JP2005351398A - サイレントチエーンの潤滑構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 サイレントチエーンの潤滑構造であって、サイレントチエーンの走行駆動により発生する遠心力を利用して潤滑油を導油部に導いてそこからサイレントチエーンの被潤滑部に給油することができる共に導油部内に導かれた潤滑油の一部を貯油部に滞留させて被潤滑部に途切れることなく給油して、サイレントチエーンの潤滑能率が高めることができる。
【解決手段】 サイレントチエーン7の歯付きリンクプレート20Aの側面に潤滑油を導く導油部30Aと、潤滑油を貯溜する貯油部30Bよりなり凹溝30を形成し、導油部30Aは、スプロケットの歯側に開口され、かつピン孔にに臨んでおり、貯油部30Bは、ピン孔hに対してスプロケットの歯側と反対側に形成され、導油部30A内に導かれた潤滑油を貯溜させ、かつピン孔hに臨んでいる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、駆動軸に固定される駆動スプロケットと、被動軸に固定される被動スプロケット間に懸回されて、駆動軸から被動軸に回転力を伝達するサイレントチエーンの潤滑構造に関するものである。
たとえば、自動車用の4サイクルエンジンでは、クランク軸の回転力を、動弁機構の動弁軸に伝達するための調時伝動機構としてチエーン伝動機構が採用されるが、かかるチエーン伝動機構の、クランク軸側の駆動スプロケットと、動弁軸側の被動スプロケットとの間に懸回される無端状サイレントチエーンには、その円滑な作動を保障し、かつその耐久性を高めるために、そこに潤滑油を噴射して強制潤滑することが一般に行われている。
ところで、前記サイレントチエーンは、重ね合わされる複数枚の歯付きリンクプレートを連結ピンにより連結して構成され、それらの間に隙間がないため、強制給油してもサイレントチエーンの全域に潤滑油がいきわたらずに潤滑不良を生起して、その摩耗や伸びが発生するという不都合がある。
そこで、後記特許文献1に開示されるように、隣り合う歯付きリンクプレートの向き合う側面に、歯付きリンクプレートの外周縁からピン孔に向かってのびる油導通用の凹部を設け、チエーンに吹き付けられた潤滑油をその凹部をへてリンクプレートを連結する連結ピンと歯付きリンクプレートとの接触部へ給油して、連結ピンの軸受部への給油を行うようにしたものが既に提案されている。
実開昭59−54248号公報
ところが、特許文献1に開示されるものでは、歯付きリンクプレートの側面に油導通用の凹部を設けただけなので、サイレントチエーンの作動中、その凹部には、潤滑油を貯油させておくことが難しく、サイレントチエーンがスプロケットから離れたときに、給油不足を生じるという問題がある。
本発明はかかる実情に鑑みてなされたものであり、隣り合う歯付きリンクプレートの互いに向かい合う面に、潤滑油を導く導油部および潤滑油を貯油しておく貯油部を設けた凹溝を設け、サイレントチエーンの作動中に、そこに働く遠心力を利用して潤滑油を導油部に積極的に導くと共に潤滑油を貯油部に留おくようにして、サイレントチエーンの被潤滑部に十分な潤滑油を供給し、前記問題を解決できるようにした、新規なサイレントチエーンの潤滑構造を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するため、本請求項1記載の発明は、スプロケットの歯と噛み合う側に歯部を形成すると共に両側端に連結ピンの挿入される一対のピン孔を穿設してなる複数の歯付きリンクプレートを重ね合わせて、それらを連結ピンにより連結してなるサイレントチエーンの潤滑構造であって、歯付きリンクプレートの少なくとも一方の側面に凹溝を形成し、この凹溝は潤滑油を導くための導油部と、この導油部に連通してその潤滑油を貯溜するための貯油部とよりなり、前記導油部は、潤滑油を導入すべく前記スプロケットの歯側に開口され、かつ潤滑油を前記一対のピン孔に供給すべく、それらのピン孔に臨んでおり、また、前記貯油部は、一対のピン孔に対してスプロケットの歯側と反対側に形成され、前記導油部内に導かれた潤滑油を貯溜させると共にその潤滑油を一対のピン孔に供給すべくそれらのピン孔に臨んでいることを特徴としている。
また、前記目的を達成するため、本請求項2記載の発明は、前記請求項1記載のものにおいて、前記導油部には、そのスプロケットの歯と噛み合う部位に補強リブが形成され、この補強リブと連結ピンとの間に、導油部と前記貯油部とを連通する流通路が形成されることを特徴としている。
さらに、前記目的を達成するため、本請求項3記載の発明は、前記請求項1、または2記載のものにおいて、前記貯油部は前記導油部の入口側と対向する衝き当り壁を有し、この衝き当り壁は一対のピン孔間の中間部から各ピン孔の周縁のスプロケットの歯と反対側に向かって上り勾配に傾斜する傾斜面に形成され、この傾斜面とピン孔の周縁との間に、油滞留部が形成されることを特徴としている。
本請求項1記載の発明によれば、歯付きリンクプレートの少なくとも一方の側面に凹溝を形成し、この凹溝に導油部と、これに連通する貯油部を形成したので、サイレントチエーンの走行駆動により発生する遠心力を利用して潤滑油を導油部に導いてそこから連結ピンの軸受部などの被潤滑部に給油することができる共に導油部内に導かれた潤滑油の一部を貯油部に滞留させて、サイレントチエーンが、スプロケットから離れてもその貯溜潤滑油をサイレントチエーンの前記被潤滑部に途切れることなく給油することができ、サイレントチエーン7の潤滑能率が高めることができる。
また、本請求項2記載の発明によれば、導油部には、スプロケットの歯と噛み合う部位に補強リブが形成され、この補強リブと連結ピンとの間に、導油部と貯油部とを連通する流通路が形成されるので、歯付きリンクプレートのスプロケットと噛み合う部位の剛性を高めることでき、歯付きリンクプレートに凹溝を形成したことによる該プレートの剛性低下を抑制できる。
さらに、本請求項3記載の発明によれば、貯油部は導油部の入口側と対向する衝き当り壁を有し、この衝き当り壁は一対のピン孔間の中間部から各ピン孔の周縁に向かって上り勾配に傾斜する傾斜面に形成され、この傾斜面とピン孔の周縁との間に、油滞留部が形成されるので、貯油部からの潤滑油の抜け出し抑制効果が一層顕著になり、さらに、歯付きリンクプレートに凹溝を形成したことによる該プレートの剛性低下を抑制できる。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に例示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
まず、図1〜8を参照して本発明の第1実施例について説明する。
第1実施例は、本発明サイレントチエーンの潤滑構造を、自動車用4サイクルエンジンの動弁機構に実施した場合であって、図1は、4サイクルエンジンの動弁機構部分の正面図、図2は、図1の2矢視仮想線囲い部分の拡大図、図3は、図2の3矢視図、図4は、図2の4−4線に沿う拡大断面図、図5は、サイレントチエーンの分解斜視図、図6は、図5の6矢視図、図7は、図6の7−7線に沿う断面図、図8は、図6の8−8線に沿う断面図である。
図1において、全体を符号Eで示す自動車用のDOHC型4サイクルエンジンのエンジン本体1にそれぞれ回転自在に支持されるクランク軸2および一対の動弁軸3,3は、調時伝動機構Tを介して連動連結される。この調時伝動機構Tは、クランク軸2に固定される駆動スプロケット4と、一対の動弁軸3,3にそれぞれ固定される被動スプロケット5,5と、駆動スプロケット4と被動スプロケット5,5間に懸回される無端状サイレントチエーン7とより構成され、クランク軸2が、図1、時計方向の駆動されるとき、一対の動弁軸3,3はサイレントチエーン7を介して同方向に1/2の減速比をもって駆動される。サイレントチエーン7の緩み側の外側には、弓形のテンショナーアーム8が支軸9周りに揺動可能に設けられ、エンジン本体1に設けたテンショナー10の作動により、テンショナーアーム8は、無端状サイレントチエーン7の緩み側に圧接されて、該チエーン7に所定の張力が付与される。また、サイレントチエーン7の張り側の外面には、エンジン本体1に設けたチエーンガイド11が設けられる。
また、図1において、クランク軸2の近くでサイレントチエーン7の噛込側には、潤滑油の噴射ジェット12が配設され、このジェット12から噴射される潤滑油は、サイレントチエーン7に噴射されて、該チエーン7に強制給油される。
つぎに、本発明にかかる潤滑構造を備えた、前記無端状サイレントチエーン7の構造を図2〜8を参照して詳細に説明する。
このサイレントチエーン7は、3〜5に示すように、隣り合って並列される一方の組のリンクプレート群R1を構成する3枚の歯付きリンクプレート20A,20B,20Aと、これらの一方の組のリンクプレートR1群と一部が重なり合うようにして隣り合って並列される他方の組のリンクプレート群R2を構成する2枚の歯付きリンクプレート21A,21Aと、一方の組のリンクプレート群R1の外側の歯付きリンクプレート20A,20Aの外面にそれぞれ向かい合う一対のガイドリンクプレート22,22と、それらのリンクプレート20A,20B,21A,22を連結する複数の連結ピン25とより構成される。
図5に示すように、一方および他方の組のリンクプレート群R1,R2の各歯付きリンクプレート20A、20B、21Aは、いずれも同形状に形成されており、すなわち、サイレントチエーン7の走行駆動方向に長い梯形状に形成され、その長手方向の一辺(スプロケット側)の両側端に、駆動および被動スプロケット4,5の歯4T,5Tと噛合する一対の歯部t,tが対称的に形成され、さらに、その長手方向の両側に、連結ピン25が回動自在に挿入される一対のピン孔h,hが対称的に穿設されている。
一方、図5に示すように、一対のガイドリンクプレート22,22も、サイレントチエーン7の走行駆動方向に長い梯形状に形成されるが、これらのガイドリンクプレート22,22は、その長手方向の一辺(スプロケット側)はフラット(スプロケットの歯と係合する歯部tを有せず)に形成され、その両側に連結ピン25の圧入固定されるピン孔h′,h′が穿設される。このピン孔h′は、一方および他方の組R1,R2の各歯付きリンクプレート20A、20B,21Aに穿設されるピン孔hよりも小径(連結ピン25が圧入固定されるほどの締め代を有する)に形成されている。
図3〜5に示すように、前記一方の組のリンクプレート群R1は、2枚の外側の歯付きリンクプレート20A,20Aと、1枚の内側の歯付きリンクプレート20Bより構成され、外側の歯付きリンクプレート20A,20Aの両面および内側の歯付きリンクプレート20Bの片面には、それぞれ同じ凹溝30が形成されている。
つぎに、この凹溝30の構造を、図6〜8を参照して、外側の歯付きリンクプレート20Aの両面に形成した凹溝30(内側の歯付きリンクプレート20Bの片面に形成した凹溝30も同じ)の構造について説明する。
図5,6に最も明瞭に示すように、前記凹溝30は、潤滑油の導かれる導油部30Aと、これに連通する貯油部30Bとよりなり、導油部30Aは一対の歯部t,t側に向けて開放されると共に一対のピン孔h,hに臨んでおり、後に述べるように、この導油部30A内には、サイレントチエーン7の走行作動時に発生する遠心力により潤滑油が導入され、そこから一対のピン孔h,hに向けて給油されるようにされている。また、前記貯油部30Bは、一対のピン孔h,hに対して歯部t,tと反対側に形成されており、導油部30Aの入口と対向する衝き当り壁30Wを有して一対のピン孔h,hに臨んでいる。そして、導油部30Aに導かれた潤滑油の一部は貯油部30Bに一旦貯溜されたのち、衝き当り壁30Wによりガイドされて一対のピン孔h,hに給油されるようにされている。
図3に示すように、互いに隣り合う2枚の歯付きリンクプレート21A,21Aよりなる他方の組のリンクプレート群R2の、各歯付きリンクプレート21Aは、一方の組のリンクプレート群R1の内側の歯付きリンクプレート20Bと略同じ厚さに形成され、それと同じに形成されるが、前記凹溝30を有しない。
一方の組のリンクプレート群R1、他方の組のリンクプレート群R2、ガイドリンクプレート22,22および連結ピン25よりなるサイレントチエーン7は、図2〜4に示すように組み付けられる。すなわち、隣り合う一方の組の外、内側の歯付きリンクプレート20A,20B間に、他方の組のリンクプレート群R2の歯付きリンクプレート21Aをそれぞれ重なり合うように挿入する。これにより、他方の組のリンクプレート群R2の歯付きリンクプレート21A,21Aの両側面は、一方の組のリンクプレート群R1の外、内側の歯付きリンクプレート20A,20Bの側面に摺接して、それらの歯付きリンクプレート20A,20Bに形成される凹溝30の開放面の一部を覆う。一方の組のリンクプレート群R1の2枚の外側の歯付きリンクプレート20A,20Aの外側面には、ガイドリンクプレート22,22がそれぞれ重ね合わされる。同一軸線上に一致する、一方の組のリンクプレート群R1、他方の組のリンクプレート群R2およびガイドリンクプレート22,22のピン孔h,h′には、連結ピン25が挿入され、この連結ピン25の両端は、2枚のガイドリンクプレート22,22のピン孔h′,h′に圧入固定される。以上により、サイレントチエーン7は組み付けられる。
なお、連結ピン25のガイドリンクプレート22のピン孔h′への固定手段としては、前記圧入の外、かしめ、割りピン連結など通常の固定手段に代えてもよい。
サイレントチエーン7を、スプロケット4(5)の歯4T(5T)に組み付けるには、図2〜4に示すように、一方の組および他方の組のリンクプレート群R1,R2の歯付きリンクプレート20A,20B,21Aの歯部tを、スプロケット4(5)の歯4T(5T)に噛み合わせ、また、一対の外側のガイドリンクプレート22,22を、スプロケット4(5)の外周部の両外側面に当接させる。スプロケット4(5)の回転によれば、サイレントチエーン7は、一対のガイドリンクプレート22,22により案内されて、所定の軌道に沿って走行駆動される。
ところで、サイレントチエーン7の走行駆動時には、図1に示すように、そのサイレントチエーン7とスプロケット4(5)との噛み合い部に、噴射ジェット12からの潤滑油が強制給油される。このとき、その潤滑油は、サイレントチエーン7の走行駆動により発生する遠心力をうけて、該サイレントチエーン7の被潤滑部へと供給される。すなわち、スプロケット4(5)からサイレントチエーン7に供給された潤滑油は、前記遠心力に助勢され、図6矢印に示すように、歯付きリンクプレート20Aに形成した凹溝30に導入される。凹溝30内の潤滑油は、導油部30Aより連結ピン25の軸受部および歯付きリンクプレート20A,20B,21Aおよびガイドリンクプレート22同士の摺接面に給油される。また、導油部30A内に導かれた潤滑油の一部は、貯油部30Bに流入してそこに滞留され、サイレントチエーン7が、スプロケット4(5)から離れれてもそこに貯溜されている潤滑油を連結ピン25の軸受部および歯付きおよびガイドリンクプレート同士の摺接面に途切れることなく給油することができ、その結果、サイレントチエーン7の潤滑能率が高められる。
つぎに、図9〜11を参照して、前記第1実施例の第1変型例について説明する。
図9〜11は、第1実施例の図6〜8に対応する図であり、図9は歯付きリンクプレートの正面図、図10は、図9の10矢視図、図11は、図9の11−11線に沿う断面図であり、図中、前記第1実施例のものと同じ要素には、同じ符号が付される。
この第1変型例は、歯付きリンクプレート20A(20B)に形成される凹溝30の構造が前記第1実施例のものと異なっている。歯付きリンクプレート20Aの側面に形成される凹溝30の導油部30Aの入口、すなわち一対の歯部t,t間の谷部には、円弧状の補強リブ30Rが、その端縁に沿って一体に形成される。この補強リブ30Rは、凹溝30の導油部30Aの、スプロケット4(5)の歯4T(5T)と接触する部位を補強することができ、この凹溝30を形成したことによる歯付きリンクプレート20Aの剛性低下を抑えることができる。また、図9に示すように、凹溝30の導油部30Aには、前記補強リブ30Rとピン孔h(連結ピン25)との間に狭搾された潤滑油の流通路30Pを形成することができ、これにより、貯油部30Bに貯溜された潤滑油の抜け出しを抑制することができる。
つぎに、図12,13を参照して、前記第1実施例の第2変型例について説明する。
図12,13は、第1実施例の図6,8に対応する図であり、図12は、歯付きリンクプレートの正面図、図13は、図12の13−13線に沿う断面図であり、図中、前記第1実施例のものと同じ要素には、同じ符号がふされる。
この第2変型例は、前記第1変型例のものに、さらに凹溝30の貯油部30Bの構造を変型したものであり、すなわち、導油部30Aの入口と対向する貯油部30Bの衝き当り壁30Wは、ピン孔h(連結ピン25)の周縁に沿うように、貯油部30の中央部側からピン孔h側に向けて傾斜する上り勾配の傾斜面に形成される。これにより、貯油部30Bには、一対のピン孔hの周縁に向かって通路断面積が漸減する油滞留部30Hがそれぞれ形成される。そして、この油滞留部30Hでは、潤滑油の抜け出しが効果的に抑制されて、サイレントチエーン7がスプロケット4(5)から離れても、貯油部30Bに滞留される潤滑油で連結ピン25の軸受部などの被潤滑部を能率よく潤滑することができ、さらに歯付きリンクプレート20A,20Bの剛性低下を抑制できる。
つぎに、図14,15を参照して本発明の第2実施例について説明する。
図14は、本発明の潤滑構造を備えたサイレントチエーンの一部の正面図、図15は、サイレントチエーンの分解斜視図であり、図中、前記第1実施例のものと同じ要素には同じ符号が付される。
この第2実施例のものは、一方の組のリンクプレート群R1と、他方の組のリンクプレート群R2の組み付け方が、前記第1実施例のものと異なっており、歯付きリンクプレートに形成される潤滑用の凹溝30は、前記第1実施例、またはその第1あるいは第2変型例と同じ構造である。
一方の組のリンクプレートR1は、2枚の歯付きリンクプレート20B,20B(片面に凹溝30)を重ね合わせてなる2組の複合リンクプレートよりなり、また、他方の組のリンクプレートR2は、2枚の歯付きリンクプレート21B,21B(片面に凹溝30)を重ね合わせてなる1組の複合リンクプレートよりなる。他方の組の複合リンクプレート21B,21Bは、一方の組の複合リンクプレート20B,20B間に重ね合わされて、それらは連結ピン25により連結される。
各複合リンクプレートを構成する2枚の歯付きリンクプレート20B,20B;21B,21Bの相互に向き合う側面には、いずれも凹溝30が形成される。
しかして、この第2実施例のものも前記第1実施例のものと同じ作用効果を奏する。
なお、この第2実施例において、複合リンクプレートの互いに向かい合う側面のいずれか一方に凹溝30を設けてもよい。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はその実施例に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。
たとえば、一方の組のリンクプレートおよび他方の組のリンクプレートをさらに多数枚重ね合わせてもよい。
4サイクルエンジンの動弁機構部分の正面図(第1実施例) 図1の2矢視仮想線囲い部分の拡大図(第1実施例) 図2の3矢視図(第1実施例) 図2の4−4線に沿う拡大断面図(第1実施例) サイレントチエーンの分解斜視図(第1実施例) 図5の6矢視図(第1実施例)(第1実施例) 図6の7−7線に沿う断面図(第1実施例) 図6の8−8線に沿う断面図(第1実施例) 歯付きリンクプレートの正面図(第1変型例) 図9の10矢視図(第1変型例) 図9の11−11線に沿う断面図(第1変型例) 歯付きリンクプレートの正面図(第2変型例) 図12の13−13線に沿う断面図(第2変型例) サイレントチエーンの一部の正面図(第2実施例) サイレントチエーンの分解斜視図(第2実施例)
符号の説明
4・・・・・・・・・スプロケット(駆動スプロケット)
4T・・・・・・・・歯
5・・・・・・・・・スプロケット(被動スプロケット)
5T・・・・・・・・歯
20A・・・・・・・歯付きリンクプレート
20B・・・・・・・歯付きリンクプレート
21A・・・・・・・歯付きリンクプレート
21B・・・・・・・歯付きリンクプレート
t・・・・・・・・・歯部
25・・・・・・・・連結ピン
h・・・・・・・・・ピン孔
30・・・・・・・・凹溝
30A・・・・・・・導油部
30B・・・・・・・貯油部
30H・・・・・・・油滞留部
20P・・・・・・・流通路
30R・・・・・・・補強リブ
30W・・・・・・・衝き当り壁

Claims (3)

  1. スプロケット(4;5)の歯(4T;5T)と噛み合う側に歯部(t)を形成すると共に両側端に連結ピン(25)の挿入される一対のピン孔(h)を穿設してなる複数の歯付きリンクプレート(20A,20B;21A,21B)を重ね合わせて、それらを連結ピン(25)により連結してなるサイレントチエーンの潤滑構造であって、
    歯付きリンクプレート(20A,20B;21A,21B)の少なくとも一方の側面に凹溝(30)を形成し、この凹溝(30)は潤滑油を導くための導油部(30A)と、この導油部(30A)に連通してその潤滑油を貯溜するための貯油部(30B)とよりなり、
    前記導油部(30A)は、潤滑油を導入すべく前記スプロケット(4;5)の歯(4T;5T)側に開口され、かつ潤滑油を前記一対のピン孔(h)に供給すべく、それらのピン孔(h)に臨んでおり、
    また、前記貯油部(30B)は、一対のピン孔(h)に対してスプロケット(4;5)の歯(4T;5T)側と反対側に形成され、前記導油部(30A)内に導かれた潤滑油を貯溜させると共にその潤滑油を一対のピン孔(h)に供給すべくそれらのピン孔(h)に臨んでいることを特徴とする、サイレントチエーンの潤滑構造。
  2. 前記導油部(30A)には、そのスプロケット(4;5)の歯(4T;5T)と噛み合う部位に補強リブ(30R)が形成され、この補強リブ(30R)と連結ピン(25)との間に、導油部(30A)と前記貯油部(30B)とを連通する流通路(30P)が形成されることを特徴とする、前記請求項1記載のサイレントチエーンの潤滑構造。
  3. 前記貯油部(30B)は、前記導油部(30A)の入口側と対向する衝当り壁(30W)を有し、この衝き当り壁(30W)は一対のピン孔(h)間の中間部から各ピン孔(h)の周縁のスプロケット(4;5)の歯(4T;5T)側と反対側に向かって上り勾配に傾斜する傾斜面に形成され、この傾斜面とピン孔(h)の周縁との間に、油滞留部(30H)が形成されることを特徴とする、前記請求項1、または2記載のサイレントチエーンの潤滑構造。

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