JP2005351931A - 定着装置および定着方法 - Google Patents

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泰寛 大野
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Abstract

【課題】 定着ローラからの記録材の分離性を良好にして、記録材の爪跡の発生、および、記録材のジャムの発生等を防止する定着装置を提供すること。
【解決手段】 この定着装置は、定着ローラ1と加圧ローラ2とを備える。上記定着ローラ1と上記加圧ローラ2とが圧接して形成されるニップ部Nの幅方向の圧力分布において、中央部のピークと別のピークを少なくとも記録材Pの出口側に有するので、上記記録材Pを上記ニップ部Nにて定着しながら搬送するときに、上記定着ローラ1から上記記録材Pを剥離する力が増大する。
【選択図】 図1



Description

この発明は、例えば、複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ等の電子写真式画像形成装置に用いられる定着装置および定着方法に関する。
従来より、定着装置においては、省エネを目指して、高い熱変換効率が得られる誘導加熱方式の熱源を採用することが考えられている。特に、コイルによって発生する磁束を、フェライトコアなどのコア材で、定着装置の定着ローラの導電発熱層に導くような構成のものが、コンパクトさや効率の高さで着目されている。
この従来の電磁誘導加熱方式の定着装置は、電磁誘導発熱層を有する定着ローラと、この定着ローラと圧接してニップ部を形成する加圧ローラと、この定着ローラの外側に配置されて磁束を発生する磁束発生手段とを備えている。
そして、上記磁束発生手段の磁束によって、上記定着ロ一ラの電磁誘導発熱層を発熱させて、上記ニップ部で未定着像を担持した記録材を挟持しつつ搬送してこの未定着像をこの記録材に溶融定着させている(特開2000−214713号公報:特許文献1参照、特開2000−214714号公報:特許文献2参照)。
しかしながら、上記従来の定着装置では、上記定着ローラの電磁誘導発熱層は、金属からなるために、上記定着ローラの全体の硬度が高くなって、上記ニップ部の形状が上記加圧ローラ側に凸状になり、上記定着ローラ側に上記記録材が巻き付く欠点があった。すなわち、上記定着ローラからの上記記録材の分離性が悪くなって、上記記録材に爪跡が発生し、上記記録材のジャムが発生する欠点があった。
特開2000−214713号公報 特開2000−214714号公報
そこで、この発明の課題は、定着ローラからの記録材の分離性を良好にして、記録材の爪跡の発生、および、記録材のジャムの発生等を防止する定着装置および定着方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の定着装置は、
定着ローラと加圧ローラとを備え、
上記定着ローラと上記加圧ローラとが圧接して形成されるニップ部の上記定着ローラの回転方向の圧力分布において、中央部のピークと別のピークを少なくとも上記定着ローラの回転の下流側に有することを特徴としている。
この発明の定着装置によれば、上記ニップ部の圧力分布において、中央部のピークと別のピークを少なくとも上記定着ローラの回転の下流側に有するので、記録材を上記ニップ部にて定着しながら搬送する場合、上記記録材の出口側における上記定着ローラの表面の弾性変形の変化が大きくなって(変形効果(マイクロスリップ)が増大して)、上記定着ローラから上記記録材を剥離する力が増大する。したがって、上記記録材の分離性が良好になって、上記記録材の爪跡の発生、および、上記記録材のジャム(紙つまり)の発生等を防止する。
ここで、上記定着ローラとは、未定着像を担持した記録材に上記未定着像を溶融定着させるものであり、上記加圧ローラとは、上記定着ローラとともに上記記録材を挟持して搬送するものである。また、この定着装置は、さらに、上記定着ローラの外側に配置されると共に磁束を発生して上記定着ローラを発熱させる磁束発生手段を備える。
また、この発明の定着方法は、
定着ローラと加圧ローラとが圧接して形成されるニップ部にて、記録材を定着しながら搬送する工程を備え、
この工程では、上記ニップ部の上記記録材の搬送方向の圧力分布において、中央部のピークと別のピークを少なくとも上記記録材の出口側に有していることを特徴としている。
この発明の定着方法によれば、上記ニップ部の上記記録材の搬送方向の圧力分布において、中央部のピークと別のピークを少なくとも上記記録材の出口側に有した状態で、上記ニップ部にて上記記録材を定着しながら搬送するので、上記記録材の出口側における上記定着ローラの表面の弾性変形の変化が大きくなって(変形効果(マイクロスリップ)が増大して)、上記定着ローラから上記記録材を剥離する力が増大する。したがって、上記記録材の分離性が良好になって、上記記録材の爪跡の発生、および、上記記録材のジャム(紙つまり)の発生等を防止する。
この発明の定着装置によれば、上記ニップ部の圧力分布において、中央部のピークと別のピークを少なくとも上記定着ローラの回転の下流側に有するので、記録材を上記ニップ部にて定着しながら搬送する場合、上記定着ローラからの上記記録材の分離性が良好になって、上記記録材の爪跡の発生、および、上記記録材のジャムの発生等を防止する。
また、この発明の定着方法によれば、上記ニップ部の上記記録材の搬送方向の圧力分布において、中央部のピークと別のピークを少なくとも上記記録材の出口側に有した状態で、上記ニップ部にて上記記録材を定着しながら搬送するので、上記定着ローラからの上記記録材の分離性が良好になって、上記記録材の爪跡の発生、および、上記記録材のジャムの発生等を防止する。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1は、この発明の定着装置の一実施形態である断面構成図を示している。図1に示すように、この定着装置は、誘導加熱型であり、電磁誘導発熱式の定着ローラ1と、この定着ローラ1と圧接してニップ部Nを形成する加圧ローラ2と、この定着ローラ1の外側に配置されて磁束を発生する磁束発生手段3とを備えている。
そして、この磁束発生手段3の磁束によって上記定着ローラ1を発熱させてから、未定着像tを担持した記録材Pを上記定着ローラ1と上記加圧ローラ2との間を通過させ、上記ニップ部Nによって上記記録材Pを挟持しつつ搬送しながら上記未定着像tをこの記録材Pに溶融定着(加熱定着)させる。
なお、この定着装置は、上記記録材Pに上記未定着像tを形成する(図示しない)作像手段と共に、複写機、レーザプリンタまたはファクシミリ等の画像形成装置を構成する。
上記記録材Pとは、例えば、用紙、OHPシート等のシートであり、上記未定着像tは、例えば、樹脂や、磁性材や、着色料等からなる加熱溶融性のトナーである。
上記定着ローラ1と上記加圧ロ一ラ2とは、平行に対向して配置され、それぞれの両端側が、図示しない軸受部材に回転自在に支持されている。上記加圧ローラ2は、図示しないバネ等の加圧機構によって、上記定着ローラ1の軸側に付勢され、上記定着ローラ1の外面に所定圧力で圧接されて、上記ニップ部Nを形成する。
上記定着ローラ1は、図示しないモータ等の駆動手段によって、矢印にて示す反時計廻り方向に、所定の周速度で回転駆動される。上記加圧ローラ2は、上記ニップ部Nでの上記定着ローラ1との圧接摩擦力によって、上記定着ローラ1の回転に従動して回転する。
上記定着ローラ1は、径方向の内側から外側に順に配置された支持層11、スポンジ層12、電磁誘導発熱層13、弾性層14および離型層15を有する。上記定着ローラ1の硬度は、例えば、アスカーC硬度で30〜90度である。
上記支持層11は、例えば、外径が40mmで厚さが3mmのアルミ製の芯金シリンダを用いる。なお、上記支持層11としては、材質の強度が確保できれば、例えば、鉄、PPS(ポリフェニレンサルファイド)のような耐熱性のモールドのパイプを使用することも可能であるが、芯金が発熱するのを防ぐために、電磁誘導加熱の影響が少ない非磁性材料を用いるのが望ましい。
上記スポンジ層12は、上記電磁誘導発熱層13で発生した熱を断熱保持するためのものであり、耐熱性および弾性を有するゴム材や樹脂材のスポンジ体(断熱構造体)が用いられる。このように、上記スポンジ層12に、耐熱性および弾性を有するゴム材や樹脂材のスポンジ体(断熱構造体)を用いることにより、上記電磁誘導発熱層13を確実に断熱保持するとともに、上記電磁誘導発熱層13のたわみを許容して上記ニップ部Nの幅寸法を増やし、さらに、上記定着ローラ1のローラ硬度を上記加圧ローラ2よりも小さくして、排紙性および記録材分離性能を向上することができる。例えば、上記スポンジ層12に、シリコンスポンジ材を用いる場合、厚さが2〜10mm、望ましくは3〜7mmであって、硬度がアスカーゴム硬度計で20〜60度、望ましくは30〜50度に設定される。
上記電磁誘導発熱層13は、例えば、厚さが10〜100μm、望ましくは20〜50μmの無端状のニッケル電鋳ベルト層である。なお、上記電磁誘導発熱層13の他の材料として、例えば、磁性ステンレスのような磁性材料(磁性金属)といった、比較的透磁率μが高く、適当な抵抗率ρを有するものを用いてもよい。また、非磁性材料でも、金属などの導電性のある材料は、例えば、材料を薄膜にすることにより使用できる。また、上記電磁誘導発熱層13は、樹脂に発熱粒子を分散させたものを用いてもよく、上記電磁誘導発熱層13に、樹脂ベースのものを用いることによって、上記記録材Pの分離性を一層よくすることができる。
そして、上記電磁誘導発熱層13では、上記磁束発生手段3の磁束によって、渦電流が発生してジュール熱により発熱し、この発熱により上記定着ローラ1が加熱される。この加熱を、電磁誘導加熱という。
上記弾性層14は、耐熱性および弾性を有するゴム材や樹脂材からなり、上記記録材Pと上記定着ローラ1の表面との密着性を高める。上記弾性層14としては、例えば、定着温度での使用に耐えられるシリコンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性エラストマーを用いる。上記弾性層14には、熱伝導性や補強等を目的として各種充填剤を混入してもよく、この熱伝導性粒子としては、ダイヤモンド、銀、銅、アルミニウム、大理石、ガラス等あり、実用的には、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、酸化ベリリウム等がある。
上記弾性層14の厚みは、例えば、10〜800μmが好ましく、100〜300μmがより好ましい。上記弾性層14の厚みが10μm未満であると、厚み方向の弾力性を得ることが難しくなる一方、上記弾性層14の厚みが800μmを超えると、上記電磁誘導発熱層13で発生した熱が、上記定着ローラ1の外周面に達し難くなり、熱効率が悪化する傾向がある。
上記弾性層14の硬度は、JIS硬度で1〜80度が好ましく、5〜30度がより好ましく、上記弾性層14における強度の低下および密着性の不良を防止しつつ、未定着像(トナー)tの定着性の不良を防止できる。この場合、上記弾性層14は、シリコンゴムからなることが好ましく、このシリコンゴムとしては、具体的に述べると、1成分系、2成分系又は3成分系以上のシリコンゴム、LTV型、RTV型又はHTV型のシリコンゴム、縮合型又は付加型のシリコンゴム等を使用できる。なお、この実施形態において、上記弾性層14は、JIS硬度10度、厚さ200μmのシリコンゴムである。
上記離型層15は、上記定着ローラ1の表面の離型性を高めるものであり、定着温度での使用に耐えられる上にトナー離型性を有する。上記離型層15としては、例えば、シリコンゴム、フッ素ゴムや、PFA、PTFE、FEP、PFEP等のフッ素樹脂が用いられる。上記離型層15の厚さは、5〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。また、層間接着力を向上させるために、プライマ等による接着処理を行ってもよい。なお、上記離型層15の中に必要に応じて、導電材、耐摩耗材、良熱伝導材をフィラーとして添加してもよい。
上記加圧ローラ2は、径方向の内側から外側に順に配置された支持層21、スポンジ層22および離型層23を有する。上記支持層21は、例えば、外径20mmで厚さ3mmのアルミ製芯金である。上記スポンジ層22は、例えば、シリコンゴムを発泡させた3〜10mmのシリコンスポンジゴムである。上記離型層23は、例えば、厚さ10〜50μmのPTFEやPFA等のフッ素系樹脂である。
上記支持層21の材質は、強度が確保できれば、例えば、鉄、PPS(ポリフェニレンサルファイド)のような耐熱性のモールドのパイプを使用することも可能であるが、芯金が発熱するのを防ぐために、電磁誘導加熱の影響が少ない非磁性材料を用いるのが望ましい。
上記加圧ローラ2は、上記定着ローラ1に対して、300〜500Nの荷重で加圧されており、この場合、上記ニップ部Nの幅寸法(上記記録材Pの搬送方向の寸法)は、約5〜15mmになる。もちろん、上記荷重を変化させて、上記ニップ部Nの幅寸法を変えてもよい。
上記磁束発生手段3は、励磁コイル31と磁性体コア32とを備え、上記定着ローラ1の外側で、上記定着ローラ1に対向させて、上記定着ローラ1の長手方向に沿わせて配置している。
上記磁性体コア32は、横断面が下方開口のコップ状(台形)に形成されたコイルボビン33と、このコイルボビン33を所定の隙間を介して覆うカバー部材34とを備える。上記磁性体コア32は、上記定着ローラ1の軸方向の寸法に略対応した長さ寸法を有する長尺部材であり、上記コイルボビン33の内部にて、上記定着ローラ1の横断面略半分を覆う。
上記磁性体コア32は、中央部に上記定着ローラ1側に突出した突出部32aを有しており、上記定着ローラ1の発熱効率を高めている。上記磁性体コア32としては、高透磁率かつ低損失のものを用い、例えば、パーマロイのような合金を用いた場合、上記磁性体コア32の内部の渦電流損失が高周波で大きくなるため、積層構造にしてもよい。
上記磁性体コア32は、磁気回路の効率の向上と磁気遮蔽のために用いられる。上記励磁コイル31と上記磁性体コア32の磁気回路部分は、磁気遮蔽が十分にできる手段がある場合、上記突出部32aを省いてもよい。また、樹脂材に磁性粉を分散させたものを用いた場合、透磁率は比較的低いが、形状を自由に設定することができる。
上記励磁コイル31は、上記コイルボビン33と上記カバー部材34との間の隙間に存在し、長尺の上記コイルボビン33に沿って長手方向に渡って導線を巻いたような構造であり、横断面が台形形状となる。
この励磁コイル31には、高周波コンバータ4が接続されて、100〜2000[W]の高周波電力が供給される。このため、上記励磁コイル31としては、細い線を数十から数百本を束ねてリッツ線にしたものを用いており、巻き線に伝熱した場合を考慮して、耐熱性の樹脂で被覆したものを用いる。
そして、上記励磁コイル31には、上記高周波コンバータ4により、10〜100[kHz]の交流電流が印加される。この交流電流によって誘導された磁束は、上記磁性体コア32の内部を外部に漏れることなく通り、上記磁性体コア32の上記突出部32aで初めて上記磁性体コア32の外部に漏れて、上記定着ローラ1の上記電磁誘導発熱層13を貫き、上記電磁誘導発熱層13に渦電流が流れて、上記電磁誘導発熱層13自体がジュール発熱する。上記電磁誘導発熱層13の発熱で上記定着ロ一ラ1が加熱状態となる。
上記定着ローラ1の表面に当接するように、温度センサ6が配置される。この温度センサ6は、例えば、サーミスタであり、上記定着ローラ1の表面温度を検出する。
上記温度サンサ6には制御回路5が接続され、この制御回路5は、上記温度センサ6から入力される上記定着ローラ1の表面温度検出信号に基づいて、上記定着ローラ1の加熱と温調を制御する。具体的に述べると、上記制御回路5は、上記温度センサ6からの信号に基づいて、上記高周波コンバータ4を制御し、上記高周波コンバータ4にて上記励磁コイル31への電力供給を増減させることで、上記定着ローラ1の表面温度が所定の一定温度になるように自動制御する。
次に、この定着装置の作用を説明する。上記定着ローラ1が回転駆動され、これに伴って、上記加圧ローラ2が従動回転する。また、上記定着ローラ1の上記電磁誘導発熱層13が、上記磁束発生手段3の発生磁束の作用により、電磁誘導発熱すると共に、上記定着ローラ1の表面温度が、所定の一定温度になるように、自動制御される。そして、上記定着ローラ1と上記加圧ローラ2との上記ニップ部Nに、図示しない作像手段から搬送された上記未定着(トナー)像tを形成担持した上記記録材(用紙)Pが導入される。この場合、上記記録材Pにおける上記未定着像tを形成した担持面側が、上記定着ローラ1に対面する。
上記ニップ部Nに導入された上記記録材Pは、上記ニップ部Nにて挟持搬送され、上記定着ローラ1で加熱されて、上記未定着像tが上記記録材Pに溶融定着される。
上記ニップ部Nを通過した上記記録材Pは、上記定着ローラ1から分離して排出搬送されていく。上記定着ローラ1の表面に当接するように、分離爪8が配置される。この分離爪8は、上記記録材Pが、上記ニップ部Nを通過後に、上記定着ローラ1の表面に張り付いてしまった場合に、この記録材Pを上記定着ローラ1の表面から強制的に分離させて、紙つまりによる故障(ジャム)を防止する。
このとき、上記定着ローラ1では、発熱に寄与すると共に渦電流を発生させる上記電磁誘導発熱層13の熱容量は、小さくて、かつ、上記電磁誘導発熱層13は、上記スポンジ層12により断熱保持されているために、上記弾性層14および上記離型層15を迅速に加熱するように作用される。このため、上記定着ローラ1の表面が定着に必要な温度に迅速に到達すると共に、上記記録材Pに熱が奪われても熱の供給が追いつく。
また、上記スポンジ層12により断熱保持させた上記電磁誘導発熱層13自体のたわみ性を利用して、上記定着ローラ1と上記加圧ローラ2との上記ニップ部Nの形成に対して、上記弾性層14を200μmと薄くしても、今まで以上の幅寸法のニップ部Nが形成でき、マイクログロスの発生がなく、OHP用紙のような上記定着ローラ1に巻き付きやすい記録材に対しても、十分な分離性能を確保できる。
この発明の定着装置では、上記ニップ部Nの上記定着ローラ1の回転方向の圧力分布において、中央部のピークと別のピークを少なくとも上記定着ローラ1の回転の下流側に有している。言い換えると、上記ニップ部Nの上記記録材Pの搬送方向の圧力分布において、中央部のピークと別のピークを少なくとも上記記録材Pの出口側に有している。
具体的に述べると、図2に、上記ニップ部Nの圧力分布の一例を示す。横軸に、上記ニップ部N上の(幅方向の)位置を示し、縦軸に、上記ニップ部Nの圧力値を示す。なお、横軸において、16mmから0mmの方向が、通紙方向(上記記録材Pの搬送方向)であって、16mmが上記記録材Pの入口側であり、0mmが上記記録材Pの出口側である。上記ニップ部Nの幅寸法は、16mmであり、上記ニップ部Nの軸方向の長さは、330mmである。
図2に示すように、上記定着ローラ1に対する上記加圧ローラ2の荷重値(加圧値)を上げていくと、荷重値が500Nのときに、中央部のピークと別に、上記記録材Pの入口側と出口側にピーク(これを、サイドピークという)が現れる。なお、このサイドピークが出現する荷重値は、上記定着ローラ1および上記加圧ローラ2の構成によって変化する。
このような構成の定着装置によれば、上記ニップ部Nの上記記録材Pの搬送方向の圧力分布において、中央部のピークと別のピークを少なくとも上記記録材Pの出口側に有した状態で、上記ニップ部Nにて上記記録材Pを定着しながら搬送することで、上記記録材Pの出口側における上記定着ローラ1の表面の弾性変形の変化が大きくなって(変形効果(マイクロスリップ)が増大して)、上記定着ローラ1から上記記録材Pを剥離する力(例えば、上記記録材Pをはじき飛ばすような力)が増大する。したがって、上記記録材Pの分離性が良好になって、上記記録材Pの爪跡の発生、および、上記記録材Pのジャム(紙つまり)の発生等を防止する。
次に、上記定着ローラ1と上記加圧ローラ2との組み合わせ、および、上記荷重値を様々に変えて、上記サイドピークの有無と上記記録材Pの分離性との関係を調べる実験を行って、図3の結果を得た。
具体的に述べると、上記記録材PとしてA4サイズの用紙を用いて、下記の定着条件にて、1000枚通紙を行った。また、上記定着ローラ1として用いられるローラA、ローラBおよびローラCと、上記加圧ローラ2として用いられるローラDおよびローラEとを、図4に示す。
定着条件:
定着ローラおよび加圧ローラ:φ40mm
定着速度:200mm/sec(40枚/分)
定着温度:180℃
環境:室温
図3では、分離性評価として、
◎:良好に通紙
○:1000枚通紙中 1〜2枚の爪跡発生
△:1000枚通紙中 2〜10枚の爪跡発生 1〜2回のジャム発生
×:1000枚通紙中 10枚以上の爪跡発生 3回以上のジャム発生
を示す。
図4では、ローラAからローラEの全てにおいて、離型層(図1の離型層15および離型層23)は、30μmのPFAである。また、ローラBの電磁誘導発熱層(図1の電磁誘導発熱層13)において、PI+Ag層は、Ag微粒子を含有する層とPI層を3層に重ねたものである。また、上記加圧ローラとして用いられるローラDおよびローラEは、スポンジ層(図1のスポンジ層22)と離型層(図1の離型層23)との間に弾性層を有する。また、スポンジ層の平均セル径とは、全てのセルの径を真円に相当する径に換算し、この換算した径の全てを平均した値をいい、例えば、楕円形のセルの場合、この楕円形の長径と短径との平均を、セル径とする。
図3に示すように、サイドピークが有る場合に、上記記録材Pの分離性が良く、サイドピークがない場合に、上記記録材Pの分離性が低下することがわかる。
したがって、この発明の定着装置では、上記定着ローラ1と上記加圧ローラ2の間に形成される上記ニップ部N内の圧力分布において、少なくとも上記記録材Pの出口側に、中央部のピークと別にピークを有するように、上記加圧ローラ2の上記定着ローラ1に対する荷重値(圧力値)を設定する事によって、上記記録材Pの分離性を確保している。
なお、この発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、上記定着ローラ1は、上記支持層11、上記スポンジ層12、上記電磁誘導発熱層13、上記弾性層14および上記離型層15を備えるが、これらの他に、他の層を備えてよいのはもちろんである。また、上記加圧ローラ2は、上記支持層21、上記スポンジ層22および上記離型層23を備えるが、これらの他に、他の層を備えてよいのはもちろんである。
本発明の定着装置の一実施形態を示す断面構成図である。 ニップ部の圧力分布を示すグラフ図である。 サイドピークの有無と分離性評価との関係を示す説明図である。 ローラの種類を示す説明図である。
符号の説明
1 定着ローラ
2 加圧ローラ
3 磁束発生手段
11 支持層
12 スポンジ層
13 電磁誘導発熱層
14 弾性層
15 離型層
21 支持層
22 スポンジ層
23 離型層
N ニップ部
P 記録材
t 未定着像

Claims (2)

  1. 定着ローラと加圧ローラとを備え、
    上記定着ローラと上記加圧ローラとが圧接して形成されるニップ部の上記定着ローラの回転方向の圧力分布において、中央部のピークと別のピークを少なくとも上記定着ローラの回転の下流側に有することを特徴とする定着装置。
  2. 定着ローラと加圧ローラとが圧接して形成されるニップ部にて、記録材を定着しながら搬送する工程を備え、
    この工程では、上記ニップ部の上記記録材の搬送方向の圧力分布において、中央部のピークと別のピークを少なくとも上記記録材の出口側に有していることを特徴とする定着方法。
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