JP2005352273A - 撮像光学系 - Google Patents
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Abstract
【課題】 より高精細な撮像素子に対応可能な高性能を有するとともにレンズ全長のコンパクトな撮像光学系を提供する。
【解決手段】 撮像素子SRの受光面上に物体の光学像を形成するための撮像光学系であって、2つ以上の反射透過面を有し、条件式:-0.15<LN/f<1.0(LN:最も物体側のレンズ面S1から開口絞りST位置までの軸上距離(物体側を負とする。)、f:全系の焦点距離)を満たす。
【選択図】 図1
【解決手段】 撮像素子SRの受光面上に物体の光学像を形成するための撮像光学系であって、2つ以上の反射透過面を有し、条件式:-0.15<LN/f<1.0(LN:最も物体側のレンズ面S1から開口絞りST位置までの軸上距離(物体側を負とする。)、f:全系の焦点距離)を満たす。
【選択図】 図1
Description
本発明は撮像光学系に関するものであり、例えば、被写体の映像を撮像素子で取り込む画像入力機能付きデジタル機器に適した、高性能でコンパクトな撮像光学系に関するものである。
反射透過面は光学系のコンパクト化に有効であり、従来より様々なタイプの光学系に利用されている。そのなかでも、撮像光学系として使用可能なものが特許文献1,2で提案されている。
特開平8−110492号公報
特開平8−122642号公報
特許文献1,2に記載されている光学系は、観察光学系にも対応した構成になっている。このため撮像光学系として使用する場合には、入射瞳位置が物体側に大きく離れた構成になり、結果としてレンズ全長は大きくなっている。また、光学性能も数百万画素級の撮像素子に利用するには不十分なものとなっている。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、より高精細な撮像素子に対応可能な高性能を有するとともにレンズ全長のコンパクトな撮像光学系を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明の撮像光学系は、撮像素子の受光面上に物体の光学像を形成するための撮像光学系であって、2つ以上の反射透過面を有し、以下の条件式(1)を満たすことを特徴とする。
-0.15<LN/f<1.0 …(1)
ただし、
LN:最も物体側のレンズ面から開口絞り位置までの軸上距離(物体側を負とする。)、
f:全系の焦点距離、
である。
-0.15<LN/f<1.0 …(1)
ただし、
LN:最も物体側のレンズ面から開口絞り位置までの軸上距離(物体側を負とする。)、
f:全系の焦点距離、
である。
第2の発明の撮像光学系は、上記第1の発明において、前記反射透過面が、シート状偏光ビームスプリッター,コレステリック液晶又はハーフミラーから成ることを特徴とする。
第3の発明の撮像光学系は、上記第1又は第2の発明において、さらに2回以上光が通過する接合面を有することを特徴とする。
第4の発明の撮像光学系は、上記第1〜第3のいずれか1つの発明において、光学系全体として共軸であることを特徴とする。
本発明によれば、2つ以上の反射透過面の利用によりレンズ全長のコンパクト化を達成しながら、開口絞り位置の適切な配置により高精細な撮像素子に対応可能な高性能化を達成することができる。そして、本発明に係る撮像光学系をデジタルカメラ,携帯情報端末等の機器に用いれば、これらの機器の高性能化,高機能化,コンパクト化,低コスト化等に寄与することができる。
以下、本発明に係る撮像光学系の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図1〜図10に、第1〜第10の実施の形態のレンズ構成をそれぞれ光学断面で示す。図1〜図10中、Si(i=1,2,3,...)が付された面は物体側から数えてi番目の面(Siに*印が付された面は非球面)であり、Lj(j=1,2,3)が付されたレンズは物体側から数えてj番目の第jレンズである。
各実施の形態の撮像光学系はいずれも、撮像素子{例えば、CCD(Charge Coupled Device)等の固体撮像素子}SRの受光面上に物体(すなわち被写体)の光学像(IM:像面)を形成するための小型単焦点レンズであり、形成された光学像は撮像素子SRによって電気的な信号に変換される。撮像光学系の像面IM側に配置されている平行平面板PTは、撮像素子SRのカバーガラスに相当し、さらに必要に応じて光学フィルター(例えば、光学的ローパスフィルター,赤外カットフィルター)等が撮像光学系の像面IM側に配置される。
第1〜第7,第9,第10の実施の形態の撮像光学系は、第1レンズL1,第2レンズL2及び第3レンズL3から成るレンズ3枚構成になっており、第8の実施の形態の撮像光学系は、第1レンズL1及び第2レンズL2から成るレンズ2枚構成になっている。また、第1〜第6,第8〜第10の実施の形態では、第1レンズL1と第2レンズL2との間に開口絞りSTが配置されており、第7の実施の形態では、最も物体側に開口絞りSTが配置されている。
各実施の形態のレンズ構成を更に詳しく説明する。第1の実施の形態(図1)の撮像光学系は、物体側から順に、正パワー(パワー:焦点距離の逆数で定義される量)の第1レンズL1(両面が非球面)と、開口絞りSTと、物体側面が平面の第2レンズL2(両面が反射透過面R1,R2、像側面が非球面)と、第3レンズL3(両面が非球面)と、で構成されている。第2の実施の形態(図2)の撮像光学系は、物体側から順に、正パワーの第1レンズL1(両面が非球面)と、開口絞りSTと、両凹の第2レンズL2(像側面が反射透過面R1、両面が非球面)と、物体側面が平面の第3レンズL3(物体側面が反射透過面R2、像側面が非球面)と、で構成されている。第3の実施の形態(図3)の撮像光学系は、物体側から順に、正パワーの第1レンズL1(両面が非球面)と、開口絞りSTと、像側面が平面の第2レンズL2(像側面が反射透過面R1、物体側面が非球面)と、第3レンズL3(物体側面が反射透過面R2、両面が非球面)と、で構成されている。
第4の実施の形態(図4)の撮像光学系は、物体側から順に、正パワーの第1レンズL1(両面が非球面)と、開口絞りSTと、物体側面が平面の第2レンズL2(物体側面が反射透過面R1、像側面が非球面)及び第3レンズL3(像側面が反射透過面R2、両面が非球面)から成る、接合面が物体側に凸の接合レンズと、で構成されている。第5の実施の形態(図5)の撮像光学系は、物体側から順に、正パワーの第1レンズL1(両面が非球面)と、開口絞りSTと、第2レンズL2(物体側面が反射透過面R1、両面が非球面)及び第3レンズL3(像側面が反射透過面R2、両面が非球面)から成る、接合面が物体側に凸の接合レンズと、で構成されている。
第6の実施の形態(図6)の撮像光学系は、物体側から順に、正パワーの第1レンズL1(両面が非球面)と、開口絞りSTと、第2レンズL2(物体側面が反射透過面R1、像側面が非球面)及び第3レンズL3(像側面が反射透過面R2、両面が非球面)から成る、接合面が物体側に凹の接合レンズと、で構成されている。第7の実施の形態(図7)の撮像光学系は、物体側から順に、開口絞りSTと、正パワーの第1レンズL1(両面が非球面)と、物体側面が平面の第2レンズL2(物体側面が反射透過面R1、像側面が非球面)及び第3レンズL3(像側面が反射透過面R2、両面が非球面)から成る、接合面が物体側に凹の接合レンズと、で構成されている。
第8の実施の形態(図8)の撮像光学系は、物体側から順に、正パワーの第1レンズL1(両面が非球面)と、開口絞りSTと、物体側面が平面の第2レンズL2(両面が反射透過面R1,R2、像側面が非球面)と、で構成されている。第9の実施の形態(図9)の撮像光学系は、物体側から順に、正パワーの第1レンズL1(両面が非球面)と、開口絞りSTと、第2レンズL2(物体側面が反射透過面R1、両面が非球面)及び第3レンズL3(像側面が反射透過面R2、物体側面が非球面)から成る、接合面が物体側に凸の接合レンズと、で構成されている。第10の実施の形態(図10)の撮像光学系は、物体側から順に、正パワーの第1レンズL1(両面が非球面)と、開口絞りSTと、第2レンズL2(物体側面が反射透過面R1、両面が非球面)及び第3レンズL3(像側面が反射透過面R2、物体側面が非球面)から成る、接合面が物体側に凹の接合レンズと、で構成されている。
上記のように各実施の形態では、反射透過面R1,R2の利用によりレンズ全長のコンパクト化を達成しながら、開口絞りST位置の適切な配置により高精細な撮像素子SRに対応可能な高性能化を達成している。このような効果をバランス良く得るとともに高い光学性能等を達成するために、撮像光学系は2つ以上の反射透過面を有するとともに以下の条件式(1)を満たすことが望ましい。
-0.15<LN/f<1.0 …(1)
ただし、
LN:最も物体側のレンズ面から開口絞り位置までの軸上距離(物体側を負とする。)、
f:全系の焦点距離、
である。
-0.15<LN/f<1.0 …(1)
ただし、
LN:最も物体側のレンズ面から開口絞り位置までの軸上距離(物体側を負とする。)、
f:全系の焦点距離、
である。
条件式(1)は、適切な開口絞り位置に関して好ましい条件範囲を規定している。条件式(1)の下限を越えると、最も物体側のレンズ面から開口絞りまでの距離が大きすぎて、開口絞りを含めた撮像光学系の全長が大きくなってしまう。逆に、条件式(1)の上限を越えると、入射瞳が撮像素子に近づいて、撮像素子周辺への光線の入射角度が大きくなる。その結果、撮像素子上のマイクロレンズでケラレが発生して、撮像素子の影響も含めた周辺照度落ちが大きくなりすぎてしまう。
以下の条件式(1a)を満足することが更に望ましい。
-0.05<LN/f<0.5 …(1a)
この条件式(1a)は、上記条件式(1)が規定している条件範囲のなかでも、上記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。
-0.05<LN/f<0.5 …(1a)
この条件式(1a)は、上記条件式(1)が規定している条件範囲のなかでも、上記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。
各実施の形態において反射透過面R1,R2を構成する光学部材としては、シート状偏光ビームスプリッター,コレステリック液晶,ハーフミラー等が挙げられる。シート状偏光ビームスプリッターは、特定の直線偏光を透過させるとともにその直線偏光に対して振動面が垂直な直線偏光を反射させる直線偏光選択光学素子である。シート状偏光ビームスプリッターの具体例としては、例えば住友スリーエム(株)製のDBEF(商品名)が挙げられる。コレステリック液晶は、特定の円偏光を透過させるとともにその円偏光に対して振動面が逆回りの円偏光を反射させる円偏光選択光学素子である。ハーフミラーは、入射光を所定の光量割合(例えば50:50)で透過光と反射光とに分離する光学素子である。
シート状偏光ビームスプリッターとハーフミラーとで2つの反射透過面を構成する場合、図21に示すように、物体側から、第1の偏光板P1と、第1の1/4波長板Q1と、第1の反射透過面R1を構成するハーフミラーHMと、第2の1/4波長板Q2と、第2の反射透過面R2を構成するシート状偏光ビームスプリッターRT1と、第2の偏光板P2と、を撮像光学系に含む構成にすることが好ましい。物体からのランダム光が第1の偏光板P1に入射すると、そのうちの縦偏光のみが第1の偏光板P1を透過する。その縦偏光は第1の1/4波長板Q1で右回りに円偏光化され、右回りの円偏光はハーフミラーHMを透過した後、第2の1/4波長板Q2で縦偏光化される。第2の1/4波長板Q2から射出した縦偏光は、シート状偏光ビームスプリッターRT1で反射された後、第2の1/4波長板Q2に再入射して、再び右回りに円偏光化される。第2の1/4波長板Q2から射出した右回りの円偏光は、ハーフミラーHMで反射されることにより左回りの円偏光となり、第2の1/4波長板Q2で横偏光化される。その横偏光はシート状偏光ビームスプリッターRT1を透過した後、第2の偏光板P2を透過する。そして、撮像素子SR(図1〜図10)の受光面上で結像する。なお、シート状偏光ビームスプリッターRT1で反射される際の不要な漏れ光は第2の偏光板P2で吸収される。
コレステリック液晶とハーフミラーとで2つの反射透過面を構成する場合、図22に示すように、物体側から、第1の偏光板P1と、第1の1/4波長板Q1と、第1の反射透過面R1を構成するハーフミラーHMと、第2の反射透過面R2を構成するコレステリック液晶RT2と、第2の1/4波長板Q2と、第2の偏光板P2と、を撮像光学系に含む構成にすることが好ましい。物体からのランダム光が第1の偏光板P1に入射すると、そのうちの縦偏光のみが第1の偏光板P1を透過する。その縦偏光は第1の1/4波長板Q1で右回りに円偏光化され、右回りの円偏光はハーフミラーHMを透過した後、コレステリック液晶RT2で反射される。コレステリック液晶RT2で反射された右回りの円偏光は、ハーフミラーHMで反射されることにより左回りの円偏光となり、コレステリック液晶RT2を透過する。コレステリック液晶RT2を透過した左回りの円偏光は、第2の1/4波長板Q2で横偏光化される。その横偏光は第2の偏光板P2を透過した後、撮像素子SR(図1〜図10)の受光面上で結像する。なお、コレステリック液晶RT2で反射される際の不要な漏れ光は、第2の1/4波長板Q2で縦偏光化された後、第2の偏光板P2で吸収される。
上述したように、物体側から、偏光板と、1/4波長板と、反射透過面を構成するハーフミラーと、1/4波長板と、反射透過面を構成するシート状偏光ビームスプリッターと、を含む構成にすることが望ましく、あるいは、物体側から、偏光板と、1/4波長板と、反射透過面を構成するハーフミラーと、反射透過面を構成するコレステリック液晶と、を含む構成にすることが望ましい。この構成を採用することで、2つの反射透過面が共にハーフミラーで構成されている場合と比較すると、その光量は2倍になり、ハーフミラーを透過するゴースト光の除去も可能となる。さらに、シート状偏光ビームスプリッターを用いた構成では撮像素子側に偏光板を追加することが望ましく、コレステリック液晶を用いた構成では1/4波長板と偏光板を追加することが望ましい。この構成を採用することで、シート状偏光ビームスプリッターやコレステリック液晶でカットできなかった不要光を偏光板でカットすることが可能となる。したがって、ゴーストやフレアを防止することができる。
さらに、シート状偏光ビームスプリッター又はコレステリック液晶で構成する反射透過面は平面であることが望ましい(例えば、第2,第9,第10の実施の形態)。この構成を採用することで、シート状偏光ビームスプリッターを光学素子に貼り付ける構成やコレステリック液晶をシート状に製造して光学素子に貼り付ける構成にすることが可能となる。シート状偏光ビームスプリッター又はシート化したコレステリック液晶は低コストでの製造が可能であるため、撮像光学系の低コスト化が可能となる。
2つの反射透過面のうち、物体側の反射透過面をハーフミラーで構成し、像側の反射透過面をシート状偏光ビームスプリッター又はコレステリック液晶で構成し、ハーフミラーとシート状偏光ビームスプリッター又はコレステリック液晶との間に1/4波長板を配置することが望ましい。この構成を採用することで、2つの反射透過面が共にハーフミラーで構成されている場合と比較すると、その光量は2倍になり、ハーフミラーで反射するゴースト光の除去も可能となる。
第4〜第7,第9,第10の実施の形態では、第2レンズL2と第3レンズL3とで接合レンズを構成している。したがって、その接合面を光が3回通過することになる。このように、2つの反射透過面の間に光学面を配置することが好ましく、また、2回以上光が通過する接合面を撮像光学系に有することが好ましい。このような構成を採用することにより、少ない光学部品で実効的に光が通過する光学面を増加させることができる。したがって、色収差補正と単色の収差補正を効果的に行って高い光学性能を得ることが可能となり、接合することで撮像光学系全体の厚みをより一層減らすことが可能となる。
各実施の形態のように、撮像光学系は光学系全体として共軸であることが好ましい。撮像光学系全体を共軸とすることにより、光学部品の製造が簡単になり、部品コストの低減も可能となる。さらに、光学部品や撮像光学系全体の評価も簡単になって更にコスト低減が可能となる。
撮像光学系中の2つ以上の反射透過面のうち最も撮像素子に近い反射透過面では、その反射作用によるパワーに関して、以下の条件式(2)を満たすことが望ましい。
-0.1<−Pr×f<0.9 …(2)
ただし、
Pr:最も撮像素子に近い反射透過面の反射作用によるパワー、
f:全系の焦点距離、
である。
-0.1<−Pr×f<0.9 …(2)
ただし、
Pr:最も撮像素子に近い反射透過面の反射作用によるパワー、
f:全系の焦点距離、
である。
条件式(2)は、最も像側に配置される反射透過面での反射作用によるパワーに関して好ましい条件範囲を規定している。条件式(2)の上限を越えると、反射透過面での反射により発生する像面湾曲が大きくなり、その補正が困難になる。逆に、条件式(2)の下限を越えると、物体側に位置する反射透過面の反射作用によるパワーが強くなるか、あるいは撮像光学系中のいずれかの屈折面に強い正パワーを持たせることが必要となり、その面で発生する像面湾曲の補正が困難になる。
以下の条件式(2a)を満足することが更に望ましい。
0≦−Pr×f<0.6 …(2a)
この条件式(2a)は、上記条件式(2)が規定している条件範囲のなかでも、上記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。
0≦−Pr×f<0.6 …(2a)
この条件式(2a)は、上記条件式(2)が規定している条件範囲のなかでも、上記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。
最も物体側に正レンズを配置し、その正レンズが以下の条件式(3)を満たすことが望ましい。
0.2<P1×f<1.4 …(3)
ただし、
P1:最も物体に近いレンズのパワー、
f:全系の焦点距離、
である。
0.2<P1×f<1.4 …(3)
ただし、
P1:最も物体に近いレンズのパワー、
f:全系の焦点距離、
である。
条件式(3)は、最も物体側に配置される正レンズのパワーに関して好ましい条件範囲を規定している。条件式(3)の下限を越えると、撮像光学系がレトロフォーカスに近づいてレンズ全長が大きくなる。逆に、条件式(3)の上限を越えると、像面側のレンズのパワーが弱くなり、撮像光学系の全長を短くすると撮像素子周辺への入射角が大きくなる。その結果、撮像素子上のマイクロレンズでケラレが発生して、撮像素子の影響も含めた周辺照度落ちが大きくなりすぎてしまう。
以下の条件式(3a)を満足することが更に望ましい。
0.4<P1×f<1.2 …(3a)
この条件式(3a)は、上記条件式(3)が規定している条件範囲のなかでも、上記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。
0.4<P1×f<1.2 …(3a)
この条件式(3a)は、上記条件式(3)が規定している条件範囲のなかでも、上記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。
開口絞りより物体側に正パワーのレンズを配置することが好ましい(例えば、第1〜第6,第8〜第10の実施の形態)。また、正のパワーを開口絞りの前後に有する対称型のレンズタイプとすることが更に好ましい。開口絞りの前後にレンズを配置することにより、互いに発生する倍率色収差と像面湾曲を打ち消して、高性能化を達成することが可能となる。
フォーカシング方式に関しては、撮像光学系の全体又は一部を移動させることによりフォーカシングを行う構成にすることが望ましい。例えば各実施の形態では、第1レンズL1をフォーカス群とするフォーカシング方式、第2レンズL2及び第3レンズL3から成る接合レンズをフォーカス群とするフォーカシング方式、又は撮像光学系全体をフォーカス移動させるフォーカシング方式を採用することが好ましい。撮像光学系の全体又は一部を移動させるフォーカシング方式を採用することにより、高精細な撮像素子でも無限から近接まで良好な撮像が可能となる。
各実施の形態の撮像光学系には、入射光線を屈折作用により偏向させる屈折型レンズ(つまり、異なる屈折率を有する媒質同士の界面で偏向が行われるタイプのレンズ)が用いられているが、使用可能なレンズはこれに限らない。例えば、回折作用により入射光線を偏向させる回折型レンズ,回折作用と屈折作用との組み合わせで入射光線を偏向させる屈折・回折ハイブリッド型レンズ,入射光線を媒質内の屈折率分布により偏向させる屈折率分布型レンズ等を用いてもよい。ただし、媒質内で屈折率が変化する屈折率分布型レンズは、その複雑な製法がコストアップを招くため、屈折率分布の均一な均質素材レンズを用いることが望ましい。
開口絞りのほかに、不要光をカットするための光束規制板等を必要に応じて配置してもよい。また、プリズム類(例えば直角プリズム),ミラー類(例えば平面ミラー)等を光路中に配置することにより、その光学的なパワーを有しない面(例えば、反射面,回折面)で撮像光学系の前,後又は途中で光路を折り曲げて屈曲光学系{例えば、光軸を90°又は略90°折り曲げるようにして光束を反射させる光学系}を構成してもよい。その折り曲げ位置は必要に応じて設定すればよく、光路の適正な折り曲げにより、撮像光学系が搭載されるデジタル機器(デジタルカメラ等)の見かけ上の薄型化やコンパクト化を達成することが可能である。
各実施の形態の撮像光学系は、画像入力機能付きデジタル機器(例えばカメラ付き携帯電話)用の小型撮像光学系としての使用に適しており、これを撮像素子等と組み合わせることにより、被写体の映像を光学的に取り込んで電気的な信号として出力する撮像レンズ装置を構成することができる。撮像レンズ装置は、被写体の静止画撮影や動画撮影に用いられるカメラの主たる構成要素を成す光学装置であり、例えば、物体(被写体)側から順に、物体の光学像を形成する撮像光学系と、撮像光学系により形成された光学像を電気的な信号に変換する撮像素子と、で構成される。撮像素子としては、例えば複数の画素を有するCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサー等の固体撮像素子が用いられ、撮像光学系により形成された光学像は撮像素子により電気的な信号に変換される。撮像素子で生成した信号は、必要に応じて所定のデジタル画像処理や画像圧縮処理等が施されて、デジタル映像信号としてメモリー(半導体メモリー,光ディスク等)に記録されたり、場合によってはケーブルを介したり赤外線信号に変換されたりして他の機器に伝送される。なお、撮像光学系と撮像素子との間には、光学フィルター(光学的ローパスフィルター,赤外カットフィルター等)が必要に応じて配置される。
カメラの例としては、デジタルカメラ;ビデオカメラ;監視カメラ;車載カメラ;テレビ電話用カメラ;ドアホーン用カメラ;パーソナルコンピュータ,モバイルコンピュータ,携帯電話,携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant),これらの周辺機器(マウス,スキャナー,プリンター等),その他のデジタル機器等に内蔵又は外付けされるカメラが挙げられる。これらの例から分かるように、撮像レンズ装置を用いることによりカメラを構成することができるだけでなく、各種機器に撮像レンズ装置を搭載することによりカメラ機能を付加することも可能である。また、カメラ機能を実現する際には、必要に応じた形態で撮像レンズ装置を使用することが可能である。例えば、ユニット化した撮像レンズ装置をカメラボディに対して着脱自在又は回動自在に構成してもよく、ユニット化した撮像レンズ装置を携帯情報機器(携帯電話,PDA等)に対して着脱自在又は回動自在に構成してもよい。
以上の説明から分かるように、上述した各実施の形態や後述する各実施例には以下の構成が含まれている。その構成により、良好な光学性能と低コストでコンパクトな撮像レンズ装置を実現することができ、カメラ,デジタル機器等への適用により、その高性能化,高機能化,低コスト化及びコンパクト化に寄与することができる。
(U1) 光学像を形成する撮像光学系と、その撮像光学系により形成された光学像を電気的な信号に変換する撮像素子と、を備えた撮像レンズ装置であって、前記撮像光学系が2つ以上の反射透過面を有し、前記条件式(1),(1a),(2),(2a),(3),(3a)のうちの少なくとも1つを満足することを特徴とする撮像レンズ装置。
(U2) 前記反射透過面が、シート状偏光ビームスプリッター,コレステリック液晶又はハーフミラーから成ることを特徴とする上記(U1)記載の撮像レンズ装置。
(U3) さらに2回以上光が通過する接合面を有することを特徴とする上記(U1)又は(U2)記載の撮像レンズ装置。
(U4) 光学系全体として共軸であることを特徴とする上記(U1),(U2)又は(U3)記載の撮像レンズ装置。
(C1) 上記(U1),(U2),(U3)又は(U4)記載の撮像レンズ装置を備え、被写体の静止画撮影,動画撮影のうちの少なくとも一方に用いられることを特徴とするカメラ。
(C2) デジタルカメラ;ビデオカメラ;又は携帯電話,携帯情報端末,パーソナルコンピュータ,モバイルコンピュータ,若しくはこれらの周辺機器に内蔵又は外付けされるカメラであることを特徴とする上記(C1)記載のカメラ。
(D1) 上記(U1),(U2),(U3)又は(U4)記載の撮像レンズ装置を備えることにより、被写体の静止画撮影,動画撮影のうちの少なくとも一方の機能が付加されたことを特徴とするデジタル機器。
(D2) 携帯電話,携帯情報端末,パーソナルコンピュータ,モバイルコンピュータ,又はこれらの周辺機器であることを特徴とする上記(D1)記載のデジタル機器。
以下、本発明を実施した撮像光学系を、コンストラクションデータ等を挙げて更に具体的に説明する。ここで挙げる実施例1〜10は、前述した第1〜第10の実施の形態にそれぞれ対応する数値実施例であり、第1〜第10の実施の形態を表すレンズ構成図(図1〜図10)は、対応する実施例1〜10のレンズ構成をそれぞれ示している。
表1〜表10に、実施例1〜実施例10のコンストラクションデータを示し、表11に、全系の焦点距離f(単位:mm),Fナンバー(FNO),各条件式規定のパラメータに対応するデータ及び関連するデータを各実施例について示す。表1〜表10中の物体面OBから像面IM(最大像高:3.58mm)までの基本的な光学構成(i:面番号)において、Si(i=0,1,2,3,...)は物体側から数えてi番目の面、ri(i=0,1,2,3,...)は面Siの曲率半径(単位:mm)、di(i=0,1,2,3,...)は物体側から数えてi番目の面Siと(i+1)番目の面Si+1との間の軸上面間隔(単位:mm)を示しており(d0:物体距離)、Ni(i=1,2,3,...),νi(i=1,2,3,...)は軸上面間隔diに位置する光学材料のd線に対する屈折率(Nd),アッベ数(νd)をそれぞれ示している。
*印が付された面Siは、非球面(非球面形状の屈折光学面、非球面と等価な屈折作用を有する面等)であり、非球面の面形状を表わす以下の式(AS)で定義される。表1〜表10中に、各実施例の非球面データを示す。ただし、E−n=×10-nである。
Z=(C0・H2)/[1+√{1−(1+K)・C02・H2}]+A・H4+B・H6+C・H8+D・H10 …(AS)
ただし、式(AS)中、
Z:高さHの位置での光軸AX方向の変位量(面頂点基準)、
H:光軸AXに対して垂直な方向の高さ、
C0:近軸曲率(=1/ri)、
K:円錐係数、
A,B,C,D:非球面係数、
である。
Z=(C0・H2)/[1+√{1−(1+K)・C02・H2}]+A・H4+B・H6+C・H8+D・H10 …(AS)
ただし、式(AS)中、
Z:高さHの位置での光軸AX方向の変位量(面頂点基準)、
H:光軸AXに対して垂直な方向の高さ、
C0:近軸曲率(=1/ri)、
K:円錐係数、
A,B,C,D:非球面係数、
である。
図11〜図20は実施例1〜実施例10の収差図であり、(A)は球面収差図(LONGITUDINAL SPHERICAL ABER.)、(B)は非点収差図(ASTIGMATIC FIELD CURVES)、(C)は歪曲収差図(DISTORTION)である。球面収差図(A)は、ラインdで示すd線(波長587.56nm)に対する球面収差量、ラインCで示すC線(波長656.28nm)に対する球面収差量、ラインgで示すg線(波長435.84nm)に対する球面収差量を、それぞれ近軸像面からの光軸AX方向のズレ量(横軸,単位:mm)で表しており、縦軸は瞳への入射高さをその最大高さで規格化した値(すなわち相対瞳高さ)を表している。非点収差図(B)において、破線はd線に対するタンジェンシャル像面、実線はd線に対するサジタル像面を、近軸像面からの光軸AX方向のズレ量(横軸,単位:mm)で表しており、縦軸は像高(IMG HT,単位:mm)を表している。歪曲収差図(C)において、横軸はd線に対する歪曲(%)を表しており、縦軸は像高(IMG HT,単位:mm)を表している。
L1〜L3 第1〜第3レンズ
R1,R2 反射透過面
ST 開口絞り
PT 平行平面板
SR 撮像素子
IM 像面
AX 光軸
R1,R2 反射透過面
ST 開口絞り
PT 平行平面板
SR 撮像素子
IM 像面
AX 光軸
Claims (4)
- 撮像素子の受光面上に物体の光学像を形成するための撮像光学系であって、2つ以上の反射透過面を有し、以下の条件式(1)を満たすことを特徴とする撮像光学系;
-0.15<LN/f<1.0 …(1)
ただし、
LN:最も物体側のレンズ面から開口絞り位置までの軸上距離(物体側を負とする。)、
f:全系の焦点距離、
である。 - 前記反射透過面が、シート状偏光ビームスプリッター,コレステリック液晶又はハーフミラーから成ることを特徴とする請求項1記載の撮像光学系。
- さらに2回以上光が通過する接合面を有することを特徴とする請求項1又は2記載の撮像光学系。
- 光学系全体として共軸であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の撮像光学系。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004174134A JP2005352273A (ja) | 2004-06-11 | 2004-06-11 | 撮像光学系 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004174134A JP2005352273A (ja) | 2004-06-11 | 2004-06-11 | 撮像光学系 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005352273A true JP2005352273A (ja) | 2005-12-22 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2005352273A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2004
- 2004-06-11 JP JP2004174134A patent/JP2005352273A/ja active Pending
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