JP2005241437A - ドップラー式超音波流量計 - Google Patents
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Abstract
【課題】ドップラー式超音波流量計において、配管外面と楔間の反射による音響ノイズと超音波振動子が出す残響の影響を低減し、高精度の流量測定ができるようにする。
【解決手段】楔2と配管3の内壁までの音波の伝搬距離Lw+Lpを、音波発生源(超音波振動子)1による残響信号が減衰するまでの時間と楔材料の音速との積で計算される距離の1/2以上とするか、これに加えて楔2の材質を、音響インピーダンスが配管3の材質に近いもので構成したりすることにより、上記音響ノイズと残響の影響を低減させる。
【選択図】図1
【解決手段】楔2と配管3の内壁までの音波の伝搬距離Lw+Lpを、音波発生源(超音波振動子)1による残響信号が減衰するまでの時間と楔材料の音速との積で計算される距離の1/2以上とするか、これに加えて楔2の材質を、音響インピーダンスが配管3の材質に近いもので構成したりすることにより、上記音響ノイズと残響の影響を低減させる。
【選択図】図1
Description
この発明は、配管の外壁に超音波送受信器を設置し、配管の外側から配管内の流体へ超音波を入射させたとき、流体中の浮遊粒子や気泡などから反射される超音波の周波数がドップラー効果により変化することを利用して測定流体の流速分布を計測し、測定流体の流量を時間依存で瞬時に測定するドップラー式超音波流量計に関する。
クランプオン型超音波流量計は、管状体の外周面の一部に装着され、その管状体の内部を移動する流体の流量を、管状体の外側から測定する流量計であり、主に、伝搬時間差式とドップラー式とに分類できる。
前者の伝搬時間差式は、超音波を管状体の内部を移動する流体を斜めに横切るような経路で往復させて、超音波が往路と復路のそれぞれを伝搬するのに要する時間の差から、流体の流量を測定するものである。
前者の伝搬時間差式は、超音波を管状体の内部を移動する流体を斜めに横切るような経路で往復させて、超音波が往路と復路のそれぞれを伝搬するのに要する時間の差から、流体の流量を測定するものである。
一方、後者のドップラー式は、流体中に含まれる浮遊粒子や気泡が流体と同じ速度で移動すると仮定して、浮遊粒子などの移動速度から流体の流量を測定する。浮遊粒子などの移動速度は、流体中に超音波を送信し浮遊粒子などで反射された超音波の周波数が、ドップラー効果により変化することから、超音波の周波数を検出することにより測定するもので、例えば特許文献1や特許文献2に開示されている。
しかし、従来のものには下記のような問題がある。
図3はこれを説明するもので、図3(a)に示すような断面が円形の配管1に送受波器2を設置し、ドップラー式超音波流量計で検出した場合の流速分布の一例を図3(b)に示す。
すなわち、図3(b)に示すように、送受波器2側の管壁近傍のXnの領域には、乱れた流速分布Aが検出されることがある。これは、超音波の送受波器2内の超音波素子2aから出た超音波が、送受波器端面2b(または管1の外壁面1a)で反射し、配管内の反射体から反射された正規の超音波信号に対して大きなノイズとなり、ドップラー信号が正しく得られないためである。
図3はこれを説明するもので、図3(a)に示すような断面が円形の配管1に送受波器2を設置し、ドップラー式超音波流量計で検出した場合の流速分布の一例を図3(b)に示す。
すなわち、図3(b)に示すように、送受波器2側の管壁近傍のXnの領域には、乱れた流速分布Aが検出されることがある。これは、超音波の送受波器2内の超音波素子2aから出た超音波が、送受波器端面2b(または管1の外壁面1a)で反射し、配管内の反射体から反射された正規の超音波信号に対して大きなノイズとなり、ドップラー信号が正しく得られないためである。
このような影響は、超音波素子2aの端面と流路壁内面1bとの距離L0を小さくしたり、材質の音響インピーダンス(密度×音速)を流路内の液体と同じにすることで対処できる。しかし、このような方策を講じることは極めて困難である。
というのは、距離L0を小さくするには、超音波素子2aの直径を小さくする必要がある。しかし、直径を小さくすると超音波の出力が小さくなり、鋼鉄製の流路壁を超音波が透過できないか、あるいは透過できても散乱光の強度が弱いため受信波を受信できなくなり、管内の流速を得ることができなくなる。
というのは、距離L0を小さくするには、超音波素子2aの直径を小さくする必要がある。しかし、直径を小さくすると超音波の出力が小さくなり、鋼鉄製の流路壁を超音波が透過できないか、あるいは透過できても散乱光の強度が弱いため受信波を受信できなくなり、管内の流速を得ることができなくなる。
一方、材質の音響インピーダンスを測定対象である流体の水と同じにするには、例えば管壁に穴を明け樹脂製の窓を設置して、そこに送受波器を設置する必要があるが、このようなことは既存のポンプの流量を測定する場合には、極めて困難となる。なお、以上のことは先の特許文献2でも述べられている。
また、もう1つの原因として、超音波の送受波器2内の超音波素子2aから出た超音波は、例えば4波のパルス状の音波を送信したとしても4波では終わらず、減衰しながら少しずつ音波が送信される残響が発生する場合もあるからである。
また、もう1つの原因として、超音波の送受波器2内の超音波素子2aから出た超音波は、例えば4波のパルス状の音波を送信したとしても4波では終わらず、減衰しながら少しずつ音波が送信される残響が発生する場合もあるからである。
以上のように、従来のものは、超音波振動子から送信された音波が、配管外面と楔間の反射による音響ノイズと超音波振動子が出す残響の影響を受け、送受波器側の管壁近傍の流速分布が測定できず、配管の途中からしか流速分布を得られないため、流量の測定精度が低下するという問題がある。
したがって、この発明の課題は、上述のような音響ノイズや残響の影響を受け難くし、流量の測定精度を向上させることにある。
したがって、この発明の課題は、上述のような音響ノイズや残響の影響を受け難くし、流量の測定精度を向上させることにある。
このような課題を解決するため、請求項1の発明では、超音波発生源とこの超音波発生源と一体化され配管と接触して設置される楔とからなり超音波を送受信する超音波送受信手段と、測定流体に入射される超音波パルスの測定領域から反射される超音波エコーを受信し測定領域における測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段と、測定流体の流速分布に基づき演算処理をして半径方向の積分を行ないドップラー効果を利用して測定流体の流量を求める流量演算手段とを備えたドップラー式超音波流量計において、
前記超音波発生源の楔端面から配管内壁までの音波の伝搬距離を、前記音波発生源による残響信号が減衰するまでの時間と楔材料の音速との積で計算される距離の1/2以上とすることを特徴とする。
前記超音波発生源の楔端面から配管内壁までの音波の伝搬距離を、前記音波発生源による残響信号が減衰するまでの時間と楔材料の音速との積で計算される距離の1/2以上とすることを特徴とする。
上記請求項1の発明においては、前記楔の材質を、音響インピーダンスが配管の材質に近く音波を伝搬する材料とすることができる(請求項2の発明)。
また、請求項1または2の発明においては、前記楔の材質をポリ塩化ビニル,アクリル,FRP,ポリエチレン,テフロン(登録商標),タールエポキシ,モルタルを含む樹脂材料、またはステンレス,アルミを含む金属材料とすることができる(請求項3の発明)。
また、請求項1または2の発明においては、前記楔の材質をポリ塩化ビニル,アクリル,FRP,ポリエチレン,テフロン(登録商標),タールエポキシ,モルタルを含む樹脂材料、またはステンレス,アルミを含む金属材料とすることができる(請求項3の発明)。
この発明によれば、楔と配管の内壁までの音波の伝搬距離を、超音波振動子からの残響信号が減衰するまでの時間と楔材料の音速との積によって計算される距離の1/2以上となるようにすること、また、これに加えて音響インピーダンスが配管材質に近い材料からなる楔を用いることで、送受波器の設置側の管壁付近の流速分布が測定可能となり、その結果、流量測定精度が向上する。
図1はこの発明の実施の形態を説明するための説明図である。
図示のように、配管1の外壁面にPZT(ジルコン・チタン酸塩)などの圧電材料から作られる超音波振動子1を、例えばエポキシ系などの接着剤にて固定した楔2を取り付ける。図示は省略したが、超音波振動子1には従来と同様、ドップラー式超音波流量計が接続される。
図示のように、配管1の外壁面にPZT(ジルコン・チタン酸塩)などの圧電材料から作られる超音波振動子1を、例えばエポキシ系などの接着剤にて固定した楔2を取り付ける。図示は省略したが、超音波振動子1には従来と同様、ドップラー式超音波流量計が接続される。
ここで、超音波振動子1から出射した超音波の、楔2の端面から配管内部壁までの距離であるLw+Lpを、超音波振動子1による残響信号が減衰するまでの時間と楔材料の音速との積によって計算される距離の1/2以上とする点が特徴である。
また、楔2の材質として、音響インピーダンスが配管1の材質に近く、音波を伝搬する材質のものを用いる点も特徴で、配管1がポリ塩化ビニル配管であれば楔2にはポリ塩化ビニルやアクリル樹脂を用い、配管がステンレスであれば、楔にはステンレスやアルミなどを用いる。樹脂材料としては、上記の他繊維強化プラスチック(FRP),ポリエチレン,テフロン(登録商標),タールエポキシ,モルタルなどがある。
また、楔2の材質として、音響インピーダンスが配管1の材質に近く、音波を伝搬する材質のものを用いる点も特徴で、配管1がポリ塩化ビニル配管であれば楔2にはポリ塩化ビニルやアクリル樹脂を用い、配管がステンレスであれば、楔にはステンレスやアルミなどを用いる。樹脂材料としては、上記の他繊維強化プラスチック(FRP),ポリエチレン,テフロン(登録商標),タールエポキシ,モルタルなどがある。
図2は図1の作用を説明するモデル図である。
以上のような構成における作用について、以下に説明する。なお、流速分布の演算方法は従来と同様なので、その説明は省略する。
いま、媒質1と2における音響インピーダンスをそれぞれZ1,Z2とすると、次の(1),(2)式のように表わされる。
Z1=ρ1c1 …(1)
Z2=ρ2c2 …(2)
ρ1:媒質1の密度、ρ2:媒質2の密度、c1:媒質1の音速、c2:媒質2の音速
以上のような構成における作用について、以下に説明する。なお、流速分布の演算方法は従来と同様なので、その説明は省略する。
いま、媒質1と2における音響インピーダンスをそれぞれZ1,Z2とすると、次の(1),(2)式のように表わされる。
Z1=ρ1c1 …(1)
Z2=ρ2c2 …(2)
ρ1:媒質1の密度、ρ2:媒質2の密度、c1:媒質1の音速、c2:媒質2の音速
このとき、音圧の透過率Tpは次の(3)式、反射率Rpは次の(4)式のように表わされる。
Tp=2Z2cosθin/(Z2cosθin+Z1cosθout) …(3)
Rp=(Z2cosθin−Z1cosθref)/(Z2cosθin+
Z1cosθref) …(4)
Tp=2Z2cosθin/(Z2cosθin+Z1cosθout) …(3)
Rp=(Z2cosθin−Z1cosθref)/(Z2cosθin+
Z1cosθref) …(4)
ここで、音響インピーダンスが楔2と配管3で等しいと言うのは、Z1=Z2ということであり、透過率Tp=1で、反射率Rp=0ということである。これにより、音波の伝搬において反射ノイズが低減されることとなる。
また、超音波振動子で発生する残響は、残響が発生している間は、楔または配管の内壁を超音波が通過中であり、残響が減衰し収まった段階で、楔を設置している側の配管内壁近傍の超音波エコーの受信が始まる。そのため、配管内壁近傍の超音波エコーも反射ノイズの影響を受けることがないため、正常に流速分布の計測が可能になる。このように、配管内部の流速分布について径方向全部の測定ができるため、正確な流量測定が可能となる。
また、超音波振動子で発生する残響は、残響が発生している間は、楔または配管の内壁を超音波が通過中であり、残響が減衰し収まった段階で、楔を設置している側の配管内壁近傍の超音波エコーの受信が始まる。そのため、配管内壁近傍の超音波エコーも反射ノイズの影響を受けることがないため、正常に流速分布の計測が可能になる。このように、配管内部の流速分布について径方向全部の測定ができるため、正確な流量測定が可能となる。
1…超音波振動子、2…楔、3…配管、4…流体。
Claims (3)
- 超音波発生源とこの超音波発生源と一体化され配管と接触して設置される楔とからなり
超音波を送受信する超音波送受信手段と、測定流体に入射される超音波パルスの測定領域から反射される超音波エコーを受信し測定領域における測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段と、測定流体の流速分布に基づき演算処理をして半径方向の積分を行ないドップラー効果を利用して測定流体の流量を求める流量演算手段とを備えたドップラー式超音波流量計において、
前記超音波発生源の楔端面から配管内壁までの音波の伝搬距離を、前記音波発生源による残響信号が減衰するまでの時間と楔材料の音速との積で計算される距離の1/2以上とすることを特徴とするドップラー式超音波流量計。 - 前記楔の材質を、音響インピーダンスが配管の材質に近く音波を伝搬する材料とすることを特徴とする請求項1に記載のドップラー式超音波流量計。
- 前記楔の材質をポリ塩化ビニル,アクリル,FRP,ポリエチレン,テフロン(登録商標),タールエポキシ,モルタルを含む樹脂材料、またはステンレス,アルミを含む金属材料とすることを特徴とする請求項1または2に記載のドップラー式超音波流量計。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004051617A JP2005241437A (ja) | 2004-02-26 | 2004-02-26 | ドップラー式超音波流量計 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112654843A (zh) * | 2019-02-05 | 2021-04-13 | 欧姆龙株式会社 | 流量测定装置 |
-
2004
- 2004-02-26 JP JP2004051617A patent/JP2005241437A/ja active Pending
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