JP2005351828A - ドップラー式超音波流量計に用いられる楔ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】 音響ノイズを低減させることが可能なドップラー式超音波流量計に用いられる楔ユニットを提供することである。
【解決手段】 本発明のドップラー式超音波流量計に用いられる楔ユニットは、一面を配管の外周面の一部に設置されると共に、他面には電気信号によって超音波を発生させ、かつ、その超音波に対応する反射波を受信する超音波振動子が装着された楔と、その楔と配管外壁との間に設けられるスペーサとを備える。超音波振動子が設置された楔の他面の傾斜角度に応じて定まる、超音波振動子からの超音波がスペーサと楔との接触面に作る射影の大きさ(点P1とP2の距離、すなわち、L’)が、その超音波がその接触面から入射した位置(点P1)と、配管内壁での反射後にその接触面に最初に達する位置(点P3)との差分Lを超えないように、スペーサの厚みtsが設定される。
【選択図】図2

Description

本発明は、配管の外周面の一部に設置して(クランプオンして)用いられるクランプオン型ドップラー式超音波流量計に関し、特に、そのような流量計に用いて好適な楔ユニットに関する。
従来、ドップラー式超音波流量計の1つに、クランプオン型超音波流量計がある。このクランプオン型超音波流量計は、被測定流体が内部を所定の向きに通過する配管に対し、その配管の一部に、音波を配管に伝えるための材料、すなわち、楔(くさび)を設置し(クランプオンし)、その楔を介して音波を配管内部に送信することにより、その配管の管状体の内部を移動する流体の流量を計測する流量計である。なお、以下の説明において、特にことわらない限り、配管内の流体は水平方向に流れているものとする。
クランプオン型ドップラー式超音波流量計には、伝播時間差式のものと、ドップラー式のものとがある。伝播時間差式クランプオン型超音波流量計では、超音波を管状体の内部を移動する流体を斜めに横切る経路で往復させて、超音波が往路と復路のそれぞれを伝播するのに要する時間の差から、流体の流量を算出している。
これに対し、ドップラー式クランプオン型超音波流量計では、流体中に含まれる浮遊粒子や気泡が流体と同じ速度で移動すると仮定して、浮遊粒子などの移動速度から流体の流量を算出している。このドップラー式では、流体中に送信された超音波の周波数が、浮遊粒子などに反射して、ドップラー効果により変化する点に注目し、その反射された超音波の周波数を検出することにより、浮遊粒子の移動速度を測定している。
図3は、従来のドップラー式クランプオン型超音波流量計に設けられる楔を、それがクランプオンされる配管の一部と共に示した断面図である。
図3において、楔22は、一面を介して配管23の外周面の一部に設置されると共に、他面には超音波振動子21が装着される。この超音波振動子21は、電気信号によって超音波を発生させ、その超音波を配管23内部を通過する流体24に入射させ、かつ、その流体24中の上記浮遊粒子などの反射体にその超音波が当たることによって得られる反射波(エコー超音波)を受信する。
超音波振動子が送信する超音波は、例えば、5mm程度のパルス幅を有する直進性のビームである。また、上記反射体としては、流体中に一様に含まれる気泡、Alの微粉末等のパーティクル、被測定流体とは異なる音響インピーダンスを有する異物、などがある。
受信されたエコー超音波は、流量の算出を行うユニット(不図示)に供給され、そこで、配管内部の被測定流体に対する流量が算出される。
より具体的には、反射体からの超音波エコー信号に信号処理を行って流速(分布)を求め、その流速から流量を求めている。流速から流量を求める方法は、例えば、下記特許文献1に開示されている。
すなわち、まず、流体の時間tにおける流量m(t)は下記(1)式で表すことができる。ここで、ρ:被測定流体の密度、v(x・t):時間tにおける速度成分、である。
(1)式から配管を流れる時間tにおける流量m(t)は、次の(2)式に書き換えることができる。
ここで、vx(r・θ・t)は、時間tにおいて、配管の横断面の中心から距離r、その横断面の中心を通る所定方向から見て角度θの位置における、配管の軸方向(管軸方向)の速度成分を表している。
特開2000−97742号公報 「ドップラ式超音波流量計」
以上、説明したことから、流量を高精度で算出(計測)するには、その流量を算出する際に用いられる流速分布を精度よく検出することが必要となるが、その流速分布については、上記したように、超音波エコーを処理して求めているので、結局、この超音波エコーに所望とする音響信号のみが含まれるようにする必要がある。
しかし、以下に述べるような各種の原因によって、従来のドップラー式クランプオン型超音波流量(流速分布)計による流速分布の測定においては、流量または流速分布を求める際に用いられるエコー超音波信号には各種ノイズ、例えば、多重反射に起因するノイズが乗るために、流量を高精度で算出することが困難になっている。
上記したエコー超音波信号に乗るノイズとしては、2種類のノイズが考えられるが、まず、その第1のものについて説明する。
ドップラー式クランプオン型超音波流量計においては、配管内の流体の音響インピーダンスと配管材の音響インピーダンスとでは、配管の方が大きいため、超音波振動子から楔を介して配管内に入射しようとする超音波は、配管内壁と流体との境界面において、大部分が配管内壁から配管外壁の方に反射し、以降、その配管材の内部で(配管外壁と配管内壁との間で)多重反射を繰り返していく。そして、この多重反射が配管内壁から管内への入射に対して大きいことが、所望とする超音波エコーにノイズを乗らせることにつながり、流量計測における誤差を生じさせる原因となっている。
上記したことにつき、図3を参照して、より詳細に説明する。
図3において、超音波振動子21から発振された超音波は、側線201に沿って楔22に入射し、側線202aに沿って配管23に入射し配管23の内壁まで進む。
配管23の内壁において、超音波は、配管内壁を透過して側線202bに沿って流体24に入射する超音波と、配管内壁で反射し側線203に沿って配管外壁に向かう超音波とに分かれる。
外壁まで進んだ超音波は、外壁において、殆ど全てが反射され、再び、側線204aに沿って内壁に向かう。そして、内壁において、同様にして、その超音波は、その内壁を透過して側線204bに沿って流体24に入射する超音波と、内壁で反射し外壁に向かう超音波とに分かれる。
それぞれの超音波は、側線に沿って往復することで、再度、超音波振動子に超音波エコーとして受信される。そして、受信された超音波エコーに基づいて、流速分布、流量が求められる。
すなわち、図では、側線202b、202a、201に沿って超音波振動子21まで戻る超音波エコー、側線204b、204a、203、202a、201に沿って超音波振動子21まで戻る超音波エコー、などがある。なお、これらのうちで、側線202b、202a、201に沿って超音波振動子21まで戻る超音波エコーのことを、「所望とする超音波エコー」という。
図では、所望とする超音波エコーに、例えば、側線204b、204a、203、202a、201に沿って超音波振動子21まで戻る超音波エコーがノイズとして重なってしまうという問題がある。
この問題につき、以下でより具体的に説明する。
図4は、媒質1から媒質2に向かう音波が、媒質1と媒質2との境界において、反射または透過する様子を説明する図である。
図4において、音波が境界面に垂直な方向から見て角度θinだけ傾斜した方向から入射して、媒質1から媒質2に向かう場合に、入射波、反射波、透過波の間には、次の(3)式に示されるような関係が成り立つ(スネル(Snell)の法則)。
ここで、(3)式において、c1:媒質1の音速、c2:媒質2の音速、θin:媒質1での入射角、θout:媒質2での角度、θref:媒質1での反射角、である。
また、媒質1および2における音響インピーダンスz1、z2はそれぞれ(4)、(5)式で定義される。
ここで、(4)、(5)式において、c1:媒質1の音速、c2:媒質2の音速、ρ1:媒質1の密度、ρ2:媒質2の密度、である。
この時、音圧の透過率Tp、反射率Rpは、それぞれ(6)、(7)式で示される。
これらの数式を上記した配管材とその配管内の流体とに適用することで、配管と流体との境界における反射率、透過率を求めることができる。
図5は、配管材にステンレスを用い、配管内の流体として水を用いた場合の計算例を示す図である。
ステンレスは音速が3250m/s、密度が7.91×103kg/m3で与えられ、また、水は音速が1490m/s、密度が1.00×103kg/m3で与えられる。
図5に示すように、配管からの超音波の入射角を47degとすると、(6)、(7)式を用いて、透過率が約6%、反射率が約94%と求まり、超音波の殆どが水中に入射せずに配管内に反射することが分かる。
配管の内壁で反射した超音波に対しても同様に、透過率、反射率を計算できる。配管の外壁においては、ステンレスと空気とが接していて、空気の音速が344m/s、密度が1.293×103kg/m3で与えられることを考慮し、(6)、(7)式を用いて、透過率が約0.001%、反射率が約99.999%と求まる。この場合、超音波の殆どが空気中に入射せず、配管内に反射する。
再度、配管(ステンレス)と流体との境界に達した超音波に対して、同様の計算を行なうと、この側線に沿って水中へ入射する音圧は5.4%と計算される。ただし、この計算値は、最初に配管に入射した超音波の音圧を100%とした場合の相対値である。
なお、配管材の厚み、配管の内径を具体的に指定することによって、超音波の伝播時間等を算出することが可能となるが、ここでは、配管の厚みを6mm、配管の内径を102mmとした。
入射角(この場合、47deg)から超音波がとる経路である側線の長さが分かり、それを各媒質(ステンレス、または、水)中での音速で割ることによって所要時間が求まる。
図3に示す側線204bと側線202bとの配管内壁からの側線に沿った対応する位置では、側線204bで発生した超音波エコーの方が側線203、204aを往復する時間だけ遅れて、超音波振動子に受信される。
よって、側線204bに沿った任意の位置で発生する超音波エコーが時間的に連続して超音波振動子に受信される区間は、側線203、204aを往復する時間だけ遅れて、側線202bに沿った任意の位置で発生する超音波エコーが時間的に連続して超音波振動子に受信される区間に重ねられる。
図6は、超音波振動子に超音波エコーが重なって受信される様子を説明する図である。
図6において、上記した配管の厚み、配管の内径、入射角から、側線203、204aを往復する距離が、12.2mm×4=48.8mmと求められ、ステンレス製の配管中の横波の速度が上記3250m/sである関係から、その往復による遅延時間が15μsecと求められる。また、202b、204b、等の水中を横切る側線を音波が往復するのに要する時間は、水中での音速が上記1490m/sである関係から、137μsecと求められる。よって、図に示す区間Xにおいて、側線202b、204bからの超音波エコー信号が重ねられて超音波振動子に受信される。
図7は、エコー信号が重ねあわされることでノイズが生じることを説明する図である。
図7において、符号Iは、側線202bから得られた超音波エコーに基づいて求められた流
速分布、符号IIは、側線204bから得られた超音波エコーに基づいて求められた流速分布
、符号IIIは、側線202bからの超音波エコーに基づくものと、側線204bからの超音
波エコーに基づくものとを重ねて得られる流速分布、をそれぞれ示している。この図から、測定結果として得られる符号IIIの流速分布が、所望とする流速分布に対応する符号Iの流速
分布からずれていることが分かる。
図8は、従来のドップラー式クランプオン型超音波流量計に設けられる楔を、それがクランプオンされる配管の一部と共に示した断面図である。また、この図は、従来技術における第2の問題点を説明する図である。
図8において、超音波振動子31が装着された楔32が配管33の外壁の一部にクランプオンされる。
図8は、超音波振動子31の直径に対して配管33の厚みが薄い(それらの比が所定値未満である)場合に相当する。この場合、図に示すように、超音波ビームの直径内で多重反射が発生する。すなわち、例えば位置P11で、配管外壁から入射した超音波ビームが位置P12で、配管内壁での反射後に配管外壁に最初に達した場合、この位置P12において、配管外壁から入射する超音波ビームと重なることで多重反射が生じる。
そして、この多重反射に対応して、配管33内の流速を測定(算出)する際に用いられる側線も多重に発生する。これらの発生した側線を介して受信される超音波エコー信号が、所望とする超音波エコー信号に重なることで、流速分布算出、または、流量算出において、誤差を生じさせるという問題がある。
本発明の課題は、音響ノイズを低減させることが可能なドップラー式超音波流量計に用いられる楔ユニットを提供することである。
本発明の第1態様のドップラー式超音波流量計に用いられる楔ユニットは、流体が内部を通過する配管の外壁に設置されると共に、超音波を前記流体に入射させ、その反射波を受信して、流量の算出を行うユニットに超音波エコー信号を供給する、ドップラー式超音波流量計に用いられる楔ユニットにおいて、一面を前記配管の外周面の一部に設置されると共に、他面には電気信号によって前記超音波を発生させ、かつ、前記反射波を受信する超音波振動子が装着された楔と、前記楔と前記配管の間とに設けられるスペーサと、を備えることを特徴とするドップラー式超音波流量計の楔ユニットである。
ここで、楔と配管外壁との間に設けられたスペーサにより、超音波振動子の直径内部において、超音波同士が重なることで、側線が多重化する度合いを軽減することが可能となり、これらの発生した側線を介して受信される超音波エコー信号が、所望とする超音波エコー信号に重なることで、生じる誤差を軽減することができる。
上記第1態様において、前記超音波振動子が設置された楔の他面の傾斜角度に応じて定まる、該超音波振動子からの超音波が前記スペーサの前記楔との接触面に作る射影の大きさが、その超音波がその接触面から入射した位置と、配管内壁での反射後にその接触面に最初に達する位置との差分を超えないように、前記スペーサの厚みを設定してもよい。
このようにすれば、超音波振動子の直径内部において、超音波同士が重なることで、側線が多重化することを防ぐことができ、これらの発生した側線を介して受信される超音波エコー信号が、所望とする超音波エコー信号に重なることで、生じる誤差をなくすことができる。
本発明によれば、楔と配管外壁との間に設けられたスペーサにより、超音波振動子の直径内部において、超音波同士が重なることで、側線が多重化する度合いを軽減する、または、なくすことが可能となり、これらの発生した側線を介して受信される超音波エコー信号が、所望とする超音波エコー信号に重なることで、生じる誤差を軽減する、または、なくすことができる。よって、音響ノイズを低減させることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の超音波流量計に用いられる楔ユニットの断面図である。この楔ユニットは、超音波振動子1が装着された楔2と、超音波減衰材8とからなる。
図1において、楔2と、流体4が内部を通過する配管3との間には、スペーサ9が設けられ、このスペーサ9を介して楔2は配管3の外周面の一部に設置される。また、このスペーサ9は、超音波の進行方向に延長され、そのスペーサ9の延長部分には、超音波エコー信号へのノイズとなる超音波成分を減衰させるための超音波減衰材8が設置される。
一方、楔2の他面には、超音波振動子1が装着される。この超音波振動子1は、駆動回路(不図示)からの電気信号によって超音波を発生させ、その超音波を流体4に入射させ、その反射波を受信する。その受信された反射波は、その後、流量の算出を行うユニット(不図示)に超音波エコー信号として供給される。
楔2は、好ましくは、アクリル、ポリ塩化ビニルなどの樹脂材料で構成される。また、超音波振動子1は、好ましくは、PZT(ジルコンチタン酸鉛)などの圧電材料で構成される。超音波振動子1は、エポキシ系の接着剤などで楔2に固定される。なお、図に示すように、この超音波振動子1が装着された(固定された)楔2の面は、配管3の長手方向の垂直方向に対して、角度θwだけ傾斜している。
ここで、楔2と配管外壁との間に設けられたスペーサ9により、超音波振動子1の直径内部において、超音波同士が重なることで、側線が多重化する度合いを軽減することが可能となり、これらの発生した側線を介して受信される超音波エコー信号が、所望とする超音波エコー信号に重なることで、生じる誤差を軽減することができる。
本実施形態においては、さらに、超音波振動子1が設置された楔2の他面の傾斜角度に応じて定まる、超音波振動子1からの超音波がスペーサ9の楔2との接触面に作る射影の大きさが、その超音波がその接触面から入射した位置と、配管内壁での反射後にその接触面に最初に達する位置との差分を超えないように、スペーサ9の厚みを設定している。
これにより、超音波振動子1の直径内部において、超音波同士が重なることで、側線が多重化することを防ぐことができ、これらの発生した側線を介して受信される超音波エコー信号が、所望とする超音波エコー信号に重なることで、生じる誤差をなくすことができる。
なお、図1においては、超音波減衰材8を配管外壁にさらに設置しているが、これにより、配管内壁と配管外壁との間の多重反射の影響を軽減することが可能となる。
そして、この超音波減衰材8を、超音波振動子1からの超音波が、スペーサ9の楔2との接触面に作る上記射影、すなわち、スペーサ9の接触面に最初に達する位置、を回避するように配管3の外周面に設置すれば、超音波が、配管外壁に入射する前に超音波減衰材8に入射して反射することを防ぐことができる。
また、さらに、超音波減衰材8を、配管内壁での反射後にスペーサ9の接触面(楔2とは必ずしも接触していない延長部分を含む)に最初に達する位置を含むように、超音波減衰材8をスペーサ9上に設置した場合には、側線を介して受信される2回目以降の反射波をもたらす原因となる初回の反射波について効果的に、その強度を減衰させることが可能となり、ノイズがより一層軽減される。
なお、超音波減衰材8は、配管内での超音波の進行方向を考慮し、その配管内での超音波の多重反射を1回以上受け止めることができる大きさであることが望ましい。また、この超音波減衰材8は、配管3よりも小さい音響インピーダンスを有する材料、例えば、タングステンゴムで構成されることが好ましい。なお、超音波減衰材8は、例えば、楔2に接着剤などで固定されてもよいし、また、例えば、金属ベルト等の固定手段により配管に直接固定されてもよい。
図2は、スペーサの厚みを設定する様子を説明する図である。
図2において、超音波振動子1が設置された楔2の他面の傾斜角度に応じて定まる、超音波振動子1からの超音波がスペーサ9の楔2との接触面に作る射影の大きさ(点P1とP2の距離、すなわち、L’)が、その超音波がその接触面から入射した位置(点P1)と、配管内壁での反射後にその接触面に最初に達する位置(点P3)との差分Lを超えないように、スペーサ9の厚みが設定される。すなわち、下記(A1)式が成り立つように、スペーサ9の厚みが設定される。
L’≦L ・・・ (A1)
一方、楔の超音波振動子が設置される面の傾斜角度をθwとすると、下記(A2)式が成り立つ。
D=L’cosθw ・・・ (A2)
なお、以下では、導出される条件式等を簡略化するために、スペーサは、配管材と同等の、または、略同等の音響インピーダンスを有する材料を用いて構成されるものとするが、このような限定がない場合にも、同様の手順に従って対応する条件式を導けることは言うまでもない。
また、配管の厚みをtp、スペーサの厚みをts、配管内の超音波の伝播方向をθpとすると、下記(A3)式が成り立つ。
L=2(tp+ts)・tanθp ・・・ (A3)
(A2)、(A3)式を(A1)式に代入することによって、LおよびL’を消去すると、下記(A4)式が得られる。
(D/cosθw)≦2(tp+ts)・tanθp ・・・ (A4)
0≦θp、θw≦π/2であるので、(A4)式を整理して(A5)式が得られる。
D/(2・tanθp・cosθw)−tp≦ts ・・・ (A5)
射影の大きさL’が差分Lと一致するような、スペーサの厚みtsの設定値は、この場合におけるノイズを効果的にカットすることが可能なスペーサの厚みの最小値の目安を与えることとなる。この場合、下記(A6)式が成り立つ。
D/(2・tanθp・cosθw)−tp=ts ・・・ (A6)
なお、以上の説明では、図1において、超音波の進行方向に超音波減衰材8を設置していたが、この超音波減衰材8の代わりに、配管材と同一または略同一の音響インピーダンスを有する超音波透過材を設置してもよい。この場合、この超音波透過材の外気と接触する境界面には、その境界に達した超音波を散乱させるための凹凸が設けられていることが好ましい。
本発明の第1実施形態の超音波流量計に用いられる楔ユニットの断面図である。 スペーサの厚みを設定する様子を説明する図である。 従来のドップラー式クランプオン型超音波流量計に設けられる楔を、それがクランプオンされる配管の一部と共に示した断面図であると共に、従来技術における第1の問題点を説明する図である。 媒質1から媒質2に向かう音波が、媒質1と媒質2との境界において、反射または透過する様子を説明する図である。 配管材にステンレスを用い、配管内の流体として水を用いた場合の計算例を示す図である。 超音波振動子に超音波エコーが重なって受信される様子を説明する図である。 エコー信号が重ねあわされることでノイズが生じることを説明する図である。 従来のドップラー式クランプオン型超音波流量計に設けられる楔を、それがクランプオンされる配管の一部と共に示した断面図であると共に、従来技術における第2の問題点を説明する図である。
符号の説明
1,21,31 超音波振動子
2,22,32 楔
3,23,33 配管
4,24 流体
8 超音波減衰材
9 スペーサ

Claims (12)

  1. 流体が内部を通過する配管の外壁に設置されると共に、超音波を前記流体に入射させ、その反射波を受信して、流量の算出を行うユニットに超音波エコー信号を供給する、ドップラー式超音波流量計に用いられる楔ユニットにおいて、
    一面を前記配管の外周面の一部に設置されると共に、他面には電気信号によって前記超音波を発生させ、かつ、前記反射波を受信する超音波振動子が装着された楔と、
    前記楔と前記配管の間とに設けられるスペーサと、
    を備えることを特徴とするドップラー式超音波流量計の楔ユニット。
  2. 前記超音波振動子が設置された楔の他面の傾斜角度に応じて定まる、該超音波振動子からの超音波が前記スペーサの前記楔との接触面に作る射影の大きさが、その超音波がその接触面から入射した位置と、配管内壁での反射後にその接触面に最初に達する位置との差分を超えないように、前記スペーサの厚みを設定したことを特徴とする請求項1記載の楔ユニット。
  3. 前記射影の大きさが前記差分と一致または略一致するように、前記スペーサの厚みを設定したことを特徴とする請求項2記載の楔ユニット。
  4. 前記スペーサは、配管材と同等の、または、略同等の音響インピーダンスを有する材料を用いて構成されることを特徴とする請求項1、または、2記載の楔ユニット。
  5. 前記配管の厚みtp、前記スペーサの厚みts、配管またはスペーサ内の超音波の伝播角度θp、楔の傾斜角度θw、超音波振動子の直径Dから、下記条件式を満たすように前記スペーサの厚みを設定したことを特徴とする請求項4記載の楔ユニット。
    D/(2・tanθp・cosθw)−tp≦ts
  6. 前記配管の厚みtp、前記スペーサの厚みts、配管またはスペーサ内の超音波の伝播角度θp、楔の傾斜角度θw、超音波振動子の直径Dから、下記式を満たす、または、略満たすように前記スペーサの厚みを設定したことを特徴とする請求項4記載の楔ユニット。
    D/(2・tanθp・cosθw)−tp=ts
  7. 前記スペーサは、前記超音波の進行方向に延長され、
    超音波エコー信号へのノイズとなる超音波成分を減衰させるための超音波減衰材、をさらに備え、
    前記超音波減衰材は前記スペーサ上に設置されることを特徴とする請求項1記載の楔ユニット。
  8. 前記超音波振動子が設置された楔の他面の傾斜角度に応じて定まる、該超音波振動子からの超音波が前記スペーサの前記楔との接触面に作る射影を回避するように、前記超音波減衰材を前記スペーサ上に設置したことを特徴とする請求項7記載の楔ユニット。
  9. さらに、配管内壁での反射後に前記スペーサの接触面に最初に達する位置を含むように、超音波減衰材を前記スペーサ上に設置したことを特徴とする請求項8記載の楔ユニット。
  10. 前記超音波減衰材は、配管材より小さい音響インピーダンスを有することを特徴とする請求項7、または、8記載の楔ユニット。
  11. 前記超音波減衰材は、タングステンゴムであることを特徴とする請求項7、または、8記載の楔ユニット。
  12. 前記超音波減衰材は、配管材と同等の、または、略同等の音響インピーダンスを有する材料を用いて構成されると共に、超音波減衰材の外気と接する境界面には、凹凸が形成されていることを特徴とする請求項7、または、8記載の楔ユニット。
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