれないような強力な付勢手段を用いることにより、通常の使用状態・携帯状態における誤動作をより好適に防止することができる。更に、通常の操作では使用することがないアンテナを防犯機能を作動させるための操作部として用いるので、通常の使用状態・携帯状態における誤動作を好適に防止することができる。
また、本発明によれば、アンテナの突出部を第1押込量だけ押し込む操作と第2押込量だけ押し込む操作とを組み合わせた操作を含む所定の操作がなされた場合に作動して防犯動作を行う防犯動作手段を備えるので、該所定の操作を行うことにより防犯動作手段を作動させることができる。よって、例えば、防犯動作手段を作動させるのに必要な操作のうちアンテナの突出部の押し込み操作以外の操作も片手で容易に行うことができるような操作とすることにより、或いは、「第1押込量の押し込み操作と第2押込量の押し込み操作とを組み合わせた操作を含む所定の操作」を単に第1押込量の押し込み操作と第2押込量の押し込み操作とを組み合わせた操作とすることにより、片手で容易かつ確実に防犯機能を作動させることができる。また、通常の使用状態・携帯状態(非常事態でない場合)ではアンテナの突出部が押し込まれないような強力な付勢手段を用いることにより、通常の使用状態・携帯状態における誤動作をより好適に防止することができる。更に、通常の操作では使用することがないアンテナを防犯機能を作動させるための操作部として用いるので、通常の使用状態・携帯状態における誤動作を好適に防止することができる。
また、本発明によれば、検出手段が防犯動作用操作部の操作を所定時間以上連続して検出した後で該操作が解除された場合に作動して防犯動作を行う防犯動作手段を備えるので、防犯動作用操作部の操作を所定時間以上連続的に行った後で該操作を解除することにより防犯動作手段を作動させることができる。よって、例えば予め危険を予知できるような場合に防犯動作用操作部の操作を続けておき、万一実際に危険がせまった場合に該操作を解除することにより、片手で容易かつ確実に防犯機能を作動させることができる。また、所定時間以上連続的に防犯動作用操作部の操作を検出した後で該操作が解除された場合にのみ防犯機能が作動するので、好適に誤動作を防止することができる。
また、本発明によれば、防犯動作手段を作動停止させる作動停止手段を備える場合に、例えば、暗証番号が入力操作された場合に防犯動作手段を作動停止させる構成とすることにより、犯人による防犯機能の停止操作を困難にすることができる。
或いは、本発明によれば、防犯動作手段を作動停止させる作動停止手段を備える場合に、例えば、検出手段がアンテナの突出部の押し込み操作を所定時間以上連続して検出した場合に防犯動作手段を作動停止させる構成とすることにより、そのような操作は犯人は想到しにくいため、犯人による防犯機能の停止操作を困難にすることができる。
或いは、本発明によれば、防犯動作手段を作動停止させる作動停止手段を備える場合に、アンテナの突出部の押し込み操作を含む所定の停止操作がなされた場合に防犯動作手段を作動停止させる構成とすることにより、そのような操作は犯人は想到しにくいため、犯人による防犯機能の停止操作を困難にすることができる。
或いは、本発明によれば、防犯動作手段を作動停止させる作動停止手段を備える場合に、アンテナの突出部の第1押込量の押し込み操作と第2押込量の押し込み操作とを組み合わせた操作を含む所定の停止操作がなされた場合に防犯動作手段を作動停止させる構成とすることにより、そのような操作は犯人は想到しにくいため、犯人による防犯機能の停止操作を困難にすることができる。
或いは、本発明によれば、防犯動作手段を作動停止させるための所定の停止操作をどのような操作にするかを、使用者が任意に設定可能に構成することにより、犯人による防犯機能の停止操作を更に困難にすることができる。
また、本発明によれば、電源としての電池を脱落防止させる電池カバーを本体ケースに止着する構成とすることにより、犯人による防犯機能の停止を更に困難にすることができる。
加えて、本発明によれば、防犯動作手段の動作用に専用の防犯動作手段専用電池を備えることにより、通常使用時の電池が犯人によって外された場合にも、防犯機能の実行を継続することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態について説明する。本実施形態では、本発明に係る防犯機能付き携帯端末装置の適例としての防犯機能付き携帯電話機について説明する。
〔第1の実施形態〕
図1は本実施形態に係る防犯機能付き携帯電話機100のブロック図である。
図1に示すように、防犯機能付き携帯電話機100は、電波の送受信を行い、後述するように防犯機能を作動させるための操作部としても機能するアンテナ101と、電波の送受信を制御する送受信部102と、電話番号の入力や機能選択などの各種操作を行うための操作部108と、現在時刻やその他の各種表示を行う表示部104と、着信音や防犯用のアラーム音などの鳴動動作を行う鳴動部(つまり防犯ブザーとしても機能する)107と、電源としての電池109と、電話番号その他の各種登録情報やプログラムを記憶する記憶部106と、非常事態の際の使用者によるアンテナ101の操作を検出する非常事態検出部105と、記憶部106に記憶されたプログラムに従って各構成要素を統括制御する制御部103と、を備えて構成される。
図2は防犯機能付き携帯電話機100の外観を示す斜視図である。
図2に示すように、防犯機能付き携帯電話機100は、該防犯機能付き携帯電話機100の外形を構成する本体ケース201を備えている。
この本体ケース201内には、送受信部102、操作部108の操作を検出する検出部(図示略)、表示部104、鳴動部107、記憶部106、非常事態検出部105及び制御部103が設けられている。
ここで、鳴動部107は、その発音を本体ケース201外部に好適に到達させるため、例えば、本体ケース201に形成された複数の孔部を介して外部と連通されていることが好ましい。
また、表示部104の表示画面は本体ケース201外より視認可能に設けられ、操作部108は本体ケース201の表面に配されて該本体ケース201の外部より操作可能とされ、電池109は本体ケース201内に収納されるようになっている。
防犯機能付き携帯電話機100は、更に、本体ケース201内に収納された電池109が本体ケース201から脱落するのを防止する電池カバー202を備えている。この電池カバー202は、例えば、ネジ203などの止着部材により本体ケース201に止着されている。
また、アンテナ101の一部は、常態において本体ケース201外に突出した突出部101aとされ、残りの一部は本体ケース201内に配されている。
図3はアンテナ101の配置構造の一例を説明するための要部を示す分解正面図である。
図3に示すように、防犯機能付き携帯電話機100は、常態(図3(a)の状態に相当)においてアンテナ101の突出部101aが本体ケース201外に突出した状態となるように、アンテナ101を本体ケース201外に向けて付勢するコイルスプリング(付勢手段)602と、コイルスプリング602による付勢に抗して突出部101aが本体ケース201内に押し込み操作されたことを検出する検出スイッチ(検出手段)603と、を備えている。
ここで、本体ケース201内には、アンテナ101を該アンテナ101の軸方向に進退可能な状態で保持する枠部604が固定的に設けられている。
すなわち、枠部604には、アンテナ101が挿通される挿通孔604aが形成され、この挿通孔604a内に挿通された状態でアンテナ101はその軸方向(図3の矢印A方向及びB方向)に移動可能とされている。
ここで、アンテナ101は、枠部604の挿通孔604aよりも大径となるように該アンテナ101の軸周りに(例えば円板状に)膨出した脱落防止部605を備え、枠部604からの脱落(矢印A方向への脱落)が防止されている。
更に、アンテナ101は、突出部101aが本体ケース201内に押し込み操作された際に検出スイッチ603を押圧するスイッチ押圧部606を備えている。
なお、このスイッチ押圧部606は、本実施形態の場合、例えば、脱落防止部605と共通の部分により構成されているが、この例に限らず、スイッチ押圧部606は、脱落防止部605とは別個に構成しても良い。
また、検出スイッチ603は、例えばプッシュ型スイッチにより構成されている。
更に、コイルスプリング602は、軽い押圧力では縮まず、ある程度強い力で押圧された場合にのみ縮むような適当な強度に設定されている。
このコイルスプリング602は、アンテナ101に外挿されているとともに、該アンテナ101の先端部601(先端部601は突出部101aを含む)と枠部604との間に圧縮状態で配されている。
従って、アンテナ101の突出部101aが強い力で押し込み操作されると、突出部10aがコイルスプリング602による付勢に抗して本体ケース201内に進入するとともに、スイッチ押圧部606が検出スイッチ603を押圧するので、該検出スイッチ603がスイッチ押圧部606を検出する(図3(a)→図3(b)の動作)。
図4は非常事態検出部105の詳細を示すブロック図である。
図4に示すように、非常事態検出部105は、上記の検出スイッチ603と、該検出スイッチ603がアンテナ101の押し込みを検出した場合に起動するタイマ部202と、該タイマ部202からの通知を受けて警報起動信号204を生成し制御部103に送信する判定部203と、を備えて構成される。
本実施形態の場合、非常事態検出部105は、具体的には、例えば、アンテナ101の突出部101aの押し込み操作を所定時間内に所定回数以上検出した場合に、警報起動信号204を生成し制御部103に送信する。
ここで、防犯機能付き携帯電話機100は、非常事態検出部105が警報起動信号204を生成する条件となるアンテナ101の突出部101aの押し込み操作回数(上記所定回数)及び上記所定時間を、使用者が任意に設定する操作を行うことができるようになっている。
従って、非常事態検出部105は、予め使用者による設定操作により登録された時間内に該登録された回数以上アンテナ101の突出部101aの押し込み操作を検出した場合に、警報起動信号204を生成し制御部103に送信する。
なお、上記所定回数及び上記所定時間の設定操作は、表示部106の表示を確認しながら操作部108を操作することにより実行できるようになっている。また、それらの設定は記憶部106にて記憶保持されるようになっている。
また、使用者による上記所定回数及び上記所定時間の設定操作がなされていない場合にも防犯機能を実行可能となるように、上記所定回数及び上記所定時間は、該防犯機能付き携帯電話機100の生産時に予め登録されているものとする。
制御部103は、警報起動信号204を受信すると、防犯機能を作動する。この防犯機能としては、例えば、鳴動部107よりアラーム音を発音する機能、予め登録された通知先宛の通話を自動的に開始する機能、及び、該通知先宛の電子メール送信を自動的に行う機能などが含まれる。ここで、これら通知先についても、使用者が任意に設定操作することにより、記憶部106に記憶保持させることができるようになっている。
また、防犯機能(例えば防犯ブザーの鳴動動作)の停止操作は、例えば、操作部108を操作して暗証番号を入力することによりなされるようになっている。この暗証番号も、使用者が任意に設定する操作を行うことができるようになっている。
次に、防犯機能付き携帯電話機100の動作を説明する。
図5は防犯機能付き携帯電話機100の主要な制御を示すフローチャートである。
図5に示すように、先ず、非常事態検出部105が、アンテナ101の突出部101aの押し込み操作がなされたか否かを判定する(ステップS1)。すなわち、具体的には、例えば、非常事態検出部105のタイマ部202が、検出スイッチ603がアンテナ101の押し込みを検出したか否かを判定する。このステップS1は、検出スイッチ603がアンテナ101の押し込みを検出するまで繰り返し行われる。
検出スイッチ603がアンテナ101の押し込みを検出すると(ステップS1のYES)、つまり検出スイッチ603が導通状態となると、タイマ部202が起動し、予め設定された所定時間(例えば2秒)の計時を開始するととともに、タイマ部202が起動したことを判定部203に通知する(ステップS2)。
その後、タイマ部202による計時がタイムアウトしたか否かの判定(ステップS3)を行いながら、再度アンテナ101の突出部101aが押し込まれたか否かの判定を行い(ステップS4)、タイムアウトする前に再度押し込み操作がなされた場合(ステップS4のYES)のみタイマ部202が再び判定部203への通知を行う。
判定部203では、警報起動信号204を生成条件が成立したか否か、すなわち、本実施形態の例では、2秒以内にアンテナ101が2回以上押し込まれたか否かを判定し、条件が成立している場合には警報起動信号204を制御部103に送信する。なお、この警報起動信号204は、例えば割り込み信号として制御部103に通知することが挙げられる。制御部103では警報作動信号204を検出した場合に防犯機能を作動開始する(ステップS5)。
防犯機能の具体的な動作例としては、例えば、防犯用ブザーとして最大音量にて鳴動部107より防犯アラーム音を鳴動させることにより、犯人を動揺させると共に周囲に非常事態を通知して助けを求めることができるようになっている。
加えて、予め操作部108から非常時の通知先の電話番号、例えば110番や自宅の電話番号を入力しておき、記憶部106に保存しておけば、制御部103は送受信部102を制御して非常時の通知先宛に自動発呼して通知することができる。この際、通知先の電話口では防犯ブザーの鳴動や使用者の悲鳴などが聞こえるため、該通知先の電話に出た人は非常事態を認識することができる。
ここで、この通話の際には、防犯機能付き携帯電話機100の位置情報の通知も併せて行うことが好ましい。具体的には、例えば、防犯機能付き携帯電話機100にGPS(Global Positioning System)機能を搭載しておき、該GPS機能により取得される当該防犯機能付き携帯電話機100の位置情報を、例えば音声により通知することが挙げられる。
また、メール機能を有している携帯電話機の場合には、予め登録しておいたメールアドレス宛への自動的なメール発信により、例えば定形の“HELP”や“助けて”のメッセージを通知する。
この通知の際にも、防犯機能付き携帯電話機100の位置情報の通知を併せて行うことが好ましい。この場合、送信する電子メールに位置情報を文字データとして添付すれば良い。
逆に、防犯機能を停止する場合は、容易に停止できては犯人に止められてしまう可能性があるため、予め登録された所定の暗証番号を操作部108の操作により入力する停止操作が行われたか否かを判定(ステップS6)し、所定の停止操作が行われた場合のみ防犯機能動作を停止する(ステップS7)。
以上のような第1の実施形態によれば、アンテナ101の突起部101aの押し込み操作することにより防犯機能を作動させることができるので、とっさの場合でも片手で容易かつ短時間に、確実に防犯機能を作動させることができる。
また、防犯機能付き携帯電話機100が鞄やポケットの中にある状態であっても、手探りで容易にアンテナ101の突出部101aを操作することができる。
また、通常の操作では使用することがないアンテナ101を防犯機能を作動させるための操作部として用いるので、通常の使用状態・携帯状態における誤動作を好適に防止することができる。
更に、通常の使用状態・携帯状態(非常事態でない場合)ではアンテナ101が押し込まれないような強力なコイルスプリング602を用いることにより、通常の使用状態・携帯状態における誤動作をより好適に防止することができる。
加えて、予め設定した所定の時間(例えば2秒)内に所定回数(例えば2回)以上アンテナ101の押し込み操作を検出した場合にのみ防犯機能が作動するので、より確実に誤動作を防止することができる。
また、携帯電話機100に本来備わっているアンテナ101を防犯機能を作動させるための操作部として用いるので、携帯電話機100に防犯機能を作動させるための専用の操作部を設ける必要がない。よって、携帯電話機100の外観・デザインを変更する必要がない。
また、容易に電池が外れないよう電池カバー202をネジ固定式としているので、防犯ブザーの鳴動時に犯人により電池109が外されて防犯動作が停止してしまう可能性を低減することができる。
また、防犯機能を停止させる操作としては、例えば、暗証番号の入力を適用しているので、犯人は容易に防犯機能を停止することができない。
なお、上記の第1の実施形態においては、検出スイッチ603がアンテナ101の突出部101aの押し込み操作を所定時間内に所定回数以上検出した場合に防犯機能が作動する例を説明したが、防犯機能を作動させるための操作はこの例に限らない。
例えば、アンテナ101の突出部101aの押し込み操作を所定時間以上連続的に行った後で該押し込み操作が解除された場合に防犯機能が作動するようにしても良い。この場合、例えば予め危険を予知できるような場合にアンテナ101の突出部101aの押し込み操作を続けておき、万一実際に危険がせまった場合に該押し込み操作を解除することにより、片手で容易かつ確実に防犯機能を作動させることができる。なお、この場合、検出スイッチ603がアンテナ101の突出部101aの押し込み操作を所定時間以上連続して検出した場合であっても、該押し込み操作が解除される前に所定の停止操作(例えば、終話ボタンを押しながら該押し込み操作を解除するなど)が行われた場合には、防犯機能は作動しないように構成することが好ましく、このようにすることにより、結果的に防犯機能を作動させる必要がなかった場合には防犯機能を作動させずに済む。
或いは、アンテナ101の突出部101aの押し込み操作を含む所定の操作(例えば、アンテナ101の突出部101aの押し込み操作を行った後で特定の操作ボタンを押すという操作、或いは、特定の操作ボタンを押した後でアンテナ101の突出部101aを押し込み操作するという操作など)がなされた場合に防犯機能が作動するようにしても良い。
或いは、単にアンテナ101の突出部101aの押し込み操作を1回だけ行うことにより防犯機能が作動するようにしても良い。
〔第2の実施形態〕
図6は第2の実施形態に係る防犯機能付き携帯電話機400を示す模式的な側面断面図である。
第2の実施形態に係る防犯機能付き携帯電話機400は、以下に説明する点でのみ第1の実施形態に係る防犯機能付き携帯電話機100と異なり、その他の点では第1の実施形態に係る防犯機能付き携帯電話機100と同様に構成されている。
従って、以下では、防犯機能付き携帯電話機400において、防犯機能付き携帯電話機100におけるのと同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
第2の実施形態に係る防犯機能付き携帯電話機400において、第1の実施形態に係る防犯機能付き携帯電話機100と相違するのは、アンテナ101の構造、非常事態検出部105の構造、及び、非常事態検出部105の検出動作である。
図6に示すように、第2の実施形態に係る防犯機能付き携帯電話機400のアンテナ101は、表面が導電性の導電部101bと、表面が非導電性の非導電部101cと、を備えて構成されている。
なお、第2の実施形態に係る防犯機能付き携帯電話機400においても、第1の実施形態に係る防犯機能付き携帯電話機100におけるのと同様に、常態(図6(a)の状態に相当)においてアンテナ101の突出部101aが本体ケース201外に突出した状態となるように、該アンテナ101はコイルスプリング602により付勢されており、このコイルスプリング602(図6では図示略)の付勢に抗してアンテナ101の突出部101aを本体ケース201内に押し込み操作することが可能とされている。
また、図6に示すように、第2の実施形態に係る防犯機能付き携帯電話機400の非常事態検出部105は、検出スイッチ603(図3及び図4)に代えて、第1接点401、第2接点402及び第3接点403を備えている。
このうち、第1及び第2接点401,402は、コイルスプリング602による付勢に抗してアンテナ101の突出部101aが本体ケース201内に第1押込量だけ押し込み操作された際(図6(b)の状態時)に相互に導通される。すなわち、第1及び第2接点401,402は、このように相互に導通状態となることによりアンテナ101の突出部101aが本体ケース201内に第1押込量だけ押し込み操作されたことを検出する第1検出手段を構成している。
また、第2接点402及び第3接点403は、コイルスプリング602による付勢に抗してアンテナ101の突出部101aが本体ケース201内に第1押込量よりも多い第2押込量だけ押し込み操作された際(図6(c)の状態時)に相互に導通される。すなわち、第2及び第3接点402,403は、このように相互に導通状態となることによりアンテナ101の突出部101aが本体ケース201内に第2押込量だけ押し込み操作されたことを検出する第2検出手段を構成している。
なお、第2押込量は、例えば、アンテナ101の突出部101aを最深部まで押し込んだ量に相当し、第1押込量は、例えば、第2押込量の半分程度の押し込み量であるものとする。
ここで、図6においては、便宜的に、本体ケース201からのアンテナ101の突出量が誇張されているが、この突出量は適宜に設定し得る値であることは勿論である。
図7は、第2の実施形態に係る防犯機能付き携帯電話機400の非常事態検出部105を示すブロック図である。
非常事態検出部105のタイマ部202は、第1検出手段(第1及び第2接点401,402)による検出状態の継続時間を計時する。
また、判定部203は、タイマ部202により所定時間(例えば、15秒。ただし、上記第1の実施形態におけるのと同様に、この所定時間は使用者が任意に設定することが可能となっている)以上の継続時間が計時された後で第2検出手段(第2及び第3接点402,403)により第2押込量の押し込み操作が検出された場合に、警報起動信号204を生成し制御部103に送信する。
この警報起動信号204により、制御部103は、上記第1の実施形態の場合と同様に動作し、防犯動作を行う。
以上のような第2の実施形態によれば、アンテナ101の突出部101aを第1押込量だけ押し込む操作を所定時間だけ継続した後でアンテナ101の突出部101aを第2押込量だけ押し込む操作を行うことにより防犯機能を作動させることができる。よって、例えば予め危険を予知できるような場合に第1押込量の押し込み操作を続けておき、万一実際に危険がせまった場合に第2押込量の操作を行うことにより、片手で容易かつ確実に防犯機能を作動させることができる。
また、防犯機能付き携帯電話機400が鞄やポケットの中にある状態であっても、手探りで容易にアンテナ101の突出部101aを操作することができる。
また、アンテナ101の突出部101aを第1押込量だけ押し込む操作の継続時間が所定時間以上となった後でアンテナ101の突出部101aを第2押込量だけ押し込む操作が検出された場合にのみ防犯機能が作動するので、好適に誤動作を防止することができる。
更に、通常の使用状態・携帯状態(非常事態でない場合)ではアンテナ101が押し込まれないような強力なコイルスプリング602を用いることにより、通常の使用状態・携帯状態における誤動作をより好適に防止することができる。
また、通常の操作では使用することがないアンテナ101を防犯機能を作動させるための操作部として用いるので、通常の使用状態・携帯状態における誤動作を好適に防止することができる。
また、携帯電話機400に本来備わっているアンテナ101を防犯機能を作動させるための操作部として用いるので、防犯機能を作動させるための専用の操作部を携帯電話機400に新たに設ける必要がない。よって、携帯電話機400の外観・デザインを変更する必要がない。
また、容易に電池が外れないよう電池カバー202をネジ固定式としているので、防犯ブザーの鳴動時に犯人により電池109が外されて防犯動作が停止してしまう可能性を低減することができる。
また、防犯機能を停止させる操作としては、例えば、暗証番号の入力を適用しているので、犯人は容易に防犯機能を停止することができない。
なお、上記の第2の実施形態においては、アンテナ101の突出部101aを第1押込量だけ押し込む操作を所定時間だけ継続した後でアンテナ101の突出部101aを第2押込量だけ押し込む操作がなされた場合に防犯機能が作動する例を説明したが、防犯機能を作動させるための操作はこの例に限らない。
例えば、アンテナ101の突出部101aを第1押込量だけ押し込む操作を所定時間以上継続させた後で該押し込み操作を解除するという第1操作か、アンテナ101の突出部101aを第2押込量だけ押し込むという第2操作か、の何れかの操作がなされた場合に防犯機能が作動するようにしても良い。この場合、例えば予め危険を予知できるような場合に第1押込量の押し込み操作を続けておき、万一実際に危険がせまった場合に該押し込み操作を解除することにより、片手で容易かつ確実に防犯機能を作動させることができる。或いは、とっさの場合には第2操作を行うだけでも、片手で容易かつ確実に防犯機能を作動させることができる。なお、この場合、アンテナ101の突出部101aを第1押込量だけ押し込む操作が所定時間以上継続した場合であっても、該押し込み操作が解除される前に所定の停止操作(例えば、終話ボタンを押しながら該押し込み操作を解除するなど)が行われた場合には、防犯機能は作動しないように構成することが好ましく、このようにすることにより、結果的に防犯機能を作動させる必要がなかった場合には防犯機能を作動させずに済む。
或いは、アンテナ101の突出部101aを第1押込量だけ押し込む操作と第2押込量だけ押し込む操作とを組み合わせた操作を含む所定の操作(例えば、アンテナ101の突出部101aを第1押込量だけ押し込む操作と第2押込量だけ押し込む操作と特定の操作ボタンの操作とを組み合わせた操作など)がなされた場合に防犯機能が作動するようにしても良い。
或いは、単にアンテナ101の突出部101aを第1押込量だけ押し込む操作と第2押込量だけ押し込む操作とを組み合わせた操作を行うことにより防犯機能が作動するようにしても良い。
また、上記の第2の実施形態においては、1つの接点(第2接点402)を第1及び第2検出手段に共通使用する構成とすることにより、3つの接点(第1〜第3接点401〜403)により第1押込量の押し込み操作と第2押込量の押し込み操作を検出する例を説明したが、第1及び第2検出手段にそれぞれ別個に1対ずつの接点を設け、この4つの接点を用いて第1押込量の押し込み操作と第2押込量の押し込み操作を検出するようにしても良い。
或いは、第1〜第3接点401〜403に代えて、第2接点402の位置に配された第1検出スイッチと、第3接点403の位置に配された第2検出スイッチを、を設け、このうち第1検出スイッチによりアンテナ101の先端位置を検出することにより第1押込量の押し込み操作を検出する一方で、第2検出スイッチによりアンテナ101の先端位置を検出することにより第2押込量の押し込み操作を検出するようにしても良い。
〔第3の実施形態〕
図8は第3の実施形態に係る防犯機能付き携帯電話機の非常事態検出部105を示すブロック図である。
第3の実施形態に係る防犯機能付き携帯電話機は、以下に説明する点でのみ第1の実施形態に係る防犯機能付き携帯電話機100と異なり、その他の点では第1の実施形態に係る防犯機能付き携帯電話機100と同様に構成されている。
従って、以下では、第3の実施形態に係る防犯機能付き携帯電話機において、防犯機能付き携帯電話機100におけるのと同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態の場合、図8に示すように、防犯機能を作動させるための操作を、操作部108に含まれる特定の操作ボタン(防犯動作用操作部)501の操作により行う例を説明する。従って、本実施形態は、アンテナ部101が本体ケース201より突出していない構成の携帯電話機にも適用することができる。
本実施形態の場合、タイマ部202は、操作ボタン501が操作されたことをその検出スイッチ502が検出している状態の継続時間を計時する。
そして、タイマ部202は、その計時結果が予め設定した所定時間以上となった場合に、その旨を判定部203に通知する。なお、ここでの所定時間も、上記の各実施形態の場合と同様に、使用者が任意に設定することが可能となっている。
更に、上記所定時間の経過後に操作ボタン501の操作が解除された場合に、判定部503が警報起動信号204を生成し制御部103に送信する。
なお、検出スイッチ502が操作ボタン501の操作を上記所定時間以上連続して検出した場合であっても、該操作が解除される前に所定の停止操作(例えば、終話ボタンを押しながら該押し込み操作を解除するなど)が行われた場合には、防犯機能は作動しないように構成されている。
以上のような第3の実施形態によれば、予め危険を予知できるような場合に操作ボタン501の操作を続けておき、万一実際に危険がせまった場合に該操作を解除することにより、片手で容易かつ確実に防犯機能を作動させることができる。また、所定時間以上連続的に操作ボタン501の操作を検出した後で該操作が解除された場合にのみ防犯機能が作動するので、好適に誤動作を防止することができる。
なお、上記の各実施形態では、防犯機能として、防犯ブザーの鳴動、自動発呼による通話及びメール送信を行う例を説明したが、例えば、犯人に気づかれてしまう防犯ブザーの鳴動は行わずに、自動発呼による通話もしくはメール送信のみを行うことにより、犯人に気づかれないように非常事態の通知を行うようにしても良い。
更に、上記の各実施形態では、防犯機能として実行する動作の種類が予め定められている例を説明したが、防犯機能として実行する動作の種類を使用者が任意に設定(選択)することが可能に構成しても良い。すなわち、例えば、防犯ブザーの鳴動、自動発呼による通話及びメール送信の3種類の防犯機能のうち、予め使用者の任意により設定された何れか1つ又は複数の機能のみを、防犯機能を作動させるための所定の操作が行われた場合に実行するようにしても良い。
また、例えば、上記第1又は第2の実施形態と、上記第3の実施形態と、の構成を組み合わせることにより、以下に説明するような機能を実現することもできる。
例えば、第1又は第2の実施形態で説明したようなアンテナ101の操作に基づき防犯機能を作動させた場合には、上記のように防犯ブザーの鳴動、自動発呼による通話及びメール送信を行う一方で、第3の実施形態で説明したような操作ボタン501の操作に基づき防犯機能を作動させた場合には、防犯ブザーの鳴動は行わず自動発呼による通話もしくはメール送信のみを行うようにすることができる。すなわち、防犯動作手段は、少なくとも第1及び第2の2種類の防犯動作を実行可能に構成されているとともに、このうち第1の防犯動作(例えば、防犯ブザーの鳴動、自動発呼による通話及びメール送信)はアンテナ101の突出部101aの押し込み操作に基づき実行され、第2の防犯動作(例えば、防犯ブザーの鳴動は行わず自動発呼による通話もしくはメール送信のみ)はアンテナ101以外の操作部(例えば、操作ボタン501)の操作に基づき実行されるように構成することができる。このように構成した場合、例えば、周囲に人がいない場合や直接の危害がないような状況では、第2の防犯動作を行うことにより犯人に気づかれないように非常事態の通知を行うことができる一方で、周囲の人に助けを求める場合には第1の防犯動作を行うといったように、状況に合わせて防犯動作を選択することができる。
また、上記の各実施形態では、防犯機能を停止させるための操作として、暗証番号入力を例示したが、防犯機能を停止させるための操作はこの例に限らない。
例えば、上記の第1の実施形態の場合には、アンテナ101の突出部101aの押し込み操作を所定時間(予め定められた時間、或いは、使用者の任意により設定された時間)以上連続して検出した場合に防犯機能を停止させるようにしても良い。
或いは、上記の第1の実施形態の場合には、アンテナ101の突出部101aの押し込み操作を含む所定の停止操作(例えば、アンテナ101の突出部101aの押し込み操作を行った後で特定の操作ボタンを押すという操作、或いは、特定の操作ボタンを押した後でアンテナ101の突出部101aを押し込み操作するという操作など)がなされた場合に防犯機能を停止させるようにしても良い。
また、上記の第2の実施形態の場合における防犯機能の停止は、例えば、アンテナ101の突出部101aを第1押込量だけ押し込む操作と第2押込量だけ押し込み操作とを組み合わせた操作を含む所定の停止操作がなされた場合に行うようにしても良い。ここでの所定の停止操作は、単にアンテナ101の突出部101aを第1押込量だけ押し込む操作と第2押込量だけ押し込み操作とを組み合わせた操作であっても良いし、或いは、この組み合わせの操作に他の操作(例えば、特定の操作ボタンの操作)を付加した操作であっても良い。
また、上記の第3の実施形態の場合における防犯機能の停止は、例えば、操作ボタン501が所定時間(予め定められた時間、或いは、使用者の任意により設定された時間)以上連続して操作された場合に行うようにしても良い。
更に、防犯機能を停止させるための所定の停止操作(どの操作ボタンを操作するかなど)を使用者が任意に設定することが可能に構成しても良い。すなわち、使用者が独自に考え設定した操作がなされない限り、防犯機能が停止されない構成とすることによって、犯人による防犯機能の停止操作をより好適に防止することが可能となる。
また、上記の各実施形態においては、電池カバー202をネジ止めにし、電池を外しにくい構成とすることにより犯人による防犯機能の停止を防止可能とする例を説明したが、防犯機能の動作用に専用の第2の電池を備えることにより防犯機能の停止を防止可能としても良い。すなわち、通常の使用状態での電源として機能し着脱可能な第1の電池(図1の電池109に相当)とは別個に、着脱不能に本体ケース201に内蔵され、防犯機能の動作用に専用の第2の電池(図示略)を備えることとしても良い。
更に、上記の各実施形態では、図2に示すようにストレート型の携帯電話機に本発明を適用した例を説明したが、例えば図9に示すように折りたたみ型の携帯電話機に本発明を適用しても同様の効果が得られる。また、アンテナは、伸張可能なものであっても長さ(通常使用時のアンテナの長さ)が固定のものであっても良い(例えば、図3の例ではアンテナ101の長さが固定)。
また、上記の各実施形態では、本発明に係る防犯機能付き携帯端末装置の好適な一例としての防犯機能付き携帯電話機についてのみ説明したが、本発明はこの例に限らず、例えば、PHS、携帯型情報通信端末(PDA)或いはその他の携帯端末装置にも同様に適用可能である。